SOLOがお届けする新着記事一覧 (12/14)
年に一度、必ずやってくる誕生日。いくつになっても「おめでとう」と言われるのは嬉しいもの。昨今はSNSが友人の誕生日を事前に教えてくれるので、誰かしらお祝いコメントを送ってくれることでしょう。とはいえ、やっぱり特別な日に共に過ごせる相手がいないのは寂しく感じるもの。でもそこは、優雅にシングルライフを楽しむおひとりさま。特別な日だからこそ、充実したおひとりバースディを迎えなくっちゃ!そこで、おひとりさまだからこそできる「Happy Birthday to Me」法をご紹介いたしましょう。形に残るプレゼント(c)Jonathan Mueller誕生日といえばプレゼント。日ごろ気になっていても手が出せなかったものを、あえて自分にプレゼントしてみましょう。たとえば、ブランド物。バッグやジュエリーなど高額なものでなくても、ヘアアクセサリーやマグカップ、文房具などの日常使いしやすい小物なら手の届く金額で見つけることができるはずです。それでも高価なものは抵抗があるようなら、趣味のものやインテリアグッズなど、プチプラでも心の満たされる一品を、自分のために選んでみましょう。ショップによっては、誕生日当日や前後に特別割引をしてくれたり、非売品のプレゼントをくれたりするところもあるので、上手に利用すればお得感もアップしますよ。優雅な時間日ごろエステ通いをしているおひとりさまはもちろん、興味はあっても足を踏み入れたことがなかったおひとりさまも、エステで優雅な時間を過ごしてみませんか?ちょっぴり高価なプランにして、アロマの香り広がる個室で丹念にハンドマッサージをしてもらう時間はまさに至福のとき。フェイシャルやネイルケアもつければ、気分はセレブ!? 誕生日だからこそ、自分のためにお金と時間を使って優雅に過ごしましょう。心も満たす食事おひとりさまの外食は、ついつい手軽で入りやすいお店を選びがち。でも、誕生日くらいはちょっぴり奮発して、美味しいものを心ゆくまで味わってみましょう。彩りもキレイな料理をゆったりと味わえるコース、景色のキレイなレストラン、食材にこだわったオーガニックカフェ……。デザートにはケーキも忘れずに。ひとりで外食する勇気がなかったり、仕事で時間が取れないようなら、デパ地下などで有名店の高級弁当を買って帰るのもアリ。普段は手の出ない高級ワインも一緒に購入しましょう。地方の銘品をネットで取り寄せるのもいいかもしれません。究極のゴージャス気分を味わうホテルに泊まるのは、なにも旅行や出張のときだけとは限りません。誕生日だからこそ、あえて都心のホテルにひとりで宿泊してみるのはいかがでしょうか?せせこましい1人部屋ではなく、ここはあえてスイートルームで。バスローブを羽織ってシャンパンを飲みながら眼下の夜景を眺めたり、広々とした湯船にバラの花を散らしたり、大きなベッドを独り占めしてゆったり読書を楽しんだりと映画のヒロインになりきれば、忘れられない最高のひと夜を過ごせることでしょう。両親に感謝を告げるそもそも誕生日とは、産んでくれた両親に感謝の気持ちを伝える日!というオトナなおひとりさまは、ぜひ実家へ足を運んでみてください。元気な両親の姿が何よりのプレゼントになることでしょう。産まれたときの話を聞いたり、近況報告をしあったり、尽きない話であっという間に時間は過ぎていくはずです。両親の喜ぶ顔を思い浮かべながらちょっぴり高価な手土産を選ぶ時間も、自分がオトナになったことを実感できて、感謝の気持ちがあふれてくることでしょう。オトナの階段をまたひとつのぼる日。そんな日くらいは存分に自分を甘やかして、産まれてきた幸せを心の底から味わい尽くしましょう。Text/千葉こころ
2015年09月21日お酒と料理と食べ歩きをこよなく愛する、食ブロガーのツレヅレハナコさん。彼女が紹介した「桃モッツァレラ(内田真美さんのレシピ)」や「味噌バター白菜鍋(重信初江さんのレシピ)」は、ネットで大きな話題となりました。そんなハナコさんが、夜遅く帰ってきて一杯やりたいとき、一人でもすぐに作れるとっておきのおつまみと常備菜のレシピを教えてくれる連載です。(c)ツレヅレハナコ食感が似ている柿とカブが意外なベストマッチ!誰にでも「特別なお店」ってありますよね。いつ行っても居心地が良くて、何を食べても好みの味で、何度でも通いたいし、好きな人を連れて行きたくなる店。私にとっては、吉祥寺の居酒屋「おでん太郎」がまさにそれ。吉祥寺に住んでいた13年間、毎日前を通っていたものの、ずっと勇気が出ず入れなかったお店なんですけどね。繁華街にあって、入り口には激シブのライト看板。ひっそりとした暗い階段を降りなければ店の様子はわからない……。でも!あるホロ酔い帰りの夜に「えいやっ」とひとりで入って本当によかった。なんという居心地のよさ……なんたるピースフル空間!!!いつもやさしい笑顔でニコニコ迎えてくれるおかみさんに、シブいけど超感じがいいご主人。カウンターには、おかみさんがつくった大鉢のおそうざいがズラリと並び、大きな四角い鍋にはご主人が手がける美しいおでんたちが煮えています。もーね、ひとりで夜な夜な通ったものですよ(ホント毎日のように)。おでんはもちろん、おかみさんのお総菜が最高すぎて……!ポテサラは世界一だし、数種の煮物も感涙もの。すべてに「何百回も作ったものだけにある安定感」が詰まっている。そして、ただの「おふくろの味」にならないのは、おかみさんの遊び心が効いたメニューが豊富なこと!この「柿とカブと生ハムのサラダ」も、初めて食べたときは驚いたなー。柿とカブ!?でも、食感が似ているこの2つは本当に良く合うのです。甘い柿に、サッパリとしたカブ。そこに塩気とうまみの効いた生ハム……。これをオイルと酸味でサラダにすると、もー日本酒にぴったりすぎる!ただ切って、混ぜ合わせただけなのにね~。料理は本当にセンスだなあ。そんなわけで、家飲みの定番となったこのサラダ。柿が出回る今だけのつまみなので、ぜひ秋の夜長の晩酌にどうぞ!「柿とカブと生ハムのサラダ」(c)ツレヅレハナコ<材料>・柿(種なしが便利)・カブ・生ハム・オリーブオイル・レモン汁(白ワインビネガーでもOK)・塩、こしょう(c)ツレヅレハナコ<つくり方>1.柿とカブの皮をむき、5mm幅の半月切りにする。(c)ツレヅレハナコ2.ボウルに1、ちぎった生ハム、オリーブオイル、レモン汁、塩、こしょうを加えて和える。余裕があれば、カブの茎をサッとゆでて5mm幅に切って混ぜると彩りUP!Text/ツレヅレハナコ
2015年09月18日疲れたキャリア女性からの支持率高し! かつてTVドラマ化や韓国で映画化もされて話題となった『きみはペット』をあらためて読み返すと、癒しとドキドキに引き裂かれた恋愛の本質が描かれた名作でした。ドキドキ感と安心感を両立できない恋愛のジレンマ(c)『きみはペット』(小川彌生/講談社 KC KISS)全14巻よく「恋は成就するまでが一番楽しい」とか言いますね。相手に対する期待が全然ないから「××してくれないなんて」とか「××するなんて信じられない」といった不満もない。会うだけで、メッセージが来るだけでキュウンとなって嬉しくてたまらない。一方で、ちょっと返事が遅くなったりすると「嫌われちゃったのかな」と心配になったり。ジェットコースターみたいにスリリングで、やってる最中は「もう辛いからどっちかハッキリして!」なんて思うけれど、周りから見ると「ハイハイ、自慢お疲れさま」って感じ。でも付き合うなら、安心感のある人がいい。一緒に住んでいるときに「こんなこと言ったら嫌われるかも」「××しないと怒られる」なんていちいち考えてたら、気が休まらないもの。もちろん、相手を尊重することが人間関係の大前提だから、「相手の考え方を見下さない」といったマナーは当然守った上で、ですけど。だけど残念ながら、うまく行くかわからないからドキドキするわけなんで、「ドキドキ感」と「安心感」は両立しないんですよね。どちらが欲しいかは、そのときのその人の精神状態によるんでしょう。結婚して何年か経ったら、よそでドキドキしたくなるんでしょうしね。ところが、ドキドキ感と安心感を両方手に入れちゃった女性の物語があります。それが『きみはペット』です。これ、本当におひとりさまが癒される作品です。主人公のスミレちゃんは、新聞社に勤める、高収入・高学歴・高身長のエリートです。人間関係でちょっと不器用なところがあって、物語がスタートしたところではいきなり左遷されてます。周りからは「気が強い」「エリートは扱いにくい」と言われているけど、どうしたらいいのかわかりません。スミレちゃんには婚約者がいましたが、「君といると安らげない」と言われ、浮気されて相手が妊娠して破談になりました。最低パターンです。外に泣く場所はなくて、辛いのに誰にも本音が言えない。真面目に働く女なら、たいていそんな経験があるんじゃないでしょうか。自分を本当に理解し、許容してくれるのは誰……!?by Adikosそんなときに、自宅の前でひとりのカワユイ年下男子を拾います。彼のことをモモと名付けて、ペットとして飼い始めるんですが、このモモが、めちゃくちゃかわいい。スミレちゃんが「お手」だの「取ってこい」だのを命令しても、素直に言うことを聞いてくれます。でもこれ、淋しくて傷ついてるスミレちゃんを癒すためのモモの気遣いなんですよね。スミレちゃんは、会社でどんなにストレスにまみれようが、家に帰ってモモと一緒に過ごすだけで、とんでもなく癒されるようになっていきます。でも、モモはあくまで「ペット」なんで、スミレも恋愛はよそでします。その相手が同じ会社に勤めるエリートの蓮實さんです。彼とはドキドキそわそわ、初恋みたいな初々しい恋愛です。蓮實さんとスミレちゃんとの恋愛話だけで話が成り立ちそうなくらい、よくすれ違ってます。これはこれでワクワクしておもしろい。でも、蓮實さんとスミレちゃんがすれ違っているのは、スミレちゃんが蓮實さんに本心を見せられないから。どちらが悪いわけでもなく、これは相性だから仕方がない。どう考えたって、モモとスミレちゃんのほうが相性がいいし、想い合ってるってのは読者にはわかるので、そこがまたもどかしいんです。この作品の根底にあるのは、「人の肩書きや外見、上っ面の行動だけではその人のことはわからないよ」ってことなんじゃないかと思います。スミレちゃんが強気を装っていても実は血を吐くほどストレスにまみれていたり、スミレの幼なじみユリちゃんが、口は悪いけど本当は傷つきやすくて優しいんだってことだったり。「自分を理解して、許容してもらえる幸せ」は、誰となら得られるのか。それができる相手をパートナーにするのが、一番の幸せですよね。とまあ、手放しに私はこの作品、名作だと思うんですけど、男性からは非常に評判が悪いです。『きみはペット』というタイトルのせいですかね。「オレ様が女のペットになるだとう?」ってこと? 「ペット=性奴隷」みたいなイメージなの?スミレちゃんとモモは、一緒に住んではいるけどプラトニックです。やっちゃったら女にとってそこに癒やしはありません。モモはスミレちゃんが好きなので、欲望を抑えてとにかく癒し役に徹してるところが、読み手には萌えです。つまり、いちばん情けない役どころを演じてるモモが、いちばん包容力があって大人なんですよってことなんだけど、こういうの、男性には通じないかな~。Text/和久井香菜子
2015年09月18日(c)Hernán Pinera今はおひとりさまかもしれない私や読者のみなさんも、いつかは結婚ないし生涯をともにするパートナーを見つけて、その人と一緒に老いていく道を選択することもないとは限りません。そして、私はそんなみなさんにぜひ聞いてみたいことがあります。もし、最愛のパートナーと「最期」まで一緒に過ごすことになったとき、あなたはパートナーを残して先に死にたいですか?それともパートナーに先に旅立ってもらい、自分はその後も生き残りたいですか?私はこれを、男女関係なくいろんな人に聞いてまわってみたいなあと常々思っているのです。婚活したり、恋愛したり、結婚して家族になったりしている間はすっかり忘れているけれど、基本的にはどんなに大切なパートナーであっても、同じタイミングでこの世を去ることは難しいです。必ずどちらかが先に旅立ち、どちらかが後に残らなければなりません。そして現在の日本の平均寿命を考えると、私たち女性が「後に残る」立場になる可能性のほうが、圧倒的に高いです。未婚だ既婚だ、子ありだ子なしだ、モテるだモテないだと日々喧々諤々とマウンティングをくり広げているけれど、なんてことはない、「最期」はだれだってみんなおひとりさまです。あの世にはだれも一緒に来てくれないし、何も持っていけません。ちなみに冒頭の質問に自分で答えるならば、私はパートナーには先に旅立ってもらって、自分はその後を悠々自適におひとりさまで過ごしたいなあと思っています。自分が先に死んでしまったら、パートナーのその後が心配で心配で成仏できません。私はおひとりさまでもやっていけるけど、彼にはちょっと無理なんじゃないかなーなんて、余計なお節介をつい焼いてしまいます。まあ、とはいいつつも残念ながら死期は自分でコントロールできないんですけどね。「50年後の自分」を想像してみてわかる男女差(c)やなぎみわ―マイ・グランドマザーズさて前置きが長くなりましたが、今回はみなさんに、やなぎみわさんの『マイ・グランドマザーズ』という写真集を紹介したいのです。インターネット上で公募した女性モデルに、「50年後の自分=グランドマザー」を想像してもらい、それを具現化した作品集なんですが、このグランドマザーたちが個性派ぞろいで、見ていてまったく飽きません。森のなかに1人寝転がり、静かに耳を澄ますおばあちゃん。SM女王を引退し、新たな女王となりつつある若い女の子に説教をかますおばあちゃん。遠い国の占い師になって、村の娘たちの凡庸な将来を当て続けるおばあちゃん……だいぶ妄想が入っていますが、どんな内容であれ想像するだけならタダだし犯罪にもなりません。この写真集についてある学芸員の方は、もしこれが「マイ・グランドファザーズ」という男性モデルを主体とした作品集であったら、ここまで多様で面白いものにはならなかったのではないかと話していました。男性の想像する50年後というのは多くの場合、「どこぞの大企業の社長になって、妻や娘や孫に囲まれて裕福に幸せに暮らす」とか、平凡なものに収束していってしまうのではないかと。いわれてみれば確かに、男の人が妄想のなかでおじいちゃんとなっても、髪の毛を真っ赤に染めて若い恋人とタバコを片手にツーリングしたり、小さな舟を漕いで少女たちの水先案内人になったり、雪が降り積もる異国でたくさんの子供と戯れたり……そういうことは、あまり考えないような気がします。この写真集、女同士で眺めながら「どれがいい?」なんて話をすると、意外と楽しめるのでおすすめです。最期はみんな、おひとりさまところで今思い出したんですが、この写真集、「おじいちゃん」が1人も登場しないんですよね。例外的に、一緒にツーリングをして楽しむ「若い恋人」は登場するのですが、生涯をともにしたと思われる「おじいちゃん」が、見事に1人も出てこないのです。もちろん、やなぎみわさんの企画に応募するような女性ということで、だいぶバイアスがかかっているとは思うのですが、それにしても不思議だなあと今思いました。でも確かに、私もこの企画でモデルを務めることになったら、「おじいちゃん」にはちょっと席を外してもらうかもしれません。だって、こんなに生き生きと他のモデルたちが思い思いの姿に化けているのに、じいちゃんと縁側でお茶飲んでるなんてちょっともったいないような気がして。女性たちは、「最期はおひとりさま」ということを、意識的にせよ無意識的にせよ、やっぱり想定しているのかもしれません。私や読者のみなさんがアラサーだとして、50年後は80歳ですか。女の人生はまだまだ長いです。1人になったり、2人になったり、また1人にもどったり。もちろん自分が先に死ぬ可能性だってあるのだけど、たったひとりで死ぬ覚悟と、準備と、楽しみを、今のうちから用意しておいてもバチは当たらないんじゃないでしょうか。チェコ好き
2015年09月17日――『アル中ワンダーランド』(扶桑社)、『ハルモヤさん』(新潮社)で、人気ブロガーから一躍大ヒット漫画家になったまんしゅうきつこさんと、『男しか行けない場所に女が行ってみました』(イースト・プレス)、『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)などで女性をめぐる社会のありようを鋭く見つめる田房永子さん。雑誌の対談で初めて会って以来、プライベートでも仲の良い2人が、去る7月31日にトークイベント「きつこと永子の2人会~旦那と宇宙とダウジング~」を青山ブックセンターで開催しました。パワーストーン、チャクラ、UFOなど、なにやらあやしい精神世界のトピックが次々と飛び出した前回ですが、「作家が書けなくなったら、半分は精霊のせいらしい」という田房さんのお話からは、“自分の外にある大きな力の存在”を仮想することで、不安や悩みからうまく心のバランスを取ろうとしているようにも見えました。後編となる今回は、2人が催眠療法によって見た前世の話で盛り上がります!孤独な足軽に、身売りされた女郎……前世からの使命で生きている2人!?(左)まんしゅうきつこ(右)田房永子まんしゅうきつこ(以下、まんしゅう):他にわたしと田房さんの共通点といえば、自分の前世を見たことがあるってことじゃないですか?田房永子(以下、田房):わたしがヒプノセラピー(催眠療法)で見た前世は、大阪城の足軽だったんですよ。一人でいるのが大好きで、友達や他の足軽ともつるまずに独身のまま死んでいったみたい。でも、死ぬ前に「奥さんがいる人生もよかったかな」と思って、来世では自分のような孤独な男を癒す女性として生まれ変わるぞ、と決めたらしいんです。まんしゅう:そんな決意を……。田房:でね、よくよく考えたら、わたしの祖父、父親、友人、歴代彼氏、夫、本当にみんな一人が大好きで、つるまない男性ばかりなんですよ。わたし、今は女性の人権的な視点から怒りのコラムを書いたりしてますけど、使命は男性を癒すことだったの!?と思ったら、冗談じゃないんだけど……って複雑な気持ちになりましたね(笑)。でも、人間の使命なんてそんなもんかもしれないし。まんしゅう:わたしは、取材ではじめに催眠術スクールに行ったんですけど、実はそのときはまったくかからなかったんです。“カタレプシーの誘発”といって、催眠術にかかるには、相手のことを信頼する段階を踏まなきゃいけないらしいんですけど、わたしはその催眠術師をはなから「うさんくせえなあ」って思っちゃってたんですよね(笑)。そしたら案の定、「あなたの手はガチガチに固まります」とか言われてるのに全然ならなくて。最後のほう、催眠術師がキレちゃったんですよ。「あのねえ、かかったフリをするのも大事だから」って(笑)。田房:えーやだ!「セックスのときは気持ちいいフリをして男性を盛り上げろ」って言う人みたい(笑)。まんしゅう:本人がノリノリになって「わたし今、催眠術にかかってる!」っていう状態を作るのが大切らしいんですよ。田房:それを作るのが催眠術師の仕事じゃないんですか?(c)まんしゅうきつこ/『アル中ワンダーランド』(扶桑社)まんしゅう:まあでも実際、猜疑心が強かったり疑り深い人って本当にかからないんですって。だからそこはあきらめて、次に治療行為として前世療法を取り入れているメンタルクリニックに行って、退行催眠を受けたんですね。そしたら今度はかかったんですよ!最初に黄色い鼻緒が見えて、だんだん走って逃げる自分が見えてきて。どうやらわたしは、江戸時代のすごい貧しい農村の娘で、家族を食わせるために遊郭に売られた女郎だったらしいんですよ。で、その仕事に疲れ果てて、最終的に自殺しちゃってるんですよね。だから「今回の人生では、長生きすることがあなたの人生の課題ですよ」と言われて。田房:思い残した前世の子のためにも、天寿をまっとうしなきゃいけないんだ。まんしゅう:しかも、この話には続きがあって、そのあと占いも受けに行って、そこでも前世を見てもらったんですよ。タロットを5枚選んでって言われて、念を込めて開いたら、占い師さんがうわっと悲鳴を上げて「女郎だ」って言ったの(笑)。しかも、「若くして死んでる」って。編集さんと顔を見合わせてびっくりしちゃって。田房:そうなると信じないわけにはいかないですよね……。スピリチュアルも心理療法も自分の心を整理する意味では同じ!(c)田房永子/『男しか行けない場所に女が行ってみました』(イースト・プレス)田房:わたしは2年くらい前に、こういった心理療法を片っ端から受けてみようと思ったんですよ。専門家の人はハシゴしないほうがいいって言うんだけど。精神科のクリニックって、たまに「職場の先輩OLか!」みたいな医者がいるんですよ。こっちはめちゃくちゃ悩んできてるのに、「え~、それさあ、旦那さんに相談すればよくな~い?」「悩むことないと思うけどなあ~」みたいな(笑)。まんしゅう:本当にそんなトーンなんですか?(笑)田房:そう!だからいろいろ受けてみないと自分に合った方法もわからないなと思って。詳しくは『呪詛抜きダイエット』(大和書房)という本に描いたんですが、ハシゴした中でゲシュタルトセラピーというセラピーに出会えて、いまも夢中です。もちろん、きちんと学問として科学的な根拠のあるセラピーなんだけど、自分の心を整理するという意味で、わたしにとっては宇宙と交信したりUFOを呼んだりするのと同じことをしてるんじゃないか?って思うときがあります。――さらにイベントでは、客席からの質問に答える一幕も。「スピリチュアル的なものにハマるようになったきっかけはなんですか?」という質問では、2人のスピリチュアル遍歴の意外なルーツが明かされました。まんしゅう:わたしは、もともと祖母が迷信やおまじないをすごく信じる人だったんですよ。風邪を引くと、ビニール袋にコホンコホンと咳を入れて、小銭と一緒に結んで道に放り投げておくんです。そうすると、小銭を拾った人に風邪がうつるって言って(笑)。田房:うつさないとダメなんだ(笑)。まんしゅう:うちの母親も、父親と結婚するときに「鬼門からくる嫁はだめだ」って祖母に言われて。結婚前に1年間別の場所に住まされて、「鬼門除け」をしてから結婚したっていうくらい徹底してましたね。田房:生粋だ!まんしゅう:そういう家系なので、わたしも方位とか日にちをすごく気にするようになりました。田房:わたしは、付き合っている人に自分の銀行の口座をオンラインで管理されていたことがあって。別れて4年後くらいに、ひょっとしてまだわたしの口座の収支を見ているんじゃないかと思うできごとがあったんですよ。全身から血の気が引いてパニックになってしまいました。mixiのパスワードも同じだったので、4年間mixiの恥ずかしい日記の下書きとかを読まれていたかもしれないって思ったら、死にたくないですか!?たぶんおそらく絶対見られてた、という確信はあるんだけど、証拠がないから訴えることもできないし、訴えたところで法的には別に被害はないわけじゃないですか。どうやって心を収めればいいのかわからなくて、猛烈にテンパってしまったんです。まんしゅう:それはイヤですね……。田房:本当に慌てふためいて、でもその気持ちをどこにもぶつけようがない。そのとき、“ナザール・ボンジュウ”っていう災いをはねのける、目玉の形をしたトルコのお守りがあることを知って、藁をもすがる思いで買ってきて。それを握ると、本当に災いが窓の外へ飛んでいってる気がして、不思議とラクになれたんです。むしろ、それでしか精神を安定させられなかったとも言えるけど、心の乱れやざわめきをナザール・ボンジュウにいったん預けることができた。それまでは、スピリチュアルとかハア?って感じだったんですけど、それからはパワーストーンとか“自分の外にあるもの”に不安を預けることを覚えましたね。――精神世界に惹きつけられ、確実に影響を受けながらも、決して我を忘れるほど盲信したり、他人に押しつけたりはしないまんしゅうさんと田房さん。スピリチュアルの非科学的なトンデモぶりをどこか笑い飛ばしながらも、心の拠り所としてうまく付き合っているように見えます。抱えきれない恐れや不安を、パワーストーンやお守りに託したり、向き合いたくない感情や境遇の原因を、前世や精霊に求めたり。わたしたちは、一人では受けとめられない内面のもやもやを、いったん自分ではコントロールできない“外部の存在”や“大きな力”のせいにしてみることで、かえって状況を客観的に整理し、心の安寧をはかることができるのかもしれません。みなさんも、お2人のように自分を安心させるためのツールとして、適度に自覚的にスピリチュアルを取り入れてみてはいかがでしょうか?Text/福田フクスケ(プロフィール)まんしゅうきつこ埼玉県生まれ。2012年に開設したブログ「オリモノわんだーらんど」で注目を集め、現在は漫画家・イラストレーターとして活躍。『アル中ワンダーランド』(扶桑社)、『ハルモヤさん』(新潮社)が好評発売中。WEBマガジン『ドアラジオ』に『まんしゅうきつこのリフォームワンダーランド』を連載中。田房永子東京都生まれ。2012年に刊行された『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)が大きな話題となり、『ママだって、人間』(河出書房新社)、『男しか行けない場所に女が行ってきました』(イースト・プレス)など注目作を次々刊行。『本当にあった愉快な話』(竹書房)に『キレる私をやめたい』を連載中
2015年09月16日物騒な事件が相次いでいる昨今。優雅で気ままなおひとりさま暮らしを安心して送るためにも、今一度防犯に対する意識を高めておきたいもの。そこで今回は、日常に潜む危険と対策について、お話していきたいと思います。日ごろの行動を振り返り、自分の身を守るためにできることを再確認してみてくださいね。外出時【出勤コースを不定期に変える】仕事などで毎日決まった時間に決まったコースを通るという人も多いはず。でも犯罪者にしてみれば、あなたの生活パターンを知り、待ち伏せしやすい環境なんです。少し遠回りでも違う経路を通る、電車通勤であれば乗る時間や車両を変えるなど、変化をつけましょう。特に帰り道は家の場所を突き止められる可能性もあるので、立ち寄るコンビニを変えるなどの工夫も忘れずに。【スマホは通話のみ】駅や道でスマホをいじりながら歩いていると周囲への意識が薄れ、後をつけられていても気づけません。犯罪者にとって好都合の条件を与えてしまいます。特に人通りの少ない道では背後の気配や足音にも意識を向け、ときおり振り返って確認する習慣をつけましょう。なお、暗い夜道では誰か(できれば男性)と会話をしながら歩いたほうが、犯罪者に襲わせる隙を与えずに済みます。【ロックのないフリーWi-Fiは使用しない】カフェなど公共の場でも接続しやすいWi-Fiですが、ロックのないフリーWi-Fiはアカウントの乗っ取りやデータの抜き取りなどの危険をはらんでいることがあるので、使用しないようにしましょう。離れたところからスマホを操作されて会話を盗み聞きされたり、カメラ機能で覗かれたり、内部データを盗まれたりする可能性もあります。自分では気づきにくいという恐ろしい一面も。人間関係【近隣にどんな人が住んでいるか確認しておく】都会のマンションなどでひとり暮らしをしていると、となりの部屋でさえどんな人が住んでいるのか知らないということがよくあります。入居時に管理人へ質問して、同性なのか異性なのか、何人暮らしか、どのくらいの年代なのかを確認しておきましょう。【別れた後はカギや住居を変える】失恋後に引っ越しをして気分一新を図る人もいますが、実はこれ、防犯面からみてもばっちりなんです。なぜなら、別れたときに問題はなくても、時間が経ってから逆恨みをかうこともあるから。合鍵を渡していた場合はあなたに内緒でコピーを作っている可能性もあるため、引っ越しができなくてもせめてカギだけは取り替えましょう。【交友関係はオープンに】交友関係は、家族や信頼できる友人、職場の人などに開示しておきましょう。特に家族へはフルネームで伝えておくこと。出かける前に、友人へ「誰とどこへ行き、何時ごろに帰るか」をラインなどでさりげなく伝えておくのもいいでしょう。万が一何かの事件や犯罪に巻き込まれたとき、あなたの行動が分かっていればスピーディな解決につながりやすいからです。また、心配なことがあるときは、些細なことだと思ってもひとりで悩まず周囲に相談しましょう。自宅【外から見える意識を持つ】昔から“男性物の下着を干す”といわれるように、男性の存在を漂わすことは効果的。数枚用意して干す下着を変える、シャツやズボンなど下着以外の洗濯物も干すなど、数日にわたって偵察されても男性の存在を感じられるようにしましょう。また、カーテンをしていてもシルエットが映ってしまうことがあるので、厚めで色味の濃いものや遮光性の高いものなど、シルエットの映らないカーテンを選びましょう。表札に男性の名前を書いたり、連名にして同棲をにおわすのもおすすめです。【セキュリティに配慮する】防犯カメラやオートロック、宅配ボックスなど、見知らぬ人がかんたんに部屋の前まで来られないシステムのあるマンションを選んだり、2階以上の部屋を選ぶなど、安全面に配慮した部屋を選びましょう。ただ、オートロックは住人と一緒に入り込むこともできるため、鍵を閉める、確認してからドアを開けるなど、セキュリティを頼りすぎて油断しないように注意が必要です。【カメラに注意】スマホやパソコンに不正アクセスして、カメラ機能やSkype用などで取り付けているカメラから部屋の様子を覗きみる犯罪が起きています。ひとり暮らしではワンルームに住んでいる人も多いため、着替えなどのシーンが丸見えになってしまうことも。覗かれていることは気づけない場合も多いので、パソコンを使わないときはノート型なら閉じる、カメラにカバーをするなど、レンズを丸出しにしないように気をつけましょう。思い当たることはありましたか?慣れている道や自宅ではつい気を抜いてしまいがちですが、危険は常に隣り合わせであるということを忘れないようにしてください。また、ひとり暮らしの寂しさからつい心を許してしまい、相手をよく知らないうちに自宅へ招いてしまったり、ついて行ってしまったりして、犯罪に巻き込まれるケースもみられます。おひとりさまだからこそ、自分の身は自分で守る意識をしっかりもって、充実したおひとりライフを過ごしてくださいね。Text/千葉こころ
2015年09月14日(左)田房永子(右)まんしゅうきつこ――『アル中ワンダーランド』(扶桑社)、『ハルモヤさん』(新潮社)で、人気ブロガーから一躍大ヒット漫画家になったまんしゅうきつこさんと、『男しか行けない場所に女が行ってみました』(イースト・プレス)、『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)などで女性をめぐる社会のありようを鋭く見つめる田房永子さん。一見、ジャンルも作風もまったく違う2人ですが、雑誌の対談で会って以来、意気投合し、今ではプライベートでも親交を深める仲だとか。そんな2人が、去る7月31日にトークイベント「きつこと永子の2人会~旦那と宇宙とダウジング~」を青山ブックセンターで開催しました。会場では、「苦手意識や嫌悪感のある人もいるから……」と、これまで人前やメディア取材では避けてきたというスピリチュアルの話を初披露。いかがわしい、うさんくさいと思われがちな精神世界と、適切な距離を保ちながらうまく付き合う2人の興味深いやりとりの一部を、前後編の2回にわたってお届けします。まんしゅうさんと会ったら田房さんのチャクラが開いた!?田房永子(以下、田房):まんしゅうさんとは、初めて会ったときから、“ずっと前から友達だった”みたいな感じがしたんですよね。まんしゅうきつこ(以下、まんしゅう):わたし、秋元さんっていう友達がいるんですけど、彼女と初めて会ったときも、あまりに話が合いすぎて5時間くらいずーっとしゃべってたんです。田房さんには、そのときと同じような感覚を感じました。田房:秋元さんって、あのまんしゅうさんのブログに出てくる「早くホヤを食いてえ~」の人ですよね。光栄です!まんしゅう:しゃべり方とか性格とか、ちょっと近いかも。(c)アル中ワンダーランドまんしゅうきつこ (著)田房:わたしは、まだまんしゅうさんと面識がないときに『アル中ワンダーランド』を読んで、宇宙人とかクリスタルチューナーの話が出てきたので、「あれ?そっち側の人なんだ!」と思ってうれしくなりました。ちょうど薔薇の季節で、周りの家の奥さんたちが庭先で花の手入れをしていたんですが、まんしゅうさんも庭いじりが趣味だと書いてあったから「近所に住んでたら楽しいだろうなあ」ってなんとなく思ったんです。そしたら、まさにその日の夜に「まんしゅうさんと対談しませんか」という打診のメールがきたから、びっくりしましたよ。まんしゅう:田房さんとは、そういうシンクロみたいな偶然がめちゃくちゃ起こるんですよね。田房さんがうちに遊びにきたとき、「わたし実は、モルダバイトって石を買おうかと思ってて」と話したら、「え、わたし今日、買おうかどうしようか迷って、ネットでずっと調べてたところ」って言われて。田房:モルダバイトっていうのは、知らない人はまったく知らなくていい石なんですが……。まんしゅう:あらゆるパワーストーンの中で、一番クセが強いと言われている石なんですよ。瞑想するときに、これを眉間にセロテープで貼っておくと、チャクラが開きやすくなるっていうのを聞いて、ずっと買おうと思ってたんです(笑)。田房:パワーストーン好きな人たちは、「石酔いする」とかよく言いますよね。石を「この子」って呼んだりもするんですけど、そういう人たちにとって、モルダバイトは「この子は手強い」っていう石みたいです。まんしゅう:わたしもずっとそう聞いていたので迷ってたんですけど、田房さんが「これは買えっていうメッセージかもしれないね」と言うので、その日の夜に買いました。田房:そんな話ばっかりしていたら、わたし、帰り道でチャクラが開くというか、頭頂部っていうか前頭葉のあたりがパッカパッカに開いてる感じがして、スースーする感覚になっちゃったんですよ。宇宙のことに詳しい人と話してると、たまにそうなることがあって。まんしゅう:帰ったあとに、田房さんからすごい長文のメールがきたんです。「たぶん私、少しチャクラが開いたかもしれない」って。その感覚を説明した絵が添付されてきて(笑)。田房:自分なんてチャクラが開くような人間じゃないって思ってたから、これまで何度かそういう状態になっても放置していたんですけど。あまりにバカバカ開いてるのでネットで調べてみたら、やっぱりチャクラが開いた人は、みんな「バカバカ」とか「スースー」とか、わたしの感じ方と同じ擬音で表現していて。仕方ないから、これはもうチャクラが開いたんだと認めることにしました。こんなこと、普段誰にも言わないんですけど(笑)。まんしゅう:わたしの周りの人も、こういう話が大嫌いなので普段は全然しません。ダメな人は本当にダメで、受け付けないので。とくに弟は、わたしがそういう話をすると「目を覚ませ!」ってビンタしてくるんですよ(笑)。「俺は一切信じないからな」って。田房:うちも、旦那がまったくそういうのに興味ないから、言うのは恥ずかしいですね。でも、そういう不思議なことって、普通に起こるんですよね。わたしは出産した後、人影みたいなのがめちゃくちゃ見える時期があって、視界を変えると必ず出てくるんです。そういうのに詳しい友人に聞いたら、それは霊だけど気にする必要はないって。人影が見える時期は、街を歩いていてもなぜかすごく人に絡まれるんですよ。おばあさんに「邪魔よ!」って怒鳴られたり。まんしゅう:妊婦のときは?田房:妊娠中は逆になかったんですけどね。そういう時期がこれまでに3回くらいあって、わたしの中でそれは“アセンション(次元上昇)”的な、自分の中の転換期なんだと思うようにしました。変なことがあっても、「ああ、今はその時期ね」みたいな。じゃないと怖いから(笑)。精霊のせいだと思ったら描けない悩みがなくなった(左)まんしゅうきつこ(右)田房永子まんしゅう:『アル中ワンダーランド』にも描いた通り、わたしはアルコール依存症がひどかった時期だけ、UFOが見えてました。当時は、お酒が足りなくなると夜中に自転車で買いに行ってたんですが、夜空に赤とか黄色の光がずっと後を付けてくるんです。「あ、見守ってくれてるな」と思って(笑)。田房:それは絶対UFOですよ。まんしゅう:田房さんはやさしいですね(笑)。でも、アル中の禁断症状とは言ってますけど、わたしも本当は、あの時期に見えていたUFOはすべて本物だったと思ってるんです。田房:完全にそうだと思いますよ。芸術家の中には、無意識に宇宙と交信したりチャネリング的なことができる人が多いって言いますよね。そうじゃなかったら、地球上にこんなにたくさんすごい作品ってできてないと思う。まんしゅう:わたしもその時期はチャネリングにハマっていました。天の声が聞こえてきて、自分はシリウス星人だって教えてもらったんです。(笑)。田房:すごい!でも、現実の世界だと、そういう人たちには何かしらの病名が付けられちゃうんですよね。日常生活には支障があるし、健康にも害があるから治療しなきゃいけない。だけどそれって「宇宙にアクセスできるような状態になった」って言い換えることもできる気がします。まんしゅう:一説によると、宇宙にアクセスして受け取った内容を、文章や絵画、歌に残すとすごくヒットすると言われているんですよね。谷村新司さんは、プレアデス星人たちが故郷の星を追われたという話をチャネリングで受信して、それを歌にしたのが『昴』らしいですよ(笑)。田房:楽しいからその説信じます!多かれ少なかれクリエイターの人は、そういう何か大きな力に引っ張られて創作している感覚があると思うんです。2年前くらいに、NHKの『スーパープレゼンテーション』という番組で、『食べて祈って恋をして』の原作者のエリザベス・ギルバートが、「作家がアイディアが出なくて苦しむことは無意味だ」みたいなこと言ってたんですよ。物を書くという行為は、精霊によって書かされているだけだから、書けなくても自分を責める必要はないって。「書けないときは、壁を叩いて『おい精霊、いいかげんにしろよ!お前がサボるから仕事が進まないだろ!』と怒ってみてください」とか全世界の作家に向かってアドバイスしていて、「超ヤバいなこの人!でもその通りだ!」と思ったんです(笑)。まんしゅう:なるほど~!田房:「自分は才能ないからやめよう」と思って、あきらめようとしても、どうしてもやってしまうことがあるときは、精霊がついてるんだと思う。プロじゃないのに絵を描いてしまう、とかもそうだし、突然描けなくなるとかも、精霊でしか説明がつかないっていうか。まんしゅう:ほんとですか?実はわたし、『アル中ワンダーランド』がそれなりに重版かかって安心しちゃった部分があって、今まったくなんにも描けない状態になっちゃったんですよ……。仕事はたくさんいただくんですけど、そういうのわたし断れなくて、ぜんぶ引き受けてたらいっぱいいっぱいになっちゃって。田房:本つくるのって全力疾走って感じですもんね。わたしにとって精霊は、“自分を責めないようにするための分身”って感じなんです。私も描きたくて描いてるんだけど、もう半分は誰かがわたしに描かせているっていう感じ。そう思ってたほうが、もし描くことがなくなったときにも気がラクかなと思ってます。まんしゅう:いいですね、わたしもそういう心の拠り所を作ろうと思います!――“自分を責めないようにする”ためのツールとして精霊の存在を信じているという田房さん。アル中時代には、まんしゅうさんも天の声から「あのラフはよくないから書き直せ」と仕事のアドバイスをもらったと言います。自分以外の目に見えない存在が、ストレスやプレッシャーを肩代わりしてくれる。人がスピリチュアルを必要とする理由のヒントが、ここにあるのかもしれません。【後編に続きます。お楽しみに!】Text/福田フクスケ(プロフィール)まんしゅうきつこ埼玉県生まれ。2012年に開設したブログ「オリモノわんだーらんど」で注目を集め、現在は漫画家・イラストレーターとして活躍。『アル中ワンダーランド』(扶桑社)、『ハルモヤさん』(新潮社)が好評発売中。WEBマガジン『ドアラジオ』に『まんしゅうきつこのリフォームワンダーランド』を連載中。田房永子東京都生まれ。2012年に刊行された『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)が大きな話題となり、『ママだって、人間』(河出書房新社)、『男しか行けない場所に女が行ってきました』(イースト・プレス)など注目作を次々刊行。『本当にあった愉快な話』(竹書房)に『キレる私をやめたい』を連載中。
2015年09月11日職場におけるストレス。仕事におけるモヤモヤ。ジレッタイ恋愛事情。ただ生きてるだけなのに、なんでこんな疲れるんだろう、というのが本音。ハードで有名な(笑)業界で、タフに働いていると「思われてる」わたしが、なんとか心折れずに、10年も働いている「コツ」のようなものについて書いていけたらいいなと。今のところ思っています。ゆるくてすみません。モテないのは、甘え下手だから。わたしが社会人になったばかりの頃は、赤文字系雑誌の全盛期。「カーディガンを肩にかけて、華奢なヒールのミュールで、恵比寿で待ち合わせ」が、定番のデートコースとして描かれていた時代でした。今よりも、うーんと、男性目線の「モテ」を意識させられていた時代なのかもしれません。こんなわたしですが、「自分がモテないのは、甘え下手だから。強がりだから」と思っていた時代が確かにありました。他の問題は、棚にあげて、「上手に甘えられれば、モテるに違いない!」なんて思っていました。お恥ずかしい。「甘え上手は、愛され上手。甘え下手は、悔い改めよ(笑)」まではいきませんが、「甘え下手なら、別の武器を手に入れよ」というのは、2015年の今も変わらないことでしょう。第一回目は、「働く乙女の、甘え問題」について話してみたくなりました。バリキャリ女子の、甘え問題。漫画「サプリ」「働きマン」を地で生きているわたしなので。「タフ」「強そう」「ひとりで大丈夫そう」「理想が高そう」「男いらなさそう」という、とってもシンプルでブレナイ社会の偏見を浴び続けて10年間浴びてきました。・・・なんか自分が可哀想になってきた(涙目)「仕事にまっすぐ過ぎて周りの男子からは怖がられているワタシ。ゼッタイ勝ちたかったプレゼンで負けてしまって、不本意ながらポロッと涙がこぼれちゃって、、、そこにいた先輩(もちろん男子で、前からちょっと気になっていた人じゃないと嫌だけど)の胸を借りてしまった。なんか大胆!わたし!!!そして、ふたりは、、、つづく」ナイナイ。ナイですよ。そんなこと。いや、もしもです、もしも、同じようなシチュエーションがあったとしても、ふたりは、長続きしません。だって、甘えてくる女子を受け止められる男子なんていませんから。ひとつ不幸中の幸いだなと思うのは、最近の男子は、世代問わず、「オレなら、ひとりの女性の人生を背負える!」と勘違いする男性が減った事ですかね。そろそろ、「甘え上手の呪縛」から解放されるべきです。なぜならば、そんな女性の需要なんて、ないからです。誰にも求められないという悲劇。シンプルに言いましょう。甘え上手には、年齢制限があります。年齢なんて関係なく、綺麗な人は綺麗ですし。チャーミングだなと思う女性は、とっても多いです。だけれども、他人に「自分の可愛げを押し付ける=甘え」は、1歳でもはやく卒業した方がいい。だって、周りの人を困らせるんだもの。むやみに甘える人って。その代わり、他人を甘やかしてみましょう。ごはんをおごるとか。仕事をサボってても許してあげる。のではなく。甘やかし上手というポジション。「あ~ここくすぐったら気持ちいいんだろうな~」というところを、探る。相手が「甘やかしてほしいポイント」を見極めて、その気にさせるのが大事。例えば、その人が得意なことを、頼んでみる。頼りにしてみる。小さなことでも褒めてみる。いろんな視点から、あらゆる手で褒めてみる。そのためには、聞き上手になることがとても大事。無理して甘えるより、よっぽどカンタンだと思いませんか。「この人と働くと心地いい」「やる気が出てきた!」と周りの人に思われたら本望。SOLOだから、もちろん恋愛もしますが、日々のほとんどの時間は仕事に使っているはず。自分が働きやすい環境・生きやすいを整えることこそが、はたらく乙女が息切れせずに働き続けられるコツだと思うから。第一回目のまとめ。「甘やかされるのが嫌な人はいない!!!だから、甘やかそう!!!」と言ったところでしょうか。ですが、地味にだめんずを渡り歩いてきたわたしの言うことなので、恋愛面ではまったく参考にならないかもしれません。ごめんなさい。Text/金そよん
2015年09月11日安くてうまくて、だしまで出ちゃう!鶏手羽の優れたポテンシャル(c)ツレヅレハナコ「切るだけ」「焼くだけ」「混ぜるだけ」的な、調理行程がひとつしかないつまみが大好きです。「ていうか、それ料理なのか?」くらいの手間だけど、酒のつまみなら十分イケる!!とはいえ、単になんでも「切るだけ」「焼くだけ」が良いわけではなくて、「シンプルな調理に向く食材や組み合わせ」があるんじゃないかなーと。さらに、「そのままでもいいけど、コレだけは手を抜かずにやるとよりうまい」的な、ちょっとしたコツ。それを守ることで、トータルの満足感がぐーんとUPするように思うのです。そんなシンプル調理に向く食材として、私が絶大な信頼をおく食材。それは……鶏手羽センパイ!いやー、すごいですよ。他に類を見ないほどのポテンシャル。まず第1に、形がいいわよね。すんごい独特の形だなーと思います。何にも似ていないオリジナル感。形が完成されているので、そのままで(生は無理だけど)つまみとしての見栄えがする。第2に、肉と皮と骨のバランスが良い。しっとりした脂を含む肉に、ボリューム十分の皮、手で持ちやすい骨。しかも骨からは、おいしいだしが出るという無駄のなさ!第3に、安い。5本で200円くらいとか……鶏もも肉並みのうまみなのに!コレを1パック買えば、その日のつまみに必要な材料は揃ったも同然。というわけで、本日ご紹介するのは、“キング・オブ・焼くだけつまみ”。「焼くだけ鶏手羽」です!(そのまんま)ただし、やったほうがよりおいしいコツとして、「下味をつける」ことをオススメいたします。今回は、「塩にんにく味」と「甘辛しょうゆ味」の2種。もちろん、どちらかだけにして5本一気食いするという手もあるので、お好みに合わせてお試しくださいませ~。<材料>・鶏手羽肉〔下味①塩にんにく味〕・酒・塩・にんにく(すりおろし)・仕上げにレモン(またはかぼすなど)〔下味②甘辛しょうゆ味〕・酒・しょうゆ・みりん・仕上げに粉山椒(または七味唐辛子)<つくり方>1.鶏手羽を広げて、写真のように関節から先を切ります。包丁の根元をあてて、ぐいっと押すと簡単に切れる。ちなみに、先の方(写真左)を「手羽先」といい、本体の方(写真右)を「手羽中」と呼びます。【おまけ】「手羽先」には、ほとんど肉がないので捨てることが多いのですが、水で煮るとすばらしいチキンスープがとれます。このスープでインスタントラーメンをつくると、超おいしい(「サッポロ一番塩ラーメン」か「チキンラーメン」を推奨!)。鍋に水と手羽先を入れて、あればしょうが薄切りや長ねぎの青いところを加えて20分くらい煮るだけ。ざるでこして使いましょう。2.手羽中にフォークで何カ所か穴を開けます。こうすると、下味が染みやすくなる。しっかりフォークをにぎって、「うぉりゃー」とぶすぶす刺すべし。すべりやすいので気をつけて。3.ポリ袋に手羽中を入れ、それぞれの下味をつけます。「塩にんにく味」の酒は、手羽中が軽くひたるくらい。「甘辛しょうゆ味」の液体調味料は1:1:1で入れます(例:全部大さじ1ずつとか)。冷蔵庫で一晩置くとベストですが、時間がなければ15分でも。4.今回は魚焼きグリルを使いますが、もちろんフライパンでも焼けます。オーブントースターでもいけますが、脂が落ちると火が出やすいので火事にお気をつけください。それぞれ弱火でじっくり火を通しつつ、両面をカリッと焼くのがポイント。特に甘辛しょうゆ味は焦げやすいので、様子を見てアルミホイルをかぶせてください。焼けたら、好みで粉山椒や七味をふったり、好みのかんきつ類を搾って召し上がれ~。Text/ツレヅレハナコ
2015年09月11日かわうそのけなげな奥さんぶりに思わずほっこり(c)『かわうそは僕の嫁』(街子マドカ/新書館 ウィングス・コミックス・デラックス)既刊1巻突然ですが私、猛烈に結婚したくなりました。前にもSoftBankの白犬おとうさんに胸焦がして、おとうさんと結婚したいと思ってたことがあるんですが、今、結婚したい相手はかわうそです。かわうその嫁が欲しいです。そんなステキな気持ちにさせてくれたのが『かわうそは僕の嫁』です。まんま、かわうそが妻という話です。夫はカフェの店長さんで、人が良さそうな眼鏡のイケメンです。かわうそは小さな身体で、お買い物に行ったりコーヒーを運んだりして夫の仕事をお手伝いしてます。おうちに帰るとお料理をしてくれます。ホットケーキは食べたことがないようだけど、けっこう料理上手そうです。でも、かわうそはときどき、人間としての知識が足りないときがあります。河原育ちなので、雑誌やマンガはエッチなものだと思っているふしがあるようです(一級河川の河原にはエロい雑誌が捨ててあるから)。むきゅっとしたW型の口元がおバカだけど、素直で頑張り屋さんで、もうかわいい、かわいいよ、かわうそ!! 『伝染るんです』に騙されてた自分が憎い。また、かわうそは社会に溶け込んで生活しているので日本語をしゃべります。ネコ語もカラス語もハト語もわかるそうです。かわうそのお父さんは長生きしたら日本語が喋れるようになったそうなので、かわうそは妖怪の一種かもしれません。かわうそは人間界のことはよく知らないけど、自然界のことはとっても詳しいです。そんなことでマスターとかわうそは、お互い新鮮な情報を交換し合ってます。かわうそは主人公なのに名前がなくて、「妻」と呼ばれてます。夫も「マスター」とか「あなた」とか呼ばれてて、名前が出てきません。でも2人はとっても仲がいいんです。いつでもいっしょで、お互いを尊重してて、相手のことが大好きなんです。もう理想の夫婦です。動物とだから描けるピュアな理想の夫婦像さて、ここで大人として「かわうそと人間が結婚して、夜の夫婦生活はどうするんだ?」と気になる人はいますでしょうか。この漫画のいいところは、妻がかわうそだってことで「エロが一切ない」という安心感があることです。変に避けるでもなく、しないことにいいわけをするでもなく、当たり前のようにお色気シーンがありません。「夜の生活は」なんて考える方が薄汚れてる気になってきます。まあ、『かわうそは僕の嫁』というタイトルを見て、エロを期待して買う人はものすごいマニア以外にはいないと思うけど、「シュールでおもしろい」って感覚はもちろん、「理想の夫婦像」という疑似恋愛感覚でも楽しめる作品です。その上、お勉強要素もあるんです。妻のかわうそは、ニホンカワウソであるようです。カワウソ自体は世界中にいるらしいですが、ニホンカワウソは絶滅してしまったそうです。自然と動物保護の気持ちがわいてきます。ネットで「かわうそ」画像を検索してみてください。漫画のかわうそに負けないくらい、恐ろしく可愛い画像がぼろぼろ出てきます。そして、かわうそは東アジアを中心に「人を化かす妖怪だ」という伝承があるらしいです。「かわうその嫁入り」みたいな話も各地に残ってて、たとえばかわうそが貴族の女性に産ませた子どもの子孫が、清の始皇帝ヌルハチなんですって。スゲー。……と、ほのぼの漫画を読みながら、かわうそのあまりの愛おしさにかわうそ博士になってしまいそうなほど、溺れてます。Text/和久井香菜子
2015年09月10日アラサ―世代の間で話題をかっさらっている、東村アキコさんの漫画『東京タラレバ娘』。恋愛や仕事がうまくいかない倫子、香、小雪の3人を取り巻く、アラサ―女性の心を直撃する描写の数々に、奈落の底に突き落とされている方がちらほらといるようです。一方で、いまいちピンと来ずに首をかしげているような人もいて、感想戦は血で血を洗うような殺伐とした様相を呈しています。が、同じ世代で1つの漫画に夢中になってああだこうだいうのって、なんだか楽しいですよね。議論というのは、1つの立派なエンターテイメントです。『タラレバ娘』に泣く男『東京タラレバ娘』(講談社)しかしこの『東京タラレバ娘』、私のまわりでは女性読者だけでなく、男性読者がとっても多いようなのです。はじめは、「なんだってこんな、“女による、女のための、女の漫画”をわざわざ読むんだろう……」と不思議に思っていたのですが、最近になって、ようやくその理由がわかってきました。『東京タラレバ娘』は、彼氏がいない、結婚できない、とはいえ仕事に邁進しているともいい難い、そんなアラサ―女性たちに叱咤激励という名のエールを送る、「説教系メディア」。しかし昨今、我々女性の間では、こういった耳に痛いことをいう説教系メディアに対して、反旗を翻す声が徐々に上がってきているように思います。「だからお前はダメなんだよ」と、怒られて素直に反省していた時代もあったけど、あまりにも怒られるのでだんだんムカついてきた……ってかんじでしょうか。はいはいと黙って聞いてりゃ調子にのりやがって、とここまで喧嘩腰なのは私だけですね。すみませんでした。こういった説教系メディアがなぜ発達してきたのかというと、それはひとえに、我々女性が内省的な傾向を持っているからですよね。恋愛や人生がうまくいかないのは、自分に原因があるからだと考える。一方で、男性向けの説教系メディアというのはこれまでほとんど見られませんでした。それは、彼らに反省すべき材料がなかったから、というわけでは決してありません。ただ単純に、多くの男性には内省的な傾向がなく、説教系メディアに対する需要がなかったからでしょう。しかし、そんな男性たちの目に、もしかしたら『タラレバ娘』は新鮮に映っているのかもしれません。インターネットを観察していると、私が「えー、別にそんなことないけどなー」とスルーしていた箇所で、しっかりエグられて心の涙を流している男性がいるのです。彼らは女性をバカにしているのではなく、倫子や香や小雪のことを、自分のことと受け止めて内省しているらしい。なんだか他人事のように、面白い現象だなあと思ってしまいました。「自分らも、人のこと笑ってる場合じゃないのでは」と気付き内省を始めた男性と、あまりにも怒られるのでいい加減飽きてきちゃった女性。昨今の「説教系メディア」を取り囲む環境は、そんな具合になっているのでは……というのが私の仮説です。本当は「いい男」なんていらないでしょ?これまで女性向けに多く作られてきた「説教系メディア」は、いったい私たちに何をもたらしてきたのでしょう。もちろん、なかには参考になった話も、心に響いた話もあったことでしょう。だけど、人生指南を精神論でいくら語られても、自分って変わらないんですよね。人間という生き物は、意外にもしっかりと自分の欲望を実生活に反映させるものです。いつまでたっても結婚できないと嘆く女性はきっと本当は結婚なんて求めてないし、いい男がいないと女子会で文句をいう女性は、本当はいい男なんてそもそも求めてないんですよ。「そんなことないよ!」と反論されてしまうかもしれませんが、きっとあなたが本当に欲しいものは、すでにあなたが手にしているもののなかにあります。それは理想を下げるとか妥協するとか、そういうことじゃありません。視点と探し方を変えるだけです。……と、これ自体が精神論になってしまうというブーメランなのですが、「こうすればいいのよ」と行く先を示してくれる説教系メディアに、我々女性はもう満足できなくなっている。だって頭でわかっていても、行動は変えられないから。あまーい言葉だけを囁きながら消費を煽ってくる従来のメディアもちがうし、耳に痛いことをいって反省を促してくる昨今のメディアもちがう……さて、難しいですね。私たちが次に聞きたいのは、いったいどんな言葉でしょうか?Text/チェコ好き
2015年09月10日元外資系バリキャリ不健康OL時代の反動で一転、東京砂漠の小さなマンションのベランダでハーブを育てはじめ、 ていねいな暮らしへとシフトした料理研究家・太田みおさん。とはいえ、独身の忙しい生活のなかで「“ていねいなごはん”なんか作ってる余裕ない…!」という気持ちも分かりすぎるほどよく分かるという太田さんが、おひとりさま女史のための、ちょっとおしゃれで気軽な週末ごはんを提案する連載です。サフランさえあれば「パエリアの素」なんかいりません(c)太田みおパエリア作りって面倒くさい…あの華やかな1品を作るために、まず鉄製のパエリアパンを買い、あさりの砂抜きに手こずり、コンロを使って具材に火を通し、こぼれそうになるスープにあたふたと気を使いながら、オーブンまでをも稼働させ、挙げ句の果てに最後までお米の火の通り加減に神経をつかう…。食後にはパエリアパンを洗って、錆びないようにオイルを塗って…はぁ……そんな一連の面倒くささとハードルの高さを一気に削除!今日ご紹介するのは、フライパンひとつで、お店の味になるパスタパエリアですよ♪スペインでは一般的に愛されているパスタのパエリア。作り方の手順はお米のパエリアと同じなのですが、お米よりも時間も短縮できますし、お手軽。今回はさらに、材料や手順を極力シンプルにそぎ落とし、簡単にしてみました!材料のなかで「サフラン」だけは、ふだんあまり使うことがないかもしれませんが、準備していただきたい必須の材料です。スーパーのスパイスのコーナーに並んでいるはずですので、ぜひともお買い求めください。サフランによって、パエリアらしい鮮やかな黄色に仕上がります。これを買ってしまえば、もう「パエリアの素」なんか使わずに、本格的なパエリアを自力で作ったも同然です。(←気が早い)簡単とはいえ、それなりに手間がかかる部類の1品ですので、おひとりさまで召し上がるとしても、多めに作っておきましょうか。それではどうぞ。パスタパエリア約4食分細いパスタ 1.2mm 150g鶏肉 150g有頭海老 3~4尾玉ねぎ 1/2個にんにく 1かけパプリカ 1/2個トマト 1個スープの素 (水500ml分)*今回はフュメドポワソンを使用。なければコンソメキューブでokサフラン ひとつまみ塩少々オリーブオイル 適量レモン 適宜バジル 適宜1.パスタは2~3cmに折っておく。玉ねぎとにんにくはみじん切り、トマトとパプリカはざく切りにする。海老は爪楊枝を使ってワタを取っておく。鶏肉は小さめの一口大に切り分け、塩を少々ふっておく。2. 規定の量のスープの素を湯に溶かし、500mlのスープを作っておく。そこにサフランを加えて色を出す。3. フライパンにオリーブオイルをひき、鶏肉と海老を軽く炒めて火を通し、バットにあげておく。4. 同じフライパンにオリーブオイルを足し、玉ねぎとにんにくを香りが出るまで炒め、そこにトマト、パプリカ、パスタを加えて油がまわったら、2のスープを一気に加える。5. 4が煮立ったら、3の鶏肉と海老を上に乗せ、蓋をして4分ほど煮る。(蓋がなければアルミホイルで蓋を。)6.火からおろし、お好みでくし切りのレモンと、バジルを乗せて出来上がり。レモンを絞っていただくと美味しいですよ~♪カヴァを開けずにはいられません!!Text/太田みお
2015年09月09日一日働いて疲れ切った体。帰宅後一気に流し込むビールには、この上ない美味しさを感じることでしょう。秋の訪れをにわかに感じ始める季節になったけれど、まだまだ冷えたビールの喉越しが心地よい時期。そこで、おひとり晩酌でも格別な味を楽しめる方法をお教えいたしましょう。ビールが苦手な人でもグイグイ飲めるようになる秘策もありますよ。自宅でできる美味しいビールの作り方めんどくさいからと、缶から直接飲んでいる人も多いであろうおひとり晩酌。でも、そこはあえてグラスに注いで飲んでください。なぜなら、泡がビールの気抜けや酸化を防いでくれるから。キメの細かい良質な泡でビールに蓋ができれば、最後まで本来のコクと旨みを味わうことができます。さて、その肝心な泡ですが、ポイントは“グラス”と“注ぎ方”にあります。まずグラスですが、汚れや水滴がついていると泡立ちが悪くなります。傷のつきにくいスポンジでよく洗い、しっかり乾燥させておきましょう。布巾などで拭くと繊維が残ることがあるので、自然乾燥がベスト。グラスの形状は、底が平らで高さのあるものを選びましょう。キメの細かい泡が立ちやすくなります。飲み口が少し狭くなっているタイプだと、泡が消えにくいですよ。また、陶器は表面の細かなでこぼこがクリーミーな泡を作りだしてくれ、陶器ならではの口当たりが楽しめるので、ちょっと自分に酔いしれたい夜なんかにもおすすめです。次に、注ぎ方。まずはテーブルの上にグラスを置いたまま、ビールを一気に流し込みます。グラスの3~4分目が目安。シュワシュワと音を立てて泡が盛り上がってくるのを待ったら、残りのビールをグラスに沿って流すように、今度はゆっくり注いでいきます。泡が少しずつ持ち上げられ、グラスから少し盛り上がったらストップ。グラスより下に落ち着くのを待ち、再度ゆっくりと注いで完成です。このとき、ビールと泡の比率が7:3になるように注いでいきましょう。なお、ビールをもっとも美味しく味わえる温度は、夏は4~6度、冬は6~8度といわれています。ビールやグラスを冷蔵庫でキンキンに冷やしてしまうと旨みを感じにくくなるだけでなく、泡立ちも悪くなってしまうそうなので、冷やしすぎには注意です。かんたんに作れるビアカクテルいろいろ自宅でも美味しくビールが飲める方法をご紹介しましたが、おひとり晩酌を楽しむ女性の中には、ビール自体あまり好きではないという人も少なくないでしょう。それでも、仕事の付き合いで飲まなければいけないときもある。そんなおひとりさまがビール嫌いを克服して外でも美味しく飲めるようになれる、ひとり晩酌のアレンジ法をご紹介しましょう。グレープフルーツビール半分に切ったグレープフルーツを絞り、果汁だけをグラスに入れます。その上から、1:1の割合になるようにゆっくりとビールを注ぎ、軽く混ぜたら完成です。グレープフルーツの酸味でビールの苦みが中和されてマイルドな味になります。また、二日酔いの予防にも効果がありますよ。コーラビール「ディーゼル」というビアカクテルでも有名な組み合わせで、コーラ好きにも大人気。こちらも1:1の割合で混ぜるだけで、かんたんに作れます。ビールレモネードグラスの3分の2までビールを注ぎ、そこへ冷凍したラズベリーを3個ほど入れます。その後、残り3分の1にレモネードを注げば出来上がりです。レモネードとラズベリーの甘酸っぱさがビールの苦みを抑え、マイルドで飲みやすくなります。エッグビール卵の黄身だけをグラスに入れ、アイスコーヒーなどに使うガムシロップを1個分入れてよく混ぜ合わせます。最後にビールを適量注いで完成。一瞬「え?」と思うような組み合わせですが、意外においしい。卵の黄身でまろやかになり、見た目もきれいなクリーム色になってビールということを忘れてしまいます。他にも、アセロラやジンジャーエールなど、相性のいい組み合わせはたくさん。外で飲むときなら、それぞれを注文して乾杯前にサッと混ぜてしまえば、最初の一口から美味しく味わうこともできます。ビール好きはもちろん、ビールが苦手というおひとりさまも、ぜひいろいろな組み合わせを試して楽しんでみてください。Text/千葉こころ
2015年09月07日政治、経済、文化、食など、さまざまジャンルを独自の視点で切り取るライター・速水健朗さんに、“おひとりさま”ついて考察していただく本連載。第1回となる今回は、現在SOLOで進行中の「居場所」特集にちなみ、東京近郊在住の独身女性50人に、今一番好きな街を調査してみました。果たして浮かび上がってくる「おひとりさまand the Tokyo」とは−−?「恵比寿、青山、丸の内」ではない、新機軸で受けている街はどこ?今どきの東京に住む独身女性が遊びに行く街はどこなのか?相変わらず恵比寿?青山?丸の内?いやいや、もっと新しいおもしろい街があるに違いない。仕事帰りに友だちと飲みに行くときに使う街は?近所に人で飲みに行くときは?休日の買い物に行く場所って?流行で遊ぶ街を変えるのか、会社の近くを選ぶのか?家の近くに行きつけをつくる?それぞれの都市独身生活者(*1)の日常を調査してみた。(*1)独身生活者:東京のような都市部に多い「独身かつ、1人暮らしの者」の数は、この10年で全世界的にみて33%増加しているという調査報告も。社会学者・エリック・クライネンバーグは、この“見えない多数派”である層を「シングルトン」と定義。「現代社会ではシングルトンは、労働力、税収においても頼りの存在だが、あまりに軽んじられている」と著書のなかで論じた。今回、その調査を「好きな街のベスト3」を聞くといったアンケートではなく、ヒアリングの中から、その街の魅力を聞き取りしていく形式を選んだ。その方が、リアルに近い彼女たち(*2)の日常を切り取れるに違いない。ヒアリング調査を担当してもらったのは、アラサーで独身のSOLO編集M女史(*3)。当事者といえる彼女の交友範囲をつてに、さまざまな独身女性たちと街の関わりについて聞いてみた。(*2)彼女たち:東京近郊在住の50名の独身女性。平均年齢29.02歳。(*3)SOLO編集M:もうすぐ30歳を迎える独身女。この注釈では東京在住のおひとりさま当事者としての雑感、補足を書き留めます。対象の年代は、30歳前後が中心。20代半ばやアラフォーも若干混じっている。編集者であるM女史の周囲というバイアスもあるため、メディア・広告関連の職種に就いているものが3分の1くらい含まれているが、過半数は会社員、OLである。複数回答があった街の固有名詞を上げると以下のようになる。発表!東京のおひとりさま女性が選ぶ「好きな街」【集計データA】1位新宿三丁目2位渋谷、表参道4位中目黒、恵比寿、赤羽7位青山、銀座、東銀座、三軒茶屋、代官山、神楽坂、中野、西荻窪、上野【集計データB】1位新宿エリア(新宿三丁目、新宿、西新宿、新大久保)2位青山・表参道エリア(表参道、青山、外苑前)3位中目黒、代官山、恵比寿エリア(中目黒、代官山、恵比寿)、渋谷エリア(渋谷、神泉、神山町、富ヶ谷)、銀座エリア(銀座、東銀座、丸の内、八重洲)事前の想像以上に保守的な回答だったというのが正直なところ。もう少し、東京の東側(*4)に関心が移っているのではないか(*5)、下町への関心が高まっている?僕らが想像もしない街に人が集まっているのではないか、などと勝手な期待を裏切り、新宿、渋谷、恵比寿といった意外性のない定番タウンの名前が多く挙がってきた。ただし具体的な話まで分析を進めると、かつての渋谷、新宿とは、まったく違ったエリアが人気であることに気がつく。(*4)東京の東側 :雑誌『BRUTUS』(マガジンハウス刊)2010年9月1日号は、「東京の、東へ。」特集。リーマンショックを背景に、「新しい東京の勢力図」として、台東区や墨田区の街の魅力を提示。また、2012年3月刊行の『東京右半分』(都築響一、筑摩書房)でも、クリエイティブなパワーバランスが東京の東側に移動し始めていることを、膨大なフィールドワークをもとに検証、記録している。(*5)関心が移っている?:「東京の東側」の代表としてよく挙げられるのは、北千住、浅草、日暮里、三河島、人形町、神田、錦糸町、谷根千(谷中・根津・千駄木)など。このあたりはチェーン店でない個人経営が多く、取材時も人間味のある豊かな情報が集まります。一方で、ディープな地域でもあるのでアラサー女性にとってはまだ自分の“ホーム(居場所)”であるほど「好き」とは、おいそれと言えない感覚があるのかもしれません。現時点ではまだ、片思い的な街との関わりという感じでしょうか。ちょうどいいディープさ1位は「新宿三丁目」1位の「新宿三丁目」、2位の「渋谷」は名前が挙がって当然な街だが、新宿は、アルタのある東口ではなく、そこから少し外れた「三丁目」という具体名が登場したのが象徴的。近年、その発展が目立ち、常に人で溢れ、活気のあるのはこのエリア(*6)である。「程よく落ち着いているところが多い」「一人でちょこっとだけ飲みに行けるお店も多い」などの声が上がっていたように、気取らずに出かけられる場所、デートに行く場所ではなく、日常的に友だちと出かけたり、1人で出かける場所として手軽(*7)ということだろう。(*6)活気のあるのはこのエリア:「伊勢丹のような格式のある百貨店、花園神社や末廣亭、新宿ゴールデン街のようなレトロな場所、H&Mやフォーエバー21のようなファストなものなど、ごちゃまぜの新宿3丁目(駅界隈)はやっぱり面白いと思う」(28歳、出版社勤務)というように、文化的な幅広さを楽しめるのが単なる大都市とは違うところかもしれません。(*7)1人で出かける場所として手軽:上記のうち「新宿ゴールデン街」だけはちょっとハードルが高く思えますが、最近はある意味で観光地化された部分もあり、女性1人でも訪れやすくなった部分があるよう。アンケートの自由技術欄に寄せられたゴールデン街についての意見も「非日常なのに安心感がある」など、ちょうどいいディープさが受けている?さて、新宿が「新宿三丁目」であるように、渋谷も、従来の人気があった公園通り、宇田川町(*8)といった場所が選ばれているわけではない。名前が挙がったのは、神泉や神山町(東急本店前通り)といった、渋谷駅から離れた、「奥渋谷」などと呼ばれる辺り。「新宿三丁目」「奥渋谷」これらのエリアの共通点は、高級レストランなどがあるわけではないけど、旧来のチェーン系居酒屋が比較的少なく、ワインバー、街バルなどの手軽な個性的なお店が多いというところ。これらが独身女性の遊ぶ街の最低条件なのではないか。(*8)従来の人気があった公園通り、宇田川町:1990年代、宇田川町一帯は「世界一のレコード村」と呼ばれるほどまでにレコードショップ、CDショップが密集。また、公園通りには小沢健二やピチカートファイブなどが出演した伝説のDJバー「インクスティック」があったりと、いずれもかつて“渋谷系”を象徴した街。「定番化したワイン」と「クラフトビール人気」が象徴するもの「新宿三丁目」と「奥渋谷」には、共通点がある。それはどちらも発展のきっかけがワインと関係しているということだ。新宿三丁目の今のような発展は、この界隈の一大勢力として多数の店舗を展開するワインバーのマルゴグループ(*9)の存在が大きかった。同じように、奥渋谷の発展も、この5年で増えた狭いお店に樽が並ぶようなバル群が支えている。2008年に開業した、神山町の奥にひっそりたたずむ「アヒルストア」(*10)は、ワインにこだわり、立ち飲みスタイル、広くはない店舗という東京のバルのスタイルを確立し、バルブームの中心となった存在。ワインが両地域の発展のキーになっているのだ。(*9)ワインバーのマルゴグループ:「気軽にワインも料理も楽しめる」「お一人の方も、グループでも、いつでも気軽に立ち寄れるバー、それがMARUGOです」(同社公式ホームページより)(*10)アヒルストア:自然派ワインと自家製パンの提供で知られるお店。店主の齊藤輝彦さんは、雑誌『GINZA』(マガジンハウス)にてワインに関する連載も。大人気店なのでなかなか訪問できないのだけれど、いつも記事を読んでいるために勝手に心のなかで行ったつもりになっている感あり。日本フードサービス協会の市場動向調査の結果を見ると「パブレストラン/居酒屋」の業績は、6年連続で前年を下回る低迷が続く。だが、その一方で、2012年以降、ワインの消費量は、ボジョレーヌーボーが流行ったバブル期、ポリフェノールが話題になった健康ブームの1998年を超える量にふくれあがり、空前のワインブームでもあるのだという。そして、ここに来てクラフトビール(*11)も大ブレイク中。クラフトビールやワインにこだわりのある店が多い場所という条件から見ても「新宿三丁目」「奥渋谷」といった街は、ちゃんとマッチしているのだ。(*11)クラフトビール:小規模なビール醸造所でビール職人が造るビールのこと。ビール職人が精魂込めて造り出す高品質なビールを「手工芸品(Craft)」に例えて、クラフトビールと呼ぶのだそう。――定番化したワイン、人気上昇中のクラフトビールが示す東京のおひとりさまの今の“気分”とは?後編では、ほかのランキング上位のスポットにも触れながら考察を深めていきます。どうぞ、お楽しみに!Text/速水健朗
2015年09月04日お酒と料理と食べ歩きをこよなく愛する、食ブロガーのツレヅレハナコさん。彼女が紹介した「桃モッツァレラ(内田真美さんのレシピ)」や「味噌バター白菜鍋(重信初江さんのレシピ)」は、ネットで大きな話題となりました。そんなハナコさんが、夜遅く帰ってきて一杯やりたいとき、一人でもすぐに作れるとっておきのおつまみと常備菜のレシピを教えてくれる連載です。(c)ツレヅレハナコ卵焼きやサラダ、ごはんに混ぜてもOK!冷凍保存できる万能おかずひじきを食べると、「体にイイことしてるな~」と思う。納豆やヨーグルトを食べてもそう思うのですが、ひじきは「調理しなくちゃ食べられない」ところが一段上(?)というか……。実際、ひじきには、体に不足しがちな鉄分やカルシウムがたっぷり。食物繊維を豊富に含み、カロリーだってかなり低い。酒好き女性たちの晩酌には、今すぐ取り入れたい優良食材!……んが、実際は、さほど食べないですよね。ひじきの煮もの。そもそも五目煮って面倒だしさー。毎日、延々と煮物ってのもどうなのよ……。わかります、わかります。ひじき、食べたいけど食べづらい。そんなみなさまに朗報!実は私、2カ月に一度くらいの頻度でひじきを調理しております。丸ごと一袋もどして、一気に調理。それでも全然面倒くさくないし、あっという間に食べ切れる。秘訣は……五目煮にしない。具は、ひじきだけ!しょうゆではなく、ナンプラーとみりんで味つけする。その名も「ナンプラーひじき」。これなら、にんじんや油揚げ、大豆などの具がなくてもすぐできる。ナンプラーで味つけすることで、「ザ・和食」感が薄れてアレンジしやすい(加熱することで、ナンプラーの香りがとんで塩気とコクだけが残る)。そのまま食べるのはもちろん、卵焼きに入れたり、サラダにしたり……。別の食材と組み合わせやすいので、食べきるのはあっという間!一から作るのは大変だけど、この状態まで調理してあれば、毎日気軽に取り入れられるのです。それでも残りそうなときは、冷凍もOK。小分けにしておけば、「最近、食生活がヤバい……」というときの、強い味方になりますよー。ごはんに混ぜるだけで、ヘルシーな「ひじきごはん」の完成!お弁当の「1品足りない!」にもぴったりです。ぜひ、たっぷり作って常備してみてくださいね~。「ナンプラーひじき」(c)ツレヅレハナコ(c)ツレヅレハナコ<材料>・ひじき(芽ひじき、長ひじき、お好みでOK)・ごま油・酒・ナンプラー(なければ、しょうゆ、めんつゆでもOK)・みりん<つくり方>1.ボウルにひじきを入れ、1~2度サッと洗ったら、たっぷりの水を入れて2~3時間もどす。もどったら、2~3回水を替えて洗い、ざるにあげる。【左】before【右】after(c)ツレヅレハナコ(c)ツレヅレハナコ2.フライパンにごま油を熱し、ひじきを入れてサッと炒める。酒、ナンプラー、みりんを各同量ずつ加えて(しょうゆの場合も同様。希釈用のめんつゆなら、濃いので少なめにする)、水分がなくなるまで煮からめる。やや味を濃い目にするとアレンジしやすいです。(c)ツレヅレハナコ3.できあがり!冷蔵庫で4日くらいは保存可。それ以上は小分けにして冷凍を。ごまをふり、そのまま食べてもOK。(c)ツレヅレハナコきゅうりやみょうがと合わせてサラダに。レモン汁をたっぷり加えましょう!ちなみに、ひじきを戻してサッとゆでたものと野菜を合わせ、オリーブオイル、レモン汁、おろしにんにく、塩、こしょうしてサラダにすることも多いです。(c)ツレヅレハナコ玉子焼きに。溶き卵に混ぜて味見をし、味が薄いようであれば、みりん、塩を少々足して味をととのえる。(c)ツレヅレハナコ温かいごはんに混ぜて、ひじきごはんに。そのほか、つぶしたじゃがいもに混ぜたり、冷や奴にのせるのもオススメ。Text,PHOTO/ツレヅレハナコ
2015年09月04日あるあるをどこで裏切るかが作者の力量!(c)『花街鬼』(桜田雛/小学館 Cheeseフラワーコミックス)既刊2巻少女漫画でも映画でもなんでも、「よくあるパターン」ってありますよね。「気になってる男の子となんか事情があって同居することに!」とか(これホント少女漫画頻出ですが)、「ケンカばっかりしてたあいつが気になりだした!」とか。でも、ストーリー全体がよくあるパターンまみれだと、今話題のロゴパクリ問題と同じく大炎上になってしまいます。なのでクリエイターは、あるあるパターンを組み込みつつ、「どこで読者を裏切るか」で作者の力量を見せるわけです。裏切ると言っても、読者がガッカリして怒り出さないようなパターンじゃないといけないので、ここもセンスと技術が必要です。で、今回紹介する『花街鬼』は、江戸時代の遊郭が舞台です(遊郭ものに弱いんです、すみません)。社会派遊郭ものほど重くもなく、ティーンズラブ遊郭ものほどエロシーンもなく(ていうかほぼゼロ)、なんとも異様なムードのお話です。「蜃気楼」の楼主・芭蕉には、なにやら不思議な力があるようです。遊女が困っていたり病んでいたりすると願いを叶えてくれるんです。どうしてそういう力があるのかはわかっていません。それは謎っぽくもなってなくて、ただ、当たり前のように不思議な力を使います。先の読めない“変態男子くん”たちの言動が新感覚芭蕉は別にすごくいい人ってわけでもなく、でも情がないってほどでもなく、ものすごくチャラチャラユラユラしてます。途中から遊女の瑠璃をかわいがって側に置くんですが、普通に初見世には出すし、少女漫画にありがちなえこひいきをしません。見世の遊女に手を出してうまいことやったりするんですが、「その人のことを愛していたか」と聞かれると、「楼主が女郎なんかにほれるかよ」とびしゃり。少女漫画的にはギリギリラインですね。彼は、『るろうに剣心』の緋村剣心みたいなざんばら髪でイケメンなんだけど、「この人の側にいたら幸せそう♪」みたいな妄想が膨らむでもないので、読んでいてなにをどう思えばいいのか妙な感じです。この『花街鬼』だけではなく、作者の桜田雛さんの作品はどれもこれも「よくある設定」なのに、先が予想できなくて「えっ?」ってなります。新感覚だなーと思います。登場する男子キャラも、「すげえイケメン!」という王道キャラはいません。たいてい変態です。ドアップでニヘ~っと笑ったりします。顔くしゃくしゃにして泣いたりします。あまりに主人公への執着が激しいキャラばっかりなので、山本耕史が無頓着な人に思えてきます。お話によって男子たちの変態ベクトルが違うので、そこがストーリーを予測できない理由のひとつになってるんですよね。あと、女の子のポーズや服のシワがいちいちエロい!エロいけど、本当にエロいシーンは描かないので、妙にムーディです。現在、「Cheese!」で、『黒源氏物語』という、これまた光る君がメンヘラっぽいという新解釈源氏物語を連載していて、これもまた斬新です。少女漫画もホント新世代が出てきたなーと思います。Text/和久井香菜子
2015年09月03日おひとりさまの女性のみなさまこんにちは。突然ですが、みなさんが最近読んだ本を5冊、心のなかでこっそり教えてください。これ、けっこうきわどい質問ですよね。包み隠さず答えられる勇気ある女性は、はたして何人いるのか……。アラサー女性が〈読むべき本〉はあるのか試しに、私が直近で読んだ本を5冊、正直に開示してみます。ちなみにこれを開示する理由は、直近で読んだ5冊がたまたま、人にいってもあんまり恥ずかしくない系の本だったからです。恥ずかしい系の本ってなんだよ、というツッコミは無視します。私の直近の5冊は、旅行中に読んでいたカンボジア関連の本が2冊、コミュニケーション・カウンセリング関係の本が1冊、山内マリコさんの小説が1冊、謎の現代作家トマス・ピンチョンの解説本が1冊、といったところでした。旅行の本や小説はいいとして、なぜコミュニケーション・カウンセリング関係の本を……と疑問に思った方がいるかもしれませんが、これはですね、Twitterのタイムラインを眺めていたら読んでいる人がけっこう多かった、というのが手に取ったきっかけです。私は人間観察能力が絶無で、人を見る目が超ないんですよ。「弟いるでしょ?」みたいな予測はだいたい外れるし、髪型が変わったとか雰囲気が変わったとかも全然気が付きません。なのでこの本を読むことによって、他人への注意力というか、観察力みたいなものを高められたりしないかなあと思ったんですね。高石宏輔さんの『あなたは、なぜ、つながれないのか:ラポールと身体知』という本です、興味のある方は読んでみては。読書は基本的に娯楽であるべきだと思うので、どんな本を手に取ろうとその人の自由であることはいうまでもありません。人にいうのが少し憚られるような本だって、読んでもいわなきゃいいだけですから。「大人の女性が読むにふさわしい本」なんてものは存在しないし、そんなふうにして紹介される本はちょっと胡散臭いなあというのが個人的な意見です。『東大教師が新入生にすすめる100冊』みたいなガイドブックがあるじゃないですか。私はああいう本が意外と好きで、今までもちょくちょく読んできたんですけど、あれのアラサー女性版って作ってもあんまり面白くなさそうだなあと思うんですよね。少し前にインターネットの一部界隈で「ダサピンク現象」という言葉が流行りましたが、まさにあれを思わせるようなかんじで、「ダサピンクガイド」になりそう。「君たち恋愛と結婚と出産とキャリアで悩んでるんでしょ?」みたいなね。はいはいどーも、ってかんじですよね。確かにそれで悩んでいるアラサー世代の女性は多いかもしれないけど、そこだけ切り取られると萎えませんか?そんな私がすすめる大好きな本(c)世界文学を読みほどく (新潮選書)そんな持論を持つ私が、それでも同世代のアラサー女性にすすめたくなってしまう大好きな本があります。嘘です。同世代の男性にもすすめてたし大学生の男の子にもすすめてました。つまり見境なく誰彼かまわずにすすめている本があるのですが、それが池澤夏樹さんの『世界文学を読みほどくスタンダールからピンチョンまで』です。こちらの本は、スタンダールの『パルムの僧院』から始まり、トルストイの『アンナ・カレーニナ』、ジョイスの『ユリシーズ』、そしてピンチョンの『競売ナンバー49の叫び』まで、19世紀から20世紀にかけて生まれた世界の有名文学10作品について、作家の池澤夏樹さんが解説をしてくれます。私がこの本をおすすめする理由は、近代文学についての基礎的な知識が身に付くというのはもちろんのこと、池澤さん独自の目線で、「近代」というのがどういったものであり、どのような変遷をたどって現代にいたったのか、というのを説明してくれているところにあります。体系的だったものが徐々に崩れていき、混沌をきわめていく世界のようすを文学から眺めてみるというのは、とてもスリリングな体験です。「直近で読んだ5冊」のなかに、ベストセラーや有名作家の本、仕事に関連する実用書以外の本のタイトルが出てくると、「なんで!?」とその本を選んだ背景が気になってしまうのは、私だけではないはず。あくまで確率の話ですが、今話題になっている本だけでなく、その人独自の基準で本を選んで読む習慣がある人って、やっぱり話が面白い場合が多い気がします。みなさんが最近読んだ本や、おすすめの本の話も、もっと聞かせて欲しい。一緒にダサピンクなんて吹き飛ばそうぜ、って私は思うのです。Text/チェコ好き
2015年09月03日映画『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』の公開にあわせて下北沢B&Bで行われた、BEAMSクリエイティブディレクター・青野賢一さん×『東京を生きる』を執筆されたライター・雨宮まみさんのトークイベントのレポート記事をお送りします。第一回の対談記事<人の言いなりになっていたら明日死ぬかもしれない>第二回の対談記事<人は歳をとると自分自身を受け入れる。私は私どうにもならない>はこちら上質なものを長く使うのは無理…かもしれない雨宮まみさん(以下敬称略):上質なものを一生使う、という傾向が最近はありますよね。でも、クローゼットの中が上質で飽きがこないものだけで構成されてたら、私はちょっと息苦しいんです。これをずっと大切に、ずっと使わないとっていうプレッシャーを感じてしまって。いくつかは、飽きたら捨ててもいい、買い換えてもいい、というものもあって欲しいなって気持ちがあります。そのときの気分で、着たいものも変わりますし。青野賢一さん(以下敬称略):僕もお店で販売スタッフやってた頃、お客さんによく言ってたのが、「一生モノなんてほんとないですから」で(笑)ほんとにないんですよ。年齢も変わるし、メンタルもかわるし、環境も変わるし。そういうことを考えると口がさけてもいえない。でもメディアはそういうこといっていかなきゃいけないのでね。でも一生モノなんてないなってずっと思ってました。雨宮:誠実に言うとしたら、5~6年は着れますよ、ってくらいですよね(笑)。青野:そうですね(笑)結果的に一生だったらいいんですけどね。気がついたらそのくらい長く使ってるって位がちょうどいいかなと。スタイルを持つという到達点雨宮:この映画では、スタイルを持つということが一つの到達点となっていますよね。それってずっとみんなが目指していることのような気がするんです。自己啓発書を読んでも「スタイルを持つことが重要だ」と何百回も言われるけど、なかなか持てないなと感じます。青野:そもそもスタイルってどういうものなんでしょうね?流行という意味でファッションを考えるとその時その時とっかえひっかえしても、ファッショナブルだけど、それはあなたが着なくても、トレンドが担保されている状態ってことですよね。それを繰り返していくと疲れていくだけじゃない?ってことはわかるんですけどね。雨宮:そうすると、逆に「この服は私が着なかったら誰が着るんだろう?」っていうのを選ぶのはありですね。青野:なんか、服に呼ばれることってないですか?お店に行って、あれ?って。雨宮:あります。パッと見かけて「あれだ!」と思うこともありますし、プレセールで見て、さらにセールの終わりかけの頃に、何回も値札を貼り直されて70%offとかになってるどうしようもない服を、「これは私が着ないと誰も着ないかもしれない」と思って買ってきちゃうこともあります(笑)。妙に愛おしくなっちゃったりして。青野:ありますよね!お店に入って見回したら、なんかあの色のあれが気になるなって。あるんですよね。で着てみたら、やっぱりよかったって。この人しか着られないとか、着てあげないと…というのはいわゆる流行、ファッションとは違うレベルの感覚ですよね。お直しして着る服青野:あと、今年は着られなさそうな、前シーズンのものを直して着ることはありますか?雨宮:祖母が洋裁ができるので、袖を切ってもらったり、ワンピースを巻きスカートに直してもらったりはありますね。でも身近にできる人がいなければ、なかなか難しいかもしれません。自分ではせいぜい裾上げ程度かな。青野:でも、それ、すごくいいなあと思うんですよね。『アドバンスト~』のなかでもカスタマイズする人も結構いて。自分の髪の毛でつけまつげを作ったりする人とか。自分でどんどん手を入れて、ちょっと形を直せば今シーズンも着られる、服って直せるんだよってことはもっと知ってほしいですね。雨宮:そうですね、丈は直しやすいですし、ボタンを変えるのも簡単ですね。青野:ボタンは効果ありますね!雨宮:あと、アクセサリーも簡単なものなら、今はすごく作りやすくなってますね。パーツ屋さんが増えて、イメージに近いものを作りやすい。そういう工夫はしやすいですね。青野:それが、既製服をより自分の方に引き寄せることになりますよね。それこそがファッションがスタイルになっていく、一つの契機だってことはあると思います。正解が狭まる怖さ青野:これってどういうふうに着るんですか、何に使うんですか?っていう質問はお店でもよくあるんですが、そんなの好きにやればいいじゃん、って僕は思ってしまうんです。どう使えるかっていうよりは、これこういう風に使えるじゃんとか、柄が気に入った布があったとしたら、シャツ、ワンピ、カーテン、テーブルクロスでも、色々できるんですよね。でも、「これはどういうもの?」と聞いてしまうと、物の可能性をどんどん消していってしまってもったいないなって。雨宮:正解が欲しいんですよね。「あの人、テーブルクロス巻いてるんじゃない?」とか「後ろ前を逆に着てるんじゃない?」と思われたくないって気持ちが強い(笑)。誰が見ても、「あの着方で正しいんだな」っていう答えが欲しいなという気持ちは、私にもあります。青野:なるほど。今親切な世の中だから、これはこうしてください、とだまってても何でも進んでいくということはすごく多いと思うんですけど、そこで失ってきてしまった視点の多様性っていうものも復権するとよさそうだなと思います。雨宮:そうですね、自分にとって少し謎なものに挑戦したりするのも重要ですね。私、最近大きい花瓶を買ったんですけど、ハイビスカスの模様がついてるんですよ。 これ、どうしようと思って。ハイビスカスを活けるのも変な気がするし、ハイビスカス以外は合うのかな?とも思うし。どうしろっていうんだろうと(笑)。でも意外に使うのが楽しいんです。私の場合はこうやって使った、ということでいいんだろうなと。うまくいくと嬉しいんですよ。失敗しても、部屋の中のことですし。青野:服の着方も結構似ていますね。僕、よくやるのが、家から近所のスーパーにいくときに、この組み合わせやってないけどやってみようって10分だけその恰好でいくんです。それで、歩いてて嫌な気分じゃなければ、これいけんのかな?ってなります。電車乗っちゃうと最後って感じするじゃないですか。雨宮:(笑)。そうですね、気心の知れてる人がいるときに着ていったりするのもいいですね。変だったら容赦なくツッコまれるような関係の人たちとの飲み会とか、実験の場にはちょうどいい。人との関係性の中で楽しむ服雨宮:私は、すごく派手な格好をすることに少し怖さを感じてるところがあるんです。でも、私のように「できない」と感じてる人が多いからこそ、こういう本(『アドバンスト・スタイル』)が何度でも世の中に出てきてくれるんだなと思います。青野:特に日本だとロールモデルみたいなのが求められるじゃないですか。だから、単純に憧れをもって、めざすものがあるのは必ずしも悪いことじゃないなって。最後にですが、今、せっかく服が好きで好きなように着られるんだったら、憧れを持つのもいいし、シンプルに楽しんで制約なく服を着れたらいいなあって思います。僕は誰と会うとかってことを大事にしているので、派手な方向に振り切ることは中々ないんですが、人との関係性の中でファッションを楽しみたいですね。雨宮:コミュニケーションとしての服ですよね。私もそういう風にも楽しんでいけたらいいなと思っています。―それでは、今日はありがとうございました。
2015年09月02日ぴっちり七三分けのショートヘアがトレードマーク。理想が七分であきらめ三分の31歳独身女子“七・三ちゃん”が送る、ささやかだけどまずまずのソロ充ライフ。『女の生き方シリーズ』『猫と負け犬』などで、男性でありながら複雑な女心を勝手に描いて共感を呼んだ河井克夫さんが、共感と妄想でおひとりさま女性を応援します!第五回「フラッシュモブ」(c)katsuo kawai/Sony Digital七・三ちゃんのLINEスタンプ発売中!七・三ちゃん(しちさんちゃん)は31歳独身女子。今日もお酒を飲みながら王子様が現れるのを待ってるの!理想が七分であきらめ三分。今日も元気に頑張るの!今回のソロ充キーワード「フラッシュモブ」インターネットや口コミで集められた人々が、公共の場で偶然を装って集結し、申し合わせたダンスや演奏などのパフォーマンスを披露する行為のこと。数年前から、このフラッシュモブを使ってサプライズで彼女に告白やプロポーズをする様子が動画サイトやSNSで紹介されるようになり、「感動の動画」として話題となった。現在では、ロマンティックなサプライズとして日本でも広まり、動画サイトでその様子を多数見ることができるほか、フラッシュモブ・パフォーマンスの代行会社といったものまである。しかし、プライベートかつ重要なライフイベントを、公衆の面前で了解も得ずに見世物にされることに強い抵抗を感じる女性も多く、男性側が先走って盛り上がってしまった結果、サプライズに怒った女性からこっぴどく振られる、といった事案も(実話か釣りかはともかく)たびたび報告されている。comic/河井克夫
2015年09月01日さすような真夏の陽射しも落ち着きつつある今日このごろ。夏の疲れが出はじめている人も多いのでは?溜まった疲れを癒すには、日本人ならやっぱり温泉。家族や友だち、恋人など、誰かと連れ立って行くイメージが強いですが、実は今、“おひとりさま温泉”なるものがひそかなブームを巻き起こしているのです。おひとりさまならではの温泉の魅力(c)slackrhackr北は北海道から南は沖縄まで、日本各地に点在する数々の温泉。“おひとりさま温泉”とは、それらの中から好きな温泉に「ひとりで出向く」だけのことなのですが、「連れ合いがいない」というだけで湯の味わいが変わってくるから不思議なもの。広々とした湯船にゆったりとつかりながら、香りや効能、景色を楽しめるのが温泉の醍醐味ですが、連れ合いがいるとなかなか自分のペースで味わうことは難しい。「のぼせちゃったから先に出るね~」なんて言われてしまえば何となく慌てて出なきゃいけない気分になるし、おしゃべりに夢中になって景色を堪能できないこともしばしば。「もっとこの湯を味わっていたい」と思っても、「あっちのお湯にも行ってみよう!」なんて誘われれば、つい連れ立って行ってしまいますよね。お相手が異性であれば、「もう出て待っているかも」と、落ち着いて入ることすらできません。でも、おひとりさまなら思うぞんぶんお気に入りの湯と景色を楽しめるんです。会話をする相手がいなくたって、例えば海に面する露天風呂で沈みゆく太陽と移り変わる夕焼け空を眺めていれば、「ひとりでよかった」と思えるはずです。地元の名産を優雅に味わうには、店選びがポイント温泉といえば欠かせないのが、湯上りのビールと地元の食材を用いた料理。ただ、ひとりで温泉に入れても「ひとりで食事は寂しすぎる」と思う女性は多いもの。そんな寂しがり屋のおひとりさまは、食事をする店のロケーションにひと工夫を。女ひとり、料理と向き合いながら黙々と食べているだけでは全身から哀愁が漂ってしまいそうですが、窓から海や山間などの景色を楽しめる食事処であれば、優雅なオーラを発することができます。ゆっくりと流れる時間の中で、その土地ならではの景色と料理に舌鼓をうつ姿は、凛とした女性そのもの。そこに哀愁や寂しさが漂うことはないでしょう。それでもやっぱり「誰かと話したい」と思うのであれば、鉄板やカウンターを挟んでシェフと対面しながら食事ができる店をチョイス。食材や味付けの解説をしてもらえたり、地元のおすすめスポットを教えてもらえたりと、楽しい会話がより食事を美味しくするスパイスになることでしょう。おひとり泊で朝一の温泉を味わうもうひとつ、おひとりさまが敬遠しがちなのが「おひとり泊」。でも、せっかく行くなら心ゆくまで温泉と料理を味わって一泊し、朝はいつもより少し早起きをして、朝食前に温泉を味わう過ごし方をしてみたいもの。サスペンスドラマの影響か、少し前まで女のおひとり泊は「トラブルの元」といわれてNGの宿も多くありましたが、最近はずいぶんと受け入れられるようになり、「おひとりさま温泉プラン」を提供する温泉宿も増えています。そのような宿では、エステやひとり舟盛りがついているプランや部屋に露天風呂がついているプラン、近隣の観光地の割引が受けられるプランなど、おひとりさまでも十分に満喫できるメニューがたくさん。お好みのプランを利用すれば、寂しく感じそうなおひとり時間も、気がつけば足りないくらいあっという間に過ぎてしまうことでしょう。そうはいっても、夜ひとりなのはちょっぴり不安なおひとりさまには「女性客限定でルームシェア」をする宿もありますよ。ひとり旅にも通ずる「おひとりさま温泉」は、いざ行ってみるまで不安や寂しさで尻込みしてしまうかもしれません。そんなときは日帰りで行ける距離の温泉からはじめてみるのもひとつ。おひとり温泉の楽しみかたを十分にマスターしてから、温泉の効能やロケーションありきで行先を決めるのもいいかもしれませんね。Text/千葉こころ
2015年08月31日地元、友情、恋愛、結婚……とさまざまな“居場所”について語ってきた作家・山内マリコさんのインタビューもあっという間に最終回。今回は、いよいよ家族というやっかいな“居場所”について考えます。そしてSNS全盛の時代、誰もが複数の所属先や依存先を使い分けていますが、マリコさんはこの“つながり至上主義”とも言える昨今の風潮に異議をとなえます。果たして、おひとりさまが行き着く“居場所”はどこにあるのでしょうか?第一回インタビュー<地元を出て親友と出会えた経験が恋愛よりも自分を救ってくれた>第二回インタビュー<結婚するなら“彼氏”ではなく“親友”と思える相手がいい>はこちらから“結婚/家族はいいものだ”という考えは社会からの押し付け――恋愛に向いてない人もいれば、結婚に向いてない人もいると思うのですが、結婚が“絶対しなければいけないもの”ではなくなったことで、かえって自分がどうしたいのか選択・判断する材料がなくて迷っている人も多いような気がします。山内マリコ(以下、山内):私も結婚しろと親からプレッシャーをかけられたことはなくて、逆に自分一人で「どうにかしなきゃ」と焦ってた時期がありました。選択肢があるのはいいことだけど、答えの出ない悩みが増えるということでもあるから、キツいです。昔の映画なんかを観ていると、みんなベルトコンベアに乗せられているかのように異性を紹介されて、結婚して子どもを産んでいきますからね。それが幸せかはともかく、自分で考えなくていいという意味では、楽だったかもしれない。――以前、鈴木涼美さんにインタビューしたときにも、同じようなことをおっしゃっていました。人生の選択肢が増えたせいで、その道を選んだ責任を個人が問われるようになってしまった、と。今はまだ、「結婚しないのは自由だよ、でもそのせいで損したり困ったりしても君の責任だよ」と言われているような状況だと思うんです。そんな空気のなか、結婚せずにおひとりさまでいることを選べるかと言われたら、すごく勇気がいると思います。山内:その勇気がなくて、私は「彼氏欲しい!誰か紹介して!」と言いまくってましたからね。おひとりさまの道を行くぞと腹を決められたら、そんなことは言わずに済んだけど。結婚の形って時代によって変わって当然だけど、根強い昭和モデルが現状に全然マッチしなくなったことが問題かなぁと思います。みんながみんな結婚して家庭を持つわけじゃなくなった時代なんだから、国がどんどんそれに適応していくべき。――いまだに結婚を前提とした社会の仕組みや制度は多いですよね。山内:これまでの日本は、家事や子育てや介護などの“人をケアする役割”を、家庭に押しつけてきたんですよね。妻や母親といった女の人に、それを無給で担わせてきた。同じ仕事なのに、家族以外の人に頼めば給料が発生する仕事を、タダでしてもらってきた。結婚してなくても困らない社会にするためには、そこを変えなきゃと思います。――家庭を持たないと生きていくのが不利で不便になってしまうのも、おひとりさまにとっては生きづらい要因ですね。山内:『家族という病』(幻冬舎)という本も出ましたけど、検挙された殺人事件のうち、約半数は親族間で起きているんですよね。しかも、年々その割合は増えている。だから、「家族はいいものだ」「家族は仲良くあるべき」という押し付けも危険だと思います。家族と仲がいい人はどんどん大事にすればいいけど、「うちの家族はダメだ!一緒にいたらおかしくなる!」と思えば、遠慮なく逃げていい。そして家族から離れておひとりさまを選択しても、セーフティーネットがしっかりしてるから安心、というふうになればいいんですけどね。――会社だけ、家庭だけに押し込められ、追いつめられないようにするために、最近では「逃げ道をいくつか作って、依存先は分散させた方がいい」といった考え方が提唱されるようになりましたが、それについてはどう思いますか?山内:所属先や取引先をひとつにしないっていう意味なら賛成です。定年退職後の男性は、ちょっと気の毒なくらい人生のリスタートを迫られているし、専業主婦も実はリスクが高い。昭和モデルって男女がすごく偏っているから、そこのバランスを探るのは大事なことです。ひとつの仕事がダメになったときに経済的に困らないようにするため、複数の仕事を持つとか、そういうのはいいと思う。ただ、“依存先”と言われると、「ん?」と引っかかりますね。――と、言うと?山内:自分の精神バランスをいい状態でキープするために、人やコミュニティを使い分けるみたいな考えは、あんまり好きじゃない。いざというとき、孤立しないようにいろんなコミュニティにちょこちょこ顔を出す、みたいなやり方は、性格的に苦手なんです。1人の人と仲を深め合うのは好きだけど、大勢とそこそこ仲良くするのってあんまり得意じゃないので。人間関係を自分本位にコントロールしようとする人には、抵抗があるし、警戒します。1:1の関係が向いているなら居場所をたくさん持つ必要はない――居場所を複数持つ必要はないということですか?山内:私、友達に対してもそうなんですよ。すごく仲の良い親友が、別の人とも同じくらい仲良くしていたらちょっと嫌だなって思っちゃう。心が狭いのかもしれない(笑)。今はいろんなSNSを使い分けて別々のコミュニティに所属するのが当たり前なのかもしれないけど、私はポケベル世代なので(笑)。そんなにいろんな人に心開けないし、そんなにいろんな人と気が合うはずもないんで。しかも、ネットではそれが全部見えちゃうじゃないですか。Twitter上で知り合った人が、あっちにもこっちにも話しかけて仲良くなっていくのを見ると、なんか冷めてしまう。クラスで私が最初に声をかけた子が、いつの間にか私をすっ飛ばして人気者グループに割り込んで仲良くなっていくのを見ちゃった気分というか。やっぱり心が狭いんですかね(笑)。――1人の相手と濃密な関係を築きたいタイプなんですね。山内:昔から人間関係のキャパシティがものすごく狭いから、そのときどきで仲良くしている人が本当に1人とかしかいなくて、グループで仲良くっていうのができなかったんです。単純に、性格的に1対1の関係の方が私にとっては居心地がいいから、結婚も性に合っているのかも。――とはいえ、1人の人間の中にも多面性がありますよね。平野啓一郎さんが提唱した「分人化」(表面的な「キャラ」や「仮面」ではなく、「人格」と呼べるレベルで人間にはいくつかの顔があり、相手によってそれを使い分けているという考え方)のように、たとえば夫婦という関係性を維持するために夫に見せられない一面を、親友や別の人との関係で発散したい、という人もいるのではないでしょうか?山内:それってただの浮気じゃん(笑)。別の人が同性の友達だったらいいけど、そうでないパターンの方が多い気がする。リスクヘッジ、みたいなご大層なこと言っておきながら、結局ただのズブズブな不倫してそうな感じ。「分人」って、自分探しで答えの出なかった挫折感を抱えた世代への慰め、鎮魂、みたいな側面は好きなのですが、あんまりラジカルに人格を使い分けられたら困りますよ。私は、その人としかできない話をするような関係は、すごくいいと思うんです。その人とでしか達せない深みに行けるような関係性は、大いにアリだと思います。苦手なのは、それほど深い話ができるわけでもない人と、孤立したくないからと、だらだら一緒にいること。――入れ替え可能な人と浅く付き合っていても仕方ない、と。山内:私は信頼する相手には自分を全部丸出しにするので、1人で充分足りるんですよね。やっぱり親友と出会って、腹の底まで見せ合えるような付き合いをしたっていうのが大きくて、そのおかげで夫に対してもそういう付き合いができるようになった。親友と出会う前は、心の開き方とか、腹の底まで見せる付き合いとか、あんまりわからなかった。人に心を開くには訓練が必要で、それをせずにいきなり結婚してたら、夫にいいところを見せようとしたり、思ってもいない性格の良さそうな発言をしたり、無理してたと思います。親友との蜜月のおかげで、人と深く付き合う方法みたいなものを、知らず知らずのうちに学んでたってことですね。――心を開ける相手は1人いれば充分ってことですか?山内:私の場合はね。仕事じゃないんだから、人間関係をマルチタスクでやっていこうと思ったらキリがないし、逆に気が休まらない。友達のうち、本当に胸襟を開いた付き合いができていると思える相手って、片手で収まる人数だけど、それでも「多いな、ありがたいな」と思います。でもその人たちと、毎日メールしてるわけじゃない。何年も会ってない人もいます。なので、今のレギュラーメンバーは夫、という感じですかね。人脈が豊富な方が偉いという“つながり至上主義”の風潮はしんどい――最近は“コミュ力無双”というか、SNSとかでたくさんつながってる人の方が偉いみたいな風潮があって、疲れることもありますね。山内:それってなんか地元に帰ったみたい。地元ってそういう人いない?異常に人脈が豊富な人が、偉いオーラを出してる(笑)。携帯にどれだけ登録してあるかでランク付けしようとしてくる感じ。「友達100人できるかな」っていう昭和の強迫観念に、ツールがちょうどフィットしたんでしょうね。人数が露骨に可視化されるし。私も昔はTwitterでツイートしまくっていたけど、だんだんフェードアウトしてきました。Twitter上で知り合った人たちの飲み会に、私だけ撤退して参加しない、なんてこともある(笑)。コミュニティが大きくなりすぎると、居心地が悪くなって抜けちゃうんですよ。Facebookもやってないし、mixiもパスワード忘れてログインできないけど、今くらいがちょうどいいかも。人間が安定した関係を築ける仲間の数は150人が限界だっていう“ダンバー数”という考え方があるけど、私のダンバー数は、もっと定義がシビアなので、数も少なくて充分です。――つながりすぎはよくない、と。山内:楽しければいいけど、窮屈だなぁ、面倒くさいなぁと感じたら、やめた方がいい。やめて本でも読む方が、よっぽど自分のためになると思います。“つながり至上主義”に振り回されてるのは若い人が多いと思うので、なおさら。sacaiのデザイナーの阿部千登勢さんがインタビューで言っていたんですけど、結婚・出産をしたあとにブランドを立ち上げて、子育てしながらどうやって両立させたんですか、という質問に、「私、友達に一切時間を使っていないの」ってあっさり答えていたんです。仕事上で仲良くする人はいるけど、純粋な意味での友達には時間を割かなかったんだって。――そういう割り切り方もあるんですね。山内:私は“友情至上主義”を標榜してきましたけど、実際は、仕事と主婦業でてんてこまいで、最近は友達とろくに電話する時間もないんです。それぞれの環境も変わって、「寂しいなぁ」と思うこともあったんですけど、阿部さんのインタビューを読んで、逆にすっとしました。その時々の状況で、変わっていってもいいんだなぁって。――人間関係におけるマルチタスクやリスクヘッジは、かえって維持や管理が面倒くさかったりしますもんね。山内:いい友達がたくさんいるのは素晴らしいけど、どうもそう簡単にはいかない世の中になってるのでね。昔は、孤独や寂しさを豊かに埋めるためのものとして小説や映画や音楽があって、その世界の中に自分と近い人を探したり、孤独を分かち合えるようなものを見つけたりしていたけど、今はそのためのツールが、すべて誰かとのコミュニケーションとか関係性を通したものになってる。それってとても疲れるし、しんどいと思います。やればやるほど、落ち着かないんじゃないかな。無理に誰かとつながろうとせず、一人でいられる強さを持ってる方が、はるかにかっこいいですよ。――おひとりさまにも心強いアドバイスをありがとうございました!(了)Text/福田フクスケ(プロフィール)山内マリコ(やまうち・まりこ)1980年、富山県生まれ。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞。主な著書に『ここは退屈迎えに来て』『アズミ・ハルコは行方不明』『さみしくなったら名前を呼んで』(いずれも幻冬舎)、『パリ行ったことないの』(CCCメディアハウス)、『かわいい結婚』(講談社)など。『anan』(マガジンハウス)『TV.Bros』(東京ニュース通信社)など連載も多数持つ。8月17日に最新小説集『東京23話』(ポプラ社)が発売。
2015年08月28日お酒と料理と食べ歩きをこよなく愛する、食ブロガーのツレヅレハナコさん。彼女が紹介した「桃モッツァレラ(内田真美さんのレシピ)」や「味噌バター白菜鍋(重信初江さんのレシピ)」は、ネットで大きな話題となりました。そんなハナコさんが、夜遅く帰ってきて一杯やりたいとき、一人でもすぐに作れるとっておきのおつまみと常備菜のレシピを教えてくれる連載です。(c)ツレヅレハナコ加熱すると酸味が飛んでうまみが残るお酢の底力「お酢って苦手なんだよねー」という人、多いですよね(特に男性)。酢=「酸っぱい」。確かに米酢のツーンとした酸味は、「酸っぱいの大好き!」な私も苦手です……。でも!調理法によっては、酢=「超イイ仕事する酸っぱくない調味料」に変身するんですよー。どのくらい酸っぱくないかというと、どぶどぶと料理に加えても、「お酢が入ってることに気付かなかった」という人がいるくらい。その調理法とは、ズバリ「加熱する」こと。沸騰させることで酢の酸味が飛び、うまみだけが残るのです。特にオススメしたいのは、肉+酢の組み合わせ。肉のボリューム感とコクはそのままに、脂っこさだけをやわらげてくれます。今回、ご紹介するのは豚ひき肉のレシピですが、「鶏手羽とゆで卵の酢じょうゆ煮」とかも大好き。(↑ググるといくらでもレシピが出てくるのでぜひー)酢のおかげで、鶏から出る脂がサッパリするだけでなく、骨からポロッとはずれるほど肉がやわらかくなります。これも酢の仕事!あまりに酢をホメちぎりすぎて前書きが長くなりましたが、今回のつまみは、夏の晩酌に私がヘビロテするメニュー。酢には疲労を回復させる力があるので、暑さにやられまくった体には最適なんですね。同じく疲労回復効果のあるビタミンB1をたっぷり含む豚肉に、たっぷりの小ねぎと酢。それらをガーッと炒めて、フレッシュな葉野菜で包んで食べる最強つまみです!うれしいのは、肉を包む葉野菜もたっぷり食べられるところ。「最近、生野菜を食べてないけどサラダは飽きるのよね……」というときに、ぜひお試しを。サニーレタスも一玉くらい食べきる勢いですよー!「豚ひき肉のビネガー炒め」(c)ツレヅレハナコ<材料>・豚ひき肉・小ねぎ(長ねぎでもOK)・にんにく・サラダ油・赤唐辛子(輪切り)・米酢(もしくは穀物酢)、塩(ナンプラーでもおいしい)、水溶き片栗粉(必要に応じて)・葉野菜(サラダ菜、サニーレタスなどお好みで)(c)ツレヅレハナコ<つくり方>1.フライパンに少なめのサラダ油と、みじん切りのにんにくを入れて弱火にかける(肉から脂が出るのでサラダ油は少なめでOK)。(c)ツレヅレハナコ<つくり方>2.にんにくから香りが出てきたら、赤唐辛子、豚ひき肉を入れて炒める。このとき、肉がカリッとするまで炒めるとブタくささが消えます。(c)ツレヅレハナコ<つくり方>3.塩で味をととのえたら、酢をだーっと入れる。ひと回しくらい、勇気をもって入れてよし!酸味が飛ぶまで(ツンとした香りが消えるまで)炒めたら火を止める。このとき、肉汁が出てシャバシャバしているようであれば、水溶き片栗粉を少々入れてまとめると良い。(c)ツレヅレハナコ<つくり方>4.小口切りにした小ねぎを、どばーっと加えて混ぜる。皿に盛り、葉野菜に包みながらどうぞ!きゅうりやカイワレを一緒に包んでもおいしいです。(c)ツレヅレハナコText,PHOTO/ツレヅレハナコ
2015年08月28日映画『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』の公開にあわせて下北沢B&Bで行われた、BEAMSクリエイティブディレクター・青野賢一さん×『東京を生きる』を執筆されたライター・雨宮まみさんのトークイベントのレポート記事をお送りします。第一回の対談記事<人の言いなりになっていたら明日死ぬかもしれない>はこちら路上で知らない者同士がとるコミュニケーション青野賢一さん(以下敬称略):東京は、全然知らないもの同士が路上でコミュニケーションすることって、スナップ撮らせてください、位しかないですよね。雨宮まみさん(以下敬称略):海外だと、すれ違うときに普通に「その服素敵ね」とか言う人、いますよね。日本ではあんまりないですが、たまにお歳を召した方に「その帽子いいわね、どこで買ったの?」とか、普通に訊かれることもあったりして。そういうの、言えるといいなあと思うんです。自分も素敵な人に「素敵ですね」とただ言いたいときがあるんですが、不審者と思われるのが怖くて。青野:ガードが固い感じですよね。街を歩いている時でも、なるべくそういうものを遠ざけたいというか、面倒くさいものを避けたい気持ちは確実にありますよね。雨宮:ただ一言、賞賛したいだけなんですけどね。でも、そういう声のかけ方に慣れてないので、どうしても不自然になりそうです…。青野:そこで、うまく伝わればいいんですけどね。なんて一言目にしようとか考えちゃう(笑)。『東京を生きる』著者:雨宮まみ(大和書房)雨宮:『東京を生きる』でも書いてるんですけど、たまに本当に素敵な人を見かけることがあって、そのコーディネートやその人の佇まいをしっかり見たくて、しばらくそっと追いかけちゃったりすることがあります。ほんとは写真撮りたいくらいなんですけど…。我慢して、目に焼き付けてます。青野:本の話が出ましたね。今、雨宮さんが目に焼き付けるといいましたが、ぼくは『東京を生きる』を読んで、あなたの目線の強さというか、見る力がすごいなと思って読んでいたんです。なんでもない景色に関するディテールの言及の仕方とか、人の姿を見る視点がすごいなと。だから僕も今日気が抜けない感じで(笑)。それは自意識過剰かもしれないけど、そう思ってしまうほど、目の力が凝縮されている本だなって。雨宮:見るのは確かに好きなんですよね。でも、自分の見たものの中からいいものを選べるかというとそうでもなくて、たくさん見ていると、どれもいいと思ってしまうんです。東京って、本当に色んなスタイルがあって、家具や服、全てにいい物があるから、高いものも安いものも、北欧もアンティークもいいなとか思っちゃって。でも、それぞれはセンスのいいものでも、ごちゃごちゃに置いて合うわけじゃないんですよね。ふと振り返ると、だいたいごちゃごちゃになっているので、『人生ががときめく片付けの魔法』を再読しては、捨てに捨てまくったりしてます(笑)。そういう人、すごく多いと思います。日本の褒め言葉「かわいい」の相容れなさ雨宮:『アドバンスト・スタイル』のような世界観が、東京で成立しない理由のひとつとして、『女の子よ銃を取れ』という本でも書いたんですが、日本では「かわいい」っていう褒め言葉がすごく強いんですよね。「かわいい」って、年齢を重ねていくこととは相容れないじゃないですか。「かわいいおばあちゃん」みたいな言い方もあるけど、ちょっとバカにしてるところがある気がして、私はあまり好きじゃないんです。かわいいかかわいくないかしかないのかな、と思ってたときに、「ティムガンのファッションチェック」という、素人が変身していく番組を見たんです。そしたら褒め言葉がすごく豊富で。「存在感がある」「すごくシックだね」「ゴージャスだよ」とか…。「かわいい」とか「きれいだね」はほとんどなかった。こんなにたくさんの褒め言葉があるのに、なぜ「かわいい」だけになってしまうんだろうって、褒め言葉の貧しさを感じてしまいました。「かわいい」以外にも、自信を持たせてくれる言葉はたくさんあるのに。青野:かわいいといっときゃ、何か伝わっている気がするみたいなのはありますね。雨宮:どんなに褒められても、「かわいい」と言われないと不安になる気持ちも正直あります。「かわいい」と言われることが好意の証、みたいに思っちゃうんですよね。青野:すごくレンジが広い言葉ですよね。なので、便利な言葉というところはあるかもしれません。雨宮:ちょっと褒める時に、ほとんどその言葉でまかなえるので、豊かな言葉ではあるんですけど、歳を取るとやっぱりかわいいと縁を切らなきゃならなくなるっていうことがすごく恐怖で。でも『アドバンスト~』のこういう形で美しく着飾っている人を見ると、かわいいとかにこだわってる場合じゃないよなって。元気付けられます。力強いですね。青野:パワフルですよね。白いフリルのついた傘が映画に出てくるんですけど、可愛いという言葉で表現されるような小物でも、たとえば違うスタイリングをしたら、また違う存在感や価値を与えられる。どういう風に組み合わせるか、ということで「かわいい」ではなく、スタイルが生まれるってことはありますね。必ず読み返す『エレガンス』という本雨宮:『エレガンス』というイギリスの小説があるんですが、美から遠ざかっていたアメリカの女性がイギリスに移住して変わっていくというお話なんです。元気がないとき、必ず読み返す本で。ある時、彼女がアスコット競馬に行くための帽子を買うことになって、他の人たちと同じような、ツバの大きい派手なものを買おうとするんですけど、そこへ通りがかった素敵なマダムが「あなたにはそれお似合いにならないわ。もっと小さくてベールのついた帽子が似合うわ」と言うんです。彼女には本当にその帽子が似合ってしまう。でも、「周りから自分は浮くのではないか?」と不安を口にすると、「溶け込むのは女学生まで。人と違うことは罪ではないのよ、財産です」と言われる。まるで日本のようなシチュエーションだなと思ったんですが、イギリスでもこういうことはあるんだなと。文化の違いはあるでしょうけど、特に『アドバンスト~』の映画を観ていると、ニューヨークだからみんなが自由に生きてるって訳ではなくて、やっぱり戦って得てきた自由であり、個性なんだなと感じました。青野:素敵な本ですね。似合うでいうと、歳を重ねたからこそ似合ってきたものってあったりしますか?雨宮:シンプルな服ですかね。似合うというか、昔はとにかく飾りがついているものがおしゃれだと信じてたので、シンプルなのが着れなかったんです(笑)。あと、失敗を繰り返してきた分、似合うものはわかってきたのですが、似合うものも少しずつ変わっていくので、安全圏から半歩出るようなものを選びたいなと。青野:やっぱりそういう積み重ねみたいなものがありますよね。映画に出てくる方々って私たちよりもっと積み重ねがある方ですから、ただ、自分が着心地が良いとか似合うだけじゃなくて、さっきおっしゃったように半歩でて、少しづつアップグレードしてこられた感じが、服だけじゃなく、発言からも感じられますよね。雨宮:そうですね、センスは別に最初からあるものじゃなくて、磨いていけるものだっていうセリフも映画内でありましたもんね。青野:やっぱり突然変異でここにはやってこないですよね。僕は今47歳なんですけど、昔はベージュが似合わなくて全然着られなかったんです。でも今は髪が結構白くなってきて、そうなってくると、突然着られるようになってくる。そういう体験があるので、この歳になってから着られないものって当然あるんですけど、この歳になったから、着られるものもあるんだなぁって。雨宮:歳をとって自分の見た目がフレッシュさを失った時こそ、派手な服を着ると、明るさが足されていい感じになったりしますよね。若い頃に着たら過剰だった服が、歳を取ると以外に似合ったり。青野:若い人がパンとしてて派手なのは、まぶしくて見てられないことはありますね。雨宮:まぶしくて見てられないって(笑)。私、「人は歳をとると自分自身を受け入れるようになるわ、私は私、どうにもならないでしょ」っていうセリフがすごく好きで。私自身、自分を受け入れるのに時間がかかったタイプで、やっと受け入れることができても「今朝のこのほうれい線は受け入れられない…」とか思ったりして(笑)。受け入れないといけないものはどんどん増えていくんですよね、でも同時に、受け入れるとどんどん軽くなる気がしています。【次回に続きます。お楽しみに!】
2015年08月27日早いもので、2015年の夏もそろそろ終わりを迎えようとしています。みなさんにとってのこの夏は、はたしてどんなものだったでしょうか?私はというと、8月中旬に女一人、ポル・ポトによる虐殺の舞台となったプノンペンのキリング・フィールドとシェムリアップのアンコール遺跡をめぐろうと、カンボジアを旅行してきました。この夏の思い出は他にもいっぱいありますが、やっぱりこのカンボジアの旅がいちばんインパクトを残す出来事になったような気がします。一人旅は別に女をアゲないさて、旅行というのは基本的に趣味の範疇で語られるべきことです。行きたい人は行けばいいし、行く気が起こらない人は行かなければいい。しかし、ウザがられても尚語りたくなってしまう魅力というのが一人旅、特に海外の一人旅にはあると思うんですよね。もちろん、私は今回「一人旅は女をアゲる!」みたいなありきたりなことをいうつもりはありません。パリやロンドンならともかくカンボジアに行っても、汗と砂まみれになって腹を下して帰ってくるだけなので(すべて実話)、女はまったくアガりませんよ。私が同年代のアラサー女性に訴えたい一人旅の魅力とは、ずばり「少年の心が手に入る」こと。私の今までの旅行は欧米が中心だったので、いつもスーツケースをコロコロしながら行ってたんですが、今回は初の東南アジアということで、道が悪いだろうと思ってバックパックを背負って行ったんです。そしたらですね、これが実にしっくりくる、身体になじむ。バックパックを背負ってスニーカーの紐をキュッとしめると、なんというか、「よっしゃ!」って気持ちになります。わくわくが止まらなくて、そのまま校庭1周分くらい走ってきたくなる気持ち。まあ本質的にはバックパックじゃなくて、スーツケースでもボストンバッグでもなんでもいいのですが、これから行くところに自分のことを知っている人はだれもいなくて、言葉も満足に通じなくて、気を抜くと危険な目に遭うかもしれない。それってやっぱりめちゃくちゃ大冒険じゃないですか。たまに、自虐をこめて「あたし、中身はおっさんだから」という女性がいますが、バックパックを背負って一人旅をすると、外身はアラサーでも、中身は少年になれます。恋愛とか、結婚とか、キャリアとか、んなもんは全部どうだっていい!!ただこのまま走ってカブトムシを大量捕獲しに行きたい!!……実際はカブトムシを大量捕獲ではなくアンコール遺跡をめぐりに行ったわけですが、これほどまでに何の計算もなく、邪気のない純粋なわくわく感を抱ける機会って、一人旅でもないとなかなかないんじゃないかなあと思うんです。裸の自分の好奇心と向き合う私は今回、すっぴんで、「動きやすい」以外の機能を一切無視しためちゃくちゃダサい服で、雨のなかレインコートをかぶって遺跡の石の上をヒョイヒョイ移動しながら遊んでいたのですが、これ友人や恋人と一緒に来ていたら、同じことができたかどうか疑問です。自分のことを知っている、それも一緒に旅行をするくらいの仲の人であれば、少しでも良いところを見せたいですよね。きっと一人じゃなかったら、あんなネズミ男みたいな格好で、泥だらけになりながら大はしゃぎできなかったと思うのです。……「一人旅の魅力」について書こうと思ったのに「カンボジアめっちゃ楽しかった」という話で終わってしまいそうなので軌道修正しますが、アラサーとしてとか、女性としてとか、社会人としてとか、そんな訳のわからない鎧を脱ぎ捨てて、ただ純粋にわくわくすることを、少年のように心ゆくまで追求する。一人旅は、それができる滅多にない機会のように思います。裸の自分の好奇心と向き合えるせっかくの一人旅、「女をアゲる」なんて目的でしていたら、むしろもったいないんじゃないかなんて、私は思うのです。人はやっぱり、わくわくしながら楽しかった出来事を話しているときがいちばん魅力的だし、楽しかった出来事を語っている人の話は例外なく面白い。まあ、盛大に腹を下してトイレと往復しながらこの文章を書いている私が魅力的かどうかはまた別の問題ですが(これからお食事の方すみません)、もしこれを読んで「海外女一人旅、行ってみようかな?」って思ってくれた人が1人でもいたら、私はとても嬉しいです。いつかどこかで、そんな魅力的なあなたの旅の話、聞かせてくださいね。
2015年08月27日皇帝の側室ヒュッレムが愛した男は、皇帝の側近だった!?(c)『夢の雫、黄金の鳥籠』(篠原千絵/小学館 フラワーコミックスα)既刊7巻少女漫画の基本は、≪自分はフラフラしても、相手は自分ひとりに一途≫です。自分が男の排泄所になるというのが、女にとってもっとも屈辱なのです。だから、たいていの少女漫画に登場する男子は、主人公に対して誠実です。……という大前提を覆す作品が登場しました。『夢の雫、黄金の鳥籠』です。オスマン帝国の皇帝スレイマン1世の寵姫ヒュッレムを主人公にした歴史ドラマ。『天は赤い河のほとり』の作者が描くトルコもの第2弾です。『天河』は、主人公が架空の人物だったのでファンタジー色が強いのですが、今作は実在の人物が主人公。作者初の本格的な歴史物語と言えそうです。ヒュッレムはスレイマンの妾ですが、好きな人はスレイマンの小姓頭イブラヒムさまです。イブラヒムさま好き好きと思っているのに、夜のお伽はスレイマンさまなのです。Oh……。じゃあスレイマンさまがヒュッレムだけを愛する一途な人なのかというとそんなことはなくて、ハーレム持ってるスルタン(皇帝)です。一般的な少女漫画は、主人公はどっちの男にしようかフラフラしてても、男は主人公ひとりに命をかけなければいけないというのに、スレイマンさまときたら、よその女を孕ませてます。これ、現代だと「ごめん、彼女が妊娠したから、お前とは別れて彼女と結婚するわ」みたいな展開でしょう。おおお、女がもっとも体験したくないシーンですね。それでも、スレイマンさまは金髪をきらきらとなびかせてて、クールで物腰が柔らかでとてもかっこいいです。とてもハーレムでやりまくってる人とは思えません。実際に、トルコの軍事博物館でスレイマンの肖像画を見たときには衝撃でした。うん、お前ならハーレムに入り浸っててもおかしくない風貌だよ、ひげもじゃスレイマンくん!これ見て、改めて少女漫画って夢があっていいなと思いました。ちなみにけっこうお気に入りなのが、ヒュッレムのお小姓シャフィークです。耳が聞こえないため口がきけないんですが、寡黙に仕事をこなすところがステキです。話の長い男性があまり好きではないのでね……。イブラヒムさまももちろんかっこいいですね。奴隷からその才覚だけで出世をしたやり手です。自分を教育し、指針を与えてくれたイブラヒムさまを、ヒュッレムが慕ってしまうのもムリはないでしょう。腐女子向けにスレイマンさまとハマム(公衆浴場)でイチャイチャするところも見ものです。奴隷からハーレム、そして……逆境をのし上がるヒュッレムに学べこのストーリーをいいなと思うのは、ヒュッレムがたいそう勉強家だということです。人は誰でも年を取ります。老いるということは、美しさを失うということです。過剰に美しさにこだわるのは、失われていくものに追いすがり、勝てない戦を挑むようなものです。だって、どんなに若作りしたって、本当に若い人には勝てないんだから。だけど、手に入れたら一生失わないものがあります。それが知識です。でも知識を得ただけでは意味がありません。それをどう使うかが問題です。ヒュッレムはイブラヒムさまから与えられたチャンスを、自分の努力で活用していきます。少女漫画では時折、なんの努力もしないでなんとなく偉そうなこと言って偶然それが大当たりしてうまく行く浅はかなストーリーがあったりしますが、そういう話に騙されないようにしましょう。スレイマンさまは「わたしはオスマンの血族ゆえ皇帝などやっているがイブラヒムは違う、自分ひとりの才覚でその地位を手に入れた」と言っています。ヒュッレムもイブラヒムも、たいそうな逆境からのし上がっています。この話、けっこうなお説教ストーリーだと思うんですよ。つまり、親が貧乏でも学歴がなくても、スタートがマイナスでも、知恵と教養を身につければのし上がれるんです。それは現代でも同じでしょう。ヒュッレムは、自分が望んだわけではないけれど、ハーレムに入ることになりました。「そんなのいやだ」と言って拗ねるのは簡単です。でも、それでは天変地異並みのラッキーがなければ幸せにはなりません。いつかくるチャンスをものにするために、とにかく知識を頭に詰め込んで、自分の頭で考える。ヒュッレムがハーレムでのし上がっていくのは、容貌が美しいからでも、スレイマンに愛されたからでもなく、知恵と知識をフル活用しているからです。少女漫画特有の「甘さ」が控えめなところも好感が持てます。スレイマンはオスマン帝国の最盛期を作り上げたスルタンなので、お仕事がいっぱいで女とイチャイチャする時間はあまりありません。長期の遠征も当たり前。その間、ストーリーは「戦場でのイブラヒムの戦略」と「ハーレムでのヒュッレムの攻防」が交互に描かれていきます。少女漫画には珍しく、イブラヒムの魅力を描くために1巻ほぼ戦闘、みたいなこともあります。『ロードス島戦記』あたりの塩野七生先生の話を読むのが辛い人は、この作品でよいかもしれません。また、「ヒュッレムはこれからどうなるの?イブラヒムと添えるの?それともスレイマンさま?」とヤキモキしている方は、『寵妃ロクセラーナ』(渋沢幸子)を読んでみるといいかも。この漫画のベースとなっているように思います。それからヒュッレムは、「フルレム」と表記されることもあるようなので、調査中の方は情報お見逃しなく。ちなみに、イスタンブルには「ヒュッレム・スルタン・ハマム」というサウナがあります。もちろんこのヒュッレムのことで、建物は作品にも出てくる建築家シナンの設計です。現地で名前を見たときには大騒ぎしましたが、値段もスルタン級だったので、中だけ覗いて他のハマムに行きました。生ぬるいファンですみません……。Text/和久井香菜子
2015年08月26日今年1月2日にテレビ東京系で放送された『共感百景』において、独特の言語感覚とキャラクターを発揮し、「最優秀共感詩」を受賞して注目を集めたバンド“トリプルファイヤー”のボーカル・吉田靖直さん。そんな彼が、前作『おひとりさま』に引き続き、存在しない架空のニューアルバム『居場所』を妄想で制作。その収録曲を自ら解説していただきました。どんな曲なのか想像しながら、お楽しみください。こんにちは。トリプルファイヤーというバンドでボーカルを担当しております、吉田と申します。前回、『SOLO』の開設を記念して『おひとりさま』という架空のアルバムを制作させていただいてからはや数ヶ月、このたびセカンドアルバム『居場所』をリリースする運びとなりました。実際は存在しない力作『居場所』をリスナーの皆さまにより深く楽しんでいただけるよう、今回も簡単に曲を紹介します。Track01.この席しか空いてなかったから~最後に入店~大人数の飲み会においてもっとも判断力を試される状況といえば、入店してすぐ、自分の席を選ぶタイミングでしょう。適当に近くの卓に座ってしまった場合、「つまんねえ奴が来たな」と思われるリスクは避けられません。しかし、一番最後に入店すれば、席選びの選択肢がなくなり、自動的に自分の居場所を作ることができます。その卓で全く会話に入れなかったとしても、それは自分のせいではありません。ラストのサビで繰り返される「別に好き好んでこの席を選んだわけじゃねえし」の咆哮が耳に残る、珠玉の一曲です。Track02.その水はこちらに寄りすぎている席に仕切りのないラーメン屋や牛丼屋では、自分の居場所は自分で作り出さなくてはいけません。ボーッとしていると自分のスペースはなくなり、体を傾けたまま飯を食べざるをえない状況に追い込まれます。水を渡された時点から戦いは始まっています。「少しずつ水をむこうへ寄せるんだ偶然手が当たったかのように」の一節には、Vo.吉田のルーツであるパンクロックの闘争精神が色濃く反映されているといえるでしょう。Track03.俺はOBたとえば、サークルや部活のOBが打ち上げに遊びに来たら、実力や実績がなく、大して面白い話をしないOBだとしても、後輩は周りを取り囲み、盛り上げるのが普通です。しかし、昨今は伝統的な年功序列制度が崩れ、せっかくOBとして顔を出したにもかかわらず居場所がない、全く求められていないと感じられるケースも増えました。「遊びに来たよ」「先輩!先輩!」「遊びに来たよ」「先輩!先輩!」楽しい掛け合いで、本来あるべきOBの扱い方を提示するメッセージソング。Track04.クラスで一番エロい人勉強やスポーツ、トーク力などのアピールポイントがないと、クラスでの居場所がなくなってしまいがちな学生時代。しかし、そのようなわかりやすい長所がなかったとしても、性に関する知識を磨くことで一部の間で居場所を作り出すことはできる、そんなメッセージを込めました。「駅弁は知ってる?松葉崩しは知ってるかい?」まっすぐな問いかけが胸を打つ、新たなバンドの方向性を示した曲。Track05.行き場のない立食パーティー普通の飲み会以上に、自分の居場所を見出す難易度が高い立食パーティー。ちょっとでもつまらない話をするとすぐに見切りを付けられ、みんなどこかへ行ってしまいます。「ねえトイレに行くんじゃなかったのかい」繰り返すさびしげな歌をストリングスが盛り上げ、ライブで号泣するファンが続出しました。Track06.忘れないで~俺を介して知り合ったこと~自分を介して知り合った友人同士が仲良くなり過ぎて、自分が置いてけぼりにされている。3人で遊んでいても、自分の知らない2人の共通の話題ばかり話している。そのような状況に陥ったとき、人はどうすればいいのでしょうか。演奏の盛り上がりがピークに達した瞬間に突然挟み込まれる「そもそもどうやってお前ら知り合ったんだっけ!」のシャウトで、ハッとするリスナーも多いはず。人間の本質に深く切り込んだ力作に仕上がりました。実際は存在しないアルバムではありますが、今回もかなり聴き応えのある作品になったと自負しています。新たなフェイズに突入したバンドの充実ぶりを、ぜひ体感してください。Text/ 吉田靖直※編集部注:この曲目解説は、『SOLO』のために書き下ろされた架空の記事です。アルバム『居場所』は存在しないのでご了承ください。トリプルファイヤーの本当のニューアルバム『エピタフ』は、9月15日発売です。≪吉田靖直氏の連載&出演情報≫・『食べようび』(オレンジページ)に連載中・『EX大衆』(双葉社)に連載中・デイリーポータルZ『プープーテレビ』の「ともだち探そう」に出演中・9月12日(土)「共感百景」@北沢タウンホール出演≪トリプルファイヤーのライブ&リリース情報≫・9/15(火)ニューアルバム『エピタフ』発売(定価2,000円+税)ニューアルバム『エピタフ』・8/29(土)「トリプルファイヤー『エピタフ』先行即売会“夏のエピタフ祭り”」@新宿 LOFT BAR SPACE・9/19(土)ヤングパーソンクラブ自主企画「大感謝祭~トリプルファイヤー エピタフリリースツアー徳島編~」@徳島銀座CROWBAR・9/20(日)「セキ企画~NETWORK of FRIENDS vol.1~」@高知CHAOTICNOISE・9/21(月・祝)22(火・祝)「SHIMOKITAZAWA INDIE FANCLUB 2015」@下北沢(プロフィール)トリプルファイヤー吉田(vocal)、 鳥居(guitar)、山本(bass)、大垣(drums)からなる4人組バンド。2006年結成、2010年に現在の編成となる。2012年5月『エキサイティングフラッシュ』、2014年2月『スキルアップ』を発表する。 「高田馬場のJOY DIVISION」「だらしない54-71」などと呼ぶ人もいる。 ソリッドなビートに等身大の歌詞をのせていてかっこいい。人気がある。メンバーはみな性格が良く、友達が多い。Official web site
2015年08月25日元外資系バリキャリ不健康OL時代の反動で一転、東京砂漠の小さなマンションのベランダでハーブを育てはじめ、 ていねいな暮らしへとシフトした料理研究家・太田みおさん。とはいえ、独身の忙しい生活のなかで「“ていねいなごはん”なんか作ってる余裕ない…!」という気持ちも分かりすぎるほどよく分かるという太田さんが、おひとりさま女史のための、ちょっとおしゃれで気軽な週末ごはんを提案する連載です。(c)太田みお低カロリーなグラタンと冷えたシャンパン冷たいシャンパンが飲みたい!!うだるような暑さのなかで、朦朧と思い描くのは、昔からなぜか、冷えたシュワシュワなシャンパンと、ほくほくなグラタン。真夏にこの組み合わせ、パーフェクトな幸せをくれます。「美味しいものはカロリーが高い」その代表選手であるホワイトソースに、革命をもたらしてくれる今日のレシピ。それが、低カロリーな万能豆腐クリーム!バターを使った通常のホワイトソースや、生クリームよりも低カロリーなこのソースは、卵を加えればカルボナーラに使えたり、アンチョビを入れればバーニャカウダソースになったりと、優秀な万能クリームです。朝のとある情報番組で紹介されていたこの豆腐クリームをアレンジした、ヘルシーなグラタンレシピを紹介します。<豆腐クリーム> グラタン約2食分木綿豆腐 150g牛乳 200mlにんにく 1かけみそ 大さじ1/2塩 小さじ1/41. 木綿豆腐はまず500Wの電子レンジで2分加熱した後、ざるとキッチンペーパーを使って水切りする。2. にんにくは茹でておく。3. 水切りした豆腐、茹でたにんにく、他の材料全てを合わせてハンドミキサーで攪拌してできあがり。(c)太田みお"><ヘルシー豆腐クリームグラタン>材料 1人分じゃがいも 1/2個長ネギ 1/4本しめじ 1/4パック豆腐クリーム 適量とけるチーズ 適量(c)太田みお1. じゃがいもは皮をむき、5mm幅にスライスして、耐熱皿に並べラップをして、電子レンジで柔らかくなるまで加熱する。(目安は600W3分半)(c)太田みお2. 長ネギは芯を取り、長さ4cm幅5mm位に切る。3. しめじは手で切り離して、軽くゆでておく。(c)太田みお4. グラタン皿に、じゃがいも、長ネギ、しめじを入れて、豆腐クリームをたっぷりと注ぎ、チーズをトッピングしたら、オーブントースターで焼き色がつくまで焼く。みそとにんにくがポイントのヘルシーな豆腐クリームで作る、野菜のグラタン。やみつきになる美味しさですよ!今週末のおひとりさまごはんに、冷えたシャンパンとともにぜひ召し上がれ♪(c)太田みおText&Photo/太田みお
2015年08月25日優雅に過ごすおひとり生活を満喫しつつも、独身仲間から結婚報告が来たり、体調を崩してひとり自宅で病魔と闘ったり、ふと寂しくなったりしたとき、「結婚」の2文字を意識してしまうこともあるでしょう。でも、出会いがない。婚活もうまくいかない。そもそもフツウじゃ、いや。そんな、結婚にも自分なりのこだわりがあるおひとりさまの間で、今秘かに話題となっているのが、「島婚」なんです。島婚とその魅力(c)Nattuテレビの特番などでたまに見かける、「○○に住む男性とのお見合いパーティー」。地方の農村地帯や漁師の村へ婚活中の女性が赴き、現地に住む男性と婚活パーティーをくり広げるそれを、「島に住む男性」と行うのが“島婚”です。北は北海道から南は沖縄まで、全国各地の島で繰り広げられているんです。島婚の魅力は、なんといってもそのロケーション。海に囲まれた自然豊かな島に訪れるのだから、観光気分で足を運ぶことができます。婚活パーティーの内容も、海産物たっぷりのバーベキューやトレッキング、観光地巡りやクルージングなど、現地を楽しめる内容が満載なので、自然に男性と近づけるチャンスがいっぱい。一般的な婚活パーティーではなかなか積極的になれないおひとりさまでも、その開放感で飾らない自分を出せること間違いナシです。島ならではの結婚観観光気分で参加できるとはいえ、一番の目的は“婿探し”。近い将来、その島の住民になるかもしれないわけです。それでも多くのおひとりさまが積極的に参加する背景には、島ならではの結婚環境がありました。1、誠実な男性が多い都会の男性に比べ、派手な遊びをしたり異性との交遊関係が複雑だったりする男性が少ないのが、島男。のどかな環境で育ったことや、早くから家業に携わっていることなどが理由のようです。また、結婚後も家業の手伝いや家のことなどをしてもらわなければならない妻を、大切にしてくれる男性も多い様子。浮気やら派手な金遣いやら、都会の男性に泣かされてきた経験のある女性には、喉から手が出るほど欲する男性たちがそろっているのでしょう。自然の中で育っているため、体力や体型がワイルドなのも、魅力的です。2、子育てに向いている環境核家族化が進んでいる昨今ですが、島では昔ながらの「地域で子育て」が根付いています。近所のおじいさんやおばあさん、親戚のおじさんおばさんなど、たくさんの大人たちが子どもの成長を見守ってくれます。困ったときに手を差し伸べてくれたり、アドバイスをくれたり、心細くなりやすい子育てに身近な味方がいることは、とても心強いですよね。豊かな自然の中で育てられることも、情操教育にもってこい。都会では経験できないような「生きる力」を身につけさせられる環境がすぐそばにあるため、のびのびとした子育てができます。3、穏やかな時間の流れ都会では何かと追われて過ぎていく時間ですが、島には独自のゆったりとした流れがあります。「神経をすり減らし、重たい体を引きずって会社へ向かう毎日から解放されたい!」そんなおひとりさまにとって、島ならではの優雅な時の流れは、穏やかな生活の象徴ともいえるでしょう。ゆったりとした生活を送ることができれば自然と笑顔も増え、いつまでもラブラブな夫婦でいられそうですね。実際に訪れることで島の様子が手に取るように分かり、結婚後の生活も想像しやすくなるため、気に入った島での島婚に2度や3度赴く人も少なくないようです。自然豊かな環境で生活したいと考えているおひとりさまは少なくなく、地方に移住する女性も多い時代。そんな環境も手に入れつつ、生涯のパートナーも見つけることができる“島婚”が人気なのも、なんだか納得です。インターネットの普及で島生活でも買い物に困ることはなく、船や橋など環境設備の充実化で中心都市へのアクセスが便利な島も多く、生活していく上で思っているほどの不便さはないとのこと。リゾート気分を味わいながら優雅な時の流れの中で過ごす結婚生活に憧れるおひとりさま、“島婚”に参加してみてはいかが?Text/千葉こころ
2015年08月24日お酒と料理と食べ歩きをこよなく愛する、食ブロガーのツレヅレハナコさん。これまでにお店や料理研究家から教わってきたレシピは数知れず。彼女が紹介した「桃モッツァレラ(内田真美さんのレシピ)」や「味噌バター白菜鍋(重信初江さんのレシピ)」は、ネットで大きな話題となりました。そんなハナコさんが『SOLO』のために、夜遅く帰ってきて一杯やりたいとき、一人でもすぐに作れるおつまみと常備菜のレシピを教えてくれる連載です。(c)ツレヅレハナコ天ぷら粉で揚げ焼きの食感が格段にアップ! ひとり暮らしの家で揚げ物……。うーん、なかなかやらないですよね。揚げ物ばかり食べられない、揚げ油の処理が面倒、ガス台が汚れる、上手に揚がらない……などなど。わかります。私もホムパでもしない限り「揚げ物」はしません。でもね、うちには「天ぷら粉」が欠かせないのです!揚げ物はもちろん、揚げ物以外にも大活躍のすばらしい発明品。開発者の方にノーベル賞をあげたいわー(本気)。天ぷら粉とは、小麦粉にベーキングパウダーなどが混ぜられた粉。適当に水で溶き、食材をまとわせて揚げれば、誰でもカリッとふわっとした天ぷらを揚げることができます。超すごい。子どもの頃に死ぬほど読んで洗脳された漫画『美味しんぼ』には、「粉に氷水、卵を入れ、グルテンが出ないよう混ぜるのが職人のワザ」とか、しつこく書いてあったのに……。初めてこの魔法の粉を使ったときは、自分の腕が上がったと勘違いしたものです。実際、「昼の冷たいそうめん+冷蔵庫で余ってる野菜を適当に揚げた天ぷら」は、個人的「家で食べる醍醐味メニューベスト10」に入りますが、つまみでオススメしたいのは、天ぷら粉でつくる「おやき」。特に今なら、旬の枝豆やとうもろこしを天ぷら粉でまとめ、オリーブオイルで揚げ焼きにするだけでサイコーです。衣に包まれて加熱した夏野菜は甘みが倍増(もちろん他の野菜でもOK)。たっぷりの油がなくても、衣はふわっとカリカリ……天ぷら粉の懐の深さったら……!ちなみに、ささみや竹輪なんかも、同じ方法で焼くだけでワンランク上の仕上りに。ぜひ日本人の開発力を噛みしめながら、天ぷら粉を活用しましょう!「とうもろこしと枝豆のおやき」(c)ツレヅレハナコ(c)ツレヅレハナコ<材料>・とうもろこし・枝豆(それぞれ冷凍でもできますが、旬なら絶対に生のものがおすすめ!)・天ぷら粉(ここまで推しておいてなんですが、もちろん小麦粉や片栗粉でもつくれます。食感はだいぶ変わりますけども)(c)ツレヅレハナコ<作り方>1.とうもろこしは、ゆでるか電子レンジ(薄皮ごとラップに包んで5~6分)にかけて、包丁で実をこそげとる(甘さは劣る気がするけど、生のままでもいけます。ひげも捨てずにとっておきましょう)。枝豆もゆでて、実を取り出す。このとき、つまみ食い必至なので、材料は多めに用意するとよいかと。「もう、このままでいっかー」という誘惑に負けず、次の行程へ!(c)ツレヅレハナコ2.とうもろこしと枝豆を、それぞれボウルに入れる(とうもろこしのひげも刻んで混ぜるとうまい。とうもろこしと枝豆をミックスしてもOK)。このくらいの量で、それぞれに大さじ1くらいの天ぷら粉、同量の水を加えてよく混ぜる。(c)ツレヅレハナコ3.フライパンに多めのオリーブオイルを熱し、大スプーン1杯分ずつくらいの2を入れて、弱めの中火で焼く。(c)ツレヅレハナコ4.カリッと焼き目がついたら裏返し、2~3分焼いて取り出す。塩を振ったり、レモンを搾ったりはもちろん、以前にご紹介した「レンジ蒸し鶏のにんにくヨーグルトソース」のソースをつけても、めっちゃ合います。具は、コロコロに切ったかぼちゃ(軽くレンチン)、いんげん、ピーマン、玉ねぎなどでも。これも以前ご紹介した「にんじんの塩もみ」を同様に焼いてもイケる!ハムやちくわを入れるとボリュームもUPします。Text&Photo/ツレヅレハナコ
2015年08月21日時代錯誤なワンレン&ボディコンに身を包み、90年代バブル用語とアーパー(おバカ)な下ネタ全開のパフォーマンスで、今ギョーカイから大注目を集めている地下セクシーアイドルユニット“ベッド・イン”のかおり&ちゃんまい。ネクストブレイク確実の2人が、“自立した大人のナオン”を目指すバブリーな視点から、イマドキのトレンディな事象をあれこれ解釈しちゃう激マブな連載です!第9回:古いオンナちゃんまい、深夜アニメに初めてハマる~下ネタテロ全面支持!!の巻~エマニエル椅子で対面座位するのって案外めんどいヨね!いきなりあるあるネタかましちゃってメンゴな♡おはこんばんちわ!憧れの女性は峰不二子よりマチ子先生(タッチされても笑顔の「まいっちんぐ♡」で済ますスキモノ根性にシンパシー)!ないしは、いけなすぎるルナ先生!LOVE(ジュース)さりげなく、見知らぬ国のストリッパーこと、ちゃんまいダゾ☆おサセめさるな~♪平成のダーティペアとして宇宙恋愛(スペースファンタジー☆)を重ねながら、自慢の中出しめいこ的ベロで毎晩ロ♡ロ♡ロ♡ロシアンルーレットを楽しんでいる毎度おさわがせケバドル、ベッド・インのパイオツカイデ~担当が、今日も今日とて、愛をコキ戻すタフボーイたちに百裂締めを(北斗チン拳の継承者として)お見舞いしちゃうゾ♡みたいな感じで……今回もお送りしまぁ~す♡シクヨロ~!突然ですが……テニプリよりペニプリ(顔よりペニスに威厳のある中年王子様)!黒バスよりブラバス(草刈正雄ご用達の柑橘系オーデコロン)!銀魂よりキャンタマ!!弱虫ペダルより轟音バイブ!!艦これより膣トレ!!!そして、BLより快楽天を愛読しているトレンド逆行派のちゃんまいのハズなんですが、なんと!最近のいわゆる深夜アニメにズッポシ奥までハマっちゃったんDA・YO・NE~!その名も、『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』!!さて、どういったお話かと言いますと、16年前の「公序良俗健全育成法」の成立により、日本から性的な言葉・表現=つまり一切の下ネタが喪われた(禁じられた)世界が舞台。育成法施行後に生を授かった子供たちは、「赤ちゃんは真面目に愛し合っていれば自然とできる」と教え込まれて、具体的にはアレもソレもナニも知らず、腕と首につけられたハイテク端末により、スケベな単語は完全規制(違反者は弾圧・タイホ!)され、あたかも下ネタという概念そのものが存在しなくなったかのような表面上の理想郷(ナニがなんでヒワイで下ネタなのかすらわからないヤングたちだらけ!)が……実現されちゃってるんだなぁ~コレが。エロビデオは粉砕、エロ本は焚書!「例のプール」や「マジックミラー号」も爆破!な、やまだかつてないほどに真っ白でキレイな社会(実際はとんでもなく不健全!)に、真っ向から勃ち向かう下ネタテロリスト(ペロリスト)が登場!ユカイツ~カイに戦いを挑む……!!なんてサイコ~すぎるぶっとびぃ~な内容!!とにかく、この設定は本当にゴイス~ですよ!主人公の女性下ネタテロリスト≪雪原の青≫、これちゃんまいじゃない!?ってほど、自分がアニメになったみたいで本当にマンモスうれPすぎます……!!(詳しくはベッド・インのおツイ@bed_in1919をご覧ください!フォロワーが100人に満たないときから、ちゃんまいだけは下ネタと死語を広めるため、このテロ活動をたった独りで開始していたんだゾ♡みたいな♡)カマトトも恰好つけもやめて、さらけ出してイキまっしょい!まずこのアニメ、基本を押さえてるなぁって思うのが……土曜の深夜の放送なんですヨ!土曜の深夜といえば、お色気番組枠だしょ~!?平成女学院、ヒップでダダーン、水着でキスミー、殿フェロ(ちゃんまいが一番憧れているひな壇ギャルは「フェロモンズ」です♡)、そして、ギルガメ(個人的に瞳&イジリーの『MANGO NATA DE COCO』をデュエットしてくれるイキな白髪交じりのメンズをいつでも募集しています♡)ですよ!これらすべて土曜の夜中の番組ですからね!伝説の!あの頃は、テレビで下ネタを口走るのは当たり前だったし、そういった番組で幅をきかせていたスケべなチャンネーこそがアイドルだったワケ!伝説の!要するにバブルの時代や、その文化を引きずった時代ってのは、『下ネタという概念が天下をとっていた痛快な世界』だったのだと、声を大にして言いたいんですよ!そういったカラっとした“お色気”や“エロ”を至極まっとうに感じる番組や人物が存在したからこそ、世の中自体が日常的にスケベでデ~ハ~で(つまりは)楽しくて元気だったのではないでしょうか?今や深夜枠すら、ほぼほぼお色気番組が消えてしまい、実写もセル画もパイオツひとつそのまんまでは出せないなんて(別にビラビラとか栗とか栗鼠とか見せてるわけじゃないんだから……たかだか乳房の先っチョをホイチョイするぐらいでモザイクなんか必要ないじゃんねー?)。規制に関したら、もう現実もこのアニメの世界の一歩手前じゃないですか?なーんて不安に思ったりなんかしちゃったり。カマトトも恰好つけももうやめて、タレントも芸人もアイドルも声優もみんな、このアニメの革命戦士を見習ってですね、もうバンバンじゃんじゃん下ネタを口走ってったらいいんじゃないですかね?上のおクチでお嬢だん、かましちゃえばEんじゃないでしょうか!ちなみに、いくらオジサマ喰いのちゃんまいとは言え、呑みの席ですら気取りくさって下ネタのひとつも言わない言えないエセダンディ中年は、基本パスですからネ!!(ちゃんまいは童貞期間長めのオジサマがDAISUKI!なんだけど、当時の情けない性事情を恥ずかしそ~うに話されると下半身が本当にWinkしちゃいます……♡セキメ~ン////)みんな本当はスケベなくせに、恰好つけるなんてゲロゲロすぎだから~!恋愛なんて汚いところと汚いところの擦りつけ合いだとちゃんまいは思ってるので、それができないオトナなんて本当に不誠実だと思います。ちゃんまいは今後も徹底してさらけ出してイキますよ~!イキまっしょい!さぁ、何度でも言おう!女にも性欲……あるんだぜ♡清純ぶってるあのコも、ロリロリ売ってるあのアイドルも、目がハートどころか女性器に変わり、己のスケベに正直なチミのチンアナゴを……欲しがってるんだぜ☆た・ぶ・ん・ネ♪とにかく「下セカ」断固支持!実写化の際には是非、お声掛けおマンちしております♡<a href="" target="_blnak">(ちゃんまい)</a>※この連載は、益子寺かおりさんと中尊寺まいさんが交代で担当します。ベッド・インの最新おギグ情報♪・8/25(火)「おやすみホログラムVSベッド・イン 真夏の2マン(4まん)ライブ!!」@新宿LOFT・8/29(土)「とんぼり文化祭 2015夏 夏の忘れ物 ~NATSU NO WASUREMONO~」@大阪 Loft PLUS ONE WEST※ユニット形式で出演・8/29(土)「W.W.J 3rd Pan!c」@名古屋クラブブッダ※ユニット形式で出演・9/2(水)「「JET with RIOT!!」」@東高円寺U.F.O.CLUB※※バンド形式で出演・待望の2ndシングルが好評発売中!『♂×♀×ポーカーゲーム/消えちゃうパープルバタフライ』[CD+DVD]¥1,620(税込)・MOOSIC LAB 2015に主演映画が出品決定! 8/22(土)より東京・K’s cinemaにて順次上映サーモン鮭山+破れタイツ×ベッド・イン『101回目のベッド・イン』
2015年08月21日