質問:顎関節症は治るのでしょうか?原因と慢性化について教えてください。最近、急に右あごに激痛が走り、口を閉じることも難しくなったため病院へ行ったところ、「顎関節症(がくかんせつしょう)」だと診断されました。受診したのは口腔外科のある歯医者です。消炎鎮痛剤のみ処方され、具体的な治療方法はうかがえませんでした。右あごだと食べ物をかむこともできず、唇は閉じられても歯をかみ合わせることもできず、日常生活に支障が出てしまっています。顎関節症は治るのでしょうか?原因はどういったことが考えられるのでしょうか?一度なってしまうと癖(慢性的)になるのでしょうか?教えてください。東京都:たこmamaさん(29)回答:「顎関節症」についてお答えします。――「顎関節症」の症状と原因最近、顎関節症にかかられたということですね。顎関節症の痛みはつらいですよね。顎関節症は、あごの痛み(顎関節痛)、あごを動かすと音がする(顎関節雑音)、口がうまく開かない(開口障害)といった症状のうち、一つまたはそれ以上があり、ほかに原因となる疾患がないものをいいます。原因としては、いくつもの関与する因子が存在し、それらが合わさって一定以上の負荷がかかったときに発症する、とされています。顎関節症の原因となり得る因子には、次のようなものがあります。・ブラキシズム歯を食いしばることや、歯をカチカチ鳴らすこと、就寝時などに歯ぎしりをすることを「ブラキシズム」と呼びます。これらは顎関節に非常に負担をかけ、顎関節症の最も大きな原因になるといわれています。力仕事が多い場合、どうしても歯を食いしばることが多くなりますし、日常生活のストレスが強い場合にも、知らず知らずのうちに歯を食いしばったり、睡眠中に歯ぎしりをしたりすることがあります。・咀嚼(そしゃく)するときに左右どちらかのあごだけを集中的に使っている片側のあごにだけ強い負担がかかり、これも顎関節症の原因になります。 ・かみ合わせの悪さ生来のかみ合わせの問題のほかに、不適切な歯列矯正が原因であることもあります。 ・あごやその周囲の筋肉に負担をかける癖頬づえをついたり、うつ伏せで寝たりすることや猫背も原因の一つになり得ます。これら以外にも、外傷や、口を大きく開けたことが原因になる場合もあります。<「顎関節症」の治療法>治療としては、ブラキシズムやかみ癖、生活習慣などを意識的に改善していくことや、あごの運動療法、物理療法や、「スプリント」という器具の装着などが行われます。また、痛みが強い場合には消炎鎮痛剤を用いたり、筋肉が固まっている場合には筋弛緩剤も使用したりします。夜間の歯ぎしりを抑えるために、睡眠薬を使うこともあります。また、効果が不十分であれば、外科的な治療法が選択されることもあります。顎関節症の治療期間は、原因や程度によりさまざまです。顎関節症が癖になることに関しては、原因となっている問題を改善しない限り、何度も繰り返すことは十分考えられることです。先に述べた通り、いくつもの要因が重なり合って発症する病気ですので、一つずつ改善していくことが大切です。どうぞお大事にしてくださいね。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日