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12月1日(日) に神奈川・横浜アリーナにて、indigo la Endがワンマンライブ『トウヤノマジック Vol.1』を開催。ニュー・アルバムのリリースと2025年4月からの全国ツアーの開催を発表した。indigo la Endにとって過去最大キャパシティとなった横浜アリーナでの公演は、1万人を超えるオーディエンスを前に全24曲を披露。映像、照明の演出も見事な調和で、indigo la Endでしか表現成しえない世界観を見せつけた珠玉のパフォーマンスとなった。ライブ終了後には、ニュー・アルバム『MOLTING AND DANCING』が2025年1月29日(水) にリリースすること、4月から全国ツアー『藍のすべて』を開催することが会場のスクリーンに映し出されると場内から大きな拍手が沸き起こった。<公演情報>『トウヤノマジック Vol.1』2024年12月1日(日) 神奈川・横浜アリーナ【セットリスト】01. 瞳のアドリブ02. 想いきり03. 砂に紛れて04. 名前は片想い05. 悲しくなる前に06. 不思議なまんま07. 夜風とハヤブサ08. 魅せ者09. 見せかけのラブソング10. チューリップ11. 蒼糸12. ラムネ13. 忘れて花束14. 夜の恋は15. 冬夜のマジック16. X day17. 夜明けの街でサヨナラを18. 実験前19. ABCDC20. 夏夜のマジック21. スウェル22. ダビングシーン23. 盲目だった24. 新曲<リリース情報>『MOLTING AND DANCING』2025年1月29日(水) リリース●通常盤:3,300円(税込)●初回盤CD&DVD:4,950円(税込)●初回盤CD&Blu-ray:5,500円(税込)※初回盤にはindigo la End TOUR 2023-2024『藍衆』のNHKホール公演の模様を収録予約購入リンク:<ライブ情報>indigo la End 15th Anniversary Special Series #2『ONEMAN TOUR 2025「藍のすべて」』4月5日(土) 千葉・市川市文化会館 大ホール開場 16:00 / 開演 17:004月12日(土) 香川・サンポートホール高松 大ホール開場 17:00 / 開演 18:004月18日(金) 栃木・栃木県総合文化センター開場 18:00 / 開演 19:004月20日(日) 静岡・静岡市清水文化会館 マリナート 大ホール開場 16:30 / 開演 17:304月23日(水) 大阪・フェスティバルホール開場 18:00 / 開演 19:004月24日(木) 大阪・フェスティバルホール開場 18:00 / 開演 19:005月2日(金) 北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru開場 18:00 / 開演 19:005月10日(土) 京都・ロームシアター京都 メインホール開場 17:00 / 開演 18:005月11日(日) 広島・上野学園ホール開場 16:30 / 開演 17:305月17日(土) 石川・本多の森 北電ホール開場 17:00 / 開演 18:005月20日(火) 愛知・愛知県芸術劇場 大ホール開場 18:00 / 開演 19:005月23日(金) 岡山・岡山芸術創造劇場 ハレノワ 大劇場開場 18:00 / 開演 19:005月24日(土) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール開場 17:00 / 開演 18:005月31日(土) 宮城・仙台サンプラザ開場 17:00 / 開演 18:006月1日(日) 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール開場 16:30 / 開演 17:306月8日(日) 茨城・ザ・ヒロサワ・シティ会館(茨城県立県民文化センター)開場 16:30 / 開演 17:306月20日(金) 東京・東京国際フォーラム ホールA開場 18:00 / 開演 19:006月21日(土) 東京・東京国際フォーラム ホールA開場 17:00 / 開演 18:00【チケット】全席指定:7,800円(税込)■藍モバイル会員先行受付期間:12月5日(木) 23:59まで※各公演 ひとり2枚までindigo la End オフィシャルサイト:
2024年12月02日ビクターエンタテインメント主催のロックフェスティバル『ビクターロック祭り2024』が、11月30日に東京・東京ガーデンシアターで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。tight le fool(O.A.)オープニングアクトとして『ビクターロック祭り2024』の幕を切って落としたのは、オーディション「ワン!チャン!!~ビクターロック祭り2024への挑戦~」でグランプリに輝いたtight le foolだ。2023年4月に結成されたばかりの福岡発の4ピースバンド。朝一番に会場に駆けつけたロックファンの温かな拍手に迎えられたメンバーは、挨拶代わりにジャーンと一発鳴らしてみせた。そのみずみずしいサウンド、金髪が眩しいフロントマンRIKU(g/vo)が叫ぶ数々の言葉からはバンドの気合いが伝わってくる。1曲目は「リフレインガール」。RYOTA(ds)、KENSHIN(b)が織り成す軽快なリズムに手拍子が起き、TAKUMI(g)が体を動かしながら楽しそうに紡ぐフレーズが、観客の心をもっとオープンにさせる。曲中RIKUが「盛り上がってるか、ロック祭り!」と投げかけた頃には、バンドの鳴らす音に誘われてか、フロアには開演時よりも多くの人が。ここでRIKUは「こんな景色を見られて、音楽やっててよかったなと思っているんですけど、今日の経験を自慢じゃなくて自信に変えてもっと高く飛びたいなと思ってます」と意気込み、コール&レスポンスを実施。演奏を止めて観客に歌を任せたクライマックスでは、〈一切合切金輪際もう関わらんといて〉というフレーズが会場に響いた。「もう最後だけど僕たちの全部を届けて帰ります!」という言葉通り、「ラブロマンス」を全身全霊で鳴らしきり、ステージをあとにしたtight le fool。"等身大の音楽をあなたに"をテーマに楽曲を奏で、恋愛ソングで共感を集めつつある彼らだが、心から音楽を楽しむ4人の気持ちがダイレクトに伝わってくるライブも素敵だった。去り際にはRIKUが「愛してるぜー!次はメインアクトで戻ってくるよ!」と宣言。ここから終演までライブを楽しむオーディエンスに対し「ビクターロック祭り、まだまだここから一緒に楽しんでいこうね」と伝えつつ、大きく手を振るメンバーはとてもいい笑顔だった。Text:蜂須賀ちなみTHE BAWDIESオープニング・アクトのtight le fool(「ワン!チャン!! 2024のグランプリバンド」)が終わり、しばしのブランクを経て、開演予定時刻の14:00ぴったりから、今日の出演者を紹介するナレーションが流れる。その末に「祝・結成20周年、メジャーデビュー15周年!」というアナウンスと映像で紹介された、10回目の『ビクターロック祭り』のトップを飾るのは、THE BAWDIESだ。SEの「ダンス天国」に乗って、シャウトを一発決めてからベースを持ったROY(b/vo)が、「ロックンロール界のお祭り番長、THE BAWDIESだー!」と挨拶。オーディエンスに「イェー!」のコール&レスポンスを求め、「その前に、お腹が空いたらホットドッグ!召し上がれ!」と、「HOT DOG」でロケットスタート。間奏ではJIM(g)がステージ前に跪き、ギターソロを弾きまくる。続く「GIMME GIMME」では、ROYがイントロでも間奏でもシャウトしっぱなし。「お祭りごとですから、みんな一緒に行きましょう! 曲を知らない人は、一番を聴いてみてください、THE BAWDIESの曲、それで二番三番を歌えます!」と曲に入った「LET’S GO BACK」では、その言葉どおり、〈♪PAPAPA〉のシンガロングが響いた。「POPCORN」では、ROYの「跳べー!」という号令で、オーディエンスみんな延々とジャンプ、そして後半のブレイクではROYのリクエストで、腕を高く挙げて延々と高速ハンドクラップ。みんな大変そう。でも楽しそう。「今日集まってくれた皆様へ、そしてビクターへ愛をこめて、ラブソングを」と始まった「SUGAR PUFF」が、この日唯一の、参加者がクールダウンできた曲だった。「ビクターロック祭りも10周年、THE BAWDIESは結成20周年、デビュー15周年でございます。この数日後、ビクターを背負って、日本を背負って、オーストラリア・ツアーに行ってきます」とROY。「遅れないでついて来てください!遅れるとこうなります!」という言葉から歌われるのは、もちろん「IT’S TOO LATE」である。サビでオーディエンスの腕が、左右にブンブン振られまくる。ROYの「T.I.A.!」と、オーディエンスの「T.Y.I.A.!」の掛け合いが繰り返された「T.Y.I.A.」を経てのラスト・チューンは、「JUST BE COOL」。「我々がトップバッターを任されたのは、どういうことかわかっております。打ち上げ花火を上げてくれ、ということだと思うんです。みなさん打ち上げ花火になってください!」というROYのアオリに応えて、アリーナもスタンドも、THE BAWDIESのファンもそれ以外も含めて、腕を挙げたオーディエンスが一斉に跳び続けるさまは、壮観だった。このバンドにトップをオファーしたの、大正解だと実感する。この曲の最後のブレイクで、ROYは、肺活量どうなってんだと言いたくなるくらいの、長い長いシャウトを聴かせた。嵐のような35分だった。Text:兵庫慎司ヤバイTシャツ屋さん「ビクターロック祭り『ワン!チャン!!』初代グランプリ、ヤバイTシャツ屋さん、8年ぶりに帰ってまいりました!ユニバーサルミュージック代表、やらせていただきます!」今年の『ビクターロック祭り』には、10周年を記念して、レーベルの垣根を超えてゆかりのあるアーティストが集結した。ヤバイTシャツ屋さんとの縁は、こやまたくや(g/vo)が冒頭で言っていた通り、彼らがメジャーデビューをする前から。振り返ればヤバTはあの頃から、人を巻き込むライブをするバンドだった。しかし今は当時の比ではないと、1曲目の「あつまれ!パーティーピーポー」の鳴りように実感させられる。屈強なバンドサウンド、誰に対しても門戸を開くキャッチーな楽曲、遊び心と発明がいっぱいの歌詞。フロアから熱いリアクションが上がるまでが本当にあっという間だ。東京ガーデンシアターいっぱいにハンドワイパーの海が広がっている。4曲を演奏したあとのMCでは、2016年当時の話題になった。こやま&もりもと(ds/cho)の「普通やったらビクターに所属するところをスルーしてますから」「そんな、みなまで言わなくても(笑)」という掛け合いを、ありぼぼ(b/vo)が「でも、ビクターとユニバーサルミュージックの架け橋ですよ」と綺麗にまとめ、ありぼぼ提案の動き(ユニバーサルのロゴをイメージしたジェスチャーをしながら、ビクターのシンボル・ニッパーのように「ワン」と言う)をみんな一緒にやることに。その後はこやまが「実は1枚だけビクターからCDを出してるんです。そのCDに入っている曲を歌います」と切り出し、2016年に881時間&881枚限定リリースされたシングル「そこまでレアじゃない」の曲を収録順通りに披露した。シングルからの1曲目「喜志駅周辺なんもない」は、2016年にオープニングアクトで出演した際にも演奏していた。当時はフリップで喜志駅周辺について説明する演出があったなと懐かしい気持ちになるが、今は知っている人も知らない人も全員巻き込んで〈サンプラ行ったら挨拶しようか迷う感じの知り合いが居る!〉の大合唱を巻き起こしている。曲中にはこやまが「ビクターのアーティストカッコいい」「ビクターのスタッフセンスいい」と歌い、もりもとが「媚び売りすぎ。ユニバーサルがかわいそう」と笑う一幕も。「ネコ飼いたい」と続き、NHK『おかあさんといっしょ』のエンディングテーマのカバー「スプラッピ スプラッパ」に関しては、「これ、ビクターの人が許可とってくれたんでCDに入れられました!」と語られた。ライブから浮き彫りになるのは“真面目に不真面目”的なバンドの変わらぬスタンス。そしてバンドを支える周囲の人たちへの感謝。湿っぽいシーンは一切ないが、メンバーの想いは音や歌にしっかり乗っている。楽しくてグッとくるライブだ。「新曲聴いてください!」と今年リリースの「すこ。」、「なんだかセキュリティさんたちがすごく暇そうにしてるんですけど!もっと、むちゃくちゃやれー!」と「無線LANばり便利」で熱く温かく幸福な空気を生むと、「かわE」でフィニッシュ。「呼んでくれてありがとうございました!」と叫びながらこやまが掻き鳴らしたギターの音は、観客の胸の内でしばらくこだましていたことだろう。Text:蜂須賀ちなみSCANDAL芸人の持ち時間は5分なのに、さっきどんぐりたけしが8分やって舞台監督さんがピリついている、俺は「2分でいけますか?」と訊かれた、いけるわけないだろ!──という怒りをツカミにして爆笑をとった、サツマカワRPGを経てのアクトは、SCANDAL。4人がそれぞれお立ち台に上がり、ひとしきり踊ったり手を振ったりしてから、「最終兵器、君」でスタートする。HARUNA(vo/g)はギターを提げず、ハンドマイクで、ステージの端から端まで使いながら歌唱。2曲目「マスターピース」からは、HARUNAがギターを手にし、本来の立ち位置に戻る。左からドラムRINA、ベースTOMOMI、ボーカル&ギターHARUNA、ギターMAMIの横一列で、RINA以外の3人の真後ろにひとつずつアンプがある、衣装は赤一色、という今のSCANDALのフォーメーション、とても画になっている、と、観るたびに思う。海外での活動が常態化しているバンドだから、身につけた武器なのかもしれない。「瞬間センチメンタル」では、TOMOMIがハンドクラップを求め、HARUNAはシンガロングを求める。そのどちらにも、瞬時に付いていくオーディエンス。ワンマンじゃないのに、この求心力。「『ビクターロック祭り』は5年ぶり。ビクターに来てから6年ぐらいになるんですけど、去年、ガールズバンドとしてギネス世界記録をとりました」とHARUNA。SCANDALは昨年、ガールズバンドで、メンバーチェンジなしで17年続いていることが、ギネスの世界最長活動記録に認定された(なので今年で18年)。HARUNA、「『世界一』というタオルを持っているのが、うちのファンです。世界一長く続けているガールズバンドと、その世界一のファンです」。まだまだやっていくぞ、という覚悟をこめて書いた曲です、という紹介から始まった「ハイライトの中で僕らずっと」では、バック・トラックも相まって、洪水のような音が東京ガーデンシアターを満たしていく。さらに激しく、さらにダンサブルな「テイクミーアウト」では、オーディエンスの腕が上がり、アリーナが揺れる。続く「A.M.D.K.J.」ではヘドバンも出た上に、後半のブレイクでは、HARUNAのアオりに応えてでっかいシンガロングが起きる。参加者のリアクションの温度が、おもしろいように上がっていく。ラストは、HARUNAとTOMOMIがツインボーカルをとる「LOVE SURVIVE」で、ステージから放たれる熱も、フロアと客席から放たれる熱もピークを迎えて、SCANDALのステージは終了した。Text:兵庫慎司go!go!vanillasここでgo!go!vanillasが登場。現在はポニーキャニオン内のIRORI Recordsに所属するビクターOBで、『ビクターロック祭り』がスタートした2014年にメジャーデビューした彼らは、「青いの。」でライブを開始させた。軽快かつ澄みきったサウンドを鳴らすメンバーは、自らも音楽で遊びつつ、ときどきマイクをオーディエンスに向けたり「楽しんでね!」と呼びかけたりしている。牧達弥(vo/g)の「今日はビクターへの愛を音に変えて、思いきり行くぞー!」という宣言を経て、柳沢進太郎(g)とサポートキーボーディスト・井上惇志のフレージングが楽しいインタールードへ。音楽に乗って観客が手拍子を始めた観客に対して、「いいね」と笑顔を向けたのは長谷川プリティ敬祐(b)。次の曲「エマ」ではビクター所属当時の演出をリバイバルし、観客と一緒に「ワンツースリー!」と声を合わせてから曲に入った。〈東京の未来に~♪ 俺らがお世話になったビクターの未来に~♪ 僕らの未来に賭けてみよう〉歌詞をアレンジした「アメイジングレース」にイベントに懸ける想いを託すと、MCでは牧が「ビクターで10年の月日を共にして、移籍したんですけど、この祭りに呼んでいただきました。なんという愛。ありがとうございます!」と改めて感謝を言葉にした。演奏再開は、最新アルバム『Lab.』収録の「平安」から。この時代を生きる人々へのメッセージを込めた楽曲を歌う牧は、ステージを降りて観客に支えられながら、観客の近くに行って熱量高く届けている。最後方から力強く鳴らすジェットセイヤ(ds)を筆頭に、ステージから届けられる音もすごい威力。受け取る観客も真剣で、上がる声、掲げられる拳に熱が入っていた。曲間をバンドが繋ぐなか、今度は柳沢が観客に言葉を掛ける。「俺たちはビクターにいた時から音楽を研究して、研究し続けて、ここまで音楽をやってきました」、そして「ここで一発デカい花火を打ち上げるために声と手拍子お借りしてもよろしいでしょうか!?ビクターへの愛を一緒に叫んでいただいてもよろしいでしょうか!?」と先輩THE BAWDIESからの影響も感じられる言葉とともにコール&レスポンスへ繋げると、「カウンターアクション」に突入だ。ギターが主役のアッパーチューンで、ギタリストである牧と柳沢は向かい合って楽器を掻き鳴らしたり、ひとつのマイクを共有しながら歌ったりしている。その裏ではギター組に負けじとプリティと井上も鳴らしまくり、セイヤが一音入魂のドラミングでバンドにブーストをかけている。その熱狂を絶やさず、シームレスに「来来来」へ。超クールな展開だ。「最後に、このビクターとともに最初に作った、ロックンロールの魔法をかけて帰りたいと思います」と、ラストにはメジャーデビュー曲「マジック」が演奏された。ビクターとバニラズの10年の歩みを祝うとともに、同じくロックに魅了されている観客と想いを共有する晴れやかなエンディング。気持ちのよい余韻の中、『ビクターロック祭り2024』は残すところ3アクトとなった。Text:蜂須賀ちなみサンボマスター「ヤーレンズ、サンボマスター、トム・ブラウンって、おかしいですよ、『ビクターロック祭り』」と、疑問を呈したりしつつ、本ネタでしっかり爆笑をとったヤーレンズの漫才の次は、そう、サンボマスターだ。SEのゴダイゴ「MONKEY MAGIC」を、木内泰史(ds/cho)のドラムが、絶妙なタイミングで止める。次の瞬間、山口隆(vo/g)が弾き始めたイントロは、最新曲である「稲妻」。丁寧に、真摯に、この曲を歌いきった山口隆、次は「さあみなさん、毎朝流れるこの曲で、踊りまくっていただきましょう。時刻は8時になりました、せーの、ラヴィット!」と、いつものセリフから「ヒューマニティ!」に入る。「あんたが誰のファンか知らねえよ、俺たちはあんたのことを優勝させに来たんだ」と「全員優勝コール」に入り、そこから続いた「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」では、フロアもスタンド席も、もうボコボコ沸いている熱湯のようなリアクションになる。「Future is Yours」は、山口のMCを経てから入った。「今日は時間ないから長くしゃべれねんだ」とか言いながら、結局結構しゃべっていた中で、特に印象的だったのは、やっぱりこの『ビクターロック祭り』にまつわる話。「今日はテレビカメラとか入ってから、変なことは言えねえんだ。俺は前に、安月給コールっていうのをやってしまって。あれでビクターの社員は安月給だって、みんな思ってしまって……」。第一回のロック祭り(2013年)で、ビクターの担当者の実名を挙げた上で、お客さんに「安月給!安月給!」とコールさせていたサンボマスター。観客も、ノリノリでやっていた記憶が蘇る。5曲目の「できっこないを やらなくちゃ」では、オーディエンスの、すさまじいボリュームの大合唱と、高いジャンプが東京ガーデンシアターに広がった。なんだかすごい光景。間奏で山口、「一足早いですが、今年も1年、ご苦労様でしたー!」と絶叫する。最後は、10月25日のツアーファイナルの日本武道館でも、本編ラストに演奏された「花束」。曲の最後、木内&近藤洋一(b/cho)が「あなたが花束」とくり返し歌う合間に、山口、「『ビクターロック祭り』で踊ってるきみがそうだろ?」「一所懸命働いてるビクターの社員さんも!」と、絶妙にはさみこんでいく。もともとフェスやイベント、つまり自分たちのファン以外の人もいっぱいいる場に、やたらと強いバンドだが、今日はその最上級みたいなステージだった。ちなみに「稲妻」「ヒューマニティ!」「Future is Yours」「花束」がビクターに来てからの曲、「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」「できっこないを やらなくちゃ」が、それ以前の曲である。『ビクターロック祭り』だから気を遣ってそうしたわけではなく、自分たちが今やりたくて、みんなが今聴きたいであろう曲を選んだら、自然にそうなったのだと思う。Text:兵庫慎司Dragon Ashトリ前のポジションを任せられたのは、『ビクターロック祭り」最多出演数を誇るDragon Ashだ。1曲目は「Entertain」。メンバーがひとりずつ順に登場し、音を重ねるオープニングを経て、躍動的なサウンドがステージ狭しと溢れ出す。Kj(vo/g)が〈その声を僕に 聴かせて〉と歌うと、観客はシンガロングしたり、ビートに合わせて飛び跳ねたりして反応。「ミクスチャーバンド、Dragon Ashと申します」という名乗り、そして「ROCKET DIVE」にも歓声が上がった。バンドの鳴らすサウンドはどこまでも肉体的で、聴く人の細胞に直接訴えかけ、揺らしていく。特にBOTS(DJ)もパーカッションを叩く「For divers area」はヤバい。Kjが「踊れ!」と言うまでもなくフロアは揺れまくり、「頭振れ!」と言えば辺り一面ヘドバンの海に。Kjが「ロックフェス楽しい?」と尋ねると、観客は大きな歓声を返した。「百合の咲く場所で」では、Kjがみんなの顔が見たいからと照明スタッフに明るくするよう指示。「よく見てるからな!」と嘘のない言葉を伝えてから、サビのフレーズを歌い届けた。そして「16~17歳からずっとこの会社で働いています!」という言葉とともに放たれる圧倒的キラーチューン「Fantasista」。うねるベース、空間を射貫くビート、情熱的なギター、刺激的なスクラッチ。それらに感化されながら、声を上げる観客とバンドがタッグを組んでいる感じが最高で、曲が進むほど、両者ともに熱量を高めていった。この空間にあるのは生身の音楽、飾らない言葉、信じられる熱のみ。Kjの「ライブやってる時は、お前らから絶対目逸らさねえから。その代わりお前ら、自分から目を逸らすなよ!」という言葉も痺れる。ここで「頼むぜ相棒!」の言葉とともにフラッグを持ったJESSEが登場。次はもちろんこの曲、「Straight Up feat. JESSE」だ。曲中では〈今ガーデンシアターにいる少年少女〉と歌詞が変えられ、今この場にいる人たちへの、リアルタイムのメッセージとして音楽が放たれる。至上のコラボに興奮しながら、そして確かに私たちに向けて歌われているのだと実感に胸を震わせながら、一人ひとりの体温が高まり、結果、空間全体の熱も上がっていく。ラスト1曲を前に照明が全て消されると、観客の灯したスマホライトがメンバーの目に映る景色を彩った。その景色の中で、Kjが「俺とサク(櫻井誠/ds)が16歳の時……」と回想し、原宿RUIDOで今は亡きビクターのスタッフ・関口氏に拾ってもらったのだと振り返る。「俺たちもこの1個1個のちっちゃな光をできるだけ見落とさないように、取りこぼさないように、精一杯ロックバンドやって生きていきます。みなさんも自分の光を消さないように、小さくても見失わないように、生きていってください」。ラストの「New Era」は、そんな言葉とともに届けられた。仲間の鳴らすバンドサウンドを背負いながら、Kjは「愛だの恋だの歌わないけど、勝ち負けとか歌わないけど、俺がみんなに音楽を通して言いたいのは……踊りまくれ!」と叫ぶ。それはすなわち「生きろ」ということ。Dragon Ashは今日もロックバンドとして、目の前のオーディエンスに真摯なメッセージを届けた。そしてバトンはキュウソネコカミへと繋がれる。Text:蜂須賀ちなみキュウソネコカミ『ビクターロック祭り』の常連=ダイノジが、今年はDJでなく漫才を披露してから、いよいよトリ、キュウソネコカミ。『ビクターロック祭り』は10周年、キュウソもメジャーデビュー10周年である。「行くぜ!俺たちとビクターの始まりの曲!」と、1曲目は「ビビった」でスタート。「さあみんなで手を振って」のところで、ヤマサキセイヤ(vo/g)、「今日イチのジャンプ、できるかー!」とアオリまくる。続いてヨコタシンノスケ(key/vo)も「俺たちは大トリですよ?いちばんでかいコール&レスポンス、聴かしてもらっていいですか!」とアオリまくり、「ファントムヴァイブレーション」では、曲中の三度のブレイクで、〈スマホはもはや俺の臓器〉のシンガロングが響いた。その「ファントムヴァイブレーション」の最後でギターを置いたセイヤ、そのままハンドマイクで次の曲を歌い始める。「正義マン」だ。〈不謹慎なヤカラを叩きのめす〉に合わせて、客席いっぱいに、腕が波のように振られる。次の「サギグラファー」の、曲の中盤でブレイクして、スマホの撮影音が響くところで、ニッパーくんとネズミくんがステージに登場。メンバーも楽器を置いてふたりとフロントに並び、撮影OKタイムが設けられるという特別な演出も。続く「KMTR645」では、オカザワカズマ(g)が、おなじみネズミくんモデルのギターで、ソロを弾きまくる。ビクターから話が来た時、キュウソはインディー色の強いバンドやから、周囲からいろいろ言われた。でも、ビクターに来て思ったのは、ほんとに好き放題できる。上京もしてないし、プロデューサーも付けられたことないし──と、感謝を伝え、これからもビクターと切磋琢磨していきたい、と言うセイヤ。「行くぜみんな、まだ体力余ってるよな!」と、「DQNなりたい、40代で死にたい」になだれ込む。〈ヤンキーこわい〉のコール&レスポンスが続く中、セイヤ、筋斗雲に乗って客の海の上へ……のはずが、全然乗れてない状態で進み、あとから筋斗雲が付いてくる。そのままフロア中央まで行き、またステージ前まで戻って来る。筋斗雲もあとから付いてくる。「優しいなおまえら、全然乗り心地ええやんけ」とセイヤがフロアに投げかける。俺たちはビクターじゃなかったら、こうなってなかったと思う。「それ、おもしろいと思うよ」って好きにやらしてくれた、だから今俺たちをおもしろいと思ってくれたとしたら、それはビクターのおかげ──というシンノスケの言葉からの「ハッピーポンコツ」で、フロアもスタンドも今日何度目かのピークへ。曲中でシンノスケ、「さっき言い忘れてたけど、おまえらのおかげでもあります!」。「最新がいちばんかっこいい、そしておまえらとの関係を更新し続ける曲」(セイヤ)と、最後に演奏されたのは「ネコカミたい」。「俺たちとビクターの始まりの曲」である「ビビった」で始まり、「ビビった」の2024年バージョンである「ネコカミたい」で終わる。「進化」と「初志貫徹」の両方を表している選曲でありパフォーマンスだった、今日のキュウソは。「ビクター所属、西宮の、キュウソネコカミでしたー!」とピースサインを出したセイヤがステージから去り、客電が点き、終演アナウンスとBGMが流れても、参加者の〈ヤンキーこわい〉のシンガロングは、かなり長い間、続いた。そして、最後に拍手に変わった。Text:兵庫慎司Photo:Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)、Norito Ohazama(SOUND SHOOTER)<公演情報>『ビクターロック祭り2024』11月30日 東京・東京ガーデンシアターセットリスト■tight le fool(O.A.)M1. リフレインガールM2. ラブロマンス■THE BAWDIESM1. HOT DOGM2. GIMME GIMMEM3. LET’S GO BACKM4. POPCORNM5. SUGAR PUFFM6. IT’S TOO LATEM7. T.Y.I.A.M8. JUST BE COOL■ヤバイTシャツ屋さんM1. あつまれ!パーティーピーポーM2. ハッピーウェディング前ソングM3. Blooming the Tank-topM4. NO MONEY DANCEM5. 喜志駅周辺なんもないM6. ネコ飼いたいM7. スプラッピ スプラッパM8. すこ。M9. 無線LANばり便利M10. かわE■SCANDALM1. 最終兵器、君M2. マスターピースM3. 瞬間センチメンタルM4. ハイライトの中で僕らずっとM5. テイクミーアウトM6. A.M.D.K.JM7. LOVE SURVIVE■go!go!vanillasM1. 青いの。M2. エマM3. アメイジングレースM4. 平安M5. カウンターアクションM6. 来来来M7. マジック■サンボマスターM1. 稲妻M2. ヒューマニティ!M3. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜM4. Future is YoursM5.できっこないを やらなくちゃM6. 花束■Dragon AshM1. EntertainM2. ROCKET DIVEM3. For divers areaM4. 百合の咲く場所でM5. FantasistaM6. Straight Up feat.JESSEM7. New Era■キュウソネコカミM1. ビビったM2. ファントムヴァイブレーションM3. 正義マンM4. サギグラファーM5. KMTR645M6. DQNなりたい、40代で死にたいM7. ハッピーポンコツM8. ネコカミたい公式サイト:
2024年12月02日映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。【水先案内人 長井好弘のおススメ】東京・神保町の奥野かるた店で30回続いた「浪曲かるた亭」が日本橋兜町に会場を移し、会の名も改めての新たな第一歩を踏み出す。神保町時代はベテラン浪曲師に程よく若手を絡めたバランスの良い会だった。新シリーズでは伸び盛りの若手が核となり、毎回講談を一本加えるという形になった。注目の第一回の公演は、哀愁漂う本格浪曲の富士綾那が『江戸の雪晴れ』、面白浪曲が評判の東家千春が『陸奥間違い』を口演。綾那、千春という東家三楽門下の姉妹弟子に負けじと、若手講談の神田伊織が赤穂義士伝『南部坂雪の別れ』を読む。会場の兜座はどの席からも高座がよく見える階段状の構造であり、いずれ劣らぬ実力派の火花散る競演を至近距離で楽しむことができる。新たな浪曲会の船出を見届けたい。<公演情報>『兜町かるた亭』2024年12月20日(金) 東京・アートスペース兜座開場 18:00 / 開演 18:30【出演】東家千春『陸奥間違い』神田伊織『南部坂雪の別れ』富士綾那『江戸の雪晴れ』【チケット】前売・当日ともに:2,000円U-25:1,000円
2024年12月02日Text:笠原幸乃Photo:渡邉一生(ハンブレッダーズ)、SUBU(サンボマスター)今年のハンブレッダーズは結成15周年イヤーを迎え、とても濃密な日々を過ごしている。2月に4thフルアルバム『はじめから自由だった』のリリースを皮切りに、3月に大阪城ホールで『ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Jタイム ~15th Special~』、4~6月に全国ツアー『はじめから自由だった ワンマンツアー』を開催、7月に配信シングル「⚡」をリリース。そして10月には日本武道館で『ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Bタイム ~15th Special~』を終え、配信シングル「フィードバックを鳴らして」「アクション!」をリリースした。ここに列挙していくだけでも驚くほど、全力で駆け抜けている。そんな彼らが11月から開催している対バンツアー『ハンブレッダーズ 秋のグーパンまつりZ 2024』。3カ所目となるZepp Nagoyaでの愛知公演はサンボマスターをゲストに迎えた。ハンブレッダーズにとって夢が叶った喜びに溢れた、その模様をレポートする。サンボマスターが登場すると瞬く間に会場は大歓声に包まれ、木内泰史(ds/cho)はドラムスティックを頭上で叩きクラップを促す。「サンボマスターです、よろしく!」と山口隆(vo/cho)の挨拶を合図に「世界をかえさせておくれよ」でスタートを切った。始まるなり、近藤洋一(b/cho)のベース音が腹の底にずしんと響いてきて、初っ端から重厚なサウンドで打ちのめされそうになっていると、すかさず山口が「まだまだこんなもんじゃねぇだろ!」とオーディエンスを焚き付ける。その言葉に感化されるように、大合唱と共に拳がステージへと突き上げられた。山口隆(vo/g)勢いは失速することなくそのまま「ヒューマニティ!」へ。「俺、めちゃめちゃギター上手いのよ!」と鮮やかにギタープレイを披露し、「自分自身」ではレゲエのリズムにのってオーディエンスは自由に身体を揺らした。そして「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」では「上手い演奏しに来たわけじゃない」と目の前の君へと語り始める。「おめぇのこと優勝させに来たんだ。サンボマスターのライブで優勝できるのは全員なんです!全員優勝!!」と熱い言葉を届けると、「全員優勝!!」の声が会場中に響き渡った。序盤にしてフルスロットルなステージングに熱気は高まる一方だ。木内泰史(ds/cho)ライブ中盤に差し掛かり、山口がギターひとつだけでマイクレスで「ラブソング」を歌い出す。その後ろで木内はスマートフォンのライトを光らせてペンライト代わりに左右に振り始めると、その姿を受けてオーディエンスも各々のスマートフォンのライトをオンして手に持つ。気が付けば、目の前には光の海が広がっていた。幻想的な光景の中で山口は全身全霊で歌う。その音を、その歌を、ひとつとも聴き逃さないようにとオーディエンスはサンボマスターへと熱い視線を注いでいった。続く「Future is Yours」でも〈君はいたほうがいいよ/未来は君のためにあるの〉と歌っていたように、いつだって愛と平和を歌うサンボマスターは、君のことを本気で思っている。ずっとその姿勢を崩さないまま、愚直にステージの上で体現しているからこそ、オーディエンスは絶対的な信頼感を持ち応えるのだろう。サンボマスター「できっこないを やらなくちゃ」でラストスパートをかけ、最後は「花束」で締めくくる。ステージ袖ではスタッフが花束を揺らす姿も見受けられ、ハッピーな空間が作り上げられていく。〈信じてんぜ君を そう昔から気づいてた/あなたは あなたは 花束のように咲きほこる人〉とあなたはこの世界でかけがえのないひとりであるのだとメッセージを残し、サンボマスターはステージを去った。近藤洋一(b/cho)サンボマスターの手加減のない熱量を受け取ってハンブレッダーズが姿を現す。それぞれ定位置につきムツムロ アキラ(vo/g)が両耳に手を当てると、フロアからは自身の声を届けようとオーディエンスの歓声が湧き立った。準備は万端だと大きく頷き、木島(ds)を中心に4人は集まり顔を見合わせ、始まりの合図の音を鳴らした。「サンボマスター、マジでありがとうございました!あとは俺たちに任せてください!」と高らかに告げ、爆発的なスタートダッシュを切ったのだった。序盤から勢いは加速しながら、ハンブレッダーズは自分たちの魅力を存分に発揮したステージングを披露する。でらし(b)は全身を使ってプレイし、ukicaster(g)はソロを華麗に演奏していく。オーディエンスの歌声と拳は力強さを増していき、どんどん熱量は高まっていった。ukicaster(g)曲を連投していく中で感じたのは、ハンブレッダーズは4人でひとつ、そのひとつの結束力が強くて揺るがない、ということ。この日に演奏された各曲には様々なカラーがあり、アウトプットのバリエーションの豊富さが伺え、曲ごとに見せる顔が違った。でもどんな曲でもハンブレッダーズの確固たる芯を崩さない力量があったのだ。メンバーお互いが持ちつ持たれつという関係で結ばれていて支え合っているのが、構築される音像に滲み出ていた。友人・家族という関係性を超えた、同じ方向を目指して歩む同志――バンドだからこそ築き上げることのできる繋がりを感じずにはいられなかった。でらし(b)中盤に差し掛かると、ムツムロはサンボマスターへの想いを語り始める。「小学生の時にテレビでサンボマスターがロックンロールを歌う姿を見て、高校生の時に歌っている言葉の意味が分かりました」「友達がいなくて登下校中にサンボマスターを聴いてました」「高校の文化祭でサンボマスターの『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』をやったんですよ」。彼の学生時代はサンボマスターと共に過ごした日々であり、彼にとって憧れのヒーローだったのだろう、「話したいことがたくさんあって、いっぱいいっぱいになってる」と気持ちが溢れ出す。そして「俺たちにとっての『できっこないを やらなくちゃ』です!」と告げ、始めたのは新曲「アクション!」。ムツムロが「山口さん、俺もそこそこギター上手いんですけど!」とお立ち台に上ってプレイすれば、ボルテージは上がっていく。〈だけどまだ鳴り止まない/鳴り止まないから歌うんだ〉という歌詞と相まって、俺たちのロックンロールも鳴り止まないんだと高らかに宣言するようなステージングが繰り広げられる。「アクション!」がSNSなどでたくさんの情報に押し潰されそうな世の中を必死に生きる、令和のアンセムになる予感がした。ムツムロ アキラ(vo/g)「山口さんに『サンボマスターのおかげでいろんなバンドを知りました』と伝えたら『うれしいよ!』と言ってくれたんです。夢が叶ってうれしかった」というムツムロの言葉に表れていたように、終始ハンブレッダーズはサンボマスターとの対バンが実現した喜びを噛み締めていた。でも彼らがすごいのは、ただ喜びだけの演奏をしないことだ。「サンボマスターから愛と平和と自由を受け取って歌おうと思います!」「もらうだけじゃなくて、次の世代にロックンロールを繋げていけたら」「俺たちだって演奏は上手くないけど、伝えていかなきゃいけない」と、ヒーローから受け取ったものをしっかりと繋げようとしていたのだ。目の前の君に愛を伝えることの意義を体現しようと、自身の思いを余すことなく伝え続ける。それはサンボマスターにとって頼もしい後輩の姿であったに違いない。木島(ds)天井知らずの熱量を生み出した本編を経て、アンコールはオーディエンスから「全員優勝!!」の粋なコールで応えた。そして「ロックバンドは再生ボタンを押して聴いている人の生存を肯定しなきゃいけない」と最後の1曲を演奏する。ハンブレッダーズはロックバンドとして君に伝えるべきメッセージを知っている。だって彼らもロックバンドで救われたひとりであるからこそ、愛と平和と自由を叫べば君が信じるべき言葉になるのだ。そう思わせてくれたこの日のライブは、新たなるヒーローが誕生した日なのだろう。まだまだ対バンツアーは続く。走り抜けたその先で、どんな彼らと会えるのか。楽しみに待ちたいと思う。<ツアー情報>『秋のグーパンまつりZ 2024』11月13日(水) 福岡・Zepp Fukuoka開場18:00 / 開演19:00ゲスト:04 Limited Sazabys※SOLD OUT/終了11月20日(水) 北海道・Zepp Sapporo開場18:00 / 開演19:00ゲスト:UNISON SQUARE GARDEN※SOLD OUT/終了11月26日(火) 愛知・Zepp Nagoya開場18:00 / 開演19:00ゲスト:サンボマスター※SOLD OUT/終了11月27日(水) 大阪・Zepp Osaka Bayside開場18:00 / 開演19:00ゲスト:マカロニえんぴつ※SOLD OUT/終了12月5日(木) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)開場18:00 / 開演19:00ゲスト:凛として時雨※SOLD OUT<リリース情報>デジタル・リリース「アクション!」配信中ハンブレッダーズ「アクション!」ジャケット配信リンク:デジタル・リリース「フィードバックを鳴らして」配信中ハンブレッダーズ「フィードバックを鳴らして」ジャケット配信リンク:ハンブレッダーズ公式サイト:
2024年12月02日Text:伊藤博明Photo:桃子冬の訪れを忘れさせるような、軽やかな暖気に満ちた2024年11月13日、アメリカ村 BEYONDにて『Grasshopper WEST vol.4』が開催された。『Grasshopper』は、インディーシーンの聖地下北沢にて、チケットぴあが注目する、次世代音楽シーンを担うアーティスト同士による対バンイベント。その関西編として行われる『Grashopper WEST』の第4回は、yummy’g(O.A.)、アスノポラリス、OKOJO、Subway Daydreamと、それぞれの音楽とポップネスを真摯に追求する新進気鋭の4組が集った。そして会場には幅広い世代の音楽好きが集まり、彼らの飛び立つ瞬間を見届けた。Avril Lavigne「He Wasn’t」をSEに登場したのは、オープニング・アクトにして本日最年少バンド、yummy’g(ヤミージ)。USインディーロックのゴキゲンなサウンドを思わせる、緩急のついた重厚感のあるバンドサウンドとポップなメロディが中毒性バツグンである。yummy’gベースのARISAが前に躍り出て始まった「boooom」。結成から一年とは思えないほどのグルーヴィなベースラインと跳ねるドラム、痛快なギターサウンドの完成されたサウンドと、エネルギー漲るASUKAの歌声に、早速オーディエンスも拳を突き上げる。続いて間髪入れずに始まった「Monster」ではキャッチーなサビのメロディを武器に、yummy’gの世界へとジリジリと会場を引き込んでいく。と も(ds)「O.A.という機会をいただけてうれしいです!」「今日のイベントが良くなるか否かはyummy’gにかかっていると思うんで、全力でやっていきます!」というガッツ溢れるMCからなだれ込むように、バンドの自己紹介とも言えるキラーチューン「I am」へ。続くUSウェストコーストライクなミドルテンポの「Switch」では、ASUKA(vo/g)とARISA(b/cho)の息のあったコーラスワークが光る。ASUKA(vo/g)そしてと も(ds)の刻む小気味良いクローズリムとARISAの伸びやかなベースから幕を開ける、ラストの「charge!!」へ。サビでのARISAの「BEYONDいけますか!」の声に腕を突き上げて応えるオーディエンス。トップバッターに相応しい爆発力溢れる演奏は、今日のライブの成功を高らかに告げるようであった。ARISA(b/cho)続いてステージに上がるのは、今回唯一の広島からやってきたアスノポラリス。「自信のない日々にそっと寄り添う音楽」をコンセプトに、熱量のあるバンドサウンドを貫くようなハイトーンな歌声で、の落岩勇弥(g/vo)が暖かい詞を抒情的に歌い上げるバンドだ。落岩の爪弾く、柔らかなアルペジオから幕を開けたのは、そんな彼らのコンセプトを体現したかのような優しくも力強い、エモーショナルな一曲「銀木犀」。落岩勇弥(g/vo)続いて「大阪調子どうですか!」というMCから始まったのは、疾走感溢れるイントロからシンガロンが響く、終始ブチ上がりのキラーチューン「たまに間違える僕たちは」。「楽しみに来たんだろ!?」という落岩のアジテーションに呼応して次々に上がっていくオーディエンスの拳に、バンドの演奏もギアが上がっていく。温まったフロアを四つ打ちのダンサブルなビートで踊らせ、ギターを掻き鳴らし高らかに歌い上げる「あの日のまま」では、きょーへい(g)のカッティングとオクターブを基調とした軽やかなギターソロが白眉。きょーへい(g)「今日はGrasshopper、バッタの日なんで、ぴょんぴょん跳ねてさ、上に上に登り詰めていこうっていう日。今日が一番高いところが見えますように」という落岩の言葉から始まったのは、祈りのようなロマンチックな歌詞が優しく胸に沁みる「言えない」。オーディエンスのクラップが響き渡る暖かな空間を創り上げた。そして《夢を見ているうちはまた会う日までさよならだ》という歌詞が切なくも心を優しく照らしてくれる「あの夏」を披露し、オーディエンスの心と耳を逃さずしっかりと掴んでいく。タカト(b)「何か試練を越えるたびに新たな試練がやってくるけど、たまには休ませてくれよって思うけど、ここまで辿り着いたのならそれがすべて、忘れちゃいけないことちゃんと覚えておいて、忘れたくない日をずっとずっと覚えておいて」というMCから《だんだん歳をとってしわくちゃになっても良いのさ》という歌詞が寄り添ってくれるラスト「だんだん」へ。「水曜日のド平日からライブハウスに集まってくれるあなたたち、俺たちはあなたを全力で楽しませるので、あなたたちも僕らを楽しませてくださいね」という落岩の言葉を体現するように、フロアと一体になったライブを繰り広げた。かなめ(ds)DNCE「グッド・デイ」で入場したのは3組目OKOJO(オコジョ)。可愛らしいバンド名とは裏腹に、切なくも暖かいラブソングを息の合った演奏と共に熱く歌い上げる。痺れるようなギターリフで幕を開ける「ラブソング」では早速オーディエンスのクラップが会場に響き渡る。真摯に愛の唄を歌い続けるOKOJOの代名詞と言えるような一曲だ。サポートメンバー・えぬがギターをこれでもかと弾き倒し、会場の熱量を否応なしに高めていく。OKOJO続く2曲目はイントロのテクニカルなギターフレーズと折に触れて打ち出されるカッティングが印象的な「サイチェン・マイフォーチュン」。サイチェンとは中国語で「さようなら」という意味。夏の終わりと共に訪れる愛する人との別れを甘く切なく、ダンサブルに表現する。続いての「最高なラブソング」では、ヤマト(ds/cho)の刻む四つ打ちとえぬのカッティングが絡み合い、心地よくフロアを揺らしていく。続く「ええんやけど」はスロウなバラード。関西弁で綴られることでより心の柔らかい部分に染み込んでくる歌詞とメロディと泣きのコードに、オーディエンスもじっと聴き入る。まつした(vo/b)ヤマトのほろ苦い恋のエピソードからの「なりゆきまかせ」では、冒頭よりオーディエンスの拳も上がる。四つ打ちのビートが切なさを加速させていく中で、確実にフロアのボルテージも上がっていく。ヤマト(ds/cho)そして「またライブハウスでお会いできることを楽しみにしています」という言葉から、ラストの「遮二無二に恋しない」へ。跳ねるベースラインとドラムの刻みがガッチリと噛み合い、揺れ動く心と、それでも進んでいく時間の物語を進めていく。彼らの演奏に聴き惚れるオーディエンスの様子が特に印象的なステージだった。えぬ(g)そして今回トリを務めるのはSubway Daydream(サブウェイデイドリーム)。キャッチーなボーカルとドープな音楽愛に溢れた楽曲が絶妙なバランスで混じり合う、タイムレスな輝きを放つバンドだ。早速一発目から、フロアをドライブさせる「Stand By Me」を投下。たまみ(vo)の「Grasshopper行きましょう!」の声に呼応するように熱量を高めていくフロア。更にそれに呼応するようにメンバーたちのシンガロングが一体感を高めていく。続く「ケサランパサラン」はギターポップへの憧憬が眩しい一曲。キュートなサビの《ケサランパサラン》のフレーズは思わず口ずさんでしまう中毒性を秘めている。アウトロではキュートなこれまでのキュートなポップネスから一転、ツインギターのユニゾンフレーズとスイッチングしたハイテンポなビートで畳み掛け、オーディエンスのボルテージも早速マックスに。Subway Daydream高まったボルテージもそのまま、イントロの凶暴なスネアの乱れ打ちとギターフィードバック、そしてたまみ(vo)の《Are you ready? Mad honey!》 のキュートなフレーズが印象的な「マッドハニー」へ雪崩れ込んでいく。90’sグランジ愛が炸裂したヘヴィなサウンドで、音楽好きのオーディエンスの心もガッチリと捕まえ、踊らせていく。続いてはローの効いたベースラインと広がりのあるギターサウンドでフロアにクラップを生み出す「Teddy Bear」。きらびやかな照明と呼応し、フロアをドリーミーな世界に染めていく。藤島雅斗(g/vo)たまみの「一緒に皆で前に進んでいけるように、ここで一生懸命歌わせていただきます」という言葉から、果敢に同期を取り込み、一歩を踏み出した楽曲「kiosk」へ。等身大の生活と葛藤を描く一曲で、オーディエンスとの心の距離をグッと縮めていく。続いてたまみがアコースティックギターを抱え始まったのは「Timeless Melody」。幾重にも重なるエバーグリーンなメロディラインが心地よくオーディエンスの身体を揺さぶっていく。Kana(ds)「最後まで居てくれてありがとう!」という感謝の気持ちから、最後はバンドきってのアンセム「Radio Star」へ。サビでは《Radio Star》のコールがフロアに響き渡り、今日の多幸感に満ちたライブを象徴するかのようであった。左から)Kana(ds)、藤島裕斗(g)そして鳴り止まないクラップを受け、アンコールで披露されたのは、藤島雅斗(g/vo)とたまみのツインボーカルがバックビートをヒートアップさせていく、文句なしのキラーチューン「Freeway」。ライブを観ていてこんなにもメンバーたちの「音楽が好きで仕方がない!」気持ちがビシバシ伝わってくるバンドもそうそういない。そんな気持ちがフロア全体にも伝播していくような、多幸感溢れるステージであった。左から)Kana(ds)、たまみ(vo)全4バンドが、それぞれの音楽とポップネスを真摯に追求し、オーディエンスと時を共にした3時間。才能ある新進気鋭のアーティストたちがGrasshopper(=バッタ)のように勢いよく飛び立てるようなイベントにしたい!という思いの込められた本企画をきっかけに、これからもまだ見ぬアーティストが高く高く飛び立つ様を沢山の音楽好きたちに見届けていってほしい。<公演情報>『Grasshopper WEST vol.4』2024年11月13日 アメリカ村 BEYOND出演:yummy’g(O.A.)/Subway Daydream/OKOJO/アスノポラリスセットリスト■yummy’g(O.A.)1. boooom2. Monster3. I am4. switch5.charge!!■アスノポラリス1. 銀木犀2. たまに間違える僕たちは3. あの日のまま4. 言えない5. あの夏6. だんだん■OKOJO1. ラブソング2. サイチェン・マイフォーチュン3. 最高なラブソング4. ええんやけど5. なりゆきまかせ6. 遮二無二に恋しない■Subway Daydream1. Stand By Me2. ケサランパサラン3. マッドハニー4. Teddy Bear5. kiosk6. Timeless Melody7. Radio StarEN. Freeway<次回公演>『Grasshopper vol.28』12月9日(月) 東京・下北沢DaisyBar開場18:30 / 開演19:00出演:Cloudy / komsume / マママ・ダ・マート【チケット】前売:2,400円(一般)/ 1,900円(学割)当日:2,900円(一般)/ 2,400円(学割)※過去公演(vol.0~27)の半券持参で1,000円キャッシュバックチケット情報:()イベント公式サイト:
2024年12月02日12月3日(火) より歌舞伎座12月公演『十二月大歌舞伎』(26日千穐楽)が三部制で開催される。開幕に先立ち、全上演作品の特別ビジュアルが公開された。第一部は、絵本発刊30周年を記念して、歌舞伎座で8年ぶりに上演される『あらしのよるに』。原作の絵を背景に、中村獅童演じるがぶと、初役となる尾上菊之助演じるめいが仲良く絵本から飛び出た様子が描かれた特別ビジュアルには、狼と山羊が奇跡的な友情を育んでいく作品の魅力が凝縮されている。第二部は、江戸の粋を感じる河竹黙阿弥の傑作『加賀鳶』と、儚い恋を描いた情景溢れる名作舞踊『鷺娘』を上演。『加賀鳶』は、尾上松緑が天神町梅吉と竹垣道玄の2役を初役で勤め、中村雀右衛門が道玄とつるんで悪事を働く女按摩お兼を勤める。特別ビジュアルには、暗闇のなかに小悪党の按摩・道玄とお兼の姿が浮かび上がり、その眼差しからいかにも怪しげな雰囲気が漂う。中村七之助が鷺の精を勤める『鷺娘』は、しんしんと降りしきる雪のなかに現れる白無垢姿の娘の静謐な雰囲気と、恋の妄執に取り憑かれた鷺の精の激しい舞が対比された一枚に。恋に迷う女性の姿をさまざまにみせていく早替りや、雪の舞う儚く幻想的な雰囲気の中、激しく踊る幕切れにも注目だ。第三部は、十七世中村勘三郎(俳名「舞鶴」)に書き下ろされた中村屋ゆかりの舞踊『舞鶴雪月花』と、泉鏡花の戯曲の中でも屈指の名作『天守物語』。『舞鶴雪月花』は、愛らしい娘姿の桜の精、儚い運命を待ち受ける松虫、そして軽妙な雪達磨をひとりで踊り分ける変化舞踊で、特別ビジュアルには、「下の巻 雪達磨」の場面が描かれる。『天守物語』は、演出をする玉三郎が本興行では平成26(2014) 年以来10年ぶりに天守に棲む美しく気高い富姫を勤める。また、昭和40(1965) 年1月に日生劇場で祖父・二世市川猿翁(三代目猿之助)も勤めた所縁ある姫川図書之助を市川團子が初役で勤める。特別ビジュアルで同じ視線を向け寄り添うふたりの姿は、物語のひと場面をそのまま切り取ったかのよう。泉鏡花ならではの幻想的な世界が織り込まれた、屈指の名作の上演だ。なお、これらの特別ビジュアルのポストカード全5種セットの販売も決定した。<公演情報>『十二月大歌舞伎』【第一部】11:00~『あらしのよるに』二代目澤村精四郎襲名披露【第二部】15:00~一、『加賀鳶本郷木戸前勢揃いより赤門捕物まで』二、『鷺娘』【第三部】18:20~一、『舞鶴雪月花上の巻さくら/中の巻松虫/下の巻雪達磨』二、『天守物語』2024年12月3日(火)~12月26日(木)※11日(水)、19日(木)休演※21日(土)第一部は貸切(幕見席は営業)※下記日程は学校団体来観第一部:4日(水)・5日(木)・6日(金)・12日(木)・18日(水)・20日(金)・23日(月)・24日(火)第三部:4日(水)・10日(火)会場:東京・歌舞伎座チケット情報:()■「十二月大歌舞伎」ポストカード『あらしのよるに』『加賀鳶』『鷺娘』『舞鶴雪月花』『天守物語』各1枚ずつ計5枚セット販売価格:1,500円(税込、セット販売のみ)販売場所:歌舞伎座地下2階木挽町広場のお土産処「かおみせ」、1階お土産処「木挽町」、歌舞伎座オンラインストア 予定公式サイト:
2024年12月02日12月6日(金) に公開される映画『ホワイトバード はじまりのワンダー』より、若手俳優ブライス・ガイザーのインタビュー映像が公開された。本作は、全世界1500万部突破のベストセラー小説を映画した『ワンダー 君は太陽』の続編で、作者R・J・パラシオが書き上げたもうひとつの物語。いじめた側の救済まで描かなければ『ワンダー』の真の世界観は完結しない、という作者の決意に胸を打たれた『ワンダー 君は太陽』のプロデューサーたちが再集結し、『ホワイトバード』の映画化も実現させた。主人公のひとりは前作でオギーをいじめていた少年ジュリアン(ブライス・ガイザー)。いじめにより学校を退学処分になって以来、自分の居場所を見失っていた。そしてもうひとりの主人公は、ジュリアンの祖母・サラ(ヘレン・ミレン)。本作は、彼女が孫の行く先を心配し、希望に満ちた未来へと導くために自ら封印していた“衝撃の過去”を告白する。8歳で子役デビューし、2017年に名匠ラッセ・ハルストレム監督作『僕のワンダフル・ライフ』と『ワンダー』への出演で一躍脚光を浴びたブライス・ガイザー。とりわけ、『ワンダー』では、主人公オギーを演じたジェイコブ・トレンブレイや、同級生のジャックを演じたノア・ジュープら、今も活躍を続けている名子役たちに引けを取らない演技を披露し、観客に存在感を示した。本作でもガイザーは、いじめっこジュリアン役を続投。前作で退学処分となり、転校後も自分の居場所を見失っていたジュリアンから物語が始まる。映画作品への出演は、クリント・イーストウッド監督作『15時17分、パリ行き』以来6年ぶりとなったが、久々の映画出演にもかかわらず、『ホワイトバード』でも重要な役を見事に演じきり、子役時代から一皮むけた繊細な演技を見せている。公開されたインタビュー映像では、6年ぶりに映画界に戻ってきた理由から、オスカー俳優ヘレン・ミレンとのエピソード、さらには前作『ワンダー』と『ホワイトバード』に共通するテーマにいたるまで、貴重な話を語っている。映画界に戻ってきた理由について「またジュリアンを演じられるから」と明かし、「甘やかされて育ったジュリアンが教訓を得る過程を演じたいと思ったんだ」と、前作から続投となったジュリアン役に対する強い想いを明かした。また、本作で初共演となった名優ヘレン・ミレンから撮影中にさまざまな助言を貰ったことも明かし、「ひと言、ひと言に深い意味がある」人物だったと振り返った。最後に本作をどんな世代に観て欲しいか聞かれると、「もちろん若い世代に観てもらいたいけど、どんな世代の人にも影響を与えるはず」と語り、「人生に役立つような大切なことが学べる、見る価値のある作品」と絶賛。さらに、前作『ワンダー』から続く「優しさ」というテーマについて「欲を捨てて優しさだけで行動することが、誰かを救うことにつながる時がくる」と語り、インタビューを締めくくった。『ホワイトバード はじまりのワンダー』ブライス・ガイザーインタビュー<作品情報>『ホワイトバード はじまりのワンダー』2024年12月6日(金) 公開公式サイト: Lions Gate Films Inc. and Participant Media, LLC. All Rights Reserved.
2024年12月02日ACIDMANの新曲「sonet」が12月2日(月)より先行配信を開始し、併せてミュージックビデオも公開した。「sonet」は、映画『ゴールデンカムイ』の続編ドラマ第1弾として制作された「連続ドラマWゴールデンカムイー北海道刺青囚人争奪編ー」最終話のエンディングテーマソング。毎話、異なるエンディングテーマソングを採用することも話題となったが、ACIDMANは1話「輝けるもの」、最終話「sonet」のふたつのエピソードを担当した。ドラマは12月1日(日)に最終回を迎え、ACIDMAN「sonet」が、これからも続いていく登場人物・杉元達らの旅路を想起させるラストを美しく彩った。ドラマシリーズ第1弾のフィナーレを飾るに相応しい「sonet」は必聴だ。また、同曲のミュージックビデオも公開。映画『ゴールデンカムイ』とドラマ第1話・最終話の久保茂昭監督を迎え制作。全編に渡り、作品の舞台である北海道にて撮影が行われた。ドラマ最終話で杉元達がエンディングを迎えるロケ地と同じ場所でバンドシーンを撮影するなど、親和性の高い映像となっている。2025年1月8日(水)には、CDでの「sonet」の発売を控えており、初回限定盤は今年開催された全国ツアー『ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト”』から、即日ソールドアウトとなった東京・LINE CUBE SHIBUYA(2024.8.11)のライブ映像が完全ノーカット収録されたBlu-rayが付属される。さらに、発売を記念して、2025年1月11日(土)に東京・Zepp Hanedaにて『「sonet」発売記念ワンマンライブ&壇上交流会』の開催も発表されている。「sonet」の初披露に加え、CD購入者全員を対象に、ライブ終了後、機材を残した壇上でACIDMANのメンバー3人と握手が出来るという内容になっている。ACIDMAN「sonet」Music Video<配信情報>「sonet」2024年12月2日(月) 先行配信先行配信: <リリース情報>シングルCD「sonet」2025年1月8日(水)発売予約: 「sonet」ジャケットCD商品概要◾️初回限定盤(CD+Blu-ray):6,600円(税込)紙ジャケット仕様初回プレス分のみ:応募抽選シリアルナンバー封入【CD収録内容】1.sonet※WOWOW「連続ドラマW ゴールデンカムイ 北海道刺青囚人争奪編」最終話エンディングテーマ2.sonet (Instrumental)3.「輝けるもの」Live Track from 「ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト” at LINE CUBE SHIBUYA (2024.8.11)」【Blu-ray収録内容】ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト” at LINE CUBE SHIBUYA (2024.8.11)◾️通常盤(CD)紙ジャケット仕様:1,500円(税込)※初回プレス分のみ:応募抽選シリアルナンバー封入【CD収録内容】1.sonet※WOWOW「連続ドラマW ゴールデンカムイ 北海道刺青囚人争奪編」最終話エンディングテーマ2.sonet (Instrumental)3.『銀河の街』Live Track from 「ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト” at LINE CUBE SHIBUYA (2024.8.11)」4.『ワンダーランド』Live Track from 「ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト” at LINE CUBE SHIBUYA (2024.8.11)」<ライブ情報>ACIDMAN LIVE TOUR "This is ACIDMAN 2025"3月20日(木・祝) 愛知・Zepp Nagoya4月13日(日) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM4月26日(土) 大阪・Zepp Osaka Bayside5月 4日(日・祝) 福岡・Zepp Fukuoka5月25日(日) 宮城・SENDAI GIGS6月13日(金) 神奈川・KT Zepp Yokohama6月21日(土) 新潟・NIIGATA LOTS7月12日(土) 北海道・Zepp Sapporo7月18日(金) 埼玉・ウェスタ川越10月26日(日) 東京・日本武道館【チケット情報】◾️3月20日愛知公演〜7月18日埼玉公演分S席(最前ブロック/最前列):8,000円(税込)A席(立見/指定):6,000円(税込)学割 A席:4,000円(税込)◾️10月26日 日本武道館公演分SS指定席:15,000円(税込)S指定席:10,000円(税込)A指定席:8,500円(税込)学割 A指定席:5,000円(税込)()ACIDMAN LIVE TOUR "This is ACIDMAN 2025"特設サイト 「sonet」発売記念ライブ&壇上交流会1月11日(土) 東京・Zepp Haneda開場 16:00 / 開演 17:00ライブ終了 18:30 / 壇上交流会スタート 19:00 ※予定【チケット情報】チケット:6,500円(税込) /学割 4,500円(税込)※未就学児童無料詳細はこちら オフィシャルサイト
2024年12月02日2025年3月30日(日) より東京・新国立劇場 中劇場を皮切りに大阪・北九州・広島にて、ミュージカル『アメリカン・サイコ』が上演されることが決定した。『アメリカン・サイコ』は、1991年に出版されたブレット・イーストン・エリスの小説で、犯罪物であると同時に、痛烈な社会風刺と皮肉を前面に押し出したブラックコメディ。2000年にはクリスチャン・ベール主演で映画化。2013年にはロンドンでミュージカル化され、2016年にブロードウェイに進出。オーストラリア(2019年・2020年)でも成功を収めた。日本版の演出を手掛けるのは、ブラックなエンターテインメント作品に定評のある河原雅彦。音楽は、『春のめざめ』で2007年トニー賞を受賞したダンカン・シークが80年代ムードたっぷりに作詞・作曲を手掛けた。また、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「Hip To Be Square」など、当時のヒットソングも多数織り込まれる。舞台は、80年代末のバブル期。NYウォール街の投資会社に勤めるエリートビジネスマンのパトリック・ベイトマンと、彼の周りにいるヤッピーと呼ばれるエリートたちは、来る日も来る日も流行りの高級レストランで食事をし、ブランド物や見栄えのいい彼女を競う、煌びやかで閉ざされたコミュニティで生きている。そんなパトリックには、夜になるとシリアルキラーに変身するという裏の顔があった。主人公パトリック・ベイトマンを演じるのは、Hey! Say! JUMPの髙木雄也。近年舞台での活躍も著しい髙木がどんなパフォーマンスを見せるか、期待が高まる。共演は、宝塚歌劇団在籍時は雪組を牽引し、退団後は舞台・映像など幅広い分野で活躍する音月桂。モデル・俳優として活動する石田ニコル。高い身体能力と歌唱力を活かし、2.5次元作品からグランドミュージカルまで活躍する中河内雅貴。そのほか、安定感のある歌声と幅広く役をこなせる器用さを持ち合わせ、ミュージカルを中心に活動する原田優一。圧倒的な歌唱力でシンガーとしてのみならず、舞台女優として躍進を続ける玉置成実。ドラマ・映画・舞台など広い分野で俳優として活躍するほか、ジャズシンガーとしての顔も持つ秋本奈緒美、様々な舞台で異彩を放つコング桑田。ダンサーとしてのキャリアを確立し、現在では俳優としても高い評価を得ている大貫勇輔。そして高橋駿一、GENTA YAMAGUCHI、松野乃知、ダンドイ舞莉花、エリザベス・マリー、吉田繭、加島茜といった総勢16名が物語を彩る。【ストーリー】1989年ニューヨーク。ウォール街の投資会社のエリート、パトリック・ベイトマンは、トム・クルーズと同じ高級アパートメントに住み、有名レストランでランチをとり、ジムやエステで美貌を磨く華麗な日々を送っている。投資会社の同僚の関心事は、レストランや女、そして名刺のデザインや誰が優良顧客を獲得するか。パトリックの婚約者やその女友だちも洋服や美容にしか興味がなく、望みは理想の結婚相手を見つけることだけ。しかしパトリックには裏の顔があった。夜は冷酷なシリアルキラー、猟奇的連続殺人犯に変身していたのだ。パトリックは同僚のポール・オーウェンが自分より勝っている気がして、激しいジェラシーを抱く。<キャスト・スタッフ コメント>■河原雅彦これほど「アメリカン」なステージを僕は知らない。この舞台を日本で上演するのはかなりチャレンジングで、その残酷さも相まって、ある意味、一切の感情移入を我々に許さないだろう。が、その中身は美男美女によるスタイリッシュなショーとして展開される。ようは、ひたすら目に麗しいのだ。このチャレンジに先がけ、キャストの方々には夏場の時点でマッチョ&美ボディ通達をさせていただいた。なにせ「ヴィジュアルが全て」と歌っているので。稽古場で皆さんとお会いするのを今からとても楽しみにしている。皆様もお楽しみに。■髙木雄也:パトリック・ベイトマンこの度、2度目のミュージカルをやらせていただくことになりました。1回目チャレンジをした時に散々ミュージカルの難しさを心も体も痛感したはずなのにまたチャレンジしようと思った自分はドMなのかと思いました!ですが今回もせっかくいただいたチャンスなので、とにかくがむしゃらにこの『アメリカン・サイコ』という作品に向き合ってみて、最後のミュージカルになるかまた次に繋げようという気持ちになるか……(笑)最後のミュージカルになるかもしれないので(笑)、皆さん是非観に来てください!■音月桂:ジーンパトリックの秘書ジーンを演じさせていただきます。個性的でカラフルな登場人物たちの中で、ジーンは他のキャラクターとは対象的で、モノクロームのような印象を持ちました。だからこそ、彼女をどんな色に染めていくのか?そしてカンパニーの皆さまと物語を綴っていく過程でどのように染まっていくのか?を楽しみながら向き合えたら良いなと思っています。世界に衝撃を与えた『アメリカン・サイコ』!今回、舞台を通して再び皆さまの心に響く作品となるよう、精一杯お届けしたいと思います。よろしくお願いします。■石田ニコル:エヴリン・ウィリアムズ今回『アメリカン・サイコ』に参加させてもらうことができて、ドキドキとワクワクで溢れています。整頓された中の「カオス」の世界をチームで作り上げていくことを楽しみにしています。皆様と劇場でお会いできることを楽しみにしています。■中河内雅貴:ティム・プライス髙木雄也君演じるパトリックの同僚で、親友のティム役を演じる中河内雅貴です。この作品は文字通りサイコパスな部分もありますが、スタイリッシュかつ、まるでファッションショーでも見ているかのような斬新さに驚きました。個性豊かで才能溢れる日本人キャストたちの一員になれて、とても嬉しく思います。きっとハードな作品になると思うので皆で身体を鍛えあげて公演を全うし、最後まで誰ひとり欠けることなく走り抜きたいと思います。よろしくお願いします。■原田優一:ルイス・カラザーズタイトルと共演の方々を見たところで、すでに独特の世界観を持ったミュージカルが爆誕する香りを漂わせております。私個人としましても、これまでに演じたことのないキャラクターと出逢い、新たな引き出しを開けなければならないと覚悟しております。そもそも私はそれを持ち合わせているのか、もしかして、私自身も知ることのなかった裏側の何かが引っ張り出されるのか……。一抹の恐怖と大きな期待を胸に、『アメリカン・サイコ』の世界に飛び込みたいと思います。■玉置成実:コートニー・ローレンスこの度、『アメリカン・サイコ』にコートニー役として出演させていただくことになりました。大変光栄に思うと同時に、どのようにハジけようかととても楽しみにしております。河原さんの演出で彩られるスタイリッシュでエキセントリックな『アメリカン・サイコ』の世界で、作品のスパイスになれるように精一杯魂を込めて務めさせていただきます!どうぞよろしくお願いいたします。■秋本奈緒美:ミセス・ベイトマン / スヴェトラーナ / ミセス・ウォルフ1980年代。私、20代。あの時代が持っていたヒリヒリした肌触り。膨大なエネルギーの放出先。世界が大きな大きな塊の渦でした。あの時代を真っ只中で生きていた私は、現在60代です。『アメリカン・サイコ』新たなあの時代を、この舞台で体感出来る事。とても楽しみにしています。■コング桑田:ドナルド・キンボール昔、アメリカNY旅行に行ったのが、今回の設定の1989年インディアンサマーの11月。アポロシアター、ローリングストーンズのライブ、スティング主演舞台、懐かしい刺激的な日々でした。その時フリーマーケットで買ったハート形指輪をまだはめてます。今回も舞台ではめて出演します!お待ちしてます♪■大貫勇輔:ポール・オーウェンこの映画を随分前に観ていて、面白い作品だなと思っていて、それがまさかミュージカル化していて、しかも自分が関わることになるとは思ってもいなかったので、人生って面白いなって思ってます。笑演出の河原さん、そして、主演の髙木さん、素晴らしいキャストたちと、内容としてはなかなかハードな内容ですが、お客様に何かしらの感動を与えられるように皆で一丸となって稽古し、素晴らしいものを届けられるように精一杯頑張ります!どうぞお楽しみに!<公演情報>PARCO PRODUCE 2025 ミュージカル『アメリカン・サイコ』脚本:ロベルト・アギーレ=サカサ作詞・作曲:ダンカン・シーク原作:ブレット・イーストン・エリス翻訳・訳詞:福田響志演出:河原雅彦【出演】髙木雄也音月桂、石田ニコル、中河内雅貴、原田優一、玉置成実高橋駿一、GENTA YAMAGUCHI、松野乃知ダンドイ舞莉花、エリザベス・マリー、吉田繭、加島茜秋本奈緒美、コング桑田、大貫勇輔【東京公演】2025年3月30日(日)~4月13日(日)会場:新国立劇場 中劇場■チケット(全席指定・税込)S席:15,000円A席:12,000円※未就学児入場不可一般発売:2025年2月1日(土)【大阪公演】2025年4月19日(土)~21日(月)会場:森ノ宮ピロティホールチケット料金:15,000円(全席指定・税込)一般発売:2025年3月30日(日) 10:00~【北九州公演】2025年4月26日(土) 11:00 開演 / 16:00 開演会場:J:COM 北九州芸術劇場 大ホールチケット:15,000円(全席指定・税込)一般発売:2025年2月1日(土)【広島公演】2025年4月30日(水) 13:00 開演 / 18:00 開演会場:JMSアステールプラザ 大ホールチケット:15,000円(全席指定・税込)一般発売:2025年2月1日(土)公式サイト:
2024年12月02日岸谷五朗と寺脇康文、豪華出演者によるエンターテインメントショー、チャリティプロジェクト『Act Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」』が2024年12月1日、東京・日本武道館で開催された。エイズと闘う子供たちへの寄付のため、1993年に岸谷五朗の呼びかけで始まったチャリティコンサート『Act Against AIDS』(略称AAA)が、2020年に名称を『Act Against Anything』と改め、エイズ以外にも幅を広げた支援活動を行なってきた。『Act Against Anything』としては3度目、日本武道館での公演は4年ぶりとなる。今年の『Act Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」』のサブタイトルは、“皆でチャリティ!異業種エンターテイナー団結!武道館降臨!”。岸谷、寺脇と舞台や映像で共演してきた俳優陣をはじめ、実力派ミュージシャンやお笑い芸人ら、異業種で活躍するエンターテイナーたちが武道館に集結。歌って踊って大いに笑って、渾身のパフォーマンスに会場は終始多幸感に満ちていた。会場が暗転すると、ステージ両サイドのスクリーンに『Act Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」』に向けた岸谷からのメッセージが流れた。チャリティコンサートを続けていくことの難しさ、子供たちが悲しむような出来事がなくならない世界に対しての憤り、そして“愛しい後輩”である三浦春馬の志を胸に続けていくこと。そんな熱い想いが綴られていた。岸谷五朗/寺脇康文岸谷五朗/寺脇康文幕開けは、息の合った振り付けで岸谷と寺脇が歌った、サザンオールスターズの「ボディ・スペシャルⅡ(BODY SPECIAL)」。杉山真梨佳、中村百花、小林由佳、田口恵那のコーラス隊を従え、“踊ろうよ 武道館で”“ステキなチャリティを”と、歌詞をイベントに合わせた言葉に変えて歌うと、会場は大盛り上がり。岸谷は「このエネルギーを被災地に届けましょう」とメッセージを送った。続いて、颯爽と現れた大黒摩季は、「熱くなれ〜夏が来る〜あなただけ見つめてる」と3曲のメドレーでパワフルな歌声を聴かせ、「心をひとつにしましょう!」と「ら・ら・ら」が始まると大きなクラップが始まり、サビでは左右に手を振りながら大合唱。大黒摩季会場が一体となったところで、斉藤和義の名曲「歌うたいのバラッド」を温かい声で歌ったのは小関裕太だ。ステージ向かって右側に伸びる花道から登場すると、ゆっくりとステージを歩きながら、観客に語りかけるように美声を聴かせた。日本武道館を歌の舞台にした爆風スランプの名曲「大きな玉ねぎの下で」で大きな感動を起こしたのは、サンプラザ中野くんとパッパラー河合。1994年からこの活動に参加し、本プロジェクトには欠かせない彼らは「これからも生き甲斐として続けていくぞ!」と、今年メジャーデビュー40周年を迎えた爆風スランプの最新曲「IKIGAI」に繋げた。小関裕太サンプラザ中野くん/パッパラー河合「ヒーローが来るよ」と曲紹介した後、拳を上げて歌った「Brave Love, TIGA」は、1996年のAAAで結成したチャリティユニット「地球防衛団」の楽曲で、「ウルトラマンティガ」のエンディングに起用されたナンバー。俳優の猪塚健太と新原泰佑に、岸谷と寺脇も加わってパワフルに歌い上げ、最後はウルトラマンポーズをきめた。しっとりとした歌声で空気を一変させたのは、今年デビュー50周年を迎えた中村雅俊。桑田佳祐が作詞作曲を手掛けた「恋人も濡れる街角」と、デビュー曲「ふれあい」の2曲を披露した。猪塚健太新原泰佑中村雅俊現在公演中の森雪之丞作、岸谷五朗演出のミュージカル『SONG WRITERS』からは、中川晃教、屋良朝幸、武田真治が登場。メインテーマの「ソングライターズ」では、W主演の屋良と中川が軽やかなステップで歌い踊り、武田はサックスを演奏。ロックチューンの「ハッピーエンドが待っている」では、岸谷と藤林美沙も加わり、エネルギッシュな歌とダンスで魅了した。続いて、ステージに現れた大きな階段の上には甲斐翔真。舞台『next to normal』より、「I’m Alive」を凛々しい歌声で響かせ、ピアノの調べとともに登場した城田優は、「夢の種〜I’ll be by your side」を情感たっぷりに届けた。中川晃教/武田真治/屋良朝幸城田優岸谷の新たな相棒として紹介されたのはロバートの秋山竜次。数種類のお面を使って変化する「変梅ショー」で盛り上げた後、岸谷との一夜限りのユニット“体格!Before After”を結成。「Before、After」とふたりのお腹を見せるというネタは岸谷の発案だったそう。秋山はショルキーを、岸谷は大きなほうきを肩に下げて「TOKAKUKA」を歌い終えたところで、「僕もこのユニットに混ぜてほしい」と現れたのは寺脇。3人揃いの髪型とつけ髭で、ささやかな願いを歌い連ねる名曲「願い」を熱唱。「みなさんに最後まで楽しんでもらいたい」と岸谷が歌うと、会場から大きな拍手が湧いた。秋山竜次(ロバート)/岸谷五朗/寺脇康文岸谷と寺脇が主催する『地球ゴージャス』も今年で30周年。舞台で生まれた名曲たちが聴けるのも、「Act Against Anything」のハイライトのひとつである。『地球ゴージャス』を飾る俳優陣がステージに集結し、地球ゴージャスコーナーのオープニングを飾った『X day』からは「奇跡の唄」、桑田佳祐の楽曲による音楽劇『クラウディア』からは「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」と「真夏の果実」、『クザリアーナの翼』からは「ジャメーリアよ!蜂起せよ」と「クザリアーナの翼」をセレクト。『The PROM』の「Dance with you」では、ボーカルをとった三吉彩花と葵わかなが最後にハグをするシーンも。同じく『The PROM』から「It’s Time to Dance」、『The Love Bugs』から「伝説の雄(おとこ)」、そしてラストは『星の大地に降る涙』の「愛すべき未来へ」と、圧巻のパフォーマンスで締め括った。三吉彩花/葵わかな地球ゴージャス「AAA報告」のコーナーでは、2022年神奈川・パシフィコ横浜で開催した「Act Against Anything VOL.2『THE VARIETY 28』」で得た寄付金額と、その使い道について報告した。『Act Against Anything VOL.2』での寄付金総額は834万8680円。寄付先である「特定非営利活動法人国連UNHCR協会」を通じてウクライナ緊急支援に、「公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」を通じてトルコ・シリア大地震の支援に充てられた。最後のアクトとして岸谷と寺脇が.ENDRECHERI.を呼び込むと、大きな歓声があがった。演奏に入る前に彼は静かに語った。「僕が音楽に込めている想いは3つあります。ひとつは命、ふたつめは平和、3つめは愛です」。今回披露する3曲は、それぞれのテーマから選んだという。1曲目はフリーセッション。.ENDRECHERI.バンドのメンバーと命を重ねるように、ギターをプレーし、熱いセッションを展開。次は平和をテーマにした「LOVE VS. LOVE」を、最後は愛をテーマに作ったというシンガーソングライターとしてのデビュー作「Machi....」をじっくりと聴かせた。ENDRECHERI.ラストは全出演者がステージに集結して、「Act Against Anything」で歌い継がれている「一人じゃないから」を大合唱。感動が渦巻く中、約3時間のステージは終了した。終演後に行なわれた囲み取材では、4年ぶりに立った日本武道館のステージに対し、岸谷は「今日お客様の顔を見られて、本当に幸せでした。このお客様たちのおかげでチャリティができているということを実感しました。30年やっているんですけど、今日は特に感じました、みなさんの熱を」と語り、寺脇は「武道館って本当に客席が近くて、あったかい雰囲気になるんですね。今日は最初から逆にお客さんが僕たちに力を与えてくださって、あたたかく迎えてくださったので、出だしからちょっとうるっとなったんですけど、とてもいいコンサートになったんじゃないかなと思います」と振り返った。初参加の.ENDRECHERI.は、「世の中だったり、世界に対して何かできたらなと思っていても、どうすればそれが繋がるのか、わからないところもあると思うんです。そういったチャリティのイベントというアクションをおこしてくれる方がいらっしゃることで架け橋になると思う」と語り、同じく初参加の秋山竜次は「緊張しちゃったんですけど、ものすごくみなさんが優しくて、素晴らしいステージの中でやらせてもらえて本当に光栄でした」と感想を述べた。中村雅俊は「本当にお客さんが優しいし、出ていくだけですごいリアクションをくれるし、チャリティという名目ですけど善意があふれていて、めちゃくちゃいいライブだったなと思います。実に楽しい時間でした」と語り、そして大黒摩季は「苦しいチャリティは続かないので、みなさんが楽しみながら、結果的にチャリティになっているという素敵なライブを死ぬまでやってください」と、ふたりにエールを送った。岸谷、寺脇によるチャリティイベントは、来年2025年に30回目を迎える。開催の可能性を問われると、「また来年も、できることをできる範囲で楽しみながらやりたいなと思います」と寺脇が語る一方、岸谷は「このショーを作るのは本当にきついんですよ」と本音を吐露。しかし「世界の情勢を見ていると、子供たちの泣き顔だらけで。それを見ていると弱音を吐いてられないなと思うので、それを踏まえながらまた画策したいなと思います」と、意欲を見せた。30回目の記念すべきステージに期待は高まるばかりだ。<公演情報>Act Against Anything VOL.3『THE VARIETY 29』12月1日(日) 日本武道館出演者:岸谷五朗 寺脇康文葵わかな / 秋山竜次(ロバート) / 猪塚健太 / .ENDRECHERI.(堂本剛)/ 大黒摩季 / 大村俊介(SHUN) / 甲斐翔真 / 小関裕太 / 小林由佳 / サンラザ中野くん・パッパラー河合 / 城田優 / 杉山真梨佳 / 田口恵那 / 武田真治 / 中川晃教 / 中村雅俊 / 中村百花 / 新原泰佑 / 藤林美沙 / 三吉彩花 / 屋良朝幸※岸谷五朗、寺脇康文以降の出演者クレジットは五十音順THE VARIETY BAND高木茂治 / 会田敏樹 / 高橋結子 / 曽根未宇司 / 金井央希 / 鈴木一葉/ 金山徹 / 寺内茂 /堀江有希子 セットリストM1. 「ボディ・スペシャル II(BODY SPECIAL)」岸谷五朗/寺脇康文/杉山真梨佳/中村百花/小林由佳/田口恵那M2. メドレー「熱くなれ〜夏が来る〜あなただけ見つめてる」大黒摩季M3. 「ら・ら・ら」大黒摩季M4. 「歌うたいのバラッド」小関裕太M5. 「大きな玉ねぎの下で」サンプラザ中野くん/パッパラー河合M6. 「IKIGAI」サンプラザ中野くん/パッパラー河合M7. 「Brave Love, TIGA」岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/サンプラザ中野くん/パッパラー河合/新原泰佑M8. 「恋人も濡れる街角」中村雅俊M9. 「ふれあい」中村雅俊M10. 「ソングライターズ」(『SONG WRITERS』)中川晃教/屋良朝幸/武田真治M11. 「ハッピーエンドが待ってる」(『SONG WRITERS』)中川晃教/屋良朝幸/武田真治/岸谷五朗/藤林美沙M12. 「I’m Alive」(『next to normal』)甲斐翔真M13. 「夢の種~I’ll be by your side」城田優M14. 「変梅ショー」秋山竜次(ロバート)M15. 「TOKAKUKA」秋山竜次(ロバート)/岸谷五朗/杉山真梨佳/中村百花/小林由佳/田口恵那/大村俊介(SHUN)M16. 「願い」秋山竜次(ロバート)/岸谷五朗/寺脇康文M17. 「ゴージャスコーナー オープニング」(『X day』)岸谷五朗/寺脇康文/中川晃教/藤林美沙/葵わかな/猪塚健太/甲斐翔真/大村俊介(SHUN)/城田優/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/三吉彩花/小林由佳/田口恵那M18. 「奇跡の唄」 (『X day』)岸谷五朗/寺脇康文/中川晃教/藤林美沙/猪塚健太/甲斐翔真/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/小林由佳/田口恵那M19. 「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」(『クラウディア』)新原泰佑/岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/甲斐翔真/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/藤林美沙/小林由佳/田口恵那M20. 「真夏の果実」(『クラウディア』)甲斐翔真/岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/藤林美沙/小林由佳/田口恵那M21. 「ジャメーリアよ!蜂起せよ」 (『クザリアーナの翼』)岸谷五朗/寺脇康文/藤林美沙/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/新原泰佑/杉山真梨/中村百花/小林由佳/田口恵那M22. 「クザリアーナの翼」(『クザリアーナの翼』)岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/中村雅俊/藤林美沙/新原泰佑/小林由佳/田口恵那M23. 「Dance with you」(『The PROM』)葵わかな/三吉彩花/岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/藤林美沙/小林由佳/田口恵那M24. 「It’s Time to Dance」(『The PROM』)葵わかな/三吉彩花/大黒摩季/岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/藤林美沙/小林由佳/田口恵那M25. 「伝説の雄(おとこ)」 (『The Love Bugs』)城田優/岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/藤林美沙/小林由佳/田口恵那M26. 「愛すべき未来へ」(『星の大地に降る涙』)岸谷五朗/寺脇康文/猪塚健太/大村俊介(SHUN)/城田優/杉山真梨佳/中村百花/新原泰佑/藤林美沙/小林由佳/田口恵那M27. 「セッション」.ENDRECHERI.(堂本剛)M28. 「LOVE VS. LOVE」.ENDRECHERI.(堂本剛)M29. 「Machi....」.ENDRECHERI.(堂本剛)M30. 「一人じゃないから」ALL CASTAct Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」公式HP
2024年12月02日11月29日(金)、30日(土)、12月1日(日) の全国映画動員ランキングは、初登場の『正体』が1位に輝いた。染井為人の同名小説を映画化したサスペンス。脱走した殺人事件の容疑者を追う刑事が、逃走先で容疑者と出会った人々との取り調べから、まるで別人のような新たな人物像に出会う様を描く。監督は、『青春18×2 君へと続く道』の藤井道人。主演は横浜流星。共演は吉岡里帆、SixTONESの森本慎太郎、山田杏奈、山田孝之らが名を連ねる。2位は、ひとつ順位を落とした『室井慎次生き続ける者』。公開2週目の『六人の嘘つきな大学生』は、先週と変わらず3位の座をキープ。4位は、先週より2ランクダウンで『劇場版「進撃の巨人」完結編THE LAST ATTACK』となった。5位には、初登場の『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』がランクイン。2021年に放送されブームを起こしたストップモーションアニメを、CGアニメで映画化。AI化が進むモルシティを舞台に、ドライバーがAIモルカーに乗り換える中、モルカーたちは凄腕ドライバーのいなくなった相棒を捜す。監督はまんきゅう。総監修は、TVシリーズ第1期の原案・監督を務めた見里朝希。声の出演は相葉雅紀、大塚明夫ら。今週はそのほか、『ルパン三世 カリオストロの城 デジタルリマスター版』が初登場9位に。映画史に輝く不朽の傑作であり、宮崎駿の映画監督第1作でもある人気作がデジタルリマスター版で再公開。ルパン一味が、カリオストロ伯爵から王女クラリスを救出するべく奔走する様を描く。初公開から45年の時を経ても色あせない作品の魅力を、美しい映像と、サラウンド対応した音響で堪能できる。今週は『劇場版ドクターX』『モアナと伝説の海2』『うちの弟どもがすみません』『ホワイトバードはじまりのワンダー』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『正体』2位『室井慎次生き続ける者』3位『六人の嘘つきな大学生』4位『劇場版「進撃の巨人」完結編THE LAST ATTACK』5位『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』6位《WEST. 10th Anniversary Live “W” -Film edition-》7位『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』8位『ヴェノム:ザ・ラストダンス』9位『ルパン三世 カリオストロの城 デジタルリマスター版』10位『海の沈黙』
2024年12月02日ミュージカル『刀剣乱舞』の十周年を記念する大型公演が、東京・東京ドームで開催される。2015年10月の「トライアル公演」より幕を開けた、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ。このたび決定した十周年記念公演は、『目出度歌誉花舞 十周年祝賀祭』(読み:めでたやうたのほまれはなのまい じゅっしゅうねんしゅくがさい)と題し、2025年7月29日(火)・30日(水) に行われる。出演者など詳細は後日発表となる。<公演情報>ミュージカル『刀剣乱舞』目出度歌誉花舞 十周年祝賀祭日程:2025年7月29日(火)・7月30日(水)会場:東京・東京ドーム※詳細は後日発表公式サイト: PLUS・EXNOA LLC/ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
2024年12月02日2024年11⽉29⽇(⾦)新宿バルト9にて『SAKANAQUARIUM 2024 “turn”』の公開初⽇舞台挨拶が⾏われ、サカナクション(⼭⼝ ⼀郎、岩寺 基晴、草刈 愛美、岡崎 英美、江島 啓⼀)が登壇した。本作は⼭⼝ ⼀郎(vo/g)の体調不良によりライブ活動を休⽌していたサカナクションが、約2年振りに開催したアリーナツアーのファイナルとなるぴあアリーナMM公演を5.1chサラウンド版、Dolby Atmos版というふたつの⾳響形式で映画化。サカナクションの唯⼀無⼆のライブを、映画館の⼤スクリーンで堪能することができる作品となっている。満席の会場で⼤歓声の中迎えられたサカナクション。アリーナツアーについての感想やエピソードを聞かれると、⼭⼝は「僕が病気で2年間ライブ活動を休⽌していたり、サカナクションが⾳楽活動を中断していたりして、それ以来のツアーということで⾮常に⼼配な部分もありました。ただ、それを乗り越えるためにたくさんの⽅に助けてもらいながら⾏うツアーだったので、バンドとしての、ある種ひとつの転機となるツアーでした。ツアータイトルにもなっている“turn”の通り、⾮常に気持ち的にもこれまでとは違うものでしたし、劇場公開も初めてなので、こういう機会をいただけて嬉しいです。サカナクションにとってもターニングポイントとなるツアーになったので、多くの⼈に会場で観てもらえて嬉しかったですし、今⽇こうして劇場で観ていただけることも嬉しいです」と語った。⼭⼝⼀郎岡崎は「機転となるツアーで、やっと出来たっていう部分があって、楽しかったツアーでした」と語り、草刈も「久しぶりのツアーでしたので、全国のお客さんに実際会って、温かい声援をいただいたことが印象に残っています」とツアーの感想を述べていた。岩寺はライブ後に⼭⼝とサウナに⾏ったエピソードを披露。サウナでライブ後のファンと遭遇する気恥ずかしさを⼭⼝とともに語り会場の笑いを誘っていた。江島の「福岡公演の後に、⼀郎以外の4⼈で鯛茶漬けを⾷べに⾏った」という話になった際には、ひとりプロモーションに励んでいた⼭⼝からの悔しそうな声が漏れていた。岡崎英美そして、映画の⾒どころについて聞かれると、⼭⼝は「今回僕は観てもいないし聞いてもいないんです。5.1chサラウンド・Dolby Atmos ふたつの環境での⾳響はメンバー4⼈とレコーディングエンジニアの⽅が作ってくれたんですけど、僕は⼀切関わっていないです。皆さんと同じようにチケットを買って、映画館に観に来ようと思ってます」と述べ、さらに本作の映像監督を務めた⽥中裕介⽒について「僕にとってライブの総合演出をしてくださった⽥中裕介さんの監督作品として、“サカナクション初の劇場化”の本作が公開されることが、チームサカナクションにとっても、すごく重要なことだと思ってるんで、皆さんと同じように劇場で⼀発⽬を感じたい」と熱い想いを語り、江島も「僕らも主演サカナクションであり、⾳響チームだと思ってる」と話していた。江島啓⼀なお本作では、5.1chサラウンド版とDolby Atmos版のふたつの⾳響形式で上映されることとなっており、その⾳響の違いについて草刈から説明があり、⼭⼝から「感じ⽅としてはどう違うの? ラーメンで⾔ったら? 味噌ラーメンは?」という質問に対して「5.1chは味噌ラーメン。出汁とか細かい解像度があるのがAtmos」と岡崎とともに答え、⼭⼝は「それをみんなで調整したの? すごいね!」と感⼼していた。草刈愛美作品の聞きどころとして岩寺は「スピーカーに囲まれていて、それをいちばんに感じるのは中盤かな。DJコーナーはすべてのスピーカーから⾳がでるようにしてる」と述べ、草刈は「本当にいろいろあって困るのですが、ドラムのタムが⽬⽴つ曲があって、⾶び出すように⾳を配置していただいた所がお気に⼊り」と答え、江島は「今回ギターソロに⼀番こだわりました」と述べていた。岡崎から「今回⼿元だったり細かい映像がよくみえる。こんな顔してたんだって表情とかもわかって、映像もすごく綺麗だと思います」という⾒所が語られると、草刈も「よく⾒えるというところで、私たちの⾐装がよく⾒える。演出も今までのベストというところを意識して考えてくださっていますが、⾐装も今までのベストを集めた感じになっています。注⽬してください」とアピールした。さらに⼭⼝が「監督が普通のBlu-rayとかでの映像とは画⾓が全然違い、今までとは印象が違って⾒えると思う、と⾔っといてって⾔われました」と⽥中監督からのオススメポイントを代弁していた。岩寺基晴メンバーが作品を語る貴重な時間はあっという間に過ぎ、メンバーからの最後のメッセージとして江島は「今回のツアーはサカナクションにとってメモリアルなものになりました。それをみなさんにライブ会場で観る⽅法、家でBlu-rayを観る⽅法とは違う、第三の⽅法でみなさんに楽しんでいただけたらと思います」と述べ、岡崎は「初めての映画でこういう経験ができて嬉しいですし、このツアーを映画にして観ていただけることも嬉しいです。ぜひ両⽅の⾳響パターンで観て、楽しんでいただけたら嬉しいです」と観客に向けてメッセージを送っていた。草刈は「映画館での作品、本当に楽しく作らせていただきました。ミュージシャンが⾃分たちのライブ作品を作ることはあまりないことだと思いますし、それをお客様⽅に2パターン観ていただくこともあまりないことだと思っています。サカナクションのご聡明なお客様⽅に楽しみ⽅を⾒つけていってもらいたいと思っています」と語り、岩寺は「5.1chサラウンドとDolby Atmosの2パターンあるんですけど、それぞれの環境で⾳をつくりました。座席によっても聞こえ⽅が⼤きく変わると思うので、ぜひいろんな位置の席で楽しんでいただけたら嬉しいです。」と⾳響にこだわって作ったからこそのポイントを伝え、最後に⼭⼝が「⾳楽コンテンツの楽しみ⽅が増えて、⾳響のテクノロジーも進化してきました。いろんな⾳楽コンテンツが⽣まれていくと思います。サカナクションはオンラインのみのライブもやっていますが、今後は映画館でもやっていったり、チームサカナクションとしての新しい⾳楽コンテンツを開発していく、今回がひとつのきかっけになりました。皆さんどうかチームサカナクションと⻑いお付き合いをしていただけたらと思います。これからもチームサカナクション⼀丸となって⾳楽の発明をしていきます。本⽇はありがとうございました」というメッセージに⼤きな拍⼿が沸く中、舞台挨拶が終了した。本作『SAKANAQUARIUM 2024 “turn』は、5.1chサラウンド版とDolby Atmos版の⼆つの⾳響フォーマットで上映中。Photo:TAKEHIRO GOTO<上映情報>SAKANAQUARIUM 2024 “turn”上映中©2024 HIP LAND MUSIC CORPORATION INC.「SAKANAQUARIUM 2024 “turn”」ポスター【鑑賞情報】公開期間中、ライブさながらスタンディング、拍⼿、⼿拍⼦、声出し、⼿を挙げる、体を揺らして踊ることが可能な “ライブ鑑賞DAY”と、映画鑑賞同様に着席で静かに作品を堪能できる“シネマ鑑賞DAY”、ふたつの鑑賞⽅法で作品をお楽しみいただけます。ルールを守ってお楽しみください。■ライブ鑑賞DAYライブさながらに作品を鑑賞できる“ライブ鑑賞DAY”スタンディング、拍⼿、⼿拍⼦、声出し、⼿を挙げる、体を揺らして踊るなどが可能な上映。■シネマ鑑賞DAY映画鑑賞同様に作品を鑑賞する“シネマ鑑賞DAY”着席で静かに作品を堪能できる上映回。※映画館によってスケジュールが異なります。詳細は以下よりご確認ください。 2024 “turn”公式サイトサカナクション オフィシャルサイト
2024年12月02日SNS時代を象徴する新世代アーティスト・imaseが、11月25日(月)にファイナルを迎えた初のホールツアー『imase Hall Tour 2024 “Shiki-Sai”』東京公演より、「Dried Flower」のライブ映像を公開した。「Dried Flower」は、11月1日(金)に公開された映画『スマホを落としただけなのに ~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム』の主題歌のために書き下ろされた楽曲。imaseの代表曲「NIGHT DANCER」のサウンドプロデュースも手掛けたESME MORIと再びタッグを組み、攻撃的なシンセや狂気をはらんだリリックとトリッキーな展開が特徴的な楽曲となっている。また、『imase Hall Tour 2024 “Shiki-Sai”』11月14日東京・LINE CUBE SHIBUYA公演のライブ映像が、imaseのメジャーデビュー3周年記念日である12月19日(木)20:00からU-NEXTにて独占ライブ配信される。Dried Flower(imase Hall Tour 2024 “Shiki-Sai” 2024.11.14 @LINE CUBE SHIBUYA)<配信情報>『imase Hall Tour 2024 “Shiki-Sai”』11月14日東京・LINE CUBE SHIBUYAライブ配信:12月19日(木)20:00~ライブ終了まで見逃し配信:配信準備完了次第~2025年1月5日(日)23:59まで<ツアー情報>imase Hall Tour 20254月19日(土) 千葉・市川市文化会館開場17:00/開演18:004月27日(日) 福岡・福岡市民ホール 大ホール開場17:00/開演18:005月11日(日) 広島・広島文化学園HBGホール開場16:00/開演17:005月15日(木) 愛知・愛知県芸術劇場大ホール開場18:00/開演19:005月18日(日) 大阪・フェスティバルホール開場16:00/開演17:005月21日(水) 東京・LINE CUBE SHIBUYA開場17:30/開演18:306月8日(日) 宮城・トークネットホール仙台(仙台市民会館) 大ホール開場16:00/開演17:006月19日(木) 北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)開場18:00/開演19:006月28日(土) 岐阜・土岐市文化プラザ サンホール開場16:00/開演17:00【チケット情報】指定席 6,600円(税込)imase オフィシャルサイト
2024年12月02日来年デビュー40周年を迎える渡辺美里が、12月25日(水)アナログ盤としてリリースするライブ・アルバム『うたの木 Gift』の発売を記念したスペシャルイベント「うたの木 #25」を12月27日(金)~29日(日)の3日間、東京・渋谷で開催することを発表した。“うたの木”シリーズは、渡辺美里が自身の音楽的ルーツや影響を受けた国内外の楽曲をカバーし、ジャンルや国籍を超えて歌い継ぎたい名曲を届けるプロジェクト。シリーズの幕開けとなった今回リリースのアナログ盤に収録されている、1999年にフルオーケストラと共に開催された『misato ’99 うたの木(春)(冬の華)』から四半世紀が経ち、同シリーズの25周年を祝い「うたの木 #25」と題された展示会が開催されることとなった。会場では、ここでしか見ることができない貴重な譜面の展示や等身大パネルの設置、グッズ販売が予定されており、オフィシャルファンコミュニティ「美里うた便り」の会員へ会場限定ステッカーがプレゼントされるほか、非会員もその場で入会すると特典を受け取ることができる。なお、イベントは各回先着30名限定での開催となる。<イベント情報>うたの木 Gift アナログ盤リリース スペシャルイベント 「うたの木 #25」開催日程:2024年12月27日(金)~12月29日(日)開催場所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2丁目34-17 住友不動産原宿ビル10F開催時間:各回30名限定内容:等身大パネルや譜面展示、グッズの販売など●12/27(金):①18:00~19:00、②19:00~20:00、③20:00~21:00●12/28(土):①11:00~12:00、②12:00~13:00、③13:00~14:00、④14:00〜15:00、⑤15:00~16:00、⑥16:00~17:00、⑦17:00~18:00、⑧18:00~19:00、⑨19:00~20:00●12/29(日):①11:00~12:00、②12:00~13:00、③13:00~14:00、④14:00〜15:00、⑤15:00~16:00、⑥16:00~17:00詳細はHPまで<リリース情報>『うたの木 Gift』アナログ盤(LP)12月25日(水)発売3,850円(税込)『うたの木 Gift』アナログ盤(LP)ジャケット<ライブ情報>渡辺美里 39th クリスマス スペシャル12月12日(木)ビルボードライブ大阪1stステージ 開場17:00 開演18:002ndステージ 開場20:00 開演21:0012月17日(火)ビルボードライブ東京1stステージ 開場16:30 開演17:302ndステージ 開場19:30 開演20:3012月19日(木)ビルボードライブ横浜1stステージ 開場16:30 開演17:302ndステージ 開場19:30 開演20:30【チケット情報】◾️横浜R指定席:15,000円(クリスマス・プレート&グラスシャンパン付)※その他飲食代金別渡辺美里 BITTER☆SWEET Valentine’s Day Special2025年2月14日(金) 大阪・クールジャパンパーク大阪WWホール開場 18:00/開演 19:00出演:渡辺美里ゲスト:増子直純 (怒髪天)渡辺美里 BITTER☆SWEET White Day Special2025年3月14日(金) 東京・豊洲PIT開場18:00/開演19:00出演:渡辺美里ゲスト:泉谷しげる【チケット情報】全席指定:11,000円(税込)チケット一般発売:12月21日(土)~()渡辺美里 オフィシャルサイト
2024年12月02日風間俊介が約3年ぶりに単独主演を務める舞台『モンスター』が大阪にて開幕、2024年11月30日に大阪・松下IMPホールで初日を迎えた。『モンスター』は、家族から十分な愛情を受けられず社会に問題児として扱われる生徒と、かつての華やかな職場から逃れ、自分自身も深い問題を抱える新人教師との対峙を軸に、大人の子育てと責任、未成年の反社会的な行動といった、教育・家族関係を鋭く表現した物語。主役のトムを風間が演じるほか、トムと対峙する14歳のダリル役で松岡広大、トムの妻でダリルに脅かされるジョディ役で笠松はる、ダリルの祖母リタ役で那須佐代子が出演する。演出・美術は、アングラから歌舞伎、そしてシェイクスピアまでジャンルを問わず様々な演目に挑んできた杉原邦生が務める。風間は「稽古を重ねていく毎に、素晴らしい作品だと実感しています。2005年に書かれた戯曲ですが、その時代に芽吹いた問題が今の社会で表面化している。今、私たちが考えたい、向き合いたい課題に真っ向から挑んでる作品だと感じています。依然として、膨大なセリフ、幾重にも織り込まれたメッセージにのたうち回っていますが、答えが見つかるような問題を題材にしている舞台ではない以上、この時間自体が希望になることを信じてのたうち回っています」とコメント。また「僕が演じるトムは、社会の象徴だと感じています。観てくださる皆様がトムを通じて、この問題と対峙して頂けたら、これからの未来は変わるのではないか?そんな力を感じます」と作品の魅力を語った。大阪公演は2024年12月1日に終了。今後は、12月7日(土)・8日(日) に茨城・水戸芸術館ACM劇場、12月14日(土) に福岡・福岡市立南市民センター 文化ホール、12月18日(水) から28日(土) に東京・新国立劇場 小劇場で上演される。■演出・美術:杉原邦生 コメント全文驚くべきことに、ダンカン・マクミランによる『モンスター』という作品をはじめて読んだときの印象と、約1カ月の稽古を経たいま見えているものの印象とがまったく異なっています。その大きな要因は、風間俊介さん、松岡広大さん、笠松はるさん、那須佐代子さんという優れた俳優の皆さん、翻訳の髙田曜子さん、音楽の原口沙輔さん、そして、強力なスタッフたちと共に稽古場で意見を交わし合い、試行錯誤を重ねた先に、この作品の〈あたたかさ〉を見つけることができたからだと思っています。この作品をお客様がどのように受け取ってくださるのか、これまで抱いたことのない不思議な期待感があります。どうか劇場で体感してください。ご来場お待ちしております!■トム役:風間俊介 コメント全文稽古を重ねていく毎に、素晴らしい作品だと実感しています。2005年に書かれた戯曲ですが、その時代に芽吹いた問題が今の社会で表面化している。今、私たちが考えたい、向き合いたい課題に真っ向から挑んでる作品だと感じています。依然として、膨大なセリフ、幾重にも織り込まれたメッセージにのたうち回っていますが、答えが見つかるような問題を題材にしている舞台ではない以上、この時間自体が希望になることを信じてのたうち回っています。僕が演じるトムは、社会の象徴だと感じています。観てくださる皆様がトムを通じて、この問題と対峙して頂けたら、これからの未来は変わるのではないか?そんな力を感じます。大阪公演が私たちにとっての初日となります。大阪の皆さんからエネルギーを頂き、これからこの作品を多くの人に届けたいと思います。■ダリル役:松岡広大 コメント全文ダンカン・マクミランさんが書く戯曲の特徴を掴むのはとても大変で、今でもわかったとは言い切れませんが、大きな挑戦の機会を頂けていることに感謝しています。初日が開いてからも高みを目指していきたいので、手応えはきっと最後まで感じられないと思います。慢心せず臨みたいです。普通の教育、家庭、食事、など“普通”という言葉が多く出てくる作品です。その言葉を使ってあたかも自分だけは異常じゃないと主張する大人の登場人物は、一筋縄じゃいかない人間を表しています。普通を振りかざして自分は普通だと言い切ることはある種の暴力なのではないか、無意識で線引きを容易く行うのは残酷なことなんじゃないかと、様々な思考ができる作品は魅力的だと思います。物語を通して、自分や周りを知って見つめてもらえたら幸いです。宜しくお願いいたします。■ジョディ役:笠松はる コメント全文いよいよ開幕。今はワクワクヒリヒリと痛痒い感覚です。地元大阪での開幕も大変嬉しいです。初めてこの台本を読んだ時に見えた景色から、稽古中どんどん作品の読み方が変わっていきました。特に、稽古中盤に演出の杉原邦生さんが仰った今演出の方向性を示す言葉は、現代に生きる私自身の心にも沁み渡るようでした。以降ずっとその方向性を心に、ジョディとしての在り方を模索してきました。『モンスター』は言葉がはっきりと明示されていない分、演じるカンパニーの数だけ作品のメッセージがあるような不思議な戯曲です。そして、私はこのカンパニーで『モンスター』に参加できたことを誇りに思います。開幕までも、開幕してからも、また作品は変化していくと思います。それは私たちが、生きる事や人と関わる意味を日々探すような、そんな気持ちに似ているかもしれません。日本初演です。ぜひ劇場でその日だけの『モンスター』をご体感ください。■リタ役:那須佐代子 コメント全文稽古期間を振り返ると、濃密でシリアスなシーンの多い作品なのに稽古場の空気感が常に明るく健やかだったことが印象深いです。それは演出の杉原さんの俳優の意見を受け入れ共に考察しながら創作する姿勢と、共演の皆さんの素敵なお人柄によるところだと感じています。私が演じるリタという役は、一見クレイマーのような面倒な性格の人物に思えますが、彼女の抱えている状況が切迫しているからこその言動だと思っており、その状況が徐々に明らかになっていく様子を丁寧に演じられたらいいなと考えています。『モンスター』の魅力のひとつ、スピード感のある展開を、原口さんの音楽の力もお借りして見事に表現した舞台になっていると思います。多くの皆様のご来場を心よりお待ちしています!撮影:河上良<公演情報>舞台『モンスター』作:ダンカン・マクミラン翻訳:髙田曜子演出・美術:杉原邦生音楽:原口沙輔出演:風間俊介松岡広大笠松はる那須佐代子【東京公演】日程:2024年12月18日(水)〜28日(土)会場:新国立劇場 小劇場【大阪公演】※公演終了日程:2024年11月30日(土)・12月1日(日)会場:松下IMPホール【水戸(茨城)公演】日程:2024年12月7日(土)・8日(日)会場:水戸芸術館ACM劇場【福岡公演】日程:2024年12月14日(土)会場:福岡市立南市民センター 文化ホールチケット情報:()公式サイト:
2024年12月02日NODA・MAPが2024年7月から10月にかけて、東京、福岡、大阪で上演した『正三角関係』は、野田秀樹がドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を下敷きに描いた、ある花火師一家の物語。松本潤、長澤まさみ、永山瑛太の舞台初競演が大きな話題となり、その後のロンドン公演も大盛況のうちに幕を閉じた。11月12日、都内で実施された海外公演報告会に登壇した野田が、ロンドンでの手応え、作品に込めた思いを明かした。ロンドン公演の会場は、思い出深いあの劇場『Love in Action』ロンドン公演より(c)Alex Brenner『正三角関係』のロンドン公演でのタイトルは、『Love in Action』。サドラーズ・ウェルズ劇場での上演は、10月31日から11月2日に全4公演が行われた。公演全体の手応えについて、「大好評であったことは間違いありません」と話す野田。『Q』(英題「A Night At The Kabuki」2022年にワールドツアー実施)の時もソールドアウトでしたし、今回も満員。観た人の言葉も直接聞きましたが、『Q』と違ったのは、日本人が原爆のことを取り上げるということを予想だにしなかったようなので、ずしんと、入っていく感じがありました」と振り返る。『Love in Action』ロンドン公演より(c)Alex Brenner「“ほっぺたを引っ叩かれたような感じでした”──それは、欧米の人間が本来書いておかなくちゃいけなかったことが書かれていた、ということ。届いているんだなというふうに、感じました。それから“観たことのない芝居だった”“幻覚を見ているようだった”という声も。ただ、日本の、というよりアジアからのお客さんが圧倒的に多かった。これは松本(潤)を起用したことも影響しているのかなとは思いますが、こうしたモチーフをもっていったので、もう少し、西洋の人に観てもらいたかった、とも思いました。今後の課題になるかと思います」ロンドン公演時の劇場の様子、カーテンコールの映像が披露されると、会場となったサドラーズ・ウェルズ劇場について、「私の30年前のロンドン留学は、この劇場でやっていたテアトル・ド・コンプリシテのワークショップに参加したことから始まったんです」と感慨深げに語った。撮影:緒⽅⼀貴この日聞き手として参加した演劇評論家の内田洋一から、数々の劇評に触れての感想を問われると、「年とったんだな、と思いました(笑)。皆、自分より若い。若い人が書いている劇評、若い人の言葉だと感じました。原爆の話というのは彼らにとって思いがけないこと。まさにそうだと思います。イギリスに暮らしていて、原爆が投下された側のことなど考えたこともなく生きている。同時に、私のスラップスティックス的なもの、そういう笑いが、簡単に受け入れられるようになった。世界的にそうなってきていると思います。若い頃にロンドン公演をしたときは、批判的な層がかなりいたんです。また今回、初日のパーティーで会った方と演劇における世界的な危機感について話をしましたが、いまイギリスでも、お客を呼べるのはアニメかトップスターを真ん中に配したものだというんです。一概に悪いこととは言えないけれど、演劇の、演劇である所以、そのような芝居がどれだけ人を呼べているのか、と思いました」題材としたのは、長崎の原爆投下。英米文化圏での上演は最初から狙っていたことなのかと問われると、「書いているときから決めていた」と野田。ロンドンでは以前、『源氏物語』をモチーフとした『ザ・ダイバー』(2008年)を上演しているが、イギリスの人々は日本の文化や歴史のことを全く知らず、関心を示すものとそうでないものとで批評が分かれた。「そこに何か一石を投じていきたい。原爆という問題は、自分たちにもかえってくる問題。自分のスタイルは非常に軽い芝居に見えやすく、こんなに軽々しく原爆を表現していいのかと言われるかと思いましたが、それはなかったと思います」。『Love in Action』ロンドン公演より(c)Alex Brenner『Love in Action』ロンドン公演より(c)Alex Brenner戦争があったことを身体で感じている世代としてこれまで『パンドラの鐘』(1999年)、『オイル』(2003年)などの作品で原爆を題材としてきた野田だが、原爆について扱うのはこれが最後と明かす。記者から「今後、第二次世界大戦について書くことは?」と問われると、「わかりません。最後、というつもりで書きました。もう一回書けるって思うなよ、という気持ちでした」と述べるとともに、戦争を書くことについて、こうも語った。「自分は昭和30年生まれ。戦争が終わった10年後に生まれ、戦争に負けた国に育ち、そうこうしているうちにベトナム戦争。若い頃は戦争体験者がたくさんいて、小説家はそれを実体験として書いていましたが、自分には書く資格がないと思い、一切手を伸ばしていなかった。ただ、『パンドラの鐘』を書いたときは、少しずつ戦争が遠くなりすぎた世代が増えてきた。そうなると、戦争があったということを身体に感じている世代として書くように。自分の日常とか人生は、大したことがないじゃないですか(苦笑)。こういったことを書くべきなのかなと思うのは、私の劇作家としての癖みたいなものかもしれません」撮影:緒⽅⼀貴今回のロンドン公演は、日本で上演した新作を同じ年に海外で上演するというNODA・MAP初の試みでもあった。舞台装置や字幕の準備のため、野田は日本での初日の約3カ月前に既に台本を書き上げていたとも。野田作品の面白さを字幕で伝える難しさ、工夫についても紹介された。さらに内田が、野田の海外進出について「サブカルチャーが認められるプロセスだった」としながら、今後の海外公演についての野田の考えを聞いた。「私に限らず、世界的にサブのはずだったものがサブではなくなっているように感じる。私はいまから急に作品を変えられるわけではないので、これでやっていくつもりです。今回、公演にテアトル・ド・コンプリシテのプロデューサーたちが来ていましたが、1993年にロンドンに留学していろんなことを知ったと話すと、コンプリシテでは若い人が逆に私の作品から影響を受けているという。面白い話になっているなと感じました。再来年、海外にまた行きたいなと思っています。再来年だとすると新作を持っていかなくてはいけないことになりますが、それでやっていきたい。一作一作、ひとつずつを、自分の遺作だと思って作るしかない、という気はしています。おそらくこれが60代最後の作品。次は70代最初の作品です」12月2日(月) からは、8月の東京公演で収録された『正三角関係』舞台映像の世界配信がスタートする。<配信情報>NODA・MAP第27回公演『正三角関係』作・演出:野田秀樹出演:松本潤長澤まさみ永山瑛太村岡希美池谷のぶえ小松和重野田秀樹竹中直人秋山遊楽石川詩織兼光ほのか菊沢将憲久保田武人後東ようこ近藤彩香白倉裕二代田正彦八条院蔵人引間文佳間瀬奈都美的場祐太水口早香森田真和吉田朋弘李そじん配信期間:2024年12月2日(月) 12:00~2025年1月14日(火) 23:59チケット販売期間:2024年11月25日(月) 12:00~ 2025年1月14日(火) 18:00※PPV(ペイパービュー)形式。配信期間中、1回のチケット購入でひとり1回視聴可能。※再生開始から4時間以内の視聴制限あり。配信エリア:日本、北米(アメリカ・カナダ・メキシコ)、南米(ブラジル・ペルー)、ヨーロッパ(イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン)、アジア(韓国・台湾・香港・マカオ・シンガポール・マレーシア・タイ)、オセアニア(オーストラリア・ニュージーランド)※海外からの視聴は、ソニー・ミュージックソリューションズ(Stagecrowd)限定。収録日・場所:2024年8月3日 東京・東京芸術劇場プレイハウスチケット情報:()公式サイト:<公演情報>【東京公演】※公演終了2024年7月11日(木)~8月25日(日)会場:東京芸術劇場プレイハウス【北九州公演】※公演終了2024年9月5日(木)~9月11日(水)会場:J:COM北九州芸術劇場 大ホール【大阪公演】※公演終了2024月9月19日(木)~10月10日(木)会場:SkyシアターMBS【ロンドン公演】※公演終了10月31日(木)~11月2日(土)会場:サドラーズ・ウェルズ劇場
2024年12月02日2025年3月10日(月) から4月17日(木) に東京・シアタークリエで上演されるミュージカル『ボニー&クライド』のメインビジュアルが公開された。本作は、映画『俺たちに明日はない』で知られる1930年代に実在したギャングカップルのクライド・バロウとボニー・パーカーを題材としたミュージカル。『ジキル&ハイド』『笑う男The Eternal Love -永遠の愛-』『デスノートTHE MUSICAL』など、名だたるミュージカルを手がけた作曲家のフランク・ワイルドホーンが、ジャジーなサウンドとポップなリズムで新たに創造し、2011年12月にブロードウェイで上演、2012年には日本で初演された。今回は瀬戸山美咲による新演出版となる。公開されたビジュアルでは、クライド役(Wキャスト)の柿澤勇人と矢崎広、ボニー役(Wキャスト)の桜井玲香と海乃美月が挑戦的ともいえる表情をまとい、鬱屈した時代に刹那を生きる“アンチ・ヒーロー”のカップルを表現している。『ボニー&クライド』は東京公演の後、2025年4月25日(金) から30日(水) に大阪・森ノ宮ピロティホール、5月4日(日・祝)・5日(月・祝) に福岡・博多座、5月10日(土)・11日(日) に愛知・東海市芸術劇場大ホールで上演される。ミュージカル『ボニー&クライド』プロモーション映像ミュージカル『ボニー&クライド』柿澤勇人 コメント動画ミュージカル『ボニー&クライド』矢崎広 コメント動画ミュージカル『ボニー&クライド』桜井玲香 コメント動画ミュージカル『ボニー&クライド』海乃美月 コメント動画<公演情報>ミュージカル『ボニー&クライド』脚本:アイヴァン・メンチェル歌詞:ドン・ブラック音楽:フランク・ワイルドホーン上演台本・演出:瀬戸山美咲訳詞:高橋知伽江音楽監督・ピアノコンダクター:前嶋康明振付:松田尚子【出演】クライド・バロウ(Wキャスト):柿澤勇人/矢崎広ボニー・パーカー(Wキャスト):桜井玲香/海乃美月バック:小西遼生ブランチ:有沙瞳テッド(Wキャスト):吉田広大/太田将熙エマ:霧矢大夢シュミット保安官:鶴見辰吾石原慎一/彩橋みゆ池田航汰神山彬子齋藤信吾※社家あや乃※鈴木里菜焙煎功一広田勇二三岳慎之助安田カナ(※=スウィング)【東京公演】日程:2025年3月10日(月)~4月17日(木)会場:シアタークリエ【大阪公演】日程:2025年4月25日(金) ~30日(水)会場:森ノ宮ピロティホール【福岡公演】日程:2025年5月4日(日・祝)・5日(月・祝)会場:博多座【愛知公演】日程:2025年5月10日(土)・11日(日)会場:東海市芸術劇場大ホールチケット情報:()ミュージカル『ボニー&クライド』ホリプロステージ公式サイト:ミュージカル『ボニー&クライド』東宝演劇公式サイト:
2024年12月02日5年前の年末に登場するや、SNSを中心にうわさを呼び、大ヒットとなった『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』の続編が12月20日(金)、日本公開される。タイトルは『ヘヴィ・トリップII/俺たち北欧メタル危機一発!』。フィンランドのド田舎で結成したメタルバンドが奇跡の復活、ドイツの世界最大級フェスを目指すという、スケールアップしたコメディ。日本のBABYMETALが重要な役どころで出演しているのも話題だ。『ヘヴィ・トリップII/俺たち北欧メタル危機一発!』前作のキャッチコピーは、「後悔するなら、クソを漏らせ!」だった。フィンランドの田舎町で暮らす気弱なメタルバンドのメンバーたちが巻き起こす騒動に、「期待せずに観たら、大笑い。なんだか気分がスカっとした!」という観客が続出し、大ヒットした。介護施設やトナカイの肉の処理場、村の図書館などで働く4人が、ヘヴィメタルのバンドを結成してから、はや12年。バンド名は“インペイルド・レクタム (直腸陥没)”。「終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル」を標榜し、威勢はいいのだが、まだ一度もステージに立ったことがない。そんな彼らに、ノルウェー最大のメタルフェスに参加するチャンスが巡ってくる。鮮烈なデビューを果たすつもりで、紆余曲折ありながらもノルウェーへ遠征。しかし国境越えのところで、まさかの騒ぎを起こし、ライブ後、刑務所入りに……というのが前作のお話。知る人ぞ知る、なのだが、フィンランドは、プロ・アマを合わせると、メタルバンドの人口比率が世界で一番高い“メタル超大国”らしい。なぜ、ヘヴィメタが受けるのかは諸説あるが、シャイで物静かな国民性の反動、ともいわれている。日本人と通じるところが、ちょっとだけあるような、ないような。そして今作は、ノルウェーの刑務所から始まる。収監されていても、純朴でいたって真面目な好青年たち。ところが、演奏が始まると、悪魔が乗り移ったようなテンションになるのは、前作と変わらない。ある日、バンドの噂を聞きつけた怪しげなプロデューサーが刑務所を訪ねて来て、ドイツで行われるメタルフェス、ヴァッケン・オープン・エアに出演しないか、と声をかけてくる。彼らは服役中の身、断るしかなかったのだが、メンバーのひとりの実家であるトナカイ処理場を地上げの危機から救わなければいけなくなって、出演を決意。刑務所は、もちろん脱獄、だ。バンド活動をまたやれるとなると、これまた人格が変わるのだ。ここからは前作同様、フェスへ向かう旅の珍道中、いろんなことが巻き起こる。なにしろヘヴィメタですから。やることなすこと過激です。映画作りのやんちゃで乱暴なところも、あまり堅いこと言いっこなしで楽しむ手だ。出演はヨハンネス・ホロパイネン、マックス・オヴァスカ、サムリ・ヤスキーオ、チケ・オハンウェ。前作で、戦闘狂のノルウェー国境警備隊長役だったヘレン・ビースベッツが、転職したという設定なのか、今回は刑務所の監督官役で出演。脱獄したメンバーをへこたれずに追い続ける感じは、まるで女性版の銭形刑事。彼らの目指すフェスが、10万人もの観客を動員する世界最大級の「ヴァッケン・オープン・エア」であることも、この映画のひとつの魅力。インペイルド・レクタムを“売れる”バンドに押し上げようと画策するプロモーターの暗躍を通じて、ヨーロッパのミュージック・ビジネスもかいまみえる。劇中、スウェーデンのオカルトロックバンド「YEAR OF THE GOAT」も参戦、そしてなんといっても注目は、日本からBABYMETALが出演していること。それも、ちょっと顔をみせる、いわゆるカメオ出演ではなく、SU-METAL、MOAMETAL、MOMOMETALと名前も呼ばれるし、セリフもあるし、ライブもきっちり収録されている。インペイルド・レクタムのメンバーが、彼女たちを目にして、「何じゃこれ!」と目が点になるシーンなど、わかるなあ。BABYMETAL、実にかっこいい!文=坂口英明(ぴあ編集部)※第1作の『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』の“生き恥の再上映!”が、12月13日(金)~19日(木) に、シネマート新宿他で行われる。U-NEXT、Amazonプライム、Apple-TVの配信サービスでも観ることができる。予習・復習をオススメします。(C) 2024 Making Movies, Heimathafen Film, Mutant Koala Pictures, Umedia, Soul Food
2024年12月02日2024年12月18日(水)より、すみだ北斎美術館では、『読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー』展が開催される。21世紀を四半世紀も過ぎたこの時期でも、日本の年末には、新年のカレンダーがやりとりされるが、江戸時代も「絵暦」という非売品のカレンダーを配ることが流行した。これらは自費制作された私的な摺物で、葛飾北斎のような高名な浮世絵師も、絵暦を手掛けている。同展は、そんな江戸のカレンダー文化を紹介する。絵師未詳《猿》すみだ北斎美術館蔵(後期)そもそも江戸のカレンダーで使用されていたのは、月の満ち欠けで1カ月を定める太陰太陽暦。月の日数は30日(大の月)か29日(小の月)で、毎年同じ月でも日数が変わったため、今年は何月が大の月で、何月が小の月かを知っておくことが重要だった。そこで、絵のどこかに忍び込んでいる大小の月を、見る者が見つけて読み解く、ユーモアとウィットに富んだ絵暦が人気を博したのである。たとえば葛飾北斎の絵暦《鶯と金太郎》では、金太郎の傍らに置かれた斧に「小」の字が、刃先に「正、五、六、八、十、十一」の文字が書かれている。これは本作が配られた寛政11年の小の月であった。このほか例として、登場人物が、大小の月の数字がデザインされた着物を着ていることなどがあげられよう。葛飾北斎《雪の朝》すみだ北斎美術館蔵(通期)(会期中同タイトルの作品に展示替えあり)このように小品ながらもアイデアと技巧をこらした絵暦が並ぶ同展では、ぜひ大小の月がどこに隠されているのかを探しながら、とんちの効いた江戸のカレンダーを楽しみたい。会期中は、学芸員によるスライドトークや講師を招いての講演会、さらに多色摺り木版画で季節のハガキをつくるワークショップなどの関連イベントが行われる。詳細は美術館ホームページで確認を。<開催概要>『読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー』会期:2024年12月18日(水) 〜 2025年3月2日(日)※会期中展示替えあり会場:すみだ北斎美術館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日:月曜(1月13日、2月24日は開館)、12月29日(日)~1月2日(木)、7日(火)、14日(火)、2月25日(火)料金:一般1,000円、大高・65歳以上700円、中学300円公式サイト:
2024年12月02日King Gnuが10月にリリースした新曲「ねっこ」のミュージックビデオを公開した。『ねっこ』は、神木隆之介が主演を務めるTBS系日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」の主題歌として、King Gnuが書き下ろしたミドル・バラードとなっており、ドラマ初回放送にて解禁され話題を呼んだ。今回のミュージックビデオは、「カメレオン」「硝子窓」のミュージックビデオでも監督を務めたOSRINが担当し、ふたつのMVにリンクする世界線で描かれた物語となっており、登場したキャラクター達が「ねっこ」のMVにどのように絡んでくるのかにも注目してほしい。【監督・OSRIN コメント】不思議なもので自身を支えてくれる何かは目の前から見えなくなっても聞こえなくなっても細やかだけど頭の底に宿ってる気がしてますそんな何かになって欲しいと思いながらみんなと作りました。King Gnu – 「ねっこ」Music Video<リリース情報>「ねっこ」配信中配信リンク: 「ねっこ」ジャケットKing Gnu – 「カメレオン」Music VideoKing Gnu – 「硝子窓」Music VideoKing Gnu オフィシャルサイト
2024年12月02日2020年よりソロ活動をスタートさせた平手友梨奈が、12月11日(水)新曲「ALL I WANT」を配信。併せて、ジャケット写真も公開した。今作は、変態紳士クラブとしての活動や様々なミュージシャンのプロデュースワークをはじめ、各所で多彩な活躍を見せる音楽プロデューサー・GeGによる楽曲。ミディアムバラードとなっており、エモーショナルなトラックが大人の恋を彷彿とさせる歌詞を引き立てる仕上がりで、ジャケットは前作に続き平手友梨奈本人の手をジャケットに落とし込んだビジュアルとなっている。12月11日(水)には、フジテレビ系で放送される音楽特番『2024FNS歌謡祭 第2夜』に出演が決定している。<リリース情報>「ALL I WANT」12月11日(水) 配信配信リンク: 「ALL I WANT」ジャケット平手友梨奈 オフィシャルサイト
2024年12月02日11月27日から12月1日にかけての感謝祭の連休、北米のボックスオフィスで首位を獲得したのは『モアナと伝説の海2』だった。5日間の売り上げは2億2,100万ドルで、感謝祭5日間の数字としては史上最高記録。『モアナ』1作目の北米興収トータルは2億4,800万ドルだったが、この続編は、数日のうちに早くも抜きそうだ。2位は『ウィキッドふたりの魔女』、3位は『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』。4位は『レッド・ワン』、5位は『The Best Christmas Pageant Ever』だった。次の週末はA24のSFコメディ『Y2K』が公開される。『モアナと伝説の海2』12月6日(金) 全国劇場公開(C)2024 Disney. All Rights Reserved.文=猿渡由紀
2024年12月02日Kroiがドラマ『オクラ〜迷宮入り事件捜査〜』の主題歌「Jewel」のレコーディング風景を公開した。本映像では「Jewel」のレコーディング風景にメンバーへのインタビューを交えて収録されたもの。彼らのレコーディングスタイルや機材に対しての考え方などを赤裸々に映した貴重な映像はスタジオに来たかのような没入感を感じられる作品となっている。また、Kroiは現在国内外18都市21公演を回るツアー『Kroi Live Tour 2024-2025 “Unspoil”』を開催中。ファイナルは、2月1日(土)神奈川・ぴあアリーナMMで開催され、現在チケット一般発売中。武道館公演に始まり、アニメ・ドラマのタイアップ、年末の大型フェス出演と、飛躍を続けるkroi初のアリーナ公演は必見だ。<配信情報>Kroi 『Jewel』Rec Documentary<リリース情報>「Jewel」配信中配信リンク: 『Jewel』Music Video<ライブ情報>Kroi Live Tour 2024-2024 "Unspoil" at PIA ARENA MM2025年2月1日(土) 神奈川・ぴあアリーナMM開場17:00/開演18:00【チケット情報】8,800円(税込)()kroi オフィシャルサイト
2024年12月02日歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』が東京・新橋演舞場にて開幕! 初日の前日の11月29日には公開稽古と囲み取材が行われ、松本幸四郎、尾上松也、中村時蔵、坂東新悟、尾上右近、市川染五郎、澤村宗之助、大谷廣太郎、市川猿弥、片岡亀蔵、坂東彌十郎がそろって出席した。同作は2007年に松竹と劇団☆新感線がタッグで幸四郎(当時は染五郎)の主演で初演された作品。シェイクスピアの「リチャード3世」を下敷きにし、大江山の「酒呑童子伝説」をモチーフに取り入れつつ、魔物との取引で得た力で王の座を手に入れようとする男の栄光と破滅を描き出す。劇団☆新感線の演出・いのうえひでのりと座付き作家・中島かずきが、歌舞伎の新たなステージを目指して立ち上げた歌舞伎NEXTの作品として、2015年に上演された「阿弖流為」に続いての上演となり、主人公のライとエイアン国の武将・サダミツの2役をダブルキャストで幸四郎と松也が演じる。幸四郎にとっては、染五郎時代の2007年以来、17年ぶりの同作への出演となるが、今回の再演で進化した点を問われると「前回の公演中に娘が生まれたんですが、17年経って、その娘がいまはもうすっかりヒップホップを踊っているのが、進化ですかね?」ととぼけた口調で語り、すかさず隣の松也から「(公演と)関係ないな」とツッコミが飛ぶ。17年前の公演を、憧れのまなざしで幸四郎を見ていたという松也は、その幸四郎と並んでWキャストで主演を務めるが「憧れていた気持ちは変わらないけど、今回またゼロから、いのうえさんをはじめ、スタッフも役者陣も、前回とはまた違う『朧の森――』を作るという気概をもって稽古をしてきました」と自信と手応えを口にしつつ、幸四郎を目の前に「カッコいいですね、やっぱり(笑)。ついつい『本物を見ているな』っていう感じ、目の前にライがいると感じることたくさんありました」と笑みを漏らす。染五郎は「父が染五郎時代に演じた作品に出させていただけることを意義深く感じております」と挨拶。10代最後の年の締めくくりの公演となるが、本人は「年齢とかはあまり意識していませんが」と断った上で「でも、作品との出会いや人との出会いによって、ご縁でいろんな作品に出会わせていただいているので、いまの年齢じゃないとこの役に出会えなかったかもしれない。いま、出会えたことに意味があると思っています」と語っていた。激しい殺陣も本作の大きな見どころ。彌十郎が「立ち回りができないのが寂しいと思っていたけど、なくてよかった(笑)」と冗談まじりに漏らすほどで、松也は「かなり激しいです」と静かに語り、幸四郎は「冗談じゃないくらい……『ふざけるな!』ってくらい多くてびっくりしております」と苦笑を浮かべながらその凄まじさについて語った。制作発表時には、松也が幸四郎について「(会話の際に)主語がない」という悩み(?)を語っていたが、その点に話題が及ぶと、息子の染五郎からも「これだけ一緒に生活していても慣れない(苦笑)」とツッコミが入り、さらに締めの挨拶でも「舞台上では、父もちゃんとしゃべっていると思うので、ぜひ観に来てください!」とネタにされ、会見場は笑いに包まれた。歌舞伎NEXT「朧の森に棲む鬼」は今月26日(木)まで新橋演舞場にて上演中。来年2月には福岡・博多座で上演を予定している。<公演情報>歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』作:中島かずき演出:いのうえひでのり【配役】ライ/サダミツ(交互出演):松本幸四郎/尾上松也ツナ:中村時蔵シキブ:坂東新悟キンタ:尾上右近シュテン:市川染五郎アラドウジ:澤村宗之助ショウゲン:大谷廣太郎マダレ:市川猿弥ウラベ:片岡亀蔵イチノオオキミ:坂東彌十郎【東京公演】2024年11月30日(土)~12月26日(木)会場:新橋演舞場【福岡公演】2025年2月4日(火)~2月25日(火)会場:博多座チケット情報:()公式サイト:
2024年12月02日堂本光一が作・構成・演出・主演を務めるミュージカル『Endless SHOCK』が11月29日、東京・帝国劇場で大千穐楽を迎えた。2000年、堂本が当時21歳の時に始まった『SHOCK』シリーズは24年間で全2128回上演、全日程即日完売。今年5月には『放浪記』の森光子が保持していた記録を上回り、堂本が日本演劇界の「単独主演記録1位」に輝いた。しかしながら本シリーズは、帝国劇場建替えに伴う休館とともに今年の上演をもって終了が決定。日本演劇史に残るメガヒットミュージカルは、帝国劇場に足を運んだファンのみならず、全国47都道府県100館7万人がライブビューイングで見守る中、24年の幕を下ろした。24年間“究極体”を演じ続ける苦難鳴りやまない熱い拍手の中始まったカーテンコールでは、この日のキャストに加え、春の帝国劇場公演、夏の大阪・福岡公演に出演していたキャストも大集結。まず堂本が「2000年、当時の自分は21歳でただの若造でしたが、帝劇という場所に立たせていただき、24年間毎年この景色を見せていただけたこと、心より感謝を申し上げたいです」と御礼を。続けて集まった共演者たちに「最後の最後にこうして集まってくれたことを嬉しく思います」と笑顔を向ける。<光ちゃん お疲れ様でした!>と垂れ幕に書かれたくす玉を割り、今年の上演回数142公演にちなんだ142本の赤いバラの花束を贈呈されるセレモニーでも目に涙はなく、終始清々しい笑顔の堂本。その表情からは、自分の届けたステージに対する自信と満足が見てとれる。『SHOCK』はNY・ブロードウェイを舞台に、主人公コウイチを中心とする若きエンターテイナーたちが成功を目指す中で友情や恋、嫉妬や葛藤を交錯させていく物語。コウイチはその名のとおり堂本を彷彿とさせる役であるが、その分本人は苦悩も多くあった様子。「24年間、コウイチという、ステージに立つ人間としての究極形を描いてきた。時を経てコウイチにも弱い部分がたくさんあるというところを芝居で描くようにしていったのですが、でもやっぱり、彼は究極体なんです。その究極体を演じるという、辛い24年でした。……だって俺、全然究極じゃないんだもん!」と堂本。しかしながら「自分自身が役に負けないでステージに立つために何ができるか。自分には技術はそんなにはない。その分できることは“気持ち”しかないんです。その気持ちをずっと維持し続けるというのは、これは頑張りました!」と胸を張り、これには場内からも大きな大きな拍手が。カーテンコールでは、共演者からも挨拶が。ライバル役を演じた上田竜也は「『SHOCK』はエンターテインメントについてすごく考える場所だった。特にコロナ禍で公演が中止になり、エンターテインメントとは何だろう、お客さんやファンの方に喜んでもらえることって何だろうともう一度深く考えさせられた。そして今、この場所に立っていられることに感謝したい」としみじみと語り、同じくライバル役を今年4・5月の帝劇公演と9月の博多座公演で務めた佐藤勝利は「本当に『SHOCK』にエンタメのすべてを教わり、光一くんの背中を見て育ち、光一くんの背中を追いかけた。『SHOCK』に育てていただきました。そういう後輩がたくさんいると思う。今日で『Endless SHOCK』はラストですが、その思いはずっと響き続けるし、そういう意味で『Endless SHOCK』は終わらないと思う。光一くんから教わったものを大事にこれからも進んでいきたい」と感謝を述べ、「光一くんに何と言うのが正解かなと思いましたが、お祝いの言葉で僕は締めたい。光一くん、本当におめでとうございます」と伝えた。それぞれの“SHOCK愛”と“光一愛”『SHOCK』を支え、また『SHOCK』がグループ結成のきっかけとなったふぉ~ゆ~は、いつものようにじゃれ合って場を和ませながら、口々に“SHOCK愛”と“光一愛”を。「19歳から出演し、今38歳。人生の半分以上関わっています。この『SHOCK』がなかったらふぉ~ゆ~は生まれていなかったので、僕たちにとって大事な作品で、やっぱり寂しいです」(越岡裕貴)、「オープニングから思い出だらけで、今日は本当に嫌でした……。光一くんは“千秋楽だろうが初日だろうが関係なくいつも通り”と言いますが、今日はちょっと無理でした。でも光一くんも良くない! 6回転フライングの前に「ああ、最後の6回転フライングか……」って言いましたよね、そんな姿を後輩が見たらどんな気持ちになるか! 劇中のセリフの一つひとつが『SHOCK』の歴史と重なるようでした。僕の人生の中で『Endless SHOCK』は間違いなくトップチャート一位です!」(福田悠太)、「思い返すとたくさんの思い出がある。光一くんと見た景色を思い返して幸せだったなと思うし、自分の原点だなと思いました。僕らは光一くんが笑っているのがめちゃくちゃ好きなんですよ。光一くんの背中を特等席で見ることができていつも本当に幸せでした」(辰巳雄大)、「開演前の“気合い入れ”から涙腺(が崩壊するの)をこらえていました……。でも全ての終わりは全ての始まり。このあと僕はまた始まります!」(松崎祐介)。パーカッショニストで2005年から本作に出演している石川直も「20代でアメリカから帰ってきた、ドラムを叩くだけの野郎をこんな場所に呼んでいただいて、しかも長年使っていただいた。帝国劇場という素晴らしい場所でパフォーマンスできたこと、多くの方に見ていただけたこと、とても光栄でした」と感謝を語る。リカ役をWキャストで演じた綺崎愛理も「光一さんを今後も追いかけていきたいし、ここで経験させていただいたすべてのことに感謝します」と話した。また同じくリカ役の中村麗乃が「『SHOCK』は私の夢をふたつ叶えてくれた、とても大事な作品。(その夢とは)今の帝国劇場に立つということと、憧れていた女優さんが演じられていた役をやりたいという思いがあったので……」と話したところで、堂本が「神田沙也加さんのことだよね。リカ役をやってくれていたからね」と優しく合いの手を。中村は涙をこらえながら「どう言葉にしていいのかわかりませんが……本当にありがとうございます」と話した。2024年公演皆勤賞の松尾龍は「『この場所から始まったんだいつか必ず夢をかなえよう』という歌詞が自分にハマってしまって毎日(泣きそうになって)ヤバいんです。今日はあまり聞かないようにしました」と思い入れを語り、17歳の松浦銀志は様々な先輩に謝辞を述べながら感極まって言葉を詰まらせる。また、この日のステージには立っていなかったが今年の『SHOCK』に出演していたメンバーも、「寂しさと、(堂本には)今すぐにでも人間ドックに行ってください、身体を休めてほしいという気持ちと……。でも本当に貴重な経験をさせていただいた。僕の心に残り続けると思います」(原嘉孝)、「皆さんに何かを届けることの姿勢を、本当に一から勉強させていただいた。今後の光一くんの“動向”に注目したい、楽しみにしています」(寺西拓人)、「今日初めて、自分が出ていたシーンを舞台袖から見ました。スタッフさんやアンサンブルさんが1シーン終わるごとに歓声をあげていて、みんなが『SHOCK』を愛している気持ちが溢れていた。袖で泣きました。僕も大好きな作品です。明日からも(脳内で)ひとり『SHOCK』を続けていきたいです」(林翔太)、「カンパニーの一員としてステージに立てたことを光栄に思います。あと僕、帝国劇場に立ったことがなくて、今日(このカーテンコール)が初めてです(笑)、ありがとうございます」(室龍太)、「僕は先に博多公演で終わりましたが、東京公演が終わるまで終わった感じがしないなと思ったら、今日になってもまだ終わった気がしない。また出たいなという気持ちが沸き上がっちゃう。この作品をすごく愛していたんだなと実感しています」(高田翔)と、それぞれ挨拶をした。『SHOCK』はずっと生き続けていくオーナー役を演じた島田歌穂は「素晴らしい記録を成し遂げた作品の最後の3年間に携わらせていただいたことは人生の宝物です。命を削りながらその背中を見せてくださった光一さんの姿は生涯忘れません」と思いを語る。前田美波里は「2013年に母親役で出演し、その後オーナー役を演じました。本当に色々な思い出があります。今日は泣くまいと思っていましたがラストショーで日舞を踊りながら涙が止まらなくなってしまった。この作品がなくなってしまうことはものすごく!寂しい。多くの皆さんに感動していただけるこの作品に、11年出演させていただいたことは、人生の宝物です。光一さんありがとうございました。どうぞこの作品を超えるいい作品をまた作ってください」とファンの心を代弁するかのようなリクエストを。その言葉を受けるかのように、堂本も「本当に思い残すことは何もないし、全部やりきった。だけど『SHOCK』においてはまだ何かやれることもあるから、何らかの形を考えていけたら」と今後の展開を匂わすコメントを。「ずっと積み重ねてきた公演なので、これを超える作品をポンと作るのはなかなか大変。(帝劇がなくなるから)SHOCK専用劇場でも作ってやれればいいけれど……誰か融資してくれるかな!?」と冗談めかして語るも、何らかの形で続けたい意志はあるようで「今のメンバーで(スピンオフの)『Endless SHOCK -Eternal-』も観たい、大阪公演に出ていた(中山)優馬の『-Eternal-』も観たい。まだまだ本当はやれることがある。自分がコウイチ役を演じることはもうないかもしれませんが、もちろん誰かに受け継いでもらえたら嬉しい」と話す。重ねて、「自分としてはエンタメを卒業するわけではないので、ここから次のキャリアでも、皆さんに喜んでいただけるものを発信していきたい。それは楽しみにしていて欲しい。それにしても舞台は儚いものですね。その時観たものが終わると、それは自分の記憶で留めておくしかない。それが舞台の良さでもあります。でも『-Eternal-』に「思い続ければきっとそこにいるんじゃないか」というセリフがありますが、コウイチという人物も、この『SHOCK』のカンパニーも、ストーリーも、今日観た皆さんの心の中にあって、思い続けてもらえる作品になってくれたら、『SHOCK』はずっと生き続けていくと思うので、ぜひ、思い浮かべてもらえたら嬉しいです。これだけの作品に成長させてくださったことを、心より感謝申し上げたいです」と堂本が伝え、1時間超のカーテンコールは終了となった。共演者たちに胴上げされる堂本光一カーテンコールの幕が下りたあと、鳴りやまぬ拍手にこたえキャストたちが再度登場。共演者たちが堂本を讃えるように胴上げをした。「『SHOCK』がこれだけ愛されるものになるとは自分も想像していませんでした。自分にとってはエンターテインメントはとても大事なもの。人の命を救うこともある、と言われたことも。それをしっかり受け止めて、これからも発信させていきたい。これからも僕を支えてくれたら」と堂本。24年続いた『SHOCK』は堂本の清々しい笑顔とともにピリオドを打ったが、寂しさだけでなく、幸せな温かさと、「この先」への期待も残していった。「永遠」であってほしい堂本光一囲み取材レポート公演終了後、堂本による囲み取材も行われた。以下、その一問一答。――改めて今の気持ちは。少し泣きましたか?いや! 全然泣いてないです。お芝居で涙を流すというのはありましたが。泣いてほしかったですか(笑)? それよりも本当にやり切った気持ち。背負ったものを下ろせるのかなと思ったのですが……。「ああ、下ろせた」と思ったんですよ。思ったのですが、余計にもっと重たいものがのしかかったような気もします。――それは何ですか?わからない(笑)。客席を見ていても、ありがたいことに僕が作るエンターテインメントをみんなが欲してくださっているような空気を感じました。共演者の方からもそんな空気があったので。荷を下ろそうとしたら余計のしかかってきたなって。――“光一さんの動向”とおっしゃっていましたね。でも『SHOCK』は幕を下ろしましたが、自分は舞台に立つことをやめるわけでもないし、いつも通り活動していきますので。――新しい作品の構想は。まだそこまでには至っていないです。――『SHOCK』の後継者は……。現れないですかね……。僕も『SHOCK』を見たい! それは夢でもあります。自分で積み上げて作ってきたものを、自分じゃないにしても表から見るっていうのは夢です。そうなるといいなと思いますけど。――ただ、光一さん以上のフライングをする人はいないのでは。まあ、現れないでしょうね(笑)。冗談です。記録にしても何にしても、破られるためにある。僕としても破ってほしい。でも世の中には素敵なエンターテインメントがたくさんあるので、『SHOCK』を観て、ミュージカルというエンタメに興味を持ったという方も中にはいらっしゃるでしょうし、そういう方がいるというのは自分としてはとても嬉しい。自分も色々なことにチャレンジしていきたいし、お客さまがあれだけ幸せな顔をしてくれるエンタメは、舞台以外にないんじゃないかな。そう思えるくらい素敵な空間なんです。それを今後も続けていけたらなという思いはあります。――『SHOCK』の専用劇場を作りたいという言葉もありましたが。アハハ(笑)! わからないですけど。帝劇が改装に入っていなかったら、多分来年もやっていた……やらせていただきたいと思っていたはず。でも帝劇が休館すると聞いた数年前から、自分の中では「だったら2024年がラストになるな」と思っていました。だから突然決めたわけじゃないですし、色々な思いを積み上げた中で今があるので、本当に「やり遂げた」という気持ちです。専用劇場があったらねー……。1日2回公演がなければ毎日でもできるのですが(笑)。――『SHOCK』のセリフの中で好きなものを教えてください。『-Eternal-』の方にあるセリフですが、実は本編の方もその思いは大事で、ずっと宿っているようなセリフがある。それは「思い続ければ、いつでもそこにいる」。これは色んな場面に当てはめることができると思うんです。いなくなってしまった人を思うこともあるだろうし、こういう舞台にも言える。舞台って儚いもので、生で観たものは自分の思いとして記憶させておかなければいけない。でもその“思い”が人を強くするのだとも思います。「Show must go on」などショービジネスの世界で大事な台詞もありますが、実はそこよりもこの「思い続ければ、いつでもそこにいる」、そういうものを常に大事にしてきました。その“思い”がないと、舞台は成り立たない。共演者、スタッフ、思いの繋がりなんですよね。そしてお客さまがたくさんの思いを客席からステージに届けてくれる。思いの集合体が舞台の世界。これは人生にも当てはめることができるのかなと思っています。――24年間で印象に残っているシーンは。ありすぎちゃって……。自分は『SHOCK』ですべてを経験させていただいたと思っているんです。僕は今45歳ですが、これから先、『SHOCK』で経験した以上にもっと刺激的なことや多くのことが人生で起こるのだろうかと考えると、多分ないと思うんです。……あるかもしれないけど(笑)。あってはならない事故もありました。天災もあったし、地震もあった。コロナ禍もあった。色々なことが『SHOCK』の期間中にあった。その都度、エンターテインメントを届けるためにはどうしたらいいのかと考えてきました。逆にこれ以上のことはもう起こってくれるな、と思います。だけど、ここで学んだことは今後の人生で絶対に生きてくる。誇らしげにいうのもおかしいことかもしれませんが、自分の体調や都合で一度もストップさせなかったんですよ。怪我やしんどいこともたくさんありました。今の時代では幕を開けないことがあるのも当然(という意識に変化してきている)だし、今だったら止められちゃうようなこともありましたが、強行突破でもやれたことが、自分は幸せでした。すべてを経験させていただきました。――最後に、光一さんにとって『SHOCK』とは。いや、難しいな……。『SHOCK』は……今後にも期待を込めて「永遠」であってほしいです。永遠にさせなきゃな。自分も努力しなきゃいけないと思いますが、自分が立つ・立たないにしても、これからも永遠にこの思いは持ちながら生き続けることになると思います。取材・文・撮影:平野祥恵<公演情報>『Endless SHOCK』作・構成・演出・主演:堂本光一【東京4・5月公演】※『Endless SHOCK』『Endless SHOCK Eternal』同時上演2024年4月11日(木)~5月31日(金) ※公演終了会場:帝国劇場出演:佐藤勝利越岡裕貴、松崎祐介、高田翔、寺西拓人、松尾龍、尾崎龍星、石川直、中村麗乃前田美波里・島田歌穂(Wキャスト)【大阪公演】2024年7月26日(金)〜8月18日(日) ※公演終了会場:梅田芸術劇場メインホール出演:中山優馬林翔太、室龍太、高田翔、原嘉孝、松尾龍、尾崎龍星、綺咲愛里島田歌穂【福岡公演】2024年9月1日(日)~9月29日(日) ※公演終了会場:博多座出演:佐藤勝利福田悠太、辰巳雄大、室龍太、高田翔、松尾龍、尾崎龍星、綺咲愛里前田美波里【東京11月公演】2024年11月8日(金)~11月29日(金)※公演終了会場:帝国劇場出演:上田竜也福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介、松尾龍、松浦銀志、石川直、綺咲愛里・中村麗乃(Wキャスト)前田美波里
2024年12月02日歌舞伎の公演を撮影、映画館のスクリーンで楽しむことのできる〈シネマ歌舞伎〉に、森鷗外原作の、心に染みる名舞台が登場する。片岡仁左衛門、坂東玉三郎ほか豪華キャストで平成22年(2010年)に上演された『ぢいさんばあさん』だ。物語の舞台は江戸。おしどり夫婦として知られる美濃部伊織とその妻るんは、子どもも生まれ幸せに暮らしていたが、怪我を負った義弟の久右衛門に代わり、伊織が京都に勤めに出ることに。勤めは1年、翌春には江戸に帰ってくるはずだった伊織はしかし、ささいな言い合いから同輩の下嶋甚右衛門を斬ってしまい、越前にお預けの身となってしまう。月日は流れ37年後、罪を許された伊織が懐かしい我が家へ帰ってくる……。伊織とるんの夫婦を演じるのは、昭和、平成、そして令和の今もなお、歌舞伎界随一のゴールデンコンビとして不動の人気を誇る仁左衛門と玉三郎。姿かたちの良さはいわずもがな、何といってもふたりの息の合いっぷりは感心するばかり。若夫婦時代のイチャイチャぶりは「一体、我々は何を見せられているのだ……?」と思ってしまうほど(もちろん、そこがいいのだが)。そして白髪の老人となった37年後の、若夫婦時代とはひと味違う品のある可愛らしさも最高なのである。伊織が江戸に帰れなくなる原因を作る下嶋甚右衛門は十八世中村勘三郎。執拗に伊織を挑発する厭らしさを、芝居巧者の勘三郎がねっとりと演じている。久右衛門役の中村鴈治郎(当時 翫雀)、その息子夫妻を演じる中村芝翫(当時橋之助)と片岡孝太郎も爽やかで、作品に通底する清らかな心根をしっかりと伝えてくれる。脚本は昭和の黙阿弥と呼ばれた宇野信夫。鴎外の原作では1行で簡潔に表現されていた伊織とるんの再会を一場面として膨らませ、歌舞伎作品として深みのあるものに作り上げた。庭の桜の樹の変化や、手紙に添えた桜の花びらなど、情感溢れる描写も美しい。そして新歌舞伎ならではのリアリティある俳優たちの芝居は、表情のアップも捉える映像作品との相性がいい。歳月が流れても変わらぬ夫婦の情愛の深さと、それでも“失われてしまった37年”を思うやるせなさと――。溢れ出る思いをぐっとこらえるような仁左衛門と玉三郎の繊細な演技は、涙なしには観られない。名コンビが見せる、時を超えた究極のラブストーリー。ぜひ映画館の大画面でじっくり味わってほしい。文:平野祥恵<公演情報>シネマ歌舞伎『ぢいさんばあさん』シネマ歌舞伎『ぢいさんばあさん』本予告上映期間:2025年1月3日(金)~2025年1月23日(木) 全国の映画館にて上映ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント★シネマ歌舞伎『ぢいさんばあさん』の東劇(東京・築地)招待券を【よくばり❣ぴあニスト】限定で5組10名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!
2024年12月02日ハク。が、ニュー・デジタル・シングル「あいっ!」を12月2日(月) 8時にリリース。併せて、ニュー・デジタルE.P.『Catch』が、2025年1月8日(水) にリリースされることも決定した。シングル「あいっ!」は、テレビ東京系列にて毎週月曜から金曜7時30分より放送中の番組『シナぷしゅ』12月のつきうたのために書き下ろした楽曲で、心地よい言葉のリズムとサビに向けて浮遊感を増していくサウンドが特徴的なハク。の新境地とも言えるナンバーだ。E.P.『Catch』は、重厚感と疾走感を兼ね備え、国内外のリスナーから高い評価を獲得した「dedede」、一癖も二癖もあるサウンドアレンジと歌詞を兼ね備えたハク。流のパワーポップソング「頭の中の宇宙」と「あいっ!」に加えて、新曲「奥二重で見る」の4曲を収録。「奥二重で見る」は、見てきた様々な現実やたくさんの流した涙、その現実を受け止めて見据える未来。 奥二重の瞳から始まるストーリーを、心地よいギターとシンセの音色に乗せたハク。ならではのポップソングとなっている。さらに、EP『Catch』のリリースを記念したリリースワンマンツアーが東名阪にて開催されることが決定した。本日より、チケット先行受付がスタート。<配信情報>デジタル・シングル「あいっ!」※テレビ東京系『シナぷしゅ』12月のつきうた2024年12月2日(月) 8:00 配信リリースデジタルE.P.『Catch』2025年1月8日(水) 配信リリース【収録曲】1. 奥二重で見る2. dedede3. 頭の中の宇宙4. あいっ!予約リンク:<ツアー情報>2nd E.P.『Catch』Release Tour■2025年3月29日(土) 大阪・梅田Shangri-LaOPEN 17:30 / START 18:004月6日(日) 愛知・名古屋HeartLandOPEN 17:30 / START 18:004月13日(日) 東京・代官山Space OddOPEN 17:30 / START 18:00【チケット】価格:3,500円(ドリンク代別)■第1次オフィシャル先行(抽選)受付期間:12月1日(月) 20:00~8日(日) 23:59Official HP:
2024年12月01日ユニクロでは、この秋冬シーズンに向けてぞくぞく新作をリリースしています。今年2024年はどんな商品が登場しているのでしょうか。また雨の日にも役立つ撥水加工付きの機能性アイテムもあわせて、ユニクロの広報担当者にピックアップいただきました。ぜひ今の時期ならでのラインアップをチェックして!ユニクロの秋におすすめのアイテム9選1.雨風に対応! カジュアルなハーフコート「ブロックテックハーフコート」7,990円(税込)広報担当者(以下、担当者)「小雨程度の水をはじく撥水加工付きで、風を防ぐ防風性・ムレを排出する透湿性にすぐれたオリジナル素材を使用したハーフコート。日常使いしやすいカジュアルなナイロンの表面感に加えてフード付きなので、コーディネートを簡単にカジュアルダウンできるのが魅力です」2.この秋冬大活躍! 万能アウター担当者「中が空洞になった極細繊維が空気をまとい、軽くて暖かさを実現するポケッタブルのアウター。持ち運び可能なだけでなく、自宅で手洗いできるのでお手入れも簡単。さまざまなシーンで役立つ万能アウターです」3.極暖ヒートテックの新商品!「極暖ヒートテックカシミヤブレンドクルーネックT」1,990円(税込)担当者「極暖の暖かさを持ちながら、軽くて薄く透け感があるので、これからのレイヤードにぴったりの新商品。カシミヤを9%配合し、極上のなめらかさとふんわり感を実現しているところもポイントです」4.上品なカシミヤセーター「カシミヤタートルネックセーター」9,990円(税込)担当者「ニットカテゴリーの中で最も上質なカシミヤ素材を100%使用した、タートルネックのカシミヤセーターです。32色の豊富なカラーバリエーションも特長です。カシミヤ素材ながら、家庭での手洗いが可能で、製品ごとにアンチピリング加工を施しているため、ソフトでなめらかな着心地が持続します」5.キュートな異素材ミックスワンピース担当者「肌ざわりも伸びも良いダブルニット素材のフィット感のあるトップスと、胸下からのフレアシルエットを作る、サテンのクレープ素材の異素材ミックスが可愛いワンピース。ウエストまわりのシルエットを美しく見せるティアードプリーツデザインで、スタイルアップも狙える、秋から冬にかけておすすめの新商品です」6.もちもちで心地良いスカート「3Dスフレヤーンスカート」3,990円(税込)担当者「新商品です。Vネックベストとセットアップで着るのがおすすめの、肌触りがもちもちで気持ち良いリブ編スカート。無縫製で立体的に編み上げる、特殊なホールガーメントR(※)製法を用いた3Dニットを使用しています。ウエストはゴムではなく、伸びのよい糸で編んでいるのですっきり見えて、はき心地が良いのがポイントです」※ホールガーメントRおよびWHOLEGARMENTは株式会社島精機製作所の登録商標です。7.ワイドシルエットが新鮮なチノパン「ワイドチノパンツ」3,990円(税込)担当者「チノパンツには珍しいワイドシルエットが可愛い新商品。履き心地なめらかで簡単にスタイルアップができます。中央のタックで足長効果が狙えるのがポイントです」8.ラウンドショルダーバッグ/キルト担当者「こちらも新商品です。あの大人気アイテム、ラウンドミニショルダーバッグが一回り大きくなった、秋冬にぴったりのキルトデザインバッグ。お客様の声をもとに開発した大きいサイズで、見た目以上の収納力がどんなシーンでも使いやすくおすすめです。撥水加工が付いているのも使いやすいポイントです」9.UVカット機能付きのおしゃれな晴雨兼用傘「UVカットコンパクトアンブレラ」1,990円(税込)担当者「紫外線を防ぐUVカット機能付きの晴雨兼用傘。風を受けてくるくると回ることで、傘がひっくり返らないのがポイントです。収納袋をストラップで留められるので紛失しにくい、うれしい機能付きです」どれもユニクロらしい洗練されつつシンプルなデザイン性が素敵なラインアップばかりでしたね。台風シーズンはもちろん、この秋冬に大活躍しそうなものばかり。ぜひ今のうちに手に入れて!取材協力=ユニクロ文=今村梓【UNIQLO】秋冬にめちゃ重宝♪ とにかく軽くてあったかい「きれいめパーカー」を元店員がレビュー!()【ユニクロC秋冬新作】これで5000円以下ってずるい!男女兼用「高見えスニーカー」で3km歩いてみた()【PEANUTS】スヌーピーたちと一緒にぬくぬく♪「最新あったかインテリア&ファッションアイテム」集()
2024年12月01日ディズニーデザインのファッションで寒い冬を暖かく過ごせるグッズが登場。ディズニーストアで発売中の、キッズ用あったかアイテムをご紹介します。ミニーになりきり帽子付きマフラーミニーのフェイスがデザインされた、キッズ用帽子付きマフラーが登場。ピンクでミニーの耳やマフラー部分を表現した、とってもキュートなカラーリング。トレードマークのリボンは、ドリーミーなグラデーションカラーです。頭から首まで覆える帽子付きマフラーは、寒い冬に大活躍。マフラー端を輪になった部分に差し込んで着用します。ふわふわフェイスのポシェットポシェット 2,400円(C)Disneyマフラーやブランケットとのコーデを合わせられるポシェットも登場。ミニーのお顔を立体的に表現しています。ふわふわで、つい触りたくなる素材感。内生地はミニーらしいドット柄です。※ 記載価格はすべて税込みです。※ 品切れの際はご了承ください。※ 商品のデザイン、価格、発売日、販売店舗、仕様は変更になる場合がございます。寒い冬…これ買お!ベルメゾンのディズニーデザイン「超優秀あったか&なめらか毛布」が最高だった♪【実物レビュー】()【イオン限定】これ欲しい!「ディズニー添い寝まくら」が可愛すぎ&神コスパ♪【ブラックフライデー】()【ディズニー】寒い冬…えっこれ欲しい!「着るブランケット」があったか&激かわで最高じゃん!()
2024年12月01日