Be inspired!がお届けする新着記事一覧 (18/30)
All photos by Misa Kusakabe ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「音楽が好きすぎて社会問題に興味を持った」。今、現役女子大生が同世代に伝えたいこと。 社会問題について話すのは「意識高い系」「真面目」など、少しハードルが高いと感じる人は少なくないのではないだろうか。また、どうしても「自分ごととして考えるのが難しい」と思う人もい...
2017年05月29日All photos by Tomofumi UsaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「恥をかくのは普通。気にしないで飛び込んで」。独学で映画、音楽、VRを学んだ弱冠20歳の彼女が“日本の若者”に伝えたいこと。 アメリカ、ロサンゼルスを拠点とするKayla Briët (ケイラ・ブリエット)は自信とポジティブなエネルギーに満ち溢れた多才な20歳。映画、音楽、VR(バーチャル・リアリティ...
2017年05月29日アメリカ、ロサンゼルスを拠点とするKayla Briët (ケイラ・ブリエット)は自信とポジティブなエネルギーに満ち溢れた多才な20歳。映画、音楽、VR(バーチャル・リアリティ)などのテクノロジーの学問…実に多方面で活躍している。 趣味も中途半端にしかできない筆者としては、ケイラの様々な分野を極めるそのバイタリティーには驚きを隠せなかった。生まれつきの才能の違いかな、とふてくされてしまうところだったが、海外でも人気をみせるネオ東京・歌謡曲のパイオニアサテライトヤングのPV撮影のために来日中の彼女が成功の秘訣をBe inspired!に教えてくれた。基本DIY。必要なことはインターネットで勉強するデジタルネイティブ弱冠20歳で映画、音楽、科学教育…と様々な面で成功しているが、驚くことに英才教育を受けたわけではない。 私の家にはあまりお金がなかった。両親も子供時代に完璧なサポートを受けて育ったわけじゃなかったの。両親は私のことを18歳のときに産んだからとても若かったんだけど、お金はなくても常に私をサポートして応援してくれた。だから今は自信を持っていろんなことに取り組めるんだと思う物質や教育に恵まれた環境にはいなかったから、知りたいことは全てインターネットで学んだそうだ。コンピューターのコーディングも、ライブで使うおばあちゃんからもらった楽器の演奏の仕方も、映画の作り方も、全てよくあるネットのチュートリアルビデオでコツコツ勉強したという。 SNS中毒などが懸念されるデジタルネイティブだが、ケイラはインターネットに精通した幼少期を最大限に活用したいい例かもしれない。何をやってても目的は一つ。信念と一貫性のある活動ネイティブアメリカンの歴史はヨーロッパから“開拓者”がやってきて以来迫害の歴史でもあり、差別は今もなお続く。北米に暮らしていた部族たちはアメリカ政府によって保留地に押し込められ、伝統的な生き方を奪われた。そして性的暴行、家庭内暴力、アル中、自殺…現在も彼らのコミュニティにはたくさんの問題が残る。プレーリー・バンド・ポタワトミ族の中で流暢にかれらの言語を話せる人もあと一握り。若い世代が学ばなければ彼らは「透明」になってしまう。 ケイラはこの悲惨な状況を映画を通してダンスや音楽など誰もが理解できるポジティブな「ストーリー」で世界に語りかけることにした。目を背けたくなるような悲しい事実を観客に突きつけるのも議論をうむ方法ではあるが、彼女の目的は「オープンな会話」を作り出すことだったため、コミュニティに明るいスポットライトを当てたそうだ。新しいことに挑戦するのには勇気がいる。次々と新しい世界に飛び込むケイラには自信があると、会話してみるとすぐに伝わってくる。でも昔からそうだったわけではないそうだ。彼女はアートに出会って、自己表現の方法を見つけて変わった。 芸術や音楽に出会って世界を生み出せるようになった。自分の存在よりも大きな世界を。私は誰かに勇気を与えられるようなものを作れたなら内側から美しいと感じれるの。子どもの頃はすごく変な子だったのに変わったと思うよ(笑)子どもの頃自信を持てなかったのは、多文化なバックグラウンドが影響していたという。学校の子どもはみんなヨーロッパ系のアメリカ人。中国とオランダとインドネシアのミックスの母とネイティブアメリカンの父を持つケイラは白人ばかりの学校では「普通」ではなかった。 自信を持てなかったのは、どのコミュニティにも属せていないって感じていたのが原因の一つだったかも。中国人のおばあちゃんに餃子の作り方を教えてもらった次の週はパウワウダンス(ネイティブアメリカンの伝統的なダンス)を踊ってたり…「学校では目立つな」って教わるでしょ。だからだんだん自分が人と違うことを恥ずかしく思うようになっていった。どんな若者も経験すると思うけど、自分の殻に閉じこもった時期もあった。でも音楽を見つけて、抜け出せた一見華やかに成功しているケイラだが、必ずしも恵まれた環境で育ったわけではない。今回のインタビューを通して、彼女はひたすら努力をしたから成功したことが分かった。彼女は単純に強いのではなくて、怖くても失敗を恐れずに挑戦し続けているのだ。なんだが勇気がもらえた。 次に何かを始めるときは恥をかくことは当たり前だと思って飛び込もうかな、なんてインタビューが終わった後に素直に思えた。***Kayla BriëtHP: that Travels (2016):音楽:『Odyssey』
2017年05月29日イギリスの中西部マンチェスターで行われたアメリカの歌手アリアナ・グランデのコンサート会場で5月22日夜(現地時間)に爆発が起き、8歳の子供を含む22人が犠牲となり、120人が負傷しているという情報が発表されている。(5月26日現在、参照元:Manchester Evening News)この事件に伴い、アリーナの近くにあるマンチェスター・ヴィクトリア駅が閉鎖され、コンサート会場から帰るはずだった多くの人が足止めされたという。(参照元:ABC News)そこで現地の人々が出た行動とは?足止めされた人へ部屋を提供するムーブメントヨーロッパ最大のアリーナ施設「マンチェスター・アリーナ」で事件は起きた。(参照元:Manchester Arena)これによる主要駅の閉鎖を受けて、帰れなくなった大勢の人々を助けたのはマンチェスターの市民だった。爆発事件の報道と駅の閉鎖のニュースを聞いた市民らは、「#RoomForManchester(マンチェスターに部屋)」というハッシュタグを付けた投稿をSNSに流し、帰れなくなった人たちが暖かくして休める場所を提供しようと努めた。そして個人宅以外にも、近隣のホテルが泊まる部屋を貸していたようだ。(参照元:GOOD)
2017年05月28日子どもの頃、初めて自転車に乗れるようになった時の気持ちを覚えているだろうか?何度も転んで、でも諦めずに挑戦し続けて一人で乗れるようになった時の気持ちを。行ける場所が無限大になったような気がして、自由になった感覚を。 オーストラリアのメルボルンに存在する企業GOOD CYCLES(グッド・サイクルズ)は経済的に恵まれていない人や、精神病を抱える人、または難民などなんらかの理由で困難に直面する人々の人生を、自転車を通して変えている。
2017年05月26日スマホを見るたび何度チェックしても次から次へとネットのニュースは流れてくる。ニュースだけではない。SNSで知り合いや友人が発信する情報も収まるところを知らない。そんな情報が溢れに溢れた時代を、あなたはどんな気持ちで見ているだろうか。「もうニュースなんてない」時代。ロンドンを拠点とする映像制作者Joseph Ernst(ジョセフ・エルンスト)を中心に、ヨーロッパで活動するクリエイターらで構成されたアート集団の「SIDELINE COLLECTIVE(サイドライン・コレクティブ)」は、中身がすべて白紙の新聞の『NOTHING IN THE NEWS(ニュースは何もない)』という作品を発表した。
2017年05月26日電車の中で見かける週刊誌の吊り広告ようなフライヤーデザインが目を引く、東京の最先端カルチャーイベント「Making-Love Club」。感度の高いユース世代に向けたカルチャーコンテンツを魅せるだけでなく、カルチャーと密接な関係にありながら話題にされにくい「セックス」や「政治」についてざっくばらんにトークセッションを行うのが本イベントの特徴であり、唯一無二の価値だ。国会で「共謀罪」(テロ等準備罪)法案が可決して間もないが、東京カルチャーの最先端を行く者たちは、これにどう反応するのだろうか。第2回目のイベントのテーマを「日本の政治と表現の自由」とする「Making-Love Club」は以下の宣言を出している。「自由って気付いたら案外なくなってるもんなんだよね。ちょっとぼけっとしてたらさ、この7年で日本の報道の自由度ランキングが11位から72位までさがってたんだなんて誰が気付く?テレビじゃコントみたいな国会のやりとりが流れてて、道徳の教科書にはパン屋って書いちゃいけないんだとかほんと笑っちゃうけど、でもそれがこの国で、私たちはそこで暮らしてる。そんな時代に、ここで生きてるってどういうことなんだろう」「学び考え、表現する権利が誰にでも与えられている。そんな開かれた国に私たちは生きている」平成の教育は子供たちにそう教えてきた。生まれた時から憲法によって自由が約束され守られているんだと安心して、いつのまにか私たちは、その自由を意識することすら忘れてしまったみたいだ。「共謀罪」、改め「テロ等準備罪」設立に向けた動きが勢いを増している。この法案は「テロ “等”、何かしらの犯罪と関係がありそうだから」という理由で集会や政治活動を取り締まることを可能にする。ジャーナリズムはもちろん、アートや文学といった産物が社会を多角的に切り取って、意見を交換し合うことは、とても大切だったはずだ。話し合うことが既に処罰の対象となりうるような社会が現実になった時、Making-Love Clubが前回のイベントから掲げる「民主的政治空間の構築」というゴールは一向に達成されない。私たちはやっぱり、アートも政治もどんなカルチャーも全て同じテーブルの上で話していたい。自由にまつわる私たちを取り巻く環境は今徐々に、もしかすると急速に、変わってきている。この状況を黙ってじっと見過ごしてしまったら、この国の民主主義なんて幻想に過ぎなかったんだと未来の誰かは嘆くだろう。私たちは声を大にして「そうじゃない」と訴えかける必要がある。10年後の若者に「あのころあいつらが何もしなかったせいでカルチャーは廃れたんだ」だなんて言わせない。(もっとも、そんなことを言う事すら許されない社会になっているのかも知れない。)自由の虚像の上であぐらを掻いている場合じゃないんだ。大前提として当たり前に捉えていた民主主義を、今改めて考える必要がある。(文章:菊池まこと) イベントはモデルの中川えりなが主催し、彼女とインディペンデントマガジンの編集長「HIGH(er)Magazine」のharu.と「Emotional Love」の綿貫大介、映像作家のUMMMI.(ショートフィルムの上映も行なう)、中学生の石川永遠らが参加するトークショーをはじめ、MONJOE from yahyel/DATSによるDJ、Maika Loubtéのライブなどカルチャーコンテンツが盛りだくさんだ。
2017年05月24日「仏に逢うたら仏を殺せ」。臨済宗の開祖、臨済義玄(りんざいぎげん)の言葉とされています。禅宗で長らく引き継がれてきた教えです。真意はそれぞれが考えるものとして、“仏に逢ったら仏を殺してしまえ”とアドバイスするのは、革命的です。彼のこの名言はロックであり、矛盾をゆうに超えて、善悪では測れない存在感です。「マイノリティ複合体」として、自分の存在を社会に投げるとき、時折思い出す言葉です。多国籍地域出身のパンセクシュアルとして過ごした、青春時代。今回の記事からBe inspired!で連載を始めるカミーユ綾香です。カミーユと呼ばれることを好みます。出身はヤクザと生活保護者の存在感が濃厚で、スラム街という言葉がぴったりの福岡県・北九州市です。実家近くに大きな朝鮮学校があり、放課後はチョゴリの制服を着た友人と合流していました。元残留孤児の中国人も沢山住んでおり、既に多国籍の感覚は養われていました。CAMILLE AYAKA (カミーユ綾香)北九州市出身。在日韓国人と元残留孤児の多く住む多国籍な街で育つ。警固インターナショナルの代表としてアジア各国を飛び回りつつ、十数言語による語学スクールとインバウンド支援の多言語ウェブサイト制作会社を運営する一方、難病の重症筋無力症とパンセクシュアルというセクシュアリティの当事者として、様々なマイノリティの生きやすい社会を目指して精力的に活動中。「マイノリティの爆弾」を「マジョリティ社会」に投げつけるために5月から本メディアBe inspired!で連載開始。website: photos by Dadacurtiss Hair styling and Make-up by RIO Text by Camille AyakaーBe inspired!この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!メインストリームに負けない。マイノリティ集団がLevi’sとDazedと社会に訴えた「多様性のかっこよさ」 アメリカの老舗のジーンズブランドのLevi’s(リーバイス)。彼らをスポンサーに、イギリスのカルチャー誌Dazed and confused (デイズドアンドコンフューズド)の...
2017年05月24日SNS上で「#(ハッシュタグ)」をつけて自分の意見を主張したり人々に議論をするよう呼びかけたりするハッシュタグアクティビズム。インターネットにアクセスできればほぼ誰でも参加できるので、これまでメインストリームのメディアで声を上げるのが難しかったマイノリティの人々が世界中から集まり、団結できる重要なアクティビスムの場となってきている。今回29回目となるハッシュタグアクティビズムシリーズ『「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会』ではアメリカでもこれまでなかなか語られてくることのなかったマイノリティ、ブラックムスリムに注目したい。ブラックムスリムとはその名の通りブラック(アフリカンアメリカン)でムスリム(イスラム教徒)の人のことを指す。言うまでもなくアメリカは奴隷制度から、現在の警察の過度な暴力にいたるまで、ブラックへの差別の根は深い。一方、トランプ大統領の「イスラム教徒のアメリカ入国制限」からもわかるようにムスリムに対する排他的な態度も近頃大変な問題となっている。つまりブラックムスリムとはダブルマイノリティー、マイノリティの中のマイノリティなのだ。The Muslim Anti-Racism Collaborative (ムスリムに対する差別反対共同体)が2014年に発足したハッシュタグアクティビズムは「#BeingBlackAndMuslim 」。ブラックでありムスリムであることがこの社会の中でどれだけ大変か、そしてそれは改善されるべきだというメッセージを共有するプラットフォームを作った。そして2017年4月20日に、ブラックムスリムでありフォトグラファー/ビジュアルアーティストであるBOBBY ROGERS(ボビー・ロジャース)がこのハッシュタグアクティビズムにインスパイアされた美しく力強いポートレートプロジェクトを発表し、注目を集めた。その名も『#BeingBlackAndMuslim』。#ブラックムスリムでいることとは、アメリカで最大人口を誇るムスリムなのに、誰も話を聞いてくれないこと。#ブラックムスリムでいることとは、ブラックではないムスリムに、コーランの一節を暗唱して、自分がムスリムであることを証明させられるということ。#ブラックムスリムでいることとは、ブラックとしてもムスリムとしても議論に入れてもらえないことがあるのに、常にブラックムスリムとしてしか見られないこと。#ブラックムスリムでいることとは、社会が両立は無理だと決めつけ、常に人種か宗教のどちらかを選ばせられること。#ブラックムスリムでいることとは、ブラックの政治的なアイデンティティと宗教を考慮しない限り、「アメリカンムスリム」としては存在できないということ。#ブラックムスリムでいることとは、「ニガー」と呼ばれなければ「テロリスト」と呼ばれるということ。淡い緑色を背景にしたブラックムスリムの人々の美しい写真。横には彼らが「#ブラックムスリムでいることとは、…」と各々の気持ちを語っている。彼らの言葉からブラックコミュニティにもムスリムコミュニティにも受け入れられない悲惨な状況が伝わってくる。社会は人々をすぐにカテゴライズしたがる。そしてそこに属さないものを拒絶してしまうケースも少なくない。ブラックでもムスリムでもない人の中で無知な人は彼らを人種と宗教を理由に拒絶し、ムスリムの人々はブラックムスリムを「ブラック」だからと拒絶し、ブラックは「ムスリム」だからだと拒絶する。彼らが居場所を見つけるのは非常に難しくなってしまうのだろう。今回のハッシュタグアクティビズム「#BeingBlackAndMuslim」をきっかけに少しでも多くの人がその事実を知ることから始めていくべきではないだろうか。All photos by BOBBY ROGERSText by Noemi MinamiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「ムスリム女性特有の苦悩」を訴えるために韻を踏む“ヒジャービー・ラッパー”誕生。 今年も3月8日のインターナショナルウーマンズデイ(International Women’s Day)には、人々に改めて「女性の権利」を考えさせようとする動きがみられた。それと...
2017年05月23日メキシコに住む少年ジュリアン・ライオス君。彼は若干18歳にして仲間とともに立ち上げた会社「Higia Technologies」のCEOを務めている。彼が仲間と共に開発し、グローバル学生企業家アワードでグランプリを受賞した商品「EVA(エヴァ)」はなんと女性用の「ブラジャー」。 なぜ18歳の少年が「ブラジャー」を開発したのか。世界中が注目するその理由とは?Photo by Higia ThechnologyPhoto by julianrioscantu患者と家族を繋ぐ「靴下」の秘密ニューヨークに住む日系アメリカ人、ケネス・シノヅカもまた家族への愛から画期的な発明品を生み出したティーンエイジャー起業家の1人。(参照元:TED TALKS)Photo by Safe WanderPhoto by Safe Wander成功の秘訣は「誰かのため」十代の若さで自らの会社を立ち上げCEOとなったジュリアン君とケネス君。2人の共通点は決して自分の成功やお金のために商品の開発や起業をしたのではないということ。母親や祖父という身近な人と過ごす時間の中で「自分以外の誰か」を思う気持ちが彼らのアイディアの源となり、研究への情熱となったのだ。世界的成功を収めているマーク・ザッカーバーグ氏のFacebookも彼が学生時代に「友達を楽しませるため」に学校のシステムをハッキングして作ったサイトが始まりであることは有名な話。もしもあなたが今、「成功」したいと考えているのなら、ただ闇雲に大きな夢を見るのではなく、まずは家族や友人など、身近にいる「誰かの笑顔」を作ることを考えてみてはいかがだろうか。きっとそこにはまだ見ぬ私たちの未来をより豊かなものにする新たな発見の種が無数に転がっているはずだ。Text by Chisato TanabeーBe inspired!
2017年05月23日アメリカでは、自分にとって本当に必要なものだけを残して生活をダウンサイジングし、小さな家でシンプルに暮らすことを選ぶ人たちが増えている。トレイラーに乗った居住面積約3.4坪という小さなタイニーハウスでの暮らしが、近年、「自由に近づく」と若者を中心に大量消費社会のカウンターカルチャーとして広まっているのだ。オレゴン州ポートランドには、そんなタイニーハウス好きが集まり、大人8人+1人の赤ちゃんで共同生活を送るコミュニティがある。一見、窮屈で不自由そうな共同生活や小さな居住空間で、彼らがどのような“自由”を手に入れているのかを探った。
2017年05月22日「ファストフードは体によくない」。そんな言葉はもう聞き飽きたかもしれない。だが、ファストフードが危ない理由は、その原料や添加されている化学物質だけではない。今年の2月に発表されたある論文には、「ファストフードの包み紙」に含まれる有害物質について書かれていた。ファストフードが体によくない「本当の理由」。ファストフードの問題点といえば、何が思い浮かぶだろうか?高カロリーで高脂肪、高コレステロールのメニューの多さ、添加物やトランス脂肪酸の使用、食品の質や製造過程などの「食品の安全性」や、食べ過ぎによる「肥満や病気のリスク」の問題は長らく指摘されてきている。
2017年05月19日日本は人口が1億人こえているにも関わらず、殺人事件発生率が非常に低く、世界的にみても最もといっていいほど治安がいい。一方で、自分で自分の命を絶つ「自殺」については深刻な状況だ。通勤ラッシュ時に「人身事故」で電車が遅れることには驚かなくなった。迷惑だという人さえいる。テレビで報道される10代のいじめによる自殺のニュースも珍しくはない。日本では、人に殺されるよりも、自分を殺す人のほうが多いのだ。今もどこかで誰かが自殺しているかもしれないPhoto by Edu Lauton世界第3位。2012年から2014年、日本の10万人あたりの自殺率を世界水準に置いてみた結果だ。(参照元:OECD Suicide Rates)以来減少傾向にはあり、ピークは去ったとされているが、未だ世界平均以上を維持している。それはこちらの自殺者数にあらわれている。2万1,897人。これは2016年に自殺した人の数だ。(参照元:厚生労働省)30分に1人以上が自殺していることになる。紛争でも、飢餓でもない。でもこれだけの人が命を落としているのだ。53万5,000人。2016年の調査で1年以内に自殺未遂を経験した人の数だ。(参照元:日本財団自殺意識調査2016)。1分に1人、今もどこかで誰かが自分の意志で人生を終わりにしようとしているかもしれない。世界一若者の自殺が多い日本Photo by Rubén Bagüés全体の自殺率は減少傾向にある。それでも日本の自殺は深刻であるといえるのは「若者の自殺」に焦点を当ててみるとわかる。「若者の自殺率」は日本が世界1位で15~24歳の自殺率は90年代以降ずっと上昇している。(参照元:President Online)2016年に20歳未満での自殺者は520人もいた。(参照元:厚生労働省)さらに、15歳〜39歳の死亡原因第1位は「自殺」である。(参照元:厚生労働省自殺対策白書)2015年には15歳〜29歳の死亡者数の49%の死因は自殺だった。つまり、15歳〜29歳で亡くなったうちの約2人に1人は自殺をしたということになる。(参照元:厚生労働省自殺対策白書,人口動態統計)見えない殺人鬼は誰だPhoto by Melanie Wasser自殺が起きている原因は1つではない。自殺を図る人それぞれにそれぞれの理由がある。主な理由は進路への悩み、仕事環境、理想と現実にギャップがあるなどがあげられている。しかし、いずれの悩みもほとんどの人が抱えた経験があるのではないだろうか。では、悩みを抱えた際に自殺に至る人とそうでない人の違いは何なのか?それは「孤独感」である。自殺を考える人の多くが「家族に居場所がない」「人間同士は理解や共感ができない」「他者に頼ることができない」と思っているのだ。さらに、本気で死にたいと思っても相談しなかった人が 73.9% 、自殺未遂をしたときに相談しなかった人は51.1%にものぼる。(参照元:日本財団自殺意識調査2016)人をもっと頼っていいPhoto by JJ Thompson原因は「人に頼れない」ところにあるのではないか。「影で努力する」「人に涙を見せない」といったフレーズから、日本社会では人に弱さを見せないことを美徳とする傾向があることがわかる。それは日本のいいところでもある。しかし、この傾向によって「人を頼る」と「弱さを見せない」のいい加減の線引きができなくなっているのではないか。結果的に、本当に助けが必要な時に、助けを求められない。自分が思っているよりも、人を頼ってもいいのではないか。そして人に頼ってもいい社会をつくっていくべきなのではないか。Text by Hinako OhnoーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!“自殺志願者”を救う。みんな知らない「本当の命の救い方」 1日100人、世界第1位。この数字が表しているのは、残念ながらハッピーな統計ではない。日本では1日におよそ100人が自ら命を絶って亡くなっている。そ...
2017年05月19日「バンドエイドは回復をシンボルだ」。そう言い聞かせながら、「うつ病」と「不安障害」を長年抱える自分を励ますために両親のリビングルームでハサミやノリを使って“バンドエイド型のタトゥーステッカー”をDIYした女性が存在する。彼女の名はFrancesca Timbers(フランチェスカ・ティンバース)。
2017年05月19日こんにちは。池尻大橋からALL YOURSというお店で、DEEPER’S WEARというブランドを取り扱っている、木村 昌史(きむら まさし)です。前々回に書いた僕らのクラウドファンディングのプロジェクトは無事、目標金額を達成しました!皆様のご支援本当にありがとうございます!それでは、連載の第6回目、よろしくお願いしますっ!過去の連載記事はこちらから。①②③④⑤
2017年05月18日「男の子はブルー、女の子はピンク。」これは男女の固定観念の一つである。また文化的・歴史的背景から、いまなお男尊女卑の考えが根付いている国も少なくはない。 日本の男女格差の現状は一体どのようなものなのか?2016年世界経済フォーラムが男女格差を測るジェンダーギャップ指数において、日本は144か国中111位。さすがに“日本は男女平等の国だ!!”とは胸を張って言えない順位である。だからと言って、私たちは結果に対してアクションを起こしているわけではない。心のどこかで「これが当たり前」と受け身の姿勢のように思われる。 世界では“ジェンダー”に関する多くムーブメントが行われている。例えばオーストラリアではアート・映画界の男女平等を主張するために活動が行われている。“男性一色”の業界そんな男女格差がまだまだ根強く残るオーストラリアで、女性の地位を確立させるために活動する女性グループが存在する。シドニーを拠点にしているLara Vrkic(ララ・ブリック)、Arabella Peterson(アラベラ・ペーターソン)、Emmeline Perterson(エミリン・ペーターソン), Jessica Mincher(ジェシカ・ミンシャー)の4人で構成されている「The Ladies Network」だ。The Ladies Networkは、2015年にララによって創設され、アート、音楽、ビジネスやデザインの分野で女性の地位を確立させること、女性のクリエイティビティを多くの人に知ってもらうことを目的としている。展示の運営やウェブサイト上ではアート作品などの販売を行い、グループ展示“The Ladies”を今まで30回以上成功させている。
2017年05月18日「僕らのライブ会場では、男女別トイレを廃止し、“ジェンダー・ニュートラルなトイレ”を用意してください」。そう訴えたバンドの記事を1年前に読んだ筆者だが、ついに先日どんな性別の人でも使用できる“ジェンダー・ニュートラルなトイレ”が渋谷に設置されることを耳に挟んだ。
2017年05月17日パンツについた生理の染み、剃ったばっかりなのに生えてくる身体の毛、目を背けたくなる太もものセルライト…気まずいから普段話さないけど多くの女の子が共感できること。メインストリームのメディアからは絶対に見えてこないそんな「リアルな話」をパステルカラーでキュートに表現しているイラストレーターがオーストラリア、メルボルンに存在する。彼女の名前はMonntana Kitching(モンタナ・キッチング、以下モンタナ)。彼女のインスタアカウントを見るとなんだか気持ちが楽になる。「なんだみんなそうなんだ」って知れるだけで多くの女の子は救われる。今回Be inspired!(以下Bi)は1万4千人を超えるインスタフォロワーを持つモンタナに、「他人に見られたくない自分」をあえてさらけ出す理由とその意義について話を聞いてみた。Bi:まず最初に、自己紹介をお願いします。モンタナ(以下、M):Hi! 私は25歳でメルボルン出身。イラストレーターで画家でもあるんだけど、アートを勉強したことはないわ。プロの看護師なんだけど、そっちはちょっと休憩中でアートに専念しているとこ。私の作品は個人的な体験、そのなかでも一般的に“タブー”とされるようなことにインスパイアされているの。イラストで恥ずかしくて話せないことを正直にそのまま描いている。カラフルで機知に富んだ私のイラストスタイルのおかげで多くの人が共感できるから、苦しんでいる人たちが私の作品をみて安心できたらいいなって思っているの。あなたの言う事はすべて私に対する嫌味に聞こえるBi: 今言った通りモンタナの作品はすごいカラフルでドリーミー。でも中身は共感できるような正直で、どこか悲しいものばかり。その差が皮肉っぽくて面白い。今のスタイルにはどうやって辿りついたの?M:ありがとう!正直何年もかかったわ。恵まれたことに小さい頃からアートに囲まれて(両親が二人ともアーティストなの!)ずっと絵を描いてきたけど情熱を持ってアートを始めたのは19歳の時から。絵を描くことが自己セラピーみたいなものだったから、必然的に自分の作品のテーマにすごく興味を持ち始めた。えんぴつで下書きして、線をはっきりさせて、色を塗ってマーカーとブレンドさせるプロセスがすごくリラックスさせてくれて、満足した気持ちにさせてくれるの。うん。私はアザがつきやすい方だけど、あなただって強くど突きすぎよBi:モンタナの作品は自分の体験にインスピレーションを受けていると言っていたけど、絵に出てくる女の子たちは誰をモデルにしてるの?(ファッションがみんなかわいい!)M:ありがとう!笑 モデルは私の友達、家族とかかな。もしくはインスタで「ねえ、あなたのこと描いてもいい?」って怖い人みたいかもしれないけど知らない人に急にDM(ダイレクトメッセージ)も送るの。でも同時に全部自分を描いた絵でもある。ただ違う身体で表現しているだけで。または一見私に見えなくても、その一定の時期に自分の目に写る自分の身体だったりもする。Bi:どこかのインタビューでアートが自分の気持ちを理解するためのツールだと言っていたけど、それはどういうこと?M:私は物事にすぐに圧倒されちゃうの。心配や不安がたくさんあって、それを言葉にしたり、ひとつひとつの問題が根本的にどこからきているのか理解して、整理するのが難しい。でも絵を描いている時は周りのことを気にせず自分の内面と向き合える。自分が感じていることを外から眺めて、線や色を使って表現するのは自分にとって簡単なの。うまく説明できてるかな?わかってくれるといいな!人々が恥ずかしがって避けるようなトピックをオープンに表現するモンタナ。未だにそういうアーティストは数少ない。だからこそ多くの人が彼女に共感し、ファンになるのだろう。Bi:1万4千人を超えるフォロワーってすごいよね!フォロワーの子たちとはどんな関係?あなたのアートにフォロワーが影響を与えていると思う?M:本当!すごくエキサイティングだよ!フォロワーの数って普段意識してないかも。でも世界中から感謝のメッセージとか、「こんな絵描いて」ってリクエストの連絡が来る。それはクレイジーで最高なこと! 世界の反対側に私の作品で救われるって言ってくれる人がいるなんて謙虚になってしまうし、でもだからこそ絵を描き続けているんだと思う。私を見つけたのね。もう離さないからBi:あなたの絵の多くは女性の身体だったり性について描いている。生理の染み、体毛、ブラの痕とかマスメディアでは見られないものばかり。社会の中で反映されていない“リアル”なものを描くことを意識してる?M:その通り。私が描くものはすべて過去や現在の自分のコンプレックス。雑誌や広告の女性と自分を比べながら育ったからかな。そういったものってフェイクなことばっかりなのに、それが普通だと思ってしまう。だから私がリアルな姿を描いてネットに載せることで、女の子の本当のイメージが広がるといいなと思っているの。なんか気まずいと思ったら生理がきたBi:絵を見てくれている人に届けたいメッセージは?M:性について、生理について、不安障害や鬱や身体醜形障害*などの精神病について話すことを恥ずかしがらなくていいってこと。こういう話ってタブーじゃないし、恥ずかしくないし、プライベートである必要がないってこと。オープンになることで、みんなが助け合って、孤独を感じなくてすむ。(*)極度な自己否定を原因として、自分の見た目に異常にこだわる症状。引きこもりや整形の原因になることもある。精神を休めて。たまには電源を切っていいんだよBi:今は本の製作をしているんでしょ?どんな本を作っているの?M:うん! 人生で初めて作る本。思春期に入る前の女の子たちに向けて「大人のなり方」を説明するような本を作ったの。自分が思春期に経験した恥ずかしいストーリーをまとめたものよ。性教育の時間には教わらないような、友達に話すのも気まづいようなこと。これから思春期に入る子たちが欲しくて必要な「思春期バイブル」と言えるかもしれない。60%が文章で40%がイラスト。でも作り始めたらシリーズ化しないといけないって気づいたの。話したいことがたくさんあるから。誰でも手に取れて、すべての人が読めて、教育になるようなものを作りたいの。モンタナが言うように、テレビや広告で見る有名人の姿は非現実的。しかし小さい頃からそういったイメージを見ている女の子たちがそれが普通だと信じ、自分の容姿に自信を持てないのも不思議ではない。だから彼女のような「リアルな声」がとても重要になってくる。背伸びしない本当の姿に、多くの人が共感して魅了される。フェイスブックやインスタグラムが普及し、誰もが有名になれる時代だからこそ、マスメディアでは成し遂げられないことを実現するアーティストが増えてきているのかもしれない。こんな風にモンタナのような等身大なアーティストが増えて、恥じることなく、性や身体についてオープンに話せるようになれば、社会の女性へのプレッシャーは少しずつでも減っていくのではないだろうか。*** Montana KitchingAll illustration & photos by Montana Kitching Text by Noemi MinamiーBe inspired!
2017年05月17日社会問題について話すのは「意識高い系」「真面目」など、少しハードルが高いと感じる人は少なくないのではないだろうか。また、どうしても「自分ごととして考えるのが難しい」と思う人もいるだろう。でも本当にそうなのだろうか?「政治について話す」「ボランティアで社会に貢献する」など明らかに社会問題に挑戦する以外のことの先にもいつも社会がある。ファッション、映画、音楽、スポーツ…好きなものを追求すると必ずルーツがあり、そのルーツは間違いなく社会に関係していて、社会問題はいつのまにか「自分ごと」となる。そんなことを話していて強く感じさせてくれるのが、kakihatamayu、現役女子大生だ。kakihatamyuのお気に入りレコードPhoto by kakihatamayukakihatamayuの情熱は常に音楽だったそうだ。中高生時代は先生の話も聞かず授業中に好きな曲のレビューやイラストをこっそり書いていたという。それをなにげなくインスタグラムにあげると、「買いたい!」とフォロワーからリクエストが来るようになった。それが彼女が作る今人気のZineの原点。学校が厳しくて変に古臭くて好きじゃなかったから家で趣味に走りたいみたいなタイプだった。それで作った物を売ってみようって感じで…。そしたら作って売るのがどんどん楽しくなってて、だんだん販売用にZineを作るようになったレコードが並ぶkakihatamayuの部屋Photo by kakihatamayuレコードに出会い、広がった世界レコード屋に出向いて、レコードを探すのが楽しい!持ってるっていうことに意味があるっていうか…。探していたものに出会えたとき、その感動こそがレコードの醍醐味。今の私たちの世代は自分の世界を大事にしたい世代らしい。それが自分にも当てはまるとしたら、その自分の世界が私にとってはレコードなのかも。基本的に服買うならレコード買いたいもんSpotifyやApple Music などネットで簡単に音楽が買える時代になぜあえて手間のかかるレコードなのかと聞くと、彼女はこう言った。「消費することに背を向ける」といわれているゆとり世代。実際、今の若者は消費自体がステータスや快楽となっていた高度成長期中やその後のバブル時代とは異なり大量消費や世間の流行に惑わされることなく、自分が価値を見出しているものだけを集中消費する傾向にあるのかもしれない。家の機材とレコードPhoto by kakihatamayu社会の問題と趣味が繋がったときとにかく音楽を愛し、レコード屋で働き、好きな音楽をイラストなどでクリエイティブに表現してきたkakihatamayu。その音楽への愛は社会問題へ興味を持つきっかけにもなったそうだ。どのジャンルの音楽も何か社会情勢が背景にあって、生まれたものが多い。音楽のルーツを知るのが好きだったから、「この曲のこの歌詞何、どういう意味?」ってなったら、そこから調べてた。例えばロックってセックスやドラッグについて歌うから社会に煙たがられていた。子供がロックを聴いているとお母さんがラジオ消す、みたいな。ビートルズですら受け入れられてなかったから!ロックが世間的には反社会的なものとして聞かれてたし、それで「なんでー」ってなって、そこから曲の背景を調べるようになったかもロックの背景を調べてみて知ったのは、人種差別や反戦運動、貧困問題などの社会問題だった。ジャンルの好みは変わっても音楽の背景を追求するとそこに社会が必ず見える。最初は「音楽がかっこいい」から調べただけだったとしても、結果的に世界で見過ごすことのできない貧困や人種差別、戦争の問題に彼女は到着していた。「好きだから、知りたい」というその純粋な動機が社会問題に興味を持つキッカケとなり、少しでも多くの人がそんなプロセスを繰り返せば、社会はもっと良いものになるのではないだろうか。なにも音楽じゃなくてもいい。自分が情熱を持てるものを追求していけば誰でも自然とそこにたどり着けるはずだ。そしてkakihatamayuは音楽を通して学んだ社会問題を同世代の若者に発信していきたいそうだ。そこで今回、Biで彼女の音楽連載が始まる。その名も【『あの名曲』に込められた社会への“愛の叫び”。kakihatamayuが紐解く、社会派ミュージック・ヒストリー】。一曲を通して見えてくる曲が作られた時代の社会背景や、現代の私たちにも響く普遍的なメッセージをkakihatamayuが解き明かしてくれる。毎回書き下ろしのイラストもあり!今後ぜひ注目していて欲しい。Illustration by kakihatamayu
2017年05月16日日本代表の香川真司が所属することで日本でも人気が高いドイツの強豪ボルシア・ドルトムント。4月11日に起こったその香川真司を含むドルトムントの選手たちを乗せたチームバスが襲撃され、当日に予定されていた試合が翌日に延期になったという一連の事件をご存知の方も多いのではないだろうか。今回はそんな事件の裏で起こったドルトムントサポーターによるこれがサッカーの力だ!と言わんばかりの“ハッシュタグ・アクティビズム”を紹介したい。▶︎ハッシュタグ・アクティビズムについてはこちら。Photo by t.bo79チームバスの襲撃事件により試合が翌日に延期になってしまった独ボルシア・ドルトムント vs 仏ASモナコ。その影響でフランスから来ていた対戦相手であるASモナコのサポーターが宿泊場所に困るという事態が発生。これを受けて現地のドルトムントのサポーターたちによりアウェーファンたちのために宿を提供しようという動きが「#bedforawayfans(アウェーファンたちにベッドを)」というハッシュタグのもと広がったのだ。#bedforawayfans and #tableforawayfans es sind alle hungrig pic.twitter.com/h4TChsRNY9— Vespafoto (@vespafoto) 2017年4月11日実際に宿を提供したドルトムントファンや泊めてもらったモナコファンがSNS上で発信していくと共に、愛するクラブがチームバス襲撃という前代未聞の悲劇にさらされる中、相手サポーターを気遣うこのムーブメントは瞬く間にSNSで拡散され世界のサッカーファンから称賛された。Dear supporters of @AS_Monaco_EN! If you need accommodation in Dortmund, please check #bedforawayfans. #bvbasm— Borussia Dortmund (@BVB) 2017年4月11日ドルトムントの公式アカウントもモナコサポーターへ呼びかけた。Das ist Fussball ! #BVBASM #BedForAwayFans @BVB pic.twitter.com/9qP1Pek9V8— AS MONACO(@AS_Monaco) 2017年4月11日モナコの公式アカウントも感謝を表明。A huge thank you to everybody who was there! #bvbasm pic.twitter.com/pFnUEKNTLn— Borussia Dortmund (@BVB) 2017年4月13日当日の試合会場でもモナコサポーターがドルトムントのユニーフォームやマフラーを身にまといドルトムントとの連帯を表したりと両チームのサポーターがお互いに助け合い団結する姿が数多く見られ、サッカーは90分の試合だけじゃないということを感じさせる美しい光景が広がっていた。#bedforawayfansを通したSNS上での一連の出来事はサッカーの力、スポーツの力を物語る素晴らしいものだったと言える。しかし、サッカー界ではいまだ暴力、人種差別、政治介入といった数多くの問題が残っているのも事実。今回のハッシュタグ・アクティビズムを通して、サッカーの持つ人と人をつなぐ力や、サッカーを愛する者たちの団結したときに生み出される力を再確認できた人も多いのではないだろうか?また、これらの力が悪い方向ではなく良い方向に重なることが、差別や偏見のないボーダーレスな平和なサッカー界、スポーツ界を築くための鍵になってくれるに違いない。Text by Nozomi Hasegawa ーBe inspired!
2017年05月15日今だに人口が増加し続けており、2022年までには中国を抜いて世界1位の人口になるとも言われ、人口問題も取り沙汰されているインド。だがそれだけではなく、大気汚染、廃棄物問題などの深刻な環境問題も抱えている。そんなインドの環境問題を解決しようとインド政府に立ち向かった9歳のインド人少女がいるという。Photo by paradeep lawrance「年間110万人」もの大気汚染による死者が出る国その少女とは、Ridhima Pandey(リディマ・パンディ)。彼女はインド政府に対して温室効果ガスの排出などによる大気汚染の問題の改善を求めると同時に彼らが今までそれらの義務を怠ってきていると訴えた。(参照元:MashableAsia)インドの大気汚染による年間の死亡者数は「110万人」にも上るとされ、ここ4半世紀でのインドの大気汚染は急速に悪化している。彼女はこのような最悪の状況の中、環境問題に対して何もしていないインド政府に対し何らかのアクションを求めると同時にこのままでは今、私たちの生きる時代だけでなく、未来の世代にまで悪影響を及ぼすと訴えかけたのだ。インドの子どもたちは今、気候変動の問題やその影響に関して大きな恐怖を抱いており、インド政府に対してただ自分たちも義務を果たして欲しいということを多くの人たちが思っているという。これらの切実な訴えがインドの環境問題の深刻さを如実に表していると言える。「子ども」が「未来の世代」を考える時代。今回のような子どもが訴訟を起こすことはもう驚くべきことではないのかもしれない。というのも、実際にアメリカでは9歳~20歳の若者からなる21人の団体がアメリカ政府とエネルギー会社に対して地球温暖化への対策が十分になされていないため自分たちの生活、自由、財産などの憲法上の権利が侵害されているという訴えを起こしたというニュースもある。こうした環境問題に関する訴えはまだ数こそ多くないものの、アメリカ、ドイツ、ニュージーランドなど世界各国で起こっており、実際に勝利を収めた事例もあるのだ。(参照元:MashableAsia)このように世界では環境汚染によって自分たちはきれいな空気を吸えていない、自然を味わえないといった基本的な権利を訴えたり、自分たちの世代だけでなく未来の世代にまでも目を向け、環境問題の対策、改善を政府に求めるといったアクションが見られる。近い将来このようなことが日常茶飯事的に行われる日も近いのかもしれない。Photo by Richard Shaw環境問題を含め世界では将来に向け様々な問題があり、その解決に向け日々議論されている。その将来を任っていく若い世代の人たちがその議論に積極的に加わり、改善を求め自分たちの意見を主張していくことが必要不可欠な時代になってきていることは確かである。政府や国際機関が若い世代の行動に対してしっかりと向き合い必要とあらば今ある対策の徹底、新たな対策を講じるといった何らかの反応や行動を取ることがより良い未来を築いていくことに繋がるだろう。Text by Nozomi Hasegawa ーBe inspired!
2017年05月15日10年程前に日本のファッション業界に進出してきたファストファッション。低価格で流行の服が買えるからと若者を中心に人気が高まり、ファッション界において無視できない存在となったと言っても過言ではない。そんなファストファッションに対して違和感を感じ、行動に移している女性がいる。ラフォーレ原宿に店舗を持つLEBECCA boutique(レベッカブティック)でディレクターとバイヤーを務める赤澤える氏だ。彼女は、特に服が生産される背景を考える訳でもない「一般的な女の子」のファッション感覚しか持っていなかったが、その考え方を大きく変える“ある出来事”が、古着の買い付けで訪れたLAで起きたという。「ファッション大好き!楽しい!という一般的な感覚」しかなかった時代ファッションブランドやのプレス、カメラマン、ディレクターなど、ファッション好きの若者なら憧れるような仕事をしてきた赤澤氏。今でこそ「服を大切にできる人を増やす」という目的を持ちながらブランドの運営をしているが、それまでは服が大好きでも、それらの生産背景に目を向けたことはなかった。
2017年05月13日2014年の夏に韓国を10年ぶりに訪れた、カナダのトロントに住む23歳の韓国系カナダ人Jasper Lim(ジャスパー・リム)。彼女がそこで感じたのはとてつもないカルチャーショックと、「どこかに忘れてきたようなノスタルジア」だった。それはトロントへ帰るのを延期してしまったほど強く複雑な感情で、俳優として活動する彼女はその気持ちを映画のなかで表現しようと決意する。しかし、映画を5年後くらいに公開できればいいと気長に考えていたところ、2016年に再び韓国を訪れたことで彼女の考えは変わってしまう。
2017年05月12日「歌いたい歌を歌うんだ」とギターを手に、原発、沖縄問題、従軍慰安婦問題など反体制の歌を38年歌い続けるロックシンガーがいる。彼の名は朴保(パク・ポー)氏。朴保氏は1955年、在日コリアンの父と日本人の母の元に生まれ、静岡県富士市の海沿いで育った。兄の勧めで若干10歳の頃にバンドでドラムを叩き始めるが、当時はドラムセットなどはなかなか買えない時代。そこで彼は、実家の自動車の解体屋からいろんな物を持ってきてドラムセットを自分で作っていたという。この時の朴保氏に、これからの彼の音楽人生がどのようなものになるかなど、きっと想像できなかっただろう。今回Be inspired!は人生をかけて反核を歌う朴保氏の人生を伺った。
2017年05月12日コーヒーの産地として名高い中米ニカラグア共和国。広い国土に湖や火山、ジャングルなど豊かな自然に恵まれているが、一方で「中南米最貧国」でもある。この地域に世界中の誰もが使える「共通言語」で、人々を笑顔にさせるカフェがあるのだとか。言葉を交わさないカフェスペイン語で「笑顔のカフェ」という意味を持つ「Café de las Sonrisas」がそのカフェだ。かつてスペインの植民地で、公用語がスペイン語のニカラグア共和国。しかし、このカフェでは客と店員が言葉をかわすことは一切ない。なぜならここで働くスタッフはウェイターから料理人まで全員が難聴であり、いわゆる「障がい者」だからだ。Photo by Café de las Sonrisasニカラグア共和国では2003年の時点で10人に1人が何らかの障がいを持っているのに対し、多くの企業では従業員数50名に対し2人の障がい者を雇うというニカラグアの法定基準が守られておらず、障がい者の失業率が約99%にも上るという。Photo by Café de las Sonrisasこの現状を打破するべくスペイン人のアントニオ・ピエトロ氏がNPO「Centro Social Tio Antonio」を立ち上げ、その事業の一環として5年前に「Café de las Sonrisas」をオープンしたのだ。Photo by Café de las Sonrisasオーダーはメニューの指差し方式だが、カフェ店内の壁に飾られた絵による様々なフレーズの手話を実践することによってスタッフとの会話が可能となり、障がい者と健常者だけでなく言語の垣根をも超えた繋がりを持つことができるのだ。アントニオ氏は「企業が障がい者を雇うことと、障がい者自身が働くことへ恐れを払拭するための手本になることがこのカフェの目的である」と話している。(参照:米HUFFINGTONPOST)Photo by Café de las Sonrisasクロネコヤマトが始めた「パン屋」地球の裏側、中米ニカラグアではこの「笑顔のカフェ」の他に若者や失業者のための職業訓練所としての手製ハンモックストアなどCentro Social Tio Antonioの元、障がい者の労働支援の輪が広がっている。しかし、実は日本でも障がい者と健常者との間にある距離をぐっと縮める素敵なパン屋さんが存在する。「障がいのある人もない人も、共に働き、共に生きていく社会」。このノーマライゼーションの理念を掲げる「焼き立てのおいしいパンのお店」スワンベーカリーだ。現在、直営店4店、フランチャイズ店23店、合計27店が全国展開し、日本の障がい者雇用の新たな形を作った株式会社スワンの藤野さんに障がいを持つ人が働くこと、障がいを持つ人と共に働くことについて話を伺った。Photo by スワンベーカリー「クロネコヤマトの宅急便」でおなじみのヤマト運輸株式会社代表取締役、会長を経てヤマト福祉財団の理事長となった故・小倉昌男氏が設立した、株式会社スワン。当時、障がい者が働く共同作業所では月給が1万円にも満たないことを知り、自立するにはほど遠い現状に疑問を持った小倉氏。そこで、長年経営者として培ってきた経験を生かし、障がい者雇用に対する意識改革を図るため、障がい者による「作品つくり」ではなく、一般の消費者を対象として売れる「商品作り」を目指したセミナーを1996年から全国各地で開催した。この過程の中で障がい者に対して月給10万円以上を支払うことを実践する事業を開始することを決め、障がい者雇用の場を作り、障がい者の自立と社会参加を応援し、働く喜びと幸せを感じられる社会を実現するために設立したのがスワンベーカリーである。Photo by スワンベーカリー従業員95名の内、知的障がい者34名、精神障がい者6名と約半数の従業員が障がい者であるが、健常者も障がい者も共に働く仲間として、お客様が喜んでいただけるような商品作り、接客をしていくことに重点を置いている。また、スワンで働く健常者は障がい者と働くにあたって特別な訓練などはしておらず、ほとんどの社員が入社して初めて障がい者と働くことを経験する。さらに、スワンは福祉施設ではなく、あくまで「焼き立てのおいしいパンのお店」であるということが前提。働いている障がい者は、それなりに就労出来る能力があり、指示されたことは理解ができる人たちであるため、障がい者の従業員を特別扱いすることなく同じ働く仲間として日々接しているそうだ。「障がいがある人と働く」ということに関して、生産性が落ちることは避けられない。しかし、「障がい者を雇う=何から何まで面倒を見なければいけない」という一般的なイメージとは異なり、出来ない部分を健常者が少しだけフォローをしてあげれば普通に働ける障がい者はたくさんいるというのが事実。また、障がいを持つ従業員のフォローをすることも、健常者である社員の仕事の一つだと話している。さらに、障がいを持つ人がスワンで働き、与えられたポジションをやりこなすことで責任感と自信が生まれ、自分で働いて得た給料で今まで出来なかった習い事に行ったり、特に女性は見た目を気にするようになり、大きな変化が現れるという。スワンではこれまでに350名以上の障がい者の、経済的に自立、仕事を通しての社会参加に貢献をしている。完璧な人などいないのに、「障がい者」を差別する日本社会電車の中やレストランで障がいのある人を見かけた時、無意識に目を逸らしてしまう人は少なくないはず。そこで、1つ思い出してみてほしい。あなたは幼い時、同じような状況の中で大人から「ああいう人をジロジロ見てはいけない」と言われた経験はないだろうか。そう、その幼い頃に刷り込まれたイメージこそが「障がい者=触れてはいけない」という社会のタブーを作り、無意識の差別を生んでいるのだ。しかし、グラナダのカフェやスワンベーカリーの関係者の人々が口を揃えて主張しているのは、「障がいがあること以外は私たちと同じ社会の一員である」ということ。そして、「できないこと」ではなく「できること」に目を向け、それを最大限に活かせるような環境を作りを重要視すること。視力が悪い、膝や腰が弱い、お腹をよく壊すなど、私たちは誰しも完璧な人間ではないからこそ、「人と人との繋がりが暖かいものになる」ということを忘れてはいけないのではないだろうか。Text by Chisato Tanabe ーBe inspired!
2017年05月12日2014年からイスラム過激派組織ISISの支配下にあったイラクの北部に位置する都市モースルの東側が、2017年1月に解放された。アメリカ軍の助けを受け、イラク軍がISISと何週間にも渡り多くの犠牲者を出しながら戦闘した結果だ。いまだに人口が集中している西側は奪還できていないという。(参照元:The New York Times)アルカイダとISISを専門とするThe New York Timesの特派員Rukmini Callimachi。彼女は解放された部分のモースルの街で、現地のある男性がISISからの「暴力の言葉」を「愛の言葉」に塗り替えるという心温まる光景を目にし、ツイッターでシェアしてくれた。1. All over liberated areas of Mosul, 1 of the 1st things people are doing is painting over ISIS graffiti. Some are being artistic about it: pic.twitter.com/Rkmj9rZf4Z— Rukmini Callimachi (@rcallimachi) 2017年4月15日1.モースルの解放された地域で人々が最初に行ったのは、ISISのグラフィティを消す事。ものによってはとても芸術的。2. Today I noticed this man across the street, carefully stenciling a message on this freshly painted wall. So we stopped to talk to him: pic.twitter.com/K4HLVGQzXx— Rukmini Callimachi (@rcallimachi) 2017年4月15日2.今日ある男性の存在に気がついた。ペイントされたばっかりの壁に大事そうに文字を書いていたので話を聞いてみた。3. His name is Sadoun Dhanoun, 39. He's been hired by a senior citizen group to paint over ISIS' graffiti preaching hate. He chose magenta: pic.twitter.com/e46DVlO7e1— Rukmini Callimachi (@rcallimachi) 2017年4月15日3.彼の名前はSadoun Dhanoun。39歳。地元のおじいちゃんやおばあちゃんに雇われて、ISISの憎悪のこもったグラフィティの上に何か描くように頼まれた。色は明るく鮮やかな赤紫。4. This wall here used to be painted with a verse from scripture calling for violence against the kuffar, or infidel. Sadoun painted over it pic.twitter.com/vQKyTCFcJd— Rukmini Callimachi (@rcallimachi) 2017年4月15日4.もともとこの壁には非ムスリムやISISと異なる宗派の人々への暴力を煽るような聖典の一文が綴られていた。Shadounはそこに書き直した。5. What I love is he didn't stop there. He went to an Internet cafe and Googled حكم ومقولات or "Wise sayings." Here's what he wrote down: pic.twitter.com/zJWagRKW1k— Rukmini Callimachi (@rcallimachi) 2017年4月15日5.素敵なのは、ただ塗りつぶしただけじゃないこと。彼はインターネットカフェで「حكم ومقولات (知性あることわざ)」を調べた。こんな感じで。6. The one he chose for this wall says, "In life, be like a cube of sugar, so that when you are gone you leave a sweet taste." pic.twitter.com/MJIOVLSp9B— Rukmini Callimachi (@rcallimachi) 2017年4月15日6.その中の一つは、「人生では砂糖のようにあれ。あなたがいなくなった後には甘い後味が残るように」7. He said he found that evocative "because ISIS left everyone with a bad taste in their mouth."— Rukmini Callimachi (@rcallimachi) 2017年4月15日7.彼はこのことわざを選んだ理由として「ISISがすべての人に苦い思いをさせたから」と言った。8. He's painting at least 7 walls in this northern suburb of Mosul with donations amounting to less than $200. So there's a lot more: pic.twitter.com/iVOt1o59ny— Rukmini Callimachi (@rcallimachi) 2017年4月15日8.彼は2万円ちょっとの募金だけでモースルの北の郊外の7つの壁を少なくとも塗り直した。だからもっとできるに違いない。9. He says he's almost done with this wall and he proudly posed with the quotes & his freshly painted sign. Next he plans to paint flowers pic.twitter.com/3BBHPdkNMj— Rukmini Callimachi (@rcallimachi) 2017年4月15日9.この壁はほとんど終わったと彼は言う。自信満々に、書いたことわざと綺麗に塗り直した壁の前でポーズしてる。次はお花を描くそう。10. His aim is to bring back beauty. It'll be so pretty when he's done, he said, maybe drivers will be distracted. I know it made me stop pic.twitter.com/LGnszG061c— Rukmini Callimachi (@rcallimachi) 2017年4月15日10.彼の目標はこの街に美しさを取り戻す事。彼の仕事が全部終われば、車を運転している人々の気が散るぐらい綺麗だろうと言った。すでに私は思わず止まちゃったわ。ISISがこの街と住民に与えた爪痕は深い。ISISの支配の元、住民は監視され、女性は身体をすべて隠すように命令され、何か少しでも彼らが作った法律に触れれば罰や拷問を受ける恐怖の中暮らしていた。食料や日常品へのアクセスも難しく、人間が人間らしく生きることは難しい状態が3年以上も続いたのだ。(参照元:BBC)そのような暮らしが人々の心にどのように影を落とすのか、想像を絶する。しかし、Shadounと住民はそんな傷を怒りではなく、愛で癒そうとしている。計り知れない苦しみを平和で塗り直そうとしているのだ。少しでもはやくモースル全体が、そしてISISの支配下にあるすべての人々が解放されることを祈る。Text by Noemi MinamiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!街の“差別的なアート”を根こそぎ削る。72歳のおばあちゃんが提案する「平和な社会の作り方」 「爆弾を投げるより、花束を投げ世界を平和に」。そんな反戦のメッセージが込められ、“イスラエルへのテロリストの侵入を防ぐため"にイスラエルとパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区に建...
2017年05月12日アメリカの老舗のジーンズブランドのLevi’s(リーバイス)。彼らをスポンサーに、イギリスのカルチャー誌Dazed and confused (デイズドアンドコンフューズド)のデジタル版Dazed digital (デイズドデジタル)の誌面で、クリエイティブ集団gal-dem(ガルデム)が制作して実現したのは、今までにないオルタナティブで「多様性のかっこよさ」を全開に出したデニムコレクションだった。
2017年05月11日「一杯飲んで、社会貢献」。そんなシンプルなアイディアで、約1380万円(125,000ドル)もの募金額を集めたパブがオレゴン州ポートランドにある。今年で開店4周年を迎えた利益の全てをNPOに寄付するパブ「オレゴンパブリックハウス」だ。以前「オレゴンパブリックハウス」を紹介した記事を読んでない方はこちらから。▶ビールを飲むことは社会貢献だ。ポートランドに存在する「利益0円の飲み屋」創始者のライアン・サーリ(Ryan Saari、以下ライアン氏)氏は、「ビジネス」と「チャリティ」を巧みに融合させ、真面目で大変なイメージがまとわりつく社会貢献活動を、ハンバーガーを食べたり、ビールを飲んだりと、ただただ“楽しいこと”へ昇華させた。 果たして、ライアン氏はどのようにして地域住民が気負うことなく、みんなで助け合う“利益0円のパブ”を軌道に乗せたのだろうか。Be inspired!は彼に、前代未聞のビジネスモデルならではの課題やこれまでの変遷、そして「成功の秘訣」について話を伺った。コミュニティに溶け込む、みんなの居場所営業開始から4年が経つオレゴンパブリックハウス。創業当時「新しい地元密着型ビジネスモデルだ!」と世界的に話題になったが、今も変わらず地域に溶け込んだ存在なのだろうか?“もちろん!幸運なことに、この4年間ずっとコミュニティの理解と協力を得て、当初の「みんなで楽しく社会貢献」のミッションを保って運営しているよ。逆に言えば、この考え方をサポートしたいというコミュニティがなければ、成り立たないビジネスモデルだからね”確かに利益の全てをNPOに寄付するためには、地域コミュニティの理解と協力が不可欠であろう。そんなお店を支えてくれる理想的なコミュニティを求めてライアン氏が選んだのは「ウッドローン」と呼ばれる昔からアフリカン・アメリカンの人口が多い住宅街。地価はそれほど高くなく、レストランがいくつかあり、近隣で働く人も多いという古き良きワーキングクラスのネイバーフッドである。地元の人々がもたらす「コミュニティの質」こそが、オレゴンパブリックハウスが4年経った今も息を切らすことなく持続している原動力であることは言うまでもない。コミュニティのメンバーは、このような出会いや、そこから生まれる「無償の行為」を見守ってきたわけだ。それはきっとこの店を誇りに思う理由になるに違いない。「変わってしまった地価」と「変わることのないビジョン」「利益を全てNPOに寄付する」と宣言し、大きなプレッシャーを抱えながらも前代未聞のビジネスモデルを支えるコミュニティ作りに奮闘してきたライアン氏。立ち上げ当初と比べて、お店を取り囲む環境やコミュニティに変化はあったのだろうか?“確かに自分たちが引っ越してきた8年前に比べると、この地域はかなり変わってしまった。特にここ数年、急激に裕福な白人が流入してきて、お店も増えたし、地価や物価も上がった。僕は家族とこのパブのすぐ近所に住んでいて、娘は今、近所の公立小学校の3年生なんだけど、彼女がクラスでたった1人の白人なんだ。でも、同じ学校の幼稚部の生徒は、ほぼ全員が白人なんだよ。4年間でどれだけ変わった(白人が増えた)かを表す見本だと思うんだ”つまり、この数年でウッドローンには「GENTRIFICATION(ジェントリフィケーション)」が起こったのだ。治安の向上や経済的な発展が見られるため、一概に批判することはできないが、地価が上昇するために、大抵の場合はその地域の住民は貧困地域に追いやられ、これまで以下の環境で生活せざるをえないことになる。ライアン氏は、パブに来る客層の変化をこう語った。“地域住民っていう括りでは同じだけど、地域住民を構成する個人は変わっているかもしれないね。設立時にこのパブの在り方を信じて、設営のために一緒に汗を流したメンバーが、お金がないから来れないっていうのは悲しいよね。「みんなのパブ」なんだから。でも、この地域の物価や地価が上がることを自分が止めることはできない。できるのは、みんながお店に来れるよう、メニューの価格をギリギリまで抑えることくらい。それにここで4時間働けば、誰でも食事と好きなビールを楽しむことができるんだ。日本人のみんなも大歓迎さ。ポートランドらしい体験ができるよ!(笑)” しかし、お金のない人も含めた地域の人に来てもらいたいと言う理由で、ビールや食事の値段を下げることは言語道断だ。なぜなら、お店の大前提は「利益をNPOに寄付すること」だから。「NPOの利益」と「地域住民に優しい値段設定」。2つのバランスを取ることがオレゴンパブリックハウスのビジネスモデルの一番難しいところなのかもしれない。アメリカでは珍しい「自己犠牲の精神」が宿るポートランドライアン氏は、提携するNPOのことを世界を変えるために自らを犠牲にして頑張っている「僕のヒーロー」と讃えていた。パブは、NPOとコミュニティをつなぐ場としても機能しているわけだが、彼はこのビジネスを通して、たくさんのNPOの人たちと知り合い、彼らとの共通点を見つけたという。“みんなの共通点は、ビール好きで、他人のために「無償で何かしたい」ってことだよ。なんせ、「NPO」と「ビール」が街の代名詞だと言われるポートランドだからね(笑)。ほら、アメリカ的な理想って、個人で1段ずつ経済的社会的成功の階段を上っていく感じでしょ?でもポートランドの人からは、もっと私欲を超えた「自分だけじゃなくて、みんなで幸せになろう」っていう大きな理想に加担したいっていう感じを受けるんだ。それはこの店を通しても感じることだよ”確かに、世界を変えようというNPOは尊敬に値するが、彼らを支えるオレゴンパブリックハウスだって、ヒーローたちの集まりだと言えるのではないだろうか。このビジネスモデルの成功の秘訣をズバリ聞いてみると「自己犠牲かな(笑)」とあっさりと深い答えが返ってきた。“関わっている誰もが、私欲を捨てている。パブを立ち上げるまでは、ビジョンしかなかった。「みんなでビール飲んで、その利益で地域のNPOをサポートするパブを作りたい」って話だけで周りの協力を仰いだんだ。でも、このアイデアってすごくシンプルでしょ?だから、僕たちの作業している姿を見るうちに「こいつら本気なんだ!誰も自分の利益について考えていないんだ!ビール飲んで社会貢献、いいかも!」って、地域住民それぞれに、このアイディアが腑に落ちる瞬間があったんと思うんだよ。そして、自分も僕たちの仲間になりたいって思ってくれたんだ。みんな「フェイクの匂い」には敏感じゃない?でも、ここでは誰も得しようと思っていないし、もしたとえ、自分だけ得したいって人が来てもできないからね。だからこそ、ずっと「地元のみんなで楽しく助け合って、社会貢献」というミッションが守られたまま続いているんだ”All photos and Text by Rika HigashiーBe inspired!
2017年05月11日オーストラリアのメルボルンで、理容師として働く一人の男がいる。Nasri Sobhani(ナシール・ソバハニ)さん28歳だ。これだけ聞けばどこにでもいそうな理容師であるが、実はこの男、“元ヤク中”という経歴を持っている。そんな彼は今、理容師としての技術を活かし、路上に住んでいるホームレスたちに無料でヘアカットを施している。彼が路上ヘアカットを開始した経緯や、そこで出会った彼にとっての「新しい薬物」とは何であったのか。ナシールさんにインタビューをし、彼が経験したことやそこから得たものについて伺った。「無料ヘアカット」を続ける「理由」とは“路上で生活をしている人たちのために無料でヘアカットをしているのは、僕なりの社会への恩返しなんだ”そう語るのは、全身にタトゥー、そして薬物にハマった過去を持つナシールさんだ。彼は週に一度、休日に街に繰り出して路上で生活をしている、いわゆるホームレスたちの髪を切っているのだ。 “1日に髪を切る人の数は、だいたい3~6人くらいかな。毎日何人の髪を切るかは決まっていないけれど、自分が外出するときには少なくとも一人のヘアカットはやろうと思うね。もちろんもっとやれる日はできる限り多くの人の髪を切るけどね 一人の髪を切り始めたら他の人が「僕の髪の毛も切ってくれるかい?」と聞いてきて、自然と人が集まってくるんだよ。夜中までかかったこともあって、携帯のライトだけを頼りに髪を切ったこともあったなぁ。それはとても楽しかったさ” とにかく「髪を切ることが大好き」と語るナシールさんだが、なぜ無償で路上へカットをしようと思ったのか。それを問うと、ナシールさんはこう答えた。 “これは薬物中毒であった僕の人生を戻してくれた、社会に対する感謝を示す僕なりの方法なんだ” そして、嬉しそうにこう話す。 “ヘアカットは僕を“ナチュラルハイ”にしてくれる、僕の新しいドラッグさ”ふと感じた、「なぜこんなことをしているのだろう」という葛藤これまでに多くの人の髪を切り、今では路上のちょっとした有名人となっているナシールさんだが、路上ヘアカットの意義を自分自身に問わなければならない苦しい経験もした。 “僕が路上でヘアカットをやり始めてすぐのことなんだけど、僕が髪を切っていた人がその地域のヘロインディーラーだったことがあったんだ。カット中に別の男が彼の元に寄ってきて、僕の目の前で薬物の取引を開始しようとしたんだよ。僕は思わず髪を切る手を止めてしまったね。そして「何で僕はヘロインを売買しようとしている人たちなんかのためにヘアカットをしているのか」と自分に怒りを覚え、心の底から落胆したよ” しかしナシールさんは、「今自分ができることはそんな人でも否定せず、全ての人を心から愛して髪を切ることだ」と思い、彼のヘアカットを続けたという。そしてその日から1カ月後、ナシールさんはまた同じ男と偶然再会することになった。そこで彼は思わぬ変化を遂げていたのだ。 “彼は僕を見るなり「ヘアカットをしてもらった日から薬物と関わることを辞めた」と言ったんだ。少し肉付きもよくなって明らかにいい表情をしていたね” ナシールさんのヘアカットが彼の生き方を変えたようにも思えるが、ナシールさんは逆に彼から希望をもらったと話す。 “僕は彼から「誰もが2度目のチャンスを持っている」ということを教えてもらったよ。ヘアカット一つで彼らの人生を劇的に変えることはできないけれど、一度自分を信じることができれば人は本当に自分の人生を変えることができるんだ”10歳でホームレス、11歳でヘロイン中毒となった「青年」との「出会い」またナシールさん曰く、「彼からその話を聞いたときは寒気がした」というほど辛い過去を持つ一人の青年との忘れられない出会いもある。ナシールさんがその青年、クリスさんと出会ったのは、ちょうど彼が22歳の誕生日を迎えた日のことであった。聞けばクリスさんには頼れる家族はおらず、わずか10歳の頃からホームレスとして生活をしているそうだ。「暑い日でも、学校で長袖長ズボンでいることは辛かった」と言うクリスさんの言葉の意味を問うと、それは「父親から受けた虐待の傷を隠すため、どんなに暑い日でも肌を見せた恰好ができなかった」ということであった。そんな彼にはどこにも逃げ場はあるはずもなく、10歳にして彼にとってはまだ“安全な聖域”であった路上で生活することを決めたという。その後は11歳にしてコカインに手を出し、最終的にはヘロイン中毒となってしまった。そんなクリスさんに対し、ナシールさんは数週間の間に2度のヘアカットを行い、本人の希望で顔の髭もサッパリと剃り上げた。そして2度目のヘアカットの後、明らかにクリスさんの表情は変わっていたという。 “最初はとっても臆病だった彼が、2度目のカットの時には冗談を言ったりしたんだよ。カットが終わって彼が鏡を見た瞬間の彼の表情は、僕が彼に会って以来最も幸せそうな顔だったね” この出来事はナシールさんにとって最も心温まる思い出となった。 “クリスは子どもの頃は辛い経験ばかりだったけれど、22歳以降の彼の人生が多くの愛と幸せで溢れることを心から願っているよ”聞いてくれる「誰か」がいることが、「チャンス」に変わる傍から見れば、明らかにホームレスたちを助け奉仕をしているようにも見えるが、ナシールさんにその意識はない。なぜなら彼もまたホームレスたちに救われていると感じているからだ。ヘアカットにお金は発生しない。しかしそんな想いも込めて彼はホームレスたちを“路上のお客さん”と呼ぶ。 “自分自身を嫌い、鏡さえ見たくない時期が僕にもあったよ。それと同じ感情を僕の「路上のお客さん」たちも持っていると思うんだ。彼らは自分の事を恥じるがあまり、自分のことを語ろうとしない。でも、その一方で自分の事を語りたい、一人の人間として接して欲しいという想いも持っているはずなんだ。僕は友達の話を聞くのと同じように彼らの話を聞いてみたいんだ。もしかしたら、そういった繋がりが彼らに開かれたチャンスを与えることになっているのかもしれないけど、それは僕の心を穏やかにし、僕自身の人生も変えてくれることでもあるよね。だから「路上のお客さん」に僕は感謝しているよ” 今後は路上ヘアカットの非営利団体を世界中に作り、一人でも多くの人に希望を与えていきたいそうだ。 “ホームレスたちはただ自分の話を分かち合える誰かと繋がりたいんだと思う。小さなことだけど、それは彼らにとって、尊敬や敬意を持たれたということを意味するからね” 今日もナシールさんはどこかの路上で髪の毛を切っている。それにより、多くのホームレスたちが誰もが持っている2度目のチャンスを手にしているであろう。しかしナシールさんが語った、「自分を信じることができれば自分の人生は変えられる」という言葉は、きっと誰の心にも響くはずだ。***Nasri Sobhani
2017年05月10日あなたの髪の毛は何色だろうか?アジアン・ブラック、ブロンド、赤毛に、アフロ、ドレッド。髪の毛の色や髪型は、人種やルーツをあらわしたりするアイデンティティを形成する要素でもあり、自分の個性を表現するためのファッションにもなったりする。そんな個々人の大事な体の一部である「髪の毛」の染髪やパーマを日本の中学や高校では、禁止している学校が多い。生まれつき「黒髪」が一般的である日本人だが、茶色がかった色の人もいるし、癖っ毛で天然パーマの人もいる。そんな「生まれつきの髪」が故意ではなくとも校則違反のように見えてしまう生徒に対し、地毛であることを証明する「地毛証明書」の提出を求める学校も存在するのだ。地毛証明書の形式はさまざまだが、保護者から「我が子の髪は生まれつきです」と印鑑をもらったり、更には子供の頃の写真を添付して証明させるケースもある。Photo by Emma Simpson出る“黒髪ストレート以外”は打たれる確かに、日本では「髪の色が明るい=素行が悪い」という価値観が根付いている。髪色が明るい人に対して「チャラい」という印象を抱く人も少なくないだろう。しかし、「黒髪ストレートでなければならない」という価値観を教育現場で押し付けてしまうのは少々危険なのではないか。生まれ持った個性を“違反”の対象とみなし、その生徒にのみ「地毛証明書」を提出するのは差別に近いものを感じる。また、ボーダレスが叫ばれる現代社会で、「黒髪ストレート」以外は全て排斥する行為を教育現場で行って「“違い”を受け入れる」という人間性を育む教育は果たして成り立つのだろうか。Photo by Aricka Lewis“自由”にすることで“人が育つ”教育教育現場で「地毛証明書」を提出させるほどシビアに取り締まり、黒髪でなければいけないと押し付ける必要があるのかどうかを問いかけたい。なぜなら、“禁止”から生徒を解き放つことで感性豊かであったり、勉強ができる人材が育っていく教育もあるからだ。そんな日本の学校を2校紹介したい。1校目は、都内トップの進学校である麻布学園には「校則」が一切ない。服装や髪の毛の色はすべて自由であり、茶色に留まらず髪色が赤や黄や青の生徒がいるのだとか。しかし、この高校は「自由な生き方」をさせるのが方針。「自由」に責任はもちろん伴う。つまり自由の中で社会とのバランスを“自分で考えて”行動することを委ねている。この校則なしで“自分で考える”力を育てている方針が麻布学園を東大合格者数4位の進学校にさせる1つの要素なのではないか。(参照元:「謎」の進学校麻布の教え)Photo by kychanそして2校目は、自由の森学園。その名の通り自由な学校で、「一人ひとりをかけがえのない“個”として育む教育」を掲げ、校則も定期試験もない。麻布学園のように「偏差値が高い」学校ではないが、クリエイティブな人材を多く輩出している。卒業生には歌手、コラムニスト、作家、俳優などマルチな才能で話題の星野源氏。小柳ゆきやmiwaのプロデュースをつとめた片岡大志氏。「ブラックラグーン」で知られる漫画家の広江 礼威氏などがいる。その他ダンサーやライター、俳優やミュージシャンなどバラエティにとんだ人材が並ぶ。“校則で縛らない”ことによって感性豊かで自己表現を厭わない人を育てているようだ。(参照元:自由の森学園)「地毛証明書」は必要か否か“自由”な教育がされる学校がある一方で、染髪を禁止し、「容姿が違うのは私の意思でやっているわけではない」と証明する「地毛証明書」を提出させる学校がある。現代社会の教育現場に染髪禁止が多く存在することはともかく、「地毛証明書」まで本当に必要なのだろうか?Text by Hinako OhnoーBe inspired!
2017年05月09日