チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (55/342)
大阪・堺出身のTHE→CHINA WIFE MOTORSとGOOD4NOTHINGが「地元に恩返しをしたい!」という強い想いで2013年にスタートした大型ロックフェス『SAKAI MEETING』。今年は『SAKAI MEETING TOUR 2021』と題して、5月22日(土)の大阪・FANDANGO公演を皮切りに、8か所のライブハウスを巡演する。「SAKAI MEETING TOUR 2021」チケット情報「野外ライブハウス」というコンセプトのもと開催し続けてきた『SAKAI MEETING』だが、2020年はコロナ禍により開催中止。今年も野外での開催に向けてさまざまな方法を模索してきたが、本来の形での開催は見送ることに。しかし、2022年に迎える10周年に向けて、そして本イベントを楽しみに待つ人たちに少しでも元気を届けることができればという想いから、ツアーの敢行を決断した。全公演に出演するTHE→CHINA WIFE MOTORS、GOOD4NOTHINGに加え、第1弾情報として、5月30日(日)の東京・TSUTAYA O-EAST公演にFULLSCRATCHの出演が発表された。従来通りの開催ができない中でも、前を向いて進む彼らの姿にアツいパワーをもらえるはず。チケットは一般発売に先駆け、4月13日(火)12:00から18日(日)23:59まで先行抽選を受付中。
2021年04月13日新国立劇場はこの5月、バレエ『コッペリア』を上演する。フランスの振付家、ローラン・プティ(1924〜2011)の代表作の一つで、同劇場では2007年以来度々上演している人気演目だ。日替わりで登場する主役4組に名を連ねる池田理沙子、奥村康祐に話を聞いた。まず作品のあらましについて尋ねると、「従来の版と違って、より現代的な雰囲気。舞台はフランス。エスプリが効いた、独特の世界観がある」と奥村。『コッペリア』はもともと19世紀後半に成立、ポーランドの農村を舞台にほのぼのとした恋物語が展開されるバレエだが、1975年初演のプティ版は、物語のカギを握る人物・コッペリウスに独特の存在感を与え、よりお洒落で大人っぽい作品に。二人は2017年の上演時に本作に初主演。ヒロイン・スワニルダについて池田は、「一途に、純粋にフランツに恋心を寄せていますが、その若さゆえの思いを強く表現していかないと、ラストのちょっとほろっとしてしまうところに結び付かないと思うんです。プティの振付はコケティッシュな雰囲気を求められることが多く、その世界観を体現するのがすごく難しかったです」と振り返る。奥村も自身の役を「フランツはスワニルダと恋人同士だけれど、他の女の子も気になる(笑)。最初の登場から葉巻を吸っていたり、ちょっと格好つけたり、フェロモンが出るような振付なので、そういったニュアンスを出せるよう意識しました」と明かす。もう一人の重要人物、コッペリウスは、スワニルダそっくりの自動人形を作り、自らの孤独を慰める、風変わりで少し恐ろしげな老紳士だが、当初プティ自身が演じたことでも知られる。この役に、新国立劇場バレエ団のスターとして長く活躍していた山本隆之と新鋭の中島駿野が配されたことに「驚きました!!」と興奮気味の奥村だが、共演する中島との演技について「予想がつかない(笑)。それだけに楽しみ」と期待させる。コッペリウスの人形とのダンス・シーンはプティならではの独創的な場面。奥村は「振付も感動的ですが、あの場面でぐっとコッペリウスの人間性、日常が見えてくるのが面白い」と指摘。池田は、「最後の場面のコッペリウスもグサッときます。メッセージ性の強いシーンですね。このプティのバレエは日本ではなかなか観ることのできない作品ですし、大人のエッセンスが加わったバレエでもある。ぜひ楽しんでいただけたら」と語った。公演は5月1日(土)〜8日(土)、新国立劇場オペラパレスにて。チケットは4月11日より発売。取材/文:加藤智子
2021年04月12日昨年新型コロナウイルスの感染拡大により、延期となっていたTVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』のスペシャルイベントの開催日が7月18日(日)に決定した。山口悟による日本のライトノベルを原作とした TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』、略称「はめふら」はオタク女子から乙女ゲームの悪役令嬢カタリナ・クラエスに転生した主人公が、破滅エンドを回避すべく奔走する姿を描いた日常系ファンタジー。2020年4月から6月まで第1期が放送され、話題となったこのアニメが2021年7月より『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』としてMBS・TBS系全国28局ネット“スーパーアニメイズム”枠で放送される。7月18日にZepp Hanedaにて行われる「TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』スペシャルイベント~野菜スイーツ収穫祭~」では、主要キャストである内田真礼、蒼井翔太、柿原徹也、鈴木達央、松岡禎丞といった豪華声優陣が参加。また、TVアニメのOPテーマを担当するangelaや、EDテーマを担当する蒼井翔太による楽曲披露も予定している。ほかにも出演者によるトークや、お楽しみコーナーなど内容は盛りだくさん。イベントは昼公演と夜公演の全2公演で、昼公演が14:00開演、夜公演は18:30開演となっている。チケットは全席指定で税込7,200円、別途ドリンク代600円が必要。Blu-ray購入者優先先行が5月11日(火)、ぴあ・いち早プレリザーブが6月1日(火)、ぴあ・プレリザーブが6月10日(木)、一般発売が6月26日(土)よりスタートする。TVアニメ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」スペシャルイベント~野菜スイーツ収穫祭~2021年7月18日(日) 2公演昼公演:13:00開場/14:00開演夜公演:17:30開場/18:30開演会場:Zepp Haneda出演者:内田真礼(カタリナ役)蒼井翔太(ジオルド役・ED担当)柿原徹也(キース役)鈴木達央(アラン役)松岡禎丞(ニコル役)Angela(OP担当)天津向(MC)
2021年04月12日2006年から2015年まで関東・関西で開催された都市型フェス『SPRINGROOVE』が、4月29日(木・祝)大阪城ホールにて1日限りの復活を果たす。「SPRINGROOVE 2021」チケット情報SPRINGROOVE』は、特にHIP HOP、R&B、レゲエに焦点を当てた洋楽と邦楽の春フェスとして、長年愛されてきた。新型コロナウイルス感染症により、世界中のエンターテインメントシーンも大きな影響を受けている中、国内の素晴らしいアーティストたちが日本と世界を繋ぐ架け橋となり、あらゆるエンターテインメントが再び日常に溢れるよう願いを込めて『SPRINGROOVE 2021』が開催される。KREVA、Creepy Nuts、C&K、Nulbarich、SKY-HI、梅田サイファーの6組が出演。DJ RINAとDJ TAKAがオープニングDJを務める。過去のSPRINGROOVE ARCHIVEや海外アーティストのライブ映像を場内で上映予定とのこと。4月18日(日)23:59まで、チケットの先着先行受付を実施中。
2021年04月12日ミオヤマザキがニューアルバム『Alive』を引っ提げた全国8箇所15公演を巡る全国ツアー【ミオヤマザキツアー2021「Alive」】の一般発売が4月11日(日)12:00~スタートした。コロナ禍の影響で、昨年2020年4月28日に開催予定だった東京・LINE CUBE SHIBUYAでの公演が中止となった1年後、同じ日に同じ会場で公演を行い、全国を巡るという決断からはこんなご時世でもミオヤマザキを求めるファンのための行動であると感じられる。また、そんなミオヤマザキのライブをぜひ見たことない人にも体感してもらいたい。チケット料金は通常チケット ¥5,000-(税込)/学割チケット ¥2,500-(税込)の2種類あり、学割チケットは大学・専門学生まで対象となるため、非常に手に取りやすいチケット形態となっている。※学割チケットの方は学生証または学生であることの証明書が必要。■ ミオヤマザキツアー2021「Alive」4月28日(水)東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)OPEN 17:30 / START 18:305月7日(金)愛知県 Electric Lady Land[Day]OPEN 14:00 / START 14:30[Night]OPEN 18:00 / SART 18:305月9日(日)福岡県 DRUM Be-1[Day]OPEN 14:00 / START 14:30[Night]OPEN 18:00 / START 18:305月15日(土)宮城県 Rensa[Day]OPEN 14:00 / START 14:30[Night]OPEN 18:00 / 18:305月16日(日)千葉県 KASHIWA PALOOZA[Day]OPEN 14:00 / START 14:30[Night]OPEN 18:00 / START 18:305月23日(日)神奈川県 Yokohama Bay Hall[Day]OPEN 14:00 / START 14:45[Night]OPEN 18:00 / START 18:452021年5月29日(土)大阪府 BIGCAT[Day]OPEN 14:00 / START 14:45[Night]OPEN 18:00 / START 18:455月30日(日)静岡県 LIVE ROXY Shizuoka[Day]OPEN 14:00 / START 14:30[Night]OPEN 18:00 / START 18:30
2021年04月12日エターナルプロデューサーをジャニー喜多川、演出を滝沢秀明が手がける『滝沢歌舞伎ZERO 2021』が、4月8日(木)に開幕。これに先立ってゲネプロが行われ、初日前会見には主演を務めるSnow Manの9人が登壇した。2006年に『滝沢演舞城』として誕生し、滝沢がプロデュース業に専念した19年に『滝沢歌舞伎ZERO』の名でSnow Manに受け継がれた本作。CDデビュー後、昨冬に公開された映画『滝沢歌舞伎ZERO 2020 The Movie』を経て初めての劇場公演となる。第1部は「ひらりと桜」の歌唱でスタート。約300万枚の“青桜”の花びらが舞う中で、青と白の衣装に身を包んだSnow Manがオープニングを飾る。ピンクから青へのカラー変更について、岩本照は会見で「医療従事者の皆様に対する感謝とエールの想いを込めた」と明かした。続いて披露された新曲「One Heart」はしっとりとしたバラード。“僕らは一人じゃない”という前向きなメッセージが観客に贈られる。その後は、歌・ダンス・殺陣など、身体能力の高さを活かしたSnow Manらしい演目が揃い踏み。中でも回転するメカ太鼓を中心に繰り広げられる“腹筋太鼓”のパフォーマンスは圧巻だ。「滝沢歌舞伎ZERO」に向けて自らの顔に白塗りと隈取りを施す“生化粧”のシーンでは、後輩のジャニーズJr.・IMPACTorsも躍動。初々しいトークや新曲「Wildfire」で先輩を盛り上げる。芝居パートの第2部では「満月に散る鼠小僧~残した夢は『笑いあり、涙なし』~」が上演された。江戸の粋を感じさせる岡っ引き、しっかり者の町娘、残酷な悪党、頼りない兄弟に、とある“動物”──と9人それぞれに持ち味を発揮する見せ場が設けられている。ゲネプロ後に行われた会見で、岩本は「このような状況で初日を迎えられることが本当に嬉しい」と挨拶。ラウールも「感激で泣きそうだった」と続き、笑顔を覗かせた。腹筋太鼓での苦労を問われると、メカ太鼓でのアクロバティックな動きが光る佐久間大介は「パネルが開く前にバチで互い(向井康二・目黒蓮)を鼓舞し合っている」と舞台裏を明かす。一方で、腹筋でなく股間を痛めたという深澤辰哉が「これまでやり方を間違っていた」というと、他のメンバーからすかさず「何年目よ?」とツッコミが入った。記者のお気に入りシーンに自身のキューブフライングが挙がった宮舘涼太は「お目が高い!」といって会見場の笑いを誘い、雨や噴水に10トンの水を使用するダンスシーンについて渡辺翔太は「サウナ後の水風呂みたいで“ととのう”」とボケを炸裂。天気予報士の資格を持つ阿部亮平は、劇中のとあるシーンについて佐久間から「リハで“曇り”しか言わん」、向井から「なのに外めっちゃ晴れてるやん」とツッコまれていた。公演は5月16日(日)まで、東京・新橋演舞場にて。その後、6月2日(水)〜27日(日)に愛知・御園座へ巡演する。取材・文:岡山朋代
2021年04月09日株式会社ステラキャスティングと株式会社スタンダードワークスが4月18日(日)、CARATO71にて『オトシバナシ ~声優と落語家~』を開催する。声色を変えながら噺をする落語家と、声だけで様々な表現をする声優。一見交わることがないように見えて、どちらも声が重要な役割を果たしているという点で共通している職業だ。『オトシバナシ ~声優と落語家~』はそんな落語家の柳亭小痴楽と春風亭昇々、声優の神尾晋一郎によるコラボレーションイベントとなっている。師匠となる落語家の指導の元で、声優の神尾が本気の落語を披露。遠いようで近い、近いようで遠い。落語家ファンのみならず、声優ファンも楽しめる事間違いなし。何の演目を披露するかは当日までのお楽しみだ。『オトシバナシ ~声優と落語家~』出演:柳亭小痴楽、春風亭昇々、神尾晋一郎日程:2021年4月18日(日)(1)開場13:00/開演13:30(2)開場17:00/開演17:30会場:CARATO71(カラート71)〒150-0035東京都渋谷区鉢山町13-7料金:全席指定 5,500円(税込)※チケットは発売中
2021年04月09日コロナ禍で数々の公演が中止となり、半年ぶりの帰国となるドイツ在住のピアニスト、河村尚子。充実した演奏活動を繰り広げ、今や日本を代表する実力と人気を兼ね備えたピアニストだ。待ちに待った日本での公演は、詩的なロマンにあふれた傑作・シューマンのピアノ協奏曲を披露する。14日間の待機の後、音楽の喜びを爆発させてくれるに違いない。指揮は、かつて日本フィルの正指揮者として数々の共演も記憶に残る沼尻竜典。リューベック歌劇場では音楽総監督として、びわ湖ホールでは芸術監督として成功を収めてきたが、2022年度からは神奈川フィルハーモニー管弦楽団音楽監督に就任することが決定している。メインプログラムはショスタコーヴィチの交響曲第5番。20世紀ソヴィエト体制下で抑圧されながらも芸術家として強い信念をもって作品を生み出したショスタコーヴィチ。緊張感と劇的なドラマ性を孕み、今を生きる私たちの魂をも強く揺さぶる作品は必聴だ。先日、久しぶりに指揮した日本フィルは、伝統である元気の良さや、音楽の楽しさをお客様に懸命に伝えようとする姿勢はいまだ健在でした。河村尚子さんと共演できることも、大きな喜びです。<河村尚子>18歳の頃から弾き続けているシューマンの協奏曲、読み返せば読み返すほど味が滲み出てきます。皆様に音楽を聞いて頂くのは半年振りです。精一杯演奏に集中しますので、音楽会をどうぞお楽しみに![公演情報]第366回横浜定期演奏会[ライブ配信あり]2021年4月16日(金)19:00開演 神奈川県民ホール第391回名曲コンサート2021年4月18日(日)18:00開演 サントリーホール指揮:沼尻竜典ピアノ:河村尚子シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47
2021年04月08日脚本・岡田惠和×演出・田村孝裕の新作舞台『パークビューライフ』が4月7日(水)に開幕する。それに先駆け公開ゲネプロと取材会が行われ、取材には出演者の風間俊介、倉科カナ、中川翔子、前田亜季が出席した。NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」「ひよっこ」などを手掛けてきた脚本家・岡田による書下ろしの本作は、孤独な人生を送っていた男性が、コロナ禍で職を失った幼馴染の女性3人と共同生活を送ることになる怒涛の会話劇。取材会で風間が「この物語は“今”を描いた物語です。人との接触や出会いが難しくなった今だからこそ、その大切さがしっかりと描かれていると思います。今を生きるみなさんに観ていただけたらなと思います」と話した通り、最初の舞台は2020年。去年だ。風間演じる成瀬洋が暮らすマンションに、倉科演じる玉枝、中川演じる香苗、前田演じる望の幼馴染3人組が忍び込んでくるところから物語はスタートする。4人のキャラクターは、「(成瀬は)あまり人と関わらずに生きてきた人物」(風間)、「(玉枝、香苗、望は)瀬戸内海の島育ちの幼馴染で、前田さん演じる望ちゃんは優等生で、中川さん演じる香苗は変な子、私(倉科)演じる玉枝は普通、という役柄です」(倉科)。そんな3人の小さい頃からずっと一緒だったことが一発でわかるような会話は、内容もテンポも滑らかで賑やか。成瀬が、彼女たちと鉢合わせし、一緒に暮らすことを提案するまでのやり取りは、3人の小気味よいやりとりと、人と接してこなかった成瀬のテンポが全然合わず、けれどそれが笑わせてくれる。そういった会話劇の面白さに加え響いたのは、岡田ならではのほのぼのとした温かさの中に滲む、今だからこその切実さだ。出会いの次に描かれるのは2021年の春で、まさに今となる。この1年、新しく人と出会っても、同じ時間を過ごしたり、仲を深めたり、そういうことがしにくかった。その感覚は多くの人が持っているものだろう。だからこそ、去年出会った彼らが一緒に暮らす選択をすること、その暮らしの中での様子、そして劇中で叫ばれる「一緒にいたい」という気持ちは、強烈なものとして感じられた。柔らかなストーリーの中で、噛めば噛むほど味が出るこの作品をぜひ堪能してほしい。上演時間は約1時間40分。公演は4月7日(水)から18日(日)まで東京・世田谷パブリックシアター、4月23日(金)・25日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、5月1日(土)・2日(日)愛知・ウィンクあいち 大ホールにて上演。取材・文中川實穂
2021年04月07日脚本・岡田惠和、演出・田村孝裕、出演・風間俊介、倉科カナ、中川翔子、前田亜季の舞台『パークビューライフ』が4月7日に開幕する。稽古場にて田村に話を聞いた。岡田作品を手掛けるのは2度目となる田村。コロナ禍の出来事を描いた今作について「大きなキーワードとして“多幸感”というものがあります」と話す。「でも、“ただただ楽しい芝居”にはしないです。そうするために必要なのはリアリティで、そこが成立していないと、底が浅いものになってしまうように思います。でもそこがちゃんと成立すれば、彼らの痛みも伝わるだろうし、苦しみも伝わるはず。このお話は、いわゆる依存だったりコミュニケーションだったり友情だったりの、『足りないところを補っていく』というような部類のものだと思うので」。4人のキャストの印象は「風間さんは、演出全部受け止めます!って感じの方です。ご本人は、人間何回やってるんだ?というくらい(笑)ものすごく社交性が高い方ですが、演じる成瀬は人とあまりコミュニケーションを取ったことがない人物なので、今は成瀬の閉じ方の部分を話し合っています。もしかするとあまり見たことのない風間さんになるかもしれません。倉科さんは僕、すごく舞台に向いている方だなと感じています。とてもコメディエンヌで、稽古をやればやるほど良くなるし、いろんなことを試されますし、面白いことにすごく興味がある方なんだと思います。中川さんはやっぱり独特で、面白い呼吸とか間(ま)とか持っていらっしゃいます。演じる香苗とご本人でキャラクターが近いところがあるのですが、だからこそ自分にならないようにと考えて努力もをされている。すごくクレバーな方です。前田さんは受信の感度がハンパないんですよ。それは役者としてすごくいいことですが、今回はふたりを引っ張っていく、なんならこの物語を引っ張っていく役どころなので、強いエネルギーが必要で。そもそも物語の発端も、前田さん演じる望が『ここに忍び込もう』と言い出しますし、しかも2020年6月の出来事ですからね。不要不急の外出してるじゃないですか(笑)。それをやる強烈なエネルギーの放出は、あまり経験のないことらしいのですが、真摯に向き合ってくださっています」「この作品と向き合って発見だなと思ったのは、今このご時世において“相手のことをちゃんと知ろうとする”ってこともドラマなんだってことでした。人とコミュニケーションを取って、相手に興味を持って、話すということにも価値があるんだなって」と田村が語る本作は、4月7日(水)から18日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターにて上演後、大阪、愛知を巡演。取材・文中川實穂
2021年04月07日アメリカのシカゴで実際に起こった殺人事件を題材にしたミュージカル『スリル・ミー』が東京芸術劇場ウエストで上演中だ。舞台は、監獄の仮釈放審議委員会。収監者である「私」の5回目の審議が始まり、34年前、19歳の「私」と幼なじみの「彼」が犯した罪が静かに語られていく。舞台上にあるのは、1台のピアノと少しばかりの小道具。ヒリヒリとした緊張感と美しいピアノの旋律が流れるなか、明かされる真実。たった2人の俳優が、100分間、ノンストップで展開する衝撃作だ。2005年にニューヨークのオフ・ブロードウェイで初演されて以降、世界中で上演されている本作。日本版初演は、11年に栗山民也が演出を手掛け、田代万里生×新納慎也、松下洸平×柿澤勇人のペアで上演。その後、キャストを替えて再演を重ねてきた。今回は、日本初演10周年を記念した公演で、初演以来のタッグである田代×新納ペア、18〜19年公演で初登場して大反響だった成河×福士誠治ペア、そして、オーディションで選ばれて、初めて本作に挑戦する松岡広大×山崎大輝ペアの3組が出演する。松岡×山崎ペアのゲネプロ(総通し舞台稽古)を見た。ニーチェの信奉者で、自らを“超人”として犯罪を犯すことに快感を得る「彼」を山崎が、「彼」を愛していた「私」を松岡が演じた。実年齢が23歳の松岡と25歳の山崎が、等身大に演じる「私」と「彼」は、いい意味で若さを味方につけた。若さゆえの狂気や暴走っぷりが感じられて、妙な説得力があった。本作に出演してきた歴代の俳優陣と比べると、舞台のキャリアが浅いため、きっとプレッシャーに感じた部分もあっただろうが、周囲に流されることなく、「私」と「彼」の物語に新風を吹き込んだと感じた。初日の幕が開き、松岡は「個人的には本当に色々とまだまだだな、と思うこともありますが、本日出来る限りのことをお客様に向けて、そして『彼』に向けて存分に演じられたらと思います。これからも慢心せず、慢心していきたいと思います」とコメント。山崎は「今までで一番緊張する作品でした。今回、やれる限りのことは出来ましたが、もっと詰めていくことはたくさんあるので、今作ったものをさらに突き詰めていきたいと思います。ここから約1ヶ月以上ありますが、どのような風に僕たちのペアが進んでいくのか、ぜひ皆さま気にしてくださると嬉しいなと思います」と話している。それぞれのペアで全く印象が異なる三者三様の『スリル・ミー』。東京公演は5月2日まで。5月4、5日は群馬・高崎芸術劇場スタジオシアター。5月15、16日は愛知・ウインクあいち大ホール。5月19〜23日は大阪・サンケイホールブリーゼで上演予定。ぜひお見逃しなく。取材・文:五月女菜穂
2021年04月07日脚本・岡田惠和×演出・田村孝裕の新作舞台『パークビューライフ』が4月7日に開幕する。出演者の前田亜季に話を聞いた。「物語がプロット(あらすじ)の段階で面白かったです。この台詞を喋りたい、みんなとやり取りしたい、という気持ちになりました」と目を輝かせる前田。’05年に出演したドラマ『きみの知らないところで世界は動く』(原作:片山恭一)では岡田の脚本を経験し、普段から岡田作品も観ているといい「日常の中にそっと奇跡が起きる感じがすごく好きです。生活をしていくと大変なこともあるけれど、そこをパッと岡田さん節で救ってくれるので、観ていてちょっとがんばろうかな、という前向きな気持ちになれます」。今作は、孤独な人生を送っていた男性が、職を失った冴えないアラサーシングル女性3人と共同生活を送ることになる怒涛の会話劇。「まだ脚本は完成していないのですが(※取材当時)、コロナ禍の今が舞台なので、どんなふうに描かれるのかなと思っています。今は、以前のようにコミュニケーションが取りづらい時代ですが、舞台上の4人はきっと濃密なコミュニケーションになるんじゃないかなと思うので、そこを楽しんでいただきたいです」風間俊介、倉科カナ、中川翔子、そして前田の四人芝居。「四人芝居の会話劇……好きだけど恐ろしいです(笑)。脚本を『面白い』『面白い』と楽しく読んだ後に、『これを覚えるんだ……』と思ったりもして。だから稽古がたくさんしたいですね(笑)。共演者の皆さんとも田村さんとも初めましてなので少し緊張しますが、気を遣っちゃうともったいないので、濃厚な稽古期間を過ごしたいです。そこでいろんな化学反応が起きたらと思いますし、この本を読んだ時に私が感じた面白さを、お客様に伝えられるようにしていきたいです」。前田が演じる望は、倉科が演じる玉枝、中川が演じる香苗と幼馴染という役どころ。「3人とも島育ちという設定で、きっと東京よりも近い距離感でずっと一緒に育ってきて、なんでも言い合えるし遠慮もない。そしてお互いのことを好きで、ちゃんと尊重している。とってもいい3人なので、その関係性を稽古でつくっていきたいです。そこに風間さんが加わって4人での暮らしが始まるのが楽しみです」前田が「登場人物がみんな愛らしい。欠点ももちろんあるけれど、そんなのひっくるめての人間賛歌がちりばめられているところがいいなと思います」と語る『パークビューライフ』は、4月7日(水)から18日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターにて上演後、大阪、愛知を巡演。取材・文中川實穂
2021年04月06日新国立劇場の新制作公演、ストラヴィンスキー《夜鳴きうぐいす》とチャイコフスキー《イオランタ》のダブルビル(二本立て上演)が4月4日(日)に初日を迎えた。入国規制のため演出のヤニス・コッコスが来日できず、パリからのリモート演出で作り上げた舞台。《夜鳴きうぐいす》はストラヴィンスキーの最初のオペラ。アンデルセンの童話が原作の短編で、人々の心を癒す鳴き声を持つ不思議なうぐいすが、最後にはその歌声で瀕死の王をも救う。その声は「真の芸術」の象徴でもあり、まやかしの芸術を象徴する機械仕掛けのメカうぐいすとの対峙も描かれる。三宅理恵(ソプラノ)のうぐいす役が大正解。いわば「声」そのものが主役という、歌い手の真価が問われそうな難役。透明感のあるやわらかなリリコに巧みなコロラトゥーラも織り交ぜて鮮やかに歌いきり、劇中の神秘の鳥さながらに、聴き手の心を癒してくれた。物語の案内人である漁師役の若いテノール伊藤達人の安定した美声も印象に残った。一方の《イオランタ》はチャイコフスキーの最後のオペラ。生まれながら目の見えないイオランタ姫が、偶然に出会った騎士ヴォデオンによって愛と光の世界を知り、二人は結ばれる。題名役のソプラノ大隅智佳子が終始圧倒的な存在感を示した。しっかりしたボディのある豊潤な声がじつに心地よく響く。父王ルネの妻屋秀和も貫禄の歌唱。ロシア・オペラらしい深いバスの魅力を見せつけてくれた。演出家コッコスは劇場サイトで公開されている「オペラトーク」で、時代も音楽の性格も異なるこの2作品は一見まったく似ていないが、その共通性にすぐに気づいたといい、2つのオペラがひとつの舞台作品となるよう、美術的な観点からも密かな橋渡しを施したと語っている。それを踏まえて舞台装置を眺めれば、両作品に通底する、類似の、あるいは不変のさまざなモチーフが仕掛けられているのに気づくはずだ。ゼロから新たに作り上げる新制作上演だけにリモートでの演出には困難もあったろうが、そんな、ダブルビルの「意味」を滑り込ませた心憎い演出。音楽的にも、知的な音楽作りに定評ある高関健のタクトが鮮やかに織りなすストラヴィンスキーとチャイコフスキーのコントラストが、まるであらかじめひとつの作品として意図されていたかのような錯覚さえ覚える。これもコッコス・マジックゆえかもしれない。2作品ともおとぎ話なので、退廃的な悲恋も愛憎渦巻く殺人も出てこない。表現主義絵画から飛び出してきたような2次元風の舞台美術やカラフルな衣裳も幻想的で、小さな子供でもまったく抵抗なく楽しめそうな、素敵なプロダクションだ。新国立劇場の《夜鳴きうぐいす/イオランタ》はこのあと4月6日(火)、8日(木)、11日(日)。初台の新国立劇場オペラパレスで。(宮本明)
2021年04月05日cinema staffの東阪名ツアー「前衛懐古主義 part3」の開催が決定した。公演は、5月2日(日)大阪・梅田クラブクアトロ、5月5日(水・祝)愛知・名古屋クラブクアトロ、5月7日(金)東京・LIQUIDROOMにて開催される。cinema staff チケット情報チケットは一般発売に先駆け、4月1日(木)21:00から8日(木)23:59までオフィシャル抽選先行を受付中。■「前衛懐古主義 part3 大阪編」5月2日(日)梅田クラブクアトロ■「前衛懐古主義 part3 名古屋編」5月5日(水・祝)名古屋クラブクアトロ■「前衛懐古主義 part3 東京編」5月7日(金)LIQUIDROOM
2021年04月02日新国立劇場のフルオーディション企画第3弾として、上村聡史を演出に迎えて三好十郎の名作『斬られの仙太』が4月6日より上演される。幕末の水戸の天狗党の史実を絡めつつ、数奇な運命を生きることになる仙太の姿を描く本作。3月中旬、稽古場に足を運んだ。年貢の減免を申し立てた兄への酷い仕打ちに絶望し故郷を出て百姓から博徒となり、さらに勤皇を掲げる水戸天狗党の一員となって激動の幕末を生きる仙太の人生を描く本作。全三幕で上演時間は4時間30分(休憩二回含む)を予定しており、この日は第二幕の通し稽古が行われた。舞台はかなり角度のついた、いわゆる“八百屋舞台”となっており、俳優陣は武士から町人、百姓、博徒、さらには黒子まで複数の役柄を演じ分けながらこの傾斜の上り下りを繰り返す。主人公の仙太を演じるのは阿佐ヶ谷スパイダースで活躍する伊達暁。この第二幕では、水戸藩内の尊王攘夷派・天狗党の一員となっており、卓越した剣の腕前から人望を集めている。一方で、身分に関係なく世のためにと加わったはずが、党の幹部からは便利な“人斬り”のように扱われており、権力争いや内紛ばかりの党の現状にもうんざりしており、どこかやるせなさを感じている様子が伝わってくる。そんな中、そもそも仙太が百姓をやめて村を出るきっかけともなった兄・仙右衛門の死の“真相”を知ってしまい…。悲哀にあふれた仙太の叫びが胸を打つ。もう一人、要な役割を果たしているのが、仙太と同村の幼なじみである段六(瀬口寛之)。仙太が百姓→博徒→天狗党と身分を変えて生きていくのとは対照的に、段六は徹底して百姓として生き、常に仙太の身を案じ、故郷の村に帰ることを勧める。「俺達の頼りにするのは貧乏人だけど、また、これで、何が頼りにならねえと言っても貧乏人ほど頼りにならねえものはねえ」(仙太)、「仙エムどんは、本当のお百姓であった」(段六)――彼らの言葉、そして生まれも育ちも同じながら、ひょんなことから道を違えた2人の関係性から、土と共に生き、命の源となる食べ物を作るその生き方とは何なのか? という問いかけが浮かび上がってくる。この第二幕には、世の中を変えることに躍起になる男たちをよそに、孤児たちを引き取り育てる情と強さにあふれたお妙(浅野令子)、仙太に惚れたがゆえ運命に翻弄される芸者のお蔦(陽月華)といった魅力的な女性たちも登場する。歴史的背景、入り組んだ人間関係など、全体像を理解するのが決して容易ではない本作だが、市井の者たちの視点で、殺陣あり、愛と友情の物語ありの珠玉の人間ドラマとして楽しんでほしい。「斬られの仙太」は4月6日より新国立劇場にて上演。
2021年04月02日宝塚歌劇団花組の新作『アウグストゥス-尊厳ある者-』、『Cool Beast‼』が、4月2日(金)より兵庫・宝塚大劇場にて開幕する。トップスター・柚香光に話を聞いた。宝塚歌劇花組 ドラマ・ヒストリ『アウグストゥス-尊厳ある者-』/パッショネイト・ファンタジー『Cool Beast!!』ぴあ貸切公演 チケット情報本作の主人公は、ローマ史上初の皇帝となり、「尊厳者」を意味する“アウグストゥス”の称号を贈られたオクタヴィアヌス帝。若き英雄の姿を、フィクションと史実とを織り交ぜて描いた作品だ。「オクタヴィアヌスが成熟する前の未熟な部分が描かれていて、“若さゆえの青さ”がテーマになっています。賢くて聡明な、政治のお手本となるようなシステムを残された方でも、それまでには道を踏み外しそうになったり、己の感情に飲み込まれそうになったりしながら、いろんな人の教えを得て成長された。美化された英雄伝ではなく、そんな人間らしい部分に魅力を感じています」。鋭い眼差しをまっすぐに向けるポスタービジュアル。そこには“憎しみ”の感情が込められているという。「オクタヴィアヌスは、基本的には戦うよりも頭脳を使って人と分かり合うということを選びますが、その彼が、憎しみに傾いたときの瞬間を撮りました。いろんなメッセージが作品に込められている中で、“憎しみ”がひとつのキーワードになっています。希望や願い、夢が欲に変わり、それが叶わないときに憎しみが生まれる。いろんな感情の連動が演じる上で大切だと感じています」。『Cool Beast‼』は、美しく心優しい“野獣”が見た夢を、ストーリー仕立てで綴るラテンショー。「お客さまにはいろんな表情を楽しんでいただけると思います。また、久しぶりのエネルギッシュなラテンショーで、私たちも新鮮に感じています」。その中でも「長年夢見ていた裸足で踊るシーン」に注目してほしいと語る。「男役は基本的に足首まで固定されるようなシューズやブーツを履き、足首や足裏が固められた状態で舞台に立ちますが、裸足ではそれが解き放たれることになります。そうなれば身体の稼働や躍動がまったく変わってきますので、一度足が自由な状態で、いつも以上に自由に音楽を感じ、踊ってみたいなと思っていました。音楽も『水の戯れ』という美しい旋律の曲が使われています。デュエットでお見せしますので、ぜひ楽しみにしていただきたいです」。昨年、トップ就任が決まるもコロナ禍により大劇場お披露目公演が延期になるなど不測の事態が起きたが、柚香は「気付きの多い時間だった」と振り返る。「私たちがいかに恵まれた環境の中で過ごさせていただいているのか、どれだけ多くの方に大切に思っていただいているのか、心の底から実感しました。恥ずかしながら、こういう経験がなければこれほどまで思えなかったのではないかなと思いますので、今後、自分が道を歩んでいくうえで、大切な時間になったと思います」。公演は、4月2日(金)から5月10日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、5月28日(金)から7月4日(日)まで東京宝塚劇場にて上演。4月15日(木)15:30ぴあ貸切公演、チケットは4月3日(土)一般発売。取材・文:黒石悦子
2021年04月02日Yogee New Wavesのボーカル角舘健悟が、自身初となる弾き語りのソロツアー「The Highest Peak Tour」を決行する。4月28日(水)の京都・磔磔公演を皮切りに、大阪、岡山、名古屋、東京の各地ライブハウスで開催。角舘健悟 チケット情報チケットは4月10日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、3月31日(水)17:00から4月4日(日)23:59まで抽選先行受付を実施中!Kengo Kakudate “The Highest Peak” TOUR4月28日(水)京都・磔磔4月30日(金)大阪・Shangri-La5月1日(土)岡山・YEBISU YA PRO5月2日(日)愛知・TOKUZO5月9日(日)東京・Shibuya WWW
2021年04月01日世界的な芸術家イサム・ノグチの、彫刻家として精髄に迫る展覧会『イサム・ノグチ発見の道』が、4月24日(土)~8月29日(日)まで、東京都美術館にて開催される。その幕開けを前に、オンライン記者会見が行われ、本展の見どころなどが紹介された。彫刻、舞台美術、プロダクトデザインなど、多岐にわたる創作活動は60年にも及んだノグチ。会見では、担当学芸員である中原淳行氏を中心に、3章から成る本展の構成、ポイントとなる作品の紹介、模型を使ったオンラインギャラリーツアーなどが行われた。「第1章 彫刻の宇宙」では、1940年~最晩年となる80年代までの作品を展示。まず目に入るのは、香川県牟礼町の石匠・和泉正敏氏による本格的なサポートが始まった記念碑的作品、《黒い太陽》だ。さらにその先には、ノグチのライフワークであった光の彫刻「あかり」がなんと150灯も吊り下げられ、深呼吸するかのようにゆっくりと点いたり、消えたりを繰り返す。しかもこの「あかり」のインスタレーションは、来館者による撮影も可能。幻想的で“映える”思い出を作ることが出来そうだ。「第2章 かろみの世界」では、“軽さ”をテーマに、折り紙にヒントを得た金属彫刻や、スタンド型の「あかり」などを紹介。またノグチは遊具のデザインにも情熱を傾けており、真紅の遊具彫刻《プレイスカルプチュア》を新規制作し展示する。さらに展示室の一角には、ノグチがデザインしたソファとオットマンが据えられ、ノグチ作品を実際に体感することも出来る。「第3章 石の庭」には、牟礼町のイサム・ノグチ庭園美術館から約10点の石彫を展示。こちらの庭園には、前出した和泉氏と作り上げた晩年の彫刻が多く所蔵されており、和泉氏は「ノグチ先生の石は、すべて命を宿しているように感じます」と語る。ノグチにとって“庭”とは、“小宇宙”に例えられるほど特別な空間。かつての制作拠点であり、彼のエッセンスが凝縮されたこの牟礼の庭園の様子は、展覧会の最後、高精細な映像にて楽しめるようになっている。会見の最後には、ノグチファンのひとりであるサカナクションの山口一郎氏から、「イサム・ノグチの魅力はやはり“体験”。本展のコンセプトも体験ということで非常に楽しみですし、僕もイサム・ノグチの一ファンとして、この展覧会に何度も遊びに行こうと思っています」とのコメントが。同じアーティストである山口氏の言葉は、本展への期待をグッと高めてくれた。会期は2021年4月24日(土)~8月29日(日)で会場は東京都美術館企画展示室で実施。詳細は公式サイトを要確認。取材・文:野上瑠美子
2021年04月01日ブロードウェイ・ミュージカル『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』のプレビュー公演が3月27日(土)、28日(日)に鎌倉芸術館 大ホールにて上演、本公演は4月7日(水)から28日(水)まで大阪、愛知、東京にて上演される。ウスナビ役・Micro[Def Tech](平間壮一とWキャスト)、ベニー役・林翔太(東啓介とWキャスト)の公開ゲネプロをレポートする。“ブロ-ドウェイの異端児”リン=マニュエル・ミランダが原案・作詞・作曲を手掛けた本作は、オフ・ブロードウェイで上演成功後、ブロードウェイに進出し、トニー賞の最優秀作品賞、グラミー賞最優秀ミュージカルアルバム賞をはじめ数々の賞を受賞したヒット作。日本版は初演以来7年ぶりの上演となり、演出・振付は初演同様TETSUHARU、サルサやヒップホップの楽曲が中心となる本作の日本語詞はヒップホップアーティストのKREVAが手掛けている。また、主人公ウスナビ役は、初演から続投のMicro(マイクロ)と、今作より参加の平間壮一がWキャストで演じる。マンハッタン北西部、移民が多く住む町「ワシントンハイツ」を舞台に、ドミニカ系移民で両親の遺した雑貨店を守るウスナビ(Micro/平間)や、幼馴染のベニー(林/東)、ハイツの希望の星として名門大学に進学して町を出たニーナ(田村芽実)、ウスナビが思いを寄せるヴァネッサ(石田ニコル)、ウスナビの従兄弟で弟分のソニー(阪本奨悟)たちが、問題や悩みを抱えながらもそれぞれの“居場所”を見つけていく姿を描く。音楽は、登場人物たちのルーツ同様ラテン系で、ミュージカルではあまり聴くことのないラップも多く取り入れられているが、トニー賞もグラミー賞も受賞している楽曲はどれも秀逸。耳に楽しく、心にやさしく、すんなりと作品の世界に引き込んでくれた。Microのハスキーで温かな歌声はこの作品の魅力そのもので、そこに林をはじめ田村、石田らの生き生きとした歌声、山野光らのキレのいいダンスが賑やかに加わり、この『イン・ザ・ハイツ』の物語が色とりどりに輝いていく。劇中、登場人物たちはそれぞれに岐路を迎える。そこから一歩踏み出す様を描く楽曲や表現は、ミュージカルそのものの魅力をも感じさせるもので、物語としても、エンターテインメントとしても、幅広い人に薦めたい作品だと感じた。本公演は4月3日(土)・4日(日)に大阪・オリックス劇場、4月7日(水)・8日(木)に愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、4月17日(土)~28日(水)に東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演。文:中川實穂
2021年03月31日世田谷パブリックシアターではこれまでに『炎 アンサンディ』(2014年初演、17年再演)、『岸 リトラル』(17年戯曲リーディング公演、18年本公演)と、気鋭の劇作家ワジディ・ムワワド作“「約束の血」4部作”シリーズを上演。宗教・戦争・歴史といった、日本人にとっては一筋縄には伝わらない題材ながらも、難解さを超越する作家の世界観、構成力、魅了する台詞、そしてなによりも普遍性を見つめた視点が高く評価され、数々の演劇賞を受賞。続く第3弾の上演を心待ちにする声を多数頂いておりましたが、2018年の『岸 リトラル』以来、3年の歳月を経て、ようやく待望の『森 フォレ』の上演が、シアタートラムから世田谷パブリックシアターへ劇場を移して、決定した。演出を手掛けるのは、『炎 アンサンディ』、『岸 リトラル』を数多くの演劇賞受賞へと導いた上村聡史。役の心情のみならず、社会・政治背景まで正確に分析して表現する緻密な演出力を生かし、同シリーズの中でも集大成と言える大作『森 フォレ』に挑む。またスタッフ陣も『炎 アンサンディ』以来、全員同じ布陣が今作でもまた顔を合せ、最高のスタッフワークで臨む。出演には、『岸 リトラル』で読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した岡本健一、『炎 アンサンディ』で菊田一夫演劇賞大賞を受賞した麻実れいほか、栗田桃子、亀田佳明、小柳友といった前2作でその研ぎ澄まされた演技をいかんなく発揮した顔ぶれが並ぶ。更に、成河、瀧本美織、岡本玲、松岡依都美、前田亜季、大鷹明良といった、近年の演劇界を牽引するメンバーが加わり、総勢11名の実力派俳優が集結。世界の歴史の背景に翻弄された人間たちの宿命的な生きざまを一大叙事詩として、2021年の日本にて表出る。『 森 フォレ』【日程】2021年7月【会場】世田谷パブリックシアター【作】ワジディ・ムワワド【翻訳】藤井慎太郎【演出】上村聡史【美術】長田佳代子【照明】沢田祐二【音楽】国広和毅【音響】加藤温【衣裳】半田悦子【ヘアメイク】川端富生【アクション】渥美博【演出助手】生田みゆき【舞台監督】大垣敏朗【出演】成河瀧本美織/ 栗田桃子前田亜季岡本玲松岡依都美/亀田佳明小柳友大鷹明良/岡本健一麻実れい【主催】公益財団法人せたがや文化財団【企画制作】世田谷パブリックシアター【後援】世田谷区
2021年03月30日ららら♪クラシックコンサート第10弾は、2019年秋のVol.6に続く「ミュージカル特集」。日本ミュージカル界を代表する実力派スターたちと読売日本交響楽団(指揮・角田鋼亮)との豪華共演でミュージカルの魅力に迫る。今回は「ミュージカル界の巨匠たち」をテーマに、『ウエスト・サイド・ストーリー』のレナード・バーンスタイン、『キャッツ』『オペラ座の怪人』のアンドリュー・ロイド・ウェバー、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』のクロード=ミシェル・シェーンベルク、『エリザベート』『モーツァルト!』のM.クンツェ&S.リーヴァイなどによる名作ミュージカルの人気楽曲をお届けする。高橋克典の楽しいトークもお楽しみに。現在完売となっているチケットを、緊急事態宣言解除に伴い、4月1日10時から売り止めていた座席を開放し、追加販売を行う。ぜひお見逃しなく。・出演新妻聖子、中川晃教、ソニン、上原理生、咲妃みゆ管弦楽:読売日本交響楽団指揮:角田鋼亮司会:高橋克典、金子奈緒
2021年03月30日2007年に結成、2018年に自主レーベル「酔犬レーベル」を設立しライブ活動を続けてきた空きっ腹に酒が、7月22日(木・祝)に大阪・梅田クラブクアトロで行われるライブ「空きっ腹に酒presents『クアトロインザハウス!!!』」をもって無期限活動休止となることを発表した。空きっ腹に酒 チケット情報また、3月27日(土)の東心斎橋CONPASSのワンマンライブの日より、現在廃盤となっている会場限定シングル『酔.ep』『泥.ep』がコンプリート盤となり、ミニアルバム『泥酔』としてApple Music、Spotify等の主要サブスクリプションサービスにてデジタル配信されることが決定。『クアトロインザハウス!!!』のチケットは、一般発売に先駆け、4月18日(日)23:59までオフィシャル先行受付を実施中。
2021年03月29日大ヒット韓国映画『私の頭の中の消しゴム』が、日替わり豪華人気俳優陣による朗読劇として東京・大阪の二拠点で上演されることが決定した。読売テレビ・日本ドラマ系列連続ドラマ『Pure Soul〜君が僕を忘れても〜』として生まれ、2005年に公開された韓国でのリメイク版が大ヒットした『私の頭の中の消しゴム』。本作は若年性アルツハイマー病に侵された妻と、葛藤を抱えながらも彼女を愛し、献身的に支える夫による純愛ラブストーリーだ。そんな永久不滅の名作が、長谷川純×高垣彩陽、福山潤×星野真里、白石隼也×竹達彩奈、水田航生×浅川梨奈、猪塚健太×安野希世乃、梶裕貴×谷村美月、中島ヨシキ×前島亜美、廣瀬智紀×美山加恋という人気俳優揃い踏みのペアが紡ぐ朗読劇でよみがえる。2010年初演から常に大反響を呼ぶ、本作の第12回公演「私の頭の中の消しゴム 12th Letter」は、4月29日(木・祝)~5月5日(水・祝)に東京・よみうり大手町ホールにて全16公演、5月7日(金)~5月9日(日)に大阪・ABCホールにて全6公演で上演される。「私の頭の中の消しゴム 12th Letter」脚本・演出:岡本貴也出演者:長谷川純×高垣彩陽 福山潤×星野真里 白石隼也×竹達彩奈水田航生×浅川梨奈 猪塚健太×安野希世乃 梶裕貴×谷村美月中島ヨシキ×前島亜美 廣瀬智紀×美山加恋(東京公演・出演日順、登場順)東京公演:2021年4月29日(木・祝)~5月5日(水・祝)全16公演大阪公演:2021年5月7日(金)~5月9日(日)全6公演
2021年03月29日テノールの西村悟が新境地、ドイツ歌曲の世界に臨む。自身初のリート・リサイタル[3月31日(水)Hakuju Hall]でベートーヴェンの歌曲集とシューマン《詩人の恋》を歌う。コロナ禍による活動停止中、自宅でひたすら自分の声と向き合ううち、テクニックの進化に気づいたと語る。「声のコントロールです。若い頃はオケに負けない声の“圧”を出すことが前提でしたが、声を繊細に操るテクニックが身につき始めていることに気づいた。そんな自分の声だけで表現することに魅力を感じて、だったら歌曲を歌ってみようと」学生時代からイタリア・オペラひとすじだった西村。数年前から、宿命が彼をリートの世界に導いていたようだ。まずは2017年にびわ湖ホールの《ラインの黄金》でローゲを歌ったこと。「沼尻竜典さんのご指名。初のドイツ語オペラでした。ローゲはすべて語り口調のような、流暢なドイツ語が必要です。しかもドイツの大御所ミヒャエル・ハンペの演出。1年かけて徹底的に仕込まれ、最終的にはとても好評をいただきました」その翌年には、クラウス・フロリアン・フォークトのリート・リサイタルで衝撃を受けた。「彼はヒロイックな声でわーっと持っていくようなワーグナー歌いではなく、一本のラインの上で声を操るような感覚の現代的な歌い手。オペラ歌手のリートはいいなと、その時に思いました」そして、ドイツ語体験と自らの声の変化が徐々にリンクしてリート挑戦を思い描き始めた頃、ピアニストの仲道郁代から、彼女のリサイタルで《詩人の恋》を歌ってみないかと誘われた。「二つ返事でやらせていただきました。仲道さんの音から、僕が感じていたのと同じ景色が見えて、漠然としていた感覚が確信に変わりました」「僕の表現力はオペラで培ってきたものです。大劇場で歌うオペラは、表現を拡大する世界。一方、歌曲の繊細な世界でも、その表現を凝縮して届けることで、より幅が広がるんじゃないかと思っています」もうひとつ、物語性へのこだわりもオペラと繋がる。「特に《詩人の恋》。物語性がオペラと似ているように感じています。詩の言葉だけでなく、歌の旋律やピアノ伴奏からも物語の背景が見えてくる。僕の感じた背景を知っていただき、同じ目線で物語を見ることで、より面白く感じていただけると思います」いわばオリジナルの「標題」だ。そんな丁寧な姿勢からも、彼の「リート愛」がひしひしと伝わってくるではないか。西村悟の新たな顔、新鮮な《詩人の恋》を目の当たりにできそうだ。(宮本明)
2021年03月26日真夏の川崎に日本のオーケストラが大集合する「フェスタサマーミューザKAWASAKI」。開催概要の記者発表会が開かれた(3月23日・ミューザ川崎シンフォニーホール)。昨年は緊急事態宣言の解除後、世の中のコンサート活動が再開し始めてまもない時期に、感染対策を確立してほぼ全日程を完走。ライヴ配信を併用する興行形態も注目を集めた。この実績に対して、2020年度ミュージック・ペンクラブ音楽賞功労賞が贈られた。この日登壇したミューザ川崎シンフォニーホールのチーフアドバイザー秋山和慶は、こんな言葉で昨年を振り返った。「(長い活動停止のあと)ここでやっと息ができた」音楽ファンも同じ思いだったはず。その息づかいを、この夏もまた共有できる。今年のサマーミューザは7月22日(木祝)~8月9日(火祝)の19日間全20公演。現時点では座席を100%使用する予定で、一方、昨年3万回を超える視聴数を記録したライヴ配信も継続。新百合ヶ丘のテアトロ・ジーリオ・ショウワ(昭和音楽大学)を会場とする「出張サマーミューザ@しんゆり」も復活する。11のプロ・オーケストラが集まるオーケストラの祭典は、ミューザ川崎を本拠とする東響がホスト役としてオープニングとクロージングを飾る。それを含め3公演に登場する東響を指揮するのは、音楽監督J・ノット、桂冠指揮者・秋山和慶、4月から正指揮者に就任する新鋭・原田慶太楼という充実の布陣。詳述する余裕はないが、オケ公演を指揮者との組み合わせで紹介する。4年ぶり出演のアンサンブル金沢は注目のロベルト・ゴンザレス=モンハスがソリスト・指揮者の二刀流で登場。都響はアジアの新星カーチュン・ウォンと、これが初顔合わせ。読響は首席客演指揮者・山田和樹がサマーミューザ初登場。N響は指揮者なしの室内オケ編成で。シティ・フィルは高関健が常任指揮者就任時に振った《わが祖国》で6年間の成果を問う。神奈川フィルは古楽の匠・鈴木秀美とのロマン派プロ。地元の神奈川フィルはもう1公演、渡邊一正とのバレエ音楽も。初登場の京都市響は今年がラストイヤーの常任指揮者・広上淳一が率いる。ニューシティ管は次期音楽監督・飯森範親の就任披露となる。東フィルは首席指揮者バッティストーニがついにサマーミューザ初登場。日本フィルは下野竜也がアイディア豊かな卓抜プロを聴かせる。他に、川崎市内にキャンパスを置く洗足学園と昭和音大の各オケも例年どおり登場。また、ピアニスト小川典子が子供向けコンサートとサックスの須川展也との共演の2本立ての一日や、デビュー50周年の渡辺香津美のジャズ・ナイト、オルガン音楽の原点をとことん味わう恒例の「真夏のバッハ」など、どれも聴き逃せない。でも万が一聴き逃しそうになったら、先述のライヴ配信なら日本全国から視聴可能だ。サマーミューザが新しいコンサート体験を提供してくれる。(宮本明)
2021年03月25日このほど、令和2年度の大阪文化祭賞を受賞した個性派俳優・工藤俊作。彼がプロデュースするプロジェクトKUTO-10の第20回公演となる舞台『かもめごっこ』が、3月18日に大阪・ウイングフィールドにて開幕した。【動画配信】工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10第20回公演「かもめごっこ」チケット情報『かもめごっこ』は、焚火の事務所の三枝希望が脚本、劇団●太陽族の岩崎正裕が演出を手掛ける新作。創立50年を迎えたアマチュア劇団「タチバナ演劇研究所」の人間模様を描いた群像劇で、「チェーホフ作品の登場人物らしき人々で遊ぶから、『かもめごっこ』とした」と、作家の三枝はコメントしている。物語は、5年ぶりに活動を再開した「タチバナ演劇研究所」が、公民館での上演を終えたところから始まる。劇団のメンバーたちが、慰労会と称して山の中の旅館へ向かうが、到着するなり代表のタチバナから解散が伝えられる。その言葉に揺れ動く劇団員たち。彼らの心に呼応するかのように、地面が大きく揺れ始める。代表のタチバナ、その妻で主演女優のテンコ、かつてテンコと恋人関係にあった俳優のミカミ、老役者のキヨシ、家を飛び出し成り行きで音響を任されたマコト、どうしても入団試験を受けて役者になりたいマコトの姉・カズコ、声優志望でタチバナにアプローチをかける若い女ユリエ、ユリエに好意を寄せる作家志望の男ゴトウ、公演の世話係をしていた女教師とその不倫相手オザワ…。小さなコミュニティの中、それぞれに葛藤や鬱憤を抱えた人たち。地震で身動きが取れなくなり、溜まっていた思いがふつふつと湧き出てくる。現状への不満、未来への不安、過去への執着。夢を見て真面目に生きているはずなのに、空回りするばかり。うまくいかないことを他人のせいにしたり、互いに人をあざ笑ったり。他人の粗は見えるけれど、自分のことは見えていない。その姿は滑稽に見えるが、彼らの放つ言葉はどこか自分に突き付けられているようで、じわじわと痛みを感じる。チェーホフ作品を知っていれば、それらしい言葉や設定を見つける楽しさもあるが、チェーホフ作品を知らずとも存分に楽しめる。夢に見切りをつけて新たな一歩を踏み出すのか、夢を追い続けるのか。一生懸命で、滑稽で、不器用な登場人物たちがもがきながらも、それぞれの形で進んでいく姿が愛おしい。東京公演は3月25日(木)から28日(日)まで、シアター711にて上演。オンラインはPIA LIVE STREAMにて3月31日(水)までアーカイブ配信中。取材・文:黒石悦子
2021年03月25日日本一の酒処である兵庫・灘五郷に位置する酒蔵、日本盛で4月17日(土)に『サカリバル』が開催される。「サカリバル」チケット情報日本盛では毎年新酒の時期に「新酒蔵開き」を開催しているが、コロナ禍の影響で、昨年に続き今年も中止となった。全国の酒蔵で蔵開きや日本酒イベントが中止になる中、“日本酒ファンのみなさまに何か楽しみを提供できる方法を”と考え、『サカリバル』が開催されることとなった。当イベントは新型コロナウイルス対策を徹底し、完全予約制・完全入替制の4部制で行われる。参加者には日本酒3本とオリジナルグッズをいれた「サカリバルセット」が配られ、桜をイメージした会場で、この日限定のお酒を飲みながら“花見酒”が楽しめるようなイベントとなっている。また、司会進行に熊谷奈美さんを招き、声を出さず密にならないイベントや、蔵開きでも大人気の「唎き酒講座」も来場者限定で抽選を行い開催される。当日は『サカリバル』以外に「オンライン蔵開き」も開催。専用サイトで、杜氏とスペシャルゲストによる生配信やバーチャル蔵見学、当日限定の日本酒セットの販売も行われるとのこと。北海道から沖縄までどこからでもどなたでも楽しめる“おうちで楽しむ蔵開き”。ぜひこちらもお楽しみに。『サカリバル』の入場券は発売中。【開催日】4月17日(土)【開催時間】《1部》10:00~11:00※受付開始時間9:45《2部》11:45~12:45※受付開始時間11:30《3部》13:30~14:30※受付開始時間13:15《4部》15:15~16:15※受付開始時間15:00※完全入替・定員予約制※各部250名※先着順【会場】日本盛本社工場敷地内(兵庫県西宮市用海4-57)【料金】入場券-2200円※日本酒 3本、やわらぎ水(500ml)、おつまみ、オリジナルグッズ(クリア桝、レジャーシート、トートバック)、フェイスシールド。未成年者は保護者同伴でのみ入場可能。会場ではフェイスシールド・マスクの着用必須。入場時の検温・手指の消毒、「兵庫県新型コロナ追跡システム」登録のご協力をお願いいたします。車でお越しのお客様は飲酒不可。各部60分入れ替え制となります。ご購入いただいた指定時間外には入場することはできません(サカリバルセットについては、開催当日16時15分まで引き換え可)。※販売期間中はインターネット販売にて受付。店頭での直接販売および電話予約はなし。1人4枚まで。[問]日本盛(株)広報■0798-32-2581
2021年03月25日熊川哲也 Kバレエ カンパニー Spring 2021『白鳥の湖』が、3月24日に開幕。ひと足早く鑑賞したゲネプロの様子をレポートする。芸術監督の熊川による演出・再振付で2003年に初演され、レパートリーとなった本作。今回の目玉は新プリンシパルとして1月に入団した日髙世菜のほか、カンパニーの次代を担うダンサーが集結したことだろう。取材日にオデット / オディールを演じていたのは、成田紗弥。王子ジークフリードには2020年10月にプリンシパルへ昇格した堀内將平、悪魔ロットバルトに栗山廉がキャスティングされた。ゲネプロは、オデットがロットバルトに翻弄される紗幕越しのプロローグから幕開け。成人祝いのパーティーを抜けたジークフリードは、湖で舞う白鳥オデットに出会う。彼女に惹かれながらも城へ戻り、花嫁探しの舞踏会に参加した王子は、ロットバルトに伴われて現れたオデットそっくりの黒鳥オディールに求婚してしまう。彼らが選んだ愛の結末とは──。白鳥に姿を変えられた身の上を嘆くオデットに対して、自信たっぷりに王子を誘惑するオディール。一人二役に扮する成田は、この二面性を全身で表現する。指先から爪先まで意識を張り巡らせながらも、はかなさと気高さを両立させる繊細なオデット像を覗かせた。一方で、オディール時は口元に絶えず笑みを浮かべる勝気な表情を見せ、王子の気持ちを手に入れた勝利宣言といえる30回転以上のグラン・フェッテ・アン・トゥールナンで観客の心も躍動させる。堀内は、王子の感情の起伏を体現するようなバラエティ豊かな踊りで劇世界を支える。特に空中でもう一段高く弧を描くような跳躍力に目を見張った。初役でロットバルトに扮する栗山は常に妖しさをたたえ、チャイコフスキー作曲の有名な旋律に乗せて舞う2幕冒頭のシーンで客席を魅了。このほか、完成度の高いコール・ド・バレエを繰り広げる白鳥たちの静謐な美しさにも思わず息を飲んだ。クラシックバレエの代名詞といえる定番の演目を、熊川はレパートリー化に際して再構成。オデットと出会って恋に落ちる高揚感、オディールに翻弄された挙げ句の絶望など、ジークフリードの心の軌跡を主軸に置いたストーリーテリングが最たる特徴だ。なお、このKバレエ版を小説化するアートノベル『白鳥の湖 Swan Lake』の巻末には、熊川によるインタビューも収録。クライマックスの意図やオリジナリティの発揮方法など舞台裏を明かしている。公演は3月28日(日)まで、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて。ぴあでは、座席指定できるチケットを販売中。取材・文:岡山朋代
2021年03月24日昨年、惜しくも中止となってしまったZAZEN BOYSの企画ライブ「THE MATSURI SESSION」が昨年と同日、同会場となる5月4日(火)、東京・日比谷野外大音楽堂にてNUMBER GIRLを迎え開催される。念願の初共演となり両バンドともこの日が1年以上振りのLIVEとなる。この公演は政府、東京都、施設におけるイベント等感染拡大防止ガイドラインに準じた形で行われ本日、3月24日(水)21時より出演者オフィシャルサイトにて先行予約を実施。受付期間は、3月31日(水)23:59まで。チケット一般販売は4月18日(日)から。<イベント詳細>■タイトル 「THE MATSURI SESSION」■出演 ZAZEN BOYS、NUMBER GIRL■日程 2021年5月4日(火・祝)■会場 日比谷野外大音楽堂(東京都千代田区日比谷公園1-5)■開場 / 開演 16:00 / 17:00■チケット *3歳以上チケット必要 *IDチェックあり 前売 8,800円(指定席/税込)■一般発売日:4/18(日)10:00
2021年03月24日5年半にわたり上演されてきたハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」シリーズの最終章となる〝頂の景色・2〞が3月20日に開幕。3月21日までの東京公演を皮切りに、宮城、大阪、兵庫、福岡、東京凱旋と上演される。開幕に先がけ公開ゲネプロが行われた。原作は「週刊少年ジャンプ」で連載された古舘春一による同名バレーボール漫画。舞台シリーズは’15年に初演され、これが11作目となる。今回は、春高“魔の3日目”の準々決勝となる主役校・烏野高校VS鴎台高校の試合が舞台。幼い頃にテレビで見た「小さな巨人」に憧れてバレーボール(配球)を始めた162.8㎝の主人公・日向翔陽(醍醐虎汰朗)と、同じく小柄で「小さな巨人」と呼ばれる鴎台の星海(輝山立)の“小さな巨人対決”を中心に、日向の“変人コンビ”の影山(赤名竜之輔)をはじめとする選手たちの物語や、梟谷学園高校VS狢坂高校の試合も描かれる。春高バレー準々決勝という熱戦を描きながら、各校のメンバーそれぞれがこの試合に立つまでに辿ってきた道も丁寧に描かれていた今作。特に日向や影山は、バレーを始めたその日から今日までの出来事を、舞台シリーズの映像も交え振り返る。出会い、時間を重ね、心を通わせ、成長し、今ここに立つ登場人物たち。その一人ひとりが繋がることで何倍にもなる強さ――。以前の作品で登場人物が「たかが部活」と言った時間の答えが、目の前に力強く広がっていく。舞台上では、プロジェクションマッピングやライブカメラなどの先端技術と超アナログな表現の掛け算、八百屋舞台、回転する盆、照明、音楽、音、振付、アクロバット、役者たちの芝居……この舞台シリーズではお馴染みとなったたくさんの要素が繋がって眩しい景色をつくりあげる。その様が、この作品が描くものそのもののようにも感じられる。演出・脚本のウォーリー木下が「今回の作品は、5年半かけてつくった演劇です。本当にたくさんの筋肉をつけました。僕もキャストもスタッフも。ぜひ劇場でお確かめください」とコメントを寄せたように、今作は特に、演劇、そしてこの演劇「ハイキュー!!」でしか成しえないカタチでこの物語が表現されていることを強く感じる仕上がりだった。シリーズ1作目の再演のサブタイトル〝頂の景色〞がふたたびつけられた本作で、“独りでは見ることのできない頂の景色”を確かめてほしい。公演は、宮城、大阪、兵庫、福岡、東京凱旋と5月9日(日)まで上演中。文:中川實穂
2021年03月23日