チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (53/342)
ミュージカルと手話との、素敵な出会い。そう感じた「A New Musical『ゆびさきと恋々』」の公開稽古。主人公は耳の聞こえない雪(豊原江理佳)。声を交わせない雪たちは、大切な人やモノへの心情を歌う。会話はないけれど、歌が重なり、人と人の思いが交差しあっていくことで、繊細に雄弁に表現される。稽古では、劇中歌『わたしの手・あなたの手』を披露。手話を交えた振付は、まるで言葉をダンスにしたようで、伝えたい思いがまっすぐに届いてくる。手が、人と人を繋ぐ。言葉は交わさなくても、指先で触れると、相手のことがわかる。手話(動き)とミュージカル(歌)の相乗効果で、登場人物たちの気持ちがより強く、全身で表現されていく。豊原は、作品に関わる前は「声を出せないのは不自由なんだなと感じていた」という。けれども今は違う。動きや表情や視線を丁寧に演じる。共演者で、雪の大学の先輩・逸臣を演じる前山剛久は「この作品をミュージカルにすると聞いた時には『映像の方が良いのでは?』と思ったが、心の声を表現できるミュージカルという形でやることにすごく意味があると思った」と自信を見せる。コロナ禍での上演もふまえ「僕は、医療は病気を治す仕事で、芸能やエンタテインメントは心を治す仕事だと思っていて。楽しいことがなければ生きていけない」と吐露し、「芸能って必要なんだよ、と伝えたい」と力を込めた。原作は、純粋な登場人物らを応援したくなる恋愛漫画。読んでみて「心の栄養いただいた」(上山竜治)、「ピュアな自分に戻れる時間」(青野紗穂)と、稽古場に柔らかい空気が流れる。そのうえで舞台版について、豊原は「マンガはキュンキュンした。でもやってみるとこうもマンガと現実は違うのかと」と難しさを感じている。しかし出演者らは「人間が演じることで身近に感じていただけたら」(池岡亮介)と、「雪が自分の力で世界を広げていく様子に、希望と、勇気と、本当にたくさんのものを(もらえる)。個性豊かで、魅力的な、人間味あふれるキャラクターに注目を」(林愛夏)と、「ミュージカルは心の声を歌にできる魔法」(上山)と、生身の人間が演じることの見どころを語った。演出の田中麻衣子の「原作を大切にしたい」との言葉より、漫画の魅力を大事にしたうえでのミュージカルである可能性に期待が高まる。公演は6月4~13日、東京・本多劇場にて。取材・文/河野桃子
2021年05月26日劇場での主催公演を中⼼に、嵐やAKB48等のアーティストライブ、「今日から俺は!!」や「NHK紅白歌合戦」等のテレビメディア、宝塚歌劇団や2.5次元舞台等での振付・演出でも活躍するダンスエンターテインメント集団「梅棒」。梅棒 12th WONDER 『おどんろ』チケット情報注目の最新作、梅棒12th WONDER『おどんろ』の全キャスト・公演スケジュールが発表された。既に発表されている映像・舞台で幅広く活躍する注目の俳優・小越勇輝に加え、梅棒初のヒロインキャストで2度目の出演となる梅田彩佳、ストリートダンスの世界大会である「JAPAN DANCE DELIGHT」を制する他、MCや振付師としても多方面で活躍する電撃チョモランマ隊のQ-TARO、過去の梅棒公演で何度も怪演を見せているパイレーツオブマチョビアン、世界的な女性アニメーションダンサーのNANOI、数々のダンスコンテストを制し、米津玄師等の有名アーティストのバックダンサーも数多くつとめるKurumi Shiina、世界初ダンスプロリーグ「D league」のオフィシャルチーム「Benefit one MONOLIZ」のメンバーとして活躍中のRiNnAの出演が決定!梅棒の梅澤裕介、鶴野輝⼀、遠藤誠、塩野拓矢、櫻井竜彦、楢木和也、天野⼀輝、野⽥裕貴、多和田任益の9名を加えた全16名で、この夏を熱くする妖怪大戦争を描く。7月30日(金)の東京・よみうり大手町ホール公演を皮切りに東京・大阪・愛知の3都市を巡り、梅棒公演としては過去最多の32ステージを上演。チケットは、6月5日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、5月26日(水)11:00まで大阪公演の先行抽選受付を実施中。
2021年05月24日毎年、サントリーホールを始め、全国でリサイタルを開催している及川浩治は、近年ますます充実した演奏活動を見せています。昨年は、ショパンの「雨だれ」やベートーヴェン交響曲 第5番「 運命 」ピアノ版〈 リスト編 〉などの名曲・大曲を披露し、『指が筆のように音を綴り、 まさにピアノの詩人のショパン節』(「音楽の友」2021年1月号)など絶賛を受けました。その及川浩治が、今年お贈りするのが《 「 ショパンの旅 」1999年 オリジナル版 》です。1999年ショパン没後150年に及川が企画した「ショパンの旅」は、ショパンの儚くも濃密な生涯を【 語り 】 と 【 名曲 】 で 辿 る 【 旅 コンサート 】というコンセプトで大評判となり、全国で3万5千人以上を動員するなど、クラシック・コンサートとしては破格の大規模ツアーを実現しました。及川浩治を不動の人気ピアニストへと押し上げた「ショパンの旅」は、その後2005年、 2010年、2014年と、内容を変えながら続けてきたシリーズです。今回は、その原点である1999年のオリジナル・プログラムを22年ぶりに再現します。「革命」「別れの曲」「華麗なる大円舞曲」「雨だれ」「小犬のワルツ」「英雄ポロネーズ」「舟歌」など名曲中の名曲全17曲で構成されており、ショパンの人生と、その音楽の素晴らしさを余すところなく体感いただけます。また同時に、オリジナル 版と向き合うことで、いまやベテランの域に達した及川が自分自身の原点を再び見つめなおす【 旅 】でもあります。22年前からずっと聴いていただいいる方も、今回初めて体験するという方も、ショパンの、そして及川浩治の魅力を存分に感じていただけるコンサートです。美しくも深遠なショパンの世界を、原点と向き合う及川の真摯な演奏でご堪能ください。「及川浩治ピアノ・リサイタル「ショパンの旅」1999年オリジナル版」の公演情報はこちら~及川浩治コメント~1999年は私にとって転機となる特別な年になりました。ショパンの没後150年の年で、2月から始まった「ショパンの旅」ツアーは信じられないほど沢山のお客様に聴いていただけたのです。「ショパンの旅」というタイトルを考え、自分で台本を書き、音楽と朗読でショパンの人生を辿る「旅」というコンセプトで作り上げたコンサートです。これほど時間を費やして企画を考えたのは初めてでした。今年度のリサイタル・ツアーをオール・ショパンで、というお話をいただき、22年前のプログラムと台本を復刻することにしました。ショパンの音楽は素敵ですが、多くの曲は精神的な深みや悲しみに満ちています。このプログラムではショパンの初期から晩年の作品までの有名曲を中心にしていますので、お客様 にも聴きやすい選曲だと思います。ショパンの多彩な音楽からその一面を感じ楽しんで頂けることを願っています。▼及川浩治ピアノ・リサイタル「ショパンの旅」1999年オリジナル版開催日程:2021/9/26(日)サントリーホール 大ホール※チケット発売中
2021年05月24日森見登美彦の小説『夜は短し歩けよ乙女』が、「ヨーロッパ企画」上田誠の脚本・演出で6月に舞台化される。歌舞伎界の中村壱太郎と乃木坂46の久保史緒里がW主演を務める本作。出演者の玉置玲央、白石隼也、尾上寛之に話を聞いた。「夜は短し歩けよ乙女」チケット情報ビジュアル撮影の日に行われた取材。それぞれ個性的な衣裳に身を包み、賑やかに語り合う姿に、どこかもう『夜は短し歩けよ乙女』の世界が垣間見える。「映像で実写化するとしたら『ハリー・ポッター』ばり!」(白石)というような、めくるめく展開が魅力の作品だが、その舞台版について玉置は「原作小説もアニメ版も拝見しましたが、きっとものすごいどんちゃん騒ぎの舞台になるだろうなと思い、そこに参加できるのが嬉しいです。物語の舞台は京都でヨーロッパ企画の本拠地ですし、脚本・演出の上田さんはアニメ版(’17年)の脚本も手掛けられていますし、そういう“親和性”から生まれるものにもワクワクしています」、白石は「すごく飛躍したフィクションなのにリアリティを感じることができるのは、やはり京都が舞台だからだろうなと思うような作品でした。森見さんは文体が面白いので、その文体を舞台でどう活かしてくのかとても興味があります」、尾上は「アニメ版を観ていたので、あれを舞台でどんなふうにやるのだろうとワクワクしています。早く稽古場で知りたいです。あと。作品に出てくる“偽電気ブラン”も飲んでみたいです(笑)」と、誰もが「あの原作をいったいどう舞台化するのか」と楽しみにしている様子。上田の演出を受けるのは『TOKYOHEAD~トウキョウヘッド~』(’15年)ぶりの尾上は「僕は当時コメディをあまりやったことがなかったのですが、上田さんの演出でコメディの面白さを学びました。今回もまた新しい発見ができたらいいなと思っています」、初めて上田の演出を受ける白石は「とても緊張していますが、森見さんの原作と上田さんの脚本を比べてみたら、上田さんが面白いと思われていることが少し見えてきて、安心しましたし、楽しみにもなりました」、同じく初めて上田の演出を受ける玉置も「僕もコメディをあまりやってきていないので、どんなふうに取り組んでいいのかも見当がついていない状態です。だけどヨーロッパ企画の皆さんも出演されますし、いろんな方に甘えながらぶつかっていければいいなと思っています。がんばります」とそれぞれ意気込んだ。作品の中身はもちろん、キャストもユニークで、どんな舞台になるのか期待が膨らむ本作の、東京公演は6月6日(日)から22日(火)まで新国立劇場 中劇場にて、大阪公演は6月27日(土)・28日(日)にCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演。取材・文:中川實穂
2021年05月24日関西のコンサートプロモーター清水音泉が主催する“雨天前提”のライブイベント『ど根性フェス!』が、6月19日(土)大阪・服部緑地野外音楽堂で開催されることが決定した。出演は、奥田民生、はっとり(マカロニえんぴつ)、真心ブラザーズの3組に加え、ウエルカムアクトとしてリコ&ペっぺfromヤユヨが参加。それぞれ弾き語りのライブを披露する。チケットは、6月発売予定。詳細は、自治体による開催制限(収容率)の要請内容を受けて今月末に決定、オフィシャルサイトにてアナウンスされる。■主催者コメントむか~しむかし大阪に野外イベントをやると必ず雨が降り、時には台風も来てしまう不憫なイベント主催者がおったそうな。あまりに雨(時には台風)に見舞われるのを見かねたある大物ミュージシャンが「最初から雨前提で梅雨にやればええねん。せやな、、、タイトルは、、、『ど根性フェス』で!」とアドバイスしたそうな。その主催者は「あ~、メッチャおもろいですね!」 と答えたものの内心(最初から雨前提なんて無理っすわ~)と思いつつ放置して数年。ほったらかしていた企画がコロナ禍の功罪なのか、各方面スケジュールが奇跡的に一致!梅雨と言えばカエル。意を決して門を叩いた「ど根性ガエル」とのコラボも実現!!ここに史上初『雨前提』のフェスが開催されることとあいなりましたとさ。どなた様も雨ニモマケズ、ど根性で!しかし無理なくご来場ください♪■『ど根性フェス!』日時:6月19日(土)14:30開場/15:30開演会場:大阪・服部緑地野外音楽堂出演:奥田民生/はっとり(マカロニえんぴつ)/真心ブラザーズ/【ウエルカムアクト】リコ&ペっペ fromヤユヨ料金:未定(指定席・芝生自由席)その他:行政・会場のガイドラインに基づき、新型コロナウイルス感染症防止対策を講じたうえ開催。お問い合わせ:清水音泉 info@shimizuonsen.com
2021年05月21日新国立劇場の吉田都舞踊芸術監督と、歌舞伎俳優、日本舞踊家の松本幸四郎との対談が実現した。吉田は6月5日(土)からの新国立劇場バレエ団『ライモンダ』の公演を、幸四郎は自らが構成・演出、さらに出演も務める第4回日本舞踊未来座の公演=祭(SAI)=『夢追う子』(6月4日(金)〜6日(日)、国立劇場小劇場にて開催、チケットは発売中)を控える。ともに多くのアーティストたちを率いる立場にいる二人だ。まずは日本舞踊の印象について、「踊り方の違いはあるけれど、伝統を大切にするという意味で通じる部分があると感じます」という吉田。幸四郎も「バレエはすごく繊細で、研ぎ澄まされた力強さがあると感じる。でも、古典を進化させ、時代に対応していくという点で共通しているなと思うんです」と、舞踊芸術に携わる者として思いを分かち合う。日本舞踊協会が2017年にスタートさせた未来座の舞台は、「いろんな題材、音楽、演出を取り入れることで、新たな日本舞踊を誕生させようという公演」と幸四郎。「とにかく、日本舞踊を得意技とする舞踊家がひたすら踊る、そのパワー、エネルギーを感じていただきたい」と熱を帯びる。多くの流派から47名もの舞踊家が一堂に会する、まさに“祭り”の舞台。演出を担う者として、「できているわけではないけれど、目指すところは、出演者が『いままででいちばんいい』と言われるような代表作、自信作にする」ことだという。これを受けて吉田も、「私も、皆が気持ちよく舞台に立てるよう環境を整えていきたい」。さらには、「大切にしたいのは、目指すところを明確にすることです。皆が同じ認識でいないと、注意をしても伝わらないと思うんです」と、演出家、指導者ならではの発言が飛び交った。吉田は現役時代、新国立劇場での『ライモンダ』初演(2004年)に主演しているだけに、ダンサーたちに伝えたいことは少なくない。貴族の娘ライモンダと十字軍の騎士ジャン・ド・ブリエンヌの恋物語を描く格調高い古典作品だが、「純粋に踊りを、またストーリー展開も楽しんでいただける。ルイザ(・スピナテッリ)さんの美術、衣裳の美しい色彩感覚が素晴らしく、私自身も観るのが楽しみなんです」とアピール。コロナ禍の中での活動が続くが、幸四郎の「持ち続けていれば夢は叶う!」という力強い声が、強く印象に残った。新国立劇場『ライモンダ』は、6月5日(土)〜13日(日)、新国立劇場オペラパレスにて。チケットは発売中。文:加藤智子
2021年05月20日「BT21ベビーフェイスサンダル」がチケットぴあグッズ通販サイトにて販売される。BT21ベビーフェイスサンダル購入情報2017年に誕生して以来、世界中で大ヒットアイテムとなっているキャラクター「BT21」。ファンならきっとご存知かと思われるが、BT21のコンセプトストーリーをいま一度ここでおさらいしておこう。親友である宇宙ロボットVAN(バン)と一緒に地球を訪れることになったBT惑星のプリンス・TATA(タタ)。全宇宙に愛を届けたいTATAは「有名なスターになること」が地球に愛を届ける最も良い方法だと考えて仲間を探し始め、KOYA(コヤ)、RJ(アールジェイ)、SHOOKY(シュキ)、MANG (マン)、CHIMMY(チミー)、COOKY (クッキー)に出会い、宇宙最高のスターを目指すBT21が誕生したというストーリーだ。それぞれに違う魅力があり、全員が揃うとさらに輝きを増す可愛いキャラクター。その人気はとどまるところを知らず、2020年春には「BT21 BABY」も登場した。BT21をモチーフにしたアイテムは文房具から衣類、バッグやぬいぐるみなど多数ラインナップするが、2020年夏にはサンダルが初登場。続いて秋にはスリッパ、2021年2月にはスリッパ第2弾が発売され、いずれも2時間で完売するほどの人気を博した。毎回大好評のサンダル・スリッパだが、この4月からその続編として「BT21BABY」のキャラクターがデザインされた2021年春夏モデルが登場。キャラクターが大きくプリントされた甲部分には足に優しいファインモールドを使用、サンダル部分は合成樹脂で軽くてはき心地も快適。全7キャラクターが揃う(サイズはいずれS・M・Lの3サイズ展開)。もちろん、飾ってコレクションしておくだけでもファンにはたまらないアイテムだろう。さらに今回チケットぴあでの販売を記念して、2020夏に販売した元祖「BT21」モデルのサンダルも限定販売。昨年大好評だったサンダルをゲットできる貴重な機会をぜひお見逃しなく!5月20日(木)10:00より販売開始。
2021年05月20日6月26日(土)ザ・プリンス パークタワー東京にて「ハンサム四兄弟プレミアムディナー&コンサート」が開催される。「ハンサム四兄弟」は日本のオペラ界を代表するバリトンの宮本 益光(長男)、与那城 敬(次男)、近藤 圭(三男)、加耒 徹(四男)の4人で結成されている。今回の公演では「ハンサム四兄弟」として初めてディナー付きのコンサートを開催。当日は「ハンサム四兄弟」のアイデアを反映した本公演限定のスペシャルカクテルも提供される。ホテルならではの料理と飲みものを広々としたコンベンションホールで堪能した後、バカラのシャンデリアが煌めくボールルームへ会場を移し、コンサートを楽しめる構成となっている。新型コロナウイルス感染防止対策としてプリンスホテル独自に衛生・消毒基準を設けた「Prince Safety Commitment(プリンス セーフティー コミットメント)」に則って、観客に安全で清潔な空間で快適に過ごせるように準備されている。ディナー会場、コンサート会場ともに、テーブルや座席はソーシャルディスタンス確保のため、ゆったりと配置されている。公演のチケットと宿泊がセットとなっているプランも販売。ディナーとコンサートを楽しんだ後、歌声の余韻をそのままに宿泊も可能。(翌朝朝食付き)「ハンサム四兄弟」は普段バリトンという同じ声域で活動しているため、4人がそろって行うコンサートは非常に貴重な機会。歌唱のみならず、容姿、キャラクターを活かし、“ハンサムなバリトン4人”として結成された「ハンサム四兄弟」の公演は絶妙なトークにも定評があり、誰もが楽しめるクラシックコンサートではないだろうか。現在、チケット発売中。
2021年05月20日人が人に何かを伝えようと思った時、実際に起こった「現実」そのままを伝えるよりも、「寓話」の方が伝わりやすかったりする。その「寓話」に仕掛けがあれば尚更だ。ロームシアター京都が、京都市交響楽団と「異分野のアーティストとのコラボレーションをする」シリーズの最新コンサートが6月20日(日)、ロームシアター京都メインホールにて開催される。京都市交響楽団×藤野可織 オーケストラストーリーコンサート「ねむらないひめたち」チケット情報今回は小説と音楽の持つ「物語性」でのコラボレーション=新作書き下ろし短編小説を朗読、そこに小説のイメージに合うオーケストラ楽曲を組み合わせ演奏する趣向だ。それぞれのパートを担うのは小説=京都在住の芥川賞作家・藤野可織、朗読=映画やドラマ、そして声優としても活躍する川栄李奈、そして京響を指揮するのが「世界が尊敬する日本人100人」(Newsweek Japan)にも選ばれた三ツ橋敬子というそれぞれの分野で活躍する女性たちだ。本公演の中心を担う「物語」は、今よりほんの少し未来の日本が舞台。そこでは、人が眠ってしまうという奇病が蔓延していた。街の高層マンションに住むのは、父、母とも「眠り」についてしまった、幼い姉妹。彼女たちはどうこの世界から生き延びるのか……。そんな「物語」を8つのパートに分け、朗読→演奏の順で音楽の中にある「物語」ともに展開していく。そこでは藤野が「言葉」で紡ぐ不可思議でミステリアスな世界観を川栄の透明感ある「声」で変換し、さらにフランス楽曲が持つ「音」の中を漂うような世界観を三ツ橋が京響とともに奏で、互いを三面鏡にように照らし出していく。「今回中心となる印象派学派と呼ばれるフランスの作曲家の作品には、古典的なものにはない多種多様な表現があります。それを現実とファンタジーの世界を行き来するような藤野さんの作品と結べば、新たアドベンチャーが生まれるはず」と三ツ橋が語れば、「小説を読ませていただいて素晴らしい作品だと思いました。オーケストラの演奏を私も楽しみにしています。色々な方に楽しんでもらえると思います」と川栄。そして藤野は「もちろん、眠ってしまう奇病というのは今の<現実>に影響されています。『眠り姫』を下敷きにはしていますが、この物語を書き進むうちに現実と『眠り姫』の物語がリンクしていきました。私としては、<眠るということは、いつか起きるということ>でもあると思っています」と語る。ロームシアター京都で藤野、川栄、そして三ツ橋と京響が、言葉と声と音楽で紡ぐ2021年6月20日の寓話。この物語にあなたも参加してみませんか。取材・文:安藤善隆
2021年05月19日コロナ禍で不安な気持ちやストレスを抱く人に向けて贈る、おやすみ前の大人向け・朗読放送「深夜文学」。さまざまなジャンルの出演者が文学作品の名作を朗読し、オンラインにて配信するシリーズで、第三弾となる今回は、シンガーソングライター藤原さくらが『不思議の国のアリス』をお届け。【動画配信】深夜文学「不思議の国のアリス」 チケット情報本作は、好奇心旺盛な少女・アリスが不思議な世界を旅する姿を描いた、世界で愛される珠玉の名作。第一夜<たいくつな昼下がりのぼうけん>、第二夜<おおきくなったり、ちいさくなったり>、第三夜<トランプのクイーンさま>に続き、第四夜<おさばきをうけるのはだあれ?>が5月16日に配信された。クイーンさまのタルトを盗んだ罪でおさばき(裁判)が始まり、連れていかれたアリス。だれが犯人で、だれがキングとクイーンのおさばきをうけるの――?深夜文学『不思議の国のアリス』第一夜から第四夜は、5月23日(日)までPIA LIVE STREAMにてアーカイブ配信を実施中。通常の視聴券の他、第一夜から第四夜の通し視聴券も販売中。
2021年05月19日舞台『ハンサム落語2021』が5月22日(土)から31日(月)まで東京・浅草花劇場にて上演される。本作に出演する双子の兄弟、二葉勇と二葉要に話を聞いた。今年で8年目を迎える人気シリーズで多くの実力派俳優が挑んできた。噺家がひとりで高座に上がる落語とは違い、二人一組で落語を演じる斬新なスタイルで話題を呼んだ。今作では名作と言われる落語「転失気」「持参金」「一眼国」「火事息子」を、脚本のなるせゆうせいが現代版にアレンジ。二葉勇と二葉要は今回が初参加となる。二葉勇は「『ハンサム落語』の評判は聞いていました。2019年にアドリブ合戦を繰り広げる舞台『BOYS★TALK』に出演したとき、プロデューサーから『本シリーズにも出ない?』と誘われていたので、弟と出演できるのは嬉しいですね」と不安はない様子。二葉要は「僕も心配はしていなくて。落語が持つ魅力を損なわずに『ハンサム落語』らしい面白さを伝えたいです。大喜利もあるので精神力が鍛えられるから本番が楽しみです」落語という未知のジャンルへの挑戦。心がけたいことはあるのだろうか。二葉要は「落語はしっかりしたお話の上に、独特の語り口があるから成立していますよね。それが昔から愛されている理由だし、僕も聞いていて心地良い。アドリブもあるのですが、本筋から脱線しないように気をつけて演じたいです」。二葉勇は「僕らが演じているからこそ際立つ語り口を感じてほしいです。アドリブか演出かわからなくなるようなお芝居をしたいですね」と意気込む。落語は演劇と親和性が高いと言われている。二葉勇は「落語はお芝居のひとつのジャンルと変わらないと思います。落語も演劇も、お芝居の面白さで物語を膨らませて成り立っているので」と分析すると、二葉要は頷いて「違いをあげるとすれば、舞台では一人で一役を演じることがほとんどですが、落語は一人で何役もこなさないといけない。今作も普段の舞台より高い演技力が求められると思います」本作は双子で共演する日程があるのが見どころ。二葉要は「どちらがお兄ちゃんかわからないぐらい兄の勇を支えたいな」と笑うと、二葉勇は微笑みながら「アクシデントが起きてもカバーしあえるふたり。仲の良い兄弟にしか出せない空気感があると思います。世の中には暗いニュースが多いですが、そんな状況を払拭して大笑いしていただける舞台にしますよ」。息のあったふたりのケミストリーがどんな落語を生み出すか楽しみだ。取材・文竹下力
2021年05月19日舞台『Another lenz』が東京・新宿FACEにて開幕中だ。本作は、新しい演劇のあり方を追求した「AD(Another Demention=別次元)×STAGE」の第一弾で、同じ作品を自分の目で見るか(生観劇するか)、配信のカメラを通してみるか(生配信を見るか)で全く異なる作品に見えるという“別次元舞台”となっている。初日を前にした、劇場でのゲネプロ(舞台通し稽古)を見た。劇場の中央に舞台があり、観客は「北」と「南」と2つに分かれた客席から観劇する。観客の左右両側(劇場でいえば東西の方向)にスクリーンがあり、その場で撮影されているレンズ越しの映像が放映されている。とある廃墟で、新感覚ハリウッドホラーの生ライブドラマを撮影しようとしている監督や俳優たちの物語。最大の見せ場は、なんと言っても、劇中にノーカットで撮影される生ライブドラマだろう。パネル式の舞台装置を素早く動かしながら、カメラクルーと俳優が移動して、ドラマが進んでいく。息のあった連係プレーは見事で、レンズ越しからは決して見えない、裏側の世界を垣間見るのが楽しい。ただ、単なるバックステージものというには惜しい。徐々に明らかになる複雑な人間関係や、人間の表の顔と裏の顔の変化など、あらゆる要素が相まって、多くの観客は、何が「リアル」で、何が「フェイク」なのか、どこまでが「俳優」で、どこまでが「役」なのか、ある種の混乱状態に陥るだろう。俳優としても活動している磯貝龍乎が手掛けた斬新な脚本と演出に思わずうなる。このコロナ禍で、配信される演劇作品は増えたが、これまでの配信作品とは確かに一線を画するとだけ示しておきたい。なお、個人的には、生配信を見てからの生観劇という流れがおすすめしたい。初日を前にした囲み取材では、本作の見どころについて、出演する太田将熙は「見どころは全部と言いたい」と作品に自信を覗かせ、菊池修司は「個性豊かなキャラクターたちはもちろん、配信と観劇と両方の視点で楽しめること」と語った。また、伊崎龍次郎は、配信ではほとんど出演しない山沖勇輝の名前を挙げて「ぜひ劇場で活躍と勇姿を見てほしい」。稽古で一番苦労した点については、碕理人は「膨大なセリフ量と、生配信における時間調整」を挙げ、AKB48の北澤早紀は「血糊もタバコもアクションも男性とのハグも初めて」と初めてづくしの現場だったことを明かした。上演時間は約2時間。公演は5月23日(日)まで。休演日の5月20日(木)には、一部キャストによるスタジオツアーも実施される。なお、製作側からは「一部、暴力やグロテスクな表現が含まれております。ご観劇、ご視聴の際にはご注意ください」というアナウンスがある。コメディタッチの場面もあるが、ホラーサスペンスの要素も存分に含まれているので、苦手な人は自身の体調などと相談しながら観劇しよう。取材・文・撮影:五月女菜穂
2021年05月18日ブロードウェイミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング』〜あの頃の僕たち〜が東京・新国立劇場 中劇場で上演中だ。ブロードウェイのショービジネス界が舞台。フランク(平方元基)、メアリー(笹本玲奈)、チャーリー(ウエンツ瑛士)の3人の人生を中心に、現在から過去へと約20年間を“逆再生”で描いていく。『スウィーニー・トッド』などで知られるスティーブン・ソンドハイムが作詞・作曲を手掛け、本作のメアリー役を演じた女優のマリア・フリードマンが演出を担う。日本では8年ぶりの上演だが、今回は「新演出版」という位置づけ。平方、ウエンツ、笹本のほか、昆夏美、今井清隆、朝夏まなとら実力派キャストが顔をそろえている。初日前のゲネプロ(総舞台通し稽古)を見た。恋愛関係にしても、友情にしても、仕事にしても、どうしてこうなったのか、なぜあのときあの道を選んだのかと考えることはきっと誰にでもあるだろう。人生に「正解」も「不正解」もないだろうし、振り返ったとて過去は変えられないのだが、確かにその後を決定づける分岐点はある。そんな人生の切なさと、人間の不器用さやたくましさ、そして人々の絆を思わせる、ちょっぴり大人なミュージカル。ソンドハイムの珠玉の楽曲とともに、存分に味わってほしい。上演時間は2時間50分(休憩20分)。ただし、18時半公演の回は休憩15分。東京公演は31日(月)まで。愛知公演、大阪公演も予定されている。キャストのコメントは以下の通り。■平方元基今までのどの作品よりも大変でした。あまりの大変さに先輩に弱音を吐いたら、「大変な分、いい作品になるさ」。心がスッと明るくなりました。このカンパニーとだから、今日までこれました。どうか皆様、作中、沢山の沢山の小さな大きな発見をしてみてください。それはどれも間違いでなく正解でもなく、あなただけに送られたギフトになると思います。■ウエンツ瑛士まずは、この様な状況下で舞台の幕を開けられる事に心から感謝しています。そしてなによりも足を運んで下さるお客様へ、我々はその気持ちに応えられる作品をご用意しました。お互いの顔もハッキリと認識できずに、リモートでの稽古でどこまで行けるか不安でしたが、胸を張ってお客様をお出迎え出来ます。万全の感染対策をしてお待ちしてます。■笹本玲奈この作品をお客様のいらっしゃる前で生でお届けできる事を信じて、キャストスタッフ一同、厳しい感染対策の中、心を一つにお稽古してまいりました。家族や友人と会えなかったり、お互いの表情を見て会話する事も、お互いに触れる事も許されない今、舞台が大好きなお客様が明日からまた元気に生きていこう!と思って下さる様、最高の舞台をお届けしてまいります。取材・文:五月女菜穂
2021年05月18日渡辺謙が主演する舞台『ピサロ』が東京・PARCO劇場で開幕した。本作は、16世紀に寄せ集めの兵を率いて、2400万人のインカ帝国を征服した、成り上がりのスペインの将軍ピサロの物語。ピーター・シェーファーによる傑作戯曲を、ウィル・タケットが演出する。昨年3月、PARCO劇場オープニング・シリーズ第一弾公演として華々しく開幕する予定だったが、緊急事態宣言の発令などにより、45回上演予定のところがわずか10回の上演に。観劇が叶わなかった観客の声に応え、この度の“アンコール上演”が決まったという背景がある。「もうちょっとで手が届きそうな、掴みかけるものがあったときに公演が中止になった」。初日を前にした会見で、そう当時の悔しさを語った渡辺謙。再び本作を上演させたいという強い思いがあったといい、「また稽古が始まった時に、本当に時計が動き始めた感じがした」と話す。出演する宮沢氷魚も「中止になって悔しい思いをしたし、その思いをどこにぶつけていいか分からないこともあった」と振り返るが、渡辺がカンパニーに「またやりましょう」と言った言葉を支えにしてきたという。「その時の言葉を思い出すと、とても前向きになれる自分がいて。1年経って、またこうやって皆さんの前でこの作品を披露できることをとても幸せに思う」。本作の日本初演は1985年、PARCO劇場。36年前の初演では、山﨑努がピサロ、当時はまだ無名だった渡辺がインカ帝国王・アタウアルパを演じていた。本作を通じて「俳優を一生の仕事とする」覚悟を決めたという渡辺が、今度はピサロとして帰還し、成長著しい宮沢がアタウアルパを演じる。渡辺が演じた役を引き継いだ宮沢だが「僕はあえて参考にしないでおこうと思って。当時謙さんが演じられたものと、今回僕が演じるものとでは、全然キャラクターも存在感も違う。僕は僕にしか演じられないアタウアルパをつくりたいと当初から思っていた」と語る。渡辺からのアドバイスも「『当時僕がそうだったから、こうした方がいいよ』というものではなく、僕が考えるきっかけを与えてくれるアドバイス」だといい、互いが真摯に役と向き合っている様子が伺えた。初日を前にしたゲネプロ(総通し舞台稽古)を見た。渡辺のピサロは、周囲を惹きつけるカリスマ性と野心を持ちながらも、古傷が時折痛み、老いや死への恐怖を感じているという実に人間臭いピサロ。宮沢のアタウアルパは、その出立ちと、静かながらも確信に満ちた語り口が、とても神々しく見えた。ウィルの演出もいい。舞台一面を取り囲む巨大スクリーンに、色彩豊かな映像を映し出し、場面ごとに世界観を切り替える。大階段の舞台は可動式で、時に宮殿の階段に、時にアンデスの山々に姿を変えていく。巧みな身体的な表現も随所に見られ、舞台作品としての完成度を上げた。上演時間は約2時間50分。6月6日(日)まで。圧巻の歴史劇をぜひ生で感じてほしい。取材・文:五月女菜穂
2021年05月17日2年ぶりの上演となる博多座恒例の『六月博多座大歌舞伎』。開幕を前に中村梅玉、中村時蔵、尾上菊之助が都内で合同取材会に臨んだ。今回は昼の部に『松廼羽衣』『与話情浮名横櫛』、夜の部に『傾城反魂香』、『身替座禅』を上演。14回目の『博多座大歌舞伎』出演となる梅玉は『与話情浮名横櫛』で和泉屋多左衛門を演じる。「先輩方をお手本に、大店の番頭らしい“大きさ”、全てを掌握している感じを出せればと思います。何と言っても菊之助くんの与三郎が演りやすい多左衛門になれば」と語る。一方、夜の部では『傾城反魂香』で又平を演じるが、「実直な人柄が出せれば。実直な自分に合っている(笑)」と話し、さらに梅枝演じるおとくとの夫婦関係について「親子ほども年齢が違うので梅枝くんはなかなか大変だと思うけど、こちらも“父親”に見えないようにせいぜい仲良く務めたいと思います」と笑顔。昼の部『松廼羽衣』で天女役を演じる時蔵は、「博多座の大道具さんと、いかに天に昇っていくように見せられるかを相談したい」と意気込む。夜の部の『身替座禅』について「六代目菊五郎と七代目三津五郎という、踊り上手な2人が作り上げた」と敬意を口にする。奥方・玉の井を演じるが「菊之助さんがよく承諾してくれたと感謝しております」とにっこり。玉の井は過去に團十郎や左団次といった「立役でもかなり勇猛」な役者が演じたこともあり、“怖い女”というイメージもあるが「原点はかわいい女。ただ、嫉妬で豹変するところはしっかりとやりたい」と語った。そして菊之助は「念願であった」という『身替座禅』右京役について「今回、時蔵兄さんが玉の井ということで、“怖い”ではなく“かわいい”奥さんであると。ただ、夫思いであるがゆえにそれが窮屈で浮気をしてしまう…。初演当時の原点を目指しつつ、父の指導を受けて務めたいと思います」と力強く語った。昼の『与話情浮名横櫛』では「しがねぇ恋の情けが仇」の名台詞で知られる与三郎を演じるが、こちらも「名台詞とともに、先人が残した型を大切にお届けしたいと思います」と締めくくった。昨年、コロナ禍で博多公演が叶わなかったこともあって、今回の上演に対しては3人とも並々ならぬ思いがあるよう。梅玉は「この状況下で舞台に立てることが本当に幸せ。満足して帰っていただけるいい舞台を一丸となって務めていきたいと思います」と思いを口にした。公演は6月5日(土)~19日(土)博多座で上演。チケットは発売中。
2021年05月17日7月17日(土)、なんばHatchにて『GREENS & ぴあ Presents ~Genealogic~ -GO LIVE , GO GREENS-』が開催決定!『GREENS & ぴあ Presents ~Genealogic~ -GO LIVE , GO GREENS-』チケット情報出演アーティストは、the band apart、toconoma、Omoinotakeの3組。チケットは一般発売に先駆け、5月14日(金)12:00から30日(日)23:59までオフィシャル抽選先行を実施。
2021年05月14日映画化もされたバーナード・スレイドの傑作戯曲『Same Time, Next Year』が、剣幸主演で開幕した。不倫から始まる男女の25年を描く二人芝居。剣の相手役は坂田聡と大沢健という、まったく持ち味の違う二人がダブルキャストで務める。演出は荻田浩一。坂田が出演した回のゲネプロをレポートする。舞台は1951年、北カリフォルニアの海辺のコテージ。大きなダブルベッドには、男と女がいる。偶然の出会いから一夜を過ごしてしまったらしいドリスとジョージだ。甘いピロートークが展開するかと思いきや、会話から次第に判明するのは、お互い所帯持ちであるということ。しかしジョージが抱く罪悪感が、自分には子どもが二人いると言っていたけれど実は三人なんだというようなことだったりと、不倫カップルのわりにどこか憎めない。お互いの家庭の悩みなども打ち明けなんとなく心を通わせ、年に一度、同じ場所で落ち合うことを約束する……。時はとんで1956年。ずいぶん洗練された大人の会話をするようになった二人。1961年、ドリスは8か月の妊娠中。1965年、1970年――年に一度しか会わない彼らは、登場するたびに外見も内面も変化していく。特に、ドリスの変貌はまぶしい。世間を知らず、学もなく、もしかしたら家庭内で抑圧されていたかもしれない女性が、大学に行き、事業を立ち上げるまでになる。ブロードウェイでドリスを演じたエレン・バースティンはトニー賞主演女優賞を受賞したが、日本版ドリス・剣も素晴らしい名演だ。時が経つごとに精神的に成長していくが、ドリスの芯の部分――朗らかさや優しさといったところがぶれずにあるため、外見がいくら変わろうと違和感がなく見ていられる。対する坂田のジョージは逆に、外見は少しずつ変化しながらも、時を経ても変わらない“男のどうしようもなさ”がずっと貫く。自由に羽ばたくドリスを受けの演技で包み込む、そんな坂田ジョージもまた、愛しい。さらに、ここにダンサーの橋本由希子と鈴木凌平が彩を加える。愛を象徴する概念のような存在かと思いきや、ドリスとジョージをいたずらっ子のような表情で見つめたり、小道具を出し入れしたりとシーンにも関与。愛の妖精、もしくはキューピッドのような存在?彼らの存在が作品を一段、洗練されたものに押し上げた。演出の荻田の手腕が光る。それぞれが年をとるごとに変化していくように、二人の愛情の質も、次第に変わっていく。1975年、最終的に行きつく場所は友情のような、同志愛のような、熟年夫婦のような……いや、愛をカテゴライズするのすら無粋かもしれない。コンプライアンスに厳しい昨今だが、不倫カップルの話なんて……と眉を顰めるなかれ。男女の性愛の先にあるその愛は人間臭く美しく、しっかりとした質感を持ってそこにある。この二人の愛が羨ましいとすら思える。ある意味、究極のファンタジーかもしれない。公演は5月23日(日)まで、東京・赤坂RED/THEATERにて。取材・文:平野祥恵
2021年05月14日2018年にナイスコンプレックス初のオリジナル音楽劇としてスタートしたフリーカル『YAhHoo!!!!』の再々演が6月に東京と福島で上演される。本作は東日本大震災の原発被害により強制退去させられた福島県浪江町を舞台に、残された動物たちと故郷に戻れない人間たちの葛藤と未来への希望を“歌”“祭り”“演劇”で描くエンターテイメント作品。主人公の犬の妖怪・ヤンスケを演じる柏木佑介は「僕の記念すべき初主演舞台です。今回も信頼するメンバーや新たな仲間と共に“お祭り”が出来ることが嬉しい!」と笑顔を見せる。ヤンスケの飼い主・浜花優治役はプライベートでも柏木と親交のある浅倉一男。「前回、酸欠で危うく足がつりそうになったので、今年は体力面を強化して臨みます!」と意気込みを語ると、優治の婚約者・西洋木蔦を演じる富田麻帆が「優治さんは私がしっかり支えますから頑張って!」と力強いコメントで場を和ませる。「報道では伝えられない被災地の人々が抱える真実を知ってほしい」「浪江を知り、訪れるきっかけに」というメッセージを込めて宮城県出身の演出家・キムラ真が書き下ろしたリアルファンタジー。10年経ってもなお人々の心に影を落とす悲しい記憶も丁寧に描きつつ、鎮魂の祈りを最後に“祭り”という形で未来への希望へと繋ぎ昇華させていく。「ゆくゆくは物語の舞台である浪江町での上演が目標ですが、実現にはまだまだ時間がかかる。それでも『ヤンスケ役、若いヤツに交代ね』って言われるまでは頑張りたいです(笑)」と茶目っ気たっぷりに語る柏木だが、その表情からは本作にかける覚悟が伝わってきた。浅倉「コロナ禍のこのご時世に、板の上に立てる幸せを噛みしめながら、去年上演出来なかった分も気持ちを込めて演じます。僕らの熱い想いを受け止めてください!」富田「エンターテイメントを楽しんでいる間だけでも辛いことを忘れられるように、笑顔で皆様をお待ちしています」柏木「舞台は役者と観客との気持ちが交流する場所。必ず楽しんでいただける作品だと胸を張って言えます。ぜひ楽しみに劇場にお越しください。ヤッホー!!」文:近藤明子
2021年05月14日大阪・堺出身のTHE→CHINA WIFE MOTORSとGOOD4NOTHINGが「地元に恩返しをしたい!」という強い想いで2013年にスタートした大型ロックフェス『SAKAI MEETING』。今年は『SAKAI MEETING TOUR 2021』と題して、5月22日(土)の大阪・FANDANGO公演を皮切りに、8か所のライブハウスを巡演する。「SAKAI MEETING TOUR 2021」チケット情報初日の大阪・FANDANGO公演はGOOD4NOTHINGとTHE→CHINA WIFE MOTORSのツーマンライブとして行われ、そのほかの公演はこの2組にゲストアーティストを迎えて行われる。第4弾出演アーティストとして、愛知・池下CLUB UPSET公演にBURL、大阪・BIGCAT公演にHAWAIIAN6、京都・KYOTO MUSE公演にSIX LOUNGE、石川・金沢EIGHT HALL公演にlocofrankとEGG BRAINが発表された。チケットは、愛知公演はソールドアウト。その他の公演は発売中。
2021年05月13日小池貞利(teto)、ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)による弾き語りイベント『となりのバンドマン~弾き語り特別編~』が、6月17日(木)、大阪・Shangri-Laにて開催される。『となりのバンドマン~弾き語り特別編~』チケット情報バンドスタイルとは一味違ったライブに乞うご期待!チケットは、5月30日(日)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、5月23日(日)23:59までアーティストHP先行(抽選)を実施中!
2021年05月13日2人のジェイミーそれぞれの輝きを放つ歌唱パフォーマンスだった。ドラァグ・クイーンに憧れる高校生ジェイミー(森崎ウィン、髙橋颯)は、母親から真っ赤なヒールをプレゼントされる。このミュージカル『ジェイミー』でW主演を演じる2人は、9日の歌唱パフォーマンス後の会見に、高いヒールで登場。森崎は「足が痛い。でも、履くとスイッチが入る」とスクワットして足を鍛えているそう。髙橋は取材陣からの「ヒールも撮影したい」という要望に「こんなポーズがいいかな?」といろいろ試していく。どっしり構えてヒールを履きこなす森崎と、はにかみながらもヒールを美しく見せる髙橋。どちらもジェイミーとして、俳優として、異なる魅力を輝かせていた。また、お互いについて「爆発力がある」と、同じ作品をつくる仲間であり、同じ役を演じるうえで意識し高めあう空気を感じさせる。歌唱パフォーマンスでは5曲が披露された。森崎と髙橋が中心になる、オープニングナンバー『誰も知らない』と『頭の中の壁』。森崎の歌声は、ハスキーでやわらかいが強い芯がある。髙橋は、高音でまっすぐな声にはちきれそうな繊細さを覗かせた。どちらも未来への希望と緊張を滲ませ、聞いていると笑顔で前のめりになる。親友のプリティがジェイミーの背中を押す『スポットライト』。山口乃々華は、ジェイミーへの信頼と対等さを歌で感じさせる。『我が子』を歌う安蘭けいは、10代の息子への応援ともどかしさを抱きながらも、大きな愛をもって見守る。最後に、全員でのアンコールナンバー『暗闇を抜けて』は華やかで、ダンスパフォーマンスもあり、ミュージカルの興奮が詰まったような時間だった。歌唱披露を終えた2人は「楽しかった!」と笑顔を見せる。作品について、森崎は「今伝えるべきメッセージがたっぷり詰まっている」、髙橋は「楽しく、コミカルで、普遍的な愛を描いたところもある」と言及。観客に向けたメッセージとして、森崎は「まずは楽曲をしっかり聞いて、楽しんでいただけたら」とミュージカルの世界へと誘い、髙橋は「宗教とか人種とかいろんなものと戦いながら、自分の中で落とし込んで、もっと伝えられるように率先して向き合います」と作品観への真摯な姿勢を見せた。上演は8月8日~29日に東京・東京建物Brillia HALLにて。その後9月に大阪・新歌舞伎座、愛知県芸術劇場 大ホールで公演する。取材/河野桃子
2021年05月13日落語と弾き語りの融合イベント『スペシャ寄席』が、6月16日(水)に大阪・摂津市民文化ホール(くすのきホール)で開催。スペースシャワーが手掛ける有料ライブ配信サービス「LIVEWIRE」でも配信される。スペシャ寄席チケット情報大阪のラジオ局FM802のDJ樋口大喜が、音声アプリClubhouse上で出会った落語家と意気投合し立ち上げた『#clubhouse寄席』。今年に入ってからは、『紅楽葉(くらは)寄席』としてスマホを飛び出し、大阪・東京・福井など各地で開催してきた。そして今回、アーティストの弾き語りライブと落語の融合イベント『スペシャ寄席』としての開催が決定。今、上方落語界で勢いのある落語家たちが、音楽をもとにした創作落語や楽曲の内容とリンクした古典落語で、ライブハウスシーンを牽引するアーティストたちが弾き語りで、今までにないカルチャー異種格闘技戦を繰り広げる。弾き語り出演は石崎ひゅーい、ヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)、森良太。対する落語家は、桂紋四郎、笑福亭笑利、桂九ノ一。当日は、アーティストと落語家がひとつのステージに!落語と弾き語りライブが交互に繰り広げられるという斬新なスタイルの内容になることが発表された。企画の発案者であり、当日MCを務める樋口大喜は「落語も音楽も誰かに寄り添う物語だと思います。想像力をかきたてる点も親和性を感じていて、両者を詳しく知らなくても感覚的に楽しめる内容になるのではないかと!しかしながら、とにかく未知数!歴史的瞬間を一緒に体験してください!」とコメント。発売中の会場観覧チケットに加え、配信視聴チケットも5月12日(水)よりLIVEWIRE WEBサイトにて発売!
2021年05月12日さまざまなジャンルの出演者が文学作品の名作を朗読し、オンラインにて配信する「深夜文学」シリーズ。シンガーソングライター藤原さくらによる『不思議の国のアリス』が四夜にわたり配信されている。【動画配信】深夜文学「不思議の国のアリス」 チケット情報「深夜文学」は、コロナ禍で不安な気持ちやストレスを抱く人に向けて贈る、おやすみ前の大人向け・朗読放送。石崎ひゅーいによる第一弾『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治 著)、flumpool山村隆太による第二弾『星の王子さま』(サン=テグジュペリ 著)に続く第三弾となる今回、シンガーソングライターであり、役者としても活動する藤原さくらが『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル 著)を朗読している。本作は、好奇心旺盛な少女・アリスが不思議な世界を旅する姿を描いた、世界で愛される珠玉の名作。第一夜<たいくつな昼下がりのぼうけん>、第二夜<おおきくなったり、ちいさくなったり>に続き、第三夜<トランプのクイーンさま>が、5月9日に配信された。アリスはついに不思議な世界を支配するトランプのクイーンさまに出会う。クイーンは何かにつけてすぐに処刑しようとするので、アリスも住民たちもびくびくどきどき――。深夜文学『不思議の国のアリス』は公開後、5月23日(日)までPIA LIVE STREAMにてアーカイブ配信中。第四夜<おさばきをうけるのはだあれ?>は、5月16日(日)夜10時配信スタート。通常の視聴券の他、第一夜から第四夜の通し視聴券、グッズ付き視聴券なども販売中。
2021年05月11日ミュージシャン、作家、映画監督と多方面で活躍する辻仁成。パリ在住の彼が、5月30日(日)に「セーヌ川オンラインクルーズツアー&ライブ」を開催。その模様がオンライン配信される。【動画配信】「辻仁成 セーヌ川ひとり占め ~セーヌ川オンラインクルーズツアー&ライブ~」チケット情報パリ中心部・エッフェル塔下の船着き場をスタートし、辻のガイドでセーヌ川を大型クルーズ船で周遊、さらに生演奏も楽しめる2時間半!旅行がままならない昨今だが、この機会にぜひ、美しい景色を眺めながら楽しいひと時を味わってほしい。5月30日(日)の生配信後、6月6日(日)23:59までアーカイブ配信あり。チケットは発売中。
2021年05月11日渡辺謙主演の舞台『ピサロ』で、将軍ピサロが立ち向かうインカ王アタウアルパを演じる宮沢氷魚。昨年、新生PARCO劇場のオープニング・シリーズを飾りながら、コロナ禍の影響によって10回だけで中止となってしまったこの作品の再上演に、どんな思いで向き合おうとしているのか。そして、あの気品に満ちた王は今度はどんな姿で立ち現れるのか。意欲あふれる宮沢の声を聞いた。昨年、公演が中断したときから宮沢は希望を持って過ごしていたという。「というのも、中止が決まったその日に謙さんが、『またやるぞ!』とおっしゃったので、謙さんが言うんだから間違いないと思っていたんです(笑)」。それでもそれが現実となったことには改めて喜びを感じずにはいられない。「やはり『ピサロ』には、始まったものが終えられずにそのまま止まっているという感覚があって。もっと多くの人に観ていただきたい作品だと思うので、再びチャンスを与えていただいた幸せを1回1回噛み締めながら、今度こそ最後まで走り抜けられればなと思っています」。アタウアルパという役に再び挑むにあたっての思いもひとしおだ。「謙さんが演じるピサロに対抗する重要な役なので、昨年はとてつもないプレッシャーのなかでこの役と向き合っていて。たぶん毎公演、精神的にも体力的にも100%に近いエネルギーを出して、一瞬一瞬に集中していたと思うんです。だから意外と、自分がやっていたことを覚えていないんですけど(笑)。今回はやっぱりそこを超えていかないといけないですし。作品の軸となる人物であるだけに、その幹をさらに太くしていかなければいけないと思っています」。具体的には、昨年は足に重りを付けてどっしりとした存在感を出す工夫をしたそうだ。「上半身で呼吸をして声を出すと弱い王に見えてしまうので、重心を下げて地面からエネルギーをもらうように呼吸することを意識したんですけど。今回はその感覚を稽古序盤から身につけたいなと思っているんです」。世界の状況が一変したこの1年。「アメリカで起こっているアジアンヘイトなど、ますます差別と分断が深まっている今、スペイン兵のインカ帝国の征服を描いている『ピサロ』という作品は、改めていろんなことを感じさせてくれると思います」と宮沢。愚かなことを繰り返す人間たちのなかで美しく強く生きようとする宮沢氷魚の王の姿は、この困難な道を照らす光となるに違いない。公演は5月15日(土)から6月6日(日)まで東京・PARCO劇場にて。チケット好評発売中。取材・文:大内弓子
2021年05月10日京都を拠点に活動する4人組インストゥルメンタル・バンド、NABOWAが6月23日(水)に待望の7thアルバム『Fantasia』をリリースする。NABOWAチケット情報約2年2か月ぶりのアルバムとなる本作は、今後バンドの新たな代表曲となるであろう、説明不要のアップテンポ・ナンバー『possibility』(M1)や、ゲストボーカルに近年多彩な活躍を見せる注目のSSW/トラックメイカーAAAMYYYを迎え、NABOWA流のチルアウト・サウンドに、ゆれるように心地良い歌声と気だるくもポジティブな歌詞が絶妙にマッチングする『キラクに (feat. AAAMYYY)』(M2)、敬愛するMC2人をフィーチャリングして、既にデジタル・シングルとして配信され話題を呼んでいる『passage of time (feat. サッコン & NAGAN SERVER)』(M4)など全10曲を収録予定。従来のNABOWAの音楽性をベースに、ネオ・ソウル、ジャズ、ヒップホップのテイストも織り混ぜた、ポップかつハイクオリティーな新境地の作品になっている。アルバムの発売に先駆け、『キラクに (feat. AAAMYYY)』が5月7日(金)より先行配信リリースされる。また、7月21日(水)にはアルバムからメンバーがセレクトした4曲を収録した10インチアナログ『Fantasia EP』がリリースされることも決定。レコードでも『Fantasia』の世界観を楽しむことができる。そして、5月14日(金)には収録されている楽曲を初めて生演奏で披露するプレミアライブを大阪・梅田Shangri-Laで開催。リリース後には東京・名古屋・京都の3都市でワンマンツアーを行う。プレミアライブのチケットは発売中。ワンマンツアーのチケットは、5月7日(金)20:00から21日(金)23:59まで最速オフィシャル先行受付を実施。■New Album “Fantasia” Release One Man Tour7月31日(土) 愛知・TOKUZO8月12日(木) 東京・duo MUSIC EXCHANGE8月14日(土) 京都・磔磔
2021年05月07日昨年、公演延期となったWAHAHA(以下:ワハハ)本舗全体公演『王と花魁』全国ツアーの開催が決定。構成・演出の喰始、キャストの柴田理恵、久本雅美、梅垣義明に現在進行形の想いを尋ねた。ピリオドを打った『ラスト3~最終伝説~』から4年ぶりの全体公演となる本作。枠にとらわれることのない多彩なパフォーマンスで客席に全力の笑いを届ける。延期が決まっても喰は「中止は念頭になく絶対にリベンジしたかった」と語り、その言葉に柴田・久本・梅垣の3人も頷く。ワハハ本舗の特徴といえば、“過剰”ともいえる客席とのコミュニケーション。「ろくでなし」を歌って鼻から豆を飛ばし、「愛の讃歌」でステージを降り観客をハグしにかかる梅垣の芸に代表され、これを目当てに訪れる人も多い。しかしコロナ禍では“濃厚接触”。得意技を封じられた一同はどうやって客席を魅了するのか。そう聞くと、喰は「梅垣は今までお客さんをひどい目に遭わせてきたけど、今度は梅垣がひどい目に遭う番」とほくそ笑む。制限を逆手に取った笑いを追求する一方で、無観客配信を行った梅垣は画面の向こうにいる観客の反応がわからない心もとなさを経験した。「自分がいかにお客さんから助けられてきたか、コロナ禍で“観客の力”を実感しました」と語ると、喰は「今回のお客さんはおかしくても笑い転げるのは難しいから、マスク上でアピールしてもらう?」とその場でアイディアを出す。一度目の緊急事態宣言が明けてから、さまざまな舞台を観に行った柴田は「ワハハみたく底が抜けたような笑いって今見かけないよね」とひと言。「だからこそ我々がやる意義は大きいんじゃないかな」と万全の対策で観客を迎える覚悟を語る。久本も「私たちを待ってくださっているお客さんの存在を感じています」と続き、「その気持ちに応えて全力で“バカ”やる所存です!」と意気込んだ。最後に喰は「エンターテインメントは精神のワクチン。接種の無理強いはしません。でもワクチンを体に入れて心が軽くなるのであれば、ぜひお越しください」「我々も年齢を重ねましたから。いつまでもあると思うな、ワハハ本舗ですよ」と呼びかけ、インタビューを結んだ。なお、取材中に喰が思いついた案は「マスクdeエール」プロジェクトとして進行中だ。演劇人に対するメッセージを寄せたマスクの着用姿を写真・動画に収めてワハハ本舗に送ると応援動画として編集され、劇中や記者発表イベントにて上映されるという。BGMには『王と花魁』応援隊長・泉谷しげるが書き下ろしたオリジナル楽曲が予定されている。公演は10月28日(木)~31日(日)に東京・新宿文化センター 大ホールで行われたあと、11・12月に全国12会場を巡演する。取材・文:岡山朋代
2021年05月07日東北を中心に活動する劇団 短距離男道ミサイルによる『みちのく超人伝説「北天鬼神譚アクロオー阿弖流爲Z」Episode Final さらば愛しき人よ』が2021年5月27日から宮城・せんだい演劇工房10-BOX box-1で上演される。劇団 短距離男道ミサイルは、東日本大震災直後の2011年4月に「仙台、東北、そして日本を笑顔にしたい」「なにか自分たちにできることはないだろうか」という想いのもと、仙台の若手男優によって結成された劇団。本作は、同劇団の「36発目」の作品となる。舞台は、核戦争が勃発した西暦700年代の東北。みちのくのヒーローである阿弖流爲(あてるい)がその戦禍に巻き込まれながらも、敵対するはずの相手と友情を築き、東北で生きる術を見い出そうとするストーリー。ちなみにタイトルに「Episode Final」とあるが、作・演出を務める本田椋によれば「スター・ウォーズのような展開を考えていて、本作は1作目」とのことだ。開幕前の5月5日、オンライン上で配信された製作発表会見と公開稽古を見た。会見で、本田は本作に込めた想いについて「劇団結成10周年、震災から10年目。みなさんに喜んでいただけるようなエンターテイメント作品を作りたい、そして、豊かな伝統芸能や文化がある東北に根ざした作品を作りたいという思いがあった」と語る。現在のコロナ禍との状況も絡め、「震災の時とある種近いような、息苦しい空気感を感じているが、そんな中だからこそ、阿弖流爲というヒーローに会いにきてくれたら。皆さんの背中を押せるように、一生懸命、作品を作っている。ぜひご期待いただきたい」と話していた。約20分間、行われた公開稽古。正直で冷静な感想を言えば「大の大人がバカなことをやっている」と思う。でも、きっと、それがいい。彼らが一生懸命に汗水流しながら役を演じ、観客はそれを生で見て、何も考えずにげらげらと笑う。それが劇団 短距離男道ミサイルらしさなのだろう。現に、同劇団員の武長慧介は「劇場で見て楽しいと思える作品を作りたい。映像で見ていても伝わらないもの、観客と一緒に楽しめるものを作りたい」と話しているし、同じく劇団員の小濱昭博は「旗揚げ公演を見たときに、震災の1ヶ月後だったけれど、周りの観客と一緒に笑った。そこで気づけた感動と幸せがあった」と振り返っている。劇団10周年という節目の年。これから10年後をどう考えるかという質問に、劇団員の武者匠は「演劇界に革命を起こす」、小濱は「劇団員が1000人」、本田は「みちのく文学堂に改名して、服は脱がない」、武長は「世界ツアーを開催」と、それぞれが大きな夢を描いている。公演は6月7日までの全16公演。出演は、小濱、武長、武者、本田のほか、斎藤拓海、神﨑祐輝、三澤一弥。一般前売3500円、学生前売2500円。チケット発売中。※写真は、撮影のためマスクを外しています。取材・文:五月女菜穂
2021年05月07日コロナ禍で不安な気持ちやストレスを抱く人に向けて贈る、おやすみ前の大人向け・朗読放送「深夜文学」。シンガーソングライター藤原さくらによる『不思議の国のアリス』が、4夜にわたり配信されている。【動画配信】深夜文学「不思議の国のアリス」 チケット情報さまざまなジャンルの出演者が文学作品の名作を朗読し、オンラインにて配信するこの「深夜文学」は、昨年7月から8月にかけて石崎ひゅーいによる第一弾『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治 著)を配信。続く11月には、flumpool山村隆太による『星の王子さま』(サン=テグジュペリ 著)をお届けした。そして第三弾となる今回は、シンガーソングライターであり、役者としても活動する藤原さくらが『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル 著)を朗読している。本作は、好奇心旺盛な少女、アリスが不思議な世界を旅する姿を描いた、世界で愛される珠玉の名作。4月25日に配信された第一夜<たいくつな昼下がりのぼうけん>に続き、5月2日には第二夜<おおきくなったり、ちいさくなったり>が配信された。不思議な世界に迷い込んだアリスは、白うさぎを追いかけながら住人と話しているうち、自分自身もおおきくなったりちいさくなったり、不思議な体験を重ねていく――。深夜文学『不思議の国のアリス』は公開後、5月23日(日)までPIA LIVE STREAMにてアーカイブ配信されており、何度でも視聴可能だ。第三夜<トランプのクイーンさま>は5月9日(日)夜10時より配信スタート。通常の視聴券の他、第一夜~第四夜の通し視聴券、グッズ付き視聴券なども販売中。
2021年05月07日ロンドン発の大ヒットミュージカル「ジェイミー」(原題;Everybody’s Talking About Jamie)が この8月、遂に日本人キャストで上演。本作は、英BBCで放送された実話を基に2007年イギリスでミュージカル化、開幕されるや否や大ヒットを記録し、映画化も決定。日本でもディズニー配給で公開が予定されている話題作。主人公 ジェイミー役は、世界的ヒットメーカー スティーヴン・スピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー1」への出演など国際的に活躍し、 ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー(season2)』トニー役の好演も記憶に新しい森崎ウィンと、ダンス&ボーカルグループWATWINGのメンバーで2020年『デスノート THE MUSICAL』L役で鮮烈なミュージカルデビューを飾った髙橋颯(WATWING)がWキャストで演じる。今夏の日本初演に先駆け、Hibiya Festival 2021にて、キャストによるスペシャル歌唱パフォーマンスが5月9日に決定した。東京ミッドタウン日比谷 (千代田区有楽町事業者:三井不動産株式会社)では、2018年3月29日の開業以来、周辺の劇場・映画館と連携し、日比谷の芸術文化情報の発信を推進。日本のブロードウェイ「日比谷」ならではのイベントとして2018年から開催し、過去2回で300万人以上を動員した観劇の祭典「Hibiya Festival」は、都市の緑や自然とともに、オープンエアの中、無料でミュージカル、日本舞踊、オペラ、ダンスなどのパフォーマンスステージを楽しむことができる観劇の祭典だ。この「Hibiya Festival」でミュージカル『ジェイミー』の歌唱パフォーマンスが決定。キャストによる初の歌唱披露となり、ここでしか見ることのできない、スペシャルバージョンで届ける。多様性を求める現代社会を描きつつ、とびきり楽しく、愛に包まれた本作が、 日本でもセンセーションを巻き起こす。Hibiya Festival 2021は、政府からの緊急事態宣言発令を受け、リアル会場の開催は中止となったが、「ステップショー」を中心とした一部演目をYouTubeにて無観客ライブ配信する。ぜひ、オンライン配信で楽しんで。詳細は「ジェイミー」公式HPの歌唱パフォーマンスのお知らせニュースをチェック。
2021年05月07日