チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (139/342)
傑作小説を原作に、作詞家レスリー・ブリカッスと作曲家フランク・ワイルドホーンが生み出した、世界的大ヒットミュージカル『ジキル&ハイド』。日本でもその人気は高く、2001年の初演以降、今回でなんと7度目の上演を数える。そこで新たにエマ役に抜擢された宮澤エマに話を聞いた。ミュージカル「ジキル&ハイド」チケット情報近年ミュージカル女優として大活躍中の宮澤。そんな彼女にとってもこれだけの名作、さらにジキル博士&ハイド氏役の石丸幹二との共演は、大きなプレッシャーだという。「正直とてもビックリしました。歴史ある作品の一員にしていただけることはとても嬉しいのですが、やはりお客さまの期待値も高い作品だと思うので…。しかもミュージカル界のスターである石丸さんとの共演ですから。石丸さんって歌がうまいというのを超越した、違う次元にいらっしゃる方だと思うんです。そういった方と一緒に歌わせていただく以上、そのレベルに見合ったものをお届けしなくてはいけないなと思っています」。宮澤演じるエマは、ジキルの婚約者であり、彼を深い愛情で包み込む心優しい女性。「エマ役が決まった時に、『ぴったりだとは思うけど、ある意味この作品の中で一番難しい役だよね』ということをよく言われました。エマはあまりキャラクターのない、いわゆる“お嬢様”に思われがちですが、実はとても強い女性。何があってもジキルを愛し続ける、その強さはいったいどこからくるのか。そして外見の可憐さと内面の強さ、そのギャップをいかに表現していけばいいのか。非常に難しい課題ではありますが、前回、前々回とエマ役をやられた笹本玲奈さんがルーシー役で出演されるので、いろいろ指導していただけたらなと思っています」。一線を越えてしまったジキルにも、揺るぎない愛を捧げるエマ。さらにハイドに翻弄されていく娼婦のルーシー。果たしてこの物語は、今の観客に何を訴えかけるのか。「いろいろな要素が詰め込まれたミュージカルだと思います。人が人を信じ続ける強さや美しさ。いけないとわかっていても人を愛してしまう刹那。――そういった人の生きざまみたいなものを見せられる作品なのかなと。そしてエマがリアルで、魅力的であればあるほど、物語が持つパワーみたいなものをしっかりとお客さまに伝えられるのではと思っています。決して安いチケットではありませんが、次の日から考え方が変わるような経験が出来る作品だと思いますので、ぜひ劇場へ足をお運びください」。公演は、2018年3月3日(土)から18日(日)まで東京国際フォーラム ホールC、3月24日(土)・25日(日)は愛知県芸術劇場 大ホール、3月30日(金)から4月1日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。東京・大阪公演のチケットは発売中。愛知公演は12月9日(土)一般発売開始。取材・文:野上瑠美子
2017年11月24日舞台『近松心中物語』(作・秋元松代)が2018年1月、いのうえひでのりの演出によって新国立劇場 中劇場にて幕を開ける。1979年に蜷川幸雄演出で初演を迎えた後、幾度も上演を重ねてきた現代演劇の至宝とも呼べる作品である。「クライマックスの、降りしきる雪のシーンは今も脳裏に焼きついています」と語るのは、今回、遊女・梅川に扮して忠兵衛役の堤真一との哀しき道行きを演じる宮沢りえ。稽古の始まりを前に「憧れの作品」に懸ける思いを聞いた。舞台『近松心中物語』チケット情報「蜷川さん演出の初演で、梅川を演じた太地喜和子さんと忠兵衛役の平幹二朗さんのペアによって作られた、伝説ともいえる作品ですよね。当然プレッシャーは大きいです。でも私自身、高く飛躍したいという目標を掲げて、今あえてこの作品に挑もうと思いました」近松門左衛門による世話物『冥途の飛脚』とほか二篇を下敷きに、劇作家・秋元松代が独自のストーリーを盛り込んで構成し、書き下ろした戯曲である。忠兵衛(堤)と梅川(宮沢)、与兵衛(池田成志)とお亀(小池栄子)の、ふた組の男女を中心に展開する悲恋物語だ。宮沢は、蜷川演出による舞台『元禄港歌』(16年)に出演した際に、秋元文学の、民衆の息吹を鮮やかに描き出す魅力に触れている。「秋元さんの言葉はすごくストレートなので、性格的に変化球を投げたがる私としては(笑)心構えが必要です。相当体にパワーを溜めていないと、直球は投げられない。『元禄港歌』の時は市川猿之助さんの存在がとても大きくて、私たちを引っ張っていってくださいました。今回は、自分がそういう存在になれたら…と思います」演出のいのうえひでのりとも、『今ひとたびの修羅』(2013年、原作・尾崎士郎、脚本・宮本研)ですでに共作済みだ。ダイナミックな“いのうえ美学”によって立ち上げられた情念渦巻く人間模様。その劇空間を、「自分の殻を破るのに、ものすごくエネルギーが必要だった」と、息を深く吐いて振り返った。「今回もそういう経過をたどるのだろうな…と思いますね。正直に言うと、いのうえさん独特の“魅せる”表現の仕方を、恥ずかしいな~と思う時が稽古場ではあるんです。ええ~、そんな正面を切ってその台詞を言うの!?って思ったり(笑)。でもそれを重ねていくと、本番では、恥ずかしがっていた自分を懐かしむくらいになっているんですよね」すでに何作も息を合わせている堤については「その役として誠実に存在できる、心のきれいな人。この人を愛さなければ!なんて頑張らなくても、湧き出るものに身を委ねているだけで成立すると思います」と信頼を寄せる。新たな伝説の始まりを予感させる顔合わせに、期待せずにはいられない。「楽なほうではなく、あえて茨の道を選んでいく。そんな人間の覚悟が描かれた作品です。舞台の上で生身の人間が惜しみなく生き、惜しみなく死ぬ姿に、何か響くものがあればいいなと思っています」公演は2018年1月10日(水)から2月18日(日)まで。取材・文:上野紀子
2017年11月22日2018年4月に上演されるミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』の製作発表会見が、東京・スウェーデン大使館で行われ、主演の大竹しのぶ、風間杜夫、蓮佛美沙子、ウエンツ瑛士が登壇した。ミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』チケット情報愛を求める男女が滑稽にすれ違い、愛し合う一夜が描かれるミュージカル・ラブ・コメディ。作詞・作曲はスティーブン・ソンドハイム、脚本はヒュー・ホイラーが手がけ、初演以来トニー賞7部門、グラミー賞2部門を受賞した。日本では19年ぶりの上演となり、演出はマリア・フリードマンが初来日して手掛ける。作品の魅力を伝えるため(!?)に、大竹&風間・蓮佛&ウエンツの2組でベッドに入り開かれた会見。とはいえ関係性は、風間演じるフレデリックと蓮佛演じるアンが年の差新婚夫婦、ウエンツ演じるヘンリックはフレデリックの息子ながら義母のアンに恋する青年、そして大竹演じる主人公・デジレはフレデリックのかつての恋人という複雑なもの。大竹は「なんだか奇妙なシチュエーション」と笑いつつ、「歌はもともと好きだったのですが、本格的なミュージカルはこの作品と同じソンドハイム(作詞・作曲)の『スウィーニー・トッド』で。一つひとつの音が重なりあって、台詞があって、歌があって、ミュージカルってなんて素晴らしいんだと思った作品です。それに今回、マリア・フリードマンさんという素晴らしい演出家の方が日本で初めて演出をしてくださる。歌と芝居が分かれるのではない、『これぞミュージカルだ』と思うものができたらいいなと思っています」と語った。初めてミュージカルに挑戦する風間は「恩師のつかこうへいに『日本で一番踊ってはいけない役者』だと言われ続けてきたので。今回、ミュージカルだけど踊るシーンはないということでお引き受けしました」と笑いを誘いつつ、「しのぶちゃんとは古い間柄なんですけど、舞台で共演するのは初めてで嬉しい」と笑顔を見せた。これが舞台初挑戦となる蓮佛は、今回の挑戦を「大竹しのぶさんといつかご一緒できたらと思っていました。お芝居をつくっていく過程を含めそばで見させていただける…それだけで『やりたい』と言いました」と明かした。ウエンツは自身の役柄について「おない年といえど義理の母親に恋をする役柄で。恋敵が自分の父親というところで苦悩する部分だったりとか、いろんなものを失うかもしれなくても手に入れたい愛が、どれだけ素晴らしいものかを表現できたら」と語った。大竹が「一生のうちで“忘れられない一夜”というのがあると思うんですけど、それを舞台の上で毎日できるのがすごく嬉しい」という公演は、2018年4月8日(日)から30日(月・祝)まで東京・日生劇場にて。チケット一般発売は12月9日(土)午前10時より。取材・文:中川實穗
2017年11月22日演劇界で多くの名作に携わってきた謝珠栄が、構成・演出・振付を担当する『Pukul(プクル)』。ダンスと歌で綴られるストーリー仕立てのオリジナルショーで、宝塚歌劇団を除いては、今の日本では珍しいとされるショー作品だ。湖月わたるや水夏希、蘭乃はな、舞羽美海ら宝塚OGに加え、坂元健児、大貫勇輔、岡幸二郎、島地保武ら豪華キャストが勢ぞろいした本作。その公開稽古が、11月17日、都内のスタジオで行われた。舞台『Pukul~プクル~』チケット情報謝が「インドネシア語で“鼓動”“時間”、それからマレー語でも“時”を表す『pukul(プクル)』という言葉をタイトルにしました」と話すように、ACT1は「アジアの音色」、ACT2では「西洋の音色」をモチーフにして展開。過去、現在、未来をつかさどる神々が見守るなか、“地球”と“人類”のストーリーが描かれる。公開稽古では4場面から一部を抜粋。『宇宙の鼓動』では“現在”の神である姿月あさと(スペシャルゲストとして出演)、“過去”の神の岡、“未来”の神・坂元が登場。宇宙の創世を壮大なスケールで歌い上げる。傍らで何かの始まりを暗示するかのように、激しく踊り続ける大貫の姿が印象的だ。続く『星たちの鼓動』は、湖月、水、蘭乃、舞羽らが腰を低く落とし、指先をつまむようにして踊るインド舞踊の型を取り入れたダンスで、星々の誕生を表現。ガムランの音が高まってゆくなか、『星の一生』の場面へとなだれ込む。男性キャスト陣も合流し、最高潮に達したところで突然音楽がやみ、春野寿美礼(スペシャルゲスト)が現れた。星々に語りかけるような春野の歌声が静寂の中に響く。公開稽古の最後は、『銀河の回転』の場面だ。彩吹真央(スペシャルゲスト)が、銀河の頂点に君臨する太陽について語ると、岡の歌、大貫のダンス、湖月ら他のキャストも次々に加わり、太陽と、その周りを公転する惑星をダンスで表してゆく。いずれも主演級のキャストだけに、その迫力は圧巻のひと言だ。ゲネプロ後の囲み会見では、謝と姿月、湖月、水が登壇。「人々が忘れてはいけないことを、私たちなりに伝えられる作品」(姿月)、「宝塚OGの踊りに、男性キャストの力強さが加わったショー」(湖月)、「謝先生らしい生命賛歌の物語」(水)といった言葉が聞かれた。一方、謝が「バリ、韓国、中国、インド……それからグルジア、ロシア、中近東など、6~7種類のダンスを取り入れてますね」と語る場面では、水が取材陣に「ほんと大変!」と漏らして笑いを誘うひと幕も。「稽古場の“戦い”が出演者一人ひとりのエネルギーとなってお客様に伝われば」との水の言葉に、思わず納得した公開稽古となった。公演は12月9日(土)から14日(木)まで東京・日本青年館ホール、12月21日(木)から25日(月)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。取材・文佐藤さくら
2017年11月22日カリフォルニア出身のオルタナティブ・ロック・バンド、インキュバスが3年ぶりの来日公演を、来年2月に東京、大阪で開催する事が決定した。【チケット情報はこちら】インキュバスは1991年に結成。今年メジャー・デビュー20周年を迎え、4月に8作目のアルバム『8』をリリース。スクリレックス全面プロデュースによる同作は、ビルボード・チャート『Top Rock Albums』と『Alternative Albums』で1位を獲得し、全世界で大ヒットを記録。同作を引っ提げての来日公演となる。チケットの一般発売は12月16日(土)午前10時より。なお、一般発売に先がけて、Live Nation Japan先行を実施。受付は11月22日(水)午後6時から26日(日)午後11時59分まで。■インキュバス来日公演2月19日(月)なんばHatch(大阪府)開場 18:00 / 開演 19:002月20日(火)Zepp Tokyo(東京都)開場 18:00 / 開演 19:00
2017年11月22日秦建日子のベストセラー小説を原作にした舞台『アンフェアな月』が、2018年2月に上演される。その製作発表会が行われ、主人公・雪平夏見役の篠田麻里子、山路徹夫役の飯田基祐、原作の秦が登壇した。舞台『アンフェアな月』チケット情報原作は、女性刑事・雪平夏見を主人公とした小説シリーズの2作目。2006年にテレビドラマ化(『アンフェア』)、その後映画化もされたベストセラーシリーズでもあり、舞台化は今回が初となる。主人公である捜査一課でトップの検挙率、バツイチで男勝り、そのうえ酒豪で「無駄に美人」と揶揄されるワーカホリックな女性刑事・雪平夏見を篠田、雪平の相棒・安藤刑事を染谷俊之、雪平の上司・山路徹夫を飯田が演じるほか、中村優一、和田琢磨、内田裕也、下村青、岡田達也らが顔を揃え、出演、脚本・演出は菅野臣太朗がつとめる。会見で秦は「連続ドラマであれだけ映像キャストのイメージが強くなったなか、それでもあえて違う『アンフェア』をつくるんだと舞台化のプロジェクトが進んだ。そのチームの勇気に感謝しています。どんな新しい『アンフェア』ができるのかとワクワクしていますし、ぜひ今作が好評を博して、同じチームでシリーズが続いてくれたらと思います」とコメント。篠田は自身の役柄との共通点を「純粋で素直で一生懸命なんだけれども、不器用で周りにわかっていただけない部分、ワーカホリックな部分が自分と似ている」と分析。人気ドラマの主人公を舞台で演じることについては「正直プレッシャーしかないです。影響がないと言うのは嘘ですし、やっぱりそのイメージもあると思うんですけれども、舞台は舞台で新しいものとして、自分なりの雪平夏見を探し出せたらと思っています。それを一番の課題にします」と語る。篠田とは初共演となる飯田は「(山路は雪平を)信頼している間柄ですが、今日お会いして、芝居せずともできるかなって。表に出るかはわかりませんが、内側で信頼していけそうです」と笑顔を見せた。普段は映像で活躍するふたり。舞台に立つことについて篠田は「AKB48時代に毎日劇場でやっていたぶん、やっぱり生ものが好きで。舞台は、もちろん稽古して一生懸命つくるのですが、最終的にはお客さんが入って作品になると思うので、公演の一日一日が楽しみです」。飯田は久しぶりの舞台出演。「本番直前、舞台袖にスタンバるといつもいつもプレッシャーで『なんでこんな仕事始めちゃったんだろう』と逃げ出したくなるんです。でも舞台が終わると、新たなスタートラインに立てたような気持ちになっている。今回もそうなるように努力します!」。公演は2018年2月22日(木)から3月4日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。現在、先着先行プリセールを受付中。取材・文:中川實穗
2017年11月22日二期会が11月22日(水)から日生劇場でオペレッタの名作『こうもり』を上演する。ベルリン・コーミッシェ・オーパーとの提携公演で、演出のアンドレアス・ホモキも来日して、新たに東京バージョンが誕生する。稽古場での様子とともに見どころをご紹介したい。東京二期会オペラ劇場「こうもり」チケット情報今回の目玉のひとつが、俳優イッセー尾形が演じる看守フロッシュ。唯一「歌わない」役ではあるが『こうもり』の本場ウィーンでも名俳優が演じる役どころだ。第3幕の冒頭でのひとり口上のシーンでは、長年ひとり芝居の新境地を拓いてきたイッセー尾形の真骨頂が見られること間違いない。稽古場でも堪えきれず笑い声が上がっていた。オペラ歌手たちとのからみからも、独特のおかしみが生まれている。これがイッセー尾形自身、二期会初登場で初のオペラの舞台だ。「彼の卓越した笑いのセンスが、共演する歌手たちにも刺激を与えて、とてもよい効果をあげている」と演出のホモキ。続いて第2幕の夜会のシーン。驚いたことに、ホモキはドイツ語歌唱だけでなく、日本語の台詞の部分に対しても細かく演技をつけていく。ときどきホモキ自身が日本語の台詞まわしを、コンナフウニ、と声に出して指導する場面も!また、フィレンツェに留学していたロザリンデ役嘉目真木子にはイタリア語で、ウィーンで学んだアイゼンシュタイン役又吉秀樹にはドイツ語でそれぞれ直接に指示の言葉を伝えていたことも印象深い。そうやって、笑いの神は細部に宿ると言わんばかりの細かさと、妥協のなさで、コメディならではの台詞と間と身体の動きの絶妙なタイミングが作られていった。第2幕はヨハン・シュトラウスの名曲ぞろい。オルロフスキーの「私はお客を招くのが好き」、アデーレの「公爵様、あなたのようなお方は」、ロザリンデの「チャールダーシュ」、ロザリンデとアイゼンシュタインの「時計の二重唱」などにも細やかな演技が施されている。ぜひ劇場でお楽しみいただきたい。オペレッタ『こうもり』は、金満な銀行家アイゼンシュタインを、彼に騙されて町中の笑いものになってしまった悪友ファルケが、その仕返しをやってのけるというストーリー。今回の演出では、ファルケの仕掛け人ぶりがとても際立って、シュトラウスの華やかな音楽とともに物語もすんなりと入ってくる印象をうけた。第2幕では特にオルロフスキー公爵の登場シーンが斬新。今回の二期会公演『こうもり』は、初めてオペラに触れる人にはとても分かりやすく、またオペレッタ・ファンにとっても新鮮に観ることができるに違いない。公演は11月22日(水)から26日(日)までの5日間。
2017年11月21日水戸芸術館ACM劇場2017年公演企画「斜交(しゃっこう)~昭和40年のクロスロード~」が11月23日(木・祝)に開幕する。その主演を務める近藤芳正に話を聞いた。舞台「斜交(しゃっこう)~昭和40年のクロスロード~」チケット情報昭和史に残る誘拐事件「吉展ちゃん事件」をもとにした、古川健(劇団チョコレートケーキ)書き下ろしの戯曲を、高橋正徳(文学座)の演出で上演される本作。事件の容疑者と対峙した“落としの八兵衛”の異名をもつ刑事・平塚八兵衛を近藤が演じる。昭和38年、東京オリンピックの波に乗り切れず事件を起こしてしまった男と平塚刑事との息も詰まるような攻防を描く本作。オリンピックを目前に控えた今、この作品を上演することについて聞いてみると近藤は「劇中に『たった10年しか経ってないのにこんなに変わった』というセリフがあるのですが、実際この10年の間でも政治の方向性、テレビのニュース、交通機関…いろんなことで大きな変化が起きていると感じます。でも、こうした変化はどの時代でもある。だとしたら、この作品はどの時代にも必要なものだと思ったりします」と普遍的な戯曲の魅力を語る。自身が演じる平塚刑事は「作家の古川さんとは今回が2度目。普段はあてがきをしないと言っている方なのですが、この役に関しては、平塚八兵衛さんに私自身が入り混じっていると思う」と感じているそう。“落としの八兵衛”の異名を持つ役柄、なぜ彼に犯人が自供すると思うか尋ねてみると「正直、わからないです。平塚さんご自身でもわからないんじゃないかな。陳腐な言葉かもしれませんが、事件解決に向けた熱意がまずあって、それから容疑者に対する愛もあった方なのだと思います。罪は憎んでいますが、犯人は憎んでいない、そのあたりに理由があると思っています」。演出の高橋とは初のタッグ。稽古が始まり「まだ探り探りの部分ありますが、もしかしたら、私の好きな“段取りじゃない瞬間”を同じように求めていらっしゃるのかなと感じるときがありますね」。稽古場でのキャスト陣の印象は「全員初めての共演なので、それ自体が楽しくて。なかでも相棒役の中島(歩)さんは癒しの雰囲気が独特!それに癒されたり、腹立つこともあり(笑)、しっかりしろよと思いながら、なんか可愛いて憎めない人なんです」。近藤が「笑いはないですが、かといって硬いお芝居でもない。たくさんの人間ドラマをお楽しみいただきたい」と語る本作は、茨城・水戸芸術館ACM劇場にて11月23日(木・祝)から26日(日)まで、東京・草月ホールにて12月8日(金)から10日(日)まで上演。取材・文:中川實穗
2017年11月21日お米を擬人化した“米(コメ)ディ”『RICE on STAGE「ラブ米」~Endless rice riot~』が11月17日に開幕。それに先駆け初日会見と公開ゲネプロが行われ、会見にはひのひかり役の田村升吾、ささにしき役の星乃勇太、ネリカ役の健人、平山役の川上将大、白瑞光役の白柏寿大、兄鴨役の滝口幸広、演出家の村井雄が登壇した。舞台「ラブ米」チケット情報本作は、今年4月にアニメが放送され、WEBコミック「GANMA」でも連載中の、独特な世界観が人気を集める「ラブ米」の初舞台化。穀立(こくりつ)稲穂学園を舞台に、アニメでお馴染み“ひのひかり”や“ささにしき”らメジャーな米の5人組「ラブライス」、舞台オリジナルキャラクターの“ネリカ”ら陸稲米(おかぼまい)の5人組「ST☆RICE(スターリッス)」と、“白瑞光”ら古代米の3人組「GAZEN BOYS(ガゼンボーイズ)」、そして合鴨農法に必須の「合鴨ブラザーズ」によってストーリーが繰り広げられる。脚本・演出・作詞は、国内外で評価の高い劇団「KPR/開幕ペナントレース」の村井雄。会見では村井が「不条理な面白いアニメが原作なので、舞台も不条理な作品に仕上げようと思ってやってきました。現実社会のほうが不条理なことがあったりもするので、お客様の心に響くのではないかと思います」と挨拶。田村は「村井さんをはじめキャスト一同でつくり上げてきたものを舞台上で炊き上げるだけです!僕たち粒揃いのお米を、グルメ(=観客)の皆さんに味わっていただければ」とお米役ならではの意気込みを。星乃も「ささにしき役として、錦を飾らせていただきます!」、健人は「雨の日も風の日もお米として必死に育ってきました!」、川上は「今までに見たことのない米(コメ)ディです!」、白柏は「グルメの皆さんが元気になってくれたら!」、滝口は「炊き上げたアツアツのお米のような作品になったと思います!」とそれぞれお米らしい米(コメ)ントを述べた。ステージとショーの2部構成となる本作。1部のステージは、原作のポップな世界観と村井ならではのシュールさが混ざり合った、2.5次元作品ではなかなかない間(ま)と空気感。各キャラクターの個性は強烈だが絶妙な温度で演じられており、最後まで目が離せない独特の魅力を放っていた。また、台詞には「米(マイ)ッたね!」「みんなまとめて炊いてやる~!」など米ダジャレが大量に組み込まれるほか、アニメの主題歌でもある米米CLUB「浪漫飛行~ラブ米ver.~」の歌&ダンスなど、“米”に次ぐ“米”の世界。原作ファンはもちろん、シュールなコメディ好きにもオススメだ。2部のハーベストショーは、打って変わってポップなショーで盛り上がる時間。ぜひペンライトを用意して。11月26日(日)まで東京・品川プリンスホテル クラブeX にて上演中。取材・文:中川實穂(C)RICE on STAGE「ラブ米」
2017年11月21日ユーミン×帝劇 vol.3『朝陽の中で微笑んで』が11月27日(月)に開幕する。本作は、松任谷由実(ユーミン)の歌、俳優の演技、劇場空間が一体となる舞台作品「ユーミン×帝劇」シリーズの第3弾。脚本・演出を松任谷正隆が手掛け、今作では500年先の未来を舞台に、寺脇康文と宮澤佐江による時を超えた純愛物語が描かれる。ユーミン×帝劇 vol.3『朝陽の中で微笑んで』 チケット情報出演者の寺脇康文、宮澤佐江、六平直政に話を聞いた。稽古が始まっての感想を尋ねると「俺は名作になると思う」と六平。「もちろん由実さんにとってもいい舞台になると思うけど、寺ちゃんと佐江ちゃんの当たり役になると思う。芝居がいい。俺、稽古場で毎回泣いてるんだから」と語る。寺脇と宮澤は互いに恋をする役柄。「これまた一筋縄ではいかない恋なのでね」と寺脇が語るように、親子ほど年齢の離れたふたりの、ある秘密を抱えた純愛。実際に演じるうえで宮澤は「寺さんと一度お仕事をさせてもらっていたことがすごく大きかったです」と笑顔を見せた。宮澤の初舞台は、寺脇と岸谷五朗が主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」の公演『クザリアーナの翼』(2014年)。「公演期間も長かったので、稽古も合わせると5か月くらい一緒にいさせてもらったし、それ以降もかわいがってもらっていて。だから『どんな私でも受け入れてくれるよね、寺さん!』っていう。宮澤佐江からの愛のアプローチが役にも入ってます」。稽古では「正隆さんは『僕のことは気にしないで好きにやって』っておっしゃるんですけど(笑)、今は全員で正隆さんのイメージを追い求めています」と話す寺脇。そのイメージとはどのようなものなのか。「『生命』です。その神秘と活力と悲しさと。生命は永遠ではない。だから生まれて亡くなるまでをどう生きるかというのは非常に大きなテーマで。そこをこの作品は大きく包んでいます。その部分はやっぱりなにか表していきたいですね」。そして本作におけるスペシャルな存在は、ユーミンの歌唱だ。寺脇は「芝居と同時進行するというのかな。普通は芝居中に歌詞の入った音楽が流れると台詞とぶつかって喧嘩しちゃいますよね。だけどこの作品はそこがぶつかることで生まれるものがある」。六平も「芝居と歌がお互い火に油を注ぎ合ってるようなものだよ」と熱く語る。歌うユーミンと目を合わせるシーンがあるという宮澤は「この歌を私に捧げてくれているんだということをすごく感じさせてくださるんですよ。私は笑顔のシーンなんですけど、心の中はギューッとくる。すごくいいシーンになると思います」。六平が「新しい舞台芸術」「客席で観たかった」と絶賛する本作は、11月27日(月)から12月20日(水)まで東京・帝国劇場にて上演。撮影:中川實穂
2017年11月20日アメリカのテレビドラマ『glee/グリー』のウィル・シュースター先生役などで知られる、ブロードウェイスターのマシュー・モリソンが、2018年2月24日(土)に東京・Bunkamura オーチャードホールで日本初ソロコンサートを開催する。【チケット情報はこちら】『glee/グリー』のほか、ブロードウェイミュージカル『ヘアスプレー』『ファインディング・ネバーランド』のオリジナルキャストとしても知られるマシュー・モリソン。公演では出演したミュージカルより『SINGIN’ IN THE RAIN(雨に唄えば)』やメドレー、『glee/グリー』より『Sway』などを披露。さらに16時、19時それぞれの公演でセットリストが変化。16時の公演は「ブロードウェイ/アメリカンソングブック バージョン」と題し、ジャズで有名な『It Don’t Mean a Thing(スウィングしなけりゃ意味がない)』などの楽曲を披露。19時からの公演は、「ブロードウェイ/ポップヒッツ バージョン」と題し、ザ・ビートルズの名曲『LET IT BE』と『HEY JUDE』をマッシュアップした楽曲など、ヒット曲満載のセットリストを披露する。同公演では一般席に加え、VIP席を販売。VIP席にはマシューによる挨拶、写真撮影、直筆サイン入りフォトグラフなどの特典が付く。チケットの一般発売は12月9日(土)午前10時より。■「マシュー・モリソン in コンサート」日程:2018年2月24日(土)【1】ブロードウェイ/アメリカンソングブック バージョン開場15:30 / 開演16:00【2】ブロードウェイ/ポップヒッツ バージョン開場19:00 / 開演19:30※開場は開演時間の30分前会場:オーチャードホール(東京都)演奏:ブラッド・エリス(Music director、Piano) / 下野ヒトシ(Bass) / 宮崎隆睦(Sax) from Teatro Raffinato料金:VIP席 18,000円 / 一般席10,800円(全席指定・税込)
2017年11月20日宝塚歌劇団雪組新トップスター・望海風斗(のぞみふうと)と新トップ娘役・真彩希帆(まあやきほ)のお披露目公演『ひかりふる路(みち)~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』『SUPER VOYAGER!-希望の海へ-』が11月10日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。宝塚歌劇雪組『ひかりふる路(みち) ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』『SUPER VOYAGER!-希望の海へ-』チケット情報第一幕の『ひかりふる路』は、フランス革命後のパリを舞台に、革命家マクシミリアン・ロベスピエールの生涯を仲間との絆や運命的なロマンスを絡めて描いた物語。『ジキル&ハイド』『スカーレット・ピンパーネル』などを手がける作曲家フランク・ワイルドホーンが全曲を書き下ろしたミュージカルで、優しい楽曲から力強い楽曲まで終演後も心地いい余韻を残すものばかり。抜群の歌唱力を誇る望海と真彩の魅力も存分に引き出されている。人々の平穏な暮らしを守ろうと、弁護士から政治家に転身。理想を追い求め、革命に身を投じたロベスピエール。ジャコバン派に所属し、革命の指導者としてフランスを新しい時代へと導いた彼に人々は熱狂する。一方で、罪なく人生を狂わされた革命の犠牲者マリー=アンヌは、“革命そのもの”であるロベスピエールを暗殺しようと機をうかがっていた…。自分の理想を追い求め続け、辿り着いたのは恐怖政治。共に戦ってきた仲間のダントンやデムーランとも次第に距離が生まれてくる。それでもただ理想を信じて突き進むしかないロベスピエール。彼の情熱、温かさ、孤独、その心の変化を望海は情感あふれる演技と歌で繊細に表現する。一方の真彩は、ロベスピエールを恨みながらも、そのまっすぐな心に触れたことで変化していくマリー=アンヌ。憂いを漂わせつつ、気品と芯にある強さを持たせて演じている。運命的に出会ったこのふたりが迎えるラストシーンの美しさも強く印象に残る。また、彩風咲奈(あやかぜさきな)が扮するダントン、専科・沙央(さおう)くらまが扮するデムーランとの友情も見どころのひとつ。同じ方向を向いていた同志がいつしかすれ違っていく様、その心の痛みは観る側にも響いてくる。第二幕のレヴューは、新生雪組の“船出”をイメージ。豪華客船が海へと出航するシーンで爽快に幕開けし、客席降りの演出でも楽しませてくれる。その後もジャズの音色に乗せて踊るクラシカルなシーンや、冬の港町で望海がしっとりと歌い上げるシーン、白燕尾姿の群舞、スパニッシュのシーンなど、緩急つけたステージを展開。両作を通して、新生雪組の魅力がたっぷりと詰まったステージに仕上がっている。公演は12月15日(金)まで兵庫・宝塚大劇場、2018年1月2日(火)から2月11日(日・祝)まで東京宝塚劇場にて上演。宝塚大劇場公演のチケットは発売中。東京公演のチケットは11月26日(日)10:00より一般発売開始。11月21日(火)11:00まで先行抽選受付中。
2017年11月17日宝塚歌劇団花組が、漫画史上に残る傑作『ポーの一族』の初の舞台化に挑む。11月16日、原作の萩尾望都も臨席する中、制作発表会が開催された。宝塚歌劇花組『ポーの一族』 チケット情報永遠に年をとらず、哀しみをたたえつつ時空を超え旅を続けるバンパネラ“ポーの一族”の姿を描いた物語。会見冒頭ではエドガー役の明日海りお、シーラ役の仙名彩世、アラン役の柚香光が劇中歌2曲を披露。幻想的なパフォーマンスで報道陣を魅了したが、原作の萩尾も「この世のものとも思えぬものを見て、頭がどこかへ行ってしまった」と感激しきり。特に花組トップスター、明日海が扮するエドガーには「心臓がバクバク(笑)。言葉になりません」と絶賛の言葉を惜しまなかった。一方で原作者を前に劇中の登場人物に扮した明日海は「漫画のキャラクターを立体にしてしまうという、ことの重大さを感じ緊張しました」と語り、「先生の描かれる絵の表情、目の寂しさ、結んだ口の薄さ、後頭部に感じるオーラ……エドガーの存在すべてに魅力を感じています。稽古場でエドガーと呼ばれて「はい」と返事することすら恐れ多いほど特別な役。自分のイマジネーションをフル活用し、小池先生と話しながら、自覚を持って役を作り上げたい」と意気込みを。仙名も「シーラは美しい貴婦人ですが、愛に生きようとする強さやエドガーたちを包み込む優しさがある。女性として魅力的にみえるように作っていきたい」と役作りについて語った。また、エドガーたちの仲間になるアラン役の柚香は「今回の宝塚での舞台では、アランは一族に入る前の“人間”の状態が長い。今日、エドガーを演じる明日海さんが照明を浴びているのを舞台袖から観て、ゾクっとした。アランもバンパネラを初めて観たときに、このように身の毛がよだつ思いをしたのかもしれない。この感情を新鮮に覚えておきたいと思った」と感想を話した。演出を手がけるのは、『エリザベート』などのヒット作を数々送り出している鬼才・小池修一郎。『ポーの一族』を上演するために宝塚歌劇団に入ったという逸話を持ち、舞台化を申し出てから30余年を経ての実現となったが、「1985年に宝塚の公演後にコーヒーショップに行ったら、隣の席が打ち合わせ中の萩尾先生だった。こんな機会は二度とないと思い「ファンなんです」とお伝えし、名刺をお渡しした。確かその時に「いつか(舞台化を)やらせてください」とお伝えしたはずです」というエピソードを明かす。その後、当時ミュージカルの脚本を書いていた萩尾が小池に意見を求めたことからふたりの付き合いが始まったそうで「小池先生の作品はとてもセンスが良く、私ごのみ。小池先生ならいつでもOKですよと言っていたのに、(実現まで)こんなに待たされました(笑)」と萩尾。「私のイメージを超えた美しい世界が目の前に広がるというのが予感できて、今からドキドキワクワクしています」と原作者も期待大の公演は1月1日(月・祝)から2月5日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、2月16日(金)から3月25日(日)まで東京宝塚劇場で上演される。
2017年11月17日井上ひさしの中期の名作『シャンハイムーン』が、栗山民也演出、野村萬斎主演で上演される。本作にかける思いを萬斎に聞いた。「シャンハイムーン」チケット情報1991年に発表された本作は、『阿Q正伝』『狂人日記』などで知られる中国の文学者・魯迅の物語。1934年の上海を舞台に、蒋介石率いる国民党政府より逮捕令が出された魯迅と、彼を匿う日本人たちのある1か月を描いたせりふ劇だ。「2012年と2015年に栗山さんと一緒に井上さんの『藪原検校』を上演して、いい手応えがあった。前回が若い血流みなぎる人物を描いていたのに対して、今回はコンパクトで充実感のある、しっとりとした大人の作品をやろうということと、オリンピックを前に、日本国というものを考えるいい機会になるのではと、この作品をやることになりました」。日本を憎みながらも、日本人を愛した魯迅。国単位では火花を散らしながらも、人間同士は分かち合える。現代にも通じるテーマを、井上作品ならではの笑いを交えて描いている。「非常に現代的な問題を映し出しているとはいえ、国家のことやアイデンティティの問題ばかりではなく、抱腹絶倒なところもある。歯医者の奥田が使った笑気ガスによって失語症にかかり、全部濁音になっちゃうとか(笑)。いろんな仕掛けがあって、そこから段々と本心があぶり出されてしまう。重味と軽味のバランスが非常によくとれているお芝居だと思います」。登場人物は6人。5年ぶりの舞台出演となる広末涼子が魯迅の妻・広平を演じるほか、友人の内山夫妻を鷲尾真知子と辻萬長が、医者の須藤五百三を山崎一が、歯医者の奥田愛三を土屋佑壱が演じる。「ほとんど本屋の一室を舞台に繰り広げるワンシチュエーションの話。魯迅は医学部出身なのに医者嫌いで、心肺機能も悪いし虫歯だらけなのに診察を受けようとしない。そんな彼に周りが翻弄される姿が可笑しく映るんじゃないかなと思います。また、それぞれのキャラクターにも裏話や生き様が見えてくる、非常に緻密にできた作品です」。激動の時代だからこそ、鮮明に浮かび上がる国を越えた人と人とのつながり。そこに「愛情の原点がある」と萬斎は語る。「恩と感謝みたいなものが、全体的に貫かれている気がします。愛ゆえに何かしてあげたいと思い、それに対して非常なる感謝を思う。その愛情は、国の思想や何かを超越するんだと思います。愛情が愛として巡りめぐって返ってくる感動もある。そんなことも描かれた気持ちのいい話だと思います」。公演は、2018年2月18日(日)から3月11日(日)まで東京・世田谷パブリックシアター、3月14日(水)・15日(木)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、3月18日(日)新潟市民芸術文化会館 劇場、3月23日(金)・24日(土)愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホールにて上演。東京・兵庫公演はチケット先行受付中、順次一般発売開始。
2017年11月17日ロシア国家劇場賞受賞、サンクトペテルブルグ都立最高劇場賞に輝いた注目のバレエ団、ロシア国立サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエが12月22日(金)より4年ぶりの来日公演を開催。ゲストソリストとして、アレクセイ・ポポフの出演が決定した。【チケット情報はこちら】アレクセイ・ポポフは2010年にワガノワバレエアカデミーを卒業。マリインスキー・バレエを経て、2016年のシーズンからファースト・ソリストとしてバイエルン国立バレエの団員となり、世界をまたにかけ活躍している。芸術監督のアンドリアン・ファジェーエフは、今回のアレクセイ・ポポフ起用について、「彼はロシアのバレエ学校のお手本と言えます。彼はワガノワ・バレエ・アカデミーを卒業し、マリインスキー・バレエに入団しました。マリインスキー・バレエで6年間ソリストを務めたのち、今はドイツ・ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場にてプリンシパルとして活躍しています。彼はクラシック・バレエの主要キャラクターを演じる事において感嘆するような才能を見せます。私は今回の彼の特別出演は、日本への来日ツアーをより素晴らしいものにしてくれると確信しています」とコメントを寄せている。来日公演は12月22日(金) 神奈川・藤沢市民会館大ホールから1月14日(日)大阪・グランキューブ大阪メインホールまで。チケットは発売中。
2017年11月16日12月21日(木)から2018年1月10日(水)まで、渋谷ヒカリエなど渋谷の3か所で、現代演劇ポスターが展示される「現代演劇ポスター展 2017-演劇の記憶、時代の記憶、デザインの記憶、都市の記憶」が開催される。【チケット情報はこちら】主に演劇やイベントなどのポスター、チラシを劇場や飲食店、ギャラリーなどへ配布する業務を行っているポスターハリス・カンパニー。同展ではそのポスターハリス・カンパニーが所蔵する2万点にも上る現代演劇ポスターコレクションから厳選した約300点を展示する。1960年代後半に劇団の旗印として登場し時代を挑発したアングラ演劇のポスターから、小劇場ブーム、静かな演劇なども含め、時代の流れとともにポスターや劇団はどう変化したのか。同展で展示されるポスターは、有名な美術家やグラフィックデザイナーが手掛け現代美術として評価の高い作品も多く、当時の時代性や世相、演劇、デザインの歴史を感じる事ができる。なお、同展の開催にあわせ、本展覧会でしか聞く事が出来ないトークショーを実施。出演は麿赤兒、及川正通、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、長塚圭史など。詳細は公式サイトでご確認を。チケットは12月1日(金)より発売開始。■「現代演劇ポスター展2017-演劇の記憶、時代の記憶、デザインの記憶、都市の記憶」日程:2017年12月21日(木)~2018年1月10日(水)<※1月1日は休業日>時間:11:00~20:00(最終入場 19:30まで)会場:【1】ヒカリエホールホールB【2】渋谷キャスト スペース【3】アツコバルー arts drinks talk料金:【前売】一般1300円 / 大学生500円【セット割引券】ペア券(2枚セット)2500円 / トリプル券(3枚セット)3690円※セット割引券はチケットぴあのみ取扱い(サービス休止期間:2018年1月2日(火)23:00 ~ 1月5日(金)18:00(予定))※3会場フリーパス(初回入場時の会場でチケットの半券を回収)※前売にて一般チケットご購入の方には先着で初回入場時に特製缶バッジをプレゼント
2017年11月15日ローザンヌを拠点とするモーリス・ベジャール・バレエ団(BBL)が、単独では4年ぶりとなる日本公演を控え、来日した。巨匠ベジャールがオペラの舞台を丸ごとバレエにした『魔笛』(Aプロ)と、かの傑作『ボレロ』ほか3作品によるBプロとを携えてのこのツアーは、振付家ベジャールの没後10年を記念する特別なもので、彼の命日にあたる11月22日と翌23日には、兄弟カンパニー、東京バレエ団との特別合同ガラが予定されている。〈ベジャール・セレブレーション〉と名付けられたこの公演で上演されるのが、ベジャール作品の傑作集、『ベジャール・セレブレーション』だ。昨年12月にローザンヌで初演し、ツアーで上演を重ねたこの作品の、東京バレエ団との特別ヴァージョンの全貌が、14日の公開リハーサルで明らかとなった。モーリス・ベジャール・バレエ団 チケット情報冒頭で踊られるのは、ベジャール1989年の作品『1789…そして私たち』からの抜粋、音楽はベートーヴェンの第一交響曲だ。BBLと東京バレエ団のダンサーたちが渾然一体となって、ベジャールの世界への扉を開け放ち、これに『ヘリオガバル』『わが夢の都ウィーン』『ライト』『ハムレット』『バクチIII』といった傑作からの抜粋が続く。東京バレエ団のパートとして新たに加えられた場面も実に様々。躍動感たっぷりの『アレポ』や『バロッコ・ベルカント』のパ・ド・シス、また、同団のプリンシパル、上野水香と柄本弾がバッハの合唱曲で踊る『我々のファウスト』の美しいパ・ド・ドゥなど、見どころの連続だ。冒頭に対応するように、最後に配されたのが、やはりベートーヴェン。これも『1789…そして私たち』からの抜粋、第九交響曲の第三楽章だ。リハーサル終了後に囲み取材に応じたBBL芸術監督のジル・ロマンは、これについて、「プログラム全体が大きなアンサンブルとなるようなものを作りたかった」と話した。「ベジャールは振付家という枠組みを大きく超えた人物。深い教養があり、日本が大好きで、オペラや演劇、映画なども手がけた。観ればきっと何かを受けとっていただくことができるはず。ぜひ、劇場に観にきてください」とも。「ベジャールは師であると同時に、彼の作品を上演する時、常に一緒にいて、私を守ってくれる存在。だから命日の22日も、彼はもちろん来てくれるでしょう!」モーリス・ベジャール・バレエ団日本公演は11月17日(金)から26日(日)まで、特別合同ガラ〈ベジャール・セレブレーション〉は11月22日(水)・23日(木・祝)、ともに東京文化会館 大ホールにて。チケットは発売中。取材・文加藤智子
2017年11月15日鹿賀丈史と市村正親。劇団四季時代以来の盟友がコンビを組んで10年を迎える『ラ・カージュ・オ・フォール』が、2018年3月から上演される。この作品で、夫婦として暮らしている男同士のカップルを演じてきたふたりに、 「コンビ結成10周年アニバーサリー会見」のあと話を聞いた。このふたりだからこそ表現できる夫婦愛とは。そして、これほど長く愛される作品の魅力とは。ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』チケット情報『ラ・カージュ・オ・フォール』という作品の歴史は古い。ストレートプレイとしてフランスで1973年に生まれ、その10年後にミュージカル版が誕生。日本でもいくつかのバージョンが上演されたのち、1993年から市村が“妻”のザザことアルバン役で登場している。その市村が、2008年の上演の際、“夫”のジョルジュ役にと望んだのが鹿賀丈史だった。「劇団四季で出会ってから来年で45年。20代前半の頃からお互いのいろんなことを知っていますからね。たとえばふたりで見つめ合うという芝居にも、そこに流れるものはやっぱり違う。それをまた、僕たちを45年見てくださっているお客様が見ることで、何とも言えない感慨も湧き上がってきますから。僕たちが夫婦をやるというのは、やっぱり特別な意味があると思うんです」(市村)。市村の言葉を受けて鹿賀も言う。「芝居をしていても、微妙な間とかにやっぱりふたりならではの呼吸が生まれる。そのときの調子なんかも肌で伝わってきますしね。芝居していて本当に楽しいんです。そういう空気が劇場全体に広がっていくんじゃないかと思いますね」(鹿賀)。コンビとしては、2008年、2012年、2015年に続いて今度の上演で4度目になる。鹿賀が参加して以来、少しずつバージョンアップもしてきた。「少しでも面白くなればと、それまですべて男言葉だったセリフにちょっと女性的なニュアンスを入れさせてもらったんですけど、公演のたびにそういうところが増えていって。今回もまた改めて見直したいなと思っているんです」(鹿賀)。ジョルジュがゲイらしくなることで、息子のためにゲイであることを隠そうとする場面に、より大きな笑いと感動も生まれてきた。「だから、演じ方によってまだまだ面白くなると思っています。コメディーの部分だけでなく、ドラマももっとしっかり探っていきたい。人がなんと言おうとありのままの自分たちの姿を見せて生きるんだというこの夫婦の物語は、誰にとっても心強いものであるはずですから」(市村)。ゴールデンコンビはさらなる高みを目指す。『ラ・カージュ・オ・フォール』は2018年3月9日(金)から東京・日生劇場にて。チケット発売中。取材・文:大内弓子
2017年11月15日サウンドクリエーターRevoによる他作品とのコラボレーションで音楽活動をする際のプロジェクトLinked Horizonが2018年1月13日(土)、14日(日)に神奈川・横浜アリーナで「Live Tour『進撃の軌跡』総員集結 凱旋公演」を開催。同公演のゲスト出演アーティストが決定した。【チケット情報はこちら】アニメ『進撃の巨人』においてLinked Horizonが担った楽曲が全て収録されているアルバム『進撃の軌跡』を引っさげ、今年の7月から11月まで、『進撃の巨人』全編アニメ映像展開されたライブツアー「Linked Horizon Live Tour 2017『進撃の軌跡』」。年明け1月13日(木)、14日(金)に行われる総員集結 凱旋公演は、ツアーに参加したメンバー総員を迎えフル編成で行われる。今回ゲストとして出演が決まったのは、1月13日(土)に小湊美和、Daisy×Daisy (MiKA)、mao。14日(日)にJoelle、Ceui、RIKKI。これらのメンバーは、2012年に横浜アリーナにて開催され好評を博した「Revo Linked BRAVELY DEFAULT Concert」に出演したアーティストたち。現在、7月から11月まで行われたツアーに参加したゲストをフィーチャーしたライブ映像を公開中。デビュー5周年を迎えたLinked Horizonの集大成と言える年明けのライブとあわせて、気になる方はご確認を。チケットは発売中。■Live Tour『進撃の軌跡』総員集結 凱旋公演日程:2018年1月13日(土)開場 17:00 / 開演 18:001月14日(日)開場 15:00 / 開演 16:00会場:横浜アリーナ(神奈川県)出演:【Vocals】Revo月香/福永実咲/MANAMI/松本英子/柳麻美【Narration】サッシャ【Musicians】西山毅(Gt.)/YUKI(Gt.)/長谷川淳(Ba.)/五十嵐宏治(Key.)※1/14のみ/淳士(Dr.)/弦一徹ストリングス/内藤貴司ホルンセクション/鈴木正則ブラスセクション/三沢またろう with MPO (Mataro Percussion Orchestra)/朝川朋之(Harp)/高桑英世木管アンサンブル/Voces Tokyo(合唱指揮:木場義則)【Dancers】佐藤洋介/OBA/松村武司/高杉あかね/細木あゆ/矢島みなみ【Guest Vocals】[1/13] 小湊美和/Daisy×Daisy (MiKA)/mao[1/14] Joelle/Ceui/RIKKI
2017年11月15日浦井健治と城田優がW主演するミュージカル『ブロードウェイと銃弾』の製作発表会見が11月10日に行われた。ウディ・アレンによる同名映画を原作に、ウディ自身がブロードウェイでミュージカル化した作品の、日本初上演。演出は映画『銀魂』やドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズで知られる福田雄一が手がける。ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』チケット情報映画版はアカデミー賞7部門にノミネートされた、傑作との呼び声の高い作品。1920年代のNYを舞台に、自分の作品がやっとブロードウェイで上演されることになった売れない劇作家が、出資者であるギャングの親玉や、監視役のその部下、ギャングの愛人である大根女優、クセのある俳優たちに振り回されながらも舞台を作り上げていく様を描くコメディだ。「日生劇場(という大きな劇場)でやるということで身の引き締まる思いなのですが、真ん中のふたりがふざける気満々のようで、ちゃんと言うこときいてくれるか……」という福田のボヤきから始まったこの日の会見は、終始爆笑に包まれたものとなった。劇作家のデビッド役である浦井は「僕は福田さんの作品が大好き。福田作品の、みんなで楽しみながら楽しいものを作っていく現場も大好きです。城田優とコメディを一緒に作るのも初めてなので、そこも楽しみたい」と意気込みを真面目に語るも、会見終盤には城田に煽られ、なぜか美輪明宏氏のモノマネを披露する展開に。会場の爆笑を誘っていたが、「僕、この個性豊かな面々のなかで今も右往左往していますが、それがそのままデビッドというキャラクターになっていくんじゃないかな」。城田はギャングのボスから現場に監視役として送り込まれてきた部下、チーチ役。「みなさんに笑顔や勇気や元気を届けらるような、ハッピーなものを作りたい。チーチはクールで怖い感じなのですが、芝居作りにものすごくのめり込んでいく。そのギャップが面白いです。僕も演出家に(意見を)言ったりする面倒臭いタイプなのでそのあたりはチーチと似ているかな」と、自分と役柄の接点を語った。浦井と城田は6年ぶりの共演だが「友だちでもあり親友でもあり同志でもあり戦友でもある」(浦井)とのことで、掛け合いのようなやり取りが続いたが、コメディセンスについては「優の方がある」(浦井)、「狙って笑わせるのは僕だよね。でも天然で面白いのは健ちゃん」(城田)。ふたりがどんなコンビを生み出していくのかにも注目だ。ほかに平野綾、保坂知寿、愛加あゆ、ブラザートム、鈴木壮麻、前田美波里といった顔ぶれが脇を固める。“キンキン声で才能がないにも関らず芝居の主演を狙う”という役柄の平野が甲高いアニメ声で挨拶をしたり、“プライドの高い主演女優”役の前田が「浦井さんとキスシーンがあります!」と高らかに宣言したりと、それぞれの個性が噴出した楽しい会見に、本番の舞台への期待度が高まった。公演は2月7日(水)から28日(水)まで、東京・日生劇場にて。チケットは11月25日(土)に一般発売開始。その後大阪・梅田芸術劇場 メインホール、福岡・博多座でも上演される。
2017年11月14日イギリス、レディング出身の4人組ロックバンド、The Amazonsが来年3月に東京、大阪で初単独来日公演を開催することが決定した。【チケット情報はこちら】その年の有力新人アーティストを紹介するBBC Sound of 2017にノミネート、デビューアルバムのリリース前にも関わらずUKの大型フェスティバルにも多数出演するなど注目を集めていた彼ら。今年の7月にデビューアルバムをリリースし、FUJI ROCK FESTIVALに出演。満員となったレッドマーキーを熱く沸かせた。チケットの一般発売に先がけて、主催者先行を実施。受付は11月21日(火)午前11時から12月5日(火)午後11時59分まで。■The Amazons JAPAN TOUR 20182018年3月5日(月)渋谷CLUB QUATTRO(東京都)3月6日(火)梅田CLUB QUATTRO(大阪府)★★以下のリンクより「The Amazons」をお気に入り登録して、情報をゲット!
2017年11月14日11月10日に舞台『誰か席に着いて』のプレビュー公演が開幕。それに先がけて公開稽古(一部シーン)と囲み取材が行われ、取材には田辺誠一、木村佳乃、片桐仁、倉科カナが登壇した。舞台『誰か席に着いて』チケット情報本作は、舞台『家族の基礎~大道寺家の人々』(作・演出)やNHK「LIFE!~人生に捧げるコント~」(脚本)などさまざまな作品を手掛ける倉持裕(劇団「ペンギンプルペイルパイルズ」)の作・演出による新作コメディ。2組の夫婦を中心としたストーリーで、映画プロデューサー・有園哲朗を田辺、その妻で売れっ子脚本家・織江を木村、売れないギタリストで作曲家・染田奏平を片桐、その妻で元プロダンサー・珠子を倉科が演じ、そこに福田転球と富山えり子が加わる6人芝居となっている。囲み取材では、まず田辺が「みっちり1カ月稽古したので、お客さんがどう楽しんでくれるか楽しみです」とコメント。木村は「久しぶりの舞台なので緊張しています!」と笑顔を見せ、「浮気があったり、借金があったり、盗作があったり、横領もあるけど、それでもコメディなんです」と作品を紹介するも勢いよくネタバレをしてしまい、片桐からツッコミをうける和やかな場面も。片桐は「和気あいあいと稽古してきたので、本当に(役柄同様)“家族”って感じになってきてる」と振り返り、「お客さんに観てもらって、笑ってもらって、はじめて答えが出る作品です。緊張はしますが、早くお客さんの前でやりたい」と本番が待ちきれない様子。それに対して倉科は「本当に稽古場が穏やかで。その延長線で進んでしまって今、緊張感がない(笑)」と笑いつつも、「これから“稽古がこういうところに生きてる”と実感していくんだろうなと思います」と語った。また取材には、愛嬌のある画風で人気の“田辺画伯”による描き下ろしイラストがプリントされた、“誰も席に着けない”グッズ(トートバッグ・Tシャツ)も登場。田辺はイラストについて「それぞれに秘密があって“席に着けない”お話なので。その心のぽっかりした穴を椅子で表現しました」と解説した。崇高な芸術とその未来について大いに語り合うはずが、実際は目の前の現実で精一杯な2組の夫婦の姿が描かれる本作。膨大な台詞の応酬からじわじわと浮かび上がる現実は意外に重いが、登場人物の魅力によってつい笑わされてしまった。どんどん露になる問題のその先に描かれるものはなにか――ぜひ劇場で確認して!『誰か席に着いて』は、プレビュー公演後、石川、大阪、静岡、福岡、広島を巡演し、11月28日(火)から12月11日(月)まで東京・シアタークリエにて上演。その後も、新潟、山形、福島にて上演される。撮影・取材・文:中川實穂
2017年11月14日主宰する演劇ユニット「ブス会*」にて、さまざまなアプローチで“女”の実態を描いてきた脚本・演出家のペヤンヌマキが、同い年の女優・安藤玉恵と立ち上げた舞台シリーズ「ペヤンヌマキ×安藤玉恵生誕〇周年記念ブス会*」。その第一弾「生誕40周年記念ブス会*」として、『男女逆転版・痴人の愛』が上演される。舞台『男女逆転版・痴人の愛』チケット情報谷崎潤一郎の小説『痴人の愛』を現代に置き換え、男女逆転させて描く本作。仕事人間の40歳独身女性・洋子(安藤)が美しい少年・ナオミ(福本雄樹)と出会い、“小鳥を買うような心持”で同棲を始めるが――というストーリーで、洋子とナオミ以外の登場人物(複数)は山岸門人が演じる3人芝居。音楽は浅井智佳子によるチェロの生演奏。脚本・演出のペヤンヌと、主演の安藤に話を聞いた。『痴人の愛』を男女逆転で表現する本作を「40歳の今の気分に一番ピッタリだと思いました」と話すペヤンヌ。「20代で読んだときにはナオミになりたかったのですが、40歳で読むと(主人公の)譲二さんに感情移入したんです。自分がそっち側になったんだと自覚し、これは男女を置き換えたら現代的になるかなと考えました」。実際、ペヤンヌはここ数年で急に少年に魅力を感じるようになったと語るが、それに対して安藤は「その気持ちは全くわからない」と笑う。「でも今(ペヤンヌが)正直になったらこうだった、というこの企画をすごくいいと思っていて。この人は本当に今、少年を家に置いときたいんだろうな…というような(笑)、そんな強い気持ちにはやっぱり引きずられていくんですよね。私自身、この作品を本当に面白いと思っていますし」。男女逆転することで書き換えた部分についてペヤンヌは「原作そのままで成立するところが多いのですが、例えば男性がわかりやすく肉欲にいっちゃうところは、女性だと逆で、簡単には接触できないと思うんですよね。もっとプラトニックなところが大きい。母性本能と恋愛感情どっちなんだろうみたいな葛藤も女性特有かなと思います」。その中でも大きく違うのはラストだが「自分の中で『落としどころはここだな』というのがすごくありました」という衝撃の終わり方だ。「女性は元気になる作品」と安藤。男性はどうかと聞いてみると、本公演に先駆け行われたリーディング公演では「『怖かった』『ホラーだった』という感想をよく聞きました。でも上演中に笑ってるのは男性ばかりでしたよ」。男女の感想の違いも興味深い作品になりそう。「女性が全員『痴人になろう』と思いながら帰ることになったらいいなって(笑)、本気で思ってます!」(安藤)という本作は、12月8日(金)から19日(火)まで東京・こまばアゴラ劇場にて上演。チケットは発売中。取材・文:中川實穗
2017年11月14日関西で産声をあげたアイドルイベント『ぴあアイドルフェスタ』の第3弾が、11月25日(土)大阪・ESAKA MUSEで開催。アイドル戦国時代を駆け巡る総勢11組が出演する。『ぴあアイドルフェスタ Ⅲ』チケット情報全国13会場を巡るツアー中のダンスボーカルユニットDEAR KISS、さらにアイドル界で屈指の人気を誇る山口活性学園が初参戦。関西からもこの夏『SUMMER SONIC』に出演したKissBeeWESTをはじめ、我儘ラキア、POPUP、Lovelysと関西実力派が勢ぞろいする。チケットは発売中。彼女たちが繰り出すエンタテインメントをぜひ体感してほしい。『ぴあアイドルフェスタ Ⅲ』発売中Pコード:346-349〈1部〉▼11月25日(土) 12:00[出演]KissBeeWEST/mm limit/ハニーゴーラン/DEAR KISS/山口活性学園/Malcolm Mask McLaren/黒★猫/ピイシーズ/POPUP〈2部〉▼11月25日(土) 17:30[出演]KissBeeWEST/mm limit/ハニーゴーラン/DEAR KISS/山口活性学園/Malcolm Mask McLaren/黒★猫/ピイシーズ/POPUP/我儘ラキア(※2部のみ)/Lovelys(※2部のみ)ESAKA MUSEオールスタンディング-3000円(整理番号付、ドリンク代別途要)※未就学児童は入場不可。[問]ESAKA MUSE■06-6387-0203
2017年11月13日ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』の初日開幕に向けて、11月12日、大阪・梅田芸術劇場メインホールでプレスコールと囲み取材が行われた。ミュージカル「スカーレット・ピンパーネル」チケット情報本作は、フランス革命直後のパリを舞台に繰り広げられるスリリングかつコミカルな痛快冒険活劇。2016年、ブロードウェイ版をもとに、ガブリエル・バリーによる潤色・演出で新バージョンが上演され、大好評を得た。今回、新進気鋭の演出家・石丸さち子演出のもと、1年ぶりに再演される。ロベスピエールを指導者とする新政府により、恐怖政治が続くパリ。イギリス貴族のパーシー・ブレイクニー(石丸幹二)率いる「ピンパーネル団」が、秘密裏に無実の人々を救出する。しかし妻・マルグリット(安蘭けい)にもその真実を知らさず、夫婦の間には深い溝が生じていた。そんな中、ピンパーネル団の素性を暴こうと執念を燃やすフランス政府特命全権大使・ショーヴラン(石井一孝)が元恋人のマルグリットに接近する…。プレスコールでは、ショーヴランがマルグリットへの思いを歌う『あの日の君はどこへ』、ピンパーネル団の勇ましい姿が印象的な『炎の中へ』、宝塚歌劇版の代表曲『ひとかけらの勇気』を書き換えた『悲惨な世界のためにリプライズ』など、本作を代表する楽曲が披露された。囲み取材では、初演から続投する石丸、安蘭、石井と、今回初出演の上原理生、泉見洋平、松下洸平が参加。石丸は「新たな気持ちで作品に向き合った結果、どんどん変わっていきました」と語り、安蘭は「今回、ショーヴランとの関係をより深めるように作りました。またピンパーネル団のメンバーが前回と全然違うので、初演でご覧いただいた方も新鮮に楽しんでいただけると思います」とコメント。初参加の上原は、ロベスピエールとパーシーの友人プリンス・オブ・ウェールズの二役で、石井から「僕の上司がものすごく怖い!(笑)」と言われる一方、「プリンス・オブ・ウェールズはとてもお気楽な人物で、楽しんでやっています」と、その演じ分けにも注目だ。本作の大きな魅力であるフランク・ワイルドホーンの楽曲については、マルグリットの弟・アルマン役の松下が「誰の耳にも心地いいメロディーで、何度も聴きたくなる曲ばかり」と語り、イギリス貴族・デュハ-スト役の泉見も「ピンパーネル団が歌う勇ましい曲やショーヴランの怪しい曲など、タイプは全然違うのに、どれも言葉がつきささるように届きます」と語った。大阪公演は11月13日(月)から15日(水)まで梅田芸術劇場メインホールにて、東京公演は11月20日(月)から12月5日(火)までTBS赤坂ACTシアターにて上演。チケット発売中。
2017年11月13日世界三大テノールのひとりとして有名なホセ・カレーラスの大阪公演「ホセ・カレーラステノール・リサイタル2017 ~スピリット・オブ・クリスマス~」が、11月21日(火)、10年ぶりにザ・シンフォニーホールにて開催される。【チケット情報はこちら】「大阪の街がとても好きです。大阪にいる時はいつもお天気が良いので、街歩きを楽しむことが多いです。お気に入りのレストランもありますし、食べ物がとても美味しい街ですよね」と、大阪公演を楽しみにしていると言う来日直前のホセ・カレーラスにインタビューを行った。まず、今回のコンサートのコンセプトについて聞くと「“スピリット・オブ・クリスマス”ということで、少し早いクリスマスを先取りするようなコンサートとして、通常リサイタルで歌う歌曲に加え、聖なる歌、クリスマスソングなどもプログラムに加えました。公演に来て下さる皆さんが、気に入って下さると嬉しいです」。選んだ曲は、「どれも私が好きな曲ばかりで、歌い続けている曲でもあります。アルバレスの『祈り』は10歳の時に教会で歌ったことがある、思い出深い曲でもあります」ザ・シンフォニーホールについては、「音の響きもすばらしいですし、パフォーマーにとって、そして観客の方にとっても、お互いを身近に感じられるファンタスティックなホールだと思います」全世界を席巻した伝説のスーパーユニット“世界三大テノール”の思い出については、「一番最初のローマのカラカラでの公演が特に思い出深いですね。ルチアーノとプラシドとの公演は、どれも特別でした。仕事上でもプライベートでも、私たちは特別な関係にあり、一緒に歌うことを楽しんでいました。3人での思い出が沢山あります」70歳になった今も精力的に世界中で活躍できる秘訣としては、「良くない物を避けること、正しい飲み物を正しい時に飲むこと、正しい食べ物を正しい時に食べること、特に公演の前にはお喋りし過ぎないこと。私たち歌手の楽器は、1インチの声帯なのです。この声帯は、あらゆる物に影響を受けてしまいます。空調、消化、空気汚染、時差など色々なものです。楽器の様に、ケースにしまうことはできず、常に我々の身体の中にあるものなので、自制とプロフェッショナルな姿勢が重要なのです。その見返りーコンペンセーションがすばらしいので、私には苦にはなりません」。ファンに対して、「大阪の観客の皆さんは大変すばらしいと思います。皆さんがとても情熱的だという印象があります。再び歌わせて頂けることを大変嬉しく光栄に思っています」と語った。ホセ・カレーラスは11月18日(土)に東京・サントリーホール大ホール、21日(火)に大阪・ザ・シンフォニーホールで来日公演を開催。東京・大阪両公演ともにチケットは発売中。
2017年11月13日日本の音楽シーンを引っ張り続ける松任谷由実と、人間国宝でもある歌舞伎俳優、五代目・坂東玉三郎の対談で話題になった「SWITCHインタビュー達人達」(NHK・Eテレ)。ふたりが初めて“共演”した番組が11月10日(金)深夜に再放送される。『朝陽の中で微笑んで』チケット情報異なる分野で活躍するふたりの“達人”が、互いにインタビュアーとゲストを「スイッチ」して語り合う番組。4年前の番組開始以来、番組がオファーを繰り返していたというふたり。今回が初対談となるが、お互いに「坂東玉三郎さんであればぜひ」「松任谷由実さんであればぜひ」と実現したのだそう。「玉三郎さんの何かまだ誰も触れたことのない部分を引きずり出せたらなと思って、意欲満々で歌舞伎座に向かいたい」と語る松任谷がインタビュアーを務める収録では、まず歌舞伎俳優としての玉三郎を「孤高の美意識の持ち主で、良い意味でみんなを寄せ付けないようなオーラがある」と評す。これに対する玉三郎の「お客様に夢のような時間というのを見ていただかなければならない、その夢を壊さないようにという気が、被害妄想的にあるんです」という言葉には松任谷も共感。「本当に華やかな舞台を大勢のお客様の前でやりながら、部屋にこもってポツンとする時がある」という玉三郎に松任谷も「選ばれし者の孤独みたいなものにちょっと酔っちゃう時もあります」と、長年第一線で活躍するふたりならではの思いも語り合った。玉三郎がインタビュアーを務める収録では、「私は意識していないんですけどね、『私自身はユーミンの奴隷なの』って言ってるんですよ」という発言も。「今、時々悲しいときもあるけど、ユーミンはどう考える?」と尋ねた玉三郎に対し「牛乳瓶に生けた1本の野の花がね、カサブランカよりも豊かかもしれないじゃないですか」「物量でお金をかけてしつらえをすごくしたということではなく、受け手のイマジネーションにどれぐらい訴えられたか、そういう魔法をかけるのが音楽の役目かなと思います」と松任谷は想いを語る。また、夫でありプロデューサーの松任谷正隆との作業について、玉三郎が「これは譲れないというところはあります?」と尋ねると「たいてい私、折れちゃいます」。「ゼロを1にした段階で、どういじられても変わらない」「歌手の場合は100%もう声で運命が決まっていると思うんですよ」と明かした。再放送は11月11日(土)午前0時(金曜深夜)、同じくNHK・Eテレにて。また松任谷由実は11月、自ら主演する舞台が控えている。作・演出を松任谷正隆が手掛ける舞台シリーズ第3弾・ユーミン×帝劇 vol.3『朝陽の中で微笑んで』で、11月27日(月)から12月20日(水)まで東京・帝国劇場にて上演。番組で興味を持った人はぜひチェックして!取材・文:中川實穗
2017年11月10日20世紀が生んだ演劇界の革命家ベルトルト・ブレヒトと作曲家クルト・ヴァイルの代表作『三文オペラ』が、谷賢一演出で、装いも新たに登場する。『三文オペラ』チケット情報泥棒マクヒィスが、乞食集団の親分と警視総監を向こうに回して大騒動を巻き起こす本作。主人公マクヒィスを演じるSOPHIA・MICHAELのヴォーカルで俳優の松岡充は「裏で通じ合い、弱みを握る人々がいるといった『三文オペラ』の社会構造は今と同じ。そんな中、民衆が一致団結して世の中を動かすんだ、というメッセージも込められている。マクヒィスが内に秘める反骨精神や、人を強く愛する気持ちの根源となるパワーを追究したい」と語る。マクヒィスの妻ポリー役には第13回全日本国民的美少女コンテストのグランプリ吉本実憂。ポリーの恋敵ルーシー役にはAKB48の峯岸みなみ。オーディションではふたりとも、演出の谷を相手に、ポリーとルーシーのバトルシーンを演じたという。「最初はよくわからずに演じていましたが、段々、ポリー同様にルーシーにイライラしてきて(笑)。最後は心から『楽しかったです』と答えることができました」と吉本は笑顔で語り、「スイッチが入るまでに時間がかかりましたが、気持ちよくて、朝からアドレナリンが出ました(笑)。『女の世界にいるのでもっと出せます』と言い切ってしまったので、しっかり演じたいです」と峯岸は表情を引き締める。それにしてもマクヒィスのモテっぷりは見事。こうした男性との恋愛について、峯岸は「本当は嫌だけれど、すごく好きな相手なら嫌いにはなれないかもしれないです。誰からも興味を持たれる男性って魅力的ですから。AKBは恋愛禁止なので、舞台上では恋愛を楽しみたいです」吉本は「浮気をしたら誰かが傷つくわけだから、自分の気持ちを押し殺して相手から離れる人のほうが、個人的には好きです。でも今回は、マクヒィスのことが好きなポリーの気持ちを稽古場で育てていきたいです」。松岡の「男性も女性も、最期に寄り添ってくれる相手を求めているのは同じ。関係性はこの作品の中では妻・愛人・もうひとりの愛人、ということになるけれど、時が違えば逆だったり別の相手だったりするかもしれない。そうしたことも、このお芝居の構図の中に表現されています」との意見には、ふたりとも大きくうなずいた。吉本も峯岸も、今作が初舞台。「何時間も本番が続くのは緊張しますが、画面の中で表現するドラマや映画と違って、端っこにいてもその役として生きたらそれが表現になるのが楽しみです」と言う吉本、「誰かの出方で空気が変わるのが舞台なので、自分も受け手だけでなく攻め手に回れるくらい、稽古に食らいついていきたいです」と言う峯岸を、松岡が「稽古期間をどれだけ遊ぶか。遊園地気分で楽しんだ者勝ちです!」と励まし、「今回は音楽監督の志磨遼平さんによってロック色が強くなるのは楽しみだし、設定も近未来の日本になるということで谷さんによる新しい『三文オペラ』が生まれると思います」と意気込んだ。1月23日(火)よりKAAT 神奈川芸術劇場 ホールにて。取材・文:高橋彩子
2017年11月10日昨年、ニューヨーク、東京、福岡で上演され、好評を博したトシ・カプチーノの自伝ソロ・ミュージカル『“Super” Late Bloomer ~大器“超”晩成~』の再演が決定。本作に懸ける想いをカプチーノに聞いた。【チケット情報はこちら】ニューヨークで舞台芸術評論家として活躍する彼がパフォーマーとして初めてソロ・ショーを行ったのは2005年のこと。「ブロードウェイで切磋琢磨するアーティストたちの姿に影響され、自分もショーを作ってみたい、ステージで歌ってみたいと思うようになった」のがきっかけだった。歌とトークでつづるショーの長さは大体90分ほど。現在はニューヨークの老舗ピアノバー、ザ・デュープレックスで定期的に公演を行うほか、日本各地を巡業している。今回再演される『“Super” Late Bloomer ~大器“超”晩成~』は、自身の波乱に満ちた半生を描いたソロ・ミュージカル。「悩みや問題を抱えている人にとって、いい方向に向かうための起爆剤になれば」と作品に込めた想いを語る。「僕は、高校時代に『スター誕生』という番組に出て夢だった歌手になったけれど、ゲイだということを表に出せず苦しかった。そのせいで歌を封印してしまったほど。でも紆余曲折を経て、今は自分に正直に生きることの素晴らしさを人一倍感じています。そのことを本作を通じて多くの人に伝えたいと思った。セクシャリティを超えてね」。使用される楽曲には、ミュージカルやシャンソン、歌謡曲などさまざまなジャンルからの名曲に加え、自ら作詞を手掛けたオリジナルソングも。中でも最愛の母への想いをつづった『ピンクのポーチ』と、みなぎるパフォーマー魂を英語とラップで表現したタイトルソングが出色だ。「脚本と音楽はミュージカルのかなめだから、本番に向けてできる限りブラッシュアップしていくつもり。あと大事なのは熱量かな。お客様を緊張させないように程よく力を抜きつつ、熱く、楽しいステージをお届けしたいですね」自称「大器“超”晩成」型のカプチーノは、地元ニューヨークでは“キャバレー・スター”としての認知度が右肩上がり。その勢いのまま、自身最大規模の会場東京・TOKYO FM ホールでのパフォーマンスに挑む。「僕のショーを観たことがない人にとっては、“トシ・カプチーノなんぼのもんじゃい”って感じでしょうね。でも、だまされたと思って観に来てほしい。“えっ、思った以上にやるじゃん!”とビックリするはずだから(笑)」。公演は2018年1月19日(金)から21日(日)まで。チケット発売中。取材・文=兵藤あおみ
2017年11月10日山中さわお(vo&g)、JIRO(b)、高橋宏貴(ds)が在籍するスーパー・バンド、THE PREDATORSが始動する。2018年1月18日(木)渋谷CLUB QUATTROから全国8か所を回るツアー「Arabian Dance Tour」がスタート、そして1月10日(水)からライブ会場と通販限定のシングル『Arabian dance』がリリースされることも決定。活動に向けた想いを3人に聞いた。【チケット情報はこちら】THE PREDATORSは、2005年にthe pillowsの山中さわおとGLAYのJIROが“ニルヴァーナのようなオルタナ・バンドを演ろう”と意気投合して結成された。初代ドラマーのナカヤマシンペイ(ストレイテナー)の脱退を受けて、ELLEGARDEN、Scars Boroughのドラマー、高橋宏貴が2010年に加入し、本体のバンド・スケジュールの隙間を縫って定期的に活動し、これまでに5枚のアルバムをリリースしている。結成10周年、2015年10月のツアーを終了してから約2年半。今回の再始動のきっかけを尋ねると、「誰が言い出したんだっけ。俺が『そろそろやる?』って言ったのかな。THE PREDATORSは続けていくこと前提でいるので、なんとなく1年半とか2年経ったら、“そろそろどうする”みたいな会話をするので」(山中)前作『ROCK’N’ROLL PANDEMIC』では、“ラモーンズのようなロックンロール、パンク・ロック”というテーマが掲げられたが、今回制作されている新曲はどんな音楽性なのだろう。表題曲『Arabian dance』を作曲したのはJIROだ。「『ROCK’N’ROLL PANDEMIC』のときから“ニルヴァーナ”っていうキーワードは無しにしてやってましたけど、僕はシンプルなロックンロールをTHE PREDATORSで追求したかったので、昔よりもさらに洗練されてきたと思うんです」(JIRO)そして前作で“自分が作った曲が初めてCDになった”と語っていた高橋は、今回のシングルでも自作曲が採用された。作曲経験の浅い彼がTHE PREDATORSで曲を生み出す過程を聞くと、「自分で作ったデモ・テープのクオリティが、たぶん俺が知ってるミュージシャンの中で一番低いので(笑)、デモのクオリティが化けていく過程は俺が一番知ってる訳じゃないですか。それがもう凄いことだなぁと思って。こんなにカッコよくなるんだって」(高橋)仲のよい3人が奏でる痛快でスリリングなロックが堪能できるステージは、活動スケジュールが限られているだけに実に貴重だ。現在、THE PREDATORSのホームページで、ツアーの2次先行を実施中。受付は11月14日(火)午後11時までなので、彼らのライブを体感できるこのチャンスを見逃すな。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2017年11月10日