「宇宙大戦争」「スター・トレック」シリーズで“元祖”ウフーラを演じたニシェル・ニコルズが、7月31日(現地時間)に亡くなった。息子のカイル・ジョンソン氏によると、老衰だったという。享年89。2009年の映画『スター・トレック』より、ウフーラ役を演じてきたゾーイ・サルダナが、インスタグラムに長文のメッセージを投稿し、ニシェルを追悼した。「ニシェル・ニコルズの訃報に接し、悲しみに暮れています。私たちは真のスター、常に時代を先取りしているユニークなアーティストを失いました。彼女はアイコン、アクティヴィストであり、なによりも多くの人に有色人種の女性を違った角度から見る方法を示し、道を切り開いた素晴らしい女性でした。彼女の平等を追い求める努力は揺るぎないものだったのです」と称えた。「ニシェル・ニコルズとの出会いは、私の人生にとって本当に特別なものでした。彼女と一緒にいる時はいつも、彼女のエネルギーが私に伝わってくるのです。ニシェルは全身全霊を込めれば、達成できないことなんてないと私に信じさせてくれました」と深く尊敬している様子をしたためた。ニシェルはウフーラ役の先輩としても、ゾーイにやさしいアドバイスをくれたという。「ウフーラに選ばれたとき、重責を担うことになると思いましたが、彼女は私を安心させて、『自信たっぷりに演じなさい』と言ってくれたんです」。ゾーイは「彼女の功績を称え、すべての人に平和と平等のメッセージを伝えていくことで、彼女が遺したものを守り続けていければと思います」とつづった。(賀来比呂美)■関連作品:スター・トレック (2009) 2009年5月29日より丸の内ルーブルほか全国にて公開Star Trek (2009) Directed by: J.J. Abrams Photo Credit: Industrial Light and MagicTM & Copyright ©2009 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2022年08月02日『卒業』『ワーキング・ガール』などで知られるマイク・ニコルズ監督が、アメリカ時間19日の夜、心拍停止で急死したことがわかった。83歳だった。ニコルズは、メリル・ストリープとともに、舞台劇『マスター・クラス』のテレビドラマ化に取りかかっていたところだった。ニコルズはエミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞すべてを獲得した、ハリウッドでも稀少な人物のひとり。7歳で、ナチを逃れてドイツからアメリカに移住し、シカゴ大学在学中にコメディの魅力に目覚め、シカゴの有名なコメディ・カンパニー“セカンド・シティ”を築いた。1964年、初めてのブロードウェイ劇『裸足で散歩』でトニー賞を受賞。アカデミー賞監督賞には、1967年の『バージニア・ウルフなんて怖くない』で初めてノミネートされ、翌年の『卒業』で受賞した。『シルクウッド』『ワーキング・ガール』でもノミネートされている。その他の代表作に『バードケージ』『パーフェクト・カップル』『クローサー』など。トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマンが出演する2007年の『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』が最後の映画となった。3度の離婚歴があり、現在の妻でテレビジャーナリストのダイアン・ソイヤーとは、1988年に結婚した。2度目の妻とのあいだに娘をひとり、3度目の妻との間に息子ひとりと娘ひとりをもうけている。文:猿渡由紀
2014年11月21日