北野武監督の最新作『アウトレイジ ビヨンド』のジャパンプレミアが18日に都内で開催され、北野監督をはじめ、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁という豪華“悪人”キャスト陣が一堂に会した。北野監督は「みなさん主役級だから、ギャラが相当かかりました。うち(事務所)としても大変」と愚痴をこぼしながらも、高倉健の『任侠』シリーズや深作欣二監督の『仁義なき戦い』など過去の名作群を引き合いに「新しい時代のバイオレンス映画になった」と自信満々でアピールした。その他の写真ヤクザ社会の壮絶なる下克上劇を描き大ヒットした2010年の『アウトレイジ』の続編がついに日本のファンにお披露目された。獄中死したはずの大友(たけし)が警察の思惑によって釈放され、関東VS関西の両巨頭がぶつかり合う抗争に身を投じる姿が、前作をビヨンド(超越)する極限のバイオレンスで描かれる。北野監督にとっては、16作目にして初の続編映画で、第69回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品された。惜しくも賞は逃したが「向こうではやたらウケましたね。(現地にある自身の)ファンクラブの会員とも酒を飲みながら『最高傑作』と評価してもらった。まあ、酒をおごったのはオレだけど(笑)」。コワモテ俳優がズラリ勢ぞろいする中、異彩を放つ西田は「念願だった北野監督の作品に出演できて本当に嬉しい。大声でどなってスッキリしましたし、おかげで血圧も正常に戻った」とユーモアを交え、本作への出演に喜びを表した。一方、前作からの“生き残り組”にも、今回はさらなる波乱が待ち構えており「頂点に上り詰めた男の末路をぜひ見てください」(三浦)、「出世して若頭になったんですが、どうもその器じゃなかったようで、ひどい目に遭いました」(加瀬)とファンの期待をあおっていた。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年09月18日世界中で大ヒットを記録したマット・デイモン主演の『ボーン』シリーズ。その最新作にして、ジェレミー・レナーを主演に迎えて贈る新章『ボーン・レガシー』。本作の撮影でも最も過酷だったと言われる、極寒の地・カナダでのメイキング映像がシネマカフェに到着!前シリーズではマット演じるジェイソン・ボーンが国家主導で行なわれている極秘の「トレッドストーン計画」と、そのアップグレード版となる「ブラックブライアー計画」の謎が解き明かされていったが、本作はその裏で同時に進行していた新たな機密プログラムがテーマ。「アウトカム計画」と呼ばれるそのプログラムの“最高傑作”であるアーロン・クロス(ジェレミー)に国家の魔の手が忍び寄る…。今回届いたメイキングは、極寒のカナダで水温7度の氷河に上半身裸の状態で身を沈めるという、過酷というよりも危険(?)なシーンに挑むジェレミーの姿を捉えたもの。本作の監督を務めたトニー・ギルロイも「本当に危険だ。(水から出て)焚き火の場所まで歩く間にヒゲが凍っていたよ…」とふり返る。前シリーズのラストシーンはマット演じるジェイソンが水の中に沈んでいくシーンで終わっていたが、新章となる本作ではジェレミー扮するアーロンが水上に浮かび上がって来るこのシーンから始まり、前シリーズとの繋がりを暗に示しているようだ。実際の映像を見てみると、ヒゲだけでなく顔中の水分が凍っていることがうかがえるが、体当たりでこのシーンに挑戦したジェレミーは「どう準備すればいいのか分からなかった」と当時をふり返る。最後に「もう水には飛び込まないぞ!」と堅い決意(?)をを笑顔で語る。ハードなアクションが見どころの『ボーン』シリーズだが、スタントでもCGでもなくジェレミーの役者魂がそれを作り上げていることを証明してくれる映像となっている。まずは、彼の鍛え上げられた見事な肉体美も堪能できるこちらのメイキング映像をチェック!『ボーン・レガシー』は9月28日(金)より全国にて公開。※こちらのメイキング映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ボーン・レガシー 2012年9月28日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2012 Universal Studios. All Rights Reserved.
2012年09月14日現在開幕中の第69回ベネチア国際映画祭で日本から唯一のコンペティション部門正式出品を果たした『アウトレイジ ビヨンド』を引っさげ、北野武監督が単身現地入り!9月3日(現地時間)の記者会見、さらに夕方に行われたレッドカーペット・イベントに出席し、海外ファンたちからの歓声に応えた。前作『アウトレイジ』で描かれた、関東最大の暴力団組織・山王会の抗争から5年後。一度は決着がついたはずだったが、ヤクザ壊滅を図る警察が動き始め、“死んだはずの男”大友(ビートたけし)は利用される羽目に。騙し合いと裏切りの火種がまたもやくすぶり始め、関東勢VS関西勢(花菱会)の巨大な抗争へと発展していく――。世界各国の報道陣が集まった記者会見では、やはり震災後に撮られた作品とあってその影響についての質問が飛び交ったが、「震災でたしかに映画の撮影は一年延びた。震災後の一年間は、逆に自分は怒りを感じている部分があった。世の中、絆とか愛とか表面的なものばかりでイライラした。こういうときこそヤクザ映画を撮ってやろうとやる気が起きた」と相変わらずの毒の効いたコメントで返した北野監督。さらに、本作は“観客”のために作ったものだとも明かし、「暴力描写を褒めてくれるマニアックな人々がいるのは嬉しいことだけれども、今回の映画はエンターテインメントだと割りきって自分なりのエンターテインメント性を追求した。そうすると、自分にとっては、家庭、女、女房、子供とかは排除する結果になり、馬鹿な男の話になった。その方が楽しんでもらえるかなと思った。けれども、いつでもお客さんの入らない映画を作る準備もしているよ(笑)」と冗談を交えるなど、衰えぬ“世界のキタノ”のインパクトを与える会見となった。さらに、夕方から行われたレッドカーペットでは、会場に「北野武映画の神様」と漢字で書いた横断幕をもつ熱狂的なファンの姿(写真上)も見られ、会見とは打って変わって北野監督は和やかな様子でファンから求められる握手やサインに応じていた。また、その後には本作の上映も行われ、「ブラボー!」という称賛の声と共に満席の会場では総立ちの観客から拍手喝采が贈られた。『アウトレイジビヨンド』は10月6日(土)より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開。第69回ヴェネチア国際映画祭は9月8日(現地時間)までイタリア・ベネチアにて開催。授賞式は同日最終日に行われる。(photo:KAZUKO WAKAYAMA)■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年09月04日北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』が、現地時間3日に行なわれた第69回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で上映され、来場した北野監督へ、観客が総立ちで拍手喝采した。その他の写真会見で北野監督は「日本のヤクザとの違いは看板がかけられているかどうかで、イタリアも日本もほとんど同じだと思う。警察とヤクザの関係は世界共通ではないか」と切り出し、「暴力描写を褒めてくれるマニアックな人々がいるのはうれしいことだけれども、今回の映画はエンターテインメントだと割りきって自分なりのエンターテインメント性を追求した」とコメント。さらに「『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』」に関しては、自分が撮りたい映画というよりも、観客のことを考えて作った。けれども、お客さんの入らない映画を作る準備もしているよ」と話し、笑いを誘った。また記者から「震災で1年撮影が延期されましたが…」と質問されると、北野監督は「震災で確かに映画の撮影は1年のびた。震災後の1年間は、自分は怒りを感じている部分があった。世の中、絆、愛、支えとか、表面的なものばっかりでイライラした。こういうときこそヤクザ映画を撮ってやろうとやる気が起きた」と語った。同映画祭において、1997年に『HANA-BI』で最高賞の金獅子賞を、2003年に『座頭市』で監督賞にあたる銀獅子賞を受賞している北野監督とあって、レッドカーペットではあちらこちらで「TAKESHI!」と声があがり、北野監督は笑顔でサインや撮影に応えた。『アウトレイジ ビヨンド』は、前作『アウトレイジ』から5年後を舞台に、暴力団組織の抗争に警察が介入し巻き起こる死闘を描いた、究極のバイオレンス・エンターテインメント。ビートたけし、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、小日向文世に加え、本作には西田敏行、塩見三省、高橋克典のほか、桐谷健太、新井浩文ら豪華キャストが集結する。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年09月04日10月に公開される北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』に出演した名高達男、光石研、田中哲司のインタビュー動画がこのほど公開された。インタビュー動画本作は、血と暴力の世界に生きる男たちの生き様と抗争を描いたエンターテインメント作『アウトレイジ』の続編にして新たな物語。前作で死んだはずの大友(ビートたけし)が東西組織の勢力争いに巻き込まれ、さらにそこへ警察が介入。登場人物全員が“悪人”の抗争劇を描き出す。北野監督が“本当に悪い”男たちばかりを登場させ、痛快なエンターテインメントを目指した本作。名高が演じるのは、関東を牛耳る暴力団・山王会で古参幹部ながら、新参者の石原(加瀬亮)に組織内で先を越され、不満を抱いている白山だ。そして、その白山の兄弟分、五味を演じるのが光石、山王会に所属しながら何を考えているのかわからない不気味な印象を持たれている男、舟木を演じるが田中だ。3人とも、演技派俳優として数々の映画、ドラマ、舞台で活躍し、繊細な会話劇から豪快な活劇までを縦横無尽にカバーしてきた名優だ。インタビュー動画では3人が自身の演じた役や、撮影秘話について語っている。本作は、暴力団に所属する悪い男たちを主役にしているが、その内容はエンターテインメントに徹しており、過剰なまでに悪い男たちを対決させることで出現するスゴみや、過剰であるがゆえに生じるギャップやユーモアを描いている。インタビューで名高が「奥行きが深い大人っぽい映画」と語る通り、本作は、アクションや怒号が飛び交う場面が多くありながら、それだけではない“深み”のある作品に仕上がっているようだ。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年08月24日第69回ベネチア映画祭への出品も決まっている北野武監督の新作『アウトレイジ ビヨンド』の予告編がこのほど完成し、怒号と銃弾が休みなく飛び交う緊迫感あふれる映像の一部が公開された。『アウトレイジ ビヨンド』予告編本作は、血と暴力の世界に生きる男たちの生き様と抗争を描いたエンターテインメント作『アウトレイジ』の続編にして新たな物語。前作で死んだはずの大友(ビートたけし)が東西組織の勢力争いに巻き込まれ、さらにそこへ警察が介入。登場人物全員が“悪人”の抗争劇を描き出す。このほど公開された予告は、刑務所内にいる大友が片岡刑事(小日向文世)に「お前、俺死んだってウワサ、流したろ?」と問いかける場面から始まるが、穏やかな映像はここまで。そこから先は男たちの鋭い眼光と怒鳴り声と銃声が飛び交う衝撃のシーンがほぼ休みなく続く。関東で勢力を拡大した暴力組織の山王会の若頭・石原(加瀬亮)がハイトーンに怒鳴り声を上げれば、西の雄・花菱会の若頭・西野(西田敏行)はドギつい関西弁で相手を一喝する。さらに悪人たちの怒りは言葉だけでなく銃弾になって画面を飛び交い、次々と男たちの血が流される。これまで数々の賞を受賞し、映画作家としての地位を確立してきた北野監督が、あえて“エンターテインメント”に徹した本シリーズ。約2分ほどの予告編を見るかぎり、『アウトレイジ ビヨンド』は前作を超え、北野映画史上最も娯楽性の高い作品になるようだ。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年08月03日マット・デイモンに代わり、新たに『ボーン』シリーズで主演を務めるジェレミー・レナー。最新作『ボーン・レガシー』のプロモーションで本日(8月2日)、初来日を果たす彼だが、役づくりのための厳しいワークアウトから解放されて大喜びだという。アメリカのTV番組「Access Hollywood」に出演したジェレミーは「もう3か月半、ジムに行ってない。すごく嬉しいよ」と語った。「午前4時に起きて、1日8時間もワークアウトしたり、格闘シーンの練習やストレッチに明け暮れるんだ。それが仕事だからね。つまり、仕事じゃないときはやらないんだ」。新シリーズでは前3部作と「同じ世界・同じ時系列で展開されていた別の物語」という設定。今回マットは出演していないが、ジェレミーは今後のシリーズで共演できることを望んでいる。「この映画の素晴らしいところは、どんな風にも話を展開することができることだ。マットと共演できたら最高だろうね」。(text:Yuki Tominaga)© ZUMA Press/AFLO■関連作品:アベンジャーズ 2012年8月14日より全国にて公開TM&© 2012 Marvel & Subs.ボーン・レガシー 2012年9月28日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2012 Universal Studios. All Rights Reserved.
2012年08月02日全世界で約1000億円を超える大ヒットを記録したアクション映画『ボーン』シリーズの最新作『ボーン・レガシー』の公開を記念して、本作で主演を務めるジェレミー・レナーの来日が決定した。その他の写真本作でレナーが演じるのは、高度な遺伝子操作と人格改造で類まれな戦闘能力を身につけた暗殺者アーロン・クロス。自らの身体に仕組まれた秘密を追う中で、CIAの最高機密である巨大な陰謀に関わることとなった彼が、激しい苦悩の中、危険な戦いに身を投じていく。レナーといえば、『ハートロッカー』で、アメリカ軍の爆弾処理班のリーダーを演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた実力派。最近では、『ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル』でも凄まじいアクション能力を披露したり、間もなく公開される『アベンジャーズ』では弓矢の名手“ホークアイ”を演じている。今回満を持しての初来日となるレナーは、8月2日(木)に行われる完成披露試写会に登壇予定。いま、最も活躍が期待されている俳優のひとりなだけに、待望の来日でどのような素顔を見せてくれるのか期待が高まる。『ボーン・レガシー』は、最強の元暗殺者“ジェイソン・ボーン”とCIAの死闘を描き、『ボーン・アイデンティティー』、『ボーン・スプレマシー』、『ボーン・アルティメイタム』と3部作にわたって製作されてきたシリーズの最新作。3部作で主演を務めたマット・デイモンによる極限まで臨場感を追求したアクションと、ノンストップで展開されるストーリーは、それ以降のアクション映画に多大な影響を与えたことでも知られている。本作はそのジェイソン・ボーンの死闘の裏で「同じ世界・同じ時系列で展開されていた別の物語」に焦点を当てるというもの。前3作で脚本を手がけたトニー・ギルロイが監督も務め、ジェイソン・ボーンを遥かに凌ぐ暗殺能力を身に着けたアーロン・クロスの危険な戦いが描かれる。『ボーン・レガシー』9月28日(金)より、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー文:渡部あきこ
2012年07月24日“現代アーティスト”ビートたけし北野の個展『BEAT TAKESHI KITANO絵描き小僧展』が東京オペラシティ アートギャラリーで好評開催中だ。9月2日(日)まで。「BEAT TAKESHI KITANO絵描き小僧展」開催情報2010年にパリで開催され話題を呼んだ美術展の日本凱旋版。多才の人、ビートたけし北野のオリジナル絵画、版画、立体作品を展示、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさと豊かな色彩感覚あふれる“北野ワールド”の魅力で人気を集めている。7月31日(火)までのキャンペーンで限定400組のお得な企画チケットが発売中。図録1冊(定価2,000円)と大人2名様分の入場券がセットとなって2,600円。総頁数143ページの図録は作品紹介からインタビューまで盛りだくさんの内容なので、夏休みに家族連れやカップルなどでお出かけ、なんてお考えの方にはおススメだ。なお、同展覧会は7月8日(日)午前9:00~10:00(再放送:同日20:00~ 21:00)放映のNHK-Eテレ「日曜美術館」のアートシーンでも取り上げられる予定。ビートたけし北野ご本人のインタビューもあるので、こちらもご注目を。■『BEAT TAKESHI KITANO 絵描き小僧展 Fondation Cartier pour l’art contemporain』開催期間:2012年9月2日(日)まで開館時間:11時~19時 (金、土は~20時最終入場30分前)休館日:毎週月曜(祝日の場合は翌日、※GWは無休)、8月5日(日)
2012年07月06日ジェレミー・レナーを新たな主人公に迎えて描くアクション大作『ボーン・レガシー』が9月から公開されるのを前に、約2分間のweb特別版予告編映像が公開され、“ボーン”シリーズで主演を務めてきたマット・デイモンも登場していることが明らかになった。『ボーン・レガシー』web特別版・予告動画『ボーン・レガシー』は、ジェイソン・ボーンを生み出した“トレッドストーン計画”(人格と肉体を改造し、最強の暗殺者にするCIAの極秘プログラム)によって作り出された、完璧な戦闘能力を持ったもうひとりの人物“ケネス・キットソン”=コード名アーロンを主人公にした物語。このほど公開された動画には、デイモン扮する“ジェイソン・ボーン”の写真と名前がニュースで取り上げられるシーンがあり、本作が前シリーズと同じ世界、同じ時系列で進行するストーリーであることが明らかになった。また、新キャストのエドワード・ノートンは、“プログラム”の抹殺指令を出す重要人物の役であることや、レイチェル・ワイズ演じるドクターは、“トレッドストーン計画”に関わった人物だということもわかる。さらに後半では、アーロンとドクターが逃走していく中での、息を呑むアクションシーンが次々に展開される。ボーンが起こした一連の事件を引き金に、完璧な戦闘能力を備えた“もう一人の最高傑作”アーロンもまた巨大な陰謀に巻き込まれ、生命の危機にさらされていく様が緊迫した映像の中で描かれており、期待の高まる予告編映像となっている。『ボーン・レガシー』9月TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー
2012年06月12日北野武監督が『BROTHER』以来9年ぶりに現代ヤクザの世界を描いた『アウトレイジ』の続編『アウトレイジ ビヨンド』の記者会見が17日に撮影現場の千葉県で行われ、北野監督と、前作に続いての出演となる三浦友和、加瀬亮、小日向文世、新キャストの西田敏行、松重豊、高橋克典、桐谷健太、新井浩文が登壇した。その他の動画『アウトレイジ』は2010年、豪華俳優陣が集結し、登場人物全員が“悪人”という強烈な設定で話題に。その続編であり完結編である『…ビヨンド』は、3月11日に発生した東日本大震災の影響で製作を延期していたが、今月2日に神戸でクランクインし、現在も撮影中だ。北野監督は、「もともとシリーズ予定ではなかったのですが、前作があたっちゃって…。1回見た人は2回目も見るんじゃないかという図々しさです。台本は面白くて仕方ないので、(映画が)つまらなかったときに演出のせいにならないように頑張ります」と話し、映画では前作、獄中で刺されて死んだはずの大友を再び演じる。森昌行プロデューサーは、「ポイントは、“実は大友は生きていた”ということ。ただリベンジという単純なものではなく、出所した大友の第一声が「誰がまたヤクザやるっていったよ」というところから始まります。そして東西巨大ヤクザ組織が勢力争いをする中、ヤクザ壊滅を目論む警察が介入していくところに大友が巻き込まれていきます」と明かした。また、前作は公開時、約155スクリーンでの上映だったが、本作は200館以上という北野映画史上最大規模での公開となることも発表された。すべてにおいて前作を超えることを感じさせられる『アウトレイジ ビヨンド』は、10月6日(土)より全国で公開。『アウトレイジ ビヨンド』10月6日(土)より全国ロードショー
2012年04月18日北野武監督の最新作で前作『アウトレイジ』の続編となる『アウトレイジビヨンド』が4月上旬にクランクイン。千葉県内の撮影現場で4月17日(火)に記者会見が行われ、北野監督を始め、前作に続いての出演となる三浦友和、加瀬亮、小日向文世に本作からの参加が明らかになった西田敏行、松重豊、高橋克典、桐谷健太、新井浩文が出席した。前作は“全員悪人”という触れ込みでヤクザの世界に生きる男たちの生き残りを賭けた処世、下克上を激しい暴力描写と共に描き出し、ヒットを記録した。続編は昨年の製作と公開が予定されていたが、3月11日の東日本大震災の発生を受けて撮影が延期。1年を経てようやく再始動となった。前作で北野監督(ビートたけし)自らが演じたヤクザの組長・大友は殺されたかに見えたが、この日、会見前に配られた資料のキャスト陣の中にはビートたけしの名前が…。気になるストーリーについて森昌行プロデューサーは「実は、大友は生きていた」と、北野監督が再び大友を演じることを明かす一方で「そこからのリベンジという単純なストーリーではない」とも。前作からの生き残りである加藤(三浦さん)が君臨する東京の山王会と西野(西田さん)が若頭を務める関西の雄・花菱会による東西抗争に加え、犯罪組織の撲滅を図る警察組織の策略、そこに刑務所を出所した大友が否応なく巻き込まれていく姿が描かれるという。4月2日に神戸でクランクインし、この日は千葉県内のリゾートホテル内で撮影が進められた。ロケの合間を縫っての会見ということで、キャスト陣は衣裳のまま登場したが、当然のように全員ダークスーツ!それぞれひと言ずつ意気込みを語った。北野監督は「前作の『アウトレイジ』はシリーズではない予定だったけど珍しく当たったので、図々しい根性で『2』を作ろうとなった。前作を観て西田さんやベテランの方が出てくださることになったけど、神戸のロケで神山繁さん、中尾彬さん、西田さんにコテコテの芝居をやられて、見ててヘトヘトになりました(笑)」と軽妙に語る。前作では登場人物たちの趣向を凝らした殺され方が話題を呼んだが、監督は「期待されて困っちゃう(笑)。『痛ぇ!』ってのをやらないといけないかな。ご期待ください」とニヤリ。出来上がった脚本にはかなり自信を持っているようで「失敗したら演出のせいだと言われて恥ずかしいので頑張ります」と独特の口調で意気込みを語った。三浦さんは続投を喜びつつも「トップに上り詰めてしまい、追われる立場になって、疑心暗鬼で現場にいます。今日も2人、殺してまいりました(笑)」と笑いを誘った。インテリ極道の若頭・石原役で同じく前作に続いての出演となる加瀬さんは七・三分けに色つきのサングラスで登場し「若頭に出世し嬉しいです…部下が年輩の方で戸惑ってますが(笑)。前作を上回る作品にできるように努力したいと思います」と語った。西田さんは、ヤクザらしからぬ明るくウキウキした口調で「憧れの北野組に参加できて嬉しいです。とっても心が弾んでます!」と挨拶し、これには監督始め共演陣からも笑いが。神戸ロケについての監督からの先ほどの“苦言”について「コテコテの芝居っぽくならないように頑張ったんですが、中尾さんが結構、しつこくて参りました」とこの場にいない中尾さんに責任転嫁していた。花菱会所属のヤクザを演じる高橋さんは、ドラマで俳優・ビートたけしとの共演経験はあるものの、北野作品への出演は初めて。「初めての参加となりますが嬉しいです。頑張ります」と短い言葉に思いを込めた。前作でマル暴(※暴力団など組織犯罪を専門とする課)の悪徳刑事役でこれまでにない姿を見せた小日向さんは「緊張する現場です」と北野組の撮影の空気を表現。同じくマル暴の刑事を演じる松重さんは、これまでにも数々の映画やドラマで刑事やヤクザを演じてきたが「誘っていただき光栄です」と感慨深げに北野組に参加する喜びを語った。今回、ヤクザを志しながらこの世界の恐ろしさを身をもって知ることになるのが、桐谷さんと新井さんの2人。これから撮影に臨む新井さんは「緊張と楽しみ、不安もありますが、それらをごちゃ混ぜにしてやりたい」と気合い十分。桐谷さんは「『アウトレイジ』に珍しくピュアな役なので地で行こうかと思ってます」と笑顔を見せた。なお、本作は北野監督作品としては過去最大規模となる200館以上での公開となることも発表された。血の雨が降り注ぐこと必至!『アウトレイジビヨンド』は10月6日(土)より全国にて公開。■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より全国にて公開
2012年04月17日ジェレミー・レナー主演のアクション大作『ボーン・レガシー』(原題)の特報と新画像がこのほど公開され、映画ファンが待ちわびた“ボーン”シリーズ最新作の一部が披露された。『ボーン・レガシー』特報映像暗殺のスペシャリストを養成するCIAの極秘プロジェクト“トレッドストーン計画”によって誕生したジェイソン・ボーンを主人公にした三部作は、ダグ・リーマン監督、ポール・グリーングラス監督の斬新な演出と、マット・デイモンの華麗なアクションによってアクション映画の法則や定石を次々と更新し、緊迫感あふれる映像と物語を描き出した。そして、三部作完結後に描かれる本作は、“トレッドストーン計画”によって生み出されたもうひとりのエージェント、ケネス・キットソンの物語を描くという。主演を務めるのは『ハート・ロッカー』で注目を集め、『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』でもアクションを披露したジェレミー・レナー。他にもエドワード・ノートン、レイチェル・ワイズ、ジョアン・アレン、アルバート・フィニーらが出演。前三部作で脚本を手がけたトニー・ギルロイが本作では脚本だけでなく監督も務める。このほど公開された予告編では、主人公キットソンが“計画”に身を投じることを決意する場面で幕を開け、“ジェイソン・ボーンは氷山の一角にすぎない”というコピーが登場。その後は、その言葉を裏付けるように、極度に高い身体能力をもつキットソンが目にとまらぬ早さでターゲットを撃破していく場面が編集されている。前三部作は、映画ファンの間でも極めて評価の高いシリーズだけに本作に対する観客の期待も高いはずだが、予告編中には新主人公キットソンについて「これほどまでの能力は見たことがありません」と語る場面が登場しており、スタッフ、キャストが本作で“ジェイソン・ボーン超え”を目指していると考えて間違いなさそうだ。本作は2012年に全国公開される。『ボーン・レガシー』(原題)2012年公開
2012年02月15日17日(金)に日本公開される映画『トロン:レガシー』の本編映像の一部が紹介され、謎に満ちた物語の一端が明かされた。その他の画像『トロン:レガシー』は、主人公サムが20年前に突如として姿を消した父であり、エンコム社のCEOであるケヴィン・フリンの消息を追って、父が創造した新世界へと足を踏み入れる物語。このほど公開された映像は、主人公サムがコンピュータの中の世界に設置されたクラブを訪れる場面。マイケル・シーン演じるキャスターがオーナーのこのクラブでは、仏のエレクトロ・デュオ、ダフト・パンクが手がけるトラックが鳴り響き、本人たちもDJブースに登場。サムが、キャスターに「ズースに会いたい」というと、キャスターは「君もか?」と返答。この映像では多くの人が会いたがっている“ズース”とは何者なのか、そしてサムはなぜ“ズース”に会う必要があるのかは明かされないが、謎に満ちた本作の一端と、“トロン・ブルー”で彩られた美しい映像を堪能できる。『トロン:レガシー』12月17日(金)全世界同時公開(C) Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
2010年12月10日12月に全世界同時公開される映画『トロン:レガシー』の音楽を手がけるフランスのエレクトロ・デュオ、ダフト・パンクが手がけた劇中トラック『Derezzed』のミュージック・ビデオがこのほど公開された。その他の写真特殊なマスクとスーツに身を包み、近未来的なエレクトロサウンドと、松本零士やミシェル・ゴンドリーら世界のクリエイターとコラボレーションした映像で世界各地のファンを魅了してきたダフト・パンクの最新作は、ディズニーが3D映像の極限に挑む映画『トロン:レガシー』のオリジナル・サウンドトラックだ。おなじみのエレクトロ・チューンはもちろん、100人超のオーケストラをフィーチャーしたトラックも製作。彼らの新しい一面が堪能できる仕上がりとなっている。そこで、最新アルバム『トロン:レガシーオリジナル・サウンドトラック』が12月15日(水)にリリースされる前に、『Derezzed』のミュージック・ビデオが公開された。本映像は“MOVIEヴァージョン”と題され、映画『トロン:レガシー』の映像と、“トロンスーツ”を着用したふたりが劇中で DJとして出演しているシーンが使用されている。『トロン:レガシー』は、主人公サムが20年前に突如として姿を消した父であり、エンコム社のCEOであるケヴィン・フリンの消息を追って、父が創造した新世界へと足を踏み入れる物語。『トロン:レガシー』12月17日(金)全世界同時公開『トロン:レガシーオリジナル・サウンドトラック』MUSIC BY DAFT PUNK全22曲収録12月15日(水)発売2600円(税込)WALT DISNEY RECORDS
2010年11月22日12月17日(金)に公開となるディズニーのSF大作『トロン:レガシー』の音楽を手がけている「ダフト・パンク」の2人が、DJ役として映画に出演していることが明らかになった。映画は、20年前に失踪した父親が創造した、異次元の世界に足を踏み入れた青年・サムが、人類を救うべくその世界に君臨する独裁者と戦う姿を描いたSFエンターテイメント。映画とダフト・パンクのコラボレーション――“映像革命”を謳う近未来的な映像とクラブシーンの最先端を走るエレクトロ・デュオの組み合わせは大きな話題を呼びそう。すでに、本作の完成前の一部映像が東京国際映画祭などで上映されているが、これを観た人々からも映像の美しさに加え、各シーンで力強く響きわたるサウンドのパワーを称賛する声が上がっている。なお、ダフト・パンクの2人が本作にDJ役で出演していることも明らかに。さらに今回、映画の世界を背景に、おなじみのフルフェイスマスクはそのまま、劇中でサムたちが着用している衣裳“トロン・スーツ”を身にまとった2人の写真も公開された。映画のオリジナル・サウンドトラック(2,600円/税込)は12月15日(水)に発売。彼らにとっては2005年の「Human After All〜原点回帰」以来の新音源となり、サントラの枠を超えたエレクトロ・オーケストラ・アルバムとして注目を集めそうだ。『トロン:レガシー』は12月17日(金)より全国にて公開。特集『トロン:レガシー』公開記念「トロン・ボーイ コンテスト」開催■関連作品:トロン:レガシー 2010年12月17日より全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.■関連記事:公開前の上映はこの1回のみ!『トロン:レガシー』ジャパン・プレミア試写会に2組4名様ご招待『トロン』近未来スーツを着こなせ「トロン・ボーイ コンテスト」応募開始!ゲスト来場!『トロン:レガシー』ブルーカーペットイベントに20組40名様ご招待『ハリー・ポッター』本編上映前に『トロン:レガシー』8分間の特別映像上映ディズニーの本格3D映画『トロン:レガシー』山田優に続編オファー?
2010年11月19日ディズニーが贈るSF超大作『トロン:レガシー』の主要登場人物たちのポスタービジュアルが公開された。20年前に失踪した父親からのメッセージを受け取り、彼のオフィスを訪れた主人公が、父親が創造した“理想郷”に足を踏み入れ、人類の存亡を懸けた戦いに巻き込まれていく姿が描かれる。まもなく開幕する第23回東京国際映画祭で、世界初公開となる特別映像が上映されるが、その謎に包まれた物語、世界観の一端が明らかに!今回到着したのは、5人の登場人物のポスタービジュアルで、この“世界”における役割と、それぞれの物語との関わりを示すコピーが掲載されている。ハリウッドの新鋭ギャレッド・ヘドランド演じる主人公サム・フリンは“救世主”。20年ぶりに父親からメッセージを受け取ったことに端を発し、思いもよらぬ世界に足を踏み入れ、戦いに巻き込まれることになるが、彼のキャラクターポスターには「いま、俺は戦う。父が創ったこの世界と――」という言葉が。その父で“創造主”であるケヴィン・フリンを演じるのは、オスカー俳優ジェフ・ブリッジス。彼が作り上げた“理想の世界”はいまや、クルーという独裁者が全てを支配していた。「この世界の誕生が人類の未来を変えるはずだった…」という悔恨の念の詰まった言葉が記されている。「The OC」、「Dr.HOUSE」などの人気ドラマに出演し注目を集めるオリヴィア・ワイルドは、“謎を握る女”クオラを演じる。命を狙われるサムを救うクオラ。「この世界に来た意味をあなたはまだ、わかっていない」という言葉を投げかける。このほか、謎だらけの世界に戸惑うサムに「生き残ること」がすべきことであると告げる“ナビゲーター”のジェム、そしてサムが戦うことになる“戦士”リンズラーのポスターも解禁となった。いまだ謎多き本作。ケヴィンが作り上げたこの世界が抱える、人類の存亡を脅かすという秘密とは?“救世主”サムの運命は――?『トロン:レガシー』は12月17日(金)より全国にて公開。■関連作品:トロン:レガシー 2010年12月17日より全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.■関連記事:W・アレンの撮影現場は出会いを生む?ペネロペ&ハビエルに続くカップル誕生キャスト陣来場!東京国際映画祭『トロン:レガシー』フッテージ上映に5組10名様ご招待映画のヒロインに変身!「TIFF」ヘアデザインショーモデル体験に1名様ご招待シネマカフェ的海外ドラマvol.168保存版!美女特集 第2回「Dr.HOUSE」『トロン:レガシー』最新3D映像、サンディエゴのコミコンで初公開で大歓声!
2010年10月21日12月に全世界同時公開される映画『トロン:レガシー』の最新予告編が解禁され、その驚異の映像世界の一部が公開された。『トロン:レガシー』のロゴ写真『トロン:レガシー』は、主人公サムが20年前に突如として姿を消した父であり、エンコム社のCEOであるケヴィン・フリンの消息を追って、父が創造した新世界へと足を踏み入れる物語。デジタル界のカリスマ、ケヴィン・フリンが作り上げたコンピュータの中の世界は、黒を基調としたシンプルなビジュアルに鮮明な色づかいのアクセントを配した独自の世界。解禁となった予告編では、主人公サムが父を追ってコンピュータの中の世界へと飛び込む場面に始まり、ディズニー社が“映像革命”を掲げて作り上げた最新のデジタル映像がお披露目されているほか、コンピュータの中の世界を行き交う様々なマシンや人物、そして強烈なビジュアルで描かれたバトルシーンが登場。また、予告編には全世界にファンを持つエレクトロ・ユニット、ダフト・パンクが手がけたトラックが鳴り響いている。本作は、3Dカメラを用いて撮影が行われており、上映もディズニー・デジタル3D(TM)版とIMAX 3D版で実施される。『トロン:レガシー』12月17日(金)全世界同時公開(C)Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.
2010年08月30日12月17日(金)の全世界同時公開が決まっているディズニーによるSF超大作『トロン:レガシー』の最新3D映像が、7月22日(現地時間)、アメリカ・サンディエゴで開催されている全米最大級の映像イベント“コミック・コンベンション”にて公開された。会場には、ジョー・コシンスキー監督に、主演のギャレット・ヘドランド、ヒロインを演じたオリビア・ワイルド、そして物語の鍵を握る主人公の父親を演じたジェフ・ブリッジスも姿を見せ、ティーチインが行われた。20年前に失踪したデジタル業界のカリスマCEOの息子が、ある日、父のメッセージを受け取り、その消息を追って訪れた彼のオフィスで、彼が創り上げた“理想郷”への入り口を見つける。そこに足を踏み入れたことから巻き起こる事件が描かれる。“レガシー”という言葉が付けられている本作だが、『トロン』は1982年に世界で初めて全面的にCGを取り入れて製作された作品として話題を呼んだ伝説的な映画で、本作は全く新しい物語として生み出された。“トロン”とは劇中に登場する新世界の名前。この日、公開されたのは、主人公のサムがトロンに入り込んだ後の5分間のシーン。上映はコミコンのメイン会場となっている6,500名収容のホールにて3Dで行われた。会場内に用意された4つの巨大スクリーンに映像が映し出されると、満場の客席から大歓声がわき起こった。コシンスキー監督は映画について「最新テクノロジーを駆使した、創造性あふれる作品」と語り、「このような作品を監督するのは名誉なこと。一方でプレッシャーも…」とも。3Dカメラを使用して撮影された本作。“トロン”とは一体どのような世界なのか――?『トロン:レガシー』は12月17日(金)より全国にて公開。■関連作品:トロン:レガシー 2010年12月17日より全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.
2010年07月24日北野武監督最新作『アウトレイジ』が6月12日(土)に初日を迎え、東京・新宿ミラノで北野監督と加瀬亮、椎名桔平ら個性派キャスト10人が舞台挨拶に勢揃いした。ある暴力団組織内の抗争を描いた、北野監督9年ぶりのバイオレンスで、キャスト陣は揃って北野組初参加。北野監督は「どうも監督の山田洋次です」と笑わせつつ、「こういったキャリアのある役者さんを揃えると、ホントに楽なもので勝手にやってくれる。本当にありがたかった」と感想。対照的に、キャスト陣は撮影をふり返り、緊張や戸惑いを吐露。小日向文世が「本当にシャイな方で現場で目を合わせてくれなかった」と悲哀タップリに話したが、北野監督は「ホモじゃないんで。女優さんだったら現場でやたら付け回すんですけど」とおトボケ。キャスト陣と観客を笑わせた。さらに三浦友和は「監督からは…何があったんだろう?ほとんど指示をしてくださらなかった。見放されているというか…以上です」と苦笑い。國村隼も「私もそういえば現場では監督から特に…」と話し、三浦さんと見つめ合って「ね!僕ら見放されていたね」と傷のなめ合い。杉本哲太も「自分もほとんど何も」。塚本高史も「僕もないですね…」。MCが「ということは、あの演技はみなさんが自分で作り上げたということ?」と尋ねると、北野監督は「ええ、楽屋にマリファナを焚いておいてですね、そのまま出ていけばみんな勝手にやって帰ってくれる、っていうくらいでしたね」と得意の毒舌回答。唯一ベッドシーンのあった色男担当の椎名さんも、「6時間かけて刺青を描いて、さあベッドシーンだと思って現場に入ったら、監督が入られて助監督さんから監督からと前置きされて『普通にやって』って。困っちゃったんですよね、まあやりましたけど」と苦情。北野監督は「『血と骨』をやったときに、崔洋一って監督と殺陣師の二家本さんっていう太った男2人が、鈴木京香と私(たけしさん)って見本を見せたんですけど、デブの男2人が絡んでのたうち回っていて、地獄絵図のようだったので、見ててこの業界、辞めようと思った」とラブシーン演出を放棄した理由を説明。またしてもキャスト陣を笑わせた。一方、試写会などで怪演の前評判が高い加瀬さんは「監督はどうしたものかといたく苦労されたと思いますが、いろいろ付け加えてくださって、(自分のヤクザ役を)成立させてくれた」と感謝の弁。締めに北野監督は「この映画を2回観ると、がんが治ったり階段が上れるようになったり、家出した息子が帰ってきたり、いろいろいいことがありますから」と観客に珍メッセージを送っていた。『アウトレイジ』は丸の内ルーブルほか全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)北野武監督インタビュー■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:カンニング竹山主演作初日挨拶で北野監督新作タイトルを3連呼北野武監督インタビューキタノはいかにして加瀬亮を“ヤクザ”に仕立て上げたのか?モナもシビれた!北野監督作『アウトレイジ』女性座談会ランキング企画!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5社長になってほしい俳優といえば?【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙!最高賞はタイ作品
2010年06月12日カンヌ映画祭のコンペティション部門でバイオレンス映画『アウトレイジ』が上映される“快挙”を成した北野武監督が、このほどシネマカフェほかの合同インタビューに応じ、本作に込めた思いから人間行動論までを語った。今回の暴力映画は「たまに食べたくなったカツ丼」新作は、ここ最近の3作『TAKESHIS’』、『監督・ばんざい!』、『アキレスと亀』と打って変わり、バイオレンスへの原点回帰とも言われる9年ぶりの力作。常に意表をついて周囲を驚かせる北野監督らしく、秀でたエンターテイメント作品として仕上がった。「前3作から“ゴダール病”とでも呼べるような自省的な内容の作品にはまっちゃって、先進的なアートとかワケ分かんないこと考えてやったら完全に失敗して、ダメだこりゃ、と。次、何やろう?と思ったら、暴力映画を全然撮っていないなって思って。食べ物と同じで、たまにはカツ丼食いたいな、と。ただ『ソナチネ』とかと比較されて、『何も進歩していない』とか言われるのは嫌だから、もうエンターテイメントだ!観客全員が喜べるようなものを撮ろうってなった。次に思いついた暴力シーンを書き出して、そっからストーリーを逆算したの。コイツはこう来てこう死ぬ、とか、こんな死に方はしないだろって。で、またひっくり返していって、こうなると思ったら大間違いだとか、ここで(観る側を)騙すとか、いろいろ考えて。そしたら完全にエンターテイメントだなって言える作品ができた」。5月のカンヌ国際映画祭ではコンペ上映され、激しい賛否両論で話題を振りまいた。ホラー、ファンタジーを好むティム・バートン監督が審査委員長を務めた賞レースでは賞を逃したものの、芸術性を好む同映画祭のメーン部門でヤクザもののバイオレンス・エンターテイメントが上映されただけで“珍事”だった。「海外のアート的なフェスティバルとかとは関係ねぇなと思ったら、急にカンヌとか呼ばれてしまって、これは結構大騒ぎになるぞ、って思ってたら、案の定、賛否両論になっちゃって。だから『ざまあみやがれ、こんな映画をコンペに選んだのはそっちなんだから、俺は知らないよ』って言ったんだけど。悪口言う人と褒める人と正反対で、まあまあっていう人がいなくて、いいか悪いかはっきりしていたね。でもまあ狙い通りだった。ショックな映画だろうな、とは思っていたから」。“全員悪人”をテーマに暴力団組織内部の抗争を描く同作では、自身、新たな試みとして主演と言えるキャラクターを7〜8人描く群像劇に挑戦。さらに北野組常連の俳優陣をキャスティングせず椎名桔平、三浦友和、國村隼、小日向文世、北村総一朗ら初タッグの俳優を揃えたのも新趣向。中でもインテリヤクザに扮した加瀬亮の怪演が、前評判を呼んでいる。「英語を使うシーンが途中からいっぱいあるインテリヤクザ役があって、英語も話せる役者を探していたら加瀬くんが来た。けど、普段の雰囲気からはどう見てもヤクザに見えないじゃない。どうしよう、と思ってメイクさんと相談して、オールバックにして、眉毛を剃ってみたり、結構苦労した。最終的に四角くて細いサングラスをかけさせたり。それでも『コノ野郎、バカ野郎』って怒鳴り合っている場面で、加瀬くんも入ってきて同じ台詞言っても全然怖くない。だから、この人は無口にしよう、でも、ひとつキレたら殴り出すという風に、徹底的に暴力に寄せた。キレたら怖い奴に設定に変えて台本を書き直して、かなり悪い奴に仕上がった。やっぱりパッと印象に残るようになったと思うし、うまいこといったかなって思うよね」。とはいえ、抗争の中心人物として動くのは、ビートたけし演じる、大友組の組長・大友。『戦場のメリークリスマス』を機に、俳優としても国内外で高い評価を得ているが、自身では顔をクシャクシャにして照れ笑いしながら厳しく自己評価する。「俺は基本的には演技、上手くないからねぇ。へたくそだから、しゃべんない方がいいもん。しゃべるとね、怪しいんだ俺は。『バカ野郎』なんて言ったら、単なる松村(邦洋)のモノマネになっちゃう。『ダンカン、バカ野郎』(松村さんによる、たけしさんのモノマネ)と変わってないって。『てめえ、何言ってんだ、バカ野郎』(本作の台詞)と同じだったっていう。だからできるだけ、怒鳴らないようにしようと思ったけど、みんなが怒鳴っているから、しょうがなくて怒鳴っていると、ふと我に返って、コレ、松村がモノマネするときと俺と、変わってないじゃないか、って(笑)」。大きな見どころのひとつが、バイオレンス描写の過激さ故に北野映画特有のバイオレンスと笑いが繋がって楽しめる感覚だ。「今回、あんまりにも描写が痛くてなぜか笑ってしまう。っていうか、これだけ追い込まれると人間笑うんだなって。編集していても順撮りじゃないから始めは気がつかなくて、ある程度繋がってくるとバカ笑いしちゃうシーンが出てきた。アレ?これ、お笑い映画撮っちゃった、参ったなーと思ったら、編集マンの人が『これだけ痛ければ笑いますよ、喜劇じゃないけど笑わずにはいられない状態になりますもの、これ』って。大丈夫かなって思っていたら、その感覚は世界共通で、カンヌでも観客がバカ笑いしてた。バカ笑いしている割にはみんな暴力映画って言っているわけ」。登場人物たちは、裏切り、騙し合いを続ける。北野監督の考える、人間の悪は?「悪っていうのは人間社会が進化する過程において、人間本来の欲望を規制するために、社会が悪と決め付けたこととも考えられる。例えば、人間が成長してある程度、性的能力とか体に備わって意識するようになったときには、ほかの奴を殴ってでも女を取るのが、生物として本能的だと思うよ。でもそれ、社会として成り立つために、悪=犯罪という括りを付けないと、人間社会自体が成り立たないというだけ。オットセイが周りの奴をかみ殺して十何匹もメスのオットセイをはべらせてハーレム作っているのを『恥ずかしくないのか、お前は。もっと女を分け与えろ、それじゃオットセイの社会は成り立たない』って言ったって、しょうがないじゃない。それは考えてないだけだもん。人間だったら少し頭が発達してきたから、弱者を救うことによって、全体的に盛り上げようとすることで、性とか食べ物の欲望とかそういうものを、独りよがりに行使することを悪としただけ。それがなきゃ、美味いものを食っている奴を後ろからぶん殴って、気絶している間に食って帰っちゃえばいいんだから。それは誰でもしたいと思うよ」。人間は欲望に抑制の効かない未完成な存在そういった悪とキッチリ一線ひけない人間の未熟さも明確に指摘する。「人間ってのは未完成な動物で、こういう暴力映画っていうと暴力は社会に対して悪影響があるんじゃないでしょうか?って言う。だけど拍手して観ている奴がいる。悪いことなら止めるんだけど止めないんだよ。食べ物でも何で腹いっぱい食っているんだ?肝臓壊したり糖尿になったり、体に悪いのになぜ食うかと言うと、頭と体のバランスが人間って全然取れていない。教えてくれないんだよ、体から信号出ていないんだもん。『それ以上食うと体に悪いです』なんて絶対言わないでしょ?だから食っちゃうの。それだけ人間ってね、欲望に対しては規制が効いていない、だからすごい未完成な動物なんだよ」。劇中、数人、生き残るワルがいる。現実社会で生き残るために必要なことは?「多分、グループがあってそこで生き残ろうとする。だから葛藤があるんじゃない?このグループじゃないところにポンと出ちゃえばいい。そうすればこのグループからしたらその人、関係ないだから、客観的に見たらその人、生き残っているってことじゃん、もしかしたらね。漫才ブームのときに一番最初に漫才辞めたの俺なんだもん、もう終わりだと思って。B&Bとかみんなそこにいたけど、俺、ポンと外に出ちゃった。で、結果的にブームはなくなって、たけしと紳助が漫才ブームを生き抜いたって言われるんだけど。俺、TVの次に、今度ラジオに行っちゃった。TV界からラジオに行っただけなんだけど、たけしはお笑いから生き抜いたってことになる。で、次に映画に行っちゃった。TVのタレントから俺だけ映画に行ったら、また生き抜いた、みたいなことを言われる。要するにグループの中に属さないってことじゃないかな。そうすりゃ生き抜いたことになる。怪しいんだけど、俺」。騙す、騙される、どっちが好き?の問いに、「あーあ」と嘆くような口調と優しい笑顔で答えた。「俺ら、騙す商売だからなぁ。騙す商売だけど、騙されることによってプラスマイナスゼロにしているところ、あるよね。よく騙されるの、騙してもらったお金、騙されてぼられているだけだよ」。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:モナもシビれた!北野監督作『アウトレイジ』女性座談会ランキング企画!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5社長になってほしい俳優といえば?【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙!最高賞はタイ作品山本モナと“男たち”を語ろう!『アウトレイジ』女性限定試写会&座談会に10組20名様ご招待【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐
2010年06月10日北野武監督最新作のバイオレンス映画『アウトレイジ』の女性限定試写会が6月7日(月)、東京・西新橋のワーナー・ブラザース試写室で行われ、MCを務めた北野監督と同じ所属事務所のタレント、山本モナとシネマカフェの女性読者26人がワルい男についてトークを繰り広げた。モナさんを含め20代から40代の27人が鑑賞。先の読めないストーリー展開と緊張感あふれる映像に、終始、全員がスクリーンに食い入るように見入っていた。話題のバイオレンス描写には、さすが目や口を覆う人が続出。とある場面では1人が途中退出するものの、気分を整えて数分後には席に戻った。座談会が始まると、「手がこわばった」、「怖くて薄目でしか観られなかった」などと緊張から解かれた様子で、堰を切ったように声が上がった。モナさんが「カンヌ(国際映画祭)では賛否両論という評判でしたが、実際に観てどうでした?」と問いかけると、「目を覆ってしまう映像はあったけど、ストーリー、内容が面白いと思った」、「ここまでやっちゃっていいの?と思ってドキドキした」と、ここでも熱い意見が飛び交った。本作は、やくざの縦社会で勃発した組同士の抗争の中で生き延びようとする男たちの姿を描く群像劇。一番トキめいたキャストを聞く質問には、3分の1が英語を話すインテリやくざ役の加瀬亮の名をあげた。真面目で人の良さそうな役のイメージが強い彼だが、本作では「渋くてかっこいい」という、これまで知らなかった一面を見たという声も。ほかには三浦友和、椎名桔平、小日向文世ら票が割れ、多彩なアンサンブル劇らしい結果に。内容については「組織という意味では、やくざ社会も普通の会社でも同じで、悪いのは上にいる人とか、裏で糸を引いている人なのかも」と一般社会の縮図と捉えた意見や、「これの女版があったらコワイ…」などの感想も。最後にモナさんが「ある種のイケメン映画ってことですかね」とまとめると、大半が頷いた。終了後、モナさんは「男性はやられたらやり返す。それは女性にはない部分。ここまで男が男らしさを出すことって最近ない気がする。肉食系の男臭さがすごく出ていて、草食系に辟易している女子なんかにはサイコーの映画」と肉食系にシビれた様子。草食系より肉食系が好み?の問いには、「あんばい、というかバランスですよね」と冷静だった。『アウトレイジ』は6月12日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:ランキング企画!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5社長になってほしい俳優といえば?【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙!最高賞はタイ作品山本モナと“男たち”を語ろう!『アウトレイジ』女性限定試写会&座談会に10組20名様ご招待【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐世界のキタノ、ヤクザ映画でカンヌへ殴りこみ!『アウトレイジ』コンペ出品決定
2010年06月08日カンヌに世界のキタノが帰ってきた。17日夜(現地時間)、コンペティション部門に選ばれた北野武監督の『アウトレイジ』の公式上映が行われた。上映直前、監督が会場内に入ったときから、まず3分ほど拍手が鳴り止まず、上映後も5分近くスタンディング・オベーションが贈られた。これには北野監督は顔を赤くして、照れまくることしきり。手を胸の前で合わせて、観客に感謝の意を伝えていた。そんな照れ屋の北野監督も、上映後のレセプションではいつもの毒舌が復活。ヨーロッパの中でも特にフランスで人気があることについて聞かれると、「(お互い)人が悪いし、ケチだからかな?」と笑わせた。カンヌにやってきたのはカンヌの60周年記念映画「それぞれのシネマ」以来、3年ぶりで、コンペティションへの参加は、『菊次郎の夏』以来、11年ぶりとなる。その際に現地での評判に反して結果は無冠に終わった経験から、「散々な目に遭ったから、カンヌに何も期待してないよ」と笑いつつも、「こんなバイオレンス映画をコンペに選んだだけですごい。700本くらいの中からコンペに選ばれるんだから、それだけでありがたい」と語っていた。ちなみに映画の中で北野監督演じるヤクザの大友が乗る車のナンバーは「8333」。これはもしや「やーさん、散々」という物語を暗示している?と聞くと、「あ、分かった?」とニヤリ。しかしバイオレンスとブラックな笑いが強烈すぎたのか、現地雑誌での星取評では、かなり辛い採点がつけられた。もっとも、カンヌでは批評家と審査員の意見はまったく別物。23日(現地時間)の結果発表が楽しみだ。『アウトレイジ』は6月12日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。(photo/text:Ayako Ishizu)第63回カンヌ国際映画祭 現地レポート■関連作品:第63回カンヌ国際映画祭 [映画祭] 2010年5月12日開幕© Brigitte Lacombe – ad design graphiqueアウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:【カンヌレポート 03】74歳ウディ・アレン意気軒昂!「モテる役じゃなきゃ嫌」【カンヌレポート 02】『ウォール・ストリート』シャイア&キャリー揃って登場成海璃子カンヌで“最後の”書道パフォーマンスを披露することが決定!【カンヌレポート 01】『ロビン・フッド』で開幕!会見でケイトがR・クロウに質問世界のキタノ、ヤクザ映画でカンヌへ殴りこみ!『アウトレイジ』コンペ出品決定
2010年05月19日映画監督・北野武が3月13日(土)、フランスから帰国した。9日(火)にフランス文化省から芸術文化勲章の最高章「コマンドール」を授与されたことを受けて成田空港で会見した北野監督は、金メダルのボケを繰り出しつつ「黒澤(明)さんがもらっているならすげぇ」と喜びの心境を語った。取材陣の拍手で出迎えられた北野監督は「えー、フランスの文化勲章ですから、これからは日本の文化勲章と人間国宝を一日も早くもらいたい。人間国宝をもらったら無銭飲食して捕まるのが私の夢なんで。日本の文化庁のみなさん、よろしく。紫綬褒章はいらないですから」とビートたけし節。「勲章ですがこれ…」と言いながら特製らしき金メダルを取り出すと「あ、バンクーバーって書いてある。バンクーバー、関係ないか」。いきなり大ボケを効かせて取材陣を爆笑させると「バレバレだったなー、メダル出した瞬間にバレてたな」と照れて頭をかいた。受章の報は、今回の個展と特集上映会のために渡仏した7日(日)の出発直前、所属事務所「オフィス北野」の森昌行社長から成田空港で聞かされた。「嬉しいニュースがあります」と前フリする森社長に「事務所の脱税がばれたか、山本モナの浮気現場が撮られたか、あとカミさんが死んだかぐらいかと思った」と言って困らせつつ、「ありがたいこった。それ黒澤さんももらったやつかな?と聞いたら、そうって言うから、そりゃすげぇ!って」と喜びをかみしめた。授章式は、パリ市内のパレ・ロワイヤルに受章者が出向くのが通例だが、北野監督の場合は、北野監督の個展を開催するカルティエ現代美術財団にフレデリック・ミッテラン文化相が出向いて行われる異例のものだった。ミッテラン文化相は「来る前に揉め事があったらしくて不機嫌だった」そうだが、北野監督と通訳とともに個展を鑑賞し終わると「(作品の内容の)くだらないことを通訳されて、すごく恥ずかしかったけど、ゲラゲラ笑ってくれた。すっかり笑顔になっちゃって。あまりにくだらないから」と大ウケだったという。同国からの勲章受章は、1999年の2等級下のシュバリエに続き2個目。会見に同席した森社長が読み上げた、フランス文化省から記した正式な受章理由は「映画監督としての活動は言うまでもなく、1つの才能を持った人ではない。人々を笑わせること、感動させることができ、怖がらせることもできる。あらゆる面で支持者を持つ。類を見ない自由さをもってモノづくりを進める直感的才能に対し、章を贈る」。北野監督は「『たけし城』なんかがヨーロッパでかなり人気が出てきて、ネット配信やyoutubeなんかで、こういう(芸人としての)仕事をやってるって(認知が)何年か前からあって、映画監督としてはTVの映像を流されるのはヤバイかな?と思ったら、フランス人の見方は、もっと才能があるんだっていう。お笑いが悪影響を及ぼす、なんて気はなくて、この人はまだいろんなことがやれるんだって感じがあって。だからギャング映画撮っても問題ないし、バカバカしいことをやってもそれはそれとして見てくれる。気が楽になった」と感想。「日本は違う。日本は漫才師が映画撮った、みたいな雰囲気があって、松本人志が映画撮ると、“かつて映画を撮ったお笑い人”の中に必ず俺が入っている」と日本の偏見にチクリとやりつつ「そういうことじゃなく、映画は映画、バラエティはバラエティって分けてくれるんで、ありがたいのと、フランス人、個人主義で誇り高いんで、ダメなところダメだと平気で言ってくれるし、まあ気をつけなきゃ、がんばんなきゃ」と自身にはっぱをかけていた。フランスでは10日から『アキレスと亀』が一般公開されたほか、北野監督作品の連続上映会がポンピドゥー・センターで11日から6月26日まで開催中。さらに北野監督制作の絵画やオブジェを展示した個展「Gosse de peintre -絵描き小僧」がカルティエ現代美術財団で11日から始まり、9月12日まで開催予定。森社長は、フランスで終了後は東京での開催を「想定しています」と話した。加えて、北野監督を約7年取材してきたフランス人ジャーナリストのミシェル・テマン氏による北野監督の自伝「KITANO PAR KITANO(キタノによるキタノ)」が先月24日に発売。日本でも8月に翻訳版が発売される。芸術の都をビートたけしと北野武が席捲中の様子だ。なお、日本では最新作『アウトレイジ』が6月12日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開アキレスと亀 2008年9月20日よりテアトル新宿、銀座テアトルシネマにて公開© 2008『アキレスと亀』製作委員会■関連記事:“いい人”加瀬亮がヤクザ役でマジギレ!?たけし最新作、題名の意味は“極悪非道”「オレの売りは“外国では評価が高い”(笑)」世界のキタノ『アキレスと亀』を語るたけし、ヴェネチアから帰国早々『ポニョ』とミッキー・ロークへの怒りを爆発!巨匠・北野武監督作『アキレスと亀』ぺんてるくれよんセットを3名様にプレゼント【ヴェネチアレポート09】あの三巨匠だけじゃない!世界で活躍する日本人俳優たち
2010年03月13日