映画『グッモーエビアン!』主演の麻生久美子と大泉洋が12月3日(月)、都内で開催された本作の学生限定試写会の舞台挨拶に登壇。2人は高校生たちの悩みや質問に答えた。まるで友達のような関係のアキとハツキの母子家庭に、かつてアキと共にバンドを組んでおり、海外を放浪していたという怪しい男・ヤグが転がり込んできたことから巻き起こる騒動をユーモラスに描き出す。壇上に登場した2人は、高校生たちの熱烈な声援に驚いた様子。麻生さんは制服姿の高校生たちを見て「かわいい!テンションが上がります」と上機嫌だったが、大泉さんは「誤解を恐れずに言いますと、僕は学生という生き物が好きじゃないです。怖いです…」と大胆告白。それでも客席からは「洋ちゃん!」などと歓声が上がり、大泉さんは苦笑交じりに手を振って応えていた。最初の相談は高校2年生の女の子の「将来が見えず不安」というもの。大泉さんは「16歳?それで(将来が)見えるはずないですよ。僕はその頃、将来のことなんて考えようともせず、夢も希望も持ってなかった。やりたいことはそのうち見つかるから焦ることない」と諭す。さらに2浪の末に希望の東京の大学に進学できなかったことを「僕にとって人生で唯一の挫折」と明かしたが、そこで演劇研究会に入ったからこそ現在の俳優活動があるとも。「その経験があるから、どんな最悪な出来事も必要なことだと思える」と語った。「幼稚園のときからアイドル歌手になるのが夢だった」という麻生さんは、「タレント募集」という求人広告に応募し芸能事務所に所属するも「歌手はやっていない事務所だった(苦笑)」と残念なエピソードを披露しつつ、それがきっかけで女優の道を歩むことになったことを明かした。「最近、『夢がない』という人が多いようですが、それでもいいと思います。流れに身を任せてみるのも一つの方法です」と説いた。続いては「2人にとって家族とはどんな存在か?」という質問。大泉さんは「僕は昔から全然遊ばないし、飲みに行ったりもしない。ウチが好きなんです。だから仕事が終わって早く家に帰って(妻と子供と)一緒にいられればそれでいい。僕が携帯なら家族は充電器」と粋な表現で歓声を浴びた。麻生さんは妊娠4か月のときに本作の撮影に臨み、撮影後に出産した。「私はネガティブな面があるので、家族に癒してもらって元気になれるところがあります。いまは子供が生まれて家族丸ごと私が守りたいっていう気持ちです」と出産後の心境の変化も明かし、力強い“母”の一面を覗かせた。最後に、麻生さんは改めて学生たちに向け「私自身は正直、学生時代は苦しかったです。いまそう思っている人もいるかもしれませんが、大人になると楽しいことがたくさんあります。いま考えると世界は広いんだな、自由で楽しいなと思います」と未来への“希望”を語りかける。大泉さんも「冗談のように思っていること、できるわけないと思っていることをやってみたらいいかもしれません。大事な人を見つけていい家族を作ってください」と“学生嫌い”を公言しつつも、若者たちにしっかりとメッセージを託し、会場は熱い拍手に包まれた。『グッモーエビアン!』は12月15日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。■関連作品:グッモーエビアン! 2012年12月15日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2012『グッモーエビアン!』製作委員会
2012年12月03日毎回公演の度に注目を集める劇団・ハイバイの岩井秀人。自身の引きこもり体験を描いた『ヒッキー・カンクーントルネード』は彼の代表作であり原点だ。この作品のその後を描いた新作『ヒッキー・ソトニデテミターノ』で岩井が初めて東京・PARCO劇場に登場する。稽古場でキャストの吹越満、古舘寛治、チャン・リーメイに話を訊いた。『ヒッキー・カンクーン~』のラストで家の外に出てみようと決意した主人公が、今作では引きこもり支援団体のメンバーとして、様々な人に対峙していく。吹越は自身の演じる役について「僕って意外と、今までこんなに華奢で弱々しい役をやったことがないんです。岩井さんに僕の存在感のなさが見抜かれているってことですね」と語ると古舘、チャンともに「吹越さんが存在感ないわけないじゃないですか!」と反論。それに対し吹越は「いや、居酒屋で声が通らない」と笑わせた。この作品を「終わりに向かっていく感じがシックで、10月にぴったり」と独特の表現で評した吹越。古舘が「扱っている題材は決して軽くないのに、セリフのやり取りにユーモアがある。これぞ岩井節だなあと感じた」と言葉を継ぐと、チャンが「前作が問題提起だとしたら、今作でその問題をより深く掘って行くのかと思いきや、意外とお祭りみたいに楽しめてしまう」と語り、吹越が「秋まつりだね」とまとめた。稽古場に岩井が登場するや、声をかけずとも控えテーブルに自然と集まるキャスト。すでに何度も繰り返しているはずの吹越の登場シーンでスタッフの間からクスクスと笑い声が聞こえる。引きこもり支援団体の吹越とチャンが、引きこもり20年選手である古舘と掛け合うシーンでは、特に何度も繰り返しセリフの言い方やテンポを確認する岩井。古舘に対する「もっと強く」という指示に、キャストやスタッフから「シェイクスピア劇!」と声がかかる。古舘がわざとらしいまでに朗々とした声でやってみると、稽古場は爆笑。笑いながらも岩井の細やかな指示を役者たちが即座に反映し、繊細なニュアンスを構築していく。吹越はこの作品について「芝居と呼ぶと何かがこぼれてしまう。何の役にも立たない、けれどとても好きで大切な置物やぬいぐるみ。そんなものが1か月PARCO劇場に存在すると思ってください」と語った。そんな新たな言葉で表現される舞台を、楽しみに待ちたい。PARCO劇場にて10月4日(木)から14日(日)まで上演。チケット発売中。取材・文:釣木文恵
2012年09月28日岩井俊二監督の最新作で全編英語で外国人キャストを中心に製作された『ヴァンパイア』が、9月15日(土)についに日本で公開。東京・渋谷のシネマライズで行われた舞台挨拶に岩井監督と日本から本作に参加した蒼井優が出席した。自殺願望を抱える少女たちと彼女たちの血を欲する高校教師の姿を描いた本作。岩井監督にとっては『花とアリス』以来、8年ぶりの長編劇映画であり、蒼井さんと共に舞台挨拶に臨むのも同作以来。岩井監督は「気がつけば8年のブランクがあり、自分の中では休んでたわけではなく、駆け抜けていたんですがお待たせしました」と映画の公開を待ちわびたファンを前に挨拶。昨年、発生した東日本大震災に触れ「被災地(宮城県)の出身ということもあり、去年は『自分にやれることをやろう』という思いでこの映画の公開を後ろ倒しにしました。やっとここまで来れたという思いです」と感慨深げに語った。蒼井さんは、人生初のベリーショートのヘアスタイルを初めて公の場で披露。本作への出演は「大河ドラマの撮影の最中で2泊しかできず、楽しいだけではなく眠かったんですが(笑)、いまだに夢だったのではないかと思います。映画が公開になると言われても実感のない、幸せな時間でした」と笑みを浮かべる。2人の関係の始まりは、蒼井さんの映画デビュー作『リリイ・シュシュのすべて』まで遡る。この10年ほどの間での互いの変化について尋ねると、岩井監督は「いろんな成長はしてるんでしょうけど、魂のど真ん中付近は変わらない子だな、と会うたびに感じます」と語る。一方、蒼井さんは岩井監督について「変態度に拍車がかかった」と語り、この新作についても「かなり変態な映画になってます」とユーモアたっぷりにアピールした。これに対し岩井監督は「蒼井さんとは不思議な縁がある」と言い、「僕の作る映画の変態な部分に食いついてくる」と蒼井さんも同様に変態であると指摘する。蒼井さんはすでに今後、映画化予定の岩井監督の手がける新作の脚本に目を通したそうだが「これもかなり変態で面白かったですよ」とすかさず反撃。壇上で互いに“変態”のレッテルをなすりつけ合い笑いを誘っていた。蒼井さんは久々の岩井作品出演について改めて「“監督”岩井俊二さんを見られたのが泣けるぐらい嬉しかった。早く長編映画を観たいと思ってたので、まさかその場に自分がいられるとは思わず、本当に嬉しかったです」と感激を口にする。さらに「こういう作品は作りづらいという現状があります。これが失敗でもしようものなら、これからさらに作りづらくなってしまいます。さらなる変態映画のためにみなさんのお力をお貸しください!」と呼びかけた。同世代の上戸彩が昨日、「EXILE」のHIROとの結婚を発表したこともあり、去り際には報道陣から交際中の俳優・鈴木浩介との結婚について質問が飛んだが、蒼井さんは「うふふ」と笑みを浮かべて劇場を後にした。『ヴァンパイア』はシネマライズほか全国にて公開中。■関連作品:ヴァンパイア 2012年9月15日よりシネマライズほか全国にて公開© 2011 Rockwell Eyes, Inc. All Rights Reserved.
2012年09月16日脚本から監督・音楽・撮影・編集・プロデュースに至る1人6役を務めた、8年ぶりとなる最新長編映画『ヴァンパイア』について、“変態な純情映画”と自ら称す岩井俊二監督。瑞々しい美しさと毒気が同居する独特の世界観が映画ファンを魅了してやまない彼が“ヴァンパイア”を描く、と聞いたら気にならずにはいられない。本作で監督が目指したものとは――?女優・玄里が映画の“創り手”の素顔に迫る!第1弾は、岩井監督との対談をお届けします。玄里:初めて監督とお会いしたのは昨年の釜山国際映画祭でしたよね。ちょうどそのとき『ヴァンパイア』を出品されてたんですよね?岩井:そうそう、映画祭を回り始めたのが(昨年の)1月からだったから、作ってからずいぶん経つね。玄里:今回、カナダのバンクーバーで撮影されて、日本から少人数のスタッフで撮影を行ったと以前に話されていたと思うんですけど、監督は脚本から撮影まで…6役こなすのは大変ではなかったですか?岩井:実際はストーリーボードを書いたり、デザインもやったりしてるからもう少しやってるんだけど、いつもと違うのは自分でカメラを回すというところだけで、あとは大体いつもと同じ感じで、自分で企画して、本書いて、撮って、編集して仕上げていくっていう。映画1本を自分でこなすというのは学生時代以来だね。玄里:カメラを回すのは楽しかったですか?大変でした?岩井:大変だね。全部自己責任で、自分でフォーカスを送らなきゃいけないから、間違えたら自分のせいになるというね(笑)。すごく緊張感があった。玄里:主人公の男の子(サイモン)の服が岩井監督の私服に似てるなって思ったんですけど(笑)、偶然ですか?西洋人なんだけど、西洋人ぽくないというか。岩井:自分が着るものもそうだし、マットなものが好きだったり、多少抽象的なところがいいんだろうね、物語を遮らなくて。オレっぽかったとか、オレに似てると言う人が多いんだけど、そうなのかなと思うんだけど…。ケヴィン(・ゼガース)はどちらかというと素朴なタイプの子じゃなくて、トム・クルーズみたいな系統の印象があったから。この話は派手なところが出ちゃうのは違うから、そこはもっとギークな感じでやろうと話して作り上げていったんだ。やっぱり自分の中では、そんなに自分っぽくやったつもりはないかな…?玄里:たぶん、話し方とか似てるんですよね。例えば、保健室で蒼井優ちゃんが自殺未遂をした後に慰めるシーンで、「君の体の中には細胞がいくつもあるから、それを生かしてあげなきゃいけない」という台詞が印象的で。以前、私が車の運転が下手なのを相談したときに「ニシキヘビに雁字搦めになるより、熊に襲われるよりいいじゃん」みたいなことを監督が言ってたの覚えてます?何かそのときを思い出したんです。岩井:そうだっけ(笑)?確かに、あれは自分っぽいかもしれないね。今回、『ヴァンパイア』の小説で、主人公の脳の中を語っている話を書いてるんだけど、“血を飲みたい”という衝動がどこから来ているのか、その衝動のゆくえがどこにあるかって辿ると命とか宇宙とかなのかな、みたいなことが展開されるんだよ。彼の衝動って、男性にとっては性欲のメタファーだったりするから、男の人は自然にあの一連の行為を「ああ、そういうことなんだな」って感じると思う。玄里:血を飲むという行為がですか!?岩井:あそこまでして血を飲んだのに吐いちゃって、吐いたらすっきりして小便して去っていくという。あのあっけなさが男性は変なところで合点がいく造りになっていて、なぜ彼が血を飲みたいのか分からないけど、“上がって降りていく”一連のパターンが男性だと分かるんだよね。女性でも分かるのかな?玄里:血を飲む…うーん。岩井:何かに取りつかれたようになるんだけど、何かが満たされると急に興味がなくなったり。でも何かすると、また火が付いてしまったりとか。こういうパターンってあるよなという。玄里:なるほど。じゃあ、主人公ももしかしたらいずれか血を飲むことに満足して、血はもういいやってことになるかもしれないってことですね。岩井:女の子の前で話すと照れるんだけど、男を主人公にすると男のどうしようもないダメな部分を描きたくなるんだよね。真面目ぶって立派な人を描く気持ちになれなくて。社会的にとか人間性とかじゃなくて、根源的にオスであるという。そこまでいくと自分も安心して受け入れられるというか…。自分の作品の中で立派な人とか、ちゃんとしている人ってあまり出てこないんだよね、バカな人ばかり出てくる。今年は『番犬は庭を守る』、『ヴァンパイア』と男性の主人公が続いてるけど、それを女性にするときもあって。自分の中ではどっちも自分のエッセンスが入ってるから、そんなに大差ないんだけどね。だけど、観る側に偏見があって、男がやると許されなくても女の子だと許されることもあるんだよね。例えば『四月物語』の主人公(松たか子)を男にしちゃうと、危ないストーカーに見えちゃうしね(笑)。玄里:あくどい感じになりますね。岩井:そうなの、男からすれば不公平だろって話なんだけど。『ヴァンパイア』もその気になれば主人公を女の子にできるよね。元々、吸血鬼・カーミラという代表的な古典の吸血鬼ものがあって、それは女の子が男の子を狙う話だし、『ぼくのエリ 200歳の少女』もそうだよね。玄里:岩井監督は元々ヴァンパイア映画は好きなんですか?岩井:子供の頃は、夏になると必ず洋画劇場とかで『吸血鬼ドラキュラ』のシリーズをやっていて、夜9時の時間帯で、ただでさえ白人が出てくると怖いわけよ。見慣れないし、血を吸ったりしてるから、ヴァンパイア映画を観るとそれが頭の中で循環しちゃって、洋画を観れば観るほど白人が怖くなってくるというスパイラルに入ってて、とにかく怖かったね。そうこうするうちに『エクソシスト』が出てきて。ラブストーリーとか、何も起きないものを観てても急にガッとやられるんじゃないかって。玄里:いつか牙を出すんじゃないかって(笑)。岩井:それが大学のときに萩尾望都さんの「ポーの一族」という漫画を読んで、それは漫画の中でベスト5に入るくらい大好きな作品なんだけど、これは吸血鬼の不老不死をテーマにしているんだけど、それに憧れて、友達と自主映画でそういう映画を作ったことがあるの。その頃からヴァンパイア映画に一方ならぬ思い入れがあって、プロになったら作ってみたいなと思ってたんだけど、プロになってからはまだ誰も作ったことがないような、ヴァンパイア映画って呼んでいいのか分からないくらいのものを目指したくなったんだ。ヴァンパイアじゃないから『ヴァンパイア』というタイトルなんだよね。『ヴァンパイア』というタイトルをつけたいから、ヴァンパイア映画じゃないものにしたかったというか。この映画は自分の中では、コメディのつもりなんだ。玄里:最後のシーンとか…?岩井:それもあるし、見えない美しい世界を追い求めていけばいくほど、逆の結果が待ち受けているという、そんな世界を描いてる、ある種のブラックコメディなんだよね。そう見ると、非常に不謹慎なことばかり描いてる作家なのかもしれないけど。ユーモアも含めて、不謹慎は大事だと思う。マス目だけで作ってても楽しめないからね。■関連作品:ヴァンパイア 2012年9月15日よりシネマライズほか全国にて公開© 2011 Rockwell Eyes, Inc. All Rights Reserved.
2012年09月14日岩井俊二監督の8年ぶりとなる最新作『ヴァンパイア』の公開を記念して、岩井監督が描いたストーリーボードやポスターなどを展示する“岩井俊二祭り”が代官山蔦屋書店で展開されている。5日には、同店で岩井監督と著述家の湯山玲子氏によるトークショーが行なわれ、岩井監督のサイン会も実施された。その他の写真カナダを舞台に全編英語で撮りあげた本作は、血を飲みたい欲求を抑えられない高校教師と自殺志願の少女たちの不思議な関係性と恋を描く。主演をケヴィン・セガーズが務めるほか、蒼井優やレイチェル・リー・クック、クリスティン・クルックらが出演している。トークショーでは、湯山氏が、「なぜ本作で“ヴァンパイア”をネタにしたのか」と聞くと、「これだけたくさん(作品が)ある“ヴァンパイア”というジャンルの中で、誰も作っていないものをみつけたんです。10年くらい前、『リリイ・シュシュのすべて』を書く前にみつけました」と明かす岩井監督。そもそも、映画『ヴァンパイア』は、岩井監督著作の同名小説をもとに製作された作品。「小説で描けることと、映画で描けるところは自分の中で違います。小説のもてるダイナミズムを損なわずに、映画にしていって、映画のなかでも良いペースのものをつくりたいと思うと、そんなに長いものは作れないです」と、実写化するにあたっての苦労を吐露した。また、本作にはケイシャ・キャッスル=ヒューズをはじめ、多くの女優が出演しているが、それに対して岩井監督は、「今回の女優さんは、ケイシャ・キャッスル=ヒューズも、クルックも、実物も綺麗ですが、映像に乗っかって初めてものになる感じです。みんなスクリーン映えする方でした」とコメント。湯山氏が“映像のメロディーメーカー”と形容するように、岩井監督がどのように“ヴァンパイアの世界”を描いているのか期待が高まりそうだ。『ヴァンパイア』9月15日(土)シネマライズほか全国順次ロードショー
2012年09月07日今年5月に第1子を出産した麻生久美子が出産後、初めて公の場に登場。9月5日(水)に都内で開催された映画『グッモーエビアン!』の完成披露試写会の舞台挨拶に共演の大泉洋、三吉彩花、山本透監督と共に登壇し元気な姿を見せた。映画は吉川トリコの同名小説が原作。元パンクロッカーの母・アキとしっかり者の中学生のハツキの母娘2人暮らしのアパートにアキのかつての同棲相手でバンド仲間のヤグが転がり込んでくる。気ままな大人2人にイラつくハツキだったが、自らの進路について決断したのをきっかけに彼らの真意や過去を知ることになり…。大きな拍手で迎えられた麻生さんは「撮影中はご迷惑をおかけしまして…(苦笑)」と恐縮気味。本作では17歳の若さで娘を産み育ててきた未婚の母を演じているが、「母親役は以前にも一度、経験はありますがお腹の中に赤ちゃんがいて、これまでとは違う思いで撮影に臨みました。妊娠中に撮影したのはこの作品だけなので格別の思いがあります」と感慨深げに語った。元パンクロッカーということでギターを演奏するシーンもあるが「苦労しました…」とふり返り、「体調が悪いときもあり『もっと上手にできたんじゃないか?』という後悔もあります」とも。それでも映画の中で描かれる“家族”については「普通の家庭とは違う、ちょっと変わった家族像だけど、いろんな形があっていいと思えます。自分の家族、周りの人たちに『いてくれてありがとう』という感謝の気持ちが改めて芽生えました」と語り、作品と自身の生活が相互に影響を与えたことを明かした。一方、大泉さんは「ロックの血が流れていないので、ムード歌謡の歌手に変更してほしかった」と苦笑。「歌うシーンでは(衣裳の)チェーンや金具が足にあたって青あざができました。黙って静かに歌ってればいいのに!」と不満を露わにし笑いを誘っていた。だが脚本の完成から撮影まで数年を要し、ついに完成に至った本作への思い入れは誰よりも強いようで「台本が面白くて、どうしても演じたかった役なので、時間がかかっても実現して良かった。自然と涙こぼれる作品です」と自信をのぞかせた。麻生さんは共演陣に気を遣わせまいと、妊娠中であることを告げずに撮影に臨んでおり、大泉さんはクランクアップ後に麻生さんの妊娠を知ったそう。麻生さんの撮影現場での“体調不良”について、大泉さんは「内心、どんな体調管理してるんだ?病弱なのかな?と思ってました。鈍感ですみません!」と自らの不明を恥じていた。監督はそんな撮影の日々をふり返りつつ「苦労はなかったです」とニッコリ。「逆にクランクアップが近づくと、どんどん家族になっていく3人の姿を『もっと撮影したい』という思いに駆られました」と3人が醸し出す空気感を絶賛した。『グッモーエビアン!』は12月15日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。■関連作品:グッモーエビアン! 2012年12月、テアトル新宿ほか全国にて公開© 2012『グッモーエビアン!』製作委員会
2012年09月05日吉川トリコ原作の同名コミックを麻生久美子、大泉洋のW主演で映画化する『グッモーエビアン!』の予告編映像とポスター画像が公開され、本作の主題歌をロックバンド・ONE OK ROCKが担当することが発表された。映画『グッモーエビアン!』予告編本作は、毎日を面白おかしく過ごす元パンクロッカーの母・アキ(麻生)と超自由人のヤグ(大泉)、アキの娘で真面目な中学生のハツキ(三吉彩花)の3人が、葛藤しながらも様々な問題を乗り越えて家族の絆を深めていく姿を描いた物語。ハツキの目線を通して描かれる本映像は、海外へ放浪の旅に出ていたヤグが突然戻ってくる場面からはじまる。毎日を自由に生きるアキと、本当の父親でないヤグとの不思議な共同生活に悩み素直に受け入れられない様子や、ヤグの過去の秘密や母親の想いを知ることで、自分の将来や家族のあり方を真剣に考えはじめるハツキの姿が映し出されている。ほか、本映像には能年玲奈がハツキの友人役、小池栄子が担任教師役として登場しており、それぞれのキャラクターが明らかになっている。また、予告編ではロックバンド・ONE OK ROCKが本作のために書き下ろしたオリジナルソング「the same as...」も一部公開。山本透監督は、「劇中、ヤグは『ROCKが何かなんてわからない』と言う。言葉にするだけ野暮で、ジャンルで語ろうとすると、とたんにつまらなくなる。ONE OK ROCKは、そんなモノは超越している、サイコーのROCK BAND」と絶賛しており、「もしこの映画が、誰かの心を突き動かすことが出来たなら、その人の人生の中、何度もこの曲が甦って、何かを支えてくれるに違いない」とコメントを寄せている。ポスター画像に描かれている、“ROCKじゃなきゃ、家族じゃない!?”というキャッチコピーの通り、個性豊かなキャラクターがどんな破天荒な家族の姿を見せるのか気になるところだ。『グッモーエビアン!』12月15日(土) テアトル新宿他全国ロードショー
2012年08月31日岩井俊二監督、8年ぶりの長編劇映画となる『ヴァンパイア』に蒼井優が出演している。カナダを舞台に外国人キャストを起用し、全編英語で撮影された本作で、岩井監督はなぜ蒼井をキャスティングしたのだろうか?監督の最新コメントが届いた。その他の写真本作は、表向きは誠実な教師でありながら、自殺サイトで血の提供者を探しているサイモンが“死にたい少女たち”に寄り添ううちに、しだいに少女たちに感化されてゆく様を描いた作品。岩井監督が脚本、監督、音楽、撮影、編集、プロデュースを手がけ“変態な純愛物語”と自称するドラマを完成させている。本作はカナダが舞台だけに、ドラマや映画で活躍するケヴィン・セガーズや、『クジラの島の少女』で注目を集めたケイシャ・キャッスル=ヒューズ、レイチェル・リー・クックら多く外国人俳優が出演しているが、蒼井は劇中に登場する日本人留学生・ミナを演じている。岩井監督は「物語のクライマックスに大きく関わって行く」というこの役柄について「ごく自然に蒼井優が浮かび、本人に相談した」と振り返る。思い返せば、蒼井は岩井監督が2001年に発表した映画『リリイ・シュシュのすべて』で映画デビューを飾り、2004年の『花とアリス』でも岩井作品に出演。今回のオファーについて蒼井は、岩井監督曰く「海外のオーディションでは実年齢だと幼すぎると言われるので高校生役はちょうどいいはずだ、と本人もやる気満々」だったそうだ。8年ぶりの長編映画のキャスティングの際に“ごく自然”に名前が浮かぶほど、蒼井に信頼を寄せている岩井監督は、本作の撮影を終えた後も「ハリウッドと日本では演技の方法論が随分違うが、蒼井優はどちらでもまったく違和感がない。言語の壁はあるけれど、それがなければ中国でも韓国でもヨーロッパでも活躍できる女優だと思う」と分析する。前2作で観客に強烈なインパクトをもたらした“岩井俊二×蒼井優”が、最新作『ヴァンパイア』でどのようなドラマを見せてくれるのか、9月15日(土)の公開を楽しみに待ちたい。『ヴァンパイア』9月15日(土)シネマライズ他にて全国順次公開
2012年08月28日劇団ハイバイの主宰にして、今春には初のテレビドラマ脚本で向田邦子賞を受賞した気鋭の作・演出家、岩井秀人。いま、もっとも注目されている演劇人のひとり岩井が、ついに新作『ヒッキー・ソトニデテミターノ』でパルコ劇場へ初進出を果たす。主演を務めるのは、『フキコシ・ソロ・アクト・ライブ』でかつてないソロパフォーマンスの世界を切り開き、映画『冷たい熱帯魚』(2010年公開・園子温監督作品)での怪演も話題を呼んだ吹越満。初の顔合わせとなるふたりに、公演にかける思いを訊いた。『ヒッキー・ソトニデテミターノ』チケット情報自らの引きこもり体験をもとに作られた、岩井の処女作にして代表作『ヒッキー・カンクーントルネード』(2003年初演)。当初は本作を上演する予定だったが、吹越の「やっぱり初演には初演にしかないものがある。だから例えば続編にするとか」という言葉が岩井を止まらせた。初演では岩井が主人公の登美男を演じており、吹越は「そのことへの恐ろしさから(出演に)二の足を踏む部分もあった」と語る。だがそれが逆に岩井を駆り立て、「僕の中でどんぴしゃなのが来ちゃった(笑)」と、引きこもりだった登美男が外に出てからの物語『~ソトニデテミターノ』が誕生するに至った。吹越を登美男役にと思った理由を、「あれ、結構長いこと引きこもってたよねっていう、吹越さんの空気感がおもしろいなと思って」と明かす岩井。加えて吹越の「自分のことを自分で見立てているようなコントロールの引き具合」にも惹かれると言う。吹越は「役者としてキャリアが何十年あっても、初めてもらった脚本に対しては素人だと僕は思うんです。だからその脚本の慣れてなさ加減と、引きこもりってことがうまく噛み合えば、僕ぐらいのキャスティングがちょうどいいんじゃないかと思う」と笑った。吹越に岩井作品の魅力を訊くと、「すべてですよね」と即答。さらに「いいところというより、イヤなところが何もない」と続ける。すると岩井は「僕の場合、まさにそう思いながら作品を作っているところがあって。僕、演劇というものの95パーセントくらいはすごく嫌いなんですね。だから消去法で、それはちょっとやらないでくれよっていうのを避けて、ずっとやり続けている感じ」と語る。つまり演劇における残りの5パーセントが、岩井独自の世界観を形作っているのである。と同時に、「自分の母や、母の友達にも伝わるものじゃないと作っちゃダメだと思う」とも。5パーセントの意外性と、普通の生活を送る人にも通じる日常性。その不思議な融合を、新作でも見せてくれることだろう。公演は10月4日(木)から14日(日)まで東京・パルコ劇場にて上演。チケットは8月25日(土)より一般発売開始。なお、チケットぴあではインターネット先行・いち早プレリザーブを8月6日(月)11時まで、インターネット先行・プレリザーブを8月9日(木)11時まで受付中。取材・文:野上瑠美子
2012年08月03日『リリイ・シュシュのすべて』、『花とアリス』の岩井俊二監督が脚本・監督・音楽・撮影・編集・プロデュースと1人6役を務め、8年ぶりの長編映画として贈る『ヴァンパイア』。9月の日本公開に先駆けて、このたび本作の全貌を掴む手がかりとなる予告編とポスター・ビジュアルが解禁となった。仕事熱心で認知症の母を介護する高校の生物教師・サイモンは、まじめそうな外見とは裏腹に、若い女性の血を飲みたいという欲求を抑えられずにいた。そこでサイモンは血を求めて自殺サイトを徘徊し、自殺志願者の娘たちを言葉巧みに誘い出すのだが…。第34回サンダンス映画祭や第61回ベルリン国際映画祭を始めとする各国の映画祭に出品され、「岩井俊二は日本語以外でもその作家性を見せつけた」と高く評価された本作。『シーズ・オール・ザット』のレイチェル・リー・クックやいまハリウッドで注目を集めている個性派若手キャストに加え、唯一の日本人キャストである蒼井優との再タッグも話題を呼んだが、本作は俗に言う“ヴァンパイア映画”とは一線を画す。岩井監督が描き出すのは、「死にたい少女たち」の血を求めて彼女たちに寄り添ううちに、次第に彼女たちへの思いがピュアな愛へと昇華していく一風変わったヴァンパイアの“純愛物語”である。血を求める主人公・サイモンの行動は異常ながらも、その行動にどこか儚さと美しさを感じさせるのは岩井監督ならではの映像の美しさと、それを彩る音楽があってこそ。予告編には見事な“表情の演技”を見せる蒼井さんの姿も映し出されているのでご注目。そして、ポスターには「惹かれあう孤独な魂たちこの世の果ての恋物語」という文字。この普通ではない“恋”の行き着く先とは?まずはこちらの予告編から、切なくも美しい“岩井ワールド”を一足先に体感してみては?『ヴァンパイア』は9月15日(土)よりシネマライズほか全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ヴァンパイア 2012年9月15日よりシネマライズほか全国にて公開© 2011 Rockwell Eyes, Inc. All Rights Reserved.
2012年06月19日『モテキ』や『宇宙兄弟』、『ガール』など話題作への出演が続く麻生久美子が、圧倒的な人気を誇る大泉洋と共にW主演を果たし、吉川トリコ原作の同名小説を映画化した『グッモーエビアン!』が12月に公開されることが決定!初共演を果たした2人のハジケた姿を楽しめる貴重な特報映像とティザービジュアルが披露された。若くして娘を産んだ元パンクロッカーの母・アキ、お調子者でおバカだけど人一倍優しい男・ヤグ、そんな親とは対照的に真面目で冷静な娘・ハツキの3人が織り成す一風変わった家族の物語。タイトルにもある「グッモーエビアン!」と叫ぶ大泉さん扮するヤグが率いるパンクバンド「MISSION FROM GOD」の熱狂的なライヴシーンで幕を開けるこちらの映像。その暴れっぷり、ファッションは伝説のロックバンド「THE BLUE HEARTS」を彷彿とさせる。ティザービジュアルでも血管が浮き出るほどに熱唱する大泉さんの姿が大きく写し出されているが、その隣で鋭い視線を投げかけるのがアキ役の麻生さん。まもなく公開される『ガール』では家庭と仕事に奮闘する“デキる女”を演じる麻生さんだが、一転、本作で演じるのは娘にスカート丈を短くするように勧めてしまう、何ともハードコアな母親。これまで見たことのない強烈なキャラクターに挑戦している。アキの娘・ハツキを演じるのは、一昨年大ヒットを記録した『告白』に生徒役で出演しており、ティーン雑誌「Seventeen」の専属モデルとして活躍する三吉彩花。登場するキャラクターの中で誰よりも冷静だが、キレると恐いのは母親譲り?今月7日に第1子となる女児を出産し、実生活でも母親となった麻生さん。本作では彼女の母親ぶりにも要注目!『グッモーエビアン!』は12月、テアトル新宿ほか全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:グッモーエビアン! 2012年12月、テアトル新宿ほか全国にて公開© 2012『グッモーエビアン!』製作委員会ガール 2012年5月26日より全国東宝系にて公開© 2012 "GIRL"Movie Project■関連記事:深川栄洋監督、撮影中は香里奈、麻生久美子らのガールズトークにタジタジ?向井理VS香里奈のバトル勃発?「女性は陰険」「何かあったの?」と舌戦『宇宙兄弟』&『ガール』の監督が登壇! NCWクリエイティブセミナーに6名様ご招待女子必見のトークショー付き!『ガール』女子試写会に15組30名様をご招待きっと、あなたがここにいる。“女子力”バイブル『ガール』完成披露試写会に5名様ご招待
2012年05月15日映画『friends after 3.11【劇場版】』が3月10日(土)に公開を迎え、岩井俊二監督とナビゲーターを務める松田美由紀、本作に出演している“脱原発アイドル”藤波心が舞台挨拶を行なった。岩井俊二が震災後に多くの人々と会い、話を聞くことで日本の現状や今後の社会の在り方について問い直すドキュメンタリー。昨年末にTVで放送された内容に追加映像を加えて公開された。岩井監督は「運命に導かれるように松田さんと久々に再会し、熱く語り合った」と本作を作ることになった最初のきっかけを明かす。当初は「易々と消化できるものではなく、3.11後に自分で作品を作る気持ちはなかった」というが「出会いを通じて自分でもやれることがあると気づいた」と心境の変化について語った。現在の状況を「原発、核の脅威にさらされた未曾有の危機にある」と訴え「大人も子供も真剣に向き合わないといけないという気持ちで(この映画を)作りました」と語りかけた。「これまで原発のことや環境について関心もなく日々を過ごしてきた」という松田さんは3.11で全ての意識が変わったという。「知ってしまってからは引き返せない。これだけ多くの国民が政治や国、マスコミの問題、こんなに不自由だったということを知ってしまった。知ったからには黙ってていいのか?規律正しく忠実と言われる日本人ですが、ここは立ち上がらなくてはと思って活動してます」と胸の内を明かした。本作はベルリン国際映画祭のフォーラム部門に正式招待されており、藤波さんもドイツを訪れたが「現地で一番言われたのは『これだけ地震が多く、広島、長崎(への原爆投下)を経験してる日本でなぜまだ脱原発できないんだ?』ということでした」と現地の声を紹介。また、本作への参加を通して「当たり前の生活ができることが一番ありがたいことだと改めて気づいた」と語った。明日3月11日で震災から1年を迎えるが、震災および原発の是非についての関心、問題意識を高めていくことを改めて訴え、客席からは大きな拍手がわき起こった。なお、本作の続編がBSスカパー!にて3月22日(木)に放送されることも決定。震災後、脱原発に向けて積極的に発言している坂本龍一らを始め、世界からの視点で震災後の社会について描かれる。『friends after 3.11【劇場版】』はオーディトリウム渋谷にて公開中。■関連作品:friends after 3.11【劇場版】 2012年3月10日よりオーディトリウム渋谷にて公開
2012年03月11日映画『SHAME−シェイム−』の女性限定試写会が3月1日(木)に都内で開催され、上映後のトークイベントに漫画家の倉田真由美と作家の岩井志麻子が出席した。ありとあらゆる形で日々、セックスに勤しむセックス依存症の男性の赤裸々な日々を描きつつ、彼がそうした生活の中で隠し通そうとしている真の姿を浮かび上がらせていく。それぞれの著書で、自身の経験談を含め様々な男女の性体験について綴っている2人だが、この日も過激なトークが炸裂。放送禁止用語を連発しつつ、異常な数の女性とセックスをしている男性や、男性を狂喜させるいわゆる“名器”と言われる女性器について、年齢を重ねての性欲についてなど、聞いている方が思わず赤面してしまうような話題についてクロストークを展開した。特に、女性が男性を魅了する上で、美貌や性格以上に「セックス」が重要な要素となりうることを熱弁。千葉、東京、埼玉で起きた保険金殺人事件で起訴されている木嶋佳苗被告の言動に触れ、倉田さんは「相当、自分の体に自信があったんですね。都市伝説と思ってたけど、名器ってあるんですね」と感嘆。岩井さんは、話題の「オセロ」中島知子と一緒に住んでいると言われる女性占い師と同じような手口に以前、引っかかったことがあると明かし「共通点がいっぱいあるんですよ。『ブラッド・ピットとジョニー・デップが自分を取りあって決闘した』とかとんでもないホラを吹くんですが、大人が真顔で言うから本気にしちゃった」と告白。ちなみにその女性も決して美人ではないが、セックスのテクニックで男性をオトシたと豪語していたそうで、岩井さんも「妙に納得した」とのこと。「女のあそこは無限なのね」(岩井さん)、「男性は一見して形状が分かるけど女性は分からないから」(倉田さん)、「だからこそ彼女たちは自信が持てるのかも」(岩井さん)と神妙な顔で頷いた。この日は観客から寄せられた質問や相談にも答えたが、「出産後に夫とはセックスレスになった」という女性に倉田さんは「うちもセックスレスですが、普通はそうですよ」と語り、岩井さんも「日本人は家族になるとセックスしにくくなるけど、別にそれでいいと思う」と回答。岩井さん曰く「配偶者を思い浮かべて自慰行為ができるかどうかがセックスレスかそうじゃないかの見極め点」とのことだが、倉田さんは「無理」と即答。「25歳ですが性欲がない」という女性の悩みにも2人は「別にそれでいい」(倉田さん)、「一生、処女・童貞のままでも不都合ない」(岩井さん)と答え、雑誌やテレビが煽る“セックスレスの危機”に対して疑問を呈した。また作品にちなんで「SHAME(恥ずかしい)なことは?」という質問に倉田さんは「以前は話せなかった恥ずかしいことがいまでは漫画のネタになる。恥ずかしくなくなるというのがおばちゃんになったということかも…(苦笑)」と開き直った。岩井さんは「ハメ撮りの写真が流出するよりも中学のときに書いた詩が出る方が恥ずかしい」と答えて客席は笑いに包まれた。『SHAME−シェイム−』は3月10日(土)より全国にて公開。■関連作品:SHAME−シェイム− 2012年3月10日よりシネクイント、シネマスクエアとうきゅうほか全国にて公開© 2011 New Amsterdam Film Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute■関連記事:2012年、最も挑発的な衝撃作『SHAME−シェイム−』試写会に10組20名様をご招待英国アカデミー賞『アーティスト』最多候補。D・ラドクリフはG・オールドマンを応援J・クルーニー、レオ、ブラピの3大スター対決!ゴールデン・グローブ賞候補が発表
2012年03月01日奥田英朗の同名小説を映画化した『ガール』の完成報告パーティーが7日に都内で開催され、主演の香里奈、麻生久美子、吉瀬美智子、板谷由夏が黒のシックなドレス姿で登場し、深川栄洋監督と共に会見を行なった。その他の写真発行部数約30万部を超える人気小説を映画化した本作は、仕事や恋、オシャレに子育てに全力投球する4人の働く女性たちの姿を描いた作品。主人公たちを悩ませる男性として向井理、上地雄輔、要潤、林遣都ら豪華出演陣が脇を固める。“大手広告代理店に勤める夢見がちな29歳の独身女性”を演じた香里奈は「仕事と恋愛、結婚など同じ悩みを抱えている女性は多いと思う。私も共感したし、映画の台本を読んで『女って生きにくい生き物だな』と女性としても勉強になった」と笑顔であいさつ。「自分にとっては意外なバリバリ働くキャリアウーマン役」と話す麻生は「演じるのがすごく難しくて、撮影中は早く終わってほしいと思うほど苦しかった。でも、女性が観たら『やっぱり女性に生まれてきてよかった』と女でいることを楽しめる作品になった」と自信をのぞかせた。一回り年下の男の子(林)に妄想の恋をしてしまうという、老舗文具メーカーに勤務する独身女性を演じた吉瀬は「林遣都くんがキレイ過ぎてキュンとしてしまった。今までに演じたことのない役で新しいチャレンジとなった」。シングルマザー役の板谷は「私自身も仕事をしながら子育てをしているので共感できる部分が多々あり、どうして深川監督はこんなに女心がわかるんだろう、と思った」と演出を絶賛。香里奈も「この中で一番“ガール”だったのは監督でした」と笑顔を見せた。深川監督は「4人はとても仲が良くて僕の話しを聞いていなかった」とボヤくも、「この映画がヒットすると男性は生きにくくなるかもしれない。女性が強くキラキラと輝いている社会というのは、文化度が高く、この国の豊かさの証明になるのでは」とコメント。現在、妊娠中の麻生は「公開日に舞台あいさつに立てないかもしれないので申し訳ないです」と恐縮しながらも「女性のリアルな部分が出ていて、可愛げない部分もひっくるめて可愛いと思って観てくれたらうれしい」と男性たちに呼びかけた。『ガール』5月26日(土)より全国東宝系にて公開
2012年02月07日小栗旬&岡田将生を主演に迎えての映画化が発表されている『宇宙兄弟』に麻生久美子と堤真一が出演することが明らかになった。原作は現在も「モーニング」(講談社刊)に連載中で、小学館漫画賞と講談社漫画賞のW受賞という「20世紀少年」以来の快挙(※同年W受賞は史上初)を成し遂げ、累計400万部を突破した人気漫画。幼い頃に宇宙飛行士になると誓い、約束通りに宇宙飛行士となった弟と、会社をクビになり無職となった兄。だが、弟からの一通のメールをきっかけに、兄も再び宇宙を目指し始める!そんな兄弟と仲間たちの奮闘が人間味たっぷりに描かれる。麻生さんが演じるのは、小栗さん扮する六太(ムッタ)と共に宇宙飛行士を目指す才女・伊東せりか。幼い頃のムッタと日々人(ひびと/岡田さん)を知るJAXA職員で宇宙飛行士選抜試験官のひとりでもある星加正に堤さんが扮する。今後、公開される作品だけでも『日輪の遺産』に『ロック 〜わんこの島〜』、『モテキ』、『ガール』に『幸運の壺 Good Fotune』といま、日本で最も多忙な女優のひとりである麻生さん。「私は原作の大ファンなので、正直、嬉しさと戸惑いがありました。でも、ほんの少しでもせりかさんの人生を歩きたいと参加させて頂くことになりました。不安もありますが、才能ある監督のもとでお仕事できること、とても嬉しく思っています」と出演への喜びを語り、堤さんも「このような希望あふれた作品に関われることを非常に嬉しく思っています。私が演じる星加は、かつて宇宙飛行士を志したが叶わず、宇宙を目指す者を支える立場として、再び夢をもつ人物です。宇宙に興味のある方もない方も、わくわくする気持ちや、“夢”を感じていただける映画になると思います」と意気込みと期待を明かす。ほかにムッタのライバルであり親友でもある真壁ケンジを、ミュージカル界のスター、井上芳雄が演じ、溝口大和、古谷やすし、福田直人といった、同じく彼らと共に宇宙飛行士を目指す仲間に新井浩文、濱田岳、塩見三省が扮する。JAXAからの全面協力を得て撮影も中盤に差し掛かっており、7月中にはクランクアップの予定。小栗さん、岡田さんはもちろん、麻生さんの宇宙服姿は…?新たな仲間を得て、ますます期待と注目を集めそうだ。『宇宙兄弟』は2012年春、全国東宝系にて公開。■関連作品:宇宙兄弟 2012年春、全国東宝系にて公開■関連記事:“ブラック・ジャック”岡田将生、脚フェチ告白の仲里依紗に振り回されっぱなし?岡田将生が若き日のブラック・ジャックに!手塚治虫の名作ドラマ化共演に仲里依紗『宇宙兄弟』が小栗&岡田で映画化『テルマエ・ロマエ』ほか人気漫画も続々実写映画化
2011年06月23日麻生久美子は不思議な声で笑う。ゲラゲラでもカラカラでもなく…いったい、どんな擬音語で形容すればいいのか?“音楽”と言うと大げさだが、楽器の音色のような不思議な笑い声は優しく耳にしみこんでくる。だが皮肉なことに、初めてボイスキャストを務めたアニメーション映画『カラフル』で、彼女が演じた主人公・真の母親役は、楽しそうな笑い声を響かせるという役どころではない。ちょっぴり残念な気もするが、実は、この役こそが原恵一監督の手による本作の魅力を端的に表しているのかもしれない――。監督は彼女に何を求めたのか?DVD&ブルーレイ発売を機に改めて麻生さんに話を聞いた。希望の中にも残酷さがある原作品「そういうところに惹かれてるんでしょうね」意外と言うべきだろう。本作が麻生さんにとって声優初挑戦となる。素直に“意外”という言葉を伝えると「本当ですかぁ?」とまた笑いながら、嬉しそうに続ける。「やりたい気持ちはずっとありましたよ。すごく、すごくやりたくて、勝手に練習してて、でもオファーはゼロで…(苦笑)。きっと、特徴がありすぎて使いづらいんだろうな、と思ってました。元々アニメは子供の頃から大好きで『クリィミーマミ』(※『魔法の天使クリィミーマミ』)は特に印象に残ってます。クリィミーマミってアイドル歌手じゃないですか。私の夢もアイドル歌手になることだったので、うらやましくて、うらやましくて『いいなぁ…。私も変身したい!』って」。横に控えるマネージャーから「アニメのキャラに嫉妬するってどうなの?」とツッコミを受けつつ、熱い思いを語る麻生さん。今回、ようやく念願かなったわけだが、初めて彼女に声優としてのオファーを出したのが原監督ということも半ば、運命である。劇場版の『クレヨンしんちゃん』で原作品に出会って以来の大ファン、いや、“ファン”という以上に複雑な思いを抱いていた。「最初に観たのは劇場版の『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』なんですけど、大人たちが変わっていくところとかがすごく怖くて。妙に生々しくて、『しんちゃん』でこんなことするんだ!って驚きました。次に『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』を観たときも何だか気になってしょうがなかった。で、『河童のクゥと夏休み』を観て傷つきました!『観てられない…でも観なきゃ』という感じでした。ここで普通は死なないでしょってところで残酷に死んでしまう。もう人間が嫌になって、一度、監督にお会いしたときにそれを伝えたら『僕はそうやって、作品を見た人に傷を残したいんだ』って言ってました。私がこれまでに考えていたアニメとは別のもの…希望もあるけどそこには残酷さもあって、そういうところに惹かれてるんでしょうね」。高鳴る期待の裏に隠された“怖さ”翻って本作。森絵都の人気同名小説を原作としたこの作品は、死んだはずの“ぼく”の魂が、抽選によって現世に戻るチャンスを得て、自殺しかけた少年・真にホームステイするという物語。イジメや援助交際といった社会問題を取り入れている部分はもちろんのこと、一見、家庭を大切にしているように見えて、実はフラメンコ教室の講師と不倫していた、という真の母親の描写にも“原テイスト”はたっぷりと注入されている。「やっぱり、原さんが監督するからには、原さんらしいドSな部分が描かれるんだろうと思ってましたが、完成した映画を観たら脚本のときより怖いなと感じました。真のお母さんは全編にわたっていじめられてるんですが、監督は『もっといじめてやれ』と思ってたらしいです(笑)。特に私が、うわって思ったのが、彼女の手がシーツを撫でるというシーン。あの手の動きだけで、彼女がやってきたこと全てを想像させるんですよね。実はあのシーン、最初はなかったのを監督が後から追加したそうで、やっぱりこういう生々しいところを入れてくるんだなぁって(笑)」。1日足らずのアフレコに「ワクワクというよりドキドキ」した気持ちで臨んだという麻生さん。初めてというわけではないが、母親役を演じる上で何か特別な思いはあったのだろうか?「怖いという気持ちはありますね。実際に母親なら分かるであろう感情があるかもしれないけど、自分にはそれが分からない。絶対的な愛情、揺らぐことのないものを自分は作れるのかな、と。(役を離れても)自分が母親になるということがイメージしようとしてもできないんですよ。結婚してもそこは変わらないですね。というか、いつか授かるんだろうな、とはぼんやり思ってますが、実際の想像ができないんですよ」。と言いつつ今回、母親役を演じたことで“答え”とでも言えるものが見つかったようで…。言葉を慎重に選びつつ、こんな話をしてくれた。「やりながら子供を『かわいい』って思えたんですね。その感情を持てたことはよかったな、と思います。特に今回はずっといじめられる母親で、よくそういう気持ちになれたと思いますが、不思議と真がかわいくて仕方がなかったです。それが“母親だからこそ”抱いた感情かどうか、もちろん断言はできないんですが…でも、役を離れて映画を観たとき、真がかわいいかと言えばそうは思わないんですよ」。今後、挑戦したい役柄は…奇しくも、本作の後に撮影が行われた『ロック 〜わんこの島〜』でも、麻生さんは母親役を演じており、実写における“母”麻生久美子の姿にも注目したいところ。さらに、声優としての仕事に関してさらなる熱意も。「やりたい、やりたい、やりたーい(笑)!ムチャクチャやりたいです。(今回のアフレコは)決して『楽しい』とだけ言える経験ではないですが、やっぱりアニメが好きなんでまたやりたい。人間以外のキャラクター、モンスターとかがいいですね」。自身の経験を踏まえ、「自分が変われば周りも変わる」と本作のメッセージを語る麻生さん。最後までその声は温かく、しっかりと“母性”を感じさせてくれた。(photo/text:Naoki Kurozu)『カラフル』完全生産限定版[Blu-ray+DVD]価格:7,875円(税込)『カラフル』通常版Blu-ray価格:5,250円(税込)『カラフル』通常版DVD価格:3,990円(税込)発売元:アニプレックス販売元:ソニー・ミュージックディストリビューション発売日:4月20日(水)『カラフル』公式サイトhttp:www.colorful-movie.jphttp:www.aniplex.co.jp/colorful/© 2010 森絵都 「カラフル」製作委員会■関連作品:カラフル 2010年8月21日より全国東宝系にて公開© 2010森絵都/「カラフル」製作委員会■関連記事:毎日映画コンクール授賞式稲垣吾郎、極悪人役にSMAPメンバー「地が出てるね」毎日映画コンクールタキシードの稲垣吾郎に大歓声!三池監督は銀色ジャケットで登場日本アカデミー賞優秀作品を一挙上映!好きな作品を観られる鑑賞券を5組10名様プレゼント宮崎あおい、メガネ女子の役のアフレコ中はメガネ着用!南明奈、久々に制服で授業も先生に指され困った!
2011年04月15日先月開催されたサンダンス映画祭でも上映された、岩井俊二監督の全編英語による最新作『ヴァンパイア』が、2月10日(現地時間)より開催される第61回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品されることが決定し、岩井俊二監督からコメントが到着!唯一の日本人キャストととなる蒼井優の起用の理由や役どころについても語ってくれた。俗に言うところの“ヴァンパイア映画”とは趣が異なるとも言われる本作。主人公は、仕事熱心で認知症の母を介護する高校の生物教師・サイモン。一見、真面目そうな外見とは裏腹に、彼は若い女性の血を飲みたいという欲求を抑えられずにいる。血を求めて自殺サイトを徘徊し、自殺志願者の娘たちを言葉巧みに誘い出していくのだが…。“ヴァンパイア”と呼ばれた男と彼に血を提供した女たちの物語が展開する。岩井監督にとってベルリン国際映画祭への参加は『undo』、『PiCNiC』、『リリイ・シュシュのすべて』に続き4回目。岩井監督も現地入りし、舞台挨拶とティーチインに参加するとのこと。「観て、何かを感じてもらえると嬉しいです」と静かに意気込みを語った。作品については「この物語を最初に書き始めたのは、もう10年以上前でもあり、内容もヴァンパイアの映画ではないので、最近のブームとはあまり関係ない映画です。改めてふり返ると、命とは、という予想外に大きなテーマを描こうとしていたんだなと感じます」とやはり、現在、ハリウッドを中心に次々と製作、公開されている“ヴァンパイア映画”とは異なるということを強調。本作でハリウッド長編デビューを果たす蒼井さんの起用理由に関しては「彼女にやってほしい役があったからです」と説明。気になるその役どころはというと、「交換留学生の役です。高校生なので実年齢的には無理がありましたが、カナダの本物の高校生の中に入ると、むしろまだ幼く感じるぐらいでした。カナダの高校生は貫禄あり過ぎです」と明かしてくれた。今回、到着した画像では凛々しい顔が印象的の蒼井さんのほか、サイモンや彼に誘い出されたと思しき女性たちの姿が。いくつかの画像では真っ白い風船のようなものが写っているが、これは何を意味するのか?謎は深まるばかりだ。『花とアリス』から7年、『市川崑物語』から5年。岩井監督は果たして何を見せてくれるのか?『ヴァンパイア』の日本公開は2011年を予定。■関連作品:ヴァンパイア 2011年公開予定■関連記事:謎の沈黙から1年…世界最小の映画祭「岩井俊二映画祭」がついに開幕
2011年02月07日かわいくて、かわいくて仕方ないのに、どうにも付きまとう“ニセモノ”感とウサン臭さ…。麻生久美子は“それ”を「賞味期限が切れそうなギリギリ感のある女性」と表現する。映画『シーサイドモーテル』で彼女が演じたのは、三十路を目前にした場末のコールガール、キャンディ。「私も歳をとって(笑)、いまだからこそ演じられる役なのかな」とも。世の男性を(いや、おそらく女性も!)癒やし、和ませてやまない麻生さんが、ある意味、究極の癒やしを生業とする女を演じる姿は一見の価値アリ!映画公開を前に話を聞いた。今回演じたキャンディのような「変わった役は好き」と麻生さん。どこか俗というか、B級っぽさというか、麻生さん自身がそういう雰囲気を好んでいるような…見た目とのこの“ギャップ”こそ、彼女の魅力であることは間違いない。でもなぜだ!?「自分で映画とかを観る上でも、そういうのが好きなんですね、そこは本当に好みの問題で(笑)。でも、若い頃は清純な女の子の役が多かったんですが、そこから“外れた”役をいただくようになってからが楽しくて。すごくやりがいを感じてしまうんです」。ちなみに、彼女の言う「“外れた”役」のきっかけになった作品というのは、三木聡監督によるTVドラマ「時効警察」。「そう、あれがあったから、そういう役のオファーが来るようになったんです。でなければこなかったと思います。私、ずっと“幸薄い”系の役が多かったので。相当高い確率で死んでました(笑)。最近は死ななくなりましたね」。そんな形でここ数年、“変わった役”がすっかり板についてきた(?)麻生さんだが、今回演じたキャンディは登場シーンからかなり楽しませてくれる。「お店の方針」により、自己紹介に続いて、とってもかわいらしい(!)振り付けと共に「今宵、あなたとフォーリンラブ!」とキメるのだが、どんなポーズかは見てのお楽しみ!変わった役と同様にこの変わったポーズも大好き?「恥ずかしかったです…(恥)。でも、この『何か、恥ずかしくてやりづらい』って感じのままでいいかなと。キャンディも決してやりたくてやってるわけではないので。『頑張ってやってるぞ!』というのは私も同じ気持ちでした(笑)。でも、辛かったですよ…。最初はスタッフさんも面白がってくれて、わりとわいてくれたんですが、何度もやってると見飽きてくるじゃないですか?何か、もういいよ的な空気が流れて(笑)。もう、すごく辛かったです。何で私はこんなことやってるんだろう?って」。彼女がこのセリフを言う相手は生田斗真演じる主人公のエセ営業マン。ちなみに最初に生田さんがこのポーズを見たときのリアクションは?「最初は笑ってくれました。でも一度、生田さんが同じ振り付けをやってくれたんですよ。そしたらそっちの方が私がやるより数百倍かわいくてですね…。何か『もうやりたくないな』と(笑)」。その生田さんと共演してみての感想、生田さんの印象を尋ねると「好青年」という答えが返ってきた。「すごく真面目な方ですね。初めてお会いしたときは『人間失格』が終わったばかりだったんですが、すでにセリフは全部入ってらして。すごいな、と思ったし、こういう方とお芝居できるのは嬉しいなって。(しばらく思案しつつ…)何かねぇ、いいんですよ(笑)!みんなに愛されるキャラですね。他人との距離をすごく上手に作って、スッと入ってくるんです。それが失礼でもなれなれしくもなくて『あっ、この人いいな』と思わせて去っていくような。ズルいくらいの天性のものを持ってますね」。話が今後の目標におよぶと、心底困ったような表情を浮かべ「性格的に先のことを考えられないんですよ。いま、やるべきことをやってそれが積み重なったときに面白くなればいいな、と思ってるので目標はないんです」と語る麻生さん。だが、いま最も共演してみたい俳優は?という質問には「佐藤浩市さん!」と即答してくれた。また、今回の生田さんのように若い俳優陣との共演の機会も増えている。「なんかもう、どんどんどんどん…年齢が離れて(苦笑)、関係性としては結構、微妙になってきますよね、彼らと共演するには。でも、そういうお話が来ることを願ってます(笑)!」(photo:Yoshio Kumagai)■関連作品:シーサイドモーテル 2010年6月5日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2010「シーサイドモーテル」製作委員会
2010年06月03日日本を代表する映画監督の一人、岩井俊二。1994年に発表した映画『undo』以来、心が締め付けられるようなラブストーリー、懐かしさがこみ上げてくるような青春物語、ショッキングな内容の問題作など、さまざまな映画を制作してきました。そんなの作品の中で、ビジネスウーマンがもっとも好きなものとは?694名の女性に、選んでもらいました。 >>男性編も見るQ、あなたが一番好きな岩井俊二監督映画は?1位花とアリス27%2位スワロウテイル22%3位Love Letter20%4位リリイ・シュシュのすべて12%5位打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか? 7%■『花とアリス』が好きな人は……・「ありふれた日常が題材になっているので、話に入って行きやすい」(22歳/福祉/その他)・「少女漫画のような展開と映像の雰囲気が好き」(26歳/ソフトウェア/プログラマー)・「蒼井優と鈴木杏のピュアな演技にキュンとする。特に蒼井優がバレエを踊るシーンは最高」(23歳/小売/販売)・「女の子の世界観がすごくリアルに描かれているから」(26歳/生保/営業)・「心が温かくなる映画」(25歳/IT/プログラマー)■『スワロウテイル』が好きな人は……・「幻想的な話だから」(26歳/IT/秘書・アシスタント)・「劇中のCHARAの歌声が印象的で、さらに映画に合っていたので」(25歳/通信/販売)・「映像がとても印象に残ったから」(26歳/団体/事業開発)・「映像と音楽がとてもよく合っていて、観ているうちに引き込まれていった」(27歳/IT/総務)・「CHARAの演技が切なく心にしみるから」(25歳/商社/営業)■『Love Letter』が好きな人は……・「ストーリーに感動した。一人二役を務めた中山美穂も、素晴らしい演技だった」(23歳/医薬品/研究開発)・「切ないけどほっこりする映画だった」(24歳/IT/営業)・「とてもキレイで泣ける作品」(27歳/金融/営業)・「ミステリーな部分も少しあって、切なさだけでなくいろいろな気持ちが味わえたから」(27歳/IT/SE)・「何度見ても飽きず、見る度に『お元気ですか?』のシーンでキュンとする」(24歳/その他/その他)■『リリイ・シュシュのすべて』が好きな人は……・「衝撃的なシーンが多かったが、実験的な作品で面白かった」(26歳/医薬品/営業)・「現代社会そのもので、ミステリアスな映画」(28歳/小売/販売)・「その後活躍する俳優たちを予見しているかのようなキャスティングがすごい」(23歳/商社/財務)「映像の美しさが良い」(29歳/不動産/総務)■『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』が好きな人は……・「題名からして印象的。不思議な世界観がある」(29歳/官公庁/事務)・「初恋の切なさを思い出せるから」(29歳/精密機器/秘書・アシスタント)・「淡い恋模様が描かれているが、切な過ぎなくて爽やか」(26歳/マスコミ/秘書・アシスタント)総評作品ごとにさまざまな世界観を生み出す岩井映画の中でも、女性は「全体的にほわっとしていて可愛らしい雰囲気」(24歳/ソフトウェア/クリエイティブ)を持った作品を好む人が多く、1位に選ばれたのは2004年公開の『花とアリス』でした。主役を務めた鈴木杏と蒼井優の、圧倒的な表現力にも支持が集まり、「二人のピュアな演技にキュンとする」(23歳/小売/販売)といったコメントが多く挙げられました。2位には1996年公開の『スワロウテイル』がランクイン。幻想と現実が混ざったような不思議なストーリーや、その世界観に引き込む映像美に並び、主役も務めたミュージシャン・CHARAが歌った印象深い主題歌も支持されました。この作品と4位の『リリィ・シュシュのすべて』で音楽を担当したのは、人気音楽プロデューサーの小林武史。彼が監督し、岩井俊二がプロデュースした『BANDAGE バンデイジ』(小林武史監督:1月16日公開)にも、ぜひ注目してみてはいかがでしょう。(文・兄矢壱子)>>男性編も見る■関連リンク【女性編】1月公開の観たい映画ランキング【女性編】2009年公開で面白かった映画ランキング【女性編】好きなコメディ映画ランキング調査時期:2009年12月8日~12月14日調査対象:COBS ONLINE会員調査数:女性694名調査方法:インターネットログイン式アンケート完全版(画像などあり)を見る
2010年01月12日岩井俊二監督の作品は、美しい映像、心に響く物語、印象的な音楽使いなどによって、独特の世界観が築かれています。「岩井美学」とも言われている彼の作品には、全作に共通する点がある一方で、それぞれ実に異なる個性が放たれているのも事実です。そんな岩井映画の中から、一番お気に入りの作品を選ぶなら?263名のビジネスマンに聞いてみました。 >>女性編も見るQ、あなたが一番好きな岩井俊二監督映画は?1位スワロウテイル25%2位Love Letter17%3位リリイ・シュシュのすべて14%4位花とアリス12%5位打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?11%■『スワロウテイル』が好きな人は……・「なんとも言えない情感とCHARAの音楽がシンクロして感動した」(28歳/商社/企画開発)・「独特の世界観がたまらない」(28歳/化学/営業)・「CHARAが歌っていた主題歌がとても好きだから」(25歳/卸/総務)・「観た後いろいろと考えさせられた」(25歳/食品/研究開発)・「映像の美しさと使われている楽曲が好き」(26歳自動車関連/設計)■『Love Letter』が好きな人は……・「心の奥で響くものがある」(23歳/教育関連/研究開発)・「中山美穂がきれいだったから」(27歳/教育関連/研究開発)・「とにかく映像が綺麗。また、話の内容が切ない」(27歳/商社/営業)・「見終わった後、気持ちがスッとする」(25歳/ソフトウェア/SE)・「ロマンチックなところが良い」(26歳/医薬品/営業)■『リリイ・シュシュのすべて』が好きな人は……・「中学生の複雑な時期を描いていて、重い内容だったけいろいろと考えさせられたから」(23歳/教育関連/総務)・「圧倒的な映像美と思春期特有の心情を描いているところが好き」(23歳/その他/その他)・「14才の少年少女のリアルな心の声が繊細に描き出されていて、非常に心に残っている」(22歳/その他/その他)・「音楽と情景があっている」(22歳/ソフトウェア/プログラマー)■『花とアリス』が好きな人は……・「蒼井優の演技がとても良い」(23歳/機械/設計)・「ほんわかできる」(27歳/金融/営業)・「切ない恋物語が心にしみるから」(25歳/電気/営業)■『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』が好きな人は……・「題名からして気になったが、内容も面白かった」(27歳/自動車関連/営業)・「少年時代特有の感情がうまく表現されているから」(27歳/IT/法務)・「小学生の頃の甘酸っぱい恋が描かれていて、感動的だったから」(26歳/自動車関連/研究開発)総評ビジネスマンの4人に1人が、1996年に公開された『スワロウテイル』が一番好きな岩井俊二作品であるとい回答する結果となりました。過去とも未来ともつかない時代を背景に、重々しくも美しい世界観の中で、「円」を求めて日本にやってきた移民たちのドラマが描かれた本作では、「観た後いろいろと考えさせられた」(25歳/食品/研究開発)というビジネスマンも。主演を務めたCHARAが歌った主題歌が大好きというコメントも多く寄せられました。2位に選ばれたのは、1995年公開の中山美穂主演映画『Love Letter』。小樽と神戸を舞台に、切ない恋に絡んだ謎解きが展開されていく本作は、「心の奥で響くものがある」(23歳/教育関連/研究開発)、「見終わった後、気持ちがスッとする」(25歳/ソフトウェア/SE)など、ストーリーの透明感が人気の理由のようです。3位から5位には小学生や中学生を主人公にした作品が並んでランクイン。自分がその時代に抱えていた感情を思い出しながら作品を味わった人も多かったのではないでしょうか。観る者の心のどこかに、必ず共感をはじめとする振動を呼び起こす岩井氏がプロデュースをした『BANDAGE バンデイジ』(小林武史監督:1月16日公開)にもぜひ注目してみてはいかがですか?(文・兄矢壱子)>>女性編も見る■関連リンク【男性編】1月公開の観たい映画ランキング【男性編】2009年公開で面白かった映画ランキング【男性編】好きなコメディ映画ランキング調査時期:2009年12月8日~12月14日調査対象:COBS ONLINE会員調査数:男性263名調査方法:インターネットログイン式アンケート完全版(画像などあり)を見る
2010年01月12日周囲を山に囲まれているのに、そのホテルの名は“シーサイドモーテル”。そんな微妙なモーテルの一室で、生田斗真と麻生久美子が何をする――?別冊漫画ゴラクに連載された岡田ユキオの漫画「MOTEL」を原作に、あるモーテルに偶然集まったひと癖もふた癖もある輩たちが微妙に、絶妙に交錯しつつ、小さな幸せを見つけようとする姿を描いた『シーサイドモーテル』の製作が決定!主人公のセールスマン・亀田を『人間失格』で映画初出演にして主演を務める生田斗真が、そして一見、陽気なコールガールのキャンディを独特の空気感で観る者を魅了し、次々と話題作へと出演する麻生久美子が演じることが発表された。物語の舞台は周りを山に囲まれ、どこにも海なんかないのになぜか「シーサイド」という名がついたモーテル。かたや怪しげな化粧品を売りさばくインチキ・セールスマン。かたや三十路を前にすでに人気に陰りの見えるコールガール。この偶然の出会いが2人にもたらすのは、彼らが求めてやまない小さな幸せ?それとも…。生田さんは、自身の役を「インチキクリームを売りさばく詐欺師で、モーテルで偶然出会ったコールガールに恋をしてしまう青年」と説明。さらに「豪華なメンバーと作品を共に出来ることを楽しみながら演じていきたいです。監督からは、好きに遊んで下さいと言われました。本気で遊びます」と意気込みを語る。一方の麻生さんも「生田さんとの会話劇をテンポ良く作り上げられるよう頑張りたいと思います。とにかく出演者の方々が魅力的なので、贅沢な見どころ満載な映画になると思います」とコメント。是枝裕和監督(『誰も知らない』、『空気人形』)や西川美和監督(『ゆれる』、『ディア・ドクター』)の作品を手がけてきた独立系制作プロダクション、テレビマンユニオンによる本作。メガホンを取る守屋健太郎監督は2人について「生田くんは、いままでにないこの軽薄なキャラクターを楽しみながら演じてくれています。すでに衣裳合わせのときには亀田になりきっていて、数日前まで太宰治の作品をやっていたとは思えない豹変ぶりでした。麻生さんが演じるのは、亀田を翻弄する存在で、どこまでが駆け引きの言葉で、どこからが本音なのか、なかなか本心が見えにくい難しいキャラクターなのですが、とても絶妙なバランスで演じてくれています」と絶賛。2人の掛け合いを見どころに挙げている。因みに本作には、亀田とキャンディ以外にも個性的なキャラクターが数多く登場。借金を踏み倒したギャンブラーに、その恋人の猫好きな女。借金取りにチンピラ、伝説の拷問職人にED気味の社長、やる気のない警察官などが絶妙に交錯する群像劇となっている。現段階で生田さんと麻生さんのほかに、先輩・後輩の警察官コンビを演劇を中心に活躍する赤堀雅秋(「THE SHAMPOO HAT」主宰)、ノゾエ征爾(劇団「はえぎわ」主宰)が演じることが明かされているが、それ以外の登場人物の配役に関しては今後、徐々に発表されていく予定。この個性的過ぎる面々を誰が演じるのか?そして生田さん、麻生さんとの“化学反応”も楽しみだ。やがて朝を迎えたとき、彼らは海の見えないこのモーテルに海を見つけることが出来るのか――?すでに8月より撮影は開始されている『シーサイドモーテル』。公開は2010年を予定。■関連作品:シーサイドモーテル 2010年、全国にて公開
2009年09月10日