チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (70/342)
大阪近郊である舞洲(まいしま)で2017年にスタートした音楽フェス「ジャイガ」が、今年も8月1日(土)・2日(日)の2日間で開催決定!「ジャイガ -OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2020-」チケット情報今年は昨年からさらに1ステージ追加し、「MAISHIMA STAGE」「YUMESHIMA STAGE」「LILY STAGE」の3ステージで展開。1日約20組のアーティストが出演を予定しているなか、12組の第1弾出演アーティストが決定!日本のポップス、ロックシーンのおいしいとこどりの超豪華アーティストが勢揃いした。さらに今年は“ジャイガをもっと快適に”をテーマに、“ENJOY MUSIC”“ENJOY FOOD”“ENJOY ACTIVE”“ENJOY HEALING”“ENJOY ECO”の5つのENJOYとともに“こころもからだも楽しめる”フェスティバルを提供。そして、4月24日(金)より2Daysチケット最速先行がスタート!この夏はジャイガとともに“この時”“この場所”でしか味わえない感動をつくろう!
2020年04月27日青木聖波、古屋亮人、西尾航暉、岡田武大、高野慧による新ボーイズユニットが結成され、5月29日(金)にお披露目1stショーケースを無観客配信にて開催。さらにファンクラブサイトがオープンした。同ユニットはアジア中にブームを巻き起こした音楽オーディション番組の出身者達が再度集結。楽曲、歌、ダンス、映像で夢を叶える為に新しい活動を開始。”ユニット名をファンの方たちから頂いて共に歩みたい”との思いから、ユニット名を募集する”New Unit Project ネーミング企画”を実施。その中から選んだユニット名で活動していく。ファンクラブサイトの詳細は下記関連リンクより。■New Unit Project 1stSHOWCASE5月29日(金)1部:結成記念公開トークショー(無観客・無料生配信)20:002部:1stSHOWCASE(無観客生配信)21:00
2020年04月24日6月20日(土)にサントリーホール大ホールにて日本初開催されるワンピース公式オーケストコンサートに、きただにひろし、大槻マキ、野々村彩乃が出演することが決まった。【チケット情報はこちら】「ウィーアー!」「ウィーゴー!」「OVER THE TOP」など『ONE PIECE』(ワンピース)の主題歌、アニメ名場面の数々を彩る音楽を手掛ける、田中公平。真骨頂であるオーケストラサウンドの世界とその真髄を味わう、珠玉のONE PIECE楽曲が響き渡る。きただにひろしは代表曲「ウィーアー!」、大槻マキは初代エンディング曲「memories」、ソプラノ歌手の野々村彩乃はホールケーキアイランド編「ソウルポーカス〜女王の言葉(うた)」を披露する。必聴のONE PIECEボーカルとオーケストラサウンドは、一夜限りの開催。チケットはチケットぴあにて発売中。<ONE PIECEオーケストラコンサート田中公平作家活動40周年記念>公演日時:6月20日(土)17:00開演(16:00開場)会場:サントリーホール 大ホール出演:田中公平、西村友(指揮)、東京フィルハーモニー交響楽団(管弦楽)、きただにひろし、大槻マキ、野々村彩乃※未就学児入場不可※フルオーケストラによる生演奏となります。スクリーン映像による演出はございませんので予めご了承ください。
2020年04月21日今年7月に上演される世界初演ミュージカル『四月は君の嘘』。原作の新川直司の同名コミックは、TVアニメ化や実写映画化もした人気作だ。ミュージカル化に際して作詞作曲を手掛けるのはフランク・ワイルドホーン。ピアノの音が聞こえなくなった高校生天才ピアニスト・有馬公生の葛藤と成長を、ワイルドホーン書き下ろしの楽曲に載せてドラマチックに描く。平均年齢23.5歳のフレッシュなキャストも見どころ。Wキャストで有馬公生を演じる注目の若手、小関裕太と木村達成が語り合った。【チケット情報はこちら】東宝ミュージカル初出演となる小関。有馬公生役について「本人はピアノを弾きたくないと言っているのに、周囲からは弾いて欲しいと言われ続けている。不甲斐なさにうるっと来ます。なぜ再びピアノを弾き、誰のために弾くのか、公生の心情の変化に注目していただきたいです。」と意気込んだ。一方、木村は「有馬公生の成長の物語。いくちゃん(生田絵梨花)演じる宮園かをりとの出会いをきっかけに、彼を取り巻く世界が変化していく。劇中に何度も出てくる〈僕はピアノが弾けない〉というフレーズに乗せて、公生が段々と自由になっていく様子を表現したい」と今考えているイメージを教えてくれた。Wキャストが初となる小関から「Wキャストってどんな感じ?」と質問が飛び出すと、木村は「全く違う役作りになる場合、似たキャラクターになる場合がそれぞれある。後者の場合は切磋琢磨しながら悔しい思いをすることも。エンターテインメント作品として楽しく稽古をしていこう!」と宣言。個性豊かなWキャスト、両バージョンに期待が高まる。見る者の心揺さぶる演奏シーンが印象的な本作にちなんで、最近心惹かれたパフォーマンスは?という質問に「TVドラマの撮影で香川照之さんが、直前に変更になった長セリフを一瞬で覚えて一発OKだったこと。超人的な力を目撃しました」(小関)、「『メアリ・スチュアート』のシルビア(・グラブ)さん。セリフがないシーンで、無言で魅せる姿に痺れました」(木村)と興奮した様子で先輩俳優の名演を語る。最後に「観にきてくださった方の心を自由にしてくれるような作品。悩んでいる人、一歩前進したい人、悩みを抱え深呼吸がうまくできなくなっているような人に観ていただきたいです」(小関)。「必死に自分の人生、生きることにぶつかっている若者たちの姿をお楽しみいただきたいです」(木村)とメッセージを寄せた。若々しい顔ぶれが紡ぐ、フレッシュな新作に大注目だ。公演は7月5日(日)から26日(日)まで、東京建物Brillia HALLにて上演。その後、愛知、福岡、愛媛、大阪を巡る。取材・文:永瀬夏海小関ヘアメイク:MIZUHO小関スタイリスト:吉本知嗣木村ヘアメイク:馬場麻子木村スタイリスト:部坂尚吾(江東衣裳)衣裳協力:コート¥154,000(クリスタセヤ / ビオトープ 0120-298-133)、パンツ¥33,000(サラードア /アダム エ ロペ 0120-298-133)
2020年04月17日『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』(2011年、ロイヤル・アルバート・ホール)主要キャスト3人の再共演が話題のコンサート『ミュージカル・ミーツ・シンフォニー 2020 "The Reunion"』(9月17日(木)~19日(土)、Bunkamuraオーチャードホール)。3月の先行販売開始から高い注目と人気で、予定されていた3公演分のチケットの先行販売予定枚数を終了した。好評を受け、追加公演2公演(9月18日(金)19時、19日(土)16時30分)の開催が決定。『ミュージカル・ミーツ・シンフォニー2020 "The Reunion"』とは名作ミュージカルの楽曲を、豪華キャストとフルオーケストラの競演で楽しむコンサートシリーズ「ミュージカル・ミーツ・シンフォニー」の記念すべき第10回公演。今年は『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』(2011年、ロイヤル・アルバート・ホール)の主要キャストだったラミン・カリムルー、シエラ・ボーゲス、ハドリー・フレイザーの3人が出演する。それぞれファントム役、クリスティーヌ役、ラウル役を演じたトップスターが再集結するステージは、世界中のミュージカルファンが羨む極上のコンサートになること必至。今回は本シリーズで初めて、出演者はオール外国人キャストでお送りする予定だ。大注目のセットリストから予定歌唱曲も一部公開された。『オペラ座の怪人』から「All I Ask of You」(シエラ・ボーゲス、ハドリー・フレイザー)・『ラブ・ネバー・ダイ』から「Love Never Dies」(シエラ・ボーゲス)・『レ・ミゼラブル』から「Bring Him Home」(ラミン・カリムルー)チケットはぴあ独占最速先着先行が4月15日(水)10:00から受付スタートする。出演者3人からコメントも到着。ぴあ販売ページに掲載中。
2020年04月09日小宮有紗・加藤玲奈(AKB48)がW主演を務める『体育教師たちの憂鬱』。顔合わせから1週間が経った稽古場を訪ねると、作・演出を手がける金沢知樹とキャスト一同が緻密な立ち稽古を重ねていた。【チケット情報はこちら】本作は、金沢の主宰する劇団K助が2018年に初演した“密室サスペンスコメディ”。スポーツ強豪校として全国に知られる女子高で見つかった一冊の交換日記には、生徒と教師の秘められた恋のやり取りが記されていた。体育部長から禁断の仲を問い質されると、6組の部活キャプテンと顧問らの隠された過去や事件が次々と明らかになって──。キャストは他に赤澤遼太郎、佐藤江梨子、羽場裕一らが名を連ねている。取材日は冒頭から各シーンの精度を上げる作業が繰り返された。金沢がよく口にしていたのは「言葉を“立体”にして」──。含みを持たせ強調すべきセリフを役者が漫然と発した場合には流れを遮って呼びかけ、演出意図を説明する。バラエティ番組の構成作家らしく、芸人のキャストには「会話になっておらず、ピンネタ見ているみたい」とバッサリ。しかしいずれも次から改善され、ぐっと魅力あるシーンに変化するのだ。小宮に求められたのは、台本上セリフに起こされていない“オフ芝居”。剣道部顧問(みなみかわ)に遠慮して本音を言い出せない場面で、金沢から「必然性が足りない」と言われると、すぐ顧問の視界に入らないよう立ち位置を変更し、表情をつくって乗り越える。ゴシップ好きの卓球部キャプテンを演じる加藤には、日常的な動作が「ポージングをキメてるように見えちゃう」という指摘が。一考したあと、やり直しの際には等身大の高校生らしいナチュラルな演技で応戦してみせた。赤澤が扮する卓球部顧問は、この女子高に来たばかり。キャラクターの濃い周囲の教師に圧倒される日和見主義な一面を、泳ぐ視線や小さな声色で表した。佐藤の「入室時の挨拶が“おはようございます”一辺倒だと芸能界みたい」という提案に対しては、カンパニー全員でアイディアを出し合うひと幕も。夢の遊眠社出身で舞台・映像ともに数多くの経験を持つ羽場は、芝居の引き出しが非常に豊富で「観ていて楽しい」「何パターンか拝見したい」と金沢から頼りにされるほど。交換日記の持ち主に激高する一方でスポーツ名門校の醜聞にうなだれる体育部長役を、緩急自在の迫力ある演技で立ち上げた。公演は一部公演中止、4月18日(土)〜19日(日)は東京・シアタートラムにて上演予定。最新情報は公式HPをご確認ください。取材・文:岡山朋代
2020年04月03日彩の国シェイクスピア・シリーズ 第36弾『ジョン王』が2020年6月に上演される。演出・出演の吉田鋼太郎、主演の小栗旬、出演の横田栄司に話を聞いた。【チケット情報はこちら】蜷川幸雄のもと1998年にスタートし、2017年12月からは吉田が演出を手掛ける彩の国シェイクスピア・シリーズ。全37作のシェイクスピア作品をすべて上演するまであと2作となった第36弾は、英国史上最も悪評の高い王であろうジョンの治世を描いた『ジョン王』を上演する。本シリーズ4作品目となる小栗が演じるのは主役の私生児、本シリーズ常連の横田はタイトルロールの“ジョン王”、そして吉田はジョン王が敵対する“フランス王”だ。蜷川組で共演し、気心知れた3人。吉田が「今こうしてるだけでも、言いたかないけど、ものすごく嬉しい(笑)」と話すと、小栗は「23歳のとき『タイタス・アンドロニカス』(06年/蜷川幸雄演出)イギリス公演で一緒にやったおふたりを、僕は勝手に戦友だと思っています。すごい体験をさせてもらって、正直あれほど興奮する時間はなかなかないまま生きてきている。それを味わっている人たちとまた同じチャレンジができるのは、自分にとってはすごい出来事です」と期待を寄せ、横田も「楽しみと、一抹の恐怖というか(笑)。どこまで頑張らないといけないんだろう、という気持ちがある。強大ですからね、おふたりは。そこに勇気と知恵と工夫で立ち向かっていくような気分です」と熱が漂う。ふたりに対して吉田は「小栗が演じる私生児は僕も演じたことがありますが、肉体的にも精神的にも大変な役なんです。最近海外で肉体的にも精神的にも鍛えられている小栗はピッタリだと思う。そして蜷川組にまた小栗が参加することは、僕もずっと望んでいたことです」、「横田は僕が最も信頼する俳優です。横田ならではの演技力で、どうジョン王という役を構築してくれるのか、ものすごく楽しみ」と信頼し、ふたりも吉田の演出を受けることを「鋼太郎さんは当代随一の俳優ですから。その人が『俺だったらこうする』ってことをつまびらかに教えてくれる。なかなか味わえる体験じゃない」(横田)、「鋼太郎さんの脳みその中をどれだけ吸い尽くせるか。それが楽しみ」(小栗)と期待する。「シェイクスピアは台詞がテレビドラマの1000倍くらい量があるので、それを全てお客様に届けなければいけないという作業がまずあって。そこにその人の個性も乗せなきゃいけない、人生も乗せなきゃいけない、その人にしか喋れない台詞を言わなきゃいけない。でもこの人たちはそれができることは、最初からわかっている。こんなにありがたいことはない」と吉田が語る俳優がふたり揃った。期待して開幕を待ちたい!公演は、6月8日(月)から28日(日)まで、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて上演。その後、大阪・愛知を巡演する。埼玉公演のチケットは、3月29日(日)11:00よりいち早プレリザーブ(前から10列目以内の受付あり)受付開始!取材・文:中川實穗
2020年03月27日全編ホイットニー・ヒューストンの珠玉の名曲で綴るミュージカル『ボディガード』日本キャスト版の全貌がついに明かされた。1992年公開の名作映画を題材に、スター歌手、レイチェル・マロン(柚希礼音・新妻聖子)と孤高のボディガード、フランク(大谷亮平)との禁断の恋を描いた物語。昨年の来日公演に次ぐ、日本人キャストによる新演出、日本語訳詞での上演となる。ミュージカル「ボディガード」日本キャスト版チケット情報なんと言っても劇中に挿入される熱狂のライブパフォーマンスが圧巻。柚希レイチェルは来日版かと見紛うほど、セレブリティ感溢れる仕上がりに目を奪われる。長い巻き毛をなびかせ、鍛え抜かれた美脚も惜しみ無く披露する。音に乗りステージ中央へと闊歩する姿には、トップスターとしての誇りとオーラがみなぎる。ビジューの衣裳なども難なく着こなし、頭ひとつ飛び抜けた存在感で迫力あるダンスシーンを繰り広げる。エンターテイナーとして、歌唱ではかつてないほどの高音にも果敢に挑戦している。他方、アイドル顔負けのキュートさで視線を集めるのは新妻レイチェルだ。軽やかに刻むステップとは裏腹に、全身から放たれる歌声はヘビー級。原曲のグルーヴ感はそのままに、日本語歌詞がより深く役の心情を届けるから、とりわけバラードが胸に迫る。新妻が甘く切なく、名曲の名曲たるゆえんを味わわせてくれる。恋の駆け引きでは純な反応にトキメキが伝わる柚希と、照れる仕草がコミカルで楽しい新妻レイチェル。一人息子を育てる母親としての表情にも違いがあり、ダブルキャストの醍醐味が堪能できる。同じくダブルでストーカー役に挑むのが佐賀龍彦と入野自由。レイチェルへの執着心と犯行の手口は一緒でも、真逆にもとれる役へのアプローチが興味深く印象に残った。ミュージカル初挑戦の内場勝則も、さすがの貫禄でマネージャ役を好演する。吉本新喜劇の元座長らしい面目躍如な見せ場もあり、楽しませる。そして、初舞台で当たり役を射止めたのが大谷亮平だ。スーツの上からでも分かるマッチョなボディと渋い声色も期待を裏切らず魅力的。だが、特筆すべきはほろ酔いで聴かせる名曲「オールウェイズ・ラブ・ユー」だろう。あまりの“上手さ”に客席が沸くほど。愛嬌ある佇まいで、役に厚みをもたせることに成功している。取材・文:石橋法子
2020年03月27日作・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)と古田新太による壮大な悪だくみ企画が、今夏またも演劇界を揺るがせそうだ。2007年の『犯さん哉』から始まったナンセンス3部作に続き、新作『欲望のみ』で見せるのは、イヤ~な感じのブラックコメディ。【チケット情報はこちら】もともとナンセンスは大好物なKERAと古田。だがナンセンスをやるには、「たゆまない努力が必要(笑)」とふたりは声をそろえる。そこで“演劇的なコメディ”に立ち返ることになってみたもののも、KERAは「昨今の状況に身を晒されていると、緻密によく出来たコメディをつくっている場合でもないなって気持ちになっちゃうんですよね。世の中が非常にでたらめだから」と明かし、「2006年にやった『噂の男』みたいな作品になるかも」と現段階での構想を語る。それを聞いた古田は、「(池田)成志さんは『噂の男』みたいな露悪な芝居が嫌いなんです」と続け、「逆にオイラは成志さんが嫌がる芝居が大好き」と笑う。硬軟どんな芝居もお手のものの古田だが、「劇団は押し芸なんですけど、やっぱりオイラは引き芸が好き。そういう意味で、KERAさんとやる時はホッとするんですよね」と、KERAへの信頼の強さをうかがわせる。一方のKERAも、「やっぱり古ちん(=古田)にしかないものってありますからね。この身体性というか、それは動けるという意味だけではなく、野蛮な感じっていうのかな(笑)。古ちんと定期的に一緒にやることで、演劇ってのは何でもアリなんだということを再確認できる」と語り、KERAにとって古田が、ものづくりにおける指針のような存在だということがわかる。キャストには大倉孝二や犬山イヌコ、山西惇といった3部作に引き続きのメンツから、小池栄子や秋山菜津子など幅広い顔ぶれがそろう。古田は「この企画は大倉が生き生きしているのが嬉しい」とニヤリ。またKERAは秋山に関して、「彼女は高校の演劇部の後輩でして、もともと僕が小劇場に連れてきたようなものですけど、松尾(スズキ)さんが『キレイ』(2000年)で彼女のベスト・プレイを引き出しちゃって。正直ずっと悔しくて。最近はキツめの高圧的なキャラを求められることも多いようだし、またそれとは別の面も見せられたらいいなと思っているんですよね」と抱負を語る。近年は舞台の創作においても、「意地悪しちゃダメっていう風潮がある」と古田。だがKERAは「つくるものに関してはフィクションなんだから、文句言われたくない」と言い放つ。その刺激的な舞台で、またも観客を大いに驚かせてくれるはずだ。チケットぴあでは3月29日(日)までプレリザーブ受付中。取材・文:野上瑠美子
2020年03月26日2013年3月に大阪・堺出身のTHE→CHINA WIFE MOTORSとGOOD4NOTHINGが「地元に恩返しをしたい!」という強い想いを持ち開催された、堺発野外ロックフェス『SAKAI MEETING』。今年は5月23日(土)堺市 海とのふれあい広場特設会場にて開催される。「SAKAI MEETING 2020」チケット情報第三弾出演者として、OVER ARM THROW、GARLICBOYS、Crystal Lake、coldrain、PassCode、PAN、RAZORS EDGE、locofrankの8組が決定した。チケットは3月28日(土)より一般発売開始。さらに今年は、梅田・新大阪・なんば・京都・三宮・名古屋・岡山からオフィシャルツアーバスの運行が決定!受付はツアーサイトより随時開始される。こちらもチェック!!
2020年03月25日梅田スカイビル・空中庭園展望台では、3月20日(金・祝)から4月5日(日)にかけて、「空中庭園 Congratulations on your Spring 2020」と題したアート装飾イベントが開催中だ。卒業して大阪を離れる人や、友達と離れ離れになってしまう人など、春は別れの季節でもあり、新しい門出の季節。地上173mから春の美しい大阪の街を一望して、大切な友達と同じ景色を思い出にシェアしよう。「梅田スカイビル 空中庭園展望台 入場引換券」チケット情報また期間中、40F屋内展望フロア各所にはプロのアーティストや専門学校生が制作した黒板チョークアートを展示。「卒業」をテーマにさまざまなテイストで描かれたチョークアートの前で記念写真を撮ろう。さらに、館内には各所に「みんなの黒板アート」と題した自由にメッセージを書き込めるエリアを用意。幅約7m、高さ約2mのまさに教室の黒板を思い起こさせる巨大なメッセージボードのほか、カフェテーブルやガラスのカウンターの円形黒板シートにそれぞれのメッセージを書き込める。その他、期間中はハートロックの限定モデル「友情のハートロック」も登場。恋人だけでなく、親友や仲間同士で卒業を記念していつまでも続く友情を願い“ルミ・デッキ”にロックしよう。本企画は本来、3月上旬より開催予定だったが、新型コロナウイルス感染防止対策のために実施が延期されていた。しかし、全国の学校一斉休校や、卒業式の延期・中止・規模縮小のために例年通り仲間たちと卒業を祝うことが叶わなかった人たちのために「少しでも春の門出を共に祝う機会を提供したい」と考え、運営会社は開催に踏み切った。自由に動くことがままならない今だが、空中庭園展望台スタッフたちは学生たちの門出を祝っている。卒業してこれから歩き出す人達の未来は自由そのもの。大切な仲間と、春の特別な思い出をつくろう。■「空中庭園 Congratulations on your Spring 2020」期間:2020年3月20日(金・祝)~4月5日(日)※入場料半額は、中学生・高校生・大学生・専修・各種専門学校の学生が対象です。※チケットカウンターでキャンペーン画像の提示()と学生証など身分を証明できるものをご提示ください。
2020年03月25日京都の元離宮二条城で開催中の夜間イベント、体感型イマーシブアート展『FLOWERS BY NAKED 2020 -桜- 世界遺産・二条城』。演出・制作を担うのは大阪・梅田「泉の広場」の新モニュメント『Water Tree』や東京駅プロジェクションマッピング『TOKYO HIKARI VISION』を手がけるクリエイティブカンパニー、ネイキッドだ。唐門をはじめとする重要文化財や50種類もの夜桜と光のアートがコラボレーションし、新たな桜の風景を創造する。「FLOWERS BY NAKED 2020 -桜- 世界遺産・二条城」チケット情報最初に迎えるのはNAKED BIG BOOK『Prologue』。ネイキッド代表の村松亮太郎と写真家のレスリー・キーとのコラボ作品だ。そして唐門では春の訪れを感じさせるプロジェクションマッピングが楽しめる。豪華絢爛な唐門がさらに桜の花びらで彩られ、キャンバスと化した左右の白壁にも幻想的な風景が浮かび上がる。内堀の石垣も大きなキャンバスに。この期間でしか見られない雄大な桜が出現する。そのほか、桜の木や香雲亭のライティング、春の香りを封じ込めたシャボン玉が舞う清流園、期間限定の「桜みくじ」など、城内の随所に光とアートの演出が施されている。初日の3月20日には門川大作京都市長とネイキッドの村松代表がオープニングイベントに登壇、開催に至った決断や、イマーシブアート展に込める思いなどを語った。門川市長は「市民の皆さんの命と健康を守るために全力を挙げています」と新型コロナウィルス感染拡大防止対策を念頭に置いたうえで、「そんななか、子どもたちや多くの市民の方々から自宅にこもって、ストレスが溜まるといったお声も聞いています。健康が第一であると同時に健康で文化的な生活をすることも大事です。感染防止に万全の注意を払いつつ、美しい桜を見ていただこうと決断しました」と明かし、「ここからみんなで元気になってほしい」と続けた。ネイキッド・松村代表も「桜というこの季節だけのものを楽しんでいただけたら。世の中が少しでも明るくなるよう、いい方向にいってほしいと、その力になれればと思っています」と声に力を込めた。また、自宅でもこのお花見体験ができるようにVRも企画中とのことで、「開催期間中に発表できると思う」と語った。二条城では4月1日(水)より期間限定でスタッフの制服もリニューアルし、和装で観光客を迎える。デザインを手がけたのは和装デザイナーの中村真鈴で、2017年秋の『京都国際映画祭』アート部門への出展が京都との縁を結び、このたび実現したという。なお、会期中の感染拡大防止対策として消毒液の設置や状況に応じたスタッフのマスク着用、混雑の緩和などを実施する。また、3月21日より再開している日中の二の丸御殿の観覧に関しても、換気の実施や混雑の緩和、飛沫感染防止のためガイドの禁止といった対策を講じる。『FLOWERS BY NAKED2020 -桜- 世界遺産・二条城』は、4月12日(日)まで、毎日18時より開催。最終入場は21時。チケット発売中。取材・文:岩本
2020年03月25日「どうすればいいんだ!」――。舞台は、市原隼人演じる脳内議長・吉田の悲痛な叫びから始まる。吉田が存在するのは、櫻井いちこ(蓮佛美沙子)の脳内の中。いちこが決断を迫られる場面で、彼女の脳内は様々な思考が駆け巡っていた。【チケット情報はこちら】市原隼人が主演を務める舞台『脳内ポイズンベリー』が、3月21日(土)から新国立劇場中劇場にて開幕した。原作は『失恋ショコラティエ』、『窮鼠はチーズの夢を見る』など、登場人物たちの恋に揺れ動く繊細な心情描写に定評があるマンガ家・水城せとなの同名マンガ。ふたりの男性の中でぐらつくいちこの脳内で、擬人化した5つの思考たちが「ああでもない、こうでもない」と脳内会議を繰り広げる。思考たちが会議をするのは舞台中央に佇む円卓のセット。物語冒頭から、いちこが気になる男性と再会し、混乱を極める脳内の姿が描かれた。脳内会議を仕切る議長の吉田を始め、ネガティブ思考の池田(早霧せいな)、記憶の岸(グァンス/SUPERNOVA)、ポジティブ思考の石橋(本髙克樹/7 MEN 侍/ジャニーズJr.)、瞬間の感情であるハトコ(斉藤優里)という5つの思考たちが、様々な意見を出し合うドタバタっぷり。思考が擬人化するという現実にはありえない設定だが、様々な結果を想定して、ポジティブ、ネガティブに考えたり、過去の経験を思い出したり、感情が瞬間的に動いてしまったりする場面は誰しもある。思考たちの個性が見える会話劇は、ファンタジーながら“あるある”と共感してしまう。脳内といちこが生きる現実世界とが同じ舞台上で描かれ、最初でこそ思考たちは円卓の中で会話劇を繰り広げるものの、物語が進みいちこが追い込まれていくと、脳内たちは円卓を飛び出しいちこのそばへ。脳内がより切羽詰まる状況下を現していく様子も印象的だ。ラストには舞台オリジナル要素も組み込まれ、より登場人物たちに感情移入できるだろう。誰しも失敗をしながら、その経験を糧に生きていく。いちこは、私たちの“等身大”。私たちが何か決断を迫られる場面でも、脳内の思考たちが「ああでもない、こうでもない」とワーワー脳内会議を繰り広げているのかもしれない。舞台『脳内ポイズンベリー』は、3月29日(日)まで、新国立劇場中劇場にて上演。出演者によるアフタートークイベント上演日も。詳しくは公式サイトまたは公式Twitterをチェックしてほしい。取材・文:渡邉千智
2020年03月23日『ウィーアー!』『ウィーゴー!』『OVER THE TOP』など『ONE PIECE』(ワンピース)の主題歌、アニメ名場面の数々を彩る音楽を手掛ける、田中公平。アニソンとゲーム音楽界の巨匠である彼が作曲した曲をふんだんに盛り込んだ、作家活動40周年を記念したコンサートを6月20日(土)にクラシックの殿堂、東京・サントリーホールで開催する。【チケット情報はこちら】田中公平の真骨頂であるオーケストラサウンドの世界とその真髄を味わう、珠玉のONE PIECE楽曲が響き渡る日本初の公式オーケストラコンサートとなる。スペシャルゲストも後日発表予定だ。先行販売はチケットぴあにて3月23日(月)昼12:00より受付開始する。■ONE PIECEオーケストラコンサート田中公平作家活動40周年記念公演日時:2020年6月20日(土)17:00開演(16:00開場)会場:サントリーホール 大ホール出演:田中公平、指揮:西村友、管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団、ほかゲストあり主催:東映アニメーション/イマジン/キョードー東京原作:尾田栄一郎(集英社『週刊少年ジャンプ』連載中)※未就学児入場不可※フルオーケストラによる生演奏となります。スクリーン映像による演出はございませんので予めご了承ください。
2020年03月23日『夕鶴』をはじめ、『オットーと呼ばれる日本人』、『子午線の祀り』などで、戦後日本を代表する劇作家・評論家として知られる木下順二。彼が1964(昭和39)年、前回の東京オリンピックの年に発表したのが、この『冬の時代』だ。1910(明治43)年に幸徳秋水をはじめとする社会主義者やアナキスト(無政府主義者)が逮捕され、12名が死刑となった大逆事件。その後の社会主義者たちの“冬の時代”を背景に、実在の人物をモデルした若き活動家の姿を描く。3月中旬、須賀貴匡や宮崎秋人、壮一帆らが顔を揃えた稽古場を訪れた。【チケット情報はこちら】物語は大正時代の初め、東京の四谷で渋六(モデルは堺利彦/須賀)が設立した売文社に、互いをニックネームで呼び合う社会主義者やアナキストの面々が集う場面から始まる。渋六や飄風(大杉栄/宮崎)、ショー(荒畑寒村/青柳尊哉)は、数年前に起きた赤旗事件で逮捕された時のことや、その後の大逆事件への影響について議論する。学者でもあるノギ(高畠素之/池田努)が口を挟み、彼らに憧れる年若い社員も盛り上がる中、原稿製作・翻訳・代筆業を請け負う売文社には、手紙の代筆を頼むお婆さんや、論文をまとめてほしいと言う大日本義勇奉公会の老人などさまざまな依頼者がやってくる……。稽古場に入ると、そこには着物を身につけた須賀や宮崎らの談笑する姿が。俳優陣の多くは無精ヒゲ。稽古場の隅に片付けられた古い木の机や椅子もあいまって、彼らのアジトに潜り込んだような不思議な感覚に陥った。“社会主義者たちの物語”と聞いて気負っていた気持ちも、稽古が始まると、その緊張はやや的外れだったことに気づく。飄風やショー、ノギらの社会を憂う言葉は一見激しいようだが、いつの時代も変わらない若者の鬱屈と分かってくる。気になる女子にちょっかいをかけるなど、微笑ましい場面では笑いもこぼれる。一方、年長の渋六は、彼らと共にありながらも「今は時機を待つとき」と穏やかに諭す。突っかかるような議論を展開する切れ者だが危うさを感じさせる飄風と、“生活”について説きながら目の奥に静謐さを漂わせる渋六。ふたりのさりげない対比が、若者たちの群像劇を引き締める。思想や活動を活写するのに今ではやや難しいと感じる単語も頻出するが、役者陣のセリフになると血肉が通い、意外なほどにすんなりと伝わってきた。それは木下順二のセリフが持つ強さであり、もちろん須賀や宮崎ら役者たちの実力でもある。さらに言えば、不寛容と同調圧力が高まりつつある今の世相が、当時と驚くほど似通ってきたこともあるのかもしれない。演出の大河内直子は英国の王立演劇学校で学び蜷川幸雄のもとで演出助手を務め、自ら手掛けた演出作品でも高い評価を得ている。本作の上演を決めたのも、大河内自身だという。いま再びの『冬の時代』。じっくりと味わいたい。公演は3月29日(日)まで東京芸術劇場シアターウエストにて上演。取材・文/佐藤さくら
2020年03月23日大人から子供まで幅広い世代に愛されてきたブロードウェイミュージカル『ピーターパン』が、今年40年目を迎える。その記念すべき年に大胆なリニューアルを敢行。新たに森新太郎が演出を担う。そこで、ピーターパン役は今回で4度目となる吉柳咲良と、森のラブコールで出演が実現したフック船長&ダーリング氏役の松平健、さらに森を加えた3人に話を聞いた。【チケット情報はこちら】「ワクワクする構想はいろいろあるんです」と切り出した森。「僕がつくりたい『ピーターパン』の世界は、粗っぽいところがたくさんある、子供のごっこ遊びの延長。つまりこちらが全部しつらえてしまうのではなく、半分以上は劇場にいる子供たちの想像力で補えるようなものにしたくて」と目を輝かせる。そこに欠かせなかったと言うのが、松平の存在。森は「フック船長ってものすごく愛嬌のある人。で、1度松平さんだって思っちゃったら、もう松平さん以外考えられなくなって。直談判した結果、無事出てもらえることが決まって嬉しい限りです」と満面の笑みを浮かべる。衣裳をまとった松平は、すでにフック船長そのもの。「森さんがおっしゃったように、みんなから愛される、本人は真面目にやっていることが笑われるような、そういう愛嬌のある人物になればいいですね」と語る松平の目元には、印象的なブルーのアイシャドウが。実はこれ、松平本人からの提案だそうで、森も「大賛成!」と絶賛。その仕上がり具合に松平も、「ばっちり」と満足そうに微笑んだ。13歳から4年連続でピーターパン役を任された吉柳に森は、「実は大人になってからの方が、少年役ってうまく演じられるんですよね。実年齢に近いと、どうしても拒否感が出てしまうから。つまり今の方が客観的に幼い者を演じられると思いますし、今回はとにかく激しく動いてもらって、こんなパワフルな子供はいない!ってくらいの演技を見せて欲しいですね」と期待を寄せる。その言葉に吉柳は、「覚悟は出来ています。これまでは実年齢に近いからありのままでぶつかっていけば大丈夫だろうと、自分で自分に保険をかけていたところもあって。でもそういうことはすべて忘れて、新しく一から役をつくっていきたいです!」と意気込む。さらに歌に関して、「今年『デスノート』で弥海砂(あまねみさ)を演じたことで、声の幅や自分が出せる音域が広がったので、是非そこはピーターパンに活かしたいです」と自信も覗かせた。最後に森は、「今までに観たことのない『ピーターパン』になることは間違いありません」とニヤリ。このカンパニーは、果たしてどんなネバーランドへと観客を誘ってくれるのだろうか。公演は8月2日(日)~8月12日(水)まで東京建物Brillia HALLにて。その後、大阪・静岡・愛知・岩手・神奈川と全国を回る。ぴあでは3月20日まで妖精の粉付きのチケットを先行発売中。取材・文:野上瑠美子
2020年03月19日片桐はいりが、岡田利規の作・演出によるKAAT神奈川芸術劇場プロデュース公演「未練の幽霊と怪物 ―『挫波』『敦賀』―」に出演する。3月上旬、岡田の企画説明をもとに作品のイメージを膨らませる心境を尋ねた。【チケット情報はこちら】能の上演形式に倣い、間狂言を挟んだ2曲の現代能で構成される本作。建築家ザハ・ハディドをシテ(主人公)にした『挫波』と、廃炉の道をたどる高速増殖炉もんじゅをめぐる『敦賀』の2作品が、霊的な存在が思いを語る“夢幻能”の構造を用いて繰り広げられる。新国立競技場の設計者に選ばれたもののデザイン案が撤回され、失意のうちに没したハディド、もんじゅに夢のエネルギー計画を投影した人々が抱える“未練”とは──。岡田からのオファーを「ザハ役かと思っちゃった」と振り返り、周囲の爆笑をさらった片桐。2014年に現代能楽集Ⅶ『花子について』、佐渡薪能『サイコ』と能にまつわる作品への出演が続き、当時の経験やノウハウを求められているのでは……と推測をぶつけてみたところ、「話題にすら挙がらなかった」と笑う。片桐が主に託されているのは、間狂言における“間(アイ)”。通常は狂言師が担い、物語の設定や背景などを解説する役どころで、岡田はドイツの公立劇場ミュンヘン・カンマーシュピーレのレパートリーとして能をモチーフに創作した『NO THEATER』(2017年)でも間狂言を差し込んだ。その“進化版”となる今回、片桐は自身に求められる役割を「狂言の笑いの部分を担当するんじゃないでしょうか」と岡田の構想から類推する。同時に「題材のインパクトを和らげて受け入れやすくするためにお声がけしてくださったわけではない気がする」とも。上演に際して、岡田は「社会の犠牲者が果たせなかった思いを直視せず忘れてしまうことに抗うために、能の構造を借りる」とメッセージを寄せている。開幕は6・7月。東京オリンピック・パラリンピックを前に新国立競技場の問題を再び俎上へ載せるわけだが、片桐は「岡田さんは政治的なメッセージを訴えるために作品をつくろうとしているわけではないのでは」と読み解く。大切なのは、こうしたテーマを題材にどれだけ興味深い作品をつくれるか。キャストに並ぶ森山未來、栗原類、石橋静河、太田信吾や謡手として参加する七尾旅人らの顔ぶれに、片桐は「実現できそうな人たちが揃いましたよね」と信頼を寄せる。「きっといろんな境地へ連れて行ってもらえる、間口の大きな作品になるんじゃないかな」と予想。最後に「通りがかりの人まで驚かせたいですね」と薄く笑った。公演は、6月3日(水)~24日(水)に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて。その後、愛知・新潟・兵庫と巡演する。3/23(月)11:00までプレイガイド最速先行受付中。取材・文:岡山朋代
2020年03月18日現代アートにおける“若手の登竜門”と言われる美術展『VOCA展2020 現代美術の展望-新しい平面の作家たち-』(The Vision of Contemporary Art)が、東京・上野の森美術館にて3月30日(月)まで開催中だ。【チケット情報はこちら】『VOCA(ヴォーカ)展』は、現代アートにおける「平面」の領域で、国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に、1994年より毎年、開催されている美術展。全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどから選出した推薦委員が、それぞれ40歳以下の作家1名(組)を推薦し、推薦された作家全員に出品を依頼している。過去には福田美蘭(1994年VOCA賞)、やなぎみわ(1999年VOCA賞)、蜷川実花(2006年大原美術館賞)、清川あさみ(2010年佳作賞)らも出品している。今年出品したのは、新進気鋭の作家33人(組)。その中から、グランプリとなるVOCA賞には「Nerhol(ネルホル/田中義久・飯田竜太)」の『Remove』、VOCA奨励賞には菅実花の『A Happy Birthday』『#selfiewithme』と李晶玉の『Olympia 2020』、VOCA佳作賞には黒宮菜菜の『Image - 終わりし道の標べに』と宮本華子の『白が消えていく。 - Mein Tagebuch -』、大原美術館賞には浅野友理子の『くちあけ』が選出されている。選出委員長の小勝禮子(美術史・美術批評)は「今回のVOCA 展は、手法は多様でありながら、それぞれ質の高い作品が揃った。その中で受賞作品には写真の技法を使ったものが多く入ったが、単に写真というだけではなく、それに手を加えて加工した、独自の技法を駆使したものであった。デジタルばかりでなく、アナログ的な手法も使い、いかに加工するか、そこに各作家のオリジナリティと創意が込められ、また作品の主張も凝縮されていた。VOCA 賞のNerhol《Remove》、奨励賞の菅実花《A Happy Birthday》《#selfiewithme》、李晶玉《Olympia2020》などである」とコメントを寄せた。展示されている作品は、「平面」と言えど絵画や写真、布や網戸を使ったものまで実に多種多様。作品サイズも巨大なものからiPadまで幅広い。若い世代による「今日の美術」を体験するということに加え、ひとつの展示でさまざまなジャンルの美術を一挙に堪能できる面白さもあるだろう。それぞれの作品には作家を選出した推薦委員が“鑑賞の手引き”を書いており、それらも一つひとつが興味深い。ぜひさまざまな衝撃を受けに、足を運んでほしい。「VOCA展2020」は3月30日(月)まで。入場料は一般600円、大学生500円、高校生以下無料。開館時間は10時から18時(※入場は閉館30分前まで)。取材・文:中川實穂
2020年03月17日名作ミュージカルの楽曲を、世界で活躍するトップスターとフルオーケストラの競演で楽しむコンサートシリーズ『ミュージカル・ミーツ・シンフォニー』。2020年9月17日(木)~19日(土)Bunkamuraオーチャードホールにて豪華出演者を迎えての開催が決定。【チケット情報はこちら】記念すべき第10回公演となる今回は、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールにて限定3公演で開催された『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』の主要キャスト3名が9年ぶりに再集結。ファントム役を務めたラミン ・カリムルー、クリスティーヌ役を務めたシエラ・ボーゲス、ラウル役を務めたハドリー・フレイザーが集うのは、あの伝説のコンサート以来世界初となる。『オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン』とは、ミュージカル史上に燦然と輝く最高傑作『オペラ座の怪人』の初演から25周年を記念した特別公演。ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールにて2011年10月1日・2日、計3公演開催された。トータルで15,000人分のチケットは発売日に瞬く間に完売。世界各国の1,100スクリーンで衛星生中継された歴史的大イベントだ。『オペラ座の怪人』史上、最も豪華で最も感動を呼んだと言われる公演となった。本公演は『オペラ座の怪人』はもちろん、『ラブ・ネバー・ダイ』『レ・ミゼラブル』『ジーザス・クライスト=スーパースター』など、人気ミュージカル作品の名曲の数々を楽しめる。明日3月14日(土)10:00AMより、チケットぴあでぴあ独占最速先着先行がスタートする。<ミュージカル・ミーツ・シンフォニー2020 "The Reunion">日程:9月17日(木)19:00、9月18日(金)13:30、9月19日(土)12:00会場:Bunkamuraオーチャードホール※未就学児入場不可。
2020年03月13日川下大洋・三上市朗・後藤ひろひとが大阪で活動してきたユニット「大田王」が、東京では初となる公演「TOKYO大田王 2020~THAT’S GOING TOO FAR ~」を、4月2日(水)から赤坂レッドシアターにて上演する。川下、三上、後藤に話を聞いた。【チケット情報はこちら】三上が「僕らは元々、イギリスのコメディグループ『モンティ・パイソン』とか、アメリカのコメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で育ってきた世代で。僕自身、今でも海外のコメディアンに憧れているところがあるのですが、そういうことをやりたくて始めたユニットです」という「大田王」。’96年に川下大洋と三上市朗が「田王」として活動スタートし、翌年、後藤ひろひとも加わったコントオムニバス公演のユニットだ。川下が「コントと言ってもあくまで演劇の一貫。その中でパワーのある笑いが生まれます。これだけ舞台で遊べるんだ、というものを観ていただけると思いますよ」と話すように、所謂お笑い芸人のコントとは違う笑いが生み出される公演だ。後藤が「『大田王やるよ』って言われると毎回ちょっとうんざりするんだけど(笑)、会っちゃうと楽しくてしょうがないんだよな」と笑う3人は、もう30年ほどの付き合い。作品づくりは3人全員でやるといい、「本番2週間前に集まって、『さあ、なにしよう』というところから始めます。それぞれが台本も書くし、演出もします」(後藤)。モチーフになるのは、『スター・トレック』や『スター・ウォーズ』など誰もが知る映画作品。その作品選びの基準は三上で、「三上の『あのコスプレをしたい』がスタートです(笑)。熱意がすごいんですよ」(川下)。今回のモチーフは『男はつらいよ』だが、それも三上が「寅さんの恰好ってできそうでしないじゃないですか」と熱く語る。劇場で観る三上からはちょっとイメージできない姿だ。長く大阪での上演にこだわってきたが、東京での公演を望む熱い声も多く、今回の上演に至った。初めての東京公演だが「どれだけ期待してもらっても、それより上のものをお見せします!」(後藤)とキッパリ。ちなみに「僕らは汚い笑いの取り方はしないですよ」(三上)と、カッコいい大人たちの掌で転がされる、楽しい時間になりそうだ。三人に加え石丸謙二郎(青年座)、多田野曜平(テアトル・エコー)、久保田浩(遊気舎)ら個性豊かな面々が集い、「早めに来ていただくと、楽しいことが待っているかもしれません」(川下)という本作は、4月2日(水)から5日(日)まで東京・赤坂レッドシアターにて上演。取材・文:中川實穗
2020年03月13日南沢奈央が、演出・白井晃のもとで再びKAAT神奈川芸術劇場プロデュース公演に臨む。挑戦するのは、アイルランドの劇作家エンダ・ウォルシュが2016年に発表した『アーリントン』。副題に“ラブ・ストーリー”と冠された日本初演となる戯曲を一読し、作品のイメージを膨らませる稽古前の心境に耳を傾けた。【チケット情報はこちら】高層ビルの中にある待合室を舞台に、自分の“番号”が呼ばれるのを待つ若い女アイーラと、隣の部屋でモニター越しに彼女を見つめる若い男を軸とした物語が描かれる本作。壁を隔てた2人の間に何が芽生え、アイーラの番号が来た時に男はどんな決断を下すのか──。共演者には平埜生成、入手杏奈が名を連ねている。2019年5・6月に主演した白井の演出作『恐るべき子供たち』を通じて、彼と「もっと一緒に仕事をしてみたい!」と直感した南沢。豊富なアイディアや戯曲解釈の多様性を体感するだけでなく、役や作品のバックボーンをわかりやすい形で共有し、キャストの表現力に委ねる白井の演出手法に「新しい一面を引き出していただけた」と信頼を寄せる。1年を待たずに迎える再タッグは、白井からのオファーで実現した。南沢いわく「戯曲を読んだ白井さんが、今回演じるアイーラに私が重なったとおっしゃっていて」──。感情を内に秘める南沢の性格が、さまざまな過去や思いを抱えながら少しずつ自分について語るアイーラの役どころに「近いかもしれません」と分析する。南沢は、劇中の監視体制を「投稿を楽しむ一方で自分も誰かに見られている」とSNSが隆盛する現代のインターネット社会に置き換える。同時に「自分の目で観る、耳で聴く、肌で感じる機会がどんどん失われている気がして」とバーチャルへ移行しつつある世界についてコメント。しかし『アーリントン』では、アイーラと男の間にリアルな心の交流が芽生える。「誰かにそばにいて欲しいと願う彼女が、根本的な人の“あたたかさ”に触れる姿を見届けてください」と呼びかけた。その様子を、説得力ある形で観客へ提示するには──。南沢は「相手役の顔が見えず、声だけ聴いて反応する芝居は初めて。きっと五感をフル活用しないといけませんね」と青写真を描く。「最初は居心地が悪いと思いますが、そのやり取りで揺れ動くアイーラがおもしろいはず。新たなチャレンジです」と笑顔を覗かせた。公演は、4月11日(土)~5月3日(日・祝)に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2020年03月10日NHK「おかあさんといっしょ」の元・体操のお兄さんでおなじみ、よしお兄さんこと小林よしひさの公式ファンクラブが開設された。月額制の有料会員に登録すると、ファンクラブサイトのPHOTOやMOVIEといった限定コンテンツが閲覧できるほか、チケットの先行販売などの特典が受けられる。さらに、初のファンクラブイベントとなる「第一回ファンクラブイベント~よしひサークル新入生歓迎会~」の開催も発表。よしお兄さんの誕生日翌日、6月30日(火)に開かれるスペシャルなイベントとなりそうだ。ファンクラブサイトでは、3月31(火)11時までチケットの申し込みを受け付けている。■小林よしひさ OFFICIAL FANCLUB よしひサークル会費:月額 440円(税込)会員特典-チケット先行受付※チケットの確保を約束するものではありません。-PHOTO、MOVIEなどファンクラブサイトの限定コンテンツ閲覧-ファンクラブイベントの開催(不定期)-よしお兄さんの似顔絵ぬりえカレンダー-メールマガジン配信(不定期)-バースデーメール配信※会員特典内容は一部変更になる場合がございます。■第一回ファンクラブイベント~よしひサークル新入生歓迎会~日時:6月30日(火) 11:00/14:00会場:めぐろパーシモンホール小ホール料金:全席指定 2,000円(税込)▽チケット情報よしひサークル限定 ファンクラブ会員受付受付期間:3月10日(火)12:00~3月31日(火)11:00枚数制限:4枚(ご同行者は非ファンクラブ会員でも入場可能)結果発表:4月2日(木) 18:00予定
2020年03月10日2018年以降、世界各国で100万人以上を動員している展覧会「BANKSY展GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展天才か反逆者か)」が、今春、日本に初上陸する。【チケット情報はこちら】バンクシーはイギリスを拠点に活動する匿名のアーティスト。ステンシルを使用したグラフィティに風刺を込め、世界各地のストリート、壁、橋などに作品を残している。戦争、環境、貧困問題など、社会問題に根ざした批評的な作品が評価されるほか、テーマパークやホテル、映画の制作なども手掛けている。今回、本展覧会キュレーター兼プロデューサーであるIQ ART MANAGEMENT CORP 代表アレクサンダー・ナチケビア氏にバンクシーと展覧会の魅力について話を聞いた。展覧会の構成や内容について、ナチケビア氏は「バンクシーのオリジナル作品を70点ほど展示します。そのほかは立体オブジェクトや限定プリントの展示などもあります。映像でバンクシーを紹介するマルチメディアな体験空間も予定しています」と説明。主催者としてどのような意図・メッセージを展覧会に込めているのかと問われると「人々は、壁に掛けられただけのアートなんてもはや見たくないと思っているのではないでしょうか。何らかの形でアートの一部になりたい、感情を共有したいと思っていると。そこで、この展覧会は、来場者をバンクシーの世界に案内するような展示構成になっています。例えば、展示構成のひとつを 「アーティスト・スタジオ」 と呼んでいます。それは映画 『イグジット・スルー・ザ・ギフト・ショップ』 の中で紹介されている 「スタジオ・バンクシー」 を再現したものです。そこにバンクシーの姿があるのですが、顔はありません。この姿を見た人は最初「なにこれ?」という顔をします。でもその後、バンクシーが誰なのか、誰も知らないことに気づくのです。一体、どんな顔をつければよかったのでしょうか?この”謎“こそ、彼のアーティストとしてのコンセプトの大部分を占めているのだと思いますね」最後にナチケビア氏は「バンクシーの魅力は、世界中のあらゆるニュースの中から、特定のニュースを取り上げて、その出来事や問題の深刻さを提示し、私たちにとって重要なものとして提示してくれることです。(先に展覧会を行った)ロシアでも彼のメッセージが深く心に刺さった、という感想をたくさんいただきました。きっと日本の方も多くのことを感じてくださると思います」と語った。■『BANKSY展GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展天才か反逆者か)』期間:3月15日(日)~9月27日(日) 10:00~20:30(最終入場20:00)※会期中無休会場:アソビル(神奈川県横浜市西区高島2-14-9 アソビル2F)
2020年03月10日同名のアニメ映画に着想を得た大ヒットブロードウェイ・ミュージカル『アナスタシア』。国内では6月の宝塚歌劇団宙組公演に先駆け、3月に日本初演オリジナル版が開幕する。本作で木下晴香とダブルキャストで主演に挑むのが“朝ドラ女優”の葵わかな。昨年『ロミオ&ジュリエット』で華々しくミュージカルデビューを飾った期待の若手女優だ。ミュージカル「アナスタシア」チケット情報本作は、20世紀初頭のロシアを舞台に、記憶喪失の娘アーニャと、殺害された皇帝ロマノフ2世一族の生き残りとして噂される末娘アナスタシアを巡る物語。孫娘の生存を信じパリに住むマリア皇太后、アーニャと懸賞金を狙う詐欺師ディミトリ、アナスタシアの暗殺を企む将校クレブなどの思惑が交錯し、スリリングな愛の冒険譚が始まる。アニメ映画と海外公演を観たという葵。「ミュージカル化するにあたって追加された楽曲も全部素敵で。アーニャのソロ曲『Journey to the Past』『In My Dreams』はともに“ザ・見せ場”という雰囲気に圧倒されました」。アーニャは現代に通じる“強い女性の象徴”と捉える。「でも台本を読むほどに、普通の女の子という印象がすごくあります。彼女だけが特別だったわけじゃない。普通の女の子が夢や信念を持ち続けた結果、あのような結末になったのだと思います。演じるにあたって、誰もが主人公になれるという風に描いた方が、魅力的に映るのかなと今は感じています」。昨年の『ロミオ&ジュリエット』に続き大役を射止めたが、そもそもミュージカルへの出演は想定外だった。可能性を広げるため「やりたい役」を決めない主義。でも、舞台で観たジュリエット役に一目惚れ。初めて「絶対に演じたい」役と出会い、当時朝ドラ『わろてんか』出演中だったにも関わらず、撮影の合間を縫いながら、自主的に歌のレッスンに通い始めた。その後、『ロミオ&ジュリエット』オーディションのチャンスが巡ってきた。「全然何も決まってなかったのに、ずっとジュリエットの歌を練習していたので、私の執念がオーディションを呼んだ!と思うくらいでした(笑)」。初舞台では実際に涙する観客を目の当たりにした。「千人分の涙の気持ちを吸収して演じると、自分でも今まで出せなかったほどの悲しみが表現できて。そこに魅力や不思議さを感じました」。本作でも会場との一体感を楽しみにしている。「耳に残る楽曲、装置や衣裳、お話の広がりかたも日本で上演されている作品にはないと感じるほどのスケール感なので、すごく新しいものになると思います。繊細な心の機微や日本人らしいカラーも含めて描ければ。日本のお客様が感情移入できる作品に創り上げていきたいです」。公演は3月9日(月)から28日(土)まで東京・東急シアターオーブにて、4月6日(月)から18日(土)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2020年03月09日ミュージカル『サンセット大通り』が3月14日(土)に開幕する。稽古場にて、音楽監督と指揮を務める塩田明弘に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、『キャッツ』『オペラ座の怪人』などで知られるアンドリュー・ロイド=ウェバーにより1993年にロンドンで初演された作品で、かつての栄光を忘れられない大女優ノーマ・デスモンドの妄執と、それがもたらす悲劇を描く。日本では鈴木裕美の演出で2012年に初演。2015年の再演を経て、今回が3度目の上演となる。『ジキル&ハイド』『天使にラブソングを~シスター・アクト』『ラ・マンチャの男』など数多くの作品を手掛け、日本のミュージカル界に欠かせない塩田。アンドリュー・ロイド=ウェバー作品も手掛けてきた中で、本作については「『キャッツ』が1981年に初演されて、『オペラ座の怪人』が1986年、この『サンセット大通り』は1993年の作品。“円熟期”の大作のひとつだと思います。美しいバラード『With One Look』や、哀愁を帯びた『Surrender』、ドラマティックに歌う『As If We Never Said Goodbye』など、主人公ノーマの心情を映し出した楽曲が多いのが特徴です」と話す。日本初演から音楽監督と指揮を手掛けてきて、三度目の上演となる今回は「譜面が変わり、楽器の編成も変わりました。ホルン、バストロンボーン、ギター、エレキベースが増えたんですよ。ロイド=ウェバーの得意とする重低音の楽器が増えて、17人編成となり、より壮大になると思います。アレンジメントとしては、登場人物、特にノーマですが、彼女たちの情景を、音楽によってもっと強く見せるというような変更が多いです」。その変化は作品全体とも通じており、「今回、ノーマの想いや、ジョーの想い、いろんな登場人物の想いの表現がより深くなっているなと感じます。カタチでいかず、より内面的なもの、心の中での葛藤のようなものも伝えようとしていると思う。それは音楽でも、演技でも」と明かす。初演、再演では舞台の後方で演奏をしていたが、今回はオーケストラピットにて演奏される。「音が明らかに変わると思いますよ。オーケストラピットだと、役者の呼吸を直で感じることができるので、演奏のタイミングも合わせやすい。そうすると歌声も自然と乗っかっていく。より一層深みのある演技と音楽を、皆様にお届けすることができると思います」塩田が「今回は主演のふたり(安蘭けい・濱田めぐみのWキャスト)の違いがより顕著だと思う」と語ったミュージカル『サンセット大通り』が3月14日(土)から29日(日)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて上演予定。取材・文:中川實穂
2020年03月09日安蘭けいと濱田めぐみがWキャストで主演を務めるミュージカル『サンセット大通り』が3月14日(土)に開幕する。その稽古場に潜入した。【チケット情報はこちら】本作は、『キャッツ』『オペラ座の怪人』などで知られるアンドリュー・ロイド=ウェバーにより1993年にロンドンで初演された作品で、かつての栄光を忘れられない大女優ノーマの妄執と、それがもたらす悲劇を描く。日本では鈴木裕美の演出で2012年に初演。2015年の再演を経て、今回が3度目の上演となる。ノーマ役は、初演から3度目の安蘭けい、再演から2度目の濱田めぐみがWキャストで演じ、ノーマ邸で住み込みでシナリオを書く売れない脚本家ジョー役は再演から2度目の平方元基、今作から参加する松下優也がWキャストで演じる。ペアは固定制で、安蘭×松下、濱田×平方で上演される。まず始まったのは、劇中歌「With One Look」の歌唱シーン。無声映画で栄光を築いた大女優ノーマが、自分のまなざしは言葉より世界をふるわせると歌う楽曲で、ノーマとジョーが出会う場面でもある。まずは安蘭×松下のペアからスタート。プライドと強さ、そしてどこか哀しさが、迫力と共に伝わってくる安蘭のノーマ。一方、松下のジョーはそんなノーマに引き気味で、若者らしいともいえるその態度から、ノーマと世間とのギャップや孤独が痛いほどに際立つ。続いては濱田×平方のペア。濱田のノーマは、変わらぬ輝きと諦めを反復するかのようなゆらぎが、全てを内包するような歌声から伝わってくる。平方のジョーは、そのノーマに心掴まれた様子で、ふたりの世界が繋がった瞬間が感じられ、これから向かっていく未来を想像し胸がヒヤッとした。全く違うふたつのペアは、Wキャストであること、3度目の上演ならではの深み、演じることと役者自身が持つ魅力の組み合わせの面白さなどを存分に感じさせてくれた。続いては、ジョーが仕事を得ようとハリウッドの撮影所を訪れ、のちに恋に落ちる脚本家(平野綾)、大物プロデューサー(戸井勝海)、親友(太田基裕)らと次々遭遇するシーンの稽古に。「Let’s Have Lunch」のポップなメロディーに乗せて、ジョーが撮影所で働く仲間たちに挨拶したり、脚本を酷評されたり、借金取りから逃げたりと、セットもめまぐるしく動く賑やかなシーンだ。ここでも松下、平方のジョーはそれぞれの魅力があり、それにより周りの登場人物の存在も違うものに見えてくるのが面白い。演出の鈴木がハリウッドという場所ならではの人間たちのアクの強さを引き出し、ジョーの心に迫るものを際立たせていくのも印象的な稽古だった。稽古場にて開幕がより楽しみになった本作は、3月14日(土)から29日(日)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて。取材・文:中川實穂
2020年03月06日7月に東京二期会オペラ劇場が17年ぶりに新演出上演するアルバン・ベルクの《ルル》(2幕版)は、20世紀オペラの傑作。2月22日、東京文化会館内で、演出のカロリーネ・グルーバーによるプレトークが開催された。【チケット情報はこちら】カロリーネ・グルーバーはオーストリア出身の女性演出家。世界中の歌劇場が熱い視線を送る彼女は、すでに二期会の舞台でもおなじみだが、年に数回はプライベートで来日するというほどの日本びいきで、この日のトークイベントも、旅行中に急きょ引っ張り出されたのだそう。彼女の演出の根底にあるのは、「自分の側から、つまり女性の視点で分析すること」という。「多くのオペラで女性が死ぬ。なぜ?男性が作曲しているから?それを理解することが使命になった」《ルル》はそんな彼女の「使命」にふさわしい作品だ。ルルは妖艶な魅力を放つ魔性の女。新聞社編集長のシェーン博士はじめ、彼女と結婚した男たちはその魅力に惑わされ、嫉妬し、次々と命を落とす。しかしグルーバーは、「ルルはけっしてモンスターではない」と言い切る。原作では、ルルは貧民街で育ち、シェーン博士に拾われて、彼好みの女性として育てられた生い立ちを持つ。「その幼少期の体験が、現在のルルを形作った。ある種彼女は犠牲者。#MeToo(セクハラの被害体験を告発するムーヴメント)の時代の今だからこそ、初めてそれを公にできる。その意味でこれは#MeTooオペラだ」「これまでの自分のオペラ演出の結論になるかもしれない」と意気込みを語ったグルーバー。「ルルの内面の感情、魂を表現したい」と、自身のオペラ演出では初めて、ダンサーを起用する(後日、事務局から、コンテンポラリー・ダンサー中村蓉の出演が発表された。振付も担当する)。また、映像作家の上田大樹もスタッフに加わる。最近では昨年のNHK大河ドラマ「いだてん」のタイトルバックなども手がけた気鋭のアートディレクター。《ルル》は20世紀の作品らしく、台本(作曲者自身)にあらかじめ映像の使用が指定されている。ニュースフィルムのような映像でルルの身に起こった出来事をフラッシュバックのように映して時間の経過を表すのだが、おそらくはその範疇を超えた、もっと舞台全般に関わる表現として、効果的なコラボレーションになるのだろう。東京二期会の《ルル》は7月10日(金)~12日(日)の3公演。東京文化会館で。ルル役(ソプラノ)は森谷真理と冨平安希子のWキャスト。指揮は、昨年の二期会《金閣寺》(黛敏郎)でもシュアな手腕を発揮したマキシム・パスカル。フランソワ=グザヴィエ・ロトの秘蔵っ子のフランスの新鋭だ。チケット発売中。取材・文:宮本明
2020年03月04日2013年3月に大阪・堺出身のTHE→CHINA WIFE MOTORSとGOOD4NOTHINGが「地元に恩返しをしたい!」という強い想いを持ち開催された、堺発野外ロックフェス『SAKAI MEETING』。今年は5月23日(土)堺市 海とのふれあい広場特設会場にて開催される。「SAKAI MEETING 2020」チケット情報第二弾出演者として、EGG BRAIN、KEMURI、SABOTEN、SIX LOUNGE、SHADOWS、BURL、BUZZ THE BEARSの7組の出演が決定した。すでに発表されている、SHANK、dustbox、Dizzy Sunfist、ハルカミライ、HAWAIIAN6、FULLSCRATCH、HEY-SMITH、ROTTENGRAFFTYと共に堺を盛り上げる!チケット一般発売に先駆け、3月3日(火)12:00から10日(火)23:59までオフィシャルHP先行を受付。
2020年03月04日矢島弘一率いる「東京マハロ」の新作『彼の名はレオナルド』に、劇団参加は2度目となる中島早貴と、初となる大崎捺希が参加する。そこでふたりに、本作への想い、稽古の感触などを聞いた。【チケット情報はこちら】『最後の晩餐』などで知られるイタリアの美術家レオナルド・ダ・ヴィンチと、彼を取り巻く多彩な人間模様を描き出す本作。中島は「わりと重いシーンもありますが、矢島さん特有のクスッと笑える部分もあって。人間ってちっぽけだよな、アホだよなってことが会話だけで展開されていく、とても面白い作品だと思います」と、脚本の印象を語る。また稽古を重ねる中でも日々脚本に変更は加えられているようで、大崎は「次はどうなるのか、毎日ワクワクしています」と期待を寄せる。ふたりが演じるのは、レオナルドの妹ベアトリーチェと、1番弟子のサライ。自らの役づくりについて「レオナルドの一家ってすごく不思議な家族なんですよね。ベアトリーチェはそこで育ったからこそ、どこかませている部分があって…。いわゆるイマドキ女子を演じられたらいいのかなと。だから歴史的背景よりも、最近の高校生はなにをしているのかってことを調べています(笑)」と中島。大崎は「サライも実在した人物で、1番気に入られていた弟子ではあるんですが、レオナルドに対して結構悪いこともしている。でも彼はサライを手放さなかったわけで、そこにちゃんと説得力を持たせられるような人物にしたいと思います」と明かす。稽古開始から数日のある日、中島はひとつの問題に直面したようで…。「家族それぞれの年齢を決めないままお稽古を始めたんですけど、どうしてもつじつまが合わなくなってしまったんです。それで1時間くらい、それこそ家族会議をしたら(笑)、すごくすっきりして。こういうディスカッションが出来るのが、マハロさんのよさだなと思います」。また大崎は、当初考えていたサライ像に対し、矢島からあるダメ出しを受けたという。「最初僕は女性寄りのサライをつくっていったんですが、矢島さんから“だったらレオナルドは普通に女の子を好きになるはずだから、それは違うと思う”と言われてしまって。確かにその通りですし、今はまたゼロに戻ってつくり直しですね」。なお本作は、『最後の晩餐』に登場するイエス・キリストと12使徒をモチーフにした、『あるいは真ん中に座るのが俺』(再演)との同時上演。また違う視点でレオナルドの世界を楽しむことが出来そうだ。取材・文:野上瑠美子
2020年03月02日4月4日(土)、奈良・EVANS CASTLE HALLで開催される音楽イベント『THE 奈良』に、湘南乃風やTHE野党でも活動するSHOCK EYEの出演が決定した。「THE奈良 presented by BANSO」チケット情報「THEシリーズ」は、大阪を新感覚のエンタテインメントで盛り上げようという趣旨の元、2018年2月より音楽とお笑いのコラボイベントとして大阪で始まった。2019年8月まで通算7回開催され、数々の人気アーティストやお笑い芸人が出演。昨年10月には「音楽で地方を盛り上げたい」という趣旨の元、秋田県秋田市にて『THE AKITA』を開催。地元のクラブチーム「ブラウブリッツ秋田」とのコラボが実施されるなど大盛況のうちに終わった。今回の開催地は奈良。すでに発表されているDOZAN11、寿君、大阪☆春夏秋冬 with 黒髪のリリー、RED SPIDER、APOLLO、RAYと共に、奈良を大いに盛り上げる。チケットは発売中。
2020年03月02日