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保存していた粉チーズが固まってしまい、なかなか出てこない…。地味に困るこの現象は、なぜ起きるのか?粉チーズは冷蔵庫で保存しがちですが、「その方法が実は間違っている」というメーカーの発信がSNSで話題になりました。『クラフト100%パルメザンチーズ』をブランドに持つ森永乳業に、適切な保存方法について話を聞きました。「そのまま出していると、虫が湧きそう」「他のチーズは冷蔵保存しているから、粉チーズも同じようにしている」など、粉チーズにはユーザーが抱いているイメージが根強くありました。しかし同社では「開封後の『クラフト 100%パルメザンチーズ』の好ましい保存方法は"常温保存“である」とSNSで発信。調査によると、約80%のユーザーがこの事実を知らなかったそう。「広告に対してここまで反響があると思わず、とても驚いています。『知らなかった!』『振っていた!』という声がたくさん見られ、思った以上に知られていないんだな、と啓蒙が足りていなかったことを反省しました。SNSでの盛り上がりを見て、多くの方に『自分ごと』としてとらえていただけたと考えておりますし、パルメザンチーズの常温保管を新しい事実として知っていただき大変嬉しく思います。パルメザンチーズは常温保存、がもっと浸透するよう、今後も啓蒙してまいります」粉チーズが固まる原因は、「冷蔵庫内から出し入れする際に生じる湿気や温度差」にあると言います。そもそも湿度が高い冷蔵庫は、粉チーズの保存に適していないということです。「開封後は冷蔵庫で保存せず、常温で湿度が低く直射日光の当たらない場所で保存することを推奨しています。ただし、未開封であれば常温、冷蔵どちらで保存しても構いません」固まってしまった場合、粉チーズを元に戻す方法も。「しばらく常温の環境に置いたのち、何回か容器を振ることで、チーズがほぐれて元の状態に戻ります。ほぐれたものは風味や食感ともに問題ないので、通常通りお召し上がりいただけます。ただし、開封後は表示している賞味期限にかかわらず、お早めにお召し上がりください」。年末年始のパーティーやおもてなし料理で、保存していた粉チーズを使うタイミングもあるかもしれません。使う直前に困らないよう、事前に対策をしておきましょう。
2024年12月21日カプレーゼ、パスタ、トマト鍋など、自宅で作る料理をワンランクあげてくれる『モッツァレラチーズ』。1度に使いきれず余ってしまった場合、どのように保存すればよいのでしょうか?正しい保存方法を「クラフト フレッシュモッツァレラ」ブランドを持つ森永乳業に聞きました。扱いに悩むのが、モッツァレラチーズを保護するために入っている水です。開封後一緒に袋ごと保存している人も多いのではないでしょうか。実際に「水分がないと乾燥しそう」というイメージも。どう保存すべきか聞いてみると、「水は捨てるのが基本」と意外な答えが返ってきました。「モッツァレラチーズと一緒に入っている水は、開封前のチーズのみずみずしさを保ち、型崩れを防ぐためのものです。開封後の保存液として機能するものではありません。もし余ってしまったら、水を切ってタッパーなどの保存容器に移して冷蔵保存しましょう。賞味期限はありますが、開封後は翌日までを目安に、なるべく早く食べきりましょう」最近は、すでに味が付いているモッツァレラチーズを各社が出しています。例えば、同社から発売している『クラフトバジルフレッシュモッツァレラ』は、すでに”味が付いている”からこその使い方も。「チーズと一緒に、和え物・サラダ・パスタ等の料理に使うことができます。すでに味がついている商品を使うことで、味付けに悩むことなく、時短で簡単に一品仕上げることができます」
2024年12月18日最近、ヘアケア界隈でよく見聞きする「ケラチン」。髪の健康には欠かせない成分で、ダメージの補修にも効果ありということで、SNSで話題になるほか、配合されたシャンプーやトリートメントがドラッグストアの目につきやすいコーナーに陳列されるなど、注目を集めています。多様な商品が売られている中、何をどう使ったらもっとも効果的なのか?そもそもケラチンとは?美容先進国・韓国のヘアケアトレンドにも詳しいイヴォークトーキョー取締役の松島春樹氏に話を聞きました。■髪が劣化し、傷んでしまうのは「ケラチンが不足しているから」━━“ケラチン”とはどのような成分なのですか?「ケラチンはタンパク質の一種で、私たちの爪や髪の毛を構成している成分です。髪の毛は約80~90%がタンパク質で構成されていますので、ケラチンを失っていくと、髪は劣化し、傷んでしまいます」━━ケラチンは何が原因で失われていくのでしょう?「ドライヤーやヘアアイロンによる熱刺激や、ブラッシングやタオルドライなどの摩擦による刺激、紫外線や化学物質など、髪へのダメージが原因となります。また、栄養状態が悪かったり、加齢も原因となります」━━ケラチンが不足すると、髪はどのような状態になってしまうのですか?「ケラチンには髪の毛に柔軟性や弾力性を与えるアミノ酸が豊富に含まれていますので、不足すると、髪の毛がふわふわになって、まとまらなくなったり、うねりやクセがある人はより強く出るようになってしまいます。また、枝毛や切れ毛の原因にもなります」━━ケラチンが不足した際は、どのような対処をすればいいのでしょう?「欠乏してしまったケラチンは、外から入れない限りはなかなか補えません。ただ、市販のケラチン配合のヘアケア製品は含有量が少ないですし、髪の毛の中にケラチンをしっかり定着させるためには熱を使わないと難しい面もありますので、まずは、サロンでケラチンのトリートメントをしてもらうのがおすすめです。その後、プラスαで、日々、自宅でケラチン配合のヘアケア製品を使うといいと思います。サロンでしっかり集中ケアをすると、ケラチンが結合しやすくなりますので、市販製品の効果も高まると思います」■ケラチン含有製品を一般ユーザーが比較検討するのは難しい現状「信頼できるサロン選びが必要」━━ケラチン配合のヘアケア商品にはシャンプー、トリートメント、ヘアマスク、ヘアオイルなど様々ありますが、どう使い分けたらいいですか?「シャンプーとトリートメントは毎日使用するといいと思います。ただ、ケラチンは髪が硬くなる性質があり、人によっては高濃度のケラチンを毎日使い続けると髪が硬くなってしまう可能性があるので、髪の質感が気になったらヘアマスクは1回使用をやめたほうがいいでしょう。その意味でヘアマスクは週に2~3回の使用でいい製品だと思います。ヘアオイルに関しては、今、市販されているものはほぼケラチンが入っていないに等しいくらいの含有量なので、ケラチンによる髪の補修は期待せずに、単なるヘアオイルだと思って使っていただいたほうがいいと思います」━━市販の製品はケラチンの含有量が少ないということですが、その中でも効果の高いものを選ぶには何を基準にしたらいいのでしょう?「含有量については、正確な数字はネットで調べても出てきませんので、一般の方が比較検討するのは難しいのが現状です。ケラチンのトリートメントを扱っているサロンであれば、たいていサロンでのトリートメントに紐づいたホームケア用のシャンプーやトリートメントを扱っていますので、しっかりケアしたいのであれば、そういったものを使用するといいでしょう。ただ、サロンで扱っている商品もピンキリですし、日本はケラチンに対しての知識が遅れているので、信頼できるサロンを選ぶことも必要だと思います」━━日本はケラチン後進国なのですか?「ケラチン配合のトリートメントは、韓国や欧米などではベーシックな商品になっていますが、日本は正しい知識が浸透しているのはまだ2割程度というのが正直な印象です。その原因のひとつは、ケラチンは髪にハリコシを与える作用があるため、日本のヘアスタイルの流行が髪を柔らかく見せたいという方向にシフトしていくなか、真逆の効果を生むものととらえられてしまったことだと思います。ケラチンより水分を多く与えたほうが髪は柔らかくなりますから、水分の含有量が多いトリートメントが重用されるようになってしまったんです。欧米は日本人とは逆にハリが欲しい髪質なので、ケラチンが重要視されたのだと思います。また、ケラチンはパーマの処理剤にも使われていたのですが、においがきつかったこと、ケラチンの含有量を上げると価格が高くなることも日本が遅れた理由かもしれません」■低分子のケラチントリートメントも登場、「いい意味で、髪に中高生の頃のような重さが生まれます」━━同じアジアでも、美容先進国の韓国では、“髪管理”への意識から、ケラチンをはじめ様々なトリートメントが話題となっているそうですね。「韓国の方はもともと髪の毛のクセが強く、日本人より難しい髪質なので、その分、開発において工夫を重ねてきたのではないかと思います。最近では、韓国発の低分子のケラチントリートメントが日本にも出てきています。クレイツの韓国発ブランド“レピ”のグリーンケラチン4.0という製品で、ケラチンの含有量が日本製に比べて、断然多いのが特徴です。低分子のケラチンが髪の中に入ってしっかり定着するので、驚くほど艶が出ますし、いい意味で、髪に中高生の頃のような重さが生まれます」━━サロンでのトリートメントでその効果が実感できるのですか?「その人の状態によると思います。1回サロンでトリートメントしただけで、1ヵ月半くらい艶のあるひじょうに良い状態の髪を維持できる方もいます。ロングヘアでかなり髪が傷んでしまっている人の場合は1回ではケラチンが入り切りません。ただ、3週間に1回くらいの頻度でサロンでのトリートメントを行っていくうちに、常にツルツルでサラサラな状態を維持できるようになる方が多いです」━━傷んでいる場合は、トリートメントの頻度を上げていく?「大事なのはケラチンを髪の毛の中に蓄積させることなので、美容院に来るのは2.5カ月に1回という人が多いですが、来るたびにやるのがいいと思います。そしてその間は、美容師に勧められたケラチン配合のヘアケア商品を使って、ホームケアも合わせて“髪管理”を行うのがおすすめです」━━今、現在、髪のダメージを感じていなくても、自宅でのケアはしたほうがいいですか?「ダメージが出てからでは遅いので、“予防”としての考え方です。髪は日々成長していますので、とにかく傷む前からケアしておく。あと、ケラチンの欠乏を防ぐためには、ケラチンを構成するタンパク質を日常的に摂取することも大切です。食事で補えない人はプロテインを活用するのも効果的だと思います」━━今は、ネット上でも様々なヘアケア方法が話題になっていますが、バズっている商品を購入しても、思うほどの効果を得られないこともあります。“髪管理”をするにあたって、商品の選び方について、最後にアドバイスをお願いします。「僕の感覚ですけれど、SNSの投稿などを見ていると、まだ、ケラチンについては正しい知識が浸透しておらず、“髪管理”という考え方よりは、トレンドだから使うという方が多い印象です。サロンによって『ケラチントリートメント』といっても、ほとんど水分のトリートメントを使用している場合もありますし、それで値段が高いとなると、ケラチンに良いイメージをもたず、1回で止めてしまう人も多いと思います。ですから、口コミの情報だけを頼るのではなく、いかに信頼できるサロンや美容師を見つけていただけるか。闇雲に商品を買って後悔しないように、正しい知識を身に着けることが大切です」PROFILE/松島春樹イヴォークトーキョーの取締役ディレクター。骨格に似合わせた小顔に見せるカット技術、髪の毛や顔色がきれいに見えるカラーリングやハイライトをおりまぜたナチュラルデザインカラーが得意。ボブやショートへのカットから、ライフスタイルに合わせた髪のケア方法まで提案してくれる。Instagram:@matsuharu_evoke
2024年12月16日韓国では美容クリニックでの定期的なケアや自身のスキンケアを徹底する“肌管理”のほかに、頭皮ケアや髪質ケアを行う“髪管理”の考え方が美容のトレンドとなっています。近年、日本でも“髪管理アイテム”が続々と登場し、SNSではトリートメント、ヘアオイル、ドライヤーまで多岐にわたるケアツールが話題に。様々な商品や手法があるなかで、どのようなケアに着目すればいいのか。COA(コア)表参道の美容師・ゆうだいさんに話を聞きました。■「日本では“毛先”、韓国は“頭皮”」異なるヘアケアの着眼点日本ではヘアケアにおいて“うるおい”を重視してきたので、毛先のダメージケアに重きが置かれてきました。その一方で、パーマ文化が発達している韓国では、“根元のボリューム感”を大事にする考え方が男女ともにあります。「だからこそ、韓国では髪の根元にパーマをあてるのが流行っています。男性も、ダウンパーマやプリカールが流行っているので、日本よりも、より頭皮に着目が向いていると現地の美容師から聞いています」(COA表参道の美容師・ゆうだいさん、以下同)。日本でも近年のヘアトレンドが“うるおい&ツヤ”ではなく、“少しドライでナチュラルな質感”に寄ってきている傾向があり、「いかに健やかな髪であるかという点で“頭皮の健康”を気にする人は多い」とゆうだいさん。■頭皮を健やかに保つ“髪管理”とは?「顔と同じ“肌”であると意識すること」頭皮は顔と一枚皮でつながっている“肌”ですが、ゆうだいさんは「顔のスキンケアはきちんとするのに、頭皮はほったらかしの人が多い」と指摘。「顔や髪を洗うとき、どんな行動をとるか考えてみるとわかりやすいです。洗顔はぬるま湯で済ませるのに、髪にあてるシャワーは“熱め”という人も多いです。同じ肌なのに扱いが違いすぎると僕は思っているのですが、スキンケアと同じかたちで頭皮にも頭皮用の化粧水を使用するなど、“同じ肌として扱う”ことに目を向けてほしいと感じます」ケアの方法として、日本と韓国で共通して話題となっているのは、美容室でのヘッドスパメニュー、シャワーヘッド、シャンプー&トリートメントなど、プロの手を活用すること、ヘアケアツールを使ってホームケアで管理をしていくことの2軸がある。それぞれのケア方法を紹介していく。【ヘッドスパ・シャワーヘッド】頭皮の毛穴が汚れて詰まったり、パーマや染髪の薬剤が落ち切っていなかったり、頭皮に負担をかけてしまうケースも多いので、しっかりと汚れや薬剤を落とし切るために使用。最近では“炭酸系のヘッドスパ”が増えてきているそう。【ケラチントリートメント】髪の主成分であるケラチンは、日本・韓国ともに注目されています。「これまで、市販の商品では、シリコンでコーティングすることで指通りが良くなるものはあったと思うのですが、髪の表面を油やシリコンで保護してごまかすよりは、髪本来の健康な状態に導くケアとしてケラチンはすごく注目されていると思います」とゆうだいさん。韓国でも日本でも、低分子で奥まで浸透するケラチントリートメントが最近注目されているそう。【オイルスプレー】韓国はパーマ文化なので、ドライするだけでスタイリングはある程度仕上がります。そのため、スタイリング力のあるスプレーよりは、ツヤ出しのみのオイルスプレーが注目されています。日本でも美容師の間では必須アイテムで、最近ではSNSでオイルスプレーが話題となることが増えました。「手でつけると1ヵ所に重たくついてしまうこともあるのですが、スプレーなら全体に自然なツヤ感が出せます」。【縮毛矯正・ストレートパーマ】クセ毛や毛量で悩む人は“縮毛矯正”や“ストレートパーマ”をあてることを選ぶ人も。生え際ギリギリからあててほしい要望がある一方で、髪がペタッとなってしまうことに抵抗感があるという声も聞きます。「そういう場合は、根元のボリュームをコントロールできるストレートパーマもありますし、髪を立ち上げるピンやカーラー、ドライヤーまで出ています。縮毛をかけても根元は上がるよう、アドバイスは僕たち美容師側でできるので、ぜひ相談してほしいと思います」。【ドライヤー】熱い風も出ても温度調節ができたり、低い温度設定も可能だったり、「大風量だけど熱すぎない」というのは、どのメーカーさんも気にしているポイントだといいます。「乾かすけど水分は守りたいという欲張りな考えではあるのですが、そういうドライヤーが流行っていると思います」とゆうだいさん。「風の出方も、ただ強いだけではなく、あまり髪が暴れずに、やさしく乾かしてくれる、乾かしすぎないようにしてくれるものは、今トレンドとして来ていると思います」。■根元の立ち上げ、うるおいキープまで…プロから見た、“使いやすいドライヤー”とは?熱すぎず、高温ではなく、速く髪が乾く温度の目安として“表面温度60℃”をいかに保ち続けることができるか。これは、美容師の間でも課題であり、共通認識としてある考え方。「各ドライヤーメーカーさんは、表面温度60℃というのは必ず意識していると思います」とゆうだいさん。「大体60℃ぐらいが、まろやかな風で根元がふんわり立ち上がる温度と言われています。髪のダメージを防ぐために、美容師は温度管理を徹底しなければなりません。ドライヤーが熱くなりすぎないように、乾かしすぎないようにする練習をアシスタントの頃から常に行っています。それでも、温度管理を全員が完璧にできるとは言い切れないのですが、管理自体をドライヤーがしてくれるようになったことは革命的。近年のドライヤーの機能の高まりを痛感しています」。美容師目線で見て、ユーザーが使いやすそうだと思うのは、「温度の設定ができるもの」だとゆうだいさんは解説。「髪を乾かしていてもパサパサには乾かない。水分を残すことを求めるとちょっと乾かすのが遅くなってしまうかもしれないですけど、そこは風量でカバーする。軽くて時短、乾かすのもラク…というドライヤーが理想的ですね」。ケアの方法を考えるときに、「髪の毛にいろいろと足しがち」ですが、「いかに奪わないかを考えたほうがいいです」とゆうだいさん。「ドライヤーで水分を奪わないこと、シャンプー・トリートメントも髪の油分や水分を奪わないこと、お湯の温度も熱いと一気に突っ張ってしまうので、頭皮や髪の毛に必要な油分や水分を奪わないこと。お湯の温度を1℃下げてみたり、洗浄力のやさしいシャンプーに替えてみたり、温度を管理してくれるドライヤーに替えたり、まずは奪わないケアから始めて、そこに必要なものを足してあげたら綺麗になると思います」。PROFILE/ゆうだいCOA表参道スタイリスト。きれいめカジュアルなボブヘアのスタイリングを得意とし、ボブカットの店内指名率ナンバー1を誇る。2024年のカットコンテストでは全国1位を獲得し、専門学校で講義も受け持っている。Instagram:@yudai_bob
2024年12月10日子ども向け教育プログラムといえば、各社さまざまなアプローチの商材を展開し互いにしのぎを削っています。学力向上を主軸としたプログラムはもちろん、知育や楽しみながら学ぶスタイル、AIの導入など、まさに多種多様。とはいえ“親しみやすさ”がフックとして重要なため、キャラクターを効果的に活用することはマスト。そんななか、サンリオが展開する英語教材『Sanrio English Master』が好調とのこと。後発ながら、親や子どもを惹きつける理由とは? 子ども自身が楽しみ、飽きさせない秘訣について聞きました。■親の過干渉で「ネガティブ行動」が続出!? 同志社大学との実験で明らかに昨今はさまざまな子どもの教育プログラムがありますが、なかでも注目されているのは英語教育。小学3年生からの外国語活動が必修化され、英語教育の重要性はますますアップ! でも、「親でさえ英語がしゃべれないのに…」と不安になる人も多いでしょう。それだけにこうした教材を使おうとする人は増えており、本格的な学習スタイルから、知育や遊びながら学ぶもの、AIを活用した手軽なアプリなど、内容も価格も多種多様です。ただ、いくら親が積極的に教材を与えても、子どもが継続して学んでくれないことには意味がありません。子どものやる気を出すために「親も一緒になってやらなくては!」と意気込んでも、共働き夫婦や忙しい家庭ではなかなか難しいもの。実際、どこまで付きっきりにならなくてはいけないのでしょうか。2023年に英語教材『Sanrio English Master』を開発したサンリオで、エデュテイメント事業部ゼネラルマネージャーを務める太田誠二郎さんは、それについて「興味深い実験結果があります」と教えてくれました。「同志社大学赤ちゃん学研究センターと共同で、『Sanrio English Master』を使い、ビデオを介在した英語学習の視聴実験を行いました。その結果、保護者が英語学習に一緒に取り組むことで、お子さんの英語の発話回数は4.6倍と大きく増えたんです。ところが、介入時間がある一定数を超えると、逆にお子さんから『飽きた』といったネガティブワードが増えるようになりました」この視聴実験は、2・3歳の親子131名を対象に、ビデオを介在させた子どもの第二言語発話を促すうえで、養育者(親)の介入の有効性について検証したもの。『Sanrio English Master』のビデオを題材に実施(インプット/アウトプット/養護者からのフィードバックの3段階)。まず設定条件として、養育者がビデオ学習に「A.まったく参加しない」、「B.フィードバックのみ行う」、「C.フィードバックに加え後半から参加する」、「D.最初から最後までビデオに参加し、フィードバックを行う」の4つパターンに分けました。一見、「D」の付きっきりパターンが理想的に見え、実際に発話も増加するように思われます。しかし、「D」では「ネガティブな行動」「ネガティブな発話」がともに増えてしまっており、「B.フィードバックのみ行う」を超える結果に。つまり親ががんばって介入しすぎると、結果が出やすいように見えて実際は子どもがイヤになり、やめたくなってしまうということ。親がずっと一緒にいることで、甘えが出てしまうのかもしれません。太田さんはこの結果を受けて、「親子で一緒に遊ぶのは週末の20分程度がベストだと考えています」と語ります。子どもの自主性を育むためにも、「自分の力で成し遂げた」という自己肯定感を得るためにも、親の過干渉は逆効果。これは英語学習のみならず、教育や育児全般に通じそうです。■子どもたちが没入する理由は? キャラクターと動画の秘密忙しい親にとっても、「付きっきりでいなくてもいい」というのは安心材料に。『Sanrio English Master』については、「特に共働きのご家庭からは『子どもが自発的に取り組んでくれる、没入して楽しんでくれるので、家事などができて助かる』といった声を多くいただいています」とのこと。親がいなくても、子ども自身がやる気を出してくれる秘訣はなんなのでしょう。「サンリオのキャラクターたちだけでなく、幼児が興味を持ちやすい、目で追いやすいキャラクターとして、BUDDYEDDY(バディエディ)などを開発しました。最初のきっかけとして、こうした親しみやすさやキャラクターを好きになっていただくことは大切だと考えたからです。グッズがほしいとの声に応え、10月からはグッズ販売もスタートしました」ちなみに、ただ親しみやすいキャラクターが登場するだけでなく、ビデオ動画のタッチについてもこだわりがあるとか。「ただ英語“を”学ぶのではなく、英語“で”学ぶを大切にした知育の側面もあります。英語を使って『手を洗う』とか『スポーツをする』ということを学ぶから、今の子どもの生活習慣にフィットしたものでないと違和感が出てしまう。そのため、動画も現代風にして、生活のアレコレを違和感なく英語で学べるようになっています。そうしたビジュアルや音、演出にはこだわっていますね」動画視聴に慣れた今の子どもたちを虜し、没入させるのにはこのあたりにも要因があるようです。ですが、一度ハマったとしても、飽きっぽい子どもに続けさせるのは至難の業! 苦労している親御さんも多いでしょう。英語は、子どもたちが初めて触れる異言語。失敗して「できなかった」「苦手だ」と刷り込まれてしまえば、続けることはおろか「英語は嫌い!」になってしまう可能性も。「子どもにとっては、『何かを成し遂げたこと』だけでなく、『成し遂げるために頑張ったこと』そのものを認めてあげる必要があると思っていて。たとえば教材の1つであるクイズ玩具は、答えが間違っても『Nice try!』と、否定的なワードは返しません。逆に褒め言葉は『Good!』『Ok!』にとどまらない豊富なバリエーションを盛り込んでいます」この「頑張ったこと自体を認める」というコンセプトは、サンリオピューロランドの英語で遊ぶアトラクション『BUDDYEDDY WONDERFUL CLUB』でも踏襲。話した英語のアイテムが映像に飛び出し、それらを使ってパーティの飾り付けをするという内容で、英語が上手に話せなくても「Try again!」とキャラクターたちが応援してくれます。それに背中を押されてどんどん英語を話したくなるというもので、昨年秋のオープン以来、すっかり人気アトラクションの1つとなりました。このように、キャラクターたちと遊びながら、楽しみながら、英語“で”さまざまなことを学べるのが、『Sanrio English Master』が後発ながら好調な理由。昨年秋からは、やる気スイッチグループの子ども向け英語・英会話スクールWinBeのコース『Fun Kids English』の教材にも採用。教室で友だちや先生との会話などでアウトプットすることで、より表現力を定着させることができるそうです。さらに11月30日からは、両社のコラボによる新たな英会話教室『Sanrio English Studio「We Act!」』も開校。子どもたちが映画制作を通して英会話を学ぶ場で、バディエディたちのほか、監督にハローキティ、脚本家にシナモロール、カメラマンにポムポムプリンも登場。生徒がキャストになってアフレコ体験もでき、子どもが楽しめることは間違いないでしょう。「英会話を学ぶのはもちろん、クラスメイト同士で協力しながら映画を制作するという共創力やコミュニケーション力を育むための教室。自分たちが作った映画が形になるという達成感は、子どもたちにとって大きな成功体験になるはずです」そもそも、なぜキャラクターでお馴染みのサンリオが子どもの英語教育に乗り出したのかというと、同社の理念が「みんななかよく」ということから。そのためにはまず「自分となかよく」なることが大事で、子どもの自己肯定感を高めることにも繋がるといいます。「お子さん1人1人の良さを認め、次はその良さを伸ばそう、育てようという教育の領域へと自然に繋がりました。中でも英語教育からトライを始めたのは、子どもたちが生きる未来は、今よりもっと国境を超えて『なかよく』することが求められる世界がやってくると考えたからです」何十年も言われていることですが、小学3年生から必修化された現在は、英語学習からは逃れられません。どうせやるなら、子どもがみずから楽しめるのが一番。ただ、せっかく英語を話せるようになっても、「学校で流暢に話すと笑われる」といった風潮は今なおあるよう。「幼少期から英語を学ぶ子が増えている一方で、小3で初めて英語に触れる子もいるという二極化した現状がそうした“からかい”の風潮を起こしているのかもしれません。しかしそれによって英語嫌いになってしまうのは、とても残念なことです。お子さんの可能性を伸ばすためにも、また世界中が『みんななかよく』なれるためにも、英語を話すのは楽しい、英語が自己実現に繋がった、そんな体験を1人でも多くのお子さんに届けていきたいと思います」(文:児玉澄子)
2024年11月28日