チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (143/342)
2008年から開催されてきた吉本新喜劇座長・小籔千豊主宰の「音楽と笑いの融合」をテーマにしたフェスティバル『KOYABU SONIC』が、3年間の充電期間を経て今年復活する。開催10周年で8回目となる『KOYABU SONIC 2017 supported by タウンワーク』は、インテックス大阪にて11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)の3日間開催。このイベントの第5弾出演者が発表された。「KOYABU SONIC 2017」チケット情報今回発表されたのは、初日にEGO-WRAPPIN’、今別府直之、酒井藍、爆乳三姉妹。2日目にチャットモンチー(大阪支部)、今別府直之、天竺鼠、爆乳三姉妹。最終日に野宮真貴、Perfume、今別府直之、ガリットチュウ・福島、すっちー、爆乳三姉妹、吉田裕。コヤソニ初登場となるPerfumeに、常連組のEGO-WRAPPIN’、野宮真貴も決定!さらに、チャットモンチー(大阪支部)のドラムを小籔千豊が担当するという。今回もコヤソニならでの、ミュージシャン、芸人ともども、しっかり聴かせて、笑わせてくれる、錚々たる顔ぶれが発表されている。3年間のパワーを大爆発させて最高の“コヤソニ”を作り上げる。チケットは発売中。
2017年10月03日7月7日に開業した東京・オルタナティブシアターで、こけら落としからロングラン公演を続けている『アラタ~ALATA~』。本作は、海外からの観光客も楽しめるよう、極力言葉を使わず、殺陣やダンスなどのパフォーマンスで構成するノンバーバル(非言語)作品として誕生した公演だ。作を横内謙介、構成・演出を岡村俊一が手掛けるほか、サムライアクション・ディレクターを早乙女友貴、ダンスクリエイターをElina、音楽制作をMiliが担当、次代を担うメンバーが顔を揃えた。【チケット情報はこちら】開幕から約2か月半経っての想いを、構成・演出の岡村と、戦国時代の姫(千代姫)役・吉田美佳子に聞いた。2020年の東京に迷い込んだ戦国武将・アラタと偶然出会ったOL・こころが、なんとかして彼を元の時代に帰そうとするストーリー。外国人客を意識し、殺陣はもちろん神社や満員電車など“日本らしさ”を多く盛り込んだ内容は評判も上々だ。そこには外国人客ならではの見え方もあるようで「アラタは戦国武将なのですが、日本人は『戦国』という文字を見ると大体『戦国時代、信長』と考えますよね。でも外国人はそこまで日本史を認識していないので、この物語もタイムスリップと捉えず、現代の日本人が戦い始めるように感じたりするようなんです。だからこそ、あらすじとはまた別の、潜在的なストーリーを構成したことが外国の方の心に届いているなと感じます。先日、ニューヨークの方が『これを今ブロードウェイでやらない意味がわからない!』と言ってくれたりしました」(岡村)。初演から2か月半、ひとりで千代姫を演じ続けている吉田。長く演じるうちに慣れてしまったりあらぬ方向に進んだりしそうなものだが、「ストーリーや自分の役割をより意識するようになって、緻密に気持ちづくりができようになってきたんじゃないかなと感じています」と話す通り、千代姫はより雅さを増し「姫らしさが増した」という感想も届くほど。長い公演で芯をブレさせずに成長を続けられるのは、この作品がこれまでにない挑戦として生まれたことにも理由がある。「歴史に残る、例えば歌舞伎やシェイクスピア作品って、最初に世に出した人が非常に魅力的に演じたんだと思うんですよ。それを観て、人は『あれがいいんだよな』と言うわけで。残っていけるのはそういうものだと思います。だからゼロから始めるときに、“ああいうなにかをやりなさい”という考え方では被り物と同じになってしまう。それぞれの魅力的な部分、ゆっくん(早乙女)なら殺陣、Elinaならダンス、美佳子なら新鮮な輝き、その一番いい部分で演じたものじゃないと残っていけないし、長くやれないなと思ったんですよね」(岡村)。吉田が「何度観ても新しい発見があると思います。若い世代の方にもたくさん観ていただきたいです!」と語る本作は、東京・オルタナティブシアターにてロングラン上演中。取材・文:中川實穗
2017年10月03日1999年に結成、2013年から東京を拠点に活動し、オルタナティブ・ロックと叙情的な音世界を両立させてきたバンド、シュリスペイロフ。10月4日(水)に7thアルバム『聞(き)えた』をリリースする同バンドのフロントマン、宮本英一(vo、g)に話を聞いた。【チケット情報はこちら】結成以来、宮本、野口寛喜(b)、ブチョー(ds)の3人組だったが、昨年6月に長年サポートを務めてきた澁谷悠希(g)を正式メンバーに迎えた。その理由を尋ねると「それは向こうから言ってきてくれたんですよね。上京のタイミングで一緒に東京に出るから“メンバーになろうよ”って言ったんですけど、そのときは重く捉えたのかな。サポートのときから結構密に重要な部分を担ってもらってたので関係性としては変わっていない感じです」今回のアルバムはタイトルといい女の子を起用したジャケット写真といい、これまでの彼らが醸し出してきたイメージと大きく違う印象。「曲が出揃う前から“音は通り過ぎるものだから”というイメージがなんとなくあって。“消えた”と“聞こえた”というのを混ぜてみたらどうかなと。ジャケットは、次は女の子がいいなってなんとなく思ってて。あるライブハウスに務める女の子が自分のイメージに合ってた」アルバムに収められた10曲はこれまでのシュリスペイロフの魅力はそのままに、新機軸を強く感じさせる変化も。ダークで狂気的なオルタナティブ、文学や映画にも通じる牧歌的な世界、そして王道のポップソング。3つの異なる要素が曲によってそれぞれ盛り込まれていたこれまでと違って、1曲の中にもその複雑な要素が混在する境地に辿り着いた印象を受ける。歌詞もより研ぎ澄まされている。「作曲しているときに自分からもうちょっと自由になれたらいいなっていつも思ってたんですけど、今回は明確なイメージがあって。考える脳がふたつある、みたいな。Aの脳は始めからある脳で、Bは勉強して培ってきた脳で。Aから出てくる楽曲が自然な自分でBでこねくり回すとしたら、Aの脳みその方を信頼してあげられた感じですかね、今回は」そんな渾身の本作を携え、11月から12月まで名古屋、大阪、東京、札幌を回るワンマン・ツアーも決定。さらに10月4日(水)には宮本が先日まで働いていたTSUTAYA三軒茶屋店にて弾き語りイベント、10月21日(土)にタワーレコード池袋店でメンバー4人が登場するインストアイベントが開催。その他、大阪・札幌でもインストアライブの開催が決定しており、ぜひともシュリスペイロフの味わい深い音世界に触れてみて欲しい。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2017年10月03日2018年3月3日に東京・日本武道館にてライブイベント「オールナイトニッポン50周年記念 中島みゆきリスペクトライブ2018歌縁」が開催される。【チケット情報はこちら】同公演は中島みゆきの名曲を女性アーティストが歌うイベントで、2015年に東京・大阪、2017年に全国で開催された。今回はニッポン放送「オールナイトニッポン」の50周年を記念して、クミコ、研ナオコ、島津亜矢、高畑淳子、中村 中、新妻聖子、半崎美子、平原綾香の8組で行われる。なお、東京・日本武道館公演のほか、全国9か所でも開催予定。東京・日本武道館公演のチケット一般発売は10月28日(土)午前10時より。一般発売に先がけて、先行を実施中。受付は10月10日(火)午後11時59分まで。■「オールナイトニッポン50周年記念中島みゆきリスペクトライブ2018歌縁」日時:2018年3月3日(土)午後15:00 / 開演16:00会場:日本武道館(東京都)出演:クミコ / 研ナオコ / 島津亜矢 / 高畑淳子 / 中村 中 / 新妻聖子 / 半崎美子 / 平原綾香(表記:五十音順)※「半崎美子」の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記料金:全席指定8,800円(税込)※未就学児のご入場はできません。※本公演に中島みゆき本人の出演はございません
2017年10月02日ミュージカル「HEADS UP!」の製作発表及びミニライブが9月26日、東京都内にて行われた。ミュージカル「HEADS UP!」チケット情報本作は、ラサール石井が構想を10年温めていたという、舞台のスタッフに焦点を当てた、日本発オリジナルのバックステージミュージカル。舞台の仕込みからバラしまで全てを見せるという構成は「バラしまで見せると物悲しい展開になるのでは」と、脚本家・倉持裕に懸念を抱かれながらも、最終的にはすごく希望のある展開の作品に。大反響を呼び、第23回読売演劇大賞演出家部門優秀賞を受賞している。2年ぶりの待望の再演ということで、今回のイベントには、ほぼ全キャスト及びクリエイターが参加。最初のミニライブでは、「劇場で起こること」「HEADS UP」「チケットは売れている」「古い劇場」の4曲をスペシャルメドレー形式で披露。舞台への期待を盛り上げた。初演から2年経つが「毎日のLINEが絶えない」(芋洗坂係長)というほどに仲の良いカンパニー。今回から参加という池田純矢とオレノグラフィティ、外岡えりからは「皆さんと一緒に並んでいることが夢のようで、愛がすごく詰まった作品なので、その作品の一員として必死に食らいついていきたい」(外岡)と身を引き締めた。2年前の初演が初ミュージカルだったという哀川翔は、本作にかける思いもひとしお。「ここ(製作発表会場)にいらっしゃる方にも是非見てもらいたい」と作品をアピール。中川晃教や橋本じゅん、今拓哉らは、本作の可能性について述べる場面も。「こういうオリジナルのミュージカルが、日本から生まれるというドキドキワクワクを体験できたということが、自分にとっての何よりの財産でした」と中川が述べると、橋本、今らも「この作品が今後のスタンダードとなってほしい」(今)と続いた。原案・作詞・演出を手がけるラサールは、「初演を見ていただいた方にも『ああ、これこれ!』と喜んでいただけるようにしたいので、ものすごく変えるつもりはないが、お客様にわからないくらいのところを“実は良くなっている”という風にブラッシュアップをしていきたい」と再演に向けて意気込んだ。「見ていただいたお客様にも、必ず帰りには一緒に歌っていただけるようなナンバーが沢山ある」(大空ゆうひ)という本作は、12月14日(木)から12月17日(日)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールにて上演。その後、富山、長野、大阪、名古屋を巡演後、2018年3月2日(金)から3月12日(月)まで東京・赤坂ACTシアターにて上演予定。チケットの一般発売は9月30日(土)午前10時より(大阪公演のみ11月18日(土)午前10時より)。
2017年09月29日芝居にダンスコンサートにと精力的に活動を続けている水夏希。彼女が2年前に出演した朗読劇が、同じ石丸さち子の脚本・演出によって、今度はストレートプレイとしてよみがえる。今もアルゼンチンの国民に愛され続けているエバ・ペロン(エビータ)の波乱の人生を、タンゴの生演奏に乗せて描く意欲作。「人生は車輪みたいなものよ。上になる時があれば、下になることもある」というエバの言葉も印象的な本作について、稽古中だった水に聞いた。舞台『ラストダンス-ブエノスアイレスで。聖女と呼ばれた悪女エビータの物語』チケット情報バンドネオンの演奏が流れる、とある酒場。泥酔した政治家アロンソ(福井貴一)の目に、死んだはずのエビータ(水)と彼女の兄ファンシート(伊万里有)の姿が浮かび上がる。エビータは、女優を夢見て田舎町からブエノスアイレスにたどりついた少女時代から、より大きな夢を追い求めるうちに大統領夫人となっていたことなど、33年の短い人生を語り始める。ファーストレディの枠を超えた行動に眉をひそめる者が多かった一方、 “エビータ”という存在を支えていたのはデスカミサドス、つまり労働者たちだった。影のように彼女にまとわりつく“デスカミサドス”(SHUN/大村俊介)を傍らに、エビータは愛を求め続けた人生について振り返る。台本は、蜷川幸雄のもとで研鑽を積み、近年演出家としてひっぱりだこの石丸さち子によるオリジナル脚本。美しく硬質な文体が印象的だが、エビータのセリフは膨大だ。「石丸さんの選び抜かれた言葉は、一つひとつをどう言うかで芝居が変わってきますし、その背景にきちんと意味を持たせるには、やっぱり自分自身の人生とひもづけていくことが必要になる。たった3行のセリフに何時間も稽古の時間を割いていて……まぁ大変です(笑)」と語った水。一方で「エビータの人生を表す演者の共通認識として、“絶望”というのがあるんです。ただそれは真っ暗な“絶望”ではなくて、まぶしくて目がくらむほどの“絶望”だったんじゃないかと。そのイメージを手がかりに稽古を進めています」と、役への手応えを感じている様子だ。穏やかな表情でインタビューに答える水と、いまだ毀誉褒貶が相半ばするエビータ。「私はいたって普通の人間なので、確かにエビータをそのままなぞることは難しいですね(笑)。ただ彼女のエゴイスティックに見える部分は、コンプレックスを抱いているから上を目指して努力する、そんなところから始まっているように思えます。それは確かに私の中にもあるし、もしかしたら誰でも覚えのあるものなのかもしれないですよね」と水は言う。「だからこそ、いろんな人に観てもらいたい」と充実の表情を浮かべる水。新たな“エビータ”が息づく舞台を、ぜひ劇場で目撃したい。本公演は9月28日(木)から10月9日(月・祝)まで、東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて上演中。取材・文佐藤さくら
2017年09月29日PARCO&CUBE 20th present『人間風車』が9月28日に開幕。それに先駆け公開ゲネプロと会見が行われ、会見には出演者の成河、ミムラ、加藤諒、矢崎広、松田凌、良知真次が登壇した。舞台『人間風車』チケット情報本作は、後藤ひろひとによって1997年に劇団「遊気舎」に書き下ろされ、2000年にパルコ版初演、2003年に再演された童話ホラー演劇。今回が14年ぶりの新版上演となり、後藤が脚本を改訂、演出を河原雅彦が手掛ける。会見で、主演の成河は「普遍的なテーマを持つ作品ですが、“現代劇”として14年のブランクをどう埋めるか、ということをずっと後藤ひろひとさんも含めて、改訂し、稽古してきました。そのうえで僕たちが思うのは、今の僕たちにとって嘘がないことが、今生きているお客さんにとって嘘がないということで。そうすればこの作品の普遍的な本質の部分に近付いていけるんじゃないかと思います」と今回の上演について語る。舞台は2作目となるミムラは「舞台は同じことを何回もできる楽しさがあります」と笑顔。稽古によって「体脂肪が5パーセント落ちて、5キロ体重が増えました!身体を使っていろいろできるのが非常に楽しいです」と全身で作品に挑んでいる様子。物語のキーとなるサムを演じる加藤は「僕は(成河演じる)平川さんが話す童話を聞くと、その主人公になるという役なんです。なので6役くらいあるのですが、それをどう演じ分けるか、どうやったらできるのか、ということを成河さんにも相談に乗っていただきました」と振り返った。矢崎が「この作品では僕も松田くんも良知くんも“若手”になるんですけど、河原さんの演出も先輩方の芝居も本当に勉強になって。若手にとってはこんな幸せな現場はない」と話すと、松田や良知も同じように感じていた様子。松田は「僕にとって刺激的な現場でした」、良知も「成河さんにずっと支えてもらいました。舞台上でお返しできるようにがんばります」と語った。売れない童話作家(成河)が公園で子供たちに聞かせる童話が軸となる本作。大きな回り舞台や童話の衣装など華やかな見所がありつつも、それ以上に印象的だったのは“想像の世界”。作家の語り口調、それに対する子供たちやサムの反応により、童話の描く世界が目に見えている以上の鮮やかさで飛び込んでくるのだ。その一方で、現実世界でみせる登場人物たちのリアルな感情や表情も強く心に残るもので、だからこそ、そのふたつの世界がみせる結末は強烈だ。成河が「演劇的な仕掛けが豊かで、劇場でこそ味わってほしい演劇の醍醐味が詰まってる作品です」と語る本作は、10月9日(月・祝)まで東京芸術劇場プレイハウスで上演後、高知、福岡、大阪、新潟、長野、仙台を巡演。撮影・取材・文:中川實穗
2017年09月29日ミュージカル『パジャマゲーム』が9月25日に東京・日本青年館ホールで開幕した。1954年ブロードウェイで初演、60年以上の歴史を持つ作品だが、『タイタニック』『グランドホテル』も好評だった英国の若き演出家トム・サザーランドの手で、瑞々しくキュートなミュージカルが誕生した。主演は元宝塚星組トップスター北翔海莉。舞台は1954年のアメリカのパジャマ工場。労働者たちは労働組合を作り、時給7セント半の賃上げを求め奮闘中。そんな中、組合の中心的存在であるベイブと、新しくやってきたイケメン工場長シドが恋に落ちる。しかし賃上げをめぐり対立する立場のふたり、惹かれあっているのに、当然その恋はすんなりといくわけもない……。登場するアイテムや設定に多少のレトロ感はあるものの、物語を貫くのは“仕事と恋”。時代も国も超えた普遍的なテーマだ。それを鬼才トムと、個性豊かな俳優たちがイキイキと描き出し、気付けば「オトナの恋って、ままならないよなぁ!」と、登場人物たちに感情移入をしてしまう。感じるのは古臭さではなく、恋にまつわる喜びと悩みという瑞々しい感情だ。北翔は本作が宝塚退団後、初のミュージカル出演。本格的な女性役は初挑戦だが、ベイブのキャリアウーマンとしての凛々しさ、自分の恋心に戸惑う可愛らしさをナチュラルに演じている。宝塚時代から歌唱力もダンスも秀でている彼女、本作でもその魅力を存分に発揮し、今後のミュージカル界での活躍にも大きな期待を抱かせる女優デビューとなった。相手役となるシドは新納慎也。工場長という立場ゆえのお堅さだけではなく、この人らしいユーモアもあり、こちらも魅力的だ。またこのふたり、スタイルが抜群で、並んで立つだけでも華やか。息の合った掛け合いに加え見た目も良いコンビっぷり。ほか、美人秘書グラディス役の大塚千弘のコケティッシュさ、登場するたびに笑いをさらうプレッツ役の上口耕平、シドの右腕チャーリーを演じる広瀬友祐の切なさ、歌にダンスに大忙しのハインズ役・栗原英雄のコミカルさ、誰を見ても面白く、それぞれのキャラクターごとの物語が伝わってくる。そして忘れてはならないのが、ダンスだ。オープニングからダンスの嵐! ロマンチックなものから可愛らしいもの、スタイリッシュなフォッシー・スタイルの踊りまで、多彩なダンスが次々と登場。ブロードウェイのオリジナル版は『シカゴ』『キャバレー』等を手がけた伝説の振付家ボブ・フォッシーのデビュー作としても知られ、劇中ナンバー『スチーム・ヒート』は特に有名だが、今回もこのシーンは必見。また1幕終盤のピクニックシーンは、小道具も駆使しての様々なスタイルのアクロバットダンスが飛び出す圧巻の大ダンスナンバー。舞台狭しと出演者たちが踊り、隅から隅まで楽しいので、一瞬たりともお見逃しなく。公演は10月15日(日)まで同劇場にて、10月19日(木)から29日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。チケットは発売中。
2017年09月29日NHK朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』小橋鞠子役も記憶に新しい注目の若手女優、相楽樹。2018年は江戸川乱歩と三島由紀夫、ふたりの文豪が手掛けた名作『黒蜥蜴』でスタートを切る。演出は三島作品を敬愛する英国人演出家、デヴィッド・ルヴォー。美貌の女盗賊・黒蜥蜴を中谷美紀、好敵手にして運命の恋人、探偵の明智小五郎を井上芳雄が演じる究極のエンターテインメント作品だ。本作で相楽は、黒蜥蜴の標的となった宝石商・岩瀬の娘、早苗を演じる。「物語の鍵を握る大事な役」と意気込んでいる。「黒蜥蜴」チケット情報出演が決まる直前、偶然にも美輪明宏が手掛けた同戯曲の舞台『黒蜥蜴』を観劇していたという。「不思議な巡り合わせを感じました。早苗はお金持ちで育ちがいい本物のお嬢さん。じつは物語の後半で明かされる、ちょっとした秘密がある役です」。今回の脚本では緑川夫人(黒蜥蜴)と早苗との掛け合いが多く、美輪の舞台よりも早苗の存在が増した印象だと話す。「演出のルヴォーさんがどこまで早苗の役割を私に任せてくれるかによりますが、最後には『早苗って、実はこうだったの!?』となると思います」。また、セット案についてルヴォーは古き良き時代のハリウッドの撮影スタジオを構想しているとか。「今は生バンドの演奏も想定中と仰っていました。そこに中谷美紀さん、井上芳雄さんの芝居が加わったら相当すごい舞台になるんじゃないかなと。美輪さんの舞台ではゴージャスさに目を奪われたので、ルヴォーさんがセットを含めどう演出されるのか楽しみです」主演の中谷美紀の印象は「唯一無二の魅力があり、女性としても憧れの存在です。中谷さんとご一緒するシーンでは圧倒されることなく、負けずに舞台に立っていなくては」と気合い十分。井上芳雄は舞台『陥没』での演技が衝撃的だったという。「コメディ要素もある役柄で、歌だけじゃなくストレートプレイでもこんなに表情豊かで振り幅のある方なんだと知って、なおさら緊張してきました(笑)」。最後に「同世代にも楽しんで欲しい」と、本作の見所について語ってくれた。「緑川夫人と明智小五郎の恋愛は、物凄く情熱がある。誰かを愛することは年齢に関係なく誰にでも共通することですし、男性は中谷美紀さんの妖艶さにクラクラし、女性は井上芳雄さんのカッコよさにメロメロになると思います。ここまで大きな劇場で古典の名作を演じることは、私にとって初めての挑戦なので、みなさんも一緒に作品世界にどっぷりと浸り、早苗がどういう方法で“いなくなった”のか、推理しながら楽しんで頂ければと思います」。『黒蜥蜴』は2018年1月9日(火)から28日(日)まで東京・日生劇場、2月1日(木)から5日(月)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。一般発売日は9月30日(土)10:00より。一般発売に先駆け、9月28日(木)23:59まで東京公演の2次プリセールを、9月29日(金)9:30まで大阪公演の一般発売直前プリセールを受付中。取材・文:石橋法子
2017年09月28日10月1日(日)から31日(火)、大阪府内で様々なジャンルのイベントが行われる『大阪文化芸術フェス2017』。この1ヵ月間は、歌舞伎、能、落語、コンサート、レビューショー、アートなど上方を代表する舞台芸術が楽しめる。9月26日には大阪市内で概要記者会見が行われ、大阪府知事、落語家の桂文枝、浪曲師の春野恵子らが登壇した。「大阪文化芸術フェス2017」関連イベントチケット情報10月21日(土)に岸和田市立浪切ホール大ホールで開かれる『上方落語とお能を楽しむ会』に出演する桂文枝は、「このフェスが今後、10回、20回と続くよう、よろしくお願いします。各ジャンルの優秀な皆さんがいらっしゃるので、皆さんとできることを楽しみにしています。私は今回、お能とコラボさせていただきますけれど、できればOSK日本歌劇団の皆さんともご一緒したいですね」と未来を見据えて意欲を示した。10月28日(土)に桂かい枝と大槻能楽堂で英語寄席『KOTENGLISH!!』を上演する浪曲師の春野恵子は、「日本の方にも楽しんでいただけるように、なるべく平易な英語を使いましたので、英語の勉強を兼ねてご来場くださってもいいかもしれません。外国の方と一緒に楽しんでいただきたいと思います」とアピール。文枝に促され英語浪曲の一節を披露し、会場を盛り上げた。ほかに、劇団そとばこまち、OSK日本歌劇団、能勢浄瑠璃の鹿角座、漫才コンビの吉田たち、NMB48の城恵理子と内木志、FM802のDJ、落合健太郎が開催に向けて意気込みを語った。「10月は、大阪に訪れていただいている大勢のお客様に、大阪のありとあらゆる文化をお届けしたい」と府知事。続けて「『大阪文化芸術フェス2017』は、多くの皆さんに芸を披露していただき、お客様に楽しんでいただく場となります。ぜひ世界中から訪れていただいて、大阪のおもてなし、ホスピタリティを全身で感じていただきたいと思います」といざなった。会見の後に行われた囲み取材で府知事は、その場で文枝に『大阪いらっしゃい大使』を打診。文枝も「大阪の繁栄を祈って、引き受けさせていただきます!」と快諾した。関西を代表する一流のパフォーマンスを堪能できる1ヵ月が、間もなく始まる。『大阪文化芸術フェス』各公演の日程、詳細は「大阪文化芸術フェス2017」公式ホームページにて。
2017年09月28日今秋、2014年に上演、大好評を博したブロードウェイ・ミュージカル『アダムス・ファミリー』が再演される。橋本さとし、真琴つばさ、昆夏美、今井清隆ら続投キャストに加え、壮一帆、村井良大、樹里咲穂、戸井勝海、梅沢昌代らが新たに参加。パワーを増したステージを見せてくれるに違いない。中でも、ルーカスを演じる村井は前回に引き続き演出を担当する白井晃の作品に出演することを熱望していたと語る。【チケット情報はこちら】「白井さんの演出は、稲垣吾郎さん主演『No.9―不滅の戦慄―』が印象的でした。映画の1シーンのような雑踏の表現が素敵で。プレイヤーとしては、『趣味の部屋』が僕のベスト・オブ・ベスト。白井さんのコミカルでミステリアス、的確な芝居が勉強になりました。だから今回のお話は“ようやく来た!”。がんばってくらいついていきたいですね」ルーカスはアダムス家の長女・ウェンズデーのボーイフレンド。両親と共にアダムス家を訪ねるが、お化けである彼らの言動に翻弄され、ウェンズデーとの恋も暗雲がたちこめる。「とてもかわいらしい話なんですよね。爽快な音楽で、思わず楽しくなっちゃうナンバーも多い。でもすごく切なくてやるせなかったり、お化けと人間のギャップがシュールでおかしかったり。心に響く言葉も多くて、ぜひ家族やカップルで観てほしい作品です」ルーカスとウェンズデーのピュアな恋心も、ときめきと笑いが交錯する。「ふたりのかけ合いは、すごく変(笑)。ウェンズデーは人間の感覚からは相当ズレているし、ルーカスも“作家か検死官になりたい”っていうセンスの持ち主だし。第1幕ではウェンズデーに対してまっすぐで、男の子らしいところも見せるルーカスですけど、第2幕で少し雰囲気が変わる。そこからが、いかにもアメリカンで“楽しんだ者勝ち” なおもしろい展開なんですよ(笑)。これはぜひ、劇場で楽しんでいただきたいです」『アダムス・ファミリー』はチャールズ・アダムスが雑誌『ニューヨーカー』に発表した1コマ漫画を原作にTVドラマやアニメが作られ、1991年に製作された映画も大ヒット。日本でも映画に加えて車のCMに起用され、ゴシックかつポップなキャラクターとテーマ曲が子どもから大人まで幅広く知られるようになった作品。それがどのようにミュージカルとして調理されているのか、確かめたい人はぜひ劇場まで。公演は10月28日(土)から11月12日(日)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉にて上演。10月1日(日)にはMARK IS みなとみらいにて制作発表&楽曲披露イベントの開催も決定。チケット発売中。取材・文:金井まゆみ
2017年09月28日『土佐堀川近代ニッポンーー女性を花咲かせた女広岡浅子の生涯』が10月4日(水)、東京・日比谷シアタークリエにて開幕する。NHK連続テレビ小説『あさが来た』の原案となった「小説 土佐堀川」(作・古川智映子)を舞台化した作品である。江戸時代末期、京都の豪商・三井家に生まれた広岡浅子は、大阪の両替商に嫁いで商才を発揮する。家業の再興のために炭鉱経営を始め、銀行を設立し、日本初の女子大を開校させ、生命保険会社を起こすなど、数々の事業を“九転十起”の精神で押し進めた実業家だ。苦悩しながらもたくましく歩んだ女傑の人生を描いた舞台、その主演に高畑淳子が挑むこととなった。初日を間近に控えた某日、高畑とは『ええから加減』(2012、2013年)、『雪まろげ』(2016年)に続く共同作業となる演出家、田村孝裕が指揮をとる稽古場を訪れた。【チケット情報はこちら】浴衣姿でスタンバイするキャスト陣の中に、高畑の姿を発見。その浴衣の両袖には手ぬぐいが付けられて、高畑が歩くたびにヒラヒラと揺れている。どうやら振り袖のつもりらしい。和服で大股歩きをして“振り袖狂人”と噂される、そんな威勢のいい18歳の浅子から物語は始まるのだ。「出だしからの活気とテンポ感、そして空気が変わっていく時の緊張感を大事にやっていきましょう」。田村のこの言葉で、通し稽古がスタートした。大阪の街を想起させるにぎやかな効果音と、心を沸き立たせるジャジーな音楽に乗って、個性豊かなキャラクターが次々に登場する。商売には関心を持たず、趣味の稽古事にいそしむ夫・広岡信五郎(赤井英和)、浅子の忠義な腰元・小藤(南野陽子)、両替商加島屋の主人・広岡正饒(小松政夫)、正饒の次男・正秋(田山涼成)など。田村の狙いどおり、軽快なテンポで人々が現れるたびに、稽古場の空気が西の地の朗らかな熱気に変わっていく。満を持して、袖を振り回して闊歩する浅子が登場すると、ひときわ華やかな笑い声が沸き起こった。若い浅子がどんどん商売にのめり込んでいく、疾走感のある展開が小気味良い。はつらつと飛び回る高畑と、のほほんと構える赤井の組み合わせの妙。そして要所に独自の芸を挿し込んでくる小松の怪演に、抱腹せずにはいられない。女だてらに乗り込んだ炭鉱で、浅子は飯場主・熊田(芋洗坂係長)や坑夫たちと衝突する。ピストルを構えて、商いへの覚悟を見せる浅子。熊田たちはその心意気に打たれて協力的になるが、次には炭鉱の爆発事故が起こり…。まさに転んでは起き上がる、その繰り返しである。坑夫の家族に謝罪するシーンでは、高畑の全身全霊の叫びが胸を突く。そんな豪傑ぶりから一転、崇拝する五代友厚(葛山信吾)との対面シーンでは、乙女の眼差しを向ける浅子・高畑のしおらしい表情がなんとも微笑ましく、頬が緩んだ。濃厚エピソードの連続である第一幕ですでに圧倒されたが、この先にはさらに笑いと涙を誘う展開が待ち構えている。ひとりの女性の生きざまが伝える不屈の精神、その真の勇気をぜひ劇場で受けとめたい。東京公演は10月28日(土)まで。その後各地を周る。チケットは発売中。取材・文上野紀子
2017年09月27日屋良朝幸主演のオリジナル・ミュージカル「THE CIRCUS!-エピソード1-」が9月24日に開幕。それに先駆け同日に公開舞台稽古が行われた。ミュージカル『THE CIRCUS! ―EPISODE 1 The Core―』チケット情報本作は、世界を股にかける人気サーカス団を仮の姿にした大統領直属のスペシャルエージェント6人組「ミラージュ」が世界の危機を救う、痛快冒険活劇シリーズ『THE CIRCUS!』第2弾。昨年5月に上演されたミラージュが誕生するまでを描いたスピンオフ【エピソード0】に続く【エピソード1】として今作から本格的に物語が動き始める。構成・演出・振付は前作に引き続き、安室奈美恵やSMAP、AKB48など数多くのアーティストの振付や、舞台「タンブリング」、ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」などの演出・振付を手掛けるTETSUHARU。メインキャストには、前作から出演する屋良、植原卓也、矢田悠祐、蒼乃夕妃、高橋駿一(PADMA)、菜々香に加え、今作から青柳塁斗、田野優花(AKB48)、三井理陽、そして石坂 勇(THE CONVOY)と、歌やダンスで突出した才能を持つメンバーがズラリと顔を揃えた。さらに前作に出演した平方元基、越岡裕貴(ふぉ~ゆ~)も映像出演し、ステージを盛り上げる。アメコミの世界から飛び出したようなポップな世界観が魅力の本作。オープニングから派手なダンスと歌で一気に引き込んだかと思えば、次から次へと息もつかせぬ展開で、色とりどりの世界を広げていく。主人公グループ・ミラージュのメンバー(屋良・青柳・蒼乃・矢田・高橋・菜々香)を中心に、キャスト達のパフォーマンス能力の高さ故の濃厚なステージはインパクト抜群。バトルシーンから飲み屋でのシーンまでそれぞれ全くテイストの違うダンスや歌が披露されるほか、ちょっとした動作にも通常では考えられないような動きが取り入れられるなど、TETSUHARUならではの演出で展開していく。中でも屋良の重力を感じさせないダンスや伸びやかな歌唱は印象的で、主人公としての存在感を見せつけた。一人ひとりのキャラクターが際立っているため登場人物が多くても混乱することはなく、これまでのおさらいもしてくれるため、前作を見逃した人も安心して観ることができる。さらに、よく見ると衣装にそのキャラクターの設定がハッキリと刻印されている(!)など、あちこちに遊び心が散りばめられており、観れば観るほど楽しめそうだ。東京公演は10月15日(日)まで東京・よみうり大手町ホールにて上演。その後、愛知、大阪、福岡を巡演する。取材・文:中川實穗
2017年09月27日2014年に帝劇で世界初演を迎え、美しく壮大な世界観と物語が絶賛を浴びた歴史ロマンミュージカル『レディ・ベス』。英国女王として45年間、君臨したエリザベス1世の若き日を描いた本作は、16世紀のイギリス、激動の時代の中で揺れ動く彼女の苦難、淡い恋、そしてひとりの女性として生きる道を描いた大作だ。この秋には待望の再演が決定し、最強のクリエイター陣とキャストは初演からほぼ続投。少女のベスが恋心を抱く相手、吟遊詩人・ロビンを演じる加藤和樹もそのひとりだ。ミュージカル「レディ・ベス」チケット情報ベス役は花總まりと平野綾のWキャスト。「花總さんは、戴冠式を経た後に表れる女王の風格に“ああ、ベスだな”って思いましたね。でも、それまではすごくキュートで“なんかずるいなぁ”って(笑)。平野さんは、時々ワガママでぶっきらぼう、ロビンに対する姿が“ツンデレ”なところがかわいいです」とそれぞれの魅力を語る。ロビン役も山崎育三郎とのWキャスト。演じる人間が変われば作品の世界観もおのずと変化する。その違いを楽しめるのも本作の見どころだ。初演で印象に残ったシーンを尋ねると、ラストシーンで自身と役の感情がぴたりと重なり、無意識のうちに感情がこみ上げたことがあったと振り返った。「最後に、山口祐一郎さん演じるアスカムとふたりでいるシーンで、山口さんの手が僕の肩に乗る場面があって。いつもならふわっとした感覚なのですが、ある日の公演だけぐっと力が込められていて。その手が“ロビンはベスにとって意味のある存在だったんだ”と語ってくれていて、もう感情が溢れてダメでした…(笑)。あのときほど自分の感情に素直になったお芝居はなかったです」。再演ではどんな感情が込み上げるのか、同じキャストでも日によって異なるだけに、幕が開けてみないと分からないと話す。「ベスは、女王の星の下に生まれて、そのことを受け入れていかなければならないという使命感があります。だからこそ、ひとりの女性としての幸せを前に揺れ動く姿がとても人間らしくて素敵で。ベスは自分の運命をちゃんと受け入れていく強い女性の象徴だと思うので、初めて観る方はそんな姿を見てほしいです。初演をご覧になった方は、別の作品を観るぐらいの気持ちで劇場に来てください。僕たちも同じものを作ろうとは思っていません。“生まれ変わった”というくらいの気持ちで作って、舞台に立つつもりです」と意気込む。10月8日(日)から11月18日(土)まで東京・帝国劇場、11月28日(火)から12月10日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは発売中。
2017年09月27日2018年2月、振付家ジョン・ノイマイヤーが芸術監督を務めるハンブルク・バレエ団が日本公演を行う。2016年春、7年ぶりに実現した日本公演は独特の熱気に包まれ、ノイマイヤー作品、またこのカンパニーの根強い人気を印象づけたが、彼らの代表作を携えての今回の来日は、その興奮を再びもたらすものと期待される。ハンブルク・バレエ団 チケット情報上演作品のひとつ、『椿姫』はパリ・オペラ座バレエ団による上演でも知られ、もっとも有名なノイマイヤー作品といってもいいかもしれない。ヴェルディのオペラ『椿姫』と同じく原作はデュマ・フィス。パリの高級娼婦と純粋な青年の悲恋を描いた傑作だが、ノイマイヤー版は全編ショパンの音楽を用い、原作の世界をより細やかに表現、物語バレエの最高傑作と賞賛されている。あらためて、ノイマイヤーのもとで切磋琢磨を続けるダンサーたちの演技で観たい作品だ。もうひとつは、伝説的ダンサー、ヴァスラフ・ニジンスキー(1890~1950年)の半生を描いた『ニジンスキー』。ウクライナに生まれ、ダンサーとして才能を開花、ディアギレフのバレエ・リュスに参加し、舞踊史に輝かしい足跡を残しながら、不遇のなかで生涯を終えた彼の数奇な運命を描いたバレエだ。作中には彼が演じた傑作の役柄が次々と登場、そこに立ち現れる、美しくも切ない天才ダンサーの姿が大きな感動を呼ぶことだろう。ガラ公演〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉も見逃せない。前回の日本公演で初演され、その2日目には当日券売り場に長蛇の列ができたという、予想を遥かに超えた反響と感動が思い出される。ノイマイヤーの数々の傑作からの単なる名場面集にとどまらない、その作品世界の多彩な魅力を一夜にして体験できる、圧巻のスペクタクルである。これを踊るカンパニーのダンサーたちも、その実力は世界最高峰と評されるが、そこでの日本人団員の活躍も注目だ。2012年、ローザンヌ国際バレエコンクールで第1位入賞を果たして話題となった菅井円加は、現在このハンブルク・バレエ団でプロとして活躍、今回初めて『椿姫』への出演が決まり、ヒロインの友人プリュダンスという大役を任される。「一番好きな作品で、いつか関わりたいと思っていた」とインタビューに応えた菅井。「『ニジンスキー』にも何度か出演していますが、ラストシーンでのニジンスキーの狂気は、自分も出演していることを忘れてしまうほどの迫力」とダンサーの素晴らしさを強調、「両作品ともぜひ、キャスト違いもご覧になって、それぞれの魅力を味わっていただきたいです」と訴えている。公演は2018年2月2日(金)から2月12日(月・祝)まで、東京文化会館にて。チケットはチケットぴあにて9月29日(金)より先行発売。取材・文:加藤智子
2017年09月27日カバーアルバム「Vocalo Piano ~marasy vocaloid songs cover on piano~」をリリースしたピアニスト、まらしぃが2017秋全国12箇所ライブツアー「marasy piano live tour 2017」を開催。22日に初日を迎えた今の思いを伺った。まらしぃ チケット情報新作アルバムは、『千本桜』をはじめボカロソングの人気楽曲から16作品を収録。それらを選んだ思いを明かす。「元々ボーカロイドの楽曲が大好きで以前にもピアノアレンジカバーを出させていただきましたが、今回のアルバムは5年ぶりで、『初音ミク』さんが10周年ということもあり、特に気持ちをこめて演奏しました。なかでも『僕が大好きで、本当に弾きたい曲』を選ばせていただけることになり、ご縁のあった特別な楽曲、ずっと演奏したかった楽曲についてずっと考えていました。収録したい曲が多くて悩みましたが、それは贅沢な時間であり幸せでした」すべての曲をグランドピアノ(スタインウェイフルコンサート)で生レコーディングしたとのこと。「どの楽曲も素晴らしく皆さんから支持されている曲ばかりですが、ピアノで演奏するとメロディがやはりとても素敵だなと改めて感じました。スタインウェイのピアノで思いっきり演奏できて、とても気持ちよかったです」そんな自身にとってのピアノとは?「昔、習っていたのですが嫌になってしまってやめてしまったことがあります。でもこうしてまた演奏させてもらっていて、やっぱり好きなんだなと思います」今回のツアーではこれらの楽曲も演奏する。改めて意気込みを伺った。「前回のツアーはとても楽しく素敵な時間でした。今回もそれ以上のステージにできるよう、気合い十分です。今年リリースさせていただいた『PiaNoFace』やリリース予定の『Vocalo Piano』からも演奏したいなと思っていて、もちろん僕の大好きな曲をお届けするコーナーもありますよ。ゆるく楽しい感じのライブですので、あまり構えずに遊びに来てもらえると嬉しいです」ライブならではの醍醐味を語る。「皆さんの反応がダイレクトに伝わるのでとても面白いです。手拍子をしてもらったり、お話に合いの手を入れてもらったりすることも大歓迎です。セットだったりピアノだったり、僕がやりたいことを色々実現してもらえましたので楽しみにしていてください。足を運んで頂けることが本当に嬉しいですし、幸せです。僕にとっても皆さんにとっても幸せな時間になりますように頑張ります!」演奏すること、楽曲、ピアノ、そしてなにより観客への愛にあふれた、まらしぃの全国12箇所ライブツアー「marasy piano live tour 2017」は9月23日の新潟公演を皮切りに、10月7日(土)には、静岡・静岡市民文化会館 中ホールでの公演も。11月5日(日) 東京・昭和女子大学 人見記念講堂まで。取材・文/おーちようこ
2017年09月27日宝塚歌劇雪組公演『ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』/『SUPER VOYAGER! ―希望の海へ―』の制作発表会が9月22日に都内にて開催された。この公演は雪組新トップスター・望海風斗(のぞみ ふうと)と、新トップ娘役・真彩希帆(まあや きほ)のお披露目公演。『ひかりふる路』は、『ジキル&ハイド』『スカーレット ピンパーネル』等で知られるブロードウェイの作曲家、フランク・ワイルドホーンが全曲を書き下ろす。【チケット情報はこちら】抜群の歌唱力を持つ実力派コンビの船出に、最高のプレゼントだ。世界で活躍するワイルドホーンが宝塚に楽曲提供するのは、2006年の『NEVER SAY GOODBYE』以来11年ぶり。この日の会見では望海と真彩が、氏のピアノ演奏をバックに劇中歌を2曲披露。「ワイルドホーンさんに全曲作曲していただけると訊いて、こんな夢のようなことがあっていいのかなと思いました。本日、生演奏で歌わせていただいて、本当に幸せな気持ち。(この日は2曲のみだったが)これが全編になったらどんなことになるんだろうと自分自身、ワクワクしています」と望海は喜びを語る。真彩も「私の大好きなワイルドホーンさんの曲を、大好きな望海さんが歌われるのかと思っただけで、すごく幸せな気持ちになりました。(この日披露した)デュエットの曲も、メロディを聴くだけで涙が出てくるような素晴らしい曲」と感想を。またワイルドホーンはふたりについて「望海さんと真彩さんは素晴らしい音楽家。そしてとてもソウルフル。それは自分にとってとても大切なことなので、一緒に作り上げることをとても楽しみにしています」と話した。『ひかりふる路』は生田大和、『SUPER VOYAGER!』は野口幸作、ともにこれからの歌劇団を担う若い演出家が担当する。生田は「雪組の新しいスタートを切る作品であり、11年ぶりにフランクさんに全楽曲を書いていただく。特別な公演になる」と力を込め、野口は「“望”海風斗と真彩“希”帆、“希望”コンビの誕生と新生雪組の船出を盛大に祝福する、爽やかで絢爛豪華なレビュー作品です。これぞ宝塚という直球の作品にします」と熱く語った。公演は11月10日(金)から12月15日(金)まで兵庫・宝塚大劇場、2018年1月2日(火)から2月11日(日)まで東京宝塚劇場にて上演される。チケットは兵庫公演が10月7日(土)午前10時より、東京公演が11月26日(日)午前10時より一般発売開始。
2017年09月27日魅惑のディズニー音楽を、一流演奏家たちで構成されたオーケストラ・ジャパンと、ブロードウェイなどで活躍する歌手たちのライブ演奏で届ける「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会2017」が開幕。公演に先駆けてゲネプロが公開された。ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会2017 チケット情報毎秋開催され、絶大な人気を集めているこのコンサートも今年で15周年。これを記念したオープニングは、2002年の第1回公演で演奏された全曲を綴るスペシャルメドレー、“ORIGIN 2002”。「フェアリーガーデン」「アラジン」「リトル・マーメイド」……と名曲が並ぶ。続いて、昨年のゲストによるリクエスト曲のうち、上位3曲を送る“ゲスト・リクエスト・セレクション”。『ヘラクレス』より「ゴー・ザ・ディスタンス」、『ターザン』より「トゥー・ワールズ」。東京ディズニーシー「ストームライダー組曲」を、出演者達がジェスチャーや振付を交えながら熱唱した。前半のハイライトは、編曲・指揮のブラッド・ケリーが観客のカウントダウンに合わせてボタンを押し、その日の演奏曲を決める“サプライズ・ルーレット”だ。この日選ばれたのは、東京ディズニーシーのディズニー・ハロウィーンのショー「ミステリアス・マスカレード」と、『モンスターズ・インク』の「君がいないと」。ミステリアスな仮面舞踏会の空気に酔いしれ、モンスターふたり組がお互いへの信頼をユーモラスに披露する歌に心温まったところで、前半のフィナーレ、“オーケストラと光のコンチェルト”へ。ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのエプコットより「イルミネーションズ:リフレクションズ・オブ・アース」と「ウィー・ゴー・オン」が演奏され、美しい光の演出がこれを鮮やかに彩った。後半はまるごと、『塔の上のラプンツェル』。映画の情景がスクリーンに映し出される中、ナレーションと共に、躍動感たっぷりの音楽が物語を紡いでいく。ラプンツェル役は澄んだ歌声が、ひたむきで利発なヒロインにぴったりなローソン・ヤング。一方、ラプンツェルを誘拐し、母親のふりをして閉じ込めるゴーテル役は、多彩な歌声のメラ・ジル・ハーマン。ならず者のようで実は純粋な心も持つフリン・ライダー役には、ロマンティックな歌声の持ち主、パットン・チャンドラー。ラプンツェルが城の近くで踊る「王国でダンス」では、客席中が一体となる趣向も。そしてコンサートは、感動のフィナーレへ。15周年からその先へ。今年のテーマ「Brillante ~輝きの未来へ」にふさわしいエンディングが待っている。ショーマンシップに溢れる歌手たちの歌とオーケストラのゴージャスな演奏から改めて感じることができるのは、ディズニー音楽の豊かさ。胸の高まり、わくわく感、不安や悲しみ、そこから再び立ち上がる勇気まで、あらゆる感情がそこには詰まっているのだ。9月から12月にかけて全国を巡演。取材・文:高橋彩子
2017年09月27日シェイクスピア作品の中でも人気の高い「リチャード三世」。残忍で狡猾だが抗いがたい悪の魅力を放つリチャード三世に佐々木蔵之介が扮し、ほぼオールメール(唯一の女性キャストに渡辺美佐子)で上演される話題の舞台「リチャード三世」の稽古がいよいよ始まった。スタッフ、キャストのほか、公演・事務所関係者も含め総勢約80名が集結した顔合わせの後、台本の初読み合わせも行われた。舞台「リチャード三世」チケット情報この舞台のもうひとつの大きなトピックは演出家。日本にも「ルル」「ガリバー旅行記」「オイディプス」で過去3回来日公演を行い、過剰ともいえる圧倒的なエネルギーの舞台で日本の観客を戦慄させてきたルーマニアの鬼才シルヴィウ・プルカレーテが、初めて日本人キャストを使って作品を作る。プルカレーテはその場の全員に向け、「私にとっても皆さんにとっても新しい経験になると思います」と挨拶。「『グッドラック』と申し上げて、仕事を始めたい」と、本番を含め約2か月に渡るクリエイションの口火を自ら切った。その後の読み合わせは非公開だったが、読み合わせ前に語った言葉の中に、プルカレーテ流創作のヒントが散りばめられていた。「読み合わせというものを始める前に、まずリラックスしてください。ゆっくりと仕事を始め、ゆっくりと世界に入っていくのが私のやり方。まず知り合いましょう。俳優と会話をしていろいろ見つけながら作っていきたいのです。頭の中にいくつかある方向性という名の扉を皆さんと開けて、その方向に一緒に進んでいきたい」主演・佐々木らキャスト陣は、引き込まれるように耳を傾ける。「面白そうなことが始まるぞ!」という、実力派ベテラン俳優たちの心の声が聞こえてきそうだ。「1年前ぐらいに行ったオーディションのときに、ほぼオールメールというのを決めました。最初から物事をクリアにしないという私の方針上、完全なオールメールにはしないことに。これで、道筋がいっそう混乱を極めることになったと思います」笑みを交えず淡々と、だがほのかにユーモア漂う語り口のプルカレーテ。稽古場には既に、ルーマニアから運んできたというセットがいくつか置かれていた。コンテナ?浴槽?なんとも断言できない装置ばかりで、いずれもずいぶん錆びている。演出家自身もまだ道筋が見えぬクリエイションに乗り出すカンパニー。だがそれはかつてなく刺激的な旅で、結果生まれる作品もきっと、かつてない衝撃を観客にもたらすだろう。東京公演は10月17日(火)から30日(月)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて。取材・文:武田吏都
2017年09月26日2017年2月に公開された映画を、ペテカン旗揚げメンバーの本田誠人による演出・脚本で舞台化する『スプリング、ハズ、カム』。上演に際して、本田および舞台・映画の両方に主演する落語家・柳家喬太郎のふたりが稽古場で作品について語った。『スプリング、ハズ、カム』THE STAGE チケット情報シングルファザーの父・時田肇(喬太郎)と、大学進学で宮崎から上京しひとり暮らしをすることになった娘・璃子が物件探しに奔走する模様を、コミカルに、時にハートフルに描く本作。東京で数多くの人々と出会う中で、父娘はかけがえのない思い出を胸に焼き付け、互いを思いやる心の内を明かしていく。吉野竜平が監督・脚本・編集を手がけた同名映画の制作に、共同脚本として参加した本田。「主演は喬太郎師匠で」という吉野のリクエストに応え、ファンではあるものの会ったことのない喬太郎に対して「台本を一方的に当て書きしていた」と舞台裏を明かした。その縁で、喬太郎はペテカン20周年記念公演の『この素晴らしき世界』(2015年)に出演。本田は「何を血迷われたのか、師匠から『またペテカンに出たい』とおっしゃっていただいて……」と笑いながら、今回の経緯を説明する。喬太郎は、自身の演じる肇を「主人公になりえない、普通のオジサン」と分析。そんな役どころを、舞台化に際してどのように演じるのか聞いたところ、「特別に(映画での)演技を変えようとは思っていない」と話す。根底にあるのは、映画撮影時の手応え。「僕がこれまで演じてきたのは、ひと癖もふた癖もある中高年の役。でもこの作品で初めて癖のない役をやったところ、“自然体”に映ったみたいで」と観客の反応を紹介した。一方で、「単に僕にオーラがないがゆえの“自然体”なのかもしれませんが」と謙遜すると、稽古場には笑いが。「それでも、彼の何てことのない普通の人生を演じて、観客の方に受け入れてもらったことが嬉しかった。舞台も同じ姿勢でやれたら」と続き、役を全うする意気込みを口にする。本田は、舞台化にあたって設定を変更するなど脚本を再び書き下ろした。その狙いを尋ねると「東京という“街”を描きたくて」とひと言。「映画は上京してきた父娘の話がメインでしたが、今回は“東京で彼らが出会う人々のドラマ”にも焦点を当てることで、より父娘が際立つのかな……と考えまして」とパワーアップした舞台版ならではの魅力をアピールした。公演は、10月13日(金)から22日(日)まで、東京・浅草九劇にて。取材・文:岡山朋代
2017年09月26日伝説的ストリートコミックス「TOKYO TRIBE2」(作・井上三太)が原作の舞台『TOKYO TRIBE』が9月29日(金)に開幕する。ヒロイン・スンミを演じる宮澤佐江に話を聞いた。舞台『TOKYO TRIBE』チケット情報架空都市“トーキョー”の街ごとに存在するトライブ(族)間で繰り広げられる抗争を通し、若者たちの日常、愛、友情を描く本作。演出は梅棒の伊藤今人、音楽監督はKEN THE 390、テーマソングはMIYAVI vs SKY-HIが手掛け、出演者も梅棒、Beat Buddy Boi(以下、BBB)、DOTAMAらダンサー、俳優、ラッパーと幅広い面子が揃う。「稽古場に行くのがこんなにワクワクするのは、初めて出演したミュージカル以来です!」と笑顔の宮澤。稽古について「同じ舞台に立つ方々が振付をしたりして作品をつくりあげていく環境は今までになくて。すごく刺激的です」と楽しそうに感想を語った。演出の伊藤が代表を務める「梅棒」は、台詞を使わずに<ダンス×J-POP(本作ではヒップホップ)×演劇>で物語を表現する独自のスタイルが人気のエンターテインメント集団。メンバーそれぞれが担当シーンを持ち、それを伊藤が合体させるようなやり方で作品をつくっており、今作では梅棒に加えBBBや植木豪も振付を手掛ける。「共演者の皆さんはラップやダンスで世界で活躍する一流の方ばかり。そんな普段はなかなか共演の機会もない皆さんと、作品をよくしていくこの環境はすごく楽しいですし、音楽とパフォーマンスだけでも『観に来てよかった』と思われる作品に仕上がるのは確実だと感じています」と目を輝かせる宮澤。突出した才能を持つキャストが集う現場にも「私は皆さんのような武器がないので、その中で自分をどうやって生かすかは今回の私の新しい課題です。この作品に携われてよかったということは、既に思っています」と前向きだ。宮澤が演じるスンミは、主人公・メラの亡き恋人フジヲにうりふたつという容姿を持ち、大物やくざ・ブッバの息がかかった風俗店に所属する風俗嬢という役どころ。原作を読んだ感想を聞いてみると「私は平和主義者なので漫画の世界でよかったなと思いました(笑)。でもこの世界観の舞台化には梅棒のスタイルがピッタリだっていうのも稽古をしていてすごく感じているところで。台詞を喋ることも、歌で表現することも大切ですけど、今回はそうじゃなくてパフォーマンスでこの世界をみせる。チャレンジだと思いますが、『TOKYO TRIBE』という作品に合ってると思いますし、新しいエンターテインメントが生まれる瞬間をお届けできると思います」。「この作品を観て『羨ましい』って思う人がいっぱい出てくるだろうな、演劇界」と宮澤も一押しの本作は、9月29日(金)から10月8日(日)まで東京・TSUTAYA O-EASTにて上演。取材・文:中川實穗
2017年09月26日10月21日(土)に東京・お台場海浜公園にて「お台場海上芸術花火祭2017」が開催される。【チケット情報はこちら】同イベントは今年が初開催。ワイド200m級の大きさを誇る空中ナイアガラ花火や、特注閃光花火を使用した演出など、1万発以上の花火が10月のお台場の夜を彩る。また、秋ならではの「ハロウィンムード」を存分に楽しめるような企画も用意。会場のあちこちにかぼちゃのオブジェやランタンなど、ハロウィン風の装飾が施され、撮影にぴったり。さらに参加者が仮装を楽しみながら海浜公園内をウォーキングする「ハロウィンウォーキング」では、雑誌「Popteen」とコラボレーション。同誌モデルのみくぴ、なちょす、れいぽよ、ちゃんえな、たいころりんの5名が登場し、打ち上げ前の会場を盛り上げる。そのほか、会場には秋の味覚を楽しめるフードエリアや、ストリートパフォーマーなどが配置され、打ち上げ以外の時間も楽しめる。チケットは発売中。■「お台場海上芸術花火祭 2017」~秋のハロウィンビーチフェスティバル~日時:10月21日(土)開場15:00/花火打ち上げ開始18:30※開場後よりパレード等各種催しが行われます。会場:お台場海浜公園(東京都)出演:みくぴ / なちょす(徳本夏恵) / れいぽよ(土屋怜奈) / ちゃんえな(中野恵那) / たいころりん(那須泰斗)
2017年09月26日20周年を迎える新国立劇場に、世界的な評価を得る舞踏カンパニー「山海塾」が登場。11月に開幕する『海の賑わい 陸(オカ)の静寂―めぐり』を前に9月22日、主宰の天児牛大(あまがつうしお)が新国立劇場の舞踊芸術監督・大原永子と共に会見に出席した。山海塾「海の賑わい 陸の静寂-めぐり」チケット情報舞踏を「重力との対話」と捉え、誕生や死をテーマに作品を発表し続けてきた山海塾。設立から42年、ヨーロッパ進出から37年が経つが、新国立劇場登場は今回が初めて。大原芸術監督は以前から山海塾の評価をヨーロッパの現地の人々から耳にしていたそうで「日本人としてとても誇らしかった」と語り、新国立劇場での上演実現への感謝を口にした。今回の『めぐり』はパリ市立劇場、シンガポールのエスプラネイド・シアターズ・オン・ザ・ベイ、北九州芸術劇場との共同制作による作品であり、モチーフは“生きた化石”とも称される深海生物のウミユリ。舞台上にはウミユリを模した美術が置かれる。天児は「ツアーで海外を訪れたとき、自然史博物館に行くのが好きなんです。2億5千万年前に日本の海で繁栄していたウミユリが化石となって、いま我々と向かい合っている。“賑わい”とは生きていることの示唆であり、静寂は死した状態のこと。とてつもない時間を巡っていて、そこに不動のものはなく、常に揺れ動いているというのが私たちのベース。人、感情、希望、絶望を賑わいと静寂で対比させつつ、ひとつの作品として成立させました」と語る。7つの場面で構成され、天児を含む8人の踊り手が出演。音楽は数々の映画やTVの音楽を担当してきた加古隆、パーカッショニストのYAS-KAZ、そして山海塾の同カンパニーの活動初期から音楽制作に携わってきた吉川洋一郎の3人が担当しており、天児は「三者三様。彼らが作った音楽をどの場面で使用するかは私が決定しており、(タイプの)異なる音楽を使いながら作品を成立させています」と語った。40年以上にわたって活動し、世界的にも評価されているが、謎めいたイメージも強く、作品の制作過程などはあまり知られていない山海塾だが、天児は「テーマやタイトルはなく、稽古の最初に“今回はこういう形、方向性のものを作りたく、美術はこんな感じ”というレクチャーをします」、「稽古では基本、質問には答えるけど、質問される前に余計なことは言わない」、「稽古場には音がなく、鏡も使わない。はたから見たら何やってんのかわからない空間でしょうね(笑)」など、知られざる制作現場の一端を明かした。これまで世界46か国を回ってきたが「よくここまで続いたと思います。最初は男ばかり、白塗りの日本人ということで珍しさもあったろうけど、ここまで持続したということは、舞踊の一ジャンルとして、こういうアプローチもあると認められたのではないか」と感慨深げだった。『海の賑わい 陸の静寂―めぐり』は11月25日(土)・26日(日)に東京・新国立劇場 中劇場にて上演。チケットは発売中。取材・文・撮影:黒豆直樹
2017年09月25日宝塚歌劇団星組トップスター・紅ゆずるが、自身初の宝塚大劇場オリジナル主演作に挑む。ミュージカル『ベルリン、わが愛』は、演劇賞を受賞した『For the people ―リンカーン 自由を求めた男―』の原田諒による新作。1920年代から30年代のベルリンを舞台に、ナチスの圧力に抗い映画作りに邁進した人々が描かれる。【チケット情報はこちら】ポスターの扮装でもクラシカルで粋な雰囲気を出していた紅。「私はコスチューム系が多く、スーツものでの主演作はあまりないので、(スーツものならではの)様式美や佇まい、レトロな格好良さを出せたらと思います」と新たな男役像に意気込む。紅が演じるテオ・ヴェーグマンは、のちにヨーロッパ初のトーキ―映画を手掛ける映画監督。陰と陽、両方の面がある大人の男性だという。「“芯”が燃えているからこそ行動に出る情熱的な人。戦争との距離感など役作りは難しいです。ただ最初は戦争の影がないところから始まりますし、決して重たい作品ではありません。色々な困難を乗り越えて彼自身成長していく物語です」映画監督の「こだわりが強いところ」は自身と似ているとも。「稽古をしていて“違う”と思ったら、そのままにせず『もう一度させてください』と先生にお願いします。つかみきれないまま、スーッと流れてしまうのが嫌なんです」と笑う。星組トップスターに就任し約10か月。「組全体をすごく見るようになりました。例えばお稽古場でも『あの早替わりは間に合うのかな』とか、自分の場面だけではなく他の場面も気になります」。その広い視野とモチベーションの高さは今作の役で存分に活かされるだろう。同時上演の『Bouquet de TAKARAZUKA(ブーケ ド タカラヅカ)』は、ベテラン演出家・酒井澄夫が手掛けるレビュー。タカラヅカレビュー90周年を記念し、宝塚の名曲や新しいスパニッシュの場面などでバラエティ豊かに綴る。「最近の宝塚のショーとは一風違う、王道のレビューです。酒井先生は歌や踊りにも“どういう物語を感じるのか”など、内面からのアプローチを要求されるので、お稽古も楽しいです」と充実した笑顔を見せる。今年11月には紅と同期である宙組トップスター・朝夏まなとが退団する。先日朝夏の舞台を観劇した紅は、「(宝塚音楽学校の)予科のときから仲が良かったんです。トップスターとして今すごく輝いていて、『あの時の女の子が、よくぞここまで』と思いました」と嬉しそうに話す。来年は台湾公演も控えている紅。「私も頑張ります!」と明るく言い放つ言葉の裏に、宝塚歌劇団を頼もしく導く覚悟を感じた。公演は兵庫・宝塚大劇場にて9月29日(金)から11月6日(月)まで上演。チケットは発売中。東京宝塚劇場公演は11月24日(金)から12月24日(日)まで。10月22日(日)より一般発売が開始される。取材・文:小野寺亜紀
2017年09月25日ASIAN KUNG-FU GENERATIONと、イギリスのロックバンドFEEDERが12月に行うカップリングツアーのゲストバンドのうち3組が発表された。【チケット情報はこちら】12月4日(月)大阪公演にはASIAN KUNG-FU GENERATION後藤正文の全面プロデュースにより、6年ぶりのアルバム『Dawn On』をリリースする8ottoが出演。5日(火)大阪公演にはNothing’s Carved In Stoneが出演。Nothing’s Carved In Stoneの村松拓(vo&g)は、FEEDERへのリスペクトを公言しており、念願のゲスト出演となる。7日(木)東京公演にはストレイテナーが出演。10月にリリースされるストレイテナー トリビュートアルバムにASIAN KUNG-FU GENERATIONが参加するなど、親交が深い両バンド。両者が都内ライブハウスで共演するのは4年ぶりとなる。チケットの一般発売は10月28日(土)午前10時より。■ASIAN KUNG-FU GENERATION × FEEDER Tour 2017 Supported by PIA12月1日(金)仙台GIGS(宮城県)12月2日(土)仙台GIGS(宮城県)12月4日(月)なんばHatch(大阪府)w/8otto12月5日(火)なんばHatch(大阪府)w/Nothing’s Carved In Stone12月7日(木)豊洲PIT(東京都)w/ストレイテナー12月8日(金)豊洲PIT(東京都)
2017年09月25日昨年主演したミュージカル『ジャージー・ボーイズ』で数々の演劇賞を獲得した中川晃教。彼のコンサート『中川晃教コンサート2017 ~Seasons of love~』が9月14日、愛知・中日劇場で開幕した。もともとシンガー・ソングライターである中川だが、今回は“LIVE ACT”と銘打ち、シアトリカルな演出を盛り込んだ、今までにないステージを披露。その模様をレポートする。チケット情報はこちら今回のステージでは和風な要素も取り入れたいと語っていた中川の言葉通り、佐藤和哉によるキリリとした篠笛の音と、真っ赤な衣裳を身に着けた杉浦ゆらのダンスで幻想的に誘うプロローグ。日本人なら誰もが知る『かごめかごめ』から、ライブではお馴染みの『CHINA GIRL』へ。聴き慣れたナンバーも、佐藤の篠笛の音が効果的に挟み込まれることで新鮮に聴こえ、中川の美しい歌声もいつもにも増して情感豊かだ。続いてこちらもチャレンジングな試みである朗読とのコラボレーション。大人のメルヘンといった風な寺山修司の短編を、中川と若手歌手・伊礼亮が語っていく。少し切ない男女の恋を描く「お月さまの瓶詰」という物語の後には、“月”というワードから始まる『I Have Nothing』を歌う……といったように、中川の音楽の世界と寺山修司の世界が絡み合い、なんだか海の底に深く沈んでいくかのような、もしくは宇宙空間を漂うような、どこか別の世界へトリップでもしたかのような不思議な感覚に陥る。時に暗くも感じる中川の大人の声と、伊礼の若々しいピュアな声、ふたりの対比も心地よい。朗読と音楽のコラボを4本続けたあと、MCでは、今回のチャレンジについて「表現には終わりがない」「自分の曲で何かドラマ…表現を作っていけたらいいなと思っています」と語り、常に中川が口にしている「オリジナルミュージカルを作る」という目標と、この“LIVE ACT”が地続きであることを匂わせた。またこの中日劇場のステージにはデビュー作『モーツァルト!』でも立った思い出も語り、懐かしい劇中曲『僕こそミュージック』を披露。ほか、最新出演作『ビューティフル』から『On Broadway』『Walking In The Rain』、また中川の新たな代表作となった『ジャージー・ボーイズ』より『君の瞳に恋してる』『愛はまぼろし』などを立て続けに熱唱する。しっとりした前半とはうって変わって後半は中川のオリジナル曲、そしてミュージカルナンバーを織り交ぜたヒットメドレーとなり、客席も大盛り上がり。アンコールでは中川の“名古屋愛”を歌う即興曲まで飛び出した。そしてラストは、デビュー曲『I Will Get Your Kiss』。幻想的なムードで始まった“LIVE ACT”、最後は中川の透明な歌声が劇場いっぱいに広がり、客席とステージが一体となり、愛と笑顔に包まれた。コンサートはこのあと9月24日(日)に大阪・新歌舞伎座、10月1日(日)に東京・明治座にて開催される。
2017年09月22日9月23日(土)・24日(日)に山梨県山中湖村のきらら交流プラザで開催される、野外フェス「ONE+NATION music circus in 山中湖」。同フェスのタイムテーブルが発表された。【チケット情報はこちら】同フェスにはBOYS AND MEN 、ヒルクライム、MACO、ファンキー加藤らが出演。富士山をバックにした雄大な景色のステージで、アーティストのライブを楽しめる。チケットは発売中。■「ONE+NATION music circus in山中湖」日時:9月24日(日)開場11:30 / 開演13:00(予定)会場: 山中湖交流プラザきらら (山梨県)出演: SHOW-YA / 荻野目洋子 / 久宝留理子 / 中村あゆみ / ファンキー加藤 / Hilcrhyme / MACO / SOLIDEMO / BiSH / THE HOOPERS / Mary’s Blood / BOYS AND MEN / THE BEAT GARDEN / JEY-J / 電波少女※BOYS AND MEN出演者:田中俊介 / 小林豊 / 辻本達規 / 平松賢人 / 吉原雅斗■「ONE+NATION MUSIC CIRCUS IN 山中湖 」~青空ミュージック~前夜祭日時:9月23日(土)開場15:00 / 開演16:00(予定)会場: 山中湖交流プラザきらら (山梨県)出演: SOLIDEMO / sherbet / ヤンチャン学園 / 木村結香
2017年09月22日「オーランドー」の公開フォトコール及び囲み取材が、9月23日(土)の舞台初日に先がけて、9月21日に執り行われた。舞台「オーランドー」チケット情報公開フォトコール(舞台本編の一部の上演)では、舞台序盤のシーンを公開。広々とした舞台上に、主演のオーランドーを演じる多部未華子がぽつりと現れた後、すぐさまコーラス(コロスと同義)の役割を担う小日向文世、戸次重幸、池田鉄洋、野間口徹らのそうそうたる役者陣が揃い踏む。彼らが次々とテンポよく時代背景などの説明を行い、この後の展開への期待を盛り上げる。その後、一変、エリザベス女王に扮した小日向が再度登場。オーランドーを気に入ったエリザベス女王がキスをする場面も。女王の寵愛を一身に受けるオーランドーだが、ロシアの姫君であるサーシャ(小芝風花)にひと目惚れをする……というところまで上演し、囲み取材へと移行。普段は物静かな印象ながら、舞台上では若さを謳歌する美貌の青年貴族・オーランドーを堂々と演じていた多部だが、記者から改めて舞台への意気込みを問われると「頑張りたい」とはにかんでみせた。本公演を上演する神奈川芸術劇場の芸術監督であり、演出を手がける白井晃は、「おひとりに10役近くずつ演じていただくということで、演者の皆さん大変だったと思うが、小日向さんの七変化ぶりなど、非常に楽しんでいただけるものになったと思っている」と自信を覗かせる。特徴的な仮装をしている小日向は、記者からその点を指摘されると「こんな衣装を着られるような芝居に出られるとは思っていなかったので、本当に芝居を続けていてよかった」と顔を綻ばせて、喜びを露わに。戸次、池田、野間口らは稽古の長さに言及。「稽古が長く、休憩時間が短い!」(戸次)と言いながらも、稽古終わりに全員で食事に行ったエピソードなどを披露し、カンパニーの結束力の高さをアピールした。最後に、多部演じるオーランドーの相手役を演じる小芝は「頑張って多部さんを誘惑して振り回したい」と意気込み、笑顔で会見は終了した。舞台「オーランドー」は9月23日(土・祝)から10月9日(月・祝)まで、神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 ホールにて。その後長野、兵庫、東京を巡演。チケット発売中。
2017年09月22日9月17日、18日、演出家・宮本亜門が手がける朗読劇『画狂人北斎』の公演が曳舟文化センターで開催された。世界的に知られた江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎。この作品はそんな「葛飾北斎」と宮本がタッグを組んだプロジェクトとなり、今年1月に「すみだ北斎美術館」で行われたリーディング公演を皮切りにスタートすることとなった。今年7月には北斎展「Hokusai:beyond the Great Wave」を開催中のイギリス・大英博物館でも上演され、好評を博したこの作品。今回の公演は、満を持しての凱旋公演となる。物語は、博物館の講演会場から始まる。北斎研究家・長谷川南斗(菊地創)が語る北斎への考えに、彼の研究を手伝う助手・峰岸凛(秋月三佳)は違和感を持つ。凛はかつて自身も画家を目指しながら、とある出来事がきっかけで今は筆を置いていた。一方、舞台は江戸時代へ。天保の大飢饉や出版統制など厳しい状況の中、絵を描き続ける晩年の葛飾北斎(志賀廣太郎)と、悪態をつきながらも彼を支える娘・お栄(中嶋朋子)。しかし親友である戯作者・柳亭種彦(池内万作)が幕府によって捉えられ、追い詰められた北斎は小布施へと居を移す。北斎の真実を追い求める現代のふたりの姿と、激動の時代を身を置く晩年の北斎の姿が交互に舞台上には立ち現れ、やがてクロスオーバーしてゆく。「朗読劇」とは銘打っているものの、舞台上の俳優たちは椅子から立って通常の公演のように演技を行う場面が多い。その分、1月のリーディング公演と比べてもよりストーリーや登場人物たちの心情がダイレクトに響いてくる。また、背景には映像を大胆に使用。実際の北斎の絵も多数表示され、北斎の絵に秘められた秘密や謎解きを知ることができるので、「北斎入門編」の役割も。時にそれらの絵がアニメーションのように動いていくことで、通常は“静”のイメージが強い朗読劇にもかかわらず、よりダイナミズムを感じさせる効果も生む。江戸時代の北斎たちと、凛という“現代に生きるアーティスト”を対比させ、そして交錯させてゆくことで、「ものを創りだす」ということ、そして創作者のその姿は今も昔も変わらないのではないか、ということを思わせてくれる。それだけに表現が次々と規制されてゆく北斎たちの生きた時代の様子は、今この作品を見ている私たちの現状とも無縁ではないのでは……と感じさせる一幕も。この先、舞台化などさらなる動きを見せてゆこうというこのプロジェクト。今後の展開が楽しみだ。取材・文:川口 有紀
2017年09月22日来年2月に4度目となる『うめだ文楽2018』の開催が決定した。大阪が世界に誇る「文楽」という芸能の魅力をもっと分かち合いたいという思いで2015年2月から始まった本公演。拠点の国立文楽劇場を飛び出し、大阪駅からすぐのグランフロント大阪内にあるナレッジシアターで上演を重ね、2016年、2017年と3年連続で公演を成功に導いた。「うめだ文楽2018」チケット情報「文楽」を初めて見る人にも親しみやすい演目を、ナレッジシアターという劇場構造を生かした演出を取り入れて上演する。通常公演では主役を担うことのない大曲に若手技芸員たちがチャレンジする場でもあり、豊竹希太夫、鶴澤寛太郎、吉田幸助ら将来を嘱望される担い手たちのキラキラとした熱情も会場を満たしている。また、日替わりゲストとのトークショーも好評で、文楽をあらゆる角度から楽しめると好評だ。2018年は『傾城恋飛脚~新口村の段~』を上演する。本作は近松門左衛門の『冥土の飛脚』を改作したもので、実際に起こった横領事件を基にした、歌舞伎でも上演される人気作だ。「新口村の段」は遊女梅川を身請けするため300両の金を横領した忠兵衛が、実父・孫右衛門の住む大和国・新口村へと逃げていく場面から始まる。梅川の孫右衛門を思いやる気持ち、目隠しで対面を果たす父と子など、涙なしには見られない『傾城恋飛脚』のクライマックス。降りしきる雪の中を追っ手から逃れようとする忠兵衛と梅川、美しくも悲しい二人の姿は必見だ。10月28日(土)の一般発売に先駆け、ぴあスペシャルシートの先行受付が9月30日(土)より始まる。
2017年09月22日