友人のママ友がFacebookにアップしたお雛様の画像を見て、なんだか違和感。「お内裏様が、右側にいる!?」ひょっとして置き方を間違っているのかしら…と思って調べてみたら、どうやらそうではなく地域差の問題。お内裏様が右側という置き方は、関西に多いみたい。京都を中心に関西の一部地方ではお内裏様が右お人形の吉徳大光ウェブサイトには、“雛人形や雛道具には、一応標準的な飾り方・並べ方があります。雛段飾りを購入した店で聞いたとおりの飾り方をしていても、親戚などから「雛人形の並べ方が違う」と言われてしまうことがあります。それはなぜかというと、地域や時代によって「標準」が違っているからです。”とある。日本には古くから、左方上位という、左側の方が位が高いという考えがあり、これは神社の手水で手を洗う時に左から手を清めることなど、現代の私たちの暮らしのなかにも自然と溶け込んで残っている。雛人形は平安時代の貴族たち。平安時代の貴族は、お妃様の向かって左側に位の高い帝が座る、つまり、正面から見ると、帝であるお内裏様が右側になる。京都を中心とする関西の地域では、このしきたりが今も残っているんですね。関東ではお内裏様が左 でもどうしてこうなった?じゃあ、どうして関東はお内裏様が左になったの? 実はこれ、西洋式のルールにのっとった結果。明治時代の終わりごろ、西洋文化が日本にも入り、天皇が皇后の右側、つまり向かって左側に立つようになると、そのルールに合わせて雛人形の配置も変化したということ。1928年に昭和天皇が即位の礼を行った際、西洋の方式に倣って、これまでの左右と逆転して位置したことがきっかけとなって、ひな人形メーカーが左右を逆に配置して作り始めたというわけ。そうした時代にあっても、伝統を重んじる京都では、潮流に乗ることなく、昔からの雛段を作り続けてた。これが、今日までいたり、地域によって置き方が異なる理由ということ。ひとつ疑問が解決して、なんだかスッキリ! あなたの家のお雛様は、どちらに座っていますか?(文・団子坂ゆみ/考務店)
2018年03月03日