ぴあがお届けする新着記事一覧 (877/896)
赤坂アカの同名人気漫画を原作とした『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』が現在公開中。主演にKing & Princeの平野紫耀、ヒロインに橋本環奈を迎えた、若者から大人までをも射程に収めた痛快ラブコメディだ。本作の原作は累計発行部数700万部を突破しており、今年放映されたアニメも絶大な支持を集めた。こういったところから、今回の実写版への期待も非常に高く、大きな注目を集めていたのだ。キャストは主演の平野、ヒロインの橋本だけでなく、佐野勇斗、池間夏海、浅川梨奈、ゆうたろう、堀田真由といった今をときめく若手俳優が一堂に会し、さらに高嶋政宏、佐藤二朗らベテラン俳優が脇から支え、笑える華麗な恋愛劇を繰り広げている。この物語の舞台は、エリートが集まる私立・秀知院学園。生徒会長の白銀御行(平野)と副会長の四宮かぐや(橋本)は、互いに好意を抱きながらも、高いプライドが邪魔をし、その想いを伝えられないでいる。それが大きく歪み、“いかにして、相手に告らせるか”という恋愛頭脳戦に発展しているのだ。平野といえば、『honey』『ういらぶ。』と人気漫画の実写化作品での主演が続き、青春映画を背負っていく新たな存在として期待されている。彼は現役アイドルということもあり、華のある佇まいと、軽やかな身のこなしは本作でも遺憾なく発揮。クールな見た目とは裏腹に、その実、情けないキャラクターというギャップがたまらない。橋本もまた、『銀魂』シリーズや『キングダム』など、漫画の実写化作品で大きな存在感を示している。可憐な見た目から吐き出される、したたかな“かぐやの思想”には誰もが抱腹絶倒必至だ。彼らふたりを中心とした“恋愛頭脳戦”とは、いったいどのようなものなのだろうか?キャストの並びからして、愉快な作品であることは誰もが想像できるだろう。“好きになった方が負け”、こんな風変わりなラブコメディは、ぜひ劇場で大勢の観客と共に楽しみたい。『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』公開中
2019年09月08日Suchmosが本日9月8日、横浜スタジアムで「”Suchmos THE LIVE” YOKOHAMA STADIUM」を開催する。Suchmosは、メンバー全員神奈川育ちで2013年に結成。ROCK、JAZZ、HIP HOPなどブラックミュージックにインスパイアされたサウンドで、都内ライブハウス、神奈川・湘南のイベントを中心に活動。2017年にリリースされた『STAY TUNE』のヒットで一躍人気を獲得し、ハイセンスなバンドとして絶大な支持を得ている。今年3月に新作アルバム『THE ANYMAL』をリリースし、全国7都市8公演のアリーナ・ツアーを行った彼らは今回、結成当初から目標としてきた横浜スタジアムでの単独公演を決行。バンドとしてひとつの到達点へとたどり着くこととなる。伝説の一夜となるであろうこのライブを、是非とも目撃していただきたい。■公演情報「“Suchmos THE LIVE” YOKOHAMA STADIUM」日程:2019年9月8日(日)時間:開場:15:00/開始:17:00場所:横浜スタジアム
2019年09月08日謎だらけの島を舞台にした唯一無二の世界観と、心に深くくさびを打つような美しい文章で、広く熱く愛されている河野裕の小説『いなくなれ、群青』が実写映画化し9月6日(金)に全国公開する。捨てられた人たちがやって来る島「階段島」を舞台に島の謎の解明に奮闘する学生たちの姿を描く。悲観主義で感情を表に出さない主人公・七草役に横浜流星、理想主義で正義感が強い幼馴染・真辺由宇役に飯豊まりえが抜擢。実際に中学校から同級生だった2人はお互いを知っていたので、演じやすかったと言う。「あんまり気負わずに七草を演じられたのは、現場で飯豊さんが真辺として存在してくれていたので、それだけで助かっていました。僕たちの実際の関係が、七草と真辺と重なるところがあって演じやすかったです」(横浜)「雑誌では共演したことがあるんですけど、お芝居での共演は初めてだったので、不思議な感覚がありました。」(飯豊)松岡広大、矢作穂香とも同じ高校で、高校時代に戻ったよう楽しい現場だったと語る。「毎日温泉や岩盤浴に入っていたので、循環が良くなったのか、肌がツヤツヤになりました(笑)。あと何回行く?とか言い合ったりして。高校時代が取り戻されたみたいな感じがすごくありました。中学生の時は仕事で良く会っていたし、プライベートでも仲が良かったんですよ。」(飯豊)シリーズ累計100万部と突破したこのシリーズは詩的な表現が印象的で、美しい世界観を表現すると共に、観る人によって捉え方も変わる。七草と真辺の関係は、自分の手で汚したくない程尊敬し合える関係で、演じる上では気をつけていたという。「七草と真辺の関係は、見る人によっては恋愛っぽく思われるかもしれないですが、そこは何かちょっと差をつけたいと思いました。七草にとって真辺は本当に大きい存在で、恋愛とはちょっと違うし、七草のそういう想いは大切にしたいと思って演じました。」(横浜)美しい島での撮影は神秘的で、撮影で雨が欲しい時に実際に降って来たり、晴れて欲しい時に雲がサッと消えたりと、「映画の神様に愛された作品」だとの柳監督の言葉に、横浜も飯豊も自信をにじませた。「原作を読んだ時に階段島ってどんな感じに表現するんだろう?って考えていたんですけど、そういう予想をはるかに超えて映像が綺麗ですし、群青の世界観にのめり込んで、浸って観ることが出来ると思います。僕にとってこの映画は、今までやってきた作品のジャンルとは違って、すごく挑戦的なお仕事でした。監督も素敵な人ですし、学びの多い映画だったので、ぜひ、皆さんの感想を教えてください。」(横浜)「この作品は捉え方とか感じ方とか、こういう映画だったという解釈も全て違うと思いますし、毎回毎回発見があるので、見るたびに色んな解釈をして欲しいなと思います。セリフ全部が難しいように聞こえるかもしれないですが、重みがあって、言葉のひとつひとつが強いので、そこにそれぞれの想いを感じていただければと思います。」(飯豊)『いなくなれ、群青』全国公開中撮影/高橋那月、取材・文/若村幸江
2019年09月07日ポルノグラフィティが「20th Anniversary Special LIVE NIPPONロマンスポルノ’19〜神vs神〜」を9月7日、9月8日に東京ドームにて開催する。ポルノグラフィティは岡野昭仁と新藤晴一からなるロックユニット。1999年に『アポロ』でデビュー後、『アゲハ蝶』『ミュージック・アワー』『サウダージ』とヒットを連発し、『ヴォイス』『ハネウマライダー』『ギフト』と言った名曲をリリースしながら、現在に至るまでJ-POP界の最前線を走り続けている。そのポルノグラフィティが今回、デビュー20周年記念として開催するのが今回の公演。東京ドームを舞台に、これまでのヒット曲はもちろん、最新の楽曲までを網羅するであろうことが予想されるこの一大イベントは、これまで以上の興奮と感動が約束されていることは間違いないだろう。■公演情報「20th Anniversary Special LIVE NIPPONロマンスポルノ’19〜神vs神〜」2019年9月7日(土)開場14:30 / 開演16:30 / 終演19:30(予定)2019年9月8日(日)開場14:30 / 開演16:30 / 終演19:30(予定)場所:東京ドーム
2019年09月07日1体の人形を3人の人形遣いが動かす人形浄瑠璃文楽は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されており、日本が誇る伝統芸能だ。その東京公演が本日9月7日から23日(月)まで、東京・国立劇場 小劇場で開催される。11時開演の第一部は『心中天網島(しんじゅう・てんのあみじま)』。16時開演の第二部では『嬢景清八嶋日記(むすめかげきよ・やしまにっき)』と『艶容女舞衣(はですがた・おんなまいぎぬ)』の2作を上演する。『心中天網島』は日本のシェイクスピアとも称される近松門左衛門の傑作のひとつで、大坂の商人・紙屋治兵衛(じへえ)が曽根崎の遊女・小春と心中する話。上之巻にあたる〈河庄の段〉はよく上演されるが、全編を通しで観られる機会は少なく、今回は治兵衛や小春の行く末を最後まで見届けられる。最終段〈道行(みちゆき)名残の橋づくし〉では音楽の美しさが際立つ一方、死にゆく恐怖や無残さが浮き彫りに。とても人形とは思えないリアルな動きから目が離せない。曽根崎から網島目指して進むふたりの足取りの中には、桜橋や天満橋など大坂の中心地に今も残る橋の名前や地名が多く読み込まれている。『艶容女舞衣』も心中ものだが、〈酒屋の段〉では子供を残して死なねばならぬ三勝(さんかつ)の苦しみや、正妻ながら一度も本当の妻になれなかったお園の胸中が切ない。半七と三勝が心中へと向かう〈道行霜夜の千日〉は、東京では44年ぶり。文楽ファンにとってもなかなか観ることができないレアな公演だ。『嬢景清八嶋日記』は、源平合戦での活躍で名を馳せ、平家物語などさまざまに語り継がれている藤原景清を主人公とした物語。平家滅亡後、頼朝暗殺に失敗して捕らえられた景清は、源氏の世など観たくないと自らの目をえぐってしまう。零落し日向の国(宮崎県)で暮らす盲目の景清を案じ、娘がやってくるが景清は親子関係すら否定。長い間会っていなかった父を助けたい娘の一念と、男の生き様を孤高に貫こうとする景清の強いプライドがぶつかり合う場面には、ギリシャ悲劇にも似た壮絶さが感じられる。この『嬢景清八嶋日記』の元になったエピソードは、11月に同じ国立劇場の大劇場で、『孤高勇士嬢景清(ここうのゆうしむすめかげきよ)―日向嶋―』と題し、中村吉右衛門主演の歌舞伎としても上演されるので、歌舞伎と文楽を見比べるのも面白いだろう。文:仲野マリ
2019年09月07日世界最大級の自主映画コンペティション“PFFアワード”をメインプログラムに据えた映画祭“第41回ぴあフィルムフェスティバル”が本日から国立映画アーカイブでスタートする。本映画祭は特集企画や貴重な作品の上映も多く、幅広い層の映画ファンが毎年、会場に足を運んでいる。映画祭メインプログラムの“PFFアワード”は、通常の映像コンペに設けられる年齢、プロアマ、上映時間などの制限を一切排し「過去1年以内に制作された未公開作品」であれば、どんな作品も受け付けるコンペティションで、今年は18作品が入選作として上映される。なお、コンペ作品は今年も青山シアターでのネット配信が決まっており、自宅でも作品を鑑賞できる。さらにPFFは貴重な作品の上映や企画にも力を入れており、今年も多彩なラインナップが揃った。富野由悠季が15年ぶりに手がけたテレビシリーズを再構成した『ガンダム Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター』は一般公開に先がけての上映で、富野監督が来場する。そして恒例企画“巨匠たちのファーストステップ”の第4弾が登場。ヤン・イクチュン、バリー・ジェンキンス、ルキーノ・ヴィスコンティ、ジャック・ドゥミ、レオス・カラックス、ジャ・ジャンク―らの“映画監督としての最初の1歩”をスクリーンで楽しめる。さらに今年はカンヌ映画祭の批評家週間短編コンペティション部門で上映された作品を日本で初上映する企画が登場。映画祭で上映される映画は誰が、どのように、どの視点で選ぶのか? 国際映画祭で上映される作品は本当に“国際性”を持ち得ているのか? 様々な国から集まった短編を続けて観ることで、映画祭や映画についての思考がさらに深まり、さらに広がる内容だ。その他、PFF特別講座やブラック映画とブラック音楽を紹介するプログラム、“凄すぎる人たち”と題した特集上映、先ごろ訃報が入った映画プロデューサー吉武美知子が生前に手がけた作品の上映も行われる。すでに前売り券が完売しているプログラムもあるが、残席のあるプログラムは各回上映の30分前から会場1Fのチケット売場で当日券が発売される。第41回ぴあフィルムフェスティバル9月21日(土)まで※月曜休館国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋 3-7-6)
2019年09月07日シリーズ累計90万部を突破した河野裕による同名青春ファンタジー小説を映画化した『いなくなれ、群青』の初日舞台挨拶が9月6日、東京・新宿バルト9で行われ、横浜流星、飯豊まりえ、矢作穂香、松岡広大、松本妃代、中村里帆、柳明菜監督が登壇した。捨てられた人々が集う「階段島」を舞台に、「不幸じゃなければ、幸福だと言い張ることだってできる」と考える悲観的な主人公の七草(横浜)と、自分が島にいることに「納得できない」と憤慨する幼なじみ・由宇(飯豊)が、島からの脱出を試みる。明らかになる真相が突きつける“現実”とは?主演を務めた横浜は「本当に幸せです。1人でも多くの皆さんに見てほしいです」と感無量の面持ち。実写化は「すごく高い壁だった」と明かし、「世界観やセリフがとても難しいというか、(俳優として)どう表現したらいいのかと……」と振り返った。その上で入念なリハーサルを重ねたそうで「みんなで一緒にリハーサルを進めるなかで、自分自身の期待も膨らんだ」と話していた。そんな横浜の言葉を受けて、飯豊も「あのリハーサルがなければ、こういう風には撮れていない。それくらい複雑で、簡単じゃない役柄でした」と大いにうなずき、「素敵な作品にしたいという思いが強くて。(リハーサルを)妥協せずやらせてもらった。自信をもってお届けできる作品になりました」と胸を張った。作品のテーマにちなみ、自身の“なくしたもの”を問われると、横浜は「いきがっていた自分です」。客席から笑いが起こると、「中学、高校はヤンチャで、カッコつけていたんです(笑)。今はこんな感じですけど、あの頃の自分がいるからこそ、今の自分がいるんだなと」としみじみ。本作を見れば「自分のことを肯定できるはず」とアピールした。一方、飯豊は「童心をなくした」と即答し、「小学校の頃、好きな人の名前を書いた消しゴムを使い切ると、両想いになれるっておまじないがあって。でも、大人になって、そういうの忘れてしまった」とかわいらしいエピソード。本人は恥ずかしかったようで「記事にしないでーー」と報道陣に懇願していた。取材・文・写真:内田 涼『いなくなれ、群青』全国公開中
2019年09月06日アマンダ・セイフライドが『A Mouthful of Air』に主演することになった。役柄は、赤ちゃんを産んだばかりの子供本作家。産後うつに悩まされる彼女は、自分のイマジネーションの中に逃避する。彼女の夫をフィン・ウィットロック、担当医をポール・ジアマッティ、彼女の母をエイミー・アーヴィングが演じる。監督、脚本は原作者のエイミー・コップルマン。撮影は今月アメリカでスタートする。セイフライドの最近作は、先月アメリカで公開された『The Art of Racing in the Rain』。ウィットロックは、現在開催中のトロント映画祭で上映されるジュディ・ガーランドの伝記映画『Judy』に出演している。文=猿渡由紀
2019年09月06日トロント映画祭初日、シャイア・ラブーフの自伝的映画『Honey Boy』が、メディアと業界関係者に向けて上映された。今作はラブーフが12歳だった頃に焦点を当てたもの。ラブーフは、自ら脚本を書き下ろしたほか、父親役で出演もしている。タイトルの“honey boy”は、父が彼に向かって時々使った呼び名だ。映画は、20代の俳優オーティスが、カウンセラーの指導で過去を見つめ直す形で展開する。彼の問題行動の根本にあるのは、子供時代に受けた父親からの虐待だ。両親が破局した後、オーティスは父親に引き取られ、安モーテルで生活をしていた。生活費を稼ぐのは子役として活躍するオーティス。父は、彼にタバコやマリファナを教えることはするが、どこかに連れて行ってくれることもなく、まともな愛情表現すらしてくれない。父もまた、不幸な子供時代を送り、それを引きずっているのである。大人になってからのオーティスを演じるのは、今最も注目の若手俳優ルーカス・ヘッジズ。子供時代を演じるのは、『クワイエット・プレイス』『ワンダー 君は太陽』のノア・ジュプだ。子役としてキャリアを積み、スピルバーグに見出されて『トランスフォーマー』などに主演したラブーフは、その頃から、自分がこの道に入ったのは「家が本当に貧しく、家計を支えるためだった」と語っていた。その後もオリバー・ストーンなど大物監督から演技力を評価されるものの、近年はプライベートでのトラブルが続出。警察沙汰になった中には、アルコール依存症と思われる事件もあった。そんな彼がすべてを吐き出したと思える今作は、見る人の心に直球で投げかけてくる。演技面ではもちろん、脚本家としても、彼のキャリアが新たなステップへと向かったことを確信させるものだ。この映画祭における今作の公式上映は10日(火)。アメリカでの劇場公開は11月で、日本公開も決まっている。取材・文=猿渡由紀
2019年09月06日秋のクラシックシーズン突入早々の9月に、英国の誇る名門「ロイヤル・オペラ」が来日公演を行う。「ウィーン国立歌劇場」「ミラノ・スカラ座」「パリ・オペラ座」「ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場」と並んで、“世界5大歌劇場”のひとつに数えられる「英国ロイヤル・オペラ」の華やかさはまさにファン垂涎。イタリアの名匠アントニオ・パッパーノが、2002年の音楽監督就任以来、17年の歳月をかけて手塩にかけて築き上げてきた完成度の高さは特筆モノだ。今回の日本公演のために用意された演目は、グノーの『ファウスト』と、ヴェルディの『オテロ』の2本立て。望みうる最高のキャストを揃えたこの2作品のどちらを観るかはお好み次第。どちらを選んでも外れのないところが伝統の力と言えそうだ。近年の充実ぶりから“今最も勢いのあるオペラハウス”と言われる「英国ロイヤル・オペラ」公演で、非日常な時間と空間を満喫したい。『ファウスト』(C) ROH 2019. Photograph by Tristram Kenton◆公演概要・英国ロイヤル・オペラ『ファウスト』全5幕9月12日、15日、18日東京文化会館大ホール9月22日神奈川県民ホール大ホール指揮:アントニオ・パッパーノ演出:デイヴィッド・マクヴィカー・英国ロイヤル・オペラ『オテロ』全4幕9月14日、16日神奈川県民ホール大ホール9月21日、23日東京文化会館大ホール指揮:アントニオ・パッパーノ演出:キース・ウォーナー
2019年09月06日佐藤勝利(Sexy Zone)と高橋海人(King & Prince)が、理不尽な校則と戦う、恋と友情の青春ストーリー『ブラック校則』。11月1日(金)の全国公開に先駆けて特報映像と、物語のキーポイントとなる落書きだらけの校舎裏の壁が映し出された場面写真が到着した。特報映像は、ロックギターが鳴り響く疾走感あふれる仕上がり。創楽(佐藤)と中弥(高橋)、そしてヒロインの希央(モトーラ世理奈)の心の叫びと共に、「WE FIGHT FOR HER,FOR FREEDOM」と戦いに向けた熱い決意が描かれる。クラスの空気のような存在だった創楽が、ブラック校則への反発を通じて、自分自身をも変えようとしていく姿が、実にエモーショナルだ。他にも2020年にCDデビューすることが発表されたジャニーズJr.の田中樹(SixTONES)や、箭内夢菜、堀田真由、葵揚、水沢林太郎ら、いま旬の若手人気キャストも名を連ね、薬師丸ひろ子、成海璃子、星田英利、坂井真紀、光石研、でんでんら実力派俳優が脇を固める本作。場面写真で確認できる「自分を支配しているのは誰?だから思い出せよ!そこにあるんだって!自分を制限しているのは誰?」と書き殴られた校舎裏の壁のメッセージは一体誰のものなのか。そして、ふたりはブラックな校則と、どう戦っていくのだろうか。『ブラック校則』11月1日(金)より全国公開※高橋の「高」の字ははしごだかが正式表記。
2019年09月06日日本最大規模の子ども国際映画祭「27th キネコ国際映画祭」が11月1日(金)に開幕するが、映画祭で活動する子ども審査員“キネコ審査員”の応募が本日からスタートした。キネコ国際映画祭は参加する子どもの年齢に合わせてプログラムが組まれており、劇場の出入りも自由。大きなスクリーンで存分に映画を楽しめるイベントとして長年に渡って親しまれている。映画祭では、海外の長編・短編の審査を子ども審査員が行っており、小学4~6年生の応募者から選出された15人(予定)が作品を鑑賞し、話し合いを経て、グランプリを決定する。またキネコ審査員はオープニングイベントや国際交流パーティにも参加。世界の映画人と触れ合い、仲間と話し合い、華やかなイベントも同時に体験できる貴重な機会だ。応募は10月7日(月)まで受け付けており、応募用紙をエントリーした後に書類選考と電話でのインタビューが実施され、キネコ審査員が決定する。応募用紙や詳細な募集要項は映画祭公式サイトに掲載中。27th キネコ国際映画祭11月1日(金)から5日(火)まで会場:109 シネマズ二子玉川、iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ、二子玉川ライズ ガレリア・二子玉川ライズ 中央広場ほか周辺キネコ審査員 応募条件参加条件:小学校 4~6年生(男女問わず)映画祭開催期間中および映画祭が指定する日時に全日参加可能であること参加費:無料募集定員:15名(予定)募集期間:10月7日(月)まで応募方法や詳細は映画祭公式ホームページ( )に掲載中
2019年09月06日松崎しげるが主催するエンタテイメント音楽フェス「黒フェス」が本日9月6日に東京・豊洲PITで開催される。9月6日は日本記念日協会が認定した「松崎しげるの日」(クロの日)にあたり、フェスの開催もこの日に合わせたかたちとなっている。“白黒歌合戦”を掲げた本イベントの出演者には、主催者の松崎しげるをはじめとして、ももいろクローバーZ、純烈、鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)を筆頭に、渡辺美優紀、東京ゲゲゲイ、氏神一番(カブキロックス)、大橋純子、竜馬四重奏と言った個性的なラインナップとなっており、バラエティに富んだパフォーマンスが期待できそうだ。また、当日はたいめいけんや日いづる、パティスリー・ビィズ・ショコラのフードが楽しむこともできるのも醍醐味のひとつとなっている。本イベントでしか味わえない感動と興奮と合わせて、是非とも楽しんでいただきたい。■公演情報「黒フェス2019~白黒歌合戦~」日時:2019年9月6日(金)開場:17:00/開演:18:00場所:東京・豊洲PIT
2019年09月06日井上ひさしが初めて文学座と女優・杉村春子に『日の浦姫物語』を書き下ろしたのは、1978年のこと。杉村は70代を迎えていたが、宿命に翻弄される日の浦姫の15歳から53歳までを見事に演じきり話題となった。そんな井上の初期戯曲を、本日9月6日から東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで、こまつ座が上演する。日の浦姫を演じるのは、2年前のこまつ座公演『私はだれでしょう』での好演も記憶に新しい朝海ひかる。演出は、文学座の所属で、井上作品も多く手がけ、その手腕が高い評価を得ている鵜山仁が担当する。舞台は平安時代の奥州米田庄。母の命と引き換えに生まれた双子、日の浦姫(朝海)と稲若(平埜生成)は、父・藤原成親が亡くなった日に禁忌を犯してしまう。稲若の子を身ごもった日の浦姫は、稲若と引き離され、生まれた子も“罪の子”として小舟に乗せ海に流される。18年後。小舟が流れ着いた漁村で青年となった魚名(平埜の2役)は、両親を探す旅の途中で米田庄に立ち寄る。そこで横暴な男・金勢資永を制した魚名と、助けられた日の浦姫は、互いを親子とは知らず惹かれ合い……。本作の発想は、井上が中学3年から高校卒業まで入っていた仙台の孤児院で聞いた、聖人伝だという。中でも、教皇グレゴリウス1世(グレゴリウス聖歌の由来になった)の人生が、井上の興味をひいた。魚名と同じ “罪の子”であり、17年間の懺悔の生活を送った末、神に見いだされて教皇になった彼の生涯は、「兄妹や母を持たない“孤児たち”に激しい衝撃を与えた」と井上は語っている。そこに『今昔物語』『今昔説話抄』など、日本の近親相姦の系譜を重ねて描いたのが本作。極私的な体験に普遍的な視点を加え、鮮やかな物語を紡ぎ出す井上流の作劇は、ここでも健在だ。日の浦姫役に挑む朝海は、元宝塚トップスターという経歴を持ちながら、近年は脇の役どころも堅調に演じ、今春上演されたチェーホフ『かもめ』ではアルカージナ役をオーディションで勝ちとるなど、芝居そのものへの“覚悟”が見てとれる。稲若と魚名を2役で演じる平埜は、映画やテレビドラマのほか、先述の舞台『私はだれでしょう』では、読売演劇大賞男優賞候補に名前が挙がるなど、いま注目の若手俳優。“井上組”ともいえる辻萬長や、たかお鷹のほか、独特な存在感を放つ毬谷友子、さらに文学座の座員たちと、盤石の布陣で贈る本作。この座組みなら、戯曲が放つ繊細なきらめきを、存分に味わえそうだ。文:佐藤さくら
2019年09月06日80年代にニューヨークのアートシーンで時代の寵児となりながらも、1988年、27歳の若さでこの世を去った伝説的なアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキア。株式会社ZOZOの前澤友作氏が約123億円で落札したことで知られる《Untitled》(1982年)をはじめ、世界各地のプライベートコレクションなどから絵画やドローイング、立体作品や映像作品など約130点のバスキア作品が集結する日本初となる大規模展。「MADE IN JAPAN」や「Yen」のようにバブル景気を迎えていた80年代の日本を反映したモチーフや、「おりがみ」といったひらがなを取り入れた作品なども紹介され、バスキアと日本との深い関わりも浮かび上がらせていく。今回【よくばり❣ぴあニスト】限定で『バスキア展 メイド・イン・ジャパン』鑑賞券を100組200名様へプレゼントします!応募はぴあ(アプリ)にて9月23日(月)まで受付中。皆様、奮ってご応募下さい!『バスキア展 メイド・イン・ジャパン』鑑賞券開催期間:2019年9月21日(土)~ 11月17日(日)開館時間:10:00~20:00※9月25日(水)、9月26日(木)、10月21日(月)は~17:00、閉館入館は閉館の30分前まで)休館日:9月24日(火)会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)招待人数:100組200名様応募資格:「よくばり❣ぴあニスト」の方ぴあ(アプリ)を思う存分楽しめるプレミアムな「よくばり❣ぴあニスト」の詳細は コチラ(dpia-app://billingIntro)応募期間:9月23日(月) 23:59まで当選発表:賞品の発送をもって代えさせていただきます。お申込みはこちら(dpia-app://marupi?isLocked=1&marupiId=783d02f7-7298-4bd6-8976-5b84c273ddf1)『バスキア展 メイド・イン・ジャパン』 公式サイト()
2019年09月06日“読書メーター”読みたい本ランキング第1位を獲得、大学読書人大賞を受賞した、河野裕の同名小説を原作にした映画化作品、『いなくなれ、群青』が本日より公開される。本作は、数々の謎が存在する“捨てられた人たち”の島を舞台に、美しい映像で綴っていく青春ファンタジー。主人公の“七草”は、ある日突然、この島にやってくる。“階段島”と名付けられたこの地に、どうして七草たちが来たのか知る人はいない。だが、疑問さえ抱かなければ、島の日常は安定していた。幼馴染の真辺由宇に再会するまでは……。平穏な生活を望む七草とは違い、誰よりも真っ直ぐで凜々しい少女・真辺は謎を解き明かすため、七草と周囲を巻き込んでいく。波風を立てたくない悲観主義者という、ある意味難しい七草役を演じるのは、「いま最も見たい!」と切望される、横浜流星。端正な容姿と豊かな表情、アクションもできるなど、多くの魅力を備え、近年、主演映画『愛唄-約束のナクヒト-』『チア男子!!』『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』や、TVドラマ『初めて恋をした日に読む話』、『あなたの番です』などなど、次々に出演作が公開・放送され、多くのファンを獲得した人気俳優だ。そして、七草を巻き込み、島の謎に迫っていく真辺役には、TVドラマ『サイン - 法医学者 柚木貴志の事件 - 』に出演し、重要な役を演じる映画『悪の華』公開も控える、飯豊まりえがキャスティング。本作では、さらに矢作穂香、松岡広大、松本妃代、中村里帆、黒羽麻璃央らが、横浜や飯豊とともに若者の揺れる心情を細やかに演じていく。島の風景と同様、キャストたちをみずみずしく撮影し、美しい映像世界を作り上げているのは、新鋭・柳明菜監督。思いがけない結末と感動が待つ本作は、この繊細な映像が、いま最も人気がある俳優のひとりである横浜の魅力をどこまで引き出せるのかも、大きな見どころとなっている。『いなくなれ、群青』本日より公開
2019年09月06日スティーヴン・キングの原作小説を基に1980年に公開された、スタンリー・キューブリック監督の映画『シャイニング』は、ホラー映画の金字塔と呼ばれる名作。その原作者キング自ら書いた『シャイニング』の続編小説を新しく映画化した『ドクター・スリープ』が、11月29日(金)より全国ロードショーされる。この度、作品の場面写真が公開された。双子の姉妹、血のエレベーター、237号室バスタブの老婆、迷路を暗示する絨毯など、『シャイニング』にはいくつもの謎が登場したが、中でも象徴となっているのが、メッセージ「REDRUM」。文字列を裏返すと「MURDER」の文字が浮かびあがる。かつて書かれた“REDRUM”の文字今回発表された写真は、映画『ドクター・スリープ』のカギとなる場面を切り取ったもの。ユアン・マクレガーが演じる、成長したダニー(『シャイニング』の男の子の役)が突然の轟音に目覚め、 謎のメッセージを目にした瞬間だ。衝撃でひび割れた黒板には「REDRUM」という文字が浮かびあがっている。果たして、ダニーに待ち受ける、あの惨劇を超える恐怖とは何か……。物語の謎を握る少女アブラには、映画初出演となるカイリー・カラン。共演には『ミッション:インポッシブル』シリーズのレベッカ・ファーガソン。監督は、キング原作の Netflix 作品『ジェラルドのゲーム』で注目される新鋭マイク・フラガナンが務める。『ドクター・スリープ』11月29日(金)より全国ロードショー『シャイニング』ブルーレイ『シャイニング』ブルーレイ ¥2,381+税DVD特別版 コンチネンタル・バージョン ¥1,429 +税ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント(c) 2019 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.
2019年09月05日昨年夏に北米公開され、大ヒットとなった『クレイジー・リッチ!』の続編から、マレーシア生まれの脚本家アデル・リムが降板した。理由は、白人男性の共同脚本家ピーター・チアレッリの方がずっとギャラが高いと分かったこと。チアレッリの方がキャリアは長く、リムはこの1作目まで主にテレビの仕事をしてきたライターなのだが、彼女はこれを不公平だと感じたようだ。『クレイジー・リッチ!』は、原作があと2冊出版されており、映画も次の2本を立て続けに撮る計画。ジョン・M・チュウ監督は、できるだけ1作目の顔ぶれで次の2本を撮影したいと願っていただけに、これはショックだったようだ。リムは次に、東南アジアを舞台にしたディズニーアニメーション『Raya and the Lost Dragon』の脚本を手がけている。文=猿渡由紀
2019年09月05日トロント国際映画祭が、現地時間9月5日に開幕する。オスカー予測の上でも重要な役割を果たすこの映画祭は、今回もまた期待作が目白押し。ハリウッドスターが集まることでも有名で、今年もニコール・キッドマン、ジェニファー・ロペス、マイケル・B・ジョーダン、ダニエル・ラドクリフ、クリスチャン・ベール、マット・デイモンなどがレッドカーペットを歩く予定だ。オープニング作品は音楽ドキュメンタリー『Once Were Brothers: Robbie Robertson and The Band』。クロージング作品はロザムンド・パイク主演の『Radioactive』。この映画祭で世界プレミアを果たすのは、先に述べたオープニング、クロージング作品のほかに、タイカ・ワイティティ監督、スカーレット・ヨハンソン出演の『Jojo Rabbit』、トムハンクス主演の『A Beautiful Day in the Neighborhood』、ライアン・ジョンソン監督、ダニエル・クレイグ主演の『Knives Out』、マイケル・B・ジョーダンとジェイミー・フォックスが共演する『Just Mercy』、ブロードウェイ劇の映画化で、ケリー・ワシントンが再び主演する『American Son』などがある。ひと足先にヴェネチア、テリュライドでプレミアされた作品では、是枝裕和監督が初めてフランス語と英語で撮影した『真実』、ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』、レネ・ゼルウェガーがジュディ・ガーランドを演じる『Judy』、エディ・レッドメインとフェリシティ・ジョーンズ共演の『Abominable』など。さらに、それより早くカンヌで受賞したボン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』、ペドロ・アルモドバル監督の『Pain and Glory』なども上映される。トロントは、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンと違い、審査員が話し合いで賞を決めるのではなく、一般観客の投票で決まるのが大きな特徴。つまりは、気取った小難しい作品よりも、ストレートに人々の心に響く作品が受賞するということ。昨年の受賞作も、『グリーンブック』だった。ご存知のとおり、この映画は、見事、オスカーも受賞している。その前にも、『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』『アメリカン・ビューティ』などがその道をたどった。今年もまたここから、次のオスカーが生まれるのだろうか?それを期待しつつ、これから映画祭レポートを書かせていただくことにする。受賞結果発表は、現地時間9月15日(日)。取材・文=猿渡由紀
2019年09月05日クラシックの歴史において「スペイン音楽」はどうも別扱いされているような気がしてならない。フランスとはすぐ隣り合わせにあり、音楽家の交流も頻繁だったスペインがなぜ?との疑問は、スペインの作曲家たちが描き出した名曲の数々を聴いてみると解決できそうだ。本公演のタイトルにもある「哀愁のスペイン」は、まさにスペイン音楽の魅力を見事に言いきったキャッチに違いない。そう、スペイン音楽は他のどの国の音楽よりも民族色が強いのだ。今回予定されるビゼーの「カルメン」や、ラロの「スペイン交響曲」&ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」はまさにその代表曲。哀愁に満ちた美しいメロディの数々は、クラシック初心者にもすぐに受け入れられる親しみやすさに満ちている。ソリストに瀬崎明日香(ヴァイオリン)と木村大(ギター)を迎えたマエストロ“コバケン“こと小林研一郎の熱いタクトが楽しみでならない。瀬崎明日香木村大◆公演概要9月11日(水)サントリーホール大ホール「コバケンの名曲の花束~哀愁のスペイン/オービック・スペシャル・コンサート2019」指揮:小林研一郎ヴァイオリン:瀬崎明日香ギター:木村大ナビゲーター:朝岡聡管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
2019年09月05日福岡県、大牟田市に実在する動物福祉に特化した、“日本一動物に優しい”との声もある動物園を舞台にしたヒューマンドラマ『いのちスケッチ』が、11月15日(金)より全国公開(11月8日より福岡県先行公開)される。この度、その予告編が公開された。本作の主人公は、漫画家になる夢に限界を感じ、故郷の福岡に帰ってきた田中亮太。彼が軽い気持ちで始めた動物園飼育員の仕事を通して、動物の命について考えるようになり、家族の問題とも向き合いながら、再び一歩を踏み出す勇気を取り戻していく姿が描かれていく。主人公を演じるのは、TV朝日スペシャルドラマ『ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ』、映画『走れ!T校バスケット』、映画『今日も嫌がらせ弁当』などで幅広い役柄を演じてきた、劇団EXILEの佐藤寛太。福岡県出身である佐藤は、朴訥として気の優しい等身大の若者を、地元出身ならではのナチュラルな方言で演じている。ヒロインの獣医役を務めるのは、連続テレビ小説『まんぷく』で注目された藤本泉。さらに、動物園園長役に武田鉄矢、主人公の祖母役には渡辺美佐子、両親には浅田美代子、チェッカーズの高杢禎彦、飼育員役には、芹澤興人、大牟田市出身の林田麻里が脇を固める。公開された予告編では、佐藤が演じる亮太が、東京で漫画家になるべく奮闘する姿や、故郷に帰って動物園で働くようになり、藤本演じる獣医から動物について教えを受ける様子などを切り取りながら、絵を描く才能を活かし、新たな世界に出会うまでが映し出されている。『いのちスケッチ』11月15日(金)より全国公開(11月8日より福岡県先行公開)
2019年09月05日『長江哀歌』『罪の手ざわり』など数多くの傑作を手がけてきたジャ・ジャンク―監督の最新作『帰れない二人』が6日(金)から公開になる。本作はひと組の男女のラブ・ストーリーを描いているが、監督は意図的に物語の中で17年もの時間を経過させ、長い時の中で変化する人の心、社会の様子を描き出している。『プラットホーム』『青の稲妻』などキャリアの初期から世界の映画祭で注目を集めてきたジャ・ジャンク―監督は、変化していく中国社会の中でもがく者たちの姿を描き、自国よりも海外の方が評価が高い時期もあったが、ここ数年は自国で商業的ヒットを生み出すことも増えている。しかし、監督の姿勢はブレることがなく「社会から取り残された人に目を向けることが映画監督の仕事」と言い切る。「世界的な規模で考えますと、理想に近づくことはできるかもしませんが、人間が完璧な理想世界に生きることは不可能だと私は思います。それがまず前提にありますので、社会が大きな変革を迎えると、成功する人がいる一方で少数の取り残される人が必ずいると考えます。私たち芸術家の仕事は、そんな少数者に目を向けて、彼らを描くことです。それが世界でたったひとりであっても、豊かになった大多数の流れについていけなかった人、苦境にある人に目を向けるのが映画監督だと思うのです」そんな監督が最新作で描くのもまた“取り残された男女”だ。中国で暮らすヤクザ者のビンと恋人のチャオはさらなる成功を夢見て暮らしていたが、ある事件をきっかけに離れ離れになってしまう。映画は2011年から始まり、17年におよぶ愛のドラマを描いていく。前作『山河ノスタルジア』も長い時間が扱われたが監督は「脚本を書きながら、前作に続いてまた長い時間を扱うことになるのか……と思うことはありました」と笑う。「しかし私はじっくりと考え、最終的にこの映画では長いスパンの中で主人公ふたりの運命を見ていくことが必要だと決断しました。というのも、私はこの映画で“男女の気持ちが変化していくラブ・ストーリー”と“中国の裏社会の現在”を描きたかったからです。現代の中国は情報過多で、次から次へと予想外の出来事が押し寄せてきますから、現代だけを舞台にしてしまうと、題材の“ごく一面”しか描けないと思いました。そこで2011年から17年間を舞台に、抽象的でマクロな視点から、つまり歴史を盛り込んだ視点からふたりの運命を描くことが必要だと考えたわけです」21世紀のはじめ、中国は大きな変化を遂げた。北京五輪が開催され、多くの人々の暮らしは豊かになり、いくつかの家々は巨大なダムによって沈み、新しいビジネスが勃興し、かつての商売は廃れた。「社会が変化すると、人間の心の中の世界も変化を遂げます。私の考えでは、多くの男性は社会が変化すれば、その主流に乗ろうとして結果的に失敗します。一方、多くの女性は主流の流れとは距離を置いて、伝統的な愛の方法を貫こうとします。そこですれ違いが起こってしまい、悲劇が生まれるわけです」監督が語る通り、主人公のビンとチャオは長い時間の中で翻弄され、お互いの気持ちはすれ違い、いつまで経っても心落ち着ける場所を見いだせない。本作の邦題は『帰れない二人』だが、監督はこれまでも繰り返し、帰る場所、つまり“故郷”を作品のモチーフにしてきた。「かつて私はこんなことを言ったことがあるんです。“離れてこそ故郷がある”と。つまり、遠く離れた場所から想像する時に故郷は抽象的に成立するのだと。私にとって故郷とは物理的な場所ではありません。それに私自身も映画に登場する裏社会の人たちと同じく漂泊の生活を送っているのです」生まれた場所から遠く離れた男女は中国の各地を漂流しながら、時に相手を探し、時に相手から遠ざかるようにして激動の時代を漂っていく。監督が「これまでの作品以上に“男女の情感”を描くことに注意を傾けた」と語る本作は、多くの観客にいつまでも消えることのない深い余韻を残すことになるだろう。『帰れない二人』9月6日(金)より、Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2019年09月05日ヴィジュアル系ロックバンド、シドが2年ぶりにニューアルバム『承認欲求』をリリースする。昨年、結成15周年&メジャーデビュー10周年を迎え、今年3月にアニバーサリーイヤーのグランドファイナルとして『SID 15th Anniversary GRAND FINAL at 横浜アリーナ 〜その未来へ〜』を行ったシドは、アルバム発売後、全国ホールツアーを開催する。次々に色と形を変えながら進化する楽曲制作と精力的に行うライブへの尽きない情熱、シドが持つその衝動の理由を探るインタビューを敢行した。変化することへの恐れをバンドとしての生き様で打ち砕いていきたい——アルバム『承認欲求』を聴かせていただいて、前作『NOMAD』の時から見ても飾り立てた感じのカッコよさではなく、今のシドの等身大の良さが出ていると感じました。この1年ほどで『SIDぴあ』を出していただいたり、エッセイ本を出されたりと、15年間の過去を振り返る機会を作ってこられたと思うのですが、そういった振り返りを経て、今のシドがどんなバンドなのか? 教えていただけますでしょうか。マオシドはヴィジュアル系というジャンルでバンドを始めて、その畑で育ってきて、色々な刺激を受けながら、形を変えて、でも軸は守りつつやってきました。音楽という軸はもちろん、ステージでヴィジュアルの部分もしっかり見せるということも大切にしてきましたし、ステージだけじゃなくジャケットとか細かいところでも、軸は守りつつも、とにかく変化を楽しめるバンドでありたいというところに今たどり着いているのかなと思います。でも途中では、変化することの恐れというのはありました。なんでもそうだと思うんです。バンドだけじゃなくて、ファンのみんなの日常もそうだと思うんですけど、変化することの恐れをバンドとしての生き様で打ち砕いていけるような、そういうのを見せながら活動していきたいなっていうところに今ちょうどたどり着いているところで。それがまさにこのアルバムに繋がっていて、いろんなものをそぎ落として、一つ大きな変化を、自分たち的には成し遂げることができたと思っています。あとは受け取ってくれた皆さんが、どういう風に受け取るかはまた別としても、俺たちはまた一つ皮剥けたよっていうのはあるので。今そこにいます。——自然体の姿を見せられるようになったというのがあるんでしょうか?マオもちろんありますね。それって多分、音楽だけじゃなくなんでもそうだと思うんですけど。人と人が15、6年一緒にいたら、自然な姿って見せられるようになってくると思うし、ファンに対して活動しているバンドだからこそできている、安心感の中だからこそやれることだとも思うので。だから自然体でできていますね、昔よりは。——メンバー間でのバンドでの役割は、15年の長い時間の中で変わってきていると思うのですが、たとえば前作の『NOMAD』からの2年間で変わったりしましたか?マオ『NOMAD』からの2年間だったらそんなに変わってないかも。ゆうや 変わってないよね。——では変わったタイミングは?マオ『NOMAD』からということで振り返ってみたら『NOMAD』で、新生シドになったという感じが俺の中ではしていて。役割って意味ではあまり変わってないかもしれないですし、このバンドはこれが役割、この人はこうっていうより、それぞれなんですよね。それぞれが時々で得意分野が変わったりとか、その得意分野の人が時期によっては2人いたりとか、そういうバンドなので。上手いことそこでやっていると思うので。役割で言ったら常に変わってきているかも。——今、「新生シド」というワードが出ましたが、15周年を経て、今回のアルバムでもまた、新しいシドの新章がスタートしていると思います。15周年を経て、見えたものって一言で表すと何になりますか?Shinji全員の中で、余分なものをそぎ落としていこう、というのが今回のアルバムではあって、それを出せたなと思っています。シドってみんな何でも割とできてしまうバンドで、すごくいろんなことを曲に対してできてしまうんですけど、それを今回は良い意味でそぎ落としているんです。——なるほど。Shinjiさんの中での余分なものって何ですか?Shinjiその点で言ったら、僕は失敗って結構するんですけど。やっぱり失敗がないと気づかないことも多いなって思っていて。例えば、バンドだからこそ4人の意見があって、一人で曲をグイグイ進めるのも違うというか。みんなの意見で、その曲が出来上がってくっていうバンドならではのこともあるし……。そぎ落したものは、もう色々ですよ、ギターの本数も減りましたし。昔は本当に、たくさんのギターを使いたいとか、たくさんのブランドのギターを弾きたいとかっていう願望がすごく強かったんですけど、今はもう逆で。弦が切れない限り変えたくないなと。やっぱり情報量が多すぎるとまとまらなくなっちゃうので。減らしたいなと思ってますね。——明希さんはいかがですか?明希いろんな意味で、アーティストとしてなのか、人間としてなのかは分からないですけど、あんまり心配することがなくなったかなというのはありますね。こうならないようにこうしよう、こうならないようにこうしなきゃ、あれどうかな?って考えるよりも、音楽に対してここまで自分のキャリアができたし、自信というのがやっぱりあるし。少々の揺れというか、出来事では、揺らがなくなってきたのかなという気はしますね。——以前は考えすぎたり、不安になったりも?明希なんか120%やんなきゃいけない、くらいに勝手に思っていて。もっと俯瞰で自分のことも、もちろんバンドのことも、見るっていう気持ちというか、その観点があったほうがチームとしていい結果になるなっていうのを思ってきて。そういう部分ではそぎ落とされた部分が多いのかな。考えすぎて気苦労してたりっていうのもないし。今は、そういう気持ちですかね。変わったところっていうと。——『SIDぴあ』でもおっしゃってましたね。以前は自分の曲が選ばれるかというのを気にしていたけど、今は4人のシドのカラーを考えていると。明希そうですね。でもやっぱりそこの部分に関しては、常に15年間戦いつづけてきたところなので。メンバーと切磋琢磨してきたというか。そこはきっと本質は多分変わらないんじゃないかなという気はしますけど。でも、どういう方向にバンドが向いても、プラスアルファでいられる存在に、よりいられるようにはなってきたかなという感じです。——ゆうやさんはいかがですか?ゆうや明希と近いです。やっぱり自信だと思うんですよね。だって俺らってもう15年以上やってきて、毎回毎回こんなにいろんな、自分たちの持ってるものだけに頼らないで、何が新しくて、何が必要でって、16年やってきたんです。もう、これすごいじゃんっていう風にまず思うから。自信なのかなっていうところはあります、とっても。——揺れなくなったみたいなところも?ゆうやうーん……明希と同じで、いらない心配をしなくなったのはありますね。考えすぎるところとか、そこじゃねぇなっていうところに気づけるようにもなったし。それが、シンプルな考えに持っていけるコツだったりするのかもしれないし。そう思うと自信がついたからなんだろうなって思います。——それは、ライブでの演奏やパフォーマンスにも影響してるなって思います?ゆうやそうですね、ドラムという、ずっと同じポジションにいるので、あそこだけは自分がエキスパートだと思ってるので。ドラムに対しては自信はあるし、あそこにいるとすごく安心するしっていうのもあるので、ライブにももちろん現れているのかなと思います。今伝えたい言葉は、今のうちに伝えようと思った——アルバム『承認欲求』はすごく攻めたタイトルだなと思いましたが、とても温かい、優しい曲が多くて、中身を聴かないと想像できないアルバムでした。アルバムのコンセプトは今回どんな風に決まったんですか?マオコンセプトは、タイトルをつけた後でいうと、『言葉でしっかり時代にシドを刻みたい』というのがあって。承認欲求っていう言葉が、2019年の今を象徴している言葉でもあると思うので、そこにしっかりシドの音楽を刻み込んでおきたいなっていう意味でつけました。『承認欲求』という曲から始まり、今のシドができる、シンプルで強い楽曲たちを中に詰め込んで、最後『君色の朝』でしっかりちゃんと希望を残して終わる。すごくコンセプトがあるものにできたのかなと思っています。——シドは聴く人に寄り添う、共感性を呼ぶ歌詞・曲が多いと思っています。今回はそれをより強く感じたのですが、聴く人に寄り添いたいとか希望を与えたい、みたいな思いは今回は強かったんですか?マオそうですね……今まで我慢していたわけではないんですけど、特に最近それが出てきていて。いっぱい出てきちゃうんですよね。——それは何かきっかけが?マオやっぱり一回休んだ時に色々考えたことが大きかったんですかね、振り返ってみると。その時に、思ったことはすぐやらないとな、というのがすごく気づいたことでもあったんですよね。やりたいことを何かの理由をつけてやんなかったりだとか、何かの理由をつけて臆病になっちゃったりとかっていうんじゃなくて。今、伝えたい言葉は、今のうちに伝えようっていうのを感じて。もともとそういう性格ではあるんですけど、余計にそういうスタイルに、言葉に関してはなってきているのかな。歌詞に対しては、今思っていることを出すことが多くなっていますね。——よりご自身の思いというものをストレートに表現されている?マオそうですね。ストレートにしたほうが伝わるのかなとか、とにかく「伝わる」というところをすごく重視しているかもしれないですね。——ライブで聴いたときに聴き取りやすい歌詞というのも意識されているのかなと思いました。マオもちろんそこはありますね。今って歌詞カードを見ない人も多いので、それでも伝わるようなものを意識しています。だからといって、難しい言葉は書けないから簡単なことを書くっていう風にしてしまうと、本当の気持ちは伝わらないと思っているので、難しいことを書ける準備はちゃんと日々アンテナ張って勉強して仕入れながらも、ザルを振った時に細かい網目からちっちゃい原石だけが落ちてくるイメージというか。そこは本当にシンプルだけど伝わる言葉がある。ここには難しいことがいっぱい残っていて、いつでも難しい言葉を俺は使えるんだよっていう状況の中で、伝わりやすいことを伝えていくっていう方向に結構今来てます、作詞に関しては。——本当は難しい部分は上にあるんですね?マオそうですね、そこも書きたいっちゃ書きたいんですよね。ただ今後のシド、特に今のシドに関してはそれは違うなと思っていて。難しいことも書きたいは書きたいんです。——明希さん、すごく頷いてらっしゃいましたけど、曲に関してはいかがですか? 今回入ってるご自身作曲のものでいうと。明希自分的に一個一個の曲にテーマを持っていたような気がするんですよね。例えば2曲目の『Blood Vessel』だったら、自分たちの思う、スリリングな場面のシドっていうか、変な話ですけど、チューニングを落としてヘヴィにグワッ!って攻めるような楽曲よりも、フレーズとか空気感がエッジが効いてるというかジャンル感も含めて、こういうスリリングさのほうがシドっぽいのかなっていうイメージでした。で、『Trick』はこの中でいうとロック色の強い曲だと思うんですけど、その辺も新しい見せ方というか、あんまり日本の歌謡曲ロックっぽいコード感じゃないというか、メロディの乗り方もちょっと不思議な感じがあって。そういうところもテーマでした。『涙雨』は、結構昔からあった曲なんですよ。『2℃目の彼女』とかそのへんぐらいの時に元々の原曲みたいなものはあって。最近、アルバムを作る上で過去曲をちらっと聴くんですけど、その時にメロディが引っかかって。今のシドのスキルでこの曲をやったら結構壮大な、今までにないバラードの色が出るんじゃないかなと思って。10曲目の『君色の朝』は、横浜アリーナの時のライブのイメージというか。セットリストのあの流れで、新曲をハメるんだったらあの場所で、この曲で、っていういろんなタイミングが重なって。最後に未来が見えるような曲になって、15年目のありがとうと、これからの16年目もよろしくね、応援してねっていうような意味合いの曲で、未来をちゃんと見据えた楽曲になっていたらいいなと思っています。——シドのライブのラストを飾るのが想像できるような。明希これを作った時はラスト感はあんまりなかったんですよ。マオくんの歌詞がハマって、よりそっちにいったのかなと。最後を締めくくる雰囲気がより濃くなっていったのは歌詞のおかげです。アルバムの曲順はマオくん中心に決まったんですけど、最初『君色の朝』がラストになったのは意外で。でも並べて聴いてみて、歌詞もちゃんと読むと、逆にこれしかないなと、今聴いてみると思います。——ゆうやさん作曲の『ポジティブの魔法』はめちゃくちゃゆうやさんっぽいというか、ゆうやさんそのものだなと思いました。ゆうや本当ですか!? 僕から出るこの優しさが……出てますよねぇ(笑)僕が書いたこういう優しい感じの曲に、マオくんの歌詞がすごくマッチしていてすごくいいなぁと思いますね。本当に、ゆうやの顔、見えてきますよね。——ゆうやさんの曲なんだろうなって。ゆうや一発で分かっちゃう感じですよね。僕も本当すごいそう思ってます。——作曲は割とスムーズにできた感じなんですか?ゆうやそうですね、これ狙いが元々あって。こういう感じにしたいなっていう。単純にシドのオリジナル音源の中に、アコースティックの曲がないなって思ったのがきっかけで。アコースティックバージョンみたいなライブはやったりするけど、アコースティックの曲があったら面白いなぁって思ったのがきっかけで、この曲を作りました。——新しいシドの曲になりましたね。Shinjiさん作曲の『承認欲求』はアルバムのタイトルにもなっていますけど、これはどういった経緯で出来上がった曲ですか?Shinj基本的に僕の曲の作り方って、アレンジとメロディが一緒に進んでいく感じで作ることが多いんですけど、この曲に関しては最初はアレンジを全く考えずにコードだけでメロディをガシっと作った曲で。ちょっと初めての感じですね。——『承認欲求』っていうタイトルとか、マオさんの歌詞がこうなるっていうイメージみたいなものは最初から共有されていたんですか?Shinjいや全くないですね。むしろこれは朝作った曲で、そういう歌詞がはまるなんて全然思ってなかったんです。——マオさんは、『承認欲求』というフレーズが今の時代を表す言葉だなというのを肌で感じられていたんですか?マオそうですね。本当、どこに行ってもそこにぶつかるっていうか、テーマの一つだと思うし。世界的なテーマにもなっていると思うんですよ。世界が繋がってるみたいなイメージをみんな持っていて、実際ある部分に関しては繋がっていると思うんですけど、実はちっちゃい世界の中にいるっていう滑稽な感じ、異様な感じが、今の時代だなと。僕が20代の前半だったら何も感じないテーマだと思うんですけど、この歳だから感じたこと、人生の最初の半分はそうじゃないところで生きてきた自分だから感じたテーマだと思うんで、これは自分にしか書けないなと思って書きましたね。あと自分もかなり世の中的には「承認欲求」というのは、満たされても満たされなくてもどっちでもいいんですけど、自分を「好き」ってファンの人に言われちゃうと、その人に対しては承認されたい欲求がグイッと上がっちゃうんで。ついつい、パーっとその気持ちに応えたいっていう気持ちが強くなっていってしまうんですけど。それって別に楽しい範囲内かなと思うし、誰も損してないし、俺も楽しいし、いいかなって思っていて。ただ、そういう「認められたい欲求」がどんどんどんどん、見ず知らずの人に対してまでってなっていくのは考えてしまう。今、「承認欲求」が原因の怖い事件もあるし。だからその辺のいろんな角度から、受け取れる歌詞にしたいなと思って書きました。——今、「ファンの人に対しては期待に応えたい」し、「それが楽しい範囲内」だとおっしゃいましたが、本当にそうなんだろうなと思っていました。ファンからの期待に応えるしんどさみたいなものが、昔より減ってきたんじゃないかなと勝手に想像していまして。マオそうですね。期待には結果的には、多分前より応えられてるのかなっていう気は自分ではしているんですけど、それは結果的なだけであって。応えなきゃって思って応えているわけでは確かにないですね。自分がやりたいなって思ったことを今ひたすらやれているし、前より実際のところはたくさん忙しく動いているかもしれないんですけど、それが「やんなきゃ」っていう感じじゃなくて。やりたくてやっている感じがすごく良いですね。——すごく良いサイクルなんですね。マオそうなんですよ、だからこういう歌詞も生まれたと思うし。——だからこんな優しい雰囲気のアルバムになったんですね。声ではない、音みたいなエネルギーを感じた瞬間、満たされた——ライブのお話を伺いたいんですけど、シドの魅力ってやっぱりライブだなって思っていて。今年もすごく精力的にライブをされてきていて、次は9月からホールツアーですね。今の皆さんのライブへの原動力っていうのは何ですか? ずっと変わらないものからきている?マオめちゃめちゃ変わっていると思います。最初は正直、お客さんが増えるっていうところ、だけとまでは言わないですけど、そこを本当に4人とも目指してやってきたんで。ある時、突然変わってきたというか。それぞれ変わった場所は違うと思うんですけど、今はそこじゃないところに行き着いている感じがしますね。——マオさんにとっての”ある時”というのは?マオバンドを始めたきっかけが「人に知られたい」「人気になりたい」「モテたい」とかっていう、本当に言ってしまえばちょっと不純な欲求だけで始めているんで。それが満たされた瞬間かな。ライブをやっていて、キャー!とかマオー!とかっていう声が、ウワーー!っていう声じゃない、何か音みたいなものになった時に、なんかキタな俺!っていうので一回満たされた感じがしますね。なのでそこからは、最初の原動力だった「人気になりたい」ばっかりじゃないところをもっと突き詰めていきたいというのは感じました。それがどのライブだったかっていうのは分からないですし、いまだにキャーキャーやっぱり言われたいですけど(笑)でもそこが全てじゃないなと。——キャーっていう声には今もエネルギーを感じる?マオなんだろうね、あれは。自分の歌で、明らかに何かが動いているっていうのを感じるからかな。自分の歌に対して興奮して人がキャーって言ってるんじゃなくて、何かが動いてるっていう。一個ずつ紐解いていくと、聴いている人たちの人生だったりとか、みんなそれぞれが動いていて。自分の歌詞だったりとか歌だったりとか曲だったりで。それを感じたときに「ただ人気になりたい」とかじゃいかんなって、発信するものもちゃんとしなきゃなって、しっかりそこで思ったんですよね。——マオさん個人だけではなくて、シドとしてもそれは、変化した瞬間だったのかもしれないですね。明希さんはいかがですか? ライブに対する今の原動力について。明希俺は変わらないですね。やりたいことが変わらないから。音楽が好きなので。バンドをやりたい、ライブをしたいっていうのが、バンドやろうって決めた16〜17歳の初期衝動からずっと変わらない。——音楽が嫌になったことは?明希嫌になったっていうか、疲れたことはもちろんたくさんあるけど。そうですね、ないかな嫌になったっていうのは。音楽自体はね。——こんなたくさんのライブ本数をずっとやり続けるって想像できないくらいすごいことだなぁと思っているんですが。体力的にも、精神的にも。明希あんまり苦じゃないんですよね。体力的に疲れたりとか、精神的に疲れたりっていうのは多分あったんでしょうけど、それで全部崩れちゃったっていうのはまだなくて、幸い。自分としては学生の頃にバンドやって、軽音部で授業終わった後に部活の時間があるじゃないですか。あの感じがまだ終わってないっていう感じなんですよね、変な言い方かもしれないですけど。そういうイメージでずーっと音楽をやれてるから、ライブへの、音楽への欲求がずっとあるから、バンドって楽しいなってずっと思ってきたので、それが原動力ですかね。——それ、ライブで観ているほうもわかるかもしれないです。シドの魅力って、変わらないことも魅力だと思っていて。少年っぽかったりとか、ステージでずっとバカっぽいこと言ってみたりとか、そういうのを含めて、めちゃくちゃ楽しそうな4人っていうのが魅力だと思うので。Shinjiさんはいかがですか?Shinjバラードを演奏していて、お客さんで泣いている人を見かけたりするときですね。自分たちが作った曲を、渾身で弾いて、ちゃんと伝わったんだなとか、そういうのがすごい一番嬉しくて。自分も、少年の頃ってライブ見に行って、自分の好きな曲が流れたりするとやっぱり泣くほど嬉しかったりしたので、なんかそういうのいいなぁって思って。体力的にはずっとやってるのがキツい時もありますけど、そういう瞬間で全部オッケーになっちゃったりするから。最近そういうのすごい感じます。年齢を重ねれば重ねるほど。——プライベートの自分が変わってきたことが影響していたりはしますか?Shinjどうなんですかね。ライブで僕が意識してるのは、あんまり緊張しすぎても良くないし、でも緊張感なくなっちゃいけない。だから割とライブに臨む前は、ちょっと自分に話しかけるというか。例えばツアーがちょっと佳境になってくると慣れてくるんで、緊張しなくなってくるんですよ。でもそれじゃいかんぞと自分に問いかけて。ガチガチは駄目だけど、緊張感を持ってちゃんとやりたいなっていう。——そのバランスは今の方が昔より取れている?Shinjそうですね。——ゆうやさんはいかがですか?ゆうやライブの原動力……やっぱりファンじゃないかな。ファンの人たちが待っててくれているから、シドのゆうやでいられる、というのが原動力であって、ライブでワッってやれてることが繋がってるのかなって気がしますね。そこがなかったら、もうめちゃくちゃ若くはないですから、そこに逆らってこんなことしてやろう! とかも思わないだろうし。多分きっと、暴れ曲限定ライブなんてやらないだろうし。ここまで色々やってきた俺たちが、ここにきて、暴れ曲限定ライブをやるっていうのは結構傑作だなって思うんですけど。それも、ファンの人に対しての原動力があるから、そんな自分たち面白くない?ここにきてこれやるの面白くない?って思っているところがあるんですよね。それをやるにはいろんな支度が必要だったりもするけど、それをさせてくれるのはそこらへんのところだったりするんじゃないかと思うんです。じゃないとやれないような気がするんですよね。本当に年相応か、気にしてる部分も気にしなくなるんじゃないかと思いますけどね。体調管理をしっかりしようとかも、多分気にしなくなるんじゃないかな。ライブってファンがいないと成り立たないと思うので。ファンの存在が大きな原動力になっているんじゃないかなと思います。シドのゆうやでいさせてくれるのはファンだから。若い奴に負けないくらい、これからもバカバカ暴れてやろうと思ってますね。——若いアーティストのことは気になったりするんですか?ゆうや気にはならないですけど、僕らも若いアーティスト、という時期を経てきてるので、自分のめっちゃ若い頃と比較して、いや、あの頃より今の方が全然動けるなって自分でも思っちゃったりするとか色々あるし。そういう、若い頃の自分にまず勝っていきたいなと。俺は割と若い頃から他の人よりも動けるタイプだったりするので、そんな自分に勝ってればもう最高だなって思っちゃったりするんで。どんどんどんどん逆らって、アホみたいにやっていけたらいいんじゃないかなと思いますね、ずっと。メンバーのエンタメ紹介「窓もトイレも開けていないとダメなんです」——ぴあのwebとアプリが、”検索では出会えないエンタテインメントとの出会い”というのがコンセプトなので、皆さんが最近出会ったエンタメについて一つ教えてください。明希最近家のそばに、めちゃくちゃ美味いカレー屋を見つけて。超辛いんですよ! むっちゃくちゃ辛くて。俺、辛いのあんまりいきすぎると食べれないんですけど、それは結構イケて、楽しみの一つです。次の日に仕事がない日だと、昼間からそこで食べて、そのあと酒飲んで。持ち帰りのも買ったりとかして。ビーフカレーなんですけど、いろんなスパイスをずーっと煮込んでて。強力な辛さなんですけど、イケるんですよね、そこのカレーだけは。辛さだけを売りにして、この辛さに耐えられたらみたいなのあるじゃないですか。そういうのではなくて、ちゃんと旨辛な味なのでそれが好きですね。——それは食べてみたいですね! マオさんはいかがですか?マオ俺もご飯なんですけど、この間、河村隆一さんに連れて行ってもらったお店で、めちゃめちゃエンタメだなと思ったお店があって。お店の中に入ると、まずでっかいワゴンでいろんな食材がバーって置かれていて。その食材から、じゃあこれとこれとこれ使ってパスタ作ってください、とか。まずは前菜から20種類くらい置いてあるんですけど、好きなのちょっとずつでもいいし、これだけいっぱいでもいいしみたいな並べ方ができて、そういうのがどんどんどんどん出てくる。メインのお肉とお魚これですーってまるまるそのお肉とお魚がまず出てきて。これで、この味でこうして下さいとかって言えちゃうやつで。めちゃめちゃ楽しかったです。明希も一緒に行ったんですけど。明希美味しかったね!マオめちゃめちゃ感動でしたね。こんなお店があるんだって。俺もこういうとこに後輩連れて来たいなって思いました。やっぱ偉大な先輩はそういう引き出しもすごいなって。——大人だから知っていることですね。Shinjiさんはいかがですか?Shinj僕は何年もYouTubeが好きで、すごい詳しいんですよ。最初の頃はチャンネル登録者が5万人だった人が、ずーっと僕が見てたら200万人になったりとか。なんかそういうのが嬉しいと思って。——自分が見つけた感が。Shinjそういうのあるじゃないですか。ずーっとその人のこと見てたんですけど。自分って好きな物が偏ってるんだなって思うのが、YouTube見ながら寝てたりすると、全部同じのばっかりループになってるんです。関連で出てくるやつが。朝起きたら魚ばっかりの映像が。魚とかラーメンとか……。——魚の映像?Shinj釣りだったりとか、捌いているところだったりとか。なんかすごいですよね、最近本とか買わなくてもそういう実演みたいなので勉強できるので。すごい好きですね。——朝まで、それが流れてるってなかなかシュールですが。Shinjずっと捌いている動画が流れながら寝てますよ。——割と音がないと寝られない方なんでしたっけ。Shinjそうですね、音があった方がいいですね。カーテン閉まってるとあんまり寝られなかったりとか。トイレもドアが開いてたほうが安心するんですよ。——そこまで。じゃあ家では他に人がいなければトイレはドアを開けて?Shinj全然開けてますよ、そっちのほうが落ち着きます。ゆうや人がいても開いてる。いても開いてんだよこの人は!——人に見られても気にならないんですかね(笑)Shinjなんか不安なんですよね。小っちゃいところに閉じこもってるのが。——じゃあ飛行機とかやばいんじゃですか?Shinjもう、ダメですね。ゆうやShinjiの隣だと眩しくてしょうがない。窓閉めんなって言うんだもん。Shinjでも窓閉めたいとか開けてたいは、人によって違うから、半分閉めたりします、眩しいだろうなと思いながら。ゆうや半分でも眩しくてしょうがない。Shinjでも俺は一人だったら全開なんだけど。全開がいいです、本当は。——(笑)ゆうやさんはどうですか?ゆうや僕、吉本以外何も思いつかない。あとは釣りの落とし込みかな。釣りの方法で落とし込み釣りっていうのがありまして。東京って海あるじゃないですか。ああいうところで市場に並ぶような魚が目の前で釣れると思わないじゃないですか、普通。それが釣れちゃうのが意外と落とし込みだったりして。そんなところにそんな魚いるの?っていうのがすごくエンタメ感あるよね、なんかびっくりするんですよ、まず目に見えていないものだから。そんなとこなんて小さい魚ぐらいしかいないでしょう?とか思いがちなところに潜んでるやつが割とちゃんとしていて。それがやっぱりエンタメかな。都内なのにっていうところに俺はすごくエンタメを感じるんですよね。大自然のどこどこに行って、何かを釣るくらいなら普通の釣りかなとは思うんですけど、都内で高速道路が後ろに走ってるのが見えているところで、しかも橋下目の前のところで釣れるくらいの感じがやっぱり半端ないエンタメ感だなと。——大物が釣れた時の喜びみたいな?ゆうや半端ないですね。トピックスですよ。簡単なんですよ、それがまた。アイテム少ないんで、落とし込みって。ポーンと落として来なかったら、またちょこちょこっと上げて、また落として。居ないところにはいないので。餌をずっとたらして、魚がやってくるのを待つ釣りじゃないんで。居るところに落としてやって、食わせるだけの釣りなんですよ。足使ってやる釣りなんですけどね。ツアーとかでも釣り道具を持って行って、本当にライトなので楽にやれるのに、釣れる魚はドデカいんで。エンタメ感半端ないかな。あの子たちがついてきてくれるから、新しいことがやれる——アルバムが出まして、ここからまたシドの新章がスタートということで。ここからのシドのビジョンをうかがいたいです。以前、ベストアルバムを出されたときのインタビューで、マオさんに「目標って何ですか?」とお聞きした時に「シドをやめないこと」だっておっしゃっていて。「やめるっていうことが、ずっとシドを追いかけてきてくれている人を否定することになるから」とおっしゃっていたのがすごく印象的でした。新章としての、これからのシドのビジョンはまた変わってきていると思います。マオやめないっていうのはもう普通になってきていますね。やっぱり特殊だと思うんですよ、シドって。ファンの方の持ってくれている比重が、よそと比べるわけじゃないですけどすごく重いというか。同じ気持ち、同じ想いを持って一緒に進んでっているような。まさにあの横浜アリーナの飛空艇のような。同じ想いを乗せて飛んでいるようなバンドだと思うので。そんなバンドだからこそやらせてもらえることが、新しい挑戦だったりするのかなって。そんなファンの子たちすらもドッキリさせるような、いい意味での裏切りであったり、そこはやっぱり目指していきたいですね。せっかくこういう環境でやらせてもらっているので。それって普通できないこと、実は難しいことだったりもすると思うんですよね。このタイミングで、こんな新しいことやってみようぜって、なかなか怖くてできなかったりすることも、シドだと「あの子たちがついてきてくれてるし」って思えるから、やれることもたくさんあるので、そこをやっていきたいです。わかりやすく言うと、新しいことを、新しい扉をどんどん開きながら活動していきたいっていうのはありますね。——ファンの人たちの熱量が他と違うっていうのは、ご本人たちも感じられているんですね!マオ比べたことはそんなにないんですけど、きっとそこに関しては勝負でもないけど、負けないのかなって。というのも、自分たちだけじゃなくてファンのみんなも思ってるっていうバンドっていうところでいうと、16年という時間を長いって捉えれば長いんですけど、俺は短いなって思っていて。16年でこんなものを作れたバンドってなかなかいないんじゃないかなと思って。それは大切にしながら頑張っていきたいですね。——2003年からって考えると、時間的にはやっぱり長いなって思うんですけど、短く感じるんですね。マオそういう色濃いものを作る期間としてはすごく短い。短い時間でやれたのは、すごく幸せだなって思いますね。明希今マオくんが言った言葉が一番しっくりくるなって聞きながら思いました。音楽的には、だんだん年月を重ねていくと、「やっぱりこれが好き」ってなっていくと思うんですけど。そういう中に、もっともっと欲しいとか、もっともっといろんな音楽を知りたいとか、表現してみたいという欲求というのは尽きない4人だと思うので。自分の色がもっともっとこの先濃くなっていくと思うんですよ。その中でやっぱり、さっき言った変わらない部分と、変わっていく、進化していく部分がこのバンドにはたくさんあると思うから。そういうところをこれからも大事にして、この先もやっていけるだろうなという、ある種の確信はありますね。Shinj今16年やっていて、シドって徐々にグルーヴができてきてるというか。それは確実にあるんですけど、もっともっと何年もやったら、絶妙なグルーヴになっていく気がしていて。このアルバムも16年経った今じゃないとできないと思っていて。すごく尊敬するギターの人とか、めちゃくちゃ上手い人とかいるんだけど、僕はその人には追いつけないだろうし。ギターをめちゃくちゃ上手くなる、とかじゃなくて、シドじゃないとできないこととか、そういう個性をどんどん強くしていきたいですね。——個性を強めていくというと?Shinjこの演奏を聴いただけでシドってわかるとか、新しいんだけどすごくシドを感じるとか。そういう”じゃないと駄目”っていう感じにしたいですね。演奏の面やライブでのパフォーマンスもそうですけど、他の人が演奏したらダメっていうものにしていきたいです。ゆうや僕も同じ気持ちです。ファンの方が俺らのことを信じてずっとついてきてくれてるっていうのがあるので、本当に心置きなくチャレンジできる、させてもらえているから、これからも攻めて行きたいなと思います。——ありがとうございました!■New Album『承認欲求』2019.9.4Release【初回生産限定盤A(CD+DVD)】KSCL-3180/1¥3,611+税【初回生産限定盤B(CD+写真集)】KSCL-3182/3¥3,611+税【通常盤(CD)】KSCL-3184¥2,870+税<収録曲>01. 承認欲求02. Blood Vessel(アプリゲーム「イケメンヴァンパイア」第2章主題歌)03. 手04. デアイ=キセキ05. see through06. ポジティブの魔法07. 淡い足跡08. Trick09. 涙雨10. 君色の朝■SID TOUR 2019 -承認欲求-2019年9月13日(金)千葉 / 松戸・森のホール21〜ID-S限定LIVE〜2019年9月14日(土)千葉 / 松戸・森のホール212019年9月23日(月・祝)群馬 / ベイシア文化ホール(群馬県民会館)2019年9月25日(水)神奈川 / カルッツかわさき2019年10月5日(土)宮城 / 東京エレクトロンホール宮城2019年10月12日(土)埼玉 / 大宮ソニックシティ2019年10月14日(月・祝)岡山 / 岡山市民会館2019年10月19日(土)大阪 / 大阪国際会議場メインホール2019年10月20日(日)大阪 / 大阪国際会議場メインホール2019年10月22日(火・休)福岡 / 久留米シティプラザザ・グランドホール2019年11月2日(土)愛知 / 日本特殊陶業市民会館フォレストホール2019年11月3日(日・祝)愛知 / 日本特殊陶業市民会館フォレストホール2019年11月5日(火)東京 / 中野サンプラザホール2019年11月6日(水)東京 / 中野サンプラザホール2019年11月9日(土)新潟 / 新潟テルサ2019年11月13日(水)北海道 / カナモトホール(札幌市民ホール)2019年11月21日(木)東京 / 東京国際フォーラムホールA撮影/木村直軌、取材・文/藤坂美樹、ヘアメイク/坂野井秀明(Alpha Knot)・大平修子、スタイリング/奥村渉
2019年09月05日現代美術家6名によるグループ展『話しているのは誰? 現代美術に潜む文学』が国立新美術館で11月11日(月)まで開催されている。同展に参加するのは、北島敬三、小林エリカ、ミヤギフトシ、田村友一郎、豊嶋康子、山城知佳子の6名のアーティストたち。1950年代から1980年代生まれまでと年齢は幅広く、表現方法も映像や写真を用いたインスタレーションをはじめとして多岐にわたる。そんな彼らの共通点は、作品のうちに「文学」の要素が色濃く反映されていることだ。2014年より日本各地を撮影した風景写真シリーズ「UNTITLED RECORDS」の制作を行う北島敬三。目に見えないもの、時間や歴史、家族や記憶をモチーフとして作品を手がける小林エリカ。映像や写真などを用いて、社会政治的事象、とりわけセクシュアリティとマイノリティの問題を取り上げた作品を手がけるミヤギフトシ。既存のイメージやオブジェクトを起点にしたインスタレーションやパフォーマンスを手がける田村友一郎。そろばん、サイコロ、安全ピン、油絵具などの既製品や美術に馴染みのある物質を素材に手を加え、これら事物の中に複数の見え方が表出する作品を制作する豊嶋康子。写真、映像、パフォーマンス、インスタレーションによって沖縄における米軍基地や戦争の問題を掘り下げてきた山城知佳子。さまざまな形式で表現活動を行う彼らの作品の中に「文学」がどのように潜んでいるのか?その多様な現れ方を感じ取ってみたい。【関連リンク】 国立新美術館(https:// www.nact.jp )北島敬三 《ツィルカール村 アルメニア共和国》(「USSR 1991」シリーズより)1991/2019 年 顔料印刷 66.0×93.0cm 作家蔵 ©KITAJIMA KEIZO小林エリカ 《ドル》 2017年 ウランガラス、鏡、紫外線ランプ 61.0×41.0×7.5 φ70cm 個人蔵 協力:妖精の森ガラス美術館 © Erika Kobayashi Courtesy of Yutaka Kikutake Galleryミヤギフトシ 《A Lamp》(「物語るには明るい部屋が必要で」より) 2019 年 デジタルCプリント 作家蔵 ©Futoshi Miyagi田村友一郎 《Sky Eyes》 2019 年 ミクストメディア 作家蔵 ©Yuichiro Tamura豊嶋康子 《ズレ》 2018 年 紙、割りピン、アクリル絵具、ボールペン φ11.5cm 作家蔵 撮影:木奥惠三山城知佳子 《チンビン・ウェスタン『家族の表象』》 2019 年 4KHD ヴィデオ、カラー、サウンド 作家蔵
2019年09月05日多様な国籍のメンバーで構成された、韓国発のボーイズグループNCT 127(読み:エヌシーティーイチニナナ)。クリエイティブの先進性とクオリティーの高さでK-POPファン以外からも高い評価を受ける彼らが、日本オフィシャルファンクラブの発足を記念し、9月23日(月)に幕張メッセにて『NCTzen 127-JAPAN 1st Meeting 2019‘Welcome To Our Playground’』を開催する。同イベントは「通常のライブツアーとはまったく違った表情でお届けする1日限りのプレミアムイベント!」というコンセプトとのことで、SNSでも非常に話題を集めている。というのも、アメリカの地上波ABCの人気番組「Good Morning America」「Strahan and Sara」への出演。最新アルバム『NCT#127 WE ARE SUPERHUMAN』での、米ビルボード最大のメインチャート“ビルボード200”11位の快挙。エイバ・マックスの「SO AM I」にフィーチャリングで参加……。など、世界的な活躍が注目される一方、NCT 127はメンバーのキャラクターが伝わるような、バラエティ性の高いコンテンツへの注目も高いのだ。映像配信サービス「dTV」にて、8月25日より放送開始となったNCT 127出演の人気番組『NCT 127 おしえてJAPAN!』の2期(Lesson2)では、「体操着で全力で駆け抜け、大玉転がしやパン食い競走に身体を張って挑む企画」や「放課後トークと銘打った素の青年たちの会話を垣間見れるコーナー」もあり、そんな多様な姿を見せる世界的アーティストは彼らぐらいのものなのだろう。さらにはYouTubeチャンネルにて細やかな頻度でV Logを更新するなど、多面的な魅力を見せてファンとのコミュニケーションを取っていくところに、NCT 127のオンリーワンな世界人気の秘密があるのではないだろうか。日本オフィシャルファンクラブの設立で、ますます彼らの魅力を身近に感じられる機会が増えるのではないかと、これからの展開が楽しみだ。早めのファンクラブ入会で『NCTzen 127-JAPAN 1st Meeting 2019‘Welcome To Our Playground’』のチケット申し込みの案内や、早期入会限定特典がゲットできるそうなので、ぜひともチェックしたい。また、NCT 127は9月28日(現地時間)に、ニューヨークで開催される大規模チャリティーイベント「2019 Global Citizen Festival」へ、クイーン、アダムランバート、アリシア・キーズ、ファレル・ウィリアムス、ワン・リパブリック、ヒュー・ジャックマンらと肩を並べ、K-POPアーティストとして初出演することが決定している。世界を股にかけて活動を加速させ、さまざまな魅力を発揮するNCT 127からますます目が離せなくなりそうだ。次の楽曲がどんなものなのかにも期待が膨らむ。■NCT 127 日本オフィシャルファンクラブ開設&1st Meeting2次先行申込受付中!NCT 127、待望の日本オフィシャルファンクラブ『NCTzen 127-JAPAN』が開設されました。今後、ファンクラブを通してたくさんの限定サービスをお届けする予定です。また、1日限りのプレミアムイベント『NCTzen 127-JAPAN 1st Meeting 2019 ‘Welcome To Our Playground’』の開催が決定。ファンクラブチケット2次先行予約を、9月8日(日)18:00まで申込受付中です。受付期間内に入会すれば、申込が可能となります。是非この期間にお申込みください!-----------------NCTzen 127-JAPAN 1st Meeting 2019‘Welcome To Our Playground’-----------------■日時2019年9月23日(月・祝)昼公演:開場14:00/開演15:00夜公演:開場18:00/開演19:00※開場/開演時間は変更となる場合がございます。※出演メンバーは予告なく変更になる場合があります。予めご了承ください。■会場幕張メッセ国際展示場7ホール■チケット料金¥7,800(税込・手数料込み)※会員限定来場特典付き
2019年09月05日本日、9月5日に竹原ピストルが「全国弾き語りツアー 2019-2020 It’s My Life」を神奈川県・よこすか芸術劇場にて行う。竹原ピストルは1999年、野狐禅を結成。際立った音楽性が高く評価され、2003年にメジャーデビュー。2009年に野狐禅を解散し、全国のライブハウスを行脚する傍ら、CMソングとして話題になっていた『よー、そこの若いの』を含むニューアルバム『youth』をリリース。音楽活動に加え、役者としての評価も高く、これまでに熊切和嘉監督作品『青春☆金属バット』『フリージア』『海炭市叙景』『さや侍』への出演実績を持つほか、2016年秋に公開された西川美和監督の最新作『永い言い訳』での好演が評価され、キネマ旬報助演男優賞、日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。サントリーコーヒー『BOSS』のCMにも出演した。その竹原ピストルの開催する今回の引き語りツアーは、今まで通りの白熱した言葉と歌で魂に火をつけられながらも、より血と肉を伴ったパフォーマンスに心を揺さぶられることは間違いない。日常に少し疲れたり、今いる自分の場所を見失いそうな時ほど、彼のメッセージが胸に突き刺さるライブになりそうだ。■公演情報住友生命 「Vitality」 presents竹原ピストル 全国弾き語りツアー 2019-2020 It’s My Life日時:9月5日(木)会場:18:00開演:19:00場所:神奈川県・よこすか芸術劇場大劇場
2019年09月05日阿佐ヶ谷スパイダースの新作公演、長塚圭史作・演出による『桜姫〜燃焦旋律隊殺於焼跡(もえてこがれてばんどごろし)〜』が9月10日、東京・吉祥寺シアターにて開幕する。四代目鶴屋南北が手がけた歌舞伎の人気演目『桜姫東文章』を原作とした長塚作品と聞いて、十年前、2009年に上演された、故・中村勘三郎、大竹しのぶ、白井晃らが出演した舞台『桜姫〜清玄阿闍梨改始於南米版(せいげんあじゃりあらためはじめなんべいばん)〜』を思い出した人もいるだろう。本作は、その十年前の公演の際に長塚が書き上げていて、上演されなかったもうひとつの『桜姫』である。長塚に話を訊いた。「書き上げたといっても、推敲する前の段階でしたけど。それがさまざまな理由で採用されず、南米版を新たに書くことになった。それ以降、こっちの『桜姫』についてはすっかり忘れていたんです。だってこれに執着していたら次の作品が書けないから、切り替えていかないとね。僕は、過去のことを忘れる能力に長けているので(笑)」埋没していた未発表作品を掘り起こしたのは、当時、推敲前の戯曲を読んでいた劇団員で演出助手の山田美紀だ。今、形にするに至った経緯には、一昨年に阿佐ヶ谷スパイダースが“劇団”として再始動したことも関わりがあるようだ。「このような過去のプロデュース公演などで、自分の中で心残りのあるものにもう一度、スポットを当ててみる。そうした試みを劇団でやってみたらいいなと思っていたんですよね。以前の僕には、次から次へと新作を書き飛ばす……といった時代があった。それらをもう一回見直して、きちんと作品化する。その時も作ってはいたけれど、書きあがったらすぐに短期間で立ち上げる……といったことをしていたわけだから。もうちょっと冷静になって作り上げたい、ずっとそう考えていたんですね」奇しくも今回、2006年に長塚が書き下ろした戯曲『アジアの女』の再演が重なっている。「自分がかつて書いたものを眺める機会が続きました。恥ずかしさもあるけど、やっぱりその時の思考、エネルギーは面白いし、どちらも僕にとっては転機となった作品。考えてみたら、原作モノを扱って書いたのは『桜姫』が初めての経験でしたね」十年前の自作を改訂していく作業は「自分を疑うというより、信用してみる」感覚だったという。「原作の『桜姫東文章』自体が荒唐無稽で、これを現代劇にするにはどういうやり方がいいんだろう?と自分なりに考えた痕跡があって、それを見つめるのが面白いですね。当時は、演出は串田(和美)さんがやるんだから演出家が勝手になんとかやればいいと、僕も乱暴に書いていて(笑)。とんでもなく荒唐無稽なことを書いているから大変なんですけど、なんだかあの時の串田さん、勘三郎さんと対話しているような気もして、面白いんです」稚児白菊との心中に失敗して生き残った高僧清玄は、後に出会った高貴な生まれの桜姫を白菊の生まれ変わりと信じて執着する。桜姫は、かつて自分を凌辱した盗賊・権助に焦がれ、再会して夫婦になるも女郎として売られることに……。この奇天烈な原作を、長塚は戦後占領下の東京を舞台とした物語に移し替え、大胆に改稿。不思議な楽隊に導かれるようにして嬉々と堕ちてゆく美しき桜姫、彼女を追いかける聖人・清玄、運命に巻き込まれていく極悪人・権助ほか、生への執念をたぎらせた人々が痛快に絡み合うドラマとして再生した。その展開の鮮やかな飛躍に、長塚圭史の真髄が覗く。「今、立ち稽古をやっていて、荒唐無稽でムチャクチャだし、ほとんど血まみれだったりするんだけど、そんなに違和感がないんですよね(笑)。鶴屋南北が書いたこの突拍子もない世界と、相性がいいのかもしれない。歌舞伎についてアドバイスをいただいた国文学の先生によると、いわゆるその時代の世相をアレンジして歌舞伎は作られていると。それはどうしたって現代劇には通用しないから、だったらもう思い切って変えてしまう。カブいていいわけですからね。意外と違和感なく、工作を作るように人物の関係性をつなげて、立ち上げていっていますね。その中で、僕が戦後という時代にしたかった思いは何なのかが、段々と明確になって来ています。清玄は、白菊とともに死ねずに生き残った生命力、そして後に殺されても幽霊になってまで桜姫に纏い付く生命力がある。桜姫は、私の人生はこれじゃない、もっとスリリングに、ドラマチックに生きたいと願う、その熱量はつまり生きることへの渇望です。獣みたいな権助は、戦争でおそらく人を殺して来ている。彼はもう理屈じゃなく、人を殺してでも生きていくしかない。そんな彼らの思いは、戦後の、本当だと思っていたことが全部嘘になってしまったあの時代、ひっくり返ってしまった世の中を、どうにか生き抜こうとするエネルギーに繋がっていくんじゃないかと思うわけです。やっぱり人を殺してでも僕らは生きたい、そういう理不尽な生き物なんだと。そのことに僕らは向き合って生きていくしかない、今、そんなことを思いながら稽古をしています」物語の鍵を握る“楽隊”、その音楽を、数々の長塚作品を支えてきた強力な助っ人、荻野清子が手がけている点にも注目だ。「荻野さん、最高ですよ。楽器は、ウクレレとクラリネットと段ボールの太鼓とピアニカ。そんな編成で本当に楽隊になるのかな、どうなることやら……と最初は思ったんだけど、やっぱり楽譜が良ければなるんですね(笑)。素敵な曲を作ってくれて、ある種の見世物小屋みたいな光景が楽隊に重なる……そんなイメージの広がりを見せています」桜姫を演じる藤間爽子をはじめとする若手の面々に、中村まこと、村岡希美などの巧者が混ざって、14名の劇団員キャストで放つ新作舞台。熟考して積み上げた芝居、全員の生きるエネルギーの結実を、ぜひ見届けたい。主要スタッフも劇団員である。どうやら阿佐ヶ谷スパイダースの“劇団員”は今後も増え続けていくらしい。「今も増えていて、幽霊みたいに(笑)精神だけは共にしている、って人もいる。僕が認識できるのは100人程度だと思うので、100人くらいの集団で、公演によって伸び縮みしながらやっていけたらと思っていますね。ただ、劇団って閉じていく傾向があるので、閉じないように、でもいたずらに肥大しないで……と、試行錯誤してやっていくしかない。今回みたいな荒唐無稽な作品に劇団の皆が頭を使って、必死になって考えている光景はいいな〜と思って(笑)。これからも、劇団でしかできない公演をやっていくつもりです」取材・文:上野紀子
2019年09月04日エミリー・ブラントが恋愛映画に主演することになった。タイトルは『Wild Mountain Thyme』で、お相手役は『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のジェイミー・ドーナン。ドーナンの父役をクリストファー・ウォーケン、ブラントの父役をジョン・ハムが演じる。原作は、ジョン・パトリック・シャンリーが書いた舞台劇。映画版でも、シャンリーは脚色と監督を務める。撮影は今月末、アイルランドでスタートの予定だ。ブラントの次回作は、来年公開予定のディズニーの超大作『ジャングル・クルーズ』。文=猿渡由紀
2019年09月04日スペインのピアニストといえば、かつて一斉を風靡した美しき名手アリシア・デ・ラローチャ(1923-2009)の名前を思い出す。彼女亡き後のスペインピアニズムは一体どうなってしまったのだろう。などと思っていた矢先に現れたのがホアキン・アチュカロだ。と言いつつ1932年生まれのアチュカロとラローチャとの年齢差はわずか9歳。見方を変えれば、これまでラローチャの影に隠れていた大器にようやく光が当てられたとも言えそうだ。今回の公演では、モーツァルト、ベートーヴェン&ショパンの名曲のほか、得意とするスペインのグラナドス&アルベニスなどの作品が披露される。まさにスペインピアニズムの継承者を堪能するにふさわしいラインナップだ。老いてなお色気を感じさせるスペイン人特有のダンディズムも合わせて堪能したい。◆公演概要9月9日(月)日経ホール「ホアキン・アチュカロピアノ・リサイタル/第488回日経ミューズサロン」●ホアキン・アチュカロ(ピアノ)Joaquin Achúcarro:1932年スペイン・ビルバオ生まれ。59年リヴァプール国際コンクール優勝。以来、世界中の著名ホールでベルリン・フィル他と共演。C.アバド、R.シャイー、C.デイヴィス、Z.メータ、小澤征爾、S.ラトルら指揮者が信頼を寄せる世界最高の巨匠のひとり。2014/15シーズンは北米、南米、ヨーロッパ、アジアなど12か国で演奏、ヴェルビエ音楽祭へ参加、リスボンでは4つの協奏曲を10日間で演奏し大成功を収める。CDはホアキン・ロドリーゴ唯一のピアノ協奏曲ほか多数、DVD「アチュカロ・プレイズ・ブラームス」(C.デイヴィス指揮ロンドン響)や「ファリャ&フレンズ」(S.ラトル指揮ベルリン・フィル)でも見事な音楽性を披露。2000年《平和のためのユネスコ・アーティスト》に選出。2003年スペイン国王より国家功労十字勲章を授与。イタリア・シエナのキジアーナ音楽院名誉教授、同院国際サマーコースの専任講師。1989年より南メソジスト大学(アメリカ・ダラス)の名誉教授。www.achucarro.com
2019年09月04日