電車内で体液をかけた男性が「器物損壊」容疑で逮捕…なぜ公然わいせつ罪じゃない?
で逮捕するという理由があるでしょう。
捜査の結果、強制わいせつ罪に切り替えることもありますし、強制わいせつ罪は成立するけれど今回は器物損壊罪のみで処分・処罰をするという判断がなされることもあります。
■その他想定される疑問への回答
(1)公然わいせつ罪にはならないの?
成立し得ますが、公然わいせつ罪の規定はわいせつなものを見せられる人や健全な性秩序・精神的社会環境を保護していると解釈されているので、被害女性の観点からすると公然わいせつ罪で処罰することはなじまないといえるかもしれませんね。
なお、公共の場で性器を露出した上で行う犯行態様であれば当然に公然わいせつ罪が成立します。
(2)本人が「わいせつ傾向(性的意図)」を否定していたらわいせつ罪にはならないの?
わいせつ傾向などの人の内心は、本人の外部的行動や客観的証拠から推測・認定できますので、本人の自白がなければ各種わいせつ罪で有罪にできないわけではありません。
(3)器物損壊罪と強制わいせつ罪が成立した場合、それぞれの刑で処罰されるの?
精液をかけるというひとつの行為が両方の罪に当たるときは、法定刑が重いほうの強制わいせつ罪の範囲で刑が言い渡されます(観念的競合といいます)。