チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (42/342)
毎週月曜日から木曜日(11:30~14:00)にFM大阪で放送されているお昼のワイドプログラム「LOVE FLAP」と心斎橋JANUSがお届けするイベント『FM OSAKA×JANUS presents “chill through”』が、2月16日(水)心斎橋JANUSにて開催決定!「FM OSAKA×JANUS presents “chill through”」チケット情報出演は、2019年度に開催された全国ツアーでは東京・豊洲PITを含む全国14都市で8000人を動員し、全公演SOLD OUTの4人組ロックバンド、I Don’t Like Mondays.。ジャンルレスで多種多様なサウンドを持ち、主に関西を中心に活動している、関西出身のジャンル不特定6人組バンド、Ochunism。海外を旅して出会う人、ビーチや街、その土地の音楽に触れて様々なカルチャーに影響を受け、作詞作曲、演奏を自ら行うシンガーソングライター、Baby Kiy。FM大阪と心斎橋JANUSがお届けするミュージックラバーに向けた熱いライブをお見逃しなく!1月6日(木)23:59までチケットのオフィシャル先行(抽選)を受付中。
2021年12月23日京都・南座の新春恒例「初笑い! 松竹新喜劇 新春お年玉公演」が1月2日(日)から開幕するのを前に取材会が行われ、渋谷天外、藤山扇治郎、ゲストの久本雅美ら出演者7名が登壇した。「お正月なので衣装代も奮発して、時代劇の“まげもの”2本をパーンと打ち上げます!」と威勢のいい天外に、久本も「お芝居観に来たなという贅沢感が味わえる」と続き、早くも一致団結のムードが漂う。出演者が五・七・五のカルタで意気込みを語るなど、お正月らしい趣向で盛り上げた。「初笑い! 松竹新喜劇 新春お年玉公演」チケット情報一本目は「藤山寛美二十快笑」にも選出される『お種と仙太郎』。嫁姑問題を描いた人情喜劇を扇治郎と久本の共演で贈る。扇治郎は「お風呂場とかでよく、久本姉さんこれやりはったらいいのにとかひとりで考えるんです。その5本の候補のうち、1本がこれでした」とドンピシャの配役に喜ぶ。観客には自粛疲れを思いやり「来年は劇場に足を運んでもらって。僕と久本さんでやる人情喜劇でホロリと沁みていただけたら嬉しいなと思います」久本は「扇ちゃんがお風呂場でも私のことを考えてくれてたなんて。気色悪いけど、嬉しいです(笑)」と冗談めかしつつ、姑役は藤山寛美をはじめ代々男優が演じてきただけに「緊張します」と続ける。「男性が女性を演じる時点でひとつ面白さが加わっているので、それを女性が演じるとなると本当に難しいお役やと思います。ほんまはええ家族なんやなと思ってもらえるように、可愛げがある意地悪ばあさんでありたい」と語る。二本目は松竹新喜劇随一の爆笑喜劇『お祭り提灯』。このたび、39年ぶりに曽我廼家の名跡を継承した曽我廼家一蝶、いろは、桃太郎ら若手が大役に挑む意欲作だ。提灯屋、徳兵衛役の一蝶は先輩らに「熱量だけは負けたくない」と気合十分。扇治郎を中心に「劇団の新たな屋台骨となれるよう精進したい」とやる気をみなぎらせる。11月の襲名披露公演では観客の拍手が胸に沁みたと言ういろはは1『お種と仙太郎』で嫁のお種、『お祭り提灯』で徳兵衛の妹役に挑む。「お種は素直で謙虚な娘だと思うので、私も初心を忘れず素直な気持ちで成長できるように頑張ります」。桃太郎は、藤山寛美の十八番でもある提灯屋の丁稚役に抜擢され「恐ろしさに身震いしました」と驚嘆しながらも、「共演の方々の力を借りつつ、いい意味で期待を裏切りたい」と覇気を見せた。取材会では、カルタの五・七・五で「なんでかな おちょやん出たのに 気づかれず」と朝ドラ『おちょやん』出演という今年のハイライトをユーモアたっぷりに振り返ったのは渋谷天笑。同じく次代を担う若手の一員として「南座の公演を頑張って、街で声をかけられる人間になりたい」と活躍を誓う。仲間の援護も頼もしい扇治郎は、来年は寅年で年男。「松竹新喜劇をまた観たいと思っていただけるよう、お客様のハートに噛みついて離さぬよう精進したい」と決意を語った。公演は1月2日(日)から10日(月・祝)まで南座にて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年12月22日ソリストとして活躍するピアノの小川典子が、ずっと温めてきたという歌曲公演のプランを、ホールアドバイザーを務めるミューザ川崎で実現する[2022年2月26日(土)]。歌うのはソプラノの市原愛。「ホールアドバイザー小川典子企画女の愛と生涯」のチケット情報はこちら公式には初共演の二人。しかし実はプライベートで一曲だけ合わせたことがある。11年前のミュンヘン。留学生だった市原が、ミュンヘン国際コンクールの審査員を務めた小川を訪ねた際、小川が誘ってシューマン〈献呈〉を歌った。今回演奏するのも、シューマン《女の愛と生涯》を軸にしたドイツ歌曲プロ。小川「溌剌とした声がとても印象に残っています。音楽的にも人間的にも波長が合わないと共演はできませんから、今回は、ぜひ市原愛さんと!とピンポイントでお願いしました」市原「コンサートを全部ドイツ歌曲で構成させてもらえることはなかなかないんです。特に大ホールで歌曲を歌うのはドイツでもあまりない機会。《女の愛と生涯》はソプラノにはちょっと低い音域なので、テンポなどもその広い空間で中音域をうまく響かせることに注意しながら曲作りしていきたいと思います」小川「高い声をお持ちの愛さんが、その〝秘密兵器〟を出すことなく、低めの声でずっと歌っていくわけですね。私はクラリネットとのデュオをずっとやっていて、シューマンは《幻想小曲集》など、音色をくぐもらせるために、華やかなB♭管の楽器でなく、わざわざA管を使うことが多いんです。それと似ていますね」市原「はい。シューマンはドラマティックな声の美しさより、しゃべるのに近いニュアンスで、歌詞を率直に聴かせたかったのではないでしょうか」小川は歌曲の魅力を、「声楽とピアノが頬を寄せ合うような息づかい」と語る。小川「そこが器楽の共演とは決定的に違うところです。しかも息が直接言葉になるのは声楽ならでは。ズキン!とするような大切な言葉がメロディのどこに来るのかとか、そのドラマの一部に私も一緒にいられる、一緒に旅をすることができるのが醍醐味です」市原「典子さんは外国語にも精通していて、言葉の流れを敏感に感じ取ってくださるので、歌手としてはありがたい存在です」公演では、歌詞訳や曲紹介の朗読(江原陽子)も入って聴衆をフォローしてくれる。ぜひプログラムの対訳から目を上げて、舞台上の二人の息づかいを感じながら、ピアニスト小川典子が魅せられた歌曲の世界を共有したい。(取材・文:宮本明)■ホールアドバイザー小川典子企画 女の愛と生涯日程:2022年2月26日(土) 14:00開演会場:ミューザ川崎シンフォニーホール (神奈川県)
2021年12月21日“ダンス×演劇×J-POP”を掛け合わせ、セリフを使わず身体表現をメインに物語を立ち上げるダンスエンターテインメント集団・梅棒。彼らの最新作、13th“RE”WORK『風桶』が東京・本多劇場にて現在上演中だ。全公演満員札止めの好評を博したという梅棒 5th WORK sideB『風桶』(2016年)を再演する本作。行方不明の兄を捜す科学者の弟が現代と江戸時代にタイムスリップし、大ファンのバンド「夜桜前線」を巻き込みながら、気弱な傘売りや見習い芸者など個性豊かな町人たちと繰り広げる騒動が描かれる。兄弟やバンド、町人の間に生まれる絆の行方はいかに──。ゲネプロは、科学者の弟・吉田テスタロッサが観客に「兄を捜すタイムトラベルがてら、未来から令和の人気バンド“夜桜前線”のライブに参戦しに来た」と面白おかしく設定を伝える前説スタイルで始まった。弟は3択に挙手させるなど客席を巧みに劇世界へと誘いながら、舞台はいつしか300年前の江戸に。そこには街の荒くれ者と結託し、よからぬ策略を巡らす兄の姿が。江戸の民、未来の科学者、令和のバンドメンバーに共通するのは、時空を超えて出会えた喜びと別れの悲しさ。これらが舞台上をほとばしる圧倒的なエネルギーとなって、ストーリーは疾走感たっぷりに進んでいった。言葉を用いないにもかかわらず、全キャラクターの感情が伝わってくる演出やパフォーマンスに手に汗握り、心が揺さぶられるひと幕も。作・総合演出を務める伊藤今人は、開幕に際して「演劇を志すものにとって“本多劇場”がどういう場所か。我々がこの聖地にふさわしいと考えた作品がこの『風桶』でした」「梅棒らしさはそのままに、この作品だからこそ感じられる“演劇”が詰まった自信作です」とコメントを寄せる。この空間でしか味わえないライブ感に満ちたステージは、まさに演劇的。初進出の本多劇場で幕を開けたグレードアップ版『風桶』で、梅棒の門出を応援してみては。キャストには梅棒メンバーの梅澤裕介、鶴野輝一(Wキャスト)、遠山晶司、塩野拓矢、天野一輝、野田裕貴、多和田任益に加えて、渡辺みり愛、松浦司、まりゑ、松浦景子、YOU、正安寺悠造、長谷川敬タ、eat、Naoki、hirokoboogie、ひこひこ(Wキャスト)が名を連ねている。東京公演は12月30日(木)まで。その後、2022年1月7日(金)~10日(月・祝)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、1月20日(木)・21日(金)に愛知・名古屋市芸術創造センターと巡演する。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2021年12月21日ミュージカル『ラ・マンチャの男』が2022年2月に日生劇場で上演される。1969年の日本初演以来、自身のライフワークとして主演を続けた二代目松本白鸚だが、今回の公演が最終公演となる。舞台は、16世紀末のスペイン・セビリアの牢獄。教会を侮辱した罪で投獄されたセルバンテスは、牢名主に即興劇で申し開きをしようと思い立ち、他の囚人たちを巻き込んで『ドン・キホーテ』の劇を演じ始める……。原作者セルバンテス、彼の芝居の登場人物であるアロンソ・キハーナ、そして彼の狂気が生み出したドン・キホーテという3人の男の物語が重層的に展開。現実と狂気を行き来しながら、「あるがままの自分に折り合いをつけるのではなく、あるべき姿のために闘う」という生き様を貫く姿を描いている作品だ。12月16日、都内で製作発表が行われ、白鸚は「初演は26歳でございました。もう50年以上経ちます。本当に感無量でございます。とにかく初日から千穐楽まで皆さん方にご迷惑をかけないように、無事に千穐楽を迎えたいと思います」と現在の心境を語った。同作の上演回数は、今公演の千秋楽で1332回に達する見込み。白鸚は「『ラ・マンチャの男』というミュージカルは、夢は叶わないと分かっていても時には戦わなければならないということがテーマ。役としても、俳優・白鸚としても、その心を失わないようにやってまいりました」と話し、「長きにわたりこの作品を上演できたのは、東宝と松竹の皆様、スタッフ・キャストの皆様方、家族、友人たちのおかげだと思っています。本当に自分は俳優として、人間として幸せ者です」と感謝の言葉を口にした。今回は、白鸚の娘で女優の松たか子が、2012年の公演以来、久しぶりにヒロイン・アルドンザ役を務める。50年以上同じ役に向き合い続けた父に対して、松は「同じ役をやり続けること、そしてやり続ける役に出会うことは、恐怖でしかなくて。素直に尊敬します」と話す。「私はまだまだ父のようにはなれないし、できればそういう役に出会いたくないと、ぐずぐず思っている。でも、役があって、舞台があって、見る方がいるからやる。とてもシンプルな姿を父を通して見せられている気がします」とも。また、白鸚は弟の中村吉右衛門さんが11月に亡くなったことについて、「別れというのは、いつでも悲しいものです。たった一人の弟でしたから」と思いを語る。それでも、「いつまでも悲しみに浸っていてはいけないと思います。それを乗り越え、はね返して、(劇中で)『見果てぬ夢』を歌いたいと思います」と前を向いていた。公演は2022年2月6日から28日まで東京・日生劇場で上演。そのほか、駒田一、実咲凜音、石鍋多加史、荒井洸子、祖父江進、大塚雅夫、白木美貴子、吉原光夫、上條恒彦らが出演。取材・文・撮影:五月女菜穂
2021年12月21日1945年にブロードウェイで初演されて以来、国や時代を超えて愛され続けてきたテネシー・ウィリアムズの戯曲『ガラスの動物園』。日本でも幾度となく上演されてきた作品だが、今回は上村聡史の演出に、岡田将生、倉科カナ、竪山隼太、麻実れいが集結して新たな世界を創り出す。上演を前に、本作の語り部でもあるトムを演じる岡田将生に話を聴いた。「どの時代にも愛される理由が、読めば読むほどわかる作品。そしてトムはとても難しい役なので、それを自分に任せて頂けるのは単純に嬉しかった」と本作出演が決まった時の率直な気持ちをまずは語ってくれた岡田。演出の上村とは『ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~』(2019年)でも一度タッグを組んでおり、「安心して没頭できそう」とも思ったそう。続けて「物語の咀嚼の仕方が面白いし、構造のつくり方も含めやっぱり凄い方だと実感中です。台本を皆で一週間くらい読み合わせをして理解を深めていきながら、それぞれの役に寄り添っていき、この家族ならではの距離感を話し合って深めていってます。作品への愛も日々増すばかりですね」と、上村の演出の魅力を語った。家族を支えるために倉庫で働くトム、足が不自由なために内向的でガラスの動物園を集めて自分の世界に引きこもる姉ローラ、家族を愛するあまり妄想に支配された母アマンダ、そしてローラが憧れる青年ジム…。トムが語る言葉によってさまざまな記憶や家族の姿が表れてくる構成の舞台。「姉のことが大好きで、姉を置いていってしまった後悔から始まったお芝居なんじゃないかなと感じながら、トムという役を咀嚼しながら作っています。母のアマンダと姉のローラが、トムにとっていかに大切な存在だったか、お客様に伝われば嬉しいですね」共演者の倉科カナを「姉上」と呼んでいると明かした岡田。「共演者の皆様、とても優しい方ばかりで、自然と家族になっている感じですね。絶妙な距離感がたまらないです。そして劇場全体が家族の一員の感覚でやれたらいいなと思っています。舞台はそういう感覚が、より一層感じられる場所であり時間だと思ってますし。チケット代は決して安くはないと思うのですが、とにかく後悔はさせたくないという思いで毎回立たせて頂いてます。いろいろな感情を感じて頂ける作品だとは思いますが、最後に家族が織りなす優しい空気を感じてもらえるよう誠心誠意演じたいと思っています。ぜひ劇場でお会いしましょう」公演は12月12日(日)~30日(木)東京・シアタークリエ、1月6日(木)~12日(水)福岡・博多座、1月14日(木)~16日(日)愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、1月20日(木)~23日(日)大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて。チケットは発売中。
2021年12月21日大阪・新歌舞伎座、東京・明治座で主演する前川清と藤山直美が法善寺での成功祈願法要後に合同取材に応じた。過去様々な作品で名共演を重ねるふたり。「いつもお客さんに聞かれるんです『今度はいつふたりでやりはるの?』って。共演すると評判をいただくので嬉しいですね」と藤山。今回は人情芝居と歌謡ショーの豪華2本立てでお届けする。「前川清・藤山直美公演」チケット情報第一部『恋の法善寺横丁』で、前川は救世主のごとく現れた腕利きの板前 徳三を演じ、藤山は父の遺志を継ぎ、小料理屋の女将として店の再建に奔走する辰子を演じる。前川は「のめり込んで読める台本というのが嬉しいですね。直美さんと僕とそれぞれの役の立場が分かって、その通り稽古でやってみると、今度はそこには大阪の皆さんもいて。やっぱりいいな」と久々の舞台の感触をしみじみ語る。料理人役は初めてという前川に藤山は「『風流深川唄』という小料理屋の娘と花板の恋仲を描いた芝居があるんです。観てるとね、板前を演じるには新鮮なお造りを切ってるように見えるかどうかが難しい。人によっては半分生臭そうに見えたりね。やっぱりその方が持っている人間性、清潔感やと思うんですよ。前川さんは板場に立っても新鮮な鯛を切ってるように見える」と太鼓判を押す。ご褒美みたいな大人の恋模様を描いた本作は、仕事や育児など、長年自分の“役目”を務めてきた人々の癒しにも繋がるはず。「何かひとつでも身に覚えがある、こんな感情を持ったことがあるとかリンクしていただけたらいいですね」と藤山。とりわけ“春の訪れ”を感じさせる、花見のシーンは見どころのひとつだ。前川も「徳三が“家族”になれる大事な場面」と強調する。藤山は「辰子も亡くなったお父さんが作ってくれた彼女にとっては派手な着物姿でね。でもそこからまた展開があって」と、話の続きは観てのお楽しみだ。第二部の歌謡ショーは前川の名曲&爆笑トークで綴る。選曲に難航中の前川に藤山は「一部日替わり」を提案。「今日は『噂の女』をやめて『流木』歌おうとか。お客さんも嬉しいですやん」。ファンクラブ会長を自称するだけに、次々とアイデアが飛び出す。「ジャズバージョンの『長崎は今日も雨だった』が良いんです。皆さんも動画サイトで1回見てください」とマネージャーさながらに猛烈アピール。前川も「そのアイデアいいですね」と応じ、日替わり選曲に期待を持たせた。最後に芝居の神髄の一端を語ってくれた藤山。「私はいつも作家さんにお願いするんです。きれいごとではなく、人間の奥底のどろッとしたホンマのもんを書いてくださいと。お客さんは、本当はそれを観に来たいと思ってはるんです」。心揺さぶられる劇体験をぜひ。公演は1月4日(火)から31日(月)まで大阪・新歌舞伎座、2月18日(金)から3月13日(日)まで東京・明治座にて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年12月20日演出家・松森望宏、俳優・桧山征翔、演出助手・石川大輔による演劇ユニット「CEDAR」が今回取り組むのは、ドイツの劇作家シラーの戯曲処女作『群盗』。2018年に第3回公演として上演したが、今回は新キャストを迎えた新演出版の上演となる。出演する山崎銀之丞は「翻訳物は基本的にやらないようにしていたんです。解釈がしっくりこなくて、役を持て余してしまうことが多いので」と思いを明かし、CEDARからのオファーも一度は断ったという。しかし、演出の松森とのディスカッションを何度も重ねたり、改訂稿を読んだりする中で「(松森さんの)熱心さに根負けしたというか、断る理由がなくなった」として、出演を快諾したという。その上で、「細かくディテールを見ていくと、辻褄が合わないところや意味が分からないところもあるのですが、本作は大枠で見る芝居。若者たちが立ち上がって時代を変えようとする大きなうねりの中で、生きる希望を見つけようよという話です。スペクタクルさはないかもしれないけれど、何かに立ち向かっている若者たちが魅力的に見えたら一番いいのかな」と本作の魅力を語っていた。CEDARのメンバーで、本作に出演する桧山も「古典としては見やすく仕上がったと思います」と自信を見せる。なんでも18年公演の際は、上演時間4時間だったが、今回は約2時間に凝縮させたそう。全く違った作品に見えるに違いない。『群盗』は、本来ならば今年6月に上演される予定だったが、コロナ禍ということで、上演が延期になった経緯がある。桧山は「今年は3本の公演が中止になりました。これから先、本当に演劇を上演できるのかと思いながら日々を過ごしてきたので、こうして無事に稽古が終わり、劇場に乗り込めることが何より嬉しいです」と話していた。主演するフクシノブキも「前回延期が決まった時から、(演じる)カールを温め続けてきた。半年前の自分だったら見せれなかったかもしれない部分を今なら見せられるような気がしています」と熱い思いを語る。そして、「(公演期間は)クリスマスと被りますし、決してハッピーな話ではないですけど、延期や中止が重なった年の最後に、THE演劇をできることが嬉しいです。お客様にもぜひ純粋に芝居を楽しんでほしい」とメッセージを送った。公演は2021年12月18日(土)〜26日(日)まで、赤坂RED/THEATERにて。取材・文・撮影:五月女菜穂
2021年12月20日ヴィヴァルディの《四季》とピアソラの《ブエノスアイレスの四季》。木嶋真優が2つの「四季」を弾く[2022年1月18日(火)東京オペラシティコンサートホール]。バラエティ番組などでお茶の間の人気も急上昇中。しかし舞台でも取材でも、音楽に向き合う彼女は実に真摯で前向き。それを率直に伝えてくれる姿勢にも惹き寄せられる。魅力的な音楽家だ。「コロナ禍がなかったらヴィヴァルディの《四季》は録音しなかったかもしれません。私が感じてきた春夏秋冬をそのまま表現したいと思いました」2020年末リリースの彼女の最新盤がヴィヴァルディ《四季》。活動がままならなかった時期、自然の強さ、移ろう季節の美しさを感じたことで、改めてこの有名曲に取り組んだ。しかし、彼女の季節感はありきたりではなさそう。たとえば冬。「私の冬のイメージは、10代の前半、恩師のザハール・ブロン先生と過ごしたマイナス20度のシベリア。外に出るのも命がけの寒さです」実際、CDに収められた〈冬〉は、冒頭の和音の刻みをかすれた音にして、まるで現代の音楽のように厳しい、緊張感のあるサウンド。リアルに雪を踏むような音も聞こえる。おなじみの〈春〉に鳥の声を入れたり、「眠っている酔っ払い」というト書きのある〈秋〉第2楽章では、楽譜にない、いびきで鼻が「スーピー」と鳴る音をかすかに弾いてみたり。散りばめられた即興やテンポの伸縮。自由な《四季》は挑発的でさえある。ピアソラは、新たな独奏+弦楽四重奏のバージョンで演奏する。「ピアソラ自身の演奏(※エレキギターなどを含む五重奏)を聴いて、小編成で、間近で引き込まれる感覚のものにしたいと思いました」編曲は山下康介。先述のCDの末尾にアンコール的に収録されたAKB48の〈恋するフォーチュンクッキー〉(!)も山下の作品だ。「私、彼の編曲がすごく好きで。響きが芳醇になる感じがします」クラシックとタンゴという異分野の音楽。「まったく違います」と言い切る。「同じ春夏秋冬でもこれだけ違うという、2つの真逆の《四季》を聴いていただけると思います。求める音が違うんです。私自身はジャンルレスでありたいですが、やはりそれぞれの音の作り方、弾き分け方がある。ジャンルレスというのは、それをバイリンガルのように流暢にやれる引き出しができて初めて言えると思っています。なかなか難しいですよね。当たり前ですけれども、何事も勉強です」(取材・文:宮本明)
2021年12月17日ふぉ~ゆ~の福田悠太と辰巳雄大が主演を務める、パルコ・プロデュース2022『腹黒弁天町』。本作へ出演する伊藤純奈に、稽古前の心境を語ってもらった。夏目漱石『坊っちゃん』の世界観にインスパイアされた鈴木聡が書き上げ、自身の主宰する劇団ラッパ屋で1994年に初演した本作。劇中では、東京から田舎の弁天町に赴任してきた2人の若い教師が、計略や陰謀にまみれた上司に同僚、街の有力者や芸者らと出会って対照的な道を歩んでいく姿が切なくもコミカルに描かれる。今回はカムカムミニキーナの松村武が演出を手がける。伊藤は、台本を読んだ感想を「人間くさいキャラクターの行く末を、お風呂に浸かりながら夢中で読み進めました」と振り返る。同じ鈴木作の『阿呆浪士』(2020年)に出演した際の印象も踏まえて「鈴木さんの作品って哀しみとおかしさが絶妙なバランスで溶け合っていて、今回も考えさせられました」と続き、「その世界でまた役人物として生きられるのが本当に嬉しいです」と目を輝かせた。自身の役どころは、街の“白百合”と称される英語教師・美智子。だが、いわゆるマドンナ的な存在に終始しない裏表のある美智子について、伊藤は「女の武器を最大限に活用する、芯があって強いキャラクターですよね」と人物像を捉える。誰とでも分け隔てなくフランクに接する普段の自分と役がかけ離れている分、「転身してひと皮剥ける美智子の“ギャップ”を鮮やかにお見せしたい」と意気込んだ。W主演の一人である福田とは『阿呆浪士』で共演し、約2年を経てまた同じステージへ立つことに。「福田さんは別の作品があって稽古に入るのが他の方より遅かったんですが、来た日から“もう本番できるんじゃ?”ってくらい仕上がっていて……驚きました!」と初共演時のエピソードを明かし、アイドルと二足の草鞋を履き同じく多忙だった自身の過去と照らし合わせながら「現場に馴染むスピードの速さを見習いたかったです」と微笑む。8月末に乃木坂46としての活動を終え、もともと定評のあった舞台出演を続けることで本格的な俳優活動に乗り出した伊藤。これから挑戦してみたい役を尋ねたところ、「本番で何をしても許されるような気の狂った役」「作品にとっていいスパイスになりたい」とまっすぐに答えが返ってきた。アイドル卒業後、2作目の舞台となる『腹黒弁天町』でどんな表情を見せるのか、伊藤の新境地に注目だ。公演は2022年2月4日(金)~20日(日)に東京・紀伊國屋ホールにて。その後、2月22日(火)・23日(水・祝)に大阪・松下IMPホールと巡演する。取材・文:岡山朋代
2021年12月17日大阪のランドマーク、梅田スカイビル27階にある「絹谷幸二 天空美術館」。名誉館長である画家・絹谷幸二の2021年度文化勲章受章と開館5周年を記念する特別展『永遠にあたらしい!! 人類最古の壁画技法アフレスコ』が、12月17日(金)よりスタートする。文化勲章受章・開館5周年記念特別展 チケット情報本展は、絹谷幸二の代名詞ともいえる壁画の古典技法「アフレスコ」に着目。生乾きの漆喰壁に24時間以内に描くという超絶技法で制作したイタリア留学時代の作品を中心に、絹谷藝術の原点を振り返る。特別展の開催にあわせて12月17日(金)より、文化勲章受章・開館5周年記念図録を限定発売。絹谷藝術の原点となる初出品のアフレスコ7作品に加え、東京・青山の国立総合児童センター「こどもの城」に描いた壁画を、「ストラッポ」と呼ばれる技法で壁から剝がしとりキャンバスに移し替えた20連作もの大作『アラベスク』を色鮮やかな図版とともに紹介する。さらに、絹谷幸二とアフレスコの出会い、国民的画家としてのあゆみに加え、アフレスコやストラッポの技法についてもビジュアル付きで解説。絹谷ファンのみならず、芸術愛好家必読の1冊だ。文化勲章受章・開館5周年記念特別展『永遠にあたらしい!! 人類最古の壁画技法アフレスコ』図録価格:1500円 サイズ: 240mm×260mm備考:72ページ/フルカラー(作品解説、アフレスコ・ストラッポ解説、年譜等)最新図録と入館チケットのおトクな割引入館引換券はチケットぴあにて特別限定発売中。■5周年記念図録付入館引換券大人2500円⇒1900円、学生2100円⇒1700円■記念図録(2種)付入館引換券(5周年記念図録・開館記念図録付き)大人3490円⇒2400円、学生3090円⇒2200円■図録のみの販売(チケットぴあ物販サイト)・5周年記念図録1500円・5周年記念図録1500円+開館記念図録990円⇒2000円ご購入はこちら※12月17日(金)12:00より発売開始
2021年12月17日元宝塚歌劇団月組トップスター龍真咲が2月、新感覚のクラシックコンサート『チェロ&ピアノ&ヴォーカル はるかそよかの音楽に恋して meets 龍真咲』を大阪で開催する。龍の本格的な舞台復帰は1年9カ月ぶり。「あ、歌いたい。今だ!」と直感したのが、今回初共演するチェロ奏者の姉・林はるか、ピアノ奏者で作曲家の妹・林そよかの演奏を9月のコンサートで耳にした時だったという。林姉妹と合同取材に応じた龍が、公演への意気込みを語った。チェロ&ピアノ&ヴォーカル「はるかそよかの音楽に恋して meets 龍真咲」~クラシックから宝塚歌劇ナンバーまで~ チケット情報「この2年間はいろんなことがあったと思うんですけど、少なからず自分の中にも積み重ねたストレスがあったのかなと。林姉妹の演奏を聴いて、自然と涙が溢れ出ました」。解放感と共に自然と歌への情熱が沸き上がった。「チェロとピアノという楽器の声と素敵な“三重唱”を奏でられたら」と、宝塚時代のナンバーなど珠玉のポップス5曲での共演をリクエスト。その後は、姉妹のクラシック演奏とヴォーカル入りのポップス演奏の2部構成で、とんとん拍子に企画が進んだ。龍との思わぬ巡り合わせに「未だに信じられません」と口を揃える林姉妹。とりわけ妹そよかは、宝塚歌劇の音楽を手掛けることが夢で10代の頃から作曲を始めた熱心な宝塚ファン。「宝塚が大好きで今日まで生きてきました。本当に光栄です」と喜びもひとしお。「それぞれの良さが奏でられたらいいなと、第1部では有名なクラシック曲をチェロとピアノのアレンジで。第2部ではシンプルな編成ですが、龍さんの素晴らしい歌声を壮大なオーケストラのように奏でることができたらいいな」と、新編曲に腕を振るう。そよかは他に、その場で観客のお題に応えるピアノ即興演奏コーナーも担当する。姉はるかは、合間のトークコーナーで趣味の鉄道音楽を披露するユニークな試みも。「例えば大阪環状線の新今宮駅ではドヴォルザーク作曲『新世界』が流れていたり。身近な鉄道音楽から、いろんな奏法や音色が出せるチェロの魅力も知っていただけたらと思っています。ちなみにドヴォルザークも鉄道ファンとして有名です」と、当日も思わぬプチ情報が得られそうだ。今年で宝塚の初舞台から20周年。この節目を「今後継続していく自分へのエール」と捉える龍に、表現者としてやってみたいことを問うと「作詞」との返答が。「宝塚の卒業コンサートで挑戦した時は日記みたいにしか書けなくて、センスがないことが発覚したんですけど(笑)。でも今は手作りのオリジナル曲もほしいなと思うので、20年の節目にちょっと書いてみようかな」。ファンには、2月のコンサートを皮切りに「今後はもう少しみなさまに近寄ってコミュニケーションできる場をいろいろと設けていきたいと思っています」とメッセージを送った。公演は2月19日(土)14:00からサンケイホールブリーゼにて。チケットは12月18日(土)一般発売。取材・文:石橋法子
2021年12月16日年末の風物詩「第九」。多くの外国人指揮者が来日できない中、東京交響楽団音楽監督ジョナサン・ノットが2021年12月28日、29日の「第九」2021へ予定通り出演することが決定。一方、外国人歌手4名については、日本政府による新型コロナウイルス感染症に係る入国制限により出演を見合わせる事になった。代わって、盛田麻央(ソプラノ)、金子美香(メゾソプラノ)、小原啓楼(テノール)、甲斐栄次郎(バリトン)の出演が決定。12月28日(火)公演のチケットはチケットぴあで12月23日(木)23:59まで販売中。予定枚数終了次第、販売終了となるので、お見逃しなく。※12月29日(水)公演は予定枚数終了。《東京交響楽団 特別演奏会「第九」 2021 》2021年12月28日(火) 18:30開演 サントリーホール2021年12月29日(水) 14:00開演 サントリーホール指揮=ジョナサン・ノットソプラノ=盛田麻央メゾソプラノ=金子美香テノール=小原啓楼バリトン=甲斐栄次郎合唱=新国立劇場合唱団合唱指揮=河原哲也ほか[曲目]ベートーヴェン:交響曲 第9番「合唱付」
2021年12月16日朗読劇『よろず占い処 陰陽屋春らんまん』が2022年3月6日(日)、なかのZERO 大ホールで開催されることが決定した。原作は、累計発行部数130万部を超える大人気小説『よろず占い処陰陽屋へようこそ』シリーズ(天野頌子・著)。2022年に発刊15周年を迎え、クライマックスに向けて盛り上がりを見せている。本公演は2年ぶりの有観客での上演。全13巻の原作の中から選りすぐりの物語に、朗読劇ならではの脚色を加えたスペシャルバージョンとなる。キャストには諏訪部順一や松元惠、小野友樹、遊佐浩二らの豪華声優陣が集結。さらに朗読劇以外にも原作者・天野頌子による書き下ろし作品の朗読や、毎回恒例のメインキャストによるアフタートークも準備されている。なお、12月18日(土)より、最速抽選先行販売の受付が開始される。■公演情報朗読劇『よろず占い処 陰陽屋春らんまん』2022年3月6日(日)昼公演:開演15:00 / 夜公演:開演18:00(予定)※開場は開演時間の30分前を予定会場:なかのZERO 大ホール
2021年12月16日2021年の7月から9月にかけて放送されたTVアニメ『かげきしょうじょ!!』のスペシャルイベントが12月12日、東京・一ツ橋ホールにて開催された。『かげきしょうじょ!!』は大正時代に創設された「紅華歌劇団」に入団する人材を育成する「紅華歌劇音楽学校」を舞台に切磋琢磨する少女たちの姿を描いた作品だ。この日のイベントには、主人公・渡辺さらさ役の千本木彩花、奈良田愛役の花守ゆみりをはじめ、杉本紗和役の上坂すみれ、星野薫役の大地葉、山田彩子役の佐々木李子、沢田千夏役の松田利冴、沢田千秋役の松田颯水、里美星役の七海ひろきと、メインキャスト陣が勢揃い。それぞれ役を彷彿とさせるヘアスタイル、かつ役柄でも双子役ながら本人たちも双子という松田姉妹はお揃いのワンピースで登場!実はアフレコは分散収録だったため、これまで全員が一緒に顔を合わせることは一度もなかったようで、この日の対面にキャスト陣がまず感無量の様子。イベントはまず、キャストが選ぶ名場面紹介からスタート。昼の部では千本木、上坂、佐々木、利冴の4人が思い入れのあるシーンをそれぞれ選んだが、佐々木が選んだ山田彩子が退学を決意するものの教師・小野寺に説得されるという名場面で、登壇者の多くがまさかの大号泣。司会の天津・向の計らいで涙を拭う「タオルタイム」がもうけられるというハプニングが発生。宝塚音楽学校出身の七海ひろきがひときわ涙を流していた姿も印象的だった。クリスマスにちなんだシチュエーションに合わせて“幸甚指数が上がるような”男役のセリフを披露するという「クリスマス男役オーディション」では、上坂が「モスクワから緊急帰国した謎の職業の彼」という設定を繰り出しロシア語を披露、会場を沸かせる。制限された表現でアニメの場面を再現する「五感で感じ取れ!全力表現カリキュラム!」ではキャスト陣が普段見ることのできないマイムや限られた言葉での表現に奮闘するものの、千本木や花守ら出演者が見事なスピードで場面を当てていき、作品への思い入れの深さを感じさせる結果に。最後のコーナーは通常と違うキャストでのシャッフル生アフレコ。しかしさらさと里美の運動会シーンで七海はそのまま、さらさは一時期は宝塚の男役を目指していたという佐々木で演じられ、佐々木の七海への思いが爆発(!?)する様に客席が大盛りあがりする場面も。イベントの最後、挨拶で千本木が「『かげきしょうじょ!!』という作品を知れたことも人生の中で大きなポイントだったし、たくさんのことを教えてもらった座組であり作品」と語った『かげきしょうじょ!!』。その言葉に現れているように登場人物全員の“作品愛”が伝わってくる、終始笑顔に溢れたクリスマスイベントとなった。アーカイブ視聴が可能なオンライン配信チケットは、12月18日(土)21:00までぴあにて発売中。取材・文:川口有紀
2021年12月15日2016年から開催されている、岡田浩暉プロデュースのミュージカルコンサート『I Love Musical』。シリーズ第7弾となる今回は、デビュー30周年を迎えた岡田の節目を祝う楽曲にキャストが勢揃いした。初日の約3週間前、発起人である岡田本人に現在の心境を尋ねてみる。1991年にデビューし、To Be Continued名義で発表したシングル「君だけを見ていた」が俳優として初出演したドラマ『もしも願いが叶うなら』(TBS系:1994年)の挿入歌として大ヒットを記録した岡田。コンサートにはこのドラマで共演したミュージシャンの浜崎貴司が初登場し、「彼とのデュエット含め、ブチ抜きで数曲歌うコーナーを設けています」と岡田の門出に華を添えるという。岡田は、浜崎に対する想いを「同い年でアーティストとしての活動時期も近く、親近感があるんですよね」と語る。続いて「過去・現在・未来にわたっていろんなことを話せる人で、ミュージカル俳優“ではない”僕の側面を引き出してくれる存在ではないでしょうか」と期待を寄せた。折しも今年は岡田がTo Be Continuedを再始動させたタイミングでもある。もちろん、本コンサートには「ミュージカルの敷居を下げ、老若男女たくさんの方に楽しんでもらいたい」という岡田の企画意図も根底に横たわっている。その面を担うのは『I Love Musical』シリーズに出演経験のある石井一孝、泉見洋平、今拓哉、戸井勝海、彩乃かなみ、紫吹淳、沼尾みゆき、林愛夏、北翔海莉(男女別五十音順)といったキャストの面々だ。日替わりで出演する彼らとは“即興”でミュージカルナンバーをつくる目玉企画が用意されている。これは「観客の皆さんにミュージカルを身近に感じてもらうためには“目の前で生まれる瞬間”をお見せすればよいのでは」「いま感じたことが歌になる、というミュージカルの原型を体感してもらいたい」という岡田の考えから。お題の提供方法や作詞・作曲術、歌唱順など鋭意検討中だそうだ。ライブ感あふれる取り組みに、普段とは異なるキャストの表情が垣間見られるだろう。ミュージカルや映像の俳優経験は、歌い手としての岡田にどんな影響を与えたか──。最後にそう尋ねると、「発声法や歌詞の解釈がアーティスト時代より豊かになった」と岡田は笑う。「演じて歌う時は自分を殺すのではなく、役との共通点を常に探しています」「いろんなキャラクターを演じたことで、僕自身の在り方が問われるアーティスト活動の引き出しが増えた気がします」と続き、相乗効果のありがたさを語った。「KOHKI OKADA PRESENTS『I Love Musical 2021』~岡田浩暉デビュー30周年記念~」は、12月24日(金)~26日(日)に東京・第一生命ホールにて。ぴあでは座席指定できるチケットを販売(12月20日まで)。12月21日以降は各公演前日23:59まで購入できる当日引換券を販売する。取材・文:岡山朋代
2021年12月15日東京芸術劇場のリサイタル・シリーズ「VS」(ヴァーサス) 第3弾、塩谷哲と大林武司のピアノ・セッションによる公演が2022年3月25日(金)に開催されることが決定した。リサイタル・シリーズ「VS」は、「ピアノ・デュオ(2台のピアノ)演奏」によって、ふたりの異なる個性を持つピアニストがぶつかり合う、新しい形のリサイタル。その第3回目となる公演では、ジャズ界のみならず多彩な活動で音楽界を走り続ける塩谷哲と、NYを拠点とし、MISIAのバンドマスターとしても活躍する大林武司が登場する。ふたりの出会いは大林の出身地・広島で開催された塩谷のコンサート。大林は塩谷の演奏に感動を受け、楽屋を訪れた。そこで塩谷からエールをもらったことが、アメリカ留学の後押しのひとつの要因となったと大林は語っている。そんなふたりが約15年の時を経て、“ピアニスト”と“ピアニスト”として、舞台の上で初共演を果たすことになった。東京芸術劇場のステージで、ピアノを通し、対話するように楽譜も筋書きもないパフォーマンスを披露するふたり。誰も予想できない熱狂的な空間をぜひ、会場で体感してほしい。チケットは好評発売中。■公演概要東京芸術劇場 リサイタル・シリーズ 「VS」Vol.3SHIONOYA Satoru × OHBAYASHI Takeshi2022年3月25日(金) 19:00開演会場:東京芸術劇場 コンサートホール
2021年12月13日アルカラとcinema staffの、3年ぶりとなる『A.S.O.B.i TOUR』が開催決定。今回は、3月14日(月)兵庫・ART HOUSE、3月15日(火)香川・DIMEの2会場でのショートツアーとなっている。「アルカラ/cinema staff」チケット情報盟友ともいえる2組の化学反応をライブハウスで!12月14日(火)12:00から25日(土)23:59まで、チケットオフィシャル先行(抽選)受付を実施。
2021年12月13日“ダンス×演劇×J-POP”を掛け合わせ、セリフを使わず身体表現をメインに物語を立ち上げるダンスエンターテインメント集団・梅棒。彼らの最新作、梅棒 13th“RE”WORK『風桶』が12月17日(金)に東京・本多劇場にて開幕する。初日を約3週間後に控えたタイミングで、その稽古場に潜入した。全公演満員札止めの好評を博したという梅棒 5th WORK sideB『風桶』(2016年)をパワーアップし、再演する本作。行方不明の兄を捜す科学者の弟が現代と江戸時代にタイムスリップ、大ファンのバンド・「夜桜前線」を巻き込みながら、気弱な傘売りや見習い芸者など個性豊かな町人たちと繰り広げる騒動が描かれる。兄弟やバンドの運命はいかに──。梅棒作品において、ストーリーの行方やキャラクターの心象風景を打ち出すのに欠かせないのが“J-POP”の存在だ。シーンに合った絶妙な選曲にうなり、新作が上演される度にセットリストをつくって復習する常連ファンも少なくない。取材日はこの楽曲ごとに振付や段取りをかためていく稽古スタイルが取られていた。まず一度やってみて、作・総合演出を手がける伊藤今人のディレクションを経る。その前後を比べると、いずれもグッと魅力が高まるのだ。曲が終わると、伊藤は必ず演出席から離れてステージにいるキャストの間に分け入る。歌詞がすべて頭に入っているのか、メロディを口ずさみながら実演して踊ってみせると周りには自然とキャストの輪ができた。特に印象的だったのは、男性が女性の体を高く掲げるリフトを控えたキャスト二人に投げかけた「お待たせいたしました級に“ねっとり”入っていきましょう」という伊藤のワードセンス。その演出後、二人の動きはより粒立って精度が上がっていた。キャラクター紹介を兼ねるオープニングの稽古では、パフォーマンス前に「初めてお客さんの前に姿を現すわけだから、演じる役の人柄やキャラクターの関係性を伝えるつもりで自分を演出しながら踊ってみて」と伊藤からカンパニー全体に向けたアドバイスが送られた。すると、梅棒メンバーから「これ(劇中の重要アイテム)をオープニング段階から手にした方がよいか」と質問が。これを機に伊藤のもとには次々と提案が舞い込み、どんどんブラッシュアップされていく臨場感もうかがえた。キャストには梅棒メンバーの梅澤裕介、鶴野輝一(Wキャスト)、遠山晶司、塩野拓矢、天野一輝、野田裕貴、多和田任益に加えて、渡辺みり愛、松浦司、まりゑ、松浦景子、YOU、正安寺悠造、長谷川敬タ、eat、Naoki、hirokoboogie、ひこひこ(Wキャスト)が名を連ねている。東京公演は12月30日(木)まで。その後、2022年1月7日(金)~10日(月・祝)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、1月20日(木)・21日(金)に愛知・名古屋市芸術創造センターと巡演する。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2021年12月13日ネルケプランニング発のアイドルステージ最新作『GS382 ─暁の章─』が、12月9日に開幕。これに先駆け、報道陣向けにゲネプロが公開された。これまで「少年ハリウッド」「プレゼント◆5」「三日月」「CHaCK-UP」「アンプラネット」といったアイドルグループを世に送り出し、ミュージカル『刀剣乱舞』などで知られる佐藤流司ら人気俳優を多数輩出してきた本シリーズ。今回は、前作『プライムーン』(2021年1月)に初登場した加賀深友、焼田侑弥、富蛇野 仁からなる3人組ユニット「GS382」の結成秘話が明かされる。舞台は“STAGE(芝居)×LIVE”の二部構成。第一部では“劣等生”という共通項しかなかった3人が友情を育み、アイドルとして伝説をつくろうと決意するまでが綴られた。伝統工芸をこよなく愛する彼らは、通っている職人養成の専門学校で15回も落第してしまう。落とした単位の救済措置として伝統工芸を流行させる課外活動を命じられるも、腰は重たい。アイドル喫茶オレンジへ入り浸るそんな3人に、マスター兼「プレゼント◆5」のメンバー・茅嶋 暁は「アイドル活動で伝統工芸の魅力を発信してみては?」と提案する。他メンバーに相談せず衣裳をつくってしまうほど協調性に欠ける深友、内気だがプライドの高い長髪メガネ姿の侑弥、「〜であります」が口癖の金髪オタク・仁はそれぞれ個人主義で団結力が一切ない。しかし成績優秀な同級生・一橋キリコを介して出会ったYouTuberから深友の衣裳を粗末に扱われたことを機に、3人は互いを支え合う“仲間”の大切さを思い知って──。第二部のライブパートでは、「GS382」として絆を深め精神的な成長を遂げた3人の進化がうかがえた。ポンコツぶりはなりを潜め、深友はワイルドに、侑弥は紳士的に、仁は無邪気にそれぞれの“なでしこ”(GS382ファンの総称)に向けて魅力を放つ。公式YouTubeのドルステ☆チャンネルで公開されている楽曲「まほろば」はもちろん、新曲「威風堂々」では情熱的なパフォーマンスを繰り広げた。ライブには、深友・侑弥・仁の「GS382」に先立ってすでに人気者となっているアイドルユニット「プライムーン」の赤河 望・青羽 朔・浅黄 宵の3人も登場。白を基調とするプリンス然とした衣裳で優雅に登場し、「Prime of the moon」のほか、新曲「Moonlight Serenade」で客席を湧かせた。両ユニットが競演するクリスマスソングでは、ペンライトを胸に大いに盛り上がれるだろう。公演は12月26日(日)まで。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2021年12月10日A.B.C-Zが主演を務める舞台、『ABC座 ジャニーズ伝説2021 at Imperial Theatre』が、12月7日(火)にABC座初の東京・帝国劇場にて開幕した。本作の演出は滝沢秀明氏の指名を受け、主演であるA.B.C-Zが務める。1幕では「初代ジャニーズ」の4名とジャニー喜多川氏のエピソードをA.B.C-Zが演じ、2幕では選曲は河合郁人が行ったという恒例のジャニーズメドレーを11月にデビューしたばかりのなにわ男子の曲も加えた全28曲披露した。今回は7 MEN 侍が現代と1960年代の世界を自由に行き来しながら、若いメンバーにもジャニーズの伝説とスピリッツが受け継がれていく過程を描く新演出も加わった。公開ゲネプロ後、演出・主演を努めたA.B.C-Z、出演した7 MEN 侍、今回特別出演する佐藤アツヒロが会見に応じ、塚田僚一は「思い出が詰まった劇場で座長ができることに感謝の気持ち。後輩たちにもこの舞台に立ってよかったと思ってもらえるように頑張りたい。」と意気込んだ。昨年ABC座では新型コロナ感染対策のためアクロバットを中止していたが、本作では帝国劇場の舞台機構を使用した「5STAR」のアクロバットが復活。河合は「12月に合わせてクリスマスツリーに見立て、おしゃれにした。」と言いつつも年々怖くなっていると本音も。会見では7 MEN 侍の中村嶺亜はこの舞台を通じて「CDデビュー、そしてその後のどんどん輝く夢を追いかけている中で天国からジャニーさんが背中を押してくれているようだ」と話し、矢花黎は「ジャニーズ伝説をこれまで家族で見に来ていた。そこに自分が立てることが嬉しい。」と喜んだ。今まで一緒に観ていた家族に客席から見てもらえるということで壮大な授業参観のようです、と話し会場の笑いを誘った。恒例の1年を振り返り今年を漢字一文字で表すと、と問われるとA.B.C-Zは「叶」と発表。このコロナ禍でもコンサートが一度も中止にならず、お客様の感染対策の上帝国劇場でも公演が叶ったと感謝した。『ABC座 ジャニーズ伝説2021 at Imperial Theatre』は7日から同21日まで帝国劇場にて上演中。チケットは全日程即完売となっている。
2021年12月09日「KIRARI SHOW ACT☆PARADISE THEATER 夜想曲 ノクターン」が12月5日(日)に東京・博品館劇場にて開幕。初日に先駆けゲネプロが行われた。公演はDIAMOND☆DOGSならではのソング&ダンスで行われる「ショーアクト」。ダンス、歌唱ともに実力派が揃うDIAMOND☆DOGS、さらに元宝塚歌劇団の星組トップスター・北翔海莉を迎え、川原一馬、長澤風海、小寺利光、若松渓太と豪華出演者で送る今作。2.5次元作品、ストレートプレイ、ミュージカルなど様々な作品を手がける宇治川まさなりが脚本・演出を手掛けるオリジナル作品だ。舞台は架空の街・トーキョーにある闇カジノ「夜想曲」。その「裏」の世界に訳ありの男たちが集められたところから物語ははじまる。集められたのは「夜想曲」の客で、多額の借金を持つもの。そしてその「夜想曲」のオーナーら、また「夜想曲」の歌手、彼女につながりがあるものたち……様々な背景を持ちながらに、現在の状況を「やり直す」ために、ある大きな計画に協力することになる。DIAMOND☆DOGSとしてはもちろん、様々なミュージカル作品でも活躍する東山はこの計画の首謀者であり、ある復讐を果たそうとしているレオ役を好演。演技だけではない「ショーアクト」スタイルで、計画や過去に葛藤を抱える難役に挑んでいる。そして北翔が演じるのはミステリアスな雰囲気を持つ紅一点・アリエス役。劇中でも披露される美しい歌唱はもちろん、今回の出演メンバーとともに披露される群舞でのカッコよさは健在。北翔ならではの紅一点・歌姫役となっている。今回は「ショーアクト」と名付けられている通り、間に様々なジャンルの歌、ダンスが加わりストーリーを盛り上げていく。オープニングでの群舞からはじまり、フラメンコ、タップとジャンルレスなD☆Dならではのパフォーマンスは楽しめること請け合いだ。個性豊かな登場人物の名前は12星座から来ており、それぞれのキャラクターのバックグラウンドと関係性が交錯しあい、紡がれていく物語は宇治川ならでは。本作のキャッチコピーでもある「哀しき男達の欲望・嫉妬・裏切り…そして夢が降る」、男たちの行く末、そして物語の結末はぜひ劇場で確かめてほしい。公演は12月12日(日)まで、東京・博品館劇場にて。12月6日(月)、7日(火)、9日(木)の夜公演には、公演終了後にアフタートークも実施する。
2021年12月07日2020年初演のミュージカル『ボディガード』が新春公演として再演される。90年代にケビン・コスナー&ホイットニー・ヒューストン主演で大ヒットした映画の舞台化。グラミー賞受賞曲『I Will Always Love You』をはじめ、数々の挿入歌を日本語歌詞でお届けする。ヒロインの人気ポップシンガー、レイチェル役は柚希礼音、新妻聖子に、再演では新たにMay J.が加わりトリプルキャストに。ボディガード、フランク役は大谷亮平が続投する。初演はコロナ禍に見舞われ、大阪公演5回の上演にとどまった。前作が初舞台となった大谷亮平が取材会で再演への意気込みを語った。ミュージカル「ボディガード」チケット情報初舞台は「思ったより冷静だった」と振り返る大谷。「稽古では不安と緊張が頭を巡っていましたが、本番の舞台では結構お客さんの反応が見えるなとか。冷静にスタートが切れたと思います」。同時にミュージカルの醍醐味を感じる瞬間も。「芝居パートの合間に曲やダンスが入ることで自分が勝手に感化され、盛り上がっていることに非常に驚きました」と観客同様、柚希礼音や新妻聖子のダイナミックなパフォーマンスに圧倒された。「柚希さんは元宝塚トップスターらしく男性の圧にも引けを取らないパワーをイメージしていましたが、じつは女の子っぽくてキュートで可愛らしい。一方、小柄で女性らしいイメージだった新妻さんは、サバサバとしていてリーダーシップがあり、想像以上に強気なレイチェルでした」。ふたりのギャップに魅了され、「役として愛するうえでもすごくプラスになりました」と実感する。May J.にもまた違った魅力を感じるといい、「相手が変わることで僕も毎回刺激的に取り組めるので嬉しいです」と笑顔を見せる。フランク役として追求したのは「恋してもらえるカッコよさ」。「『世界中の女性が恋をした』という映画のフレーズに恥じないようにとの思いもありました。今回も素敵だなと思っていただけるように演じ切り、心に残る作品をお見せしたい」と語る。見せ場のひとつが、映画のポスターにもなったレイチェルを暴漢から救う“お姫様抱っこ”のシーンだ。「やはりキメのカッコいい場面なので、あそこでふらつくわけにはいかない。全30回公演で3人の女性それぞれに対応できるよう、スクワットで鍛えています(笑)」。再演の舞台は年明けに開幕する。「カンパニー一同、初演からの約2年間で積み上げたものを活かし、よりよい作品をお届けしたいという思いがすごく強い。とにかくそれを観て感じてほしいなと思います」。公演は2022年1月21日(金)から31日(月)まで梅田芸術劇場メインホール、2月8日(火)から19日(土)まで東京国際フォーラムホールCにて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年12月07日2022年2月に東京と大阪で、多方面で話題に事欠かないCreepy Nutsのツーマンライブが開催される。このイベントはライブナタリーが企画する2022年幕開け公演となる。1本目は、2月4日(金)にCreepy Nutsの地元・大阪のオリックス劇場にて。1月には関東でCreepy Nuts主催のイベントにも招くほど、今競演をしたいと思わせるWANIMAが出演。大阪では初となるこの競演ライブは必見だ。2本目は、2020年3月に開催予定だったCreepy Nutsとウルフルズのツーマンライブを、約2年の時を経て開催。2月18日(金)、東京・中野サンプラザを舞台に、熱望された競演が実現される。12月19日(日)23:59まで、両公演のチケット最速先行(抽選)を受付中。
2021年12月07日クリスマスのバレエ作品と言えば『くるみ割り人形』。毎年12月に多くのバレエ団が上演するが、芸術監督・熊川哲也が率いるKバレエ カンパニーの『くるみ割り人形』は豪華で美しく、2005年の初演以来、子どもも大人もワクワクさせるファンタジー超大作として人気が高い。Daiwa House PRESENTS 熊川哲也 Kバレエ カンパニー 「くるみ割り人形」 Winter Tour 2021チケット情報物語は19世紀初め、ねずみたちとの争いの中で魔法をかけられた人形の国。魔法を解くカギとなる少女クララは、人間界から人形の国へ時空を超えた愛と冒険の旅に出て…。今回の大阪公演は主要キャストを替えて2ステージを上演。魔法でねずみに変えられるマリー姫を、今年Kバレエデビューした注目の日高世菜(※高ははしごだかが正式表記)と飯島望未がダブルキャストで演じる。西宮出身の日高、大阪出身の飯島のふたりが、見どころや意気込みを語った。まずは日高世菜。ワガノワ・バレエ・アカデミーで学び、ルーマニア国立バレエ団とアメリカのタルサ・バレエ団のプリンシパルを経て、1月にKバレエにプリンシパルとして入団。熊川は「踊りに別格の芸術性を感じる、完璧なバレリーナの象徴」と絶賛する。また飯島望未は、アメリカのヒューストン・バレエ団でプリンシパルとして活躍し、シャネルのビューティーアンバサダーも務めている。Kバレエにはゲスト出演を経て8月にプリンシパル・ソリストとして正式入団。「非常にドラマティックなダンサー。優れた演劇性を特に高く評価しています」と熊川の期待を担う。今回は「私は身長が高いので、舞台を大きく使って大きな動きでみせるところをご覧いただければ」(日高)、「お姫様なので凛としていて、でも温かさもあるマリー姫を演じられたら」(飯島)と話す。巨大化するツリー、人形とねずみたちの大バトル、銀世界で舞い踊る粉雪たち…。熊川版『くるみ』の魅力は?「ストーリーがすごくわかりやすくて、子どもから大人までどなたでも作品に入り込んで楽しめます。特に舞台転換の演出や舞台美術、衣装も含め、すべてがとても豪華です」とふたり。久しぶりの地元関西で「フェスティバルホールの公演はよく観ていましたが、自分が舞台に立つのは初めてですごく楽しみ」と、家族や友人を客席に、憧れの舞台に立つ喜びを語る。「温かい気持ちや幸せな気分になれる、夢のある作品だとすごく思うので、ぜひ観に来ていただけたらうれしいです」(日高)。「少しでも芸術やファンタジーの世界に触れて、心を豊かに素敵なクリスマスを迎えていただけるよう頑張ります。お客様を通して私たちも夢を与えていただいているので、それを舞台上で共有できたら。12月、日本で一番熱い場所にします!」(飯島)熊川哲也 Kバレエ カンパニー『くるみ割り人形』は、12月10日(金)、大阪・フェスティバルホールにて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2021年12月07日COCOON PRODUCTION 2021『泥人魚』が、12月6日に開幕。これに先立ち、報道陣向けのプレスコールが行われた。唐十郎が自身の率いる劇団唐組で2003年に初演し、第55回読売文学賞 戯曲・シナリオ賞、第38回紀伊國屋演劇賞、第7回鶴屋南北戯曲賞、第11回読売演劇大賞の優秀演出家賞を獲得した本作。新宿梁山泊の金守珍が演出を手がける今回の上演版には、宮沢りえ、磯村勇斗、愛希れいか、風間杜夫らがキャスティングされた。プレスコールで公開されたのは、1幕ラストの約20分間。干拓事業の賛否に揺れる長崎の諫早漁港を去った蛍一(磯村)は、まだらボケの詩人・静雄(風間)が店主を務める都会のブリキ店に身を寄せる。そこへ蛍一とかつて一緒に働いていた同僚・しらない二郎(岡田義徳)、二郎に長崎行きを指示したとある会社の秘書室長・月影小夜子(愛希)、「ヒトか魚か分からぬコ」と呼ばれるヒロイン・やすみ(宮沢)が次々と訪れる。少女時代に“ガン”という漁師から海で助けられ、その養女となったやすみ。「人の海の貯水池で、言ったとおりの人魚になれ」という約束を果たしに上京してきた彼女の太ももには、魚の鱗を思わせる桜貝が貼りついていた。宮沢は「言葉を握りしめ突き進んできた」と稽古を振り返るように、唐戯曲の最たる特徴といえる詩情豊かなセリフ回しをほとばしるように熱っぽく体現。ピュアな瞳で蛍一に向き合うさまは、ストーリーが大きく動き出すであろう2幕への期待を膨らませる。対する磯村は“受け”の演技で応戦。プレスコールで披露された以外のシーンに見せ場があるのか、「夢の中のようなファンタジーの世界へと導かれたと思ったら、突然現実を突きつけられる」「唐さんの描く『美しさ』『純粋さ』が波飛沫となってお客様の心に届くのではないか」とコメントした。『下谷万年町物語』『盲導犬』『ビニールの城』に続いて唐作品4本目となる宮沢に刺激をもらいながら、アングラ演劇で存在感を残す姿に期待したい。ストレートプレイ初挑戦となる愛希は、男装の麗人姿で新境地を見せる。「月の裏側を熟知している」と言ってのけるほど漢気あふれる強烈な小夜子の人物像や作品世界に染まっているさまは、宝塚歌劇月組トップ娘役を務めていた時代や退団後に出演していたミュージカルでの立ち姿と明らかに一線を画していた。上演時間は、約130分(休憩含む2幕)。公演は12月29日(水)まで、東京・Bunkamura シアターコクーンにて。ぴあでは、座席指定できるチケットを販売中。取材・文:岡山朋代
2021年12月06日関西テレビの人気ドラマ「大阪環状線」を舞台化した、シリーズ第2弾『大阪環状線 大正駅編~愛のエイサープロポーズ大作戦~』が大阪松竹座で上演される。主演の今江大地(関西ジャニーズJr.)、ヒロインの阿部純子、共演の小柴陸(AmBitious/関西ジャニーズJr.)、小川菜摘、ドラマ版の制作も手掛けた演出の木村弥寿彦の5人が取材会で意気込みを語った。『大阪環状線 大正駅編 ~愛のエイサー プロポーズ大作戦~』チケット情報実家が沖縄居酒屋という音楽教師の亮太(今江大地)は、廃部の危機にある吹奏楽部を救うため、クリスマスコンサートのゲストにIT社長と婚約した話題の女優、美咲(阿部純子)を呼ぶことを思いつく。幼馴染でもある美咲に思いを伝えられずにいる亮太に気を揉む母の麗(小川菜摘)。そんな折、5名いる部員のひとり、島田空晴(小柴陸)が行方知れずとなる。「チラシには書かれていないのですが……」と、じつはミュージカル仕立ての作品になるという演出の木村。「皆さん踊りがうまいので、稽古を見ていたらどんどん楽しくなってきて。今江さんはかなりの美声で驚きました」。現在、予想外に歌とダンスが増殖中。中でもクリスマスコンサートの場面は「サプライズ演出もある。一番の盛り上がり!」と自信を見せる。美声を褒められた今江は、「先日出演した初ミュージカル『ドッグファイト』でもっと自由に歌っていいと学んだので、今回も自分らしく楽しく歌いたい」とし、トランペットによるソロ演奏があることも明かされた。本作が初舞台の阿部は大のミュージカルファン。「歌もダンスも初めて。沖縄民謡のエイサーも歌わせていただくので、緊張していますが頑張ります」。冒頭でギャグを披露し場を和ませたムードメーカーの小柴は、トランペットとサックスの“二刀流”に初挑戦。練習を重ね「今は『チューリップ』と『かえるのうた(かえるの合唱)』は吹けるようになりました」。社交ダンス風の振付にも挑むなど、多方面で新境地を開拓中だ。先日、なにわ男子の藤原丈一郎から「今江と小柴をお願いします」との連絡を受けたという小川。「私も息子が2人いますので、バシバシ可愛がってあげようかな」と、明るいお母さん役を地で行くコメント。見どころには「人との繋がり」を挙げる。「それが親子、兄弟、友達であったり、とても温かく描かれている。観終わった後に、自分の大事な人たちと会いたくなるんじゃないかな」。実際に教員免許を持つ今江が、教師役に挑む最新作。「自分の思いを伝えることは大切なことなんだというのが分かる舞台だと思います。中学生の頃からお世話になっている大阪松竹座のステージの真ん中に立てるのはすごく嬉しいこと。精一杯楽しみたいと思いますので応援のほどよろしくお願いいたします」と、晴れやかな表情で決意を語った。公演は12月11日(土)から25日(土)まで大阪松竹座にて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年12月06日2022年1月23日(日)ワールド記念ホール(神戸ポートアイランドホール)にて、ライブイベント『SOULFUL - GO LIVE , GO GREENS -』が開催される。『SOULFUL - GO LIVE , GO GREENS -』チケット情報出演アーティストは、Saucy DogとHump Back。曲が、声が、心に寄り添い、時には感情が揺さぶられる。2組のアーティストによる魂のこもったライブがアリーナの空間に響き渡る。チケットは、1月8日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、12月13日(月)23:59までオフィシャル先行(抽選)を受付中。
2021年12月06日北海道から全国に広がったバラエティ番組『水曜どうでしょう』(HTB)の“ミスター”で知られる鈴井貴之のプロジェクト・OOPARTSの最新作『D-river』が2022年2月に上演される。作・演出を手がけ、自ら出演する鈴井の構想に耳を傾けた。プロジェクト第6弾となる本作は、「人間とAIの共存」をテーマにした物語が繰り広げられる。高額な報酬のもと集まった3人の男は目的や到達地点を知らされず、指示されるがまま自動運転機能が搭載された車に乗り込む。それぞれの疑念を胸に発進するドライバーのうち、1人はロボットだ。「最新の人工知能を携えたロボットがハンドルを握ったら」というミッションを検証するために集められた男たちは、募る猜疑心をますます加速させる。テーマは、鈴井自身の「車の“完全”自動運転はすでに実現しているかもしれないが、一気に舵を切ると仕事を失くす人たちが現れるなど社会が大きく変わってしまう。だからどこかの機関が技術躍進を制御しているのでは」という仮定が着想の大きなポイントになっている。「何が真実かわからない世の中で自動車を中心軸に置き、進歩の裏で暗躍する人たちや翻弄される切ない存在を描きます」と聞くとシリアスな展開を想像するが、同時に「目指しているのは抱腹絶倒のコメディ」とも語る。渡辺いっけい、田中要次、竹井亮介、大内厚雄、藤村忠寿は「OOPARTS」作品に出演経験があり、温水洋一は鈴井演出のドラマに出演、舟木健は同じ事務所(クリエイティブオフィスキュー)と“勝手知ったる”仲だ。「出方を探り合っている『初めまして』の時間がもったいない。互いのスタンスを知っている人たちと『久しぶり、じゃあ早速やろうか』とすぐに始めたいんですよね」とせっかちな一面も見せる。『水どう』で裏方のディレクターながら抜群の存在感を発揮し男4人の旅路を盛り上げるHTB(北海道テレビ)の藤村とは、もはや“盟友”と言ってよいだろう。OOPARTSプロジェクト第1弾を除いて皆勤賞の藤村について、鈴井は「キャスティングされることに何の疑いも持っていない、出さなかったら関係に亀裂が入って、『水どう』が暗礁に乗り上げるでしょうね(笑)」と苦笑しつつ、信頼関係も覗かせる。鈴井自身の役どころは、自動運転の技術を開発したメーカーの権力者だ。「ドラマの『半沢直樹』(TBS)で香川照之さんが演じた役のようなヒールに徹します。メーカーの下請け工場に“圧”をかけまくるので、前作で演じたリストラの憂き目に遭って抑圧された元ヤクザより弾けたいですね」と“暗躍”を誓った。公演は、2022年2月5日(土)~13日(日)に東京・サンシャイン劇場にて。その後、2月18日(金)~20日(日)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、2月25日(金)~27日(日)に北海道・道新ホールと巡演する。チケットの一般発売は、12月4日(土)10:00よりスタート。■チケットぴあでの取り扱いは東京公演のみ取材・文:岡山朋代
2021年12月03日ソプラノ歌手の砂川涼子が、12月18日(土)に大阪のザ・シンフォニーホールでリサイタル「アヴェ・マリア~聖夜と月」を開催する。清涼な歌声と可憐な姿でファンを魅了するプリマドンナだ。砂川涼子(S) チケット情報「華やかなクリスマスからちょっと離れて、1年を静かに振り返り、新しい年を思う時間になればと思って、きらきらと輝く星ではなくあえて月と聖夜を合わせてみました。気分の良いときに見る月。ちょっと切ない気分で見る月。月を見るとき、私は自分の気持ち次第で見え方が違う気がするんです。月が感情に寄り添ってくれるというか。月をテーマに曲を集めてみたら、やっぱり素敵な作品がいっぱい。静かでしっとりした、でもドラマティックな歌が揃いました」と語る。ベッリーニやフォーレの歌曲からオペラ・アリアまで、月、そしてクリスマスにちなむ美しい歌が並ぶ。「幸せなことにオペラを中心に歌う機会をいただいてきましたが、この数年はコンサートに出演する機会を多くいただくようになりました。自分自身と、そしてピアニストの方と向き合いながら、繊細な表現や声のトーンを一生懸命工夫して、曲の素敵な雰囲気をお伝えできれば。とくに、あまり歌う機会がなかった関西のお客様方を身近に感じて歌えれば本当に幸せだなと思っています」。沖縄・宮古島の出身。子供時代のクリスマスは、南の島の暖かい冬の思い出。「イルミネーションやツリーの横にはハイビスカスが咲いていて、私たちも半袖なので、いわゆるクリスマスのロマンティックな雰囲気とはちょっと違うんです。だから都会で暮らす今でも、クリスマスに雪が降るとワクワクうれしくなってしまいます」。でも、遮るもののない島の空に浮かぶ月は、都会の月とは比べものにならないほど美しいのだと教えてくれた。彼女の歌う『月』も、その美しい輝きを放っているはずだ。絶対に聴き逃せないぞと思うのが、ドヴォルザークの歌劇《ルサルカ》のアリア『月に寄せる歌』。息の長いメロディがゆっくりと静かに盛り上がっていく愛の歌は、彼女の歌の美質にじつにふさわしい。また、彼女が来年1月に出演するびわ湖ホールの沼尻竜典の歌劇《竹取物語》のアリアをひと足先に聴けるのもうれしい。人気作曲家・加藤昌則がこの日のために編曲し直したというクリスマス・メドレーも楽しいに決まっている。共演は魔術のように多彩な音色を繰り出すピアニスト河原忠之。幸せな歌声に包まれて、清楚なクリスマスを過ごしたい。チケットは発売中。取材・文:宮本明
2021年12月03日