チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (261/342)
6月30日(月)に東京・CLUB QUATTROで開催されるライブイベント『新宿Marble presents「新宿マーブルチョコレイト vol.10」~Marble 10th ANNIVERSARY FINAL~』の追加出演アーティストが発表された。同イベントはライブハウス新宿Marbleのオープン10周年を記念して、5月1日(木)より開催される記念企画の一環。最終日となるこの日は、新宿Marbleを飛び出し、東京・CLUB QUATTROで、Marbleにゆかりのあるアーティストを集めて開催。これまで、SUNDAYS、メメタァ、ザ・ラヂオカセッツ、ザ・サイレンズの出演が決定していたが、今回新たにGOOD ON THE REEL、Rhythmic Toy Worldの出演が決まった。チケットの一般発売は5月17日(土)午前10時より。■『新宿Marble presents「新宿マーブルチョコレイト vol.10」~Marble 10th ANNIVERSARY FINAL~』日時:6月30日(月)開場17:00 / 開演 18:00会場:CLUB QUATTRO(東京都)料金:前売2,500円 / 当日3000円(税込/オールスタンディング/ドリンク別)出演:GOOD ON THE REEL / SUNDAYS / Rhythmic Toy World / ザ・ラヂオカセッツ / ザ・サイレンズ / メメタァ
2014年04月15日10周年を迎える日本初の劇場専属舞踊団Noismが6月、本拠の新潟を皮切りに神奈川、兵庫で記念公演「Noism1×Noism2合同公演 劇的舞踊『カルメン』」を行う。4月3日、芸術監督で振付家の金森穣、副芸術監督でダンサーの井関佐和子が会見を行った。Noism1×Noism2合同公演劇的舞踊『カルメン』チケット情報名作オペラでおなじみ『カルメン』を題材に、金森が演出・振付する新作。原作小説とオペラ台本からオリジナルの物語を創作。井関がヒロインのカルメンを演じる。「カルメンの野性性をどこまでつかみとって、彼女が掘り下げられるか。そのためにどんな演出をほどこすか。それが私の挑戦」と金森。一方の井関はポスター撮影からして大変だったと話す。「カルメンという強い女性を自分なりに表現してみるんですけど、穣さんに『違う』って言い続けられる。最終的には(セットにあった)『土を食べろ』と言われました」と笑った。本作ではメリメの原作に登場する旅する学者=物語の語り部役に重点をおいたという。「ホセとカルメンの世界から一歩出たところに学者がいる。その学者の中の虚構と現実が波のように押し寄せて、舞台芸術と呼ばれるものの虚構性が現実を飲み込むような形でお届けできれば」と金森。音楽については「今までみなさんがご覧になってきたビゼーの音楽を用いた『カルメン』を刷新したい。新たな『カルメン』をあえてビゼーの曲だけで提示するというのが私の野心」と構想を明かす。振付については「10年間やってきた手法を全て作品に用いたい。いろいろなアプローチを試みてきたが、この実験に全てつきあっているのがこの人(井関)なんです。佐和子は内側と外側のバランスがとれていて、今が一番いい時期。だから、こちらもチャレンジです。この動きだと簡単でつまらないと言われそうだなと思うとクソっとなる。もっとギャフンと言わせたいというか、驚いてほしいし、驚きたい」と金森。振付に注文をつけるのかと聞かれた井関は「若い頃は自分がやりたいことを言葉にしてました。さすがに、いろいろ学んだので今は顔に少しでるぐらいです」と笑う。対する金森は「佐和子だけじゃない。舞踊家って厳しいんですよ。みんな『ハイッ』と言ってやってくれますが、この振付なんだよってと思っていると動きに出ることがあるんです。心の中では思ってなくても動きが生きてなかったり。偉そうに振付しているみたいに思われるかもしれませんが、内心グサグサ刺されながらやってるんですよ」と苦笑いだった。公演は6月6日(金)から8日(日)までりゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館、6月20日(金)から22日(日)までKAAT神奈川芸術劇場 ホール、6月27日(金)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール)にて。チケット発売中。
2014年04月14日昨春の『ラスト』で全体公演に一旦終止符を打ち、充電期間に入ったワハハ本舗。実はその楽屋で、創立メンバー6名による新たなレーベル“完熟ワハハ”が始動していた。あえて客席数294のシアターサンモールを選んで5月末から上演される『太陽と恋とポッと出のベテラン』について、久本雅美と梅垣義明に話を訊いた。WAHAHA本舗PRESENTS 完熟ワハハ『太陽と恋とポッと出のベテラン』チケット情報柴田理恵の「年寄りだけでやってみない?」という提案に、久本、佐藤正宏、梅垣、すずまさ、なんきんが応じて誕生した“完熟ワハハ”。今回の公演のモチーフは、創立4年目の1986年に実際に起きたサンフランシスコ公演未遂事件だ。「生まれて初めてパスポート作って、お金も貯めていざ行こうってときになって、何だか怪しいぞって気が付いて止めたんです。それが案の定詐欺で。もし、あの時詐欺にひっかかっていたら……という設定はどうだろうか?とみんなで話しているところです。きっと劇団は解散になって、たとえば梅ちゃんは故郷でスナックやってたりとか、私はゆるキャラをやってるとか(笑)」と久本。主宰の喰始が「台本書きません。これからの役者は作家性がないと生き残れませんから」と宣言して以来、役者たちが話し合って作品を形づくるのがワハハスタイル。「あれが正解、これが不正解って自分たちで考えて、痛い目も見る。それが知らない間に自分の力になってたんだって、プロデュース公演をやってみて気付きました」と久本が話すと、梅垣も「外で仕事をするとワハハの良さがよく分かる。比べるものがあるから、30年ここにいられるんだと思う」と応じる。『太陽と~』のコンセプトを練るため、梅垣は1985年に下北沢ザ・スズナリで上演した第3回公演『底抜け』に目を通したという。「空気の密度が違うし、自分が桟敷席にいたらすごい緊張感だと思う。今でこそ僕ら、大きいホールでやらせていただいてますが、あんなにスマートでクールじゃないワハハもあるんですよ」。それを受けて「だから今回サンモールでやるんだもんね。ちょうどいいキャパだと思う」と久本。「せっかくだから、昔からのコアなワハハファンが“戻って来たね!”と思うようなことをやりたい、って私が言ったら、みんな乗ってくれました。50過ぎたおっちゃんとおばちゃんが(笑)、いよいよワハハの真髄をさらけ出しますんで、たっぷり味わっていただきたいです」公演は5月28日(水)から6月1日(日)まで新宿シアターサンモールにて。6月1日(日)16:00は追加公演。チケットは発売中。取材・文:山上裕子
2014年04月11日実話をベースに、レオナルド・ディカプリオ&トム・ハンクスの出演でスピルバーグ監督が映画化した『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』。このハリウッド映画が、さらにミュージカルになった。2011年にブロードウェイで上演された話題作がこの夏、日本初演を迎える。本作に挑む松岡充、福井晶一、演出の荻田浩一に話を聞いた。チケット情報はこちら映画ではディカプリオが扮したフランク・アバグネイルJr.を演じるのは主演・松岡充。「最初の3公演以外は別の人が演じますから!」「歌も口パクです!」と次々と軽口を叩いていく彼は、パイロット、医者、弁護士…と様々な職業に成りすました天才詐欺師がすでに乗り移っているかのようだ。だが「フランクは詐欺師ですが、人を傷つけたりはしない。自分が人気者になり、お金もうけがしたいわけではない、騙すにしても誇りがある」とその信念に思いをはせ、「フランクが化けたのはプロフェッショナルな職業ばかり。それは専門的すぎてその専門家にしかわからないから、大勢の一般の人たちが騙されるってことだと思う」と分析、茶目っ気ある笑顔の中にも冷静な知性を垣間見せる。そんなところにも、頭脳戦を渡り歩くフランクらしさが漂う。松岡フランクにすでに翻弄され、この日の“嘘”もいくつか信じてしまったと笑うのが、FBI捜査官カール・ハンラティ役、福井晶一。「フランクをひたすら追い続ける中で、彼がなぜ犯罪に手を染めたのかという人間らしい部分を照らしていければ」と意気込みを語り、「ハンラティとフランクは追う・追われる、という関係ですが、最終的にはその中で友情が生まれる。松岡さんと自分が稽古のあいだに築き上げるものが、舞台上の関係性にも繋がっていくと思う」と話した。「犯罪の話をここまでフィーチャーしてエンターテインメントにもっていくというのは凄い。アメリカ的ですよね」と福井が語るように、物語のテーマになっている“詐欺”は、言うまでもなく犯罪だ。だが荻田によれば「このミュージカルは、そこを“フランクの冒険”とでも言うようなファンタジーに作り変えてしまった」のだという。「これは実話で、現実のフランクの話も充分面白いですが、そのままだとワイドショー的になるところを、最後にハッピーになれる“いい話”に作り変えたのは、舞台の魔法です」と荻田。松岡も「夢が見られる嘘は、いいですよね」とポツリ。ブロードウェイ・ミュージカルらしい華やかさも満載とのこと、彼らが舞台で見せる“嘘”は、客席に幸せを届けてくれるに違いない。公演は6月21日(土)から7月13日(日)まで東京・シアタークリエにて。チケットは4月12日(土)に一般発売を開始する。チケットぴあでは4月10日(木)18:00まで、インターネット先着先行「プリセール」を受付中。その後7月16日(水)に愛知県芸術劇場 大ホール、7月18日(金)から20日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティでも上演される。
2014年04月09日2010年に映画化もされたカズオ・イシグロの傑作『わたしを離さないで』が、蜷川幸雄演出により舞台化される。そこで日本語版の脚本を手がけることになった、ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕に話を訊いた。舞台『わたしを離さないで』チケット情報「カズオ・イシグロさんに最初に触れたのは、映画『日の名残り』(=原作がカズオ・イシグロ)です。その主人公スティーブンスの生真面目さを強調したコメディを作りたいと思い、鎌塚シリーズ(=倉持が作・演出を務める舞台)が生まれました。カズオ・イシグロ作品の魅力のひとつは、その冷静で客観的な筆致。作家の主観が抑えられている、あるいは巧妙に隠されているために、読者は何にも縛られずに想像を膨らませることができる。作品全体に紳士的な態度や品を感じ、とても惹かれます」そんな縁もあり、『鎌塚氏、放り投げる』(2011年)の公演中に今回のオファーがあった際は「運命を感じた」と言う。そして本作『わたしを離さないで』は、日本語訳小説の発売後すぐに購入。そのまま一気に読み終えてしまったらしい。「話が進むにつれ、怒りを覚える対象がまるで別方向へとシフトしていくところに魅力を感じました。始めは、語り部キャシーに意地悪をし続けるルースに、次に、ルースの欠点ばかりを語り続けるキャシーに、最後に、彼女たちを取り囲む社会に対して激しい怒りを覚えます。読書中、ここまで激しい感情の振幅を繰り返した作品は他にありません」もちろん倉持はオリジナル作品を書き下ろす作家でもある。それだけに、原作のある作品を脚本化する上ではこんなことを肝に銘じている。「まず、自分が原作に対して感じている魅力を整理して、純化することです。そうすることで自分の原作に対する個人的な思いに自信が持てます。また今回、原作では語り部のキャシーを客観的に描くことが、最も楽しかったところです。その作業こそが、自分のオリジナリティを発揮できる最大の点だったと思います」また本作の演出を蜷川が手がけること。それは倉持にとって大きな楽しみのひとつだ。「この作品は誰もやったことのない方法で“生きること”について言及しています。そして蜷川さんの演出によって、主人公の3人を始め、登場人物たちは、舞台上で生命力をみなぎらせると思います。そうして生身の生命を見せつけることで、小説よりも映画よりも、このテーマについて強く訴えることができるかもしれません」公演は4月29日(火・祝)から5月15日(木)まで彩の国さいたま芸術劇場大ホール、5月23日(金)・24(土)に愛知県芸術劇場大ホールにて、5月30日(金)から6月3日(火)まで大阪・梅田芸術劇場にて。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2014年04月07日4月5日(土)東京日本青年館。結成25周年記念企画の第二弾は、1989年結成時のリーダーだった上田ケンジ(b)が3年で脱退し、山中さわお(vo、g)、真鍋吉明(g)、佐藤シンイチロウ(ds)がそれでもバンドを続ける決意をして、鹿島達也(b)をサポートに迎えた”第二期”の曲で構成された東阪名のホール・ツアーだ。なにしろこの時期の楽曲は、鹿島がサウンド面でリードしたジャズ・テイストのアレンジが特徴で、山中いわく「頑張りすぎてた」という細部にわたって緻密なサウンドは、現在まで続く“第三期”のオルタナで豪快なテイストとは一線を画すため、その後のライブではほとんど演奏されていない。鹿島のあとを受けて”第三期”以降を支え続ける鈴木淳(b)と、カミナリグモのghoma(key)を迎えた5人編成でのステージだ。立見会場を本拠地にTシャツにジーンズといういでたちで臨む彼らにとって、ホール会場でスーツを身にまとった今回は実に新鮮。冒頭のMCで山中は「この拭い去れない違和感をいかに早く取っ払って楽しむか、それが一番のテーマです」と語って笑いを誘う。“第二期”当時、リーダーを失い、周囲のセールス的な期待と格闘しながら、自分たちらしさを模索してた彼らの曲は名曲揃いでありながら、その後のバンドの変遷もあって、ファンには二度と演奏されないのでは?と思われていた。本人たちも「考えられないくらいリハーサルを積んでようやく体に染み込んだ」と語るほど。「もう少し売れてもよかったかなというラブソングを」と前置きして披露された「ガールフレンド」が秀逸だった。拳を突き上げ、体を揺らして聴くのが普通なBUSTERS(the pillowsファンの名称)も、食い入るように聴き入っていた。改めてthe pillowsの奥行きの深さに恐れ入った2時間だった。the pillows ツアー情報ステージの去り際、新曲のレコーディングを進めていること、秋にはツアーで届けることを伝えてくれた。6月から7月にかけてトリビュート・アルバムに参加したバンドを迎えてのツアー「ROCK AND SYMPATHY」も4月12日(土)から前売り開始となるので要チェックだ。取材・文/浅野保志【セットリスト】the pillows 25th Anniversary NEVER ENDING SRORY“Do You Remember The 2nd Movement?”1.LIBERTY/2.恋のスパイに気をつけろ/3.Sha-la-la-lla/4.モノクロームラバーズ/5.エンゼルフィッシュ/6.Sunday/7.ガールフレンド/8.僕でいられるように/9.公園~黄昏のワルツ~/10.TONIGHT/11.Future/12.アムネジアの日記/13.開かない扉の前で/14.THE KILLING FIELD/15.Tiny Boat/16.DAYDREAM WONDER/17.Bye Bye Sweet Pain/18.Movement/En.1 1.屋上に昇って/2.NAKED SHUFFLE/En.2 1.TOY DOLL/2.Primer Beat
2014年04月07日4月3日に新国立劇場で幕を開けた『マニラ瑞穂記』。明治中期、スペインからの独立に揺れるフィリピンを舞台に、希望や挫折に直面する日本人たちのドラマが展開する。演出の栗山民也が本作の魅力について語った。千葉哲也、山西惇、稲川実代子といった実力派のベテラン、新国立劇場研修所出身の若手を迎えた本作。“からゆきさん”と言われる日本人娼婦たちに彼女たちを仲介する女衒・秋岡伝次郎、理想に燃え、海を渡り独立運動に加わった志士たち、領事館のエリートら、それぞれの立場を背負い異国の地に生きる人々の姿が描かれる。百十数年前の決してメジャーとは言えない歴史をテーマにした秋元松代の戯曲をいま、舞台化する意義は?そんな問いに栗山は、歴史認識をめぐる日韓関係や日米間の基地問題、さらには海を越えた世界情勢など、まさにいま、我々が抱える問題に触れつつ「この作品は、“いま”という時代を映した鏡のような物語」と力強く語る。新国立劇場演劇「マニラ瑞穂記」チケット情報「独立を勝ちとったと思ったら、実はフィリピンはスペインからアメリカに2千万ドルで売買されていた……という流れなんて、ウクライナにロシアが介入してそれを世界が非難するという構図そのまま。決して過去の歴史を描いた物語ではなく、“いま”を描いた危険な歴史劇なんです」。その中で主人公・秋岡伝次郎は人情家でカリスマ性にあふれ、時代を駆け抜けるある種の風雲児として描かれる。栗山は、彼が持つ不思議な“引力”を「遅れてきた男」という言葉で表現する。「時代の申し子というよりは、時代から遅れるか、少し先を走り抜けた男なのかな?そうやってずれている奴って魅力的なんです。『何者か?』と言われたら『秋岡だ』としか言えない。そんなハッキリしたアイデンティティを持った男はいまの時代、なかなかいないでしょ?現代から見て、明らかに間違った男でもあるんですが、そこはしっかりと時代がこの男を裁いています」。いまの社会で求められる「わかりやすさ」や「明快な解答」とは対極とも言える作品ではあるが、だからこそとも言える「切れ味」や「問いかけ」をはらんでいる。「いまは文化もメディアも1週間ごとの『週刊誌文化』でニュースもTVも分かりやすい解説や解答しか喜ばれない。でも時間をかけて自分の中で熟すまで考えないと、言葉も文化も育たないし、人間の魅力というのは分からない。その意味でこの作品は、知的好奇心を刺激し、考えさせてくれる作品。歴史の岐路に立った瞬間のゾクッとするような感覚が味わってもらえると思います」。公演は4月20日(日)まで新国立劇場小劇場にて上演。チケット発売中。取材・文:黒豆直樹
2014年04月07日ブラックコメディー映画のヒット作『アダムス・ファミリー』がミュージカルとなって再誕。ブロードウェイを沸かせた人気舞台の日本版が4月、青山劇場に登場する。“おばけファミリー”の強烈なビジュアルを見事に再現して、アクの強いキャラクターに扮するのは豪華キャストの面々だ。一家の長・ゴメス役の橋本さとし、その妻モーティシア役の真琴つばさ、娘ウェンズデー役の昆夏美、ウェンズデーの恋人ルーカス役の柳下大のほか、菅原永二、澤魁士、友近、鷲尾真知子、今井清隆といった実力派が集結。緻密な視点で舞台空間を操る白井晃演出のもと、変化球の笑いに挑むファミリーの稽古場での奮闘を覗いた。ミュージカル『アダムス・ファミリー』チケット情報目に入ってきたのは漆黒のストレートヘアとドレス姿で毅然と立つ真琴モーティシア、そして苦笑いを浮かべた橋本ゴメス。すでに雰囲気十分の面白夫婦のやりとりが進められていた。魅力の低音ボイスを響かせて一喝する真琴を、眉尻を下げて必死にとりなそうとする橋本。おばけも人間も変わらない普遍的な夫婦の会話が妙におかしく、共演者もスタッフも笑いを噛み殺して見つめている。その夫婦の前をただ通り過ぎていくだけの老婆役の鷲尾の姿がさらに珍妙で、真琴が思わず吹き出す一幕も見られた。アンサンブルを交えた賑やかなダンスシーンでは、白井が表現のイメージや動線などを振付のair:manに細かく指示。シニカルな歌詞を届ける美声、奇っ怪かつ愉快なダンスが展開する不思議楽しいパフォーマンスが徐々に立ち上がっていく。白井を始めとする稽古場中の人々が作品を愛おしく感じ、遊び心いっぱいに舞台作りに向かっている空気を熱く感じ取った。「まだアダムス家じゃなくて、橋本家なんですよ!」。歌やダンスなど課題の多さに悪戦苦闘しているという橋本の稽古後の第一声に、真琴が「さとしさんは間違えてヘンなこと言っても、ゴメスとして消化しているからすごい!」と信頼を寄せる。“ウェンズデーが人間の彼氏を連れてくる”というストーリーの発端を担う若いふたりも、役柄への接近に真摯に取り組んでいるようだ。「男の子を引っぱり回す女の子の役は初めて。優雅な真琴さんが演じるモーティシアの娘なので、余裕のある女の子を演じたい。あらためて家族っていいなと思える作品です」(昆)。「アダムス家の人々と会った時の、人間としての驚きや不思議な感覚を意識して演じたいですね。そのリアクションによってアダムス家を膨らませることができるので大事にやらないと、と考えています」(柳下)、思慮深い柳下の返答に「なかなかいい青年じゃない!?」(真琴)「ちょっと嫉妬する!」(橋本)と、アダムス夫婦が息の合った掛け合いを見せて爆笑を誘った。「おばけの格好じゃなければ(笑)普通の家族の、愛の物語です。極上のエンターテインメントを楽しんでほしいですね」(真琴)、「一生懸命生きようとしている人たちの……ま、死んでる人たちですが(笑)、イキイキとした面白さを味わっていただけたら。劇場全体がファミリーになれたらいいな」(橋本)。公演は4月7日(月)から20日(日)まで。取材・文:上野紀子
2014年04月04日柳楽優弥主演の舞台『金閣寺』が4月5日(土)、東京・赤坂ACTシアターで開幕する。本番を翌日に控えた4日、柳楽はじめ水橋研二、水田航生、市川由衣らメインキャストと演出の宮本亜門が同劇場で会見を行った。「金閣寺-TheTempleofTheGoldenPavilion-」チケット情報同作は宮本が三島由紀夫の名作を舞台化したもので、2011年にKAAT神奈川芸術劇場で初演。同年にNY公演も行い好評を博している。今回はメインキャストを一新しての上演。生来の吃音から疎外感に苛まれる主人公・溝口役を柳楽優弥、彼をめぐるふたりの友人を水橋研二と水田航生、溝口の初恋の女性と女師匠のふた役を市川由衣が演じる。「当初は吃音症を強く意識した。稽古に入ってからは、溝口の内面や感情を大事にしなければと考え、亜門さんの指導を受けながら役に近づけていきました」と柳楽。宮本を優しい演出家と聞いていたが「(実際は)とても厳しい人でした」と笑った。宮本は「誰に聞いたんだよ」と苦笑いしながらも「柳楽さんの溝口は内面を露骨に出す」と話す。「柳楽さんが生で出す役者さんということもあって、キャスト全員が舞台に生で存在してほしいと考えた。それがエネルギーとして凝縮され大きな竜巻になるように、細かいところを変えたりしてシーンを作っていった。生の役者の汗とにおいが、それぞれの役から香り立つように怒涛の稽古をしてきました」と自信をのぞかせた。一方ふた役の市川は役作りに悩んだという。「特に女師匠はキリッとした女性。演じたことのない役で難しかったが、まさか亜門さんが実際にやってくれるとは思わなかった。それがすごく格好よくて、参考にさせていただきました」と笑顔。宮本も「僕は(稽古場で)全役やってますよね」と笑う。最後に柳楽が「周りのキャストに支えられながら、この舞台を代表作にするという強い気持ちで本番に挑みたい」と気合を入れると「代表作になりますよ」と宮本が太鼓判を押した。公演は4月5日(土)から19日(土)まで東京・赤坂ACTシアターにて。チケットは発売中。
2014年04月04日3年ぶりに上演される美輪明宏版『愛の讃歌』~エディット・ピアフ物語~。3月、都内某所で行われている稽古場に潜入し、作・演出・美術・衣装を手がける美輪明宏、そして、キャストの木村彰吾とYOUに、この作品にかける思いを聞いた。美輪明宏版『愛の讃歌』チケット情報『愛の讃歌』はフランスを代表するシャンソン歌手、エディット・ピアフの人生を描いた物語。毎年舞台公演を行っている美輪が、今年この作品を選んだのは、たくさんの熱いリクエストがあったからだ。それらの声には、美輪が描く真実のエディット・ピアフと、美輪が歌う真実の『愛の讃歌』に触れたいという思いが含まれている。「これまでに映画や舞台で描かれたピアフは、無知でわがままで淫乱で、といった姿ばかりです。でも、私が調べたピアフはまったく違います。レイモン・アッソーという詩人に知識・教養を叩き込まれ、『愛の讃歌』の作詞もした芸術家なんです。その詞も、みなさんがよく耳にされる訳詞ではなく、“空が落ちてきたって、地球が割れたって、あなたのためならどんなことだってする”というような、スケールが大きく哲学的な内容です。その本当のピアフを私は描きたいと思っているのです」と美輪は語る。真実のピアフを描くための稽古は厳しい。台詞のなかのひとつの言葉の抑揚にも、繰り返し美輪の注意が入る。3年前の公演で、美輪が演じるエディット・ピアフの妹、シモーヌ・ベルトーを演じたYOUも「稽古が終わると、もう脳みそが大変なことになってます」と苦笑。2006年に続いてピアフの最後の恋人、テオ・サラポを演じる木村彰吾も「美輪さんに褒められることはまずありません。この間も、神の領域の芝居ができたって言ったら、『カミはカミでも紙くずね』って言われました」とユーモアを織り交ぜて話す。しかし、ずっと以前から美輪の舞台を観ていたYOUにとって『愛の讃歌』は、「出演せずに観ていたいぐらい大好き」な作品。木村も、「登場人物が全員やさしくて、こんなに愛のある舞台はない。出演できることが誇りです」という。木村が演じるテオが登場するのも、美輪明宏版『愛の讃歌』ならではだ。その思いを美輪が最後にやさしく語ってくれた。「ピアフに『愛の讃歌』を書かせた最愛の人、マルセル・セルダンを飛行機事故で亡くしてどん底に陥るまでしかほかの作品では描かれませんが、茫然自失のピアフをテオが救うところまで私は描いています。その無償の愛をこの作品で提示することで、不毛な愛がはびこる今の世の中に、本当の愛情とはそういうぬくもりのあるものなんだということを伝えたいんです」。公演は4月12日(土)から5月5日(月・祝)まで東京・新国立劇場 中劇場にて。その後、岡山、福岡、大阪、静岡、長崎、愛知、青森、宮城、新潟、神奈川でも公演。チケット発売中。取材・文:大内弓子
2014年04月04日生瀬勝久、池田成志、古田新太の3人による演劇ユニット「ねずみの三銃士」。彼らの第3回公演『万獣こわい』が東京・PARCO劇場で公演中だ。『万獣こわい』チケット情報3人が5年ぶりに企画した新作で、作・演出は過去2回の公演同様、宮藤官九郎、河原雅彦が手がける。少女時代に8年間監禁され続けた女性トキヨ(夏帆)を巡る物語。事件の7年後、彼女が自分を救ってくれた命の恩人である喫茶店のマスター(生瀬勝久)を訪ねて来たことから、ありふれた喫茶店にただならぬ暗雲がたちこめていく。3人は開幕直前に行われた会見で口々に意気込みを語っている。■生瀬勝久最近、メディアでの露出が真面目な役が多かったので、今回の舞台でははじけたいと思っております。■池田成志不安。不安。不安。不安が渦巻く世界に、我々もまた不安なものを提出いたします。どう受け止めてもらえるのかも不安ですが、我々自体が不安で不安定なものなのだという覚悟も込めているつもりです。少し下品な寓話と受け止めて頂ければ幸いです。■古田新太いつもながらの「感じの悪いお芝居」です。と、思っていましたが、この間稽古を観に来た殺陣師の人がこう言いました。「胸クソ悪いお芝居ですね。」今回は、胸クソ悪いお芝居です。乞うご期待!東京公演は4月8日(火)まで。その後、長野、新潟、愛知、大阪、宮城、福岡ほか全国で公演。
2014年03月26日歌舞伎俳優の市川猿之助と市川中車(=香川照之)が3月20日に会見を開き、「松竹大歌舞伎」巡業公演の製作発表を行った。「松竹大歌舞伎」チケット情報2012年に四代目を襲名した猿之助と、同じく九代目を襲名した中車の襲名披露として行われる今回の巡業公演。5月末から6月にかけて行われる中央コースでは『一本刀土俵入』のふたりの共演が話題に。猿之助は「お蔦は(中村)芝翫さんから最後に教わった人生の中で一番大切にしている役。猿之助になっても女方を大切にしますと報告したい」と胸中を明かした。中車も「亡くなった勘三郎さんからも(茂兵衛役は)ぜひやるべきだよと聞いておりました。父(市川猿翁)が芝翫さんと共演した時のDVDを参考に、父に教えてもらいながらやっていこうと思っております」と意気込みを語った。8月末から9月にかけて行われる西コースで、新橋演舞場での襲名披露の際演じた『小栗栖の長兵衛』に再び挑戦する中車。「2年前にやらせていただきましたが、少しでも前進していると自分でも実感できるような作品にしたい」と話す。同じく西コースで「義経千本桜」『四の切』の狐忠信を演じる猿之助は「『義経~』については語る言葉はないです。猿之助イコールこれだと思ってもらっても過言ではない」と自信たっぷりに語った。襲名してから2年が経つが、感想を聞かれた猿之助は「ずいぶんまえから猿之助だったかのよう」と話し、気持ちは次のステップに向かっているようだ。「先輩からあずかった荷物を次へ渡す古典の継承とスーパー歌舞伎の次回作を考えなければ。ますます忙しくなりますが充実していて役者としてありがたい」。歌舞伎の世界に飛び込んだ中車にとっては全てが初めての経験だ。「この2年間で歌舞伎に対する思いが変わってきました。やっぱりもっと早くやりたかった。歌舞伎にひと月出させていただいてから映像の世界に戻ると実感するのですが、ひとつの動き、ひとつの音、ひとつの間、すべてが繋がっていたんだと。長い時間をかけて完璧に構築されてきた“完全体”をみせられると、理屈だけは理解してもそれが出来ない自分のもどかしさの中で、ある日1ミリだけ前進したような錯覚をうける。その錯覚を楽しみに今は前に進んでいます。(歌舞伎は)生きる実感をいただいているありがたい仕事です」。「松竹大歌舞伎」中央コースは5月31日(土)から6月27日(金)まで、西コースは8月31日(日)から9月26日(金)まで各地を巡演。チケットは一部を除き発売中。
2014年03月25日元宝塚トップスターの紫吹淳と水夏希が、ミュージカル・コメディ『Love Chase!!』で退団後初の共演を果たす。公演に先がけ、紫吹、水、そして作・演出・振付・出演の玉野和紀に話を訊いた。ふたりが同じ舞台に立つのは、紫吹主演で行われた2000年のベルリン公演以来14年ぶりのこと。紫吹が「海外公演ということで優秀な下級生が集められたんですけど、彼女には本当に助けていただきました」と当時を振り返れば、水も「はるか上の存在だった先輩と今こうした距離感でお話できるのがうれしいです」と感慨を表す。一方それぞれと仕事をした経験のある玉野は「スタイリッシュなリカちゃんと、キレのあるミズ。ふたりとも歌って踊れて華がある、日本の演劇界にとって貴重な才能です」と賞賛の言葉を惜しまない。何より、舞台巧者同士のタッグがオリジナル・ミュージカルの担い手として数々の成果を残してきた玉野のもとで実現する意味は大きい。一から作り上げるオリジナル作品だからこそ、キャストの実力と魅力を最大限に活かしたステージを期待する観客は多いだろう。「アイデアを書き溜めてあるネタ帳の中にふたりにぴったりの設定があった」という玉野が書き下ろしたのは、天使と悪魔を中心にしたラブストーリー。地上に降りて人間との恋愛をゲーム感覚で楽しんでいた悪魔(水)と、その悪魔の行いを正すべく人間界にやってきた天使(紫吹)のバトルが、コミカルに描かれる。「恋を楽しみたい悪魔と、恋を禁じようとする天使の葛藤を通して、恋愛をするとはどういうことなのかを描きたい。成人式のニュースで、若い人の半分以上に恋人がいないと聞いて驚いたんです。歌ありダンスありの楽しいコメディですけど、観た方には恋愛についていろいろなことを感じていただけると思います」(玉野)。「悪魔なら演じたことはありますけど、天使は初めて(笑)。しかも様々な人間に姿を変えて登場するということで、演じがいがあります。私の新たな一面を引き出していただけるのではないかと、楽しみにしています」(紫吹)。「コメディは、すごく久しぶりです。お客様に心から笑って楽しんでいただくのは簡単なことではありませんが、皆さんの反応が自分の糧にもなるので、その瞬間を楽しみに待ちながら、稽古では苦しみたいと思います」(水)。ミュージカル・コメディ『Love Chase!!』は、4月9日(水)から24日(木)まで東京・シアタークリエ、5月1日(木)愛知県芸術劇場 大ホール、5月3日(土・祝)・4日(日・祝)大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。なお東京公演では、アフタートークショーを4月11日(金)・14日(月)・22日(火)(いずれも14時開演)に開催するほか、4月10日(木)・15日(火)・21日(月)(いずれも19時開演)の来場者には特製クリアファイルがプレゼントされる。チケット発売中。
2014年03月24日宝塚歌劇宙組公演『ベルサイユのばら-オスカル編-』の制作発表が3月12日、都内にて行われた。登壇者は主人公オスカルを演じる宙組トップスター凰稀かなめ、宙組トップ娘役実咲凜音、アンドレを役替わりで演じる朝夏まなと、緒月遠麻ら。『ベルサイユのばら-オスカル編-』チケット情報池田理代子の人気漫画を原作にしたこの作品は、1974年に初演。以降上演を重ね、今回の公演期間中には観客動員数が500万人を超える見込みであるなど、今や宝塚歌劇の代名詞となったこの名作が、劇団創立100周年の節目の年に登場する。40年のあいだ『オスカルとアンドレ編』『フェルゼン編』など様々なバージョンで上演を繰り返しているが、今回宙組が上演するのはフランス革命の動乱の中、将軍家に生まれ軍人として生きる男装の麗人オスカルを主人公にした『オスカル編』。脚本・演出の植田紳爾は「とにかく100周年に相応しい『ベルサイユのばら』を作りたい。原作が非常に大きく、まだまだ(舞台で)使っていない場面がたくさんある。そういう場面を掘り起こし、一部は全体的に脚本を書き直し、今回は初めてオスカルの誕生シーンからやります」と構想を語った。そのオスカルを演じるのは、「彼女の声を聞いた瞬間、これがオスカルの声だと思った」と植田に称された、凰稀かなめ。少女マンガから抜け出たような美しいビジュアルを持つスターだ。凰稀は「こんな記念すべき年に、宝塚の代表作である『ベルサイユのばら』をやらせていただけることが大変光栄」と語り、「オスカルをイメージする言葉は“自ら咲く場所を選ぶ一輪のばら”。そのイメージを崩さないようにしたい。また、なぜ彼女が“白ばら”と呼ばれているのかというところも重要だと思う」と話した。会見では他にも植田の口から「小林一三先生が100年前に宝塚を作った時、一番の目標は“親子で楽しめる娯楽”だった。子どもたちが宙を飛ぶ馬や馬車を見る時のキラキラした目が忘れられないので、子どもたちも喜んでもらえるようまた新しく工夫をしています」「池田さんの原作に、ペガサスに乗っているオスカルの姿がありますので、それを再現したい」「フィナーレでは『愛の讃歌』をボレロにして全員で大階段で踊ってみようかなと思っている」等々の見どころが飛び出した。100年目に宝塚歌劇団が満を持して贈る『ベルばら』、伝統に留まらず、歌劇団の新たな挑戦が楽しめそうだ。公演は5月2日(金)から6月2日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、6月20日(金)から7月27日(日)まで東京宝塚劇場にて。チケットは兵庫公演が4月5日(土)、東京公演が5月18日(日)に一般発売を開始する。
2014年03月14日今年創立50周年を迎え、多彩なプログラムによる記念公演シリーズを展開している東京バレエ団。そのハイライトともいえる11月の公演、モーリス・ベジャール振付『第九交響曲』のリハーサルのために、モーリス・ベジャール・バレエ団芸術監督ジル・ロマンが来日、3月10日、彼を囲んでの記者懇親会が行われた。この公演は、東京バレエ団とモーリス・ベジャール・バレエ団との共同制作によるもの。「私たちのカンパニーと東京バレエ団には、とても深い繋がりがあり、以前(2010年)にも『春の祭典』を共同プロジェクトで上演しました。そしていま、この時代に『第九交響曲』を上演することは非常に重要なことだと思います。この作品のテーマは、博愛。これは、現代においてとくに重要なテーマだと思われるのです」と話す。『第九交響曲』は故モーリス・ベジャールが1964年にベートーヴェンの交響曲第9番に振付けたバレエ。ダンサーとオーケストラ、独唱者、合唱団、と総勢350人及ぶアーティストたちが一体となって織りなす壮大なスペクタクルは、日本では1999年にパリ・オペラ座バレエ団が上演、そのスケール感と当時のオペラ座スターたちの華やかな競演が話題に。数々の傑作を遺したベジャールだが、「モーリスはこの作品を、“ダンスによるコンサート”だと言っていました。ここには特別なドラマトゥルギーやドラマ性は反映されません。モーリスの作品の中で、これは、音楽に奉仕するバレエ、音楽的な作品として位置づけられるものです」と説く。東京バレエ団がまず取り組んでいるのは、第一楽章。“闘争”がテーマというこの楽章をまず東京バレエ団が踊り、「その後、すべての楽章で、私たちのカンパニーと東京バレエ団を融合させていきたい。11月の公演までまだ時間があるので、それぞれのダンサーの適性を見極めながら、最終的に、作品の中にふたつのカンパニーをより融和させた形にもっていけたら、と考えています」。今回の公演では、東京バレエ団とモーリス・ベジャール・バレエ団、さらにズービン・メータ指揮によるイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏という、稀に見る豪華共演が実現する。メータについては「とても尊敬しています。ベジャール作品に深い理解を持たれていたことがとても印象的で、その音楽性を賞賛されていました」。世界的マエストロとバレエの、またとないコラボレーションに期待が高まる。11月の東京での公演ののち、上海公演のほか、来年にはヨーロッパツアーの計画が進行中という。公演は11月8日(土)・9日(日)、東京・NHKホールにて。チケットは7月発売予定。取材・文:加藤智子
2014年03月12日6月28日(土)東京・シアター1010で開幕するエンタテインメントショー『ブラスト!』。同公演に参加する日本人キャスト、パーカッションの石川直、ビジュアル・アンサンブルの和田拓也、トランペットの米所裕夢の3名に話を聞いた。同公演はアメリカで生まれた、打楽器・金管楽器・ビジュアルアンサンブル(ダンサー)の3つのパートで構成されたエンターテインメントショー。驚異的な演奏・技術・演技で観客を魅了し、本国ではこれまでにトニー賞、エミー賞を受賞。日本には2003年夏に初上陸、これまで国内で621回の公演を行い、95万人を動員、高い人気を誇っている。まず『ブラスト!』の魅力について聞くと、最初は観客として参加していたという米所は「音・動き・色彩、全てにおいて圧倒的で、老若男女全ての人が楽しめる」と語り、石川も「リピーターが多いのも『ブラスト!』の特徴。例えていうならお祭りに参加していただいている感覚なのかもしれません」と話した。また和田は「見ていただいた方に感想を聞くと、それぞれ感動したポイントが異なるのが、ステージに立っているこちらとしても面白い。個人的には全て人間の力でやっている所を見て欲しい」と魅力と観劇のポイントについて語ってくれた。なぜ『ブラスト!』が日本で高い人気を誇っているのかという質問には、和田が「僕たち日本人が参加しているというのがひとつのポイントなんじゃないかと思います。参加されている方が全てアメリカの方であったなら少し非現実的に感じてしまい、もしかすると「あれは外国人の方だからできるんだ」と見る側は思ってしまうかもしれません。だから僕たちが参加していることで、親近感を持っていただいているのでは」と分析した。また、2003年の日本初演から『ブラスト!』に参加している石川は「日本初演の時、日本人のお客さんは気持ちを抑える傾向があるから、とほかのメンバーと話していたんですが、蓋を開けてみると、皆さん凄く盛り上がってくださって。メンバーと思わず顔を見合わせてしまったんですが(笑)凄く嬉しかったです」と、エピソードを明かしてくれた。前回に引き続き、今回も47都道府県を周るという過酷なスケジュールになるが「それは僕たちの問題であって、見ている方には関係ない。どの土地でも自分の状態をベストに持っていくだけ」と石川が語ると、和田は「観光や美味しいものなどは中々食べられなかったのですが(笑)、ただその場所その場所でお客さんの反応が違ったので、それだけで47都道府県を周っているんだな、と言う感覚を味わえて良かった」と前回のツアーを振り返った。また米所は「僕と和田さんは前回初参加だったのですが、個人的には最初上手くつかめなかったパフォーマンスや全体の空気などが、公演を重ねる毎に色々つかめてきた所で千秋楽を迎えたので、今回は最初の公演から前回の終盤と同じぐらいのパフォーマンスを見せられるようにしたい」と今回のツアーへの意欲を見せた。チケットの一般発売情報はオフィシャルサイトなどでご確認を。
2014年03月11日3月10日(月)東京・下北沢440でカミナリグモのツアー東京公演が開催された。この日の公演は全国5か所を巡るツアー「OURSONGWITHNONAME」の初日。ゲストのベースとドラムを迎えたバンド編成のライブも好評だった彼らだが最近は上野啓示(g、vo)、成瀬篤志-ghoma-(key)のメンバーふたりですべてを演奏するステージを追求していて、そのスタイルも確実に定着しつつある。数ヶ月前に購入したという新しいフルアコ・タイプのエレキ・ギターを抱え、哀愁を帯びたボーカルで切々と歌う上野。ギターとキーボード以外のあらゆるサウンドをサンプリングやフットペダルを器用に操りながら音世界を丹念に彩るghoma。活動12年目を迎えた彼らが初期の名曲『春のうた』にちなんで新旧交えた春らしい楽曲を披露していく。上野は「春は好きですか?僕は野球が開幕するこの時期のドキドキ感が好き」と語り、アットホームで居心地の良い時間が流れていく。「ねぎらって欲しいタイプなので…」と前置きして、上野はライトやセットのスイッチングも足で操作してることを告白、ghomaもサウンド面で”頑張っている”裏事情もアピールして笑いを誘う。中盤で、今年の2月にリリースされたthepillowsのトリビュート盤に収録された『開かない扉の前で』を演奏するにあたり、上野は「17歳のときにこの曲と出会い、今、こんな機会を得て夢のよう」と気持ちを吐露。会場に駆けつけていたthepillows 山中さわおの前で丁寧に心を込めて歌い上げた。終盤では「実は春が嫌いでした」と切り出した上野は、取り残されたような疎外感を感じていた春が嫌いで、でもここ2年くらいは悪くないと思えるようになったと語った。「今年1年、ふたりでできることに精一杯、挑戦していく」と決心し、8月には初めてのホール公演ワンマンに臨むことも発表。同期して多彩な音を重ねる楽曲も聴き応えがあったが、ギターとキーボードと歌と、ふたりが刻むビートと想いが込められたナンバーにこそ大きな成長と可能性を感じた。アンコールでは『開かない扉の前で』のアンサーソングとして作ったと前置きして新曲『サバイバルナイフ』を披露。8月公演のチケット購入者には、この音源がプレゼントされる。ぜひとも今のふたりが紡ぐ独特の音世界を生で体感して欲しい。(取材・文:浅野保志)■『BEYOND THE LOCKED DOOR! 』-ツアーファイナル-カミナリグモ ワンマンライブ日時:8月24日(日)開場17:00/開演17:30会場:TOKYO FMホール(東京都)料金:前売3300円小学生以下2000円(ドリンク持ち込み可。ただし飲水はロビーのみ。)※来場者特典として未発表音源『サバイバルナイフ』とスペシャルパンフレットをプレゼント
2014年03月11日4月19日(土)・20日(日)に東京・あきる野市 十里木ランドで開催する「OTODAMA FOREST STUDIO in 秋川渓谷 -10周年SPECIAL-」の追加出演者が決定した。同フェスは、神奈川県逗子海岸で9年間続き、今夏から新たに神奈川県由比ヶ浜海岸で行われる海の家ライブハウス「OTODAMA SEA STUDIO」の10周年を記念する第1弾イベント。同ライブハウスを作る木材を提供しているあきるの市での開催となった。今回、初日の4月19日(土)にTUBEの前田亘輝、2日目の4月20日(日)にいきものがかりの水野良樹の出演が決まった。また4月20日のオープニングアクトとして、吉田山田の出演が決定。今回の発表で、全13組のラインナップが出揃った。自然豊かな空気を存分に感じられる会場で、ライブを楽しめるまたとない機会。気になる方はご確認を。なお、現在チケットの一般発売に先がけてセブンイレブン先行を実施中。受付は3月15日(土)午前9時30分まで。■OTODAMA FOREST STUDIO in 秋川渓谷 -10周年SPECIAL-日時:4月19日(土)開場10:00 / 開演13:004月20日(日)開場10:00 / 開演13:00会場: あきる野市 十里木ランド(東京都)出演:4月19日(土)Aqua Timez / HY / キマグレン / 清水翔太 / 前田亘輝(TUBE) / May J.Opening Act:7!!4月20日(日)キマグレン / クリス・ハート / ゴスペラーズ / スキマスイッチ / 鈴木雅之 / 水野良樹Opening Act:吉田山田料金:Aブロック6,800円/Bブロック5,800円/Cブロック5,800円※税込・ブロック指定・整理番号付き・ドリンク代別途
2014年03月10日スーパー歌舞伎II(セカンド)『空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―』が3月5日、東京・新橋演舞場で開幕。初日前日の4日には公開稽古と会見が行われ、市川猿之助、佐々木蔵之介が取材に応じた。スーパー歌舞伎II(セカンド)『空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―』チケット情報三代目猿之助(現猿翁)の精神を受け継ぎ、四代目猿之助が挑むスーパー歌舞伎II。その第1作として上演するのが『空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―』だ。若く才能に恵まれた仏師・十和(猿之助)と、その幼なじみで村の暮らしをよくするために官吏の道へ進む一馬(佐々木)の物語を、スーパー歌舞伎らしくスペクタクルに描く舞台。作、演出は気鋭の劇作家・前川知大が務める。猿之助は「全てを尽くしました。僕と前川さんとみんなが、好き放題作った舞台ですから、どうなるか楽しみ」と自信をのぞかせる。一方歌舞伎初挑戦となる佐々木は、猿之助とともに最大の見せ場の宙乗りにも挑む。「思ったほど恐怖感はなかった。隣に猿之助さんがいてくれるので、それは安心感がありました。ひとりだと怖かったかもしれませんね」。歌舞伎独特の立ち回りも体験。「見えを切るのは、ハマると快感ですね」と手応えを語る。そんな佐々木に対し猿之助は「なかなかいいです。見に来ないと損をしますよ」と太鼓判。ぜひ彼の勇姿を見に来てください」とアピールした。東京公演は3月29日(土)まで。その後、4月5日(土)から20日(日)まで大阪松竹座で公演。
2014年03月06日ビートルズ・トリビュートライブ『LET IT BE~レット・イット・ビー~』が3月4日、東京・渋谷の東急シアターオーブで開幕。当日はプレスプレビューも行われ、出演者の4人と日本公演のスペシャルサポーターを務める、ものまねタレントの福田彩乃がPRのため登場した。『LET IT BE~レット・イット・ビー~』チケット情報2012年9月に英ロンドンで開幕以来、世界中のビートルズファンを魅了してきたヒット作で、今回が日本初公演。衣裳やパフォーマンスなど時代を追ってビートルズを忠実に再現。公演タイトルにもなっている『Let It Be』をはじめ、『Hey Jude』『Yesterday』『All My Loving』など、約40曲を次々と披露する。ロンドン公演を観劇したという福田は「本当に似ているんで『やられた』と思いました。特に、リンゴ・スター(役)さんのドラムの叩き方、首の動かし方がそっくり」と激賞。好きな曲を聞かれると『Please Please Me』を上げ、ノリノリでさわりを口ずさむ。さらに、「感想をものまねで」とむちゃぶりされると、ニワトリのものまねで感動を表現。キャストたちから『オー、チキン』『ワンダフル』と称賛の声が上がった。公演は3月9日(日)まで。その後、新潟、愛知、大阪、福岡でも公演。
2014年03月05日『エリザベート』『モーツァルト!』などを手掛けたミヒャエル・クンツェ(作)&シルヴェスター・リーヴァイ(音楽)のゴールデン・コンビによる新作として、大きな期待が寄せられているミュージカル『レディ・ベス』。2月24日、この注目作の“顔寄せ”が都内にて行われた。『レディ・ベス』チケット情報はこちら“顔寄せ”とは、稽古の初期段階で、作品に関わる者すべてが一堂に会する場。この日はレディ・ベスをWキャストで演じる平野綾、花總まりをはじめ、山崎育三郎、加藤和樹、石丸幹二、山口祐一郎ら出演者からスタッフまで、大勢の関係者が顔を揃えた。大作ミュージカルらしく、その人数は数十人に及ぶ。主催者が「これ以上ない豪華キャスト」と呼ぶキャストの面々はミュージカル界でお馴染みのベテラン揃いで、そのせいか稽古初期段階のこの場でも和気藹々とした和やかな雰囲気だ。ただしヒロインとしてセンターに座る平野、花總はやはり少々緊張気味か。ふたりとも背筋をピンと伸ばして椅子に座っている姿が印象的。物語は約45年もの長きにわたってイギリスを統治した女王・エリザベス1世の、その青春時代を描くもの。作曲のシルヴェスター・リーヴァイは出演者に向かって「レディ・ベスは本当にたびたび命を脅かされるような危険に直面しますが、それをひとつひとつ乗り越えていく。彼女が直面した嫌なものの数々、それは体験すべきものであったし、だからこそあれだけの素晴らしい人物になれたのではないかということについて、皆さんにも思いを馳せていただきたい」と語りかけるとともに、「皆さんは素晴らしい。ただ音符を歌うのではなく、内容を連想して歌ってくださる。つまり稽古のいちばん最初から何が大事かということを皆さんはわかっていらっしゃる。それこそ観客の心を掴む才能。皆さんの幸運を祈ります」とエールを贈った。演出の小池修一郎も「皆さんと未知のものに向かっていくことを楽しみたい」と挨拶。クリエイターチームの熱意ある言葉に、キャストの眼差しにも熱いものがみなぎってくる。日本から世界に向けて発信する大作ミュージカル『レディ・ベス』は、4月11日(金)に幕を開けるワールドプレミアに向け、こうして船出した。公演は帝国劇場にて4月11日(金)にプレビュー公演開幕、東京公演は5月24日(土)まで。チケットは発売中。その後大阪、福岡、愛知でも上演される。
2014年03月05日安蘭けいが、ジャズ史に残る歌姫ビリー・ホリデイを描いたレニー・ロバートソン作のソロミュージカル『レディ・デイ』に出演する。1986年にオフ・ブロードウェイで初演された作品で、レディ・デイと呼ばれたビリーが死亡する4か月前に行ったライブを再現したもの。観客はライブのオーディエンスに見立てられ、安蘭演じるビリーが歌い、MCとして自らの体験も語る。ソロミュージカル『レディ・デイ』チケット情報情感豊かな歌声と共に、奔放な男性遍歴、麻薬やアルコール依存など壮絶な人生で知られるビリー・ホリデイ。その代表曲のひとつ『奇妙な果実』は、彼女も経験した黒人差別の歌で、安蘭は初めて聞いた時、「こんなダークなジャズもあるのだな」と驚いたという。「私が自分自身の歌として歌うとしたら、理由というか、乗り越えなくてはならないものが多い。でも今回はビリーとして歌えるのでやりやすいです」。実在の人物を演じるにあたっては「かつては真似から入ることが多かったのですが、私の体を通してお客様はビリーをご覧になるわけだから、私らしさがないと意味がない。どれだけ、ビリーに共感できるところをみつけてお客様と共有できるか。その辺りを突き詰めていきたいです」と語る。「以前私が演じたエディット・ピアフもそうですが、ビリーはどんな境遇にあっても這い上がる強さやエネルギーをもった女性。それでいて脆さもあり、全てが歌に表れている。すごく素直なんですよね」。こう語る安蘭もまた、舞台では嘘がつけないタイプだ。「なんとなく歌ってしまうと歌詞が出てこないし、気持ちが伴わないまま台詞を言うと絶対に間違えたり噛んだりするんです。プロなのにと思われるかもしれないけれど、そこは自分の好きなところ。この作品でも、私がビリーになるという嘘はあるけれど、自分に嘘はない状態で演じたいと考えています」。宝塚歌劇団退団後5年目。波乱に富んだ役柄を多く演じてきた。「癖のある役柄は演じ甲斐があります。巡り合わせもあるでしょうが、もしかしたら私が呼んでいるのかもしれません」とほほ笑む。今年は3月に森新太郎演出によるヘンリック・イプセン作『幽霊』、そしてこの栗山民也演出『レディ・デイ』と、初タッグの演出家の舞台が続く。「いつも新しいことに挑戦したいと考えています。イプセンも初めてだし、『レディ・デイ』は初のひとり舞台。今年は越える山が多いですね。登る前の今は怯んでいますが、結局、こういうチャレンジが私にはすごく楽しいんです」。ソロミュージカル『レディ・デイ』は6月12日(木)から29日(日)まで東京・DDD AOYAMA CROSS THEATER、7月5日(土)・6日(日)に兵庫・宝塚バウホールにて。東京公演のチケット一般発売は3月1日(土)午前10時より。取材・文:高橋彩子
2014年02月27日近松門左衛門の名作とフラメンコを融合させた舞台『FLAMENCO 曽根崎心中』の公開稽古が2月20日、都内で行われ、音楽監督を務める宇崎竜童、演出・振付・主演の佐藤浩希、出演者の三浦祐太朗が取材に応じた。『FLAMENCO 曽根崎心中』チケット情報遊女・お初と醤油屋の手代・徳兵衛の悲劇の愛の物語を、プロデューサーも務める阿木燿子が作詞、宇崎竜童作曲の音楽で描く舞台。お初と徳兵衛をそれぞれふたりの踊り手と歌い手で表現し、徳兵衛役をフラメンコダンサー佐藤浩希とシンガーソングライター三浦祐太朗が務める。舞台の初演は2001年。東京公演は8年ぶりという。「キャストが変わったので、新しく曲を作り変え、“させられました”」と笑った宇崎。初演から歌い手はフラメンコ歌手だったが、「今回は三浦祐太朗さんが入ったので、彼の声にあわせて」作り直したという。演出の佐藤は「阿木さんから『三浦祐太朗さんというすばらしい歌手がいる』と言われて聞いたら『この人しかいない』と思った。繊細で憂いがあって徳兵衛にぴったりだった」と話す。三浦は阿木がお忍びで自分のライブを見に来て、翌日オファーがあったと明かし「実際歌を聞いていただいてから、お話をいただいたことは、歌い手としてすごくうれしかった」とコメント。「宇崎さんと阿木さんの音楽なのでフラメンコなんですが、和の要素がたっぷり含まれている。そのエッセンスを感じながら、自分の色が生かせるように」と意気込みを語った。また、両親に出演を報告したかと聞かれた三浦が「もちろん。母は非常に喜んでいました」と話すと、宇崎が「僕は話してないんですけど、阿木が百恵さんに連絡したみたいです。喜んでくれていると聞いてほっとしているところ」と明かす。三浦は「先に阿木さんがお電話してくださって、メールで母から『よかったね』と連絡がきました。喜んでいる感じの絵文字つきでした」と笑った。舞台は4月2日(水)から6日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場にて。チケット発売中。
2014年02月21日次世代のミュージカルスターをめざす若者たちが、珠玉のミュージカル・ナンバーを披露する人気シリーズ第3弾『恋するブロードウェイ♪ vol.3』が、東京・EX THEATER ROPPONGIに登場。全編が名曲!ミュージカルのおいしいところ詰め合わせ。ミュージカルのディープなファンから初心者まで、誰もが楽しめるステージだ。『恋するブロードウェイ♪ vol.3』チケット情報出演は、ミュージカルなどで活躍中の太田基裕、大山真志、小野田龍之介、海宝直人、菅俣翔、内藤大希、西川大貴、法月康平、味方良介というフレッシュな9名。作・演出は、芸術性とエンターテインメント性を兼ね備えた作品世界に定評のある演出家、鈴木勝秀。大人気海外ドラマ『glee/グリー』のカバーでも知られるジャーニーの「Don’t stop believin’」をはじめ、『レ・ミゼラブル』『コーラスライン』『レント』など数々の傑作ミュージカルの名曲をダンスとともに届ける。その魅力を探るべく、稽古場に潜入。この日は、2週間の歌とダンスの稽古を経て、初めての立ち稽古。ステージ上のセットは数脚の“イス”のみ。ミュージカルスターへの道は、まさにイス取りゲーム(=Musical Chairs)。イスは、その象徴でもあり、ステージの上で様々に形を変え、効果的に使われる。物語の舞台はNY、ブロードウェイ。雑踏の中、西川は、通りかかった大山をタップで挑発し、ふたりのタップ合戦がスタート。次第に熱を増すバトルに、街ゆく人々がひとり、またひとりと引き寄せられていく…。ステージ上の面々とともに、お客の気持ちも引き寄せなければならない重要なシーン。ふたりのタップ対決では、西川が「複雑なリズムにしよう」と提案し、大山と様々なリズムを試していく。鋭いリズムで斬りこむ西川。ユーモラスな動きを織り交ぜ受けて立つ大山。一方、ふたりのタップ合戦に足を止める太田、小野田、海宝、菅俣、内藤、法月、味方。“何だろう?”と引き寄せられる。演出の鈴木からは、「感情を出さなきゃ、教わった振りで歌を歌う発表会になってしまう。そこに自分なりのストーリーを作って」と指示が飛ぶ。すると「ダメだ。さっきは銀行に行って戻ってきた気持ちで歩いてた」と小野田。みんなの笑いを誘う。本番までに、それぞれがどんなストーリーを作って、それをどう表現するのか?個性が見えるシーンとなりそうだ。ふたりで始まったタップ合戦は、周囲を巻き込み大きな渦となり…オープニング曲「Don’t Stop believin’」(全米ロックミュージカルの金字塔『ROCK OF AGES』より)へ。9人の交錯する心を表すかのような多彩なフォーメーションチェンジによる振付で、視覚的にも期待感をあおる。そして、この曲のラスト、9人の若いエネルギーが爆発。鈴木からは、「エネルギーの出し方のメリハリが大事。いちいち言わないから、それぞれ“ここだろう”と思ったら出してみて」と指示。本番では、観客はのっけから“ガツン”とやられることになりそうだ。公演は2月28日(金)から3月2日(日)まで。チケット発売中。
2014年02月21日3月に開幕する舞台、SHOW-ismVII『ピトレスク』の出演者が2月14日、東京・日比谷シャンテでトークイベントを開催。女優の彩輝なお、風花舞、美鳳あや、そして作、演出を手がける小林香がファンの前に顔を揃えた。SHOW-ismVII『ピトレスク』チケット情報舞台は1942年、ナチス占領下のパリ。キャバレーがドイツ軍により閉鎖されてしまう。人々は夜間外出禁止令をかいくぐり、とある工場の地下に集まり、キャバレー存続に動き出す……。ナチス統制下にあっても、なお自由と喜びを求める人々を描く、ミュージカルナンバーあり、シャンソンあり、オペラありの音楽劇だ。彩輝なおは、キャバレーの元衣裳係で、今は映画館の切符売りをする女性カミーユ。彩輝が「オリジナルの楽曲もありますが、みなさんご存知の曲もたくさん出てきます。歌詞がシュールというか、重要な意味がある。いかにその歌詞の内容を伝えるか」がポイントと話すと、小林が「そう、替え歌大作戦」と笑う。テーマは人種と性別を越えた愛。小林は「舞台には同性愛者やロマ、いろいろなマイノリティが登場します。マイノリティの方々が、愛する人へ『愛してるよ』といえる世の中であってほしい」と作品に込めた思いを語った。出演はほかに、シャンソン界からクミコ、オリジナル楽曲も提供する中川晃教、ソプラニスタ・岡本知高。公演は3月27日(木)から4月3日(木)まで東京・シアタークリエにて。チケット発売中。
2014年02月18日銀杏BOYZボーカルの峯田和伸を迎えたイベント『GING NANG URBAN TALK LIVE TOKYO』が、ぴあとKDDIによるエンタメサイト『up!!!』の主催により2月12日、東京・新宿バルト9で開催された。同イベントでは今年の1月に銀杏BOYZの9年ぶりとなるアルバム2作品のリリースに合わせて製作されたMVの上映と、トークライブが行われた。2005年にアルバムを2枚同時リリースして以降、シングルのリリースや不定期なライブ活動はありながら、次第にファンの前に姿を現す機会も少なくなり、製作に没頭してきた銀杏BOYZ。その壮絶な創作活動を経て、昨年末には峯田以外のメンバー全員が脱退を発表。峯田は今後どこへ向かうのか。この日集った約400人のファンの胸中にも、さまざまな想いが渦巻いていたはずだ。イベントは、『BEACH』に収録されている『東京終曲』のMV上映からスタート。約43分という長さの映像作品に描かれるのは、強烈なノイズから微かに聞こえるメロディに、破滅へと向かう男女の姿を重ねた退廃的なラブストーリー。続いて上映されたのは、『光のなかに立っていてね』に収録されている『ぽあだむ』のMV。長澤まさみも出演している本作は、ポップなナンバーにのせて、実に1283人もの女の子たちが投げキッスするというキュートな作品だ。2作品の上映が終わると、いよいよ壇上に峯田が登場。自身が監督・脚本・主演を務めた『東京終曲』について、脳裏に浮かんだ衝撃的なふたつのシーンからストーリーを紡ぎ、脚本に仕上げていったという創作秘話を明かした。次に話が『ぽあだむ』に及ぶと、このMV製作を指揮し、昨年末に脱退を発表したドラムの村井守がサプライズで登場。同作をスクリーンで観た感想を聞かれると、「気持ちよかった。協力してくれた全員に感謝したい」と感慨深げな様子だった。続いて行われた質疑応答のコーナーで、ファンから真っ先に質問されたのは、やはり今後の活動について。峯田は「ソロではなく、やっぱりロックバンドをやりたい。これからメンバーを募集するつもり」と、第2期銀杏BOYZ始動に向けてスタートを切ることを宣言。村井からは「ずっと背中を見てきたから、これからも応援するし、追いかけていきたい」と、真っ直ぐなエールが贈られた。またトークライブの中では、今年の6月に発売予定のDVDに同封するブックレットに掲載される、ファンから銀杏BOYZへのコメントを峯田が読み上げる場面もあった。コメントは2月いっぱいまで募集しているそうなので、詳しくは公式サイトでご確認を。イベントの終盤には、峯田による弾き語りが披露された。2011年に東北ツアーを行った銀杏BOYZだが、峯田が東京のファンの前で歌うのは実に4年ぶり。アコギを手にした峯田は『人間』ほか4曲を披露。歌い終えた峯田は「4年も歌わない間に僕にもいろいろなことがあった。でも、こんなふうにまた人前で歌えることが本当に幸せ」と語り、イベントは幕を閉じた。
2014年02月14日宝塚歌劇花組の男役トップスター、蘭寿とむのサヨナラ公演が2月7日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕。フィッツジェラルドの未完の長編小説をミュージカル化した『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』とショー『TAKARAZUKA∞夢眩』の2本立てで上演中だ。宝塚歌劇花組公演『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』/『TAKARAZUKA∞夢眩』のチケット情報『ラスト・タイクーン』は、1930年代のハリウッド映画界が舞台。タイクーンと呼ばれる若き天才映画プロデューサー、モンロー・スターは、女優ミナ・デービスと婚約していたが、突然の事故で彼女を亡くしてしまう。心に大きな傷を抱えながらも、映画創りにさらなる情熱を傾けていくが、スタッフたちはモンローの強引なやり方に次第に反発するようになる。そんな中、モンローは亡きミナと瓜ふたつの女性キャサリンと出会い……。宝塚歌劇団入団から20年、男役ひと筋で生きてきた蘭寿のラストステージ。その集大成となるモンローは、セクシーで大人っぽく、強引な中にも情熱と温かい愛情を持った男。蘭寿の魅力をたっぷりと感じられる役柄だ。スタッフたちを先導切ってまとめる姿や、モンローの映画にかける想いや夢を綴った曲を歌う場面は、トップスターとしての蘭寿、そして宝塚歌劇で生きてきた蘭寿の姿に自然と重なり、“ラスト”を感じさせる。次期トップスターとなる明日海りおは、モンローを育て上げた映画プロデューサーのブレーディ役。モンローの活躍に嫉妬し、モンローをおとしめようとする憎まれ役だ。フレッシュな印象の明日海が、年配の男性を声のトーンや佇まいなど、深みのある表現で演じているのにも注目だ。第二幕のショーは、幕開きからリズミカルで勢いのある印象。怪しげな雰囲気からスタートし、一瞬にして、宝塚歌劇ならではの煌びやかな空間へと変わる。スターが歌い継ぎ、それぞれの個性が観客に届くような演出で楽しませる。また、KENTO MORIの振付によるシーンでは、銀狼に扮した蘭寿が独特のステップや表現で魅せる。ラストを思わせる演出も見どころで、蘭寿がひとり銀橋に立ち、組子一人ひとりを見渡していく姿には、胸に熱いものがこみ上げてくる。男役の真骨頂である大階段での黒燕尾は、ため息が漏れるほどに美しく、蘭寿を始めとする花組の力を見せつけられる。新しさとクラシックな宝塚歌劇の魅力、そして蘭寿の美しいダンスをたっぷりと堪能できるステージだ。兵庫公演は3月17日(月) まで上演中。取材・文:黒石悦子
2014年02月12日脚本・木皿泉、演出・内藤裕敬、主演・薬師丸ひろ子の舞台『ハルナガニ』が4・5月、東京と大阪で上演される。2012年『すうねるところ』に続く話題作。前作以来、互いに信頼を寄せ合う、木皿と内藤に話しを聞いた。舞台『ハルナガニ』チケット情報今回は藤野千夜の小説『君のいた日々』原作にした、ひと組の夫婦の物語。舞台上には“夫を失った妻”と“妻を失った夫”のふたつの世界が存在する。連れ合いの死後、それぞれは何を悔い、何を支えに生きていくのか。夫婦の究極の愛を描いていく。原作について木皿は「藤野さんの作品は、ずっと好きで、本当にうまいなぁといつも感心しています。今回のも、細かいところがとてもおもしろいのですが、何といっても設定がいいなぁと。日常を切り取って見せるには、とてもいい話だと思います」。舞台は「原作と違うのは、もっとドタバタするかな。それと、ジタバタもするかも」になるという。一方の内藤は舞台化のポイントについて「木皿泉流のノゾキだと思います。ノゾキ見が言葉になって会話になったとき、ノゾキをされた胸や頭や心が、どんなふうな物語になるか」。木皿作品の魅力について「フラフラするところですかね。いろいろが直進しないの。フラフラ‐クネクネするのね」と話す。主演の薬師丸については「私達は、現実と本質の間で迷うけれど、彼女は本質をいつも見つめてると思います」(内藤)、「今はタレントも役者も、商品として扱われているので、どんどん消費されるしかないのです。昔は、テレビや映画に出てる人は雲の上の人で、我々の手の届く人ではなかった。薬師丸さんは、その最後の人だと思っています。自分を商品として扱わず(それは、つまりお金みたいなものに決してころばず)志を持って仕事を続けてこられたので、この先、消費されることはないと思います。そういう存在感って、ほとんど他にないんじゃないでしょうか。誰が何と言っても「そこに居る」という感じ。いつか薬師丸さんにしかできない作品というものを書いてみたいです」(木皿)と、それぞれその魅力を語る。また、木皿は「能で使われる別れのコトバに「いずれ春永に」というのがありまして、それが美しく、はかなく、でも力強く、わたしたちはとっても好きです。能は死者の話だし、今回はお芝居にいいかなと思いました」とタイトルに込めた思いを話した。公演は4月7日(月)から27日(日)まで東京・シアタートラム、5月2日(金)から4日(日・祝)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。チケットの一般発売は3月8日(土)午前10時より。チケットぴあではインターネット先行を実施中、大阪公演は2月17日(月)午前11時まで、東京公演は3月3日(月)午後6時まで受付。
2014年02月10日生瀬勝久、池田成志、古田新太の3人による演劇ユニット「ねずみの三銃士」。彼らの第3回公演『万獣こわい』の製作発表が2月6日、都内で行われ、生瀬、池田をはじめ、キャストの小池栄子、夏帆、小松和重、そして過去2回の公演でも作・演出でコンビを組んだ、宮藤官九郎、河原雅彦が会見に顔を揃えた。ねずみの三銃士『万獣こわい』メンバーのひとり、古田はインフルエンザで急きょ欠席。生瀬がメッセージを読み上げ「インフルってしまいました。何だよ予防接種2発打ったのに、面目ない」と謝罪しながら「幸い高熱が出るわけでもなく、家でぼーっとしています。タミフルが効くことを願い、面白い作品を作るべく頑張ります。みんな、宣伝よろしく。インふるたエンザあらた」と近況を報告。生瀬は「来い!馬鹿」と一喝した。舞台は、少女時代に8年間監禁され続けた女性トキヨ(夏帆)を巡る物語。事件の7年後、彼女は自分を救ってくれた命の恩人であるカフェのマスター(生瀬勝久)を訪ねて、店を手伝いたいと申し出る。温かく彼女を迎え入れたマスターとその妻(小池栄子)。だが、しばらくすると、トキヨの里親アヤセ(古田新太)が現れ、彼らの運命が少しづつ崩れ始める……。宮藤は「3人はキャスティングまではすごく盛り上がるんですけど、キャスティングが決まると僕に丸投げという。古田さんの『とにかく、えげつないのがやりたい』という要望と、成志さんの『笑える話がやりたい』という希望と、生瀬さんの『俺はいい話が好きだ』という3つの希望を毎回かなえて、今回もかなえていこうと思っています」と話した。対して生瀬は「宮藤くんは、そう言いましたが、過去2回の作品で僕が言った「いい話」は全然入っていないじゃないですか。今回もきっといい話ではないです。ですから、えげつなくて笑える話だと思っていただければと思います」とコメント。演出の河原も「今回は今までの中で一番、地方とか回らせていただくんですが、一番とんでもないものをもっていくことになるのでは。毎回丸くおさまらない、そういう仕事ができるのは自分にとっても大切」と話すように、今回も刺激的な舞台になりそうだ。今回は長野、新潟、愛知、大阪、札幌、宮城、福岡、沖縄と地方公演が多いだけでなく、高校生以下向けの格安チケットも用意。生瀬は「若い方たちにたくさん見に来ていただけたら。演劇というのは映画やテレビドラマと違った魅力がある。もう50歳すぎたおっさんが、まだチャレンジしているところを、ぜひ見にきてください」と若者にアピールした。3月15日(土)から4月8日(火)まで東京・PARCO劇場にて。その後全国を巡演。東京公演のチケット一般発売は2月8日(土)午前10時より。
2014年02月06日優しく包み込むような温かなオーラを持つ、宝塚歌劇団花組トップスター・蘭寿とむ。歌、ダンス、演技の3拍子が揃った蘭寿のサヨナラ公演が、2月7日(金)、兵庫・宝塚大劇場にて開幕する。演目は、ミュージカル『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』とショー『TAKARAZUKA∞夢眩』の2本立て。創立80周年の年に宝塚音楽学校に入学し、20年間タカラヅカひと筋で生きてきた蘭寿に、ラストステージにかける想いを訊いた。宝塚歌劇花組『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』チケット情報『ラスト・タイクーン』は、アメリカの作家フィッツジェラルドの未完の大作をベースにした物語。1930年代のハリウッド映画界を舞台に、大物プロデューサーの栄光と挫折や、亡き先妻と瓜ふたつの女性とのロマンスを描いたミュージカル。「強引にも周りをまとめて映画を作り上げていく大物プロデューサーを演じます。映画に魅せられて面白い映画を作ろうと集まってきた人たちは、タカラヅカの舞台に立ちたいと思って集まってきた私たちに重なるものがあり、共感できる部分が多いです。その気持ちを反映しながら、役を作り込んでいます」本作は演出家・生田大和の大劇場デビュー作でもある。生田の熱意と愛情を感じながら、日々稽古を重ねていると話す。「稽古をしながらも台詞を変えたり、新場面が増えたり、すごく熱意を感じます。私としては、遠慮なくぶつかっていけるのがとても嬉しいです。それに、「迷わず歩んだ、ただひとつの道を」というような、私のタカラヅカ人生と重ね合わせた歌詞や場面を作ってくださり、生田先生の愛情を感じます」。ショーでは「花組の男役の魅力を最大限に見せたい」と意気込む。「幕開きからかなりアップテンポで、花組のパワーがいきなり炸裂します(笑)。前半ではリズミカルでスピーディな場面を展開しつつ、ラストは男役全員で大階段での黒燕尾を。大好きな黒燕尾で、思い残すことなく踊りきりたいです」。20年間の集大成だからこそ、感傷に浸る暇はない。「本当に最後まで挑戦だなと思います。“これぞ蘭寿とむ!”というものを残したいですし、花組が最高に活気づいた状態でバトンタッチしたい。そして、ずっと応援してくださり、支えてくださった方々への感謝の気持ちを舞台で返したいと思います」。公演は宝塚大劇場にて2月7日(金)から3月17日(月)まで上演。東京宝塚劇場では4月10日(木)から5月11日(日)まで上演され、3月9日(日)より一般発売を開始。取材・文:黒石悦子
2014年02月03日