連載記事:シリーズ・モンスターワイフ
夫を生かすも殺すも妻次第? 愛され妻の「褒め力」と「笑顔力」【シリーズ・モンスターワイフ 第9回】
前回は、夫婦間の問題改善に何よりも大切なのは、お互いの考え、気持ち、要望を理解すること。「モンスターワイフ」から「愛され妻」に変身していくためには、夫の要望を叶える最大公約数的なテクニックをお伝えしました。
今回は、さらに凝り固まった夫婦関係をもみほぐすための「愛され妻の褒め力・笑顔力」についてご紹介しましょう。
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■愛され妻がやっている「夫褒めテクニック」
「人間は褒められれば伸びる」。教育の分野では耳にタコができるほど聞く言葉です。これは夫婦関係においてもまた然り。誰だって褒められたいものではありませんか。
自分がして欲しいことは、相手もして欲しいことです。
褒められてうれしくなった相手は、確実に良い方向に変わっていきます。とはいえ、一度冷え固まった夫婦において、今さら褒めるとか、笑顔で話しかけるなど至難の業。わざとらしいと思われるのではないか? と二の足を踏んでしまうでしょう。
しかし、たとえわざとらしくても、それでも相手に向き合う行動にギアチェンジしなければ、何も変わらないどころか夫婦仲はますます悪化。モンスター度数は沸騰点に向かって上昇するのみです。
セックスレス改善にも「今さら…」とう言い訳をするな! と私は相談者にレクチャーしています。モンスター度数を下げるために「今さら…」は禁句。褒める場合は、具体的に集中して褒めましょう。
「晴れてる休日に、お布団をベランダに干してくれるとすっごく助かるの。腰の調子が悪いから、本当にうれしい。家族3人分の敷布団を運ぶとかなりつらいけど大丈夫? フカフカの布団は気持ち良いもんね。ありがとう」
こんな具合に、何をしてもらってどううれしかったかを言葉に出すと、かなり相手の心を揺さぶります。ほかにも「お風呂上がりにバスタブをきれいに流しておいてくれてありがとう」など、相手の行動を言葉にしてみましょう。
面倒くさがらない、言葉を惜しまない、「今さら」という気持ちをを封印することが肝心です。
具体的に褒めることが、相手にプラスの影響を及ぼし、その影響が巡り巡って自分に返ってくるという好循環が生まれます。これを、夫婦の間に確立しなければなりません。
夫婦仲を改善するには、相手を自分の希望通りに変えようとするのは間違い。自分自身が変わらなければ、相手も変わりようがないと腹をくくることが必須です。妻の傲慢(ごうまん)ではなく、妻の行動によって夫を変えることができる唯一の方法が、「夫を褒める」ことなのです。
夫を褒めるには、まず「褒めポイント」を見つけるために、夫を注意深く観察することが不可欠。夫婦仲がうまくいかないケースの多くは、相手を見ているようで実は全く見ていないことが原因です。
夫を褒めるためのプロセスには、「夫に関する無知」というモンスターの卵を排除する手段も含まれているのです。ここでは「夫だって私のこと全くわかってない!」という反論はしません。反論し始めると、さらにややこしくなってしまうので、反論モンスターは封印。
今はただ、妻側のモンスターを退治して夫婦関係を円滑にすることに注力しましょう。