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キャメロン・ディアスとアビゲイル・ブレスリンが母娘役を演じることで大きな話題を呼んでいる『私の中のあなた』のジャパン・プレミアが9月29日(火)に開催され、香椎由宇や哀川翔、木下博勝&ジャガー横田夫妻、さらに本作のイメージソングを歌う一青窈らが来場した。このジャパン・プレミアに合わせて、ニック・カサヴェテス監督が来日!この会場にも来場…の予定だったが、残念ながら飛行機の遅れにより会場への到着が遅れ、来日ゲストなしでのプレミア・イベントとなった。病気の姉の治療のために遺伝子操作で“生み出された”次女のある決断を巡る、ひとつの家族の姿を描いた本作。まずスペシャルゲストとして登場したのは、家族思いの優しい父親として有名な哀川さん。 哀川さんに家族円満の秘訣を聞いてみると「何でも言い合えること」との答えが。本作に関して“号泣必至”、“ハンカチ必須”といった言葉が聞こえてくるが、哀川さん自身は「おばあちゃんに、『男は泣いちゃいかん』と言われた」ということで、ここしばらく涙を流していないというが、この日の試写会ではどうだったのか?気になるところだ。続いてジャガー&木下夫妻が姿を現したが、木下さんはジャガーさんの前でキャメロン・ディアスの美しさを絶賛しすぎたばかりに、ジャガーさんからガツンと一発もらったばかりだとか。そこで会場の観客にキャメロンとジャガーさん、どちらが美しいかを投票してもらうと、何と!ジャガーさんが圧勝。この結果にご機嫌な様子のジャガーさん。驚愕した表情の木下さんに「もう何言っても今日は怒らないよ」と寛大な態度を示し、会場の笑いを誘った。香椎さんはカサヴェテス監督の大ファン。香椎さんは昨年、俳優のオダギリジョーさんと入籍、まさに新しい家族を手に入れたばかりだが、家族愛についての質問に「支え合うこと、信じあうことです!」と答えた。最後に登場したのはイメージソング「うんと幸せ」を歌う一青さん。若くして父と母をガンで亡くしている一青さんは「自分の家族の思い出とシンクロさせて観ました。家族の形が見える映画です」とコメント。その後、「うんと幸せ」を熱唱し、客席からは大きな拍手と歓声がわき起こった。『私の中のあなた』は10月9日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開。■関連作品:私の中のあなた 2009年10月9日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© MMIX New Line Productions,Inc.All Rights Reserved.■関連記事:台湾のスーパースター、ジェイ・チョウがハリウッド進出少子化問題もこの映画で解決?『私の中のあなた』“感涙”試写会で子作り宣言続々生まれ変わりたい女優は誰?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼントキャメロン・ディアスが母親を熱演『私の中のあなた』母娘試写会に30組60名様ご招待初の母親役で絶賛の声を集めるキャメロン「家族は、何事にも変えがたい大切なものよ」
2009年09月30日世界で映画館が一番多い国はアメリカ、2位がインド…ならば世界で映画館が一番多い街はどこなのだろう。ミャンマーはヤンゴンの街を歩きながら、なぜかそんなことを考えた。自分が予想していたより映画館の数が多かったからかもしれない。ヤンゴン中央駅の近くだけで映画館は4、5館ある。シネコンタイプの映画館もあるが、それぞれが独立したどこか懐かしさの残る映画館もある。大きなイメージポスターが張られている映画館もあれば、手描きの看板で描かれている映画館もあり、ハリウッド映画、インド映画、ミャンマー映画とこの街では様々な映画を観ることができる。中には韓国映画を特集している映画館もあった。入場料は500チャット(約50円)程度から1,000チャット(約100円)程度と席によって値段が変わる。インドと同じように2階席の方が1階席より値段が高くなる。少しヤンゴンの物価に触れておくと、僕がよく行っていた屋台のコーヒー1杯が300チャット(約30円)、ミャンマービール(モンドセレクションの金賞を受賞したこともあり美味いビールである)1本が1,000チャット(約100円)程度である。人が流れ込んでいく光景に吸い寄せられるようにインド映画が上映されている映画館に入った。『イージーライダー』のインド版のようなバイク旅のロードムービーだった。そういえば少し前にマレーシアのペナン島で観たインド映画も車旅のロードムービーだった。インド映画に欠かせない歌と踊りはいつものようにあるのだが、そこに「旅」という要素が加わることが主流になりつつあるのかもしれない。翌日はミャンマー製作の映画を観ることにした。意外かと思われるかもしれないが、ミャンマーでは映画が結構、製作されており、日本でも2年ほど前からミャンマー映画祭なるものが東京で開催されている。今回観たミャンマー映画は、まるで結婚式の披露宴で流しているホームムービーのようなアットホームな雰囲気が客席に漂わせていた。そして、まさに映画の内容も結婚式に至るまでのラブコメディだった。前日のインド映画とは予算も全く違うのだろうが、客の入りはあまり変わらないように思えた。きっとアットホームな映画もミャンマーの人々にとっては生活に欠かせないのだろう。映画館を出ると若い太ったお坊さんが露天でハリウッド映画が10作品程度入っているDVDを選んでいた。間違いなく違法コピーのDVDである。入っている作品を一つずつチェックしながら舌打ちしている。「何だよ。これ観た作品ばっかりじゃねぇかよ」とでも吹き出しをつけてあげたかった。お坊さんと違法コピーのDVDと舌打ちというセットに、どこか微笑んでしまう。映画という文化がこの街の生活の中に入り込んでいることだけは間違いなさそうだ。(photo/text:ishiko)
2009年09月30日累計販売部数100万部を超える、警察小説の金字塔「道警シリーズ」の第1作「笑う警官」を原作に、映画界のカリスマ・角川春樹が12年ぶりにメガホンを取った。9月29日(火)、角川監督を筆頭に、主演の大森南朋に忍成修吾、蛍雪次朗、野村祐人、伊藤明賢、矢島健一ら“警察”一派と原作者の佐々木譲が一堂に会して、映画『笑う警官』の舞台挨拶が行われた。本作は、北海道警察で実際に起きた組織ぐるみの事件を題材に、刑事たちの間で繰り広げられる攻防戦を描く。角川監督は、「今回は、犯人を追うのも追われるのも警官。ひとりひとりの警官が警察という組織の冷酷さや非情さ、傲慢さに挑んでいきます」と作品を説明。エンターテイメント性にこだわったという作品の出来について、「原作のベストセラーとホイットニー・ヒューストンによる主題歌、そして映画の三位一体が久しぶりに実現した。150万人動員できなければ、映画は辞めようと思ってます」との宣言をした。そんな監督とのコラボレーションに、大森さんは「僕らの世代は角川映画を観て育ってきたので、ご一緒できて夢が叶ったような気分です。(監督が)スクリーンの向こう側に行ってしまったというか、まだ行ってないんですけど…(笑)」と冗談交じりに喜びを語った。今回大森さんが演じるのは、同僚の無実を晴らすため奔走する警官・佐伯。「監督と一緒に、人間ドラマをしっかり作ってきたので見てもらいたい」と見どころを語った。その後も、キャスト陣からは角川監督との仕事についてコメントが続出。初タッグとなる忍成さんは、「角川監督というのを聞いた瞬間から緊張しっぱなしでしたが、本当にいい経験をさせていただきました。自分がここにいるのが信じられません」と監督の横で緊張した面持ちで語った。撮影現場については、蛍さんが「監督はよく『TVじゃなくて映画なんだから!』というダメ出しを何度もしていた」と明かせば、「役者としていろんなチャレンジをしなければならなかった」(野村さん)、「角川監督にだいぶ怒られ、苦労しましたが、いい勉強になった」(伊藤さん)と、監督のストイックな指揮ぶりをうかがわせた。一方で、矢島さんは「監督はとてもチャーミングで、見ているとニコニコしてしまう、愛すべきキャラクター」とにこやかな笑顔を見せた。そして、原作者の佐々木さんは完成作の感想を尋ねられ、「悔しい!という思いになりました。本当の道警にはこんなにかっこいい刑事はいないぞと、そんな思いでありますが、決して荒唐無稽な話ではないということを踏まえて観ていただきたい」と太鼓判を押した。最後には、本作のために結成された応援ユニット“笑うトップモデル”が登場し、男性一色の舞台挨拶に華を添えた。この“笑うトップモデル”の代表するのは、10代、20代から圧倒的な支持を集める「Popteen」のカリスマモデル、船山久美子。初めての経験に少々ぎこちなさを感じさせながら「ハラハラドキドキのスリル満点の映画です。みなさん『笑う警官』をぜひ観てください」と映画をアピールした。一方、美女の応援にご満悦の角川監督。男性陣には厳しい監督のようだが、「女性のことは怒りませんから、男は別です」とニンマリと頬をゆるめた。『笑う警官』は11月14日(土)より全国にて公開。■関連作品:笑う警官 2009年11月14日より全国にて公開© 2009『笑う警官』製作委員会■関連記事:恋したい“大人”な俳優は誰?MTVオリジナルiTunesダウンロードカードを10名様プレゼント大森南朋主演『笑う警官』主題歌に復活間近の歌姫W・ヒューストンの新曲が決定!人気警察小説の映画化!『笑う警官』モニター試写会に50組100名様ご招待
2009年09月30日26日にスイスで身柄を拘束されたロマン・ポランスキー監督。米国への身柄引き渡しに徹底抗戦の構えを見せているが、現在ポストプロダクション中の新作『The Ghost』(原題)が今後どんな運命をたどるかにも注目が集まっている。今年2月にベルリンを中心にドイツ、デンマークで撮影された『The Ghost』は、ロバート・ハリスの同名小説の映画化。英国首相だった男性の回想録を書くことになったゴーストライターの男が闇に葬り去られていた陰謀に気づく物語で、元首相をピアース・ブロスナン、ゴーストライターをユアン・マクレガーが演じ、ほかにキム・キャトラルやトム・ウィルキンソンらが出演する。撮影は全て終了し、編集もほぼ終わった状態だが、音声や音楽をはじめとするポスプロ作業はポランスキーがスイスに赴いた時点でまだ作業の途中だった。ポランスキーのエージェントは「ロマンの映画の価値は認められるはず。きちんとした配給元を見つける自信はある」と話している。(text:Yuki Tominaga)今月16日、新作『The Men Who Stare At Goats』プロモーションのため、トロント国際映画祭に参加したユアン・マクレガー。© Rex Features/AFLO
2009年09月30日いま最も忙しいお笑いコンビ、はんにゃの金田哲が映画の主演に大抜擢!こちらも人気急上昇中の川島海荷とW主演で贈るラブコメディ『私の優しくない先輩』で、川島さん扮する女子高生のひとクセある先輩を演じる。9月29日(火)、本作の製作会見が縁結びの神社・東京大神宮にて行われ、金田さんと川島さん、山本寛監督が揃って大ヒット祈願を行った。会うのはこの日が3回目という2人だが、金田さんは早くも川島さんを「うみたん」呼ばわり。お祓いを済ませ「僕がリードしていかないとと思います」と“先輩”ぶりを見せた。さらに、川島さんから「想像していた通りおもしろい方。これからご一緒できることが楽しみ」と言われると、気を良くして「普段、“汚い”川島(※相方の川島章良)は見てるんですけど、同じ『川島』でもこんなに違うものかと思いますよね!うちの川島はジェラシーを持っていましたから。うみたん気をつけて!」と一気にまくし立てた。これに対し、川島さんは「相方の川島さんが羨むような、いいコンビネーションで頑張ります」と意気込みを語った。「金田さんのボケをまだ見てないので、これからつっこんでいきたいと思います!」と、不在の川島さんをよそに新相方として名乗り出た。すると金田さんも「これは楽しみですね。もし本当にうみたんのツッコミが良かったら、川島チェンジあり得ますからね!」と応戦。撮影前にして、早くも新コンビ(?)誕生を予感させた。一方、これが初めての実写映画のメガホンとなる山本監督は、「なぜ僕がここにいるんでしょうか…。アニメ畑出身なので戸惑っておりますが、真摯に撮影に臨めればと思っております」と控えめに意気込みを語った。作品について金田さんは「恋をする際に、誰しもが持っている感覚を描いた映画になると思います。うみたんが僕に対してマジで恋してくれるかを期待していてください」。川島さんも「私自身も初のラブコメディで飛びぬけた作品になると思うので、楽しみにしてください」と2人仲睦まじい様子でアピールし、幸先快調な滑り出しとなった。『私の優しくない先輩』は2010年夏、公開予定。■関連作品:私の優しくない先輩 2010年夏、公開予定
2009年09月29日大人気漫画「ONE PIECE」の劇場版アニメーション第10作目となる『ONE PIECE film STRONG WORLDワンピースフィルムストロングワールド』にゲスト声優として参加する竹中直人と皆藤愛子が、都内スタジオで公開アフレコを行った。皆藤さんが演じるのは、エバーという名の劇場版オリジナルキャラクター。主人公のルフィたち一味が立ち寄った酒場でウェイトレスをしており、一味の一人・ブルックのいつもの挨拶「すみません、パンツ見せてもらってもいいですか?」という言葉に「見せるかー!!」とカカト落としを豪快にキメる。皆藤さんは、監督から「カカト落としを決める役なのでもっと元気に」などとディレクションを受けつつ収録に臨んだ。続いて登場した竹中さんは、今回ルフィたちの前に立ちはだかる伝説的な海賊“金獅子のシキ”を演じた。皆藤さんも横で見守る中、「ジハハハハ」という奇怪な笑い声と共に極悪人の空気を醸し出しつつ、何通りものテンションを試しながらいくつかのシーンを収録した。収録を終えて報道陣の質問に答えてくれた2人。竹中さんは収録中とは打って変わって、皆藤さんの隣りに立つのが照れくさそう。「かわいすぎて、美しすぎて、まぶしくて直視できません!体が熱くなっています」とはにかみながら答えた。今回のシキ役は、劇場版10作目にして初めて製作総指揮を執る原作者の尾田栄一郎の直々の指名によって実現したもの。竹中さんは「うちの子供が『ONE PIECE』大好きで、『パパやるの?』って(笑)。子供たちに胸を張って自慢できる仕事でありがたいです。普段は…虫けらのように扱われてるので」とユーモアたっぷりに語った。皆藤さんは「こんなに大きな声を出すことは普段の仕事ではないの戸惑いました。でもやってるうちに快感になってきました」と充実した表情を見せた。ちなみに、役作りのために実際にカカト落としの練習をしたこともあったとか。報道陣からは竹中さんに、「次回の監督作で皆藤さんの起用は?」との質問が。竹中さんは「そうですね、沖縄を舞台にして…行方不明になる少女を」とすでに役柄まで指定し「ぜひお願いしようと思います。タッチ!タッチ!」と照れ隠しなのか?最後まではしゃいだ様子で語った。記念すべき劇場版10作目となる『ONE PIECE film STRONG WORLD』。ゲスト声優のこの2人の活躍も見逃せない!公開は12月12日(土)より全国にて。■関連作品:ONE PIECE film STRONG WORLDワンピースフィルムストロングワールド 2009年12月12日より全国にて公開© 尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション ©「2009 ワンピース」製作委員会
2009年09月29日韓流スターのペ・ヨンジュンとチェ・ジウが29日、東京・江東区の東京ベイコート倶楽部で声優を務めたアニメ「冬のソナタ」の完成披露会見を行った。ドラマ「冬のソナタ」の大ヒット以降、2人が日本でツーショット会見するのは初とあって報道陣が殺到した。自ら声優として出演した同アニメについて、ペ・ヨンジュンは「ドラマを愛してもらったみなさんに、チュンサンとユジンの新しい便りをお届けできることを嬉しく思っています。ドラマに新しく追加された点がかなりあり、2人が別れた後の3年間をお見せしたりしています」と新エピソードをアピール。チェ・ジウはアニメ版ユジンの役作りに「実際の私より可愛らしく描いてもらい、声を出すとき(ドラマより)もっともっと明るく演じなければとやっています。そんな大変さもあります」と照れ笑いした。現在も続いているアフレコ収録に、ペ・ヨンジュンは「声で全ての感情を表現するのは本当に大変。台詞がないときも呼吸や息で何らかの存在感を出していなければいけない」。チェ・ジウも「今回初めて声の演技をやらせていただくことになり、ドラマより簡単なのでは?と思いましたが、やってみたら大違いでした。狭いスタジオの中で芝居をするのた本当に大変です。例えば、走るシーンでは実際に走りながらやっていますが、傍からみたら滑稽だろうと恥ずかしいです」とウラ話を披露し、取材陣の笑いを誘った。質疑では今後の2人の共演について聞かれると、チェ・ジウは「2人はドラマで本当に息がぴったりだった。今後もいいシナリオに出会えたらいい作品が撮れると期待しています」と前向きに語ってみせた。アニメ「冬のソナタ」は10月17日(土)よりCS放送「スカパー!」で全28回独占放送。(photo/text:Yoko Saito)アニメ「冬のソナタ」(全28回)10月17日(土)よりスカパー!にて独占放送公式サイト:
2009年09月29日是枝裕和監督の最新作『空気人形』で、心を持ってしまった空気人形が恋に落ちるビデオ屋の店員・純一を演じたARATA。是枝作品への出演は、彼自身の映画初出演作『ワンダフルライフ』、『DISTANCE』に続き8年ぶり3度目…とここまで書いて、え?まだ3度目?8年も空いてたっけ?という思いに駆られてしまう。“ぴったり”などという言葉では足りない、「彼の存在こそ是枝作品そのもの」と言えるくらいの何かが、ARATAと是枝監督の間には存在しているような気がしてならない。本作でも、韓国から空気人形役に迎えたぺ・ドゥナを挟んで、しっかりとその“何か”を感じさせてくれる。「監督の『人形を常に優しく見守って』という言葉だけで役柄を理解できた」「存在しているかもしれないけど、存在していない」――。ARATAさんは、是枝監督がこれまでにARATAさんに与えてきた役柄に共通する“テーマ”を、禅問答のようなこの言葉で表した。「僕が勝手にそう捉えているだけなんですが、この要素はいままでも、そして今回の役にもあって。ぶれない1本の筋としてあるから、純一という役にスムーズに入っていけました。監督と一緒に“空虚”というものを模索していくという流れでね」。劇中、純一に関して、その心の内面や過去、背景などは一切描かれない。いわば、突然心を持った空気人形以上に謎の存在なのだが、どのように役にアプローチしていったのだろうか?「監督から言われたのは『現場で、人形をいつも優しく見つめてあげてほしい』ということ。正直、その言葉だけで僕の中で、純一の全てを理解できました。彼の私生活の部分やバックボーンといった要素は必要なかった。常に人形のそばにいて、人形が徐々に人間になっていく過程を見つめ、彼女の質問に優しく答えを返す、それだけの行為の中にも彼の位置というのがしっかりとあって、純一という人間を説明することができる、と感じました」。是枝監督が、原作の短編漫画を映像化したい、と思ったきっかけになったのが、穴があいて空気が抜けていく人形に、純一が息を吹き込むという描写。監督はそこに“エロティック”なものを感じたとのことだが、では、映像化に当たってどのように撮っていったかというと…。「ARATAくんには『息を吹き込むとき、一瞬だけ人形を見てくれ』とだけ言ったね。あとは余計な感情表現や演出は一切排除してる。じゃあ何でそこがエロティックに見えるか?それは見た人の中でいろんなものが混ざってそう見えるんでしょうね。僕自身、このシーンに関しては、撮る前から『エロティックに!』ってスタッフ全員に言ってた。でも、どうやって?何で?っていうのは難しいところですよ。強調されてるのはビニールが膨らんでいくパリパリって音だったりして…そんなのエロいわけないでしょう(笑)!そこが面白いところですね、映画にするっていうことの」。繰り返されるテーマ。その原体験は――?ARATAさんの冒頭の言葉にもあるが、「存在と不在」、「喪失」といった要素は、是枝作品を語る上で、常に挙げられるキーワードである。漫画を原作とした本作でも、これらの要素は健在である。監督自身、この点については一貫して「自分では意識していないので、そこに惹かれているのは分かるけど、なぜかというのは分からない」と言っているのだが…。なおも食い下がると、「全然違う話だけど…」と前置きしつつ、自身が初めて携わったというドキュメンタリー作品の話をしてくれた。「ある小学校で牛を一頭飼っていて。その牛が子牛を産んだら、みんなで乳搾りをするという目的で、クラスで世話をする姿を3年間追ってたんです。みんな楽しみにしてたんだけど、母牛が死産しちゃった。子供たちはわんわん泣きながらお葬式して、でも母牛からは乳が出るんですよ。それがおいしいの(笑)!給食のときにみんなおかわりして飲むんですよ。その子たちが書いた詩がすごく良くて、『悲しいけどおいしい』って詩で。まさに、喪失があったゆえに複雑な表現が生まれたんです。何が言いたいかって(笑)、ある価値観の反転や屈折の美しさ、ある種の喪失や欠落をどう乗り越えていくかって姿に、僕は人間の“何か”を見たいんですよね、恐らく」。ARATAさんは、是枝監督のそんな言葉を隣で聞いて、最後に自身にとっての是枝監督の存在の大きさについて、こんな言葉で説明してくれた。「自分の原点、ルーツを見直させてもらえる貴重な、本当に貴重な現場なんです。自分と向き合って…もちろん10年前の自分に戻ってもしょうがないところもあるし、でも大切にしたい部分でもあって。そうした感覚を持つことができるのは、“ここ”だけなんです」。言葉で伝えるのが決して簡単ではない答えをゆっくり、じっくりと語ってくれた是枝監督とARATAさん。映画を観れば、静ひつな映像の中から言葉ではなく、2人が伝えたかった思いがきっと伝わってくるはずだ。(photo:HIRAROCK)『空気人形』ペ・ドゥナ インタビュー■関連作品:空気人形 2009年9月26日よりシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2009業田良家/小学館/『空気人形』製作委員会■関連記事:板尾&ARATA、カンヌでの居眠りを告白もペ・ドゥナが優しくフォローみずみずしく純粋な空気人形に、感情の素晴らしさを再確認『空気人形』ペ・ドゥナ『空気人形』インタビュー誰もが持つ“空っぽ”な感覚とそれを満たすものペ・ドゥナ、ARATAを「頼れる人」で板尾は「近づけない感じ」ARATA、メイド従業員に手ほどき「ぺ・ドゥナをしっかり研究して」
2009年09月29日『戦場のピアニスト』でアカデミー監督賞を受賞したロマン・ポランスキー監督が26日、アメリカで起こした32年前のわいせつ罪で、スイス当局に拘束されたが、この措置をめぐって、ヨーロッパを中心に映画人たちの間から抗議の声が上がっている。ポランスキーは開催中のチューリヒ映画祭で功労賞を受賞し、27日に行われる授与式に出席するため、チューリヒ空港に降り立ったところで身柄を拘束された。ロサンゼルス郡検察当局の報道官はポランスキーの渡航情報を事前に入手し、スイス警察当局に逮捕状を送っていたと明らかにしている。ポランスキーは1977年に、自身の監督作『チャイナタウン』に主演したジャック・ニコルソンのハリウッドの邸宅で当時13歳だったモデルの少女に薬物とアルコールを摂取させ淫行したとして逮捕された。翌78年に訴追されたが判決前に出国し、その後フランスに拠点を置いた。米国に入国すると逮捕されるため、アカデミー監督賞を受賞した際も訪米はせず、米国と犯罪人引き渡し条約を結んでいる国への渡航も控えていたポランスキーは罪状取り下げを請求していたが、ロサンゼルス地裁は棄却した。76歳のポランスキーはフランスとポーランドの二重国籍であり、両国はスイス当局に対して、ポランスキー釈放を求めている。また、フランスでは「国際的かつ文化的な場で現代の最も偉大な映画作家の1人を表彰しようとした夕べが、警察によって利用された」という内容の抗議文が作られ、コスタ・ガヴラス、ウォン・カーウァイ、モニカ・ベルッチ、ジュゼッペ・トルナトーレなど、ヨーロッパを中心に世界の映画人たちが署名。ポーランドのアンジェイ・ワイダ監督も、ポランスキー釈放を求める声明を発表した。少女との関係は同意の上、と主張してきたポランスキーは、ロサンゼルス郡検察への身柄引き渡しに対して徹底抗戦する構えだと、彼の代理人は語っている。ハリウッドでのキャリアが絶たれたことを贖罪とみなすか、それとも罪は償われないままと判断されるのか。今後の展開が気になる。(text:Yuki Tominaga)写真は昨年、イタリアのTV番組に出演した際のポランスキー監督。© Rex Features/AFLO
2009年09月29日上戸彩が日本語吹き替え版でアトム役の声を演じるフルCGアニメーション『ATOM』と、同じく上戸彩が出演中の人気CM、ソフトバンクモバイル“白戸家”シリーズのコラボレーションが実現!劇場マナーを呼びかけるCMとして、ワーナー・マイカルシネマズで上映されることになった。まず映し出されるのは『ATOM』の一場面。下界へと降りてきたアトムとそこに暮らす子供たちとのやり取りのセリフが、丸ごとCM用に入れ替えられている。少女・コーラがアトムに向かって「お前、誰かに声似てないか?」と問いかける。アトム(=上戸さん)は「だれだれ?」と尋ね返すが、それが「犬がしゃべるCM」、すなわちソフトバンクのCMの白戸家の娘・アヤ(もちろん上戸さん)であることが判明!アトムはちょっと不快そうな顔で「似てないよ」と否定するも、仲間からは「(ソフトバンクのサービスの)のりかえ割の説明してみろ」と迫られ、渋々ながらソフトバンクのCMのモノマネをさせられる、というもの。こちら、冒頭でもお伝えしたように劇場マナーの向上を呼びかけるCMとして制作されているのだが、どのようなオチになっているかは劇場でチェック!上戸さんはこのコラボレーションについて「アトムとアヤのどちらの声も演じるため、スイッチの切り替えが難しかったですね」とコメント。ちなみにこのCMは映画館限定の上映。よく映画を観に行くという上戸さんだが「このCMが流れると思うと少し恥ずかしいですね」とも。白戸家と言えば、大黒柱は言うまでもなく、しゃべるお父さん犬。このCMを見たら、お父さん犬は何て言うと思うか?という問いには「『(お前がアトムの声をやるなんて)まだ早い!』と言われると思います(笑)」と語った。こちらのCMは10月3日(土)より全国60のワーナー・マイカル・シネマズにて上映。『ATOM』は10月10日(土)より全国にて公開。■関連作品:ATOM 2009年10月10日より全国にて公開© 2009 Imagi Crystal LimitedOriginal Manga © Tezuka Productions Co., Ltd.■関連記事:上戸彩&役所広司も来場!『ATOM』ワールドプレミア試写会に5組10名様ご招待上戸彩、等身大以上アトムに驚愕『ATOM』アフレコ公開「甥っ子と一緒に観たい」コミコン『ATOM』にもうすっかり大人なフレディ・ハイモア&クリステン・ベル登場アトムの声に元気ハツラツ上戸彩!テンマ博士の役所広司とフルCGアニメで父子にフルCG版“アトム”の新ビジュアル解禁!テンマ博士&お茶の水博士も登場
2009年09月29日今回は、ちょっと趣向を変えてDVDの話題です。ファッションの話題ではありません。ごめんなさい。というのも香港に行ってきたから。なぜ、香港とDVDかというと、「香港で『ダークナイト』を観た?」と訊ねられたから。もちろん観ました、『ダークナイト』。昨年は、某誌で「2008年ベスト3」を選んだ際に、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、『パコと魔法の絵本』と共にランクインさせたほどのお気に入り。バットマンシリーズなのに、バットマンのバの字も出さないタイトル。ヒーロー映画、しかも娯楽超大作なのにとことん怖い。暗くて救いがないのに、女性受けもめっぽう良い。と、異例づくし。思い出すだけでも震えます。香港では今回、ペニンシュラホテルを中心に取材してきたのですが、「『ダークナイト』を観た?」と聞いてきたのは実はお世話になったペニンシュラのスタッフ。「はい、もちろん!大好き!!」と答えると、「あのヘリコプターのシーンは、ここで撮影されたんですよ」。はっとしました。そうだった、冒頭は香港だったではないですか。久しぶりに香港に来るというのに、うっかり失念しておりました。帰国して、さっそく観返した私。確かに。ブルース・ウェインが、マフィアと繋がりのある取引相手を追って、香港に赴くシーン。彼の右腕であるフォックスが空から到着する際に、九龍島が空撮で登場しますが、そのヘリポートがまさにペニンシュラホテル。ここは、一般の旅行者でも使用可能。空港までの送迎なら、5人まで乗れて片道1,200香港ドル(約15,600円)。また、最近では新しいサービスもスタートさせています。有名なロビーのカフェ、the lobbyでのアフターヌーンティー(混んでいても並ばなくてOK)がついて、ヴィクトリア湾一周という5分の遊覧飛行が一人1,080香港ドル(約14,040円)。SPA by ESPAでの50分トリートメントと5分の遊覧飛行で一人1,680香港ドル(約21,840円)。なかなかリーズナブルですよね。しかも『ダークナイト』ファンなら、気分に浸るのにもってこいです。今回は残念ながら、ヘリポートには行けませんでしたが、大好きな映画の近くにいるというのは、嬉しいもの。今度、ペニンシュラホテルに宿泊する際は、ぜひ利用してみたいと思います。ちなみに、バットマンがひらりと飛び降りる高層ビルは、国際金融中心第二期という正式名称を持つIFC。100万ドルと称される夜景が美しい香港でも、ひときわ目立つ印象的なデザインのビル。香港島にあるこちらへの観光もお勧めです。なお、取材の記事は10月にverita誌上で掲載されます。お楽しみに!特集はすでにスタートしているので、お立ち寄りを。今回ご一緒したスタイリスト、近藤亜子さんのブログで、香港取材の様子がチェックできます。旅ファッションも素敵なので、ぜひご覧くださいませ。ダークナイト特別版(2枚組・DVD)価格:3,980円(税込)発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ© 2008 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.■関連作品:ダークナイト 2008年8月2日、3日先行公開、8月9日より丸の内プラゼールほか全国にて公開TM & © DC Comics© 2008 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved■関連記事:人気ドラマシリーズ「ギャラクティカ」がSFの頂点、サターン賞で史上初の3冠獲得未公開映像にライブ・パフォーマンスと今年も盛りだくさんのMTVムービー・アワードリリー・フランキーにも結婚願望あり?映画館大賞トークに登場、過激な役作りも…ゲイリー・オールドマン、『アイアンマン2』には出演しない僅差の2位にリリー・フランキーが歓喜のコメント!劇場スタッフ選出映画館大賞決定
2009年09月28日井上真央と岡田将生が28日(月)、東京・六本木ヒルズの高層展望台で『僕の初恋をキミに捧ぐ』の完成報告会見を行った。病気のため20歳まで生きられないと宣告された少年・逞(タクマ=岡田さん)と、逞に恋をした主人公の少女・繭(まゆ=井上さん)の純愛ラブストーリー。劇中では初恋を成就させようとする切ない恋愛模様を展開するが、この日は現在22歳の井上さんがお姉さんキャラを発揮し、20歳の岡田さんをイジる場面がたっぷり。初対面の印象について、井上さんが「見るからにナイーブでシャイで、“あまり僕に話しかけないでください”オーラが伝わってきたので、どうしようと思いました」とストレートに切り込むと、岡田さんは「そんなことないですよ、しゃべりたくてしゃべりたくて仕方なかったんです…ウソつきました」と、はにかみつつ何とか応戦。会見前には、一昨年にNPO法人「恋人の聖地プロジェクト」から「恋人の聖地」として認定された、同所内の地上238メートルというオープンエアのスカイデッキで取材陣向けのフォトセッション。だが岡田さんはまぶしい日差しに目を開けていられず閉じがちで、複数のカメラマンから「目を閉じちゃダメ!頑張れ!」と何度も叱咤激励の声。井上さんに「さっきカメラマンさんに怒られてへこんでいました」と暴露されて、岡田さんは恥ずかしそうに頭を垂れた。同所での映画イベントは初の試み。岡田さんが「素敵な場所でいい思い出になりました」と話すと、またまた井上さんから「心こもってないね〜」と突っ込み。イジられてなぜか嬉しそうな様子の岡田さんは「すっごくいい思い出になりました」と声を張って言い直した。さらに井上さんは、本作の見どころを「何より岡田くんがピュアでかっこよく映っています。女の子は岡田くん目当てで来ていい!というくらいです」とアピール。岡田さんはますますうつむいていた。一方、本作が大学卒業後の初作品ながら女子高生の設定で制服姿を披露した井上さんは「制服は今回で最後とさせていただこうと思っています」と制服卒業宣言も。司会者から本作のテーマ、初恋について聞く質問には、井上さんが「小学校1年生のときに同じクラスで席が近い男の子を好きになりました。すごく素敵で女の子にいつも追いかけられていて、それを見ていました」。岡田さんも「小学校低学年の頃で、好きな子の家に行って、みんなで集まって宿題をやったんですが、その子のことを見ていました。話せなかったです。井上さんと同じ」とそろって奥手な一面を披露。新城毅彦監督は「僕(の話)?いいですよ」と言いつつも「僕は成就しましたね」と明かし、井上さんらから羨望の眼差しを向けられていた。『僕の初恋をキミに捧ぐ』は10月24日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:僕の初恋をキミに捧ぐ 2009年10月24日より全国東宝系にて公開© 2009「僕の初恋をキミに捧ぐ」製作委員会
2009年09月28日故ヒース・レジャーの代役をジュード・ロウ、コリン・ファレルと共に務めた『Dr.パルナサスの鏡』のヨーロッパ公開が間近に迫ったジョニー・デップ。テリー・ギリアム監督は同作を引っさげて、トロント国際映画祭やスペインのサン・セバスチャン国際映画祭に参加していたが、同じ頃、ジョニーはロンドン近郊の、英国庭園で有名なハットフィールド・ハウスでミュージック・ビデオの演出をしていた。スティーヴン・ジョーンズがフロントマンを務めるインディーズ系バンド、ベイビーバードの新曲のPVで、『This Is England』やガイ・リッチー監督の『スナッチ』に参加している俳優のスティーヴン・グラハムも出演している。ベイビーバードは今夏、11月に新しいアルバムをリリース予定と発表したが、その際には「ジョニー・デップと一緒にレコーディングした」と語っていることから、ジョニーはミュージシャンとしても関わっているようだ。いままで、パートナーのヴァネッサ・パラディのPV数本の監督経験もあるジョニー。撮影の合間にはスティーヴン・ジョーンズと談笑し、和やかな雰囲気の撮影現場だったようだ。日本では前述の『Dr.パルナサスの鏡』は来年1月、その前に12月12日(土)からは伝説の強盗ジョン・デリンジャーに扮した『パブリック・エネミーズ』が公開になる。(text:Yuki Tominaga)© AFLO■関連作品:パブリック・エネミーズ 2009年12月12日よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開© 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. Dr.パルナサスの鏡 2010年1月、TOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2009 Imaginarium Films, © 2009 Parnassus Productions Inc.■関連記事:ヒース・レジャー遺作『Dr.パルナサスの鏡』英国予告編到着ジョニーら縦横無尽!恋したい“大人”な俳優は誰?MTVオリジナルiTunesダウンロードカードを10名様プレゼント【ハリウッドより愛をこめて】J・デップほか、スターの品々はオークションでいくら?ジョニー・デップ最新作のシカゴ・プレミアに登場!ファンへの感謝を熱く語る【カンヌ現地レポ 09】ヒース遺作に喝采!監督「ヒースはこの映画の共同監督」
2009年09月28日小西真奈美主演『のんちゃんのり弁』が26日(土)公開を迎え、都内の劇場で初日舞台挨拶を実施、小西さんに加え岡田義徳、村上淳、佐々木りお、山口紗弥加に緒方明監督、そして主題歌を担当したスネオへアーが登壇した。小西さんは詰めかけたファンに向けて「土曜日にわざわざ足を運んでくださってありがとうございます!我が子が自分の元を離れていくようでさびしくもあります」」と初日を迎えての喜びとちょっぴり複雑な心情を明かした。劇中、離婚寸前のダメな夫とかつての初恋の男性が登場することを意識して「元カレ、元旦那と一緒にでも構いませんので観に来ていただければ…あ、いまのカレとでもいいですよ!」と呼びかけ会場の笑いを誘った。小西さんの隣りにちょこんと立つのは小西さん扮する小巻の愛娘・のんちゃんを演じたりおちゃん。「楽しく、がんばってここまで仕上げたので、楽しく観てもらいたいです」と大人顔負けの挨拶で喝采を浴びた。山口さんは撮影をふり返り「思い出したくないくらいつらかったです。この仕事やめようかと思うくらい。監督、愛のムチをありがとうございました」と恨みのこもった挨拶。村上さんには監督から「葉っぱのように」とまさに“草食系”の男を演じてほしいとの要望があったとのことだが、自身とリンクしているか?という問いに村上さんは「はい!」と即答した。岡田さんは開口一番「ダメ旦那です(笑)」。“愛娘”りおちゃんとの久々の再会を喜んでいたが「最初は、僕が触れるだけでりおちゃんが泣いてしまい悩みました…」と撮影当初の苦悩を告白。すると、りおちゃんは愛嬌たっぷりに「ごめんね」。小西さんは優しく「乙女ゴコロだよねー」と母親の顔でフォローを入れていた。スネオへアーはいきなり「今回の役どころは、非常に難しくて…」と語り出し、一斉に「出てないでしょ!」と突っ込まれていた…。小西さんには登壇者の男性の中で誰にお弁当を作ってあげたいか?という悩ましい質問が投げかけられたが、迷った挙句に「じゃあ(笑)、スネオへアーさんで」と意外な大穴(?)を指名。スネオへアーは「じゃあ週末、いつものところで!」と笑顔でデートを約束した。『のんちゃんのり弁』は有楽町スバル座ほか全国にて公開中。■関連作品:のんちゃんのり弁 2009年9月26日より有楽町スバル座ほか全国にて公開© 2009「のんちゃんのり弁」製作委員会■関連記事:小西真奈美インタビュー監督が10分で惚れこんだ素顔とは――?お弁当が切り開く幸せ!舞台挨拶付き『のんちゃんのり弁』試写会に10組20名様ご招待小西真奈美、7歳の娘からの手紙に涙目「子供と一緒に成長する母を演じた」小西真奈美が初の母親役に挑戦!下町の人情ドラマ『のんちゃんのり弁』快調撮影中
2009年09月26日漫画家の倉田真由美が26日(土)、東京・渋谷区のライズXで行われた映画『ライアン・ラーキン路上に咲いたアニメーション』のトークイベントに出席。交際中の映画配給会社「トルネード・フィルム」の取締役、叶井俊太郎氏と今月18日に入籍したことをファンに直接報告した。倉田さんは再婚で、第1子となる男児の母。今年7月に、叶井氏と交際中で未婚のまま第2子を妊娠し年内にも再婚予定であることが発覚。だが叶井氏に3度の離婚歴があり、これまでの女性関係が600人以上と、倉田さんの出世作「だめんず・うぉ〜か〜」から抜け出たような“だめんず”として一部で話題を呼んだ。この日、妊娠8か月という身重の体で登場すると、「やっと入籍しました。9月18日(金)に、彼の誕生日だったので。未婚の妊婦ではなくなりまして、叶井真由美になりました。子供はいま、8か月で年内には生まれると思います」とハッピーオーラを振りまきつつ報告した。叶井氏については「面白い人でうまくやっています。すごく自由にさせてくれる人」とオノロケ全開。「これまで付き合った人は、例えば遊びに来ると気まずい本は隠していたけど、いまは平気で(そういう本を隠さずに)『こんなの読んでいるの?』って言われても平気な感じ。無理せずお互いを受け入れられる」と相性の良さを嬉しそうに語ってみせた。2人の馴れ初めは「友人の(作家)中村うさぎが、紹介してくれて3人でご飯を食べた」こと。3か月後に交際をスタートさせ、約半年の交際を経て入籍となった。「これまでも付き合った人をすごく好きとか大切と思ったことはあったけど、今回初めて健康で長生きしてほしいと思った。彼の会社はいま、ヤバイらしいですが、会社の面倒は見ないけど彼の面倒は見られる」と潔い愛の誓い。ほれ込みぶりを見せつけた。本作は、25歳でアカデミー賞にノミネートされたプレッシャーからホームレス生活を送った末、36年ぶりの新作に着手する中で肺がんに冒され2007年に死去した天才アニメーション作家、ライアン・ラーキンの短編作品、関連作品を上映するもの。叶井氏の「トルネード・フィルム」が配給する作品で、さっそく内助の功を発揮した倉田さんは、この日が初対面というホームレスギャル漫画家の浜田ブリトニーと、ホームレスに関するトークを展開。倉田さんが「どうしてホームレスに?」と尋ねると、「いい作品を書くためにいろんな経験をしたい」と浜田さん。ギャル風のクッキリメークを施し、弾けた言動を繰り返す浜田さんに、倉田さんは興味津々の様子で、「メークはカレの前でも落とさない、今日のこのメークも3日目っすよ〜」の言葉に、「落とすとどんな感じ?」と質問。「超ジャパンっすよ〜。すっぴんだと誰も私と気づかない」の返答に、思わず「プッ!」と吹き出していた。『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』はライズXほかにて公開中。(photo/text:Yoko Saito)映画業界人ブログ:叶井俊太郎■関連作品:ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション [特集上映] 2009年9月19日よりライズXほかにて公開© National Film Broard of Canada.
2009年09月26日今年のカンヌで喝采を浴びた是枝裕和監督の最新作『空気人形』が9月26日(土)に公開を迎え、是枝監督、ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路による舞台挨拶が行われた。この舞台挨拶のために来日したペ・ドゥナは「緊張していますが、初日を迎えて感無量です。“空気人形”として生きて時間は幸せでした」と笑顔で語った。是枝監督も初日を迎えてホッとした様子。アメリカを含む世界15か国での本作の公開も決まり「よかったです」と喜びを口にしたが、「何より日本で多くの人に観ていただきたいと思っています。今回は力を入れて、みんなで『笑っていいとも!』にまで出ましたので(笑)」とユーモアたっぷりに日本の観客にアピールした。ARATAさんは、本作を「是枝監督が詩のように綴った人間讃歌です。観終わって生まれた感情を大切に家に持ち帰ってください」と呼びかけた。板尾さんは、“勝負服”の純白のタキシードで登場!「撮影はちょっと孤独でした。ARATAくんと一緒の芝居はほとんどないし、監督は静かで、ぺ・ドゥナとはほとんどしゃべらなかったし…」と正直に明かしつつ「完成した作品を観て、参加してよかったな、と思いました」と胸を張った。続いて、話題はこのメンバーで参加したカンヌ国際映画祭の思い出に。板尾さんは「レッドカーペットがデカかったです。普段はどこに収納してるんでしょうか?幅が広くて継ぎ目もなくて、保管が大変そうですね」と心配そうに語り、笑いを誘った。そのカンヌで、本作の上映の際にARATAさんと板尾さんは居眠りをしてしまったとか…。上映後、会場は歓声と拍手で包まれたそうだが、板尾さんは「僕が目を覚ましたことに対して拍手してもらってるかのように思えました。『板尾、起きたわー』って(笑)」と苦笑いを浮かべつつ「それぐらい、素晴らしい映画なんです!」と無理矢理まとめた。ARATAさんも「上映する日の朝にカンヌに着いて、取材、取材で…、上映前には食事会もあって『危険だな』と思ってたんですが。気がついたら話が飛んでるワケです…(笑)。隣りを見たら板尾さんも目を閉じてて『助かった!』って思いました」と申し訳なさそうにふり返った。これに対してペ・ドゥナは「2人が寝てたことは知りませんでした。夜の上映でしたが、人間は夜の方が感性が鋭いものです。私はハマりこんで観てました。思わず涙を流したとき、ARATAさんが黙ってハンカチを差し出してくれたんですが、寝てても優しく私を気遣ってくれていたんですね(笑)」と見事なフォロー。是枝監督は、このやり取りに「複雑な気持ちです…。今日、観に来てくださったみなさんはペ・ドゥナさんや私の側の方々だと信じています」と横目で板尾さん、ARATAさんをチラリ。さらにこの日は、10月11日に30歳の誕生日を迎えるペ・ドゥナと、本日“誕生日”を迎えたこの映画のためにケーキの形をした特製ボードが登場。ペ・ドゥナは「30歳が本当の意味での女優としてのスタートだと思っています」と笑顔でさらなる飛躍を誓った。『空気人形』はシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて公開中。■関連作品:空気人形 2009年9月26日よりシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2009業田良家/小学館/『空気人形』製作委員会■関連記事:みずみずしく純粋な空気人形に、感情の素晴らしさを再確認『空気人形』ペ・ドゥナ『空気人形』インタビュー誰もが持つ“空っぽ”な感覚とそれを満たすものペ・ドゥナ、ARATAを「頼れる人」で板尾は「近づけない感じ」ARATA、メイド従業員に手ほどき「ぺ・ドゥナをしっかり研究して」オダギリジョーも飛び入り参戦!トロント映画祭で『空気人形』観客総立ちの絶賛
2009年09月26日シリーズ累計7,000万部以上を売り上げた人気ファンタジー小説を映画化し、世界中でヒットを遂げた『トワイライト〜初恋〜』。続く第2部『ニュームーン/トワイライト・サーガ』の公開に先駆けて、早くもDVDが発売となった。自身、原作と併せて本シリーズの大ファンという矢口真里がこのほど本シリーズを応援する“永遠LOVE(トワラブ)”大使に就任。『トワイライト』の魅力、そして公開迫る第2弾への期待をたっぷりと語ってもらった。「こんなきれいなヴァンパイアなら恋愛したい!」なぜ、世の女性たちはヴァンパイアと人間の恋を描いたこのファンタジーにここまで熱狂するのか?矢口さんは熱い口調でこう語る。「私自身、実はホラーはダメなんです。この映画はヴァンパイアは出てくるけど、人間との間の純愛が描かれていて、障害があるけど強く想い合ってる2人の気持ちが本当に美しいんですね。ヴァンパイアたちもきれいで『こんなヴァンパイアなら、恋愛したい!』って思わせてくれる。妖しい雰囲気を持ってて、色っぽいんですよ!一方で、ジェイコブ(テイラー・ロートナー)の狼族の方はヴァンパイアとは対照的でたくましさを持ってる。男性の持つセクシーさっていうのもいろいろなんだなと教えてくれますね(笑)。対照的なタイプの2人の男性が自分を取り合うって女性にとっては憧れのポジション!自分に置き換える女性が多いと思います。私もその一人です(笑)」。運命の出会いを果たしたエドワード(ロバート・パティンソン)とベラ(クリステン・スチュワート)に、幼なじみのジェイコブ。矢口さんによるこの3人の人物評はというと…。「ベラは純粋で、障害なんてどうでもいいと思ってる。思いを貫く強さはかっこいいですね。女性が憧れるタイプの女性です。エドワードは、そんな彼女の甘い血の匂いに誘われ、翻弄されてしまう。そこは『おいっ!』って思いますが(笑)、でもそれが人間とヴァンパイアの恋愛の辛さなんですよね。必死で我慢するところは切ないですね…分かるんですよ。『分かるけど、でも我慢して!』ってドキドキハラハラしちゃいます。ジェイコブは切ない!一途にベラを想い、そばにいて。いつかベラに振り向いてほしいけど…ここが『ニュームーン』でどうなってるんでしょうか?もっとジェイコブが積極的に来るのか?楽しみです」。色白ビジュアル系ヴァンパイアに期待!矢口さん自身、恋愛は障害がある方が燃えるタイプ?「いままで障害がなかった方が少ないので(苦笑)、その方が長く一緒にいられる気がするんですよ。『この人とは障害を乗り越えたから、ずっと一緒にいたい』って。壁がある恋愛の方が好きです!」さらに、新作に期待する部分について尋ねると、こんな答えが。「不思議なことに、ヴァンパイア同士でもイイモノとワルモノがいて、互いにやりあうんですよね。そこに狼族や人間が絡んで…。彼らの間で入れ替わりがあるんじゃないかなと思うんです。人間がヴァンパイアになったり、イイモノがワルモノになったり。彼らが交錯し、絡み合っていってほしいですね。後はイケメン色白のヴァンパイアがたくさん出てきてほしいですね。妖しげで、きれいなビジュアルのヴァンパイアに期待です(笑)」。“色白”を妙に強調する矢口さん。そういえば、色白でベジタリアンのエドワードってひょっとして、いま流行りのアノ男子?「まさに草食男子ですねー(笑)。でもエドワードは強いですからね、相当。強さで彼女を守るとこはかっこいいですよ!その部分がないと微妙ですけど…(笑)」。『トワイライト〜初恋〜』スタンダード・エディション[DVD]価格:2,940円(税込)『トワイライト 〜初恋〜』プレミアムBOX[DVD]価格:6,300円(税込)『トワイライト〜初恋〜』[Blu-ray]価格:4,935円(税込)発売・販売元:角川エンタテインメント発売中『ニュームーン/トワイライト・サーガ』:11月28日(土)より全国にて公開© 2009 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.■関連作品:トワイライト〜初恋〜 2009年4月4日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2008 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.ニュームーン/トワイライト・サーガ 2009年11月28日より全国にて公開© 2009 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.■関連記事:赤目のダコタ・ファニング、ヴァンパイア姿が解禁!主演を食う存在感放つ矢口、“永遠LOVE(トワラブ)”大使就任式でいきなりの二股宣言?生まれ変わりたい女優は誰?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼント波乱匂わす『ニュームーン』ポスター解禁!異例の1人あたり千円ペア鑑賞券発売も決定今年も開催、ティーン・チョイス・アワードで、予想通りのあの映画が11冠!
2009年09月25日原作は2000年に発表された業田良家のわずか20ページの短編漫画。空気人形がある日心を持ち、恋をするラブ・ファンタジーだ。短いながらも圧倒的インパクトを持つ原作の世界観に魅了された是枝裕和監督は「この作品をどうしても映画化したい」と、即映画化に向けて行動に出たそうだが、1998年の『ワンダフルイライフ』以降、『DISTANCE』、『誰も知らない』、『歩いても 歩いても』など、つねにオリジナル・ストーリーにこだわってきた監督にとってそれは異例のこと(監督第1作目『幻の光』はオファーがあって引き受けた作品)。そんな深い思い入れのある作品を9年間温め、映像化。まず驚くのはCGを使わずに空気人形を描いていることだ。人形が心を持った後は、韓国のトップ女優ペ・ドゥナが演じているが、ビニールの人形からペ・ドゥナに変わるシーンは誰もがCGを使うだろうと予測する。しかし、空気人形が光にあたって透ける様をはじめCGを使わないという手法を監督は選んだ。何の違和感なくペ・ドゥナに変わっているシーンに驚いてしまう。心を持った空気人形は街を歩き、人と出会い、恋をする。出会うものすべてを子供のように純粋に吸収していく姿が何ともみずみずしい。そして、自分の体の空気が抜けたときに愛する人の息で満たされたように、自分の愛する人を満たしてあげたいという愛が悲劇を生む…。ラブドールという響きからは、入ってはいけない領域のような印象を持つ人もいるかもしれないが、この作品で描かれるのは単にセックスの代用品としてではなく、人形が体感していく人間の内面。混沌とした社会で生活するうちにいつの間にか感情が鈍くなっている現代人に、ペ・ドゥナの演じる空気人形は感情の素晴らしさを再確認させてくれるだろう。また、ペ・ドゥナの大胆ヌードは女性から見ても「美しい!」と惚れ惚れしてしまう。(text:Rie Shintani)■関連作品:空気人形 2009年9月26日よりシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2009業田良家/小学館/『空気人形』製作委員会■関連記事:ペ・ドゥナ『空気人形』インタビュー誰もが持つ“空っぽ”な感覚とそれを満たすものペ・ドゥナ、ARATAを「頼れる人」で板尾は「近づけない感じ」ARATA、メイド従業員に手ほどき「ぺ・ドゥナをしっかり研究して」オダギリジョーも飛び入り参戦!トロント映画祭で『空気人形』観客総立ちの絶賛「中華食べるの楽しみ」 『空気人形』トロントへ出発を前に“意気込まない”是枝監督
2009年09月25日今年7月、ジュード・ロウの子供を妊娠中だと公表したアメリカ人のモデル、サマンサ・バークが火曜日に女の子を出産したと「Usmagazine.com」が報じた。サマンサの代理人は「サマンサ・バークは、美しく健康的な女の赤ちゃん、ソフィアの誕生の喜びに包まれています。ソフィアは9月22日に誕生し、体重は5ポンド12オンス(約2,600グラム)でした。母子共に健康です」とUsmagazineに語った。ジュードとサマンサは、彼が『シャーロック・ホームズ』の撮影でニューヨーク滞在中に知り合い、ごく短期間交際。妊娠が発覚したときはすでに彼女はジュードと直接連絡が取れない状態になっていたが、ジュードは事実が判明すると、今後父親としての役割は果たすと話していた。ジュードにとって、元妻サディ・フロストとの間にもうけた3人の子供に続く4人目の実子誕生だが、現在ブロードウェイで舞台「ハムレット」のプレビュー公演中の彼は23日の時点でノーコメント。一方、サマンサの元にはジュードとの関係を語るインタビューやソフィアの写真掲載をめぐり、高額なオファーが来ているという。(text:Yuki Tominaga)© Splash/AFLO■関連作品:シャーロック・ホームズ 2010年3月、全国にて公開© 2009 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED■関連記事:残念!ブラピの『シャーロック・ホームズ』出演は誤報ブラピが盟友の窮地を助け、シャーロック・ホームズの宿敵役に急遽挑戦?名探偵ホームズを翻弄した唯一の美女…『シャーロック・ホームズ』新ビジュアル解禁!ジュード・ロウ、今秋誕生予定の娘の母親は24歳のモデル兼女優ジュード・ロウ、4人目の子供が秋に誕生予定。母親の女性とはすでに破局
2009年09月25日変わりやすいものの代表格といえば、女心と秋の空。今月は、揺れ動く女性の心を見事に描写した作品をご紹介しています。第二弾は、『あの日、欲望の大地で』。この作品、静かな語り口なのに、心を揺さぶるほどの激しさと切なさがじんわりと身にしみる秀作です。監督は、『アモーレス・ぺロス』、『21グラム』、『バベル』の脚本家ギジェルモ・アリアガ。繊細な人間心理を描く巨匠、待望の監督デビュー作です。彼のもとに集まったのは、シャーリーズ・セロンとキム・ベイシンガーという2人のオスカー美女。母、娘、そしてその娘という三世代に渡る女性たちの物語です。キムが演じるのは、母、妻としてよりも、女として生きることを選び、その果てに死ぬことになる母親。そんな母の姿を思春期に目の当たりにし、それゆえにとある過ちを犯し、それゆえに愛を遠ざけながら孤独に生き続ける娘をシャーリーズが憂いたっぷりに演じています。2人のうち、より多くの人が感情移入しやすいのは母親の方かもしれません。ある引け目を抱え、それゆえ一度は女性としての悦びを諦めますが、それを再び手に入れたことで、不倫愛に没頭していく女性の姿を妖艶に体現しています。結婚したり、子供ができたりすると、“○○さんの奥さん”とか“○○ちゃんのお母さん”と呼ばれるようになり、女として一種のアイデンティティ・クライシスを経験する人もいるようですが、この母親の場合は、もっと根が深い。その“根”をここで明かすわけにいかないのが申し訳ないのですが、女性なら誰もが考えさせられる事情により、ある種の絶望を抱いているのです。そこで見つけた希望の光が、不倫愛だったとしても誰が彼女を責められるかという気分になるもの。この辺のデリケートな感情を、メロドラマのように陳腐にすることなく、女の宿命による愛の物語の一部として描ききるあたりは、さすがアリアガ氏です。もうひとつ、貴重な女性心理の描写が登場しているのですが、それが、シャーリーズが演じる娘の心理。行きずりの情事を繰り返し、それでも心は頑なに閉ざしたまま。愛を避けるように生きてきた結果生まれた心の隙間を、身体だけの関係で埋めようとするのです。このあたりは、誰もが理解できるわけではありません。それでも、娘時代に経験した壮絶な愛の原体験ゆえに、それなしで生きようとしてきた彼女が、一度は手放した愛を取り戻そうとするまでの心の動きは、説得力たっぷり。複雑な女性心理の描写が丁寧に幾重にも繰り返されているので、心の傷と、そこからの再生へのドラマに引き込まれていくのです。たとえ、身体でものごとを解決しようとする女性に反感を持つ人が観たとしても、決して無下にはできないはずです。アリアガ監督は、つらい過去を背負い、自らの感情を押し殺してきた娘を、控えめで最小主義的なアプローチで演じたシャーリーズに「この手の作品は簡単にメロドラマ化されたり様式化されたりしてしまいがちだが、シャーリーズは単純化することなく演じてくれた」と賞賛を贈っています。そして、4人の子を持つ主婦ながら情事に溺れる母親を演じたキムについても「頭と心で起こっていることの矛盾を具現化してくれた」と絶賛しています。これまでのアリアガ脚本作品と同様、複数の物語が平行して描かれ、過去と現在が交差し、ある種の謎に包まれているこの作品。まるで、心理ミステリーを読み解くようなこの物語の終わりには、心が熱くなるような謎解きが待っています。観終わった後も、彼女たちの儚く切ない感情に支配されてしまい、しばらくぼんやりしてしまうかも。運命に翻弄され、自らも周囲を翻弄する宿命の女たち。揺れ動く彼女たちのドラマで、秋の夜長をしっとりと過ごしてみては?(text:June Makiguchi)■関連作品:あの日、欲望の大地で 2009年9月26日よりBunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマほかにて全国公開©2008 2929 Productions LLC, All rights reserved.■関連記事:2大オスカー女優が演じる愛と宿命『あの日、欲望の大地で』試写会に3組6名様ご招待
2009年09月25日70年代に人気を博したキッズ向けTVシリーズから発想を得て、壮大なアドベンチャー世界を作り上げた『マーシャル博士の恐竜ランド』。となれば、一足遅れてやって来た夏休み映画の香りが漂ってくるが、主演が全米の大人気スター、ウィル・フェレルとなると事情が違ってくる。ウィル・フェレル演じる主人公の量子古生物学者、マーシャル博士は、タイムワープの可能性と異次元の存在を信じて日々研究中。しかし、あり得なさ過ぎる彼の学説に、学会は背を向けて嘲笑する始末。そんな中、マーシャル博士は彼の理論を支持する才女と出会い、タイムワープを証明するための旅に出る。アドベンチャー映画ゆえマーシャル博士のタイムワープはまんまと成功し、彼らは不思議な異世界にたどり着くのだが、この世界が何ともヘンテコ。ティラノサウルスや類人猿の登場は古代のそれっぽいが、なぜかその先にはバーガーショップやガソリンスタンドが。襲い来る爬虫類人間はキモく、横に歩けない巨大ガニが突進してくるのも無駄に笑える。さらには、それらを超えて印象を放つ、マーシャル博士のタイプワープ装置…。しかしながら、この奇想天外感をもってしてもなお「ご家族でどうぞ!」と言い切れないのは、ウィル・フェレルが大人のユーモアを随所に散りばめているから。ティラノサウルスと親密になるため、その尿をガブ飲みするくだりはキッズ大喜びのネタと言えなくもないが、もちろん、それだけに留まってはフェレル様の名がすたるというもの。『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』ではジム・キャリーと組んだブラッド・シルバーリング監督が、フェレル様のフェレル様たる所以(暴走?)を嬉々として受け止めている。この笑いを普通に受け入れられたら、立派なフェレル・ワールド会員。アメリカが誇るコメディ王の世界へようこそ!?(text:Hikaru Watanabe)■関連作品:マーシャル博士の恐竜ランド 2009年9月18日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開© 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
2009年09月24日大ヒット映画『私の頭の中の消しゴム』のイ・ジェハンの熱烈なラブコールにより、中山美穂が12年ぶりに完全女優復帰!中山さんの夫である辻仁成による小説を原作に、切ない永遠の愛を描いた『サヨナライツカ』が2010年1月23日(土)に公開されることが決定した。待望のスクリーン復帰を前に、中山さんがその変わらぬ美貌を放つ、本作の作品画像が初披露された。本作で中山さんが演じる主人公・沓子(とうこ)は、「愛することがすべて」と思っている自由奔放で欲望に忠実な女性。バンコク、東京、ニューヨークと、25年の時を超えて交わされる、恋人・豊(西島秀俊)との切ない恋愛模様が描かれる。日本アカデミー賞優秀主演女優賞に輝いた『東京日和』(’97)以来12年ぶりの映画主演となる中山さんは、作品をふり返り「この物語は二人(豊、沓子)の出会いによって始まりますが、私が演じさせていただいたということも大きな出会いになりました。出会うということには、計り知れない可能性が秘められていて、想像もつかない未来が訪れたり、自分を成長させてくれます。『いつか』のために『いま』が用意されている。そのことをこの作品を通してずっと考えていました」とコメント。さらに、「沓子は、愛すること、愛したこと、すべてを体当たりで受け止めようとする彼女に、真の女性像を見たような気がした。彼女が泣いたり笑ったりするたびに、演じている私が壊れてしまうのではないかと思うときも」と、体当たりで演じあげたことをうかがわせる。12年ぶりの主演ということに加え、中山さんはイ・ジェハン監督のもと、韓国語、タイ語、英語が飛び交う現場を経験したが、「必ずまた一緒に作りたい!もう二度と仕事をしたくない!こんな極端な思いをしたのは初めて。それほど監督もスタッフも私も、特別な時間を共に過ごしたのだと思う。笑ったり泣いたり怒ったり、励ましたり励まされたり。演じるということ以外にもたくさんの愛情があふれた現場だった」と充実した日々をふり返る。念願のタッグとなったイ・ジェハン監督も、「美穂さんから感情を準備するために多くの質問を受け、よく話し合った。現場で演技について話すときは、信頼が積み重なれば重なるほど、目を見ただけで、何が言いたいか分かるようになった」と深い信頼を感じさせるコメント。中山さん渾身の演技に注目の『サヨナライツカ』。公開は、2010年1月23日(土)より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国にて。■関連作品:サヨナライツカ 2010年1月23日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほか全国にて公開© 2009 CJ Entertainment Inc. All Rights Reserved.
2009年09月24日本年度のカンヌ国際映画祭での喝采から4か月余り、公開を今か今かと盛り上がるを見せている、是枝裕和監督の最新作『空気人形』。9月19日(土)、シルバーウィークでにぎわいを見せる渋谷HMVにて、是枝監督と来日中のペ・ドゥナに加えて共演の板尾創路を交え、和やかなムードの中、トークイベントが開催された。先日のトロント国際映画祭を始め、各地を回り観客へのアピールを精力的に行ってきた是枝監督は、プロモーション活動の終盤にきて「『空気人形』が終わったらしばらく休もうと思います」と宣言。「(この作品で)出し切った感じがします。とても納得のいく作品になりました。(自分で言うのも何ですが)素晴らしいスタッフのみなさまのおかげで自分の力以上の作品になっていると思います。しばらく休んで、鍛え直して戻ってこようと思ってます」と、公開を前に早くも決意を新たにしていた。主演を務めたペ・ドゥナも同じく感慨深げな様子で「初日を迎えると『空気人形』を送り出さないといけないのが、すごく残念な気持ちもします。いまはまだ『自分』に戻れきれていない気がします」とコメント。観客から「共演者の中で誰が一番好き?」との直撃されると、「共演者の中で一番可愛がったのは柄本さんで、精神的に頼っていたのはARATAさんです。板尾さんは私が近づくことが出来ないくらいのカリスマ性を持っていて、イタズラできない感じでした。ARATAさんはとても優しくて気遣いの出来る方でした」とふり返った。ここで、ドラマのクランクアップ直後の板尾さんが会場に駆けつけ、観客の興奮はさらに高まりを見せた。「この何十年間の間に観た映画の中で、ベスト10に入る作品です」と胸を張って作品をアピールする板尾さん。「カンヌ映画祭のとき、(睡眠不足など)極度の疲労でARATAさん共々寝てしまいましたが(笑)、とても心地よい作品になっております」と話すと、監督も「(役者もカメラワークも)リズムが同じ方向を向いていたから、心地よかったのだと思います」と話し、あらためて一同の一体感をうかがわせた。『空気人形』は9月26日(土)より渋谷シネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:空気人形 2009年9月26日よりシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2009業田良家/小学館/『空気人形』製作委員会■関連記事:ARATA、メイド従業員に手ほどき「ぺ・ドゥナをしっかり研究して」オダギリジョーも飛び入り参戦!トロント映画祭で『空気人形』観客総立ちの絶賛「中華食べるの楽しみ」 『空気人形』トロントへ出発を前に“意気込まない”是枝監督是枝裕和監督ティーチイン付き『空気人形』試写会に25組50名様をご招待是枝裕和監督『空気人形』、カンヌに続きトロント映画祭に“マスターズ”出品決定
2009年09月24日最後にご紹介する4人目のスマイルさんは、ちょっと上級編です。普段は日本で見られる海外ドラマを中心に取り上げている本コラムですが、彼を紹介せずしてこのお題は終われない!ということで、日本未上陸作「ザ・メンタリスト」(原題)から主人公パトリック・ジェーンのスマイルさんぶりに迫りたいと思います。「ザ・メンタリスト」は現在全米で人気沸騰中の犯罪捜査ドラマ。昨年9月にCBSネットワークで放送が始まり、ちょうど今月、シーズン2に突入したばかりです。主軸となるストーリーは、カリフォルニア州捜査局、通称CBIの捜査官たちが様々な事件を解決していくというもの。その際、捜査のコンサルタントとしてCBIの面々に協力しているのがパトリック・ジェーンです。と言うのも、ジェーンは洞察力が尋常ではないほど鋭く、サイキックなのでは?と誰もが疑ってしまうほど。事件関係者のふとした仕草や会話から、彼らの裏事情をびゅんびゅんと見抜いていくのがジェーンの役目なのです。その能力を活かし、かつてはサイキックのふりをしてタレント活動をしていたことも。しかも、実はその折、女性をターゲットにする連続殺人鬼レッド・ジョンをテレビ番組で侮辱して怒らせたことで、信じがたく恐ろしい仕打ちにあった過去が…。そんな彼と未だ逮捕されていないレッド・ジョンの攻防も、シリーズ全体に関わるサブストーリーとして描かれていきます。となると、ものすごくシリアスなドラマを想像してしまいますが、そうではないのはジェーンがまさにスマイルさんだから!常に笑顔を絶やさず、ピースフルで銃も嫌い、体を張ったアプローチは捜査官たちにお任せな彼は、凄惨な事件の捜査にあたっているときもユーモア満点で終始ニコニコ。キュートなタレ目と飄々とした雰囲気で油断させておきながら、人間の感情の奥深い部分にずぶずぶと踏み込んでいくのがジェーンのスタイルなのです。そのため、周りの人たちや事件関係者には、ものすご〜く鬱陶しがられるか、「ああ、この人、私のことを分かってくれるのね…」と好意を抱かれるかのどちらか。とりわけ、女性の事件関係者からは後者の反応が多い気がします。もちろん、ジェーンの笑顔は過去の悲劇を覆い隠すための切ないスマイルでもあるのですが…。「微笑めば何でも許されると思ってない?」なちゃっかり姿勢で物事を強引に運びがちにもかかわらず、どこか憎めないムードを醸し、ゆるゆると活躍するジェーンに魅了されるのは劇中の登場人物だけではなく、全米視聴者&メディアも同様。演じるサイモン・ベイカーは「グレイズ・アナトミー」のパトリック・デンプシーを抑え、米TVガイド誌が選ぶ“最もホットなTVスター”に輝いたほか、ピープル誌が選ぶ“世界で最も美しい100人”にも選出。先頃発表されたエミー賞では、主演男優賞候補に挙がりました。サイモン・ベイカーはオーストラリア出身の俳優ですが、映画『プラダを着た悪魔』でアン・ハサウェイが惹かれる作家を演じていた人と言えば、思い出される方も多いでしょう。いまや彼は高視聴率番組の看板スターとして、全米の人気者となっています。「ザ・メンタリスト」は数多い犯罪捜査ドラマの中でも、特に見応えのある要注目シリーズ。ぜひぜひ日本でも放送、もしくはDVD発売していただきたいものです!(text:Hikaru Watanabe)© Everett Collection/AFLO■関連作品:ザ・メンタリスト [海外TVドラマ]
2009年09月24日北川景子の時代劇初挑戦作品として注目を集める『花のあと』の主題歌を一青窈(ひととよう)が歌うことが発表された。本作は藤沢周平の短編小説「花のあと」(文春文庫刊)の映画化作品。日本アカデミー賞で全部門優秀賞受賞の『たそがれ清兵衛』、木村拓哉主演で大ヒットを記録した『武士の一分』など近年、次々と藤沢文学が映画化されているが、実は一青さんにとって、藤沢文学の映画化作品の歌を担当するのは『蝉しぐれ』、『山桜』に続き今回が3度目(※『蝉しぐれ』はイメージソング)。意外な縁の深さを感じさせるが、一青さんは映画について「目の前の彼が真っ直ぐなので 思わず自分も真っ直ぐになってしまう、 映画館の中で背筋を伸ばしたくなる、そういう映画だ。好きな人の信念を守るために闘った女、花のあとはあなたの心にまた開く」と思いいれを強く感じさせるコメントを発表している。また、本作で時代劇に初挑戦し、かつ藤沢作品には珍しい女性の主人公である以登を演じる北川さんは、「以登の恋の始まりと終わり、そして愛する人を失ってからの成長が“誰にも言えない恋”“誰にも負けない愛”というフレーズに昇華されていて、素敵な詞でした。切ないメロディーが作品の世界観とマッチしていて相乗効果で良いと思いました」と一青さんによる主題歌を絶賛している。凛とした強さを見せる以登の心情を美しく、そして切なく歌い上げた主題歌はどのように響き渡るのか?『花のあと』は2010年春、全国にて公開。■関連作品:花のあと 2010年春、全国にて公開■関連記事:北川景子が藤沢周平原作『花のあと』で時代劇初挑戦!女剣士役で殺陣も自らこなす
2009年09月24日マット・デイモンが22日、ニューヨーク市内のシェラトン・ホテルで開催されたビル・クリントン元米大統領が主催の「クリントン・グローバル・イニシアチブ」に登壇した。開会式にオバマ米国大統領も出席した、今年で5回目の開催となるこの会議で、マットは自身が共同設立者を務め、発展途上国に安全な飲料水を提供する活動を行う非営利団体「Water.org」を通して今後3年間で少なくともハイチの住民5万人に対して安全な飲料水と下水設備を整えるための支援を申し出た。クリントン元大統領が2005年から始めた同会議は、世界の様々な問題を解決するために支援する側と援助を必要とする側、双方の橋渡し的な役割を果たすもので、政財界のリーダーや学者、宗教関係者など、各界の名士が参加。今年は世界の気候変動や中近東情勢などについてパネル・ディスカッションが行われた。ちなみに同日、ニューヨークの国連本部でも気候変動サミットが開催され、日本の鳩山由紀夫首相が演説を行った開会式では、アフリカ・ベナン出身でハリウッドで活躍中のジャイモン・フンスーもスピーチに立ち、ジョディ・フォスター主演の『コンタクト』の原作者で宇宙飛行士だった故カール・セーガン氏の著書からの一節を朗読した。(text:Yuki Tominaga)© Reuters/AFLO■関連作品:THE INFORMANT! (原題) 2009年12月、恵比寿ガーデンシネマ、梅田ガーデンシネマほかにて公開© 2009 Warner Bros.Ent.All Rights Reserved
2009年09月24日写真撮影の際も、微笑み合って言葉を交わすほど息はぴったり。まさにお似合いの美男美女とも言うべきEXILEのMAKIDAIこと眞木大輔と吉瀬美智子だが、2人は開口一番、意外な撮影秘話を明かしてくれた。「役作りのために、撮影前には会っちゃいけないと監督から言われていたんです(笑)」。そんな彼らが共演したのは、『バッシング』、『愛の予感』などで知られる鬼才・小林政弘の監督作『白夜』。フランスのリヨンを舞台に繰り広げられる、ロマンティックなラブストーリーだ。登場人物は全編ほぼ彼らのみ。リヨンの赤い橋の上で出会い、惹かれ合って恋に落ち、ある結末を迎えるまでの数時間がふたりの会話劇によって構成されていく。撮影が進むにつれて“立夫”と“朋子”に「僕が演じる立夫と吉瀬さん演じる朋子が橋の上で出会うシーンまで、監督は僕たちを会わせないようにしていたんです」と眞木さん。「だから、もちろん吉瀬さんのことは知っていましたけど、なるべく情報を入れないようにしていました。実際にお会いしてからも、吉瀬さんとは立夫と朋子でいた気がします。しかも、撮影が進むにつれ、お互いに立夫度と朋子度が増していきましたね」と撮影時を振り返った。「でも、一度仲良くなり過ぎて、監督に怒られたことがあったんだよね」と言い加える吉瀬さん。その真相とは!?「まだ2人の距離がそんなに縮まっていないシーンで、仲のいい雰囲気を出し過ぎてしまって。『ここはまだそんなんじゃない!』と叱られました。撮影の2日目くらいのことでしたね。いま思えば可笑しいけれど、そのときはすごく怖かったです(笑)」。これには、「『緊張感がねえんだよ!』とか言われてね」と眞木さんも同調。「撮影中は自分のマネージャーともあまり話さないように言われていましたから。それは、立夫と朋子の孤独感をよりリアルに描くためだったんですが、そうやって小林監督ワールドが生まれていったように思います」。ロマンティックなラブストーリーの裏側には、鬼才監督が指揮する現場ならではの良い緊迫感があったようだ。そんな中、眞木さんの口から出た「孤独感」という単語は、この作品のキーワードのひとつでもある。バックパッカーの立夫はある事情を抱えながら、海外をひとり放浪してきた身だ。「立夫は朋子の中に、自分が抱えている孤独感や寂しさに似た感情を見出したんです。僕自身も誰かに出会い、相手と自分の考え方が似てるなと思うことってありますからね。あと、孤独感という点に関して言うならば、英語も通じない場所での撮影だったので、言葉の通じないもどかしさと哀しみは十分味わいました…。買い物ひとつするにしても、レジの人は絶対に英語を使ってはくれないですからね。ちょっとしたやりとりでも、徹底してフランス語を貫かれました(笑)」。朋子に対して“かわいそう”という気持ちも一方の朋子には、一度は別れた不倫相手を追いかけ、会社も辞めてパリに来た経緯がある。「30代女性らしい人生の悩みとか、悩む時期を迎える感覚は私自身にも共感できるところでしたね。でも、“かわいそうだな”という気もしました。朋子にとってはそれが幸せだったのかもしれないけれど、吉瀬美智子自身の目で見るならば、そんな彼女の姿が少しかわいそうにも映る。そういった意味でも、すごく難しい役だなと思いました。ただ、実は私、撮影に入るときに風邪をひいてしまっていたんですね。だから、必然的にひとりにならざるを得ない状況で…。孤独感の役作りはリアルにいけました(笑)」。孤独感さえも揃って仲良く(?)味わっていた眞木さんと吉瀬さん。では、旅先で誰かと恋に落ちる可能性は、おふたり自身としてはあり?なし?すると、「MAKIDAIさんみたいに素敵な男性が旅先にいたら、可能性はありますよねえ。日本でだったら分からないけど!」と吉瀬さん。「またまた、まいったなあ〜」と嬉しそうな眞木さんも、ニューヨーク滞在時の思い出話を披露してくれた。「タクシーから颯爽と降りてきたキャリアウーマン風の女性が、タバコを投げ捨て、パッとこちらをふり返ったことがあったんですよ。いまはタバコを吸ってる人ってあまり好きじゃないけど、あのときはしばらく動けなかったくらいドキドキしました。とりあえず、捨てたタバコを見に行きましたね(笑)」。そんな彼らが「単なる綺麗な夢物語ではなく、その裏に主人公ふたりの人間ドラマが見え隠れする。いい意味で夢物語と現実を行き来するラブストーリーなんです」と自信を持つ『白夜』。果たして、立夫と朋子が迎える恋の結末は?ふたりの好演共々、ぜひチェックを!(text:Hikaru Watanabe)■関連作品:白夜 2009年9月19日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 「白夜」製作委員会■関連記事:EXILE眞木大輔、初キスシーンに「緊張」、「恥ずかしかった」『白夜』初日眞木大輔&吉瀬美智子、監督の嫉妬で接近できず?「全然距離が縮まらず…」ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!眞木大輔&吉瀬美智子登壇!『白夜』完成披露試写会に10組20名様をご招待
2009年09月21日20世紀を代表するファッション・デザイナーであり、現代女性のカリスマ的存在として崇められる、ココ・シャネル。類まれなる才能と反骨精神を糧にして、田舎の仕立て屋のお針子から伝説のデザイナーとなった彼女だが、その成功の裏には、ある一人の男性の存在がいた。彼の名は、アーサー・“ボーイ”・カペル。現在公開中の『ココ・アヴァン・シャネル』で、シャネルが生涯唯一、本当に愛したと言われるイギリス人実業家・カペルを演じた、アレッサンドロ・ニボラに話を聞いた。異国の地・フランスで支えになったオドレイの存在深い教養と先見的な視野を兼ね備え、出会った瞬間にシャネルの心を射止めるカペル。流暢なフランス語でココを口説く紳士に、女性の心は虜に。ニボラは、今回ハリウッドを離れ、異国の地・フランスでこの役に挑んだ。「今回、僕にとっての一番のチャレンジは、やっぱりフランス語で演技をすることだった。とにかくリアリティをもたらすために、言葉に集中しながら、かなり細かく指導を受けながら台詞を覚えました。普段、自分が慣れている仕事のやり方とも違ってとても難しかったよ」。そんな中、主人公・シャネル役のオドレイ・トトゥが、力強い支えになったようだ。「オドレイは何作か英語での役をやったことがあったから、なじみのない言葉で味わう境遇をよく理解してくれたんだ。撮影初日、僕は死にたい気分だったんだけど、彼女が僕を呼んでこう言ってくれたんだ。『最悪なのは最初だけよ、そこからはもう良くなるしかないわ』とね。とても心強いパートナーだった。彼女は、見た目はとても小柄で細くて、脆くてデリケートで純粋な、鳥のような生き物のように見えるけど、実際はタフな女性なんだ。とても野心的だし、知的で強い面を持った女性でした」。フランスでの撮影は3か月にも及んだ。改めてハリウッド映画の撮影との違いを尋ねると、時折いたずらっぽい笑顔を見せながら答えてくれた。「フランスのスタッフとは3か月の撮影の間ずっと一緒にいたから、家族のような気持ちになったよ。アメリカとの違いは、いつも昼にワインとチーズが出ることかな(笑)。そんな贅沢はアメリカでは味わえないからね。あともう一つの贅沢といえば、いつも朝の8時から夜の6時までしか働かないことだね。アメリカのインディペンデント映画では、1日14〜16時間働くのも普通だから。この作品は3か月かかったけど、アメリカだったら1か月で終わってたんじゃないかな(笑)」。また、本作でカギとなるのは、シャネルのスタイルを象徴する衣裳の数々。そのヒントとなったと言われる男性たちの衣裳も然り。目の前で話す、カジュアルルックなニボラと、髭を蓄えスーツを上品に着こなす劇中のカペル、どう見ても同一人には見えないのだが…。「衣裳というのは仮面舞踏会の仮面みたいで、別人のようにちょっと大胆になれますよね。でも今回、撮影の初日に監督に『カウボーイみたいな歩き方をしている。イギリスの貴族に見えないからダメ』と指摘されたんだ。僕としては、労働者階級から出てきた人物だったから、もう少し荒削りのほうがいいと思ったんだけど」。では、お気に入りの劇中のシャネルの衣裳は…?「僕の好きな衣裳は、シャネルとカペルが初めてキスするときに着ている少年っぽい服だね。小さい帽子に、小さなジャケットと短いズボンを合わせて。何でかは分からないけど、すごくセクシーだったよ。実は、(シャネルに言う)『少年の服を脱がせるのは慣れてないんだ』というのが一番のお気に入りの台詞なんだ(笑)」。男性視点での、ココ・シャネルの魅力カペルはシャネルの生涯の恋人であったのと同時に、男性中心の社会の中で、彼女の才能を開花させた立役者の一人でもあった。最後に、カペル役を通して見た、シャネルという女性の魅力を語ってもらった。「シャネルは最初の現代的な女性の一人だったと思います。女性がまだ社会に出て働いていない時代に仕事を持っていたからね。そのためには、多大な勇気と情熱、そしてときには残酷さも必要だったと思うし、それらの要素が彼女の能力と成功を支えていたんだ。現代においても男女関係なく、成功するためにはそんな資質が求められると思うけど、この時代では、常に競争の世界で生きる男性に対して、残酷さに関しては、女性が露骨にそれを出すのは敬遠されていたんだ。もちろん、女性だって残酷さは持ってるけどね(笑)。女性が自分の力を示しつつも女性らしさを保つのは困難なことだけど、シャネルはその両方を持ちあわせていた。そんなうまいバランスをいまの女性は追い求めているんじゃないかな」。■関連作品:ココ・アヴァン・シャネル 2009年9月18日より全国にて公開© Haut et Court - Cine@ - Warnerbros. Ent. France et France 2 Cinema■関連記事:オドレイ・トトゥ、シャネルを熱演!ダンスシーンに「恥ずかしがり屋なので」と照れも“シャネル”オドレイ・トトゥ来日に国民的美少女・工藤綾乃も感激!生まれ変わりたい女優は誰?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼントファッション小噺vol.109王道の伝記&ピグマリオン精神に見る“シャネル”ファッション小噺vol.108現役ミューズが演じる“シャネル”伝説
2009年09月21日人気グループEXILEのメンバー、MAKIDAIこと眞木大輔が19日(土)、東京・新宿武蔵野館で主演映画『白夜』の初日舞台挨拶をW主演した女優の吉瀬美智子、小林政広監督と行い、初キスシーンの感想を語った。別れた恋人を追いかけてフランス・リヨンを訪れた朋子(吉瀬さん)とバックパッカーとして海外を放浪中の青年・立夫(眞木さん)が運命的に出会い、惹かれ合う姿を描くラブストーリー。印象的なシーンについて司会者から聞かれた眞木さんは、「橋の上を立夫と朋子が2人で走るシーンがあったんですが、生まれて1回もやったことなかったし、ベッタベタなんですが、やってみたら楽しかったです。お勧めですよ」と呼びかけ、「キスシーンも初めてだったので、緊張しました」と楽しげな笑顔。すかさず小林監督から「っていうかさ、あのキスシーン、長くなかった?」とツッコミが。眞木さんは「えっ?(監督の)オッケーが出るまでっていうことで、やっていたんじゃないですか。オッケー出てまで故意に長くやっていたわけではなかったですよ」と反論。「監督の部屋で音のチェックがあって、キスするシーンの音、チュッチュッっていうのをスタッフのみなさんに聞かれたことがあって、恥ずかしかったです」と女性ファンをやきもきさせつつ笑わせた。一方の吉瀬さんは、今年1月に10日間行われたリヨンでのオールロケをふり返り「最後のシーンが裸足にノースリーブで本当に寒かった。マイナス(気温)の世界でしたから」と苦労談を吐露。初日を祝い、タイトルにひっかけて2つで足して108本というバラの花束を、眞木さんと共に小林監督から手渡されるという粋な演出に「好きな人からも、もらったことがないのに。初めての経験で嬉しいです」ととびきりの笑顔を輝かせた。この日の観客はほぼ女性で、中にはボードを掲げる熱狂的ファンの姿も。小林監督は「僕の映画の客はいつもヤローばっかり、年がいっている人ばっかり」と驚きながらも「パート2ができるようにしてもらえたら嬉しいです」と、ちゃっかりPRしていた。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:白夜 2009年9月19日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 「白夜」製作委員会■関連記事:眞木大輔&吉瀬美智子、監督の嫉妬で接近できず?「全然距離が縮まらず…」ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!眞木大輔&吉瀬美智子登壇!『白夜』完成披露試写会に10組20名様をご招待
2009年09月19日俳優の松山ケンイチが19日、東京・丸の内ピカデリー1で主演映画『カムイ外伝』の初日舞台挨拶を行い、「僕にとって重要な、必要な作品になりました」と充実の笑顔を見せた。本作を通じて知り合ったヒロイン役の小雪との熱愛が今年4月から報じられ、それに関して直接的なコメントはしていないものの、「重要な作品になった」とこれまでの本作のイベントで繰り返し言い、この日も「僕にとって重要な、必要な作品になりました」と意味深に言葉に力を込めた。さらに司会者から原作者の漫画家、白土三平氏が「生身のカムイを見たよう」と松山さんを評したコメントが紹介されると、「一番のほめ言葉です。僕がケガをして撮影を半年間中断させてしまったので、この日を迎えられて本当に嬉しい」と照れくさそうな笑顔を浮かべ、公私の(?)充実ぶりをうかがわせた。松山さんとの間に、共演の伊藤英明を挟んで立つ形となった小雪さんは、初のアクション挑戦をふり返り「右も左もわからず、ただただスタッフのみなさんのお力を借りてやらせていただいた。年を重ねてできないことにチャレンジして、克服するのは感慨深いものがあります。いい経験になりました」と満足げ。だが、司会者から今後もアクションに挑む?と聞かれると「楽しかったけど、考えながらやらせていただきます」と苦笑いだった。2人とは対照的に、伊藤さんは「僕はぶっちゃけ大変じゃなかった。松山くんは心身ともに大変そうでしたが僕は大変そうな顔をしていました。沖縄のおいしい料理とお酒を毎晩いただいて、撮影は充実していました」と飄々とした調子。壮絶なアクションシーンについての質問にも「沖縄の砂浜で撮ったんですが、いや暑かった。でも撮り終えないと崔さん(洋一監督)に殺されると思い、恐怖と闘いながらやりました」と冗談交じりに崔監督の鬼采配ぶりを吐露。それを裏付けるように、崔監督と初タッグとなった佐藤浩市も、「現場で監督の怒鳴り声が聞こえない日はないという、うわさにたがわない温厚で柔和な方でした」とユーモアたっぷりに“証言”。小林薫も「撮影で使った魚は本物で、スズキを200匹鹿児島から空輸したんですが、そのスズキさんに怒鳴っていました。『演技しろ!さっきはできていたじゃないか!』って。初めて見ましたね」と悪ノリ。崔監督は「言ってません」と釈明しながら、前日にカナダ・トロント映画祭から帰国したばかりとあって、本作が特別上映された様子を「カムイの術のところで場内が割れた。笑いとどよめきで。カナダ人はどういう人たちなんだろうと思った」と観客の反応の良さを面白おかしく報告。松山さんと2度目の共演となった大後寿々花は「今回の松山さんの顔つきが前と全然違いました」と現場の緊張感を伝えていた。松山さんと崔監督はこの日から23日まで全国27か所、31回の舞台あいさつ行脚をスタートさせた。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:松ケン&小雪、熱愛コメントはなくも類似メッセージを呼びかけ【どちらを観る?】愛か自由か?松ケン『カムイ外伝』VS小栗旬『TAJOMARU』松山ケンイチ『カムイ外伝』インタビュー 孤高のヒーロー誕生の陰にあった挫折、恐怖ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松山ケンイチ、忍術で壁渡りも何のその?崔洋一「カムイは彼しかいない!」
2009年09月19日