チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (145/342)
11月3日(金)から5日(日)までの3日間、千葉・幕張メッセでイベント「CYCLE MODE international 2017」が開催される。【チケット情報はこちら】ロードバイクやクロスバイク、おしゃれな小径車を街中で見かけることが多くなった今、普段使いの乗り物として「スポーツ自転車」の普及が進んでいる。そんなスポーツ自転車の最先端を見て体感できるのが、今回のスポーツバイクエンターテインメントショー。メインエリアでは、レースシーンで活躍するロードバイクやマウンテンバイクのほか、クロスバイクや小径車といったあらゆる車種を展示。全天候型の全長1.4kmにも及ぶ試乗コースが併設されているので、気になる車種を乗り比べることも可能だ。ほか、1970~1990年代のヴィンテージバイクを展示し自転車の進化の歴史に触れることのできる「ヴィンテージバイクマーケット」や、サイクリストの憧れ・世界屈指のフレームビルダーが集結し、彼ら自慢のハンドメイドフレームを目の当たりにできる「ハンドメイドバイシクルコレクション」などの企画展示エリアも。もちろん自転車の“最先端”・電動アシスト自転車「e-BIKE」も登場。今年からロードバイクやマウンテンバイクの「スポーツe-BIKE」を、国内メーカー・海外ブランド双方が市場に投入するため熱い視線が注がれている。その背景には健康や自然環境の配慮への高まりがある。ヨーロッパをはじめとする海外で電動アシスト市場が拡大し、日本でも子ども乗せ自転車に代表される「街乗りタイプ」の販売台数が右肩上がりに成長。これまでの自転車に「e-BIKE」が加わることで、サイクリストたちは新たな世界を体感できるだろう。そこで同イベントでは今年を「e-BIKE元年」と位置づけ、会場で海外メーカーの日本初上陸モデルなどを展示、次世代自転車の遊び方を提案する。今後ますます注目される「e-BIKE」は要チェック。さらにはパンク修理や洗浄方法、愛車に自転車を積む際に必要な輪行方法などをステージで解説する、スポーツ自転車ビギナーに向けたお役立ちコーナーもアリ。自転車愛好家からビギナーまで幅広く楽しめる同イベントで、自転車の未来を体感しよう!
2017年09月11日今年、連載開始から40周年を迎える松本零士の漫画『銀河鉄道999』の舞台化が決定した。『銀河鉄道999』は1977年に連載を開始、1978年にはテレビアニメ化、1979年には劇場アニメ化され大ヒットした大人気作品。裕福な人々が機械化人となり永遠の命を謳歌する未来世界を舞台に、機械伯爵に母を殺された主人公・星野鉄郎が謎の美女メーテルとともに銀河超特急999号に乗り込み、機械の体をくれる星を目指して宇宙空間を旅する。舞台では、1979年に公開された劇場版第1作目をもとに、脚本を坪田文、演出を児玉明子が担当。星野鉄郎役を中川晃教、メーテル役をハルカトミユキのハルカが務める。またメーテルとは旧知の間柄の女海賊クイーン・エメラルダス役として、凰稀かなめが特別出演する。中川は出演決定に際し、「『銀河鉄道999』が生まれてから40年。松本零士先生の分身でもある鉄郎を通して、先生と心を重ねられる喜びと緊張とが入り混じった気持ちです。今観てもなにかが心に感じられる、そんな素敵な作品の舞台化。しっかりと命を吹き込めるよう、銀河鉄道999に係るすべての方たちと、そしてそれを観に来てくださるお客様と、素敵な銀河の旅が出来るよう、力いっぱい頑張ります」とコメントを寄せている。公演は2018年6月23日(土)から30日(土)まで東京・明治座。7月21日(土)・22日(日)に福岡・北九州芸術劇場 大ホール。7月25日(水)から29日(日)まで大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。
2017年09月11日クラシックのコンサートやイベントなどの情報を初心者にも解りやすく紹介するフリーペーパー『ぴあクラシック』。9月9日(土)発行の最新号では、9月24日(日)より東京・サンシャイン劇場で上演される舞台『アマデウス』に出演する松本幸四郎と桐山照史の対談が掲載されている。『アマデウス』は1979年にロンドンで初演、1981年にトニー賞で5部門受賞。1984年には映画化され、アカデミー賞8部門を受賞した。1982年には松本幸四郎主演で日本初演を果たし、これまで438回上演。今回、6年ぶりの再演で上演450回を迎える。幸四郎は音楽家サリエーリ役、桐山はモーツァルト役を務める。対談では、幸四郎が来年1月に襲名を控えているため、松本幸四郎としては最後となるサリエーリ役、そして今回同作に初めて出演する桐山がモーツァルト役についてそれぞれ語る。そのほか、同作を彩るモーツァルトの楽曲や、好きなクラシック音楽について、幸四郎が思い入れたっぷりにトークを展開。演劇ファンもクラシックファンも楽しめる対談となっている。フリーペーパー『ぴあクラシック』(2017 秋 Vol.44)は、今回紹介した対談のほかにも、クラシック公演のハイ・シーズンと言われる秋、何のコンサートに行こうか迷っている人のために、オーケストラ/オペラ/器楽/室内楽/ピアノ別におすすめコンサートを紹介。さらに100回を迎えるN響オーチャード定期など情報盛りだくさん。全国のチケットぴあ店舗(一部を除く)、全国のコンサートホールやレコード店にて配布(主な配布場所は目次ページに掲載)。また、チケットぴあのWEBサイトでWEB版(ebook)も公開予定。
2017年09月08日ヨーロッパ企画第36回公演『出てこようとしてるトロンプルイユ』が、9月末のプレビュー公演を皮切りに全国で上演される。トロンプルイユとはフランス語で“だまし絵”のこと。前作の『来てけつかるべき新世界』で第61回岸田國士戯曲賞を受賞した作・演出の上田誠が、またもやユニークなモチーフを掲げて演劇を作ろうとしている。劇団俳優の本多力とともに、その思いを聞いた。ヨーロッパ企画『出てこようとしてるトロンプルイユ』チケット情報以前からアートは気になっていたという上田。なかでも心惹かれていたのが、錯視画家のエッシャーだった。「絵画の世界ではアウトサイダーっぽい扱いを受けてきたものですけど、今ではトリックアート館があったり大衆化している。演劇でも芸術寄りなるものと大衆化するものがあるという意味で、シンパシーを感じていたんです」。正確には、絵の中に不思議な空間を作るエッシャーはだまし絵のジャンルではなく、今回取り上げるのは飛び出して見える絵画のほうだ。「まさしく2.5次元演劇です」と上田は笑うが、「こちらに対して働きかけがあるという点で、演劇で扱うのに面白いかなと思ったんですよね」と確信を持つ。ストーリーとしては、20世紀初頭のフランスを舞台に、世に出ることなく不遇なまま死んでいったトロンプイユ・アーティストをめぐる話になるそうだ。それを聞いて「フランス人を演じるのなら、やっぱり、フランス映画を観てワインを飲んでクロワッサンを食べるところから始めますか(笑)」と冗談めかす本多。だが、これまでもヨーロッパ企画では、そんなモノマネから始めるようなエチュードを重ねることによって、「迷路コメディ」「文房具コメディ」といった唯一無二の舞台を作り出してきた。「エチュードで自分に何が出せるのか、怖さもあるんですけど。でも、みんなで考えて何かが決まった瞬間は、すごく爽快感があるんです」と本多が言えば、「今回も稽古場で実際にだまし絵を見ながらヤイヤイ言い合うところから始めたいですね」と上田。「美術館の絵と違って、『これ上手いこと飛び出してきてるな』『これ失敗してるで』とか、みんなでワイワイ言えるのがだまし絵の楽しさ。そういう原始的な楽しさを劇場でも感じてもらえたら」という上田に重ねて、本多も「確かにこれまでも、前回のロボットとか、何かを介してみんなが動くことで人間関係とかができていったので、その面白さを今回も作れたらと」とアピールする。劇団だからこそできる試行錯誤に、金丸慎太郎、川面千晶、木下出、菅原永二という客演陣が加わって、また思わぬドラマを見せてくれるはずだ。公演は滋賀でのプレビュー公演ののち、京都、高知、東京、大阪、愛媛、神奈川、愛知、広島、福岡、三重の各地をめぐる。チケット発売中。取材・文:大内弓子
2017年09月08日「王室教師ハイネ-THE MUSICAL-」初日を前に東京・Zeppブルーシアター六本木にてゲネプロと囲み取材が行われた。本作は赤井ヒガサ原作で「月刊Gファンタジー」(スクウェア・エニックス)にて連載。脚本を桜木さやか、演出を吉谷光太郎が手がけている。なおミュージカル版にはアニメ版で声優を務めた植田圭輔、安里勇哉、安達勇人、廣瀬大介、蒼井翔太が挑むことで話題となりチケットは早々に完売。9月18日(月・祝)大千秋楽でのライブビューイングが全国の映画館で決定、発売されている。舞台「王室教師ハイネ -THE MUSICAL-」チケット情報囲み取材では植田、安里、安達、廣瀬、蒼井の5人が登場。主演でハイネ役の植田は「アニメから関わらせていただきましたが、舞台から参加したメンバーも愛を持って接していてくれています。4王子たちを立派な国王にすべくお勉強だけでなく道徳的にも語られる、ハイネ先生のいろんなセンスを観てほしいです」と意気込みを明かす。“ジロリ王子”こと第二王子・カイ役の安里は「見た目は怖いカイですが、その心の内が表現できればと思います。さらに僕らだけでなくアンサンブルの皆さんの歌もダンスもすごいので端から端まで観てほしい」とミュージカルならではの見どころを語り、“高圧インテリ王子”こと第三王子・ブルーノ役の安達も「真面目なだけでなく、葛藤する姿も見せます。熱量のある生の舞台ならではの世界を楽しんでください」と意欲を見せた。“プライドエベレスト王子”こと第四王子・レオンハルト役の廣瀬は「アニメでは可愛い姿を見せましたが舞台ではこれまで観たことのない姿を届けます」と抱負を語り、“チャラ王子”こと第五王子・リヒト役の蒼井は「先日、30歳を迎えましたが、舞台ならではのおもしろさで、カッコよくて可愛い14歳を演じます!(笑)」と笑いを誘った。描かれるのは王子専属の家庭教師・王室教師のハイネと4人の王子とがつむぐ絆。その父でありグランツライヒ王国国王のヴィクトール(姜暢雄)の命により、いやいやながらも授業を受ける彼らは、しかし、やがて心を開き、王位継承者として国を思う気持ちを育んでいく──「THE MUSICAL」と謳うだけあって次々と披露される歌声はとにかく圧巻。揺れ動く感情が音に乗って客席へとほとばしり、埋め尽くす。その数、実に30曲近く!最後の「特別授業」まで存分に「物語」を聴かせてくれる。東京公演は9月10日(日)まで、大阪公演は9月16日(土)から18日(月・祝)まで森ノ宮ピロティホールにて。大千秋楽は彼らの歌声を劇場・映画館で感じてほしい。取材・文/おーちようこ
2017年09月08日舞台『北斗の拳―世紀末ザコ伝説―』が、9月6日(水)に東京・東京ドームシティ シアターGロッソにて開幕した。【チケット情報はこちら】2018年に35周年を迎えるマンガ『北斗の拳』を原作に、脚本をSUGARBOYの川尻恵太、演出をKPR/開幕ペナントレースの村井雄が手がける本作。主人公ケンシロウや、その宿敵・世紀末覇者拳王ことラオウは登場せず、原作で「ひでぶっ!!」「あべし!!」といった断末魔を上げながら殺されていく「ザコ」を主役とした物語が描かれる。ステージは、クリスタルキング with A応Pによる「愛をとりもどせ!!」のパフォーマンスで幕開け。テレビアニメ版の主題歌であるこの楽曲に合わせ、劇場後方から登場したザコら数十人も客席通路でエキセントリックなダンスを繰り広げた。その後、磯貝龍虎、河合龍之介、寿里、花園直道、林野健志、A応Pメンバーの水希蒼らキャストが1人複数役で様々なザコに扮し、オムニバス形式で『北斗の拳』の世界をコミカルに、時にハートフルに展開していく。特徴的だったのが、ザコの死にざま。彼らは断末魔の叫びとともに絶命すると、衣装からおもむろに死に装束の三角巾を取り出し、自らの額に装着。真顔で客席正面を見据えた次の瞬間には、すぐ舞台からハケていく……といった一連の流れが繰り返された。なお彼らが上げる断末魔の中には、Twitter上で募集されたユーザー投稿によるものも。どのような叫びが採用されたのか、劇場で確認してみて。また本作には、北斗兄弟の三男・ジャギも登場。角田信朗、武田幸三、極楽とんぼの山本圭壱の3人がトリプルキャストとして回替わりで演じるこの役は、ザコで結成された拳王親衛隊が忠誠を尽くす存在として描かれる。ゲネプロに登場したのは、初日にジャギ役を務める角田。原作ファンとして「開幕の4ヵ月前から鍛え上げた」という自慢の肉体で客席を魅了していた。ゲネプロ上演後、磯貝は「ザコらしさや原作の世界観を大切にしながら、さらに上に行けるよう切磋琢磨してがんばっていきたいと思います!」と挨拶。河合は「日に日に作品が成長する姿を見届けていただければ」と呼びかけた。公演は9月10日(日)まで。席種は、控え目価格の「ザコシート」、前方エリアが確保でき、手ぬぐいが付いた「世紀末シート」、ザコのお面・Tシャツ・キャスト集合ブロマイドの特典が付き、ステージエリアの一部を客席にした「リングサイドシート」の3種。当日券は全ステージ発売予定。取材・文:岡山朋代(C)武論尊・原哲夫/NSP 1983, (C)北斗の拳-世紀末ザコ伝説-製作委員会2017 版権許諾証GP-907
2017年09月08日日本音楽コンクール優勝(2004年)の栄冠とデビューCD『CHOPIN:HEROIC』を引っ提げて2007年に華々しくプロ活動を開始。今年デビュー10周年を迎えているピアニストの外山啓介。現在、全国約20か所のリサイタル・ツアー真っ最中だ。9月30日(土)にはサントリーホールで東京公演がある。節目のプログラムに彼が選んだのはオール・ショパン。実は10年前のデビュー・ツアーとほぼ同じ曲目構成になっている。【チケット情報はこちら】「10年前と何が変わったのか、何が変わっていないのか、あえて確かめてみたかった。自分への大きな挑戦です。ただ、『変えなければならない』という意識はありません。10年前の自分を頼らず、どう感じるのか、何を伝えたいのか。足りないものは何か、足りているものは何か。客観的に判断して弾きたいと思っています」プログラムの中心となるのはピアノ・ソナタ第3番。大学時代に恩師の植田克己から聞いた「3番に合わせるなら舟歌」というアイディアを実践する。「当時、たしかにその通り!と思ったのをやってみたくて(笑)。ショパンはこのソナタで、すごく死を意識していると思います。だからとても厳しい。非常に清潔で、人を寄せ付けない品格があリます。今回改めて向き合ってみて、その品格を表現するために、少しテンポを落としました。また最近特に、《舟歌》にどうにもならない深い悲しみを感じていて。その意味では重たいプログラムになりました」「聴きやすいポピュラーな作曲家」と受け取られがちなショパンだが、決してそうではない。「すごく冷静にコントロールして弾かないと、自分の感じた良さを伝えにくい作曲家です。キラキラと美しいかけらがあちこちにあるので、それを全部拾ってしまうと、ただの自己満足になってしまう。だから常に客観的でいることが大事。もちろんどの作曲家もそうですが、特にショパンの場合は、美しさについ溺れてしまって、そこを見失いがちだと思います」10年間変わっていない信念は「奇をてらわないこと」。「奇をてらうのは好きじゃないんです。シンプルに弾きたい。必要以上にドロドロ歌わせたくないし、絶対に力技にしてはいけない。まっすぐ勝負したいというのは変わっていないかな」女性に大人気のイケメン・ピアニストというイメージが強いので、男性陣はつい色眼鏡で見てしまうかもしれないが、実に誠実に語ってくれる気持ちのいい好青年。そして高い技術に裏打ちされたスケールの大きい端正な音楽性。その名前が今後さらに大きくなっていくのは間違いない。その新しい10年の始まりを、新しくなったサントリーホールで!取材・文:宮本明
2017年09月08日9月24日(日)に開幕を控えた屋良朝幸主演の「ORIGINAL MUSICAL『THE CIRCUS!』―EPISODE1 The Core―」。9月5日にその記者会見が行われ、構成・演出・振付のTETSUHARU、出演者の屋良朝幸、矢田悠祐、青柳塁斗、蒼乃夕妃、田野優花(AKB48)、菜々香、三井理陽、石坂勇、植原卓也が登壇した。ミュージカル「THE CIRCUS!-エピソード1-」チケット情報「THE CIRCUS!」は、世界を股にかける人気ストリートサーカスチームでありながら国家を揺るがす巨悪と戦う大統領直属のスペシャルエージェント「ミラージュ」が世界の危機を救う痛快冒険活劇シリーズ。昨年5月に「エピソード0」が上演され、今作はその続編で物語の始まりの「エピソード1」となる。安室奈美恵やSMAP、AKB48など数多くのアーティストの振付、舞台「タンブリング」やミュージカル「イン・ザ・ハイツ」などの演出・振付でも知られるTETSUHARUが構成・演出・振付を手掛け、アメコミの世界から飛び出したような派手な世界観で描かれる。今作についてTETSUHARUは「前作『エピソード0』はミラージュが誕生されるまでのストーリーで、いわばスピンオフ的なものでした。今回の『エピソード1』からストーリーがどんどん展開していきます」と紹介。さらに「よい作品というのは、まずは僕らが楽しんで精一杯パフォーマンスすること。面白い作品にできるように日々稽古を重ねているので、期待していただければと思います」と語った。主人公・ケントを演じる屋良は「『THE CIRCUS!』は、僕がこれまでやってきた中でも本当に大好きな作品です。十代の頃からダンスを好きでやってきたからこそ出会えた作品だと思います」と作品愛を披露。ミラージュの行く手に現れる謎の人物・スワン役の植原は「前作よりもさらに色濃くストーリーが動き出しました。新しいキャラクターであったりキャストも加わり、前回と違う雰囲気を稽古の段階ですごく感じています」、スピード狂のバイク乗り・ジェイク役の矢田は「持ち前の荒くれた性格を生かして、物語をひっかきまわします!」と笑顔を見せ、会見は和やかな雰囲気が漂う。映像出演となる平方元基、越岡裕貴(ふぉ~ゆ~)からのコメント動画では、平方の「きっとこの後、屋良くんが面白いことを言ってくれると思います!」という言葉に屋良は「ふざけるんじゃないよ!」、越岡の「ぜひ映像でお会いしましょう!」という短いコメントには「終わりかい!」とツッコミ、会場は笑いに包まれる。「まさに今みたいなやりとりをステージでやります」(屋良)と、映像出演のふたりも活躍しそうだ。公演は9月24日(日)から10月15日(日)まで東京・よみうり大手町ホールにて。その後、愛知、大阪、福岡を巡演。取材・文:中川實穂
2017年09月07日倉持裕の書き下ろし『誰か席に着いて』が、11月10日(金)、東京・シアター1010でのプレビュー公演後、11月28日(木)、東京・シアタークリエにて初日の幕を開ける。そこで9月6日、都内で記者会見が行われ、演出も担う倉持のほか、出演の田辺誠一、木村佳乃、片桐仁、倉科カナが登壇した。【チケット情報はこちら】キャスト4人は、田辺と木村が、片桐と倉科がそれぞれ夫婦という設定。さらに木村と倉科は姉妹であり、芸術家支援の財団を運営している。物語は、2組の夫婦が今年の助成対象者を決定するため、選定会を開くところから始まる。だがそれぞれの隠し事のため、4人が4人とも選定会どころではなく……という大人のためのコメディだ。今年すでに4本目の舞台となる倉持。盆を使った素早い転換や、歌、踊りの要素をふんだんに盛り込んだ作品などが続いたが、「今回はゆっくり腰をすえて、ワンシチュエーションで見せたいなと。その分、皆さんの演技でもたせないといけない。プレッシャーをかけるようですが……」と笑い、キャスト陣に大きな期待を寄せる。片桐以外、初の倉持作品となる3人。田辺は「このメンバーであれば自分が出ていなくても観たい」と切り出し、自身初となる少人数での舞台にも「ワクワクしています」と笑顔を見せる。木村は3年ぶりの舞台に緊張の面持ち。しかし倉持が同世代だということで、「近い感覚の方の演出を受けられることが大変楽しみです!」と意気込む。倉科は倉持のワークショップに参加したことがあるとのことで、「ひとつ演出を受けると、また新しい扉が開かれていく。私だけでなく、皆さんが倉持さんの演出でどう変化していくのか楽しみです」と抱負を語る。また今回で倉持作品への参加が6度目となる片桐は、「倉持さんの描く世界観が大好き。そこにうまく染まりたいですし、期待して欲しいです」と、安定の面白さを予感させる。またこの日は、4人の“アーティスト力”を探ろうと、「今、一番あなたの頭の中を占めている問題は?」というお題で即興イラストも披露された。片桐は18歳の飼い犬を、木村は大好きなホラー映画にちなみゾンビを、倉科は1歳手前の飼い猫を描き、そのどれもが味わい深いイラスト。だがやはり最も注目を集めたのは、“画伯”として巷で大人気の田辺だろう。その独特すぎる自画像に、「感動しています」と倉持。会場は笑いに包まれた。この4人が倉持のもと、いかなる笑いを生み出すのか。11月の開幕を待ちたい。取材・文:野上瑠美子
2017年09月07日「いま最も旬でうまいラーメンは?」をコンセプトに関西最強のラーメンを決定する「第6回 究極のラーメンAWARD関西」が、9月7日(木)発売のムック本『究極のラーメン2018関西版』(ぴあ)にて発表された。“関西ラーメン四天王”と呼ばれる有名ラーメン通4名が選考委員を務め、1000店以上ものノミネート店の中から総合グランプリに選んだのは、和歌山で人気を博すハイレベル店「清乃」。今回は現四天王メンバーによるラスト企画ということで、グランドチャンピオン大会的な様相を呈する中、第4回の総合グランプリ店が史上初のV2を達成する結果となった。豊富な和食の知識や技術を駆使した旨みあふれる極上スープと自家製平打ち麺、柔らかくジューシーなチャーシューなどのひとつひとつが高い完成度を誇るこの一杯を称え、グランプリの記念盾が四天王メンバーの井村京氏から贈呈され、店主の原田智司さんは「金沢の師匠の店のレベルを目指してさらに頑張ります」と、受賞の喜びをかみしめた。また、新店をはじめ、醤油、塩、豚骨、鶏白湯、味噌、つけ麺などの各部門のグランプリ&準グランプリ店も同時に発表。今回も関西のラーメンシーンの最新トレンドが分かる、興味深いラインナップとなっている。■『究極のラーメン2018関西版』9月7日(木)発売本体680円+税ぴあ
2017年09月07日実に14年ぶりの上演とあって期待が高まっている舞台『人間風車』。その作者である後藤ひろひとと、今回の演出を担う河原雅彦が顔を揃えた。売れない童話作家が紡ぎ出すおかしな童話が恐ろしい出来事に展開していくという、笑って笑ってやがて恐怖におののくあの世界は、今回新たにどう立ち上がるのか。創作するふたりの頭の中を覗いた。【チケット情報はこちら】この度の新たな上演にあたっては、後藤と河原が互いに目指したものがある。それは、「最初にこの戯曲を書いたときに、一旦、立ち戻る」(後藤)ということだ。後藤が劇団「遊気舎」に書き下ろして上演されたのが1997年。それから20年の間に何度も上演され、2000年、2003年のG2演出版では、2003年に河原も出演した。「そのとき噂で聞いたんです。最初に遊気舎で上演されたものは、もっと無茶苦茶でとんがってたらしいと(笑)。もちろんあのときG2さんが作られた、笑って怖くて感動するという手触りも、キャッチーだしいいと思うんです。ただ、僕としては、ファンタジーを扱う題材なだけに、綺麗事では済まされない生々しさを前に出したくなるというか。そこで、もともとはどういったものだったんですかと後藤さんにお聞きするところから、今回の作品づくりが始まっていったんです」(河原)。その河原の反応は後藤にとっても非常に嬉しいものだったらしい。「リーダー(河原)と俺は、演劇界のパンクなところから出てきたという共通項があるからか、オリジナルのそのヒリヒリする部分をすごくわかってくれた。だったら元に戻さないと一生後悔すると思って。最初の一文字目から書き直したんです」(後藤)。そうして今出来上がろうとしているのは、主人公である童話作家が、自分の童話が起こす罪とどう向き合うべきかを問いかけるような話。「今の犯罪を見ていると、自分が犯したことへの責任とか償いということをもっと考えないといけないなと思ったりするんです。だから、お客さんもどんどん共犯者に引きずり込んで、観終わったあとにいろいろ話してもらえたらと思っています」(後藤)。とはいえ、「7割はコメディーです」と断言する後藤。河原も、「ホラーって油断させてなんぼですから(笑)、入口は愉快な童話がある楽しいエンターテインメントで、急転直下、どうにもやるせない恐怖に持っていければ」と目論む。舞台美術なども「14年前とはガラリと変えるつもり」だと河原。そこにはより恐怖を高める工夫があるはずだ。その戦慄は、ほかにはない演劇体験になる。舞台『人間風車』は9月28日(木)から10月9日(月・祝)まで東京・東京芸術劇場プレイハウスにて上演。その後、各地を周る。チケットは発売中。取材・文:大内弓子
2017年09月07日オフ・ブロードウェイ発の傑作ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』特別公演が10月、生みの親であるジョン・キャメロン・ミッチェル主演で東京、大阪にて上演される。ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』特別公演 チケット情報日本では過去に三上博史、山本耕史、森山未來が主演を務めて上演を重ね、熱狂的な支持を得てきた衝撃の舞台だ。トランスジェンダーのロックシンガー、ヘドウィグは苦悩の中に己の存在理由を問い、自身のカタワレ(=愛)を求めて珠玉のナンバー(作詞・作曲スティーヴン・トラスク)を歌い叫ぶ。その巡業のステージにヘドウィグとともに立つのが、イツァークである。今回、2007年の山本耕史版ヘドウィグに出演した中村 中が、10年ぶりにイツァーク役としてジョン・キャメロン・ミッチェルと息を合わせることとなった。「嬉しくて小躍りしたい気持ちです。ジョンとは、2008年にやったライブ(山本耕史主演『ヘドウィグ~』ツアーファイナル大打ち上げLIVE~「ジョンも来るよ!」)で一緒のステージに立っているんですが、その時に私が持っていた扇子をプレゼントしたんですね。「今も大切に持っているよ」とメッセージをいただいたりして…。運命の再会だなと感じます」イツァークはドラァグクイーンとして華やかに着飾ることをヘドウィグに禁じられている人物で、どの国においても抜群の歌唱力を持つ女優たちが演じてきた役である。この役を与えられた10年前、中村は「戸惑いの中にいた」と率直な思いを語った。「歌手デビューをした年に、トランスジェンダーであることをカミングアウトしたんですね。その悩みの渦中にいたし、これは、“本当の自分は何なのか”を突きつけられる物語じゃないですか。自分というものが曖昧だった当時は、己と対峙するというテーマに戸惑いを感じていました。でも、イツァークもドラァグクイーンに憧れながらもなれないという迷いの渦中にいて、“自分の生き方”を求めている人。ある意味私にぴったりの役だったのかな…と、今になって思うんです」10年後の今なら自信を持って演じられるかと問うと、さらに正直な、自身をしっかり見つめた答えが返ってきた。「その戸惑いが減った分、できた隙間でこの役を愛せるとは思います。でも逆に当時の未熟な部分が、イツァークという役には必要だったのかも…と思うと、今ではもうできなくなっていることもあると思います。そうやって演じ手によって役が変化していくのも演劇の面白味だと思います。いつやっても答えはない、ということかと」きっと中村やジョンのみならず、劇場に集まった“ヘドヘッド”(熱烈なファンの呼称)の誰もがカタワレを探す旅となる舞台。『銀河英雄伝説』舞台シリーズを手掛けたヨリコジュンの演出にも注目したい。「自信を持って生きられる!という夢を見させてくれる物語です。その世界に飛び込んで、音楽にのって踊りに来てください」チケットぴあでは10月13日(金)追加公演(東急シアターオーブ)のインターネット先行抽選を実施中。取材・文上野紀子
2017年09月06日2015年に宙組トップスターとして宝塚を退団後、『1789-バスティーユの恋人たち-』のマリー・アントワネット役や『花・虞美人』の虞姫役など、圧倒的な美貌と三拍子そろった実力で女優活動を続けている凰稀かなめ。そんな彼女が大切にしてきたライブ活動の一環として、今年は『凰稀かなめ Autumn Show』が帝国ホテル大阪とヒルトン東京お台場で開催される。昼のランチショーは『付き人さんと秋の空』、夕刻のカクテルショーは『今宵あなたとBar Phoenix』とサブタイトルに掲げられている本公演。気になるその内容について、凰稀に聞いた。凰稀かなめ Autumn Show チケット情報“付き人さん”“Bar Phoenix(のマスター)”とは、凰稀が昨年、一昨年と上演してきたライブコンサート『The Beginning』シリーズで登場したキャラクター。前者はおかっぱ頭に丸メガネのジャージ姿、後者はオールバックも端正なイケメンで、どちらも観客から絶大な人気を得ている。「『The Beginning』シリーズのテイストは残しつつ、今回はお食事付きなので、ショー部分は1時間にまとめなくちゃいけない。その中でいかにお客様に楽しんでいただけるか考えていて、メインの内容はランチショーとカクテルショーとで分けることにしたんです」と凰稀は話す。「私自身お笑いが好きなので、まずコメディ要素は必須。その上で、久しぶりにお客様がキュンキュンする男役っぽいシーンも取り入れてみようかな」と言う凰稀。今回のテーマは“一体型”ということで、客席はどの程度参加するのか問うと、即答で「だいぶ」という答えが返ってきた。「恥ずかしがらずに一緒に楽しみましょう」との発言は、最後列や隅々まで客席のお客様の顔を見るのが好きという凰稀の想いからだろう。演出は『The Beginning』も担当したTETSU(Bugs Under Groove)、共演は白華れみ他、こちらもおなじみの面々。“サプライズ”も考え中というから、お楽しみ満載のショーになりそうだ。舞台以外にも、ドラマ『トットちゃん』(10月より、テレビ朝日系列)にエミー市川役として出演。11月22日(水)には全10曲収録のファーストアルバムをリリースするなど、着々と活躍の場を広げている凰稀。「舞台とは違う作り方をするドラマや、アルバムのレコーディングなど、毎日いろいろやらせていただいて楽しい」と笑うが、「“瞬発力”を必要とされるドラマの演技は、初めてのもの。まだまだ勉強中ですね」とサラリ。しなやかに、誠実に、ひとつひとつの作品と向き合う凰稀の活躍が、今後も楽しみだ。公演は9月10日(日)帝国ホテル大阪 孔雀西の間、9月24日(日)ヒルトン東京お台場 ペガサスにて。取材・文佐藤さくら
2017年09月06日2008年から開催されてきた吉本新喜劇座長・小籔千豊主宰の「音楽と笑いの融合」をテーマにしたフェスティバル『KOYABU SONIC』が、3年間の充電期間を経て今年復活する。開催10周年で8回目となる『KOYABU SONIC 2017 supported by タウンワーク』は、インテックス大阪にて11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)の3日間開催。このイベントの第3弾出演者が発表された。「KOYABU SONIC 2017」チケット情報今回発表されたのは、初日にきのこ帝国、リンダ&マーヤ、ハリウッドザコシショウ。2日目にゲスの極み乙女。、ZOMBIE-CHANG、フジファブリック、霜降り明星、テンダラー、藤崎マーケット。3日目に倉たけし、クリープハイプ、ちゃんみな、八公太郎、藤井隆とt-girls、水谷千重子、桂三度、ずん。吉本新喜劇座長・小籔が、アーティストのラインナップ、会場レイアウト、さらには“コヤソニ”ならではのコラボ企画まで完全プロデュース。3年間のパワーを大爆発させて最高の“コヤソニ”を作り上げる。チケットは発売中。
2017年09月05日5年ぶりに、安田顕ふんする“モテリーマン”が帰ってくる! この冬、全国12会場で上演される舞台『スマートモテリーマン講座』の記者会見が9月4日、<新宿にお勤めのみなさまへ贈るモテリーマン特別講義>と題し、西新宿のイベントスペースで開催された。舞台『スマートモテリーマン講座』チケット情報『スマートモテリーマン講座』は、もとはフリーペーパー『R25』(リクルート)で連載されていた人気コラム。日常のどんな些細な状況でも「モテ」を追求するクスッと笑えるユーモアセンスに、独特のイラストで人気だったこのコラムを原作に、鬼才・福田雄一が安田顕とタッグを組み2010年に舞台化。その後2011年、2013年にも上演されている。今回は約5年ぶりの上演とあって期待値も高い……はずが、会見に集まった報道陣を見た安田の第一声は「記者、少ないですね……。これが現時点での我々の実力か……」。福田も「椅子を(多く)並べすぎたのかな!」。とはいえ、マスコミエリアの外にはファンやサラリーマン・OLが大勢取り囲んでおり、その自虐ギャグからもう一帯は爆笑だ。続けて、前作に出演した高畑充希や、前々回に出演した賀来賢人がその後大人気となり「我々の手の届かないところにいった」(福田)という話題から、今回の出演者である戸塚純貴、若月佑美(乃木坂46)らの今後の活躍に期待されるも、現時点では「いまひとつ」とイジられる展開に。戸塚はAmazonのCMに出演中も、福田に「おばあちゃんにヘルメットを買ってあげてる人が戸塚だと結びついていない」と指摘され、「僕なんですよアレ!」とアピール。ただ、今回のキャストについて福田は「4年空けてスベるのは許されない。今回は笑いを作るための無敵の布陣。戸塚も売れてないけど(笑)、笑いを作るとなったら彼はものすごく頼りになる。若月も、僕は秋元(康)さんに直接LINEで「若月が欲しいです!」とお願いしたんです!」と、最強のキャストであることを主張。安田も「5年ぶりだから、これはスベれない。福田さんは絶対に全部の箇所で(笑いに)“当てて”いくはずという根拠のない自信があります。僕は毎回言うことをきかなくて福田さんを悩ませていますが、今回はちゃんと言われたとおりに頑張りたい」と意気込みを語った。出演はほかに、水田航生、シソンヌ(長谷川忍・じろう)ら。公演は11月2日(木)の東京・かめありリリオホールを皮切りに、愛媛、広島、盛岡、青森、札幌、仙台、福岡、大阪、名古屋、静岡とメインキャスト6名の故郷凱旋も制覇する大ツアー。その後12月15日(金)から30日(土)まで、東京・天王洲 銀河劇場にて上演される。
2017年09月05日北斎生誕の地である墨田区とすみだ北斎美術館が、演出に宮本亜門を迎え、朗読劇『画狂人北斎』を9月17日(日)より曳舟文化センターで上演する。美術館から創造、発信する企画としては初の試みとなり、すでに1月にすみだ北斎美術館で、7月に北斎展開催中のロンドン・ 大英博物館内で上演されている本作。そこでロンドン公演から引き続きの出演となる志賀廣太郎、中嶋朋子に話を聞いた。【チケット情報はこちら】恐らく多くの日本人がそうであるように、北斎について「知ったような気になっていた」というふたり。だが本作から浮かび上がる天才絵師の姿に、「70歳にしてそれまでの自分をある意味否定するように、『俺の絵を、俺の表現を』とさらに探求していく。それはものすごいエネルギーだと思います」と、志賀は驚きを隠せない。さらに中嶋は、「年を重ねるごとに鎧を身につけるのではなく、どんどん脱ぎ去っていくことで自分をつくっていく。その信念は、今の私たちにも色濃いメッセージになると思います」と読み解く。志賀が演じるのは、まさに葛飾北斎その人。「確かにパワーが必要な役ですが、何もでかい声を出してうわーっとやるわけではない。胸の内にマグマのようなものを秘めていて、しかもそれがいつ爆発するのか分からない人なんです」と分析する。一方中嶋が演じるのは、北斎の娘で、自らも絵師として活躍したお栄。中嶋は「北斎を見つめる目が、憧れから敬意から憎しみから、いろんなものがないまぜになっている。女性としてなかなかやりがいのある役ですし、やれてよかったなと思います」と充実した表情を見せる。だが役者にとっては朗読劇ゆえの難しさも。まず志賀が「感情はあまり入れないで読んだ方がお客さんの想像力が働くことがままあるんです」と切り出すと、中嶋も「今回は“引き際”がすごく難しくて。エネルギーを溢れさせ演じきる部分、それを潔く手放す部分、その両方の表現が必要なんです。でも、空間から伝えられるものがたくさんあるので、それを信じて身を委ねればいいということも、たっぷり味わっていますと振り返る。舞台全体に北斎の作品を投影するなど、宮本ならではの大胆な演出も。それらを志賀は「決して難しくない、観て楽しめるリーディング」と表現。加えて中嶋は、「飛び出す絵本のすごい版みたいな(笑)、体感型朗読劇です」とアピール。どんな新しい北斎に出会えるのか、その答えは劇場で、目で、耳で感じて欲しい。朗読劇『画狂人北斎』は9月17日・18日(月・祝)東京・曳舟文化センター劇場ホールで上演。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2017年09月05日東京バレエ団公開リハーサルより(C)Kiyonori Hasegawaまもなく開幕の〈20世紀の傑作バレエ〉公演、『アルルの女』上演をもってローラン・プティの作品に初めてのぞむ東京バレエ団が、ゲストのロベルト・ボッレを迎えてのリハーサルを公開、その後の記者懇親会で、ボッレとヒロイン役を演じる同団プリンシパル上野水香が公演への思いを語った。東京バレエ団 チケット情報「来日できてとても嬉しい」と笑顔のボッレ。ミラノ・スカラ座バレエ団のスターとして世界的に活躍するボッレだが、「プティとの出会いは19歳か20歳の頃、『シャブリエ・ダンス』を踊った時でした。プティは私を成長させ、進化させ、バレエという芸術の深みを追求させてくれた振付家。プティ作品における表現はとても難しいが、自分の芸術的成長を助けてくれた。全編を踊るのは2008年以来2度目ですが、この10年、私もいろいろな経験を経て成長した。ぜひ舞台を楽しみにしていただきたい」と話す。ビゼーの音楽で踊られる『アルルの女』は、アルルの闘牛場で出会った女性に心を奪われるあまり徐々に正気を失っていく青年フレデリと、彼に献身的な愛を注ぐ婚約者ヴィヴェットの悲恋を描くプティの代表作だ(1974年初演)。リハーサルでは、次第に狂気にのみこまれていく青年の苦悩を鬼気迫る演技でみせたボッレ。その傍らには、報われない愛に苦しむヴィヴェット役の上野が常に寄り添う。「プティ先生に習ったことは、とても重大なことでした」と上野。ボッレとは「初めて踊ったプティ作品が『シャブリエ・ダンス』、と共通点が。2年前のモスクワでのガラで初共演が叶い、それがプティの『アルルの女』の抜粋であったことも運命では、と思う。“悲しむ人”を表現するのはとても難しいことだけれど、悲しみも人生の中の美しいこと──そういう表現を、したいと思っています」。当日はイリ・キリアン振付『小さな死』のリハーサルも公開。これも、今回が東京バレエ団初演だ。スタジオではプリンシパルの川島麻実子、柄本弾はじめ6組のカップルたちが、キリアンならではの複雑な振付、その独特の世界に真摯に取り組む様子が見られた。「キリアンの振付は天才的」とボッレ。「今回の公演では、プティとともにイリ・キリアン、モーリス・ベジャールの作品を上演されますが、これは三大振付家の、非常にレベルの高い、美しさでも抜きん出た3作品」と、このプログラムに太鼓判を押す。同時上演のベジャール作品は『春の祭典』。同団の代表的レパートリーのひとつであり、海外の劇場でも成功を収めてきた作品だけに、今回実現する新世代の主役ダンサーたちの活躍に、大いに期待したい。公演は9月8日(金)から10日(日)、東京文化会館 大ホールにて。チケット発売中。取材・文加藤智子
2017年09月04日劇団鹿殺しの丸尾丸一郎と松岡充が、新たな演劇ユニットを始動。OFFICE SHIKA PRODUCE VOL.Mとして『不届者』を上演する。一見意外な組み合わせにも思えるこのふたりが、なぜ共に新作舞台を創作するまでに至ったのか、話を聞く。【チケット情報はこちら】2012年の『リンダリンダ』で俳優として共演したふたり。お互いの第一印象を訊ねると、丸尾いわく「世間一般でいうチャラ男」、一方松岡は「稽古中は演出家の、公演中は観客の求めることが手に取るように分かるズルい男」と、決していいものではなかったよう。しかし「松岡さんはすごくストイックだし、お客さんに何か残さないといけないという意識がすごく強い」、「鹿殺しの作品を観続けていくうちに、鹿殺しとは、丸尾丸一郎とはってところがブレない人だと分かってきた」と続け、徐々にお互いに対するリスペクトの度合いを高めていった様子。丸尾は『不届者』創作の原点について、「『リンダリンダ』ではすごくポジティブだった松岡さんですが、僕はその腹の底にある、何か黒い部分を描いてみたくて」と明かす。さらにそれは、残忍な一面を隠し持っていたとも言われる“徳川吉宗”を松岡が演じることで、作品としての明確な輪郭をもち始める。そんな丸尾のアイデアに対し松岡は、「鹿殺しのファンだから」と切り出し、「僕は丸尾丸一郎の描く世界観というものにグッときているひとり。しかも丸くんは、“人間”というものをちゃんと描くことが出来る稀有な存在でもある。だから不安はありません」と、丸尾に全幅の信頼を寄せる。松岡が徳川吉宗を演じるということで、江戸時代が舞台の時代劇かと思えば、決してそうではないと丸尾は言う。「ある詐欺事件と吉宗のいる江戸時代の話がシンクロしていく、そんな劇構造にしようと思っています。だから時代劇でもないですし、恐らく着物も着ない。お客さんにいろいろ想像してもらって、最後には誰もが感じる怖さや情けなさ、生きたいっていう願望なんかが残る作品になればいいなと思います」。ふたりの創作は今後も続いていくのかと問うと、「そう思わせる作品にしないといけない」と丸尾。「松岡さんはもちろん、お客さんに対しても『丸尾と組むといろんな松岡充が見られるぞ』って思わせたいなと。ある意味、松岡さんのことが嫌いな人にも観てほしいです」と笑うと、「本当は俺のこと嫌いなんちゃう?(笑)」とすかさず松岡。だがそんなツッコミも、丸尾への期待の表れなのだろう。「やるからには松岡充の、丸尾丸一郎の代表作だって言えるものじゃないと嫌だからね!」と松岡が見つめた丸尾の顔には、一瞬の不安の後に、はっきりとした自信を見てとることが出来た。OFFICE SHIKA PRODUCE VOL.M 「不届者」は9月27日(水)から10月1日(日)まで、東京・天王洲銀河劇場で上演。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2017年09月04日9月2日に東京公演が開幕した『デスノート THE MUSICAL』。初日に先駆け1日には最終舞台稽古が公開されると同時に、夜神月役の浦井健治と柿澤勇人(ダブルキャスト)、L役の小池徹平の囲み取材が行われた。ミュージカル『デスノート』チケット情報名前を書かれた人間は40秒以内に死ぬという“死神のノート”を手に入れた青年が、正義の名の下社会の悪を粛清していく……という衝撃的な内容で世界的に大ヒットしたマンガ『DEATH NOTE』。このコミックを原作に2015年に日本で世界初演、その後2015年と2017年には韓国で現地キャストでも上演されたミュージカルの待望の再演である。今回のツアーは6月に富山で開幕し、7月に台湾、8月には大阪で上演。場数を踏んだカンパニーはすでにフルスロットル状態、公開舞台稽古も熱く研ぎ澄まされた演技と、大迫力の歌唱で、約3時間の上演時間を駆け抜けた。東京公演に向け、キャストは「いよいよ東京。成熟した状態でカンパニーが一丸となっている」(浦井)、「(舞台作品は東京が公演スタートの場合が多く)ツアーの最後が東京というのは初。初日なのに落ち着いた感じで、みんながドシンと構えている。積み重ねてきたいいものを東京公演にぶつけたい」(小池)と自信の表情。大阪公演では死神・リューク役の石井一孝が体調不良で休演したが、東京公演初日から復帰した。柿澤も「そういうアクシデントも経て、より団結した最高のカンパニーになりました」と話した。ちなみに公開舞台稽古での石井リュークは、石井らしい迫力のバズーカボイスとお茶目な芝居の中にも、背筋の凍るような冷たさも潜ませ、絶品の死神像。小池も「カズさんはどっしりしたお芝居されていたので、本当に安心。お客さまも(心配せず)楽しむことしか考えなくて大丈夫です」。日本発のオリジナルミュージカルとして大きく羽ばたきつつあるこの『デスノート THE MUSICAL』、囲み取材の場では早くも再々演の可能性についての話題も飛び出した。具体的な話は「まだ何も…」とのことだが、「自分たちが出演するかどうかは別として、多分ずっと続けていく、続いていく作品。再々演が必ずあると思う」(柿澤)、「(主催である)ホリプロの社長さんは、“ドーバー海峡を越えるという夢がある”と仰っていた。台湾でもあれだけの熱狂で迎え入れてもらったので、やっぱり日本オリジナルのミュージカルを(世界に)持って行って、認められたい。自分たちはその“橋渡し”。次の世代へ、どんどん進んでいって欲しい。そのために一公演一公演を大切に演じたい」(浦井)とそれぞれ話した。そんなカンパニーの熱い思いもこもった2017年版『デスノート THE MUSICAL』、お見逃しなく。公演は新国立劇場 中劇場にて、9月24日(日)まで上演。チケットは発売中。
2017年09月04日畠中恵のファンタジー時代小説が原作のミュージカル「『しゃばけ』弐 ~空のビードロ・畳紙~」が9月2日に開幕。それに先がけ公開ゲネプロが行われた。【チケット情報はこちら】脚本を神楽澤小虎(MAG.net)、演出・音楽を浅井さやか(One on One)が手がけるミュージカル「しゃばけ」シリーズの第2弾となる今作。平野良と藤原祐規のW主演で、各キャラクターごとにフィーチャーした「空のビードロ」(『ぬしさまへ』所収)と「畳紙」(『おまけのこ』所収)のふたつの物語が描かれる。シリーズの主人公・一太郎は、第1弾(今年1月上演)で演じた植田圭輔が声で出演する。妖(あやかし)と人間が共存するファンタジーの世界で、だからこそ際立つ人間たちの複雑さが温かな視点で描かれる本作。そのひとつひとつを表現していくのが、浅井のつくりあげたバラエティ豊かな楽曲の数々だ。今作では特に登場人物の“孤独”や“寂しさ”が描かれており、その繊細な感情とそれを包み込む温かな空気を、ときにバラードで、ときにポップな曲&ダンスで、彩り豊かに描いてみせた。その中でも、平野演じる一太郎の腹違いの兄・松之助が中心となる「空のビードロ」で、口数の少ない松之助が言葉に出せない想いを歌い上げる切ないソロ曲や、奉公人たちが賑やかに歌い踊る曲が印象的。そして、藤原演じる付喪神・屏風のぞきが中心となる「畳紙」では、口は悪いがやさしい屏風のぞきと、その屏風のぞきにだけは素直になれるお雛(岡村さやか)の、気持ちが通じ合っているからこそ生まれる美しいハーモニーが見どころのひとつだ。ゲネプロ後の会見で平野は「時代は違えど人の心にある悩みだったり苦悩だったり、押し込められている感情だったりが題材になっていて。観終わったあとにスッキリと晴れやかな気持ちになれるような作品になっていると思います。たくさんの方に観ていただきたいですし、観た方の世界が変わるような作品だと思っています」。第1弾から屏風のぞき役を演じる藤原は「前作ではひたすら僕の思う屏風のぞきの可愛らしさを追求しました。今作は、この綺麗で素敵なお話をお客様にお届けできるよう、千秋楽までより良いものを目指してがんばっていきたいです」また、今作から参加する石井智也は「父親が劇団に所属していて、この紀伊國屋ホールは僕が幼少期から他の役者さんに遊んでもらったりしていた場所でした。やっと今日、僕は父親や憧れの先輩方と同じ景色が見られるんだなと思うと本当にうれしくて感無量です」と感慨深い様子だった。公演は9月10日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて。取材・文/中川實穗挿絵:柴田ゆう(C)2001 畠中恵/新潮社(C)2017 CLIE
2017年09月04日9月16日(土)・17日(日)・18日(月・祝)に東京・TOKYO ODAIBA ULTRA PARKで行われる『ULTRA JAPAN 2017』への出演で話題沸騰中のUnderworld。これに先駆け、9月15日(金)Zepp Namba(OSAKA)で行われるライブのサポートアクトに石野卓球、真鍋大度の2組が決定した。Underworld チケット情報このスペシャルライブは大阪のみで行われ、毎回革新的なプロダクションで会場を熱狂の渦に巻き込むUnderworldのフルスケールのパフォーマンスが体感できる、まさにプレミアムな一夜!チケットは発売中。
2017年09月04日坂東玉三郎が太鼓芸能集団鼓童と出会って17年。2006年に上演された音楽舞踊劇『アマテラス』に続く共演2作目となる「幽玄」。東京、新潟、名古屋に継ぐ博多座公演の開幕直前、玉三郎と太鼓芸能集団 鼓童のメンバーに話を聴いた。【チケット情報はこちら】鼓童代表・船橋裕一郎は「玉三郎さんからは『お客様がどう感じるか』をまず考えなさい、と言われ続けました。太鼓は演者が出したい音で演奏する事も多くて、そこは大きな課題でしたね。稽古、公演を重ね、これまでとはひと味違うお客様の反応を感じた時、自分たちが太鼓の新しい領域に入っていけたのかなと感じました」。鼓童入団2年目の大塚勇渡は、今回が初めての玉三郎との共演。「ソロで玉三郎さんと共演するシーンがあるんですが、初めて冷や汗というか脂汗を体感しました(笑)。同じ舞台に立ちながら、日々玉三郎さんの存在の大きさを実感しています」と緊張感を感じながらも楽しんでいる様子。そして『アマテラス』では音楽監督・スサノオ役を務めた石塚充は「鼓童の舞台では、人間の汗とか息遣いを感じるような生活に即した民俗音楽を題材にすることが多かったんです。でも能楽は人間を超越していて、自分というものを排除しているイメージ。大きなハードルでしたが、修行のような稽古を重ねるうちに段々と“自分じゃないもの”に突き動かされているような、自分というものが離れていくような感覚に出会えるようになりました」この“自分から離れる”という事は、今作のテーマのひとつであった、と玉三郎が続けて語る。「人間の肉体とか直接の表現、自分たちが太鼓を叩くことを楽しむだけでは、舞台芸術として幅や奥行きが出ない。叩くということを見せるだけじゃなくて、お客様が違う世界にまで飛んでいけるような音楽を作らなければならない。そこは本当に考えましたね」。能の代表的な演目「羽衣」「道成寺」「石橋」を題材にしている本作。なんとなく敷居が高いイメージだが、玉三郎は「夕焼けが綺麗だな、というような心地よい時間を自由に楽しんで欲しい」と語る。「私たちは能そのものを演じることはできません。様式は生かしながら楽しんでもらえる演奏にして、お客様には自由に空間とか時間を遊んでいただきたいですね。舞台の基準というか到達点もその時々によってずれていきます。だからきっと初演のオーチャードホールからも変わっているんじゃないでしょうか。そうじゃなきゃ芸能じゃないんです。今回、幽玄という言葉では表現しづらい世界ですが、実際に観ていただければ、劇場の空間全体の音や雰囲気を楽しんでいただけると思います」と、新たな挑戦に自信を覗かせた。博多座公演は9月18日(月・祝)まで上演中、ロームシアター京都メインホール公演は9月21日(木)から23日(土・祝)まで。チケットは発売中。
2017年09月04日俳優/脚本家の宅間孝行が主宰するエンターテインメントプロジェクト「タクフェス」の4年ぶりの新作舞台『ひみつ』の発表記者会見が開かれ、宅間をはじめ、戸田恵子、松本利夫(EXILE)、福田沙紀らキャストが登壇。新作の内容が明らかになった。【チケット情報はこちら】宅間は、「かつて映画監督の堤幸彦さんから、『ふたりで漫才の芝居をやってもらったら、僕が映画化したい』と言っていただいたことがありまして。映画化してもらえるんだったら、やってみようと(笑)」と戸田に主演をオファーした理由を明かした。本作では、戸田、宅間、松本が3人姉弟、福田が戸田の娘を演じる。姉弟漫才師“虹色渚ゴロー”として活躍する本橋渚(戸田)と五郎(宅間)。マネージャーでもある末弟の八郎(松本)に支えられ、人気絶頂だったある時、渚と五郎に運命を一変させる出来事が起こり、渚は娘の山之内夢(福田)と離れ離れで生きることに。夢の知らなかった本橋家の“ひみつ”が明らかになっていく。戸田は、「ひとりっ子の私は姉弟の役をいただけるだけでうれしくて。千秋楽にはどつき合いができるような兄弟になりたい」と意気込みを語った。戸田と福田は、タクフェスに出演するのはこれが初めて。「いろんな方から、ついにタクフェスに出るんだねと声を掛けていただきました。この“ついに”がどういう意味なのか?」と戸田が話すと、福田も「どんな稽古、舞台になるのか、いまからドキドキしています」と期待に胸を膨らませた。また、「何十年も舞台をやってますけど、初共演の方ばかり」とベンガルが明かすように初顔合わせも多い。新たな化学反応も楽しみだ。すでに台本に目を通したというキャストたちは、「涙が止まらなかった」と声を揃えた。東風万智子は「いいお話と一言で言うことのできない、切なくて悲しい部分もあり、とても深いお話だと思った」と感想を話すように落涙必至の内容のよう。福田は「こんなに涙が止まらなかったのは初めて。その衝撃を忘れずに最後まで突っ走っていけたら」と意気込みを語った。また、タクフェスに出演するということは、“お酒”も重要のようで、第2弾『夕 -ゆう-』に出演した山崎静代(南海キャンディーズ)が「この舞台でお酒に目覚めて、一戦一戦強くなっていった」と明かすと、EXILEのメンバーでレモンサワーを2500杯飲んだ伝説を持つ松本は、「10都市のレモンがなくなると思います(笑)」とコメント。それを聞いた宅間が、「昔は酒、酒って言ってましたけど。いまはそんなでもないですよ、ねぇ?」と助け舟を求めたが、「そんなですよ」と山崎が即答。舞台の外でも盛り上がりそうだ。タクフェス第5弾『ひみつ』は、10月19日(木)鹿児島公演よりスタートし、全国10都市で開催。東京公演は、10月31日(火)から11月12日(日)まで池袋・サンシャイン劇場にて上演。チケット発売中。取材・文:門 宏
2017年09月01日とんでもなくスペシャルな一夜になりそうだ。11月27日(月)に行なわれるラン・ランと真鍋大度のコラボレーションが大きな注目を集めている(東京国際フォーラムホールA)。ラン・ラン(p)/真鍋大度 チケット情報天与の才能はもとより、その柔軟な音楽性で、共演する巨匠たちの美質をもばりばりと吸収し続けるピアニストのラン・ラン。すでに現代を代表する名演奏家の風格を十分に感じさせる一方で、今年のNHK大河ドラマ「おんな城主直虎」のテーマ曲ではヤルヴィ&NHK交響楽団とともにスケールの大きい華麗なピアノ・ソロを披露して、お茶の間での人気もうなぎのぼりだ。11月、ラトル&ベルリン・フィル来日公演のソリストとして同行する彼が、一日だけ開くソロ・コンサート。それが過去に例のない世界初の企画なのだ。真鍋大度は世界が注目するメディアアーティスト、プログラマー。「メディアアーティストって?プログラマー?」と、即座には理解できなかった方もいるかもしれない。ある意味それが正解。彼の活動を既存の肩書きに収めるのは難しい。コンピュータでプログラミングした映像や照明など最新のテクノロジーを駆使して、摩訶不思議な空間演出を手がけるアーティスト。デジタル時代の申し子だ。昨年のリオ五輪閉会式での、2020年東京大会のプレゼンテーションは記憶に新しい。小池百合子都知事が五輪旗を受け取り、「安倍晋三マリオ」が登場したあの「トーキョーショー」で、競技場のフィールドいっぱいにさまざまなヴィジュアルを浮かび上がらせていたのが真鍋の仕事だ。どうやっているのか全然わからない未来の視覚。今まで誰も見たことがないチャレンジングな演出を次々と繰り出す彼のもとには、世界中からコラボレーションのオファーが殺到している。真鍋の創り出すコンテンツはインタラクティブ(双方向型)だ。あらかじめプログラミングされた映像を演者の動きに寄り添って投影するのでもなければ、まして演者の側が、時間軸に沿って配置された映像のタイミングに合わせて演じるのでもない。プログラム自体が演者の動きを読み取って、まるで感情を持ったかのように振る舞う光の明滅は、人間同士のアンサンブルにも似ている。もちろん今回は、動きだけはなく、ラン・ランの「音」とのリンクも重視されるんじゃないだろうか。ラン・ランの自在な呼吸が紡ぐ音楽の奔流が、真鍋の映像と呼応して生み出す一期一会のアート空間。クラシック音楽史の新たなページが開く瞬間かもしれない。われわれは、その貴重な目撃者になる。取材・文:宮本明
2017年09月01日世田谷パブリックシアターが開場20周年を記念して、日韓文化交流企画となる舞台、イプセン作『ペール・ギュント』を12月に上演する。舞台『ペール・ギュント』チケット情報本作は、平昌オリンピック開・閉会式の総合演出を手掛ける韓国演劇界のトップクリエイター、ヤン・ジョンウンが芸術監督を務める劇団旅行者(ヨヘンジャ)にて上演を重ねてきた代表作のひとつ。日本では第20回BeSeTo演劇祭(13年)の招聘公演として新国立劇場にて上演され、際立つ身体性と言語表現によって色鮮やかに劇場空間を埋め尽くす、ヤン独自の世界観が大きな反響を呼んだ。今回は主人公ペール・ギュント役を浦井健治が担い、ワークショップで選ばれた日本人キャスト、ヤンの信頼厚い韓国人キャスト、そしてヤンの希望によりすべて日本人スタッフで固めた布陣で新演出版を誕生させる。海を越えた注目のタッグ、浦井とヤンに話を聞いた。「異なる文化で育った者同士が良いところを持ち寄り、一緒に冒険ができることはとても贅沢で幸せなこと。僕は参加できなかったのですが、今回共演する趣里ちゃんやほかの役者仲間から、すごい熱量でワークショップの報告が来たんですよ(笑)。『面白かった!ここまで自分をさらけ出すことができるのかと思った』と。そこまで思えるのは素敵ですよね」(浦井)「サイモン・マクバーニーが日本の俳優と作った『春琴』を世田谷パブリックシアターで観て、この空間にとても演劇的魅力を感じ、いつかこんな交流の舞台をやれたらと夢見ていました。浦井さんとの出会い、スタッフとのやり取りなど、すべての過程が今楽しくて仕方ありません。韓国人俳優に比べて日本人俳優はひかえめだという話をよく耳にしますが、ワークショップで出会った日本の俳優たちは全然違いましたね(笑)。すごく自由で、エネルギッシュで、挑戦を楽しんでいた。僕のほうがインスピレーションをもらいました」(ヤン)ワークショップについて浦井が「参加できず残念だったけど、僕は臆病なので」と冗談めかして言うと、ヤンはひときわ大きな笑い声をあげた。「先ほど浦井さんが口にした“冒険”という言葉が胸に刺さり、今また“臆病”という言葉にさらに深く揺さぶられました。私は、ペールも完璧な臆病者だと考えています。なぜなら、彼を信じる母親と恋人を故郷に残して自分探しの旅に出るペールは、あらゆる選択の局面でいつも無意識的に逃げ出すからです。すべての人間の怖れ、不安を集約したものがペール・ギュントで、浦井さんはそれを直感的に探り出したスマートな俳優だなと。期待が高まります」(ヤン)趣里、マルシアなど日本人15名と韓国人5名、総勢20名の出演陣で立ち上げる壮大な冒険譚。両国の情緒の差異を楽しみ、共感を探る、刺激的な旅路の始まりだ。「本当に大切にしたいものは身近にあることを伝えてくれる物語です。この作品を経験することで、僕も人生が豊かになるんじゃないかなと予感しています」(浦井)東京・世田谷パブリックシアターにて12月6日(水)に開幕。9月24日(日) より一般発売。取材・文:上野紀子
2017年09月01日8月30日、都内稽古場でミュージカル『パジャマゲーム』の公開稽古が行われた。【チケット情報はこちら】場面披露ではまずオープニングの3曲、「パジャマゲームオープニング」「時計と競争」「ブルータウン」まで。ミシンが出てきて女たちがパジャマを縫い始めると、社長は「時間を無駄にするな」と追い立てる。慌ただしい工場の様子や労働者たちの愚痴が、アップテンポの歌と踊りに乗せて描かれる。そこへ新しい工場長としてイケメンのシド(新納慎也)がやってくるが、工員たちの信頼はゼロ。シドのソロバラード「ブルータウン」では、ここで自分の道を絶対に見つけると決意を吐露する。工場をこう見せるのか!とワクワクする展開だ。また2幕頭の「スチームヒート」は、ハットと黒衣裳の3人組が踊る代表曲。今回はストーリーを改変し、ベイブ(北翔海莉)がセンターで踊るという今までにないスタイルに。蒸気のシューッという音を歌に取り混ぜながら、粋で軽快な音楽とこれぞフォッシースタイル!という振付が素晴らしい。会見で、北翔海莉は宝塚退団後、女優デビュー作としての実感について、「ベイブは本来の自分のまま入り込める役。トムさんのお芝居の中で自然体でいられるので、あまり女優という意識がなくて。21年間はいていなかったスカートの所作がわからず、相手役だった妃海風さんに電話して伺いました」とコメント。新納慎也はイケメン役について、「僕らは二枚目の役ですが、周りの人たちはキャラが濃くてお稽古で色々と仕掛けてくる。それをやりたい気持ちを抑えて、気どっています。でも『工場長かっこいいわね』とか言われると、台詞とわかっていてもいい気分になりますね」と話した。海外の演出家、振付家(ニック・ウィンストン)から刺激を受けることを聞かれると、「大道具、小道具の使い方の発想がポップコーンみたいに湧き出てくるのには、驚きます。今までに体験したことのない演出」(北翔)「トムもニックもこう見えて若い(笑)。この若さでこの感性と発想力、独創性、現代性を持っている。今回の演出も70年前の作品の古き良きミュージカルの良さを残しつつすごく新しい。日本にはない感覚かと」(新納)とそれぞれ語った。反対に、トムとニックに北翔と新納の印象を聞くと、「ふたりともやる気満々で有名な役の割に怖気づかない。このバージョンの役を一緒に作ることに挑んでくれるのは本当に嬉しい。日本に来る度に皆さんの献身には本当に感動します。ロンドンに帰ると、なぜみんな日本人みたいにできないのかと思う(笑)」(トム)「スポンジのように吸収力が素晴らしく、僕が投げたものを全部吸収して、その上より良いものにしてくださる。だからもっと投げたくなります(笑)」(ニック)と話した。公演は9月25日(月)から10月15日(日)まで東京・日本青年館ホール、10月19日(木)から29日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。チケット発売中。取材・文:三浦真紀
2017年09月01日4人組ダンスヴォーカルグループFIZZY POP(ナチュラル炭酸)が初のワンマンライブを12月20日(水)に東京・Shibuya WWWで開催することが決定した。【チケット情報はこちら】FIZZY POP(ナチュラル炭酸)は、俳優として映像作品や舞台・ミュージカル出演、バックダンサーやアーティスト活動など様々な分野で活躍する内海大輔、橋本汰斗、山下銀次、白水萌生により今年の5月に結成されたグループ。ライブを中心に活動しているほか、内海、橋本のふたりは9月に行われる2.5次元舞台『超!脱獄歌劇 -ナンバカ-』への出演が決定している。一般発売に先がけて、プレイガイド独占で先行抽選プレリザーブを実施。受付は9月1日(金)昼12時より。■『FIZZYPOP 1st ワンマンライブ ~Future is in Our Hands~ 』日時:12月 20日 (水)開場18:00 / 開演19:00会場: Shibuya WWW(東京都)料金:前売り券 4,200円 (税込)※別途1D
2017年09月01日日本のドラマや映画に欠かせない女優であり、三谷幸喜や永井愛ら名だたる演出家の舞台に立つ舞台役者でもある戸田恵子。50歳の折りには10代の時以来の歌手デビューを果たすなど活躍の場を広げている戸田が、“還暦記念ライブショー“と題して戸田恵子60th Anniversary Live Show「Happy Birthday Sweet 60」を上演する。「謹んで、赤いプレゼントはお断りさせていただきます」と記されたチラシを手に、戸田に聞いた。【チケット情報はこちら】稽古場に入ると、演出・振付を担当する戸田の盟友・植木豪が、冒頭〈子供時代〉の振付を確認中。書道やピアノ、体操など、お稽古事に明け暮れた戸田の幼少時代が、物語仕立てのダンスで綴られてゆく。共演ダンサーのHILOMUとTAKAHIROは、ある時はお稽古事の先生、ある時はスカウトマンに扮して当時の戸田の様子を再現。ひとたび動き出せばガラリと空気を変える戸田の傍らで、演出に細かな微調整を加えてゆく植木の姿が印象的だ。舞台は〈演歌歌手時代〉〈声優時代〉、さらに〈女優時代〉と進んでゆくなか、幻の歌手デビュー曲「ギターをひいてよ」や、カリスマ的人気を誇ったアニメ『伝説巨神イデオン』のエンディングテーマ曲「コスモスに君と」も披露するというから見逃せない。「60歳になろうとしている今も、何にも変わってないなぁと思うんですけどね」と戸田は笑いながら、「ただ、還暦といわれる年までやってこられたのは、本当にお客様や周りの方々のおかげ。“日頃のご愛顧に感謝して”(笑)、楽しいショーにしたいと思っています」と話す。その言葉通り、お祝いに駆けつける日替わりゲストは春風亭昇太やナイツ、ロバート、ずん、ニッチェといった人気芸人の面々。「DJも、やついいちろうさん(エレキコミック)にお願いしました。たとえばお正月に“お笑い”を見て1年がハッピーに過ごせるように、この舞台を観て、これまでの苦労も笑い飛ばせるような気持ちになっていただけたら」と戸田は語る。歌手再デビューのほか、近年は映画祭のディレクターや番組MC、講演会など、新たな仕事にも意欲的に取り組んでいる戸田。その理由を問うと、「50歳になる直前に母を亡くして“命は限りがある”ということを痛切に感じたことですね」という答えが返ってきた。「それで、いただいたご依頼は臆せずトライしていこうと気持ちが切り替わりました。(戸田がタイトルロールを務める)アニメ『それいけ!アンパンマン』の作者やなせたかし先生に、『人生は喜ばせごっこ。戸田さんは人が喜ぶことをやりなさい』と言っていただいたことも大きいです」と戸田は言う。年齢を重ねてますます輝きを放つその姿を、本作で存分に楽しみたい。戸田恵子60th Anniversary Live Show「Happy Birthday Sweet 60」は9月8日(金) ・9日(土)・10(日)、東京・品川プリンスホテルクラブeXにて開催。チケットは発売中。取材・文佐藤さくら
2017年08月31日指揮者・西本智実が芸術監督を務めるイルミナートフィル&イルミナートバレエが、2014年の『白鳥の湖』、2016年の『くるみ割り人形』に続く3作目の全幕バレエとして『ロミオとジュリエット』に挑む。「音楽・バレエ・言語」の融合の試みとして2010年に初演したコンサート形式の『ロメオとジュリエッタ』を軸に、新たな演出・振付によるグランド・バレエを生み出すという。【チケット情報はこちら】西本は今回、指揮および演出を手がけるにあたり、こう意気込む。「2008年にスイスのダボス会議に招待されて参加した際、会議を通じて、150年前と今とに共通する“地図”のようなものを感じました。それ以降、私が制作するオペラやバレエでは常に、“今は何をすべきか”という問いかけを入れています。ですから『ロミオとジュリエット』では、平和を持続させることの難しさが重要なテーマのひとつ。なぜこの悲劇が生まれたのか、悲劇を未然に防ぐことはできたのではないかといったことを、遠い国の昔の話ではなくリアルな世界として感じていただける舞台にしたいと考えています」作曲のプロコフィエフは、西本とは縁の深いロシアの作曲家。彼がリムスキー=コルサコフに管弦楽法を学んだサンクトペテルブルク音楽院指揮科に西本は留学し、リムスキー=コルサコフの孫弟子にあたるイリヤ・ムーシンに学んでいる。「音楽院図書館には学生時代のプロコフィエフの写真が掲げられていて、とても美しい顔立ちなのですよ。彼は『ロミオとジュリエット』の中で、若者ふたりの性急でピュアな愛を、どこまでも上昇・飛躍するかのように巧みに転調しながら描き、また、ふたりの命を事切れさせる『運命の女神』などは素晴らしい不協和音で表現しています。音域で言えば音響的な振り幅がとても広く、弱音から突然の強音、めまぐるしい転調に、演奏者である私の感覚も揺さぶられながら指揮しています」イルミナートフィル&バレエの公演では、作品の既存のイメージに留まらない新しい解釈が見られるのも特長だ。「私が演出するバレエでは、音楽とバレエを有機的に融合させるため、楽曲分析した音楽から台本を作り直し、それを基に振り付けしていきます。さらにこの舞台では、必要最小限で言葉を字幕に表示します。ロミオと出会ったジュリエットは間もなく14歳という年頃。彼らの恋が、愛となり、そして死を迎えるまで、たった5日間の出来事ですが、そのジュリエットを、人生の全てを集約した象徴的な存在として演出しています。舞台には虚構もありますが、映像と違って全て生で表現します。命の煌めきや燃焼を、出演者総力をあげて表しています。2日間しか上演しない舞台です。ぜひ一緒に感じ合いましょう」公演は9月9日(土)・10(日)、東京・新国立劇場オペラパレスにて。チケットは発売中。取材・文:高橋彩子
2017年08月31日今年2月から閉館して改修工事を行なっていたサントリーホール。9月1日(金)のリニューアル・オープンに先立って内覧会が開かれ、リフレッシュした姿をひと足早くお披露目した。
2017年08月30日