英国文学史上、最もセンセーショナルと称され、いまでは不朽の名作と讃えられる「ジェーン・エア」。これまでも多くの監督たちが映画化に挑んできたが、今年、新たな傑作が誕生した。物語が誕生した1847年当時、女性の自立を描いた衝撃的な古典に、21世紀らしい新鮮なアプローチで取り組んだのは、長編デビュー作『闇の列車、光の旅』でサンダンス映画祭監督賞に輝くなど、高い評価を得たキャリー・ジョージ・フクナガ監督だ。モラルを犠牲にせず、愛を貫くジェーンの姿勢1977年、アメリカ生まれの米国人だが、名前からもお分かりのように、祖父母、父が日系アメリカ人、母がアメリカ人という環境で育った人物。俳優だと言われても納得するほどの容姿の持ち主で、知的な話しぶりからは、洞察力の鋭さもうかがわせるハリウッド期待の新進気鋭だ。前作では、女性の強い精神性を描いていたが、本作でも、ジェーン・エアが真実の愛にたどり着くまでの“選択”に焦点を当て、そこから一人の人間が自らの尊厳を守り抜き、愚直なまでに強く清らかに生きようとするさまを見事にあぶり出している。この名作文学の魅力についてフクナガ監督はこう話す。「ジェーンの強靭な精神に心を打たれたんだ。モラルを犠牲にせずに、愛を貫く姿勢がとても素晴らしい。この物語に惹かれたのは、普遍的で避けられないテーマをはらんでいるということがひとつ。そして、女性をめぐる旅という意味で前回の映画の続編のようなものであるということがもうひとつの理由だね」。フクナガ監督が感銘を受けたという精神性は、どこか日本人にはなじみやすい。作品を観ているとき、決して泣き言を言わず困難に立ち向かうジェーンの姿、その美学ある生きざまに、震災に直面した際に多くの日本人が見せた強さを思い出した。「そうだね。英国と日本には、一般的な共通点が多いと思うね。ほかの国や文化から隔絶されているという地理的な特徴が、精神性にも影響していると思う。島であるということ、ほかの文化から侵略されていないということ、文化が比較的混ざり合っていないということに共通点があるかもしれないね」。とはいえ、自分自身のバックグラウンドにある日本文化が、この物語をより深く理解する助けになったという意識はないという。「人には誰にでも共感や分析力というものがあり、様々なテーマの物語を受け入れることができるし、特にこの物語には普遍的な感情を呼び覚ます力がある。どんな文化圏に育った者にも理解できるメッセージが込められている。物語には、あまりに様々な要素が組み合わさっている。ただ、素晴らしい物語には人間性が反映されていると言える。様々な個性をもつ素晴らしい名作が世の中にはあるけれど、自分の考えや体験と重ね合わせることができ、強い共感を覚えるものを人は素晴らしいと思うのだろう。たとえ自分とは違う世界で生きる人々の話であっても、人は物語に感銘を受けることができる。それは人間というものが、結局は同じものを共有しているから。ジェーン・エアの物語についても同じだね。ジェーンが経験してきた過酷な人生、彼女が自ら選んだ人生の意味、そしてなぜ彼女がそれを選んだかということは、ミステリーでも何でもない。これは特殊な選択などではなく、とても難しい選択だったということなんだ。特に、彼女はうその生活で幸せを装うよりも、ロチェスターから逃げモラルを貫いて死ぬことを選ぶ。これはとても強い意志と決意に裏打ちされた選択で、たぶん、99%の人間が選ばない人生だと思う。ただ、誰でも難しい選択をしたことはあるものだ。だから、それと重ね合わせることはできるんじゃないかな」。「ガールフレンドには自分と出会う前のボーイフレンドがいるもの(笑)」実際に、彼自身も難しい選択をしたことがあるといい、「ここでは言えないけれどね」と笑顔を見せる。「全ての難しい選択は、自分を見つけ、知るのに役立つのだと思う。何を選んでいくかで、インテグレティ、強さを試される。自分が誰であるかを知る手がかりになる。そして、その選択をした後では、自分が変化していると感じるものだ。難しい選択をした後では、それ以前の自分とは同じではいられない。全てのものは変化していく。岩でさえね」。ところで、『ジェーン・エア』は誰もが知る名作文学であり、多くの監督たちが映画化してきた物語だが、今回、そのことでプレッシャーは感じなかったのかと聞くと、「ガールフレンドには、自分と出会う前に別のボーイフレンドがいるものだから」と笑う。「実際にプレッシャーも特になかったし、作品の成功についても、正直なところ考えなかったんだ。この作品を撮った監督たちと競う気もなかった。自分の映画を撮るときに、ほかの作品やほかの監督のことなどを考えたくなかったんだ。自分らしい決定ができなくなったり、自分の監督としての可能性を狭めたりしたくはなかったからね。それに、作品を比べられるという不安もなかった。彼らの映画は彼らの映画。自分は自分の視点で違った作品を撮るんだと思っていたから。僕の作品にはある種の自分が反映されているはずで、自分の直感が導く決定には、僕自身が映し出されているはずだから。いずれにしろ、ジェーン・エアの物語は素晴らしいのだから、これからも多くの作品が誕生するはず。誰かがやることになるんだ。シェークスピア作品を考えてみれば、同じ物語を繰り返し別の人間が世界中で舞台化している。それと同じようなものだと思うよ。なぜ繰り返し語られるのかと問われれば、『やらないほうがおかしいね。素晴らしい物語なのだから』と答えるね」。豊かな才能に裏打ちされた自信と余裕のなせる業なのだろう。揺るぎない選択眼により選んだキャストについても、こう話してくれた。「今考えられる最高のキャストだった。特に主演の二人については、別のキャスティングは考えられない。ジェーンを演じたミア・ワシコウスカと、ロチェスターを演じたマイケル・ファスベンダーは、これから長く素晴らしいキャリアを築いていくと思うし、そう願うね。彼らはとはとても素晴らしい仕事ができた。こういった誰もが知る名作の場合は特に、キャスティングは重要になる。シェークスピア劇や名作文学の場合、確かに多くの俳優が演じているし、適した俳優を選ぶこと自体は難しくはないかもしれない。でも、その作品の世界観を確立させるためには、一人一人の俳優が役に合っているかだけでなく、キャスト全体に調和が生まれているかが重要になる。それはまるでバスケットボールのチームのようなものだね。一人のスターだけでは成り立たない。成功のためには、一人一人が役割に合っていて、調和のとれた働きをしなければならないんだ。だから、キャスティングも映画作りにとって重要なひとつの基礎。そのほかにも基礎的なステージがいっぱいあり、つまりは失敗する要素もいっぱいあるけれど」。構図や色調も、その一つだろう。本作では、構図や色調の絵画的な美しさも印象深い。「実は、絵画には造詣は深くないけれど、写真は撮るんだ。イギリスの『Lula』という雑誌に、一連の作品を発表したことがあるんだ。実際に映画製作やキャスティングの現場などを自分自身で撮影している。これからも撮影していくつもりなんだ」。スチールとムービー。2つのカメラを使い分け、人間をフィルムに焼き付けていくフクナガ監督。今後もどんな物語を題材にしようと、その豊かな描写力をもってすれば向かうところ敵なしといったところだろう。「僕は、人として物語を語る手段として、画を撮っている。モチーフには、僕自身が興味を持てる物語かどうかが重要なんだ。監督として、またフォトグラファーとして、この作品を撮ってみたいと感じるよりも、むしろね」。次に、キャリー・ジョージ・フクナガが一人の人間として、興味を持つのはどんな題材なのか。実に楽しみな才能だ。(text:June Makiguchi)■関連作品:ジェーン・エア 2012年6月2日よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© RUBY FILMS (JANE EYRE) LTD./THE BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2011.■関連記事:ミア・ワシコウスカ、元「OASIS」N・ギャラガーも!「SSFF&ASIA」注目のスターたち英国文学史上に残るスキャンダル!『ジェーン・エア』試写会に10組20名様ご招待ミア・ワシコウスカ、『ジェーン・エア』に続いて『ボヴァリー夫人』のヒロインにジュード・ロウに新恋人。お相手は舞台で共演した9歳年下の女優
2012年05月30日本年度のアカデミー賞で衣装デザイン賞にノミネートされた『ジェーン・エア』が6月2日(土)から公開される。これまで幾度も映像化されてきたシャーロット・ブロンテの傑作小説を前に、監督のキャリー・ジョージ・フクナガとスタッフが目指したもの。それは“完璧な時代の再現”だったという。そのこだわりはどこにあるのだろうか?その他の写真本作は、幼少期に両親を亡くし、孤独に生きてきた女性ジェーン(ミア・ワシコウスカ)と、横柄で気難しい上流階級の男性ロチェスター(ファスベンダー)の身分違いの恋を主軸に、苦難に満ちた人生の中で、真実の愛を探し求めるひとりの女性の姿を描いた物語だ。フクナガ監督は、原作の舞台となった1830年代に関する時代考証を徹底的に行い、衣装や言葉、作法のすべてに完璧を求めた。撮影は、小説の舞台となった英国ダービーシャー州で、奇跡的に18世紀の状態が維持されてきたというハドン・ホールの屋敷と敷地で行われた。さらに衣装は、『ある公爵夫人の生涯』で第81回アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞したマイケル・オコナー氏が担当。「俳優のために衣装を作るのは、登場人物の一部を作り上げること」と語るオコナー氏は、当時の写真を参考に、徹底的に研究を重ねたという。当時はまだミシンが発明されていないため、主要な登場人物の衣装はすべて手縫い。さらにスクリーン上ではドレスの下の見えない部分(パンタロンと長い下着、そしてプリーツの入ったペチコート)までもが忠実に再現されている。CG全盛期の現代において過去の風景を完璧に再現することは不可能ではない。しかし本作では、監督とスタッフ、キャストが一丸となり、あえて“手で作る”努力を惜しまずに19世紀の英国の風景を再現した。そのこだわりの数々が、映画『ジェーン・エア』に魅力を与えているのではないだろうか。『ジェーン・エア』6月2日(土)TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2012年05月25日英文学の名作を映画化した『ジェーン・エア』が6月2日(土)から日本公開される前に、ヒロインと身分違いの恋に落ちる上流階級の男を演じたマイケル・ファスベンダーのインタビュー動画が到着した。インタビュー動画本作は、これまで繰り返し映像化されてきたシャーロット・ブロンテの小説が原作。幼少期に両親を亡くし、ずっと孤独に生きてきた女性ジェーン(ミア・ワシコウスカ)と、横柄で気難しい上流階級の男性ロチェスター(ファスベンダー)の身分違いの恋を主軸に、苦難に満ちた人生を生きる女性の姿を描き出した人間ドラマ。前作『闇の列車、光の旅』が各国の映画祭で高い評価を得た34歳の新鋭キャリー・ジョージ・フクナガが監督を務めている。このたび公開された映像の中でファスベンダーは、自身が演じたロチェスターがジェーンに惹かれる理由について「ふたりの間には確かな結びつきがある。彼は彼女の前では正直になれるし、彼女も決して引こうとはしない」と分析し、「彼女の内面にある炎のようなものが彼を魅了するんだ」と話す。そんなジェーンを演じたのは、『アリス・イン・ワンダーランド』や『キッズ・オールライト』に出演している新進女優ミア・ワシコウスカだ。ファスベンダーは彼女の演技を『アリス…』以前より注目していたそうで、「カメラの前の表情にも引き込まれるし、落ち着いた大人の女性だね。将来は大物女優だよ」と称賛している。そんなファスベンダーもテレビドラマ『バンド・オブ・ブラザーズ』で注目を集めたのを機に、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』『SHAME-シェイム-』と出演作が立て続けに公開され、今後もリドリー・スコット監督のSF大作『プロメテウス』やスティーヴン・ソダーバーグ監督のアクション作『Haywire(原題)』など、出演作が多く待機している。そんな彼が、本作で19世紀の封建的な慣習が強く残る社会を生きる男をどのように演じるのか気になるところだ。『ジェーン・エア』6月2日(土)TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー(C)RUBY FILMS (JANE EYRE) LTD./THE BRITISH BROADCASTING CORPORATION2011. ALL RIGHTS RESERVED.
2012年05月18日アメリカに実在した女性ガンマン、カラミティ・ジェーンの半生を題材にした舞台『カラミティ・ジェーン』が2月4日(土)、ル テアトル銀座 by PARCO(東京)で開幕。クーポンサイト『ポンパレ』では、1月31日から期間・枚数限定でチケットを割引で販売する。舞台『カラミティ・ジェーン』のチケット情報カラミティ・ジェーンは19世紀に実在した女性ガンマン、マーサ・ジェーン・カナリーの半生を題材に1950年代に映画化、その後フランスの脚本家ジャン=ノエル・ファンウィックの戯曲で舞台化された。日本でも数多く上演され、2008年の湖月わたる主演の本公演が好評を博した。今回も湖月わたるが2008年に続いて主人公ジェーンを演じるほか、相手役ビル・ヒコックに若手俳優・金児憲史、サーカス団団長のバッファロービルにパパイヤ鈴木らが脇を固める。割引販売の対象は、2月4日から10日(金)までの公演(一部を除く)で、通常価格9000円を4500円で提供する。販売は3日(金)午後12時まで。『カラミティ・ジェーン』は2月17日(金)から3日間に渡って大阪・梅田芸術劇場でも開催される。チケットは各プレイガイドで発売中。
2012年01月31日2月に東京・大阪で上演される、湖月わたる主演の音楽劇『カラミティ・ジェーン』。開幕が待たれる本作だがひと足早く12月22日、都内にてクリスマス・トークイベントを開催、湖月ら出演者が作品の魅力をアピールした。『カラミティ・ジェーン』チケット情報はこちら『カラミティ・ジェーン』は19世紀アメリカに実在した伝説の女性ガンファイターを主人公にした音楽劇。“嵐を呼ぶ女”と謳われたジェーンの波乱万丈の人生を、個性溢れる登場人物との交流、また西部劇アクションや歌、踊りを織り交ぜ綴っていくもの。2008年に湖月主演で上演され好評を博した作品が、待望の再登場を果たす。この日のイベントはウエスタン風のレストランが会場。制作発表会見やポスター撮影風景などのVTRが流れ、集まったファンたちが『カラミティ・ジェーン』の雰囲気に浸る中、湖月が登場。黒の皮パンにタキシード風のジャケットというマニッシュな出で立ちは「ウエスタンを思わせつつ王子風に!」と解説。「(カッコいい服装は)皆さまへのクリスマス・プレゼントです」と笑う湖月は、時おり客席にも話を振りつつ、フレンドリーにトークを進めていく。身長174センチと宝塚の男役出身者の中でも長身の湖月だが、恋人ビル・ヒコック役の金児憲史が188センチあり「私が可愛く見えた(笑)」という話や、「チラシのウエスタンブーツとジーンズは自前なんです。たまたま撮影に履いていっていたのが、“そっちの方がいいね”ってことになって」というような裏話が、楽しい雰囲気の中ポンポン飛び出していた。写真撮影会なども行われ盛り上がったのち、共演者である友石竜也、安達星来が登場。ジェーンの娘を演じる安達が現役の大学生であることに触れ、宝塚卒業後に大学に入り女優業と二足のわらじを履いている湖月が「私たち女子大生仲間だね!……母娘なのに(笑)」と喜んだり、友石とは宝塚(『王家に捧ぐ歌』)と四季(『アイーダ』)と作品は違えど同じラダメスという役を演じた共通点などを、この日の司会も務めた秋山エリサも交えて話していく。また、時節柄クリスマスの過ごし方なども話題にのぼり、友石が「寒波が来ているということで……部屋に籠もります!」と言えば、湖月が「役者は風邪をひいちゃいけないからね~(笑)。私もイブ、クリスマスともに部屋で『カラミティ~』の台本読んでます! 私にとっては皆さまに会えた今日がクリスマス。今日に賭けてたんです」と発言し喝采を浴びていた。最後には「私からのクリスマス・プレゼント」と湖月が『ホワイト・クリスマス』を、そして出演者一同で『きよしこの夜』を歌い、イベントは終了。笑い溢れるイベントで、集まったファンたちも満足げな表情だった。『カラミティ・ジェーン』公演は2月4日(土)から11日(土・祝)に東京・ル テアトル銀座 by PARCO、2月17日(金)から19日(日)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。チケットは発売中。
2011年12月26日元宝塚トップスター・湖月わたる主演の音楽劇『カラミティ・ジェーン』の製作発表が12月8日、都内で行われ、湖月のほか、共演の金児憲史、パパイヤ鈴木、演出の吉川徹が登壇した。『カラミティ・ジェーン』は19世紀のアメリカに実在した女性ガン・ファイター、マーサ・ジェーン・カナリーの波乱万丈の人生を描いたもの。1953年に映画化、その後フランスのジャン=ノエル・ファンウィックの脚本により舞台化された。湖月主演版は2008年に上演。今回はキャストを一新して再演する。結婚、離婚を経た女性の自立や仲間との絆を、歌、踊り、派手な西部劇アクションを交えて描く痛快な作品だ。キャストは服飾ブランド、CAOLU.Lab(カオルラボ)によるオリジナルデザインのスタイリッシュな舞台衣裳で登場。西部劇の雰囲気を醸しながら、トークも弾んだ。この作品をライフワークにしたいと語る湖月は、「初演のときは、結婚、出産、離婚、子供との別れ、愛する人の死というジェーンの様々な人生を体当たりで演じさせていただいた。再演のときには結婚は経験していたいと思っておりましたが、全然間にあいませんでした(笑)!」と周囲の笑いを誘った。また身長174センチの湖月が見上げるほどの長身で、ジェーンが唯一愛する男性、“二丁拳銃のビル”ことビル・ヒコック役の金児憲史には「礼儀正しくて優しくて、ゾッコン惚れ込んでおります。私たちの愛を見届けていただけたら」とラブコール。それを受けて、金児は記者に「再演が終わるころには湖月さんといい関係になっていそうですか?」と問われると、「(可能性は)あります!」とキッパリ。ジェーンの幼馴染でサーカス団団長のバッファロー・ビル役のパパイヤ鈴木も丁々発止のやりとりに参戦し、「(ふたりの恋の行く末を)全力でサポートします!」と答え、会場は終始笑いに包まれた。湖月が「笑っているうちに涙がこぼれる作品です。“絆”ということを考えさせられる2011年だっただけに、今の時代にぜひ観ていただきたい」と語る音楽劇『カラミティ・ジェーン』。東京公演は2012年2月4日(土)から11日(土)までル テアトル銀座 by PARCOにて上演。大阪公演は2月17日(金)から19日(日)まで、梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。チケットは12月10日(土)より一般発売開始。
2011年12月09日東日本大震災の復興支援コンサートのためにフランスより来日している、女優で歌手のジェーン・バーキンが4月7日(木)、震災被災者の避難所となっている東京・足立区の東京武道館を慰問に訪れた。同所には現在、福島県などから避難してきた94世帯191人が生活しており、ジェーンは職員に案内され避難所の現状を見て回り、被災者一人一人に声を掛けていた。特に子供たちに積極的に話しかけ、ジェーン自らハンディカムを手に「フランスの人々に紹介したい」と少女の姿をカメラに収める一幕も。また、被災者のみならずここで働く職員に対しても深々と頭を下げ、「アリガトウゴザイマシタ」と日本語で感謝を伝える姿も。ジェーンがフランスから持参したチョコレートや栄養ドリンクといった支援物資は、福島県に届けられるという。震災およびその後の原発問題もあり、海外の俳優やミュージシャンの来日の予定が次々とキャンセルとなる中、家族の反対を押し切って、被災者支援のために自費で来日したジェーン。一昨日の6日には昼間に記者会見を行い、夕方には渋谷のPARCOにて自ら募金箱を持って店頭に立ち募金を呼びかけ、夜にはチャリティコンサートに出席した。クラブクアトロで行われたこちらのコンサート「Together for Japan」には、インターネットで4,000を超える応募が集まり、うち約500人が招待された。ライヴはジェーンのひとりでも多くの人に見てほしいとの希望に沿って、USTREAMで配信され、3万2,000アクセスを記録し、Twitterのコメントは6,000にものぼった。彼女に賛同した日本人ミュージシャンや、女優の寺島しのぶ、タレントの篠原ともえらも参加。「キヲツケテ!」など日本語で呼びかけながら7曲を熱唱した。会場に設置された募金箱には総額110万円が寄せられた。これらの義援金は「世界の医療団」を通じて被災地に寄付される。※ジェーンの東京武道館来訪の映像は以下のMOVIE GALLERYでご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュデジタル・リマスター 2010年6月5日より新宿武蔵野館にてレイトショー公開■関連記事:ジェーン・バーキンが復興支援のため仏より緊急来日桜を手に日本にエール!
2011年04月08日歌手、女優として活躍するジェーン・バーキンが、東日本大震災のからの復興支援コンサート「Together for Japan」のためにフランスより急遽、来日。4月6日(水)に東京・飯田橋の東京日仏学院にて記者会見を行った。親日家として知られ、「40年ほど前から。(女優で娘の)シャルロット(・ゲンズブール)がお腹の中にいた頃から」幾度となく来日し、コンサートも行ってきたジェーン。今回の震災発生直後から、TVなどで現状を目の当たりにし心を痛めていたという。「いったい私に何ができるのか?」と考えた末に来日を決意した。被災者、そして日本人に向けて「日本のみなさんの生き方、助け合っている姿がTVでも映し出され、素晴らしいと感動を呼んでいます。先進国で忘れられてしまった心の在りようなど、今回の震災を通じてたくさんのことを学ばせてもらいました」と語った。原発の問題が世界中で報じられる中、「子供たちや友人には来日を止められた」とのこと。「福島で命がけで戦ってくださっている方がいます。自らを犠牲にして頑張っているあの方たちこそ真のヒーローであると思います」と作業に当たっている人々を讃える一方で「ヒーローでも毛布は必要、食べるものも必要です。なるべく快適な環境で彼らが仕事をできるようにしてほしい。東電(東京電力)は、透明性をもってマスメディアに情報を流すべき」と強い口調で訴えた。今回、開催されるチャリティコンサートに関しては「私が歌っている間だけでも、つらいことを忘れていただければ。それが、私がみなさんのためにできる唯一のことです」と語り、桜の枝を手に「桜のような安らぎがみなさんに早く訪れることを祈っています。ガンバッテ!キヲツケテ!」と日本語を交えて呼びかけた。会見後、ジェーンは渋谷のPARCOの店頭で募金を呼びかけ、アカペラで歌声を披露する予定。その後、夜には日本人のアーティストと共に復興コンサート「Together for Japan」に参加する。また明日7日(木)には、避難所のひとつである足立区の東京武道館を慰問に訪れる予定。会場で集まった義援金は「世界の医療団」を通じて寄付される。■関連作品:ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュデジタル・リマスター 2010年6月5日より新宿武蔵野館にてレイトショー公開
2011年04月06日「フランス映画祭2010」が3月18日(木)、東京・六本木ヒルズで開幕し、同所で行われたオープニング・セレモニーで来日代表団の団長、ジェーン・バーキンら15人が華やかにレッドカーペットを歩き、舞台挨拶を行った。先立って行われた記者会見に出席したジェーンは、「桜の時期だと聞いていたので、凄く楽しみにして来ました。日本には10〜15回も訪れているのに、いまだに桜を見ることが出来ていません。今回も難しそうなので、お花見にまた日本に戻ってきたい」と親日ぶりをアピール。日本の映画の印象について「『東京物語』など昔の作品でも女性が大切に描かれていると思います。フランス、特にパリでは海外の映画の上映も多いです。北野武はとても人気があってペドロ・アルモドバルやウディ・アレンと同じくらい有名よ」と話した。英国・ロンドン出身で1968年にフランスに移り、作曲家の故セルジュ・ゲンズブールと2度目の結婚をして、デュエット曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」がヨーロッパで大ヒットするなど話題を呼んだ。流暢に話すフランス語について「イギリス出身の私は、フランス語で歌や演技をするのに苦労した。きちんと学習していなくてセルジュの腕の中で覚えたの。だから最初はスラングばっかり。イギリスではなかなか言わない“R”の発音は、40年経ってやっとキレイな発音ができるようになったわ」とふり返った。オープニング作品の『ミックマック』(原題/ジャン=ピエール・ジュネ監督)の上映前に、代表団15人が舞台挨拶。ジェーンは「日本のみなさまは、世界一素晴らしい観客。日本での人気があったからこそ、こうして団長に選ばれて来ることができました。とても光栄です」と笑顔。同作のジュネ監督は「“ミックマック”と“ビックマック”を混同しないように」と表情を変えずにフレンチジョーク(?)。同作は、悪徳企業に挑む男たちの戦いを描くハートウォーミング・コメディ。「自由に作ってあるから楽しんで」と語りかけた。代表団の1人、ギャスパー・ノエ監督だけがこの日は欠席。ジェーンは「ノエは明日来ます」と説明した。同映画祭は、ユニフランス主催で1993年から始まり、今年で18回目。2005年までは横浜、2006年からは東京や大阪などで、昨年からは東京で開催。今年はジェーンが出演した『テルマ、ルイーズとシャンタル』を含む長編14作と短編9作を上映する。『ミックマック』は夏、恵比寿ガーデンシネマほか全国にて公開。「フランス映画祭2010」は3月22日(月・祝)まで開催中。(text:Yoko Saito)フランス映画祭2010開催期間:3月22日(月・祝)まで開催中会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ公式サイト:■関連作品:ミックマック (原題) 2010年夏、恵比寿ガーデンシネマほか全国にて公開2009 © EPITHETE FILMS –TAPIOCA FILMS –WARNER BROS. PICTURES –FRANCE 2 CINEMA -FRANCE 3 CINEMAシスター・スマイルドミニクの歌 2010年初夏、シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開クリスマス・ストーリー (原題) 2010年秋、恵比寿ガーデンシネマほか全国にて順次公開パリ20区、僕たちのクラス 2010年6月12日より岩波ホールにて公開© Haut et Court - France 2 Cinemaエンター・ザ・ボイド 2010年5月15日よりシネマスクエアとうきゅうほかにて公開オーケストラ! 2010年4月17日よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開© 2009 Focus Features LLC. All Rights Reservedあの夏の子供たち 2010年初夏、恵比寿ガーデンシネマにて公開■関連記事:さあ、人生を奏でよう!『オーケストラ!』試写会に10組20名様ご招待ギャスパー・ノエのTOKYOを舞台にした衝撃作『エンター・ザ・ボイド』予告編初公開フランスのオスカー、セザール賞が発表。ヴァンサン・カッセル亡父に捧げる主演男優賞
2010年03月19日