家庭菜園も楽しいけれど、もっと土や畑に触れたい!という人が増えています。農家さんとの顔の見える交流や、仲間とつくるコミュニティファームなど。とくに海外では市民によるさまざまなムーブメントに! また6月21日には横浜で、都市の農をテーマにした「シティファーマーfes!」も開催。講演会や野菜マルシェが開かれます。『シティファーマー』、みんなで野菜を育てる町づくりカナダ・バンクーバーはじめ、カリフォルニア、ロンドンなど海外の各地で起こっている事例の数々を紹介している本が『シティファーマー』(白水社刊)です。そこでは、都会に暮らすジャーナリスト、ジェニファー・コックラル=キングが追いかけた、農園を通じた町づくり、コミュニティづくりが紹介されています。この本に登場するのは例えば、絶滅の危機に瀕したさまざまな種子を集め、ロンドンの空き地=屋根の上で屋上農園「空から採れる食べもの」を営む女性。ロンドンには約1万ヘクタールもの屋根が空いたままになっているのに目をつけるという、それこそ“すきま産業”的発想のベンチャーです。また、ダウンタウンの荒れた廃墟に農園を作り、農作業を通して地域の自立支援を促すバンクーバーの「ソウルフード農園」。アパートメントのベランダを利用して効率的な野菜作りを行うロンドンの「垂直菜園」など。ちょっとした発想の転換から、地域の課題解決が生まれる都市農業のあれこれ。私たちにも、できそう! と思える身近な場所での農コミュニティは、いろいろと参考になります。 畑のマルシェへ。新鮮野菜を求めてまた、とれたて新鮮野菜を食べたい! という人たちの間で人気となっているのがマルシェ。色とりどりの珍しい野菜や、種取りして育てた固定種、有機栽培や減農薬の野菜など、農家さんが愛情こめて育てた野菜が手に入るのも魅力です。そうした地元農家さんの野菜は、スーパーマーケットに並ぶ大量生産の野菜とは違う、野菜本来のおいしさが味わえます。「野菜嫌いの子供たちも、うちで作った野菜を食べると、おいしい!と喜んで食べられるようになるんです。野菜本来の味を伝えたいと思って作っています」そう語るのは、横浜で野菜作りを営む平本ファームの平本貴広さん。減農薬で育てた朝どれ野菜は、甘みがあって、自然を感じるみずみずしい味わい。地元の仲間たちと“はざわ育ち”という野菜ブランドを立ち上げ、マルシェなどに出しています。 横浜で農×ソーシャル! たねまるしぇそんな横浜で、農×ソーシャルなコミュニティ作りを目指す取組みも始まろうとしています。「シティファーマーfes! たねまるしぇ」というイベント。前出の『シティファーマー』訳者、白井和宏氏の講演や、若手農家代表、平本貴広さんらとのディスカッションなど。都市に暮らす私たちにできること、を探ります。会場のモンベル リーフみなとみらいサロンでは、農作業用のクールなワークウェアも紹介されるそう。 また、地元農家のとれたて新鮮野菜を直売する「たねまるしぇ」では、旬の野菜もいろいろ。はまふぅどコンシェルジュという横浜野菜の地産地消を後押しする女性たちが、野菜のアドバイスをしながら販売。おいしさの命のモト、種の展示なども行われます。「横浜は人口360万の大都市ですが、県内有数の農業生産地で、畑がそこかしこに混在しています。けれども今、担い手の高齢化による世代交代の時期を迎え、畑の存続が課題となる一方で、頑張る若手農家さんたちがいます。安心で、おいしい野菜がこれからも身近で作られるように、また私たち自身も農を通じてコミュニティを広げていけるように、こうした場作りでシティファーマーを楽しく盛り上げていけたら」とは、主催者の一般社団法人スマート・ウィメンズ・コミュニティ代表理事の東みちよさん。横浜だけでなく、全国各地で若手農家たちのさまざまな活動や、新しい形の農業・野菜づくりのムーブメントが動き出しつつあります。興味を持たれた方は、食べるだけじゃなく“作る、学ぶ、つながる、野菜のあれこれ”を体感できるイベントへ、足を運んでみてはいかがでしょう。「シティファーマーfes! たねまるしぇ」開催:2015年6月21日(日曜)時間:13:00〜15:30 (マルシェは10:30~17:00 なくなり次第終了)会場:モンベル みなとみらいリーフ店 2階モンベルサロン&1階フロア神奈川県横浜市西区みなとみらい4-6-5 リーフみなとみらい講座の参加費は無料 定員:50名お申込はHPより
2015年06月18日