スキンケア大学がお届けする新着記事一覧 (3/5)
頭皮は、皮脂の分泌が多く、ニキビができやすい場所でもあります。頭皮ニキビの原因や予防法などについて見てみましょう。頭皮ニキビとは頭皮ニキビとは、頭皮にできるニキビのことです。頭皮ニキビは、顔や体にできるニキビと違って、普段は髪で隠れているので目立ちにくいため、気づかないうちに悪化させてしまいやすいという特徴もあります。シャンプーをするときに、頭皮にかゆみや痛みなど違和感があると思ったらニキビが炎症を起こしていたというケースも珍しくありません。頭皮ニキビの原因頭皮ニキビの原因にはさまざまなものがあります。シャンプーなどのすすぎ残し洗髪時、シャンプーやコンディショナーなどをきれいに洗い流せず、すすぎ残している方が多いといわれています。しっかり洗い流したつもりでも、耳の後ろ髪の生え際後頭部などの洗いにくい部分をきちんと洗えていない場合があります。シャンプーやコンディショナー、整髪料などには界面活性剤や油分が多く含まれており、これらが頭皮に残ってしまうと毛穴がつまってニキビの原因になってしまう場合があります。また、シャンプーやコンディショナーなどの成分が、頭皮のかぶれなどを引き起こし、ニキビのような発疹ができてしまうケースもあります。洗浄成分が肌に合わない場合もあるので注意が必要です。寝具の衛生状態シーツや枕カバーを長期間洗っていないと、肌から分泌された皮脂汚れが付着して雑菌が繁殖してしまうことがあります。せっかく頭皮をきちんと洗うことができても、寝具から皮脂汚れや雑菌が付着し、頭皮ニキビの原因となってしまう可能性が考えられます。脂漏性湿疹ニキビに見えていた吹き出物が、実は別の皮膚疾患による発疹である場合があるといわれています。ニキビによく似た湿疹ができる皮膚疾患に脂漏性湿疹があります。脂漏性湿疹でできる湿疹はニキビとそっくりですが、ニキビの原因菌はアクネ菌であるのに対し、脂漏性湿疹はマラセチア菌というカビの一種によって発生します。そのため、脂漏性湿疹の治療を行う場合は、ニキビ治療とはまったく別の薬を使う必要があります。頭皮ニキビと顔ニキビの違い頭皮ニキビと顔ニキビは根本的には同じものです。どちらも毛穴がなんらかの原因でつまり、毛穴の中でアクネ菌が増殖して炎症が起こることによって起こります。頭皮と顔の皮脂を比較すると、頭皮のほうが多くなりやすいといわれており、頭皮はニキビができやすい部位であるとも考えられています。頭皮ニキビの対処法頭皮にできたニキビへの対処法について解説します。皮膚科で治療を受ける頭皮ニキビが炎症を起こしてしまい、痛みが生じてしまっている場合は皮膚科などの医療機関で治療を受けるのもひとつの方法です。頭皮ニキビの治療では、外用薬や内用薬での治療で炎症を抑え、症状の改善を目指します。刺激を与えない頭皮ニキビができると気になってしまい、つい触ったり潰したりしてしまいたくなりますが、手で触ったり潰したりすると手の雑菌が頭皮ニキビに付着することで炎症がひどくなってしまう場合もあります。むやみに触らないようにしましょう。頭皮ニキビの予防頭皮ニキビは、生活習慣などを改善することで、ある程度防ぐことが可能です。頭皮ニキビの予防法について解説します。生活習慣の改善生活習慣は、頭皮を含む肌の健康に大きな影響を及ぼします。食生活食生活の乱れは、ニキビの原因となるとされています。脂っこい物ばかり食べていると皮脂の分泌量が増加し、ベタつきや毛穴のつまりの原因になります。頭皮ニキビが気になるときは、揚げ物などの脂っこいものは控えるようにしましょう。 また、野菜不足が続くと肌の健康を維持するために必要なビタミンやミネラルが不足し、ニキビや乾燥の原因になる場合もあります。緑黄色野菜などを中心に、海藻などもバランスよく食べるようにしましょう。 肉や魚、卵に含まれるタンパク質は肌や髪の材料になる栄養素です。タンパク質が不足すると新しい皮膚が生成できず、肌のターンオーバーのサイクルが乱れてしまうおそれがあります。ターンオーバーが滞ると古い角質が肌に残りやすくなるため、毛穴のつまりを引き起こしてニキビの原因となるといわれています。睡眠睡眠不足は、男性ホルモンの分泌を促進させます。男性ホルモンの分泌量が増えると皮脂の分泌量が増え、毛穴がつまりやすくなってニキビができる原因となるとされています。睡眠時間をしっかりと確保し、ホルモンバランスの乱れを防ぎましょう。頭皮を清潔に保つシャンプーやコンディショナーなどを使ったら、しっかりと洗い流してすすぎ残しがないようにしましょう。また、頭皮に触れる枕カバーやシーツ類はこまめに洗い、雑菌が繁殖しないように気をつけることも大切です。紫外線対策をする紫外線による刺激がニキビの原因となるケースもあります。帽子などで頭皮を直射日光にさらさないようにするなど、紫外線対策を行いましょう。監修:スキンケア大学参画ドクター
2017年05月05日吹き出物ができやすい場所は、おでこ鼻フェイスライン背中お尻など、人によってさまざまです。吹き出物ができるメカニズムは同じですが、できる場所によって原因が違ってきます。原因を取り除かなくては、せっかく治療してもくりかえすばかりになります。吹き出物とは吹き出物は、皮脂が毛穴の中に詰まってしまうことが原因でできます。毛穴の詰りには、2つの原因があります。ひとつは皮脂が過剰に分泌されるケースです。もうひとつは、ターンオーバーがうまくいかず、毛穴の入り口に古い角質が残って、毛穴がふさがれて皮脂が外に出られない状態になることです。毛穴に皮脂がたまると、コメド、面皰(めんぽう)という状態になります。これを一般的に白ニキビと呼んでいます。そこに皮脂をエサとするニキビ菌が集まってきます。すると、ニキビ菌が分泌する毒素に反応して、白血球が攻撃を始めます。白血球が攻撃のために放出する活性酸素などが健康な肌細胞を刺激することや、攻撃することで赤くなって赤ニキビ、膿を持って黄ニキビになります。吹き出物の種類吹き出物には、その進行状況などから白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビといった種類に分けられます。白ニキビ白ニキビは、毛穴に皮脂が詰まって、その皮脂が透けて見える状態です。たまった皮脂は、徐々に硬くなって、塊のようになります。これをコメド(面皰)といいます。この時点では、まだニキビ菌の増殖は見られません。しかし、気になって、押しつぶして中のコメドを無理に出そうとすると、そこから雑菌が入って症状を悪化させてしまう危険性があります。黒ニキビ黒ニキビは、白ニキビ状態の毛穴が開いた状態です。皮脂は、空気に触れると酸化して黒く変色するので、毛穴が黒く見えることから黒ニキビといわれています。鼻の頭にできることが多く、俗にいちご鼻とも呼ばれています。黒ニキビもやはり、無理に押し出して取り除こうとしても取れるものではありません。かえって毛穴を広げてしまう原因となります。赤ニキビニキビ菌によって、毛穴やその周りの肌細胞に炎症を起こした状態です。これはニキビ菌が増殖し、そこから出る毒素に対して、体の免疫反応が活発化しているためです。毒素と免疫細胞である白血球がバトルをしている状態です。熱を持ったリ、痛み、腫れをともないます。黄ニキビ赤ニキビの炎症が続くと、毛穴の中に「膿」を持って、黄色くなります。これを黄ニキビと呼びます。黄ニキビのなかでは、毒素と免疫細胞が戦って生まれた残骸、つまり膿で満たされています。あまりにも炎症が強いため、肌の表面だけでなく、奥深くまで細胞を壊してしまいます。そのため、黄ニキビが治っても、色素沈着やクレーターとして残ってしまうこともあるので、早めに対処する必要があります。吹き出物ができる場所吹き出物ができる場所は、毛穴の皮脂の分泌が多いところです。手のひらや足の裏には汗腺はありますが、毛穴がとても少ないため、あまり吹き出物ができることはありません。体の中で皮脂の分泌が多いところは、顔ではおでこ、鼻、フェイスライン、体では背中、デコルテ、おしり、二の腕などになります。吹き出物ができる原因吹き出物ができる場所によって、原因が異なっていることもあります。原因にあった治し方をしなければいつまでたっても治りません。背中背中は意外と皮脂や汗の分泌が多く、さらに角質層が厚いので、毛穴がつまりやすくなっています。衣類で擦れることも吹き出物ができる原因です。また、シャンプーやリンスを流したあとに、洗浄成分が背中に残ってしまうということも原因になっています。シャワーで十分に洗い流すことが大切です。おでこおでこは、皮脂の分泌が多く、髪の毛が刺激となって吹き出物ができやすくなります。整髪料も刺激になります。シャンプーやリンスなどの洗い残しや帽子でもおでこの皮膚が刺激されて、吹き出物になることがあります。フェイスラインフェイスラインは、ホルモンバランスの乱れによって吹き出物ができやすいパーツです。男性は思春期に、女性は成人になってからできやすくなります。ストレスや睡眠不足など、不規則な生活が原因となっているケースが多くなります。鼻鼻でもっとも多いのが黒ニキビです。気になって、洗顔を過剰にくりかえすと乾燥肌になって皮脂を出しにくくしてしまいます。また、無理に押し出そうとするとかえって刺激になって、さらに皮脂が多く分泌されてしまいます。お尻デスクワークで長く椅子に座っている、ガードルなど、締め付ける下着を身につけているといった場合、血行が悪くなるうえに、お尻が蒸れて吹き出物ができやすくなります。こまめにシャワーなどで清潔を保って、風通しのいい下着や服装にしましょう。吹き出物は、それぞれできる場所や種類によって原因と対処方法が違います。清潔を心がけながら、生活習慣を見直しましょう。監修:スキンケア大学参画ドクター
2017年05月05日吹き出物は、すぐに治癒するものもあれば、酷くなるものもあり、顔なども目立つところにできると、特に女性にとっては気になるものです。ここでは、吹き出物ができる原因や治療、予防について見てみましょう。吹き出物とは吹き出物というと、顔にできるニキビをイメージするかもしれませんが、顔だけでなく背中やお尻などさまざまな部位にできます。その原因や症状によっていくつかに分類されます。ニキビニキビは、アクネ菌やマセラチア真菌というカビの一種が原因になっていることが多いでしょう。皮脂の多い部分にできやすいのが特徴です。主に思春期にできることが多く、大人になってからのニキビを思春期後瘡(ししゅんきござそう)とよびます。粉瘤(粉瘤)皮膚のターンオーバーがうまくいかないことで、皮膚の内側に老廃物が溜まってしこりのようになっているものを粉瘤といいます。痛みや炎症をともなうこともあります。毛嚢炎(もうのうえん)ブドウ球菌が毛穴の奥で繁殖することによって起こるものです。膿をともなう赤い発疹で、外見はニキビに似ています。ムダ毛の処理の際に感染して起こることが多いといわれています。吹き出物ができるメカニズム吹き出物は、一般的には、毛穴に皮脂が詰まった状態から始まります。そして、詰まった毛穴が炎症を起こすと赤いぶつぶつの状態になります。この段階で、多くの場合は吹き出物ができたことに気づきます。さらに、炎症がすすむと、皮膚の下に膿がたまる嚢腫(のうしゅ)や、患部が広がり硬くなる結節(けっせつ)や硬結(こうけつ)といわれる状態になることもあります。このような状態になると、治癒した後に肌の表面の凹凸はなくなっても、しばらく赤みが残ることがあります。一般的には、この赤みは時間の経過とともに薄くなっていくものです。しかし、炎症がかなり酷くなってしまった場合や、無理に潰してしまった場合には、炎症後の赤みや皮膚の凹みがなかなか治癒しないこともあります。セルフケアで治癒するケースもありますが、気になったら必ず皮膚科を受診することをおすすめします。吹き出物ができる原因吹き出物ができる原因には、個人差もありさまざまです。一般的なニキビの場合は、皮脂によって毛穴が詰まることで菌が繁殖して、炎症を起こすことが多くなっています。また、ムダ毛の処理の際に毛穴に菌が繁殖して炎症を起こすこともあります。毛穴がつまりやすくなる原因には、ストレス睡眠不足不規則な生活間違ったスキンケアなどがあげられます。成人してからできる吹き出物は、女性に多いといわれていて、ホルモンバランスが乱れることも原因になるとされています。吹き出物の治療吹き出物が長引くときには、一度皮膚科を受診することをおすすめします。女性の場合、ホルモンバランスの乱れが原因になっていることもあります。その場合は、婦人科などで治療を行うこともあります。症状に応じて、飲み薬や塗り薬が処方されます。場合によっては漢方薬を使用することもあります。毛穴に溜まっている皮脂を押し出す処置やピーリングなどを行うこともあります。吹き出物の予防吹き出物はできてしまわないように、日々の生活の中で予防することが大切です。規則正しい生活規則正しく、ストレスが少ない生活を心がけましょう。食事はバランスよく摂るようにし、間食はなるべく控えることをおすすめします。食べてはいけないものは特にありませんが、食べることによって悪化したと思う食品があれば、控えるようにするといいでしょう。肌を清潔に保つ肌は清潔に保つようにしましょう。顔は、朝晩の2回洗い、汗をかいた後はなるべくシャワーを浴びるようにしましょう。肌が乾燥する場合は、保湿ケアを行ってください。化粧はしても大丈夫ですが、吹き出物を隠すために厚塗りしたり、何度もコンシーラーを塗ったりすることは避けましょう。なるべくファンデーションは薄めにし、クレンジングなどを使用して洗い残しがないようにきれいに洗い流してください。特に、髪の生え際は洗い残しが多いので、注意して流すようにしましょう。また、カミソリなどでムダ毛の処理を行う際には、清潔なものを使用するようにしましょう。吹き出物の注意点吹き出物は、自分で潰すことはあまりおすすめしていません。病院では症状に応じて溜まった皮脂を押し出す処置を行うことがありますが、消毒環境が整っていない場合は余計に炎症が酷くなる可能性があります。また、吹き出物ができている部分に髪の毛や衣服が常にあたっている状態だと治癒が遅くなったり、さらに悪化したりする可能性があります。隠すためにマスクをしたり、髪の毛で隠したりすることは、あまりおすすめできません。気になる場合は、せめて自宅では髪を束ねるなどして吹き出物に触れないように気をつけましょう。監修:スキンケア大学参画ドクター
2017年05月04日足裏は、角質が厚く積み重なってしまいやすい部分であり、適切な処理の方法を知りたいという人も多くみられます。なぜ足裏は角質が厚くなるのか、原因やセルフケアの方法について見てみましょう。足裏の角質が厚くなる原因皮膚は真皮と表皮に分かれていますが、外側にある表皮の中でも一番外側に位置するのが角質層となります。角質層を含む表皮はほとんどが角化細胞で作られており、表皮の内側で分裂した角化細胞が成長とともに徐々に外側へ移り、最終的に10層前後からなる角質層を形成します。この角質層の組織が角質であり、一般的に角質は表面に現れてから一定期間が経過すると垢としてはがれ脱落します。角化細胞は、分裂してから角質として脱落するまで、次々にくりかえされており、表皮の組織が一周して一変するサイクルをターンオーバーと呼んでいます。通常、ターンオーバー期間は45日程度とされており、新しい角質の形成とともに古い角質がはがれ落ちることで厚みを増すことはありませんが、なんらかの理由でターンオーバーがうまくいかない場合は、表面の角質がはがれずに新しい角質が内側から形成されることで徐々に厚くなっていきます。大きな理由としては以下の2つがあげられます。角質の乾燥と水分の不足角質は、乾燥状態の影響を強く受けます。皮膚に何かしらの病変がある場合外気が極端に乾燥している場合加齢によって皮脂分泌が低下した場合などは角化細胞が乾燥し、水分が不足することで角質のバリア機能が衰えカサカサとした手触りの硬い角質に変質していきます。単純な水分の不足だけではなく保水する能力が低下している場合が多く、ターンオーバーを正常に戻し保水力を高めるケアが必要となります。体重による外部刺激の影響足裏は、歩行する際には体重がかかり、たえず強い刺激を受けている部分ともいえます。角質は、外部刺激を受け続けることによっても硬くなり、サンダルの素足履きやクッションが十分でない履物などで長時間の刺激があると肌の内部を守る反応として角質が厚く硬化します。乾燥による水分の不足と、外部刺激は相互に関係し、特に足裏は角質層が厚くなってしまう環境であるといえます。足裏の角質の取り方厚く硬くなってしまった角質は、セルフケアで除去することも可能です。気になる方は定期的に実践してみるとよいでしょう。まず、入浴やフットバスなどで足を温め、足裏の角質をやわらかくします。足裏やかかと用のやすりを用意し、やわらかくなった角質の上で力を入れずに少しずつ動かし、角質を除去します。かかとの荒れが重度の場合は、やすりの粗い目を使用し、仕上げには細かい目を使用して整えます。角質そのものは外部からの刺激に対してのバリア効果をもち、体にとって不可欠なもののため、不要な角質だけを取り除くことを意識して過剰な除去を行わないように十分な注意をもってケアを行いましょう。また、使用する道具についてですが、足裏やかかと用のもので、持ちやすく使いやすいものであれば安価なものでも十分なケアができます。軽石や垢すりの道具などは、力の加減が難しい部分もあり、過剰な除去となる可能性もあります。なるべく足裏用のものを使用することをおすすめします。取った後のケアについて角質を除去した後は、表面を整え、タオルで足を拭きます。ケア後は、乾燥対策として化粧水などを使用して水分を補給し、尿素が配合されているハンドクリームなどで保湿を行います。新しい足裏の角質への保湿効果を高めるために、足裏、かかとをラップで覆って靴下を履き、一晩そのままにすることで化粧水とハンドクリームの保湿効果を高める効果が期待できます。ケア後の足裏が再びカサカサにならないように、その日だけでなく小まめな保湿ケアも重要です。角質ケア自体は頻繁に行うと過剰になってしまいますが、ターンオーバー周期を意識して定期的に行うと効果的となります。角質の硬化の予防法足裏の角質の硬化を予防するために注意する点について解説します。靴やインソールを変えて負担を軽減する足裏に刺激となりやすい履物や、足に合っていない履物で歩いていると角質が硬くなる原因となります。足に合った履物や足裏への刺激を減らすインソールを使用することで、クッション性を高めることや刺激の分散など角質の硬化の原因を取り除くことも可能になります。また、歩き方にくせがあり、特定の部分に負担がかかっていることもあります。よい姿勢で歩けるように意識することも角質のケアとして有効でしょう。足裏の乾燥に注意する特に、体が冷えている場合など、体が血行不良の状態に陥ると角質は乾燥しがちになり、乾燥するとターンオーバーのサイクルが乱れて角質が厚くなる原因となります。体を温めて、血行をよくするように意識するとよいでしょう。また、日々のケアとして保湿ケアはしっかりと行いましょう。水分をしっかりと補い、保湿ケアをワンセットで定期的に行うことをおすすめします。監修:スキンケア大学参画ドクター
2017年05月04日角質は表皮の表面に位置し、外部からの刺激から身体を守り、身体の水分を保持する重要な働きをもつ組織です。この角質が硬くなるとどのような症状が起きてしまうのか、日常のケア方法とあわせて見てみましょう。角質が硬くなる原因とは角質は、角化細胞がブロックのように並んだ構造をしており、その間を細胞間脂質が埋めています。細胞間脂質は、肌に水分を保持するために重要な働きをしており、細胞間脂質が低下すると角質でキープしている水分量が不足することで乾燥し、硬くなってしまいます。細胞間脂質の低下は肌の病変や乾燥が原因であることが多く、皮脂分泌の低下によるバリア機能の低下も乾燥の原因となります。また、角化細胞からできた角質が生まれ変わり、はがれ落ちるサイクルをターンオーバーと呼びます。このターンオーバーが正常に働いていないと角質がはがれずに残ってしまい、角質層が厚くなります。これも角質を硬くする原因であり、硬く厚くなった角質は、乾燥とターンオーバーの不調の両方が起こっている状態といえます。これに加えて、足の裏などは歩行のたびに体重がかかり大きな刺激を受け続ける場所であることから、素足でサンダルを履くクッション性の低い履物で歩くと刺激が過剰となり、皮膚の内部を保護する反応があらわれます。これによって角質が徐々に厚くなり、ゴワゴワの角質になってしまうこともあります。角質ケアをしないと起こりやすい症状硬く厚くなった角質をケアせずに放置すると、以下のような症状があらわれます。皮膚のひび割れかかとなど、特に角質の層が厚い部分が乾燥すると、表面の皮膚がひび割れることがあります。角質でとどまらず真皮に達した場合は出血をともない痛みも出ます。ひび割れの場所や痛みによっては歩行に支障が出る場合もあります。細菌への感染皮膚のひび割れが起こる状態とは、古い角質が蓄積されて厚みが出ている状態です。古い角質が溜まっていると白癬菌などの細菌の温床になることがあり、においやかゆみなどを発する場合もあります。白癬菌は水虫のもとともなりますので十分注意するべきでしょう。タコや魚の目の発生足の裏への刺激によって特定部分の角質が厚く硬くなってしまうことがあり、これがタコと呼ばれています。また、厚く硬くなった角質層に集中的に力が加わることで、硬くなった角質層が皮膚の内部に向かって突起していくこともあり、これが魚の目の症状となります。魚の目は、硬く芯のある突起が真皮を刺激して痛みを感じることもあり非常につらい症状となります。角質のケア方法体の部分によって、適切なケア方法があります。顔のケアは過剰にならないように顔は皮膚がやわらかいため、やさしいケアが求められます。ピーリングジェルスクラブ洗顔パックなどがあり、使いやすいものを使用するとよいでしょう。これらは古い角質を除去するために使用しますが、ピーリングジェルやスクラブ洗顔などを使用して強くこすったりすると過剰な肌への刺激になってしまいます。肌のうえで滑らせるようにマッサージを行いながら使用すると効果的です。また、ケア後は念入りな保湿を行い、角質の減少による乾燥を防ぎましょう。角質のケアを頻繁に行うと肌への刺激となり、黒ずみなどが起こる可能性もあります。角質のケアは、1か月に1回程度に留めるほうが無難です。ターンオーバーの周期も考慮して過剰なケアになりすぎないよう注意しましょう。体のケアは角質をやわらかくしてからかかとの他にもひじ、ひざは角質が溜まりがちです。ひじやひざのケアまず、角質をやわらかくふやかすために、コットンに化粧水を染みこませたものを貼り付け、5分放置します。コットンを剥がしてスクラブを使ってマッサージするように角質を落とし、よく洗い流しましょう。ケア後は乾燥を防ぐため、ジェルやクリームを使って十分に保湿しましょう。かかとのケア入浴やフットバスなどで足を暖めて角質をふやかせてやわらかくし、足裏専用のやすりを使用します。荒れがひどければ粗い面を、それ以外であれば細かい面を使用しましょう。力は入れずに一定方向に動かしながら、角質を少しずつ除いていきます。角質が取れてきたら細かい面で全体を整えて仕上げ、ケア後には、化粧水とハンドクリームでしっかりと保湿をします。可能であればラップでかかとを覆って靴下を履き、一晩そのままにすることで保湿が行き渡り、効果的となります。クリニックやサロンでのケアセルフケアも可能ですが、サロンなどでケアを受けることも可能です。化粧水や保湿が肌に届きやすくなる効果や、ターンオーバーの改善が期待されます。フットケアやピーリングを行っているところもありますので、利用してみるのもよいでしょう。角質ケアの注意点ケアするうえで共通して注意すべきことは、角質を取りすぎないことです。角質は、体を守る重要な役割を果たしているため、角質をはがしすぎることは肌へのダメージを増やしてしまうことを意味します。特に、かかとのケアの際、軽石やあかすりなどでこすると力の加減が難しく、過剰な角質除去となる場合もあります。安価なものでも専用のやすりを使用し、余分なものだけを取るという意識で、保湿を十分に心がけましょう。また、定期的なケアも重要ですが、日常生活でも以下のようなことに意識することが重要です。靴や中敷の選択に留意し足裏への刺激を抑える歩き方をバランスよくして、特定部への刺激を集中させない足元を温めて乾燥を防ぎ、角質が厚く硬くなってしまうことを予防する監修:スキンケア大学参画ドクター
2017年05月04日角質のケアのためには角質が硬くなる原因を知ることが重要です。角質とは、どのような役割を果たしているのか、角質が硬くなる原因について見ていきましょう。角質とは皮膚の構造は表皮と真皮に分かれており、表皮は外側に位置して0.2〜0.3mm程度の厚みを持っています。表皮のほとんどは、角化細胞と呼ばれる細胞で構成されていますが、この細胞は表皮のもっとも内側で分裂して成熟とともに徐々に外側に移動していく性質を持っています。このため、表皮は細胞の成熟段階によって層のような構成をとっており、内側から順に基底層(きていそう)有棘層(ゆうきょくそう)顆粒層(かりゅうそう)角質層(かくしつそう)と呼ばれています。角質層は一般的には0.02〜0.03のきわめて薄い組織ですが、手のひらやかかとの裏などでは厚くなります。もっとも外側にある角質層の組織がいわゆる角質と呼ばれており、角質となった角化細胞はある程度の期間が経過すると表面からはがれ脱落します。細胞が分裂してから成熟とともに徐々に表面に移動し、角質になってはがれ落ちるまではおよそ45日程度とされていますが、この期間はターンオーバー時間と呼ばれ皮膚のケアなどでもよく使われる言葉です。角質の役割表皮の表面部分となる角質層は非常に薄い組織ですが、10層もの層から成り立っています。角質層にいたった角化細胞は内部がケラチン線維で満たされた扁平型の形状をしていますが、顆粒層に近い部分では層のように並んだ構造をし、表面に出てくると膜のような構造に変化します。また、角質層となった角化細胞は通常よりも細胞膜が厚くなり、周辺体によって細胞が保護されます。層となり、ブロックのように並んだ角化細胞はセラミドをはじめとした細胞間脂質によって繋がれていますので、外部の刺激から内側の肌をしっかりと保護でき、細胞間脂質によって体内の水分キープの役割も果たします。大気が乾燥していても水分を失わず、周囲の環境の影響を体におよぼさないなど人の体はこの角質層のバリア機能によって守られており、角質層と角質が全てなくなってしまうと水分を失い24時間以内に死亡してしまうともいわれています。角質層と角質は人にとってきわめて大きな役割を持った組織であるといえるでしょう。角質が硬くなる原因角質層と角質の主な機能は、水分の保持と外部刺激からの保護となりますが、角質に異常がある場合は当然ながらこれらの機能が衰えることになります。バリア機能が衰えた角質層はザラザラやカサカサとした触感となり、白く変色して乾燥した状態になる場合が多く、ひび割れを起こすような硬い状態となってしまいます。この場合、鱗屑(りんせつ)と呼ばれる硬く厚い角質のかたまりができてしまうこともあります。角質が硬くなると見た目にも気になるだけでなく、深刻な場合はひび割れによる痛みがあることもあります。また、古い角質層が過剰に蓄積されると細菌が発生してにおい、かゆみなどを引き起こすこともあります。原因を確認して、硬化を未然に防げるようにケアや対策をしておくことも必要でしょう。乾燥と水分の不足が原因となる角質が硬くなってしまう大きな原因は、乾燥による水分の不足です。外気の乾燥の影響加齢による皮脂分泌の減少など、乾燥をまねく要因にもさまざまなものがありますが、細胞間脂質の減少によって水分を保持する機能が低下していることで乾燥してしまうケースが多くなります。外用薬で油分を足すケアにも効果はありますが、肌の乾燥を改善するのは肌の水分量です。基礎化粧品や保湿で改善をはかるほか、セラミドなど細胞間脂質の補給などを意識するとよいでしょう。肌の再生能力の衰え加齢やストレスなど要因はさまざまですが、肌の再生能力が衰えてターンオーバーが遅くなる、ターンオーバーが正常に行われないなど新陳代謝への影響がある場合があります。この場合、はがれ落ちるべき古い角質が残ってしまい角質層が厚くなることで角質が硬くなることがあります。足の裏は物理的な刺激の影響が大きい物理的な外部刺激によっても角質が硬くなります。特に、歩行するたびに大きく体重がかかってしまう足の裏の部分はこの影響が大きく、サンダルを裸足で直接履いている場合クッション性能が低い履物での歩行など、肌に強い刺激が与えられ続けることで角質が硬くなってしまいます。また、こういった刺激が続くと皮膚の内部を保護する反応として角質は徐々に厚くなり、硬く厚いゴワゴワの角質ができあがってしまうことになります。また、硬く厚くなった角質層の1点に力が加わると、硬くなった角質層が皮膚の内部の1点に向かって突起していくようになります。硬く芯を持った突起が真皮に到達して痛みを感じることもあり、これが魚の目の症状となります。魚の目も非常につらい症状ですので、足裏のケアや履物の選択、歩き方の対策などで角質の硬化を防ぐよう注意するべきでしょう。監修:スキンケア大学参画ドクター
2017年05月04日くせ毛は、種類や対策法によっては改善できるかもしれません。ここでは、くせ毛の原因や改善法などについて見てみましょう。くせ毛の原因くせ毛の原因について詳しく見てみましょう。髪の悩み髪の悩みで多いのは、くせ毛や薄毛、剛毛、そして細毛などです。中でも、くせ毛に悩んでいる人は非常に多いといわれています。くせ毛には、個人差があるものの、くせ毛になる人のほとんどはその度合が強いと感じている傾向があるようです。くせ毛は遺伝か自分の身内を眺めていると、似たような髪質が多いような気がすることがあります。日本人は、直毛であるというイメージがありますが、ある報告によると、およそ9割の日本人がくせ毛だというデータもあるようです。特に波状毛と呼ばれる、波打ったような髪質が日本人の中でもっとも多いといわれています。波状毛には、ウェーブが大きい場合と小さい場合があります。普段、なかなか髪がまとまらないと悩んでいる場合は、波状毛であることが多いでしょう。くせ毛というのは、ほとんどが遺伝によって出ると考えられています。両親のどちらかがくせ毛である場合、およそ7割の確率でくせ毛になるという報告があります。また、親がくせ毛でなくても歴史をさかのぼっていく過程で、くせ毛の人がいる場合は、発現する可能性があります。さらに、くせ毛は優性遺伝であるため、発現しやすいともいわれています。そのほかの原因であることもくせ毛は、遺伝以外が原因となっていることもあります。たとえば、ホルモンバランスが変化してしまったり、ダイエットやストレスなどが要因になったりすることが多いようです。また、近年増えているといわれている原因が、シャンプーやトリートメント、スタイリング剤の成分に含まれている添加物やコーティング剤によるといわれています。添加物やコーティング剤が毛穴の中に詰まってしまい、髪が成長していく過程で邪魔をして結果として髪が曲がって伸びていき、くせ毛になるようです。くせ毛対策シャンプー方法くせ毛を改善させるためには、正しいシャンプー法を身につける必要があるといわれています。ブラッシングシャンプー前に、ブラッシングをしておくことで、汚れを浮かすことができたり、絡まった髪をほどくことができ泡立ちやすくなるようです。ただし、ブラッシングをする際には頭皮を強くこすってしまうと傷つきやすくなりますので気をつけるようにしましょう。シャンプーの仕方シャンプーをする際には次のことに気をつけるようにしましょう。シャンプーをする前に水だけで汚れなどを洗い落とします。この時に、頭皮をマッサージするように丁寧に洗います。シャンプーをしっかり泡立てて、頭皮を傷つけないように洗います。すすぎをする際には、洗髪したときの倍の時間をかけて洗い流すようにする。毛穴の汚れをシャンプーで落とすことはもちろんのこと、洗った後のシャンプーの成分が毛穴に残らないようにしっかりとすすぐことが大切だといわれています。ドライヤーの当て方にもひと工夫くせ毛を改善させるためには、ドライヤーの仕方も重要です。くせ毛は水分の影響を受けやすいくせ毛の場合、髪の内部のタンパク質線維が不均一につまっていることが原因であることがあります。通常であれば複数のタンパク質が均質に含まれており直毛になるのですが、タンパク質が不均一であることから水分バランスが崩れてうねりが引き起こされやすくなるようです。水分をしっかり飛ばすくせ毛の髪をドライヤーする場合は、髪の斜め上から頭皮と適度な距離を保ちながら熱を当てて、髪の水分が無くなるまで乾かすとよいでしょう。そうすることで、キューティクルがしっかりと閉じて、サラサラになりやすいようです。くせ毛を改善する生活習慣後天的にくせ毛になった場合は、生活習慣が影響していることがあります。生活習慣の改善健康に悪い影響を及ぼす生活習慣になっている場合には、そのほとんどが髪にも悪いといわれています。特に次のような生活習慣をしている場合は、改善をする努力が必要であるといえるでしょう。脂っこいものを食べる食生活が多いストレスを感じやすい生活睡眠不足運動不足これらの生活習慣は、くせ毛以外にも体に悪影響を及ぼしている可能性が高いです。できる限り不健康な生活環境をなくしていくようにしましょう。これらの生活習慣を改善しても、くせ毛が治らない場合は、そのほかの要因を考えながら対応されていくとよいでしょう。監修:馬渕知子
2017年05月04日硬い髪や柔らかい髪というのはそれぞれどのような特徴があるのか確認していきましょう。髪質の特徴やケア方法について詳しく見ていきましょう。髪の毛の構造髪の構造について詳しく解説していきます。髪の必要性髪の役割には、主に以下のようなことがあります。保護感覚器官不要物質の排出人にとって頭部は重要な部位です。髪は、頭部への雨や紫外線、外部からの衝撃を守るために存在しています。また、毛根付近には外部からの刺激を感じることができる感覚器官の役割も持っています。さらに、食事などによって体内に入った重金属など、有害な重金属などを体外に排出する働きも担っているといわれています。毛幹(もうかん)と毛根髪は、主に毛幹と毛根から成り立っています。毛幹というのは、頭皮から上に伸びている髪の毛の部分のことで、毛根というのは毛穴の下に隠れている部分のことをいいます。毛根には、毛母細胞という細胞があり、ここで栄養や酸素の受け渡しが行われ、髪の毛を伸ばす因子を作り出します。髪の数は非常に多いとされており、一般的には、男性でおよそ10万本の髪の毛があるとされます。そして、健康な人であっても1日に50〜100本の髪の毛が抜けるといわれています。髪には毛周期という周期があり、成長期、対抗期、休止期という順番でサイクルしていきます。休止期になると、毛根にある毛母細胞は完全に活動を停止してしまうため、髪の毛が抜けるというメカニズムとなっています。硬い髪の特徴硬い髪の特徴について詳しく解説していきます。いわゆる大人の頭髪硬い髪は、終毛とも呼ばれており、一般的には大人の頭髪であると表現されます。メラニン色素と毛髄質が多く含まれたハリとコシのある髪です。太さはおよそ0.07〜0.15mmであるといわれています。大人でも硬い髪でないことがある硬い髪が大人の頭髪であると解説しましたが、すべての大人が硬い髪というわけではありません。大人であっても個人差により、ずっと柔らかい髪であったり、硬い髪であったものがやわらかい髪に変化をしたりしてしまうこともあるようです。柔らかい髪の特徴柔らかい髪の特徴について解説したいと思います。生毛(うぶげ)ともいう柔らかい髪は、生毛とも呼ばれています。赤ちゃんが生まれたときの産毛とは種類が違います。生毛は、生まれたあとに二次的に生えてくる軟毛(二次毛)であり、生まれたばかりの赤ちゃんが母親体内にいるころから生えている髪の毛を産毛と呼びます。生毛は、およそ生まれてから6か月ほどで産毛から生え変わるといわれています。生毛の特徴生毛には、硬い髪と違いメラニン色素がほとんど含まれておらず、薄い色をしています。生毛の髪の太さは、およそ0.05mmになることがあるようです。硬い髪と柔らかい髪の見分け方硬い髪と柔らかい髪の見分け方について解説していきます。ホルモンの影響による髪というのは、男性ホルモンや女性ホルモンの影響を受けていると考えられています。硬い髪というのは、男性ホルモンの多い男性に多くある傾向であり、逆に柔らかい髪は女性ホルモンの多い女性に多い傾向があるといわれています。簡単な見分け方自分の髪質が一見どちらかわからない場合は、次のような方法を試してみると簡単に確認できるかもしれません。まず、髪を一本抜いてください。そして、抜いた髪の毛の端を手に持って、横向きにしてみましょう。そのときに、髪の毛がまっすぐであれば硬い髪質であり、垂れてしまえばやわらかい髪質です。また、その髪を引っ張った際に、一定の力をかけて切れるのであれば硬い髪質であり、切れずに伸びてしまった場合はやわらかい髪質であると判断できるようです。髪の色で判断する日本人の場合、硬い髪質であるとメラニン色素が豊富であることから黒い髪であることが多いです。逆に柔らかい髪の場合は、メラニン色素が少ないことから薄い髪色になることが多いようです。ただ、髪色については個人差がありますので、必ずしもこのとおりというわけではないのでご注意ください。硬い髪と柔らかい髪のケア方法日々のケアにはシャンプーやトリートメントが欠かせません。硬い髪と柔らかい髪というのは特徴が全く異なります。そのため、自分の髪質がどちらかを理解したうえで、その髪質に適したシャンプーやトリートメント、コンディショナーなどを使用するようにしましょう。監修:スキンケア大学参画ドクター
2017年05月04日化学熱傷とは、高温によるやけどとは異なり、化学物質に触れただけで発生するやけどをいいます。原因となる化学物質に適した処置法が求められますが、普通のやけどとは違ってくるところがあります。化学熱傷に対する処置法などについて見てみましょう。化学熱傷とは化学熱傷とは、化学物質に触れることで発生するやけどです。やけどとは、高温に触れた際に起こる損傷で、中等度(軽度と重度の間)以上の深さになると水ぶくれなどが発生します。一方、化学物質によるやけどは、化学物質に触れることでやけどが起きますが、それだけにとどまりません。表皮以外も損傷することがあります。たとえば目の損傷、気道粘膜損傷、消化管粘膜損傷などの可能性があります。そして、化学物質の種類によって、やけど以外に起こるとされる損傷や症状などに注意する必要があるでしょう。化学熱傷の症状原因となる化学物質の種類や濃度、接触時間などによって、症状が異なってきます。やけどの深さは、I度熱傷、II度熱傷、III度熱傷という3つの段階に分けて考えます。I度熱傷は、たとえるなら日焼けで、ほとんどの場合は自然治癒で、しかも跡を残さず完治することが可能です。II度熱傷では、水ぶくれが生じ、III度熱傷は、皮膚そのものが壊死(えし)して、皮膚における痛みの感覚はほとんどなくなってしまうといわれています。目に化学物質が入った場合、目そのものにやけどが発生すると考えてもいいでしょう。一番危険なのは、強酸や強アルカリなどです。アルカリ性の物質は、排水口などの洗剤でもよく使われています。それらの物質が目に入ると、強い痛みが生じます。あまりの痛さのためにまぶたを閉じてしまいがちですが、まぶたを閉じた状態では、目に入った物質が取り除かれず、損傷が悪化します。また、フッ化酸素酸は、金属のさび落としや湯垢などの洗浄剤にも使われる弱酸ですが、透過性や浸透性、腐食性が高く、皮膚や粘膜などに接触してしまうと、表皮の下にある真皮(しんぴ)の深くにまで達して、局所的な障害を発生させます。目で見えている以上に、深刻な障害が起こっている可能性が高いです。その影響は接触した部分の深部組織、さらには骨にまで達することがあり、皮膚の壊死や深部組織の損傷となることが多いとされています。化学熱傷の原因原因となる化学物質はさまざまな種類が存在します。種類や性質などによって、やけどの程度やそれにともなう症状などが異なります。また、単独では有害でない物質も、複数が混ざり合うことによって、有害な物質に変化する可能性も否定できません。化学物質から発生するガスを吸い込んだり、液体状態の物質に素手で触れたりすることで損傷につながり、それがやけどとなることがあります。職業上、化学物質に触れる機会が多い人は、化学熱傷を患うことも多く、危険度の高い化学物質を扱う場合は、その化学物質に関する国家資格を持つ必要があるとされています。化学熱傷の治療と応急処置通常のやけどの場合は、やけどした患部に流水をあてて徹底的に冷やすなどの応急処置をしてから皮膚科を受診することが求められます。やけどの範囲が広い場合には、119番通報して救急車に来てもらうことも考える必要があります。化学熱傷では、原因となった化学物質が何であるのかを突き止めたうえで、治療を行う必要があります。しかし、原因となった化学物質が特定できない場合は、治療を行いつつ、その正体を突き止めるということになります。損傷の程度に応じて治療方針が決定されます。中和剤などによる特殊治療法や外用療法などがあげられます。重度の場合には、形成外科手術が行われることがあり、入院が必要になることもあります。応急処置としては、有害な化学物質を拭き取り、洗い流すのが基本的です。しかし、原因となる物質が生石灰であるときには流水で洗い流す方法をとってはいけません。生石灰は水に触れることで発熱しますので、やけどの症状を悪化させかねません。化学物質によって、水が使えない場合は、水分を含んでいない清潔な布で拭き取る必要があります。目に入ってしまった場合の応急処置方法は、医師や看護師などの医療従事者が到着するまでの間、流水で洗い流します。腐食性の高い化学物質であれば30〜120分ぐらい、継続的に洗浄を続けるべきでしょう。また、水に関しては生理食塩水でも代用可能です。化学熱傷の対処法化学熱傷を起こしたら、すみやかに皮膚科を受診しましょう。その際、原因となる化学物質を持参することをおすすめします。診察のときにわかっている方が、対処がスムーズにいくと考えられるからです。また、それに適した治療方針も決定されるでしょう。皮膚以外の臓器、たとえば目や気管や食道などに損傷が及んでいる場合、損傷箇所にあわせて診療科を選択しましょう。医療機関を受診する前に、汚染された着衣を脱ぎ捨て、すべて処分することが望ましいでしょう。監修:馬渕知子
2017年05月04日蚊に刺されやすい人とそうでない人がいます。これには、体質が関係していると考えられています。ここでは、蚊に刺されやすい人の体質について見てみましょう。蚊に刺されやすさに違いがあるのはなぜか虫は、その手法は違いますが、人を襲うことがあります。ほとんどの場合、攻撃方法は刺す、噛む、血を吸うなどです。刺す虫は蜂や毛虫など、噛む虫はクモやムカデなど、そして血を吸う虫は蚊やダニやノミなど、それぞれあげられます。もし、蜂など毒性を持った虫に刺された場合は、すぐに内科や皮膚科などの病院で治療をしましょう。一般的に、虫刺されというと蚊に刺されることを指すことが多いと思いますが、自分は蚊に刺されやすいのに、他の人は刺されないのはなぜという話を耳にすることがあります。蚊など血を吸う虫は、人間の呼吸に反応し、人間の口から発している二酸化炭素の濃度と体温などを感知するといわれています。分かりやすく例をあげると、普段から新陳代謝が高い人や運動やアルコール摂取などによって体温が上がっている人などは、蚊に刺されやすい体質といえるでしょう。しかし、運動やアルコールの摂取などが「刺されやすい」原因になるとは限りません。服装にも関係があるといわれており、具体的には、黒い服を着ている人も刺されやすといわれています。黒い服は、太陽の熱を吸収して温度があがりやすく、その余波が身体に伝わって、その結果、蚊に刺されやすくなるということです。その他にも、女性に限定するなら妊娠中の女性も刺されやすいといわれています。妊娠している状態は、新陳代謝が上昇しやすく、それにともなって体温が高くなったり、二酸化炭素の濃度が増すため、蚊に刺されやすくなります。また、クリームなどを含む化粧や香水などの化学成分を身につけるだけでも刺されやすくなるといわれています。蚊に刺されやすい人の特徴もともと、蚊に刺されやすい、どのように対策をしても蚊が襲ってくるといった場合は、その人の体質が原因であると考えられます。原因は、妊娠中である、汗を掻きやすい、代謝機能が高い、体臭が強いなどがあげられます。妊娠中の女性や汗を掻きやすい人は、少しの運動でも汗を掻いてしまい体温が上昇するため刺されやすい人になります。体臭が強いというのは、運動や肥満などによって汗が掻きやすい体になっていることが原因として挙げられます。このような結果、蚊のターゲットになりやすくなると考えられています。蚊の色覚は、白と黒の2色しか感知できていないといわれています。濃い色を好む傾向にあり、とくに、黒い服を着ている人が蚊のターゲットになりやすいようです。また、血液型によって、襲われやすくなることがあるともいわれています。特に、O型の人は他の血液型の人より襲われやすい傾向にあるといわれています。理由は、O型の人から分泌される成分が蚊を引き寄せると考えられているためです。しかし、O型から分泌される成分が蚊を引き寄せることは、その根拠と解明がされていません。他の要因があるとすれば、考えられる要因をあげて、それに向けた対策を行う必要があるでしょう。蚊に刺されないようにするには蚊に刺されない対策方法をいくつかあげて解説します。なお、夏の時期を前提としています。虫よけスプレーを使う野外活動などをするとき、その過程で汗が掻きやすいだけでなく、半袖などで肌を露出しているので、蚊だけでなく他の虫に襲われやすくなっています。しかし、スプレーをかけた部位が汗などによって流れて効果がなくなってしまうので、適度にくりかえすことが望ましいでしょう。足を中心に虫よけスプレーを使うと効果的です。露出している部分を隠す具体的には、長袖長ズボンを着用して露出した部分を隠すとよいでしょう。夏の時期に、長袖長ズボンはつらいので、可能なかぎり通気性のよいものを選びましょう。それだけでなく、脱水症状や熱中症の確率を高くしているので注意しましょう。黒い服を着用しない上記で説明したとおり、黒い服の着用は蚊のターゲットになりやすいため控えましょう。蚊取り線香を炊く蚊取り線香で蚊を寄せつけないようにするというのもひとつの手です。蚊は水場があるところに発生する傾向にあります。排水管の中にある小さな水たまりでも繁殖するとされています。とくに雨上がりの後に繁殖しやすいです。蚊取り線香を蚊が発生している箇所に設置して炊くと効果的であると考えられます。キッチンなどで炊いても効果はあり、寝室の中で炊いても同様です。ただし、火の取り扱いに注意しましょう。病院にいく虫に刺されて大きく腫れあがっている場合や痛みなどが強い場合は、皮膚科に行き治療を受けましょう。監修:馬渕知子
2017年05月04日赤ちゃんの肌はデリケートなため、赤ちゃんにふさわしいスキンケアが必要です。ここでは、赤ちゃんのためのスキンケア方法について見てみましょう。赤ちゃんのスキンケアはお尻が大切おむつには、紙おむつと布おむつの2種類があります。清潔を優先したい場合は、使い捨てタイプの紙おむつ、経済的なメリットを考えるなら何度も使える布おむつの選択肢があります。赤ちゃんのお尻は、肌がデリケートなため、紙おむつと布おむつそれぞれのメリット・デメリットを考えながら使うといいでしょう。紙または布おむつは、こまめに交換することが大切です。お尻についた排泄物を洗い流すため、空のペットボトルなどで簡易シャワーを作って、ぬるま湯でやさしく便を洗い流します。ぬるま湯で濡らした脱脂綿などでやさしく押し拭き、汚れを除去した後、新たな脱脂綿で水分を押しながら拭きましょう。便の回数が多いときは、ワセリンやベビーオイルなどを使ってお尻に薄く塗りましょう。便を皮膚に付きにくくするだけでなく、おむつかぶれの予防につながります。乳児に起こる肌トラブルおむつかぶれは、お尻や肛門、性器などに炎症が起きて、その炎症が太ももあたりにまで広がる皮膚疾患です。原因は、尿と便の排泄物、おむつによる蒸れと擦れ、そしてカンジダ菌とよばれる菌の繁殖などが考えられます。尿と便が混ざり合うことで、雑菌や微生物にとって繁殖しやすい環境となり、繁殖の影響で肌に強い刺激を与えることになります。とくに、下痢の場合だと、刺激がさらに強くなるといわれています。おむつによる蒸れは、尿と便に関係なく、赤ちゃんの汗や体温などによって高温多湿状態になり、肌がふやけ、少し刺激しただけでも傷つきやすい状態になります。擦れは、おむつのギャザーによるものと考えられます。おむつのギャザーとは、おむつのウェスト部分と足のつけ根の部分がゴムのように伸び縮みし、尿や便などが外にもれないようにするための重要な役割を持っています。しかし、ギャザーが当たっている部分に擦れが生じ、それが炎症につながる可能性も考えられるでしょう。また、カンジダ菌の繁殖によって炎症が起きることもあります。他の原因によって発生したおむつかぶれと区別するため、「乳児寄生菌性紅斑(にゅうじきせいきんせいこうはん」と呼ばれています。「乳児寄生菌性紅斑」については『乳児の「おむつかぶれ」の原因とケア方法』 (で詳しく解説しています。生後3か月の赤ちゃんのケア生まれてから3か月くらい経過すると、赤ちゃんは母親の女性ホルモンの影響を受けることによって皮脂の分泌が活発になってきます。とくに皮脂の分泌量が多くなるのは、顔と頭の皮膚です。それにともなって現れやすい皮膚症状は、新生児挫創(しんせいじざそう)や頬と身体のかさつき、3か月以下だとアトピー性皮膚炎や乳児湿疹などがあげられます。新生児挫創とは、生まれてから2週間から3か月くらいになると、ニキビのように黄色やピンク色のポツポツとしたものが皮膚に現れるというものです。男の子に多く見られますが、かゆみや痛みの症状がないのが特徴です。赤ちゃん用の石けんなどを使って、患部となるところを丁寧に洗って皮脂の汚れを一掃しましょう。毎日欠かさず行えば、1〜2か月程度で消えてキレイになるでしょう。赤ちゃんのケアは、赤ちゃんの身体を清潔に保つことが第一ですが、衣服などを常に清潔に保つことも大切です。生後4か月の赤ちゃんのケア生まれてから4か月ぐらい経過すると皮脂の分泌量が減り、それにともなって肌が乾燥しやすい「乾燥肌」状態になります。赤ちゃんに対する乾燥の保湿ケアが中心となります。ケア方法は、常に清潔に保つことが第一です。普段どおりのケア方法で問題ないといえますが、ベビーローションやベビーオイルがケアの主役となるでしょう。それらを身体に塗るおすすめのタイミングは、入浴後です。入浴後にベビーオイルなどを塗ると馴染みやすく、また入浴によって潤った皮膚のカバーとなり保湿効果が高まります。乾燥しやすい部位だけを塗るのではなく、全身に塗るようにしましょう。全身の保湿ケアを行うことで、あせもやおむつかぶれの予防につながります。陽射しの強い日に外出する際は、赤ちゃん用の日焼け止めクリームなどを塗りましょう。紫外線は、夏になると量が増え、乾燥肌状態である赤ちゃんにとっては大敵です。日除け機能があるベビーカー、帽子、肌が露出しない衣類などを使って、紫外線対策を行いましょう。ケアのし過ぎには注意赤ちゃんの肌は、大人と違ってデリケートです。清潔に保つことはもちろんですが、ケアのし過ぎはかえって逆効果です。たとえば、便や尿などの排泄物がないにもかかわらず、1日何回もケアしてしまうと、皮膚の皮脂をはぎ取ってしまい、皮膚のバリア機能が低下した状態になります。そうなると、皮膚疾患になりやすい環境につながりやすいため注意しましょう。監修:馬渕知子
2017年05月03日妊娠中は、吹き出物やニキビが増えたり、肌がカサカサになったりといった肌荒れが起こりやすくなるといわれています。妊娠中に肌荒れが起こりやすいのは、どのような原因があるのでしょうか。ここでは、妊娠中の肌荒れについて詳しく見てみましょう。妊娠中に肌荒れがおきやすい原因(1)ホルモンバランスの乱れ女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、女性の身体の健康維持に大きな影響を与えると考えられています。生理の周期に合わせて、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量は変化しながらバランスを保っていますが、妊娠するとエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が急激に増えるといわれています。エストロゲンやプロゲステロンの分泌が増えると、ホルモンのバランスが乱れて肌がカサカサになったり、吹き出物やニキビが増えたりします。また、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの分泌を指示しているのは、下垂体や視床下部などの脳や神経です。脳や神経は、ストレスや睡眠不足、不規則な生活などの影響を受けると、ホルモンを分泌するための的確な指示が出せなくなります。ホルモン分泌の的確な指示がでないことが、ホルモンバランスの乱れにつながるといわれています。ホルモンバランスが乱れてしまい女性ホルモンの分泌量が減り、男性ホルモンの分泌量が過剰になってしまうと、男性ホルモンの働きによって皮脂の分泌量が増えたり、毛穴を塞いだりするため、肌荒れが起こりやすくなります。妊娠中に肌荒れがおきやすい原因(2)栄養バランスの偏り日々の食事は、ホルモンの分泌を促すために大切です。しかし、栄養バランスが偏っていると、ホルモンの分泌が悪くなることがあります。ホルモンの分泌が悪化すると、ホルモンバランスの乱れにつながり、肌荒れが起きやすいと考えられています。つねに、栄養バランスの整った食事をすることを心がけましょう。また、女性ホルモンの分泌を促す効果が高いといわれるビタミンB6やビタミンEなどは、多く含まれる食材を積極的に食べるとよいでしょう。ビタミンB6は、レバーやカツオ、サツマイモなどに多く含まれています。ビタミンEを多く含んでいる食べ物には、ウナギやアボカド、ナッツ類などがあります。その他に、大豆イソフラボンは、女性ホルモンと同様の働きがあるといわれており、ビタミンB6やビタミンEなどと同様に、積極的に食べましょう。大豆イソフラボンは、味噌や豆腐、納豆などの大豆製品に含まれています。妊娠中に肌荒れがおきやすい原因(3)便秘食事から身体の中へとり込まれた食べ物は、身体の中のさまざまな部位で栄養を吸収します。栄養が吸収された食べ物は、身体の外へ便として排出されます。しかし、なんらかの原因で、順調に便の排出が行われずに、大腸内に長い期間、便がとどまっている状態を便秘といいます。妊娠中は、分泌量が増えるプロゲステロンの影響で便秘になりやすいといわれています。便秘とは、便として身体の外へ排出しなければいけない食べ物のカスが、身体の中にとどまっている状態です。とどまっている食べ物のカスは、悪玉菌のエサになってしまい、悪玉菌が腸内に増える原因になります。悪玉菌が増えると有害物質やガスが発生し、便とともに身体の外へ排出されずに、血液へ吸収されてしまいます。血液へ吸収された有害物質やガスは、身体の外へ排出されるために肌を経由します。これが原因となり、肌が持っている本来の機能が低下してしまい、肌荒れを起こすと考えられています。便秘を解消するためには、きちんと朝食を食べましょう。また、起きたときに、水をコップ1杯飲むと、腸への刺激となり排便につながるようです。そして、善玉菌のエサになる食物繊維をたくさん含んでいる食材や、ヨーグルトなどの乳酸菌やビフィズス菌を含んでいる発酵食品なども積極的に食べましょう。さらに、水分の摂取もスムーズな排便を行うためには欠かせません。水分は、1日あたり、1.5〜2リットルほどを摂取することをおすすめします。その他に、便秘の解消法として、おななに影響がない程度に適度な運動もよいでしょう。同じ姿勢でじっとしていると、腸の働きが悪くなり便秘の原因になると考えられています。その際は、必ず医師に相談して行いましょう。監修:小谷和弘
2017年05月01日妊娠すると、肌荒れが起こりやすくなるといわれています。特に、妊娠初期の1〜3か月あたりは、肌荒れを起こしやすい時期とされています。妊娠初期に肌荒れが起こりやすいのは、どのような原因があるのかみていきましょう。妊娠初期の肌荒れの原因は?妊娠時は、プロゲステロンやエストロゲンの分泌量が増えて、妊娠が終わらないような働きをすると考えられています。妊娠してから1〜3か月程度経過した妊娠初期は、プロゲステロンの分泌量が増えて、腸や子宮の働きが乱れ、むくみやすくなるようです。また、プロゲステロンの影響で、便秘や肌荒れを起こしやすくなるといわれています。プロゲステロンやエストロゲンの分泌量が増え、ホルモンバランスが乱れることが原因と考えられています。また、プロゲステロンには、メラノサイトに刺激を与える働きがあり、エストロゲンには、光に対して過敏に反応する働きを強める作用があるため、光に反応してメラノサイトが刺激されシミやソバカスがあらわれやすくなると考えられています。さらに、妊娠初期のつわりで、体調により食べられる食材が限定されることで、栄養のバランスが偏ってしまい、ホルモンバランスが乱れることもあります。また、妊娠による身体の変化で感じるストレスも肌荒れの原因になることがあるかもしれません。妊娠初期の肌荒れの症状妊娠初期に分泌量が増えるプロゲステロンは、皮脂の分泌を促す働きがあります。皮脂の分泌量が増えることで、毛穴がつまり、ニキビや吹き出物があらわれやすくなると考えられています。さらに、メラニンの生成が活性化されて、シミやソバカスがあらわれたり、ワキや乳首、デリケートゾーンなどに黒ずみなどあらわれたりすることもあります。妊娠初期の肌荒れの予防法と対処法妊娠初期には、肌の調子に合わせた対処が必要です。ここからは、妊娠初期の対処法についてご紹介します。化粧品を見直す妊娠すると、肌のバリア機能が弱まり、敏感肌になるといわれています。これまで使用していた化粧品などが、肌に合わなくなる可能性があります。化粧品などが肌に合わないと感じたときは、敏感肌用の化粧品に変更するなど、今の肌状態に適した化粧品に変えるなど工夫が必要でしょう。また、ワキや乳首、デリケートゾーンなどにあらわれた黒ずみには、美白成分のビタミンC誘導体など含まれるクリームや乳液なども有効でしょう。紫外線対策を行うことで、シミやソバカスの予防につながります。乾燥を防ぐ肌の乾燥を予防するために、保湿を中心にしたスキンケアを行うことも妊娠初期の肌荒れの予防につながります。肌によいといわれる栄養素を摂取することも、肌荒れ予防には大切です。ビタミンB2やビタミンB6には、ニキビを予防する効果が期待できます。ビタミンB2がたくさん含まれている食材は、牛乳や卵類、アーモンドなどです。ビタミンB6は、肉類(レバー)や種実類、にんくにやとうがらしなどに多く含まれています。さらに、コラーゲンの生成を促進するビタミンCを含む食材を一緒に摂取することで、効果を高めることができるでしょう。ビタミンCは、ホウレンソウやキャベツ、レモンなどの柑橘類などの食材に多く含まれています。ホルモンバランスに気をつけるホルモンバランスを整えることも、肌荒れを改善するためには重要です。ホルモンバランスは、ストレスや睡眠不足などさまざまな原因で乱れてしまうと考えられています。ストレスを解消するためには、趣味に没頭したり、何か楽しいことを見つけたり、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。また、適度に運動をすることが、自律神経の活性化につながり、ホルモンバランスを整えると考えられています。散歩やウォーキングをするだけでも、十分に効果が的です。マタニティヨガなど身体に無理のない程度に運動することもおすすめです。栄養を見直して肌を整える栄養バランスの整った食事は、ホルモンバランスの乱れを改善するためには欠かせません。炭水化物などの主食と合わせて、魚類や肉類などの主菜、野菜やキノコ類などの副菜、果物、乳製品などをバランスよく食べましょう。監修:小谷和弘
2017年05月01日さまざまな原因によるアレルギー反応によって、皮膚に炎症が引き起こされるアレルギー性皮膚炎は、原因物質の特定が難しく、免疫や遺伝が関係することや治療にステロイドを使用することがあるなど、上手くつきあうことが必要な疾患です。ここでは、アレルギー性皮膚炎について詳しく見てみましょう。アレルギー性皮膚炎とは一般に、アレルギー性皮膚炎とは、アレルギー性の炎症によって生じる湿疹皮膚炎と考えられ、代表的な疾患として接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などが知られています。アレルギー性皮膚炎の原因ウイルスや細菌など、身体にとって刺激や危険となる異物が体内に侵入した場合に、異物を攻撃する仕組みを免疫反応と呼びます。この免疫反応が、普段は身体にとって無害な物質や、微量の異物に過剰反応を起こし、反対に自分の身体を攻撃してしまう病態のことをアレルギーといいます。本来は、異物とはならない自身の身体の成分や構成細胞などに対して、自己免疫疾患と呼ばれるアレルギー反応を起こすこともあります。アレルギー性皮膚炎の場合には、以下のような物質などが刺激の原因と考えられます。本来は害にならないと考えられる物質化粧品や洗剤、薬品など環境に関する物質植物やハウスダスト、ペットなど長時間肌に触れる物質衣類や金属(ネックレスや指輪)などまた、アレルギー性皮膚炎の中でもアトピー性皮膚炎においては、自身や家族にアレルギーが起きやすい体質を持っていることを「アトピー素因を持っている(ある)」といいます。アレルギー反応は、アレルギーを引き起こす抗原やアレルゲンと呼ばれる異物や物質と、それに対応するヒトの細胞や免疫防御成分などの反応様式により4タイプの型に分類され、アレルギー性皮膚炎に関係する型としては、I型(即時型)やIV型(遅延型)が考えられます。I型(即時型)免疫にかかわるタンパク質のIgEや、免疫反応や炎症などの生体防御機構にとって重要な役割を担う肥満細胞が関係することで、15〜30分ほどで発症すると考えられ、重症型においてはアナフィラキシーショックになることがあります。代表的な疾患として、蕁麻疹や花粉症、喘息、そば・ナッツ・蜂毒アレルギーなどがあります。IV型(遅延型)48時間が反応のピークといわれ、抗原から刺激を受けて分化され、その抗原に対して反応を生じる感作Tリンパ球が主体となるアレルギー反応と考えられます。ツベルクリン反応もこの反応に基づいており、代表的な疾患として、接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、薬疹などがあります。アレルギー性皮膚炎の症状皮膚にアレルギー性の炎症が起こり、かゆみをともなった紅斑や丘疹、湿潤などが混在すると考えられます。接触性皮膚炎の症状には、原因となる刺激物が接触した部分としなかった部分で、はっきりとした境界が見えるという特徴があります。また、アトピー性皮膚炎の特徴には、皮膚の炎症が左右対称に現れることや、患者の年齢により発症する部位が変わることがあげられます。特に、成人の場合には、顔や首、背中など手が届きやすく、くりかえし掻いてしまう部位に症状が重い皮膚炎が現れやすい傾向があるようです。アレルギー性皮膚炎の治療アレルギー性皮膚炎の治療において、抗原やアレルゲンなど発症原因を特定し、排除や除去に努めることがもっとも大切だといわれます。湿疹が生じた場合は、時間をさかのぼって、原因となる物質を突き止めることに努めましょう。アレルギー性皮膚炎の場合は、いつ、どこに、どのようなときに湿疹が生じたかをその都度メモしておくことで、原因を特定しやすくなると考えられます。しかし、原因を特定できないことも多く、原因が判明したとしても完全に日常生活から取り除くことが難しいケースも多くあります。そのような理由から、アレルギー性皮膚炎の症状を軽減させるために、対症療法が主体になる場合があります。代表的な対症療法には、ステロイド外用薬を塗布する治療法や、内服薬として抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を使用する方法などがあげられます。また、生活習慣の改善や正しいスキンケアによっても、症状を改善できることが多いとされています。患部を掻き壊すことによって炎症がより悪化し、さらなるかゆみが生じることも考えられます。掻くことによる刺激を与えないようにすることが大切です。アレルギー性皮膚炎の予防アレルギー性皮膚炎を予防するには、原因物質を排除したり、避けたりすることが大切です。どうしても接触しなければならない場合には、手袋をはめるなど肌を守る工夫が必要でしょう。また、皮膚の免疫力をあげることも重要です。バランスのよい食事や規則正しい生活習慣を心がけましょう。乾燥や紫外線も肌の大敵だと考えられるため、保湿をしたり日焼け止めを塗ったり、長袖を着用するなどの対策も有効です。監修:小谷和弘
2017年05月01日酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん)とは、顔面に赤みやほてりが現れて赤ら顔になるアトピー性皮膚炎に似た症状を持つ皮膚疾患だといわれ、主にステロイド外用薬を長期間使用することによって発症すると考えられています。また、病名に「酒」の文字が入っていることから、飲酒が原因の病気と間違えられやすいのですが、アルコールが原因で発病する疾患ではありません。酒さ様皮膚炎について詳しく見てみましょう。酒さ様皮膚炎とは酒さ様皮膚炎とは、主にステロイド外用薬を顔面へ使用することによって発症する副作用(医原性)からなる顔面紅斑で、時にタクロリムス外用薬でも生じると考えられます。顔面の表皮が薄くなることや毛細血管の拡張、自覚症状をともなわない丘疹、膿疱が生じることが多いといわれます。ステロイドを外用した場合のすべてに発症するわけではなく、発病する素因を持つ患者に現れるものとされています。アトピー性皮膚炎の症状と似ており、30〜50歳くらいの女性に特に多く見られる疾患といわれます。病名に酒という文字がありますが、アルコールなどが原因の疾患ではありません。酒さ様皮膚炎の原因酒さ様皮膚炎は、ステロイド外用薬を長期で顔面に外用することが原因で発症すると考えられます。ステロイド外用薬を顔面に使用した患者全てに発症するのではなく、思春期から成人期の長期に渡って顔面にステロイド外用を行っている患者や、ステロイド外用薬を中止後、かゆみをともなわないびまん性である浮腫性紅斑などの急激なリバウンド現象として現れる場合が多くあります。その他にも、体質やこするために起きる刺激、紫外線、皮膚の常在微生物などの影響が考えられます。酒さ様皮膚炎の症状顔面に長期にわたってステロイド外用薬を連用した部分に、原因不明の紅斑や丘疹、膿疱、毛細血管拡張などが生じ、ほてりや赤み、熱感をともなうといわれます。かゆみは軽く、血管が細かい糸状に見えて症状が進むとブツブツとしたニキビ様の膿疱が現れることもあります。ステロイドを中止することで、一過性の症状が増悪した後に治るケースが多いとされています。酒さ様皮膚炎の治療酒さ様皮膚炎の治療には、数か月程度の治療期間が必要といわれます。治療開始の前には、他の疾患と区別するために皮膚をわずかに切り、病理検査をすることもあります。検査結果によって、酒さ様皮膚炎だと判明した場合には、基本的にステロイド外用薬の外用を中止します。しかし、ステロイド外用薬などを中止することによって、リバウンド症状である顔全体の熱感や皮疹の悪化、腫脹などが3週間から3か月程度現れ、忍耐が必要になります。リバウンドで悪化が認められたときには、入院治療が効果的だとも考えられています。アトピー性皮膚炎を合併する場合には、ステロイド外用薬を中止することで離脱症状だけではなく湿疹の悪化が見られることもあるため、慎重に離脱治療を行うことが必要です。酒さ様皮膚炎の治療において、ステロイド外用薬の外用の中止とともに、以下のような薬物治療やレーザー治療、または光治療が考えられます。薬物治療薬物での治療として、塩酸ミノサイクリン(薬剤名)やロキシスロマイシン(薬剤名)などの内服薬や、アゼライン酸外用やメトロニダゾール外用などを併用することが考えられます。その他にも、ナジフロキサシンやクリンダマイシンなどの外用薬が処方されることもあります。酒さ様皮膚炎の発症中は、皮膚のつっぱりなどの症状が見られることもあり、白色ワセリンなどが外用として処方される場合もあります。また、ほてりが強く出る場合には冷却することで症状が緩和されるといわれます。レーザー治療、光治療顔面の皮膚に細かい血管が現れる症状は薬での治癒が困難だといわれます。その場合の治療法として、pulsed dye laserやintense pulsed lightなどの治療が効果的と考えられます。酒さ様皮膚炎の予防酒さ様皮膚炎の予防には、顔を刺激しないことが重要です。石けんの使用は医師の判断に従い、洗顔時にはやさしく洗ってそっと拭き、刺激を抑えた方法を心がけましょう。また、長時間入浴することや暖房の効いた暖かい部屋に長時間いると赤みが増すため避けましょう。飲酒やたばこ、刺激物を食べることで血管が拡張し、顔の赤みがさらに強くなることが考えられるため控えましょう。紫外線は有害だといわれるため、普段から日焼け止めの使用を心がけましょう。もしも、ステロイド外用薬の使用中に少しでも異変を感じた場合には、すみやかに医療機関へ受診することが重要です。放っておくことで症状が悪化することもあるため注意しましょう。監修:小谷和弘
2017年05月01日さまざまな原因で発症するアトピー性皮膚炎は、漢方で治療する方法も選択肢として有効と考えられます。アトピー性皮膚炎の漢方治療について、詳しく説明します。アトピーに対する漢方の考え方漢方と西洋医学はどちらも原因療法ではありますが、アトピー性皮膚炎に対する西洋医学の考え方は、原因や皮膚のみに目標を絞って局部的な治療に力点をおいているとされています。それに対して、漢方では局部的に皮膚のみの治療よりも体全体の活力を増強させ、健康体として調和をとるという考え方を主眼におくといわれます。アトピー性皮膚炎において重要な漢方の要素皮膚は内臓を映す鏡ともいわれていますが、アトピー性皮膚炎において重要とされる内臓は、漢方理論の五行学説では「脾(ひ)」や「肺」、「腎」にあたると考えられています。肺漢方では肺が皮膚をつかさどるとされています。そのため、アトピーを考えるときに、まずは肺について考えるといわれています。皮膚は呼吸をしており、漢方において呼吸機能を担っている肺の系統に含まれるとされています。肺の機能としては、粛降(しゅくこう)や宣発(せんぱつ)と呼ばれる全身に清らかなものを巡らせ、排泄物や老廃物を体の外に排出する働きがあると考えられています。このことから、漢方では排泄物を体外に排出する臓器の大腸も肺に属すといわれます。また、肺は空気などに体外から触れる臓器とされています。そのため、花粉やウイルスなどの異物から体を防御する場所と考えられていますが、この体を守る(バリア)機能がうまく働かないと風邪(かぜ)をひく場合や花粉症などのアレルギー疾患が生じることがあります。また、大腸の機能が低下すると、排泄物の排出がうまく行われないために、咳や肌荒れなどの症状が現れやすくなるといわれます。脾脾は、食事などで摂取した飲食物の消化や吸収により、血や気の元となる栄養分を得る胃腸の活動を行う場所と考えられています。脾は肺を養う場所でもあり、脾の機能が低下することで肺の働きが衰えることがあります。また、ストレスや暴飲暴食などによって、消化吸収が正常に行われなくなると便秘や下痢が引き起こされる可能性があります。腎腎は漢方において、水分の調節をはじめ骨や骨髄、ホルモン分泌などをつかさどっています。腎の働きが低下することで水分のバランスが損なわれて体が乾燥したり、反対にむくみが生じたりします。また、腎の機能が衰えることで脊髄において白血球などに代表される免疫細胞の生成に異常が起き、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の慢性化やそれ以外のアレルギー疾患が生じることがあります。漢方でみるアトピーの原因アトピーが発症する要因には、体質的な要因と環境的要因があるといわれ、体質的な要因としては、アトピー素因があることや皮膚バリアの低下が考えられます。また、環境的要因には、アレルゲンと呼ばれるアレルギーを起こす物質の存在や化粧品やシャンプーや石けんなどの洗浄剤、衣類などの外部刺激、睡眠不足や疲労、ストレスなどがあるといわれます。アトピーの原因には、年代によっても変化があると考えられ以下のような特徴があります。乳児期乳児期の胃腸は、消化吸収が弱いためミルクや母乳を吐いたり、便秘や下痢をしたりしやすく消化力の弱さからタンパク質がアミノ酸に分解することができないといわれます。そのため、未消化で分子の大きい物質がアレルゲンになっていると考えられます。また、乳児期は肌が弱いことや免疫機能が整っていないことも原因のひとつになっているといわれています。つまり、乳児期のアトピー性皮膚炎においては、未発達の未熟さが原因になると考えられています。幼児期〜小児期幼児期から小児期は体の機能の発達してくるため、アトピー性皮膚炎が新たに発達することが少ないといわれる時期です。発症する場合の主な原因としては、ハウスダストや胃腸の弱さからくる食物などが考えられます。青年期〜成人期青年期から成人期は、これまでアトピーの兆候が全くない人でも発症することがあります。この時期は、乳児期とは異なり健全な胃腸機能をもつことが多いため、原因としては疲労やストレス、睡眠不足などの生活習慣などがあげられます。ほかにも、過度の飲酒や喫煙などの嗜好品、食生活の偏りも原因となる可能性があります。また、部屋の掃除が行き届いていないことや生活環境の変化によるアレルゲン、副腎の機能が低下することなども原因と考えられています。アトピーの漢方治療とは漢方には、標治(ひょうち)といわれる症状の抑制に対して即効性が期待できる処方や、根治(こんち)といわれる体質の根本的な改善することを目指した処方があるとされます。これらを症状に応じて組み合わせることで、アトピー性皮膚炎がでにくい体質を構築し、根本的な治癒をめざします。漢方でアトピー性皮膚炎の根本的治療を考えた場合には、皮膚だけではなく全身の症状を観察して全身に作用するための漢方薬が処方されるといわれ、皮膚を治療するために消化器系や肺へ働く漢方薬を使用することがあります。皮膚の症状を軽減するだけでなく他の症状にも作用することが期待されるため、漢方の治療は外側からだけでなく内側からの改善が期待できると考えられています。監修:小谷和弘
2017年05月01日アトピーになりやすい人はアトピー素因を持つことが特徴とされています。皮膚を清潔に保ち、保護や保湿をすることに加え、食事を見直すことで改善が見込めるといわれています。アトピーを改善する食事や皮膚への対策について見てみましょう。アトピーになりやすい人の特徴アトピーになりやすい人の大きな特徴として、アトピー素因を持つことがあげられます。アトピー素因とは、家族や本人にアレルギー皮膚炎や気管支喘息、アレルギー性結膜炎の既往歴があることや、両親にアトピー性皮膚炎の既往歴があるなどの遺伝的要素を持つこと、IgE 抗体を生成しやすい要素を指すといわれています。IgE 抗体とは、アレルゲンと結合することによって、肥満細胞から炎症を生じさせる化学伝達物質を放出させてアレルギー反応を発症させるタンパク質とされています。アトピーを改善する食事アトピーの改善には、油の摂り方が重要と考えられ、摂取する油の種類に注意が必要です。アトピーに影響をおよぼす油や食品には以下のものがあります。αリノレン酸αリノレン酸を多く含む食品には、えごまなどの野菜や果物、青魚や海草類などがあります。油では、あまに油やエゴマ油、しそ油などがあり、αリノレン酸の油にはアトピー抑制効果を持つと考えられます。また、DHAやEPAのサプリを摂取することも、アトピー性疾患の改善に効果があるとされています。オレイン酸調理油にはアトピー性疾患において中立で酸化しにくい、オレイン酸を含有しているオリーブオイルを使用しましょう。しかし、オリーブオイルの加熱使用にはアトピー性疾患を悪化させるトランス脂肪酸が発生することがあるため天ぷらなどの揚げ物での調理は控えて、できるだけ少なめに使用することをおすすめします。動物性の食品魚魚に含まれるEPAやDHAはアトピー喘息の抑制や改善効果があると考えられます。特に、EPAの摂取によってアトピー性の疾患の予防や改善に期待が持てます。EPA、DHAの作用アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などの抑制や脳の活性化、血液さらさら効果、脳血栓や動脈硬化の予防、コレステロール低下作用などが考えられます。EPA、DHAを多く含む魚は主に青魚であり、いわしやサバ、アジなどがあります。玄米アトピー性の疾患の改善や予防効果が期待できる主食として玄米があげられます。玄米は体内の酵素を豊富にすることや白米よりもマグネシウムは6倍、ナイアシンは14倍多く含まれておりアトピー性疾患の予防や改善に有効であると考えられます。アトピーを改善するために避けたい食事リノール酸必須脂肪酸であるリノール酸は、大豆油、コーン油、ベニ花油などに含まれています。酸化しやすくアトピー性疾患を悪化させる危険性もあるため調理油としての使用は控えましょう。リノール酸は、通常の食事で不足になることはなく、必要量の約6倍摂っているといわれます。マーガリンマーガリンは、化学溶解剤のヘキサンによって抽出されてトランス脂肪酸が大量に含有される油に水素を添加し、固体化させた消化に悪く身体にとって危険な油と考えられます。欧米諸国では、マーガリンは毒物の扱いを受けており、食べ続けることでアトピー性皮膚炎や喘息の発症が悪化する可能性があります。また、最近の研究において、トランス脂肪酸はアトピーを含むアレルギー性の疾患だけでなくさまざまな健康被害への関与が明らかになっています。動物性の食品肉肉に含まれるアラキドン酸には、アトピー性皮膚炎や喘息を悪化させるといわれています。アトピーの改善策アトピー性皮膚炎の改善策として、皮膚を清潔に保ちスキンケアなどで保湿することによって皮膚の機能異常を正すことが大切です。毎日の入浴やシャワーで皮膚を清潔に保つ強くこすらないように気をつけて、汗や汚れをすみやかに落としましょう。清潔といっても、石けんの使用する程度で十分とされています。消毒薬などによる清潔と誤解しないようにしましょう。皮膚に付着しているさまざまな物質や真菌、細菌などを取り除くためにも入浴やシャワーは有効とされています。石けんやシャンプーは洗浄力の強いものは避け、洗い残しのないように十分にすすぐことが大切です。しかし、タオルなどでゴシゴシと擦りながら洗うことは皮膚を刺激するため控えましょう。また、高い温度のお湯はかゆみを誘発することがあるので避け、入浴後にほてりを生じさせるような入浴剤や沐浴剤を使用しないように心がけましょう。肌の保湿や保護皮膚の保湿や保護を目的とした外用薬は皮膚の乾燥を防止することに有効とされています。必要に応じて入浴やシャワーの後に塗布しましょう。その際の外用薬は使用感が好みのものを選んでも構いませんが、製品によって接触性皮膚炎を引き起こすことも考えられるため、症状の経過を注意し観察しながら使うことが大切です。また、軽い皮膚炎は、保湿や保護を目的とした外用薬の使用だけでも改善することがあります。その他の改善策新しい肌着を着用するときは、使用する前に洗濯をしましょう。洗濯の際の洗剤はできるかぎり界面活性剤の含有率が低いものを使用しましょう。患部を掻かないように短く爪を保つことや、包帯や手袋などで保護することも有用だと考えられます。また、適温や適湿などの室内環境を整えることもアトピー性皮膚炎の改善に大切な要素といえるでしょう。監修:小谷和弘
2017年05月01日生まれたばかりの赤ちゃんの肌はとにかくデリケートです。いつも清潔に保ってあげていないとちょっとした汚れや刺激で肌のトラブルを起こしてしまうと考えられています。乳児脂漏性湿疹も多くの赤ちゃんが発症する肌トラブルの一つですが、もし症状が出てもしっかりとした対処法を知っておけば慌てる必要はありません。症状や原因とあわせて見ていきましょう。乳児脂漏性湿疹の症状赤ちゃんが発症する湿疹のことを総じて「乳児湿疹」と呼びますが、脂漏性湿疹は発症する赤ちゃんが多いといわれています。特徴としては体ではなく首から上にできます。頭部や眉毛が黄色いかさぶたで覆われる、おでこ、頬などにフケのようなものができる、赤い湿疹ができて、かゆみはあまりないというのが主な症状です。乳児脂漏性湿疹の原因とは新生児、乳児期(生後1か月〜2歳)までの赤ちゃんは、お母さんの体内ホルモンに影響され、生理的に脂を分泌する働きが高くなっています。そのため、頭、眉、耳など顔を中心に赤い湿疹や黄褐色のかさぶたができることがあります。これは乳児脂漏性湿疹と呼ばれています。原因は赤ちゃんの皮膚の洗い方が十分でないときなど、清潔に保てていない場合が多いといわれています。乳児脂漏性湿疹のピーク乳児脂漏性湿疹は主に生後から2歳くらいまでの乳児特有の湿疹ですが、一番発症しやすい時期は生後3か月くらいまでとされています。これは個人差がありますが、生後3か月くらいまでは胎児副腎由来のデヒドロエピアンドロステロンの血中の濃度が高く皮脂分泌が活発になります(生後2〜3か月で低下)。このため脂漏性湿疹になる赤ちゃんが多いといわれています。乳児の肌は非常に薄く敏感なため、環境・体質だけでなく、食べこぼしや汗、ちょっとした汚れが原因で赤くカサカサになってしまったり、かゆみ・痛みをともなった腫れを引き起こしたりすることがあります。症状が続く場合は乳児脂漏性湿疹ではなく、アトピー性皮膚炎の可能性もありますが、乳児湿疹の症状が出ている間はアレルギー性かの判断ができないため、1〜2歳くらいまでは経過観察する必要があります。乳児脂漏性湿疹の受診のタイミング赤ちゃんの皮膚に異常が見られたからといって、どの程度なら医療機関で受診するべきなのか悩むお母さんも少なくありません。乳児脂漏性湿疹は完治までに個人差があるため、まずは患部を清潔に保つことを心がけましょう。湿疹ができてから、正しい方法で洗ってあげて保湿などをしてあげれば2週間程度で一度よくなり、3〜4週間もあれば完治することが多いとされています。それでも治りが遅い、どんどん症状が悪化するという場合には、小児科や皮膚科に行って医師の診断を受けることをおすすめします。乳児脂漏性湿疹の治療症状が重く医師に相談する場合は、処方された保湿剤やプロペト(ワセリン)でしっかりと保湿してあげることが大切です。乾燥している肌がしっとりするくらいが保湿の目安となります。赤ちゃんは乾燥によってかゆみを覚えることもあるため、乾燥している部位をみつけてしっかりと保湿してあげましょう。特にお風呂上りは乾燥しやすいためしっかりとこまめに保湿を心がけましょう。ステロイド系の塗り薬と併用する場合は、まず保湿剤で肌をしっとりと潤してから、ステロイドを必要な箇所に必要な量だけ塗ってあげます。先にステロイド剤を塗ってしまうと、保湿剤を塗るときにステロイドを塗り広げてしまい、肌への負担が余計にかかってしまうためです。湿疹は皮膚のバリア機能が低下している状態で、そこに食物タンパク質、ダニ・花粉が侵入することで免疫反応(アレルギー反応)が起こるリスクがあります。そのため、乳児脂漏性湿疹は早くスキンケアをして治すことで皮膚のバリア機能を強化してさまざまなアレルゲンから皮膚を守ることが大切です。「皮膚の状態を正常に保つことが将来のアレルギーにかかわる」ということもできます。乳児脂漏性湿疹の対処法乳児脂漏性湿疹は皮脂の分泌を抑制したりするような方法が取れないため、分泌された皮脂を溜めないでなるべく清潔な皮膚環境を保つことが最善のケア方法と言えます。毎日お風呂に入れてあげて、しっかりと皮脂、かさぶたの脂を落としてあげることが大切です。さきほど述べたとおり、乳児の肌は非常にデリケートなので、ごしごし洗うのはNGです。ベビーソープやベビーシャンプーをたっぷり使って円を描きながらマッサージするようにやさしく洗ってあげます。頭皮や眉毛の部分で頑固な皮脂がついている場合、入浴する前にベビーオイルやオリーブオイル、ワセリンなどをつけてあげることで取れやすくなります。赤ちゃんが自分で患部を掻き壊さないように、赤ちゃんの爪も短く丸い状態に切ってあげることも重要です。監修:コッツフォード 良枝
2017年05月01日外科的治療や放射線治療後にリンパ浮腫で悩まれる方も少なくありません。リンパ浮腫と向き合っていくためには、リンパ浮腫について学ぶことが大切です。むくみをともなう「リンパ浮腫(ふしゅ)」とは細胞の中にある組織液のほとんどは血液の中に戻っていきますが、そのうちの約10%が毛細リンパ管へ入っていき循環します。毛細リンパ管が太くなっているものをリンパ管と呼んでいますが、そのリンパ管が何らかの原因で障害が起きてしまい、組織液がリンパ管からもれて皮下組織に溜まってむくんでしまうことがあります。それをリンパ浮腫といいます。リンパ浮腫の原因リンパ浮腫には、「原発性リンパ浮腫」と「続発性リンパ浮腫」があります。原因がわからない「原発性リンパ浮腫」原因が不明のリンパ浮腫のことを「原発性リンパ浮腫」と呼んでいます。多くは、35歳以前に発症することが多く、思春期や妊娠中など代謝機能が変わってくるときに起こる場合と、生まれつきリンパ管関係に何らかの障害があり、立って歩く2〜3歳頃に発症する場合があります。手術後に出現する「続発性リンパ浮腫」原因がはっきりとわかっているリンパ浮腫のことを「続発性リンパ浮腫」といいます。子宮がんや乳がんの手術後に発症することが多いため、手術の後遺症として広く知られています。手術でリンパ節を切除することでリンパ液が周辺の組織にもれて、むくみになってしまうと考えられています。ほとんどの続発性リンパ浮腫は、手術や放射線治療後、早期にむくみが始まりますが、かなりの期間がたってから発症するケースもあります。リンパ浮腫の症状や発生場所腕や脚が腫れることが多く、重くだるい感じがする、疲れやすくなるなどの症状を感じます。進行はゆっくりですが、長期間にわたって放置しておくなど適切な治療を受けないと、皮膚組織が硬化する象皮症となってしまうことがあるので注意が必要です。むくみがあると感じたならば、できるだけすみやかに、きちんとした診断を受けて治療を始めましょう。リンパ浮腫の治療法や改善ケアリンパ浮腫に対する治療法としては、「保存的療法」と「外科的治療」があります。身体への負担が比較的少ないといわれている保存的療法が行われることが多く、代表的なものに「複合的理学療法」というものがあります。スキンケア、リンパドレナージ、圧迫療法などの治療を組み合わせて行い、日常生活に対する指導を組み込んでいきながら改善をしていこうという療法のことです。保湿スキンケアリンパ浮腫になってしまうと、皮膚がむくみ乾燥しやすくひび割れることも多いため、蜂窩織炎(ほうかしきえん)になりやすくなります。細菌感染してしまうと炎症が起きてしまい急激にリンパ浮腫が悪化するため、乾燥や角化するようであればしっかりと保湿するなどの対策が必要です。医療徒手リンパドレナージ(マッサージ)むくみを緩和させるために、手足に溜まったリンパ液をゆっくりとしたマッサージで適切な場所に移動させます。固くなってしまった皮膚を柔らかくする効果もあり、皮膚の状態改善が期待できます。圧迫療法弾性包帯や弾性ストッキングを着用し、リンパ浮腫の治療をする方法です。弾性着衣を身に着けることで圧力が持続的にかかり、リンパ液が組織の隙間に溜まらないようにする、リンパ液をスムーズに流すことが目的となります。血圧が高くなる、皮膚がかぶれているなどの症状がある場合は、圧迫療法を続けるかどうか必ず医師に相談し、指導を受けてください。圧迫した状態で運動を行うリンパ液の排出を促すために、弾性包帯や弾性着衣を身に着けて足の関節を動かす運動をするとむくみ改善に効果が期待できます。圧迫した状態での足の運動は、筋肉の収縮作用と圧迫の効果でリンパの流れがよくなるといわれています。病院で行う治療法(複合的理学療法以外)病院で行う治療法について見てみましょう。外科療法外科治療では、手術で流れが悪くなっているリンパ管を静脈につなぐ吻合手術をするのが主な治療になります。うまくつなぐことができれば、むくみの改善が期待できますが、全例が手術適応になるわけではなく、まったく圧迫療法が必要なくなるほど改善されることは少ないといわれています。薬物療法リンパ浮腫治療に効果が期待できる薬物療法は、現時点で効果が認められているものはありません。皮膚が硬くなってしまったときには、尿素製剤やケラチナミン軟膏が有効です。日常生活で注意する点皮膚を傷つけないように、血圧測定、採血、注射などはリンパ浮腫がない方で行ってもらうようにしてください。爪の手入れにも注意を払い、深爪にならないようにしましょう。虫さされやペットからのひっかき傷にも十分注意してください。リンパ液の流れが妨げられると、リンパ浮腫が悪化することがあります。指輪や時計、下着などは締め付けないものを選ぶようにしてください。できるだけ標準体重を維持し、栄養バランスを考えた食生活を送るようにしましょう。監修:池内秀行
2017年05月01日唇や口の周辺がウイルスに感染することで起こるとされる「口唇ヘルペス」は、一度感染して免疫を持っていたとしても再感染や再発の可能性があるといわれています。ここでは、口唇ヘルペスの基礎知識について詳しくご紹介します。口唇ヘルペスとは「口唇ヘルペス」は、単純ヘルペスウイルスというウイルスに感染することによって、口周辺や唇に小さな水ぶくれができてしまう病気といわれています。単純ヘルペスウイルスは、唇をはじめとする顔面などの上半身に発症しやすい1型と性器などの下半身に発症しやすい2型の2種類があるといわれています。いずれも非常に感染力が強いといわれており、直接的な接触だけでなく、物を介しても感染する可能性があります。最近は抗体を持たない人が増えている以前は、子供の間に家族から感染して抗体を持っていたといわれています。しかし、核家族化などのライフスタイルの変化や衛生状態の改善により、現在は20歳代〜30歳代のうち半数程度しか抗体を持っていないといわれるほどです。初めての感染が子供のうちであれば、ほとんど症状がなく、症状があらわれたとしても軽症で済むことがほとんどといわれています。また、1型の抗体をもっていれば2型の感染率が低くなるといわれ、発症したとしても症状が軽いとされています。年齢が高くなるほど抗体を持っているといわれていますが、最近は大人になってから初めて感染するといるケースがあります。この場合、まれに重症化してしまうケースもあるため、子供のうちに感染していない場合は、感染しないように注意した方がよいでしょう。口唇ヘルペスの症状ウイルスに感染して起こる症状は、皮膚症状がほとんどといわれており、2週間ほどで症状が治癒するといわれています。経過によってあらわれる症状にも特徴があるとされています。前駆症状口唇ヘルペスは、水ぶくれなどの視覚的な症状があらわれる前にその兆しがみられるといわれてます。具体的には、ピリピリ、ムズムズ、チクチクといった感覚や熱感、かゆみなどとされています。皮膚症状症状があらわれ始めた直後と数日経過したときで、皮膚症状が少し異なるといわれています。・初めにあらわれる症状前駆症状を自覚して半日くらいすると、唇やその周辺の一部の皮膚が赤みを帯び、腫れてくるといわれています。患部でウイルスが増殖をしている時期と考えられており、このタイミングで治療を始めるのがよいとされています。・2〜3日経過後にあらわれる症状赤くはれた後、その上に水ぶくれの症状があらわれはじめるといわれており、軽いほてりや痛み、かゆみなどの症状をともなうことがあります。初感染の場合は5mm大の水ぶくれができやすく、場合によっては発熱するケースもあります。水ぶくれは、再発を重ねるほど小さくなるとされていますが、やぶれた水ぶくれに触れることで感染してしまう可能性があるため、注意しましょう。回復期水ぶくれは、やがてかさぶたとなって徐々に回復し、10日〜2週間ほどで症状がなくなることが多いといわれています。口唇ヘルペスの感染経路単純ヘルペスウイルスは、患者との接触など直接的な接触が主な原因といわれています。ただ、感染力が強いウイルスのため、患者が触れたタオルやグラスなどの食器といった物を介しても感染する可能性があるといわれています。口唇ヘルペスの予防口唇ヘルペスの予防は、発症させないための予防と発症後の予防の2つに分けることができます。発症させないための予防方法日常生活で受ける精神的なストレスや肉体的なストレスが体力や抵抗力を衰えさせるといわれています。すると、口唇ヘルペスを再発させる可能性が高まるとされています。また、疲労しきっているときや体調不良の際に紫外線を浴びることで、全身の免疫力を低下させてしまうことがあるといわれています。口唇ヘルペスを再び発症させないためにも、バランスのよい食事や十分な休息を心がけて身体の健康をキープするだけでなく、ストレスをうまく発散して精神的な健康の維持にも努めましょう。発症後の予防方法発症後は、感染の拡大を防ぐための予防が重要といわれています。・自分自身に対する予防患部に直接触れたり、水ぶくれを故意的に破ったりすると感染が拡大する可能性があります。また、場合によっては細菌感染が加わって、痕が残ってしまうことにもつながるといわれています。気になっても、患部に触れないことが大切です。触れてしまった場合は、しっかりと手を洗うようにしましょう。・接触に対する予防口唇ヘルペスを起こす単純ヘルペスウイルスは、物を介して感染する可能性があるため、症状が出ている間は家族をはじめとする身近な人と接触する際に注意を払う必要があるとされています。特に、母親が感染しておらず抗体を持っていない新生児が、免疫機能の発達が未熟なために重症化する可能性があります。白血病や悪性腫瘍、アトピー性皮膚炎などの病気を患っている人も感染しやすいだけでなく、重症化する可能性が高いといわれています。また、口唇ヘルペスの抗体を持たないパートナーとのキスも控えたほうがよいでしょう。口唇ヘルペスの治療法治療薬は、抗ヘルペスウイルス薬を使用するケースが一般的で、軽症であれば外用薬を1日数回患部に塗るよう指示されることが多いといわれています。しかし、中等症以上の場合や再発をくり返している人、重症化しやすいと判断される人の場合は、内服薬を用いて治療を行うケースが多いとされています。いずれも薬もウイルスの増殖を抑える働きがあるため、症状があらわれはじめた早い段階で治療にとりかかることで、症状が出現しないか出ても軽症で済むといわれています。重症化してしまった場合や内服薬を服用しても症状の改善が見られない場合、内服薬の変更や点滴注射を行うこともあります。ひどい場合は、入院治療となるケースもあるため、前駆症状を自覚した時点で医療機関を受診するようにしましょう。監修:コッツフォード 良枝
2017年05月01日子供から大人まで、幅広い年齢層で発症するとされる「口唇(こうしん)ヘルペス」は、再感染や再発をくり返すという特徴があるといわれています。口唇ヘルペスと診断されたとき、どのような薬を用いて治療していくの、薬の種類や効果についてご紹介していきます。口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス1型)とは唇や口の周辺にできる口唇ヘルペスは、上半身での発症を中心とする単純ヘルペスウイルスの1型に感染することで起こるとされています。この単純ヘルペスウイルスは感染力が強いといわれており、主な感染経路は直接的な接触や患者が使用したタオルや食器などの物を介して感染すると考えられています。一度感染したら免疫があるため、再び感染しないように思われがちですが、口唇ヘルペスは再感染や再発の可能性があるとされています。そのため、大人になって発症したケースのほとんどが再発で、頻度としては年1〜2回が多いといわれています。子供のうちに初めて感染(初感染)した場合、症状があらわれにくく、あっても軽いといわれています。しかし、大人になって初感染すると症状が重症化する場合があり、注意が必要といわれています。口唇ヘルペスを治療する薬の種類治療に用いられる薬の形はさまざまですが、どのようなタイプであってもウイルスの増殖を抑える効果が期待できる抗ウイルス薬を処方されるケースがほとんどです。軟膏などの塗り薬(外用薬)軟膏など、直接患部に塗ってウイルスを抑制する働きがあるといわれています。内服薬と比較すると効果は劣るといわれていますが、費用の負担は軽いといわれています。症状が軽症の場合や治りかけの場合に処方されるケースが多いですが、症状が長引いている場合は弱った皮膚から細菌が侵入して細菌感染を起こす可能性があるため、抗生物質を含む外用薬を併用するケースもあります。錠剤などの飲み薬(内服薬)飲み薬は、体内から単純ヘルペスウイルスの活動を抑制する働きがあるといわれています。多くの場合が5日間の処方とされています。点滴静脈注射免疫不全などにより重症化しやすい人や全身症状があらわれている場合、入院治療となり、抗ウイルス薬の点滴を注射して治療を行うケースもあるといわれています。市販薬の効果とは口唇ヘルペスの初期の場合、口唇炎やニキビなどの皮膚病と見分けがつきにくく、誤って市販のステロイド薬を使用することで症状を悪化させてしまうことがあるといわれています。そのため、口唇ヘルペスの治療に用いられる薬は、医師が症状や副作用に配慮したうえで処方されるのが一般的とされています。早めに抗ウイルス薬を使用すれば、ウイルスの増殖を抑制できるとされていますが、自己判断で市販薬を使用せず、皮膚科を受診して医師の指示に従うようにしましょう。口唇ヘルペスを治療する薬の副作用口唇ヘルペスの治療には抗ウイルス薬を用いるケースが多いとされていますが、人によっては副作用を起こす可能性があります。吐き気をはじめとする胃腸症状と引き起こすとされているのが、内服薬や外用薬、点滴など複数の薬の形がある「アシクロビル(薬剤名)」や「塩酸バラシクロビル(薬剤名)」の内服薬です。軟膏に多いとされる「ビダラビン(薬剤名)」では、皮膚のかゆみ、赤み、刺激感といった症状を引き起こしやすいといわれています。服用後や塗布後になんらかの異常がみられたら、使用を中止して医師に相談しましょう。口唇ヘルペスを薬で治すまでの使用期間一度単純ヘルペスウイルスが体内に侵入すると、神経細胞などに入りこんでしまうため完全に取り除くことは難しく、一生そこに棲みついて感染を継続させるといわれています。口唇ヘルペスの場合、主に三叉神経節に潜伏するとされていますが、正しく治療することで症状は治まるといわれています。感染した初期のころは、前駆症状といわれる唇やその周囲でピリピリやムズムズなどの違和感、痛み、かゆみといった自覚症状があらわれやすいといわれています。その後、違和感などを覚えた患部は、数時間から数日で赤くはれて水ぶくれができはじめます。初感染の場合の水ぶくれは、直径5mm程度の大きさがあるといわれていますが、再発の場合は、皮膚の赤みなどの範囲や水ぶくれの大きさも小さくなる傾向にあるといわれています。水ぶくれが破れてかさぶたになった後は症状の改善が進み、多くの場合が2週間ほどで回復するとされています。ただ、治療のタイミングが遅れると症状の改善にも時間がかかってしまうといわれています。また、症状も重くなりやすいため、薬は口唇ヘルペスの兆しとされる前駆症状があらわれたときに服用するのが理想といえるでしょう。薬で症状を改善することは可能とされていますが、何度も起こさないためにも、疲労やストレス、皮膚の摩擦や刺激などの悪化因子や発症因子を避ける生活を心がけることも大切です。監修:コッツフォード 良枝
2017年05月01日おでこニキビは皮脂の分泌過多や生活習慣など、さまざまな原因によって発生します。おでこニキビの原因や予防法などについて知っておきましょう。おでこにニキビができるメカニズムニキビは、毛穴がなんらかの原因でつまり、内部でアクネ菌が繁殖することで発生します。アクネ菌は誰の毛穴にも普通に存在している常在菌で、通常時は肌を健康に保つはたらきをしています。しかし、毛穴に皮脂などがたまると、その皮脂をエサとして増殖し始め、皮膚が盛り上がってニキビとなります。炎症がまだ起こっていない「白ニキビ」のうちに対策を行えば比較的早く治る場合も多いですが、対策を行わないと、毛穴内でアクネ菌が増殖して炎症を引き起こすし「赤ニキビ」となり、腫れや痛み、かゆみなどを引き起こします。さらに悪化すると炎症が広がり、膿なども出る「黄ニキビ」となります。黄ニキビまで進行するとアクネ菌は「リパーゼ」という酵素を作り、毛穴周辺の皮膚組織を破壊するようになります。破壊が進むと肌に凹凸ができ、ニキビ跡ができてしまうこともあります。おでこニキビの原因おでこニキビはさまざまな原因で発生します。おでこニキビの原因となる要素について解説します。皮脂の過剰分泌おでこは顔の他の部位と比べて皮脂の分泌が多い部位です。特におでこや鼻筋など、「Tゾーン」と呼ばれる部位は思春期以降になると成長ホルモンの影響で皮脂の分泌が増加しやすいということがわかっています。シャンプーなどの洗い残しシャンプーやコンディショナー、洗顔料などは、きちんと洗い流しているつもりでも、すすぎ残しがある場合が多いようです。洗い残した汚れやすすぎ残しは、毛穴の中にたまり、皮脂などと混ざり合うとニキビの原因となる場合もあります。生え際やこめかみなどまで洗い残し・すすぎ残しがないよう丁寧に洗髪・洗顔を行うようにしましょう。ホルモンバランスの乱れストレスや月経などの影響でホルモンバランスが乱れるとニキビの原因となる場合があります。特にストレスを心身に受けると、男性ホルモンの一種である「テストステロン」や「アンドロゲン」といったホルモンの分泌量が増加します。テストステロンやアンドロゲンには、皮脂の分泌量を増加させたり、角質を厚くさせたりといったはたらきがあり、皮脂の分泌量の増加や角化異常はニキビができやすくなる要因となります。生活習慣の乱れ食生活など、生活習慣の乱れがニキビの原因となる場合もあります。食生活の乱れは肌トラブルに直結します。脂っこいものや糖分などをとりすぎると皮脂の量が増加し、毛穴がつまりやすくなります。また、野菜不足の状態が続くと肌の調子を整えるビタミンやミネラルなどが不足し、肌の不調を引き起こします。その他、肌の材料となるタンパク質が不足すると、新しいい皮膚細胞の生成が抑制され、肌のターンオーバーのサイクルが乱れてしまう場合もあります。肉・魚・野菜などをバランスよく食べ、ニキビができにくい体を目指しましょう。紫外線の影響紫外線を浴びると、体が肌を守ろうとして角質を厚くしようとします。紫外線の浴びすぎなどによってこのはたらきが強くなりすぎると角化異常が起こり、毛穴がつまりやすくなります。日焼け止めや日傘などで紫外線対策を行うようにしましょう。おでこニキビのケア方法おでこニキビのセルフケア方法について解説します。前髪をおでこに触れさせないニキビは、皮脂の分泌過多などによる毛穴のつまりに加え、皮膚になんらかの刺激が加えられることによって誘発されるといわれています。前髪があるヘアスタイルの場合は常に前髪がおでこに接触しているため、それが刺激となってニキビができてしまうこともあります。おでこニキビがあるときは隠すために前髪を下しておきたいところですが、家にいるときだけでもピンで留めておくなどしておでこと前髪が接触しないようにしましょう。整髪料の使い方に気をつけるワックスなどの整髪料を大量に使うと、おでこに付着してしまう可能性があります。ワックスなどの油分がおでこの毛穴に入り込んで皮脂と混ざると、ニキビの原因となってしまう場合があります。整髪料の量や使う場所に気をつけ、なるべくおでこに油分がつかないように気をつけましょう。熱いお湯で洗顔しない熱いお湯で洗顔を行うと、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまうおそれがあります。皮脂はニキビの原因であると同時に肌の健康を守るために必要なものでもあります。洗顔をするときは熱いお湯ではなく、ぬるま湯か水ですすぎなどを行うようにしましょう。炎症があるときは病院へおでこニキビが赤く腫れあがってしまい、痛みやかゆみがあるときは皮膚科などを受診しましょう。放置するとニキビ跡になってしまう場合もあります。できるだけ早く医師に相談することをおすすめします。おでこニキビの予防法おでこニキビは日頃の習慣を改善することである程度予防できます。おでこニキビの予防法について解説します。食生活の改善ニキビなどの肌トラブルの改善には食生活の見直しが不可欠です。脂っこい食事を控え、1日3食バランスよく食べるようにしましょう。睡眠時間の確保睡眠不足はホルモンバランスの乱れなどを引き起こす他、ターンオーバーのサイクルの乱れの原因になる場合もあります。ターンオーバーのサイクルが乱れると古い角質が肌に留まり続けてしまい、毛穴がつまる原因になります。睡眠時間は十分に確保しましょう。洗顔方法の見直し洗顔はニキビ改善の基本です。よく泡立てた洗顔料で肌を包むようにやさしく洗いましょう。すすぎで泡や汚れが肌に残っているとニキビの原因になる場合もあるため、すみずみまでしっかりとすすぐことが大切です。また、皮脂が気になるからといって1日に何度も洗顔を行うと、肌にとって必要な皮脂まで洗い流してしまい、かえってニキビが悪化する場合もあります。洗顔は朝晩1回ずつまでにとどめましょう。監修:石曽根亜希
2017年04月30日おでこは、もともと皮脂の分泌が盛んなこともあり、ニキビができやすい部位です。おでこニキビの原因やセルフケアの方法などについて知っておきましょう。おでこニキビとはおでこニキビとは、額にできるニキビのことです。額から鼻にかけてのTゾーンはニキビができやすい部位ですが、その中でも額は特に皮脂の分泌量が多く、ニキビができやすいといわれています。おでこニキビができる原因おでこニキビには、さまざまな原因があります。おでこニキビを発生させてしまいやすい要因について解説します。おでこニキビの原因は皮脂の分泌過多おでこは、もともと皮脂の分泌が盛んな部位です。一度毛穴がつまってニキビができてしまうと、皮脂の分泌量が多いため、毛穴の内部にどんどん皮脂がたまってニキビを悪化させてしまうケースが多くみられます。ニキビが悪化して化膿したり、炎症が深層まで広がったりしてしまうと、皮膚組織が破壊されてニキビ跡が残ってしまう場合もあるので、おでこのケアには十分に注意をしましょう。ホルモンバランスの乱れがニキビの原因心身が過度なストレスを受けてホルモンバランスが乱れると、おでこニキビの原因となってしまうこともあります。ストレスは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」や「アンドロゲン」といったホルモンの分泌量を増加させるといわれています。これらのホルモンには皮脂の分泌量を増加させたり、角質層を分厚くさせたりする働きがあります。おでこは、皮脂の分泌量が多い部位であるため、こうしたホルモンの働きがあると、よりおでこニキビができやすくなってしまいます。生活習慣の乱れがニキビの原因食生活や睡眠などの生活習慣の乱れは、肌荒れに直結します。脂っこい物や甘い物など、脂質が多いものばかり食べていると皮脂の分泌量が増加し、毛穴がつまる原因になります。また、野菜不足になると、肌の調子を整えてくれるビタミンやミネラルが不足し、肌のターンオーバーのサイクルの乱れなどを引き起こして角化異常を引き起こす場合があります。その他、肌や髪の材料になるタンパク質が不足すると新しい皮膚細胞の生成が抑制されてしまうため、肌のターンオーバーに悪影響を与える場合があります。肉・魚・野菜をバランスよく食べるようにしましょう。睡眠不足もニキビの原因になります。睡眠不足は自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こすほか、肌自体がもつバリア機能を低下させてしまうケースもあるようです。睡眠時間を十分に確保し、ニキビができにくい環境づくりに努めましょう。洗顔料などの洗い残しがニキビの原因おでこニキビの原因として、洗顔料やシャンプーなどの洗い残しがあります。きちんと洗い流しているつもりでも、生え際やこめかみなどを洗い残してしまっている人は意外と多いようです。洗い残した汚れや洗顔料のすすぎ残しが毛穴にたまると、皮脂と混ざり合ってニキビの原因となってしまいます。洗顔料やシャンプーなどは丁寧にすすぎ、洗い残しがないようにしましょう。おでこニキビの治し方おでこニキビが悪化して炎症を起こし、赤みや腫れ、膿などが発生してしまっている場合は、皮膚科などの専門の医療機関で治療を受けることをおすすめします。ニキビが悪化すると毛穴の中でアクネ菌が「リパーゼ」という酵素を生成するようになり、このリパーゼが毛穴周辺の皮膚組織を破壊してニキビ跡を作ってしまう原因になる場合があります。自分でニキビを潰したり中身を絞り出したりせず、皮膚科の医師に相談しましょう。おでこニキビを病院で治療する場合、面皰圧出を行って、ニキビ内部の皮脂や膿を出してから、抗生剤の軟膏で治療することが多いようです。また、何度もくりかえしてしまうおでこニキビの場合は、皮脂の分泌を促進してしまう男性ホルモンの分泌を抑えるホルモン治療が効果的といわれています。おでこニキビのスキンケア方法おでこニキビを改善するためのセルフケア方法を見てみましょう。前髪をおでこに触れさせないニキビは、皮脂などによる毛穴のつまりやアクネ菌の増殖に加え、皮膚への刺激がきっかけで発生するともいわれています。前髪が額にあたるへアスタイルの方は、ニキビができているときは、髪型にも気を使いましょう。整髪料の使い方に注意する整髪料をつけすぎると生え際やおでこに油分が付着しやすくなり、洗髪時に洗い残しが出やすくなってしまいます。整髪料の量やつける場所に気をつけましょう。洗顔方法に注意する熱いお湯で洗顔を行うと、肌に必要な皮脂まで取り去ってしまう場合があります。皮脂は毛穴のつまりの原因であると同時に、肌を守るための役割も果たしています。洗顔はぬるま湯で行い、皮脂を落としすぎないようにしましょう。監修:石曽根亜希
2017年04月30日足のむくみは、長時間の立ち仕事などの後にだけあらわれるわけではありません。足のむくみが初期症状としてあらわれる下肢静脈瘤について、くわしく解説します。むくみとはむくみは、医学的には浮腫(ふしゅ)と呼ばれます。身体の皮膚の下にある細胞と細胞の間に通常よりも多くの水分がある状態を意味します。人間の身体は、心臓がポンプの役割をし、きれいな水分と身体に必要な栄養分など動脈を通して、身体のすみずみの細胞まで届けます。そして、細胞でいらなくなった水分や老廃物などは、静脈やリンパ管を通して心臓まで戻ります。しかし、なんらかの原因でこの流れが滞ってしまうと、水分や老廃物の排出も滞ることとなり、むくみへと繋がるのです。むくみは長時間にわたる立ち仕事やデスクワーク、アルコールや塩分の過剰摂取など、生活習慣から引き起こされる場合が多々あります。そのため、むくみが起きても放置してしまいがちですが、むくみを引き起こすのは生活習慣だけではありません。病気が原因でむくみがあらわれる場合も多くあるため、気になるときは、迷わず、専門の医師に相談するのがおすすめです。下肢静脈瘤とは下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は、静脈を通って心臓に戻るはずの血液の流れが滞ってしまったり、逆流したりしてしまうことで、静脈の壁が膨らみ、足にまるで瘤ができたようにみえる病気です。この下肢静脈瘤は遥か昔、人間が二足歩行するようになった紀元前からあるといわれている病気です。命に支障はない病気といわれていますが、足にいくつも血管のふくらみができるのは、見た目も美しいものではなく、また、進行すると湿疹などがあらわれたり、皮膚が硬くなったり、かゆくなったりします。さらに悪化すると、皮膚が黒ずんだり、皮膚に潰瘍(かいよう)が生じ重症化する場合もあります。下肢静脈瘤は、放置しておいても自然に治ることがない病気ですので、専門の医師による適切な治療が必要になります。下肢静脈瘤によるむくみの症状下肢の静脈の流れが滞るようになると、足のむくみのほか、だるさや重さ、つかれなどの症状を感じるようになります。ほかにも、痛みやつっぱり感なども感じ、足がつったり、こむら返りもおこったりするようになります。多くの場合、それらの症状を単なる一時的な疲れによるものだと思いがちです。しかし、これらの症状を長期に渡って放置しておくと、それはやがて下肢静脈瘤になってしまいます。むくみが起きると静脈に炎症を引き起こしやすくなります。その炎症が慢性化してしまうと、静脈にある血液を心臓に戻すために必要な弁の機能が低下してしまいます。するとさらに症状が悪化してしまい、症状が重くなるほど、完治するのが難しくなるため、早期の治療が非常に大切になります。下肢静脈瘤になりやすい人とは以下の条件に当てはまる場合は、下肢静脈瘤になりやすいといわれています。・教師や美容師、調理師など長時間にわたる立ち仕事をしている。・ある程度、年齢を重ねている。・肥満、もしくは体重が増えた。・昔はよく運動していたが、最近は運動不足である。・親兄弟、祖父母にも同じような症状があらわれている。・妊娠、または、出産を経験している。・女性である。・高血圧である。・糖尿病を患っている。これらの条件に当てはまるからといって、必ずしも下肢静脈瘤になるわけではありません。しかし、下肢静脈瘤になりやすいということを念頭において、日々の生活のなかで改善できる部分は積極的に改善し、予防に努める事も大切です。下肢静脈瘤の治療下肢静脈瘤にはさまざまな治療法があり、どの治療法を行うかは専門の医師の判断によります。●圧迫療法足に適度な圧力をかける弾性ストッキングを履いて、余分な血液がすでにできてしまっている静脈瘤の中で留まらないようにする治療法です。誰でも気軽に使用でき、症状の進行防止と緩和する効果が期待できます。●硬化療法静脈瘤のなかに硬化剤を注入することで、静脈の内膜に炎症を起こさせる治療法です。炎症を起こした後、皮膚の上から圧迫することで瘤になっている静脈を閉じることができます。傷跡が残らない治療法といわれていますが、硬化剤の注入部に色素沈着する可能性や、しこりが残る場合があります。また、20〜30%の再発があるといわれています。●レーザー治療血管内に細いファイバーを入れて、血管の内側からレーザー光を照射して、その熱で静脈を塞ぐ治療法です。傷跡がほとんど残らないため目立たないといわれています。また出血も少なく、身体への負担が小さいうえ、大きな静脈でも、高い治療効果が期待できるといわれています。●IPL治療肌に特殊な光をあてて、血管の拡張を改善する治療法です。最小限のダメージで行うことができる治療法だといわれています。痛みが少なく傷ができない治療法ですが、3〜5回の治療が必要とされています。軽症の静脈瘤への効果が期待できます。●ストリッピング手術ひざの裏や足の付け根などを2cmほど切開して、弁不全を起こしてしまっている静脈を取り除く手術による治療法です。再発率が低いといわれている治療法ですが、まれに皮下出血などの後遺症や、治療した周辺の知覚神経に障害を起こす場合があるといわれています。●高周波アブレーションカテーテル治療高周波をだすカテーテルを血管内に挿入し、その熱によって、静脈の壁を収縮し閉じる治療法です。アメリカやヨーロッパでは下肢静脈瘤のメインの治療法といわれています。傷跡がほとんど残らないため目立たないうえ、出血も少なく、身体への負担も小さいといわれています。また、静脈の壁を高周波によって均一に焼くこと、合併症ができるため合併症を起こしにくいといわれています。しかし、大きな静脈ではその効果を十分に発揮できない場合もあります。下肢静脈瘤の予防法下肢静脈瘤を防ぐには、日頃のこまめなケアが大切になります。●弾性ストッキング適切なサイズの弾性ストッキングを使用することで、血液が静脈内で留まるのを防ぎ、血行を促してくれます。弾性ストッキングは、下肢静脈瘤の予防だけでなく、悪化防止や、治療後のケアにも役立ちます。●アロマレッグケア血流を促してくれる作用が期待できるアロマオイルを使ってマッサージすることで、ふくらはぎの筋肉を柔らかくし、血行を改善する効果が期待できます。●適度な運動立ち仕事や座り仕事などで、長時間同じ姿勢を続けないように気をつけ、こまめに身体を動かすようにすることで、滞りがちな血流を促すことが期待できます。また、軽いウォーキングなど、適度な運動は足の筋力を高め、血管に負荷をかけてしまう肥満の防止にも効果が期待できるので、下肢静脈瘤の予防につながります。●栄養バランスのよい食生活脂質分のとりすぎや高血圧、肥満などは下肢静脈瘤の原因になりやすいため、栄養バランスのよい食生活を心がけることが大切です。監修:池内秀行
2017年04月30日足に起こるむくみには、一過性のものと慢性的なものがあるといわれています。慢性的なむくみのなかには、片足にだけむくみが多くあらわれる場合もあります。むくみとはむくみは医学的に浮腫(ふしゅ)と呼ばれます。皮膚の下にある細胞と細胞の間に通常よりも多くの水分が溜まってしまった状態を指します。身体の中では心臓がポンプの役割を果たし、酸素や栄養素、水分など動脈を通して、身体のすみずみの細胞まで届けます。そして、細胞内でいらなくなった水分や老廃物は、静脈やリンパ管を通して心臓へと戻ります。しかし、なんらかの原因で静脈やリンパ管の流れが滞ると、細胞と細胞の間に水分が溜まっていき、むくみとなるのです。足のむくみが起こるメカニズム足はむくみの症状が身体の中でもでやすい部分となります。重力の関係で、立ったり座ったりしている状態のとき、身体の中の血液や水分はどうしても足の方に集まりがちになるからです。そして、足の細胞内で不要になった水分や老廃物が、重力に逆らって心臓まで戻るためには、血液を押し流してくれるポンプが必要になります。人間の身体の中にある血液のうち、およそ7割が下半身に集まっているといわれています。その7割の血液を心臓まで戻し体内を循環させるために必要なポンプの役割を、ふくらはぎの筋肉がすることになるのです。足がむくむ原因とは足がむくむ原因にはさまざまなものがあります。一過性のものと、病気などが原因で引き起こる慢性的なものの2種類に大きく分けられます。一過性のものの多くは、生活習慣に関係している場合がほとんどです。立ち仕事やデスクワークなど、長時間同じ姿勢でいることでふくらはぎの動きも少なくなるため、ポンプとしての機能があまり働かず、足の血液が心臓まで戻りにくくなってしまい、むくみがあらわれることになります。また、運動不足や過度なダイエットは、ふくらはぎの筋肉の衰えにも繋がり、その結果、ポンプ機能も低下してしまうので、足がむくみやすくなってしまいます。ほかにも、塩分やアルコール類の摂りすぎもむくみに繋がります。塩分には水分を抱えこんでしまう性質があり、アルコールには血管内脱水の性質があるため、飲み過ぎると血液中のアルコール濃度が高くなり、それを低くするために、水分を血管内に取り込もうとします。忘年会や新年会などの飲み会で、普段よりも塩辛い物を食べたり、アルコールを多く飲んだりすると、翌日、身体がむくんでしまうのは、そのせいだと考えられます。慢性的なむくみだと、心臓や、肝臓、腎臓などの障害や、リンパ浮腫が原因の可能性があります。むくみの症状が何日も続いたりするほか、足の血管が部分的にぽこぽこと浮き出てきたり、尿の出が以前より悪くなったりなど、いつもと違う症状がある場合は、なんらかの病気が原因である可能性が考えられます。病気によっては、初期症状としてむくみがあらわれる場合があれば、かなり進行が進んでからむくみの症状があらわれる場合などさまざまです。どの病気でも早期発見と早期治療は大切になってくるので、気になるむくみがあるときは、専門の医師に相談しましょう。片足だけにむくみが多く出る病気とは足にむくみがでる病気でも、両足ではなく片足どちらかにだけむくみがあらわれる場合があります。どちらかというと、右より左足の方により多く症状があらわれることが多いようです。下肢静脈瘤下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は、静脈の中で血液の逆流が起こることが原因となる病気です。静脈の中には、心臓まで血液を送る際、血液が逆流してしまわないように弁がついています。しかし、この弁がなんらかの理由で機能できなくなると、血液が逆流してしまい、その部分の血管内の圧力が高まってしまいます。するとその部分の静脈が瘤のようにふくれてしまい、表面からみると、足の血管沿いにぽこぽこと瘤が盛り上がっているように見えます。この下肢静脈瘤は、血管が盛り上がるだけでなく、足が重くだるく感じたり、むくんだり、かゆくなったりなどの症状があらわれます。放置しておくと、色素沈着や湿疹、潰瘍などがあらわれる場合もあります。深部静脈血栓症深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)は、エコノミークラス症候群とも呼ばれます。ふくらはぎの筋肉の間を通っている深部静脈の中の血液は、ふくらはぎの筋肉が動くことで、押し上げられ心臓まで戻ることができます。しかし、飛行機や長距離バスに乗っていて足を動かすことができなかったり、病気などで寝たきり状態が続いたりなど、同じ姿勢を長い間続けた後などに、足の静脈の中で血のかたまりである血栓ができてしまいます。この状態を深部静脈血栓症と呼びます。静脈の中でできた血栓は、その後、歩いたり動いたりして足を動かしだすと、血液とともに上に押し上げられ、場合によっては肺まで飛んで行くことがあります。小さな血栓であれば、肺に飛んでも自覚症状もなく経過して行く場合も多いのですが、大きな血栓の場合は、それにより肺の血管が広範囲で詰まってしまう場合もあります。そうすると、血液中に酸素を取り込めなくなるため、短い時間で生命の危機になる場合もあるといわれています。足のむくみの予防足のむくみを予防するには、塩分やアルコール類の摂取を控えめにし、栄養バランスのよい食生活をするように心がけましょう。濃い味付けのものより薄味のものを選び、塩分の排出に効果があるといわれるカリウムを多く含む食品や、血行をよくしてくれる効果が期待できるビタミンEなどを積極的に摂取するのもよいでしょう。また、適度なウォーキングやストレッチなどを日頃の生活にとりいれ、筋肉の衰えを防ぎましょう。監修:川端久雅
2017年04月30日手が動かしづらくなるような感じがしたり、指輪が抜けにくくなったりする手のむくみは、なぜ起こるのでしょう。手のむくみが起こる原因について、くわしく説明します。むくみとは医学用語では、むくみは浮腫(ふしゅ)と呼ばれます。人間の身体のうち6割ほどは水分でできているといわれており、その水分の代謝がさまざまな原因により上手く機能しないと、皮膚の下にある細胞と細胞の間にある水分が通常より多く留まってしまいます。その状態がむくみとなるのです。通常、心臓がポンプのように力強く機能することで、身体の中では、動脈を通して必要な栄養素や水分などをすみずみの細胞まで届けることができます。そして、静脈やリンパ管を通して、細胞内で不要になった水分などを再び心臓へと戻します。しかし、静脈やリンパ管の流れがなんらかの原因で滞ってしまうと、一緒に不要な水分も留まることになってしまい、むくみへと繋がるのです。むくみを引き起こす原因はさまざまです。立ち仕事やデスクワークなどで同じ姿勢を長時間保たなければならなかったり、お酒を飲みすぎたりすると、むくみを引き起こしやすくなるように、日々の生活の中でもむくみは簡単に起こる可能性があります。そのため、むくんでいても、つい軽く考えてしまいがちですが、むくみは、病気が原因で引き起こる可能性もあります。病気が原因の場合は、なるべく早く適切な治療を行わなくてはなりませんので、むくみが気になる場合は、迷わず、専門の医師に相談するようにしましょう。手のむくみの原因とは日常生活の中で起こる手のむくみは、血流の滞りや重力が原因となっている可能性があります。起きているときに引き起こる手のむくみは、心臓より手が下の位置にあり、同じ姿勢を長時間とらなくてはならない場合にむくみやすくなります。また、朝起きたときに手がなんだかこわばって感じたり、握りにくかったりするのも、むくみによるものの可能性があります。目覚めたときの手のむくみは、顔がむくむのと同じように、寝ている間に身体の中の余分な水分が手の方へとやってくることが原因であると考えられています。起きているときには、重力の影響で足や心臓より下に置いていた手に水分が溜まりがちです。しかし、就寝時には横になる事で、足と心臓、そして、頭と手がほぼ同じ高さになるため、重力の影響が均等にかかることになります。そのため、それまで足の方に溜まっていた水分が顔や手にもやってくるのです。重力のほかに、寝る前にお酒を飲みすぎたり、塩分を取りすぎたりするのも、むくみを引き起こす原因になる可能性があります。手のむくみが引き起こされる病気とは手のむくみは、病気が原因で引き起こされる場合もあります。むくみの症状を引き起こす病気で一番多いといわれているのは腎臓の病気ですが、腎臓の病気はそれだけで発症するだけでなく、他の病気の合併症として発症する場合もあります。腎硬化症による手足のむくみ血圧が通常より高い状態にある高血圧は、直接むくみの症状を引き起こすわけではありません。高血圧になることで引き起こされる合併症がむくみの原因となっている場合がほとんどだといわれています。高血圧は、ポンプの役割をしている心臓にも大きな負担をかけますが、身体の中にある老廃物を濾過(ろか)するための腎臓の濾過機能をも低下させてしまいます。腎臓の中には、血液を濾過し老廃物を尿として身体の外へ排出するための糸球体(しきゅうたい)があります。網目のような毛細血管のかたまりである糸球体は、高血圧が長期にわたると、その毛細血管が動脈硬化を起こしてしまい、濾過機能を十分に果たせなくなってしまうのです。この場合のむくみは、手だけでなく、足や顔、腹部など全身でその症状が引き起こされます。糖尿病による腎症高い血糖値が続く糖尿病は、さまざまな合併症を引き起こすといわれており、その合併症のひとつに腎症があります。高血糖の状態が続くと腎臓の中の糸球体にも影響が及び、濾過機能が正常に機能しなくなります。糸球体は、本来、身体に必要なタンパク質などは、外に排出しないようにコントロールしていますが、腎症になると、そのコントロールが難しくなり大量のタンパク質を尿と一緒に外に排出してしまいます。身体に必要なはずのタンパク質を大量に排出してしまうと、血液中のタンパク濃度が低下してしまい、浸透圧によって血液中の水分が血管外へと染み出しむくみへと繋がります。腎症の症状が進むと、むくみはさらにひどくなり、症状が慢性になってくると、人工透析や腎移植が必要となる場合もあります。脳卒中患者にみられる肩手症候群脳卒中患者にみられる肩手症候群は、肩や手を動かせる範囲が制限されたり、痛みをともなうむくみの症状が手にみられたりします。肩手症候群の原因は未だ明らかにはされていません。手のむくみを緩和するための方法手のむくみが、立ち仕事など日頃の生活習慣によるものの場合は、手を肩から上にあげて伸びをしたり、手を開いたり閉じたりしてほぐすなどのストレッチがおすすめです。病気が手のむくみの原因と思われる場合は、まず、その原因を突き止める事が非常に大切です。手のむくみが生活習慣によるものでないと感じたら、迷わず、専門の医師に相談しましょう。監修:川端久雅
2017年04月30日むくみはなぜ起こるのでしょう。むくみの原因にはさまざまありますが、病気が原因の場合には、腎臓病によるむくみが多いといわれています。むくみが起こるメカニズムむくみは、身体に余分な水分が留まってしまうことで引き起こされます。人間の身体は、体重のおよそ60%が水分といわれており、そのうち3分の2が細胞内にあります。そして、残りの3分の1の水分は血液内などにあるといわれており、その多くが細胞間液になります。細胞間液は血液の血漿(けっしょう)成分でできており、栄養素などを運ぶ役目をします。通常、心臓がポンプのように力強く動くことで、全身の血液を循環させます。その際、身体が必要としている酸素や栄養素などを血液と一緒に動脈を通して、すみずみまで運びます。そして、細胞内で不要となった老廃物などを、静脈やリンパ管を通して心臓へと戻します。しかし、なんらかの原因で、この細胞間液が、うまい具合に静脈やリンパ管に戻れなくなったり、静脈やリンパ管の流れが滞ってしまったりすると、そこで細胞間液も留まってしまい、むくみの原因へと繋がるのです。むくみの原因とはむくみが引き起こされる原因はさまざまです。長時間の立ち仕事やデスクワークなどで、同じ姿勢をとり続けていると、重力などが原因で朝履いた靴が夕方きつくなってしまうようなむくみを引き起こすことがあります。また、締め付けのきつい下着や衣服、ベルトなどは血流を妨げてしまうので、その部分がむくみやすくなる原因にもなります。むくみの原因は重力や身につけている衣類だけではありません。なんらかの病気が原因となってむくみの症状がひきおこされている場合もあります。その場合は、原因となっている病気によって、対処法も変わってくるので、まずは、専門の医師に相談のうえ、原因を明らかにし適切な治療をおこなうことが非常に大切です。むくみと腎臓の関係とはむくみの症状が引き起こされる病気で一番多いといわれているのが腎臓の病気です。腎臓の病気によるむくみは、「腎性浮腫」といわれ、足だけでなく全身に起こります。また、このむくみは腎臓の病気にとって、かなり重症化したサインでもあり、病気がかなり進行していないと腎性浮腫はひきおこされないといわれています。腎性浮腫の原因とは腎臓は、身体の中の水分量を調節したり、老廃物を尿として排出したりする機能を持っています。しかし、病気によってその機能が破壊されてしまうと、余分な水分やナトリウムなどを排出できず、身体に留まってしまいます。この排出できなかった水分や老廃物がむくみを引き起こすことになります。むくみを引き起こす腎臓の病気とは腎臓の病気でも、むくみを引き起こすものとそうでないものがあるといわれています。タンパクを排出するネフローゼ症候群身体の中の老廃物を排泄してくれる腎臓では、毛細血管のかたまりである糸球体(しきゅうたい)が血液の濾過(ろか)装置として機能し、老廃物のみを取り除く仕組みになっています。しかし、この糸球体になんらかの障害が起き、血液中にあるタンパクが大量に濾過されてしまい、尿と一緒にタンパクを排出してしまうことで、血液中のタンパクが減る低タンパク血症で、むくみなどの症状が引き起こされるのがネフローゼ症候群です。低タンパク血症で、血液中のタンパクの量が減ってしまうと浸透圧の関係で血液中の水分などが血管の外へと染み出します。その血管の外に溜まってしまった水分などがむくみとなるのです。ネフローゼ症候群の原因はさまざまで、むくみの症状も、原因や排出されてしまったタンパクの量、年齢などで変わってくるといわれています。少しずつ症状があらわれる場合もあれば、急にあらわれる場合もあり、その原因は、腎臓から組織の一部をとって検査をする腎生検で判明することが多いのです。糸球体腎炎腎臓内の濾過装置である糸球体に炎症が生じ、血尿やタンパク尿が出てしまう症状を糸球体腎炎と呼びます。これには急性糸球体腎炎と慢性糸球体腎炎の2種類があり、急性糸球体腎炎の場合は、扁桃炎や咽頭炎などの1〜3週間後に発症するといわれています。むくみのほか、血尿、タンパク尿、尿量の減少、高血圧の症状があらわれます。慢性糸球体腎炎は、1年以上の長期に渡って血尿やタンパク尿などが続くものを指します。急性糸球体腎炎と同じく、むくみ、血尿、タンパク尿、高血圧の症状に加えて、頭痛や倦怠感などの症状もあらわれます。腎臓の働きが低下する腎不全健康な腎臓に比べてその働きが、30%以下にまで低下してしまった状態が腎不全になります。腎炎などで糸球体の細かな網目が詰まってしまい、血液の濾過が十分にできなくなり老廃物を排泄しきれなくなることで腎不全となります。腎不全になると、尿の出が悪くなるだけでなく、全くでなくなったりするため、身体に水分が溜まりむくみとなります。慢性腎不全になると、腎臓の機能を完全に回復するのは不可能ともいわれています。末期症状まできてしまうと、腎臓の機能が低下しすぎて、生命維持にも関わってくるため、腎臓の働きを補うための人工透析や、腎移植が必要となります。ひどい場合は病院へ立ち仕事やデスクワークなどが続くと、むくみの症状はあらわれやすくなるため、少しぐらいのむくみなら、と気にしなくなりがちですが、むくみの裏にはさまざまな病気が隠れている場合もあります。気になるときは、迷わず専門の医師に相談しましょう。監修:川端久雅
2017年04月30日すそわきがのニオイに自分で気がつくことは非常に難しいです。しかし、すそわきがを発症している方には傾向があるため、以下のチェックリストを参考に、しっかりとチェック・対策をしていきましょう。すそわきがの原因とセルフチェックわきがのニオイに自分で気がつくというのは、実は非常に難しいことです。もともと人間は自分のニオイには鈍感で、自分の部屋は気にならないのに、他人の部屋のニオイが気になるということは、よくある話かと思います。それと同様に、自分のわきがにも気がつきにくいのです。とくに、股間周辺からニオイがする「すそわきが」では、性行為時に強いニオイを放つこともあるので、できれば他人から指摘される前に、自分で気がついておきたいところでしょう。セルフチェックを行う際のポイントとしては、次の通りとなります。両親がわきがであるわきがの原因はアポクリン腺という汗腺なのですが、このアポクリン腺の数が多い人ほど、ニオイが発生しやすいという傾向があります。しかも、このアポクリン腺の数は遺伝的要因で決まっており、親がわきがであれば、子供もわきがになりやすいのです。アポクリン腺の数が多いからといって、必ずしもニオイがきつくなるというわけではありませんが、両親がわきがであれば75%、親のどちらかがわきがであっても50%で、わきがを発症してしまうといわれています。耳垢が湿っているアポクリン腺は、わきや股間に多いのですが、それ以外だと耳の中にも多く存在しています。わきがのニオイが強い人は、アポクリン腺の働きも活発ですから、当然耳の中のアポクリン腺の働きも活発になってきます。そのため、耳垢も湿っていることが多くなるのです。この湿った耳垢は「軟耳垢(なんじこう)」とも呼ばれ、この軟耳垢が見られる人の80%はわきが体質であるともいわれています。毛が濃い・太い毛の量が多い人ほど、アポクリン腺の数も多くなるといわれています。つまり、わきの毛が濃い人はわきのアポクリン腺が、股間の毛が濃い人は股間のアポクリン腺が多い傾向にあるということです。アポクリン腺の数が多いほど、わきがを発症しやすいため、股間の毛の量はすそわきがか否かの判断材料となります。さらに、毛が1本1本太い人は、毛穴も大きくなりがちです。汗は毛穴を経由して皮膚表面に出てきますので、毛穴の大きい人はそれだけアポクリン腺からの汗も一度にたくさん出てきやすくなってしまい、ニオイも発生しやすくなります。汗が黄ばんでいる人の体にはわきがの原因となってしまうアポクリン腺のほか、体温調節のための汗が出るエクリン腺があります。エクリン腺の汗は基本的には無臭なのですが、アポクリン腺からの汗には黄色い色素が含まれており、すそわきがを発症している方は、下着が黄色くなってしまうことがあるのです。また、下着が湿っているというのも、アポクリン腺の働きが活発かどうか、すそわきがが発症しているかどうかの判断基準になります。気になるすそわきがの臭いを抑える対策方法日常生活の中にも、すそわきが対策としてできることはたくさんあります。こまめにケアをして、ニオイを抑えるようにしましょう。デリケートゾーン専用石けんで正しく洗うまずは、デリケートゾーンを正しい方法で洗うことが大事になってきます。しかし、普通の石けんでごしごしと洗うと、肌を守るために必要な油分や常在菌まで落としてしまい、乾燥の原因にもなってしまいがちです。デリケートゾーン専用の石けんをしっかりと泡立て、指の腹でなでるように、優しく洗いましょう。デオドラント製品を活用する夏場などはこまめに汗を拭くことも大切になってきますが、それでもニオイが気になるときは、デオドラント製品の利用もおすすめです。デオドラント製品の中でも、デリケートゾーン専用ものがあります。汗を拭き取るペーパータイプや、ニオイを押さえ込むローションタイプのもの、さらには、衣類の上から使用できるものまであります。自分に合ったものを1つ常備しておくとよいでしょう。衣類をしっかり洗うニオイは体からだけでなく、衣類にも移ってしまいます。特に衣類に汗が付着すると、そこから雑菌が繁殖して、さらに、強いニオイを放ってしまうということもあるため、しっかりと洗濯しなければなりません。特に下着は雑菌が繁殖しやすいため、念入りに洗うように心がけましょう。食事を改善するわきが・すそわきがの原因は、アポクリン腺から出た汗と、皮脂腺からの分泌物が混ざり合い、それが皮膚の常在菌によって分解されることです。アポクリン腺の汗には脂肪分が含まれていますし、皮脂腺からの分泌物も同様です。そのため、動物性タンパク質や油の多い食事などは、汗や分泌物の濃度を高め、わきがのニオイも強くしてしまうことがあるので、注意しなければなりません。監修:川端久雅
2017年04月30日乳児(赤ちゃん)の肌はデリケートで、それに向けたスキンケアが必要です。乳児の肌の構造とそのスキンケアの方法を解説していきます。乳児の肌はデリケート乳児の肌は大人の肌と違って未発達のためデリケートです。紫外線など外からの刺激に対するバリア機能が不十分で、大人より皮膚疾患が現れやすいと考えられます。乳児にみられる皮膚疾患は数多くあり、また、乳児特有の疾患もあります。その皮膚疾患とは、乳児脂漏性湿疹、おむつ皮膚炎、アタマジラミ症などがあげられます。皮膚のバリア機能の低下によって、ウイルスや細菌などによる感染の確率が極めて高いとされています。感染症では、とびひや水イボなどです。全身に現れる疾患では、はしかや風疹、水痘などがあげられます。デリケートな分、さまざまな皮膚病が起きやすく、感染の可能性が高いとされています。これらの症状がみられたり、兆候が現れたりした場合は、小児科または皮膚科を受診することをおすすめします。アタマジラミ症について皮膚疾患のひとつであるアタマジラミ症は、文字どおり頭皮に疾患がある症状です。実はシラミとは昆虫の一種で、頭髪に寄生して頭皮から吸血します。それにともなって、頭皮にかゆみなどが現れると考えられます。毛に産卵することによって、シラミは繁殖します。シラミそのものは小さな昆虫ですが、肉眼でみられないことはありません。目の細かいくしなどで、卵とともに取り除くことが可能です。駆除の方法についてですが、まずは毎日しっかりと洗髪をしましょう。成虫や幼虫を洗い流すことが可能とされています。また、目の細かいくしで髪をとかすことも有効と考えられています。頭皮が触れる枕カバーやシーツ、帽子なども使用後は毎回洗濯することも大切です。感染拡大の予防に効果があるとされています。アタマジラミ症は感染症のひとつで、上にも触れましたが子供に多くみられ、集団感染が起きることがあります。乳児の肌の構造まずは皮膚の構造について説明いたします。皮膚は三層に分かれています。上から順に、表皮、真皮、そして皮下組織です。表皮は外部からの刺激を抑えるバリア機能としての働きを持ち、真皮の役割は表皮を下から支えてサポートする働きを持つとされています。乳児の場合も肌の構造自体は成人と変わりませんが、成人と比べて皮膚がやや薄くなっています。真皮についても、それに含まれるエラスチンとコラーゲンも未発達で、その強度と弾力性は成人に劣るとされています。表皮にある皮脂腺の分泌は新生児からすでに始まっているうえに活発になっています。生後3か月くらいになると分泌はほとんど停止し、皮脂腺そのものも縮小しますが、思春期に成長したら皮脂腺が再び活発になり、皮脂腺そのものが大きくなります。乳児の肌の表面実は乳児や小児の皮膚にみられる特徴があります。それは「乾燥しやすい」という特徴です。乾燥しやすい肌を乾燥肌(ドライスキン)といいます。乾燥肌とは、皮脂の分泌量が低下し、角質細胞間脂質や天然保湿因子などによって減少し、それにともなって角質層の水分量が低下している状態です。乾燥肌の特徴として、皮膚のカサカサ、柔軟性の低下、硬くもろいなどがみられます。通常、人間の皮膚は皮脂と角質細胞間脂質と天然保湿因子によって保湿し、角質内の水分が逃げないようにしています。上にも解説したように、生後3か月くらいになると皮脂の分泌は減少します。また、乳児の肌は保湿機能も未発達のため、水分量も少なくなっています。その結果、乾燥肌になりやすいと考えられます。乳児のスキンケアについて乳児の肌はデリケートだけでなく、乾燥肌になりやすいので、それに向けたスキンケアが求められます。スキンケアの基本は、洗浄と保湿、紫外線対策を心がけることです。洗浄洗浄は皮膚の清潔を常に保つことです。シャワーだと手軽に洗えますが、1日1回は湯船に浸かって入浴しましょう。乳児向けのベビーシャンプーとベビーソープを使って、素手で洗うのが望ましいです。泡立てた状態で洗うのがコツです。保湿保湿剤は基本、油性成分と吸水性・吸湿性の2つを持っています。油性には、ベビーオイルやワセリン、オリーブ油などがあげられる一方、吸水性・吸湿性にはベビーローションなどがあります。入浴後だと角質に対する浸透力が高くなっているので、そのタイミングでの使用をおすすめします。単に塗るのでなく、ムラなくスピーディーに、ハンドマッサージを行いながら塗るとよいでしょう。紫外線対策外出するときは、乳児用の日焼け止めクリームを使うことをおすすめします。ベビーカーはなるべく屋根付きのタイプを使用しましょう。屋根付きだと日除けになるからです。薄い生地の長袖服や帽子の着用も、紫外線対策には有効と考えられています。特に、4〜9月の時期の日中(10時〜14時頃)は日差しが強くなって紫外線が多くなっています。この時間帯での外出は控えたほうがいいでしょう。長時間、日に当たらないことも重要で、日焼けという域を飛び越えて、やけどにまで発展する可能性があるからです。監修:神林由香
2017年04月30日産後になるとお腹がたるんだ状態になるのがほとんどです。そこで、そのたるんだ状態を戻す方法について解説していきます。出産後の体重増加の原因まず太る原因について解説します。太るということは体重増加を意味し、その原因は食事の多量摂取だけとは限りません。生活習慣の乱れによって太ることがあるだけでなく、運動不足にある人は、標準の食事量をとっても太る傾向にあると考えられます。さらに、睡眠不足やストレスなど、さまざまな要因で体重増加につながる可能性もあります。産後すぐは、育児のために睡眠不足になったりストレスを感じたりすることが多くあります。それらの要因が影響して、体重増加につながると考えられます。そして、メタボリックシンドロームなど、腹部を含む体に脂肪がつくようになります。妊娠してお腹の胎児が成長すると、同時にお腹が膨らみます。しかし、出産した後になっても、その影響でお腹がたるんだ状態になります。妊娠前の状態に戻るには時間がかかり、おおよそ6〜8週間で元に戻るとされています。その期間を「産褥期」と呼びます。膨らんだ子宮が妊娠前の元の大きさに収縮していく期間で、出産から4週間ほど経過すると、子宮が元の大きさに近づくとされています。妊娠中でもそうですが、出産後でもケアは大事です。体の変化に合わせてケアを行っていくとよいでしょう。お腹のたるみを引き締める方法出産してもお腹のたるみというのが残り、元に戻る期間は上に説明したとおりです。しかし、一般的な要因で太る可能性もあり、それを視野に入れたセルフケアが求められます。そのセルフケアとは、お腹引き締め法です。内容は、お腹を引き締めて、1人の子供を産んだとは思えないと思われるくらいの体型を取り戻すというものです。自宅にいると仮定し、どのようなお腹引き締め法があるのか、次にあげて解説していきます。まずは生活習慣の見直しをいくら産後のお腹引き締め法を行っても、生活習慣を規則正しく改善しないと、その効果が失われるだけでなく、病気などにかかる確率も高くなるでしょう。まずは、生活習慣の乱れを改善することから取り組みましょう。改善する部分をあげるとしたら、禁煙と禁酒を心がける、朝食を必ずとること、規則正しい睡眠を心がけるなどです。間食については、ほどほどにしましょう。食生活編妊娠して出産するということは、大量のエネルギーを使うということになります。出産した後、やるべきことは消費したエネルギーを回復することです。そのためにはまず、栄養バランスが整えられた食事をとり、健康的な体にすることが求められます。まずは主食、汁物、主菜、副菜を揃えることを始めましょう。主食は米、パン、麺類などがあげられますが、普段食べている主食でもいいでしょう。汁物は基本的にみそ汁です。主菜は肉や魚や卵などを中心とした料理などがあげられますが、納豆や豆腐などの大豆製品を積極的にとることをおすすめします。副菜は緑黄色野菜を中心に、ミネラルやビタミン、さらに葉酸などの栄養素を摂取することが求められます。そのほかに、牛乳などの乳製品、果物なども積極的にとりましょう。ストレスや睡眠不足、不規則な生活からの過食を控え、バランスのよい食事をとることが大事になります。バランスのよい食事を行うことが母乳育児に最適になります。ただし、食べすぎないように注意しましょう。妊娠や産後などに向けた料理でも、必要以上に食べると太ってしまう可能性があります。体操・エクササイズ編エクササイズを行うことで運動を維持するだけでなく、その過程で腹筋を鍛えてお腹のたるみを解消することが期待できます。普通のエクササイズでも問題ありませんが、産褥体操と産後体操という2つのエクササイズがおすすめです。産褥体操産褥体操の目的は、妊娠と出産によって伸びてしまった筋肉と関節を戻す、血行をよくする、子宮を早く回復することなどがあげられます。始める前に産婦人科の医師から運動を止められている場合は了解を得ましょう。出産直後に体操を行うと体に負担がかかるので、最初は軽く行い、もし痛みが現れたら中止するようにしましょう。産後体操産褥体操の続きとなります。産後から5週目に入ったとき、産褥体操から産後体操に移りましょう。5〜8週目は全身の緊張と脱力の体操を行います。まず横になります。息を吐きつつ頭の先からつま先までピンと伸ばして緊張状態に入ってお腹をへこませます。そして、息を吐きながら緊張を解いてリラックスします。次は全身の曲げ伸ばしです。鉄棒や柵などといった掴むところがあることを前提に説明します。付近にあるものを掴んで、体育座りのように全身を縮こませて、肩の力を抜いてリラックスします。そして、足など全身を伸ばします。ただし、腰に不安がある場合はしないようにしてください。そして添い寝体操です。横になって、赤ちゃんがいることを前提に説明しますと、その状態で赤ちゃんがいる方面に体を横にします。下の足で安定した後、上の足を天上に伸ばすようなイメージを持って、ゆっくりと上げ下げします。最後に足踏み腹筋です。普通の腹筋のように体を上げ下げしますが、このとき、上半身を起こした状態で足踏みすることです。左右の足を交互に引き上げ、小さく動かし、そしてゆっくりと大きく動かすようにします。監修:神林由香
2017年04月30日