3月に開幕する舞台、SHOW-ismVII『ピトレスク』の出演者が2月14日、東京・日比谷シャンテでトークイベントを開催。女優の彩輝なお、風花舞、美鳳あや、そして作、演出を手がける小林香がファンの前に顔を揃えた。SHOW-ismVII『ピトレスク』チケット情報舞台は1942年、ナチス占領下のパリ。キャバレーがドイツ軍により閉鎖されてしまう。人々は夜間外出禁止令をかいくぐり、とある工場の地下に集まり、キャバレー存続に動き出す……。ナチス統制下にあっても、なお自由と喜びを求める人々を描く、ミュージカルナンバーあり、シャンソンあり、オペラありの音楽劇だ。彩輝なおは、キャバレーの元衣裳係で、今は映画館の切符売りをする女性カミーユ。彩輝が「オリジナルの楽曲もありますが、みなさんご存知の曲もたくさん出てきます。歌詞がシュールというか、重要な意味がある。いかにその歌詞の内容を伝えるか」がポイントと話すと、小林が「そう、替え歌大作戦」と笑う。テーマは人種と性別を越えた愛。小林は「舞台には同性愛者やロマ、いろいろなマイノリティが登場します。マイノリティの方々が、愛する人へ『愛してるよ』といえる世の中であってほしい」と作品に込めた思いを語った。出演はほかに、シャンソン界からクミコ、オリジナル楽曲も提供する中川晃教、ソプラニスタ・岡本知高。公演は3月27日(木)から4月3日(木)まで東京・シアタークリエにて。チケット発売中。
2014年02月18日鴻上尚史が主宰を務める、「虚構の劇団」の第8回公演『イントレランスの祭』が、10月30日(火)、東京・シアターサンモールで開幕する。今回書き下ろす新作のテーマに“イントレランス=不寛容”を掲げた鴻上に、作品にかける思いと劇団の今について話しを訊いた。虚構の劇団『イントレランスの祭』チケット情報現代における殺伐さ、許容範囲の狭さを、身に沁みて感じていたという鴻上。「たぶん不寛容になるには、それなりの理由があると思うんです。なぜちょっとした“異物”に対し、人はイラっとしてしまうのか。そしてイラっとする側、イラっとさせる側にもそれぞれ人生があって。そこを抽象論にならないよう、いかに演劇的におもしろく描けるかを考えました」。鴻上はその“異物”を、今回“宇宙人”というかたちで劇中に登場させている。それは物語を抽象論にしないことに加え、「個別の問題を扱っているとは思われたくなくて。具体的な事象ではなく、なぜ人は不寛容になるのか。差別そのものをあぶり出すためには、宇宙まで飛んでしまった方がいいだろうと思ったんです」と話す。一見すると非常に重いテーマ。だが作品には、鴻上らしい笑いが随所に盛り込まれている。「深刻に悩んで解決するなら、いくらでも深刻にします。でも深刻にすることで、事態は余計深刻なものになるんじゃないかと。だったら悩みのあまりの重さに思わず笑ってしまうとか、突き放して笑うってことの方が可能性はある。そもそも僕は、笑いのない芝居以前に、笑いのない人生は嫌なんですよね」。前作『夜の森』では、「虚構の旅団」と題し木野花に演出を託した鴻上。劇団メンバーにとってこの舞台は、「嵐のような経験だったのでは」と笑う。「俳優の根本を突きつけられましたからね。その傷がどれだけ癒えているのか……(笑)。ただ“虚構の劇団”っていう枠組みで芝居ができることの嬉しさやありがたさ、貴重さということは、強く実感できたんじゃないかと思います」。2名のメンバーが離脱したが、新たに2名の研修生が参加。キャラクターの厚みが増し、鴻上自身「だからこそ書けた脚本」と語る。劇団として「虚構の劇団」は、次なるステップへ踏み出す時期に来たのではないだろうか。「そう感じますね。鴻上の旗のもとにという意識から、自分がこの集団で何ができ、この集団はどこを目指しているのかという意識に変わってきた。彼ら彼女らが自分を主体に考えられることが一番大事だし、本作がその布石になればいいなと思います」。公演は10月30日(火)から11月11日(日)まで東京・シアターサンモールにて、11月23日(金・祝)から11月25日(日)まで大阪・ABCホールにて上演される。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2012年10月17日ザ・ブルーハーツの楽曲を全編に散りばめた、鴻上尚史作・演出による音楽劇『リンダリンダ』。2004年に初演された本作が8年ぶりに再演される。5月8日、記者発表が都内にて行われ、鴻上ほか主要キャストの松岡充、伊礼彼方、星野真里、丸尾丸一郎、高橋由美子、大高洋夫が登壇。松岡と大高以外は、再演からの新キャストとなる。KOKAMI@networkvol.11「リンダリンダ」チケット情報物語は存亡の危機を迎えたロックバンドのメンバーと、それを取り巻く人々との、夢をかけたある無鉄砲な計画の行く末を描くもの。再演では新たに、昨年の東日本大震災から現在に至るまでの日本の状況を反映させる。鴻上は再演を決めた理由として、「世界的に名の知られたミュージカルはすべて再演され、ブラッシュアップを繰り返しながら成長していくもの。これは音楽劇ではありますが、同じように育てることで絶対いい作品になっていくと思います」と語った。バンドメンバーでベースを担当するマサオ役は、初演同様SOPHIAの松岡が演じる。松岡にとっては初舞台だった今作について、「この作品にかける思い入れは誰よりも強いと思っています。あれからの8年間で成長した部分を無駄にはしたくないですし、お客さまに納得していただくのはもちろん、自分のなかで納得できるものにしたいですね」と再演に向け力強い抱負を述べた。ザ・ブルーハーツへの思いを誰よりも興奮気味に話していたのは、かつて彼らのコピーバンドをしていたという伊礼。「こうやってまた違うかたちで、ザ・ブルーハーツに出合えたことに運命を感じています。もう楽しみで楽しみで夜も眠れないくらい!」と気合いは十分のよう。初の音楽劇への挑戦となる星野は、「一番好きなザ・ブルーハーツの楽曲は?」との質問に、劇中でも披露する『キスしてほしい』をチョイス。すると伊礼は「誰にキスしてほしいの?」とニヤニヤ。そこですかさず松岡が「そういうことじゃないでしょ?(笑)」と返し、会場が笑いに包まる場面も。松岡の「稽古が楽し過ぎる」という言葉を裏づけるような、カンパニーの仲の良さを垣間見た瞬間だった。また初演を振り返って鴻上は、「客席には松岡くんのファンから、演劇、ミュージカル、ブルーハーツのファンがいた。それらの人たちが混在した、カオスのような客席がすごくおもしろくて!今回もまたそうやって、いろいろなファンの人たちで客席が埋まると素敵だなと思います」と、幅広い客層に向けアピールした。公演は6月20日(水)から7月22日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアター、7月28日(土)から30日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、8月2日(木)・3日(金)に福岡・ももちパレス大ホールにて開催。チケットは東京公演は発売中、大阪、福岡公演は5月26日(土)より一般発売開始。取材・文:野上瑠美子
2012年05月09日先日公開を迎えた奇想天外なラブストーリー『恋愛戯曲〜私と恋におちてください。〜』監督の鴻上尚史を“講師”に迎え、読者の恋の悩みに答えてもらう“恋愛講座”企画。後編となる今回は、付き合うようになってからの恋の継続に焦点を当ててお届け!悩み:付き合ってからなかなかその後が長続きしません。どうしたら長く付き合えるのでしょうか――?ハラハラドキドキしつつ恋に落ち、その恋愛が成就したはいいけれど、なかなか長続きしない。そんな悩みに“鴻上先生”の答えは?鴻上:恋愛の初期というのは、互いにとって未知なわけ。そこで互いについて知りたいという思いで、いっぱい会っていっぱい話そうとするんですよね。そこで僕がよく言うのは“お土産を渡す”ということ。お土産は、相手が喜ぶものなら、なんでもいいんだ。手料理でもマッサージでも微笑みでも。でも、情報がお土産になるってことを忘れがちなんです。昨日、こういう映画を観た。こういう小説を読んだ、でも何でもいいんだけど、相手が知らない“情報”――すなわち、情報というお土産を互いに渡しあえる関係を築くこと、それが大事なんだと思う。――映画の中で深田恭子演じる脚本家の谷山は、自分が恋に落ちることで、それを脚本に反映させて執筆するという人物ですが、いまの話で言うと、谷山はいわば、相手から“お土産”を引っ張り出して…。鴻上:そう、“情報”をくれる相手と恋に落ちてそれを脚本にしているわけだけど、彼女のこれまでの恋愛で言うなら、谷山という女性は貪欲だから、1回でその相手が持っている全ての情報を吸い取っちゃうんだね(笑)。悩み:相手に対して甘えたいけれど、どこまで甘えていいのかうまく出すことができません。監督から見て、許せる甘えと許せない甘えは――?鴻上:これはもう、相手としっかりと話すしかないと思うよ。「どんな甘え方をされるのがあなたは好きなの?」ってね。また逆に彼がどんな風にあなたに甘えたいと思っているのかもね。それを相手に尋ねることって、全然、恥ずかしいことじゃなくて、隠している部分やナイーブな部分を見せ合うのが恋愛なわけ。それは甘え方だけでなく、例えばセックスの方法についても同じなんだよね。――なかなか、そこまで踏み込んでいいのか?と思ってしまいそうですが…。鴻上:例えばドラマなら、2人がベッドインしたら、奇跡のようにお互いの想いが通じてて、相手が何をほしがっているのか100%分かっているかのように描かれるけど、現実にはそんなことありえないわけで、話さなければ始まらない!それでも、彼に対してどんな甘え方がいいのかなんて言葉にして聞けないというのなら、実際にどんな甘えを彼が喜んでくれているのかを確かめていくしかない。――付き合いが続けばやがて、結婚ということを互いに意識するのは自然なことですが、その一方で最近では結婚を前提にした“婚活”というのがブームにもなっています。監督の中での恋愛と結婚の関係性、“結婚観”は?鴻上:俺が若い頃は、もちろん婚活なんてなかったから恋愛して、それが結婚に繋がっていくのが当たり前だった。恋愛をして、ちゃんとケンカをして、互いに嫌になったり行き詰まったりもして、「この人とならやっていけるかも」という思考ができて結婚、ということになるのかな。付き合って“恋愛”をせずにいきなり最初から「この人と結婚を…」というのは泳ぎを習い始めてすぐにオリンピックを意識するようなもの。婚活っていうのはいわばお見合いのようなもので、それ自体、否定しようとは思わない。ただ、“婚活”って言い方をすると、結婚ありきで間の恋愛をすっ飛ばしてしまうような響きがあるけど、そこでしっかりと恋愛がないのは、互いにとって不幸だとは思うよ。――ちなみに監督は、お付き合いからどれぐらいで結婚を…?鴻上:それはどこにも言ってないから内緒だな(笑)。悩み:結婚しても相手と恋愛気分でいたいのですが、秘訣を教えてください。鴻上:なかなか難しい質問だね(笑)。だけどこれもやはり、先ほどの話と同じで“お土産”だね。例えば、互いにいつも綺麗でいることを意識するとか、だらしない部分を見せないというのも僕は相手へのお土産だと思う。互いが互いにそういう意識を持つこと。長く一緒にいれば、知るべき新しいことというのは減ってくるかもしれないけど、そこで互いに相手のために“お土産”を作る努力ができるか否かだと思う。俺?俺は相手が喜びそうな映画や小説のことをよく話すかな…と、これ以上喋ると俺の結婚生活相談になりそうだから、ここまでで(笑)!恋愛中であれ結婚後であれ、鴻上監督が重視するのは相手とのコミュニケーションの継続。曰く「語ることで相手と一致することが大事なんじゃなくて、相手との違いを理解することが大切」とのこと。“達人”の言葉を胸に、いつもよりほんの少しだけ、会話の時間を長くとってみるのもよいかと…。第1回講座:【恋愛継続編】特集 新しい恋のカタチ■関連作品:恋愛戯曲〜私と恋におちてください。〜 2010年9月25日よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネセゾン渋谷、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2010映画「恋愛戯曲」製作委員会■関連記事:シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第7回)映画で見てみたいカップルと言えば?深キョン&椎名桔平&塚本高史「結婚しても恋心」で意見一致深キョン&椎名桔平が原稿に埋もれ…『恋愛戯曲』特別画像&白熱の本編映像が到着達人に聞く!『恋愛戯曲』監督・鴻上尚史の恋愛講座【出会い編】恋多き女(?)深キョンが恋の悩みをバッサバッサ
2010年09月28日