チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (102/342)
夏のロンドンを彩る音楽の風物詩といえば「プロムス」(Proms)だ。日本でもほぼ毎年放映される最終日「ラスト・ナイト」の熱狂ぶりはおなじみ。なんとあの「お祭」が今秋、「BBC Proms JAPAN 2019」(特別協賛:大和証券グループ)として日本にやってくる。PRアンバサダーを務めるヴァイオリニストの葉加瀬太郎らが出席して概要発表会見が行なわれた。【チケット情報はこちら】「BBC Proms JAPAN 2019」は10月30日(水)~11月4日(月・祝)開催。軸となるのは、東京・オーチャードホールでの5公演と大阪ザ・シンフォニーホールでの1公演だ。首席指揮者トーマス・ダウスゴー率いる、初来日のBBCスコティッシュ交響楽団をホスト・オーケストラとして、ユリアンナ・アヴデーエワ(ピアノ)、ワディム・レーピン、三浦文彰(以上ヴァイオリン)、宮田大(チェロ)、ジェス・ギラム(サックス)、森麻季(ソプラノ)といった豪華なソリストたちが顔を揃える。リー・リトナー(ギター)とデイヴ・グルーシン(ピアノ)というジャズの大御所ふたりも。10月30日(水)●プロム1:ファースト・ナイト・オブ・プロムス(チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番、マーラー:交響曲第5番ほか)10月31日(木)[大阪]●プロム2:BBCプロムス・イン・大阪(同上)11月1日(金)●プロム3:ジャズ・フロム・アメリカ(リー・リトナー&デイヴ・グルーシンのユニット、および挾間美帆"m_unit"によるジャズ・ナイト)11月2日(土)●プロム4:ロシア・北欧の風(チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、シベリウス:交響曲第2番ほか)11月3日(日・祝)●プロム5:日本を代表する次世代のソリストたち(エルガー:チェロ協奏曲、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ほか)11月4日(月・祝)●プロム6:ラスト・ナイト・オブ・ザ・プロムス(有名曲オンパレードのガラ・コンサート)誰もが気軽に音楽に親しめるようにという本家プロムスの精神に従い、どの公演にも1,000円という安価な特別席が用意されている。また、11月2日(土)~4日(月・祝)には、渋谷エリアの複数会場で、そうそうたる顔ぶれによる無料公演も。ハロウィンのあとの渋谷は音楽に染まる。そしてプロムスといえばラスト・ナイト。あちらでは会場ロイヤル・アルバート・ホールのアリーナ部分は立ち見席。Tシャツ&ジーンズは当たり前。フェイス・ペイントや奇抜なコスプレでキメた若者たちが盛り上がる、文字通りのお祭り騒ぎだ。そして最後は会場一体で《威風堂々》の大合唱。日本ではいったいどうなるだろう。ちなみに今回の「BBC Proms JAPAN 2019」は全席指定の着席制だけれど、ぜひ、歌う気満々の前のめりで出かけて、クラシック音楽の新しい楽しみ方に積極的に参加してしまおう。本来は控えめな英国人が、あれだけやっちゃってるのだから。取材・文:宮本明(C)BBC Proms JAPAN 2019
2019年03月20日Sound Horizon/Linked Horizonを主宰するサウンドクリエイターRevoがSound Horizonを中心にセレクトした自らの楽曲を、完全生演奏の上質なアレンジで披露する特別イベント『Revo’s Acoustic Night』が4月27日(土)・28日(日)・29日(月・祝)に東京・グランドプリンスホテル新高輪 「飛天の間」、5月2日(木・祝)にホテルニューオータニ大阪 「鳳凰」で開催される。どちらも豪華ホテルというラグジュアリーな空間で、Revo監修のディナーとともに、これまでになかった形でのライブを堪能できる『Revo’s Acoustic Night』。今回、イベントのロゴが初解禁された。チケット一般販売に先駆けて、チケットぴあでは先行抽選プレリザーブを実施。受付は3月21日(木)午後6時から25日(月)午後6時まで。■『Revo’s Acoustic Night』出演者:【東京】4月27日(土)、28日(日)<Vocals>RevoMIKI、Minami<Musicians>河合英史(Pf)、Ken☆Ken(Dr)、高桑英世(Fl)、西山毅(Gt)、長谷川淳(Ba)【東京】4月29日(月・祝)、【大阪】5月2日(木・祝)<Vocals>RevoFuki、松本英子<Musicians>五十嵐宏治(Pf)、弦一徹(Vl)、竹下欣伸(Ba)、田代耕一郎(Gt)、三沢またろう(Perc)(※五十音順)■会場【東京】グランドプリンスホテル新高輪 「飛天の間」【大阪】ホテルニューオータニ大阪 「鳳凰」■チケット一般席43,000円(税込)※全員に「オリジナルピンバッジ」をプレゼントいたします※チケット代には、ショー、コース料理、お飲みもの、サービス料・消費税が含まれております※オリジナルドリンク(ノンアルコール)をお一人様につき1杯ご提供させていただきます
2019年03月20日昨年、松本零士作の国民的アニメ漫画『銀河鉄道999』が音楽劇となって再誕し、大きな話題を呼んだ。この春、その続編となる舞台『銀河鉄道999さよならメーテル~僕の永遠』(脚本・作詞:石丸さち子、演出:落石明憲)が上演される。【チケット情報はこちら】主人公・星野鉄郎を演じる中川晃教やクイーン・エメラルダス役の凰稀かなめ、キャプテン・ハーロック役の平方元基など、前作からの人気の顔が揃うなか、鉄郎の敵となる機械伯爵役で気鋭の若手俳優、前山剛久の新参加が決定した。「出演が決まり、両親や年上の方々からの反響が大きくて嬉しい」と笑顔満面。士気みなぎる表情で、新たに挑むキャラクターへの熱い思いを語ってくれた。「あらためてアニメや映画を観てみたんですが、機械伯爵の登場が意外にアッサリとしていて、あれっ!?と思って(笑)。その後に今回の台本を読んだら、機械伯爵の人物像がとても膨らんで描かれていたので、嬉しかったです」本作では、劇場版映画とは違う“真実”をすくい上げたオリジナルストーリーが展開する。昨年の前作で鉄郎と機械伯爵の対決が描かれ、その決着はついたはずだが…。続編でふたりのどのような関係が描かれていくのかが気になるところ、前山から「僕、悪役が好きなんです」と興味深い発言が飛び出した。「以前テレビドラマで1年間、悪役を演じたんですが、その時にすごく考えさせられたんです。悪役は人を困らせたり危害を加えたりとまさしく悪いイメージがあるけれど、そこには何かのトラウマだったり、必ず理由があるんですよね。嫌なことを払拭するための行為だったり、あるいは正義のためにやった行為が悪に見えてしまうこともある。そんなふうに内面に闇を抱えている悪役に、とても魅力を感じます。機械伯爵も、今回の物語では彼の悲しい過去が描かれているので、演じ甲斐があるなと思っています」さらに今回はもうひと役、機械伯爵の過去に関係する重要なキャラクターも担うことになっている。「機械伯爵では冷酷で残忍な一面を、そのもうひとつのキャラクターでは人間らしい葛藤を色濃く出していけるのではと思っていて、とても楽しみです。彼らがどんな人生を歩んできたのか、その部分を丁寧に立ち上げて、そこに前山剛久の役者としての人生を重ね合わせて作っていけたらと思っていますね」舞台の実力者が揃った共演陣に刺激を受けながら、「引っ張ってもらいつつ、僕も引っ張っていけるようにしたい」と力強く宣言。悪の深層に迫ろうとする、真摯な挑戦を応援したい。「芝居にかける熱量なら負けない。僕は不器用なので、とにかく魂でぶち当たっていきます!」公演は4月20日(土)から29日(月・祝)にかけ、東京・明治座で行われる。その後大阪公演もあり。チケットは発売中。取材・文上野紀子
2019年03月20日3月19日に開幕する新国立劇場のマスネ《ウェルテル》は、2016年新制作で好評を博した、重厚かつ美しい舞台だ(ニコラ・ジョエル演出)。大きな話題が、目下世界中で引っ張りだこの新世代の注目テノール、サイミール・ピルグ(37)が新国立劇場に再登場、主人公ウェルテルを演じること。声でも演技でも、繊細さと情熱の両面が必要な複雑な役だ。【チケット情報はこちら】「非常に難しい役です。誤解を怖れずに言えば、《愛の妙薬》や《リゴレット》あるいは《椿姫》などは、若いテノールでも歌えます。でもウェルテルは違う。喉だけで歌うのではなく、頭で歌うことも要求される役です。つまり、キャラクターをしっかりと作ることが必要。さらに、声楽的にも非常にドラマティックでヘビーなので、十分に準備をしなければなりません」有名な第3幕の〈オシアンの歌〉は、しばしば単独でも歌われる、聴きどころの名アリアだが、ウェルテル役にとって、より難しいのは第2幕なのだそう。「ふたつのアリアや二重唱があり、高音もあるので声もヘビーです。あの第2幕だけで、普通のオペラの全幕分に匹敵するほどです」パヴァロッティの愛弟子。22歳の若さでザルツブルク音楽祭にデビューし、キャリアの初期はモーツァルトを中心に活躍していたが、近年はベッリーニやドニゼッティなどのベル・カントもの、そしてフランス・オペラ、特に今回のウェルテルのような、ヴェリズモ的な性格も孕む重めのテノールの役にレパートリーを広げている。「声のキャラクター的にも心理的にも、いまの私はそれが歌える成熟期に入っていると思います」と手応えを語るように、取材後に見学した舞台稽古でも、美しい声はもちろん、人妻への破滅的な愛に突き進む激しい感情を表現しきって、まさにハマり役と思わせる熱演だった。今回、彼以外は全員日本人キャスト。「唯一の外国人だというのは、たまらなく気に入ってますよ。テノールはみんな目立ちたがり屋ですから(笑)。素敵な経験を楽しんでいるところです。稽古の間に、音楽全体のクォリティが非常に高く作り上げられてきたのも強く感じます。美術・演出も含め、トータルに高いレベルで、アジア屈指の劇場にふさわしいプロダクション。必ず気に入っていただける、とても素敵な舞台ですので、ぜひお越しください」取材を終え謝意を述べると、「もう少しいい?」と続けてきた。出身のアルバニア共和国のこともぜひ聞いてほしいのだという。バルカン半島の小国は、1991年に民主化を遂げ、経済的に大きく発展中であること。多宗教が共存してきた歴史を誇る、平和な人々の国であること。そして美しい海と山のこと。彼自身はイタリアの国籍も持つが、バカンスは必ず祖国に帰り自然の中で過ごすという。まだ観光客も少なく、旅行費用も安価なので穴場だよと教えてくれた。次代を担うスター・テノールは、故郷への愛と誇りにあふれる誠実な好人物だった。取材・文:宮本明
2019年03月20日ベースに加え、ギター、鍵盤やサックスなども演奏するマルチプレイヤー、河原太朗のソロ・プロジェクト、TENDRE(テンダー)が6月に東名阪でツアーを開催することが決定した。【チケット情報はこちら】河原はYogee New Waves、KANDYTOWN、sumikaなど様々なバンドやアーティストのレコーディングに参加するほか、RyohuのEP『Blur』では共同プロデュースを務めるなど、活動は多岐にわたる。数年前からTENDREでの活動をスタートさせ、昨年の10月には1stアルバムをリリース。今回のツアーは5月に配信される新作『SIGN/CHOICE』のリリースツアーとなる。チケットの一般発売に先駆けて、オフィシャル先行を実施中。受付は3月24日(日)午後11時59分まで。■TENDRE 「SIGN/CHOICE」Release Tour6月7日(金) 池下CLUB UPSET(愛知県)6月9日(日) Shangri-La(大阪府)6月15日(土) WWW X (東京都)
2019年03月19日ベッド&メイキングスの最新作『こそぎ落としの明け暮れ』が、現在、東京芸術劇場 シアターイーストで上演されている。作演出の福原充則は、前作『あたらしいエクスプロージョン』にて岸田國士戯曲賞を受賞。本作が受賞後初の書き下ろし作品となる。【チケット情報はこちら】入院中の姉・和子(町田マリー)の見舞いに訪れた真理子(安藤聖)。同部屋の時村(島田桃依)は少々問題のある患者で、その日も彼女が雑誌を盗んだと、売店の店員・勝呂(佐久間麻由)が病室にやって来る。一方、看護師の吉村芒恵(野口かおる)は、別れたばかりの昭一(富岡晃一郎)と言い争い中。というのもある理由から、芒恵は昭一に30万円を受け取ってもらおうと必死なのだ。するとそこに害虫駆除業者の片桐(吉本菜穂子)、常滑(石橋静河)、近藤(葉丸あすか)が現れて…。福原らしい、愛らしさと不器用さと面倒くささが詰まった会話劇である。登場人物たちは皆、自分にとって大事な誰かのことを思い、そして行動を起こす。それはもちろん優しさゆえの行動なのだが、その優しさが過度であるため、もしくは方向違いであるために、結果的に空回りしてしまう。だがそれこそ人間の愛しさであり、バカバカしさであり、たまらない面白さなのだ。そんな人間くささ全開の登場人物たちが発するセリフは、どれも驚くほど直球で、観客の心にズドン!と突き刺さるものばかり。その陰に福原の恥じらいを感じつつも、“愛”をテーマにしたこの作品には、これら直球のセリフがしっくりとなじむ。また本作は、野外劇や円形舞台など、過去公演のような演劇的な仕掛けは用意されていない。以前福原が「現代口語演劇の前夜にあったような、いわゆる演劇っぽい会話劇になりそう」と語っていたように、あくまで会話の積み重ねによって紡がれるドラマ。そういった点で、これまでのベッド&メイキングスとは少し異なった趣も感じられる。だが笑いどころも多く、しっかりエンタテインメントとして成立しているのは、メンバーの富岡を筆頭に、安藤や町田、吉本など、ベッド&メイキングス経験済みの巧者たちによる働きが大きい。旗揚げ公演『墓場、女子高生』(2012年)にも参加していた面々で、役者陣に対する福原の信頼の強さは、劇団の、そして作品自体の成熟へとしっかりと結びついているようだ。そんななかでも石橋、島田といった初参加組も確かな印象を残しており、この劇団のこれからがより一層楽しみになる一作だった。公演は3月27日(水)まで東京・東京芸術劇場シアターイーストにて。その後、長野、三重、福岡を周る。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2019年03月19日井上芳雄、栗山千明らが出演する舞台『十二番目の天使』が3月16日、東京・シアタークリエにて開幕した。全世界で著作が3600万部以上読まれている人気作家オグ・マンディーノの同名小説を初舞台化。家族を亡くし絶望の淵にいた男が、人々との関りの中でふたたび生きる勇気を手にするさまを温かい筆致で描く作品だ。チケット情報はこちらビジネスで大成功を収め、故郷に戻ったジョン(井上)。幸せの絶頂にいた彼だったが、その矢先、交通事故で妻子を亡くしてしまう。ふたりのいない世界に絶望し自ら人生の幕を下ろそうとしたジョンに、幼馴染のビルがリトルリーグの監督を頼んできた。そのチーム、エンジェルスでジョンは、どこか息子と似ている少年・ティモシーと出会う。彼は身体も小さく運動神経も悪かったが、けしてあきらめない精神を持っていた……。わずか7人の出演者で、登場人物たちの心の変化から野球の試合の熱狂までを描ききる。演劇の面白さが詰まった作品だ。特に井上の繊細な演技力が光る。妻子を失ったジョンが抱く空虚さ、そこから少しずつ顔を上げていく過程を丁寧に見せる、静かな熱演だ。そしてもうひとりの主役といっていい存在が、ティモシー/リック役の大西統眞(溝口元太とのWキャスト)。理知的な表情と落ち着いた芝居で、ある秘密を抱えながらも「絶対、絶対、あきらめない!」と前向きに努力する少年をひたむきに演じる。リトルリーグのエース・トッド役の城野立樹(吉田陽登とのWキャスト)の爽やかな力強さとともに、少年たちのまっすぐさが、人生を諦めてしまった男にふたたび光を当てるのだ。ティモシーの母ペギーを演じた栗山の包み込むような温もり、ジョンに常にさりげない優しさを向けるビル役の六角精児らの存在感なども上手く物語にはまっている。派手さはなくとも、観た者の人生の中で特別な一作になりうる素敵な作品だ。開幕に際し井上は「他に類を見ない演劇のスタイルと言っていいと思うので、きっとお客様の反応がプラスになる作品。悲しみの中にいる人をとても具体的に励ます、希望の物語だと思います。大事な人や、家族に会いにくるようなつもりで観に来ていただけたら嬉しいです」とコメント。栗山も「少し悲しい話ではあるのですが、ティモシーの『あきらめない』『毎日良くなっている』という言葉を持って、お客様にも前向きなあたたかい気持ちで帰っていただけるはずです」とアピールした。公演は4月4日(木)まで同劇場にて。その後4月6日(土)・7日(日)の新潟公演を皮切りに全国8箇所で上演される。
2019年03月18日夜桜の、幻想的な景色のなかで上演される能──。そのえもいわれぬ美しさで多くの人々の心を捉えてきた靖国神社の「夜桜能」が、今年27回目の開催を迎える。その発案者で企画を手がける宝生流能楽師・田崎隆三に話を聞いた。【チケット情報はこちら】「とにかく毎年、お天気が問題で」と、冒頭から苦笑いの田崎。「野外での能は夏の催しとして一時ブームになりましたが、春に、というのは少ないんです。しかし、桜の下での上演は視覚的に遥かに美しい。行ってみたら良かった、という方が多く、当初はひと晩の上演が、その後三晩連続で開催するまでになり、さらに、能楽堂の公演よりも圧倒的に若いお客さまが多く来てくださるように」と明かす。能楽の未来のためには、もっと若い人たちが足を運びやすい催しを、という強い思いもあった。「能は難しい」と先入観を持つ初心者をも感動させる、その秘密は──?「能では珍しかったイヤホンガイドの解説を導入したり、動きの少ないものは避けたりと、いろいろ吟味して演目を決めています。今年の第一夜は『祇王』。私と甥の田崎甫とふたりで仏御前、祇王を演じますが、彼は昨年、宗家の内弟子を卒業、能楽師として独り立ちしたこともあって、両ジテ(重要な役柄をふたりで演じる)の曲にしました。第二夜は、宝生流宗家による『鞍馬天狗』。牛若丸や子どもたちが活躍する人気の曲です。第三夜も、梅若実さんが『恋重荷』と比較的わかりやすい曲目を演じられます」という。三夜とも舞囃子、狂言も上演されるとあって、夜桜を堪能しながら、肩肘張らずに本格的な能楽体験ができるまたとないチャンスとなる。ともに舞台に立つ田崎甫に「夜桜能」への思いを聞くと、「そもそも、能は屋外で演じられるものでした。建物の中では、その魅力は半減してしまう。自然とともにあった、能本来の形を味わっていただけたら、と思います。しかも桜の花の下という、これ以上ない景色。演じるほうにも、普段とは違う高揚感、その場に酔いしれる感覚があるかもしれませんね」。『祇王』について尋ねると、「自分なりの解釈ではありますが、平清盛に寵愛されたふたりの遊女が舞を競い合い、せめぎ合うことで、ふたりの舞が合う──。先生と一緒に舞う機会はあまりないので、楽しみです」と、笑顔に緊張感をにじませた。第27回奉納 靖国神社 夜桜能は4月2日(火)・3日(水)・4日(木)、靖國神社能楽堂及び内苑にて。会場は気象状況により新宿文化センターに変更の可能性あり。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2019年03月18日首席指揮者ファビオ・ルイージとともに来日中の北欧の名門デンマーク国立交響楽団による「東芝グランドコンサート2019」。ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番を弾くアラベラ・美歩・シュタインバッハーに話を聞いた。【チケット情報はこちら】作品は、ヴァイオリニストなら誰もが幼い頃から学ぶ、このジャンルの定番曲だ。「たくさんの思い出の詰まった、人生をともに歩んできたような曲です」初めて弾いたのは11歳の時。第2楽章で彼女がソロを聴こうと会場が静寂に包まれた瞬間、会場の教会の鐘が鳴った。「だから今でも、そこで耳の中に鐘が響きます(笑)」バイエルン国立歌劇場のコレペティートルだった父と、日本人声楽家の母との間にミュンヘンで生まれた。指揮者ファビオ・ルイージは父の劇場ピアニスト仲間として、彼女がまだ14歳の頃から顔見知りだった。「当時からとてもあたたかくてチャーミングな方でした。父は亡くなったけれど、自分の家族を知っている人とツアーをするのは格別なこと。とてもいい友情だと思っています」彼の指揮者としての魅力は、その豊富なオペラ経験にあるという。「父もよく、歌手は自由に歌うので、伴奏が難しいと言っていました。彼は一緒に『呼吸』してくれるので、私はとても自由に弾けるのです」彼女自身も「歌」の中で育った。「ピアノを弾く父の膝の上で、たくさんの歌手たちの歌い方や呼吸を聴いて育ちました。演奏家はみんな、歌の真似をしているのだから、私にとっては歌が先生です」幼い頃から夏休みは、葛飾区柴又の帝釈天近くの祖父母の家で過ごした。「親と離れて、祖父母に可愛がられて過ごすのだからパラダイスです(笑)!東京の蒸し暑い夏も大好き。やわらかい空気や言葉、食べ物。すべてが大切な思い出です」子供時代に1番好きだった日本食は、「カッパ巻き!(笑)その頃はお刺身が食べられなかったから。納豆だって食べられますよ!」帝釈天といえば「寅さん」だ。現在彼女が暮らすウィーンには、葛飾区と友好都市関係を結ぶフロリズドルフ区があり、そこには「寅さん公園」もあると伝えると、「今度行ってみるわ!」と目を輝かせた。公演の聴きどころを、「カラフルなコンビネーション」と語る。「デンマークのオケ、イタリア人指揮者、ドイツと日本の血を引く私。いろいろなバックグラウンドがミックスされるコンサートです。私が大好きなデンマーク家具のデザインを見てもわかるように、彼らはとてもクリエイティブ。すべてのものをシックに居心地よく作るのが得意で、全体を明確に構築して、その中に奇を衒わずにいろんなものを調和させることができるのです。今回も、音楽の中に調和を感じていただけると思います」3月19日(火)サントリーホール大ホール公演の後は、21日(木・祝)兵庫・22日(金)宮城を周る。取材・文:宮本明
2019年03月18日御年83歳の老巨匠として、今も世界中のオーケストラと共に名演を聴かせている指揮者エリアフ・インバル。3月17日サントリーホールでの公演を皮切りに東京都交響楽団(以下・都響)との共演がはじまった。【チケット情報はこちら】都響との関係は深く、今から28年前にさかのぼる。1991年、都響と初めて共演したエリアフ・インバルは当時55歳。首席指揮者を務めていたフランクフルト放送交響楽団と共に録音したブルックナーやマーラーの交響曲全集で、日本のみならず世界各地で名を馳せていた頃だ。都響でもすぐさま絶賛を博したからであろう。その後も1999年までコンスタントに共演が続いていく。しばし間があいて、2006年に再共演。これは筆者にとっても鮮烈なインバル体験となったため忘れ難い。日本のオーケストラがこれほどまでに朗々と鳴り響き、しなやかに呼吸するのを初めて体験したからだ。その翌々年にはプリンシパル・コンダクターに就任。記念公演でのマーラーの《千人の交響曲》も、あまりに壮大な凄演だったことがいまだに印象深い。以後は途切れることなく都響を指揮し、毎年壮絶な演奏を繰り広げている。また、インバルの指揮というのは演奏者側にとっても特別な体験だということを記しておきたい。筆者はインバル指揮によるマーラーの《復活》に合唱団のメンバーとして共演したことがあるのだが、そのあまりに圧倒的な統率力には唖然とさせられるばかりであった。自らの求める音楽世界へと聴衆・演奏者を問わず、ホールのなかにいる誰も彼もを惹きつけてやまないのだ。1980年代に録音されたブルックナー、マーラーの交響曲全集で名を馳せたインバルだが、1990年代に入ると今度はウィーン交響楽団と組んでショスタコーヴィチの全集を完成させている。なかでも3月23日(土)・福岡、3月24日(日)・名古屋、3月26日(火)・東京文化会館で演奏される第5番については、既に3度も録音しているインバル自身にとっても思い入れのある作品。都響とも2011年の演奏会の模様がライヴ録音されており、こちらも名盤としてリスナーから高い評価を勝ち得ている。インバルも80代に入り、近年ますます円熟の境地に磨きがかかるだけに、ひとつひとつの公演がより貴重な機会としてますます聴き逃がせない。文:音楽ライター 小室敬幸
2019年03月18日初めて出版されてから約150年以上経てもなお、絶えることなく読み継がれているルイス・キャロルによる名作「不思議の国のアリス」。この物語の魅力を紐解き、なぜこんなにも人々を惹きつけてやまないのか様々な角度から迫る展覧会『不思議の国のアリス展』が、3月16日(土)より5月26日(日)まで、兵庫県立美術館にて開催される。それに先立ち、3月15日に開会式と内覧会が行われた。「不思議の国のアリス展」チケット情報神戸展でのみ特別展示されるルイス・キャロルの直筆画をはじめ、日本初公開となる32点を含む貴重な作品とともに、「不思議の国のアリス」の魅力に迫る。その中でも、「はらぺこあおむし」で知られるエリック・カールが本展覧会のために描き下ろした《チェシャネコいもむし》や、レディー・ガガの専属靴デザイナーである舘鼻則孝が“もしアリスに靴をオーダーされたら”という依頼で作った《アリスの青い靴》、そして、福岡を拠点に活動するクリエイティブ集団anno lab(あのラボ)による、たくさんの絵が展示されたコーナーの絨毯の上に立って動くと、絵の中のアリス達が自分と同じ動きをする参加型展示の3作品は、本展覧会のために作られただけに必見の展示となっている。また、「不思議の国のアリス」は、他の文学作品と比べても特にアート作品が多く、本展覧会でも様々な作品が並ぶ。特に、スペインを代表する画家サルバドール・ダリによる「不思議の国のアリス」の挿絵や、草間彌生によるアリスのアート作品、チェコスロバキアを代表する映画監督ヤン・シュヴァンクマイエルによるイラストレーション、ムーミンの産みの親トーベ・ヤンソンによる「不思議の国のアリス」の表紙画など、様々な切り口の作品が展示されていることで、「不思議の国のアリス」がアートとして広がりを見せていることを感じられるだろう。さらに、展覧会とのコラボレーションは初めてとなる、SCRAPによるリアル脱出ゲーム「不思議の国からの脱出」で、展示を見ながら体験型謎解きゲームに参加することもできるなど、様々な角度から「不思議の国のアリス」の世界に入り込むことができる展覧会だ。『不思議の国のアリス展』は、3月16日(土)より5月26日(日)まで兵庫県立美術館にて開催。取材・文:華崎陽子
2019年03月15日人気小説『ちょっと今から仕事やめてくる』が2019年6月、深作健太の演出、田村孝裕(劇団oneror8)の脚本で、初めて舞台化される。W主演をする飯島寛騎と鈴木勝吾に話を聞いた。【チケット情報はこちら】原作は、北川恵海による同名小説。70万部を超えるベストセラーとなり、第21回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”を受賞している。2017年には福士蒼汰と工藤阿須加のW主演で映画化もされた。ブラック企業で働く若手社員の青山隆(飯島寛騎)が疲労のあまりホームで意識を失い、危うく電車に跳ねられそうになってしまう。青山を救ったのは、幼馴染のヤマモト(鈴木勝吾)と名乗る男。青山の記憶にはヤマモトに関する記憶がなかったが、関西弁で爽やかな笑顔を見せる彼と出会ってから、青山は本来の明るさを取り戻し、大きな成果をあげるチャンスも巡ってくる。ある日、青山がヤマモトについて調べると、彼は3年前に激務で鬱になり自殺した男だということが分かり…というあらすじだ。作品について、飯島は「見る人によって違う印象を受けると思うし、色々な目線で見られる作品。見てもらうみなさんにも悩みがあると思うが、立ち向かっていく勇気を与えられるような作品になれば嬉しい」と語る。鈴木は「どちらが正義で、どちらが悪いと言い切ってしまうのではなく、このままではどちらもダメだということも等しく描いている。辛い環境にあっても、結局は自分の足で立たなくてはダメだと。そのバランスがすごく好き」と話した。今回初共演のふたり。稽古前ではあるが、互いの印象を尋ねると、飯島は「鈴木さんはとても考えがしっかりしている。お芝居に対しても、作品に対しても、自分自身に対しても、それぞれ軸を持っているので、勉強になることが多い」と語り、一方の鈴木は「8つ年が離れているが、すごく刺激的で、同じ作品を作る仲間として頼もしい」と語った。最後に、飯島は「映画化等もされていますが、舞台ならではの熱量でしっかり届けていきたいですし、会場で一体になれるようやっていきたい」と話した。鈴木は「演劇は、物語や事件の肌触りを感じることができるエンタメ。あえて演劇で届ける意味を噛み締めながら、責任を持ってやっていきたい。ぜひ何度でも劇場に足を運んでみていただけたら」とPRをした。公演は6月13日(木)から23日(日)まで、CBGKシブゲキ!!にて。飯島と鈴木のほか、中島早貴、葉山昴、田中健が出演する。文・五月女菜穂
2019年03月15日熱海五郎一座の新橋演舞場シリーズ第6弾「翔べないスペースマンと危険なシナリオ ~ギャグマゲドン mission~」が5月31日(金)から東京・新橋演舞場で上演される。その製作発表が行われ、構成・演出・出演の三宅裕司と、出演者の渡辺正行、小倉久寛、春風亭昇太、東貴博、深沢邦之、今作のゲストの高島礼子と橋本マナミが登壇した。【チケット情報はこちら】熱海五郎一座とは、「お客様が心からおもしろいと思える東京の喜劇“軽演劇”を上演しよう」「“東京の笑い”を継承しよう」と伊東四朗座長のもと喜劇人たちが集った伊東四朗一座の一員である三宅が、伊東がどうしても参加できないときのために座長を務める一座。毎年公演を行っており、今年は「お芝居で笑わせる」(三宅)作品になるという。「3時間たくさんの笑いが続き、最後に意外な結末と感動に持っていく。今回は一番難しいことをやるんだと自分で思っています」と三宅。それもあり「ゲストはベテラン女優である高島礼子さんと、女優として脂がのった橋本マナミさんなんです」と明かした。台本はできており「(1月に)骨折したおかげで時間ができちゃいまして。台本を直しに直して隙がありません。今までの最高傑作になると思っています!」と太鼓判を押した。内容はタイトルからもわかる通り『アルマゲドン』のパロディとなるそうだが、渡辺は「今回は中身をあまり知らされていなくて、あらすじも余白が多いんですよ。宇宙ものだけに“スペース”が多い…!」と切れ味鋭いひと言。「今回は特に楽しみです」と言う小倉は「三宅さんは“笑いはギャップである”とよく言うのですが、今回のチラシはすごくカッコいい。だからそのぶん、すごくおもしろくなる気がしています」と熱く語った。ゲストの高島は、三宅が座長を務める劇団「SET」出身の岸谷五朗と寺脇康文によるユニット「地球ゴージャス」の公演に出演したときのことを振り返り「(岸谷や寺脇に)三宅さんの武勇伝をずっと聞かされていました。その三宅さんが座長を務める熱海五郎一座の公演に出られるのは、すごく嬉しいこと。なんにでも臨機応変に対応できる演技力を磨けたら」と意気込む。橋本は「このお話をいただいたときは“私でいいのかな!?”と思いながらも舞い上がりました」と喜び「人を笑わせるってすごく難しいことだと思うので、それができる方々を稽古で間近で見られることが楽しみです」と笑顔をみせた。「まじめに演じれば演じるほど面白くなっていく。そういう芝居はこの一座には新しいことかもしれません」と三宅が語る熱海五郎一座の新たな公演は、5月31日(金)から6月26日(水)まで東京・新橋演舞場にて。チケット一般発売は3月17日(日)10時から。取材・文:中川實穗
2019年03月15日6月22日(土)・23日(日)に神奈川・川崎市東扇島東公園特設会場で開催されるSiMが主催するフェス「DEAD POP FESTiVAL 2019」。同フェスの第1弾出演アーティストが発表された。【チケット情報はこちら】出演が決まったのは、04 Limited Sazabys、BRAHMAN、coldrain、Dizzy Sunfist、My Hair is Bad、SHISHAMO、ヤバイTシャツ屋さんの7組。「DEAD POP FESTiVAL」は、「壁を壊す」をテーマとしてSiMが主催するライブイベントで、2010年に渋谷club asiaでの初開催以来、恵比寿LIQUIDROOM、渋谷O-EAST、新木場STUDIO COASTと規模を拡大。2015年より野外フェスとして開催され、今回で開催10回目、野外フェス化5年目を迎える。現在、オフィシャル2次先行を実施中。受付は3月24日(日)午後11時59分まで。■DEAD POP FESTiVAL 2019日時:6月22日(土)・23日(日)開場9:00 / 開演 11:30(20:30終演予定)会場:川崎市 東扇島東公園特設会場(神奈川県)料金:【6/22入場券 ・6/23入場券】各8500円2日通し券15800円2日通し券(セーフティゾーン券)17000円(スタンディングエリアに設置されたセーフティゾーンでの観覧が可能なチケット)
2019年03月15日性転換手術を受けたものの股間に“アングリーインチ(怒りのインチ)”が残ってしまった、男でもあり女でもあり同時にそのどちらでもないロックシンガー・ヘドウィグが、愛を求め叫ぶ『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。日本でも何度も上演されてきた人気のブロードウェイミュージカルが、浦井健治と女王蜂のボーカル・アヴちゃんによって届けられる。演出も福山桜子の手で新しくなる今回。今度はどんな熱狂を生み出すことになるのか。ふたりが意欲を語った。【チケット情報はこちら】日本では7年ぶりとなる公演で、これまで、三上博史、山本耕史、森山未來が演じてきたヘドウィグを担う浦井健治。「去年の『メタルマクベス』では黒だった爪が今度は赤くなるんです。“浦井、どこへ行こうとしてる!?”と思われるかもしれませんが(笑)、この孤高な役を演じられること、そして、人生を素敵なものにするためのバイブルのような作品に出演できることを、本当に光栄に思っています」と出演の喜びを語る。一方、自分を裏切ってトップスターに上り詰めた男のコンサートを追うように巡業しているヘドウィグのバンドメンバーであり、彼に寄り添うイツァークを演じるアヴちゃん。単独でのミュージカル出演はこれが初となる。「普段はもう命を燃やすように歌っているんですけど、この『ヘドウィグ』はそこまでやっていいもののひとつのような気がしています。浦井さんのヘドウィグに私が加わることで、鬼に金棒ならぬ、“王子にチェーンソー”くらいの(笑)、力になれたらなと思っています」浦井にとってもアヴちゃんの存在は心強いようで、「ヘドウィグの内面を浮き彫りにしてくれるのが、本当のヘドウィグのように切れ味のあるアヴちゃんっていうのが、今回のいちばんの武器」と言い切る。アヴちゃんもまた「ギャルパワーでやってきた自分が演じるからには(笑)、若い子たちにどんどん来てもらって、今の時代に私たちが演じる意味を感じてほしい」と意気込んだ。それに対して「アヴちゃんのパワーが、ミュージカルというカテゴリーも何もかも突破してくれると思うので、一緒に、作品の持つ力そのままを皆さまに届けられたらと思います」と応える浦井。作品の楽曲について、「全然武装してなくてセンシティブだから刺さる」とアヴちゃんは評したが、だからこそ、ふたりもまた剥き身になるしかないのだろう。その心の叫びは、まさしく“刺さる”ものになるはずだ。8月31日(土)から始まるEX THEATER ROPPONGIでの東京公演を皮切りに、福岡、名古屋、大阪と各地をめぐり、9月26日(木)からは東京に戻り、Zepp Tokyoにて公演を行う。チケットは各地ともに現在、チケットぴあにて抽選先行プレリザーブを実施中。3月18日(月)午前11時まで。取材・文:大内弓子
2019年03月15日作詞、作曲、編曲、トラックメイクを自ら手がける“弾き語りトラックメイカーアイドル”であり、「(株)会社じゃないもん」の代表取締役社長も務めることが大きな話題を集めた眉村ちあき。また、テレビ番組への出演も増加し、自由奔放でユニークなキャラクターの認知度と興味が世間に浸透する中で、3つの異なるライブを開催することが決定した。【チケット情報はこちら】第1弾として、4月7日(日)に東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで開催されるワンマンライブ「全曲眉村ちあき」。昼夜2部制となっており、今年1月にリリースされたばかりの初の全国流通アルバム『ぎっしり歯ぐき』の収録曲はもちろん、新曲なども盛り込み、これまでに発表してきた全曲を完全網羅するライブとなるようだ。「私はどこにも収まらない人になりたいから、ライブもいつもどうしても変な方向に走っちゃうんですよね。無人島でやったりとか、ファンの人とドッジボールや鬼ごっこをやったりとか……。そういうコアなファンしか来れなそうなやつもいいんですけど、せっかく、メディアにたくさん出させてもらってるので、新規さんが来やすそうなライブをやりたいなと思って。だから、『全曲眉村ちあき』は新規が来やすいっていうことを心がけつつ、ノーMCで、みんなが息つく間もなく終わるようにしたいです」ホールでのライブに向けて、「オペラも歌いたいし、みんなで社歌も歌いたい」と、思い立ったことをすぐに口にする彼女。5月にリリースされるメジャー1stアルバムと初の全国ツアーの題名『めじゃめじゃもんじゃ』も「ひとつめに思いついたタイトル」だそう。「メジャーだし、私はもんじゃが好きだからっていう理由でつけました。すごく反対されたんですけど、直感に従って生きてるので、いや、これだ!って押し通しました(笑)。でも、もんじゃはもう飽きちゃって。最近は酸辣湯麺にハマってます。ま、東京と大阪以外でワンマンをやるのは初めてなので、みんなが見やすいストレートなライブをしようと思います!」そして、6月にはキャリア最大規模となる東京・STUDIO COASTでの「眉村ちあき3rdワンマンライブ~東京湾へダイビング!」が控えている。「恐竜と戦ったり、ダンスをしたいなと思ってます。あと、コーストではフライングをした前例はないんですけど、私は初めてコーストで飛ぶ人になりたくて。人類と時代を超えたライブがしたいですね。私は、ライブのために生きてるって言っても過言じゃないくらいライブが大好きで。ライブがないと落ち着かなくて居ても立ってもいられなくなっちゃうんですよね。ライブは楽しいし、元気になるし、汗をかいて健康的だし、制作の肩こりも取れる。しかも、私はファンを溺愛しているので、一石五十鳥くらいある。まだ来たことがないという人には、ひとりで松屋に入る感じで来て欲しい。松屋に行く感覚で来てみたら、帰り道はディズニーランドだったねって思えるくらいのエンターテイメントを見せるので、ゴリゴリに期待して欲しいですね」チケットは発売中。取材・文:永堀アツオ
2019年03月15日2006年に上演された『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』の面々が再集結。ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)演出、大竹しのぶ、稲垣吾郎、ともさかりえ、段田安則の出演で、今回はヤスミナ・レザの『LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~』を上演する。そこで上演台本も兼ねるKERAに、本作に臨む思いを聞いた。【チケット情報はこちら】レザの代表作『ART』以来、彼女の描く“シニカルなコメディ”のファンだと語るKERA。中でもその決定版と位置づけるのが、日本でも2011年に上演された『大人は、かく戦えり』だ。一方、この『LIFE LIFE LIFE~』はと言うと…。「『大人~』は後半に向けて笑いも緊張感もすべてが高まっていく、非常によくまとまった芝居だと思うんです。でもこれはすごく実験的な作品で、1幕に関してはある爆発力を持ったシットコムとして見られるんですが、それが2幕、3幕と進むうちに、どんどん奇妙なトーンになっていく。普通は徐々にいろんなことが分かっていくわけですが、これはその逆ですから。ひと筋縄ではいかない構造だなと」自宅で子供の寝かしつけに手を焼いている、天体物理学者のアンリ(稲垣)とソニア(ともさか)夫婦。するとそこに、翌日のディナーに招待していたはずのアンリの上司ユベール(段田)とイネス(大竹)夫妻がやって来て…。この幕開けは3幕ともすべて同じ。だがちょっとしたズレやトーンの違いから、物語は異なる展開を見せていく。「後半が大きな課題ですね。生理の流れも複雑ですし、観客のカタルシス、また演者のカタルシスを考えても、非常に難しい。ただそこをあまり明瞭にしない方がいいのかなとも思っていて。そもそも人って説明のつかないことをしたり、言ったりするもの。だからあえてわかりやすい説明はせず、観客に想像させる部分を残しておくのもアリだと思うんです」稲垣以外のキャストとは、すでに何本もの現場を共にしてきたKERA。「勝手知ったる俳優と演出家の関係になれているのでは」との言葉に、互いへの厚い信頼が伺える。「僕がやりたい笑いに対してビビットに反応してくれる人ばかりですからね。“笑わせたいの?笑わせたくないの?”という二者択一ではなく、“こういった笑わせ方をしたいんです”っていう相談が出来る人たちというか。何より少人数ということもあり、演出家も俳優も他のスタッフも含め、みんなで一緒に探っていくことが出来る。それこそこういった芝居の醍醐味ではないかと思います」公演は4月6日(土)から30日(火・休)までBunkamura シアターコクーンにて上演。一般発売分の前売チケットは予定枚数終了。立見券はチケットぴあにて3月16日(土)10時より発売開始。取材・文:野上瑠美子
2019年03月15日世界の主要都市で開催されているザ・ローリング・ストーンズの大規模な企画展「Exhibitionism-ザ・ローリング・ストーンズ展」がいよいよ日本初上陸。開幕前日の3月14日にマスコミ内覧会が行われ、その全貌が明らかになった。バンド自身がプロデュースしたこの初の企画展は、1800㎡という巨大な空間の中に500点以上を超えるストーンズアイテムを展示。バンドのキーとなるワードごとに、当時の出来事がミック・ジャガー(Vo)やキース・リチャーズ(G)らメンバーのコメントとともに紹介され、バンドの壮大な物語を実体験しているような感覚になり、さながらアトラクションのよう。バンド結成当時のメンバーがともに暮らした狭いアパートの部屋や、ギターやアンプなどが並ぶ初期のレコーディングスタジオなどが再現され、今にも彼らの演奏や談笑が聞こえてきそう。ライブのバックステージを再現した空間は、迷い込んだかと錯覚するような出来栄え。雑然と置かれた楽器や衣装、メイク道具など、細部にわたるまで注視したくなる。実際に使っていた楽器の数々や楽曲制作のための手書きの歌詞ノート、歴代のステージ衣装など貴重なアイテムから、アルバムジャケット、バンドを象徴する唇のロゴなどのアートワーク、楽曲のミックスを体験できるコーナーなど見ごたえ十分。展示品とともに紹介される映像資料も膨大で、ライブを収めたツアードキュメンタリーや彼らが出演した音楽番組など、時代ごとの彼らに出会うことができる。3Dで彼らのパフォーマンスを鑑賞するスペースもあり、ライブの臨場感を味わうことができる。この日はレッドカーペットイベントも行われ、アンバサダーを務める鮎川誠、Char、シシド・カフカの3人や土屋アンナらが登場。いち早く見学した彼らは、「世界を飛び回るバンドなのに、デビューしたての頃の日記帳とかギターとか大事に取ってあるのに感銘を受けました」(鮎川)、「楽器がいっぱい展示してあって、子どもの頃に欲しかったギターもあって…。弾きたかった(笑)」(Char)、「見るだけではなく、体感できるすばらしい展覧会でした」(シシド)、「ネットとかで見るんじゃなくて、生でここに存在しているものを自分の目で見る。足を運ぶことで彼らの凄さを感じられると思う」(土屋)と、目をキラキラと輝かせながら興奮気味に語った。Exhibitionism - ザ・ローリング・ストーンズ展は3月15日(金)~5月6日(月・休)にTOC五反田メッセにて開催。チケット発売中。撮影・取材・文:門 宏
2019年03月14日伝説のアイドルグループ、キャンディーズの伊藤蘭がソロ歌手としてデビュー。6月に東京と大阪でソロコンサートを開催することが決定した。【チケット情報はこちら】キャンディーズの解散から41年を経てのソロデビューについて伊藤は「すべてのタイミングが合ったという感じで、思いがけず弾みがついてしまったというか(笑)」とコメント。くわえて「昨年春に事務所からそろそろ歌をやりませんかと言われたとき“やったほうがいいのかな”って直感で思ったんです。もちろん歌うということに自信なんてないですし、でも年齢的な事も考えると、そうそうこんなチャンスがあると思えないですし、まだエネルギーがあるうちに、歌ともう1度向き合うのもいいのではないか思いました。間違いなくラストチャンスだと思ったから。別に歌が嫌いになったわけではないですし、お芝居に夢中になりすぎて、ちょっと疎遠になった友達に久しぶりに会う感じでしょうか(笑)。また、一緒にやりましょうと言ってくれたプロジェクトチームひとりひとりにぬくもりと信頼を感じたことも大きかったです」と語っている。5月29日(水)にはソロデビューアルバム『My Bouquet』をリリース。同作には井上陽水、阿木燿子×宇崎竜童、トータス松本、森雪之丞ら豪華作家陣による珠玉の楽曲が収録。同作を携えて行われるコンサートについて「コンサートやお芝居でも、観に来てくださっているお客さんの目線に助けられる部分がとても大きいと思います。“与えられた場所”だと思っていますので、その期待に応えられるよう、来てくださった方々と楽しい時間を共有できるよう努めたいと思います」と意気込みを語っている。公演は6月11日(火)・12日(水)に東京・TOKYO DOME CITY HALL、14日(金)に大阪・NHK大阪ホールにて。チケットの一般発売に先駆けて、チケットぴあではオフィシャル最速先行を実施中。受付は3月24日(日)午後11時59分まで。
2019年03月14日3月16日(土)に大阪・あべのROCKTOWNにて『PIA IDOL FESTA ~DDparty~』が開催される。『DD』とは『誰でも・大好き』の略語。アイドル初心者の方も楽しめる個性豊かなラインナップが連なる。「PIA IDOL FESTA ~DD party~」チケット情報東京からは日本コロムビアのアイドルグループFragrant Driveが大阪初遠征!元々は「seeDream」と「Clef Leaf」と別々のユニットで活動していた彼女たち。3月27日(水)に発売される1stシングル『胸の奥のVermillion』はJanne Da Arcのkiyoが作曲を手掛けるなど、彼女たちへの話題は尽きない。名古屋からは「MERUCHU」が参戦。平均年齢13歳の彼女たち。等身大の癒しサウンドが癒しを皆さまへお届けします!関西からは実力派集団が集結!1部・2部共に出演となるのが、楽曲制作集団「NorthSound」が手掛ける“カラフル”サウンドグループ「カラフルスクリーム」。先日2枚同時発売したミニアルバムはオリコンチャート初登場で8位と10位を記録。今回はカラフルスクリーム研修生も正規メンバーとは別に登場!もうひと組がW.(ダブルヴィー)。高校生が中心のフレッシュなアイドルグループ。3月13日に大阪・BIGCATでワンマンライブを行った彼女たち。関西に旋風を巻き起こすこと間違いなしの是非とも注目していきたいグループだ。1部だけの出演となるが「KissBeeWEST」も参戦。『SUMMER SONIC 2017』に出演。なんばHatchでワンマンライブを開催など、その実力はお墨付き。今年のGWには大阪城音楽堂、なんばHatchと彼女たちの勢いは止まらない。また、2部のみの出演が3組。そして関西アイドル界のお姉さんこと「Yes Happy!」。見ている人たちをホッとさせる不思議なパワーを持ち合わせた彼女たち。昨年から活動拠点を東京に移した関西の雄「POPUP」。「世界をつなぐアイドル」をコンセプトにスタートした彼女たちは、カンボジアやタイへの海外遠征を実施するグローバルアイドル。カンボジアの現地NGO(非政府組織)「Pay it Forward」の親善大使も務める。そして関西アップフロントより「Lovelys」が登場!ハロープロジェクトのオープニングアクトも務める彼女たち。一度聞いたら癖になる、彼女たちの楽曲を体感してほしい。オープニングアクトには前回に引き続きソロアイドルとして活動する「Mob.(モブ)」が登場。大阪☆春夏秋冬の妹ユニット太陽☆系、同じ事務所でボーカル・ギターの2人組ユニット黒★猫が会場を温めてくれる!!3月16日(土)は是非あべのROCKTOWNへ!チケットは発売中!
2019年03月13日9月14日(土)・15日(日)に神奈川・東扇島東公園で野外ロックイベント「BAYCAMP 2019」の開催が決定。第1弾アーティストが発表された。【チケット情報はこちら】出演が決まったのは、SHISHAMO、ストレイテナー、曽我部恵一、OGRE YOU ASSHOLE、SPARTA LOCALS、Wienners、teto、ドミコ、SIRUP、VaVa、TENDOUJI、崎山蒼志、ヤングオオハラ、ズーカラデル、DJのFREE THROW(弦先誠人、神啓文、タイラダイスケ)の15組。今年で8年目、9回目の開催となる「BAYCAMP」は、初の2日間開催となる。チケットの一般発売に先駆けて、1日券、2日通し券のオフィシャル1次先行割を実施中。受付は3月31日(日)午後11時59分まで。■BAYCAMP 20199月14日(土)東扇島東公園 特設会場(神奈川県)開場 11:00 / 開演 12:30 / 終演 21:00(予定)9月15日(日)東扇島東公園 特設会場(神奈川県)開場 12:00 / 開演 13:30 / 終演 29:00(予定)出演:SHISHAMO / ストレイテナー / 曽我部恵一 / OGRE YOU ASSHOLE / SPARTA LOCALS / Wienners / teto / ドミコ / SIRUP / VaVa / TENDOUJI / 崎山蒼志 / ヤングオオハラ / ズーカラデルDJ:FREE THROW(弦先誠人、神啓文、タイラダイスケ)and more
2019年03月13日フランス・パリでの初個展が大盛況をおさめた香取慎吾が、今度は“日本初”となる個展、サントリー オールフリーpresents『BOUM!BOUM!BOUM!(ブン!ブン!ブン!)香取慎吾NIPPON初個展』を、3月15日(金)から6月16日(日)まで、IHIステージアラウンド東京で開催する。個展ながら会場は劇場。しかも客席が回転するステージアラウンドで、最大350人、120分の入れ替え制。この前代未聞の内容について、香取本人に直撃した。【チケット情報はこちら】人生初の個展がパリ。これはさすがの香取でもさぞプレッシャーだったのではないかと思いきや、「やれることの喜び、嬉しさ、最高!」と、軽やかな口調で振り返る。それだけに今回のステージアラウンドという一見巨大過ぎるキャンバスも、香取に恐れを抱かせるようなものではないらしい。「これまで10万人、100万人と相対してきましたからね。恐怖はないです。いや、あるにはあるんだろうけど、怖くないことをやっていても面白くないですから。逆に今まで大きいものを描きたいと思いつつ、やっぱり家のサイズからはみ出すようなものはなかなか手をつけられなかった。それが今回このサイズ感のところでやれるわけですからね。本当に楽しみです!」本展のテーマは「香取慎吾の身体性に起因するアート」。会場全体を香取の体と捉え、まるで体内を巡るような感覚でアート作品を楽しめる構成となっている。「劇場の入り口が僕の口で、1度僕に食べられてもらう感じですね。で、最後には僕から排出されるという(笑)。もともと絵を描くのは好きだったんですけど、エンタテインメントのいち素材として生きてきた中で、自分自身がアートなんじゃないかと思うようになって。例えばこれまで切った髪は全部ストックしてあるんですけど、それこそいろんな髪の色にしてきたので、これが初めて使えるんじゃないかとか。あと抜けた歯はそのまま大きくしてオブジェにしようかとか。アイデアはたくさんあるので、あとは時間との勝負ですね」作品の仕上がりは「全体の20パーセントくらい」と苦笑いを浮かべつつ、すでにその開幕が待ち切れないようす。なお鑑賞の流れとしては、まず客席に着席。映像作品を鑑賞したあと、スクリーンの奥、舞台上へと進み、展示された作品をじっくり堪能することが出来る。「もしかしたら僕がひょっこり遊びに来ているかも」といたずらっぽく笑う香取。そんなサプライズも期待しつつ、香取自身を体感しに、この型破りなアート展に足を運んでみてはいかがだろうか。開催期間は3月15日(金)~6月16日(日)まで、IHIステージアラウンド東京にて。チケットは現在、第1期[3月15日(金)~4月15日(月)]が発売中。第2期[4月17日(水)~5月20日(月)]は3月15日(金)からぴあプリセールを実施。一般発売は3月17日(日)。第3期[5月22日(水)~6月16日(日)]は4月21日(日)チケット一般発売。取材・文:野上瑠美子
2019年03月13日劇団四季が上演しているミュージカル『キャッツ』が3月12日、日本公演通算1万回を達成し、特別カーテンコールを行った。チケットはこちら『キャッツ』は“都会のゴミ捨て場”を舞台に、24匹の猫たちの生き様を描いていくミュージカル。『メモリー』をはじめとする珠玉の楽曲と猫たちの超絶的なダンスで、幅広い世代から愛されている。日本では1983年東京・西新宿のテント式仮設劇場で初演、これは日本初のロングラン公演となり、日本演劇史にその名を刻んだ。その後各地で上演を重ね、これまでの観客動員数は995万人を数える、まさに国民的ミュージカルだ。この日は通常カーテンコール終了後、劇中歌『幸福の姿』『オールドデュトロノミー ――長老猫』を猫たちが歌い、さらにマンカストラップ役の加藤迪が「創立者である浅利慶太さんをはじめとする諸先輩方が、劇団の運命をかけて挑んだミュージカル『キャッツ』。1983年11月11日、東京・西新宿で産声を上げました。その舞台への祈りを絶やさず、熱い思いを受け継ぎながら本日、ついにここ東京・大井町で、日本上演通算1万回を達成いたしました」と報告。加藤は感極まり少し声を詰まらせながらも、客席の温かい拍手を受け、「こうして大きな節目を迎えられたのも、多くのお客さまが作品を愛し、育んでくださったからこそと、出演者・スタッフ一同、心より御礼申し上げます。これからもお客さまとともに『キャッツ』の歴史の1ページを作っていきたいと思います」と感謝の気持ちを伝えた。続いてふたたび劇中ナンバー『ジェリクル舞踏会』が流れる中、猫たちがダンスし、「10000」の数字オブジェが登場。その前で猫たちがポーズを決めると、客席からは熱い拍手と歓声があがる。その後もカーテンコールは何度も繰り返され、記念すべき日を『キャッツ』ファンが祝っていた。『キャッツ』公演チケットは2019年12月公演分まで販売中。チケットぴあではぴあ会員専用シート<ぴあシート>も販売中。なおこの日、本作の最新版CDの発売も発表に。今回の東京公演から一部楽曲の変更もあるため、ファンは要チェックだ。CD「劇団四季ミュージカル『キャッツ』<メモリアルエディション>」は4月24日(水)発売。
2019年03月13日音楽とダンスとアクティングが融合した、まさに最新&最強のパフォーマンス『ポリティカル・マザーザ・コレオグラファーズ・カット』が上演される。それも、総勢48名の来日海外カンパニーに、上田竜也(KAT-TUN)、ドラムの中村達也、そして、ベースのTOKIEという3名の日本人キャストが参加するスペシャルな公演だ。世界で絶賛される作品に挑む思いを、TOKIEが語った。【チケット情報はこちら】自身でもバンドを持ちながら、数多くのアーティストのレコーディングやライブにも参加して、華やかかつ確かな演奏を見せているベーシストTOKIE。数多くの経験を持つ彼女をもってしても、この作品への参加は、これまでにない胸の高鳴りを覚えるものであるようだ。「今はまだ想像でしかないんですけども、これは今までに体験したことのないものになるのではないかと思っています。もちろん普段のライブでも、アーティストやバンドによって演奏は変わっていきますが、それ以上に、自分が感じたものを音に出すということを求められるんじゃないかなと思うんです」。というのも、この作品の音楽は、ダンスのバックに流れるといった補佐的なものではなく、音楽そのものも重要なパフォーマンスとなるからだ。「映像資料をいただいて初めて観たときには、演奏とパフォーマンスがひとつの大きなかたまりになって迫ってきて、そのエネルギーに圧倒されました。これを自分がやるんだと思うと、本当に興奮しましたね」2016年トニー賞最優秀振付賞にもノミネートされた舞踊家ホフェッシュ・シェクターが率いるこのカンパニー。2010年の初演版からさらにダンサー、ミュージシャンの数を増やし、演出もパワーアップして世界各国で現地アーティストとコラボしながら上演を続けているが、主人公を開催国の人間が務めるのは日本が初めて。その主人公に抜擢された上田について、仕事の場をともにしたことのあるTOKIEは、「エネルギーのあるこの作品にハマるなと直感しましたし、KAT-TUNでは見られない上田さんがきっと見られると思います」。自身も「悔いが残らないようエネルギーを出して、来日するカンパニーに、日本にもこんな人たちがいるんだって思ってもらえる刺激を与えられるよう頑張りたいなと思っています」と意欲を見せ、「こんな異色のコラボレーションが見られる舞台はなかなかないので、ぜひたくさんの方に見ていただきたい」と強調する。音と人間が作り出すめくるめくエンターテインメントには、様々な刺激があるそうだ。公演は4月6日(土)から11日(木)まで、東京・オーチャードホールにて。取材・文:大内弓子
2019年03月13日『放浪記』『おもろい女』と並ぶ森光子の三大代表作『雪まろげ』は、「嘘をつく役をやってみたい」という森の思いから作られた。物語の舞台は昭和50年、青森県の温泉街。芸者の夢子がついた小さなウソが周囲を巻き込み、やがて大きく膨らんでいく様を描いた人情喜劇だ。1980年の初演以来500回を超えるヒット作で、2016年には森が演じた夢子を高畑淳子で復活上演。そして2019年、主なキャストはそのままに再演が決定。大阪は4月5日(金)より新歌舞伎座で幕を開ける。「雪まろげ」チケット情報温泉街一の売れっ子芸者で、金勘定に目がない銀子を演じる榊原郁恵。「銀子さんは小さな温泉街の中でも一匹狼みたいなところがあり、そういう役柄が今までになかったので、初演ではかなり悩みました」と振り返る。夢子役の高畑淳子を筆頭に、小料理屋を営む千賀役の柴田理恵など、実力ある俳優が勢ぞろい。「その中で私が演じる銀子は一番の人気者芸者という説得力がないといけないので、かなり力みました。どうやったって太刀打ちできないメンバーばかりだと思っていたので」。お座敷の場面もあることから、少しでも役に近づこうと日舞を習い、赤坂の料亭にも行った。そんな中、テレビ番組の企画で青森県の浅虫温泉を訪れる機会を得た。「そこで92歳になる芸妓さんにお会いすることができ、とても貴重な経験でした。90代と思えないほどしなやかな動きで踊ってくださって、皆様を楽しませようとするサービス精神を学びました。青森では雪の情景も肌で感じることができましたので、その思いもしっかりと胸に秘めて再演も挑もうと思います」夢子のライバルという存在でもある銀子。「高畑さんの舞台は何回も拝見していますが、ゼロから役や舞台を作っていく様は今まで見たことがなくて。ライバルなので私も高畑さんと同じレベルにいなきゃいけない。じゃないとお客様にもその関係性が伝わらないし、『雪まろげ』の深みもなくなると思っていたので。高畑さんはものすごくパワフルで、体当たりってこういうことなのかなと思いました。稽古場から常に何か空気が動いている感じでした」。冒頭では温泉街一の売れっ子芸者として華々しく舞台に登場する銀子。中には榊原郁恵だとわからない人もいたとか。「再演でもちょっと違った私を皆さんに楽しんでいただけたら」と意欲を見せた。『雪まろげ』は4月5日(金)から18日(木)まで大阪上本町・新歌舞伎座で上演。チケット発売中。4月24日(水)から29日(月・祝)まで福岡・博多座、5月9日(木)から14日(火)まで名古屋・御園座、福島、山形、岩手、青森でも上演。【衣装】<ワンピース>クチーナTEL:03(3467)1540<ネックレス・イヤリング・リング>imacTEL:03(6458)6656URL:取材・文:岩本和子
2019年03月12日1978年1月にスタート、時代を彩る歌手が多く出演し、最高視聴率41.9%を記録した音楽番組『ザ・ベストテン』がライブとして復活する『ザ・ベストテンライブ2019』。4月から5月にかけて全国3都市で開催される同公演、東京公演の最終追加ゲストとして、斉藤由貴の出演が決定した。【チケット情報はこちら】斉藤は『卒業』で歌手デビュー。その後は歌手と女優として幅広く活躍。2017年に公開した是枝裕和監督作品映画『三度目の殺人』ではブルーリボン賞助演女優賞を受賞。日本演劇界にとってはなくてはならない存在に。今回、デビュー曲『卒業』のほかにもヒット曲を披露する予定。世良公則、中村あゆみ、鬼龍院翔、島津亜矢、水谷千重子、そして斉藤由貴と豪華ラインナップに加え、司会は友近、TBS石井アナウンサーが務める。ミラーゲートなど当時のセットも再現し、期待の高まるステージとなりそうだ。■ザ・ベストテンライブ2019【大阪公演】日時:4月5日(金)開場18:15/開演19:00会場:オリックス劇場(大阪府)ゲスト:杉山清貴 / 中村あゆみ / 三浦祐太朗 / 水谷千重子 / 伊原六花 / アカネキカク(登美丘高校ダンス部OG)司会:友近 / 福島暢啓(MBSアナウンサー)【愛知公演】日時:5月24日(金)18:15開場/19:00開演会場:愛知県芸術劇場大ホール(愛知県)ゲスト:稲垣潤一・世良公則・水谷千重子司会:友近 / 石井亮次(CBCアナウンサー)【東京公演】5月26日(日)開場16:15/開演17:00会場:中野サンプラザホール(東京都)ゲスト:鬼龍院翔(ゴールデンボンバー) / 斉藤由貴 / 島津亜矢 / 世良公則 / 中村あゆみ / 水谷千重子司会:友近 / 石井大裕(TBSアナウンサー)全席指定:7,800円(税込)
2019年03月12日安土桃山時代に歌舞伎の元となる「かぶき踊り」を創った“出雲の阿国”の人生と、彼女にあこがれと憎しみを抱きつつ、「二代目おくに」を名乗ることになる少女“お丹”の成長を描いた小説『二人阿国』(皆川博子作、新潮社刊)。厚みのある物語性はそのままに、歌、ダンス、舞踊、殺陣で華やかにミュージカル化したのが本作だ。明治座初出演にして初座長を務める阿国役・北翔海莉と、お丹と同じ一座のおあか役・桜一花、芸人であり遊女でもあるお菊役の鳳翔大という宝塚OGの3人に、本作への意気込みを聞いた。元宝塚歌劇団星組トップスターで、在団中より「明治座にあこがれて、しょっちゅう通っていた」という北翔。「出演が決まった時は、プレッシャーを感じつつも“あの舞台に立てるんだ”と本当に嬉しかったですね」と語る。宝塚では同じ組にいたこともある鳳翔は、これが退団後初のミュージカル。「あの明治座で、さらに北翔さんが座長と聞いて“出たいです!”と即答でした」と笑顔だ。北翔とは宝塚歌劇団のベルリン公演(2000年)以来の仲という桜も、「女優になった北翔さんと、また舞台でご一緒できるのが嬉しい」と、演技巧者の桜ならではの言葉が聞かれた。圧倒的なカリスマ性で、当時の日本を席巻してゆく阿国。芸道へのひたむきな姿勢は、北翔自身とも重なるが。「私などはまだまだ……。それでも舞台人として、究極のエンターテイナーの阿国のような考え方でありたいとは、いつも思っています」と北翔は語る。「常に勉強を欠かさない姿で、私も頑張らなきゃと思わせてくださる方」(桜)、「たくさんのことを優しく教えてくれる先輩」(鳳翔)と慕われている点も、阿国役にぴったりと言えそうだ。おあか役の桜は「峯岸みなみさんが演じるお丹の母親的な存在。芸人として生きるための手段をしっかり選んできた女性なので、夫役のモト冬樹さんと味わい深く演じられたら」と楽しみにしている様子。また、お菊役の鳳翔は「元男役なので最初は遊女役に戸惑いましたが、最近、日本舞踊のお稽古を始めたこともあって(名取名:花柳寿鳳華)、仕草などで活かせるかもと。お菊は武芸に秀でているキャラクターとも聞いて、だいぶ安心できました」とコメント。北翔、鳳翔ともに殺陣があるそうで、ダイナミックなステージが期待できそうだ。ミュージカル化については、「原作の深い言葉を残しつつ、ミュージカルにすることで、老若男女に分かりやすい舞台になっていると思います」と北翔。「本作の阿国は舞台人の側面に絞られているので、彼女が何を見て何を考え、どんな風に新しい舞台に取り組んでいったのかをしっかりと演じたい」と意気込む。一方で、「(阿国の)遊女的な面は、鳳翔さんに任せて……」とはにかむ北翔に、「ポスターの北翔さんは(色気が)充分出てますけど!?」と鳳翔が返し、笑いに包まれるひと幕も。チームワーク抜群のなごやかな雰囲気に、本番への期待が高まる取材となった。公演は3月29日(金)から4月15(月)まで、東京・明治座にて。チケットは現在発売中。取材・文:佐藤さくら
2019年03月12日7月13日(土)・14日(日)に千葉・県立幕張海浜公園 S2O JAPAN特設会場で開催されるダンスミュージック×水遊びをテーマにしたフェス「S2O JAPAN SONGKRAN MUSIC FESTIVAL 2019」。同フェスの第1弾出演DJラインナップが発表された。【チケット情報はこちら】出演DJは、「Knife Party」、「Yellow Claw」、「Nicky Romero」をヘッドライナーに迎え、「Bassjakers」、「Jay Hardway」、「Vinai」など、世界トップクラスのDJがラインナップ。さらに日本から、世界的に活躍中の「KSUKE」、「TJO」を加え、国内外EDMシーンの中でも様々なジャンルのDJ8組が決定。なお、第二弾DJラインナップは後日発表予定。2015年に、タイの旧正月時期に行われる水かけ祭り“ソンクラーン”に合わせてバンコクで初開催された、水と音楽のフェスティバル、S2O。日本では、昨年東京のお台場で初開催され、2日間で述べ2万人を動員した。チケットの一般発売に先駆けて、現在オフィシャル2次早割り先行を実施中。受付は3月17日(日)午後11時59分まで。■S2O JAPAN SONGKRAN MUSIC FESTIVAL 2019日時:7月13日(土)・14日(日)開場 12:00 / 開演 14:00会場:県立幕張海浜公園 S2O JAPAN特設会場(千葉県)
2019年03月12日ジャニーズJr.の林翔太が主役を務めるミュージカル『ソーホー・シンダーズ』が、3月9日、東京・よみうり大手町ホールで開幕した。その初日公演を前にマスコミ向けのフォトコールと囲み取材が行われ、林のほか共演者の松岡充、マルシア、大澄賢也と、演出の元吉庸泰が登壇。公演にかける想いを語った。【チケット情報はこちら】ロンドン・ソーホーで母の遺した洗濯屋を切り盛りしているロビー(林)は、ある日、店のオーナーである義姉妹によって家から追い出されてしまう。経済界の大物・ベリンガム卿(大澄)から金銭的な援助と求愛を受けるも、実は彼には本命の恋人の存在が。その恋人こそ、今をときめくロンドン市長選立候補者で、フィアンセもいるジェイムズ・プリンス(松岡)だ。そんな秘密のふたりの関係が、ある出来事から明るみになってしまい…。冒頭、スポットライトの中に浮かび上がるひとりの男性。“語り”の役どころでもある西川大貴が、圧巻のタップを披露し、一瞬で観客を『ソーホー・シンダーズ』の世界へと引き込む。続くM1『オールド・コンプトン・ストリート』は全キャストがそろう、明快でリズミカルなナンバー。本作の舞台であるソーホーを「ごたまぜのごっちゃ煮」と歌い上げ、社会的立場や愛のかたちなど、さまざまな人たちが交差する本作の象徴的なナンバーだ。またM4の『見知らぬ恋人』は、ロビーと多忙を極めるジェイムズが束の間の逢瀬を楽しむナンバー。立場は違えどもお互いを思う気持ちに変わりはなく、その恋するふたりのピュアな姿は何とも微笑ましい。そしてふたりの伸びやかで美しい歌声が、シーンをより一層盛り上げる。フォトコールを終え囲み取材に応じた5人は、終始にこやか。ここまでいかにいい時間を過ごしてきたカンパニーかが分かる。林は「ファンの皆さんも楽しみにしてくれていると思いますが、それ以上に僕らが楽しみにしていたと思います」と満面の笑み。さらに「ひとつ殻を破れた林翔太をお見せ出来るのではないか」と自信も覗かせる。そんな林について、「この子犬感はヤバい(笑)」とは松岡。林の純粋さ、さらに作品に対する真摯な姿勢に、ジェイムズさながらすっかり魅了されてしまったようだ。それは大先輩であるマルシア、大澄も同様。また演出の元吉は、それぞれの役どころについて「ぴったり過ぎて怖いくらい」と太鼓判。固いチームワークで結ばれたカンパニーだけが見せられる、極上のエンタテインメントがここにはある。東京公演は、3月21日(木・祝)まで。その後、大阪・愛知・石川・神奈川を巡演する。チケット発売中。取材・文:野上瑠美子
2019年03月11日温泉につかっているような多幸感のある鶴瓶噺は、観客に緊張感を与えない。ある日のライブでは「寝てていいよ」とさえ本人が言うほどの自由奔放さ。そんな鶴瓶噺のライブでは、選ばれるツッコミの言葉も自由で独特だ。ある後輩落語家に対して独特なツッコミの言葉を選んだそのココロから話を聞いた。【チケット情報はこちら】「長野に向かう電車の中で偶然会った人が“松喬さんって知ってますか?”と聞いてきたんですね。うちの後輩で、七代目笑福亭松喬という落語家ですと答えたら“今度、松喬さんの息子さんとうちの娘が結婚するんですよ”って。えぇっ!?て。そんな偶然、うれしいし驚くじゃないですか。それで、別の機会に松喬本人と会った時にその話をしたら、“あぁ、そうですか”ぐらいの薄っすい反応で、一切会話が弾まなくて。松喬はええやつです。落語もめちゃくちゃおもしろい。でもね、鶴瓶噺のライブではこうツッコまざるをえなかった。“ワクワクせぇや!”って(笑)」鶴瓶噺の原点は、「高校時代のツレとの雑談」。“青春っぽい”そのツッコミにも会場は大爆笑だったが、鶴瓶噺にまったくないのが“大御所っぽさ”。鶴瓶の口癖のひとつでもある「そんなんどうでもいい」が、そのことを代弁している。「まわりが気を使ってくれて、振り返ったらぎょうさん僕を見送ってくれるとか……そんなんどうでもいいんです。外で寒いのにずっと頭下げて見送ってくれるんですけど、全然うれしくなくて、だったら、うちのマネージャーみたいに接してもらえたほうがうれしくて。この間もね、NHKのアナウンサーの女の子に、僕のことを“痩せたでしょ?”と説明してくれていたんです。映画の役作りで8kgぐらい落としましたから。マネージャーは“昔みたいに紐パンをはかなくなりました”って。いや、言わんとしてることはわかる。スウェットのパンツとかってゴムじゃなくて紐でウエストを調整するやつもあるでしょ。でも、それを聞いた女の子は例のパンツだと思うじゃないですか。実際、“え?紐パンだったんですか?”ってすっごい驚かれて。違う違うと(笑)」鶴瓶噺には一切の大御所感がなく、むしろ男子校ノリの青春感が強い。語り部本人は芸能界の大御所のひとりだし、鶴瓶噺の歴史だけでも50年近くあることを考えるとちょっと脅威的ですらあるが、当の本人は「不思議なんやけど、なんで初対面の人が財産分与の話をしてくるんやろ?」と雑談を続けるのだった。「太田胃散 PRESENTS TSURUBE BANASHI2019」は4月10日(水)から14日(日)まで、大阪・サンケイホールブリーゼ、4月17日(水)から21日(日)まで、東京・世田谷パブリックシアターにて上演。チケットの一般発売は3月16日(土)午前10時より。取材・文:唐澤和也
2019年03月11日