チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (172/342)
新国立劇場の2016-17シーズンは、10月2日(日)、昨年から始まった新しい『ニーベルングの指環』の第2弾『ワルキューレ』で幕を開ける。世界レベルの実力派ワーグナー歌手たちが揃った注目の舞台。9月下旬、稽古中の劇場を訪れた。【チケット情報はこちら】第1幕をほぼふたりだけで作るのはジークムントとジークリンデ、禁断の愛で結ばれる双子の兄妹だ。ジークムントのステファン・グールドは、『ラインの黄金』ではローゲを歌い、『ジークフリート』『神々の黄昏』ではジークフリートと、4作すべてに出演する。ジークムントを舞台で演じるのはこれが初めてという。豊かな強い声は、若々しさと甘さも併せ持ち、この悲劇的な役を迫真の歌唱で演じている。ジークリンデのジョゼフィーネ・ウェーバーも堂々と渡り合う。ジークムントの『冬の嵐は過ぎ去り』からの二重唱は聴きどころ。緊迫した歌い合いの中に、禁じられた間柄なのに出会ってしまったふたりの愛の喜びがあふれている。ジークリンデがこれだけ立派だと、もしかしてブリュンヒルデが霞んでしまうのではないかという心配が一瞬でも心をよぎった自分が馬鹿だった。すでに新国立劇場でも同役を歌っているイレーネ・テオリンのブリュンヒルデは、北欧の歌手(スウェーデン生まれ)特有の透明で豊かな声で見事な貫禄。ブリュンヒルデが愛に目覚め、父ヴォータンに背いてゆく葛藤も巧みに演じている。そのヴォータンのグリア・グリムスレイは、ひと声で「神」を感じさせる。第3幕の『告別の歌』が、深く、神々しい。この日のリハーサルは舞台装置も衣装も照明も付けて、音楽だけはピアノ伴奏による通し稽古だった。しかし、歌手たちがほぼフルヴォイスで歌っていたおかげもあって、音楽の密度の濃さは尋常ではなく、5時間超という長丁場を忘れてワーグナーの音楽に没頭した。ピアノ伴奏でオペラを観てこんなに熱中したのは初めてだ。これにあのスペクタキュラーなオーケストレーションが加わったらと思うとゾクゾクする。全幕を通して傾斜ステージが特徴的な舞台はゲッツ・フリードリヒが1996年から1999年にフィンランド国立歌劇場で制作したプロダクション。物語に別の要素を加えたりすることなく、ワーグナーの世界を正面から見せてくれるので音楽に集中できる。ラストで、横たわるブリュンヒルデを炎の結界が囲んでゆくシーンは圧巻だ。公演は10月2日(日)、5日(水)、8日(土)、12日(水)、15日(土)、18日(火)の全6回。上演時間は休憩を含めて約5時間20分。取材・文:宮本明
2016年09月26日劇団☆新感線の高田聖子が劇団公演とは違うことを試みようとユニットを立ち上げてから12年。「月影十番勝負」としての10公演を終了したあともその情熱は止まず、「月影番外地」として復活したそのユニットは、今年、「その5」の上演を迎える。脚本は「その3」「その4」に引き続き福原充則が書き、「月影十番勝負」からの付き合いで、「月影番外地」では全作を手がけている木野花が演出。2年ぶりとなる『どどめ雪』と題した作品で「月影番外地」は何を仕掛けるのか。3人に話を聞いた。月影番外地 その5『どどめ雪』チケット情報『どどめ雪』とは、谷崎潤一郎の『細雪』をもじったタイトルだ。「今度は女性のお芝居をしたいねっていう話になって」(高田)、「じゃあ、『細雪』の四人姉妹っていう関係が面白いんじゃないかと」(木野)、脚本の福原に提案。戦中の大阪船場の商家を舞台にした物語は、現代の北関東の地方都市のどどめ色をした雪に降られる四姉妹の話へと移り変わった。長女に峯村リエ、三女に内田慈、四女に藤田記子という顔ぶれも揃い、次女を演じる高田曰く、「いいキャスティングをしすぎてハードルが上がったなと思っていますが(笑)、個性がありつつ、でもみんな突出しすぎない感じもあって不思議な味わいの四姉妹の話になりそう」とか。木野も言う。「アクの強いメンバーだけど暴れないというか(笑)。現段階の台本では、静かな、というより、どこか怪しい気配さえ漂う会話劇なんです」。どうやら、ファンタジー色も入って突拍子もない展開を見せたこれまでの2作とは違うものになるようである。脚本の福原が狙っているのは、「うっすらと『細雪』を残しつつ(笑)、現代の我々の話を書くこと」。現代社会の縮図のような疲弊した北関東の町で暮らす四姉妹の姿に、今の問題を忍ばせようというわけだ。「そんなテーマ的なことを表立って書くのは野暮だったりするとは思います。だけど、書かなければならないことっていうのはやっぱりあって。『月影番外地』はそれを書かせてもらえる現場だと勝手に信頼しているんです」と福原は打ち明ける。それに対し、「書きたくなければ書かなくていいし、書きたいなら好きに書けばいいし、福原さんには自由に書いてもらいたいと思うけど、真面目にそこに触れようとしてくれるのはありがたい」と木野。「純度高く、照れずに真面目にやる事は勇気がいる」という高田も、この「月影番外地」はやはり違う自分になれるのだそうだ。「今回も真面目に面白く頑張ります」と宣言する高田。今という時代と演劇に真摯に向き合って、ほかにない作品を作ってくれることだろう。公演は12月3日(土)から12日(月)まで東京・ザ・スズナリにて。チケット一般発売は10月1日(土)午前10時より。取材・文:大内弓子
2016年09月26日近年『永遠の一瞬 -Time Stands Still-』『バグダッド動物園のベンガルタイガー』など、日本未発表の欧米現代戯曲を上演してきた新国立劇場にて、2014年ピュリッツァー賞受賞の『フリック』が初演される。マキノノゾミの演出の下、木村了、ソニン、村岡哲至、菅原永二の4人が集結。焦燥と不安、葛藤を抱えて現代を生きる若者を時にコミカルに、時に切実さをもって描く。9月某日、熱気溢れる稽古場を取材した。【チケット情報はこちら】アニー・ベイカーによる本作の舞台はマサチューセッツ州の田舎の古びた映画館、通称“フリック”。いまだに35ミリフィルムで映写するここで、映写技師になることを夢見るサム、常に気怠そうな紅一点のローズ、そして映画狂の若者・エイヴリーは仕事に励むが、この古き良き映画館にもデジタル化の波が押し寄せる……。稽古場にはズラリと劇場のイスが並んでおり、奥には映写室がみえる。観客は普段、映画館で映画を鑑賞するのとは逆方向、スクリーンのこちら側から劇場で起こるドラマをのぞき込む形になっている。現代のアメリカの片田舎を舞台にしているが、それぞれに問題を抱え、将来への不安、わずかばかりの夢や希望、他人とのコミュニケーションへの怖れを持ち、それでも生きていくという若者たちの姿は、現代の日本と全く変わらない。エイヴリーが新入りとして働き始め、やがて映画館の売却話が持ち上がり…という物語の流れはあるのだが、まるでオムニバス映画のように、彼らのちょっとしたやり取りが積み重ねられ、その端々で、気楽に生きているように見えて、それぞれにいかんともしがたい現実を抱えている様子が垣間見えてくる。演出のマキノは、その小さな積み重ねを重視しているようで、木村、ソニン、菅原らのちょっとしたセリフの言い回しや体の動き、相手を見つめる一瞬の長さに至るまで、細かく様々なやり方を試していく。1シーンごとに短い休憩が入るが、俳優陣はその間も休んではおらず、何度もセリフを繰り返して体になじませたり、原文の英語でどのような言い回しになっているかを確認していた。セリフの中に映画や俳優の名前がたびたび登場するのも本作の楽しみのひとつ。誰もが知る娯楽大作から、おそらく観客の多くがタイトルさえも知らないであろうマニアックな作品まで引用されている。映画という“共通言語”は若者たちを結びつけ、彼らは境遇や現実の問題を乗り越えて友情を育むかに見えるが、現代社会は若者たちに、そんな当たり前に思える幸せを許してはくれないようだ。アナログとデジタル。SNSでつながっても埋まらない距離。相手に対する信頼と相手が自分に対して感じている信頼の大きさのギャップ――。そんな微妙な現代社会の隙間に身を置く若者たちの距離感を俳優たちが見事に体現していた。公演は10月13日(木)から30日(日)まで東京・新国立劇場小劇場にて上演。取材・文・撮影:黒豆直樹
2016年09月26日12月10日(土)に北海道・Zepp Sapporoでライブイベント「HOMME×MR.MR ~The Final~ Happy X’mas Special Concert 2016」が開催される。【チケット情報はこちら】同公演は、パワフルでセクシーな韓国屈指の歌唱力を誇るHOMMEの歌声と、抜群のルックスに、ハイパフォーマンスで魅了するMR.MRの魅力を一度に楽しめる。それぞれのオリジナル楽曲はもちろん、今年1年で3度目の共演、そして最後の共演LIVEとなる“HOMME”と“MR.MR”のステージを応援してくれるファンに感謝を込め、1日限りの夢のコラボ曲も用意されるとのこと。また、温かい分かち合いの精神を発信するGFSC(Good Friends Save the Children)X-masチャリティーキャンペーンを展開する本公演は、趣旨に賛同した2組のアーティストの「音楽で大変な環境にいる子供たちの力になりたい」との思いから、GFSCスペシャルチャリティーハイタッチ会も決定。チケットの一般発売は11月19日(土)午前10時より。■HOMME×MR.MR ~The Final~ Happy X’mas Special Concert 201612月10日(土)Zepp Sapporo(北海道)【1部LIVE】開場12:30 / 開演13:30【2部LIVE】開場17:30 / 開演18:30出演:HOMME / MR.MR
2016年09月26日演劇集団キャラメルボックスの舞台を、ふだんはなかなか行けない町へお届けする「グリーティングシアター」。その第三弾、『嵐になるまで待って』が9月21日、東京・かめありリリオホールで幕を開けた。キャラメルボックス『嵐になるまで待って』チケット情報ヒロイン・ユーリは声優志望。テレビアニメのオーディションに合格し、顔合わせで作曲家の波多野、その姉の雪絵と出会うが、その場に居た俳優・高杉と波多野の間に諍いが起こってしまう。その時、ユーリには波多野の「死んでしまえ!」という〝もうひとつの声〟が聞こえていた。翌日、高杉は行方不明になり、ユーリのもとには波多野から電話がかかってくる。ユーリのペンダントを拾ったので取りに来いという波多野。そのペンダントはユーリの元家庭教師、幸吉にもらったものだった……。1993年の初演以来5回目の上演となり、演劇集団キャラメルボックスの代表作とも言える本作。大きな特徴がふたつあり、まずはキャラメルボックス作品の中では珍しいサイコサスペンスであるということ。波多野の〝もうひとつの声〟の力に気づいてしまったユーリは、「愛する人を守るため」の熾烈な攻防へと巻き込まれてゆく。そしてもうひとつは、手話を多用した演出だ。波多野の姉・雪絵は耳が聞こえない“ろう”という設定のため、劇中では手話が多用される。観ているうちに気付かされるのが、例えばメールを使用したり、スマホに文字を入力してコミュニケーションをとる、といったように、私たちはハンディキャップを持つ人はもちろん、他者へ「伝えるため」のツールを身近に持つことができているということ。しかし、そんな時代だからこそ「伝わらない」ことのもどかしさ、そしてきちんと「伝えること」、他者を「信じること」ということの大切さがより迫ってくる。今回の公演では、前回の2008年版から殆どのキャストを一新。ユーリを演じた原田樹里は少年のような声がはまり、ユーリが声優を目指す理由に説得力が増す。そんなユーリが憧れる幸吉役には若手俳優として活躍目覚ましい一色洋平が客演、ユーリとフレッシュなコンビネーションを見せてゆく。また、波多野はこれまでキャラメルボックスの歴代看板俳優が演じてきた役。そんなプレッシャーの中、鍛治本大樹は抑制のきいた一見“好青年”風の中に、暗い情念と狂気をにじませる新たな波多野像を作り上げた。一方で、初演からずっと広瀬教授役で出演し続けている西川浩幸の存在が、張り詰めた物語に少しホッとした空気を与えてくれる。往年の劇団ファンにはこれも嬉しいところだろう。東京公演は9月25日(日)まで上演。その後、栃木、山形、愛知、三重、大阪、兵庫、広島、新潟と全国を回り、11月3日(木)に埼玉で千秋楽を迎える。取材・文:川口有紀
2016年09月23日今年日本で初開催となる「THE CLASSIC ROCK AWARDS 2016 + LIVE PERFORMANCE / クラシックロックアワード2016 + ライヴパフォーマンス」の最終ラインナップが発表された。【チケット情報はこちら】今回追加決定したのは、ジミー・ペイジ、「デフ・レパード」からジョー・エリオット、フィリピンの国民的アーティスト、サラ・ヘロニモとロック・シンガーのバンブー。ジミー・ペイジの来日公演は、1996年、東京・大阪・名古屋・福岡で行われた「ジミーペイジ/ロバート・プラント ワールドツアー」以来20年ぶりとなる。レジェンド達が一堂に会して、入れ替り立ち替わり、一夜限りのジャムセッションを繰り広げるロックの祭典。中でも『世界3大ギタリスト』のふたり、ジェフ・ベックとジミー・ペイジが日本初共演を果たすことになり、今回の日本公演は盛り上がること必至。開催は11月11日(金)、東京・両国国技館にて。チケットの一般発売は今週末9月24日(土)昼12時より。なお、ジェフ・ベック出演発表にあわせて、本公演のためだけに結成される『ジェフ・ベック・スペシャルバンド』のメンバーも発表になった。アメリカ・サンディエゴ出身「ストーン・テンプル・パイロッツ」からディーン・ディレオと、ロバート・ディレオ。アリス・クーパー、ジョニー・デップ、ジョー・ペリーらで結成されたスーパーバンド「ハリウッド・パンパイアーズ」のメンバーとしても活躍するトミー・ヘンリクセン。へヴィーロックのカリスマ「コーン」のレイ・ルジアーの参加が決定している。
2016年09月23日サバイバルオーディション番組から誕生したK-POPボーイズグループ「少年24」の日本ファンクラブ発足が決定した。少年24はMnetを運営するCJ E&Mと、日本でも絶大な人気を誇るSHINHWAのシン・ヘソン、イ・ミヌが所属するLIVEWORKS Companyの共同制作で行われた超大型K-POPプロジェクト。大手事務所の元練習生や、デビュー経験のある元アイドルなど5,500人を超える事前応募者の中から選ばれた49人がサバイバルオーディションに参加。選ばれた最終メンバーは、ソウル・明洞にある専用劇場「BOYS24 Hall」で年間を通じて定期ライブを開催する。さらに韓国のみならず、日本を含む海外での活動も予定している。2016年12月3日(土)にはファンクラブ有料会員を対象とした初来日イベントの開催も決定した。詳細は、10月3日(月)の昼12時にオープンするファンクラブサイトで発表があるので、ぜひチェックを。
2016年09月23日黒柳徹子の海外コメディ・シリーズ第30弾『レティスとラベッジ』が10月1日(土)、東京・EX THEATER ROPPONGIにて開幕する。『アマデウス』の作者ピーター・シェファーによる本作は、シリーズの第一作目として1989年に日本初演を迎え、2000年に再演された傑作コメディ。今回は初演から実に27年ぶり、再演から16年ぶりの登場となる。注目の再々演で黒柳の相手役を務めるのは、「徹子さんとの稽古の日々に幸せを感じています」と語る麻実れいだ。切望していた黒柳との共演、ひさしぶりのコメディへの挑戦について話を聞いた。舞台『レティスとラベッジ』チケット情報ロンドンの観光ガイド・レティス(黒柳)は、お定まりのガイド内容を話すことに飽き飽きし、面白おかしく尾ひれを付けた説明を観光客相手に展開する。その噂を聞きつけて視察に現れた歴史保存委員会の堅物職員ロッテ(麻実)は、レティスにクビを宣告するが……。「ふたりは最初は反発し合うけれど、徐々に友情を感じ始めて、最後はとことん親友になる。そんな優しくて温かい、大人のコメディです。コメディの難しさはわかっていたけれど、ここ数年、重い作品への出演が続いていたので嬉しいなと思ったんですね。でも蓋を開けてみたらやっぱり大変でした(笑)。ほぼふたり芝居と言ってもいいくらいの台詞の応酬で…。その作品に再々度挑戦する徹子さんは強靭です。素晴らしいという意味で“怪物さん”ですね」稽古場では、ガイドをクビになったレティスの部屋をロッテが訪問するシーンの稽古が行われていた。仕事を奪った“敵”の思わぬ訪問に、レティスは無愛想に応対する。毅然と現れたかと思えば猫の存在に怯えてひと騒ぎする、快活な麻実ロッテ。それに対し、一本調子の返答で不満をあらわにする黒柳レティス。両者の明暗のギャップが可笑しく、稽古場から失笑がこぼれる。実はロッテはレティスに新たな職を紹介するためにやってきたことが判明すると、黒柳の表情と口調が鮮やかに変化していった。友情の杯を交わすまでの愉快なやりとりについて黒柳は次々にアイデアを出し、すぐさま動いてみせる。手にしているのは使い込まれてクタクタになった台本だ。演出の故・高橋昌也による指示がすべて書き込まれた、初演時から使用し続けているものだそうだ。「徹子さんはとにかく知的で、可愛くて繊細。このレティスという役にピッタリです。私は役を作るといっても、いつも結果的に自分に近づけてしまうんですが、今回はさらに自分の感覚のままに発散してみようかなと思っています」女優ふたりの熟成された表現力、その深い味わいに満ちた舞台が、心地良い笑いと前進する勇気を与えてくれそうな予感がする。「ピーター・シェファーという素晴らしい作家の力と徹子さんの魅力が合わさったオシャレなコメディ。何よりも私自身が出来上がりを楽しみにしています」東京公演は10月16日(日)まで。その後、10月20日(木)から23日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。取材・文/上野紀子
2016年09月23日8月には主演ミュージカル『王家の紋章』が大きな評判となったミュージカル界のプリンス、浦井健治。“ミュージカル界の…”と言っても、今年はドラマ『ニーチェ先生』(Hulu配信/日本テレビ系)に主演、月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)に出演するなど、活躍の幅をどんどん広げている注目の俳優だ。その彼がデビュー15周年を記念したコンサートを9月29日(木)に開催する。『Wonderland』とタイトルを冠したこのコンサートへの意気込み、そして自身の15年について、話を訊いた。チケット情報はこちら2001年、『仮面ライダークウガ』(テレビ朝日系)でデビューした青年が、いまやミュージカルの殿堂・帝国劇場で主役を張る存在になった。「15年…。密度が濃く、充実していました。たくさんの人や作品や楽曲に出会うことによって、自分の人生さえも豊かに感じるようになりました。本当に15年たったんだなというのと、まだ15年しかたっていないんだという思い、両方がありますが、すべての出会いが自分に与えてくれた影響を考えずにはいられない。かけがえのない時間だったなと思います」と浦井は振り返る。そんな中でのコンサート開催である。井上芳雄、山崎育三郎とのユニット・StarSでのコンサート経験等はあるが、ソロでは初めての挑戦だ。「自分の15年をギュッと詰め、おもちゃ箱をひっくり返したように何でもアリで、とにかくお客さまに楽しんでもらえるコンサートにしたいです。でも実は今回、浦井は何を歌いたい? どんなコンサートにしたい? と訊かれた時に、まったく何も浮かばなくて。その瞬間、“あ、自分は役者なのか”と改めて気付きました。自分は芝居の中で歌うことをずっと深めてきた。今回も“役者がコンサートをやる”というところを、徹底してやりたい。それによってお客さまにも、よりミュージカルを愛する、楽しむきっかけになってくれたら嬉しいですね」。浦井は自身が目指す歌を、シンガーの歌とは異なり物語の中で歌う歌、“芝居歌”と呼んでいる。「面白いのは、ある作品の楽曲を歌うと、身体が役を覚えていて、その時の喉やエネルギーで歌ってしまうんですよ。その1曲のまわりにあった楽曲や対峙していた役、共演していたみんなの顔すら見える。その作品の3時間分の空間の認識込みで1曲を歌えるというのは、役者ならではと思います。僕自身もこのコンサートを経て、芝居の中で歌う歌により説得力が出たり、声色が豊かになったりしていけたら最高だなと思っています。僕にとっても新たな一歩になるはずです」。コンサートでは浦井が過去出演した多くの名作ミュージカルから、名曲の数々が多数披露される予定。浦井の15年の集大成にして“新たな一歩”をぜひ劇場で見届けよう。コンサートは9月29日(木)に東京国際フォーラム ホールAで開催。チケットは発売中。
2016年09月23日今年3月に東京で上演された『歴タメLive~歴史好きのエンターテイナー大集合!』の大阪公演が、10月15日(土)・16日(日)に開催される。舞台で活躍中の人気俳優たちがコントや歌で歴史の面白エピソードを表現するライブイベント。染谷俊之、杉江大志ら俳優陣に加え、Co.慶応や金田哲(はんにゃ)らも出演。出演者の鈴木拡樹と井深克彦に話を聞いた。【チケット情報はこちら】舞台、ライブと2014年から続く本シリーズ。鈴木は「もうホームな感じがしますね。集まったときに『この座組で作る』というよりも『この家族で作る』感じがあります」、井深も「ほんとにその意識はある!それだけ相手のことを信頼できているので、例えばハプニングが起きても、それをバネにしてよりいいものを作れるような。みんなで助け合ってやっていけることは自信にもつながります」東京公演から半年ぶりのライブだが、井深は「このカンパニーのキャストは面白いことが好きだったり、サービス精神が旺盛な方が多いので、大阪向けのアドリブシーンとかも入れてくる人がいるんじゃないかなと思って。僕は逆にそれに怯えてます(笑)」。大阪が地元の鈴木は「自分が長く関わってる作品を地元の大阪に、自分としては“持ち帰れる”みたいなところもあるんですけど、そうなるのはすごく嬉しくて。だからこそ関西方面のお客様にも楽しんでいただきたいし、知っていただいて、続く舞台も観てもらえるようになったらいいなって。ひとつ勝負所だなと感じている部分もあります」大阪では新作コントも披露予定。コント初参加となる細貝圭の役柄を聞いてみると「聞いて即笑っちゃったんだけど…ペリーです」(鈴木)。「ピッタリですよね。海外で生活していた期間が長くて、日常生活で突然英語使ったりするようなちょっと風変わりな方なので(笑)。新しい風を起こしてくれるんじゃないかなと思います」(井深)さらに今回は、初の公式グッズも発売。そのひとつが、キャスト陣が扮した歴史上の人物の“うちわ”。うちわを振って応援できると聞いた井深は「それ、(自身演じる)吉良上野介がいない…みたい感じになりかねないじゃないですか!吉良のうちわを買ってください!(笑)」「前作観ていただいた方も今回観ていただく方も同じように大盛り上がりできるようにパワーアップさせなきゃいけない」(鈴木)とキャスト達が取り組む公演は、10月15日(土)・16日(日)に、大阪・松下IMPホールにて。取材・文:中川實穗
2016年09月23日シンガーソングライターのななみが、全国ツアー“ななみ 2016 tour「白と黒の世界」”を開催中。9月17日には、東京で初ワンマンを行った原宿アストロホールに約2年ぶりに登場し、シンガーソングライターとして成長した姿を見せ付けた。【チケット情報はこちら】本ツアーは、黒(陰)と白(陽)をコンセプトにした2ndフルアルバム『Light in the Darkness』を引っさげた、バンドセットによるワンマンライブツアー。赤いライトに警告音が鳴り響く中、“黒いななみ”による“黒の世界”のステージからスタートした。挑発するように、セクシーな黒のドレスを着たななみが、『サイレン』や『通りゃんせ』などを、荒々しく披露。狂気を帯びた目、切なく哀しげな表情で歌い、観客を圧倒した。中盤からは、天使のような純白のドレスを身にまとった“白いななみ”による“白の世界”に。『only lonely』など、優しく柔らかな表情で歌い上げ、浄化されていくようなステージを展開。さらに、「夢が叶った希望の曲」と語る『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』のエンディングテーマ『Next 2 U 』(自らのアルバムでカバーしたVer)を笑顔で熱唱し、会場を盛り上げた。「このステージで初めて東京でワンマンライブをやったときは、楽しい音楽ができてなかったと思います。楽屋に戻ってから、“これでいいのかな?”と考えたり。今日は、ちゃんと楽しいライブができてます」と語ったななみ。当時の自分に向かって歌うように、『今日も大丈夫。』を歌い上げた。このライブでいろんな異なる彼女を演じてきたななみ。最後は、「最近の私は、私が私でいられることを、心がけています」と、引きこもっていた10代の頃を歌った自己紹介の曲を披露し、本当の自分をあらためて表現した。感謝を込めておじぎする彼女に、観客の拍手は鳴り止まなかった。全国ツアーは残すところ、10月1日(土)大分・BRICK BLOCKでの凱旋ライブのみ。チケット発売中。また、12月1日(木)・2日(金)には東京・下北沢440で弾き語りライブを開催することを発表した。取材・文:門 宏
2016年09月21日巨匠ネルソン・フレイレの代役としてフランスの名門トゥールーズ・キャピトル管定期公演デビューや、パリ・オペラ座バレエ団のエトワール、マチュー・ガニオとの共演、フィギュアスケーターとのコラボなど、この春夏も多彩な活動で次々話題を呼んだ、ピアニストの福間洸太朗。福間洸太朗 コンサート情報秋には、創意あふれるプログラムによるリサイタルに臨む。ショパンの命日の10月17日、サントリーホール、ブルーローズで昼夜別プロの公演を予定しているが、夜のオール・ショパンが即日完売したため、10月27日(木)紀尾井ホールで追加公演を行うことになった。「テーマは、“熱烈に、火をもって”という曲想を表す『コン・フォーコ』です。コン・フォーコが出てくるのは、例えばバラード1番と2番、「革命」のエチュードなど。『24のプレリュード』では16番でたった一度登場します。激しい部分でモルト・アジタートはよく使われますがコン・フォーコは数少ないので、特別な想いが込められているのではないかと。彼がポーランドを離れてから10年ほどの間に書いた作品の中でしばしば使われ、後期作品では出てこなくなくなるのも興味深いです」理性を失うほどの怒りが込められたコン・フォーコの部分は、「野性的に感情をぶつけるようなところがあって、歌う表現がしにくい」と福間は言う。「24のプレリュード」ではそんな16番をピークに、独自の解釈で物語を展開するつもりだ。「コン・フォーコに向かって音楽がどう進むのかに着目して聴くと、『雨だれ』や7番など有名曲の聴こえ方も変わってくると思います。作品の新たな魅力を見つけていただけたら」実はこの夏、ショパンが「24のプレリュード」を書いたことで知られるマヨルカ島を訪ねた。「ショパンは恋人のサンドや彼女の子供たちと一緒に、療養のためマヨルカ島に滞在しました。到着時の日記には、輝く太陽や、海、緑の生き生きとした美しさが書かれています。ここで回復して音楽を書こうという意欲を感じていたのでしょう。でも彼が滞在したのは雨季の冬で、その後体調を崩し結核と診断されてしまいます」村人から疎まれ、ショパンたちはひと気の少ないバルデモサの修道院を宿にした。「ショパンの部屋の前に立ってみると、夜だったこともあって少し恐怖を感じました。彼はここで、響く雨音と冷たい風の音を聴き、孤独や死への恐れも感じたのだろうと想像しましたね」こうして、作品への理解も深まったという。「『24のプレリュード』は、すべての基本であるハ長調で始まり、レクイエムなどでよく使われるニ短調で終わります。そこに、音楽の誕生と終わりやひとつの人生という、生から死への流れを見ることもできると感じました」マヨルカの風と空気を肌で感じたその成果を、余すところなく披露してくれることだろう。取材・文:高坂はる香
2016年09月21日ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が世田谷パブリックシアターとタッグを組み、新作舞台『キネマと恋人』でシアタートラムの濃密な小空間に初挑戦する。ウディ・アレンの名画『カイロの紫のバラ』を大胆に翻案するロマンチック・コメディだ。舞台『キネマと恋人』チケット情報「僕にとっての映画は、ノスタルジーを求めてしまう存在。映画を題材にした舞台を作るとなると、自ずとロマンチックに収めていきたくなるんですよね。映画でミア・ファローが演じていた“映画を観ることしか楽しみのない女性”(緒川たまき)と、“映画から出てきた男”と“その男を演じている俳優”(妻夫木聡の二役)。この三人が展開するラブストーリーはそのままに、今回は物語の背景を1930年代の日本に置き変えて、ヒロインとその妹(ともさかりえ)との関係を膨らませるなど、もう少し複雑な話になっていくと思います」映画の登場人物が突然スクリーンから飛び出してくる…という映画の一番の妙味を、演劇で効果的に見せるためにKERAが頼った強力な助っ人が、振付の小野寺修二と映像監修の上田大樹だ。「小野寺くんはすでにプレ稽古を始めてくれていて、アイデアを見せてくれたんですね。それが素晴らしくて非常に刺激になりました。そこに映像効果――何と言っても映画を重要なモチーフにした作品ですから――もあいまって、勝算はありますね。今回、ふたりの仕事のボリュームは普段よりもかなり大きいです」そのシーンを体現するのが、満を持してKERA舞台に迎える妻夫木聡である。「彼はニュートラルでありながら、レッドゾーンに振り切るような芝居をリアルにできる。演劇に求められるリアリティを瞬時に把握して、表わすことのできる俳優さんだと思いますね。緒川さんは劇場とのプロダクション会議から参加してくれてます。ミア・ファローとはまた別の味わいでヒロインを演じてくれるでしょう。このふたりにともさかさんを始めとした手練7人が加わって、面白くならないはずがないでしょ?」ロマンスに心ときめかされるが、映画の終わりはホロリと苦い。KERAも「まだ結末は決まっていないけど、ビターなものにはなるでしょうね」と見据える。「僕自身つねに現実から逃げたくて作品を作っているようなところがあるけど、でも結局、作品の中で生きることはできても、作品の中で死ぬことはできない。やっぱり現実に立ち戻らなければいけない…という人たちの話です」豪華キャストによるKERAの新作を小劇場で味わう贅沢な機会。虚構と現実を行き交う人々の愛しくも哀しいドラマに浸りたい。「自分のキャリアの最高傑作にする意気込みです。こんなに前もって『最高傑作にする!』なんて吹聴するのは初めてのことなんですよ(笑)。何年かして振り返った時に、『あれは文句なしに良かった』と思える公演になると確信しています」公演は11月15日(火)から12月4日(日)まで東京・シアタートラムにて。取材・文上野紀子
2016年09月21日FRESH! by AbemaTV&ニコニコ生放送で隔週木曜日に放送されている「アニメぴあちゃんねる」。9月22日(木)の放送はゲストに春奈るなを迎える。春奈は10月12日(水)にPS4/PSVita用ソフト『ソードアート・オンライン-ホロウ・リアリゼーション-』のオープニングテーマ『Windia』をリリース。さらに11月5日(土)より東京・大阪・福岡でワンマンライブ「春奈るな LIVE 2016 ”Windia”」を開催する。春奈は今回番組出演に際し、プライベート写真を多数用意。その中から、各地で行われている「おそ松さん」関連イベントに参加している模様や、各地で食べたカレーの写真を紹介。お気に入りのカレー店や、食べ方のこだわりについてトークする。また、春奈がデザインをプロデュースした、オリジナルウエディングドレスを着た写真を「アニメぴあちゃんねる」で初披露する。そのほか、新曲『Windia』のミュージックビデオをユーザーと一緒に鑑賞。春奈るな本人が曲の解説をし、撮影時のエピソードを語る。さらに、スポーツの秋、食欲の秋という事で、春奈るなが大好きなカレーパンを賭けて、レギュラー陣の高野麻里佳、タカオユキ、秦佐和子と共に「縄跳び」で対決する。番組では、春奈るなサイン入りポスターを「アニメぴあちゃんねる」視聴者に抽選で1名にプレゼント。気になる方は関連リンクでご確認を。■アニメぴあちゃんねる日時:9月22日(木)午後8時~午後10時出演:タカオユキ / 秦佐和子 / 高野麻里佳 / 美濃部達宏ゲスト:春奈るな
2016年09月21日イギリスの女性グループ、バナナラマが10月5日(水)東京・チームスマイル・豊洲PIT(ピット)、7日(金)大阪・松下IMPホールで27年ぶり、4度目となる単独来日公演を開催する。【チケット情報はこちら】バナナラマは1981年にシングル『アイ・ア・ムアナ』でデビュー。『ヴィーナス』、『アイ・ハード・ア・ルーマー(噂)』などのヒット曲で知られ、レコード・CDの総売り上げは4,000万枚を超えている。また、「最もヒットチャートに登場した女性グループ」としてギネスに認定されている世界的なグループだ。今回の来日公演では、パフォーマンスする曲すべてに、会場のモニターで、オリジナルのビデオクリップが流れる。さらに1980年代後半にディスコでかかっていた楽曲には、懐かしいサウンドエフェクトやサンプリングが施され、当時のファンも楽しめる演出が満載。チケットは発売中。■BANANARAMA “SUPER DISCO MIX”10月5日(水)チームスマイル・豊洲PIT(ピット)(東京都)開場18:00 / 開演19:0010月7日(金)松下IMPホール(大阪府)開場18:00 / 開演19:00料金:S指定13,000円(税込)/A指定10,000円(税込)/自由席8000円(税込)※入場時 別途ドリンク代500円(東京公演のみ)※未就学児童入場不可
2016年09月21日1992年から日本の観客を魅了し続けている伝説のメガ・ミュージカル『ミス・サイゴン』。今回、新演出版となった12年、14年の上演から2年ぶりに再登場する。ブロードウェイでは来年上演が決定、映画化も噂される、今、注目の舞台だ。ミュージカル「ミス・サイゴン」チケット情報物語の舞台は、ベトナム戦争で陥落間近のサイゴン。エンジニアの経営するキャバレーで知り合った、ベトナム人の少女・キムと米兵クリスの愛の始まりから、サイゴン陥落でのドラマチックな別離、そして戦後の運命的な再会へ。ベトナム戦争を背景に、国と国に引き裂かれた人々の愛と葛藤と悲劇を壮大なスケールで描く。今回のエンジニア役は、92年の日本初演から出演する“ミスター・サイゴン“こと市村正親と、前回も出演した駒田一、そして初参加するロック・ミュージシャンで俳優のダイアモンド☆ユカイのトリプルキャストだ。今回でエンジニア役を卒業する市村と同時に、ダイアモンド☆ユカイの初登板も大きな話題。自らオーディションに臨み、ミュージカルの超大作に挑戦することになった彼が来阪、会見でその意気込みを熱く語った。80年代、RED WARRIORSを率いてロックシーンで活躍、その後も歌手、俳優、最近ではバラエティにと活動の幅を広げている。「ミュージカルは憧れでしたが、別世界」と思っていた彼が、前回の『ミス・サイゴン』を観て「雷に打たれた」。「ベトナム戦争時代は、ロックが最も熱い時代でもありましたよね。作中の音楽は素晴らしくて、どれもすごい曲。戦争の中で打ちひしがれていく切ないストーリーと、音楽にどんどん引き込まれていって。その中でエンジニアという、一見とんでもないヤツの人生を観ているうちに、オレがここにいる、ダイアモンド☆ユカイそのものじゃないか、と。で、“アメリカン・ドリーム”を歌うシーンで、もう雷に打たれちゃって。今まで自分が30年間ロックをやってきて、表現したいことがこのミュージカルに詰まってる、歌いたい!と思ったんです」。が、できるのか?という葛藤を乗り越え「50才過ぎても挑戦する気持ちはロックだ!」とオーディションに挑戦、見事役を勝ち取った。「うれしいプラス、プレッシャーの固まりです。“ザ・エンジニア”の市村さんと、ベテランの駒田さん、その中でオレ。先輩ふたりと同じことはどう頑張ってもできない。ダイアモンド☆ユカイにしかできない何かで、思いっきり“アメリカン・ドリーム”を歌い倒したい。歌で表現できる喜びを感じながら『ミス・サイゴン』に賭けます」。超本気、だ。「これは自分の人生の中で一大転機。一期一会と思って、自分が出来るすべてのものをぶつけて行きたい。今見逃すと、ダイアモンド☆ユカイの“アメリカン・ドリーム”は観れないよ!」。各地の劇場で、きっと、これまでにない「ロックなエンジニア」に出会えるだろう。公演は、東京・帝国劇場にて10月19日(水)から11月23日(水・祝)まで(10月15日(土)からプレビュー公演あり)。その後、岩手、鹿児島、福岡、愛知、大阪でも上演。製作:東宝取材・文:高橋晴代
2016年09月21日10月2日(日)に東京・日比谷野外大音楽堂でライブイベント「琉球フェスティバル2016」が行われる。【チケット情報はこちら】同イベントは、沖縄の島々に伝わるうたを広く伝えるべく、ルポライターの故・竹中労が企画し、1974年よりスタート。途中、休止期間を挟んだものの、今年で21回目を数える。毎年、民謡界の大御所や若手の実力派など、沖縄音楽を演奏するアーティストがジャンルの垣根を越えて出演。沖縄県内でもなかなか見ることができない出演者が一堂に会するイベントとして人気を博している。今回は、古謝美佐子を始め「初代ネーネーズ」のメンバーを中心に結成された女性グループ・うないぐみ、大工哲弘 with 大工苗子、パーシャクラブなど、7組のアーティストが出演。また、司会は沖縄出身の芸人、ガレッジセールが9年連続で務める。なお、同イベントの告知映像が9月23日(金)・30日(金)放送のテレビ朝日『イベ検』、9月30日(金)『カンゲキ』にて放送が決定している。『イベ検』ではパーシャクラブからのコメントも放送される。チケットは発売中。■琉球フェスティバル2016日時:10月2日(日)開場15:15 / 開演16:00会場:日比谷野外大音楽堂(東京都)出演:うないぐみ / 大工哲弘 with 大工苗子 / パーシャクラブ / しゃかり / 下地イサム / よなは徹 / 園田エイサー【司会】ガレッジセール料金:前売7,000円(全席指定/税込)※雨天決行
2016年09月20日男性でありながらソプラノの音域を持つ「ソプラニスタ」(男性ソプラノ歌手)の岡本知高が、10月16日(日)に東京オペラシティで行う“Concerto del Sopranista 2016-2017”に、オーストラリア出身の歌手、ヴァイオリニストのサラ・オレインがゲスト出演することが決まった。「岡本知高Concerto del Sopranista 2016-2017」の公演情報サラ・オレインは、「f分の1のゆらぎ」という聴くものをリラックスさせ、爽やかさと清涼感を与える天性の声の持ち主。また、澄んだ声と強い声を自在に使い分ける「声帯のアスリート」とも呼ばれている。テレビ番組出演、ラジオパーソナリティ、CMソング、フィギュアスケートやアイスショーでのコラボなど、多岐にわたって活躍。ウィーン少年合唱団との共演、名音楽プロデューサー、デイヴィッド・フォスターが手掛けたアルバム「We Love Disney」への参加、アンドレア・ボチェッリの最新アルバムでのデュエットなど、様々なジャンルの音楽家とも共演している。世界で数人しかいないと言われる「ソプラニスタ」の岡本知高は、国内・海外の主要オーケストラとの共演はもちろん、先日行われたブロードウェイミュージカル『シカゴ』宝塚歌劇OGバージョンでニューヨークブロードウェイの舞台を賑わかせ、その圧倒的な歌唱力で観客を虜にしたことも記憶に新しい。彼の歌声は華やかで、それでいて共演者の歌声を決して妨げることなく存在感を出せるのは流石としか言いようがない。老若男女、全てを引き付ける彼の魅力を、思う存分楽しめるコンサートとなるだろう。また、10月12日(水)にニューアルバム『春なのに~想歌(おもひうた)』を発売することも決定しており、新たなレパートリーに期待が高まる。聴くものすべての心を揺さぶる「奇跡の歌声」をもつ岡本知高と、サラ・オレインの癒しの波長が合わさり、骨抜きにされること間違いなしだ。■岡本知高Concerto del Sopranista 2016 - 20172016年10月16日(日) 13:30開場 14:00開演東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル
2016年09月16日10月7日(金)に東京・東京国際フォーラム ホールAで開催される「オリンピックコンサート2016」に出席する参加予定メダリストが発表された。【チケット情報はこちら】オリンピックコンサートは、日本オリンピック委員会(JOC)が主催し、1997年からスタート。今年は“応援をありがとう!感動をありがとう!”をテーマに、過去最多の41個のメダルを獲得するなど日本代表選手が大活躍したリオデジャネイロオリンピックにフォーカスし、オリンピックの競技映像と壮大なシンフォニーオーケストラの共演によってふり返る。今回、参加予定メダリストとして発表となったのは以下の選手。当日はステージにて、オリンピックへの想いと、日本からの応援への感謝の気持ちを伝える。【水泳/競泳】萩野公介(男子400m個人メドレー金/男子200m個人メドレー銀/男子4×200mリレー銅)、坂井聖人(男子200mバタフライ銀)、松田丈志(男子4×200mリレー銅)、小堀勇氣(男子4×200mリレー銅)【レスリング】樋口黎(男子フリースタイル57kg級銀)、太田忍(男子グレコローマン59kg級銀)、登坂絵莉(女子フリースタイル48kg級金)、伊調馨(女子フリースタイル58kg級金)、川井梨紗子(女子フリースタイル63kg級金)、土性沙羅(女子フリースタイル69kg級金)【ウエイトリフティング】三宅宏実(女子48kg級銅)【卓球】吉村真晴(男子団体銀)、福原愛(女子団体銅)【柔道】原沢久喜(男子100kg超級銀)、羽賀龍之介(男子100kg級銅)、ベイカー茉秋(男子90kg級金)、永瀬貴規(男子81kg級銅)、大野将平(男子73kg級金)、海老沼匡(男子66kg級銅)、髙藤直寿(男子60kg級銅)、山部佳苗(女子78kg級銅)、田知本遥(女子70kg級金)、松本薫(女子57kg級銅)、中村美里(女子52kg級銅)、近藤亜美(女子48kg級銅)【バドミントン】奥原希望(女子シングルス銅)、髙橋礼華(女子ダブルス金)、松友美佐紀(女子ダブルス金)【カヌー/スラローム】羽根田卓也(男子カナディアンシングル銅)※リオデジャネイロオリンピック日本代表選手団名簿順※参加者は変更になる場合ありまた、コンサートにゲストアーティストとして参加する蘭寿とむとMon STARS(橋本さとし、石井一孝、岸祐二)が披露するミュージカルナンバーも同日発表。シンフォニーオーケストラとコラボし、「彼を帰して」(ミュージカル『レ・ミゼラブル』から)、「1人はみんなのために、みんなは1人のために」(ミュージカル『三銃士』から)、「シスター・アクト」(ミュージカル『天使にラブソングを~シスター・アクト』から)、「ワン・デイ・モア」(ミュージカル『レ・ミゼラブル』から)を歌唱する。チケットは発売中。
2016年09月16日『ヘンリー六世』三部作(09年)、『リチャード三世』(12年)と続いた新国立劇場のシェイクスピア・シリーズに、待望の第三弾『ヘンリー四世』が登場する。『ヘンリー六世』ではタイトルロールを、『リチャード三世』では、リチャードを倒すリッチモンド伯、後のヘンリー七世を演じた浦井健治が、今度はヘンリー六世の父、後に名君ヘンリー五世と称えられるハル王子に扮する。「7年前、ヘンリー六世を演じながら、ずっと父・ヘンリー五世の偉大さを感じていました。その役を演じることができるのは、とても光栄に思います。壮大な企画に関わる皆さんの熱意にこたえたいですし、僕自身もやるからには全力で臨みます」新国立劇場演劇『ヘンリー四世』チケット情報第一部では、ハル王子は父王の心配をよそに、素行のよくない中年騎士フォールスタッフと遊びほうけてばかりいる。しかし、反乱が起きてハル王子もフォールスタッフも戦場へ。第二部では、フォールスタッフが抵抗勢力の討伐に向かうが、ハル王子がヘンリー五世として即位したことを聞きつけ、恩賞目当てに王宮へ向かう。しかし、待っていたのは思いがけないハルの変貌だった。1・2部を通して上演すると6時間にもなる大作だ。「第一部は喜劇タッチで、ハルとフォールスタッフの親密さが大事だと思っています。ふざけ散らすのは、結構エネルギーが必要ですけど(笑)。第二部では、時代が大きく動いていく歴史劇になっていて、全く違うのが面白い。6時間と言っても戯曲を読んだ体感としては長くはありません。ハルとフォールスタッフの人間的な変化が面白くて、夢中で読みました。お客様にも楽しんでいただけるのではないかと」ハル王子は、やんちゃなこともするが、父との葛藤を乗り越えていく強さも持っている。「ただの放蕩息子ではなく、何か考えがあって、庶民の中に混じっていると思います。そのほうが父との和解のシーンがより深いものになる気がします。頭もいいですし、比喩の言葉もセンスがすごくいい。まだ、演出の鵜山さんのお話を聞いていないのでわかりませんが、王子としての自覚は忘れずに、品を失わないようにしたいですね」演出の鵜山仁とは、新国立劇場では3作目、他作を含めると5作目のつきあいとなる。「一番インパクトがあったダメ出しは“その長台詞ではお客さまが飽きる”。同じトーンでしか語っていなかったからですが、鵜山さんは色に例えて、そこは青、次は赤とイメージを言ってくれて、叫べというのもありました。結局、叫ばないことになったのですが、一度叫んだことが僕の中に残って、その台詞の表現が変わるのです。全てを把握した演出で、ついていくのに迷いはありません」身分を超えた友情、父と息子の葛藤と和解、そして目まぐるしく変わる権力の行方など、多彩な魅力に満ちた『ヘンリー四世』を、浦井はしっかりと背負って堂々と立つ覚悟だ。公演は11月26日(土)から12月22日(木)まで東京・新国立劇場中劇場にて上演。チケット発売中。取材・文:沢 美也子
2016年09月16日孤独な王子が男性ダンサー演じる妖しくも美しい白鳥と出会う『白鳥の湖』、大ヒット映画を大胆にバレエ化した『シザーハンズ』など、独創的な演出・振付と、美学に貫かれたセットや衣装で熱狂的なファンをもつマシュー・ボーン。今回の『眠れる森の美女』は、彼が手がけてきた『白鳥の湖』『くるみ割り人形』に続く“3大バレエ”の完結編。ボーン率いる〈ニュー・アドベンチャーズ〉が2012年にロンドンで初演して人気となった作品で、待望の来日公演を果たしている。マシュー・ボーンの『眠れる森の美女』古典バレエの大作として知られる『眠れる~』は、ダンサーたちの高度なテクニックが連続して披露される、バレエファンにはたまらない作品。だが場面展開がゆるやかなため、門外漢の目には少々退屈に映ってしまうのも事実だ。だがこのマシュー・ボーン版では、チャイコフスキーの音楽は存分に生かした上で、親しみやすいキャラクターとわかりやすくテンポのいいストーリーで展開。紗幕に「むかしむかしあるところに……」という文字が浮かんで始まる第1幕は、オーロラ姫の誕生を「1890年」に設定。赤ん坊のお祝いに妖精たちがやってくるのは古典バレエと同じだが、チュチュを着たリラの精ではなく、ゴシックテイストのダークな衣装に身を包んだ妖精の王・ライラック伯爵というのがボーンらしい。また「物語の最後でオーロラ姫と王子が初めて恋に落ちるのは、説得力に欠ける」(ボーン)ということで、オーロラ姫が二十歳を迎える第2幕「1911年」では、狩猟番の青年レオとすでに恋仲という設定に。自立心旺盛なオーロラと、彼女を100年愛し通すレオとのチャーミングなカップルが誕生した。一方、黒づくめの服に白いロングコートをなびかせて登場するカラボスの息子カラドックも、冷たい眼差しがなんとも魅惑的。『白鳥~』で王子を惑わすザ・ストレンジャー(黒鳥)しかり、芸術性とエンタメ性を融合させる心憎さは、ボーンの真骨頂だ。物語は、100年後にオーロラが目覚める第3幕「2011年」、クライマックスの第4幕「きのう」と進んでいく。オーロラとレオがどういう結末を迎えるかは……実際にその目で確かめてもらうとして。ボーンの作品を観るたびに思うのは、ダンサーが形作る舞台上の“絵”と西洋美術との共通点だ。眠るオーロラに覆いかぶさるカラドックは、多くの画家たちが描いてきた“美女と夢魔”のイメージ。また、共に背に羽根をもつカラドックとライラック伯爵の戦いの場面は、“サタンを退治する大天使ミカエル”のモチーフそのものだ。コマ送りのフィルムのように浮かび上がる美しい“絵”は、もちろんボーンの意図するところだろう。さまざまな見方で愉しめる舞台。だからこそ、彼の作品はこんなにも魅力的なのだ。マシュー・ボーンの『眠れる森の美女』は9月25日(日)まで、東京・東急シアターオーブにて。取材・文佐藤さくら
2016年09月16日梅棒 6th OPUS『GLOVER -グラバー-』が10月に上演される。今作のモチーフは、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」。不朽の名作を“ダンス×J-POP×演劇”の梅棒スタイルで上演する。本作にゲストとして出演するのが、舞台で幅広く活躍する大貫勇輔と、この4月に48グループを卒業したばかりの梅田彩佳。今回、梅棒の総合演出・伊藤今人、大貫、梅田に聞いた。梅棒 チケット情報「これ以上はない100点のキャスティングができました。これでつまんなかったら俺の責任です」と話す伊藤。大貫の印象は既出の対談で語ってもらったが、梅田に関しては「梅ちゃんがセンターをやっていた『抱きしめちゃいけない』(アンダーガールズ/’11)のMVが焼き付いてて。透明感があってダンスが上手いので、いつかヒロインを外部から呼ぶってことになったときは梅ちゃんがいいねって話をずっと梅棒ではしていて」と熱烈オファーだったことを語る。「ヒップホップとハウスダンスを2年間やっていましたが、それ以降はAKB48だけなのでダンスがちゃんと踊れるか心配」と話した梅田だが、伊藤は「ダンスの上手い下手じゃないんですよ、梅棒。もちろん、技術があるに越したことはないですが、そこを超越した表現力だったりとか、気持ちの表れを僕らは大事にしていて。ダンスがうまいだけの人には出せないようなところを出していきたいっていうのが梅棒のひとつの挑戦ではあるので。ていうかそもそも(梅田は)うまいんで丈夫です!」。伊藤が「スーパースキルダンサー」と評す実力派・大貫も「僕はもう120%生かしてくれるのを期待してついていきます!」と梅棒色に染まる準備は万全だ。ふたりがどんな役柄になるか聞いてみると「大貫くんは、今回はちょっと荒々しくなってもらおうかなって。泥だらけになって上裸でウオー!みたいな感じ。梅ちゃんはロボットで、イチから感情を学んでいくんです。その後ふたりがどうなっていくのかは、劇場でのお楽しみです!」(伊藤)大貫「創っていく作業の時間がすごく楽しみですね。それを考えると一番ワクワクするかも。僕も全力を尽くすので、たくさんの人に観てもらえればなと思っています」梅田「ガツガツ踊るのがすごく楽しみになりました。アイドルっぽいダンスはいっぱいやってきたんですけど、ガツガツってあんまりないですし。それをファンの方に観てもらうことも楽しみですね」公演は、10 月15 日(土)から23 日(日)まで東京グローブ座、10月25日(火)から27日(木)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。取材・文:中川實穗
2016年09月16日1966年にブロードウェイで初演、2年後にはシャーリー・マクレーン主演で映画化もされ、大ヒットを記録したミュージカル『スウィート・チャリティ』。お人よしで男運のないダンスホールのホステス、チャリティが、愛を求めては傷つき、それでも前を向いて本当の愛を探し続けるという王道ミュージカル。思わず口ずさみたくなるようなナンバーからスタイリッシュなジャズ、切ないバラードまで、多彩な楽曲が詰まった本作の主演に挑むのは、これが初舞台となる元KARAの知英。初日を2週間後に控えた9月上旬、和やかな笑い声のあふれる稽古場に足を運んだ。【チケット情報はこちら】稽古が始まり、まずは1幕の第6場。映画スターのヴィットリオ(平方元基)の部屋で浮かれるチャリティが、ところ狭しと歌い踊るナンバー(「今の私を見てほしい」)から。テンポよく会話を交わしつつシルクハットとステッキも使って踊る場面で、歌とダンスに定評がある知英とはいえ、そこに細かい芝居も付け加えていくのはなかなか難しい様子。大人気映画スターらしく紳士的な"イケメンぶり"をいかんなく発揮する平方がさりげなくフォローするひとコマも見られた。その一方で、クシャッとした顔で笑ったり、不思議そうに首をかしげたりと、くるくる変わる表情のキュートさは元人気グループ出身の知英ならでは。凡百の女優とは異なる思い切りのいい表情とダンスもあいまって、ピュアなチャリティがまるでそこにいるかのような錯覚に陥った。続いて1幕の8場、岡幸二郎の演じる会計士オスカーとチャリティとが、エレベーターに閉じこめられる場面だ。いつもの美丈夫ぶりを封印し、見るからに真面目そうな会計士としてパニックに陥るオスカーを演じる岡に、スタッフ席からも笑いが。そしてここでも知英は臆することなく岡に対峙。オスカーを勇気づけるナンバー(「勇敢な人間」)や、うずくまるオスカーの手をさすってあげる彼女の姿からは、明るくて気持ちの優しいチャリティ像が伝わってくる。初舞台ということを思えば、それは演技云々を越えた彼女自身の魅力なのだろう。その適役ぶりに、本番への期待がいっそう高まった。稽古の前に、ひとりで汗を流して自主稽古をしていた知英。演出・振付の上島雪夫がステッキをさばくコツを彼女に教えると、「あぁ!」と心から納得した表情で声を上げたり、稽古前、ベテランの岡に「がんばりましょうね!」と声をかけて、思わず岡が笑顔になったりと、屈託のない知英の存在は共演者とスタッフのチームワークにひと役かっているようだ。その他、「ビッグ・スペンダー」、「私はブラスバンド」など、今ではスタンダードナンバーとなった楽曲も満載。キュートな知英と実力派役者陣で贈る本番が、今から待ち遠しい。ブロードウェイミュージカル『スウィート・チャリティ』は9月23日(金)から10月2日(日)まで、東京・天王洲銀河劇場にて上演。チケットは発売中。取材・文佐藤さくら
2016年09月16日2014年に初演され、映画版公開と併せての再演が話題を呼んでいる、マキノノゾミ脚本・堤幸彦演出『真田十勇士』が、11日に開幕。公演に先立ち、10日にゲネプロが行われた。【そのほかの画像はこちら】その場しのぎの生活をしていた抜け忍びの猿飛佐助(中村勘九郎)はひょんなことから、世評とは裏腹に、知謀も自信もなさそうな真田幸村(加藤雅也)と出会い、自らの才智で彼を立派な武将に仕立てることを思いつく。そのために必要なのは、幸村を盛り立てる十人の家臣、真田十勇士。こうして、佐助のかつての忍び仲間・霧隠才蔵(加藤和樹)、才蔵の手下である三好清海(駿河太郎)と三好伊三(荒井敦史)、関ヶ原の合戦も経験した由利鎌之助(丸山敦史)、仕官先を探して流浪していた筧十蔵(高橋光臣)、幸村のかねてよりの家臣である海野六郎(栗山航)、幸村の長男・大助(望月歩)とその家来・望月六郎(青木健)、お調子者の根津甚八(村井良大)の十人が集結する。しかし、徳川方の忍び集団の首領・久々津壮介(山口馬木也)や彼の部下・仙九郎(石垣佑磨)や彼の娘の火垂(篠田麻里子)らが佐助と才蔵に襲いかかる。折しも、大坂夏の陣、開戦前夜。豊臣秀頼(村井良大/2役)を守ろうとする淀殿(浅野ゆう子)に頼まれ、幸村らは豊臣方に加勢するがーー。幕開きから力強い太鼓の打音が響くこの舞台は終始、とにかくダイナミック。カラフルな照明、盆の回転と共に変幻自在に形を変える美術、ワイヤーアクション、そして、多彩で細密なプロジェクションマッピング。まるでCG映画かゲームを見るような躍動感と爽快感いっぱいの大スペクタクルになっている。とはいえ、このプロダクションに迫力と説得力を与えているのは、何より、ハイテクに負けないエネルギーを投入する、俳優たちの生の身体。彼らが客席通路を走れば、観客はその風を肌で感じることができる。次から次へと飛び出す時事ネタも、生の舞台ならでは。特筆すべきは、普段は愛すべき三枚目ながら、神出鬼没ぶりを体現し、圧倒的な存在感で舞台をまとめ上げる佐助役・勘九郎。驚いてあごがはずれる、といったマンガ的表現もこなしながら、ふとした瞬間、とてつもないカッコよさを放つ。一方、歳蔵役の加藤は、冷静沈着な二枚目ぶりだが、ここぞというところで友情に厚く情熱的な素顔を見せる。個性あふれる十勇士が、夏の陣を前に杯を交わすシーンには心躍らずにはいられない。戦場での、勘九郎と山口が崖の上で見せる歌舞伎風の立ち回りや、加藤と石垣とのワイヤーでの戦闘場面は圧巻だ。歴史を知る観客にとって、豊臣方の末路は一目瞭然だ。しかし、力強い彼らの姿は、不可能を可能にし、嘘を真にしそうな勢い。果たして、彼らは絶体絶命のピンチを脱し、”奇跡”を起こすことができるのか??東京公演は10月3日(月)まで東京・新国立劇場 中劇場にて。その後、神奈川、兵庫を周る。チケットは発売中。取材・文:高橋彩子
2016年09月15日スペインの鬼才サルバドール・ダリの過去最大規模となる本格的な回顧展が7月・8月・9月の京都展に続き、9月14日に東京・国立新美術館で開幕した。【チケット情報はこちら】本展は、ガラ=サルバドール・ダリ財団(スペイン・フィゲラス)、サルバドール・ダリ美術館(米国・フロリダ州セント・ピーターズバーグ)、国立ソフィア王妃芸術センター(スペイン・マドリード)という世界の3つの主要なダリ・コレクションから招来される作品を中心に、国内所蔵の重要作品を加えて、約250点によって多面的なダリの世界を紹介する、日本では約10年ぶりとなる回顧展である。展覧会は油彩画のほかドローイング、オブジェ、ジュエリー、書籍など多岐に渡る作品で構成されている。ダリの様々なジャンルに対する才能は観るものを圧倒し、独特な世界にお誘いすること間違いない。また、本展の特設グッズショップ内にはダリ応援団に任命された歌手・タレントのはいだしょうこが描いた「ダリ肖像画」が展示されている。ダリ本人の写真にインスピレーションを受けて描いた肖像画がどんなものかは美術館でご確認あれ。ダリ展は12月12日(月)まで東京・国立新美術館にて開催。チケットは発売中。
2016年09月15日俳優・結城洋平による結城企画第一回公演『ブックセンターきけろ』 が11月下北沢・Geki地下Libertyにて上演される。「劇団プレステージ」で10年間活躍した後、2年間フリーの役者として経験を積んできた結城が、今回脚本・演出として迎えたのは「ヨーロッパ企画イエティ」の脚本・演出を務める大歳倫弘。出演者には「ナイロン100℃」の眼鏡太郎、劇団「ゴジゲン」の目次立樹を迎え、結城自身も出演する。結城と大歳に本作について話を聞いた。【チケット情報はこちら】結城は、大歳をはじめ、出演者やスタッフを「“ボーボー”と燃える真っ赤な炎というより“メラメラ”と燃える青い炎の持ち主」と表現する。そんな彼らと作品を創り上げるにあたり、「2年間で自分がやりたい事をたくさん発見しました。それを形にしていきたく、結城企画を立ち上げました。今まで糧になっているもの、2年間でインプットしたものを、この企画でアウトプットしていきたいと思っています」(結城)一方、大歳は結城のことを「見た目もシュっとしてスマートですが、なぜかバッチリな二枚目に見えない不思議な人です。多分、心が二枚目じゃないのかな、と(笑)。でも、信念というか人としての芯はすごく強くて、頼もしい人だと思いました」(大歳)東京のはずれにある、まるで延命措置をされたようなさびれた本屋「ブックセンターきけろ」を舞台に、そこで働く賞味期限が迫った3人の男たちが、自分の人生を変えるかもしれない1冊の本と出会うところから始まる……。作品づくりの様子を聞くと、最初の打ち合わせで結城から大歳へ無茶なお願いがあったとか。「一番にお伝えしたのは、みんな持っているのに目に見えない脳みその中の“記憶”をテーマにやりたい、ということでした。脳内スペクタクルを形にしてほしいという無茶なお願いにも関わらず、次に会った時には、世の中に対して少し穿った見方をする大歳さん独特の感覚で、さっそく形にしていただきました。本屋というミニマムな場所から、人生を変えるかもしれない広い世界への期待感に、今はたまらなくワクワクしています。」(結城)タイトルについて大歳は「ローマ時代に活躍したキケロという哲学者の名前からお借りしています。この人が弁論をするときに使っていたある技術が、このお芝居の軸になります。“きけろ”という響きもかわいいですし、そのかわいさと哲学者の難しい感じとのギャップに惹かれ、なんとしてもタイトルに使いたくなりました」「稽古場では男4人。少人数だからこそ稽古で作り上げた濃密な世界とエネルギーを全身全霊で表現できれば」と語る結城からも、メラメラする青い炎を感じた。この秋、彼らが創る舞台をこの目で確かめたい。公演は11月11日(金)から13日(日)まで下北沢・Geki地下Libertyにて。なお、チケットぴあでは先行抽選プレリザーブを9月20日(火)午前11時まで受付中。
2016年09月15日『太陽』の映画化も記憶に新しい、劇団イキウメ主宰で劇作家・演出家の前川知大。彼がこの秋、5年ぶりに挑むのが古典を現代の感覚で読み解く「奇ッ怪」シリーズだ。2009年、小泉八雲を題材に生まれた一作目、2011年には「現代能楽集」シリーズとして能・狂言をモチーフに『奇ッ怪 其ノ弐』が上演された。10月より上演される最新作『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』を前に、前川と、このシリーズに欠かせない仲村トオルのふたりに話を聞いた。【チケット情報はこちら】3作目となる今回、テーマに据えたのは柳田国男が著した『遠野物語』。「このシリーズは日本の古典作品のなかから“聞くこと”と“語ること”をテーマにして現代の物語をつくってきました。『遠野物語』はまさに柳田国男が佐々木喜善という青年から聞いた話を集めたもの。そしてその佐々木は自分のおばあちゃんから話を聞いている。“聞く”と“語る”が繰り返されているんですよね」と前川は語る。オリジナル作品を生み出し続ける前川にとって、「奇ッ怪」は「資料を読み込むうちに、これまで自分がつくってきた作品のテーマについて改めて認識したり、それまでの自分を総括するような発見があったりする特別なシリーズ」だという。このシリーズに毎回名を連ねる仲村は、「自分にとっては何よりも前川くんの新作に出られるという喜びが大きい」といい、「SF要素があったりして一見遠くの話に見えても、実は誰にとっても近くにある物語が描かれている」と前川作品の魅力を挙げる。「仲村さんには一作目で死者を、二作目では神様をやってもらった。この作品において、そんなとんでもない役柄でも、仲村さんはすべて受け入れて、そのまま伝えてくれる。神様役と言われても変に演じようとしない。でもなぜか神々しく見えてくる、不思議な存在感があるんです」と前川が話せば、仲村は「神様といっても、全国にかなり数のあるチェーン店の店長くらいの神様とわかったので、気負うことはありませんでした」と笑う。『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』について前川は「『遠野物語』は怪談を集めたものという印象があるかもしれないけど、実は違うんですよね。原作も『すべて事実である』というところからはじまるし、怖いというよりも、身の回りの“へんな話”だと思って、構えずに観に来ていただけたら」と作品のイメージを説明。そんな「奇ッ怪」シリーズに参加するたび、偶然の出会いや不思議な体験が重なるという仲村。今回もすでに思いがけない出来事があったという。「稽古が始まる前、『遠野物語か…遠くの物語だな…』と思っていた頃に、10年以上のお付き合いになるご近所さんが『チケット買います』と言ってくれました。初めてのことで(笑)。聞けば遠野にとてもゆかりがある方で、こんな身近に遠野物語を熱く語る方が! と驚きました」公演は10月31日(月)から11月20日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターにて上演。取材・文:釣木文恵
2016年09月15日12月3日(土)・4日(日)に千葉・幕張メッセで開催されるライブイベント「SKULLSHIT 20th ANNIVERSARY 骸骨祭り」。同公演の第2弾出演者と日割りが発表された。【チケット情報はこちら】出演が決定したのは、初日の12月3日(土)にACIDMAN、KEYTALK、MAN WITH A MISSION。2日目の4日(日)にTHE BACK HORN、SiM、10-FEET、04 Limited Sazabysなど、27組。チケットの一般発売に先駆けて、先行を実施中。受付は10月14日(金)午後11時59分まで。■「SKULLSHIT 20th ANNIVERSARY 骸骨祭り」日時:12月3日(土) 開場9:00 / 開演 11:00 / 終演(予定)21:3012月4日(日) 開場9:00 / 開演 11:00 / 終演(予定)21:30会場:幕張メッセ国際展示場(千葉県)出演:【12月3日(土)】ACIDMAN(NEW!!!) / KEYTALK(NEW!!!) / グッドモーニングアメリカ(NEW!!!) / SHAKALABBITS / jealkb / 四星球(NEW!!!) / SUPER BEAVER(NEW!!!) / ストレイテナー /dustbox / Nothing’s Carved In Stone / NoGoD(NEW!!!) / MAN WITH A MISSION(NEW!!!) / MEANING / MONOEYES / RIZE(NEW!!!) / lovefilm(NEW!!!) / 夜の本気ダンス(NEW!!!) / RADIOTS【12月4日(日)】GOOD4NOTHING(NEW!!!) / GOING UNDER GROUND(NEW!!!) / coldrain(NEW!!!) / The Winking Owl(NEW!!!) / THE ORAL CIGARETTES(NEW!!!) / THE BACK HORN(NEW!!!) / Silent Siren(NEW!!!) / SiM(NEW!!!) / SHADOWS(NEW!!!) / JAWEYE(NEW!!!) / 10-FEET(NEW!!!) / TOTALFAT / NOISEMAKER(NEW!!!) / BLUE ENCOUNT(NEW!!!) / 04 Limited Sazabys(NEW!!!) / My Hair is Bad(NEW!!!) / MUCC(NEW!!!) / MERRY(NEW!!!) / 山嵐料金:【通し券 オールスタンディング】16,000円(税込)【各日 オールスタンディング】8,500円(税込)
2016年09月15日竹中直人と作・演出家の倉持裕による演劇ユニット「直人と倉持の会」が、3年ぶりに第2弾を上演する。第1弾では女優たちに囲まれて悩める男を演じた竹中だが、今回は、実力も個性も兼ね備えた男優たちと対峙。そこに紅一点で元宝塚トップスターの大空祐飛が登場する。タイトルは『磁場』。このユニークな顔合わせでふたりはどんな芝居を企むのか。【チケット情報はこちら】そもそもこのユニットは、竹中が倉持作品に惚れ込んだことから始まった。「倉持さんの作る世界には独特なムードがあって、観客としても演じる側としても、そのなかにいてとても興奮するんです」と竹中。竹中からアプローチを受けた倉持も、「竹中さん発信で始まったものなのでインディペンデントな感じがあって、ご一緒できるのは本当に楽しい」と率直に話す。普段から、一緒に映画を観に行ったり食事をしたりしながら、さまざまな話をしているそうだ。そして、そのなかからふたりでやりたいことを見つけていく。第2弾もそんなふうにスタートした。今回の発想の元となったのは、竹中が好きな映画『フォックスキャッチャー』。竹中に勧められて映画を観た倉持は、「そこに描かれている男の関係が面白くて、自分でも書いてみたいと思った」のだそうだ。そうして出来上がったのが、竹中演じる映画の出資者と若手脚本家を軸にした物語。過大な“期待”を寄せる男と、過剰な“期待”に押しつぶされそうになっていく男が、缶詰になっているホテルの一室で繰り広げる心理サスペンスである。「これまで竹中さんには書いたことのない、悪意を持った役を書きました。相手のために期待するのではなく、期待している自分が大事な男。片や作家も、作品ではなく相手を喜ばせることに夢中になっていく。そこには狂気が感じられると思うんですよね」と倉持。キャストは、若手脚本家に渡部豪太が扮するほか、映画関係者などに長谷川朝晴、菅原永二、田口トモロヲらが顔を揃え、女優役に大空祐飛が抜擢された。「これだけの個性的な人たちがどんなふうに稽古を重ね、変化していくのか。僕はそれがいちばん楽しみなんです」と竹中が言えば、倉持も、「なかなか珍しい組み合わせのキャスティングだと思うので、ほかでは観られない空気が出るんじゃないかと楽しみにしています」と期待する。「稽古を重ねていくなかで何かを感じていく。僕はそういう重なっていく時間が好きなんです」と竹中は言う。ましてや今回は緻密な心理劇である。まさしく重ねた時間だけ、それは面白くなっていくことだろう。公演は12月11日(日)から12月25日(日)まで本多劇場にて。その後大阪、島根、愛知、神奈川を巡演。なお、チケットぴあではインターネット抽選先行プレリザーブを東京公演は9月19日(月・祝)午後11時59分まで、愛知公演は9月28日(水)午前11時まで受付中。取材・文:大内弓子
2016年09月14日2008年に手塚治虫文化賞を受賞した島田虎之介による漫画「ダニー・ボーイ」を初の舞台化。主演にミュージカル主演初挑戦のジャニーズJr.真田佑馬、共演には数々の舞台で注目を集めている水田航生を迎え、10月26日(水)より東京国際フォーラムホールCにて上演。都内で同作の製作発表記者会見が行われ、真田、水田のほか、柄本時生、悠未ひろ、AKANE LIV、ベンガル、剣幸が出席した。【チケット情報はこちら】1976年1月11日、ニューヨーク・ブロードウェイのウィンター・ガーデン・シアターに初めて日本人俳優として出演した実在の人物、「サトウ・イサオ」をモデルにした「伊藤幸男」が主人公。デューク・エリントンの名曲「極東組曲」や当時のブロードウェイ・ミュージカル作品の珠玉のナンバーの数々を散りばめ、幸男とその周りとの音楽を通じての絆を深めていく生き様を描く。本作への出演決定をポスター撮影前日に知ったという真田は「出演が決まってから、ずっとプレッシャーで眠れない日々が続いています。幸男はすごいポジティブで明るく楽しくハッピーに生きてる人で、普段の僕とは真逆ですが、幸男のように前向きにハッピーに演じていきたいです」と語った。水田は、自身が演じる幸男の親友の田上英喜を「笑顔が絶えず“スマイリー”と呼ばれている役で、僕にぴったりな役だと思います」と笑顔で説明。真田と水田は『オーシャンズ11』以来2年振りの共演となるが、真田は「これほど心強い味方はいない。航生くんはお兄ちゃんっぽいので甘えたいと思います」と話すと、水田は真田の印象を「熱くなったり悔しがったりと感情あらわにするタイプ」と語り、久々の再会に真田に対して「大人っぽくなった」と話した直後に「あ、髪型がオールバックだからかな」と言葉を付け加え、会場の笑いを誘った。今回、女優の湖島みちる役を演じる悠未は「お芝居で(女性役を)演じるのは初めてでハードルは高いです。男役の時は作りこんで演じていたので、女性として自然に話したりする演技を今回教わりながらやっていきたいです」と語った。最後に座長としての意気込みを聞かれた真田は、「ジャニーズJr.の中でのLove-tuneというグループを組んでいるのですが、そこで仲間と歌う喜びや一緒に何かをやる喜びは一生ものだということを知りました。『ダニー・ボーイズ』でも仲間と歌うシーンがたくさん出てくるので、その瞬間を大切にし、観に来てくださったお客様に伝えられれば」と締めくくった。公演は10月26日(水)より10月29日(土)まで東京国際フォーラムホールCにて。その後11月5日(土)・6日(日)に新歌舞伎座にて上演。なお、チケットぴあでは東京公演・大阪公演ともに電話抽選先行予約を9月19日(月)午後11時59分まで受付中。一般発売は10月9日(日)より。
2016年09月14日