カサンドラ症候群とは?カサンドラ症候群は自閉スペクトラム症(ASD)などのある家族や身近な人とのコミュニケーションがうまくいかず、その困難さが周囲に理解されないことがきっかけとなり、心身に不調が出ている状態のことです。カサンドラ症候群は精神面では「抑うつ」や「自己評価の低下」、身体面では「不眠」や「体重の増減」などの不調が現れることがあるといわれています。カサンドラ症候群はそのような状態を指す言葉で、医学的な診断名ではありません。カサンドラ症候群はほかにも「カサンドラ情動剥奪障害」や「カサンドラ状態」と呼ばれることもあります。もともとはパートナーとの関係によって生じると考えられてきましたが、時代が進むにつれて、自閉スペクトラム症(ASD)などのある子どもがいる保護者についても使われるようになってきました。ほかにも自閉スペクトラム症(ASD)などのある人と同僚や上司といった、職場の人間関係についても使われる場合があります。なお当初はアスペルガー症候群のある人とそのパートナーについての概念でしたが、「アスペルガー症候群」は、2013年に発行された『DSM-5』(アメリカ精神医学会『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)によって「自閉スペクトラム症(ASD)」という診断名に統一されました。カサンドラ症候群の原因について解説します。カサンドラ症候群は自閉スペクトラム症(ASD)などの特徴のある身近な人との関係性から不調が生じている状態で、その原因やきっかけは一つだけではありません。主なものとして、自閉スペクトラム症(ASD)などのある身近な人とのコミュニケーションがうまくいかないそのことを相手や周囲に伝えてもなかなか理解が得られないカサンドラ症候群の当事者が苦しさを感じたまま孤立しているという原因が考えられています。単に自閉スペクトラム症(ASD)などの特徴のある身近な人との関係性だけでなく、苦しい思いをしていることがなかなか理解されないことも関係してくるといわれています。■自閉スペクトラム症(ASD)とは?ここでは、自閉スペクトラム症(ASD)のある身近な人とコミュニケーションがうまくいかない原因として考えられることを紹介します。まず自閉スペクトラム症(ASD)とは、生まれつきの脳機能の偏りによりさまざまな特性がある発達障害のことです。自閉スペクトラム症(ASD)の特性には対人関係や社会的コミュニケーションの困難特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さがあります。それぞれを簡単に見ていきます。<対人関係や社会的コミュニケーションの困難>自閉スペクトラム症(ASD)のある人は、あいまいな表現や言葉の裏を読むことが苦手で会話がかみ合わなかったり、相手の立場に立つことが苦手で、悪意なく不適切な発言をするといった傾向があります。例えば、・「ちゃんと片付けておいて」と言われても「ちゃんと」がどういう状態かイメージすることができず、何をしていいか分からない、・「お鍋を見ていて」とお願いされたときに鍋が焦げついていても「火を止める」ことはせずじっと鍋を見つめ続けるなど家族や身近な人は、自閉スペクトラム症(ASD)のある人と接する中でそれまで自分は「当たり前」と思っていたやりとりが通じず悩んでしまうこともあります。<特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻>特定の物事や自分で決めたルールにこだわりが強く見られることがあります。日常で見られる例でいうと、外出した際に道路工事などにより普段と違う道順を通ろうとすると、落ち着かなくなったりパニックになってしまうなどがあります。ほかにも、自閉スペクトラム症(ASD)のある人の中で「夕飯は19時ぴったりに食べ始める」というルールがあった場合、時間がずれることに強い抵抗を示すといったことがあります。また、感覚の過敏さにより偏食が激しかったり、触られることを嫌がったり、反対に鈍麻さがある場合は火傷をしていても気づかないなど周りの気遣いやサポートが必要なことも多くあります。このようなパートナーや子どものルールなどに合わせようとすることで、ストレスや疲労を感じてしまう人もいます。■周囲に理解されづらいコミュニケーションに困難がある人と接することの難しさやつらさが周囲に理解されにくいということが、カサンドラ症候群の原因の一つとして考えられています。例えば、学校や会社など社会的な場では適応していて、プライベートな場所では自閉スペクトラム症(ASD)の特徴にあるようなこだわりが強く出ていたり、パートナーや親子の関係の中だけでコミュニケーションの難しさが生じている場合は、周囲には伝わりにくいものです。そのため当事者のつらさが共感されなかったり、当事者に原因があるように見られることが孤立感を深めていくことにつながります。カサンドラ症候群とはどんな症状?カサンドラ症候群は心身に不調が現れている状態です。カサンドラ症候群は医学的な診断名ではないため、明確に症状が定められているわけではありませんが次のような症状が出てくるといわれています。■精神面にあらわれるカサンドラ症候群の症状カサンドラ症候群で精神面に現れる症状として、「抑うつ」や「パニック」などがあります。そのほかにも以下のような症状が表れるといわれています。・抑うつ・PTSD (心的外傷後ストレス障害)・不安障害・パニック(突然の動悸やめまい・手足の震えといった発作)・自己評価の低下・情緒不安定・自己喪失感・罪悪感・無気力など■身体面にあらわれるカサンドラ症候群の症状カサンドラ症候群の症状は身体面では「不眠」や「頭痛」が不調として現れてきます。ほかにも身体面で現れる症状として以下があります。・不眠・頭痛・偏頭痛・体重の増減・自律神経失調症(体のだるさ、肩こりなど全身の不調)などこの章で紹介した症状は一例であり、カサンドラ症候群の症状は人それぞれ異なります。自閉スペクトラム症(ASD)などの特徴のある身近な人との関係に悩んでいて、何かしら心身に不調がある場合は、このあと紹介する場所に相談してみるといいでしょう。自閉スペクトラム症(ASD)の発現は男性に多いことから、カサンドラ症候群の発生はパートナーとなる女性側に多いといわれています。自閉スペクトラム症(ASD)の特徴のある身近な人とのコミュニケーションにズレがあったり、こだわりに戸惑うことがあっても、我慢して受け入れようとすることで、偏った関係性が固定して、こうした症状が進行することがあります。カサンドラ症候群の治療・対処法カサンドラ症候群の治療として、まずは心身に現れている症状についての治療を行っていきます。抑うつやパニックに対して薬物療法や心理療法などの治療法で、症状の改善を図っていきます。身体面の不調に関しても必要に応じて薬物療法などを行っていきます。ただ、これらは表に現れている症状に対しての治療であり、カサンドラ症候群で悩んでいる場合は自閉スペクトラム症(ASD)などの特徴のある身近な人との関係性を改善していくことが大事になります。自閉スペクトラム症(ASD)などの特徴のある身近な人との関係性を改善するための対処法を紹介します。■自閉スペクトラム症(ASD)の診断を強要しない自閉スペクトラム症(ASD)の特徴のある人の中には学校や会社などでは適応していて、本人は特に困っていないという場合もあります。関係性を改善したいからといって無理に受診を促すと、本人が抵抗し関係がこじれることもあります。■自閉スペクトラム症(ASD)の特徴や対処方法について知る自閉スペクトラム症(ASD)の特徴について知ることで、コミュニケーションでズレが生じる理由や、その対処法が分かることもあります。現在では本やインターネットで調べることができるほか、発達障害についての支援機関に相談するなどの方法で特徴や対処法を知ることができます。■生活していく上でのルールを決める自閉スペクトラム症(ASD)について知識を得たうえで、生活上のルールを決めていきます。自閉スペクトラム症(ASD)といっても、一人ひとり特徴の現れ方も性格も異なります。どういうルールや方法であればお互いがストレスなく続けていけるか、一緒に決めていくことが大事です。例えばあいまいな表現が苦手で「ちゃんと片づけて」と言われても行動できない子どもの場合は、片づけるものの名前を書いた箱を用意しておきます。そして「遊び終わったら、●●の箱の中に入れてね」と伝えるようにするなどの方法があります。■距離を置く時間や、相談できる第三者とのつながりをつくる親子の場合は長い間距離を置くのは難しいと思いますが、預けることができる施設などを活用し、数時間でもリフレッシュする時間を設けるといったことも大事になります。また、日常1対1の時間が長いことでストレスを感じる場合は、友人や支援機関の方など第3者も含めて過ごす時間を作っていく方法もあります。カサンドラ症候群のある人が利用できる相談先は?ここではカサンドラ症候群のある人が利用できる相談窓口を紹介します。自閉スペクトラム症(ASD)の特徴のある人の年齢によっても相談先が異なりますので、分けてお伝えします。自閉スペクトラム症(ASD)の特徴のある人について、年齢にかかわらず相談できる場所として「発達障害者支援センター」や「発達外来のある病院」があります。■発達障害者支援センター年齢にかかわらず発達障害のある人の日常生活や仕事など、幅広い相談を受け付けている支援機関です。本人だけでなく、家族からの相談も受け付けており、専門的なスタッフによるアドバイスや支援機関、病院の紹介なども行っています。■発達外来のある病院発達外来のある病院では、本人以外からの相談を受け付けている場合もあります。カサンドラ症候群の相談ができる病院もありますので、事前に確認しておくといいでしょう。自閉スペクトラム症(ASD)の特徴のある子どもについて相談する場合は、「子ども家庭支援センター」「児童相談所」「自治体の子育て相談窓口」「児童発達支援センター」などがあります。■子ども家庭支援センター子ども家庭支援センターは18歳未満の子どもについての相談ができるほか、ショートステイや一時預かりなどのサービスも提供しています。■児童相談所児童相談所は18歳未満の子どもについての相談ができる場所です。児童福祉司・児童心理司・医師・保健師などの専門スタッフがいて、相談へのアドバイスやほかの支援機関の紹介などを行っています。■自治体の子育て相談窓口ほかにも自治体のWebサイトでは、子育てや発達の気になる子どもについての相談ができる場所が一覧化されていることがあります。東京都三鷹市のWebサイトには、子どもの発達に関する相談先のほか、「お母さん・お父さんのこころの相談」としてパートナーや家族との関係についての相談先も載っています。お住まいの自治体のWebサイトなども参考にしてみてください。参考 :三鷹市「子育てに関する各種相談」■児童発達支援センター障害のある子どもに対して、日常生活や社会生活に必要なスキルなどを身に付けるためのプログラムの提供を行う施設です。利用するには自治体に申請する必要がありますが、相談だけならすぐにできる場合があります。カサンドラ症候群のまとめカサンドラ症候群は、自閉症スペクトラム障害(ASD)やその傾向のあるパートナーや子どもとの関係性によって、心身に不調が現れる状態を指す言葉です。抑うつなどがある場合は薬物療法などで治療すると共に、パートナーや子どもとの関係性を改善していくことも大事です。ご自身だけで抱え込まずに、発達障害について相談できる支援機関なども活用していくといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年08月06日私はカサンドラ症候群?自閉スペクトラム症のあるパートナーとの不和、子育ての難しさパートナーや子どもなどの身近な人に自閉スペクトラム症(ASD)などがあり、コミュニケーションをとることが難しく、ストレスを抱える日々が続いてしまい、それが次第に心身の不調となってあらわれてしまうことがあります。これを「カサンドラ症候群」と呼ぶことがあります。「カサンドラ症候群」は医学的な病名ではなく、明確な診断基準は定められていませんが、メディアなどでも取り上げられることもあり、カサンドラ症候群の症状を訴える人も増えているようです。発達ナビのQ&Aコーナーにもこれまでさまざまな質問が寄せられています。「カサンドラ症候群という病気があるの?」「自閉症育児。夫に頼ることができず、心療内科を受診したり、帯状疱疹になったりボロボロです。こういうのをカサンドラ症候群というのでしょうか」「自閉症のあるパートナーを持つ方、子育てにおいて心ない言葉を投げられたこと、話が通じなくてつらいなどと言われたことはありますか?わたしが悪いのでしょうか?」「ADHDと自閉症のある長男が奇声を発すると、下の子がヒステリックに怒ったり、最近では精神的にまいっているようです。これはカサンドラ症候群でしょうか?」このコラムでは、カサンドラ症候群にまつわるギモンから、家族など身近な人に発達障害がある場合のお悩みや困りごと、体験談や、専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。カサンドラ症候群とは、パートナーや子どもなどの身近な人に自閉スペクトラム症(ASD)などがあるためにコミュニケーションをとることが難しく、それにより心身の不調があらわれたり、対人関係に問題が生じている状態を言います。カサンドラ症候群は、医学的な病名ではなく、明確な診断基準は定められていません。特に妻や夫といったパートナーに起こる場合が多いと言われていますが、自閉スペクトラム症(ASD)のある子どもを育てる保護者がカサンドラ症候群になる場合もあります。夫の無理解、ワンオペ自閉症児子育てがつらい。これはカサンドラ症候群?発達ナビのQ&Aコーナーに寄せられたカサンドラ症候群に関する質問と発達ナビ会員の実体験にもとづく回答をご紹介します。Q. 自閉症スペクトラムの夫を持つ方にお伺いしたいです。子育てに関して心無い言葉を投げられたこと、お前はズルい(悪い)人間だと言われたこと、お前と話すと話が通じなくて辛いと言われたことはありますか?どちらも未診断ですが、夫が自閉症スペクトラム、ADHD、幅広い障害の傾向があると自分で言っています。私は心療内科のスクリーニング検査でADHDの傾向が高いとなりました。二人とも、多動、不注意、学習障害などはありません。略私や実母に対して気に入らない事があると、人を傷付ける表現の言葉で攻撃をしてきます。その他、何人かの友人や上司にもそういった攻撃をしているようです。付き合い始めは全くいい人で、結婚、出産を機に気に入らない事があると無視、言葉での攻撃がでてきました。自分の中の「正しい事」に執着し、それを外れた言動があると激怒します。(略)こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。A.私のパートナーも、診断こそありませんがASD傾向が強めです。ご質問に書いてらっしゃるご主人の言動と、とても似ている行動を取ります。社会・職場では、ステキなこだわりを持った面白い人家庭内では暴力こそ無いものの、困ったこだわりの多過ぎる、時々暴君となる人です。子育てに手出しは全然してくれませんでした。ですが口出しはされてきました。事あるごとに「お前の考え方では、やり方では…」とダメ出しです。特に教育・学習の面では、子どもの現実を見ず、日常こちらに任せきりなのに、何かあると「お前の考えは甘過ぎる」と散々でした。なので、共感します。とっても‼️そして共感してくれる仲間も、ここにはたくさん居ると思います。(略)小学2年生の息子は、思い通りにならないと暴言や癇癪を起こします。お薬を飲み始め、癇癪の時間は短く、軽くなりました。(中略)しかし、夫はいつまで経っても、息子を炎上させるだけの人。少しでも夫婦で連携して、家庭内で息子の気持ちが安定出来るようにして行きたい私は、どうしても夫に対して、イライラしてしまいます。また、息子の主治医に夫の言動や、実際会ってもらい話した感じから、息子の発達障害は夫からの遺伝の可能性が高いと言われました、私も今までの夫との生活からの違和感を、その言葉で納得出来ました。夫に頼れない、育児に心療内科を受診したり、帯状疱疹になったりボロボロです。こういうのをカサンドラ症候群と言うのでしょうか?同じような環境の方、どのように自分を保ち、育児してますか?こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。A.いつまでたってもわかってくれず、イライラしても、学校での出来事や日頃の様子、さほどきにかけていないんじゃないかなー。そのとき腹がたったら怒る、っていうことだと思います。こういう場合は、仕方がない。父親がいいとこを持ってく形にし、父親と子供を対立させない事だと思います。できれば、父親から、誉めてもらうようにすることができればよいのですが。自分と同じような考え方をしてもらいたいと思っても無理です。子供の悪い点より、よいところをなるべくご主人には見せてあげて。 お気持ちわかります。私も「夫と二人で子供の成長を喜びながら、相談しながら共感しながら子育てしたい」と考えていましたが、それは叶わぬ夢でした。旦那様には聴覚過敏があって、お子さんのグズグズが辛いのかもしれません。夫と子供の接点を減らして、旦那様とご自分のイライラを減らしていきましょう。一人ぼっちの子育て、心細く、空しく、寂しいですよね。でも、考えようによっては、余計な口出しをされず、自分の思う通りに子育てができるということでもありますから。ただ、子育てに集中しすぎると、「子供に妻を取られた」と、夫が子供を敵視し、攻撃することがあります。夫に出来そうな仕事を振り、大袈裟に感謝するなどして、適度に配慮しておく工夫が必要です。夫に気持ちの共感を求めるのは難しいです。必要なことはあまり感情的にならずに損得の話に置き換えて話すと良いようです。感情的に夫に話しても「妻に攻撃された」という記憶が残るだけで、伝わりにくいでしょう。旦那様が視覚優位なタイプの方なら、ラインやメールなどで、視覚的に気持ちを伝えるのも良いかもしれません。一人ぼっちのむなしさは、お近くのカサンドラの会で、仲間に共感をもって聞いてもらうとスッキリしますよ。カサンドラ症候群に関するギモンと体験談をもとにした回答をご紹介いたしました。発達ナビQ&Aコーナーカサンドラ症候群の原因には、身近な人の自閉スペクトラム症(ASD)の特性によるトラブルがあると言えます。ここでは、カサンドラ症候群の発端となりうる自閉スペクトラム症(ASD)の特性について解説します。自閉スペクトラム症(ASD)には「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」といった特徴があると言われています。◆対人関係や社会的コミュニケーションの困難表面上は問題なく会話できるのですが、その会話の裏側や行間を読むことが苦手です。曖昧な表現が苦手だったり、不適切な表現を使ってしまうことなどがあります。場の空気を読むことに困難さがあり、相手の気持ちを理解したり、それに寄り添った言動が苦手な傾向にあります。本人が意図していなくてもその場の雰囲気を無視をしたような言動をとることもあり、対人関係を上手に築くのが難しい場合があります。気持ちの理解が困難なために相手を傷つけたり、自己中心的と思われる言動や行動をしてしまうことなどがあります。◆特定のものや行動における反復性やこだわり興味を持ったことに対して過剰といえるほど熱中する傾向があります。また法則や規則が崩れることを極端に嫌うということもあり、自分のルールがあったり、興味のあることに対して話し続けてしまうことなどがあります。しかし、困ったことばかりではなく、この特性は強みとして活かすこともできます。◆自閉スペクトラム症(ASD)の特性だと頭では分かっていても…身近な人に自閉スペクトラム症(ASD)があると分かったとき、多くの方は理解をしようとするでしょう。しかし、日々の中で困惑してしまうこともあるかもしれません。特性だと分かっていても、自閉スペクトラム症(ASD)のある人と接していくうちに、思うようにコミュニケーションがとれないことに自信をなくしてしまったり、周囲に相談しても理解をしてもらえず、孤独を感じてしまう場合があります。その結果、体調不良や抑うつ状態に陥ってしまうことがあるのです。【精神科医に聞く】カサンドラ症候群かもと思ったら?自閉スペクトラム症(ASD)のある家族とのコミュニケーションのコツここまで発達ナビのQ&Aコーナーに寄せられたギモンを中心にご紹介しました。ここでは、精神科医の染村先生にカサンドラ症候群のような症状があらわれたときの対処法と、自閉スペクトラム症(ASD)のある家族とのコミュニケーションのコツについてお答えいただきます。(質問)自閉スペクトラム症(ASD)のある夫との毎日でストレスが溜まり、夜眠れない日々が続いています。カサンドラ症候群は病気ではないと聞きましたが、病院を受診してもよいのでしょうか。(回答)A.夜眠れない日々が続いている場合は、精神科(メンタルクリニック)や心療内科へ受診することをおすすめします。不眠の状態が続くと、疲労の回復が得られず、また心配や不安感を抱えやすくなり情緒不安定になります。安定した日常生活を送り、ご主人と向き合うためにも、まずは自身の健康状態を改善させることが最優先です。Upload By 発達障害のキホン(質問)夫に自閉スペクトラム症があると分かりました。家族より自分のことを優先します。5歳の子どもがいますが、子育てもほとんど私1人でしています。顔を合わせれば言い争いになってしまい、精神的に参っています。どのように対応したらいいでしょうか。離婚したほうがよいのだろうかと悩んでいます。(回答)A.結婚当初の夫婦2人のときは争いごとが少なかったのに、お子さんが生まれ、育児の負担が妻の側に大きくかかることで、夫婦の関係性が悪くなることは多いものです。このような場合は、話し合いをして、夫の家庭での役割を決めていくのもよいでしょう。夫に子育てを任せるのは不安だと感じる場合は、掃除や洗濯など夫ができそうな家事の一部を分担してもらうのが現実的です。また自閉スペクトラム症の特性として、予定や役割の急な変更、想定外の事態を苦手としているため、夫の家事の分担も具体的に取り決めておくとよいでしょう。例えば、朝のゴミ出し、週2回の掃除機かけ、毎週土曜日のお風呂掃除など、やる項目や頻度を決めておくことです。夫の家庭での協力や役割が決まると、妻自身も安心する部分もあると思います。離婚となると子どもへの影響も大きいことから、大きな決断をする前に、まずは夫婦で話し合い、協力して歩みよれる部分を探っていくことをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン(質問)家族に自閉スペクトラム症があることが分かり、自分がカサンドラ症候群になってしまうのではないかと不安です。カサンドラ症候群にならないためのコツはありますか?(回答)A.カサンドラ症候群は、自閉スペクトラム症などのため共感性や情緒的な反応が乏しいパートナーと暮らしている人に起きるものです。典型的なものとして、夫は気持ちの共有が苦手であるが、本人は自覚もなく改善しようとしない。よって妻の方が、自分は被害者で、夫のみが反省して治療すべき問題として捉えやすいものです。しかし、自閉スペクトラム症のような特性を抱えているケースで、夫だけの問題とみなし、夫が反省して100%変えることを求めた場合に、解決に到達することは不可能となってしまいます。妻は、夫の特性を理解して、ある程度受け入れることも大切です。一緒に生活して共有する時間が増えることで関係性が悪化することも多いものです。夫婦といえども、それぞれの時間や空間を尊重して干渉しすぎないことで、関係が好転することもあります。しかし育児や親の介護など当人以外の課題が絡んでくるときに、問題が出てきます。都度2人で話し合いの場を設けて、具体的にやるべきことを取り決めていくとよいでしょう。最初から2人で話し合うことが難しい場合は、カウンセラーなどの専門家を第三者として交えて話し合いをしていくことをおすすめします。Upload By 発達障害のキホンカサンドラ症候群にまつわるコラム発達ナビに掲載されているカサンドラ症候群にまつわるコラムをご紹介します。心身に影響が出ている場合は、迷わず医療機関に相談をカサンドラ症候群とは、パートナーや子どもなどの身近な人に自閉スペクトラム症(ASD)などがあるためにコミュニケーションをとることが難しく、それにより心身の不調があらわれたり、対人関係に問題が生じている状態を言います。カサンドラ症候群は、医学的な病名ではなく、明確な診断基準は定められていません。しかし、夜眠れない、動悸がするなど心身に影響が現れている場合は、精神科(メンタルクリニック)や心療内科などを受診することがおすすめです。また「カサンドラ症候群かも」と感じるとき、自閉スペクトラム症などのある人の問題だと捉えられがちですが、相手のすべてを変えることで解決することはできません。家族が特性を理解し、互いに歩み寄ることも大切になってきます。夫婦などの場合、育児や親の介護など当人以外の課題が絡んでくるときに問題が出てくることは多くあります。特性を理解し、話し合いながらやるべきことを決めていけるとよいでしょう。難しい場合は、カウンセラーなどの専門家を第三者として交えて話し合いをしていくことがおすすめです。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月09日ロサンジュキルティングにカサンドラのロゴが施されたサンローランの「カサンドラ マトラッセ」シリーズ。2023年春コレクションでは、アイコニックなタイニーウォレット、コンパクト ジップアラウンド ウォレット、フラップ式カードケース、スリムキーケースが、柔らかなラムスキンと新たなカラーパレットで登場しました。オリガミ タイニーウォレット素材: ラムスキンカラー: ブラック、ヴィンテージホワイトサイズ: H7 X W9.5 X D3 CM金額: 7万5,900円(税込)コンパクト ジップアラウンド ウォレット素材: ラムスキンカラー: ブラック、ヴィンテージホワイトサイズ: H10 X W12 X D3 CM金額: 9万3,500円(税込)スリムキーケース素材: ラムスキンカラー: ブラック、ヴィンテージホワイトサイズ: H6 X W9.5 X D2.5 CM金額: 5万5,000円 (税込)フラップ式カードケース素材: ラムスキンカラー: ブラック、ヴィンテージホワイトサイズ: H8 X W13 X D12 CM金額: 6万4,900円 (税込)取扱店舗:全国のサンローランブティックおよび公式サイト#サンローラン #ysl #SaintLaurentサンローラン クライアントサービスTEL 0120-95-2746https://www.ysl.com/ja-jp
2023年04月17日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんは、結婚後、ユーマさんとうまく意思疎通がとれず、また周囲にも「やさしい夫なのに」とつらさを理解してもらえず、息苦しさと孤独を感じるように。やがてアコさんは、「もしかしてユーマは発達障害なのかも」と疑いをもち始めます。ある日、友だちの離婚報告を機に、アコさんは離婚を選択肢に入れ始めました。アコさんは、離婚の前に別居するものなのか、自分と同じように悩んでいる人のSNSを覗いてみることに。すると「カサンドラ症候群」という言葉に出合いました……。 「パートナーや家族がアスペルガー症候群のため、意思疎通ができず、心的ストレスから不安障害などの症状が起きている状態をさす」と書かれています。 あまりにも自分の症状にぴったりで、アコさんは自分が「カサンドラ症候群」なのだとはっきり自覚したのでした。この言葉との出合いは、アコさんの人生を大きく変えることになります。 夫の冗談に傷ついて… SNSで「カサンドラ症候群」を知ったアコさん。その後、書籍やネットで調べましたが、やはり自分はこの症状なのだと納得します。 けれども、アコさんにとっては、自分がカサンドラ症候群なのか、ユーマさんがアスペルガー症候群なのかはどうでもいいことでした。一緒にいて苦痛を感じることが、アコさんにとってまぎれもない事実なのです。 離婚を視野に入れたアコさんは、在宅での仕事を増やし、下の息子を保育園に入れることにしました。するとユーマさんは、息子に言いました。 「こんな小さいのにもう保育園行かされるんだ。お前はかわいそうだな~」 ユーマさんは冗談のつもりだったのでしょう。 しかし、保育園に入れることは事実。アコさんは深く傷ついてしまいます。そして、ユーマさんとは価値観が合わないことを再認識して、離婚準備を進めるのでした。 ずっとユーマさんと意思疎通ができず、そしてそのつらさを周囲にも理解してもらえず、孤独を感じて苦しんできたアコさん。とうとう、離婚を決意したようです。ユーマさんとわかりあいたいと強く願ってきたアコさんでしたが、離れたほうが良いと判断したのですね。 今回の「保育園かわいそう」も、とても傷つく言葉ですよね。アコさんが何度も「傷つくからその言い方はやめて」と言っても、次には同じことを繰り返すのがユーマさんの特性なのだとか。相手に悪気はないとわかっていても、仮にささいな言動でも、毎日、何年も続いたら、心がすり減ってしまうものなのかもしれません。 ネットで調べてたどり着いた「カサンドラ症候群」。アコさんがそうであってもなくても、この言葉を知ったことで、他に同じように悩んでいる人がいることを知ることができてよかったですね。似た境遇の人たちの経験を参考にしながら、アコさん、そしてユーマさんのお2人がこれからの人生をより良いものにしていっていただけることを願ってやみません。 このお話は、ベビーカレンダーではこれで最終回となります。続編は、アゴ山さんのInstagramでお読みいただけますので、ぜひご覧ください! 監修/助産師 松田玲子作画:鳥頭ゆば 著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年03月01日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんは、結婚後、ユーマさんとうまく意思疎通がとれず、また周囲にも「やさしい夫なのに」と、そのつらさを理解してもらえず、息苦しさと孤独を感じるように。やがてアコさんは、「もしかしてユーマは発達障害なのかも」と、疑いをもち始めます。そんな矢先、友人から「離婚した」と報告が。「離婚」を考えたことのなかったアコさんでしたが、そんな選択肢があることに気が付きました。 ある日、SNSで自分と似た境遇の人がいないか検索していました。すると、アコさんは人生を変えるほどの、衝撃の事実を目にすることになって――!? SNSで衝撃を受けた「カサンドラ症候群」 離婚を考え始めたアコさんでしたが、いきなり離婚するわけにもいかないから、最初は別居するのだろうかと悩み始めました。 そして他の人はどうしているのだろうと、SNSを覗いてみることに。 すると、夫の愚痴がたくさん出てきます。 「アスペルガーっぽい夫との関係で悩んでいる人はいないかな」 アコさんはまた検索してみました。 すると、衝撃の言葉を目にしたのです。 「……ん? カサンドラ症候群……?」 頻繁に出てくるから精神的疾患かなと、その言葉を検索してみました。 すると、パートナーや家族などがアスペルガー症候群ゆえに、心的ストレスから不安障害や躁うつ状態などの症状が起きている状態のことを指すとわかりました。 ほかにも、他人に理解してもらえないことによって精神的な不調が起こること、自己評価の低下、罪悪感、不眠症など、症状はアコさんの身に起きていることと重なりました。 ようやくすべてが腑に落ちた衝撃の日となったのでした。 アコさんは「カサンドラ症候群」という言葉を知ったことで、救われる気持ちになり、人生が大きく変わったと感じたそうです。同じように悩んでいる人がたくさんいることを知ることができたことが、励みになったのではないでしょうか。そして、自分の心と体の不調の原因がわかったことで、イライラする自分がおかしいと、自分を責める気持ちが和らいだのかもしれませんね。 監修/助産師 松田玲子 作画:鳥頭ゆば 著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年02月28日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんは、結婚後、ユーマさんとうまく意思疎通がとれず、また周囲にも「やさしい夫なのに」と、そのつらさを理解してもらえず、息苦しさと孤独を感じるように。やがてアコさんは、「もしかしてユーマは発達障害なのかも」と、疑いをもち始めます。毎日悩んでいたある日のこと、友人から1本の電話が―ー。 ユーマさんとのすれ違いに加え、娘の癇癪とパニックで、アコさんはどんどん疲弊して落ち着かなくなりストレスはたまるばかり。 友人からかかってきた電話は「離婚した」という報告でした。驚くアコさんは理由を聞きました。そして……。友人の離婚報告を聞いた私は… 大好きだった家は、よどんだ空気が流れているように感じ、いるだけで苦しくなってきてしまったアコさん。 ユーマさんのことだけでなく、自分のことも毎日イライラして母親としても失格で、大嫌いだと思うように……。 ある日、友人からの電話で、離婚したことを知らされます。突然の知らせにアコさんは腰が抜けるほど驚きました。 友人は旦那のモラハラに悩んでいたと聞いて、「なにも気が付かなくてごめんね」とアコさんは謝りました。 すると友人は明るい声で言いました。 「子どもが小さいから悩んでたんだけどさ。悩んでいる間は話せなかった。今はもうスッキリして楽しくやってるよー! あははっ」 アコさんはこのときはじめて、自分にも「離婚」という選択があることに気が付きました。 アコさんは本当にこのときまで、「離婚」を考えたことがなかったそうです。結婚して子どもがいて、責任を果たさなくてはと、自分なりに呪縛の考えがあったのだとか。けれども友人が離婚をしたことで、その呪いはあっさり解けたと言います。「離婚」という道が良いのかどうかは、誰にもわかりません。しかし、「何も変えられない」、「解決できない」、と心を病んでしまったアコさんにとっては、選択肢ができたことはよかったのかもしれませんね。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年02月26日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんは、結婚後、ユーマさんとうまく意思疎通がとれず、また周囲にも「やさしい夫なのに」と、そのつらさを理解してもらえず、息苦しさと孤独を感じるように。やがてアコさんは、「もしかしてユーマは発達障害なのかも」と、疑いをもち始めます。アコさんのストレスはたまるばかりで――? ユーマさんとの意思疎通がうまくいかず、疲弊していくアコさん。やがて夜、眠れなくなってしまいました。心療内科を受診すると不安障害と診断を受けます。 次第に、ストレスがたまってアコさんは落ち着かなくなりました。すると――。行きついた私の思い アコさんは、癇癪やパニックを起こす娘の対応にも疲弊していました。会話ができない夫とパニックを起こす娘の間に挟まれてアコさんはもうパンク状態。 やがて「どうして私は割り切って対応できないんだろう」「毎日イライラして、母親としても失格だな……」と考えるように。そしてストレスがたまって落ち着かなくなると、タオルを首に巻いて、軽い力で締めました。どうしようもなくイライラしたときは、こうしてアコさんは自分を落ち着かせるように。 アコさんの苦しみは一層深くなるばかりでした。 「なんでこんなにおかしくなっているの?」「私がいなくなったら子どもたちは誰が面倒を見る?」 考えても考えても、解決策が見つかりません。しまいには、消えたいという気持ちから、ユーマさんがいなくなればいいと思ってしまいます。そして、アコさんは涙が止まりませんでした。 アコさんは振り返ると、死にたいという気持ちはなかったのだそう。そして、不思議だけれどこうすることで落ち着けていたのだとか。けれども、ユーマさんとわかりあいたいと、そんな日が来ると信じて諦めなかったアコさんも、とうとう、ユーマさんがいなくなればいいと思ってしまうように……。ユーマさんとの日々のすれ違いに加え、周囲に理解を得られなかったことなどが、アコさんを追い詰めてしまったようですね。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年02月25日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。夫のユーマさんはやさしくて真面目な人。しかしアコさんは、結婚後、息苦しさと孤独を感じるように。特に産後は、ユーマさんに育児の悩みを相談しても一緒に悩んでくれる様子が見られず、アコさんの心はどんどん離れていきました。そんなある日、娘のために発達障害の本を読んでいたところ、アコさんはユーマさんに症状が当てはまることに気が付きました。「もしかしてユーマは発達障害なのかも」と、アコさんは疑いをもつように。その後も、ユーマさん意思疎通がうまくできない日々が続き、アコさんは疲弊していきました。やがてアコさんは眠れなくなってしまって――!? 心療内科を受診した結果… ※誤)ミュニケーション→正)コミュニケーション ※誤)割り着ればいいんだよ!→正)割り切ればいいんだよ! ユーマさんはお願いごとは何でも聞いてくれましたが、アコさんにとって、意思疎通は難しいものでした。 たとえば、「子どもを見ていてね」とお願いすれば、本当に見ているだけ。絵具を床にぶちまけていても、子どもたちが絵具まみれになっていても何もしません。 またあるとき急いでいたアコさんは、「時計見て!」とユーマさんに言いました。時間を教えてほしかったのですが、ユーマさんは時計を見つめるのみ。 すべてを説明しなければ伝わらないことに、アコさんは疲弊してしまいます。 そんな日が続き、アコさんはある夜から、眠れなくなってしまいました。心の不調を感じたアコさんは、心療内科を受診。 診察の結果、「うつになる手前」ということでした。そして、「診断するとしたら今は不安障害で、ノイローゼの一種」だと医師は言いました。 思い当たる原因はあるかと医師に聞かれたアコさんは、夫であるユーマさんとコミュニケーションがうまくとれないこと、わかり合えないことなど、困っていることを伝えました。 深刻な悩みを打ち明けたアコさんでしたが、医師はあっけらかんと言いました。 「男なんてそんなもんだから割り切らないと! お金稼いできてくれる人って割り切ればいいんだよ!」 アコさんは、反論する気力も起こらず苦笑い……。 そして、医師に言われたことはきっと正しいのだろうと、信じるしかなかったのでした。 アコさんはこのとき、時間をかけて検査してもらった結果、うつではないことにはホッとしたと言います。けれども、医師に割り切るよう笑って言われたことはとてもショックだったに違いありません。悪気はなく励ましのつもりだったのかもしれませんが、ますますアコさんが、自分の考えがおかしいのではないかと、自分を責めたり、落ち込んだりしてしまいそうですね。 監修/助産師 松田玲子 作画:鳥頭ゆば 著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年02月24日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。夫のユーマさんはやさしくて真面目な人。しかしアコさんは、結婚後、息苦しさと孤独を感じるように。特に産後は、ユーマさんに育児の悩みを相談しても一緒に悩んでくれる様子が見られず、アコさんの心はどんどん離れていきました。そんなある日、娘のために発達障害の本を読んでいたところ、アコさんはユーマさんに症状が当てはまることに気が付きました。「もしかして夫は発達障害なのだろうか」と思ったアコさんは、娘の療育でおこなっている対応を、ユーマさんにもしてみるように。すると、アコさんが怒らなくなって、家庭が少し明るくなってきた気がしました。 ある日、アコさんはショックな事実を幼稚園の先生から聞かされました……。娘がパパを嫌う理由 幼稚園の先生は、娘のしずくちゃんが、「パパきらい」と言っていたことをアコさんに教えてくれました。先生が理由を尋ねると、しずくちゃんはこう答えたと言います。 「うーんとね……、だって。ママが嫌っているから」 先生は最近家庭で何かあったのかと心配してくれました。ドキッとするアコさん。 アコさんは、自分が子どものころ、親同士や家族の言い争いを聞くのがとても嫌だと思っていました。だから自分も同じことをしないように気を付けていました。 娘は以前アコさんにパパのことをこう言っていました。 「お顔が暗いから怖い」 娘の言葉を鵜呑みにしてしまい、容姿のことを言っているのだと思っていたアコさんは、もっと早く気が付いてあげられたらよかったと、落ち込みました。 アコさんは、娘さんの本心はわからないけれども、娘さんに「パパきらい」「ママがきらっている」と言わせてしまう家庭環境であることを申し訳なく思い、自分を責めてしまったそうです。子どもの前での言動に気を付けていたアコさんですが、いつのまにか娘さんは、ママの気持ちを察していたのかもしれませんね。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年02月23日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。夫のユーマさんはやさしくて真面目な人でした。しかしアコさんは、結婚後、息苦しさと孤独を感じるように。特に産後は、ユーマさんに育児の悩みを相談しても一緒に悩んでくれる様子が見られず、アコさんの心はどんどん離れていきました。それでも、何とかしてユーマさんと分かり合いたいと、アコさんは思っていました。そんなある日、娘のために発達障害の本を読んでいたところ、アコさんはあることに気が付きました……。本に書かれていた発達障害の症状が、ユーマさんにすべてあてはまったのです。「もしかして夫は発達障害……?」とアコさんの心はざわつきます。そして、「分かり合うことが難しい」という文章を読み、ショックで固まってしまいます。夫の発達障害を疑ったアコさんは……!? 分かり合えないのは特性だから… 「発達障害といってもいろいろあるはず。そして、まだ発達障害かどうかを決めつけるのは早い」 アコさんはショックを受けつつも自分にそう言い聞かせました。そして、できる対応はやってみようと思い始めます。 ・分かり合えないことは特性なので期待せずユーマさんを受け入れること・物事を曖昧にせず的確に伝えること・笑顔でいること これらを心がけているうちに、家庭が少し明るくなって気がしてきたアコさん。自分が怒りすぎていたことと、発達障害の人に周囲が合わせる必要があることを実感します。 「はぁー」 アコさんはこれからのことを考えながら大きくため息をつきました。そして、すぐため息をついてしまう癖を直し、笑顔を習慣づけようと思い直すのでした。 アコさんは娘さんの療育でおこなっていることと同じ対応をユーマさんにしました。けれども振り返れば、アコさんはこのときは無理に元気を出して頑張っていた気がするそうです。ユーマさんが発達障害かどうかは確定ではないにせよ、これまで分かり合えなかった要因を知れた気がしたアコさん。はじめこそショックを受けたものの、前に進めると感じたのかもしれませんね。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年02月22日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。夫のユーマさんはやさしくて真面目な人でした。しかしアコさんは、結婚後、息苦しさと孤独を感じるように。とくに産後は、育児の悩みを相談しても一緒に悩んでくれる様子が見られず、アコさんの心はどんどん離れていきました。友人に相談しても、みな、「頼めばなんでもやってくれるのにぜいたくだ」などと言って、アコさんの、夫とわかり合えないつらさを理解してくれる人はいませんでした。ある日アコさんは、「お願いだから何か言ってよ! 私はユーマの意見が聞きたいの!」と泣いて訴えました。しかしユーマさんは黙ったまま……。アコさんはこうして、期待しては落ち込むを繰り返していました。 また別の日のこと。アコさんは、娘のために買った発達障害の本を読んでいました。すると、気になることが……。 もしかして夫は発達障害…? ※誤)クレーン減少→正)クレーン現象※クレーン現象とは、子どもが何かをしてほしいときに、相手の手を引っ張ってやりたいことを達成しようとする動作のことで、他人に対する要求手段とされています。指差しや言語が出てくると自然になくなると言われています。発達障害がある子どもに多いとされていますが、発達に問題がなくても見られます。 娘のしずくちゃんは、「自閉症スペクトラムのグレーゾーン」という診断が出ているため、アコさんはこの日、以前に買った発達障害の本をもう1度しっかり読むことにしました。 するとアコさんは、本に書かれていることが気になり始めました。 「受け身すぎる」「表情や話しぶりなどから相手の気持ちをくみ取ることができない」「空気が読めない」「自分のやり方への強い固執」「興味や関心の極端な方より」「的外れなことを言ったりする」 これらは、ユーマさんにあてはまる気がしたのです。 「まさか、そんな……」と思いつつ、でも、発達障害だと考えると、今までのユーマさんの行動が、すべて腑に落ちていきます。 もしかしてユーマも発達障害なの……? そして本を読み進めて次の文章を読んだ瞬間、アコさんは凍り付きました。 「分かり合えることが難しい」 ユーマさんとわかり合いたくて、これまで必死だったアコさん。絶望感に襲われてしまうのでした。 今なら本に書かれていることがすべてではないと思うアコさんですが、当時は、書いてあることがすべて正しいと思い込み、ショックを受けたそうです。アコさんと同じ境遇で、SNSでこのマンガを読んだ方からは、本の内容に同意する苦悩の声もあれば、「相手が発達障害であることがわかってからは付き合いやすくなった」というコメントも届いていました。いつかユーマさんとわかり合えると希望を持って、これまで頑張ってきたアコさん。少しでもわかり合えることを願わずにはいられません。 監修/助産師 松田玲子 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 作画:鳥頭ゆば 著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年02月21日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。夫のユーマさんはやさしくて真面目な人でした。しかしアコさんは、結婚後、息苦しさと孤独を感じるように。とくに産後は、育児の悩みを相談しても一緒に悩んでくれる様子が見られず、アコさんの心はどんどん離れていきました。そんな矢先に、事件が起こります。ユーマさんが、1歳の息子を真っ暗な1階の部屋に置き去りにしたまま、2階で寝ていたのです! アコさんが怒っても話がかみ合わず、アコさんはわかってもらうことを断念してしまいました。 周囲に相談しても「頼めばやってくれるのにぜいたく」などと言われてしまい、相談しては否定され、次第にアコさんは「自分が悪い」と自分を否定していくことも増えていきました。 ある日、アコさんは黙っているユーマさんにイライラが爆発してしまいました。するとユーマさんは……!?え?生理前だから? アコさんは、ユーマさんとわかり合えないことにイライラし、相談ごとをすることも少なくなっていきました。けれど日常の中で怒ることは多々ありました。 しかし、アコさんが怒ってもユーマさんは黙って聞いているだけ……。 何も言わないユーマさんに、アコさんは泣きながら意見を言ってと訴えましたが、ユーマさんは無言のまま。 しばらくして、アコさんは落ち着きを取り戻すと、「言い過ぎた」と言いました。するとユーマさんは、「大丈夫、わかってるし」と言いました。 そして、 「アコちゃん生理前ってよくこうなるからもう慣れた」 と言ったのです! アコさんは自分の気持ちをまったく理解してもらえず、イライラを生理前の症状ととらえられてしまい、絶句してしまいます……。体を震わすアコさんの横で、事態をわかっていないユーマさん。 アコさんはそれでも、まだユーマさんとわかり合いたい気持ちが残っていたため、割り切ることはできませんでした。そして、期待しては落ち込むを繰り返してしまうのでした。 アコさんは、自分の不満を女性ホルモンのせいにされることは悲しかったと言います。そして「俺は理解があるから」という態度に見えて腹が立ったのだとか。ユーマさんと「きっとわかりあえる」という期待があるからこそ、アコさんにとっては伝わらないときの打撃が大きかったのではないでしょうか。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年02月07日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。夫のユーマさんはやさしくて真面目な人でした。しかしアコさんは、結婚後、息苦しさと孤独を感じるように。育児の悩みを相談しても一緒に悩んでくれる様子が見られないのです。アコさんの心はどんどん離れていきました。ある日、事件が起こります。ユーマさんは1歳の息子を真っ暗な1階の部屋に置き去りにしたまま、2階で寝ていたのです! アコさんが怒っても話がかみ合わず、アコさんはわかってもらうことを断念してしまいました。 息子放置事件後、ユーマさんに子どもを任せることが怖くなってしまったアコさん。自分で子どもたちを守らねばと、ますます育児の負担が増えてしまいます。ほかにもたくさんの負担がのしかかりますが、アコさんが周囲に相談しても誰にも理解してもらえません。するとアコさんは……。 主張がないということは…※誤)ユーマと子どもだけ過ごすことが→正)ユーマと子どもだけで過ごすことが ※誤)抱擁力→正)包容力 息子を放置されたことから、アコさんはユーマさんと子どもだけで過ごさせることを怖いと思うようになりました。 「私の子どもは私が守らないと」と、今まで以上に育児の負担が重くのしかかります。 ほかにもユーマさんはスマホでラインやネット注文などの利用を拒むため、注文などのお願いもできず、お出かけや買い物など、アコさんが考えて決めていました。 やがてアコさんは脳に疲れが出始めます……。 結婚前、アコさんはユーマさんのことを、自分の話に口を挟まずに何でも聞いてくれて、おおらかで包容力がある人だと思っていました。しかし今では自分の主張がない人だと感じるように。そしてそれは、アコさんの負担や不安が増えることだと気付いたのです。 たとえば、アコさんが風を引いたときのこと。ご飯を買ってきて欲しいと頼むと、なんとユーマさんは自分の分だけを買ってきました。また、妊娠したとき、子どもが初めてハイハイしたとき、アコさんが大喜びで伝えても、ユーマさんは表情を変えずに「そっか」と言うだけでした。 「何か言ってよ!」とアコさんが懇願するように伝えても、ユーマさんは石のように固まってますます黙ってしまいます。 これらのことを周囲に相談しても、「あなたが選んだ相手」「真面目できちんと働いているし、頼めばやってくれるのにぜいたく」「男なんて無口が普通」などと言われ、誰にもつらさを理解してもらえません。 相談するたびに、アコさんは「自分が悪いのだ」と、自分を否定していくのでした。 夫婦ともなれば将来の話、子育ての方針、日常の悩みごとなど、2人で話し合って意見を出し合って乗り越えていくものがたくさんありますよね。夫にもし意見がなかったら……。日々の小さなことだけでなく、将来像も見えなくて、不安になってしまうような気がします。アコさんの精神的負担が心配ですね。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年02月06日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。夫のユーマさんはやさしくて真面目な人でした。しかしアコさんは、結婚後、息苦しさと孤独を感じるように。とくに娘が生まれてから、より顕著になっていきました。育児の悩みを相談しても一緒に悩んでくれる様子が見られないのです。アコさんの心はどんどん離れていきました。友人に相談しても「やさしい夫なのに」と悩みを理解してもらえず、アコさんは落ち込みます。そして、ユーマさんは頼めば子どものお世話もよくしてくれるから十分なのだと、思おうとしていました。そんな矢先に、ユーマさんが、息子を真っ暗な1階の部屋に置き去りにしたまま、2階で寝ているという事件が! アコさんは惨事を目の当たりにして「ぽったん!」と叫びました。 次の日、アコさんはユーマさんとじっくり話をしました。はたしてユーマさんの言い分は……!? そういうことじゃない! ※誤)貯まりすぎて→正)溜まりすぎて 翌日、ユーマさんとアコさんはじっくり話しましたが、ユーマさんは、なぜ2階で寝ていたか自分でもわからないと言います。 そして、「ゴメン、ほんと疲れて……」という言葉を聞いたとき、アコさんの溜まっていたものが湧き出しました。 育児を毎日しているアコさんだって寝不足で肉体が限界であること、アコさんこそ疲れていると訴えたのです。 するとユーマさんは「アコちゃんみたいにできる人間じゃなくてほんとごめん。もう一緒に寝ないから安心して」と言いました。 きちんと育児をしてほしいという話をしていたのに、もうやらないから安心してと、間違った解釈をしているユーマさん。この話さえも通じないのかと、アコさんは、打ちひしがれ、そして伝えることを諦めることにしました。この日を境に、子どもをユーマさんに任せることはほぼ、なくなってしまったのでした……。 アコさんは自分も疲れているから、「疲れていることを言い訳にせず責任感をもって育児をしてほしい」「アコさんは寝不足だから、せめて夜は分担させてほしい」こういうことをユーマさんに伝えたかったのだと思います。それなのにもうやらないから安心してと言われてしまっては、ショックですよね。再度説明して、わかってもらおうとする気力が起こらなくなってしまうのも、無理はないのかもしれません。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年02月05日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。夫のユーマさんはやさしくて真面目な人でした。しかしアコさんは、結婚後、息苦しさと孤独を感じていくように。それはとくに娘が生まれて顕著になっていきました。娘に「自閉症スペクトラムのグレーゾーン」という診断が出たとき、前に進めると感じたアコさん。けれども医師の診断を疑うユーマさんの姿に、アコさんの心はどんどん離れていきました。友人に相談しても「やさしい夫なのに」となかなかアコさんの孤独な気持ちを理解してもらえず、アコさんはますます落ち込んでしまいます。ユーマさんとわかり合えないことに悩むアコさんでしたが、ユーマさんは、アコさんが上の娘と過ごす時間をとれるようにと、下の息子の面倒をよくみてくれていました。そんな姿を見て、アコさんは「これで十分ではないか」と、自分に言い聞かせようとしていました。 しかし、そんな矢先に、ユーマさんのことを信用できなくなる事件が起こってしまいます……!下の子を夫に任せたところ… 1歳の息子、ぽったんはパパ見知りをしませんでした。そこでアコさんが娘のしずくちゃんと一緒に過ごす時間を確保するために、今日はユーマさんがぽったんと下の部屋で寝ることに。 2階でアコさんとしずくちゃんが寝ていると、ぽったんの泣き声が聞こえてきました。 ユーマさんが一緒にいるので、きっと泣き止ませてくれるだろうと、アコさんは再度眠りにつこうとしました。しかし、泣き声は止むどころか、どんどん大きくなっていきます。 さすがに気になったアコさんは、ぽったんの様子を見に行こうとしました。 すると、1階でぽったんと一緒にいるはずのユーマさんが、アコさんの隣で寝ているではありませんか! 「何やってんの……!?」と言って、アコさんはあわててぽったんのところに駆けつけました。 そこには真っ暗な部屋で、布団の上でひとりお座りして泣いているぽったんの姿が! 「あああああああ! ぽったん! ぽったんー!」 ぽったんの泣き声と一緒に、アコさんの悲痛な叫び声が響き渡ったのでした。 自発的ではなかったけれど息子さんのお世話を引き受けてくれたので、アコさんはこのときユーマさんのやさしさを感じていたのだそう。それだけに、そして子どもの安全に関わる出来事だからこそ、衝撃が大きかったのではないでしょうか。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山
2023年02月01日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。夫のユーマさんはやさしくて真面目な人でした。しかしアコさんは、結婚後、息苦しさと孤独を感じていくように――。アコさんが娘の発達のことを相談すると「大丈夫だよ」と言うユーマさん。悩みに真剣に向き合ってもらえないと、アコさんは心のすれ違いを感じるように。その後、病院で娘は「自閉症スペクトラムのグレーゾーン」という診断を受けました。診断結果を聞いて前へ進もうとするアコさんと、医師の診断を疑うユーマさん。ますますアコさんの心は離れていきました。悩んだアコさんは……。アコさんは、友だちにユーマさんのことを相談しますが、「いい人なのに贅沢な悩み」と誰にも理解してもらえません。 ユーマさんとの関係に悩み、落ち込むアコさん。どんどん深みにはまっていってしまって――!? じわじわ時間をかけて鬱っぽくなっていった私 ※誤)新婚の頃はも→正)新婚の頃は アコさんは、ユーマさんと性格が正反対だからこそ合う夫婦だと思っていました。しかし、子どものことを相談すると、固まって返事が来なかったり、思うような答えが返ってこなかったりして、最近は「合わないのかな」と思うように。 そんな風に思ってしまう自分を、アコさんは、ユーマさんの意見を尊重できない自分がいけないのかもしれないと、思い悩むようになりました。 「うちはもう期待しない」「夫なんて共同の経営者って考えればいい。割り切って考えたらすごいラク」 友だちのこういったアドバイスは正しいと思えたアコさん。ユーマさんが子どものお世話をしているのを見ては、割り切れない自分がいけないように感じてどんどん落ち込んでしまいます。 娘に嫌われても落ち込まず、娘との時間を作るために下の子の面倒を見てくれているユーマさんは、いわゆるイクメンだなと思いました。しかし、ユーマさんを認めようとしていたところに、事件が起こってしまうのでした。 アゴ山さんのSNSでこのマンガを読んだ、アコさんと同じ境遇のママたちからは、「エピソードに共感しかない」「周りの言葉に傷つくのわかります」「うちと同じすぎて読んでて苦しくなります」と、共感の声が届いていました。毎日一緒に過ごす、そして子育てを共にするパートナーである旦那さんと心が通い合えていないつらさは、当事者しかわからないものなのかもしれません。相談されるとつい助言しなくてはと思ってしまいがちですが、悩みにじっくり耳を傾けて、悩みを理解し、寄り添うことを心がけたいですね。 監修/助産師 松田玲子 作画:鳥頭ゆば 著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月30日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。娘を出産し、育児に追われる中で、アコさんは娘の発達が遅いのではないかと心配していました。相談しても「大丈夫」としか言わないユーマさんに、心のすれ違いを感じるように。その後、1年かけて病院に通って出た娘の診断は「自閉症スペクトラムのグレーゾーン」でした。しかしユーマさんは医師の診断を受け入れていない様子。そんなユーマさんを見て、ますますアコさんの心は離れていきました。友だちにユーマさんの愚痴をこぼしても、よくできた夫なのにと、アコさんの気持ちを理解してくれる友だちはいませんでした。アコさんは自分の心が狭いのかと、罪悪感に苦しむように……。 育児や療育に追われ忙しい毎日を過ごしていたアコさん。娘にチックを疑う症状が現れ始めたのに気が付きます。 娘が夫を嫌がる理由 娘のチックのような症状が出てきたので、眼科などを受診しますが、目には異常がなくやはりストレスかもしれないと言われ、落ち込むアコさん。 「上の子を優先してね」と言われて、自分の子育てを責められているような気持ちに。 そしてある土曜日。アコさんは生理だったため、娘に「パパとお風呂に入って」と伝えました。けれども娘は「やだ、やだ」と言って聞きません。 思わずパパの何がそんなに嫌なのかと聞くと、「パパの顔!」というまさかの答えが……! ユーマさんの目の前だったので、アコさんはあわててそんなことを言う娘を注意しました。そしてアコさんは、きっとまだパパの嫌なところをうまく表現できないのだろうと考えたのでした。 アコさんは、当時を振り返り、「今ではチックのような症状は自閉症スペクトラムゆえかなと思うけれど、このときは自分の子育てのせいだと自分を責めてしまった」と言います。娘さんのために定期的に療育に通うほか、家でもできることを取り入れて、忙しい毎日を送っていたアコさん。もっとやらないといけないのか、これでは足りないのか、という気持ちになってしまったことに、胸が痛んでしまいますね。 監修/助産師 松田玲子 作画:鳥頭ゆば 著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月28日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。娘を出産し、育児に追われる中で、アコさんは娘の発達が遅いのではないかと心配していました。相談しても「大丈夫」としか言わないユーマさんに、心のすれ違いを感じるように。その後、1年かけて病院に通って出た娘の診断は「自閉症スペクトラムのグレーゾーン」でした。診断を受け入れてどこかスッキリしたアコさんと、黙ってうつむいたままのユーマさん。診断を受けた病院からの帰り道、ユーマさんは、医師の診断を信じていないということを言ってきました。これから娘のことを夫婦で考えて協力していきたいと思っていたアコさんは、そんなユーマさんにショックを受けます。そしてますます心が離れていってしまうのでした。 ある日、友だちと子連れでカフェにきたとき、アコさんはユーマさんについて愚痴をこぼしました。すると、友だちから思わぬ意見が返ってきて――!? 友だちの意見 ※誤)お金使い→正)お金遣い アコさんは、ユーマさんについて、悩みごとを相談しても固まって黙ってしまうこと、たまに返ってくる返事もかみ合わなくて疲れてきてしまったことを友だちに話しました。 すると友だちは口々に言いました。 「アコが怖くて何も言えないだけじゃない?」「ユーマくん、温厚だし我慢してるんだよ!」「文句言ってこないだけまし! うちはお金遣いは適当だし文句ばっか!」「最近ちょっとモラ入ってきてさー」 思わず、そういうことじゃないと言いかけるアコさんですが、友だちは止まりません。さらに、浮気も暴言もなく、頼んだことはなんでもやってくれるのはできた夫だから、文句言うのはかわいそうだと言うのです。 そして「はっきり言って恵まれている」とまで……。 カフェの帰り道、アコさんは自分の愚痴は自分のわがままと受け止められることにモヤモヤします。 そして、ユーマさんが協力的でよくできた夫であると思えずに不満を持ってしまうことについて、自分は最悪だと思ってしまいます。やがて、ユーマさんにモヤモヤするたびに罪悪感で自分を責めるようになっていくアコさんでした。 アコさんは友だちから「いい夫じゃん」と言われると確かにそうだと納得し、また、友だちのもっと酷い夫の愚痴を聞くと、何も言えなくなったそうです。そうして自分は不満ばかり言って贅沢だと、自己嫌悪に陥ってしまったと言います。誰にもつらい気持ちを理解してもらえないまま罪悪感に苛まされたアコさん。孤独を感じるのも無理はないですよね。せめて周囲の人に寄り添ってもらえていたら……と思わざるをえません。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月27日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。娘を出産し、育児に追われる中で、アコさんは娘の発達が遅いのではないかと心配していました。相談しても「大丈夫」としか言わないユーマさんに、心のすれ違いを感じるように。やがて娘は4歳になりましたが、ずっと気になっていたアコさんは、病院で診てもらうことに。1年通った結果、診断結果は「自閉症スペクトラムのグレーゾーン」でした。 グレーゾーンと言われてモヤモヤしたものの、アコさんは医師の診断が出たことにホッとする気持ちもありました。しかし、ユーマさんは納得がいかないのか、うつむいて黙っていました。 病院からの帰り道、アコさんはユーマさんに「ほらね」と言いたい気持ちをおさえながら、「わかって良かったよ」と言いました。するとユーマさんは……!? 夫のリアクションにまた心は離れて… *誤)診断しだけだし→正)診断しただけだし 娘が自閉症スペクトラムのグレーゾーンという診断を受けた病院の帰り道。 アコさんが、「ほらね」と言いたい気持ちと葛藤していると、ユーマさんがずっと閉ざしていた口を開きました。 「先生が『今は』って言ってたよね。また成長したら治っていくかもしれないよ」 アコさんは驚いてしまいますが、ユーマさんは、手はかかるけれどこのくらいの子はたくさんいるだろうと、医師の診断を信じていない様子。 アコさんは、ユーマさんが自分のみしか信じないんだと感じ、ショックを受けます。アコさんの心はまた、ユーマさんから離れてしまうのでした。 「自分の子どもが発達障害であるわけがない」と、1年通って出た診断結果を信用しないユーマさん。このことでアコさんの心はまた離れてしまいました。アコさんとしては、医師の診断を聞いて、目の前の娘さんが困っていることを少しでも取り除きたい、そしてそれを夫であるユーマさんと協力してやっていきたいという思いだったのではないでしょうか。 監修/助産師 松田玲子 作画:鳥頭ゆば 著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月26日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。出産後、赤ちゃんとの暮らしを楽しんでいたアコさんですが、おむつ替えやお風呂などのお世話を何度やっても失敗してしまうユーマさんにイライラ。自分でやったほうが早いと思ってしまうように……。やがて娘の発達の遅れが気になり始めたアコさん。ユーマさんに相談しますが、ユーマさんは「大丈夫だよ」と言うばかり。無責任な返事に、アコさんは心のすれ違いを感じるようになっていきました。 娘は4歳になりましたが、発達がずっと気になっていたアコさん。病院で診断を受けることに。予約が取りづらかったけれど、必要と言われ数回通いました。 そして出た診断結果は「自閉症スペクトラム」のグレーゾーンでした。 娘の診断結果 しずくちゃんの発達の遅れが気になるアコさん。ユーマさんにどこかで相談したいと言っても「考える」と言ってユーマさんはなかなか返事をくれません。……と思ったら1週間後に手紙で返事が来ました。手紙で返事をくれるのはいつものことでした。長文ですが、わかりづらく、また検査をしたくないという内容のものでした。 アコさんはお母さんの後押しもあり、自分で相談センターへ行って相談することに……。 4歳のしずくちゃんは、市の発達センターでテストや療育を受けることになりましたが、診断を出すのは医師。子どもの発達専門の病院へ行くことになりました。 ユーマさんにもついてきてもらい、診断結果を一緒に聞くことに。すると、「自閉症スペクトラムのグレーゾーンです」と医師。 モヤモヤするアコさんでしたが、「自閉症スペクトラム」という診断を受け入れました。一方ユーマさんは、無表情。そしてひたすらうつむいて黙っていたのでした……。 アコさんは診断結果を聞いてショックを受けたけれどホッとしたところもあったと言います。これまでしずくちゃんの育児で疑問や不安に感じていたアコさん。診断結果が出たことで、これからは適切な対応をしていけること、また専門家とつながっていけることに安心したのではないでしょうか。ユーマさんの表情は気になるところではありますが、相談に行ってよかったですね。 監修/助産師 松田玲子 作画:鳥頭ゆば 著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月25日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。出産後、赤ちゃんとの暮らしを楽しんでいたアコさんですが、ユーマさんがいつまでたってもお世話ができないことが引っ掛かっていました。月齢が進むにつれて、だんだんと娘のしずくちゃんは手がかかるようになっていきました。そしてアコさんは発達が気になり、ユーマさんに相談しますが「大丈夫だよ」と、そっけない返答。 もっと真剣に考えてほしいのになと、相談するたびにアコさんはユーマさんと心のすれ違いを感じてしまうのでした。そしてアコさんの心配はしずくちゃんが3歳になっても続いていて――? 「子どもだから」で終わらせていいの? 誤)お父さんに大しての→正)お父さんに対しての 4カ月ころから始まったしずくちゃんの人見知り。そういうものかと思っていたけれど3歳になってもユーマさんに懐きません。 ユーマさんは「本当にママが大好きなんだな」と言いますが、アコさんは本当に大丈夫なのかと不安が沸いてきます。 その後もパパに慣れない様子を見てはアコさんは心配しますが、ユーマさんは「女の子のお父さんイヤイヤ期」だと思い込みました。育児の負担はアコさんにのしかかりました。 子どもの前で父親の悪口を言っているんじゃないかお父さんに対しての扱いが酷かったりしませんか?お父さんを信じて2人きりにしてあげて こんな風に周囲から言われてしまい、アコさんは自分を責めることもありました。 特に気になっていたのはしずくちゃんの癇癪の多さでした。アコさんは大変さを感じていましたが、子どもだからなのか、しずくちゃん特有のことなのか区別がつかず、悩んでいたのです。 癇癪が多くアコさんはしずくちゃんの育児に大変さを感じていたようです。アコさんはそのたびにユーマさんに相談していましたが、真面目に考えてくれないと嘆いていたそう。「子どもってほんと大変なんだね」とユーマさんはため息をついていますが、なんだか他人事のように感じてしまったかもしれませんね。 監修/助産師 松田玲子 作画:鳥頭ゆば 著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月24日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。出産後、退院して娘と自宅に帰ると、自宅は汚部屋と化していました……。アコさんは掃除をしておいてほしかったとがっかり。そんなこんなで始まった赤ちゃんとの暮らしですが、アコさんは育児を楽しんでいました。しかし……。ただひとつ引っ掛かったのが、ユーマさんがいつまでたってもお世話ができないこと。おむつ替えもお風呂もアコさんは任せられません。 月齢が進むにつれて、だんだんとしずくちゃんは手がかかるようになっていきました。そしてアコさんは発達が気になるように。ユーマさんに相談しますが――!? すれ違っていく夫婦の心 ※誤)1~2時間感覚→正)1~2時間間隔 ※誤)ぶつけらることで→正)ぶつけられることで 娘のしずくちゃんが生後3カ月になると、新生児期のころと比べものにならないくらい手がかかるようになりました。寝不足になりつらかったけれど、赤ちゃんはこういうものだとアコさんは考えました。 のちにしずくちゃんは「自閉症スペクトラム」の診断を受けますが、このころは初めての育児に必死で、アコさんはそのようなことは考えもしませんでした。 アコさんはやがてしずくちゃんの成長や発達について遅いのではないかと気になるように。そのたびにユーマさんに相談しますが、ユーマさんは、「大丈夫だよ、もう少し待てば?」と答えるばかり。さらに「医者じゃないからわからない」と言われてしまい、アコさんは見捨てられているような気持ちに。 真剣に子どもの発達について考えてほしいのに考えてもらえていない感じがして、アコさんは心がすれ違っていくのを感じていました。 このころアコさんは、ユーマさんが「まだ小さいしわからない」「医者じゃないからわからない」「大丈夫だよ」というばかりで、寂しかったそうです。けれど、男女の考えのすれ違いなのかなと諦めていたのだとか。アコさんはユーマさんに安心する言葉を求めていたわけではなく、一緒にしずくちゃんの発達について調べたり悩んだりしてほしかったのでしょうね。 監修/助産師 松田玲子 作画:鳥頭ゆば 著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月23日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。出産後、退院して娘と自宅に帰ると、自宅は汚部屋と化していました……。アコさんは掃除をしておいてほしかったとがっかり。そんなこんなで始まった赤ちゃんとの暮らしですが、アコさんは育児を楽しんでいました。しかし、ユーマさんの育児にはイライラすることも……。陣痛がきたとき、アコさんはユーマさんに腰をさすってほしいとお願いしますが、ユーマさんはオロオロするばかり。そしてとうとう赤ちゃんが誕生しますが、赤ちゃんと対面したユーマさんは表情ひとつ変えませんでした。 赤ちゃんとの3人の生活が始まり、育児を楽しんでいたアコさんですが、ユーマさんの育児には不満がありました。なぜなら……。夫の育児は… 当時、「イクメン」という言葉が流行していましたが、アコさんはユーマさんに仕事に集中してもらい、子育てはアコさんがすればいいと考えていました。 とはいえ、ユーマさんに育児をお願いすることもありました。しかし、何度教えてもおむつ替えはテープをきちんと止められず、漏れてしまいます。またお風呂もたどたどしくて任せられません。 親になったスタートラインは同じなのに……とアコさんはモヤモヤしてしまいます。そして自分がする方が早くてイライラしなくてすむので、あまり頼まないようにしようと思ってしまうのでした。 パパの経験不足をママが理解して、ハードルを下げて教えてあげることが大切だと、父親の育児参加に詳しい専門家の先生は言います。しかし、アコさんは何度も繰り返し教えていたので、それでも失敗してしまうユーマさんにイライラし、そしてどうしていいかわからなくなってしまったのかもしれませんね。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月22日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。結婚後は同居を前提としている義父母でしたが、アコさんは義妹が苦手。また同居にはもともと抵抗がありました。一方、ユーマさんは転職して同居するつもりでしたが、なかなか転職できず、同居はあきらめることに。義父は怒り、義母は泣いたと聞いて複雑な気持ちもありましたが、アコさんはスッキリ。しばらくして妊娠が判明しました。アコさんはうれしくてすぐにユーマさんに報告。しかし、ユーマさんはそっけない反応で、アコさんはがっかりしてしまいました。それからいよいよ出産のときがやってきて――!?早く子どもが欲しいと思っていたアコさん。妊娠がわかって大喜び。ユーマさんにもウキウキしながら報告しました。すると、「あ、うん」とそっけない返事。アコさんはさすがにユーマさんも喜ぶだろうと思っていたので、がっかりしてしまいます。 いよいよ出産のとき。陣痛の痛みに耐えながら、アコさんはユーマさんに「腰さすって!」「おしり押して!」と訴えますが――? 娘と初対面したときの夫の反応は… アコさんは陣痛の痛みに耐える際、ユーマさんにやってほしいことをリクエストしますが、ユーマさんはオロオロしてしまいます。すると助産師さんが代わりに対応してくれて、アコさんの痛みは和らぎました。 出産時、もうすぐ生まれるというときに、分娩室の外で待つユーマさんを助産師さんが分娩室に呼びました。 赤ちゃんが誕生し、「おめでとうございます! 元気な女の子ですよ!」と助産師さんに言われましたが、ユーマさんは表情ひとつ変えません。そしてビデオカメラを手にしていたのですが、撮影していたのは動画ではなく静止画でした。 そして退院後、娘を連れて自宅へ帰ると、なんと、自宅は汚部屋と化しているではありませんか! これから赤ちゃんと暮らすからと、ユーマさんに掃除をお願いしていたアコさん。入院中、何をしていたのかと、怒りに震えるのでした……。 出産の立ち会いをどうするかユーマさんに任せた結果、生まれる直前に立ち会うことにしたのだそうです。アコさんはあまりの痛みに、はじめからいてもらえばよかった、そうお願いすればよかったと、判断を任せたことを後悔しているのだとか。妊娠・出産は女性にとって一大イベント。初めてのことで正解がわからないからこそ、夫婦で話し合って結論を出すことが大切なのかもしれませんね。 監修/助産師 松田玲子 作画:鳥頭ゆば 著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月19日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。同居を前提としている義父母でしたが、アコさんは義妹が苦手。また同居にはもともと抵抗がありました。一方、ユーマさんは転職して同居するつもりでしたが、なかなか転職できず、同居は諦めることに。義父は怒り、義母は泣いたと聞いて複雑ではありましたが、アコさんはホッとしました。独身のころから不思議なところのあったユーマさん。ある日、アコさんとユーマさんが観光地へお出かけしました。すると、事件が起こったのです――。 両親と同居するため、地元への転職をすべく、ユーマさんは就活をしたものの、1年たっても成果は出ず……。ユーマさんは転職を諦めることに。そして、両親に同居しないことを報告しました。いろいろ言われてしまったものの、アコさんは同居問題が解決してスッキリ。 ある日、2人は観光地へ出かけました。ユーマさんが先に駐車場へ戻りました。あとからアコさんが戻るとそこには……!? 夫が起こした事件と対応 いつもやさしいユーマさんですが、観光地に車に出かけたとき、アコさんが不安になる事件が起こりました。 アコさんがお土産を買いに行き、ユーマさんが先に駐車場に戻りました。アコさんがお土産を買って駐車場にあとから戻ると、ユーマさんが呆然として立っています。 アコさんが尋ねると、車のドアを開けたときに、隣の車にこすってしまったと言いました。 慌ててアコさんは保険会社と警察に連絡するよう言いました。そうこうしているうちに車の持ち主が現われてとりあえず解決することができました。 けれどもアコさんは、今回の件で見ているだけでアコさんが戻るのを待っていたユーマさんに、一抹の不安を覚えます。今後、何か大きなトラブルが起きたときに頼りにならないのではと、ガッカリしてしまうのでした。 アコさんや保険会社に連絡をせず、車をこすったあと、何もせずにアコさんを待っていたユーマさん。アコさんは一連のユーマさんの行動を見て不安になり、「万が一災害にあったときは、私を置いて逃げたりぼーっと立ってたりするのかな」と妄想までしてしまったのだとか。ユーマさんは思わぬハプニングに、動揺してしまったのかもしれませんね。けれどもアコさんが戻っても傍観者でいられては、アコさんが不安に思う気持ちはわかる気がします。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月17日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。アコさんは、ユーマさんの実家が、同居を前提にしていること、義妹が口うるさく合わないこと、地域の人たちに責められてもユーマさんが助けてくれないことなど、気になるところはありましたが、やがてユーマさんと無事入籍。いつか義両親と同居するためにと、ユーマさんは転職活動をしましたが、1年たっても面接には至りません。そこでユーマさんはとうとう義実家へ帰ることを諦めることに。そのことを伝えるためにユーマさんは義実家へ向かいました……。いつか同居するために転職しなくてはと、ユーマさんは地元でできる仕事を探し始めました。しかし、なかなかエントリーせず、面接を受けることもないまま1年が経ちました。これ以上アコさんを振り回せないと、ユーマさんは転職、つまり同居を諦めることに。帰省したら自分からそのことを両親に伝えると言いました。 義実家からユーマさんが帰ってきました。義両親の反応はいったい――!?同居しないことへの義父母の反応 ※誤)実家に帰って帰ることが→正)実家に帰ることが ユーマさんが義実家から帰宅しました。「もう義実家には帰れない」ということを伝えるための帰省だったので、アコさんはどうなったのかとそわそわ……。しかしユーマさんはなかなか口を開きません。 もどかしい時間が流れたのち、ようやくユーマさんは話し始めました。 「母親はめちゃくちゃ泣いてた……」 ユーマさんが仕事を理由に実家に帰れないことを両親に伝えると、お義父さんは激怒し、お義母さんはひたすら泣いていたとのこと。義両親との同居の心配がなくなり喜んでいたアコさんでしたが、複雑な気持ちに……。 そして、同居問題をこれまで曖昧にしていたユーマさんにも非があるような気がして、モヤモヤしてきました。どうして最初から地元で就職しなかったのかなど、疑問や怒り、いろいろな感情が沸いてきたアコさんなのでした。 アコさんは複雑な思いではあったものの、ユーマさんが義両親への報告の際にアコさんの名前を出さなかったことには、ユーマさんの気遣い、やさしさを感じたのだそうです。ユーマさんは今後、アコさんが気まずい思いをすることのないように、できる限りの配慮をしたのでしょうね。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月14日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。アコさんは、ユーマさんの実家が、同居を前提にしていること、義妹が口うるさく合わないこと、地域の人たちに責められてもユーマさんが助けてくれないことなど、気になるところはありましたが、やがてユーマさんと無事入籍。結婚後、しばらく幸せに過ごしていましたが、ある日、義実家へ向かう途中、突然アコさんの足が動かなくなります。義実家へ行くのをやめて帰宅すると、ユーマさんが「俺の実家が苦手なの?」と聞いてきました。無事、結婚式や新婚旅行を終えて幸せに暮らしていたアコさんでしたが、義実家へ行くことが増えていきました。義妹は相変わらずで、アコさんはつらく感じていました。 ある日、義実家へ行く途中、最寄りの駅に到着すると、アコさんの体に異変が起こります。足が突然動かなくなったのです。義実家へはユーマさん1人で行ってもらい、アコさんは自宅へ帰りました。そしてユーマさんが帰ってくると、アコさんに義実家が苦手なのか聞いてきました。アコさんはすべてを話すことにしました――。夫に義妹のストレスを打ち明けると… アコさんはユーマさんに義妹に会うたびにチクンとすることを言われてストレスを抱えていることを伝えました。ユーマさんは「なるべく義妹を近寄らせないようにする」と言いました。 そして同居問題について、ユーマさんは将来的行けたらいいと思っていることを話してくれました。しかし、アコさんははっきりしない考えが落ち着きません。 「それっていつなの?」「歳とったら厳しいよ」「遅いとローンも通りにくいし」 と、ユーマさんに迫ります。 そして、 「ウダウダするぐらいならいっそ今すぐ移住した方がよくない?」 と葉っぱをかけます。もちろんこれは本心ではありません。しかし、納得したユーマさんは転職先探しを始めることに。 それからどんどん月日は流れ……、半年経っても転職情報を調べるのみでユーマさんはエントリーしません。とうとう、1年経っても1度も面接することはありませんでした。 ついにユーマさんは転職を諦めることに。実家には自分で伝えると言ってくれました。 転職活動を開始後、1年が経っても、ユーマさんは求人を見ているだけの状況だったようです。結果、ユーマさんが転職を諦め、同居も断ることに。1年間見ているだけで応募しなかったことは少々驚きましたが、ユーマさんの行動や決断には、アコさんに対する誠実さがあわられている気がしますね。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月13日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。結婚する前のこと、アコさんはユーマさんからいずれは両親と敷地内同居を考えていることを聞かされます。同居には抵抗があるアコさん。お義母さんに会うとやさしく感じの良い方でホッとするものの、「同居する」と決定しているかのような空気に戸惑ってしまいます。さらに口うるさい義妹の存在が、アコさんを義実家へ行くのを憂うつにさせていました。結婚式には「組合」の人を招待してほしいとお義母さんに言われ、何のことかわからずにいると、すかさず義妹が「しっかりしてよ!」と言って組合の説明をしてきました。周りから責められても助けてくれないユーマさんにアコさんはがっかりします。いろいろなことが起こりつつも、アコさんとユーマさんは無事に入籍を済ませて夫婦となりました。そしていよいよ結婚式当日です。組合の人も招待し、無事、結婚式を終えたアコさんでしたが……!? ユーマさんのおばあちゃんのお葬式に参列したときのこと、義妹がつわりで大変と聞いて、体調は大丈夫ですかと声をかけると、「ほっといて、アコちゃんつわりの経験ないんだから」と言って、去ってしまいました。お葬式のあとの会食は義妹がいないおかげで、楽しく過ごせました。 その後、入籍をして夫婦となったアコさんとユーマさん。結婚後、しばらくは幸せに過ごしていたアコさんでしたが、ある日、異変が起こります――。私に起きた異変 無事結婚式を終えて、しばらく幸せに過ごしていたアコさん。結婚後、ユーマさんの義実家へ行く機会が増えました。義妹は相変わらずで、アコさんは義実家へ行くのをつらく感じてしまいます。 するとある日、義実家へ向かっていたときのこと、最寄り駅まで着いたらアコさんの足が突然動かなくなってしまいました。 アコさんは自分でもどうしてそうなったのかわかりません。ただ、義実家に行きたくない気持ちが影響している、そんな気がしてしまいました。 ベンチに座ると、「早く実家行って休もう」と、ユーマさん。 アコさんの気持ちに気付いていない様子。アコさんは休んで自宅へ帰り、義実家へはユーマさん1人で行くことに。 アコさんが自宅に戻ると、ユーマさんは義実家から電話をかけてきて、ユーマさんの両親が、アコさんが実家の近くで休んでいることにショックを受けていたと言いました。アコさんはその言葉に落ち込んでしまったのでした。 ユーマさんからの電話で落ち込んでしまったアコさん。義両親を傷つけてしまったような気持ちや、ユーマさんに義実家へ行きたくない思いを悟ってほしかったという気持ちなど、いろいろな気持ちが入り混じっていたのかもしれませんね。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月12日スペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。結婚する前のこと、アコさんはユーマさんからいずれは両親と敷地内同居を考えていることを聞かされます。同居には抵抗があるアコさん。お義母さんに会うとやさしく感じの良い方でホッとするものの、「同居する」と決定しているかのような空気に戸惑ってしまいます。さらに口うるさい義妹の存在が、アコさんを義実家へ行くのを憂うつにさせていました。ユーマさんの祖母のお葬式に参列した際も、義妹はアコさんが泣かないことにケチをつけてきました。アコさんはお義母さんから、義妹が妊娠中でつわりが大変と聞き、「大丈夫ですか」と声をかけました。すると義妹は……!? ユーマさんの祖母のお葬式に参加したアコさん。義妹が隣の席に座り、親戚の名前を覚えてほしいと説明してきました。義妹はボソボソずっと話していましたが、アコさんはお葬式に集中するふりをして返事をしませんでした。 すると義妹が、アコさんをじっと見て、「アコちゃんて泣かないんだ」と言ってきたのです。アコさんは自分が薄情なのかと落ち込みます。そしてお義母さんから、義妹が妊娠中でつわりがつらいことを聞かされたアコさんは、義妹の体調を気遣い、声をかけたのですが――!? 義妹の結婚式 アコさんが義妹に「体調大丈夫ですか」と声をかけると、「アコちゃんつわりの経験ないんだからほっといて」と言われてしまいます。 義妹が休んでいたので、お葬式のあとにおこなわれた会食にはおらず、アコさんは気がラクになりました。親戚にひととおり挨拶をしたけれど、義妹がいなかったので、楽しく過ごせました。 アコさんは今回、ユーマさんが1つのことで頭がいっぱいになると周りが見えなくなることがわかりました。 そして次の日。義妹宅へ行くことに。すると、義妹は自分たちの結婚式のDVDを参考にと言って見せてきました。 義妹はアコさんが聞いていないアドバイスをし続けました。 義妹の結婚式は、アコさんの理想とはかけ離れた派手な結婚式。ある意味、「こういう結婚式にはしないようにしよう」と参考になったと、義妹に感謝するアコさんでした。 自分たちの結婚式のDVDを見せてくれた義妹さんですが、義妹さんのような派手な演出、衣装はアコさんの好みではなかったよう。結婚式の理想や好みは人によって違いますよね。これから結婚式を挙げるだろうアコさんに、良かれと思って見せてくれたのだと思いますが、誰かにアドバイスをする前には、相手の希望や好みなどを確認しておくのがよさそうですね。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月11日アスペルガー症候群の夫、ユーマさんとの結婚生活からカサンドラ症候群になり、離婚したアコさんのお話です。アコさんの夫、ユーマさんは、やさしくて真面目な人。しかし、なぜか結婚生活に息苦しさと孤独を感じていたアコさん。あるとき、ユーマさんが自分に向けて心から笑っているところを見たことがないことに気が付きます――。結婚する前のこと、アコさんはユーマさんからいずれは両親と敷地内同居を考えていることを聞かされます。アコさんは同居には抵抗があることを伝えつつ、会ってから考えようと思いました。ユーマさんの実家へ行き、お義母さんに会うとやさしく感じの良い方でアコさんはひと安心。ただ、アコさんが同居するような前提で会話が進むことに戸惑ってしまいます。そして再び、ユーマさんの祖母のお見舞いで実家を訪れると、地域の風習である「組合」のことをまったく知らないアコさんは、義妹をはじめ、地元の人に責め立てられてしまいます。アコさんは、アイコンタクトでユーマさんに助けを求めました。すると……!?アコさんはお見舞いに行く前、ユーマさんに念押しして、ユーマさんの家族に同居のことなどいろいろ言われたときは助けて欲しいとお願いをしていました。 今回、地域の「組合」のことを知らないアコさんは、義妹に「こっちで暮らす気なら組合の人とうまく付き合わないといけないんだよ!」と責められ、しまいには知らない人たちまで混ざってきました。それを見ていたユーマさんが、「あのさ、ちょっとみんな」と口を挟んでくれました。しかし……。 義妹からの電話 「組合」について何も知らないアコさんが義妹や地元の人に責め立てられていましたが、ユーマさんは助けることができませんでした。味方がいないアコさんは泣きそうになりましたが、「私馬鹿なんでごめんなさい~!」と、馬鹿な子のふりをして切り抜けました。 数カ月後、ユーマさんの祖母が亡くなりました。ユーマさんはアコさんに、お通夜は出なくていいからお葬式だけ出るよう言いました。お通夜の日、アコさんがお葬式用の喪服の準備をしていると、義妹から電話が! お通夜に出ないことを責める電話でした。 憂うつな気持ちでお葬式に参加したアコさん。義妹の隣に座らされ、葬儀中に親戚の名前を覚えさせられます。アコさんはお葬式に集中しているふりをして、しゃべり続ける義妹に返事をしませんでした。アコさんが「ユーマのおばあちゃん……安らかにお眠りください」と想っていると、涙を流す義妹は言いました。 「アコちゃんてさあ、泣かないんだ……。ふーん……」 親戚の名前を急に覚えるように言われても、一度も話さないままではなかなか難しいですよね。また、義妹は、アコさんがお通夜に参列しないことを責め、お葬式で涙を流さないことを怒るなど、アコさんにとても厳しい様子。守ってほしいユーマさんは近くにおらず、アコさんにとってとてもつらいお葬式になってしまいましたね。 作画:鳥頭ゆば著者:マンガ家・イラストレーター アゴ山シングルマザーで2児の母です。自分の体験談や過去に出会ったヤバイ人たちの話などを書いてます。イラストは鳥頭ゆばさんに描いて頂いています。
2023年01月10日