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佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)と橋本環奈のダブル主演で贈る、5月22日(金)より全国公開の映画『小説の神様』。この度、追加キャスト7名が一挙公開された。夢を見失い、自身の才能と現実のギャップに悩み、傷つきながらも挑戦していく登場人物の姿がダイレクトに心に響く物語として、あっという間にSNSや書店員から話題が広まり、1年間で7刷が決まるほどの人気を集める講談社タイガレーベルの『小説の神様』。著者の相沢沙呼は、最新作『medium 霊媒探偵城塚翡翠』で“このミステリーがすごい!2020年版”、“2020本格ミステリ・ベスト10”で、ともに第1位を受賞するという快挙を遂げたばかりの、今、最も注目の集まる気鋭の作家だ。本作で、中学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され、売り上げも振るわない。自分を見失い、思い悩む売れない高校生小説家の千谷一也を演じるのは佐藤。EXILE/FANTASTICSで活躍する一方で、俳優としても注目を集める存在だ。一方、同じクラスの人気者でドSな性格で、ヒット作を連発する高校生小説家・小余綾詩凪に橋本が扮する。そんなすべてが真逆のふたりに、編集者からミッションが下される。それはふたりでひとつの物語を共作し、大ベストセラーを生み出すことだ。ナイーブで売れない高校生小説家・一也と、ドSの売れっ子人気高校生小説家・詩凪と同じ文芸部に所属し、一也が小説家であることを知る数少ない友人であり、詩凪を文芸部に誘うなど、物語のキーマンでもある頼れる部長・九ノ里 正樹役に佐藤流司。彼はミュージカル『刀剣乱舞』シリーズの主演・加州清光を務める等、舞台で大人気を博し、映画『HiGH&LOW THE WORST』での好演も記憶に新しい俳優だ。一也の小説の大ファンで彼に憧れを抱きながら、小説づくりに情熱を燃やす後輩・成瀬秋乃役には、子役時代から数多くの映画・ドラマで活躍する柴田杏花。さらに、一也と詩凪ふたりの高校生小説家の才能を見込み、共作を持ちかける担当編集者・河埜役に山本未來が扮する。そのほか、一也のデビュー作の担当編集者・野中役に坂口涼太郎、一也の父親で小説家でもある千谷昌也役には片岡愛之助、一也を励まし温かく見守る母親・千谷優理子役を和久井映見が演じる。そして、一也の妹で、病気で入院中の千谷雛子役には、本作が長編映画初出演となるティーンに大人気のモデルの莉子が大抜擢。監督には、『HiGH&LOW』シリーズや、500本以上のMVを世に送り出した久保茂昭を迎え、繊細でドラマチックな物語に、これまでにないみずみずしくビビットな映像演出で挑む。友情を超えて近づくふたりの距離。苦悩、努力、そして挑戦し続けた先でふたりが共作し、生み出す物語の行方はいかに……。新たな青春映画の誕生の予感に、大いに期待感を煽られる。『小説の神様』5月22日(金)より全国公開
2020年01月17日山田孝之を主演に迎えた、重松清原作の実写映画『ステップ』が、4月3日(金)より全国公開される。この度、秦基博の主題歌とともに、山田演じるシングルファザーの葛藤と成長を映し出した予告編と、ポスタービジュアルが公開された。本作の主人公は、妻に先立たれてから1年、娘の美紀と再出発を決意した健一(山田)。彼は、思い通りにならない仕事と育児の両立に悩んでいる。健一や美紀を見守る登場人物には、國村隼、余貴美子、広末涼子、伊藤沙莉、川栄李奈などの俳優陣が結集し、物語を彩る。描かれるのは、働きながら子育てをするシングルファザーの健一と一人娘の美紀、彼らを取り巻く人々の10年間のドラマだ。この度公開された予告編は、健一が妻に先立たれてから1年の節目に、幼い美紀と再出発を図ろうと決意を新たにするところからスタートする。料理や洗濯、娘をお風呂に入れたり寝かしつけたりと、日々家事に育児に奮闘する健一。朝は満員電車に揺られながら出勤し、同僚に残業を引き受けてもらいながら、急いで保育園に預けた娘を迎えに行く。めまぐるしい日々を送りながら仕事と子育ての両立に葛藤し、「もうダメかもしれないな……」と弱音をこぼす、等身大の父親の姿が切り取られている。忙しい毎日を過ごしながらも、「ギブアップしたくないんですよ、男手一つの子育て」と語る健一を優しく見守るのは、豪華キャストが演じる周囲の人々。伊藤沙莉演じる保育士の“ケロ先生”は、美紀を抱き上げる健一を見て「お母さんもきっと、抱っこしたかったんだろうなって……」と目頭を熱くさせ、川栄李奈演じる亡き妻の面影を持つ行きつけのカフェ店員・舞は、「がんばってほしい」とまっすぐな笑顔を向ける。広末涼子演じる同僚の奈々恵は、「寂しさはゼロにできない、それを知っているから強がる」と優しく寄り添うも、一方で涙する様子も見られる。そんな俳優たちの演技を際立たせるのは、秦基博が書き下ろして歌う、主題歌『在る』。秦が「誰か“が”いたこと。誰か“と”いたこと。その人が、自分が、存在するということ。その意味を考えながら作った曲です」と想いを形にした楽曲だという。さらに、予告編とあわせて本作のポスタービジュアルも公開された。笑顔の美紀を優しく見守る健一という、ほほえましい2ショットと、“僕と娘の10年間、天国の君との10年間。”という、亡き妻への想いも込められたキャッチコピーが記されている。『ステップ』4月3日(金)より全国公開
2020年01月17日日本最古の歴史書『日本書紀』の編纂から1300年を記念し、特別展『出雲と大和』が東京国立博物館にて開幕。3月8日(日)まで開催されている。古代日本において、現在の島根県にあたる「出雲」は、出雲大社を中心に神々や祭祀の世界を司り、現在の奈良県にあたる「大和」は、朝廷を中心に政治の世界を司ってきた。同展は、そんな出雲と大和の名品約170件を一堂に集め、古代日本の成立やその特質に迫るもの。「古代史」と聞くと難しく構えてしまうかもしれないが、古代から伝わる宝物や出土品が丁寧な解説や映像とともに紹介されている会場に一方足を踏み入れれば、歴史に詳しくなくてもあっという間に古代世界に引き込まれていく。展示は「巨大本殿 出雲大社」「出雲古代祭祀の源流」「大和王権誕生の地」「仏と政」のテーマごとに分けられた全4章で構成。第1章「巨大本殿 出雲大社」では、出雲大社に古くから伝わる神宝を通してその歴史が紹介される。出雲大社の境内から出土した「新御柱(しんのみはしら)」「宇豆柱(うづばしら)」と呼ばれる巨大な柱材が初めて同時公開されるほか、古代出雲大社本殿の十分の一スケールの模型など貴重な資料が並び、高さ約48メートルもあったという古代出雲大社の威容をうかがい知ることができる。日本書記成立1300年特別展「出雲と大和」()
2020年01月17日『アメリカン・スナイパー』『ハドソン川の奇跡』『15時17分、パリ行き』など、近年、フィクション作品とともに、実話を基にした映画作品を多く手がけている、巨匠クリント・イーストウッド監督。今回の題材は、1996年にアメリカのアトランタで実際に起きた爆弾事件にまつわる出来事だ。警備員リチャード・ジュエルは、公園で不審なバッグを発見。その中にはパイプ爆弾が仕掛けられていた。事件を未然に防いだことで、ジュエルは英雄として扱われる……かと思いきや、地元の新聞やTV局は、彼を実名で報道し、英雄どころか、あたかも犯人であるかのように伝えた。報道はさらにエスカレートし、ジュエルは人格攻撃の的にすらなってゆく。なぜ、ジュエルは疑われたのか。そして、疑いを晴らすための戦いはどうなっていくのか。本作は、この理不尽な事件を、スリルたっぷりに描き出してゆく。この作品が表現するのは、メディアを盲目的に信用することの危険性や、思い込みのこわさである。そしてそれは、誰にでも起こり得る、われわれの身近にある恐怖だ。SNSでは、自分で真贋をよく確かめずに、他人を攻撃するという出来事が毎日のように起こっている。他人を好き勝手に叩いているような人であっても、逆にいつ被害者になるかも分からない。その意味で本作は、非常に観客に近い作品といえるのだ。『リチャード・ジュエル』公開中
2020年01月17日M・ナイト・シャマランとアップルが、盗作で訴訟された。問題の作品は、Apple TV+で配信中の『サーヴァントターナー家の子守』。原告の女性映画監督フランチェスカ・グレゴリーニは、今作が、彼女の2013年の映画『Truth About Emanuel』を男性の視点から書き換えたものだと主張している。『サーヴァント〜』は、幼い娘を失くした夫婦が人形に強い愛情を持つようになり、子守にもその人形の世話をさせるという設定。『Truth About〜』は、娘を亡くした母親が人形に愛着を持ち、その人形の世話をするために子守を雇うという話。グレゴリーニはまた、男性目線の『サーヴァント〜』が子守の女性に対してセクハラ的なことを言うなど、女性蔑視な部分があることも批判している。シャマランはこのドラマのエグゼクティブ・プロデューサー。クリエーターのトニー・バスギャロップも被告として名を挙げられている。文=猿渡由紀
2020年01月16日2008年の映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』や、2010年の映画『英国王のスピーチ』『ハリー・ポッターと死の秘宝』などで名高い映画音楽の巨匠アレクサンドル・デスプラが、川端康成の短編小説「無言」を原作に満を持して書き下ろした初のオペラ『サイレンス』が日本で初上演される。2019年2月にルクセンブルクで世界初演されたこの作品は、同年3月にパリでも上演され、大好評を博している。出演には、ルクセンブルクを拠点とする世界最高峰のアンサンブル「アンサンブル・ルシリン」のほか、今回の公演のために新たにオーディションによって選ばれた実力派キャスト、そしてフランスで活躍する永田鉄男が撮影監督を務めた映像等、あらゆるジャンルのトップ・アーティストが集結。「今まさに観るべき舞台」との評価に相応しい仕上がりだ。大の日本好き、日本通でもあるデスプラは、今回川端の小説にインスパイアされ「表現手段を失ったアーティストは、どう表現していくか、どうコミュニケーションしていくか」というテーマのもとでこのオペラを作曲したという。映画界の巨匠が手がけるオペラの切れ味やいかに!?『サイレンス』特設サイト()【関連リンク】『サイレンス』関連企画 映画音楽の巨匠アレクサンドル・デスプラが語る音楽の世界()●公演概要1月18日(土)ロームシアター京都サウスホール1月25日(土)神奈川県立音楽堂(木のホール)*1月25日(土)の音楽堂公演では、終演後、川端康成の研究家としても知られる、鎌倉文学館の館長、文芸批評家の富岡幸一郎氏と、デスプラ、ソルレイの3名によるアフタートークも予定。【関連リンク】音楽堂公演情報ページ()アレクサンドル・デスプラとソルレイ●アレクサンドル・デスプラ(作曲・台本・指揮)フランス/パリ出身。映画音楽の作曲家としてヨーロッパのアート作品からハリウッド大作まで幅広く手がけ、グラミー賞、ゴールデングローブ賞で音楽賞を多数受賞している。2005年、『真夜中のピアニスト』でベルリン国際映画祭銀熊賞とセザール賞を受賞した。また、2006年の『クィーン』、2008年の『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』、2010年の『英国王のスピーチ』でアカデミー賞にノミネートされている。2014年の『グランド・ブダペスト・ホテル』でアカデミー賞を初受賞。『シェイプ・オブ・ウォーター』はゴールデングローブ賞最優秀作曲賞、アカデミー賞作曲賞を受賞。●ソルレイ(台本・演出)アレクサンドル・デスプラの公私ともにパートナーであるソルレイ(ドミニク・ルモニエ)は、デスプラ作品の演奏を多く手がけるトラフィック・クインテットのヴァイオリニストであり、CD録音なども多く手がけた。現在はオペラや室内楽などにおいて、演出、ステージデザインやアートディレクションなど活動の領域を広げ、多岐に渡って活動している。
2020年01月16日3月6日(金)に公開される『映画ドラえもん のび太の新恐竜』に、木村拓哉がゲスト声優として出演することが決定した。映画第1作目が公開された1980年から40作目を迎える『映画ドラえもん』シリーズ。最新作となる本作を手がけるのは、『のび太の宝島』でシリーズ史上最高興行収入53.7億を打ち立てたコンビの監督・今井一暁と脚本・川村元気。のび太が双子の恐竜キューとミューに出会い、6600万年前の白亜紀を舞台に大冒険を繰り広げる。主題歌は、Mr.Childrenが書き下ろしたW主題歌『Birthday』と『君と重ねたモノローグ』。この度出演が明らかとなった木村が演じるのは、白亜紀という時代に存在するはずのない“猿”の姿をした、怪しい男・ジル。「謎の島」に関する秘密を握っており、のび太たちの運命のカギを握る大切な役どころになるという。木村は、2004年『ハウルの動く城』、2010年『REDLINE』に続き、10年ぶり3度目のアニメ映画出演となる。情報発表に合わせて行われた取材では、「ドラえもんの横に立つとなったら、やっぱり色は合わせたいでしょ!」と、ドラえもんカラーである青色の服で登場。幼少の頃から『ドラえもん』の漫画を読み育ち、日本人のDNAの中に『ドラえもん』があるとまで言う木村は、今回のオファーを聞いた時、ドッキリだと思ったほど驚いたという。木村から寄せられたコメント全文は下記の通り。木村拓哉(ジル役)コメント最初は、「もし『映画ドラえもん』の出演依頼が来たら、木村拓哉はどんな反応をする?」というドッキリ企画かと思ったほど、驚きました(笑)。僕が生まれる前から存在し、幼少の時からずっと楽しんできた『ドラえもん』の世界に自分が入り、ひとつのキャラクターになれるという事が、正直まだ信じられません。小学生の頃、コロコロコミックで『ドラえもん』を読んでいました。漫画・アニメの物語だと理解はしているのですが、僕が幼い頃から近くにあり、もはや日常に『ドラえもん』が含まれているような気がします。頼りないのび太はまさに僕たちの代弁者で、その傍らにはいつもドラえもんが居てくれる。僕たちが弱気になった時、「ドラえもんが助けてくれたらなぁ~」と想像するだけで、一瞬でも寄りかかれるような存在でした。僕たちが歳をとっても、彼らは不変です。慣れ親しんできた、僕ら日本人のDNAの中にあるような感じ。だから、50年間も、ずっと人々の傍に居続けてくれているのだと思います。アフレコ時、声の演技では監督のOKを信じるしかないのですが、今回はドラえもんやのび太たち、声優の方々の声に引っ張ってもらえた気がします。また、現段階でも絵のクオリティが凄く、未完成にも関わらず感動しました。とにかく完成が楽しみです。ちなみに、僕も恐竜が大好きな少年でした!幼稚園の頃から今作の舞台である白亜紀の世界を想像し、のび太のように化石の発掘をした事もあります。『のび太の恐竜』ももちろん観ていますし、そんな僕が今回『のび太の新恐竜』に参加できるのは嬉しいですね。50周年記念、映画40作目となる『のび太の新恐竜』は、今まで考えもしなかったような事に気づかせてくれる物語になっています。子供と大人が一緒に、家族みんなで楽しめる映画ですので、ぜひ見てください!僕も早く観たい!●欲しいひみつ道具ドラマの台詞を覚える時、「アンキパンがあったらなぁ~」って思うことはしょっちゅうありますが、「あいつはアンキパンで覚えてるんだろ」と思われるのは悔しいので、やっぱりどこでもドアかなぁ。どこでもドアで、ヒマラヤ山脈の頂上、世界で一番高い場所へ行ってみたいです。体力や天候、様々な条件をクリアしないと行けない場所からの景色を、ずるいですけど、どこでもドアを使って見てみたいですね。それと、机の引き出しにタイムマシンがあるかどうかは、小さい頃にもちろん確認しましたよ。「あるわけないよな」って思いながら(笑)。●自分をドラえもんのキャラクターに置きかえるなら理想はジャイアン。「お前のものは俺のもの」という感じを貫き通しているジャイアンに、徐々に惹かれるようになってきて、大人になった今は男としてかっこいいなと思ってしまいます。だけどやっぱりジャイアンにはなりきれない。なので、のび太とスネ夫のミックスの、「のび夫」って感じですかね(笑)。のび太のように速攻寝られるタイプでもないし、スネ夫ほど裕福でもなかったので、「のび夫」か「スネ太」(笑)。『映画ドラえもん のび太の新恐竜』3月6日(金)全国公開
2020年01月16日劇団ONEOR8の2年ぶりの新作公演『誕生の日』がまもなく開幕する。外部プロデュース公演でも脚本、演出などで目覚ましい活躍を見せている劇作家、演出家の田村孝裕が、「評価を直に感じるので、一番緊張する」と語るホームグラウンドでの、久々の書き下ろしである。ささやかな日常を懸命に生きる人間の感情の揺らぐ様を、鋭く、温かく見つめ、繊細に描き出してきた田村が、新たな主人公としたのは40歳を目前にした独身女性。この設定だけで同世代の女性たちの共感を誘う田村の世界が炸裂しそう……と期待を募らせていたところ、そこには思いもかけない、これまでの田村のアプローチとは確かに違う驚きの仕掛けがあった。挑戦のきっかけは、危機感だ。「当たり前ではあるけど、いつまでも若手とは言っていられない。自分たちの芝居を古いと自覚して芝居を作っていかなくては、このままではヤバいぞと(笑)。古いというか、自分が面白いと思っているものと、世の中で評価されたり、面白いとされているものがだんだん違ってきていると感じているんですよね。“劇団力”といったものをつけていかないと、どんどん取り残されてしまう。一昨年に劇団創立20周年を迎えて、今回はリスタートの気持ちでやろうよ、と」バーを営む木村加寿美は39歳、独身。幼い頃から男の子に見間違われてきた。思春期に女性としての自我が芽生えるが、容貌のコンプレックスからいわゆる“女らしさ”はすべて排除し、恋愛沙汰とももちろん無縁。オバサンと呼ばれる年齢となった今も化粧もせず、見た目はオッサンのままで……。そんな主人公に扮するのは、劇団員の山口森広だ。女性キャラクターを、男性が演じる。まさしく演劇の妙味ともいえるが、ジェンダーに対する問題意識が高まる昨今、このような切り口を選んだのはなぜなのか。「自分の母校である舞台芸術学院の公演に関わった時など、やっぱり若い子と僕らの感覚はだいぶ違うなと気づかされるんです。性に対する飛び越え方が全然違うな……ってことは前々から感じていて、そのあたりのことを書いてみたいなと。ただ、いわゆるホモセクシュアル、レズビアンといった題材になってくると、僕自身がどうしても差別的な視点で見てしまう。たとえば女装家だとか、山口そのものをノーマルではない人物として描くとしたら、おそらくその差別意識が全面的に出てしまうなと。その描き方がはたして正しいのか、僕の中で疑問があったので、だったら彼を女として書いたほうが、僕の持つ差別的な視点そのものもちょっとした笑いに転嫁することができるかなと。自分がそうした差別意識を持っていることは、正直に、なるべく隠さずにいようと思って書きました」そう、焦点はLGBTではないのだ。ひとりの女性が、心の傷をどう解消し、新たな一歩を踏み出していくのか。そのドラマを覗くことで、やはり各々の性差に対する考えがあぶり出されるだろう。男優が女性を表出する仕掛けは、過度な深刻さを避けて空気を緩和しながら、人間関係の新たな気づきをもたらすのでは……、そんな予感がする。「最初はLGBTについて触れないといけないかな……とも思いましたけど、そこに僕なりの説得力がなかった。加寿美のように生きてきた女友達が僕の周りにもいるので、そういう人に視線を向けたほうが僕自身のリアリティが出るなと思ったんですね。ただ芝居の匙加減をどうすべきか、ずっと悩んでいて。観客がどう受け止めてくれるのか、今から不安です(笑)」これまでの劇団公演とは違う新たなドラマの打ち出し方は「自分でも意識した」と明言。昨秋、数々のヒットドラマを手がけた脚本家、岡田惠和の書き下ろし舞台『不機嫌な女神たち プラス1』を演出した。その時の経験が大きく影響していると振り返る。「ホンをいただいて、すごく困ったんですよ。これ、どうするの!?って(笑)。ある状況から状況への飛躍が生理的に無理じゃないか……、ここでこのセリフをしゃべっちゃう!?といった場面が多々あって。でもそれって、意外と役者さんがどうにでもしてくれるんですよね。役者の力ってすごいなと、あらためて思いました。その時に、ある程度面白いと思ったものなら、強引に、乱暴にでも書いてしまっていいんだなと思って。頭で書くんじゃなくて心で書く、岡田さんのホンはそんなふうに感じられた。岡田さんはきっと、ディレクターさんや役者さんのことをものすごく信頼しているんですよ。その信頼のもとに、自由に書いている。信頼関係の上に成り立つのなら……と考えて、実は今回の『誕生の日』は、だいぶ乱暴に書いたんです(笑)。いつもだったら二の足踏んで、立ち止まって、戻って、もう一回書き直して……なんてやってますけど、それをせずに、演出のことも考えずに」劇団ONEOR8のリスタートのテーマは、「劇団の体力をつけよう」。集客を含めて、劇団本来が持つ力を見直していく。そのため今回の新作公演は、著名な客演を迎えない、小劇場での長期間公演など、新たな試みに乗り出した。先述のように田村の劇作スタイルも新境地へ。ただ、描き出したい芯は変わらない。今回も、ひとりの女性の葛藤を時に笑いを交えて見つめながら、胸にガツンと響く何かを受け取ることになるのだろう。「表現の仕方は試行錯誤して、変化をつけていかなければと思いますが、僕自身が書きたいものは、劇作を始めた時から変わってないなと。どうしようもなくがんじがらめだけど一生懸命に生きる人たちが、何を選択し、どう動くのか。前進でも後退でもいいから、その登場人物の一歩を見つめることが僕の興味であり、そこはこの先も変わることはないだろうと思います」ONEOR8『誕生の日』は、1月18日(土)から2月2日(日)まで東京・日暮里のd-倉庫にて上演。取材・文:上野紀子
2020年01月16日人間の特定の記憶を消すことができる人物がいたとしたら?恋人から自分に関する記憶が消えてしまったとしたら? そんな刺激的な設定を描く映画『記憶屋 あなたを忘れない』が明日から公開になる。監督・共同脚本を務めた平川雄一朗は“記憶屋は一体、誰なのか?”よりも“人間にとって記憶とは何か?”を重視して撮影にあたったという。脚本づくりにおけるこだわり、出演者への信頼、そして何があっても死守したかったラストへの想い……公開前に平川監督に話を聞いた。本作は、大学生の遼一(山田涼介)が恋人から自身の記憶が一切消えていることに気づくところから物語が始まる。彼女の記憶はなぜ消えてしまったのか?記憶を元に戻す方法はあるのか?遼一は幼なじみの真希(芳根京子)らの協力を得ながら調査を進め、やがて人の特定の記憶を消すことのできる“記憶屋”の存在を知る。誰だって忘れたいことはある。でも、その記憶が永遠に消えてしまうのは良いことなのか?原作小説はミステリアスな展開が魅力だが、平川監督は「僕は今までエンタテインメント作品を手がけることが多かったんですけど、この原作とキャストであれば人間ドラマを描きたいと思った」という。「それはつまり人間の“弱さ”を描くことなんですよね。だから葛藤もあるし、何かを決められないでいるし、悩みながらも一歩ずつ進んでいく。そんな風に描けたらいいなと。それに原作を読んでいて、芳根さん演じる真希の一途な想いに惹かれたので、映画でもそこは貫きたいと思いました。だから“記憶屋って誰なの?”ということよりも、“記憶屋は善なのか悪なのかわからない”っていう風に思ってもらえたらいいなと思ってつくっていきました」人間の記憶を軸に、人の心の弱さや哀しみを描く本作は、そのまま描けば非常に暗く、重いトーンになってもおかしくない。しかし、山田をはじめとする俳優陣と平川監督は本作にユーモアや笑いを絶妙に交え、観客が主人公と共に話を追っていけるように描いている。「それはやはり(山田が出演していたドラマ)『もみ消して冬』のおかげですね(笑)。僕はあのドラマを観て山田くんにすごく興味を持ちましたし、あのドラマを観ていたから、今回の役も絶対にできるとわかっていました。蔵之介さんも笑いがわかってる方ですし。この映画は何もしないで放っておくと重くてしんどいトーンになってしまうことはわかっていました。だから観てもらう方に楽しんでもらえるようにして“救いのある映画”にしたかったんです」本作は観客が遠方から“謎解き”を楽しむタイプの映画ではなく、物語を楽しみながら自身の過去の記憶や思い出について考えたり、ふとしたことを思い出したりできる作品になった。だからこそ平川監督は映画のエピローグは“観客にゆだねる”ことにこだわったようだ。「実は脚本の段階ではもっといろんなシーンがあったんですよ。映画会社は物語に全部ちゃんと決着をつけたものにしてもらいたかったと思うんです。でも僕の中では物語が解決した後のエピローグは“観客にゆだねる”終わり方にしたいと思った。だから何回も打ち合わせして……映画会社の方も受け入れてくれて、最後はお客さんにボールを渡して、それぞれに考えてもらえる終わり方にしています」『記憶屋 あなたを忘れない』1月17日(金) 全国ロードショー
2020年01月16日「ウォルト・ディズニー・アーカイブス コンサート」が本日1月16日から2日間、東京・舞浜アンフィシアターで開催される。ミッキーマウスの産みの親であるウォルト・ディズニーと、ウォルト・ディズニー・カンパニーに関する約1世紀分の史料を収集・保存する機関である「ウォルト・ディズニー・アーカイブス」。その設立50周年を記念して行われるコンサートが「ウォルト・ディズニー・アーカイブス コンサート」だ。東京、兵庫、名古屋の3カ所で8公演が予定されている。ステージは「インスピレーション」「チャレンジ」「イマジネーション」「好奇心」「アドベンチャー」「信念」「未来」という7つのテーマで進行。それに沿った名曲の数々がウォルト・ディズニー自身の哲学や夢を描き出していく。さらに案内人(ナビゲーター)として稲垣吾郎が登場。音楽監督・ピアノ演奏は島健が抜擢された。また初期のミッキーマウス画、アニメーターやウォルト本人の創作イメージを刺激するために描かれた美しいコンセプトアートをはじめ、ディズニーランド構想図、ウォルト本人の歌唱映像などの映像や資料も見ることができる。この様なコンサートは世界初だという。貴重な開幕2日間となる公演にぜひ足を運んでほしい。■公演情報「ウォルト・ディズニー・アーカイブス コンサート」場所:東京・舞浜アンフィシアター1月16日(木)開演 19:00(開場 18:00)1月17日(金)開演 14:00(開場 13:00)開演 19:00(開場 18:00)
2020年01月16日自分の大事な人の頭の中から、自分の記憶だけが消えてしまったら……。そんなせつなく不思議な出来事とともに描かれていく感動作『記憶屋 あなたを忘れない』が、1月17日(金)より公開される。Hey! Say! JUMPのメンバー山田涼介が演じる、本作の主人公・遼一は、地味な性格の大学生。彼は恋人の杏子(蓮佛美沙子)との結婚を控えて幸せの絶頂にいたが、突然杏子との連絡が途絶えてしまう。数日後、杏子を見かけた遼一は声をかけるが、彼女は遼一のことだけをきれいに忘れていた……。これと同じような経験を、遼一は幼少の頃にも味わっていたことを思い出す。幼馴染の真希(芳根京子)が、目の前で記憶を失ったのだ。遼一は、この一連の出来事の原因は、都市伝説のような話で語られる“記憶屋”のせいではないかと疑い始め、真希と弁護士の高原(佐々木蔵之介)に相談し、杏子が記憶を失った原因を探すことにする。そして、遼一が“忘れられた”意外な理由が明らかになっていく。ドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』、『ROOKIES』などを手がけている平川雄一朗が監督を務めているだけに、これまで監督作で培ってきた、繊細な演出が見どころだ。また、『ツナグ』や『想いのこし』など、ファンタジックなテイストを含めた感動作も手がけている平川監督は、この企画にふさわしい。誰かの記憶を失うというのは、その人の頭の中で存在が消え去ることを意味する。忘れる人も忘れられる人も、それが大事な存在であるほど、記憶の存在は当人たちにとって重大な意味を持つことになる。そこから生まれる、せつない人間ドラマは、多くの観客の心の琴線に触れることになるだろう。『記憶屋 あなたを忘れない』1月17日(金)より公開
2020年01月16日マーベルヒーローが活躍する超大作『マイティ・ソー バトルロイヤル』を手がけ、怒涛のコメディ演出で観客を驚かせたタイカ・ワイティティ監督。その最新作は、10歳の少年を主人公に、笑いや感動描写のある、超異色のナチス映画『ジョジョ・ラビット』だった。そう聞くと、めちゃくちゃな内容を想像してしまうが、本作は、来る第92回アカデミー賞で、作品賞、助演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)をはじめ6部門にノミネートされるなど、すでに評価が高まっている話題作だ。共演にサム・ロックウェルやレベル・ウィルソンらが名を連ねているのも豪華。物語の舞台は、第2次世界大戦下のドイツ。青少年集団“ヒトラーユーゲント”の兵士になろうと奮闘している10歳のジョジョ少年(ローマン・グリフィン・デイビス)は、頭の中で空想した友達である、皮肉屋で愉快なアドルフ・ヒトラーおじさんを、心の拠り所としていた。だが心優しいジョジョは、訓練でウサギを殺すことができず、教官から“ジョジョ・ラビット”というあだ名をつけられてしまう。そんなある日、ジョジョは母親(スカーレット・ヨハンソン)と暮らす家の隠し部屋に、ユダヤ人少女エルサ(トーマシン・マッケンジー)が匿われていることに気づく。ジョジョはアドルフの目を気にしながらも、強く生きるエルサに、次第に惹かれていくことになる。本作が興味深いのは、この淡い恋物語や、ポップなテイストだ。ナチスを題材にした作品は、ヨーロッパのユダヤ人を大量に殺戮するなどの歴史的な戦争犯罪と結びついているため、当然重苦しくシリアスなものとして描かれるが、本作には楽しい雰囲気が流れているのだ。この新鮮な意外性は、さすがワイティティ監督というところだろう。さらに俳優でもあるワイティティ監督は、空想の存在であるアドルフを演じてもいる。ポップで楽しい雰囲気を纏いながらも、やはり本作はナチスを題材にした映画には違いない。ヒトラーユーゲントでユダヤ人への偏見を植えつけられたジョジョではあるが、実際にユダヤ人の少女に出会い、親交を深めることで、差別心が払拭されていく。差別・偏見は、いまも根強く残る普遍的な問題だ。その原因は、相手のことを知ろうとしない態度からや、言われたことを盲目的に信じてしまう主体性のなさからくるところもあるのではないだろうか。拒絶や攻撃をする前に、まず相手を深く知ること。本作はそういう態度を教えてくれる作品でもある。『ジョジョ・ラビット』1月17日(金)公開
2020年01月16日1月15日、第43回日本アカデミー賞の優秀賞が発表され、優秀作品賞に『キングダム』『新聞記者』『翔んで埼玉』『閉鎖病棟—それぞれの朝—』『蜜蜂と遠雷』の5作品が選ばれた。正賞15部門のなかでは『翔んで埼玉』が最多12部門、『閉鎖病棟—それぞれの朝—』が11部門の優秀賞に輝いた。授賞式で司会を務めるのは、昨年『万引き家族』で最優秀主演女優賞を受賞した安藤サクラと、フリーアナウンサーの羽鳥慎一。羽鳥は、昨年まで6年連続で司会を務めていた西田敏行からバトンを受けるという大役だが「日本テレビに在籍時代、インタビューアとして何度か賞に参加したことはあったのですが、俳優さんに直接お話を聞く機会はなかったので、緊張しますね」と語っていたが「でも映画は大好きなので、機会をいただけて嬉しいです」と笑顔を見せる。さらに羽鳥は「日本アカデミー賞というのは、映画に携わる人が選ぶ大切な賞。作品に参加したスタッフやキャストたちが久々に再会する場でもあるので、たくさんの笑顔を引き出せるように務めたい」と意欲を見せた。一方、2度目の司会となる安藤は「前回『なんて特別な時間なんだ』と感じたことを思い出します。あのときの経験は大きな財産になりました。2回目だからといって気を緩めることなく、より緊張感を持って臨みたいです」と意気込む。また受賞者の一覧を見た安藤は「普段、俳優さんや女優さんにインタビューすることがないので、緊張しますし、先輩にお話を聞くのはおこがましいと思ってしまうかもしれませんが、せっかくのチャンスなので、一視聴者として、素直に聞きたいことをぶつけてみたいです」と抱負を語っていた。今年から日本アカデミー賞協会の会長に就任した島谷能成氏は、昨年まで司会を務めた西田に対して「西田さんの作品への愛や、受賞者への溢れる友情や思いのおかげで、温かい雰囲気の授賞式になりました」と感謝を述べると、興行成績が好調だった2019年の日本映画界を振り返り、「受賞リストを見ると『翔んで埼玉』など、新しい層の鑑賞者を開拓できた年だったなと思います」と総括していた。第43回日本アカデミー賞の主な受賞結果は以下の通り。■優秀作品賞『キングダム』『新聞記者』『翔んで埼玉』『閉鎖病棟—それぞれの朝—』『蜜蜂と遠雷』■優秀アニメーション作品賞『空の青さを知る人よ』『天気の子』『名探偵コナン 紺青の拳』『ルパン三世 THE FIRST』『ONE PIECE STAMPEDE』■優秀監督賞佐藤信介(『キングダム』)周防正行(『カツベン!』)武内英樹(『翔んで埼玉』)平山秀幸(『閉鎖病棟—それぞれの朝—』)藤井道人(『新聞記者』)■優秀主演男優賞笑福亭鶴瓶(『閉鎖病棟—それぞれの朝—』)菅田将暉(『アルキメデスの大戦』)中井貴一(『記憶にございません!』)松坂桃李(『新聞記者』)GACKT(『翔んで埼玉』)■優秀主演女優賞シム・ウンギョン(『新聞記者』)二階堂ふみ(『翔んで埼玉』)松岡茉優(『蜜蜂と遠雷』)宮沢りえ(『人間失格 太宰治と3人の女たち』)吉永小百合(『最高の人生の見つけ方』)■優秀助演男優賞伊勢谷友介(『翔んで埼玉』)柄本佑(『アルキメデスの大戦』)岡村隆史(『決算!忠臣蔵』)佐々木蔵之介(『空母いぶき』)吉沢亮(『キングダム』)■優秀助演女優賞天海祐希(『最高の人生の見つけ方』)小松菜奈(『閉鎖病棟—それぞれの朝—』)高畑充希(『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』)長澤まさみ(『キングダム』)二階堂ふみ(『人間失格 太宰治と3人の女たち』)■優秀脚本賞片島章三(『カツベン!』)詩森ろば/高石明彦/藤井道人(『新聞記者』)徳永友一(『翔んで埼玉』)平山秀幸(『閉鎖病棟—それぞれの朝—』)三谷幸喜(『記憶にございません!』)■新人俳優賞岸井ゆきの(『愛がなんだ』)黒島結菜(『カツベン!』)吉岡里帆(『見えない目撃者』『パラレルワールド・ラブストーリー』)鈴鹿央士(『蜜蜂と遠雷』)森崎ウィン(『蜜蜂と遠雷』)横浜流星(『愛唄—約束のナクビト—』『いなくなれ、群青』『チア男子!!』)取材・文・写真:磯部正和
2020年01月15日ジョニー・デップの次回主演作『Minamata』が、ベルリン映画祭で世界プレミアされることになった。実話映画で、デップが演じるのは、水俣病の実態を記録しようとしたアメリカ人写真家W・ユージン・スミス。真田広之、浅野忠信、加瀬亮、國村隼、ビル・ナイらも出演する。監督はアンドリュー・レヴィタス。ほかには、デイミアン・チャゼルの新作ミュージカル『The Eddy』、ケイト・ブランシェット主演の『Stateless』、ティルダ・スウィントン主演の『The Last and First Men』などが発表されている。全ラインナップは今月後半に発表予定。ベルリン映画祭は2月20日から3月1日まで。文=猿渡由紀
2020年01月15日坂口健太郎が主演を務めた連続ドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』の劇場版が2021年に公開されることが決定。さらに映画公開のタイミングで、スペシャルドラマも放送されることが明らかとなった。2018年4月~6月にかけて放送された『シグナル 長期未解決事件捜査班』は、謎の無線機が “現在” と “過去” ふたりの刑事をつなぎ、ともに未解決事件を解決していくという内容のサスペンスドラマ。“現在”を生きる刑事・三枝健人を、連続ドラマ初主演の坂口が演じ、“過去”を生きる熱血刑事・大山剛志役の北村一輝とタッグを組んで、多くの未解決事件を解き明かしてきた。過去を変えたせいで、現実が思わぬ方向に塗り替えられてしまう矛盾。そして、複雑に絡み合う骨太な人間ドラマも相まって、謎を深めていく予測不可能なヒューマンサスペンスとしても話題をさらった。2021年公開予定の劇場版は、オリジナルストーリーによる新作となる。舞台となるのは、ドラマで描かれた後の世界。坂口は本格アクションに挑戦しながら、さらなる前代未聞の未解決事件に挑む。監督は『探偵はBARにいる』シリーズなどを手がけた橋本一が務める。また、映画公開のタイミングで、原作となった韓国ドラマ『シグナル』の中でも、とくに人気が高かったエピソードをスペシャルドラマ化することも決まっている。■坂口健太郎 コメント●映画化されると聞いたときの感想は?2年前、はじめて僕が連続ドラマの主演として出させていただいたのが『シグナル 長期未解決事件捜査班』でした。今回の映画化とスペシャルドラマ化に際して、「連続ドラマで結末を迎え、完成された作品に、どうやってもっともっと面白い要素を付け加えていけばいいのだろう」と、少しプレッシャーを感じましたし、とても大きな挑戦でもあります。でもまた三枝健人の役をできること。そして、映画では連続ドラマで出来なかった新しいいろんな要素も加わり、すごく楽しみですし、面白そうだとも思いました。●今作への意気込みお芝居をやってきて、僕の中では、良い意味で毎回視聴者の期待を裏切りたい気持ちがあります。今回の映画で言うと、「アクションシーンで“肉体を使ったキャラクターの強さ”を出す」という自分の中でも経験したことのない新しい挑戦をします。橋本監督との打ち合わせでも「今回は三枝健人がボロボロになる姿を見せたい」という話がありました。そういう新しい姿を求められていますので、健人の役と一緒に僕も成長していきたいな、と思っています。『シグナル』という魅力的な物語をお届けするのと同時に、新しい坂口健太郎を見てもらえたらいいな、とも思っています。●『シグナル』ファンに向けてメッセージはじめて原作元の韓国ドラマ『シグナル』を見させていただいたとき、そして、三枝健人を演じるとき、とても魅力的なストーリーだと思いました。ですので、僕自身も『シグナル』ファンの一人です(笑)。今のメンバーで出来る新しい化学反応を大切にしながら、面白い映像を撮っていけたらと思います。公開はまだまだ先ですけど、楽しみにしておいてください。■橋本一監督 コメント魅力ある『シグナル』ワールドに参加できますこと、光栄の至りです! 『劇場版シグナル』のテーマは、「坂口健太郎をとことんまでに痛めつける」! 身も心もボロボロ、満身創痍(そうい)になった坂口君の晴れ姿、お楽しみに!■萩原崇プロデューサー(カンテレ) コメント2018年の連続ドラマから劇場版へと進化できること、本当にうれしく思っています。今回、原作である韓国ドラマの世界感を活かしつつ、映画としては、日本オリジナルの内容にチャレンジしています。前代未聞の事件の中、過去と現在の時代を超えてつながる絆と、映画ならではのスケールでお届けする、「新・シグナル」をどうぞ楽しみにしていてください。■劇場版『シグナル 長期未解決事件捜査班』2021年公開予定■『シグナル 長期未解決事件捜査班』スペシャルドラマ2021年カンテレ・フジテレビ系全国ネットで放送予定
2020年01月15日松久淳と田中渉によるベストセラー小説『天国の本屋』がミュージカル化。1月17日(金)から東京と大阪で上演される。日本のみならず海外でも出版され、2004年には映画化もされた同作。物語の舞台は、ずばり、天国だ。そこには町も、小さな公園も、喫茶店も、書店もある。就職活動中の青年が、アロハシャツを着たおかしな男に「天国の本屋店長代理」にスカウトされるところから物語が始まる。一時的に天国に連れてこられた青年さとしは、その天国の本屋で「ユイ」という緑色の瞳をした少女に出会う。書店に集まる子どもたちに、本の読み聞かせをするうち、青年はその仕事に惹かれていき、そんな彼の姿を見て、ユイも少しずつ心を開いてゆく……。さとし役に舞台経験の豊富なA.B.C-Zの河合郁人が扮するほか、ユイ役には乃木坂46の井上小百合、謎の男・ヤマキ役にはブラザートムがあたる。演出・脚本は、コメディの舞台から名だたる歌手のコンサートまで手がける菅野こうめいが担当。劇場をあとにするとき、ちょっと優しくなれる舞台だ。1月17日から25日(土)まで東京・よみうり大手町ホール、1月31日(金)から2月2日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼで上演。文:小川志津子
2020年01月15日足を使って描く「フット・ペインティング」で知られる白髪一雄の全貌に迫る東京では初の大規模な回顧展が、東京オペラシティ アートギャラリーにて3月22日(日)まで開催されている。色と色が激しくぶつかり、融合することで、混沌としたエネルギーとその軌跡が生々しく立ち現れる。そんな、唯一無二の「フット・ペインティング」画法で知られるのが白髪一雄(1924〜2008)だ。東京オペラシティ アートギャラリー()
2020年01月15日King Gnuが本日1月15日、ニューアルバム『CEREMONY』をリリースした。常田大希(g、vo)、勢喜遊(ds、sampler)、新井和輝(b)、井口理(vo、key)の4人によって構成されるKing Gnuは、2019年の日本の音楽シーンで最も大躍進を遂げたバンドのひとつと言えるだろう。代表曲『白目』のミュージックビデオのYoutube上における再生回数は1億回を超え、メジャーデビュー1年目にして『紅白歌合戦』に出演するという快挙も達成した。初のアリーナ公演を含む全国ツアー「King Gnu Live Tour 2020 "CEREMONY"」の開催も決定しており、今年も彼らの活躍は続きそうだ。本日発表された新作『CEREMONY』は彼らにとってメジャーデビュー作『Sympa』以来、1年ぶりのアルバムとなる。収録曲は全12曲で、前述の『白日』や『飛行艇』『傘』など、配信のみでしか聴けなかった曲も含まれている。彼らが2020年の開幕に打ち出すサウンドに注目だ。また、リード楽曲として先行配信されていた『Teenager Forever』のミュージックビデオが1月9日より公開中。メンバー各々のプライベートドキュメントで構成されており、井口はフィリピンへの旅、新井は母親へ車をプレゼント、勢喜はグアムへの新婚旅行、常田はロシアで余暇を過ごす様子が盛り込まれている。なお、初回生産限定盤に付属するBlu-rayには、2019年4月12日に新木場STUDIO COASTでおこなわれた「King Gnu One-Man Live 2019 "Sympa"」千秋楽の映像が収録されている。■CD情報King Gnu『CEREMONY』収録内容<CD>01. 開会式02. どろん03. Teenager Forever04. ユーモア05. 白日06. 幕間07. 飛行艇08. 小さな惑星09. Overflow10. 傘11. 壇上12. 閉会式<初回限定盤付属Blu-ray>King Gnu One-Man Live Tour 2019 "Sympa" 2019.04.12 STUDIO COAST・Sympa I・Slumberland・Sorrows・Vinyl・McDonald Romance・ロウラヴ・Bedtown・NIGHT POOL・白日・Sympa・Hitman・Flash!!!・Don’t Stop the Clocks・It’s a small world・破裂・Tokyo Rendez-Vous・Prayer X・あなたは蜃気楼・The hole・サマーレイン・ダイバー
2020年01月15日「ぴあ」調査による2020年1月10日、11日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、『KING OF PRISM ALL STARS -プリズムショー☆ベストテン-』が第1位になった。本作はファン投票で順位を決定したプリズムショーを集めた総集編で、観客からは「夢にみた映画」「ファンが待望していたのがやっと実現した」など歓喜の声が続出。シリーズ最高の満足度94.3点を記録した。プリズムショーの世界でプリズムスタァを目指す少年たちの姿を描いた『KING OF PRISM』シリーズ(略称“キンプリ”)は、フィギュアスケート、歌、ダンス、プリズムジャンプを組み合わせて展開されるエンタテインメントショーが新作を重ねるごとに進化し、観客の注目を集めている。本作はこれまでに彼らが披露したプリズムショー全29曲の中から投票で決定したベスト10を上映する特別な1作で、劇場には「シリーズが好きでぜんぶ観てきた」と話すファンが集結した。上映後の出口調査では「毎回、好きなキャラのプリズムショーで泣いちゃうし、明日からも頑張ろうって気持ちになれる」「コール&レスポンスがあるので黙って観るのがしんどかった。みんな心の中で叫んでいたと思う」「キンプリの良いところはワケのわからないおもしろさだと思うので、それを堪能できた」など熱い声が続出。一方で、「過去に何度も見た映像でもスクリーンで改めて観ると尊くて泣ける。ここで終わらず新しいものを作り続けてほしい」「ここまで泣けて、こういう表し難い気持ちになるのはKING OF PRISMだけなので、続編を作ってほしい」と訴える人もいた。本作は応援上映が実施されているほか、惜しくもベスト10に入らなかったプリズムショーを週替わりで上映する分岐ルート上映(『Over The Rainbowルート』、『ストリートルート』、『ハッピールート』の3つのルートを週替わりで上映)も決定しており、観客の中には「今回は好きなキャラクターの出番が少なかったので別ルートも観たい」「毎週見に来ます!」「応援上映のための予習として観にきた」と話す人もいた。1位『KING OF PRISM ALL STARS -プリズムショー☆ベストテン-』94.3点2位『音楽』93.0点3位『ダウントン・アビー』91.0点4位『フォードvsフェラーリ』89.9点5位『パラサイト 半地下の家族』89.6点5位『フィッシャーマンズ・ソングコーンウォールから愛をこめて』89.6点7位『カイジ ファイナルゲーム』88.7点8位『マザーレス・ブルックリン』85.1点9位『劇場版巨蟲列島』83.4点10位『明日、キミのいない世界で』83.1点(本ランキングは、1/10(金)、1/11(土)に公開された新作映画12本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2020年01月14日1月11日、12日の全国映画動員ランキングは、『アナと雪の女王2』(全国383館)が公開8週目も首位を守った。福本伸行の人気漫画を藤原竜也の主演で実写化したシリーズ第3弾『カイジ ファイナルゲーム』(全国333館)は初登場2位に。公開4週目の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(全国378館)は先週2位から3位になった。1966年のル・マン24時間耐久レースで、絶対王者のフェラーリに挑んだフォードの男たちの実話を映画化した『フォードvsフェラーリ』(全国365館)は初登場4位。続いて、第72回カンヌ映画祭パルムドールに輝いたポン・ジュノ監督によるヒューマンドラマ『パラサイト 半地下の家族』(全国131館)が初登場5位に入った。公開3週目の『男はつらいよお帰り 寅さん』(全国353館)は先週3位から6位になった。次週は『記憶屋 あなたを忘れない』『劇場版 ハイスクール・フリート』『ジョジョ・ラビット』『太陽の家』『ラストレター』『リチャード・ジュエル』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『アナと雪の女王2』2位『カイジ ファイナルゲーム』3位『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』4位『フォードvsフェラーリ』5位『パラサイト 半地下の家族』6位『男はつらいよお帰り 寅さん』7位『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』8位『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』9位『午前0時、キスしに来てよ』10位『映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか』
2020年01月14日放送映画批評家協会賞が発表された。作品賞は、クエンティン・タランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。今作で、彼は脚本賞も受賞したほか、ブラッド・ピットが助演男優賞を受賞している。監督賞は『1917 命をかけた伝令』のサム・メンデスと『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノが、同点受賞。主演男優賞は『ジョーカー』のホアキン・フェニックス、主演女優賞は『ジュディ/虹の彼方に』のレネー・ゼルウィガー、助演女優賞は『マリッジ・ストーリー』のローラ・ダーンだった。脚色賞は 『ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語』のグレタ・ガーウィグ。放送映画批評家協会賞はオスカーと同じ投票システムを使っていることもあり、オスカー作品賞を予測する上で、重視されるアワードだ。しかし、昨年は放送映画批評家協会が『ROMA/ローマ』を選んだのに対し、オスカーは『グリーンブック』だった。文=猿渡由紀
2020年01月14日誰もが知る作品にして、一度観たら忘れることができない名作『耳をすませば』が、清野菜名と松坂桃李のダブル主演で実写映画化されることが決定。この度、キャスト、スタッフのコメントが公開された。1989年、柊あおいが少女コミック誌“りぼん”で発表した青春恋愛漫画『耳をすませば』。読書が大好きな中学生・雫が、夢に向かって生きる聖司に想いを寄せていく姿に心を惹かれ、多くの女性たちのバイブルとなった作品だ。それが1995年、スタジオジブリがアニメ映画化し、大ヒットを記録。そしてこの2020年、あの頃みんなが憧れた雫と聖司の物語に10年後のオリジナルストーリーも加え、新しい『耳をすませば』として実写映画化される。恋も夢も中途半端なまま大人になった雫。そんな彼女が、忘れていた“あの頃の気持ち” を取り戻す……。大人になった“今”の雫を演じるのは、数多くの映画、テレビドラマ、舞台に出演し、現在放送中の『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』でも主演を務める清野菜名。そして、その雫が想いを寄せる大人になった“今”の聖司を演じるのは、『不能犯』『娼年』『居眠り磐音』『新聞記者』と主演映画が続き、人気、実力ともに今もっとも勢いのある松坂桃李だ。このふたりがダブル主演として、雫と聖司の “10年後”の物語を紡ぎ出していく。監督は、『ROOKIES 卒業』『ツナグ』『記憶屋 あなたを忘れない』など数々のヒット作を生み出してきた平川雄一朗。原作の世界観を忠実に再現する“あの頃(過去)”と、オリジナルで加わる“10年後(現在)”を二重構造で描き、実写化する。学生時代の雫や聖司、その他の登場人物には個性豊かなオールスターキャストが集結し映画を彩る。中学生キャストをはじめ、他キャストは後日発表予定なのだという。公開されたキャスト、スタッフのコメントは下記。■清野菜名(10年後(現在)の月島雫役)この度、映画『耳をすませば』で、月島雫を演じることになりました。誰もが大好きな名作『耳をすませば』の世界に雫として存在できること、とても嬉しく光栄に思っております。あれから10年。雫はどのようにして大人になっていったのか、彼女の思いに寄り添いながら、雫の持っているピュアな心を大切に、丁寧に演じていきたいと思っています。■松坂桃李(10年後(現在)の天沢聖司役)『耳をすませば』はアニメーション映画で何度も見た作品です。学生生活の日常にある歯痒さや微妙な距離感で感じる甘酸っぱさ。あの頃にしか感じられないものが詰まっていて素敵だなと思っていました。あの物語の“その後”を想像した方もいらっしゃるのではないでしょうか。僕もそうでした。月日を経て描かれる“その後”の物語に関われることを嬉しく思います。平川監督とは初主演の作品『ツナグ』でガチガチに緊張していた僕にムチを打ちながら支えてくださった方。監督のお陰で走りきることができました。その平川監督ともう一度組むことができる喜びと緊張感を噛み締めながら、撮影に臨みたいと思います。■平川雄一朗(監督)『耳をすませば』という沢山の人たちが知っている原作の10年後を描くという実写映画化に大変な緊張感とプレッシャーを抱えていますが、主演のふたりをはじめとするスタッフ、キャストの力を集結させ、原作の空気感をそのままに心温まる映画となるよう邁進したいと思います!■西麻美(プロデューサー)私も大好きな作品『耳をすませば』を実写映画化しようと考えた時、とても悩みました。ですが、実写映画の形を探る中で、原作にある中学生時代に加えて10年後の大人になった雫と聖司を描いたらどうだろうと思いつきました。そして、雫役に清野菜名さん、聖司役に松坂桃李さんというおふたりが決まったことで、これは素敵な作品にできると確信しました。中学生時代と大人時代を描く実写版『耳をすませば』、楽しみに待っていただけたらと思います。『耳をすませば』9月18日(金)より全国公開
2020年01月14日時代劇専門チャンネル20作目のオリジナル時代劇となる、仲代達矢主演、藤沢周平原作時代劇『帰郷』が、1月17日(金)より期間限定公開される。『影武者』、『乱』の仲代が、藤沢原作の初期短編小説『帰郷』を手にしたのはおよそ30年前。 作品世界に強く惹かれた仲代は、「いつか主人公の宇之吉をやりたい」という想いを抱き続けてきたという。日本を代表する俳優の想いに共鳴し、常盤貴子、北村一輝、緒形直人、谷田歩、佐藤二朗、田中美里、前田亜季、三田佳子、橋爪功、中村敦夫といった豪華なキャストが集結し、『帰郷』が製作された。監督を務めたのは、ドラマ『北の国から』の監督・杉田成道。仲代とは2015年の『果し合い』以来のタッグとなる。『果し合い』はニューヨークフェスティバル・ドラマスペシャル部門で金賞を受賞するなど高い評価を獲得。 あれから4年が経ち、87歳となった仲代を再び主演に迎え、京都の熟練のスタッフをはじめ撮影チームが再び集結した。仲代演じる主人公・宇之吉は老いた渡世人。若かりし頃、訳あって木曾福島を出奔した宇之吉は、流浪の旅を続け、病に倒れた旅の空で見た風景に故郷への思いをはせる。 老い先を悟った宇之吉は、木曾福島へ。寄る辺のない故郷。しかし、やがて宇之吉は故郷に守るべき存在を見出し……。舞台となるのは信州・木曾福島の山深い里。雄大な自然を背景に、“8K撮影”で挑む股旅時代劇は史上初。カンヌ映画祭や東京国際映画祭でも上映された圧巻の時代劇を、是非スクリーンで目にしてほしい。『帰郷』1月17日(金)より期間限定公開
2020年01月14日9年ぶりにスクリーンに帰ってきた映画『カイジ』。その第3弾であり、シリーズ最終作となる『カイジ ファイナルゲーム』にて、我らが“カイジ=藤原竜也”もいよいよ見納めとなる。1996年よりヤングマガジンにて連載され、24年たった現在でも圧倒的な人気を誇り、シリーズ累計2100万部を超える大ヒットコミック『カイジ』。実写化されたシリーズ前2作はいずれも大ヒットを記録し、いまや日本を代表する超人気シリーズだ。本作は、原作者の福本伸行による完全なオリジナルストーリー。舞台となるのは、東京オリンピック後に景気が最低レベルまで落ち込んだ世界だ。金を持つ強者だけが生き残り、金のない弱者は簡単に踏みつぶされてしまう。これから東京オリンピックに向かうとあって、なんとも気分の悪くなる設定だ。想像するだけで恐ろしい。そんな東京で、借金まみれの“底辺男”・カイジ(藤原)は這い上がるために立ち上がる。カイジを演じる藤原といえば、これまでに多種多様なキャラクター演じ、当たり役・ハマり役は数多くあるが、中でもカイジ役が一番のハマり役といったところ。お笑い芸人のみならず、多くの一般の人々にもモノマネをされるほど、藤原の演じるカイジは国民的キャラクターになっている。生ビール片手に口にする「キンキンに冷えてやがる!」をはじめ、本作にも数々の名言が登場。圧倒的な熱量で数々のパフォーマンスを披露し、新たな次元へと到達している。本作からの新キャストとして、総理秘書で“ゴールドジャンケン”を得意とする高倉浩介役に福士蒼汰、カイジに協力するヒロイン・桐野加奈子役に関水渚が登場。さらに、伊武雅刀が演じる大富豪・東郷や、その秘書・廣瀬湊役に新田真剣佑が参加している。また、カイジが所属する派遣会社の社長で“日本の派遣王”と呼ばれる黒崎義裕役を吉田鋼太郎が演じている。その他、山崎育三郎、瀬戸利樹などの参戦に加え、天海祐希、松尾スズキ、生瀬勝久といった過去シリーズにも参加したお馴染みの面々も登場。彼らが物語のフィナーレを華々しく飾っている。想像を絶するオリジナルゲームの数々や、先の読めない展開の連続……果たしてカイジは、天国と地獄、どちらにたどり着くことになるのか。そして何より、“カイジ=藤原竜也”の最後の絶叫を、ぜひとも劇場で楽しんでいただきたい。『カイジ ファイナルゲーム』全国公開中
2020年01月14日1月16日(木)・17日(金)、トニー賞女優シンシア・エリヴォによるミュージカルコンサートが東京国際フォーラム ホールAで開催される。彼女が主演女優賞に輝いた2016年のトニー賞と言えば、アメリカで社会現象級の旋風を巻き起こした歴史的ヒット作、『ハミルトン』が主要な賞をほぼ独占した年。そんななか、完全独占を阻んだ一角が『カラー・パープル』でシーリィ役を演じた――しかもこの作品がブロードウェイ・デビューだった――シンシア・エリヴォだった。彼女のシーリィの強烈さは、この事実によっても、また2017年に『4 Stars』で初来日した際に披露した劇中ナンバー「I’m Here」によっても証明済み。そんな歌姫が、主演映画『ハリエット(原題)』によってゴールデングローブ賞をはじめとする各賞にノミネートされるなど、映画女優としても注目され始めているという絶好のタイミングで再来日を果たすのがこの公演だ。セットリストには再び「I’m Here」、ミュージカルとポップス両ジャンルの名曲、そして『ハリエット』からのナンバーなど、魅力的な楽曲の数々が並ぶ。さらにはスペシャルゲストとして、ドラマ『glee/グリー』のシュー先生役で日本でも人気のブロードウェイ俳優マシュー・モリソン、『キンキーブーツ』での見事なローラ役が記憶に新しい三浦春馬も出演。それぞれの代表曲プラスアルファをソロで歌うほか、エリヴォと三浦のデュエット、ゲスト同士のデュエット、また3人そろってのナンバーも予定されている。エリヴォの圧巻の歌声に加え、スター同士の異色のコラボも大きな見どころとなりそうだ。文:町田麻子
2020年01月14日全世界で人気を集めた傑作ドラマ初の劇場版『ダウントン・アビー』が日本での公開をスタートしている。本作は英国の大邸宅を舞台に、当主、娘たち、邸宅で働く人々のドラマが描かれる作品で、観れば観るほど新たな発見があり、深みにハマっていく内容。日本公開からまだ数日だが、早くもリピート観賞する観客も出てきているようだ。本作の舞台になっている大邸宅ダウントン・アビーは“カントリー・ハウス”と称される巨大な屋敷と庭からなる施設。そこにはクローリー家の人々と使用人が暮らしており、様々な人々が出入りする。家の当主は単なる金持ちや成功者ではなく、この家を先代から引継ぎ、それを守り、次の代に渡す使命を負っている。2010年にスタートし、6シーズンが製作されたドラマは、様々なエピソードを盛り込みながら“ダウントン・アビーを一体、誰が相続し、守り抜くのか?”がメインのドラマとして描かれた。シリーズは2015年に終了したが、ファンの熱が冷めることなく続いており、満を持して製作されたのが映画版だ。ドラマに続いて名手ジュリアン・フェロウズが脚本を執筆。ドラマの最終回から2年後の1927年秋が舞台で、英国国王夫妻のダウントン・アビー訪問と、邸宅内の激動のドラマが描かれる。本シリーズは膨大な数の登場人物と錯綜するドラマ、キャラクターの成長、現実社会とのリンク、邸宅の継承をテーマにしつつも“時代の変化と共にカントリーハウスは維持できなくなっていく”ことを同時描く脚本の巧みさなど、見どころ満載の作品だが、そもそもがTVシリーズを基にしているので前シリーズを熱心に観ていなくても“途中参加”できる仕掛けが随所に盛り込まれている。映画版も存分に楽しむには予習必須だが、“飛び込み”で劇場に足を運んでも、観ていくうちにキャラクターの関係や物語の展開が少しずつ把握できるようになっている。ちなみに本シリーズは英国の上流社会を舞台にした作品ではあるが、その展開は時に衝撃的だったり、爆笑を誘うエピソードも多い。謎に導かれて、予想を裏切る展開に翻弄されて……気がつくと想像以上に刺激的な体験をした気持ちになれる。そんな“意外の一面”も『ダウントン・アビー』の魅力のひとつだ。『ダウントン・アビー』公開中
2020年01月14日2020年1月10日(金)、舞台『憂国のモリアーティ』の囲み取材が、EX THEATER ROPPONGIにて行われ、荒牧慶彦、瀬戸祐介、糸川耀士郎、北村諒、松井勇歩の5名が出席した。2016年より『ジャンプスクエア』にて連載中の同タイトルを舞台化した本作。コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズを原案に、ホームズの最大の宿敵であるモリアーティ教授を主役に据えたストーリー構成となっており、これまでにノベル化、ミュージカル化など、さまざまなメディアミックスが展開されている。また、昨年末に開催された「ジャンプフェスタ2020」にて、アニメ化が決定したことも発表された。主役のウィリアム・ジェームズ・モリアーティを演じる荒牧は「この作品はミュージカル版が大盛況で終わり、そのあとにアニメ化も発表されて、これから盛り上がっていく作品だと思います。僕としても、どのように進化していくのか見守っていきたい」と作品への愛を見せつつ「まずはこの舞台版を通して、『憂国のモリアーティ』の素晴らしさを届けていきたいです」と意気込んだ。アルバート・ジェームズ・モリアーティ役の瀬戸は「全部まっきー(荒牧)が言ってくれたとおり!」と笑いを取りながら「この作品は、人間の価値観の深層に迫る作品。自分の価値観と照らし合わせて観るのもおもしろいと思います」と、ファンの期待を煽る。続けて、瀬戸は「演出・脚本の西田大輔さんがすごくこの作品を理解してくれていたので、西田さんについて行くのが舞台を成功させる近道だと思ってやってきました。モリアーティ兄弟チームとシャーロックチームで空気感が違うので、2つのチームが混じり合ったときの緊張感を楽しんでほしい」と見どころを語った。ルイス・ジェームズ・モリアーティ役の糸川は、出演が決まった当時を振り返り「稽古に入る前から、このキャストの方々と舞台『憂国のモリアーティ』を作り上げられることが楽しみでした。先にミュージカル版が上演されていたので、舞台版として何を届けていけばいいのか悩んでもいましたが、稽古と場当たりを重ね、舞台にしかない魅力がたくさん詰まっているなと思いました」と手応えを感じた様子。ジョン・H・ワトソン役の松井は「ストーリーは暗めですが、僕が演じるワトソンはキャラクターの中で一番明るいキャラクター。ワトソンの存在意義を舞台上でお届けできたら」と自身が演じるキャラクター性をアピールした。シャーロック・ホームズを演じる北村は「西田さんが演出と聞いて、きっと人間味がある舞台になるだろうなと思っていました。モリアーティ兄弟チームとホームズチームのコントラストがはっきりと出ているので、そこを楽しんでいただけたら」と西田が作り上げる世界観について触れる。稽古場での印象的なエピソードを聞かれると、荒牧は「ルイス役の耀士郎がいじられ役になっていましたね。あまり喋らない役柄なので、シーン稽古のときに「(喋らないのに)なんでそこにいるの?」っていういじりをしていました(笑)」と裏話を明かす。これを受けた糸川が「僕に話を振れば、笑いが取れる、みたいな!」と便乗すると、すかさず荒牧と瀬戸が「それはないだろ!」とツッコミ。負けじと糸川も「僕をオモチャにしてたくせに!」と言い返し、兄弟さながらの仲の良さを見せつけた。また、囲み取材に出席していないメンバーで魅力的なキャストは?という問いに、荒牧がしばし悩みながら「魅力的な人ばかりなんですけど……」と前置きをしつつ、レニー・ダブリン男爵役の佐久間祐人の名を挙げる。佐久間は本作でキャストとして出演するだけではなく、演出助手としても舞台を支えている人物であるため「(キャストと演出助手の両方をやっていて)頭がこんがらがってしまいそうな複雑な計算をしながらも、西田さんの世界観を作り出している方。まさに影の功労者」と絶賛。松井は「ホームズチームのハドソンさん!」と野本ほたるを指し「漫画から出てきた!と思うぐらい、完成度が高い。同じシーンも多く、助けていただいています」と笑顔を見せた。最後に瀬戸が「あとはそうですね。ここにいないメンバーだと、ルイス役の糸川耀士郎かな」と、稽古場でのエピソードとかぶせて糸川をいじっていくも、シーンと静まり返る報道陣。その様子を見て、糸川が「全然ウケないじゃん!」と悲痛な叫びをあげ、その掛け合いでキャスト、報道陣を大いに笑わせ、囲み取材は終了した。東京公演は1月10日(金)~19日(日)EX THEATER ROPPONGIにて、そして大阪公演は1月31日(金)~2月2日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演される©竹内良輔・三好 輝/集英社©舞台「憂国のモリアーティ」製作委員会取材・文/榎本麻紀恵
2020年01月13日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの3作品。ぴあ編集部 坂口英明20/1/13(月)イラストレーション:高松啓二今週公開される作品は21本(ライブビューイング、映画祭を除く)。全国のシネコンで拡大上映されるのは『記憶屋 あなたを忘れない』『ラストレター』『リチャード・ジュエル』『ジョジョ・ラビット』の4本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が17本です。この中から、おとなの映画ファンにオススメしたい3作品をご紹介します。『リチャード・ジュエル』衰え知らずの巨匠、クリント・イーストウッドの新作。今回も実話に隠れた真実を描いています。1996年アトランタ五輪開催時におきた爆破事件で一時犯人に疑われ、社会的に糾弾された男をとりあげ、彼の名誉を映画で回復しようという、いかにもイーストウッドらしい男気あふれる映画作りです。しかもこれが見事なエンタテインメントになっています。主人公リチャード・ジュエルは、33歳。ごく普通の警備員です。警察官にあこがれている、正義感にあふれた、いささか空気がよめない人。ちょっとした不正にも一言口をはさむし、武器コレクターです。小太りで、およそモテそうにない風体。善良なのに、ややアブナイ感じに見えてしまいます。野外で開かれた五輪関連イベント会場で、彼はベンチの下におかれた爆発物を発見、必死になって避難を誘導し、爆発の被害を最小にとどめた功績者でした。新聞やテレビでも話題となり、ヒーローに祭り上げられます。ところが、数日後、FBIが彼を容疑者に擬しているという地元紙のスクープ記事がでて、そこから彼はメディアと国民からバッシングを受けることになるのです。FBIの執拗な捜査や尋問も続きます。まさか、彼にとって正義で憧れるFBIが、犯人でない自分を疑うはずがない、という思い込み、勘違いが事態をどんどん悪くしてゆき……。もはや彼の無実を信じてくれるのは、知り合いの、権威を嫌うブライアント弁護士と母のふたりだけという窮地に立たされます。ジュエルを演じたポール・ウォルター・ハウザーがいかにもイノセントで、らしい雰囲気です。彼の弁護士ブライアント役に『スリー・ビルボード』でアカデミー賞を受賞したサム・ロックウェル。母親役のキャシー・ベイツはこの作品で各映画賞にノミネートされています。善良な普通のひとに突然飛びかかってくる、いまのことばでいえば炎上リンチ。SNS時代の今、これをつきつけてくるイーストウッドにうなります。『ジョジョ・ラビット』ヒトラーとナチスをユーモアで風刺した、ポップなコメディにして、ヒューマンドラマの傑作。ゴールデングローブ賞は逸しましたが、米アカデミー賞有力候補といわれる一本です。ナチスが青少年教育、というか、洗脳のために作ったヒトラーユーゲント。そこに所属する男の子ジョジョの日常を描いています。彼は、母とふたり暮らし、10歳です。自分に自信がなく、例えば、ユーゲントキャンプで自己紹介がちゃんとできるか、悩みます。そんなときに、力強く励ましてくれるのが、彼の空想上の友達、ヒトラー君です。キャンプで、うさぎを殺すという課題を実行できず「うさぎのジョジョ」とあだ名をつけられたときも、どこからともなく現れ、「うさぎは勇敢でずる賢く強いんだ」と激励してくれます。そんな彼の日常に、大事件が巻き起こります。ある日、家の天井裏で、ユダヤ人の少女を発見してしまうのです。どうやら、奔放な母が、かくまっていたらしいのですが……。ヒトラーの時代を描いて、ここまで翔んだ映画は少ないと思います。監督は、『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ。母はユダヤ系、父はマオリ系(ポリネシア)のニュージーランド人ですが、劇中、ヒトラーを演じているのは彼です。ジョジョ役のローマン・グリフィン・デイビスが無垢で一途、茶目っ気もたっぷりあってかわいいんです。ゴールデン・グローブ賞では主演男優賞候補でした。アカデミー賞もいけるかも。大人の役者では、なんと、サム・ロックウェルがユーゲントの教官役で出演しています。母親役にスカーレット・ヨハンソン。タイトルバックに流れるのが、ビートルズの『抱きしめたい』(ドイツ語版)です。これがぴったり合って、一気にジョジョの世界にひきこまれてしまいます。『私の知らないわたしの素顔』知的で美人、大学教授というキャリア、でも50歳を越え、若さと美貌を失いつつあるひとりの女性が、Facebookで仮想恋愛に夢中になっていくという異色のサスペンスロマンスです。主演は『真実』で是枝裕和作品にも出演したジュリエット・ビノシュ。現代フランスを代表する女優です。ビノシュ扮するクレールは、長く連れ添った夫の不倫が原因で子供とも別れ、いまやパリの高層マンションでひとり暮らし。そんなある日、若い恋人につれなくされ、Facebookの友達申請まで拒否されます。腹を立てた彼女は、彼の友達アレックスに目をつけ、24歳のセクシーな女性になりすまして、SNSフレンドになることに成功します。だてに文学教授をやってきたわけではありません。巧みな彼女のコメントにアレックスが惹かれていきます、そしてクレールも夢中になって、電話で声を交わし、テレフォン・セックスをするところまで発展するのですが……。恋の行方は? バーチャルの恋が「リアル」にどう影響をあたえる? ふたりは会うのか会わないのか? 興味津々です。そして、クライマックスには、彼女の心の真実を見ることになります。恋するクレールがどんどんキレイに見えてきます。ジュリエット・ビノシュ、さすがです。首都圏は、1/17(金)からBunkamura ル・シネマで公開。中部は、2/14(金)から伏見ミリオン座で公開。関西は、2/21(金)からシネ・リーブル梅田で公開。
2020年01月13日