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BLACKPINKが本日12月4日から、東京ドームで「BLACKPINK 2019-2020 WORLD TOUR IN YOUR AREA in JAPAN」をスタートさせる。今年は北米ツアをー成功させ、日本でも10月にニューアルバム『KILL THIS LOVE -JP Ver.-』を発売するなど、世界的な活躍を見せるBLACKPINK。インスタグラムにおけるメンバー4名のフォロワーの総和は約9000万人にもおよぶ。「BLACKPINK 2019-2020 WORLD TOUR IN YOUR AREA in JAPAN」は今年1月にスタートしたワールドツアー。4大陸(アジア、北米、ヨーロッパ、オセアニア)をめぐった公演がいよいよ日本にやってくる。今回は2度目の日本ツアーにして初の3大ドーム公演となり、合計20万5000人が来場する予定だ。今夜のステージは来年2月まで続く日程の華々しいスタートとなるだろう。世界を騒がせるアジアのスーパーグループをぜひ目撃してほしい。■公演情報「BLACKPINK 2019-2020 WORLD TOUR IN YOUR AREA in JAPAN」2019年12月4日(水)会場:東京ドーム開演:18:002020年1月4日(土)会場:京セラドーム大阪開演:17:002020年1月5日(日)会場:京セラドーム大阪開演:15:002020年2月22日(土)会場:福岡ヤフオク!ドーム開演:17:00
2019年12月04日『天気の子』『プロメア』『若おかみは小学生!』が、アニー賞にノミネートされた。いずれも、インディーズ長編映画部門。この部門には、ほかにNetflixの『失くした体』、スペインの『Brunel in the Labyrinth of the Turtles(日本未公開)』が候補入りしている。これとは別の長編映画部門には、『アナと雪の女王2』『トイ・ストーリー4』『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』『Missing Link(日本未公開)』、Netflixの『クロース』がノミネートされた。Netflixが長編映画部門に食い込んだのは、初めてのことだ。『天気の子』は、監督、脚本、特殊効果部門にもノミネートされている。昨年、長編映画部門を受賞作したのは、『スパイダーマン:スパイダーバース』。今作はオスカーでも長編アニメ部門を受賞している。授賞式は来年1月25日。文=猿渡由紀『天気の子』公開中
2019年12月03日ベルリンのコンツェルトハウスを拠点に活動を展開するベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ。この腕利き集団を率いるのが日本の名手、日下紗矢子であることがなんとも誇らしい。超難関として知られる「パガニーニコンクール」2位(2000年)の実績を引っさげて、天下の名門ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の第1コンサートマスターに就任したのが2008年。2013年には読売日本交響楽団コンサートマスターに就任するなど、近年の活躍ぶりには眼を見張るものがある。その日下紗矢子が、2009年に新設されたベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラを引き連れて、リーダーとして凱旋するとなればこれは気になる。日本各地で開催されるコンサートには、ヴィヴァルディやパッヘルベルなど、バロック時代の巨匠の作品にあわせて、グリーグ&シベリウスの北欧メロディが楽しめるのも嬉しい限り。弦楽アンサンブルが最も引き立つ瞬間がここにある。●公演概要・12月06日(金)青葉区民文化センターフィリアホール・12月08日(日)宗像ユリックスハーモニーホール・12月09日(月)東京文化会館小ホール・12月14日(土)兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール●ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ Konzerthaus Kammerorchester Berlin『ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ』の母体であるベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団/Konzerthausorchester Berlin(旧称ベルリン交響楽団/Berliner Sinfonie-Orchester)は、楽都ベルリンのコンツェルトハウス(旧シャウシュピールハウス)を本拠地に1952年設立の旧東ドイツを代表する伝統ある名門オーケストラ。1960~1977年の間は名匠クルト・ザンデルリンクが首席指揮者を務めた。近年では2017年春にエリアフ・インバル指揮で来日。2008年にヴァイオリンの日下紗矢子が日本人初の第1コンサートマスターに就任、短期間のうちに団員の厚い信頼と支持を得て、翌2009年に日下紗矢子をリーダーとして『ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ』が結成された。ベルリンでの旗揚げ公演は大成功を収め、以降も常に意欲的なプログラムを取り上げながら着実にその評価を高め、チェロの巨匠ミッシャ・マイスキーとの共演、ヴァイオリン奏者ダニエル・ホープとのドイツ・グラモフォンでのCD録音(2013年独エコー賞受賞)など急速に活動の場を広げている。現在本拠地コンツェルトハウスで年3~4回の定期演奏会を行うほか国内外への招聘も相次いでおり、2012年からはベルリンのb-sharpよりCDが続々リリースされている(2015年「バルトーク&ピアソラ集」は『レコード芸術誌《特選盤》』に選出)。2013年初来日、精緻かつ躍動感あふれるアンサンブルと美しい響きで絶賛を博した。2015年の来日公演ではNHKが収録し、BS「クラシック倶楽部」、FM「ベスト オブ クラシック」、Eテレ「クラシック・ハイライト2015」、同「クラシック音楽館」等でオンエアされた。2017年9月、3度目の日本ツアーで全国6公演を行い成功を収めた。結成10周年となる2019年12月には2年ぶり4度目となる日本ツアーを行う。●日下紗矢子 Sayako Kusaka, concertmaster & violin solo(C)Kiyoaki Sasaharaベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団第1コンサートマスター。兵庫県出身。東京芸術大学を首席で卒業。米・南メソディスト大学大学院およびフライブルク音楽大学留学。2000年パガニーニ国際コンクール第2位。日本音楽コンクール第1位。シベリウス国際コンクール第3位。2002年ロドルフォ・リピツァー国際コンクール第1位、併せてバッハ賞、モーツァルト賞、現代曲賞など7つの副賞を受賞。2009年第19回出光音楽賞、2013年ミュージックペンクラブ・ベストニューアーティスト賞ほか受賞歴多数。ソリストとして国内外のオーケストラと多数共演。ロッケンハウス音楽祭をはじめ数々の音楽祭に出演。2008年ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団第1コンサートマスター就任。翌2009年に設立されたベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラのリーダーに抜擢される。2011年1月ベルリンの日本大使館で行われた「日独交流150周年」オープニング式典ではドイツ大統領出席のもと演奏を披露。2015年には、日本とドイツの文化交流に大きな貢献があったとしてベルリン駐在日本大使より「在外公館長表彰」が贈られた。CD「Sayako Kusaka Solo Violin」(HERB-011)リリース。2013年リリースの「Sayako Kusakaリターン・トゥ・バッハ」(COCQ-84998)は、平成25年度(第68回)文化庁芸術祭賞レコード部門「優秀賞」受賞。また「レコード芸術」誌上で「特選盤」に選出される。2014年から2019年まで東京・トッパンホール主催「日下紗矢子・ヴァイオリンの地平」シリーズ(全4回)に出演。2013年読売日本交響楽団コンサートマスター就任(2017年度より特別客演)、日独両オーケストラのコンサートマスターを兼務しながら、オーケストラ、室内楽、ソロと活発な活動を展開している。ベルリン在住。
2019年12月03日ダンサー、振付家として幅広く活躍する北尾亘。ソロワークはもちろん、近年では小劇場の注目カンパニーの振付を手掛けることも多い彼が主宰するダンスカンパニー、Baobabの最新公演『ジャングル・コンクリート・ジャングル』が12月5日(木)よりKAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオでスタートする。北尾に話を聞いた。実は今作の構想は、KAAT公演が決まった頃……2年近く前から温めていたものだという。「劇場によって、その時に作るもののイメージが変わっていくスタイルなんです。ダンスというもの自体が抽象的ですし、僕らの公演はステージ上に建て込みをするタイプでもない。劇場の中に流れる空気や、特性を想像しながら作品コンセプトを考えていくんですよ。KAATでの公演は初めてですが、僕自身が神奈川県出身ということもあり、馴染みを感じている場所で。海も近いし、少し自然に近づいていくような感覚がある場所なんですよね。ここだったらBaobabの真骨頂的なものと言いますか、大地のイメージ、あるいは土着的な身体……そういったものを遺憾なくやらせてもらえる空気があるのでは、と」近年のBaobabの作品は、社会的なテーマをはっきりと表したものが多かった。今作は旗揚げ当初の作品への“原点回帰”的なところも意識しつつ、タイトルが象徴するように自然と文明や環境問題、生命と自然の関わりなど、彼が今感じている社会問題は表現として盛り込まれていくという。劇場という空間でどうやってそれらを表現するか?彼が今考えているアプローチは、なんともユニーク。「今回は対面の客席に加え“方角”を大切にしてます。例えば、風水に則って動線を決めてみたり、東西南北で振りを分けてみたり。ずっとバレエで言う“8つの方向”(注・バレエにおける基本的な身体の向きのこと)ではない、別のものがないかと探してたんですよね。これ、ちょっと発見なのでは!?と思ってます(笑)」公演チラシには「いのちが、おどりたがっている。」という言葉が大きく打ち出されているが、今作の内容に関しては、近年彼が関わってきた演劇界の才能たちが大きく影響しているという。「“生命讃歌”と大きく言ってみたんですけれども、自分の作品性がそういう方向に向かっていくとはあまりイメージしていなかったんですよ。おそらくこれは、木ノ下歌舞伎の木ノ下裕一さんや杉原邦生さん、ロロの三浦直之さんや範宙遊泳の山本卓卓さん……彼らからの影響がかなりあると思います。特に昨年、まつもと市民芸術館で上演した木ノ下歌舞伎の『三番叟』、あれは大きかったですね。舞踊は祝祭であり、そして祈りでもある。もしかしたら、生贄的なものもあるのかもしれない。そういうことにもっとピュアに向かって行ってもいいのでは、そう思える勇気をもらえたんです」それぞれの現場で得た刺激を自分の中に蓄積し、変換して、ホームグラウンドであるBaobabで表現する。北尾が今考えていることを具現化するため、出演するダンサーはカンパニー史上最多の21人。北尾いわく「それぞれの身体の特性やシルエットにもこだわった」というダンサーは、体格はもちろん、プロフィールもバラバラ。特に年齢は上は40代、下はなんと小学校5年生(!)と、バラエティーに富んだメンバーが揃った。ここにもまた、北尾が抱える“ダンス”というものへの思いが込められている。「舞台作品としてのダンスというものが、お客さんとどう関わりを持てるのか。これが僕の中ではずっとテーマだったんです。これは多分演劇を経験しているのも強いんですけれども、どうしても非日常である“踊る”という行為は、舞台上と客席に境界線が生まれる感覚……美術作品をガラス越しに眺めるような、そういう関係性に近くなってしまう。でも僕はそれを、もう少しつなげて行きたいんですよ。旗揚げ当初からセリフを使ったりしていたのは、それもあると思います。コンテンポラリーダンスにも色々なスタイルがありますけど、僕たちの踊ってる肉体はもしかしたら観客の人に“自分と少し近いのでは?”と感じてもらえる可能性があるんじゃないか、と。そう感じてほしいからこその今回のキャストですし、ダンスをもっとポピュラーにしていく、そのための大事な一歩かなと思うんですよね」出演者たちとは、今年の6月頃からワークショップを重ねてきたという。「劇場から遠く離れた地で起きているかもしれない、人間でもない生き物の営み。そういうことまで僕たちは手を伸ばしたい」と語る北尾。舞台上に立ち上るのはきっと、そういったものまで濃密に感じられるような“いのち”の躍動だ。さまざまな刺激を得て、進化し続ける北尾亘の、Baobabの現在を目撃しようではないか。Baobab『ジャングル・コンクリート・ジャングル』は12月8日(日)まで。取材・文:川口有紀
2019年12月03日12月4日(水)にBlu-ray&DVDが発売される、映画『コンフィデンスマンJP ロマンス編』。この度、物語の重要なカギを握る役を担当する竹内結子と三浦春馬が、デートをしながら心の距離を縮めていくシーンを演じるメイキング映像が公開された。脚本家・古沢良太によるオリジナルTVドラマ『コンフィデンスマンJP』。“欲望”や“金”をテーマに、長澤まさみ演じるダー子、東出昌大演じるボクちゃん、そして小日向文世演じるリチャード、3人の信用詐欺師(=コンフィデンスマン)が、観光業界、不動産業界、医療業界、スポーツ界など、様々な業界の華やかな世界を舞台に、奇想天外な計画で、欲望にまみれた人間たちから大金をだまし取る、痛快エンタテインメント作品だ。今回の映画の舞台は香港。竹内が演じるのは、ダー子たちのターゲットとなる香港の女帝ラン・リウ。世界最高のダイヤを所有し、冷酷非情な性格から“氷姫”の異名を持つミステリアスな女性だ。そして、その香港マフィアの女帝が所有するダイヤを狙う天才恋愛詐欺師ジェシーを三浦が演じる。今回公開された映像は、豪華版Blu-ray、豪華版DVDに収録されるメイキング映像の一部。ジェシーが、『ローマの休日』のような素敵なデートをしながら、ラン・リウとの心の距離を縮めていくシーンの裏側だ。回想シーンのため、セリフは使われない撮影にも関わらず、大声で笑いあうなど、ふたりがアドリブの掛け合いを楽しんでいる様子が伝わってくる内容となっている。『コンフィデンスマンJP ロマンス編』12月4日(水)Blu-ray&DVD発売豪華版Blu-ray(2枚組:本編Blu-ray+特典DVD)価格:¥6,700(本体)+税豪華版DVD(2枚組:本編DVD+特典DVD)価格:¥5,800(本体)+税通常版Blu-ray(1枚組:本編Blu-ray)価格:¥4,700(本体)+税通常版DVD(1枚組:本編DVD)価格:¥3,800(本体)+税<セル豪華版特典情報>■映像特典・メイキング映像-撮影現場密着!爆笑&感涙必至!?の撮影舞台裏を大公開-・イベント集(子猫ちゃんの集い ドラマイッキ見編/ワールドプレミア/子猫ちゃんの集い ナニワプレミア!?編/公開初日舞台挨拶/大ヒット舞台挨拶/大ヒット記念 みんなで“いたのか!五十嵐”編)・インタビュー集-キャスト陣が語る撮影秘話-・コンフィデンスマンIG(全5話)■音声特典オーディオコメンタリー-小手伸也×田中亮監督が語る裏側-※生副音声上映会にて収録した音声のみのコメンタリーになります。■封入特典オリジナルポストカード3枚セット(ダー子/ボクちゃん/リチャード)
2019年12月03日ダイナミックな芝居づくりで観客を圧倒する劇団桟敷童子の新作『獣唄』が、本日12月3日より開幕する。桟敷童子の舞台の醍醐味を、言葉ひとつで言い切るのは難しい。視界全体をみっちりと埋め尽くす、壮大な舞台セットの上を、縦横無尽に動き回る役者たち。観る者の気持ちをむんずとつかみ、ぐるんぐるんと振り回す物語。感情全開でぶつかり合う熱演につられ、気づけば涙腺も全開になって、幕が下りると半ば呆然としながら、観客たちはふらふらと立ち上がる。根底に流れるのは、失われゆくものへの悔恨と人間の生命力だ。過ぎ去った、幸福だった時代を遠く眺めながら、登場人物たちは今日を生きる。流れる涙が頬を温める。その温もりで、明日を生きる。今年で20周年を迎える彼らのモットーは「劇場を訪れるすべての人々に見え、そしてすべての人々の心に存在すること」。抽象的なセリフや描写で、ふんわりと着地点をぼやかすようなことはしない。徹底的に劇空間にこだわり、一週間から半月ほどの時間を費やして、劇団員が舞台セットを作る。今回も、かつて倉庫だった大きなスタジオを、別世界へと作り変えた。“超悲劇”と銘打つ物語の舞台は昭和初期、戦争の影が忍びよる貧しき山村。高価な珍種の蘭の発見に、村人たちは望みを託す。唯一の蘭採取人である繁蔵には、絶縁状態にある3人の娘たちがいた。しかし長女が父と同じ道を選び、止まっていた父娘の時間が動きだす……。繁蔵を演じるのは、村井國夫。百戦錬磨の大ベテランが、襲い来る悲劇を打ち砕こうと立ち上がる父親像を演じる。せっかく演劇を観るのなら、劇世界に心身まるごと没頭したいあなたに贈りたい一本だ。東京・すみだパークスタジオ倉にて12月15日(日)まで。文:小川志津子
2019年12月03日今年の岸田國士戯曲賞を『山山』で受賞した松原俊太郎の最新作『メモリアル』が、文学座アトリエの会により上演。12月3日(火)に東京・信濃町の文学座アトリエで開幕する。松原は元々、小説家を志していたが、京都を拠点とする劇団・地点が上演したブレヒト作『ファッツァー』(2013年初演、三浦基演出)に衝撃を受け、戯曲も書き始めたという。2015年に初めて書き下ろした『みちゆき』で第15回AAF戯曲賞大賞を受賞し、その4年後に岸田戯曲賞受賞という、まさに今、熱い視線を浴びている若き俊英だ。劇団を持たず演出もせず、作家業のみに専念することから“純粋劇作家”とも呼ばれている。一方、地点で上演された松原作『忘れる日本人』(2017年初演)に衝撃を受けたというのは、俳優として多方面で活躍し、外部ではいくつか演出を手がけるも、これがホームグラウンドである文学座アトリエの会での演出デビューとなる今井朋彦だ。新たな価値観との出会いを果たした今井は、初めて松原戯曲に触れた時、「現代日本への痛烈な物言い」だと感じたという。さらに、物語からもキャラクターからも距離を置き、自由で自立したセリフの数々を見て「どうしたらこのセリフを発語できるのか。その発語に必要な身体はどのようなものか」という問いが頭をもたげたとも。今作『メモリアル』の登場人物は、花嫁、独身者、娘、入国者、取次者、相続人の6人と、ほかたくさん。それぞれの行く末を抱えた6人が、交叉点の真ん中で衝突する。川のように流れていた時間が中断し、人々の足は止まり、そもそも不穏だった空気はさらに不穏になり……。「地点の三浦基さんのように、戯曲を自身の確固たる世界観の中に引き込んで、咀嚼し再構築することは私にはできません」と今井。だが、「6人の俳優たちとの、松原戯曲をありのまま語る“動機”と“身体”を探る作業を通して、観客の皆さんと戯曲との橋渡し役を担えれば」。今井が松原戯曲に立ち向かい、紡ぐ舞台に、“これからの演劇”の誕生を期待したい。文:伊藤由紀子
2019年12月03日石崎ひゅーいが本日12月3日、東京・マイナビBLITZ赤坂で「石崎ひゅーい BANDTOUR2019『パッション』」の千秋楽を行う。9月の弾き語りツアー「あの夏の日の魔法」では初のピアノ演奏も披露するなど、たったひとりで観客を魅了した石崎ひゅーい。「石崎ひゅーい BANDTOUR2019『パッション』」は彼がバンド編成で東名阪をめぐるツアーだ。11月29日の愛知・名古屋CLUB QUATTROを皮切りに、12月1日の大阪・梅田CLUB QUATTROを経て今夜のファイナル公演を迎える。石崎本人もTwitterで「相変わらず超イカしてる」と語るバンドの演奏は見どころのひとつ。アグレッシブなパフォーマンスをぜひ現場で目撃してほしい。■公演情報「石崎ひゅーい BANDTOUR2019『パッション』」日時:12月3日開場18:00/開演19:00場所:マイナビBLITZ赤坂
2019年12月03日ゲスの極み乙女。が本日12月3日、東京国際フォーラム ホールAで「ONEMAN TOUR 2019 『変人大集合』」をスタートさせる。今年、結成7周年とメジャーデビュー5周年を迎えたゲスの極み乙女。。それぞれを記念したライブでもオーディエンスを盛り上げ、これからの活動にも期待が集まっている。「ONEMAN TOUR 2019 『変人大集合』」は東京と大阪・フェスティバルホールの2カ所を舞台に開催されるツアー。本日はボーカル&ギターの川谷絵音の誕生日ということで特別なサプライズもあるかもしれない。バンドにとって今年の集大成のステージとなる。それをぜひ現場で体感してほしい。■公演情報「東阪ONEMAN TOUR 2019『変人大集合』」12月3日(火)東京国際フォーラム ホールA12月20日(金)大阪フェスティバルホール開場18:00/開演19:00
2019年12月03日ブルー&スカイ、市川訓睦、中村たかしが結成したコントグループ「フロム・ニューヨーク」による舞台『こまかいのの貸し借り』が12月4日(水)から8日(日)まで、東京・下北沢のOFF・OFFシアターにて上演される。「猫ニャー」(1994-2000)、「演劇弁当猫ニャー」(2001-2004)の作・演出を経て、最近では大倉孝二とのユニット「ジョンソン&ジャクソン」での活動も印象的なブルー&スカイ。腹筋の奥の奥を微妙にくすぐり、観る者をきょとんとさせるナンセンスな笑いで、観客のみならず演じ手やクリエイターからも支持率が高い。彼が立ち上げたユニットのひとつである「フロム・ニューヨーク」は、「ニューヨークからやってきた」というテイの3人組。2014年に突如失踪したプロデューサーの「スティーブ氏」を探しに東京へ来たけれど、なかなか見つからないので、彼に気づいてもらうためにコントをやっているという設定だ。じゃあ頻繁に公演すればいいのにと思うが、ブルー&スカイのコメントによると「たまにしかやらない」のが彼らの肝であるらしい。とはいえ、その活動ぶりは貪欲である。2015年、OFF・OFFシアターでの第1回劇場公演以来、いまやコントの殿堂とも言うべき「渋谷コントセンター」の月例公演で揉まれ、昨年は初の演劇公演に挑戦。すっかりコント好きの間で名を馳せている。今回は、1年10カ月ぶりとなる新作公演。“こまかいのの貸し借り”がいかにして舞台上で繰り広げられるのか、られないのか。ふたを開けるまで定かではない。文:小川志津子
2019年12月03日ディズニー・アニメーション最新作『アナと雪の女王2』の大ヒット記念イベントが12月2日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われ、前作から続投する日本版ボイスキャストの松たか子(エルサ役)、神田沙也加(アナ役)が登壇した。“ありのままの自分”を受け入れたエルサと、明るいキャラクターが持ち前のアナは、王国の仲間たちと幸せに暮らしていたが、エルサだけが聞こえる“不思議な歌声”によって、姉妹は未知の世界へ導かれる。12月1日までに興収43億582万円、動員数338万人を突破し、動員数は前週の土日を上回った。公開10日目での興収40億円突破は『トイ・ストーリー4』を超えて、ディズニー、ピクサー全タイトルの中で最短記録となる。イベント当日、松と神田は都内の映画館で一緒に「初めて本作を観た」といい、「映像が美しいし、楽曲もパワフル。秋の風景は鮮やかだけど、どこか物悲しく、日本人の機微に通じるムードが漂っている。物語は完結ですが、姉妹はスタート地点に立ったばかり。ぜひ、皆さんの心の中で温かく見守っていただければ」(松)、「隣に松さんの存在を感じながら映画を観て……。それに今も松さんとご一緒なので、心強いです。アナも同じ気持ちだと思うし、より姉妹の絆が描かれている」(神田)と作品をアピールした。前作からの続投について、松は「うれしい反面、また、エルサに戻れるか漠然とした不安もあった」と明かし、本作のために書き下ろされた楽曲には「終始タフなナンバーが揃い、情熱を感じました。何、限界に挑戦しているんだって(笑)思うほど」と圧倒された様子。一方、神田は「前作から積み上げたアナ像を、生き生きと演じられたらいいなと。楽曲は大人っぽく、気持ちやセリフの延長線上で歌わせていただいた。前回とは違う感覚」と振り返った。映画の大ヒットには「何年か越しで楽しみにしてくださり、すでに何回も観てくださった方もいると聞き、素直にシンプルにうれしいですね。私たちの手を離れて、しっかりと皆さんが受け取ってくださった」(松)、「私にとって、アナとの出会いは大きなもの。今回も皆さんに愛してほしいという気持ちでアフレコに臨んだので、とにかく感謝です」(神田)と“姉妹”でファンに感謝を伝えていた。取材・文・写真:内田 涼『アナと雪の女王2』全国公開中
2019年12月02日「ぴあ」調査による2019年11月29日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、北条司の人気コミック『シティーハンター』をフランスで実写映画化した『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』が第1位になった。『シティーハンター』はアニメ版が1987年に放送開始。その後シリーズ化され劇場版が作られるなど何度も映像化されており、今年の2月には20年ぶりの新作長編アニメーションが公開になった。アニメ版はフランスでも放送されており、小学生の頃に観て熱狂的なファンになったという『世界の果てまでヒャッハー!』のフィリップ・ラショーが本作の監督と主演を務めた。なお、本作はフランスで動員168万人を突破する大ヒットを記録している。劇場には原作漫画やアニメシリーズのファンの姿も多く、出口調査では「漫画よりもキャラがしっかりしていてわかりやすい。かなり笑った」(50代)、「漫画やアニメへのオマージュがあって、製作陣の原作への愛がしっかり伝わってきた」(30代)、「アニメの再現度が高く、マンガチックな画もあって、その手があったか!と思った」(20代)、「アニメより過激! もちろんアニメにしかできないこともあるけれど、うまく実写化していて期待以上!」(50代)など大好評。アニメ世代ではないがネット配信で観て好きになったと話す人もおり、20代から60代までの観客から高い満足度を集めた。中には「最初は日本の漫画をフランスで実写化するのはどうなのかな? って思ってたが、違和感なく気軽に観られたし、漫画を知らない人でも楽しめると思う。もし続編があったら絶対に観たい!」(50代)、「正直、実写はどうなのかな・・・って思っていたけど、原作好きにはたまらない内容だった」(30代)と話す人も。なお本作は、山寺宏一、沢城みゆきら実力派声優陣が声を務めるデラックス吹替版で上映されており「ベテランの声優さんがどのように演じるのか興味があったので観にきた。決してがっかりさせない実写化なので、アニメファンの人たちも楽しめると思う」などの感想もあった。1位『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』92.8点2位『ファイティング・ファミリー』92.1点3位『幸福路のチー』87.7点4位『マリッジ・ストーリー』85.5点5位『ドクター・スリープ』82.8点6位『ドルフィン・マン~ジャック・マイヨール、蒼く深い海へ』82.7点7位『KIN/キン』82.2点8位『HUMAN LOST 人間失格』81.8点9位『読まれなかった小説』81.3点10位『THE INFORMER/三秒間の死角』79.8点(本ランキングは、11/29(金)に公開された新作映画10本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2019年12月02日11月30日、12月1日の全国映画動員ランキングは、『アナと雪の女王2』(全国383館)が公開2週目も首位を守った。公開4週目の『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』(全国118館)は先週4位から2位にランクアップ。公開2週目の『決算!忠臣蔵』(全国338館)は先週2位から3位に。公開4週目の『ターミネーター:ニュー・フェイト』(全国377館)は先週3位から4位になった。新作では、ホラー映画の金字塔『シャイニング』のその後を描いた『ドクター・スリープ』(全国330館)は初登場5位。北条司による人気コミック『シティーハンター』をフランスで実写映画化した『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』(全国102館)が初登場8位に入った。次週は『こおろぎ』『午前0時、キスしに来てよ』『ラスト・クリスマス』『リンドグレーン』『ルパン三世THE FIRST』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『アナと雪の女王2』2位『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』3位『決算!忠臣蔵』4位『ターミネーター:ニュー・フェイト』5位『ドクター・スリープ』6位『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』7位『ジョーカー』8位『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』9位『冴えない彼女の育てかた Fine』10位『マチネの終わりに』
2019年12月02日クラシック音楽界のオスカーとも呼ばれる英グラモフォン・アワードの「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞したピアニスト、ヴィキングル・オラフソンが来日公演を開催する。今回は、東京(紀尾井ホール)/名古屋(電気文化会館ザ・コンサートホール)/大阪(あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール)/北海道(札幌コンサートホールkitara小ホール)でのリサイタルと、すみだトリフォニーホール(東京)での「グレイト・ピアニスト・シリーズ」の計5公演に期待がかかる。リサイタルには、ラモー、ドビュッシー&ムソルグスキーが用意され、特にムソルグスキーの「展覧会の絵」におけるオラフソンのパフォーマンスは注目の的。単なるピアニストの枠を超えたステージパフォーマンスを体験できそうな予感がする。一方「グレイト・ピアニスト・シリーズ」では、新日本フィルハーモニー交響楽団との共演によるモーツァルトの「ピアノ協奏曲第24番」のほか、ヨハン・セバスチャン・バッハの「イタリア風アリアと変奏」他が披露される。さてさてグラモフォンアワード「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」の最新受賞者の実力やいかに!?●公演概要「ヴィキングル・オラフソンピアノ・リサイタル」・12月04日(水)紀尾井ホール・12月06日(金)電気文化会館ザ・コンサートホール・12月07日(土)あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール・12月13日(金)札幌コンサートホールKitara小ホール「ヴィキングル・オラフソン&新日本フィル/グレイト・ピアニスト・シリーズ」・12月11日(水)すみだトリフォニーホール大ホール●来日公演の詳細は、 ●来日に向けた本人からのコメント動画●ヴィキングル・オラフソン(ピアニスト)Photo: Gramophone・Askew Miller1984年アイスランド生まれ。2008年にジュリアード音楽院でロバート・マクドナルドのクラスを卒業。ジュリアード・オーケストラ、アイスランド交響楽団などと共演。オックスフォード大学とレイキャヴィーク大学で音楽のマスタークラスの指導者として迎えられるだけでなく、クラシック音楽に新しい扉を開くことを目的とした学生のためのアウトリーチ・リサイタルも開いている。5つのピアノ協奏曲を初演。彼はまた、音楽を広めるためにメディアに出演し、アイスランド放送のための約10本のテレビシリーズ「音楽エピソード」の制作も行った。2012年にはレイキャヴィク・ミッドサマー音楽祭を創設して芸術監督を務める。また、2015年からはスウェーデンのヴィンターフェスト音楽祭の芸術監督に就任した。アイスランド音楽賞、アメリカン・スカンジナビア社会文化賞、ジュリアード・バルトーク・コンクール賞、ロータリー財団文化賞など、多くの賞を受賞。庄司紗矢香やビョークらとも共演し、アイスランドに新風を吹き込む若き音楽家。彼は伝統的なコンサート・ピアニストであると同時に、ビョークやオーラヴル・アルナルズ等コンテンポラリー・コンポーザーたちともコラボレーションを行い新たな世界を切り拓いている。
2019年12月02日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの3作品!ぴあ編集部 坂口英明19/12/2(月)イラストレーション:高松啓二この週末に公開の作品は15本(ライブビューイングを除く)。全国のシネコンで拡大上映されるのが『ルパン三世 THE FIRST』『午前0時、キスしに来てよ』『ラスト・クリスマス』の3本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が12本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい3作品をご紹介します。『ラスト・クリスマス』これぞクリスマス・ロマンティック・コメディ!主人公ケイトはちょっとドジで愛嬌のあるクリスマスショップの女性店員。いつも小妖精の格好をして働いています。場所はロンドン。街全体がイルミネーションでキラキラ輝く季節。雪も少し降り。そこに謎めいたアジア系の青年トムが現れて。ワム!の『ラスト・クリスマス』が流れ……。もうすべてがそろっています。ワム!の、その大ヒット曲からインスパイアされたオリジナル・ストーリー。クリスマスに他界したジョージ・マイケルの歌は、未発表曲も含め、劇中ふんだんにちりばめられています。原案・脚本を担当したのはイギリスの大女優エマ・トンプソン。ケイトの母親役で出演もしています。そういえば、彼女は同じくロンドンを舞台にしたクリスマス映画『ラブ・アクチュアリー』にも出演していましたね。主演のケイト役はエミリア・クラーク、トム役には『クレイジー・リッチ!』のアジア系イケメン、ヘンリー・ゴールディングが扮しています。クリマスショップの、サンタとよばれるオーナー役はミシェル・ヨー(私は『グリーン・デスティニー』を思い出します)。彼女の大人の恋や、ケイトの家族の物語、トムがボランティアで手伝うホームレスのためのイベント、そして感動のラスト!映画館を後にするときは、あのメロディを口ずさみ、幸せな気持ちになっているはずです。『私のちいさなお葬式』心臓病で医者に余命わずかと宣告された73歳の女性が、誰にも迷惑をかけずに、ひとりでひっそりと自分のお葬式をやろうと決める、そんなロシアの「終活」映画。といってもシリアスなドラマではなく、どちらかというとクスリと笑える系のコメディです。小さな村の、ひとつしかない学校で長年教師を務め、いまは年金生活。夫に先立たれてひとり暮らし。都会に居る息子は成功していて忙しく、5年に一度顔をだす程度。自死をする覚悟で、生前にお葬式の準備をしてしまおうとするのですが、例えば、死亡診断書とか、本来なら亡くならないと出せません。でも村に住む大人はほとんど教え子。真面目な、でも優しいこの先生に頼まれるといやとはいえないのです。諸手続きを済ませ、棺桶を買い、葬式での食事を用意。あとは死ぬだけなのですが……。主演のエレーナを演じるマリーナ・ネヨーロワ、隣家に住む友人役のアリーサ・フレインドリフという、ロシアを代表する名女優ふたりが、ともに存在感のある演技で素晴らしいです。原題は「解凍した鯉」。登場する鯉の「名演技」も観ものです。驚いたのが劇中歌。日本ではザ・ピーナッツが歌った『恋のバカンス』のロシア語版が主人公の思い出の歌のように流れます。宮川泰が作曲した1963年のヒット曲ですが、ソ連でも大ヒットしたそうです。聡明で、どこかかわいらしいおばあちゃんの、愛すべきロシア映画です。首都圏は、12/6(金)からシネスイッチ銀座他で公開。中部は、12/14(土)から名古屋シネマテークで公開。関西は、12/6(金)からシネ・リーブル梅田で公開。『リンドグレーン』スウェーデンの作家、『長くつ下のピッピ』などの子供向け小説で世界的に知られるアストリッド・リンドグレーン。1907年に生まれ94歳で他界した彼女の、16歳から10年間、まさに「作家リンドグレーン」が誕生するまで、を描いています。彼女は、スウェーデン南部の小さな町ヴィンメルビー生まれ。教会の土地で農業を営む、大家族のなかで育ちました。身の回りのことを書いた作文が地元紙に掲載されたことがきっかけで、小さな新聞社で編集助手の仕事を得ます。ときには秘書、取材や原稿書きもする、楽しそうなハイティーン。ポスターなどメインビジュアルでは、この頃の彼女の生き生きとした姿が使われています。ところがこの後、年上の男性との不倫、シングルマザーになる、など、戦前の女性としては波乱万丈のストーリーが待っています。その中に、彼女がなぜ、世界の子供たちに愛読されたエバーグリーンの物語を作ることができたかという秘密への答えもあります。作家になってからのサクセスストーリーよりも、小説の愛読者にとって、興味のある内容かもしれません。同じ北欧、デンマークを代表する女性監督のひとり、ペアニレ・フィシャー・クリステンセン作品。岩波書店の本でおなじみのリンドグレーンの映画、東京の上映館は当然、岩波ホールです。首都圏は、12/7(土)から岩波ホールで公開。中部は、1/11(土)からセンチュリーシネマで公開。関西は、12/27(金)からシネ・リーブル梅田で公開。
2019年12月02日本日12月2日に初日を迎える東京・歌舞伎座の十二月大歌舞伎。昼の部ではトリプルキャストの『阿古屋』が話題だ。『壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)』のハイライト「阿古屋」は遊君阿古屋が恋人・景清の居所を知っていて隠しているかを確かめるため、尋問の場で琴・三味線・胡弓の3曲を弾かされるという場面。阿古屋を演じるということは、おのずと舞台の上で実際に3つの楽器を自在に操れなければならない。そのため「女方屈指の大役」と言われ、20年以上、坂東玉三郎だけがこの役を担ってきた。昨年玉三郎が若手の中村梅枝と中村児太郎に稽古をつけ、舞台にも上げてから一年。今回もBプロは梅枝と児太郎が8日ずつ阿古屋を勤める。Aプロは初日と千穐楽を含む9日間で、阿古屋は玉三郎。Aプロでは梅枝と児太郎は『村松風二人汐汲(むらのまつかぜににんしおくみ)』、Bプロでは玉三郎が『保名』を踊る。玉三郎が『保名』に出演するのは1993年の歌舞伎座以来、26年ぶりとなる。A・B共通の『たぬき』は市川中車主演。死んだと思ったが焼き場で息を吹き返した商家の婿養子・金兵衛は、家に帰らず妾と第二の人生を送ろうとするが、待っていたのは描いた青写真と違う未来。可笑しくもほろ苦い人情喜劇だ。夜の部の『本朝白雪姫譚話(ほんちょうしらゆきひめものがたり)』は、グリム童話『白雪姫』を翻案したもの。玉三郎が白雪姫で、鏡の精が梅枝、野分の前(継母)が児太郎という配役だ。2007年5月に歌舞伎座で行われた俳優祭でも『白雪姫』を上演しており、その時も玉三郎は白雪姫役で出演したことがあるが、今回は本格的な歌舞伎として作り直すという。夜の部もう1作品は、『神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)』。江戸時代に多分野で活躍した才人、平賀源内が「福内鬼外」のペンネームで描いた浄瑠璃の傑作で、渡し守頓兵衛の娘お舟の悲恋を描く。お舟を梅枝、お舟が一目惚れする義岑に坂東亀蔵、義岑の命を狙うお舟の父親・頓兵衛を尾上松緑が勤める。12月26日(木)まで。文:仲野マリ
2019年12月02日東京・国立劇場の12月歌舞伎公演が12月4日(水)に開幕する。演目は松本白鸚主演で骨太の義太夫狂言『近江源氏先陣館』より『盛綱陣屋』と、松本幸四郎主演の『蝙蝠の安さん』だ。『蝙蝠の安さん』は劇作家の木村錦花がチャップリンの代表作『街の灯』の主人公のキャラクターに、「お富さん」で有名な歌舞伎『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』に出てくるごろつき・蝙蝠の安五郎を当てはめて翻案した異色作。今年がチャップリン生誕130年で、12月25日がチャップリンの命日に当たることに因み、1931(昭和6)年の初演以来88年ぶりの上演が決まった。実は日本では、映画『街の灯』の公開より、そのパロディである本作の上演の方が先だったというから、歌舞伎ならではの進取の気性が窺われる。ボクシングは相撲に置き換わるが、トレードマークの山高帽とステッキは残り、遊び心も満載。今回の上演に際し、歌舞伎の台本を一度英語に翻訳してチャップリン家に読んでもらい許諾を得たとういう。毎週金曜日と12月24日(火)・25日(水)の夜は"Chaplin KABUKI NIGHT"と銘打ち、19時より『蝙蝠の安さん』のみを単独で上演。24日と25日の終演後には、チャップリンの命日に因み、記念イベントも開催する。もうひとつの演目『盛綱陣屋』の主人公は、NHK大河ドラマ『真田丸』でも話題になった真田信之・幸村兄弟とその家族たち。大坂の陣で豊臣方・徳川方に分かれて戦うことになった史実を題材にしている。時代背景を鎌倉時代に移し、真田兄弟を、源平合戦で活躍した佐々木盛綱・高綱(たかつな)兄弟に置き換えての物語だ。兄・盛綱の陣屋には、弟・高綱の一子・小四郎が人質として捕えられている。幼い小四郎を案じて高綱の戦意を挫くのが目的だが、盛綱は敵方ながら高綱の思うままに戦わせたいと考えていた。そこに高綱の死の知らせが入り、時政が高綱の首級を持って陣屋に到着。それは確かに弟の首なのか?首実検に臨む盛綱の前で、小四郎が思いもよらぬ行動に出る。敵味方に分かれた一族の悲劇を綴った骨太の義太夫狂言。クライマックスはセリフもなく義太夫の太棹の音と、盛綱らの表情だけで心情の揺らぎが描写される。白鸚が28年ぶりに盛綱を勤める。12月26日(木)まで。文:仲野マリ
2019年12月02日アニメ作品『劇場版シティーハンター 』が、ファンを中心に好評だったことが記憶に新しい2019年は、年が終わる前に、フランスで作られた実写版の『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』も公開されるという、まさに“シティーハンターイヤー”。となった。このフランス版、監督・主演は、コメディ映画『世界の果てまでヒャッハー!』のフィリップ・ラショーが務めている。驚かされるのは、TVアニメ版『シティーハンター』(フランスでは『ニッキー・ラルソン』というタイトルで知られる)を見て育ったというラショーのこだわりだ。ラショー自身が成りきる主人公・冴羽リョウ(ラーソン)をはじめ、相棒の香、牧村、海坊主、冴子などなど、原作漫画やアニメ版を知っていれば、登場しただけですぐに分かるキャスティングと演技は圧巻。さらに日本語の吹き替え版で上映される本作は、アニメ版で使われた劇中曲などがふんだんに使用されるため、まるでアニメ作品を見ているような錯覚を覚えてしまう。だが最大のこだわりは、ほぼ全編で展開されるギャグの嵐だ。身体に振りかけると、その香りを嗅いだ人物に恋愛感情を芽生えさせてしまうという、奇想天外な香水をめぐって、あちこちで恋に落ちる人が続出。大混乱が起きる様子が、まるで漫画のように荒唐無稽なユーモアをもって描かれていく。原作者の北条司は、『シティーハンター』の映画化を打診されることが何度もあったというが、シリアスな企画が多く、原作と隔たりがあると感じていたらしい。ラショーの企画は、提示された内容がコメディに寄っているところが気に入ったということ。原作者も認めるように、フランス実写版は、原作への理解が深い娯楽作となっている。『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』公開中
2019年12月01日スタンリー・キューブリック監督による傑作『シャイニング』の新たな恐怖を描いた『ドクター・スリープ』が現在公開中。少年だったダニーが本作では主人公となり、40年の時を経て、再び恐怖に巻き込まれてしまう様が描かれる。ホラー界の帝王スティーヴン・キングが、2013年に発表した小説を基に映画化された本作。40年前に雪山で狂った父親に殺されかけたダニーは、現在もトラウマを抱えながら生き、人を避けるかのように孤独に暮らしていた。そんな彼の周りで、児童ばかりを狙った不可解な連続殺人事件が起きる。ある日、ダニーの前に謎の少女が現れるのだが、彼女は特別な力でその事件を目撃してしまったのだという。やがてふたりは事件の謎を追う中で、あの惨劇が起きた、『シャイニング』のホテルに辿り着くことに。亡霊たちが巣食い、人を狂わせる呪われたホテルで起きる新たな恐怖とは一体……。『シャイニング』での惨劇から40年。本作で40年の時を経た主人公・ダニーを演じるのは、『プーと大人になった僕』『美女と野獣』『T2 トレインスポッティング』などのユアン・マクレガーだ。幼い頃に壮絶な過去を体験したダニーを、硬軟自在な俳優であるマクレガーがシリアスに演じている。その他のキャストには、『メン・イン・ブラック:インターナショナル』『グレイテスト・ショーマン』などのレベッカ・ファーガソン、期待の新人のカイリー・カランが謎の少女アブラという大役を務める。メガホンを取ったのは、Netflixで配信されたキング原作映画『ジェラルドのゲーム』も記憶に新しいマイク・フラナガン。彼の恐怖演出、そしてスペクタキュラーなシーンの数々から目が離せないこと必至だ。不気味な双子の姉妹や、大量の血が流れ出すエレベーターなど、『シャイニング』公開から39年の時を経てもなお語り継がれる名シーンの数々も登場。往年の映画ファンも思わず唸ってしまうに違いないだろう。あの“惨劇の恐怖”を、再び劇場で味わっていただきたい。『ドクター・スリープ』全国公開中
2019年12月01日著名デザイナーたちがデザインを生み出す過程にフォーカスした展覧会、『マル秘展めったに見られないデザイナー達の原画』が、21_21 DESIGN SIGHTにて2020年3月8日(日)まで開催されている。私たちが普段目にしているさまざまなプロダクト。建築物や乗り物などの大型のものから、家具や家電、文具、ロゴマークなど小型のものまで、完成品として世の中に流通している商品デザインは、どのように生み出されたのだろうか?同展は、そんな「秘められた部分」に光を当て、日本デザインコミッティーに所属する幅広いデザイナーたちがデザインの過程において生み出してきたスケッチ、図面、模型の数々を紹介する。日本デザインコミッティーは1953年に設立され、銀座の百貨店、松屋とともに優れたプロダクトの選定やデザイン展の開催を通して、日本のデザインに貢献してきた。各分野を代表するデザイナー、建築家、評論家が自主的に参加し、現在は40代から90代まで、26名で構成されている。メンバーは、±0や無印良品などのプロダクトデザインを手がける深澤直人をはじめ、五輪や万博などのプロジェクトにも携わるグラフィックデザイナーの原研哉、21_21 DESIGN SIGHTの館長でもあるグラフィックデザイナーの佐藤卓、高輪ゲートウェイ駅などを手掛ける建築家の隈研吾など、日本を代表するデザイナーたち。そのひとりであり、ソフトウェアからインタラクティブアートまで多岐にわたって活動する田川欣哉が同展のディレクターを務め、第一線で活躍するデザイナーたちの仕事の方法論や哲学、品質など、デザインの大切なエッセンスを惜しげもなく公開する。会期中には、特設ウェブサイトより日本デザインコミッティーのメンバーのインタビューがポッドキャストで公開されるほか、トークイベントも開催。多様なクリエイターたちの創作の秘密をこの機会に目撃してほしい。【開催情報】『マル秘展めったに見られないデザイナー達の原画』2020年3月8日(日)まで21_21 DESIGN SIGHTにて開催【関連リンク】 マル秘展めったに見られないデザイナー達の原画( /target=)会場風景(ロビー)「原画が生まれるところ」(映像:ドローイングアンドマニュアル)松本哲夫 展示風景田中俊行 展示風景北川原 温 展示風景隈研吾 展示風景新見 隆 展示風景
2019年12月01日「REDLINE ALL THE BEST 2019 ~10th Anniversary~」が本日12月1日、千葉・幕張メッセ国際展示場で行われる。「REDLINE」はジャパンミュージックシステム(JMS)が主催するライブイベント。第1回が開催されたのは2010年で、そこから何度も開催されてきた。オフィシャルサイトでは「運命を一夜で変えることはできないが、あなたが進む方向は、一夜で変えられる」という言葉が掲げられている。本日はイベントの立ち上げから10周年を記念し、過去最大規模となる幕張メッセ国際展示場9-11ホールが舞台。REDLINE STAGE/BEGINNING STAGE/BODY STAGE/SOUL STAGE/RIOT STAGEの5ステージで23組のアーティストがパフォーマンスを繰り広げる予定だ。出演するのはMAN WITH A MISSION、My Hair is Badをはじめ、SiM、クリープハイプ、MY FIRST STORY、Nothing’s Carved In Stoneら。豪華な面々による貴重な公演となることは間違いない。■公演情報「REDLINE ALL THE BEST 2019 ~10th Anniversary~」日時:12月1日(日)開場10:30/開演12:00会場:千葉県 幕張メッセ 国際展示場9-11ホール出演者:My Hair is Bad、クリープハイプ、ハルカミライ、SiM、SHANK、yonige、KOTORI、FOMARE、04 Limited Sazabys、HEY-SMITH、Nothing’s Carved In Stone、COUNTRY YARD、Crystal Lake、NAMBA69、NOISEMAKER、Northern19、SHADOWS、EGG BRAIN、FOR A REASON、tricot、MAN WITH A MISSION、MY FIRST STORY、ROTTENGRAFFTY
2019年12月01日富野由悠季監督の新作映画『劇場版 Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター』が公開されている。本作は壮大な物語を描く5部作の最初の作品で、富野監督は子どもたちに向けて本作を制作した。『Gのレコンギスタ』は2014年にテレビ放送された映像に、新作カットを追加し、再編集して5部作で描くもの。『行け!コア・ファイター』はフランスのパリで開催された『Japan Expo』や、PFF(ぴあ・フィルム・フェスティバル)、現在全国を巡回中の『富野由悠季の世界展』の会場などで先行上映され注目を集めてきたが、ついに2週間限定の一般上映をスタートした。本作の舞台は、宇宙世紀が終焉した後の時代。宇宙から地球にエネルギーをおくるキャピタル・タワーを護るキャピタル・ガードの候補生ベルリは、実習中に宇宙海賊を捕獲。捕まった少女アイーダと、高性能モビルスーツ“G‐セルフ”との出会いによって予想もしなかった冒険に出る。富野監督はこれまでも繰り返し本作を未来を生きる子どもたちのために制作したと語っており、先に述べた先行上映の会場には小学生の姿も多く見られた。柔軟な感性をもつ子どもたちは本作を観て何を想うのか? この作品に描かれている内容のどの部分に疑問を感じたり、反発するのか? 本シリーズがまいた種が数年後にどのよう実をむすぶのかも気になるところだ。なお、映画は2週間限定で上映をスタートしたが、早くも来年1月に全国14館でセカンドラン上映が決定。今回の上映エリアではない地域のスクリーンでも映画を楽しめる。『劇場版 Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター』11月29日(金)より2週間限定上映2020年1月から全国14館でセカンドラン
2019年11月30日FlowBackが本日11月30日、名古屋ダイアモンドホールで「FlowBack『LIVE TOUR 2019-2020 "Connect"』」の公演初日を行う。FlowBackはMASAHARU、TATSUKI、MARK、REIJI、JUDAIによる男性ダンスボーカルグループ。今年は2ndアルバム『do not hesitate』を発表し、先日は結成6周年ライブ「SHOUT IT!!! ~FlowBack 6th Anniversary~」を成功させたばかり。さらに12月にはミニアルバム『WINTER TRIP』のリリースが予定されている。「FlowBack『LIVE TOUR 2019-2020 "Connect"』」は様々なジャンルのアーティストと一緒にまわるジョイントツアー。すでにSPiCYSOLやRude-α、Bentham、さなりらの出演がアナウンスされていた。本日の公演のゲストはGhost like girlfriendとなる。FlowBackにとってはツアータイトル通り、新しい分野の表現と“つながる”夜となるだろう。■公演情報「FlowBack LIVE TOUR 2019-2020“Connect”」11月30日(土) 愛知:名古屋ダイアモンドホール出演:FlowBack、Ghost like girlfriend and more...開場16:15/開演17:0012月08日(日) 新潟:新潟NEXS出演:FlowBack and more...12月15日(日) 広島:クラブクアトロ出演:FlowBack、SPiCYSOL、Rude-α12月20日(金) 大阪:心斎橋BIGCAT出演:FlowBack and more...01月05日(日) 福岡:福岡BEAT STATION出演:FlowBack、Bentham、さなり01月12日(日) 北海道:札幌ペニーレーン24出演:FlowBack、SPiCYSOL、さなり01月18日(土) 宮城:仙台 Rensa出演:FlowBack、さなり and more..02月02日(日) 東京:昭和女子大学人見記念講堂出演:FlowBack、SPiCYSOL and more...
2019年11月30日京都の冬を彩る年中行事『吉例顔見世興行』が、本日11月30日に開幕。南座新開場一周年記念にふさわしい豪華な顔ぶれが出演する。昼の部は『信州川中島合戦』から『輝虎配膳(てるとらはいぜん)』、『戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)』、『祇園祭礼信仰記』から『金閣寺』、『仮名手本忠臣蔵』から『祇園一力茶屋の場』、夜の部は『堀川波の鼓』、『釣女』、『魚屋宗五郎』、『越後獅子』。昼夜いずれも4演目で名作揃い、義太夫狂言から舞踊まで、さまざまなジャンルの作品が楽しめる。昼の部の『輝虎配膳』は近松門左衛門作の時代物で、長尾輝虎(後の上杉謙信)に片岡愛之助、敵方武田に恩のある軍師・山本勘助の母・越路に愛之助の養父である片岡秀太郎。秀太郎は7月に“歌舞伎脇役”として重要無形文化財(人間国宝)の認定を受けた。顔見世出演は通算70回を迎える。『戻駕色相肩』は、常磐津の名作舞踊。今回は、中村梅玉の養子となった中村梅丸改め中村莟玉の披露を兼ねる。梅玉が浪花の次郎作(実は石川五右衛門)、中村時蔵が吾妻の与四郎(実は真柴久吉)、梅丸改め莟玉は禿(かむろ)に。『金閣寺』は松永大膳が中村鴈治郎、此下東吉(後に真柴久吉)は中村扇雀、雪姫を中村壱太郎、慶寿院尼に坂田藤十郎という配役。鴈治郎・扇雀は藤十郎の息子、壱太郎は鴈治郎の息子であり、親子孫三代総出演だ。初役となる壱太郎の雪姫に期待したい。『仮名手本忠臣蔵』七段目となる『祇園一力茶屋の場』。年の瀬に忠臣蔵、それも京都祇園の場面を南座で見るのは格別だ。片岡仁左衛門の大星由良之助、片岡孝太郎のお軽、片岡千之助の大星力弥で、こちらも親子孫三世代共演となる。夜の部最初の作品は、三大人妻不義物のひとつとされる近松門左衛門の『堀川波の鼓』。最愛の妻の一夜の過ちに、夫はどう始末をつけるのか。彦九郎を仁左衛門、妻お種を時蔵、宮地源右衛門を梅玉が演じる。続く『釣女』は狂言を基にした松羽目物で、ユーモアあふれる舞踊劇。愛之助の太郎冠者、鴈治郎の醜女、中村隼人の大名某、梅丸改め莟玉の上臈。『魚屋宗五郎』は河竹黙阿弥作で、江戸の下町風情漂う世話物だ。魚屋宗五郎を中村芝翫、女房おはまを中村雀右衛門が勤める。宗五郎が酔っ払う様子や周囲の慌てぶりが見どころ。最後は『越後獅子』。角兵衛獅子を隼人、橋之助、千之助、梅丸改め莟玉の若手4人で、年の瀬を賑やかに打ち出す。『當る子歳 吉例顔見世興行』〈東西合同大歌舞伎 南座新開場一周年記念〉は、南座で12月26日(木)まで。文:仲野マリ
2019年11月30日核戦争直後の世界を描いた名作『寿歌』で知られる劇作家・北村想とシス・カンパニーが、日本文学をリスペクトしたオリジナル戯曲を上演するシリーズ〈日本文学シアター〉。その第6弾となる『風博士』が、本日11月30日に東京・世田谷パブリックシアターで開幕する。2013年の第1弾・太宰治から、夏目漱石、長谷川伸、能『黒塚』、江戸川乱歩を取り上げてきた同シリーズ。この企画の面白さは、リスペクト対象をそのまま舞台化するのではなく、北村想の自由な、時には荒唐無稽な発想から新たな劇世界を創作するところにある。観客は、その作家や作品に知識がなくても、軽妙なユーモアに引き込まれ、美しい響きのセリフに心打たれる。そして、根底に人間の愚かさや哀しみが刻まれていることに胸を衝かれ、想像もしていなかった世界に導かれることから“大人のおとぎ話”とも称されている。今回のリスペクト対象は、無頼と呼ばれた作家・坂口安吾。彼が文壇に認められるきっかけになった短編小説『風博士』は、一陣の風となって姿を消した不思議な博士の謎が描かれるが、この作品に坂口の代表作『白痴』などのモチーフを織り込み、北村が風まかせにイメージを広げて書き下ろしたのが今回上演される『風博士』だ。舞台は、敗色濃厚となった戦時下の大陸。風を読むことができるという“フーさん”と呼ばれる男がいる。彼の周りには、風の如くそよそよと生きてきた人々が集まる。物語は、フーさんを中心に、ある時はミステリアスに、ユーモラスに、ノスタルジックに、彼らそれぞれの人生や秘密が交錯していく。主人公・フーさんこと風博士を演じるのは、シリーズ初登場となる中井貴一。今年は映画『記憶にございません!』でも話題になった名優が、今作でどんな世界観を創り上げるのか。同じくシリーズに初参加するのが、吉田羊と林遣都。映像での活躍はもちろん、舞台でも存在感を見せるふたりがさらなる魅力を発揮する。そして、その演技力が未知数の可能性を感じさせる趣里も出演。さらに段田安則、渡辺えり、松澤一之の豪華顔合わせに、内藤裕志、大久保祥太郎も加わる。演出は、シリーズ全作品を担ってきた寺十吾。そして音楽は坂本弘道。このふたりにより“まるでしゃべるがごとく歌い、歌うがごとくしゃべる”ように、歌が自然に盛り込まれた劇空間に仕上げられるという。坂口安吾テイストを匂わせながらも、まったく新しい『風博士』がどんな世界に連れ出してくれるのか、期待したい。12月28日(土)まで世田谷パブリックシアター、1月8日(水)から13日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。文:伊藤由紀子
2019年11月30日ポーラ ミュージアム アネックスでは、レディー・ガガの履く「ヒールレスシューズ」の作者としても知られるアーティスト、舘鼻則孝の展覧会『It’s always the others who die』が、12月22(日)まで開催されている。日本独特の伝統文化を現代的に表現するアーティスト、舘鼻則孝。花魁の履く下駄から着想を得た「ヒールレスシューズ」は、アメリカの歌姫レディー・ガガが着用したことから一躍脚光を浴びた彼の代表作だ。同展では「ヒールレスシューズ」の最新作から、職人の手仕事で 1 本 1 本、丁寧に仕上げられた矢を225本も用いて日本独自の死生観を表現した初公開作「アローズ」まで、全20点の新作を紹介。大学の卒業制作として発表されたヒールレスシューズから始まった舘鼻の10年間の活動の軌跡を辿ることができる。また、ポーラ銀座ビル1階ウィンドウにて、舘鼻によるディスプレイを展開。ギャラリー展示と合わせて舘鼻の世界観を目撃してほしい。【開催情報】『It’s always the others who die』12月22日(日)までポーラ ミュージアム アネックスにて開催【関連リンク】 ポーラ ミュージアム アネックス( )舘鼻則孝「Arrows」(部分)2019年(c)NORITAKA TATEHANA K.K. Courtesy of KOSAKU KANECHIKA舘鼻則孝「Baby Heel-less Shoes」 2019年(c)NORITAKA TATEHANA K.K. Courtesy of KOSAKU KANECHIKA舘鼻則孝「Embossed Painting」 2019年(c)NORITAKA TATEHANA K.K. Courtesy of KOSAKU KANECHIKA Photo by GION
2019年11月30日1991年から99年まで名門ネザーランド・ダンス・シアターに所属するなど、ヨーロッパで長らく活躍後、2007年に日本に拠点を移してからもダンサー・振付家として精力的に活動している中村恩恵。彼女が2017年、新国立劇場バレエ団のダンサーたちと首藤康之に振付けた『ベートーヴェン・ソナタ』が、本日11月30日(土)と12月1日(日)の2日間にわたって東京・新国立劇場 中劇場にて再演される。ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンという大作曲家の音楽と生き方にインスピレーションを得て創作され、「世界に発信できる高い水準」との高評価を得た作品だ。「ベートーヴェン」と「ルートヴィヒ」というふたつの役柄でひとりの人物を表す本作で、前者を演じるのが福岡雄大、後者が首藤。ふたりをはじめ、失恋相手ジュリエッタ役の米沢唯、恋人アントニエ役の小野絢子、甥カール役の井澤駿、その母ヨハンナ役の本島美和と、主要キャスト全員が初演からの続投となる。新国立劇場バレエ団と首藤康之が初めて共演することも話題を呼んだ初演から2年半、深みを増した舞台が期待できそうだ。文:町田麻子
2019年11月30日社会現象を巻き起こしてきた超大作シリーズの完結作、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が、12月20日(金)より公開される。この度、今回の作品に登場するキャラクターがそれぞれ大きく描き出されたキャラクターポスター、そして最新の予告編が公開された。1977年に『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が全米で公開されてから、今年で42年。永きに渡り紡がれてきた伝説の完結編であり、スカイウォーカー家の物語を描く最後の『スター・ウォーズ』が、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』だ。この度公開されたキャラクターポスターに登場するのは、シリーズを完結へと導く重要キャラクター13名。レイ、フィン、ポー、チューバッカ、R2-D2、 C-3PO、BB-8、新ドロイドD-O(ディオ)、ランド、そしてカイロ・レンら主要キャラクターが、銀河をバックに皆どこか神妙な面持ちで佇んでおり、“最後” を予感させている。そして予告編では、世代を超えた“光と闇”のフォースを巡る最終決戦を象徴する、新たなシーンが映し出されている。「恐怖に向き合え」というナレーションとともに、カイロ・レンが所有していた、朽ち果てたダース・ベイダーのマスクの前で佇むレイの姿。さらに、前作でカイロ・レン自ら破壊したマスクが赤い継ぎ目を携え修復され、青いライトセーバーを持ったレイと対峙する緊迫感溢れるシーンや、レイがフィンの待つミレニアム・ファルコン号へ飛び移ろうとするシーンも。ラストは、レイとカイロ・レンがライトセーバーを交え対決、レイの鬼気迫る表情で幕を閉じる。果たして、伝説を受け継ぐキャラクターたちは、いかなるエンディングを迎えるのか?『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』12月20日(金)より公開
2019年11月29日映画『アナと雪の女王』は、ディズニーの長い歴史の中で初めて、ふたりのヒロイン“エルサとアナ”が描かれた。そして続編『アナと雪の女王2』でもふたりが主人公を務める。しかし彼女たちの役割や関係は、変化の時を迎えようとしているようだ。.dcinemaWrap__link { margin-top: 16px; padding: 0 20px;}.dcinemaWrap__link__btn { width: 48%; display: inline-block; margin: 0px calc(1% - 1px); border: 1px solid rgb(0, 112, 192); border-radius: 5px; background-color: rgb(0, 112, 192); box-sizing: border-box;}.dcinemaWrap__link__btn.btn__grayOut { background-color: #777; border: 1px solid #777;}.dcinemaWrap__link__btn p { font-size: 1.4rem; background-color: rgb(0, 112, 192); padding: 6px 0; text-align: center; margin-top: 0;}.dcinemaWrap__link__btn.btn__grayOut p { background-color: #777;}.dcinemaWrap__link__btn p a { color: white !important; display: block; width:100%; height: 100%;}.md-gallery__thumbnail:first-child:nth-last-child(2):before, .md-gallery__thumbnail:first-child:nth-last-child(2) ~ .md-gallery__thumbnail:before {padding-top: 66%;}エルサとアナは姉妹じゃなかった?導入 ()第1回 ()第2回 ()第4回 ()第5回 ()第6回 ()
2019年11月29日