1980年代末より多岐にわたる活動を展開してきた全方位的アーティストの宇川直宏が、2010 年に個人で開局した日本初のライブストリーミングスタジオ兼チャンネル「DOMMUNE(ドミューン)」。その13年分のアーカイブを振り返り、それらを題材とした美術作品を紹介する展覧会が、東京の練馬区立美術館で、9月10日(日)から 11月5日(日)まで開催される。宇川直宏(1968−)は、既成のファインアートと大衆文化の枠組みを抹消し、自由な表現活動を展開しているアーティストだ。その彼が開局した「DOMMUNE」は、毎夜、多種多様なトーク、DJプレイ、ライブやトークセッション等を世界に配信するメディアであり、宇川自身は、自身のスタジオで日々産み出される番組の撮影行為、配信行為、記録行為を、自らの「現在美術表現」と位置づけている。国内外の先端的なアートシーンに大きな影響を与えた「DOMMUNE」は、記録的なビューワー数を誇り、2011年には文化庁メディア芸術祭推薦作品に選出。2019 年には、リニューアルした渋谷PARCO内にスタジオを移転し、「SUPER DOMMUNE」の新名称のもとで、未来を見据えたアップデートを図った。2021年、宇川はその活動により、第71回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞している。「DOMMUNE」がこれまでの13 年間で配信した番組だけでも、約5000番組/約1万時間/150 テラを越え、トータル視聴者数も1 億人を超えるという。今回の展覧会は、その13年間分の膨大な番組アーカイブを一挙に紹介するものだ。また、アーカイブの映像を素材として、絵画や立体作品といった他のメディアに拡張・変換し、新たに創造した様々な作品も展示される。同展で特に興味深いのは、その映像を素材として新たな作品を生むにあたり、近年広く普及し始めた「ジェネレーティブAI」(クリエイティブな成果物を生成するための人工知能)による画像生成も取り入れていることだ。「描く」とは何か、作家や作品のあり方とは何かなど、美術の価値について問い直しも行う、今日的な問題を扱ったプログラムとなっている。なお、会期中は、美術館を舞台として、ライブ・ストリーミング配信も行われ、来館者も番組に参加することが可能だ。スケジュールについては、館の公式サイトでご確認を。<開催情報>『宇川直宏展 FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE』会期:2023年9月10日(日)~11月5日(日)会場:練馬区立美術館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜(9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)料金:一般1,000円、大高・65~74歳800円公式サイト:
2023年08月03日今や、求められるのは音質だけじゃない。より立体的に、音の世界に浸れる時代へ。新しい時代の音楽体験について、現代美術家、映像作家、VJの宇川直宏さんにお話を伺いました。メタバースやXRを駆使して音楽はさらに臨場感たっぷりに。コロナ禍によって大人数で集まることがタブー視され、ライブやフェスの開催手段を変えざるを得なくなってしまった音楽シーン。オーディエンスを入れてライブを行うのが難しくなる中、急速に拡大していったのが配信サービスだ。電子チケット販売プラットフォーム「ZAIKO」が有料ライブ配信のサービスを開始したことも大きな反響を呼び、有料で配信を観ることや、視聴時に投げ銭をすることが広く浸透していった。「ここ数年は、日本中のライブハウスやクラブから“配信のノウハウを教えてほしい”という連絡が来ましたよ。僕らもできるだけ力になりたいから、『DOMMUNE』で蓄積してきた配信システムの知識を託してサポートしてきました。エンターテインメントが一気にサイバースペースに押し寄せてきて、現実から避難しているような状態が長らく続いていましたが、今はウィズコロナ時代に差し掛かり、少しずつ付き合い方がわかってきたような。オンラインの中で生まれた流行がいったん落ち着き、フィジカルの価値が見直されつつあると感じます。ライブストリーミングが日常化したからこそ、“お金を払うなら身体体験として感じたい”という欲求が高まっているのではないでしょうか」ライブ配信の普及に伴い、より良質な映像と音を届けるためにさまざまなテクノロジーが誕生したが、もちろん観る側の環境も重要。大画面のテレビや高音質なスピーカーなど、自宅での視聴を楽しむためのデバイスがいっそう注目を集めた。「坂本龍一さんや山下達郎さんが配信ライブを行い話題となった『MUSIC/SLASH』は、高解像度・高音質の動画を届けられるプロミュージシャン向けの配信サービス。これを堪能するためには、自宅の視聴覚環境にもこだわりたいですよね。個人ユースのオーディオとして比較的手に入れやすいであろうヘッドホンも、ここ数年でかなり進化しています。なかでも感動したのが〈ソニー〉の『360 Reality Audio』認定ヘッドホン。専用のスマホアプリで自分の耳を撮影して送信すると、そのデータや使用するヘッドホン固有の音響特性をもとに最適化を行い、より立体的で臨場感のある音の体験を作ってくれるんです。例えるならば、頭蓋骨の中がクラブのフロアになるような感覚。これは、ここ数年で最も画期的なサウンドシステムと言っても過言ではないかもしれません」このような立体音響技術は、音楽だけでなくゲームにおいても活用の幅が広がっている。例えば、ゲーム内のどの位置にいるかによって聞こえる音が変化したり、移動することで音との距離も遠ざかったり。その技術を応用して、メタバースと「360 Reality Audio」を組み合わせれば、日本にいながら海外の音楽フェスを臨場感たっぷりに楽しめる日も近そうだ。「マスク着用義務やソーシャルディスタンシングが緩和された今、実在する空間を模倣してミラーワールドを作るより、現実世界を拡張した仮想空間を生み出そうという動きが強まってきています。先日、デジタルアートコレクティブ『METADIMENSIONS』が渋谷の街にARアートピースをちりばめて話題となっていました。これは、リアルな都市の上にデジタルレイヤーを重ねて、そこにコンテンツを展開するというもの。このARの仕組みを使えば、渋谷のスクランブル交差点を舞台に、普通に見ると単なるストリートだけど、スマホを通して見るとライブが行われている、という拡張構造が実現するわけです。移動するたびに違う映像と音が脳内に届く。そんな新しい音楽の楽しみ方が実現するのではと期待が膨らみますね」新しい時代の音楽体験を盛り上げる注目コンテンツ「MUSIC/SLASH」いつ、どこにいても上質なライブ配信を楽しめる。業界最高レベルの音質を実現した配信プラットフォーム。動画には視聴制限が設けられ、違法コピーからアーティストを守るためにデジタル著作権管理機能を搭載。複数ステージから同時配信されるコンテンツを自由に切り替えて視聴できるマルチ・タイムテーブル配信機能も発表されている。「ミュージシャンも認める高音質はさすがです」「360 Reality Audio」全方位から音が鳴る感覚はまさに“体感する音楽”。ボーカルやコーラス、楽器などの音源一つ一つに位置情報を付け、球状の空間に配置。生演奏に囲まれているかのような、〈ソニー〉の技術による立体的な音楽体験。対応の音楽ストリーミングサービスを通じて、体験可能。「アーティスト側も没入感をどう表現するかを意識して音楽を設計するので、昔からある曲でも聞こえ方がまったく違います」「METADIMENSIONS」いつもの場所が、まったく違う光景に!別のレイヤーを生み出す技術。空間をNFTで売買可能にする世界初のプロジェクトとして発足。都市を活用したXRコンテンツを展開し、リアルの体験価値を高める取り組み。2022年10月には、渋谷スクランブル交差点をXR化した「渋谷スクランブルレイヤー」が話題に。「移動する先々でさまざまなNFTに出合えるのが面白い。他のジャンルにも活用できそうな予感!」「emorip」音楽だけでなく、ガイド音声まで。街に根付くカルチャーをより深く知れる。位置情報と連動し、その場所に合った音声コンテンツや音楽を届けるアプリ。徒歩に適した街歩き版のほか、車などの移動にも対応。アプリの一般リリースは、2023年春を予定。宇川さんが渋谷を舞台に選曲と解説を担当した「渋谷オルタナティブカルチャーの源流」のように、土地によってナビゲーターが異なるのも楽しみなポイント。うかわ・なおひろ現代美術家、映像作家、VJ。映像やグラフィックデザイン、文筆業や大学教授など、幅広い領域で活動する。2010年に日本初のライブストリーミングスタジオ兼チャンネル「DOMMUNE」を開局。※『anan』2022年12月28日‐2023年1月4日合併号より。取材、文・大場桃果(by anan編集部)
2023年01月02日wahoo.tv(有限会社ジブトリマーズ)は、若き天才と呼ばれた刀鍛冶・吉原義一の生前から4年間、最後の作刀に密着したドキュメンタリー映像を本日2022年11月1日(火)に公開・DVDを発売いたします。刀鍛冶・吉原義一刀匠 鍛錬■刀鍛冶【日本刀鍛錬道場 吉原】について吉原一門の日本刀は、伊勢神宮の御神刀を3度も受け、日本のみならず海外においても高い人気があり、刀匠で唯一、アメリカ・ボストン美術館や、NYメトロポリタン美術館などにも買い上げられています。映画監督の<スティーブン・スピルバーグ>氏や<ジャッキー・チェン>氏も吉原の工房を訪ね、吉原の日本刀を注文した話は有名で、海外でも認知度・人気も高く、世界の名だたる著名人の訪問・注文も多数。■最後の蛙子丁子乱!作刀映像化プロジェクトの背景史上最年少36歳で刀鍛冶としての最高位「無鑑査」となった刀匠・吉原義一(よしはら・よしかず)。蛙子丁字と呼ばれる刃文が特徴的な義一の日本刀は、世界中のファンを魅了しました。その吉原義一の作刀を世界により広めたいと思い2016年から撮影をしていたものです。が、しかし、撮影中に癌を発病し、闘病中も作刀に励み、当作品となっている日本刀を完成させました。その直後の2018年、病気のため51歳で義一は他界。日本人の魂である日本刀として「千年も先の人々に受け継がれていくであろう」という思いを込めて、義一は、この刀に「一期一会」と銘を切りました。この義一の魂のこもった作刀・技術を「千年先に、刀と共に映像として残したい!」という想いから、最初で最後のドキュメンタリー作品とし、発売・配信します。刀鍛冶・吉原義一刀匠義一作「一期一会」■当作品は、「文部科学省 教育映像等審査」社会教育 青年向き・成人向き選定作品となり、映画祭に関しては、下記となりました。・iHollywood Film FEST <BEST International Documentary>(ハリウッド・米)・Cannes World Film Festival <BEST Educational Film>(カンヌ・仏)・Los Angeles Film Awards <Honorable Mention:Documentary Feature>(ロス・米)・HEART INTERNATIONAL ITALIAN FILM FESTIVAL <FINALIST>(イタリア)・New York International Film Awards <FINALIST>(NY・米)・CINEMAGIA Movie Awards <Official Selection>(イタリア)映画祭受賞月桂樹■当社は、義一が人生をかけた「日本刀」という日本の美、伝統文化がこの「一期一会」ともに未来へと繋げられればという想いで制作しました。また、クラウドファンディングCAMPFIRE様にて、製作費の一部を海外を含めた義一のファンの方々から支援を受けました。本日、11月1日からAmazon.co.jpでいち早く発売となります。 JANコード<4582143510210>オンデマンドでの視聴日本語版 有料配信(無料予告編あり) 英語版 有料配信(無料予告編あり) ■刀匠・吉原義一 1967年3月29日 - 2018年5月1日(享年51)無鑑査・刀鍛冶 吉原義一刀鍛冶の名門、吉原家に4代目として生まれた。父は、世界的に有名な無鑑査・刀鍛冶 吉原義人(よしはら・よしんど)。曾祖父は、1940年当時「現代刀匠人気大番付」で、東の横綱とされた刀匠界の重鎮、初代・吉原國家(よしはら・くにいえ)。18歳で刀鍛冶として修行に入り、わずか5年という最短の修行期間で刀匠としての難関に合格。初出品した新作名刀展では「努力賞」と「新人賞」を受賞、その後、快挙と言われる10年連続の特賞を受賞。「高松宮賞」も3度受賞。36歳の時、刀剣界の最高位、「無鑑査」となった。これは、史上最年少での無鑑査認定となり、この記録は未だ破られていない。さらに、42歳の時、東京都葛飾区の指定無形文化財にも認定。義一は、日本が誇る伝統の日本刀文化を受け継ぐ若きリーダーだった。■義一丁子「蛙子丁子乱」義一は、「蛙子丁子」(かわずこちょうじ)という刃文を得意とする。「蛙子丁子」とは、おたまじゃくしの形に似た丁子乱れ刃で、平安時代から室町時代の備前伝の特徴的な刃文。丁子乱れとはスパイスとしても使われる植物・丁子(clove)の実の形からきている。■wahoo.tvについて有限会社ジブトリマーズのDVDレーベルおよびドメイン名。2005年より日本文化を世界に発信することを思い描き設立。主な作品は、にっぽんむかし影絵ばなしをはじめとする知育影絵シリーズ。ネイチャードキュメンタリーとして、世界的に有名な雪の中で温泉に入る日本猿を追った「雪猿」。四国お遍路さんの文化を弘法大師の足跡をもとに巡った「四国遍路寺」シリーズ。「雪猿」「四国遍路寺」は、地上波、BS、CS放送にて国内全国放送。「雪猿」は、シンガポールやアメリカPBSなどでも上映・放送。作品公式Facebook : wahoo.tv : 有限会社ジブトリマーズ: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月01日wahoo.tv(有限会社ジブトリマーズ)は、若き天才と呼ばれた刀鍛冶・吉原義一の生前から4年間、最後の作刀に密着したドキュメンタリー映像作品を2022年11月1日(火)よりDVD発売・配信します。刀鍛冶・吉原義一刀匠刀鍛冶・鍛錬する吉原義一刀匠■刀鍛冶【日本刀鍛錬道場 吉原】について吉原一門の日本刀は、伊勢神宮の御神刀を3度も受け、日本のみならず海外においても高い人気があり、刀匠で唯一、アメリカ・ボストン美術館や、NYメトロポリタン美術館などにも買い上げられています。映画監督の<スティーブン・スピルバーグ>氏や<ジャッキー・チェン>氏も吉原の工房を訪ね、吉原の日本刀を注文した話は有名で、海外でも認知度・人気も高く、世界の名だたる著名人の訪問・注文も多数。■最後の蛙子丁子乱!作刀映像化プロジェクトの背景史上最年少36歳で刀鍛冶としての最高位「無鑑査」となった刀匠・吉原義一(よしはら・よしかず)。蛙子丁字と呼ばれる刃文が特徴的な義一の日本刀は、世界中のファンを魅了しました。その吉原義一の作刀を世界により広めたいと思い2016年から撮影をしていたものです。が、しかし、撮影中に癌を発病し、闘病中も作刀に励み、当作品となっている日本刀を完成させました。その直後の2018年、病気のため51歳で義一は他界。日本人の魂である日本刀として「千年も先の人々に受け継がれていくであろう」という思いを込めて、義一は、この刀に「一期一会」と銘を切りました。この義一の魂のこもった作刀・技術を「千年先に、刀と共に映像として残したい!」という想いから、最初で最後のドキュメンタリー作品とし、発売・配信します。義一作刀「一期一会」■当作品は、「文部科学省 教育映像等審査」社会教育 青年向き・成人向き選定作品となり、映画祭に関しては、下記となりました。・iHollywood Film FEST <BEST International Documentary>(ハリウッド・米)・Cannes World Film Festival <BEST Educational Film>(カンヌ・仏)・Los Angeles Film Awards <Honorable Mention:Documentary Feature>(ロス・米)・HEART INTERNATIONAL ITALIAN FILM FESTIVAL <FINALIST>(イタリア)・New York International Film Awards <FINALIST>(NY・米)・CINEMAGIA Movie Awards <Official Selection>(イタリア)映画祭受賞月桂樹■当社は、義一が人生をかけた「日本刀」という日本の美、伝統文化がこの「一期一会」ともに未来へと繋げられればという想いで制作しました。また、クラウドファンディングCAMPFIRE様にて、製作費の一部を海外を含めた義一のファンの方々から支援を受けました。11月1日からAmazon.co.jpでいち早く発売となります。(近日情報公開) JANコード<4582143510210>オンデマンドでの視聴日本語版 有料配信(無料予告編あり) 英語版 有料配信(無料予告編あり) DVDジャケット刀匠吉原義一■刀匠・吉原義一 1967年3月29日 - 2018年5月1日(享年51)無鑑査・刀鍛冶 吉原義一刀鍛冶の名門、吉原家に4代目として生まれた。父は、世界的に有名な無鑑査・刀鍛冶 吉原義人(よしはら・よしんど)。曾祖父は、1940年当時「現代刀匠人気大番付」で、東の横綱とされた刀匠界の重鎮、初代・吉原國家(よしはら・くにいえ)。18歳で刀鍛冶として修行に入り、わずか5年という最短の修行期間で刀匠としての難関に合格。初出品した新作名刀展では「努力賞」と「新人賞」を受賞、その後、快挙と言われる10年連続の特賞を受賞。「高松宮賞」も3度受賞。36歳の時、刀剣界の最高位、「無鑑査」となった。これは、史上最年少での無鑑査認定となり、この記録は未だ破られていない。さらに、42歳の時、東京都葛飾区の指定無形文化財にも認定。義一は、日本が誇る伝統の日本刀文化を受け継ぐ若きリーダーだった。■義一丁子「蛙子丁子乱」義一は、「蛙子丁子」(かわずこちょうじ)という刃文を得意とする。「蛙子丁子」とは、おたまじゃくしの形に似た丁子乱れ刃で、平安時代から室町時代の備前伝の特徴的な刃文。丁子乱れとはスパイスとしても使われる植物・丁子(clove)の実の形からきている。■wahoo.tvについて有限会社ジブトリマーズのDVDレーベルおよびドメイン名。2005年より日本文化を世界に発信することを思い描き設立。主な作品は、にっぽんむかし影絵ばなしをはじめとする知育影絵シリーズ。ネイチャードキュメンタリーとして、世界的に有名な雪の中で温泉に入る日本猿を追った「雪猿」。四国お遍路さんの文化を弘法大師の足跡をもとに巡った「四国遍路寺」シリーズ。「雪猿」「四国遍路寺」は、地上波、BS、CS放送にて国内全国放送。「雪猿」は、シンガポールやアメリカPBSなどでも上映・放送。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年10月20日「携帯電話が睡眠の質を下げる」という話を聞いたことはないでしょうか?実は、携帯電話と睡眠については、さまざまな機関で研究が行われていて、携帯電話が睡眠の質を下げるという説も、下げないという説もあるのです。それぞれの内容をご紹介します。携帯電話の電波は睡眠の質とは関係ない?携帯電話の普及が急激に進み、1人1台持っているのが当たり前の時代となりました。実際に、総務省が2014年に発表した「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成25年度第四四半期(3月末))」によると、携帯電話の普及率は112.5%にもなるそうです。そんななか睡眠不足に悩む人が増加し、「携帯電話の電波が睡眠の質を下げる」という説が浮上しました。そこで、その真相を解明するために、福島県立医科大学神経内科の宇川義一教授を中心にしたグループが調査研究を行いました。その結果、携帯電話の電波が睡眠不足を招くわけではないことが明らかになったのです。これは、携帯電話の電波に焦点を当てた研究なので一概には言えませんが、携帯電話が睡眠の質を下げるという説は一部否定されたことになります。それでもやっぱり睡眠の質低下の原因に?総務省が携帯電話の普及率を発表した同年、厚生労働省は、寝る前の携帯電話の利用に対し、注意喚起を促しました。つまりここでは、携帯電話が睡眠の質を低下させると考えられているのです。実際にアメリカのレンセラー工科大学は「就寝前にバックライトディスプレイを見続けると睡眠の質に支障をきたす」と発表をしています。これは、画面から発せられる光によって、「メラトニン」という生体リズムをコントロールするホルモンが抑制されてしまうからだそう。先ほどご紹介した研究で、携帯の電波には問題がないと分かったものの、後者の研究結果では、就寝前の利用はできるだけ控えたほうがよいということになったのです。携帯電話の利用そのものには問題ない!?携帯電話の電波が睡眠に影響しないと明らかになった一方で、就寝前の利用は睡眠の質を低下させるという報告もあり、どちらを信じればよいのか混乱する人は多いかもしれません。ただ、結論から言えばどちらも真実です。実は、携帯の電波の研究で行われた被験者アンケートでは、「携帯電話の使用時間が長いほど睡眠の質が低下する傾向がある」との結果も示されているのです。つまり、利用時間の長さや時間帯によって睡眠の質は低下する可能性があり、携帯電話の利用そのものが睡眠に影響を及ぼしているわけではないということ。気を付けるべきなのは、長時間利用しないようにすることなのです。あまり気に病んでしまうとストレスがかかり、かえって不眠になる可能性もあるので、使うのをやめるのではなく、できるだけ短時間の利用に抑え、快適な睡眠ライフを送るようにしましょう。photo by pixabay
2015年07月09日