チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (157/342)
3月21日、「五月花形歌舞伎」の取材会が行われた。これは大阪松竹座で5月に開催されるもので、市川猿之助、中村勘九郎、中村七之助の3人が2009年2月以来、じつに8年ぶりに大阪で共演するというもの。「五月花形歌舞伎」チケット情報取材会は、席に着くやいなや猿之助が手持ちのスマホで勘九郎を撮影するなど、終始和やかな雰囲気。かつて共演を重ねてきた「浅草歌舞伎」の思い出に話が及び、「楽しかった」と3人から笑顔がこぼれる。勘九郎が「『浅草歌舞伎』は1年の始まりでもあり、締めくくりでもあった」と話すと、七之助も「公演が終わって飲みに行くなんてことはほとんどなかった。でもお互いが舞台の上で理解しあい、熱気が生まれ充実していた」と懐かしんだ。当時は若手だった彼らも、8年という時を経て実力も人気もぐっと高まったタイミングで催される今回の公演。中村屋と澤瀉屋、それぞれの家が得意とする演目にお互いが出演するのがひとつの見どころだ。昼の部で上演される『金幣猿島郡(きんのざいさるしまだいり)』は三代猿之助四十八撰の内のひとつで、宙乗りもあり、エンタテインメント性の高い演目。猿之助はこの公演中、5月16日(火)の公演で宙乗り1000回を達成することとなる。驚く勘九郎、七之助に「あっという間でしたね。それでもおじ(猿翁)の記録を更新するにはあと4000回やらないといけないですから」と淡々と話す猿之助。「最初は力んでいたが、年を重ねて無駄な力が抜けた」と道のりを振り返った。勘九郎、七之助はともに初役であり、「演じるのが楽しみ」と顔をほころばせる。夜の部で上演される『怪談乳房榎』は中村勘三郎が繰り返し工夫を重ねながら上演をしてきた演目。勘九郎、七之助も赤坂ACTシアターを始め数々の劇場で演じてきたが、松竹座での上演は初となる。今回磯貝浪江役を演じることとなる猿之助は、勘三郎との思い出として「『あなたは(観客に)魔法の粉を振りまくからね』と言ってくださったことがあった。それはいまも誇りです」と明かすと、勘九郎が「猿之助さんの芝居を観た父が僕に電話をしてきて、『俺に似てる!』と褒めていた」と笑わせた。若い頃に同じ舞台で共演を重ねた3人が、それぞれに経験を重ねて再びあいまみえる。その成長と息の合った演技に期待したい。公演は、5月2日(火)から26日(金)まで大阪松竹座にて上演。チケットの一般発売は4月5日(水)10:00より。一般発売に先駆け、チケットぴあでは、4月4日(火)23:59までインターネット先行先着(プリセール)を実施中。取材・文:釣木文恵
2017年03月31日3月28日(火)より東京・東京藝術大学大学美術館で戦国時代、東国で活躍した画僧、雪村周継の回顧展が開催される。【チケット情報はこちら】独自性の高い画風で後世の画家に強い影響を与えた雪村。その「奇想」に迫る同展は海外からの里帰り作品を含めた主要作品約100件と、関連作品約30件で構成される過去最大規模の回顧展。館内の音声ガイドは声優の若本規夫が担当する。さらに会場では、ボールペンやトートバッグなどのオリジナルグッズを販売される。また、公式サイトでは本展の見所のひとつ、重要文化財《呂洞賓図》を、バナナの皮に絵を描く“バナナート”で表現する動画が公開中。4月22日(土)にはバナナートのワークショップの開催も予定されている。『特別展「雪村-奇想の誕生-」』は東京・東京藝術大学大学美術館で5月21日(日)まで開催された後、8月1日(火)から9月3日(日)まで滋賀・MIHO MUSEUMで開催。東京会場のチケットは発売中。■『特別展「雪村-奇想の誕生-」』【東京会場】東京藝術大学大学美術館(東京都)3月28日(火)~5月21日(日)【滋賀会場】MIHO MUSEUM(滋賀県)8月1日(火)~9月3日(日)
2017年03月31日ドラゴンクエスト誕生30周年を記念した「ドラゴンクエスト」ウインドオーケストラコンサートが3月11日より開催中。同公演について、ドラゴンクエストシリーズの作曲家であるすぎやまこういちからコメントが寄せられた。【チケット情報はこちら】実際にコンサートを鑑賞したというすぎやまは「日本を代表する吹奏楽の作曲家、真島俊夫さんの吹奏楽編曲なのですが、本当に素晴らしい。旋律がカッコよくてキラキラしているんです。音の海原が目の前に広がります。そして、東京佼成ウインドオーケストラは、全国の吹奏楽団のお手本になる一流オーケストラ。その演奏者たちがノリノリで、私も心踊り、元気をもらえました。ぜひ、真島俊夫さん吹奏楽編曲の『ドラゴンクエスト』を生演奏で楽しんでみてください」と語っている。現在、7月9日(日)東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール公演の先行を実施中。受付は4月7日(金)午後11時59分まで。そのほかの公演は予定枚数終了の公演をのぞき発売中。■「ドラゴンクエスト」ウインドオーケストラコンサート吹奏楽による「ドラゴンクエストI, II, III」/指揮:大井剛史4月22日(土)川口リリア・メインホール(埼玉県)吹奏楽による「ドラゴンクエストVII, VIII」/指揮:永峰大輔5月4日(木・祝)大田区民ホール・アプリコ 大ホール(東京都)吹奏楽による「ドラゴンクエストI, II, III」/指揮:井田勝大5月20日(土)千葉県文化会館 大ホール(千葉県)吹奏楽による「ドラゴンクエストI, II, III」/指揮:井田勝大5月21日(日)栃木県総合文化センター メインホール(栃木県)吹奏楽による「ドラゴンクエストⅨ」/指揮:永峰大輔7月9日(日)かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール(東京都)吹奏楽:東京佼成ウインドオーケストラ
2017年03月31日大ヒット推理ゲームを原作にした舞台『スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE 2017 ~さよなら絶望学園~』が、2017年3月に上演される。累計80万本を売り上げるゲーム『ダンガンロンパ』シリーズを原作にした舞台シリーズ2作目の再演(2015年初演)で、主人公・日向 創は横浜流星が演じる。前作に続き超高校級のメカニック・左右田和一を演じるいしだ壱成と、同様に今回も映像出演で参加する神田沙也加に話を聞いた。「スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE 2017 ~さよなら絶望学園~」チケット情報1作目から舞台シリーズ全作に出演してきた神田。2作目である今作の面白さについて「『ダンガンロンパ』は人がたくさん出てきて、普通は『こんなにいたら覚えられない』ってなりそうなんですけど、それぞれがビジュアル含め個性がものすごい。2作目は1作目よりさらにそれが濃くなった感じで。なのでキャラクターが出てきたときに目も楽しいし、本当にゲーム画面から飛び出してきたような迫力があります」。2作目初演から出演するいしだは「いろいろあるんですけど、僕が一番すごいなと思っているのはスピード感。追いつくのがやっとっていうくらいのスピードで進んでいく。ちょっとでも息抜いてるととんでもなく先にいってますからね。どっちかというとアクションに近い」。自身の役柄についていしだは「(演じる左右田は)何に対しても報われないっていうキャラクターなんですけど、その報われなさが楽しくて。初演では、左右田くんにはコアなファンがいると聞いたので、すごく真似しました。ゲーム画面で見られる左右田くんのポーズはほぼ全部やれるように、うまく芝居に組み込めたかなって思います。今回もそういった遊びは楽しみにしていますし、もっともっと左右田くんの深いところを演じていきたいです」。神田の役は公演まで極秘だが、初演での印象は「すごく怖かったです(笑)。映像を飛び出されてましたね。そこにいるかのような錯覚を覚えました」(いしだ)。今作について、いしだは「演出が変わりますし、いろいろな部分が変わると思うので、新しい作品を作るような感じがします。なぞるようなことは絶対しないと思うんですけど、やっぱりまたエッジのきいたものができるんじゃないかなと思っています」。神田は「シリーズ最初から知ってる方は楽しみがどんどん増していく一方だし、逆に初めての方がどこから入っても置いていかないのがすごい。フラットに楽しんでいただけたらと思います」。公演は2017年3月30日(木)から4月2日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。ぴあでは当日引換券を発売中。取材・文:中川實穗
2017年03月30日6月3日(土)・4日(日)の2日間、静岡・吉田公園特設ステージで開催される野外フェスティバル、「頂-ITADAKI-2017」の出演アーティスト第4弾が発表された。【チケット情報はこちら】出演が決まったのは、同フェスへの出演を皮切りに再始動することになった犬式 (INUSHIKI)のほか、DUBSENSEMANIA Guest.PAPA U-Gee、サニーデイ・サービス、スチャダラパー。また、キャンパー限定のMOON STAGEには、奇妙礼太郎とMarterが登場。これで全ての出演者が出揃った。チケットの一般発売は4月1日(土)午前10時より。■「頂-ITADAKI-2017」日時:2017年6月3日(土)・4日(日)会場:吉田公園特設ステージ(静岡県)出演:EGO-WRAPPIN’ / toe / EVISBEATSとPUNCH&MIGHTY / never young beach / OKAMOTO’S / THA BLUE HERB / ロバート・グラスパー・エクスペリメント / 渋さ知らズオーケストラ / GOMA & The Jungle Rhythm Section / 高木正勝 / THE BAWDIES / 水曜日のカンパネラ / Yogee New Waves / Predawn / 七尾旅人 / 犬式(INUSHIKI) / DUBSENSEMANIA Guest.PAPA U-Gee / サニーデイ・サービス / スチャダラパー / アン・サリー / 奇妙礼太郎 / Marterライブペイント: Kads MIIDA & GravityfreeMC:PJ & Keyco
2017年03月30日2011年から恒例となった「明治座 五月花形歌舞伎」。今年は片岡愛之助を中心に、昼の部では『月形半平太』『三人連獅子』を、夜の部では『南総里見八犬伝』の通し狂言を上演する。3月24日に行われた制作発表では、愛之助が意気込みを語り、また新たな歌舞伎が生まれることを予感させた。「明治座 五月花形歌舞伎」チケット情報歌舞伎に馴染みのない人にもわかりやすくエンターテインメント性に富んだ演目で、好評を博してきた「明治座 花形歌舞伎」。今年も、「初めて歌舞伎をご覧になる方にもうってつけの公演」と愛之助は太鼓判を押す。確かに、新国劇から誕生して映画やドラマでもお馴染みとなった『月形半平太』を初めて歌舞伎にするという試みに、明治座での上演ならではの意欲を感じずにいられない。「せっかく初めて歌舞伎にするので、音楽などの演出方法もいろいろ考えています」。『月形半平太』といえば、「春雨じゃ。濡れてまいろう」の名台詞が有名だが、かつて月形半平太を演じたことのある里見浩太朗から、「歌うように言ったほうがいい」とアドバイスを受けたそう。「頑張って二枚目にしなければなと思っていますが(笑)、上方の人間としては、はんなりした部分も出せたらなと。色気のある部分や、強さ、忠義の心など、いろいろな要素を楽しんでいただけるよう作っていきたいと思います」。『三人連獅子』は、日本舞踊の楳茂都流の家元を継いだ愛之助にとって思い入れのある演目だ。「先代の家元が亡くなってから、先代がたくさん作っていた歌舞伎舞踊が上演される機会が少なくなって、知っていただく機会をできるだけ作りたいと思っていたので、思いが叶いました」。通常の父と子の『連獅子』とは違い、父・母・子が登場し、「親子の情愛がわかりやすく描かれている」とアピール。ぜひ目撃してみたい。そして、夜の部の『南総里見八犬伝』は、通し狂言として最初から最後までを一気に観ることのできるいい機会。「普段はあまり上演しない場面もありますから、みんなで見つめ直しながら、新たな八犬伝ができれば」。周りには、中村萬太郎、中村壱太郎、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人、中村橋之助、中村福之助など、浅草歌舞伎でもお馴染みの次代を担う花形役者が揃う。「みんながのびのびと楽しみながら自分の役を膨らませていくことで、お客さんにも芝居の楽しさが伝わるはず」と愛之助。座頭としてのその熱が、活気あふれる舞台を作ることだろう。公演は5月3日(水・祝)から27日(土)まで。チケット発売中。取材・文:大内弓子
2017年03月30日13回目を迎える真夏のクラシック音楽祭「フェスタサマーミューザKAWASAKI」は、首都圏のプロ・オーケストラが一堂に会して競演するという、ありそうだけれどここでしか体験できない音楽祭。3月29日、JR川崎駅前のミューザ川崎で概要の発表会見が開かれた。今年も首都圏の10楽団が中心となり、ミューザ川崎シンフォニーホールを主会場として7月22日(土)から8月11日(金・祝)まで全21公演が行なわれる。キャッチコピーは「気分奏快!」。「フェスタサマーミューザKAWASAKI」チケット情報音楽祭のオープニングはいきなりシェーンベルク《浄められた夜》とストラヴィンスキー《春の祭典》というスタイリッシュなプログラム(7/22(土)・東京交響楽団)。20世紀を代表するふたりの大作曲家だが、もはやこれらを現代音楽だと感じる人は少ないだろう。それどころか、こんなヴィヴィッドな作品こそクラシック入門にふさわしいはず。官能と興奮で今年の「サマーミューザ」が幕を開ける。チェコの若き巨匠ヤクブ・フルシャが振る祖国の魂、スメタナ《我が祖国》(7/26(水)・東京都交響楽団)と、マエストロ・チョン・ミョンフンによるベートーヴェン(7/27(木)・東京フィルハーモニー交響楽団)というクラシックの王道名曲プロは、マニアも初心者も必聴。日程中盤に組まれた、ミュージカル界の歌姫・新妻聖子も登場するNHK交響楽団のポップス・プログラム(7/29(土))、名アレンジャーとしても名高い渡辺俊幸が指揮する映画音楽集(8/1(火)・読売日本交響楽団)は、夏フェスらしい肩肘張らない洗練されたお楽しみ。最終週に入って、古楽アプローチを介して名曲の新しい顔を聴かせてくれる鈴木秀美の振るメンデルスゾーンとハイドンは大注目(8/6(日)・神奈川フィルハーモニー管弦楽団)。そして炎のマエストロ小林研一郎の代名詞ともいうべき十八番、ベルリオーズ《幻想交響曲》(8/9(水)・日本フィルハーモニー交響楽団)を聴き逃しては今年の夏が終わらない。フィナーレは秋山和慶&東京交響楽団によるラフマニノフ・プロ(8/11(金・祝))。話題のピアニスト反田恭平がピアノ協奏曲第3番を弾く。他にも特別参加の井上道義&オーケストラ・アンサンブル金沢とゲルギエフ&PMFオーケストラ、久石譲&新日本フィル。川崎市内にキャンパスを置く昭和音楽大学と洗足学園音楽大学のオーケストラ。さらにミューザ川崎のホールアドバイザーを務める、小川典子(ピアノ)、佐山雅弘(ジャズ・ピアノ)、松居直美(オルガン)らの出演などなど、さまざまな趣向の注目公演が目白押しだ。今年の夏も川崎が熱い。取材・文:宮本 明
2017年03月30日ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」″勝者と敗者″が、3月24日に開幕。それに先がけ公開ゲネプロと囲み取材が行われ、須賀健太、木村達成、猪野広樹、遊馬晃祐、小波津亜廉、演出のウォーリー木下が登壇した。【チケット情報はこちら】男子バレーボール(=排球)にかける高校生たちの姿を描いた古舘春一の同名大ヒット漫画を舞台化。2015年の初演からシリーズ3作目となる今作では、インターハイ宮城県予選を舞台に1年生の主人公・日向翔陽(須賀)が在籍する烏野高校と強豪・青葉城西高校の熱戦が描かれる。今作の大きな見どころは、木村演じる影山飛雄、猪野演じる菅原孝支、遊馬演じる及川 徹らセッター(トスをあげる役目の選手)の活躍。そのため囲み取材で須賀は「初めてこの作品を俯瞰で見られる立ち位置で、日向として冷静にコートの外から見る瞬間があります。そこが面白く、楽しく稽古しました」と振り返る。烏野のセッターを担う木村は「セッターは常に“誰にトスを上げて1点を取るか”を考える生き物。どのタイミングで誰に上げるかも見どころです」、猪野は「菅原が入ることで烏野と青城(青葉城西高校)にどう影響していくのかを楽しみにして頂ければ」。青城のセッターを演じる遊馬は「二幕、三幕と進むなかで最後にはどちらが勝つかわからなくなる緊迫感を楽しんで頂きたい」、及川と“阿吽の呼吸”の相棒・岩泉 一役の小波津は「今作は過去のドラマもひとつの見どころ。岩泉と及川の過去、及川と影山の過去、及川のもうひとつの面が垣間みれるので、注目していただければ」。須賀が「作品がひとつの協奏曲になっている」と話した通り、全三幕を第一楽章・第二楽章・第三楽章として上演された本作。“セッターはオーケストラの指揮者のようなもの”であることを軸に、天才の影山、センスもあるが努力を惜しまない及川、真面目で丁寧な菅原と、誰がセッターかによって変わるチームの空気が、音楽、そしてダンスでわかりやすく表現されていた。また、今作の舞台は3年生にとって最後になり得る試合。そのうえで描かれる過去、そこから生まれる熱い想い、だからこそ負けられない勝負…それぞれの物語を乗せた一戦が、演劇「ハイキュー!!」ならではの高い熱量によってまっすぐに客席に届けられた。ウォーリー木下が「今まで『ハイハー』ぐらいでしたが(笑)、今回ようやく『ハイパー』に格上げしました。びっくりするようないろんな演出をやっております!」と話す新演出も見どころの本作は、3月26日(日)まで東京・TOKYO DOME CITY HALLにて上演後、宮城、大阪、福岡、東京凱旋と巡演。5月7日(日)にはライブビューイングも実施。取材・文:中川實穗
2017年03月30日17世紀フランスの劇作家ジャン・ラシーヌの代表作『フェードル』が、大竹しのぶ主演、栗山民也演出で4月8日(土)より東京・シアターコクーンに登場する。過去にサラ・ベルナールやヘレン・ミレンなど、名だたる女優たちが演じた王妃フェードルの物語は、ラシーヌがギリシャ悲劇『ヒッポリュトス』(エウリピデス作)から想を得て創りあげた、激情あふれる悲劇の名作だ。アテネ王テゼ(今井清隆)の妻フェードル(大竹)は、義理の息子イッポリット(平岳大)への禁断の恋に身を焦がすが、イッポリットの思いは敵の一族の生き残りである姫アリシー(門脇麦)へ向けられて……。愛憎、欲望といった人間の感情を真っ正面からえぐり出す衝撃の舞台。音楽劇『ピアフ』など数々のヒット舞台を構築してきた大竹&栗山の最強タッグが、「人間精神を扱った最高傑作」と評される大作をいかに立ち上げるか、期待をこめて稽古場を覗いた【チケット情報はこちら】設えられていたのは、緩やかな傾斜と、さらに前面には段差のある張り出し舞台。奥には帆のような白幕が垂れ、若干傾いている太い柱が危うさを匂わせている。一幕一場から始まる立ち稽古を前に、平が膨大な量の台詞を身にしみ込ませるべく、懸命に言葉を繰り出していた。一方、大竹は乳母エノーヌ役のキムラ緑子と楽しそうに言葉を交わし、穏やかに開始を待っている様子。栗山が腕組みをして舞台をみつめる中、演出助手の合図で稽古がスタートした。半島の町を想起させる波音とともに、イッポリット、そして彼の養育係であるテラメーヌ(谷田歩)が登場。行方不明の父テゼを探しに国を出ようとしているイッポリットは、胸に秘めたアリシーへの恋心をテラメーヌに言い当てられて苦悩する。登場するや、平と谷田は熱量高く言葉を交わし合う。その圧倒的な集中が、日常とは違う、神話的世界の始まりを伝えてくる。徐々にせり上がる興奮をいっそう突き上げたのが、全身から苦痛の叫びを放って登場したエノーヌだ。ドラマチックなキムラの表現に目を奪われた後、ひっそりと黒布をまとって現れた大竹フェードルへと視線が移る。フェードルが誰のために恋の苦しみに打ちひしがれているのか、問いつめるエノーヌ。天を切り裂くような絶叫と、地を這うようなつぶやきと。大竹とキムラによる緊迫の対話は、瞬間、瞬間で駆け引きのように形を変え、強度を増していく。絞り出すように秘密を明かす大竹のささやきが、低く小さく、けれど明瞭に響き、空間を震わせる。栗山の合図で芝居が解かれると、見つめていた人々の深いため息が稽古場中に広がったように感じた。大竹もキムラもすぐにティッシュに手を伸ばし、涙にまみれた顔をぬぐう。栗山は舞台に上がり、フェードルの黒布をはぎ取る仕種、太陽のまぶしさに抗う表情など、自ら細かく演じてみせ、動きを提示。演出家の言葉に、大竹とキムラが笑い合う様子もうかがえた。この緩急の空気の積み重なりが、やがて骨太で直球のドラマを生み出すのだろう。まさに劇場でなければ味わえない、重量級の演劇がもたらす快感。全身で受けとめること必至である。取材・文:上野紀子
2017年03月29日5人の最強技巧派ギタリストによるライブ「ジェネレーション・アックス ア・ナイト・オブ・ギターズ」が4月に開催。同公演においてメンバーに直接会えるミート・アンド・グリート付アップグレード・ パッケージが販売されている。【チケット情報はこちら】スティーヴ・ヴァイ、ザック・ワイルド、イングウェイ・マルムスティーン、ヌーノ・ベッテンコート、トーシン・アバシ、5人の天才ギタリストが集結し、超絶パフォーマンスを披露する「ジェネレーション・アックス ア・ナイト・オブ・ギターズ」。公演のアップグレード・ パッケージを購入すると、スティーヴ・ヴァイ、ザック・ワイルド、ヌーノ・ベッテンコート、トーシン・アバシの4人と直接会えるほか、写真撮影も行われる。現在、アップグレード・ パッケージプレゼントキャンペーンを実施中。対象者は名古屋、大阪、東京(両日どちらでも)各公演のチケットを購入した方。Live Nation Japan公式ツイッターをフォローし、ハッシュタグ#GA来日公演を付けて、キャンペーン画像をリツートすると抽選でアップグレード・パッケージがプレゼントされる。キャンペーンは3月30日(木)午後11時59分まで。詳細は下記公式サイトでご確認を。公演のチケットは発売中。■GENERATION AXE -A NIGHT OF GUITARS-4月3日(月) Zepp Nagoya (愛知県)4月4日(火) Zepp Namba (大阪府)4月6日(木)Zepp Tokyo (東京都)4月7日(金) Zepp Tokyo (東京都)
2017年03月29日アダム・クーパー主演のブロードウェイ・ミュージカル『SINGIN’ IN THE RAIN 雨に唄えば』が、2年半ぶりに東急シアター・オーブに再登場する。2014年秋の前回公演が絶賛を博し、期待の声が高まって今回の再来日公演が決定した。しかもクーパーを始めとするメインキャストは、英国オリジナルキャストを再集結させての特別な日本公演である。聞けばキャスト、スタッフ陣は東京にて再会し、滞在しながら4月3日(月)の開幕へ向けてブラッシュアップ稽古を進めているという。来日キャストによるブロードウェイ・ミュージカルの稽古を、都内某所で見学する。そんな異例にして貴重な体験が叶うこととなった。ミュージカル「SINGIN’ IN THE RAIN ~雨に唄えば~」チケット情報稽古場のスペースいっぱいに舞台面が設えられているので、“かぶりつき”と言われるほどの近距離から稽古を眺めることに。引き締まった体躯のキャスト陣によるウォーミングアップの光景だけでも圧倒される。演出助手の合図ですぐさま幕開きから通し稽古がスタートした。Tシャツやスパッツなどの稽古着スタイルでも、アンサンブルのキレのある動き、生き生きとした表情がパーティー・シーンの豪華さを存分に伝えてくる。アダム・クーパーもトレーニングウェアの上に白のハット、白のコートを着て、映画スターのドン・ロックウッドとなって登場。本番の端正なスーツ姿とはひと味違ったコミカルさや愛嬌を感じるのは、稽古場ならではのお得感か。クーパー自身も非常にリラックスした様子で、ヒロインのキャシー(エイミー・エレン・リチャードソン)との偶然の出会いと、その後の再会で彼女をからかう一連のシーンを、悪戯っぽい微笑みを浮かべて小粋に演じてみせる。一幕で早くも興奮に拍車をかけるのは、相棒コズモ役のステファン・アネリとの息の合ったタップ・ダンスだ。ハット・チェンジも鮮やかに、クーパーとアネリの信頼が見てとれる軽やかなステップは見応え十分。観る者の頬を緩ませるアネリの演技は、ソロ・ナンバー『メイク・エム・ラフ(彼らを笑わせろ)』でその愛すべき魅力が炸裂した。共演者もスタッフも、稽古場中の人間が幸せな笑顔で彼を見つめている。ドン、キャシー、コズモによるナンバー『グッド・モーニング』は、映画の印象を忠実に残しながら、舞台ならではの新たな躍動感に惹きつけられるシーンだ。快活な滑り出しから、後半にはドンとキャシーの距離がぐっと縮まってロマンチックムードに一変。クーパーとリチャードソンの熱いやりとりにうっとりとさせられる。そしてドンが雨の中、恋の喜びに歌い踊るあの名シーンへ。客席に向けて水を蹴散らす仕種をするクーパーの表情は、実に晴れやかだ。本番はここで12トンもの雨が降るのか…と想像してさらに昂揚が高まる。今回の取材で、クーパーが「ドンの、脆さも含めた人間らしさを見てほしい」と語っていた。その言葉通り、ハリウッドを舞台とした心浮き立つ華やかさだけでなく、夢や恋に揺れる登場人物たちへの愛着、共感も強く沸き起こる作品である。彼が約束してくれた「魔法のような体験」を、次はぜひ本番の舞台で確かめなくてはならない。再追加公演も決定。取材・文上野紀子
2017年03月28日東京都交響楽団の4月の定期演奏会で、ジョン・アダムズの《シェへラザード.2》が日本初演となる。2015年3月26日、今回ソリストをつとめるリーラ・ジョセフォウィッツのヴァイオリン、アラン・ギルバート指揮のニューヨーク・フィルハーモニックで初演された作品だ。この新しい作品について、ギルバートに話を聞いた。「ジョンの作品をずっと指揮しているので、彼の作品の進化を実地に体感しています。その変化のなかでも、《シェヘラザード.2》はかなり変ってきたところにあるように思えます。近年のジョンの作品はオペラから影響を受けており、本作には言葉こそついていないけれど、ドラマティックなストーリーはしっかり伝わってきます。主役はヴァイオリンですが、バック・ストーリーがあります。そして、ほかの作品よりロマンティックな仕上がりです。ジョンは年齢とともに、ハートでつくるようになってきている、とわたしはおもっているんですね。ニューヨーク初演はスタンディング・オヴェーションになって、とても好評でした。ヴァイオリニストは暗譜で弾き、目が離せませんでしたし。オーケストラもとても楽しんでいました。難しいけれど、満足感がある。偉大なものに接したというのがみんなのなかにあるんです。宝物をいただいたような、ね」作曲者は、自作について述べるなか、『千一夜物語』のなかに描かれた女性と現在の状況とを重ねている。現在のアメリカ合衆国でイスラム=アラブ世界の物語について言及することも、そこには意識されているようにみえる。「ジョンは政治的なホットなテーマをとりあげることを躊躇ったりはしません。ですが、わたしはそうしたことより、『千一夜物語』はある特定の文化から生まれてきたのは確かだけれど、もっとそれを超えるようなテーマがここにはある、と思っています」オーケストラを存分にひびかせ、指揮者や演奏家にも演奏する喜びを、また聴くことの醍醐味を感じさせる作曲家との評価がある一方、ジョン・アダムズの音楽は日本であまり演奏されていない。「ジョンの音楽はつねにレヴェルは高いけれど、ずいぶん変ってきました。変化しているけれど、その声はしっかり伝わってきます。交響曲的なフォルムや色彩感を大切にしているところは変りません。日本のオケはプログラムについては保守的な面があるけれど、ジョン・アダムズの音楽は弾きやすく聴きやすい、そして新鮮な音楽です。新しいけれどもみんなが理解できる言葉で書かれているのです」東京都交響楽団による《シェへラザード.2》は4月17日(月)東京文化会館 大ホール、4月18日(火)東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアルにて。文/小沼 純一(音楽・文芸批評/早稲田大学教授)
2017年03月27日長男・優己、次男・大雅、三男・翔馬による実の三兄弟からなる逗子三兄弟が、初のフルバンドによる全国ツアー「ROAD TO 紅白 2017」を開催中。2009年のデビュー以来、リアリティある家族愛や生まれ育った湘南・逗子への地元愛をテーマにした曲を、兄弟ならではの美しいハーモニーで届けてきた。そんな彼らがツアーのために用意した新曲は、これまでの爽やかなイメージとは180度異なるバカバカしくもカッコいいロックチューン『兄弟喧嘩』だ。【チケット情報はこちら】「ツアーで盛り上がれる曲を作ろうというのがスタートで、真剣にふざけています」(優己)、「兄弟喧嘩っていう小さいことを世界規模で表現するのを目指しました。すごくおもしろい曲になりましたよ」(大雅)と言うように、MVでは奇抜なメイクとダイナミックなCGで兄弟喧嘩を壮大なスケールで描いた。ファンはもちろん、アーティスト仲間やスタッフをも驚かせたそうだ。新曲は各地で大変な盛り上がりを見せ、しかも、兄弟ならではのある演出もあって好評なのだという。「毎回打ち合わせのないアドリブ。他人だったら気をつかっちゃうけど、ガチな感じにお客さんも食いついてきているのかも」と翔馬が言うように、回を追うごとにさらに盛り上がっていきそうだ。ツアータイトルは、デビュー以来、彼らが明確な目標として言い続けている紅白出場。このタイミングで改めてタイトルにした理由は?「両親が一番喜んでくれるのは、やっぱりそこかなと」(翔馬)、「実の兄弟でやっている僕らの存在が、家族を考えるきっかけになると思うんです。紅白に出場することはもちろんですが、僕らにとってはそこを目指すことが“答え”という感覚があります」(大雅)。自分たちの音楽で繋がっている仲間やファンは家族。家族を大切にする彼らの姿勢はこれからも変わらず、今回のツアーでもデビューから応援してくれている岡山を訪れている。ツアーを一緒に回るバンドは、昔からの地元の仲間であり、レコーディングやアコースティックスタイルのライブから活動をともにしているT’O’Mだ。「湘南の街で育ってきた連中と一緒に音楽を奏でられる。だからこそ、音にもリアリティがあるんですよね」(優己)と信頼を寄せる。ツアーは各都市8公演を経て4月2日(日)に東京・赤坂BLITZでファイナルを迎える。「このツアーの集大成をブリッツでやるというイメージ。ですので、全国から東京に集まってもらいたいですね」(大雅)。ファイナル公演には、これまでとは違う豪華な演出も準備しているとのこと。この勢いからすると、『兄弟喧嘩』に続く新曲の初披露もあるかもしれない。チケットは発売中。取材・文:門 宏
2017年03月27日劇団四季のミュージカル『オペラ座の怪人』横浜公演が3月25日、KAAT 神奈川芸術劇場 ホールにて開幕した。1988年の日本初演以来6730回の総公演回数を誇る、四季を代表する人気作品だが、横浜での上演は初。横浜エリアでの長期公演は、2012年11月まで上演されていた『キャッツ』以来約4年ぶりになる。初日前日にあたる3月24日には最終舞台稽古が報道陣に公開され、俳優陣が熱の入った演技をみせた。劇団四季『オペラ座の怪人』チケット情報『オペラ座の怪人』はガストン・ルルーの小説を原作に、パリ・オペラ座の地下に棲み、歌姫クリスティーヌに恋焦がれる“怪人”の悲しい愛の姿を描くミュージカル。ミステリアスなストーリーのほか、現代ミュージカルの巨匠アンドリュー・ロイド=ウェバーによる名曲の数々、幻想的で豪華な舞台セット、繊細な衣裳など、どこを切りとっても最高峰の作品だ。世界ではこれまで35か国・13言語で上演されており、全世界での興行収入は60億ドルという記録を誇っている。この日の舞台稽古に登場した怪人役は佐野正幸。1988年の同作四季初演時にはアンサンブルとして出演、その後メインキャストであるラウル子爵役などを経て、2006年から怪人役を務めているベテラン俳優だ。作品に長く関わり続けている佐野らしく、怪人の葛藤や切なさを深みのある熱演で魅せた。佐野は「劇団の本拠地である横浜で、この作品に参加できることを、大変光栄に感じています。『オペラ座の怪人』は、流麗で重厚な旋律によって綴られる哀しくも美しい愛の物語です。作品のドラマをしっかりとお届けできるよう、一回一回の舞台を誠心誠意努めていきたいと思います」とコメント。またヒロインのクリスティーヌ・ダーエ役は、近年、四季で数多くのヒロインを務め、同役も2014年から演じている山本紗衣。美しいソプラノボイスを存分に響かせた。ラウル・シャニュイ子爵役は『ジーザス・クライスト=スーパースター』のジーザス役、『ウェストサイド物語』のトニー役など主要キャストを次々と演じてきている新星・神永東吾がフレッシュに演じたほか、カンパニー全体が気合いの入った熱演を見せる。劇団の代表作を、劇団のお膝元・横浜で初めて上演するに際し、「劇団四季のオペラ座の怪人は凄いらしい。」というキャッチコピーに嘘はないことを証明してみせていた。公演は8月13日(日)まで同劇場にて。チケットは発売中。
2017年03月27日1976年から「月刊プリンセス」で連載40年、コミックは60巻を超え、現在も連載が続く漫画『王家の紋章』。昨年8月にミュージカル化し、東京・帝国劇場での初演は連日満員御礼記録を達成する人気を博した。この話題の舞台が早くも再演、大阪に初登場する。「王家の紋章」チケット情報物語は、現代アメリカで考古学を学ぶ少女キャロルが古代エジプトにタイムスリップ、若き王メンフィスと3000年の時を超えた愛のドラマを繰り広げる。脚本・作詞・演出は荻田浩一、作曲・編曲は巨匠シルヴェスター・リーヴァイ。キャストも初演と同じく華やかだ。メンフィス王に浦井健治、キャロルには新妻聖子・宮澤佐江(Wキャスト)をはじめ、キャロルを奪おうとするヒッタイト王子イズミルには宮野真守・平方元基(Wキャスト)。ほかに、伊礼彼方、濱田めぐみ、山口祐一郎らが出演。この時空を超えた歴史ロマンスに再登板する平方元基が来阪、作品の魅力と再演への意気込みを語った。舞台は、原作の1~4巻を約3時間のミュージカルに凝縮して作り上げた。「内容が濃く、音楽をたくさん使ってダイナミックに仕上げているところが魅力だと思います。リーヴァイさんの楽曲は、『エリザベート』や『レディ・ベス』より一層ご覧になる皆さんの想像力をかきたてます。キャラクターも、漫画の中から浮き上がって来たようなイメージを大事に作り上げているし。大劇場のミュージカルとして、今まで観たことがないような作品に見えるんじゃないかな」。初演で、漫画が原作の舞台を初めて経験した平方。「お客様の反応が全然違って、すごく充実感がありました。これまで以上に歌の分量も多く、歌で魅せるところもあり。とにかく舞台セットや衣装、そして音楽が素晴らしいので、それらに埋もれないような描写をしないと。漫画の世界のイズミルに、どうやって人間の血を通わせているかを観てほしいです。そこを見逃さないでいただくと、物語をもっと深く楽しめると思います」。漫画ファンからは、Wキャストの宮野真守は“パッションが溢れたイズミル”、平方は“青い炎のイズミル”と評されたそう。「原作を知らなくても、テンポよく進んでいくので大丈夫。でも、漫画と同じ動きをするなど、漫画とリンクするシーンもたくさんあるので、4巻まで先に読んでおくともっと楽しめると思います。関西のお客様は、チケット代以上の価値のあるお芝居を楽しみに行くわよって来られますよね、必ず(笑)。反応が素直なのも関西の醍醐味で、すごく温かく迎えてくださる。相当ブラッシュアップして、いい作品にしてこないと敵わないですよね。今回は東京で1か月公演した後、1番いい時期に大阪に来ますから。いや~、でも、ドキドキします(笑)。公演は、4月8日(土)から5月7日(日)まで東京・帝国劇場、5月13日(土)から31日(水)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは発売中。<衣裳協力>ジャケット、パンツ、Tシャツ:Psycho Bunny / ジョイックスコーポレーション靴:fabs class取材・文:高橋晴代
2017年03月24日世界の一流カンパニーとして人気を二分するパリ・オペラ座バレエ団、英国ロイヤル・バレエ団のスターたちが集い、それぞれの珠玉のレパートリー、さらには彼らがひとつの作品で共演する合同プログラムを上演するオペラ座&ロイヤル夢の共演〈バレエ・スプリーム〉が、この夏、実現する。3月上旬のパリ・オペラ座バレエ団日本公演期間中、出演者たちがプレス懇談会に出席し、公演への抱負を語った。オペラ座&ロイヤル 夢の競演 〈バレエ・スプリーム〉チケット情報公演に参加する精鋭ダンサーたちとともに現れたのは、パリ・オペラ座チームのスーパーバイザーを務めるオレリー・デュポン(パリ・オペラ座バレエ団芸術監督)。「これはとても野心的なプロジェクト。英国ロイヤル・バレエ団は素晴らしい、豊かなバレエ団で、日本のお客さんにふたつの異なった流派を見比べていただける素晴らしい機会になる」と、自身が選りすぐったダンサーたちを紹介した。パリ・オペラ座バレエ団の最高位、エトワールとして日本公演初日の主役を担ったマチアス・エイマンとミリアム・ウルド=ブラームをはじめ、昨年暮にエトワールに任命されたばかりのレオノール・ボラックとジェルマン・ルーヴェ、懇談会前夜にエトワールに任命され、会場を興奮の渦に巻き込んだユーゴ・マルシャン、デュポンが「素晴らしいショーマン」と太鼓判を押すプルミエ・ダンスールのフランソワ・アリュ。彼らが踊るのは、オペラ座自慢のレパートリーの数々だ。エイマンとウルド=ブラームがAプロで踊るのは、ヌレエフ版『白鳥の湖』第2幕のパ・ド・ドゥ。「新世代のエトワールたちと共演できることは、貴重な経験」(エイマン)、「皆さんに舞台をお見せできるのは幸せ」(ウルド=ブラーム)とふたりは話す。ボラックとルーヴェも、同『白鳥の湖』より第3幕のパ・ド・トロワをAプロで踊る。ともにエトワール任命の日に踊った作品だけに、その思いは特別のよう。「踊れることが楽しみ。ジェルマンは完璧なパートナーです」(ボラック)、「彼女は、私を物語世界へ導いてくれる頼もしいダンサー」(ルーヴェ)。アリュがBプロで踊る『レ・ブルジョワ』(コーウェンベルグ振付)は、テクニックと芝居心が求められるユニークな作品。「個性を発揮できると思います」と自信をのぞかせる。マルシャンが、Bプロの『グラン・パ・クラシック』(クゾフスキー振付)他で共演するのは、日本出身初のプルミエール・ダンスーズとして話題のオニール・八菜。「彼女とともにフランスのバレエを国際的に広めることができ、嬉しい」とコメント。「素晴らしいコラボレーションとなる」と、デュポンも新たな試みへの期待感に胸を躍らせているようだ。公演は7月26日(水)から30日(日)まで、東京・文京シビックホール 大ホールにて。チケットぴあではインターネット先行を3月30日(木)午前10時より受付。取材・文:加藤智子
2017年03月24日3人の30代の演出家が昭和30年代に書かれた戯曲に取り組む「かさなる視点―日本戯曲の力―」の第2弾として、上村聡史が安部公房の「城塞」に挑む。開幕まで1か月を切った3月中旬、稽古場に足を運んだ。【チケット情報はこちら】軍需産業で成り上がった“男”(山西惇)には、“拒絶症”を患う父(辻萬長)がいる。拒絶症とは、ある時から自分の中の時間を止めてしまう病。発作時だけかつてのように正気を取り戻す父に、男は妻(椿真由美)や従僕(たかお鷹)を巻き込み、終戦直後のある一日を再現してみせる。幾度も繰り返されるそんな芝居にうんざりした妻は、父を精神病院に送る計画を立てる。男は妻に代わりストリッパーの女(松岡依都美)を雇い、最後の芝居を打つが……。上村は「“戦後”と対峙したいという思いでいくつかの戯曲を読んだ中で、この作品から“いま”を感じた」と語る。「登場人物たちが、戦争の被害者意識と加害者意識を巧みに、無自覚に使い分けているさまが、すごく利己的であり、どこかで現代と繋がっている気がしました。“忘却”は日本人の特性かもしれないけど、終戦から時間を経て、僕らはどんどん忘れていく。そこでいま一度、この作品を通じて日本を批評したい」とこの戯曲を選んだ意図を明かす。稽古を見ると、上村はとにかく頻繁に芝居を止め、演出席から舞台へと足を運び、立ち位置、動き、セリフのニュアンスまで幾通りも試していく。「俳優たちと一緒に批評性を持って作っている」「稽古中はとにかくみんなうるさい(笑)」という上村の言葉通り、俳優陣からも次々と質問や提案が飛ぶ。特に、精神を患い幼児のようになった父を演じる辻、そんな彼を世話する従僕を演じるたかおのベテランコンビは、毎回のようにセリフに込める感情から動きまで変化させ、“怪演”と言うにふさわしい変幻自在の芝居を見せる。まさに病める父親に振り回される邸内の者たちといったところだが、山西、椿、松岡もさすがの反射神経でベテランふたりの好きにさせまいと応酬する。山西演じる“男”は、父親を病院に入れなければ禁治産処分(※財産を自由に処分する権利を失う措置)にすると妻から脅され、なんとかそれを回避しようと奔走するのだが、忌まわしい過去の“記憶”に囚われ、本当に病んでいるのは父ではなく自分なのではないかと苦悩する。男のモノローグは、辻とはまた違った鬼気迫るような圧巻の存在感を放つ。そこから、物語はクライマックスへ――。病んだ父を外へと引きずり出し、また再び時計の針を“あの時”へと戻し、父と息子の対峙へと向かうのだが、このふたりのやり取りはどこへ向かい、たどり着くのか……。それぞれに言い訳、自己弁護、理由を抱えた者たちが“芝居”の力を借りて、自らを正当化しようと戦う――日本人…いや、人間の本能のぶつかり合いが心に突き刺さる。「城塞」は4月13日(木)より東京・新国立劇場小劇場で上演。取材・文・撮影:黒豆直樹
2017年03月24日6月9日(金)東京・東京国際フォーラム ホールAで開催される「オリンピックコンサート2017」のゲストアーティストが発表された。 オリンピックコンサートは、日本オリンピック委員会(JOC)が主催し、1997年からスタート。オリンピックの競技映像と壮大なシンフォニーオーケストラが共演し、毎年人気を博している。【チケット情報はこちら】今回、ゲストアーティストとして発表となったのは日本のミュージカル界を代表する歌姫として、圧倒的な存在感を放ち、最近はテレビをはじめとするメディアでも活躍する新妻聖子。そして、演劇界の権威、読売演劇大賞最優秀男優賞を今春受賞し、舞台のみならず、テレビドラマなどにもフィールドを広げ、シンガーソングライターとしてもマルチに活躍する中川晃教。さらにオリンピックコンサート初参加となるNHK東京児童合唱団が、オリンピックの公式讃歌・オリンピック讃歌を披露することも決定。ゲストアスリートの詳細は後日発表される。チケットの一般発売に先がけて、現在チケットぴあでは先行抽選プレリザーブを実施中。受付は4月10日(月)午前11時まで。■オリンピックコンサート2017日時:6月9日(金)開場18:00 / 開演19:00会場:東京国際フォーラム ホールA(東京都)
2017年03月24日若手から大御所までが漫才、落語、コント、吉本新喜劇を繰り広げるよしもとの看板寄席の東京版「東京グランド花月」が、ゴールデンウィークに6度目の開催を迎える。開催発表会には、同公演に初出演する吉本新喜劇の内場勝則座長、ガレッジセール、千鳥が登場し、囲み会見をおこなった。「東京グランド花月」チケット情報6回目にして初登場するベテラン内場座長は、「いままで、すっちーくんとか川畑(泰史)くんがやってますけど、彼らより上品な感じになると思います(笑)」と挨拶。「メッセージは一切ございませんので、何かを得て帰れることは何もないですけど、大いに笑って、すべてのことを忘れて、アホになって帰っていただきたいと思います」と意気込みを語った。ガレッジセールのゴリは、「18年前にエンジョイプレイというネタを作ってから、ほぼネタを作ったことがなかったんですが、2年前の20周年単独ライブでようやくエンジョイプレイ以外のネタができまして。いまもよしもとの舞台に立ってネタをやっているんですが……、どうやら評価を得ていると聞いております」と明かし、現場を笑わせた。一方、最近痛風になったことを告白した相方の川田広樹は、「本番までには治したいと思います」とほんわか回答。そんな川田にゴリは、「スタイリストがくると勘違いして地味な恰好をしている」と暴露。千鳥のノブは、「パチンコ屋に行った帰りですもんね」とツッコミを入れた。そんなノブは、「東京グランド花月に呼んでもらえるということは、吉本の漫才師の中でも、上位に君臨できているという証ですよね。“一番おもしろい演芸は劇場にある”というふうに、(博多)大吉さんとか(中川)礼二さんがよく言ってますので、みなさん来てほしいです」とPR。それを聞いていた相方の大悟は、「まず、ノブが人の意見でしゃべったことを、すいませんでした」と謝罪。見どころについては、「大阪からもいろんな芸人がくるので、日頃見られない(西川)よしお師匠の髪型とかを見てもらいたい。横をどれだけ刈り上げているのか、とか」と大悟。「のりお師匠の暴走とかを言えよ」とノブがフォローした。また、改めて内場が新喜劇について話し始めると、「気軽に来て、笑っていただいて。まぁこっちもね、3時間ぐらいの稽古でやってますんでね」とポロリ。「それ言っちゃダメですよ!」と総ツッコミが入り、「プロだから短時間で仕上がるんですよ(笑)」と言い直した。当日は、桂文枝、オール阪神・巨人、陣内智則、トレンディエンジェル、尼神インター、横澤夏子らが出演する。「東京グランド花月」は、5月2日(火)・3日(水・祝)にTBS赤坂ACTシアターで開催。チケット発売中。取材・文:門 宏
2017年03月24日昨年6月に上演された『昆虫戦士コンチュウジャー』が、一部新キャストを迎え、5月に『昆虫戦士コンチュウジャー~ただの再演じゃ終わらない、そうだろみんな!?~』として再演される。新キャストとして出演する本田礼生に話を聞いた。舞台『昆虫戦士コンチュウジャー』チケット情報本作は、劇団「犬と串」のモラルが作・演出を手掛けるヒーローコメディ。「爬虫類帝国」の地球侵略に立ち向かう「昆虫戦士コンチュウジャー」5人の中に1人中年が紛れているというシュールな設定で、本田は、中年戦士・時羽奏(ときわそう/モト冬樹)の若かりし頃を演じる。この日はビジュアル撮影。全身タイツ風の衣裳に七三分けで登場した本田は「こういうの、やりたかったんです!」と笑顔を見せた。昨年までミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンで菊丸英二を演じ、その後もLive Performance Stage「チア男子!!」、THE CONVOY SHOW vol.32『asiapan』と出演。端正なルックスからは想像もつかない抜群の身体能力に定評がある。しかし今回は“心技体どれをとっても駄目”というこれまでにない役どころ。自身と真逆ともいえる役柄への抜擢について聞いてみると「もう最高ですよね」と嬉しそうに笑う。「いつかやりたいと思っていた空気感の舞台なんです。『コンチュウジャー』に自分が入れるのがすごく楽しみです。今まで演じたことのない役柄なのでどんな芝居になるのか自分でもワクワクしています」自身の役柄については「やさしいっていうのは絶対大切にしなきゃいけないと思います。心技体どれも駄目っていうのはその人柄あっての味付けだと思うので」「自分の色で作品自体の色も変わってくるような役だと思っています。(初演で同役を演じた山本)一慶さんが出していた味を引き継ぎつつ、『こうくるんだ』っていうところをお見せしたい。自分にしか出せない味を出せればいいなと思います」。安川純平と尾関陸以外は全員初共演。「純平と陸は以前共演した中でも特に仲のいいふたりなので、また一緒にやれるのが楽しみ。もちろん他の出演者の方々、皆さんとご一緒できるのも楽しみです。『コンチュウジャー』のあの空気感を生み出した人たちなので、それにどう挑んでいこうかなって」。「絶対に見たことない姿を見せられると思います。今後もこういう役どころはどんどんやっていきたいですし、最初の一歩をぜひ見てください!」と本田が意気込む本作は、5月10日(水)から18日(木)まで、東京・あうるすぽっとにて上演。取材・文:中川實穗
2017年03月24日和楽器オーケストラ「AUN J クラシック・オーケストラ」が出演する「AUN J クラシック・オーケストラ 桜祭り 2017」が4月2日(日)に東京・上野恩賜公園野外ステージで開催される。【チケット情報はこちら】AUN J クラシック・オーケストラは、トップクラスの技術を持つ和楽器奏者が集まったグループ。リーダーの井上良平(和太鼓)・公平(篠笛・三味線)は、これまで世界40か国1300回を超える公演を開催。また、モン・サン=ミッシェル、アンコール・ワットなど、数々の世界遺産での公演を成功におさめている。今年で3回目となる上野恩賜公園でのライブは、「花見体験型和楽器コンサート」と銘打ち、来場者がゆったりと花見をしながら演奏を楽しめる公演として毎年人気を博している。チケットは発売中。■AUN J クラシック・オーケストラ 桜祭り 2017日時:4月2日(日)開場14:00 / 開演15:00 ※飲食ブースは昼12時オープン会場:上野恩賜公園 野外ステージ(東京都)料金:全席自由 大人3,800円(税込)、中学生以下2,000円(税込)※未就学児膝上に限り無料
2017年03月24日今年も「東京・春・音楽祭」が開幕。東京・上野の東京文化会館を中心に、4月16日(日)まで1か月間にわたって有料・無料併せて約150のコンサートやイベントが繰り広げられる、クラシック音楽界に春の訪れを告げる風物詩だ。その一日、「忘れられた音楽―禁じられた作曲家たち」を聴いた(3月20日・上野学園石橋メモリアルホール)。「東京・春・音楽祭」チケット情報「禁じられた作曲家」とは主に、人種や政治的な理由でナチの狂気を逃れて他国へ亡命した作曲家たちを指している。特にウィーンからの亡命音楽家を中心に研究・紹介しているのがウィーン国立音楽大学のエクシール・アルテ・センター(Exil.Arte=亡命芸術)だ。そのセンター長ゲロルド・グルーバー教授が解説を務めた。5人の作曲家の作品が演奏されたが、当時政治犯として捕らえられた強制収容所の中で書かれた作品から、戦後、晩年に自らの人生を回顧した作品まで、創作の時期や経緯はそれぞれだ。必ずしもホロコーストへの怒りや失われた生命の悲嘆を声高に叫ぶのではない。それどころか、その美しい音楽から、作曲者の人生の悲痛を思い起こすことはないだろう。でもだからこそ、優れた才能が排斥された20世紀中盤のヨーロッパ文化に空いた穴の大きさを思い知らされる。グルーバー教授が述べているとおり、そんな失われた芸術の根っこを修復するのは、戦禍で損傷した建物を再建するのに劣らず重要な作業なのだ。音楽を超えて、多くの気づきを得た貴重な好企画だった。ワーグナーやオペラや、合唱付きの大作を上演する一方で、たとえ派手ではなくてもこうした貴重な企画も多数組んでいるのは「東京春祭」ならではの大きな魅力だ。たとえば「ベンジャミン・ブリテンの世界」(3月26日(日))は5年がかりで作曲家の魅力を解き明かすプロジェクト。その初回を聴き逃すわけにはいかない。逆に、特定のジャンルのエッセンスを1日に凝縮した企画もある。クラシック音楽が一番濃くて美味しい「ロマン派」の甘美な世界にどっぷり浸れる恒例の「マラソン・コンサート」(4月8日(土))。各1時間・5部構成の完全制覇に挑戦する価値は大いにある。また、おなじみとなっている東京国立博物館での「東博でバッハ」シリーズを始め、上野に集中する美術館・博物館での「ミュージアム・コンサート」も、この音楽祭でしか体験できない機会だ。上野の桜もいよいよ本番。春の陽気に誘われて、満開の桜を借景にした美しい音楽祭を満喫しよう。文:宮本明
2017年03月23日毎年3月31日は〈オーケストラの日〉。「ミミにイチバン」だからだそうで、耳に一番のご馳走をお届けしよう!と、日本全国のプロ・オーケストラがこの日を中心にコンサートやイベントを展開するのが恒例になっている。オーケストラの面白さを広く気軽に体感してもらおうと、値段もおさえめで聴ける企画がほとんどなので、2007年以来好評のうちに続いている。オーケストラの日 チケット情報各地であれこれ趣向をこらした演奏会がおこわれるなか、東京では今年も、首都圏に12あるオーケストラからメンバーが集まって〈オーケストラの日祝祭管弦楽団〉が特別編成され、熱きベテラン・現田茂夫の指揮でコンサートがおこなわれる(3月31日(金)15時~・文京シビックホール 大ホール)。この企画、熱心なリスナーにとっては、ふだん共演することのないメンバーが豪華に集結する年に一度の華やかな楽しみになっている。しかしなんといっても、ふだんオーケストラにおなじみ薄い方にも、聴けば「あぁ!」と惹き込まれる曲を選んでいるだけに、初めての方にこそこのスペシャルな編成で味わってほしいコンサートだ。演目をご紹介しておくと……まず、心たかぶる迫力にオーケストラの凄味をみせつけられるシベリウスの交響詩《フィンランディア》から。続いて同じくシベリウスの〈ヴァイオリン協奏曲〉でも、ひんやりと冴えた北欧の幻想美がひろがり……その抒情豊かな歌にも、色あいが細やかで美しい。ヴァイオリン独奏とオーケストラの対話が情熱とともに昂揚してゆく、そのぞくぞくするような緊張感もまた魅力だ。独奏に迎えるのは、フランス国立放送フィルのコンサートマスターをつとめる俊英スヴェトリン・ルセフ。首都圏の凄腕たちが集う特別オーケストラとも心通じ合うに違いないゲストだ。そして最後はストラヴィンスキーのバレエ組曲《火の鳥》。ロシアの民話を題材につくられた魔法と冒険のバレエのために、カラフルな表現力を全開にする音楽だ。そこからコンサート用に美味しいところをぎゅっと編み直した組曲(1919年版)も、なにしろスケール感が凄い。震えるような繊細な弱音から魔王の凶暴なダンスに轟くインパクト、聴く者の心を解放するような壮大きわまるフィナーレまで…そのなかにも万華鏡のような色彩感を味わいつくせる、まさに傑作。オーケストラにはそれぞれ異なる個性的な音色を持った、さまざまな種類の楽器が集まっている。80人を越えるメンバーが集まる今回も「これぞオーケストラ」という魅力と迫力──呼吸を合わせて美しく歌を重ね、絶妙なブレンドで豊かなハーモニーを響かせる素晴らしい時間を、たっぷりと体験していただけるだろう。また、この日は同じ会場のあちこちで、朝の11時から15時のコンサート開演前まで、イベントも盛りだくさん。楽器体験やアンサンブルのミニコンサート、コンサート本番前の総練習(ゲネプロ)公開、《火の鳥》の秘密を探るスペシャル・ワークショップなど展開されているので、少しお早めに足をはこばれると楽しみも倍増かと。文:山野雄大
2017年03月23日3月23日に放送されるFRESH!&ニコニコ生放送「アニメぴあちゃんねる」のゲストは、会員数が100万人を超える「アイドル育成リズム&アドベンチャーゲーム “Tokyo 7th シスターズ”」で春日部ハル役を務めている篠田みなみが初登場。【チケット情報はこちら】4月19日(水)にリリースされるTokyo 7th シスターズ初のアニメーションMV短編作品付きシングル『t7s Longing for summer Again And Again ~ハルカゼ~』。番組では同作のOfficial Trailerを公開。さらに声優陣によるライブ映像や、初出しとなる楽屋での写真を披露する。また、篠田の特技や最近始めたという手料理の写真も公開。「アニメぴあちゃんねる」では、レギュラーのタカオユキが一風変わったキャラ弁を披露する「タカ弁」のコーナーがあるが、篠田の料理の腕前は果たして。会員放送では篠田が幼少期の写真を公開。そのほか、レギュラーの秦佐和子、タカオユキ、高野麻里佳、ゲストの篠田みなみがアイドルになりきって「セリフ読み」と当番組で好評の「椅子取りゲーム」に挑戦する。ダンスが得意という篠田、椅子取りゲームでその運動神経を発揮できるか。番組出演を記念して、篠田みなみのサイン入りポスターを視聴者プレゼント。詳しくは下記リンクよりご確認を。■アニメぴあちゃんねる日時:3月23日(木)午後8時~午後10時出演:タカオユキ / 秦佐和子 / 高野麻里佳 / 美濃部達宏ゲスト:篠田みなみ
2017年03月23日小栗旬が初のミュージカルにして、初めて舞台上でコメディを演じることで話題になっているミュージカル「ヤングフランケンシュタイン」が、この夏、東京国際フォーラムで開幕。俳優陣が顔を揃えるチラシビジュアルが解禁された。ミュージカル「ヤングフランケンシュタイン」 チケット情報本作は喜劇の天才メル・ブルックスが1974年に公開した映画「ヤング・フランケンシュタイン」を、後に彼自身がミュージカル化した作品。フランケンシュタインの孫息子・フレデリック・フロンコンスティーン博士が巻き起こす騒動を描く爆笑ミュージカルコメディだ。2007年にブロードウェイで開幕。同じくメル・ブルックス映画をミュージカル化し、トニー賞12部門受賞の最多記録を持つ「プロデューサーズ」のクリエイティブスタッフが手がけたことでも話題となった。日本版では、根強いファンを多数持つ現代のヒットメーカー福田雄一が上演台本と演出を担当。福田は「とても賑やかな宴会みたいなミュージカル」とコメントしている。今回発表されたビジュアルはそのイメージ通り、パーティー中の面々のワイングラスから謎のピンクの液体が溢れ出した様を描いており、小栗旬が演じるフレデリックが生み出してしまうモンスターと、それを取り巻く人々のドタバタなコメディ感が表現されている。主演は本作がミュージカル初挑戦となる小栗旬。共演にはセクシーな助手インガ役に瀧本美織、フランケンシュタイン家を目の敵にしているケンプ警部役にムロツヨシ、変わり者の助手のアイゴール役に賀来賢人、モンスター役に吉田メタル、フレデリックの婚約者エリザベス役に瀬奈じゅんを迎える。チケットぴあでは、プレイガイド最速「プレリザーブ抽選先行」を3月24日(金)23:59まで受付中。<東京公演>8月11日(金・祝)~9月3日(日) 東京国際フォーラムホールC<大阪公演>9月7日(木)~9月10日(日) オリックス劇場
2017年03月21日『ぴあ関西版WEB』で好評連載中の人気グルメ企画「ケンドーコバヤシのたまらない店~魂のランキングルメたまラン~」を一冊にまとめた、通算7冊目となるムック本シリーズ最新刊が3月23日(木)に発売される。今回は、お笑い界屈指の食通として知られるケンドーコバヤシを筆頭に15組23名の人気芸人たちが登場し、カレー、ラーメンなどの王道B級グルメから各種酒場まで京阪神のええ店263軒を紹介。巻頭スペシャル企画では、ケンドーコバヤシ×レイザーラモンRGによる“飲食あるある対談”が実現し、普段はなかなか語られない貴重なトークを披露している。さらにケンコバ氏の名言セレクション、漫画のグルメシーンを考察するコラム企画などグルメ本とは思えぬほどの読み物企画や、店内に流れているBGM、取り扱いビールなど、ツボを突くたまらないデータも充実。ケンコバ本人が考案した美味しい店を見つける世紀の発見「店主が痛風経験者」(美味しいものを知っているという理由)を記載した定番のインデックスは今回も掲載され、他のグルメガイドとは一線を画す“笑えておいしい”一冊となっている。【商品概要】タイトル:『ケンドーコバヤシのたまらない店』発売日:2017年3月23日(木)価格:本体740円+税判型:AB判ページ数:128ページ出版社:ぴあ株式会社
2017年03月21日2008年に宝塚歌劇で日本初演され、大好評を得たミュージカル『THE SCARLET PIMPERNEL』。2010年にも再演され、劇団の人気作のひとつとなった作品が7年ぶりに登場。星組の新トップコンビ紅(くれない)ゆずる、綺咲愛里(きさき・あいり)の宝塚大劇場お披露目公演として、3月10日(金)、兵庫・宝塚大劇場にて幕を開けた。『THE SCARLET PIMPERNEL』チケット情報舞台は王政が廃止され、ロベスピエールを指導者とするジャコバン党が恐怖政治を行っていた18世紀末のフランス。無実の罪で処刑される貴族を助けようと、「スカーレット・ピンパーネル」と名乗り、正体を隠して暗躍するイギリス貴族パーシー・ブレイクニーとその仲間たちの冒険活劇を、男女の三角関係を絡めて展開。フランク・ワイルドホーンによる名曲「ひとかけらの勇気」をはじめ、美しい楽曲の数々で彩られている。正義感にあふれ、時におどけた演技でコミカルに、時にクールにカッコ良く。正体がバレないようにさまざまな顔を見せるパーシーは、二枚目も三枚目も柔軟に演じる紅にピッタリの役だ。見た目の華やかさはもちろん、初日ではピコ太郎で笑いを取るなど、さすがのコメディセンスで楽しませてくれた。トップ娘役の綺咲は、フランスの元女優で、パーシーの妻・マルグリット役。家族にも正体を隠して生きるパーシーへの疑念と、彼女自身も秘密を抱えている後ろめたさから、パーシーと少しずつ距離が生じてくる。そんなマルグリットの寂しさやもどかしさを繊細に演じ、元女優らしい美しい立ち居振る舞いでも魅せる。また、スカーレット・ピンパーネルの正体をつきとめようと、血眼になって探しまわる革命政府の公安委員ショーヴランを演じるのは、芝居も歌も圧倒的な実力を持つ礼真琴(れい・まこと)。おどけた振る舞いをしながらヒーローとして活躍するパーシーが“光”の人なら、鋭い目つきでどこか狂気をまとったショーヴランは“影”の人物。革命を正義だと信じ、内から沸々と湧き上がる熱をストレートにぶつけるショーヴランと、七海(ななみ)ひろきが演じる独裁者・ロベスピエールの冷酷さとその裏に垣間見える孤独も、物語を深めている。衣裳がコロコロと変わるのも見た目に楽しく、特に一幕ラストの仮面舞踏会のド派手なシーンは見どころのひとつだ。華やかさとスリルと軽妙な笑いが絶妙なバランスで絡み合う物語は、ハラハラしながらも、スカッと痛快。紅率いる個性豊かな新生星組の、これからの期待も高まる幕開けとなった。4月17日(月)まで兵庫・宝塚大劇場にて上演中。その後、5月5日(金・祝)から6月11日(日)まで東京宝塚劇場にて上演。東京公演のチケットは4月2日(日)10:00より発売開始。取材・文:黒石悦子
2017年03月17日国民的ヒーロー“ドラえもん”の物語、その舞台版が約9年ぶりに再登場する。舞台版ドラえもん『のび太とアニマル惑星(プラネット)』の脚本・演出を手掛ける鴻上尚史は、「子供向けの舞台と思われるだろうけど、初演の時は観客の7割が大人でした」と当時を振り返った。舞台版ドラえもん『のび太とアニマル惑星(プラネット)』チケット情報「9年前はまだ2.5次元(アニメや漫画を原作とした舞台作品)という言葉が一般的でなかったから、『着ぐるみのキャラクターが出てくるの?』なんて誤解されたりして(笑)。でも蓋を開けてみたら、大人の観客が実に喜んでくれたんですよ。ドラえもんは、大人が読んで涙する作品ですからね。子供の頃に出会い、大人になって再発見する、という感じかな」(鴻上)今回の再演で主人公のび太を演じるのは、『テニスの王子様』や『弱虫ペダル』などの舞台で活躍した小越勇輝だ。鴻上の「2.5次元の雄、と紹介されました」という言葉に、照れくさそうに肩をすくめる。その端麗な笑顔と、のび太のイメージとのギャップに戸惑うが…。「よくそう言われてしまって…。う~ん、のび太としてはマイナスかな?でも自分の武器でもあるかな?とかいろいろ悩んでます。“イケメンのび太”なんて言われたりもするけど(苦笑)、そうじゃないところを舞台の上で見せられたらなと」(小越)鴻上は、小越の真剣な表情を微笑ましく見ながら「大丈夫。初めて会った時、ぼ~っとしてたよね。あ、のび太だ、と思ったよ(笑)。かっこいいんじゃなくて「チャーミングなのび太」になれると思うよ」と勝算のうなずきを見せた。「のび太は、僕らが一番感情移入しやすいキャラクター。自分の中にある怠け癖や向上心や負けん気といったものを平均的に持っている男の子なんです。さらにしずかちゃん(樋口日奈)やジャイアン(皇希)、スネ夫(陳内将)など、周囲の人の思いを受けとめるキャッチャーみたいな存在でもある。小越君ならいけるな、と。でも俺、演出家を三十数年やってきて、初めて主演俳優に『そんなにカッコよく踊るな』って言いましたよ(笑)。男のお客さんに『なんかのび太って、俺と地続きじゃん』と思ってもらわないとダメだからね。たぶん今回で、小越君には男性のファンがつくと思いますよ」(鴻上)「はい。すごく面白い挑戦だと感じているので、いろんな方に見ていただきたいです。物語に込められた人との絆や助け合いの心、真っ直ぐな熱といったものを、自分の体でしっかりと伝えられたら。何か温かいものを届けられたらいいなと思っています」(小越)歌とダンスも盛り込んだ快活な音楽劇には、環境問題への鋭い視点も潜む。老若男女の心に響くメッセージが込められた、ドラえもんの宇宙の旅がまもなく発進する。「楽しくて夢のある物語の中に、大切な問題をしっかりと描く。それは原作の藤子・F・不二雄先生が長く持ち続けてきたポリシーだと思います。子供劇となめて来てもらってもいいですけど(笑)、おっ!と驚かされると思いますよ」(鴻上)舞台は3月26日(日)より開幕。取材・文上野紀子
2017年03月17日宝塚歌劇 宙組東京宝塚劇場公演『王妃の館-Chateau de la Reine-』『VIVA! FESTA!』千秋楽のライブ・ビューイングが決定した。宝塚歌劇宙組 千秋楽 ライブ中継ミュージカル・コメディ『王妃の館-Chateau de la Reine-』は、宝塚歌劇にとって初となる浅田次郎作品の舞台化。スーパー・レビュー『VIVA! FESTA!』は、演出家・中村暁による世界各地の”FESTA”をテーマにした新作レビューとなる。さらに今回は、宙組トップ娘役実咲凜音の退団公演となり、ライブ中継では実咲凜音サヨナラショー、退団挨拶、千秋楽挨拶まで見ることができる。チケットぴあでは一般発売に先駆けて先行抽選販売を実施。受付は3月18日(土)午前11時から4月3日(月)昼12時まで。■宝塚歌劇 宙組東京宝塚劇場公演『王妃の館-Chateau de la Reine-』『VIVA! FESTA!』千秋楽ライブ中継4月30日(日)会場:全国の映画館
2017年03月17日5月13日(土)・14日(日)に大阪、5月20日(土)・21日(日)に東京で行われる野外フェスティバル「METROCK2017」のタイムテーブルが発表された。【チケット情報はこちら】トリを務めるのは、大阪の初日がサカナクション、2日目がPerfume。東京の初日が[Alexandros]、2日目がサカナクション。そのほかタイムテーブルの詳細は公式サイトでご確認を。チケットの一般発売に先がけて、1日券の先行受付を実施中。受付は3月25日(土)午後11時59分まで。■TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2017日程:2017年5月20日(土)・21日(日)開場9:30 / 開演11:30会場:新木場・若洲公園(東京都)料金(税込み):1日券10000円■OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2017日程:2017年5月13日(土)・14日(日)開場9:00 / 開演11:00会場:METROCK大阪特設会場(大阪府堺市・海とのふれあい広場)料金(税込み):1日券10000円※未就学児は保護者 同伴に限り1名につき1名のみ入場可。ただしエリア制限あり。★★以下のリンクより「METROCK」をお気に入り登録して、情報をゲット!
2017年03月17日