チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (137/342)
12月15日に『ブロードウェイクリスマス・ワンダーランド』が開幕した。 幕が開くと、雪の結晶がきらめく真っ白な世界。6人のシンガーが「レット・イット・スノー」を歌い始め、美声と綺麗なハーモニーが劇場を一気にクリスマス色に染めた。ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2017 チケット情報「ジングルベル」では、ダンサーとシンガーによる群舞がかっこいい!全員でリズムに合わせてジャン!と手をあげる様は、まさにブロードウェイスタイル。タップ、ペアダンス、チャールストン、そして圧巻は20名のラインダンス。みんな美脚でうっとりしていたところに、サンタクロースが登場。テーマ曲「クリスマス・ワンダーランド」では、HO HO!言いながら、歌い踊りまくり!サンタもラインダンスに加わって大盛り上がりだ。「さやかに星はきらめき」では生歌に合わせて、ペアスケーターによるアイスショーを披露。スピンやリフト、ジャンプなど、優雅かつダイナミックに舞う。通路から灯りを持った聖歌隊が出てきて、「荒野の果てに」「きよしこの夜」など静かな調べに教会のミサを思い出す。敬虔な気持ちになっていたところ、「ジョイフル・ジョイフル」ではゴスペルで大盛り上がり!手拍子が湧いた。2幕には舞台上に、ステンドグラスのクリスマスタウンが現れた。「ハッピーホリデーメドレー」では民族調のドレスを着てプレゼントを抱えた人たちが行き交う。そうそう、プレゼントの用意しなきゃ!と、ワクワク感が高まる。ここでこの日のスペシャル、本田望結がスケートリンクに登場し客席は大喜び。「くるみ割り人形」より花のワルツを、白いスパンコールの衣裳に身を包み、自ら考えた振付で踊った。最高に愛らしく、天使そのもの。その後、ジャズ、ロカビリー、ロックとノリの良いクリスマスソングが続く。18人のキャストが舞台の淵に座り、手と腿を叩く「ジングルベルクラップ」は、だんだんスピードアップするのがスリリング。観客も置いていかれないように一緒に手拍子し、一体感が味わえた。「ポップ・メドレー」では、サンタもダンサーも客席に降りてきて、お祭り騒ぎ!誘われて、一緒に踊り出す観客も。ラストは観客も一緒に「ホワイト・クリスマス」を歌い、クリスマスを祝う。終わる頃には、とことんクリスマス気分!夢のように華やかでハートウォーミングなショー。ぜひ家族や友達を誘って楽しんでほしい。『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2017』は12月25日(月)まで東京・東急シアターオーブで開催。本田望結出演公演は、15日(金)13時公演、24日(日)12時30分公演のみ。取材・文/三浦真紀
2017年12月19日辻仁成が自身の小説を原作に、6人の男性キャストと作り上げる舞台『99才まで生きたあかんぼう』が来年2月から上演される。出演する村井良大に話を訊いた。チケット情報はこちら舞台、映画、朗読劇とジャンルを超えてこれまでに4度、辻の作品に出演している村井。2014年の映画『醒めながら見る夢』の時には、監督を務めた辻は村井について「演技のために生まれてきた人」と語っている。今回も辻が村井の“引き出しの多さ”“柔軟性”を信頼しオファーがあったそう。村井はそれを聞いて、「頼りにされてるのかな……って思うと、嬉しいですよね」と照れたように笑う。「辻さんは、すごく頭が良く、人生経験も豊か。その人の良いところを見つけるのが上手で、全面的に肯定してくれる方です。でも小説のような繊細さも、ミュージシャンらしいロックな部分もあり。面白いです」。とはいえ、舞台で演出家と出演者としてガッチリとタッグを組むのは7年ぶり。その間、村井もアクション多用の大舞台から海外ミュージカルの主演まで、数々の経験を積んでいる。村井は「僕の成長を示せたら、と思います。色々な思い、気概を持って挑まないと、辻さんも納得していただけないと思いますし」と決意を語った。そして今回上演される『99才まで生きたあかんぼう』は2003年に辻が発表した小説が原作。ひとりの男が生まれてから死ぬまでを、優しい筆致で描いた物語だ。読んだ印象を村井は「ピュア」と表現する。「男の子っぽい話だなと思いました。カッコつけたかったり、でもカッコ悪かったり。そういう、男が思うキラキラとドロドロを持っている物語。主人公は“ちょっとだけ他の人よりも努力する”んです。無理をさせず、ちょっと頑張れば手が届きそうだし、人間味があるところが素敵。さらに、その頑張りを見ている人がいるんだよ……というメッセージもある。読む人を、綺麗な心にしてくれます。辻さん自身、ピュアなんですよ。それがこの本に投影されているんだなと思いましたし、だから僕も純粋な気持ちで舞台に立ちたい。舞台って、やっぱりその人の人間性が透けて見えるんですよ。そこは大事にしなきゃって思います」。原作は、主人公の名前すら登場せず、不思議な第三者の目線で描かれていく。一体どんな舞台が生まれるのか気になるところだが……。「まだ未知数ですが、独創性のある舞台になるんじゃないかな。僕は0才から99才まで演じることになるんだと思います。年を経ていく役をやったことがないので、そこが楽しみです。自分は0才から29才までは経験していますが、そこから先はまだ知らない。ただ、年齢って数字ではないとも思います。テーマは“人間はいつまでたってもあかんぼう”というところにあると思いますし、色々な年代の方に響く作品になるはずです」。共演は松田凌、玉城裕規、馬場良馬、松島庄汰、松田賢二。公演は2月22日(木)から3月4日(日)まで、東京・よみうり大手町ホールにて上演される。その後愛知・福岡・大阪公演もあり。チケットは発売中。
2017年12月19日キャラメルボックスの最新作、『ティアーズライン』が12月15日、東京・サンシャイン劇場で開幕した。キャラメルボックス「ティアーズライン」チケット情報今回の作品は、実に1年半ぶりとなる成井豊のオリジナル新作。探偵社の調査員・横手道朗(畑中智行)が謎の男・十文字(阿部丈二)に監禁される場面から物語は始まる。十文字は自分の職業は殺人代行業……つまり殺し屋で、横手とその同僚・鯉川(多田直人)を殺すよう依頼を受けたという。しかし今日は特別に道朗の「死にたくない理由」に納得すれば見逃してやる、とも。そこで、この24時間にあった出来事を話しだす道朗。その内容は「オーストラリアに旅行に行き、現地で倒れ昏睡状態のはずの母親・克子(大森美紀子)が、なぜか自分の目の前に現れた」というにわかには信じがたいものだった。一方、文部科学大臣の息子・能代翔平(山崎雄也)のスキャンダルを探っていた鯉川が窮地に陥り、道朗はそちらのトラブルにも巻き込まれてしまうことに。舞台上では道朗と十文字の会話と、道朗の過去の場面が展開されてゆく。いきなり“事件”から始まり、謎が少しずつ解き明かされていく展開はミステリー小説のようでもあり、スピード感はまさに「ジェットコースター演劇」。けしてシンプルな物語ではないが、情報量の多さを感じさせないのは俳優たちの熱演と、キャラクターの魅力によるところが大きい。特に今回の公演は、畑中、阿部、多田という近年劇団公演で主役をつとめることが多い3人がメインキャストに揃い踏みし、三者三様の魅力を見せている。「昭和マニアの殺し屋」という濃いキャラクターで緊張感と笑いを振りまく阿部、これまでの出演作品の中でも一番コミカルで飄々とした役なのでは?という多田。そして「等身大の青年」を演じさせたら随一の畑中も、一見普通ながら大きな喪失を抱えているという難しい役どころ。どの俳優たちも新境地が見え、かつちゃんと魅力的に見えるのは、劇団公演の書き下ろし作品ならでは、だ。また、主軸となっているのは「母と子」の物語。道朗と克子という「一見ありふれた母と子の関係」と、それとは対照的な文部科学大臣・妻成美(坂口理恵)と翔平という母と子も描かれる。後者の関係性は、観客によってはかなり胸をえぐられる人もいるのではないだろうか?前者は母の愛が息子を本当の意味で“救済”し再生させ、後者はトラブルの中でふたりの関係が再生してゆく。このコントラストが物語に深みを与え、改めて家族や身の回りの“大切な人”について考えさせてくれる。まさにクリスマスシーズンにふさわしい作品といえるだろう。公演は12月25日(月)まで東京・サンシャイン劇場、12月28日(木)・29日(金)に兵庫・明石市立市民会館大ホールで上演される。チケットぴあでは公演前日までチケット発売中。取材・文:川口有紀
2017年12月19日生瀬勝久や藤木直人、いきものがかりなどが所属する芸能プロダクション“キューブ”が、次代を担う若手俳優陣による新プロジェクトをスタート。そのお披露目イベント「キューブ若手俳優サポーターズクラブ発足記念!!『キックトークイベント』」が、12月17日、東京・CBGKシブゲキ!!にて開催された。この日、計3回行われたイベントのうち、2回目には映像作品を中心に活躍中の白洲迅、バラエティでもひっぱりだこの加藤諒のほか、木戸邑弥、冨森ジャスティン、金井成大、坂口涼太郎、永田崇人、井阪郁巳の8人が登場。ステージ上にメンバーがそろうと、まずは“キューブ若手俳優サポーターズクラブ”という長過ぎるクラブ名の短い愛称が発表された。その名も「C.I.A.」。するとメンバーからは「某国に怒られませんか?(笑)」とのツッコミが。だが「CUBE Infinity Artists」の略で、“キューブ所属のアーティストが無限の可能性を持ち続ける”との思いが込められていると明かされると、加藤は「僕たちに無限の可能性を感じてくれていることが幸せです!」と感慨深げに語った。続いてのコーナーは「伝えて!察して!C.I.A.ゲーム」。出題するメンバーがお題に沿ってひとり芝居をするのだが、せりふはひと言「好きだよ」のみ。ほかのメンバーは、それがいかなるシチュエーションで発せられた「好きだよ」なのかを当てるという、各々の演技力が試されるゲームだ。まずは金井、そして冨森がチャレンジするも、ほかのメンバーを巻き込んだり、「好きだよ」以外のせりふが飛び出すなど、それぞれやりたい放題。そのようすに気後れ気味だった観客だが、坂口が高い演技力、さらにダイナミックなダンスを披露すると、一気に称賛のため息に。永田は持ち前のかわいらしさを爆発させ、井阪のボケに木戸ら先輩がツッコむ。白洲は常にマイペースを保ち、加藤は戦場を舞台にした大熱演のあと、キレッキレのダンスを披露。すると会場は大きな拍手と笑い声に包まれた。イベント終盤には、C.I.A.の今後の予定が発表された。公式サイトが同日オープンしたほか、早くも次回イベントが2018年3月26日(月)、東京・山野ホールで開催されることが決定。また井阪郁巳とこの日欠席の阿久津仁愛によるイベントも、2018年3月24日(土)・25(日)に東京カルチャーカルチャーで行われる。それぞれキャラクターの異なる彼らだけに、今後もさまざまなかたちで多くのファンを楽しませてくれそうだ。取材・文:野上瑠美子
2017年12月18日漫画史上に燦然と輝く萩尾望都の『ポーの一族』が、宝塚歌劇団花組によって初ミュージカル化される。トップスターの明日海りおは、永遠の時を生きるバンパネラのエドガー・ポーツネル役。「エドガーは巻き毛と青い瞳が印象的。舞台の照明が当たるとどんな効果があるかを考えて、舞台メイクにもこだわりたいです」と、ビジュアルから徹底し役作りに励んでいる。宝塚歌劇花組『ポーの一族』チケット情報『ポーの一族』は1972年に第1作目が登場、2016年に40年ぶりの新作が発表され話題となった名作漫画。人間だったエドガーは唯一の肉親である妹を守るためバンパネラ“ポーの一族”に加わり、時空を超えて旅をする。「周りに理解してもらえない苛立ちや孤独感が彼にはあり、演じていて人恋しさも湧いてきます。少年でありながらふとした表情で人を惹きつける圧倒的なオーラや、物事を達観しているところも。そのような独特の雰囲気を醸し出せたらと思います」と話す。漫画が原作だけに声や動きひとつまで悩む日々。「常にイマジネーションが途切れないよう漫画を読み返し、この角度のほうがきれいに見えるんだ、など役作りのヒントにしています。血を吸う場面はドラマティックに美しく、セクシーにみえるように小池先生にご指導いただいています」。30年以上舞台化を夢見ていた演出家・小池修一郎はどの役にもこだわり、稽古場でも一段と熱が入っている様子。「とても楽しそうにしていらっしゃいます」というから期待が募る。トップ娘役の仙名彩世が演じるのはシーラ・ポーツネル男爵夫人。「エドガーが初めて目にする魅力的な女性で、憤りや葛藤をぶつける相手でもあります、その気持ちの変化が演じていて面白いです」。柚香光扮するアラン・トワイライトもバンパネラの宿命を背負う。「アランはエドガーにとって唯一無二の存在なのに、埋められない溝があります。柚香自身、神秘的なオーラがある人なので、ふたりの関係性を表現しやすいです」。特に1幕のラストが好きだという。「登場人物がほぼ全員出てきて、盆が回りセリが上下するなかで『二つの魂』という素敵な曲を歌います。壮大なナンバーで心がしめつけられます」。宝塚ならではの演出で立ち現れる『ポーの一族』の世界。「きっとお客様に舞台化されて良かったと言っていただけると思います」という明日海の力強い言葉が、すべてを物語っている。公演は兵庫・宝塚大劇場にて2018年元日より2月5日(月)まで上演。チケットは発売中。東京宝塚劇場公演は2018年2月16日(金)から3月25日(日)まで。1月14日(日)より一般発売が開始される。取材・文:小野寺亜紀
2017年12月18日作・鴻上尚史×演出・菜月チョビ『パレード旅団』が上演中だ。OFFICE SHIKA REBORN 「パレード旅団」チケット情報本作は、OFFICE SHIKA PRODUCEによる新シリーズ「OFFICE SHIKA REBORN」の第一弾。「名作は、死なない」のキャッチフレーズのもと、これまでの名作戯曲を上演していくシリーズとなる。その1作目である『パレード旅団』は、本作で演出を務める劇団鹿殺し座長の菜月チョビが“初めて目にした「演劇」”という鴻上尚史の戯曲。現在59歳の鴻上が27歳のときに原型を書き、その10年後の1995年に鴻上主宰の劇団「第三舞台」(2012年解散)で上演された作品だ。舞台は、「いじめにさらされている中学生の世界」と「崩壊にさらされているある家族の世界」、そのふたつの世界を往復するように進行し、キャストは“ある少年の家に全国から集まったいじめられっ子7人”と、“洪水で流される家の中に閉じ込められたバラバラの7人家族”の2役を演じる。ダンスや歌、布を使った水の表現、大きな扇風機でつくり出す台風の表現など鴻上戯曲テイストを感じる演出を、菜月ならではギラリとした味付けでみせていく世界。そこに登場する7人+2人の人物たちのやり取りは、2017年に上演するうえでのアレンジも加えられてはいるが、これが約30年前に生まれた物語だと思うとある種の絶望を感じるほどに現代に響くものだ。中でも、いじめられっ子の少年の「復讐、しませんか?」や、父親の「今日かぎり、父さんは父さんをやめようと思う」という台詞は印象的。そこの言葉を発端に、物語が動きだす。全く違う軸で展開するふたつの世界が徐々に近づいていくかのように、世界間の往復テンポも少しずつ上がっていき、ある瞬間、交差する。そのとき、思いもよらない光景がそこに広がった。その光景は、菜月の描く世界とも鴻上の描く世界とも感じられる、演劇ならではの鮮烈な魅力を放っていた。公演は、犬のポチ役を伊藤今人が演じる「踊る犬組」、菜月が演じる「歌う犬組」があるほか、葉丸あすか(柿喰う客)が演じる婚約者役を「日替わり婚約者」として七味まゆ味(柿喰う客)やファーストサマーウイカ、有田杏子(劇団鹿殺し)が演じる日も設定されており、さまざまなバージョンが楽しめる。『パレード旅団』は12月17日(日)まで東京・シアターサンモール(終了)、12月21日(木)から24日(日)まで大阪・ABCホールにて上演。撮影・取材・文:中川實穗
2017年12月18日筒井康隆の名作小説『時をかける少女』の続編として、脚本家の石山透が1972年に発表した幻の作品『続・時をかける少女』が舞台化。SFコメディの旗手・ヨーロッパ企画の上田誠が脚本・演出を手掛ける。本作にかける思いを、上田と未来人ケン・ソゴル役を務める戸塚純貴に聞いた。「続・時をかける少女」チケット情報『時をかける少女』で主人公・芳山和子や、和子の幼なじみ・浅倉吾朗から記憶を消し、未来に戻ったケン・ソゴル。続編は、彼が高校生になった和子の前に再び現れ、タイムスリップで行方不明になった3人の科学者を捜すため、和子に助けを求める…という展開だ。「『時をかける少女』とテイストが違っていて、ドタバタアクションなんです。未来からタイムスリップした3人の仲間が遭難したから助けてくれっていう壮大な話になって。僕が勝手に作った話なら怒られますけど、元々続編があったんだっていうのはお客さんにとっては発見かもしれないし、時かけファンも観たいでしょうし。他の人に舞台化される前にやりたいなと思ったんです」(上田)。以前からヨーロッパ企画の舞台が好きだったという戸塚は、今回の出演が決まり「目標のひとつだったので、本当にうれしい」と笑顔を見せる。近年は福田雄一作品にも数多く出演し、二枚目からクセの強い役までこなす若手注目株だ。「最近、コメディしかできないんじゃないかって思われている感じがあるんですけど(笑)、上田さんはコメディでありながら、そうじゃない部分も引き出してくれると思うので、スマートな魅力も出していきたいと思っています」。演じるケン・ソゴルについては「記憶を消してきれいに去っていったはずなのに、また来て和子を振り回すとんでもない男ですよね(笑)。でも、和子が惹かれる魅力も持っていて。その魅力的に思える部分をちゃんと出せたらと思います」と話す戸塚に、上田が「割と人に迷惑をかけるほう?」と尋ねると、「めちゃくちゃ迷惑かけますね。どっちかというと振り回すタイプで、最近よく“次男らしい”って言われます」と苦笑。上田はその言葉にヒントを得たようで「次男はいいキーワードですね(笑)。役者さんと会話したりエチュードしたりすると、こんなふうにその人の素地が見えてくる。若い役者さんとか違うジャンルの方とやるときには、僕が知らないことがいろいろ出てくるはずなので、それをできるだけ乗せる劇にしたいですね。プロデュース公演ならではの面白さがあると思います」。公演は2月7日(水)から14日(水)まで東京グローブ座、2月17日(土)大阪・森ノ宮ピロティホール、2月20日(火)高知県立県民文化ホール オレンジホールにて。チケットは12月16日(土)より発売開始。
2017年12月15日『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2017』のプレスコールが12月13日に行われた。ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2017 チケット情報トリバゴのCMで知られるナタリー・エモンズがシックな黒のロングドレス姿で登場。伸びやかな声で、しっとりと「Have yourself a merry little Christmas」を歌う。キラキラ光る雪の結晶の飾りが降りてきて、会場が一気にホリデイシーズンの空気に染まる。最後に「メリークリスマス!ありがとうございます」とナタリーは愛らしい笑顔で手を振った。大きなクリスマスツリーの前では、本田望結がスパンコールをあしらった白の衣裳で「くるみ割り人形 花のワルツ」に乗せて、フィギュアスケートを披露した。ジャンプやターンを決めて、華麗に舞う。こんな舞台上で見られるなんて、貴重な機会だろう。「クリスマスポップメドレー」では「恋人たちのクリスマス」「ママがサンタにキスをした」「ロッキン・ロビン」「毎日がクリスマスだったら」「サンタが街にやってくる」と、お馴染みのクリスマスソングが次々と繰り出された。舞台上には大きなクリスマスツリーとテディベア、上にはプレゼントが吊るされ、プロセニアムには真っ赤なリボン。まるで、このステージ自体が贈り物みたい!大勢のダンサーによるダイナミックなダンスとシンガーたちのパワフルな美声、贅沢にショーアップされたステージは本場のクリスマスショーそのもの。途中、サンタクロースが登場し、ダンサーたちが客席通路に降りてきて、臨場感たっぷり。本場のクリスマス気分が味わえた。囲み会見では、本田望結とナタリー・エモンズが答えた。本田望結「花のワルツに乗せて、バレエ風に踊りました。振付は自分で考えましたが、なんとなく決めている形で、その時の気持ちや雰囲気で踊りたいです。このカンパニーの皆さんみたいに、カッコよく綺麗に踊りたいし、楽しみたいですね。今年はフィギュアスケートで全日本に出られて嬉しかったです。自信がついたし、来シーズンはもっと上を目指したいですね。お兄ちゃんやお姉ちゃんのことは応援しかできないから。24日はこの作品の昼公演に出て、その後、応援に行きます。本当に頑張って欲しいです」ナタリー・エモンズ「ちょっと緊張したけど、すごく楽しかったです。有名な東急シアターオーブに出られて嬉しい。パフォーマーの皆さんと同じくらいエネルギーを出し切りたい。子供から大人まで楽しめる最高のショーですので、皆さんぜひ見に来てください!」『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2017』は2017年12月15日(金)から25日(月)まで東急シアターオーブで開催。本田望結出演公演は、12月15日(金)13時公演、24日(日)12時30分公演のみ。取材・文:三浦真紀
2017年12月15日33年目を迎えるミュージカル「アニー」の制作発表が12月14日におこなわれ、主役のアニーをはじめ新キャストが登壇。見事オーディションを勝ち抜き、2018年公演のアニーを務めるふたりは、「アニーの前向きに考えるところと優しい気持ちを持っているところが好き。私自身もそれをお客さんに伝えられるようなアニーを演じたい」(新井夢乃)、「明るくて優しくて、みんなに“いいなぁ”って思われるアニーになりたい」(宮城弥榮)と、元気に意気込みを語った。ミュージカル「アニー」チケット情報「アニー」は、世界大恐慌後の1933年のニューヨークを舞台に、11歳の女の子アニーの明るく前向きな姿が、大人たちを励ましていく物語。1976年にブロードウェイで上演され、トニー賞7部門を受賞。日本では1986年より上演され、累計172万人を動員。昨年、山田和也を演出に迎え、翻訳台本、振付、舞台美術、衣装などが一新され、生まれ変わった。大富豪ウォーバックスを2年連続で演じる藤本隆宏は、「感動の渦の中に身を投じることができて、本当に幸せな一年になりました」と振り返り、「新しいアニーを作り上げる気持ちで演じていきたい」とやる気十分。同じく、昨年より引き続き出演する青柳塁斗(ルースター)と山本紗也加(リリー)のふたりは、「役に磨きをかけて、稽古場でいろんなアイデアを出したい」(青柳)、「役の悪だくみやチャーミングさをパワーアップさせる」(山本)と熱く語った。アニーをいじめるハニガンを初めて演じるのは、辺見えみり。母親の辺見マリも同役を演じていたことを受けて、「母親のときも観に行って、いつかこの役をやりたいと思っていた。40代になって演じられるのはとても幸せ。母親もすごく楽しみにしてくれている」と喜びを語った。さらに、「初めて2世でよかったなと思いました。一緒に共演するよりも、同じ役がやれることは、自分にしかできないって思うとすごく幸せ」と笑顔で明かした。ウォーバックスの秘書グレース役は、元宝塚娘役トップの白羽ゆりが初めて演じる。白羽は、「来年芸歴20周年。自分の人生の中で記念すべき年にミュージカルの原点ともいえるアニーに出演できることはとにかく嬉しい」と心境を告白。そして、「アニーのふたりともかわいくて、もうデレデレ(笑)。ふたりと一緒に頑張っていきたい」と意気込みを語った。ミュージカル「アニー」は、2018年4月21日(土)から5月7日(月)まで、新国立劇場 中劇場(東京)にて上演。チケットは12月16日(土)より発売。なお、大阪、愛知、福岡、新潟公演は2018年夏に開催される。撮影・取材・文:門 宏
2017年12月15日ブロードウェイをはじめ、世界で活躍するトップスターと、日本のミュージカル界を担う城田優が共演するコンサート『4Stars 2017』が12月14日に梅田芸術劇場で幕を開けた。「4Stars 2017」チケット情報初めに城田が登場し、観客に「今回はミュージカルや映画の楽曲の中から愛を探求する旅になる」と語りかけ、ミュージカル『ピピン』の『コーナー・オブ・ザ・スカイ』を英語で歌い出す。驚いたのは城田の成長だ。彼は2013年に上演した『4Stars』にも出演し、そのときもブロードウェイスターに引けを取らなかったが、初々しく少しぎこちない場面もあった。しかし、今回はさらにグーンと歌唱力、表現力が増し、堂々たる大人のエンターテイナーぶりだ。城田の紹介で、『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンなどを演じてきたラミン・カリムルー、『ラブ・ネヴァー・ダイズ』のクリスティーヌ役などで知られるシエラ・ボーゲスが現れ、その歌唱力に圧倒される。このふたりは前回の『4Stars』にも出演し、日本にファンが多い。そして、最後に登場したのは、今作で初来日を果たしたブロードウェイの新星シンシア・エリヴォだ。彼女がブロードウェイデビューを飾ったミュージカル『カラー・パープル』を筆者は現地で見ているが、劇中でもスタンディングオベーションが嵐のように起こり、その実力は格別だった。同作で共演した有名歌手ジェニファー・ハドソンがノミネートさえされなかったのに、彼女は2016年のトニー賞主演女優賞を獲得。その『カラー・パープル』から同名曲を披露する。憂いをおびたしっとりとした深い歌声は、日本でもファンが急増するはずだ。最後に「アーメン」とほかの3人もエリヴォに重ねて歌い、ハーモニーが波のように広がる。大ヒット映画『ラ・ラ・ランド』の『アナザー・デイ・オブ・サン』では、ダンサーが客席に登場し華を添える。さらに、『エリザベート』の有名曲『闇が広がる』を、城田とカリムルーが日本語でデュエット。ふたりの日本語が美しく調和し、観客も意表を突かれて大喜びだ。『オペラ座の怪人』からボーゲスが歌う『墓場にて』、カリムルーが熱唱する『ミュージック・オブ・ザ・ナイト』など、それぞれが演じてきた役のナンバーも飛び出す。いくら聞いても聞き足りないほど味わい深い。アンコールでエリヴォが歌うミュージカル『天使にラブ・ソングを』の『天国へ行かせて』もパンチがきき圧巻だった。4人はまさに輝くばかり。その一音一音に心が洗われた。「愛を探求する旅」というが、スターたちの歌声に包まれると、ミュージカルは、音楽は、そんな芸術が生まれるこの世は何て愛おしいものなのだろうと今更のように実感する。探せばすぐに見つかるはずだ。何度でも旅して確かめたい。公演は、12月14日(木)から17日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、12月20日(水)から28日(木)まで東京国際フォーラム ホールCにて開催。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2017年12月15日浪漫活劇譚『艶漢』第二夜が12月13日に開幕。初日に先がけ、公開ゲネプロ、囲み取材が行なわれた。【チケット情報はこちら】尚月地の漫画『艶漢』(「ウィングス」連載中(株式会社 新書館))を原作に、2016年3月に初演され、大好評を博した作品の続編となる。主演を務める櫻井圭登の他、末原拓馬、三上俊、田上真里奈、林野健志ら初演時のキャストが続投。更に新キャストとして、山田の同僚で妄想癖のある若林剣一役に梅棒の野田裕貴、慈善塾を開き元罪人らを受け入れる湯上役に狩野和馬、また主人公・詩郎を狙う佐倉春澄役に村田恒、春澄の幼馴染である内海明人役に加藤良輔を迎えた。幻灯町で起こった行方不明事件を軸に、吉原詩郎(櫻井)と吉原安里(三上)の過去、佐倉春澄、内海明人らが詩郎の前に現れたことで、それぞれの物語が展開していく今作。初演同様、詩郎、安里の肌も露わな衣装での迫力ある殺陣や、コメディパートの軽妙さはそのままに、若林の妄想シーンでは山田光路郎(末原)と春澄が「妄想ならでは」の姿をみせるなど、新しい見所も満載となった。ゲネプロ終了後にはフォトセッション、囲み取材が行なわれ、取材には櫻井圭登、末原拓馬、三上俊、田上真里奈、林野健志、野田裕貴、狩野和馬、村田恒、加藤良輔が登壇。初日を前に、今回が初参加となる村田は「今回からの参加ですが、初演を越えられたら、という意気込みで今日までやってきました。この作品が第三夜、第四夜と続くようにしっかりと演じたいと思います」とコメント。また三上は「初演が終わってから、僕はずっとこの瞬間を待っていました」と話し、「『艶漢』ファンのみなさんも待っていてくれたと思いますが、原作を裏切らず、期待にこたえられるようお届けできるという自信があります」と作品の完成度へ自信を見せた。主演の櫻井は2年越しでの再演に触れ、「初演から2年弱でこうして続編ができることを本当に幸せに思います。新しいキャラクターも加わり、各キャラクターの新しい心情や前回は見せられなかった関係がとても多いので、自分が出ていないシーンでも舞台裏で楽しませていただいております。今回も皆さんの度肝を抜いていきたいな、と思うので、本番ぶちかましたいと思います!」と意気込みを語った。公演は12月17日(日)まで、東京・六本木俳優座劇場にて。前売りチケットは完売しているが、各公演当日券は若干枚数を販売する。また12月23日(土・祝)には大阪・味園ユニバースにてイベント『幻灯町聖夜祭~一日早い誰かのメリークリスマス~』を開催。同イベントのチケットは現在発売中。
2017年12月15日「地元出身クリエイターによる地元発の舞台」として企画された第一弾公演で、関西出身の劇団鹿殺し・丸尾丸一郎と悪い芝居・山崎彬が初タッグ。上演するのは、丸尾末広の同名漫画を原作にした怪奇幻想歌劇『笑う吸血鬼』で、丸尾丸一郎が脚本を、山崎が演出を務める。公演に向けて、山崎とキャストの大原海輝、ゆうたろう、高本学に話を聞いた。怪奇幻想歌劇『笑う吸血鬼』チケット情報原作は「漫画を読んでいる感覚というより、絵画を観ているような感覚になりました」と大原が語るように、耽美かつ退廃的な世界観が魅力。謎の駱駝女から血を受けて吸血鬼となった14歳の美少年・毛利耿之助(こうのすけ)を中心に、思春期の若者たちの苦悩や葛藤が描かれる。演じる役について、耿之助役の大原は「原作を読んだときは、飄々としている男の子だなって思ったんですけど、戯曲をもとに演じていると、内で燃えるものや人間味がちゃんとあって。生きているからこその感情や心の変化をすごく感じています」と語り、8年前に失踪した姉・ミコを探し続ける橘マコト役のゆうたろうは「いじめられっ子で独りぼっちだけど、一番エネルギーを持っている子だなと思う。僕も割とひとりでいることが好きなタイプだったので、自分との共通点をつなぎつつ、マコトの大きなエネルギーを自分なりに作り上げたいですね」と意気込む。吸血鬼に憧れて放火を繰り返す辺見外男役の高本は「自分の思春期のことを思い返すと、外男の心の葛藤とかフラストレーションって共感できるんですよね。そのモヤモヤの先にある放火。外男がどう生きて、苦悩して、どんな最後になっているか、僕自身も役としても成長を見せられたら。僕が外男でよかったと思っていただけるように演じたいです」。山崎はキャストの3人とは今回が初めてだが「一日目からひとつになれるなって感覚的に思いました。みんなシャイだけど、内にはちゃんと熱いものを持ってる。それをちゃんと舞台で爆発させられる人たちだと思います」と信頼を寄せ、「原作ファンや彼らのファンはもちろん、何も知らずに来た人の心にも響く芝居にしたい。歌もダンスもあるので、エンタテインメントとして面白いものになりますし、心地いい熱さを持った作品にしたいですね。年末に観に来てくださった方に“実家に帰ればよかった”と思われないように(笑)、胸に刻むものにしたいと思います」。公演は12月28日(木)から31日(日)まで大阪ビジネスパークにて。チケット販売中。
2017年12月15日ヴァイオリニスト奥村愛が、デビュー15周年記念企画として、来年2月、2日間のリサイタルを行う。【チケット情報はこちら】「15年間、本当に色々な経験をさせていただきました」と奥村は振り返る。「初めは弾くのに精一杯でしたが、共演者の方達から刺激をいただき、MCも鍛えられ、プログラムも幅をもって選曲できるようになって。有名だと思っていた曲が一般的にはそうでもなかったり、ヴァイオリンの何が難しいのかという、ヴァイオリン弾きには当たり前のことが知られていなかったりすることも改めて実感しました。発見を積み重ねてお客さん目線に立てるようになってきた一方、クラシックには絶対に崩してはいけない壁もあるので、その壁を前に、どこまで登れるか試行錯誤中です」今回のリサイタルの1日目には、ピアニスト・三輪郁との共演で、バッハのパルティータ第1番、モーツァルトのヴァイオリンソナタ26番、フォーレのヴァイオリンソナタ第1番ほかを演奏。2日目には、バッハのヴァイオリン協奏曲、ホルストのセントポール組曲をはじめ、ピアソラ、カルロス・サンタナなどの名曲を、ゲストであるギタリストの渡辺香津美や、奥村が信頼するメンバーからなるスペシャルストリングスと共に送る。「1日目は古典物を入れたかったので、まずバッハとモーツァルトを決め、後半は少しゆったりと聴いていただけるフォーレなどを選びました。2日目はガラリと変わって賑やかなコラボレーション。渡辺香津美さんとは以前共演した時、私が普通に演奏しているところにカッコよく乗ってきてくださり、音色に全く違和感がなかったことを覚えています。両方の公演にバッハを入れたのは、バッハがジャズやロックなど色々なジャンルの原点でもあるから。私自身にとってはコンクールの課題曲でした。20年ほど前、先生から“ここはこう弾きなさい”と細かく言われて弾いたバッハと、大人になってからのバッハでは何かが変わっているかもしれない。どちらの日程も、その場で感じることを大切に、楽しんで演奏したいですね」15周年を経て、彼女はどのようなヴァイオリニストを志向していくのだろうか。「私は割とさっぱりした性格で、いつもポジティブに過ごしていて、同級生などは“音を聴くとすぐ愛の演奏だとわかる”と言うのですが、それだけではなく、例えば重く渋い音など、もっともっと多彩な音を出したいんです。昔見た映像での、あるチェリストが晩年にお弾きになったカザルスの『鳥の歌』が忘れられなくて。そこには、技術うんぬんではなく、その時その年齢のその人にしか出せない音がありました。私も38年間、それなりに苦労もし、感情も増えているはずなので、そうした経験を音色に反映させたい。今の年齢でこそ出せる音色を、精一杯に表現していきたいと思っています」公演は2018年2月3日(土)・4日(日)に東京・浜離宮朝日ホールにて。チケット好評発売中。取材・文:高橋彩子
2017年12月14日岸谷五朗と寺脇康文が1994年に結成し、前回公演「The Love Bugs」では10万人を動員した演劇ユニット・地球ゴージャスが、新作「ZEROTOPIA」を来年4~7月に上演。岸谷、寺脇の両名に話を聞いた。地球ゴージャス チケット情報豪華客船が沈没し、生き残った乗客たちはある島に流れ着く。そこは地図に載っていない、色彩のない島。やがて彼らの隠された過去が暴かれ……。「いつも台本ができると、最初に寺ちゃんに読んでもらうんですよ。ファースト・インプレッションってすごい大事で。だいたい4行くらいしか感想返ってこないんだけど」(岸谷)「作り手でありながら、僕もそこで観客第一号になれる。感じたものを、いつも素直に返します。『最高!さすが。これで行こう!早く稽古したいね』みたいな」(寺脇)「4行じゃなく、4語だった(笑)」(岸谷)脚本・演出は岸谷の担当だが、寺脇のアシスト態勢もバッチリ。さすが出会いから33年、一度もケンカをしたことがないという名コンビだ。「僕らが一番大事にしているのは、そのときにしかできない芝居をするということ。だからゴージャスでは、再演はまずやらない。五朗ちゃんが感じる“今”は、作品の中に絶対に入ってくるし、『新作が最高傑作』という思いで毎回やっています。今回もそう言える作品を2か月間の稽古で作り上げていきたい」(寺脇)地球ゴージャスのようなスター揃いのカンパニーで稽古に2か月を費やすのは、異例とも言える。今回は柚希礼音、西川貴教、新田真剣佑、宮澤佐江・花澤香菜(Wキャスト)らが、劇団並みに結束力のある地球ゴージャスの一員に。「柚希は本当に素晴らしいエンターテイナーで、言わば完璧。そういう人にグシャグシャに堕ちていく女を演じてもらって、ゼーゼー言わしてやろうと(笑)。西川くんはアーティストとして素晴らしいのはもちろん、ミュージカルを好きでいてくれているのがうれしい。歌っているときもある種のすごい芝居をしているし、きっと“何かになる”ことが好きなんでしょうね」(岸谷)「人物設定の説明がLINEで来たとき、西川くんの役には特に驚いたんです」(寺脇)「この人物がいろいろ気づき、感じて、すごい男へと変わっていく成長物語を描きたい。そのためには変化の落差が大事だから、まあ、出だしは驚くと思うけどね(笑)」(岸谷)いつにも増して、「ZEROTOPIA」には様々なサプライズが待ち受けていそうだ。東京公演は4月9日(月)から5月22日(火)まで、TBS赤坂ACTシアターにて。チケットは発売中。取材・文/武田吏都
2017年12月13日開場20周年を迎えた世田谷パブリックシアターによる日韓文化交流企画、イプセン作『ペール・ギュント』が12月8日に本公演が開幕した。平昌五輪の開・閉会式の総合演出家として注目される韓国演劇界の鬼才ヤン・ジョンウンの指揮のもとに、日韓20名のキャストが集結。ヤン自身が芸術監督を務める劇団旅行者(ヨヘンジャ)の代表作のひとつである本作を、日本人スタッフとともに再構築した舞台である。「彼のペールが見てみたい」というヤンの熱望により主人公を担う浦井健治を中心に、磨かれた身体性や言語表現の妙で想像力を刺激するヤン独自の世界観に、さらに熱の加わった豊潤な劇空間が誕生した。舞台『ペール・ギュント』チケット情報母親と恋人を故郷に残し、自分探しの旅に出て世界をさまようペール。その冒険譚の幕開きから、観客を瞬時に現実から解き放し、物語へと強く吸引する神秘的な空気が広がっていた。スローモーションからシャープなムーブメントへ、またリズミカルなステップと、俳優の体が雄弁に駆け回り、日本語と韓国語(字幕あり)の台詞が飛び交うシーン展開は、ある時はクレヨンで塗られた素朴な絵本の挿絵に、ある時はポップなコミックになり、さらに荘厳な宗教画を見たかのような胸打つ瞬間も訪れる。世界中で奔放な体験を繰り返すペールの旅の同伴者となり、トーンの変化する空間を浮遊する興奮が味わえるのだ。また国広和毅と関根真理の演奏による音楽が、より物語の寓話性を引き出す効果をあげている。虚栄心に満ち、非情で、実のところ臆病な男という異質の主人公ペールを、浦井が天真爛漫に欲望をさらけ出し、思い切りの良い表現で魅力的に立ち上げていた。故郷を飛び出した頃の無邪気な顔を、冒険を経て策士の面構えに巧みに変化させていく。それでもペールの根本には無垢な魂があることを信じさせる、稀有なたたずまいを持った俳優である。母オーセを演じるマルシアは、小気味良く爆発させる明るさによって情の深さや空しさを痛切に伝えてくる。ユン ダギョンが扮したペールを誘惑する“緑衣の女”は、昆虫のようなユニークな風貌と独特な動きに目を奪われた。また、イプセンの戯曲では船のところを飛行機に替えたシーンは、ペールがいきなり現在を飛び越えて未来を旅しているようにも感じられて面白い。そこに“見知らぬ乗客”として現れるキム・デジンの、得体の知れない不気味な存在感が光る。長い年月をかけ、さまざまな場所で己の生の爪痕を残してきたはずのペールが、旅の果てに「自分自身だったことなど、ただの一度もない」と指摘され、嘆く。その絶望を最後に受けとめる恋人ソールヴェイを、趣里が好演。神々しさすら感じる力強い声が耳に残った。開幕前は日韓の俳優が表す情緒の違いを楽しみにしていたが、国籍の見分けがつかないほどに呼吸を合わせた、ヤン・ジョンウンの“チーム力”で構築された世界があった。濃厚なワークショップを重ねた所以だろう。俳優のみならず精鋭クリエイター陣によるスタッフワークの渾身をも隅々まで感じ取れる、圧巻の思想劇だ。東京公演は12月24日(日)まで。取材・文:上野紀子
2017年12月12日ミュージカル界のスター達が名ナンバーを歌い、昨年好評を博した「THE BEST OF MUSICAL CONCERT」の第2弾が行われる。今回新たに参加するのは、樋口麻美。劇団四季を退団して以来の本格的な舞台だ。THE BEST OF MUSICAL CONCERT 2017 チケット情報「この数年、李涛さんや木村花代さんのライブに出演する以外、舞台に携わることなくのんびり過ごしていました」と言う樋口。「演劇人としてまだまだ登るべきところがあったと思いますが、私自身はひとつの時代が終わった感覚があり、引退したつもりでした。主体性がないので(笑)置かれた場所で咲けたらと思っていたところ、今回、有難いお誘いをいただいたんです」待望久しい登場にふさわしく、コンサートには樋口自身「思い入れが強い」と語る四季時代の代表作がずらり。『ライオンキング』の「シャドウランド」、『マンマ・ミーア!』の「手をすり抜けて」「ダンシング・クイーン」、『夢から醒めた夢』の「二人の世界」、『ウィキッド』の「自由を求めて」……。さらに『アイーダ』や『コーラスライン』の名曲も予定している。「声にも歴史があり、最初はソプラノ系だったのが『ライオンキング』辺りから地声に挑戦し、『壁抜け男』ではファルセットを、『ウィキッド』では高いFまで出すなど、その都度歌い方を開拓していったものを、ひとつの舞台で調整するのは挑戦ですね。今の私の声を楽しんでいただけるのか、不安もあります」同じ劇団出身の頼もしい共演者たちの存在も、大きな支えだ。「鈴木壮麻さんは私が観客として『美女と野獣』などの舞台を拝見していた“天上人”のような方。同じ板の上に立たせていただくなんて光栄でしかないです。今回もリハーサルで鈴木さんの『オペラ座の怪人』を聴くだけで『やったー!』と幸せで(笑)。福井晶一さんとは『アイーダ』のアイーダとラダメスをペアで演じた間柄。私の長所も短所も、音のピッチ感も、全部わかってアジャストしてくれます。(木村)花代は同期で、唯一無二の親友。ふたりで『夢から醒めた夢』のピコとマコを演じた、『阿吽』の『阿』の字すら要らない相手なんです。彼女のライブでデュエットした時も自分の体の一部がみつかったような感覚でしたね。やはり皆さん、方法論が同じところで育っているだけに、歌詞の立て方、音の伸ばし方や切り方、リズムの取り方などが自然に合う。楽しいし、心強いです」久々の大舞台で、樋口がどのような表現者の顔を見せるのか、気になるところ。「歌を通してミュージカルの素晴らしい世界が広がり、お客様に届けばいいなと。そこに私が少しでも力添えでき、応援してくださる皆様に恩返しできたらと願っています」「THE BEST OF MUSICAL CONCERT 2017」は12月20日(水)・21日(木)、新国立劇場 中劇場にて。チケット発売中。取材・文:高橋彩子
2017年12月12日NHK連続テレビ小説「わろてんか」に、芸人キース役で出演中。「街中で声を掛けられます!」と朝ドラの影響力を実感中の大野拓朗は、12月23日(土)から東京芸術劇場シアターウエストで開幕する舞台「池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE」に主演する。大阪で朝ドラの収録、東京で舞台の稽古という生活を送るが、デビューから7年、今が“勝負の時”と自覚するその目は熱く輝いている。舞台「池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE」チケット情報「IWGP」こと「池袋ウエストゲートパーク」は、石田衣良の小説が原作。池袋生まれの主人公マコトがストリートギャングやチンピラたちを相手に、様々な難事件を解決する。2000年には宮藤官九郎の脚本で連続ドラマ化され、大野もリアルタイムで見ていたそう。「当時小6だったけどみんなのカリスマ性に痺れたし、『あの輪の中に入りたい』と思っていました。僕はなんなら学級委員タイプだったので(笑)、不良っぽさに惹かれたわけではなくて。作品全体にも登場人物たちにも、とにかくカリスマ性があったんです。今回の舞台も僕の中では“カリスマ性”がキーワード。お客さんが『とにかくカッコよかった!』って思って帰ってくれたら、もう大成功。伝えたいメッセージなんて何も考えていないけど、『IWGP』の物語の中で一生懸命生きているみんなを観て楽しんでもらえたら、それが一番のメッセージになると思います」多忙を極める中の、限られた稽古時間での主演舞台。「大丈夫かなって、最初は不安でした」と、胸の内を明かす。「でも今、焦りは全くないんです。台本を読んだ段階ではどうやってやろうかなと悩んでもいたんですけど、現場に来たらマコトがすんなり入ってきて。周りがとても個性的な人たちばかりだから、逆にナチュラルなほどマコトが立つ。カリスマ性を出そうと無理に考える必要はなく、ニュートラルでいればいいというのがとても楽です。マコトのどんな人の立場も認める中立なところは自分に似ていてやりやすいし、僕も生まれが池袋の近くなので『ここは俺の庭だ』という気持ちも理解しやすい。出会うべくして出会えた、とも思っています」脚本・作詞は柴幸男(ままごと)、演出は杉原邦生(KUNIO)、振付は北尾亘(Baobab)。演劇界の次世代ホープが組んだミュージカルという点でも、話題性十分。将来的には同劇場のプレイハウスでの上演を目指す一大プロジェクトの、“伝説のはじまり”を見逃すな!東京公演は12月23日(土)から1月14日(日)まで。取材・文/武田吏都
2017年12月12日2018年1月9日(火)から2月28日(水)まで、東京スカイツリーのコラボレーションイベント「マクロス BLUE MOON SHOW CASE IN TOKYO SKYTREE(R)」が開催される。【チケット情報はこちら】1982年に放送された第1作『超時空要塞マクロス』より、数多くのファンに愛され、今年テレビ放送から35年を迎えた大人気アニメ「マクロスシリーズ」。今回、イベントの開催にあたり、2016年に放送された『マクロスΔ』のキャラクター原案を担当している実田千聖と、同作に登場する架空の兵器、通称「バルキリー」をデザインしている天神英貴が東京スカイツリーとコラボしたオリジナルビジュアルを描き下ろし。期間内、東京スカイツリーの地上450mにある東京スカイツリー天望回廊には「マクロス」各作品のキャラクターなどが装飾。さらに東京スカイツリー天望デッキでは横幅約110メートル、高さ約2メートルの窓ガラスを巨大スクリーンに仕立てた「SKYTREE ROUND THEATER(R)」にてマクロスシリーズテレビ放送35周年を記念したスペシャルコンテンツを上映。そのほか、特設ショップでオリジナルグッズ、展望台内のSKYTREE CAFEでコラボメニューを販売する。同イベントの開催にあわせて、天望デッキ・天望回廊への優先入場と、ミニ色紙2枚がセットになったスペシャルチケットを12月15日(金)午前10時より発売。■スペシャルチケット「マクロス BLUE MOON SHOW CASE IN TOKYO SKYTREE(R)」実施期間:2018年1月9日(火)~2月28日(水)販売期間:2017年12月15日(金)~2018年2月27日(火)料金:3,800円(2/11のみ4,000円)内容:・東京スカイツリー天望デッキ+天望回廊セット入場券【指定日のみ有効】・日付指定券列より優先入場・マクロスミニ色紙2枚付き【購入者限定特典/全8種類の内ランダムで2枚当たります】※障がい者料金は適用外となります。※入場日の前日まで購入可能。
2017年12月12日世界最高峰のカンパニーとの呼び声高いドイツのハンブルク・バレエ団が、2月に日本公演を行う。バレエ団を率いるのは、現代バレエの巨匠、ジョン・ノイマイヤー。今回上演されるドラマティック・バレエの傑作『椿姫』や、マーラーやバッハの音楽に振付けた大作(ガラ公演『ジョン・ノイマイヤーの世界』でも抜粋を上演)で、日本でも多くの観客の心を捉えてきた振付家だが、さらに注目すべきもう一つの上演作品が、『ニジンスキー』である。「振付家として、私はニジンスキーに感嘆するばかりだ」「初めて一緒に仕事をするカンパニーでは、毎回ニジンスキーのことを思う」というノイマイヤーが、渾身の力と情熱をこめて手がけた意欲作だ。ハンブルク・バレエ団「ニジンスキー」チケット情報『ニジンスキー』は、20世紀初頭にヨーロッパで一斉を風靡したバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)で活躍した天才ダンサー・振付家、ヴァスラフ・ニジンスキーとその作品の世界を舞台化したバレエ(2000年初演)。その幕開けは、1919年のニジンスキー最後の公演の場だ。ここでニジンスキーは、自身の人生の様々な場面、舞台を追体験する。彼の前には、興行主で愛人のディアギレフや妻のロモラ、また『薔薇の精』『牧神の午後』『春の祭典』など、ニジンスキーが演じたバレエの登場人物たちが幻となって現れ、やがて訪れる戦争の悪夢の中、彼は次第に狂気にとらわれてゆく──。米国ウィスコンシン州生まれのノイマイヤーは、小学校6年生の時、近所の図書館でニジンスキーについての書籍と出会い、その魅力に心を奪われたという。「私を惹き付けたのは、舞踊家としてのニジンスキーではなく、人間としての彼の運命だった」ともいうが、『ニジンスキー』で描かれるのは、華々しいスターの肖像というよりもむしろ、栄光と孤独のなかで苦悩する、人間=ニジンスキーの姿なのだ。ニジンスキー関連品の熱心な収集家としても知られるノイマイヤー。資料の散逸や投資の対象にされるのを避ける目的もあるというが、当時の絵画や彫刻、ポスター、様々な文書を手にするたびに、ニジンスキーの新たな面を見つけ、同時代の芸術家たちが彼をどのように見ていたのか、と思いをはせる。「ニジンスキーは時代──または彼に惹かれていた芸術家たちよりも、はるか先を歩んでいた」というノイマイヤー。『ニジンスキー』は、そんな熱烈な信奉者だからこそ描くことができる、心揺さぶるバレエといえるだろう。日本公演を、大いに期待したい。ハンブルク・バレエ団2018年日本公演『ニジンスキー』は2月10日(土)から12日(月・祝)まで東京文化会館にて。チケットは発売中。文:加藤智子
2017年12月12日女優・安蘭けいのソロ・コンサート『安蘭けい ドラマティック・コンサート GOLDEN AGE』が12月19日(火)、昼夜2公演限りで新国立劇場 中劇場にて上演される。昨年、渋谷オーチャードホールで開催され、好評を博したコンサートの第2弾だ。「自分の好きな曲を歌って、それを聴いてもらえる喜びは格別。そんな贅沢な時間です」と語る安蘭に、今年を締めくくるコンサートへの思いを聞いた。安蘭けい ドラマティック・コンサート GOLDEN AGE チケット情報「昨年はたった一回きりだったので、やり切った感はありましたけれど、それ以上にもっとやりたい!という思いが沸き上がってきて。今年は昼と夜で2回できるから嬉しいです。やっぱり前回できなかったものに挑戦したいという欲が出てきますよね」昨年は、“愛の讃歌”の副題のもとにシャンソン&ミュージカル・ナンバーで彩られた舞台だったが、今年の“GOLDEN AGE”はすなわちジャズ・エイジと呼ばれた1920~30年代のジャズをフィーチャー。安蘭がビリー・ホリディに扮した2014年の一人芝居『レディ・デイ』からの楽曲「Strange Fruit(奇妙な果実)」など、ジャズ・ナンバーに挑む第1幕とミュージカル・ナンバーを揃えた第2幕で構成される。「ジャズは、演出の原田諒先生が提案してくれました。敷居が高くて手を出しにくいと感じていた世界だけど、いつか歌ってみたいと思っていたので、いい機会だなと。この挑戦を乗り越えれば、きっと得るものは大きいと思うんです」この楽しき挑戦にゲストとして伴走してくれるのは、日本ミュージカル界を支える頼もしい実力派、石川禅と田代万里生のふたりだ。「歌に関しては絶対的な信頼を置いているおふたりです。禅さんと万里生くんがいてくれるからこの曲を選べた、というナンバーをデュエットしますし、3人で歌うのもすごく楽しみ。なかなか聴き応えがあると思いますよ」ミュージカル・ナンバーのリストの中で気になるのは『ジキル&ハイド』からの名曲「時が来た」である。男性主人公が壮大に歌い上げるこの楽曲をどう表現するのか、注目せずにいられない。「最初は禅さん、万里生くんと3人で歌うのはどうかと提案されたんですが、私がひとりで歌いたいと言っちゃった(笑)。以前、姿月あさとさんが歌っているのを聴いて、とても歌い甲斐がありそうだなと思ったんですよね。そして私の“持ち歌”といった感のある楽曲の数々も歌いたいと思います」役を脱ぎ、安蘭けい本人として思い入れのある楽曲に向かう。ファンにとっても贅沢このうえない時間となるのは間違いない。「好きな歌をたくさん歌える幸せに浸って、すごく楽しんでいる私の姿を観に来てください(笑)。お客様にもその幸せが届けばいいなと思っています」『安蘭けい ドラマティック・コンサート GOLDEN AGE』は12月19日(火)、新国立劇場 中劇場にて。チケットは現在発売中。取材・文上野紀子
2017年12月11日アニメ『ドリフェス!R』でキャラクターの声を演じる2次元+リアルキャストとしてアーティストデビューを飾った3次元=5次元──多方面で活躍する「DearDream」の初ライブツアーが決定!なんとそのファイナルはパシフィコ横浜 国立大ホールと、かつてない規模で開催される。DearDream チケット情報メンバーは、石原壮馬(as:天宮奏)、溝口琢矢(as:及川慎)、富田健太郎(as:佐々木純哉)、太田将熙(as:片桐いつき)、正木郁(as:沢村千弦)の5人。早速、意気込みを伺った。石原「ひたすら楽しみで、お客さまの期待を越えていかなければならないと思っています。僕は熊本出身で九州(福岡)での凱旋公演もあるので、来ていただくだけでなく、僕らから会いに行ける、そのことがすごく楽しみです」溝口「……正直言って、発表になったときは喜びもありましたが、戦いだ……とも思いました。会場が広くなったからこそ、より密度を濃くすべての空間をこの5人で埋め尽くしたいし、来てくださる方々との距離をよりいっそう縮めたいです。埋めるぞ!と約束します」富田「今年、外部のイベントに色々出演させていただくことで、僕らの音楽をもっと知っていただくためにどうしたらいいのか?と、みんなで考えるようになりました。そんなふうに意識が変わってきたところで与えていただいた機会なので、魂込めて届けます。ユニット曲も楽しみにしていていください!」太田「大きな機会を与えていただき、それだけにステージに立つ僕らの責任も大きいと思っています。だからこそ、この5人だけでなく関わっている全員が一丸となって全力で応えられるよう、挑みます。様々なところで待っていてくれている方々に会いに行ける、そのことが本当にうれしくて、ステージの上でどんな景色が見えるのか今から楽しみです」正木「『ドリフェス!』が始まって3年、デビューして2年目を迎えますが、まだ僕達を知らない方々がたくさんいて、そういった方々に僕らの音楽を届けることができる機会をいただけたことが幸せです。この5人で出来る最高のLIVEになるよう頑張ります」最後に、センターをつとめる石原が全員の思いを代表し「2017年の集大成であり、2018年の僕らを見せる大切な機会なので、ひとりでも多くの方に観にきていただきたいです!」と熱く語った。そんな彼らが出演する「ドリフェス!presents DearDream 1st LIVE TOUR 2018『ユメノコドウ』」の公演は、2018年1月10日(水)東京・TOKYO DOME CITY HALLを皮切りに、福岡・大阪・愛知をまわった後、2月25日(日)神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールにてファイナルを飾る。取材・文/おーちようこ
2017年12月11日ユーミン×帝劇 vol.3『朝陽の中で微笑んで』が、東京・帝国劇場にて上演中だ。ユーミン×帝劇 vol.3『朝陽の中で微笑んで』チケット情報本作は、ミュージカルとも従来の音楽劇とも違う新しい試みとして2012年に始まった「ユーミン×帝劇」シリーズの第3弾。脚本・演出は松任谷正隆が手掛け、ユーミンの歌と俳優の演技、劇場空間が一体となり描かれる純愛物語が好評を博している。今作では、松任谷由実(ユーミン)と寺脇康文がW主演を務め、宮澤佐江、六平直政、斎藤洋介らが出演。ユーミンの楽曲『朝陽の中で微笑んで』をタイトルに、今から500年後の未来を舞台にした、寺脇と宮澤による時を超えた愛の物語を中心に描かれる。11月27日に開幕した本作は劇評も続々と到着。その中で、ユーミンの歌については「愛の形は『恋人同士』『父娘』『母息子』という3つの集合のベン図を描き、すべてが交わる位置にユーミンがいる。愛する女性、娘、母は、いわばユーミンの分身で、分身らの感情に歌声が、歌声に分身らが揺さぶられる。歌にセリフや動作がかぶる。過去作に比べ、歌と演技の有機的連関が著しい」(著:米原範彦/2017年12月4日朝日新聞/17-6555)、「多くが時について歌い、永遠、宇宙、未来といった壮大な歌詞も含む。それらは過去2作以上に物語に密接に絡み感動を高める。紗幕に当てる映像、抽象画風の背景などで未来や追憶の情景が浮かぶ中、俳優たちに寄り添って優しく力強く歌われるのだ。例えば、鳴沢と沙良が初めて会話した場面の後は『雨に願いを』という曲。『心を促す見えない時計は止められない』という歌詞が2人の運命を暗示する」(著:祐成秀樹/12月5日読売新聞)と、これまでの作品以上に芝居と歌の融合が注目される。また、俳優陣による芝居についても「人のことを思い、悩む登場人物たちを見るうち、脳内に像を結ぶのは刹那の愛や命の輝き。未来でも変わらぬ、人を愛すること、思いやること、切なさ―。時が流れても心の美しさは色あせないでほしいという、祈りが感じられた。今回も泣ける」(前出・読売新聞)、「沙良は絶望的存在であるだけに、宮澤のひたむきな姿は哀感を誘う。寺脇は2度の別れの苦しみにのたうつ。大崎の娘役の水上京香らのセリフに、臓腑からしぼり出されるような”愛の吐血”が垣間見られる」(前出・朝日新聞)と、観客の心を揺さぶる熱演が語られている。「舞台は、目に映るすべてのものだけでなく、目に映らぬものもメッセージとして伝え、感動のさざ波を小やみなく送り込んでくる」(前出・朝日新聞)という本作は、12月20日(水)まで東京・帝国劇場にて上演中。
2017年12月08日平野良主演、家城啓之作・演出による舞台『THE YASHIRO CONTE SHOW「ReLOVE」』が12月7日、東京・紀伊國屋ホールにて開幕した。THE YASHIRO CONTE SHOW 「ReLOVE」 チケット情報お笑いコンビ「カリカ」解散後、ピン芸人「マンボウやしろ」として芸人活動を続けていた家城は昨年7月、自身の単独ライブを最後に芸人生活へピリオドを打ち、作・演出家へ転身。現在はラジオパーソナリティーや『お願いランキング』などでキャラクターナレーションなどマルチな活動をしながら、小川菜摘主演舞台の作・演出、舞台『TOKYO TRIBE』の構成などを手がけてきた。 今回上演される『~「ReLOVE」』は、今年4月に上演された『THE YASHIRO CONTE SHOW』の第2弾作。俳優陣は平野良、小西成弥、モデルとしても活躍する長井短から、加藤啓、小林健一、六角慎司といったベテランまでが揃うほか、アイドルユニット「生ハムと焼うどん」の西井万理那、17歳のブレイクダンサー・魚地菜緒、お笑いコンビ「犬の心」の押見泰憲、ピクニック、デッカチャンといった芸人まで、さまざまなジャンルから構成された出演者にも注目が集まっている。舞台の両袖には、城の塔らしき建物が。幕が上がると、城内部を思わせるようなセットが置かれている。物語の舞台となるのは、世界から経済制裁を受けて追い込まれているある国。長寿の一族が支配する中で、若き姫(長井短)は恋に焦がれて愛を軽々しく口にしながら、さまざまな男達に片っ端から告白し、権力を用いて自分のものにしていく。ある日、この国に務めるために現れたエリート(平野良)に一目惚れした姫はすぐさま告白するが……。 これまで、愛を題材とした作品を作り続けてきた家城は、構想段階で「数年後に浮き彫りになってくるだろう問題を物語にして、お客さんに真っ先に体験してほしい」と語っていた。長寿のためのテクノロジーの発達が著しい昨今、寿命が延びた人間たちがこの先どうなるのか。愛の行方は?若者が恋愛をしなくなったとも言われる現代日本がすでに直面している“愛”の問題点が、痛々しいほどに自分自身に実直な登場人物達を通して浮き彫りになっていく。物語には日本を取り巻く世界状勢を想起させるようなピリッとした風刺も散りばめられているが、「THE CONTE SHOW」と銘打たれているだけあって、芸人らしいギミックによる笑いや生々しい言葉のやりとりも盛りだくさん。ダンスシーンあり、歌唱シーンあり、ポップなエンターテインメントとして堪能できるのも魅力的。さらに、視覚的な刺激も存分に楽しめる舞台『THE YASHIRO CONTE SHOW「ReLOVE」』は、12月17日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて上演。自分自身の愛の価値観に向き合える今作を、ぜひ劇場で体感してほしい。取材・文:高本亜紀
2017年12月08日太鼓芸能集団「鼓童(こどう)」の2017年ラストを飾る『打男 DADAN 2017』が12月20日(水)から24日(日)まで東京・文京シビックホール 大ホールにて上演される。鼓童「打男 DADAN 2017」チケット情報本作は、鼓童の芸術監督を勤めた坂東玉三郎が演出を手掛ける作品の中でも、あくまで「叩く」ことにこだわった人気作品。選りすぐりの奏者が太鼓をひたすら叩く“和太鼓の力”を柱としており、2009年の初演以来、フランス公演、香港公演、ブラジル公演、そして今年のアメリカ公演も成功をおさめ、“日本再上陸”して10月から全国27都市を巡っている。初演から出演する坂本雅幸、この作品に挑むのは今回が初となる小松崎正吾に話を聞いた。初めて参加する小松崎が「すごく“打つ”ことに特化した、太鼓打ちとして広い音の表現をする作品で。今回出演させてもらえることになって、やっときたか!という感じです」と意気込む本作。坂本も「鼓童の作品は基本的に笛が入ったり、踊りがあったりするのですが、この作品はとにかくずっと打ちっぱなし。メロディ楽器も入るのですがそれも打楽器なんですよ(笑)」と言うように、休憩込みで2時間とにかく“打つ男”が楽しめる。2時間打ちっぱなしの演奏は「後半は体力的にはかなり辛いのですが、やっぱりそれが魅力でもあるので」(坂本)と“全身全霊で打つ姿”こそが作品そのものだという。「特に雅幸さんはクライマックスの演目でギリギリまで叩くのですが、見ていて『限界なんじゃないか』と思うところからもう一押しするんですよ。そこで生まれる何かがお客様と共鳴していくような空気もあって。僕らも気合いが入ります!」(小松崎)。そんなギリギリの状態でなお“もう一押し”することについて坂本は「経験というより気持ちの部分が大きい。だから稽古でそこまで持っていくのはなかなか難しいんですよ。やっぱり本番のテンション、お客様の存在が大きいので」。演出の玉三郎からは「とにかくニュアンスを大事にと言われます。打楽器だけで見せるぶん、単調になると面白くなくなっちゃいますから。でも奏者はどんどん打ちたくなってしまうような演目なので。そこを指摘され、修正するんですけどまた気付いたらやりたい放題やりだして、怒られるという繰り返しです(笑)」(坂本)。「その“やりたい気持ち”を抑えられてるからこそ出るエネルギーというのも、すごく魅力的なんですよね。自分たちのエネルギーと比例してお客様の熱量が上がるのがどの作品よりわかりやすく感じます」(小松崎)。2006年から鼓童で活躍してきた坂本にとってラストでもある公演は、12月20日(水)から24日(日)まで東京・文京シビックホール 大ホールにて上演。取材・文:中川實穂
2017年12月08日柿喰う客2018年本公演『俺を縛れ!』が2018年1月24日(水)に開幕する。劇団の代表で作・演出を手掛ける中屋敷法仁(柿喰う客)、出演者の牧田哲也(柿喰う客)、平田裕一郎に話を聞いた。柿喰う客『俺を縛れ!』チケット情報2008年の初演以来の上演となる、“劇団「柿食う客」の問題作”という本作。とはいえ再演希望も多い作品だが、10年ぶりの再演の理由を中屋敷は「2016年は劇団結成10周年で “名作”と言われる作品をリバイバルして、2017年は『虚仮威(こけおどし)』を“最高傑作を上演する”という意気込みでやって。11周年も終えた今、いい作品ばかり振り返っていくのがちょっと恥ずかしくなって、劇団の歴史の中で一番恥ずかしい作品はなんだろうと考えたら、この作品でした。タイトルがもう恥ずかしい。当時、あまりにも僕らの才能がありすぎるから『止めてみろ!』みたいな感じで決めたんですよ(笑)。思い出すだけでも顔から火が出るくらいですが、もう面の皮も厚くなって、火が出ることもないだろうということで、再演にふみきりました」。そんな本作で“影の主人公”を演じる牧田は「今回、死ぬ気で頑張らなきゃと思ってます」と並々ならぬ意気込み。「(柿喰う客への)入団から2年が経つので。もっと自分で表現できていかなきゃと思っていて。僕、(芝居として)飛び込みたいと思ってるし、飛び込もうとしてるけど、飛び込みきれないところがあるんですよ。そこを今回はバンジージャンプの勢いでいきたい」。そんな牧田を中屋敷は「牧田くんはメンバーになる前からご一緒する機会が多いのですが、お行儀がいいんです、すごく。だから今回はお行儀が悪いところを見たい。柿喰う客は牧田くんのホームなのでね。劇団としても、お行儀悪かった時代、あの恥ずかしい時代の空気をもう一度出せたら」。逆に中屋敷が「お行儀悪いです、すごく(笑)」と言うのは客演として出演する平田だ。「僕はマッキー(牧田)と逆で考えたら何もできなくなるんですよ」と笑いつつも「今回呼んでもらえたのがめちゃくちゃ嬉しいです。柿喰う客の公演を観に行く機会も多いのですが、中屋敷さんの演出って外部作品のときと劇団とでちょっと違うと感じていて。その中で僕がどこまでやれるかがすごい楽しみ」と目を輝かせた。ちなみに牧田と平田も10年前に共演して以来、「裕一郎はいじられがちな僕が唯一いじれる人」(牧田)、「マッキーはお兄ちゃん。けっこう怒られます」(平田)という仲。久しぶりの共演をお互いに楽しみにしているそう。亀甲縛りの永島敬三がインパクト大のビジュアルについて「ここから内容を想像してもらって大丈夫!」と中屋敷が言う本作は2018年1月24日(水)から2月4日(日)まで東京・本多劇場にて上演。チケットは先行抽選プレリザーブを受付中。取材・文:中川實穗
2017年12月08日現在放送中のテレビドラマ『陸王』(TBS系)で融資を渋る狡猾な銀行支店長・家長亨役が好評の落語家、桂雀々。1977年に故桂枝雀に入門し、師匠譲りのオーバーアクションの高座で魅了してきた。2011年からは拠点を東京に移し、アウェイながらも熱情たっぷりの上方落語で奮闘。今では“飛び出す落語”と称されるほどだ。2017年には入門40周年を迎え、その芸歴を記念した独演会が2018年1月28日(日)、大阪・新歌舞伎座で開催される。しかも急遽、昼公演完売となった為、同日夜の追加公演『雀々の落語天国~夜も必死のパッチ~』が決定した。「桂雀々独演会」チケット情報追加公演での目玉は『らくだ』。上方落語屈指の大ネタだ。「米朝師匠の形をベースに、自分なりに覚えました。諸先輩方が50歳を機に『らくだ』をやられていたので、僕も55歳の2015年にネタ下ろしをしました。ものの見方とか実力、技術、価値観などが変わってくるのもこの時期だと思うので、ちょうどいいだろうと」(雀々)。長屋連中が手を焼いていた、「らくだ」というあだ名のならず者が死んだ。らくだと兄弟分だという似た者同士の熊五郎が彼を弔おうと考えるが金がない。そこでうっかりらくだの家の前を通りかかった紙屑屋をつかまえて無理難題を吹っかける。気の弱い紙屑屋は翻弄され、困り果てる。だが、夜も更け、弔いの盃を傾けるうちに酔った紙屑屋の人格が豹変し…。「紙屑屋がどういうふうに酔っぱらって、熊五郎と対峙するか、そこが見せ場。お客さんも聞いているうちに紙屑屋の味方になって、“よしよし、もっと言え言えー!”と拍車がかかってくる、ライブ感のあるネタなので、その日のお客さんと一緒になって一期一会の『らくだ』を口演できたら」(雀々)。『陸王』での演技経験も落語に還元しているという。「落語はひとりで何役も演じる芸ですが、ドラマには相手がいて、相手の話を聞く体勢を演じなければいけない。それだけに特に間合いは勉強になりました」(雀々)。雀々本人はあふれんばかりの人情派。ドラマで演じるキャラクターとは180度異なる。「僕のことを知らない人がドラマを見て“誰これ、腹立つわ~。嫌やわ~この人!”って思ってくれたら大正解!高座とのギャップに驚いてほしいです」(雀々)。追加公演ではゲストに立川志らくが出演するほか、サプライズゲストも登場。今年6月に行われた東京での独演会では、まさかの大物がシークレットゲストだっただけに、様々な憶測が飛び交っているとか。果たして誰がやってくるのか、こちらもぜひ楽しみにしてほしい。公演チケットは発売中。取材・文:岩本和子
2017年12月08日12月22日(金)神奈川・藤沢市民会館大ホールより、4年ぶりの来日公演を開催するロシア国立サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエ。来日公演のゲストとして、長澤美絵の出演が決定した。【チケット情報はこちら】長澤は埼玉県出身。2005年に世界最高峰のバレエ学校と言われるワガノワ・バレエ・アカデミーを卒業。ドネツク国立バレエを経て、2010年にキエフ・クラシック・バレエに入団。2014年には、エストニア・タリン国際バレエコンクールにて賞に輝いた。現在はキエフ・クラシック・バレエを率いるプリンシパルとして、ウクライナ国内はもちろん、ヨーロッパでも活躍している。来日公演は12月22日(金) 神奈川・藤沢市民会館大ホールから1月14日(日)大阪・グランキューブ大阪メインホールまで。長澤は12月24日(日)・1月8日(月祝)東京・昭和女子大学人見記念講堂、12月27日(水)・28日(木)東京・オーチャードホール、12月30日(土)埼玉・大宮ソニックシティに出演。チケットは発売中。
2017年12月08日岸谷五朗と寺脇康文による演技ユニット「地球ゴージャス」のプロデュース公演Vol.15「ZEROTOPIA(ゼロトピア)」の製作発表会見が開かれ、岸谷と寺脇、W主演を務める柚希礼音と西川貴教、新田真剣佑、宮澤佐江、花澤香菜が登壇。さらにナビゲーターとして水田航生と植原卓也が登場した。地球ゴージャス チケット情報作・演出を手掛ける岸谷が「これが15作目となりますが、僕らの1作目は何もない空間に舞台をつくって、ビール瓶で客席をつくって上演しました。今回そこに立ち返りたい。もう一度ゼロに戻ってみたいという思いがあります」と語った本作。「ZEROTOPIA」というタイトルについては「この作品の舞台となる色彩もなにもない“ゼロ”の島は果たしてユートピア(理想郷)か、ディストピア(地獄郷)か? という思いでこのタイトルにしました。その答えは登場人物たちが決めていくのだと思います」と解説した。それぞれの役柄について語られた会見。主演の柚希は罪を抱えたミステリアスな女という役どころで「勇ましく戦う役かな?と想像していたら、その予想を五朗さんは裏切ってくださいました。楽しみです」と言う柚希に、岸谷は「礼音ちゃんはいつも本当にいい笑顔なんです。この裏に潜むものを出していきたい」と話す。柚希と共に主演を務める西川はまさかの河童役。「与えられた役を全身全霊で受け止め、できるだけ役に近づけて魂を河童に…」と真顔で挨拶する西川に会場は爆笑。岸谷は「西川くんはとんでもない役です。ZEROTOPIAという無人島を支えて立ち上がる“男の中の男”を演じていただきたい」と解説した。新田は自らの役を「つらい過去を抱えていて、唯一、恋愛要素がある」とコメント。岸谷が「めちゃめちゃ踊ります、歌います!」と紹介すると、地球ゴージャスのファンの新田は嬉しそうな笑顔を見せた。Wキャストとして出演する宮澤と花澤は、「実は最も怖い役かもしれない」(岸谷)というお嬢様役。岸谷が「舞台の天才」と称した宮澤は「天才の宮澤です(笑)。お嬢様…わたくしが。ナチュラルにお芝居ができるようにがんばりたいです」、「皆さんの知らない花澤香菜ちゃんが見られます」と紹介された花澤は「声優をしているときはキャラクターと二人三脚ですが、今回は“自分が表現する”ということでドキドキします」と挨拶した。岸谷との息ピッタリのやり取りで会見を盛り上げた寺脇は「おちゃらけた役」(岸谷)だといい、「日々重苦しいことがたくさんありますが、それを乗り越えていく希望に満ちた話になると思います」とコメントした。公演は2018年4月9日(月)から5月22日(火)まで東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演後、愛知、新潟、福岡、広島、大阪を巡演。東京公演のチケット一般発売は12月9日(土)午前10時より。取材・文:中川實穂
2017年12月07日岡田利規主宰のチェルフィッチュが2004年に初演し、岸田國士戯曲賞も受賞した『三月の5日間』が、オーディションで選ばれた若者たちとのリクリエーションによって生まれ変わる。【チケット情報はこちら】「初演からの13年間で、僕が置かれている環境も演劇観も、大きく変わりました」と岡田は言う。「以前は、現実にある話し方や身体を、拡大し誇張した形ではあるけれどそのまま舞台上に持ち込みたいと考えていましたが、今の自分に大事なのは、観客に何かを引き起こすための現象としてのパフォーマンスであること。俳優の見せ方にしても、かつては自分の方法を彼らにどうインストールするかに強いこだわりがあったけれど、今はそれ以上に、それぞれの個性を際立たせたいと考えています。それは演出力がついたからでもあるのでしょうが、僕の手法が取り沙汰されたり面白がられたりしたことが、僕自身に影響を及ぼし、スタイルよりエフェクトに関心を向けたとも言えそうです」今回の出演者7名のほとんどは20代前半。かつて同時代を描いていた作品も、彼らには物心つく前の昔話だ。「パフォーマンスと観客によって生み出されるものを上演と呼ぶならば、彼らはその関係を作るのがうまい。上演を阻害する、こわばりみたいなものがないんです。それは7人の個人の力でもあるけれど、もしかしたら、小さいころから写真を撮られ慣れていて、しかもそれをその場ですぐ確認できた彼らの、世代的なアドバンテージかもしれないと、ここ数週間思っています。以前、海外でチェルフィッチュが『インプロージョン』、つまり内側で爆発していると評された時、僕はまさにそれが自分のやりたいことだと感じたし、こわばりもそのために有効でしたが、現在では“見る/見られる”の関係を重視しているので、見られるスキルが高い彼らの力に期待しています」稽古で俳優達に頻繁に言った言葉は、「観客」、そして「想像」。「俳優には、想像を持ち、それが自分に及ぼす影響を被ることを求め続けました。これも、初演時とは違いますね。そして、今回の舞台が僕にとってすごく納得できるものになることで、この“想像原理主義”的な作り方をやめる時が来るかもしれないという気がしています。例えば能に色々な謡曲が存在するように、想像ということをフォーマットに様々な作品を作ってもいいとは思いますが、別のフォーマットを作りたいとの気持ちも強い。『三月の5日間』がもたらす経験によって変わった僕が、前とは違う『三月の5日間』を作り、それが満足のいくものとなることで、さらに新しいところにいけたら、と願っているんです」公演は12月1日(金)から20日(水)まで、神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場大スタジオにて。その後、愛知、京都など各地を周る。チケット発売中。取材・文:高橋彩子
2017年12月07日俳優でありコメディアンであり、「日本スタンダップコメディ協会」の会長でもある清水宏。その活動が海外にも広がっていることを知っている人も少なくないだろう。イギリスを皮切りに、アメリカ、カナダ、台湾、韓国などでエネルギッシュなスタンダップコメディを披露してきた。そして今年、いよいよ乗り込んだのがロシアである。果たしてかの地は清水をどう受け止めたのか!?『清水宏の世界を笑わせろロシア編~ロシアからホワィをこめて!~』と題し、12月15日(金)・16日(土)に東京・CBGKシブゲキ!!にて、その報告会が開催される。【チケット情報はこちら】「自分は世界に通用するのか」。表現者であれば胸によぎらせずにはいられないそんな思いを抱えていた清水が、初めて海外に出たのが2011年。イギリス・エジンバラフェスティバルフリンジに5年連続で参加し、評価を得てきた。以来、世界に飛び出して孤軍奮闘するその姿を、「ドキュメンタリーコメディトークライブ」として、映像を取り入れながらハイテンショントークで綴ってきた清水。「自分では『ひとり情熱大陸』と呼んでますが(笑)、僕が全部語るんです。海外での情景、そのときの自分の心情、相手の気持ち。“急に来たってできるわけないんだよ。なんでわからねーんだ”みたいなことを、やっぱり向こうは思うわけですね。僕が強引に行ってるから。そういう窮地に陥ったときにどうするか。僕と一緒に傷つきながら(笑)、喜怒哀楽をリアルに感じてもらいながら観ていただける、“同時体感ドキュメントコメディ”です」。なかでも、9月中旬から8日間、サンクトペテルブルクとモスクワで13回のステージに立った今回のロシアの旅は、日々起こることにハンパない緊張感があったらしい。そもそもフェイスブックで「ロシアに知り合いのいる人いませんか」と呼びかけるところから始めたというのだから、現地での壁の大きさも推して知るべし。「小さくて寒くて暗くて客も無愛想な小屋で、僕のロシア語がまったく通じず白けてて、っていうところから始まりました。あの環境でよくあきらめなかったと自分を褒めたいです」。そう。結論を言ってしまえば、それでも光に辿り着くのだ。「だから、前半はもう手に汗握る苦難の連続をどんどん笑いにして、後半はロシアという底知れないエネルギーを持つ国を好きになる入口になるようなものをお届けできるんじゃないかと思ってるんです。ひいては、自分の日々の生活や人生にもつながるよねと、観てくださる方に思っていただけるようなものになれば」。胸を撃ち抜く清水の熱いコメディ、ぜひとも体験したい。チケットは発売中。取材・文:大内弓子
2017年12月06日