ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカル カンパニーが、日本・アメリカ・イギリス・オーストラリア・中国・フィンランドの6カ国における20~60代の3,000人を対象に行った「人生100年時代 × デジタル社会の総合的なヘルスリテラシー国際調査」によると、日本人の自己評価は他国に比べ全体的に低い結果となったことがわかりました。ヘルスリテラシー自己評価で、日本は6カ国中最も低い5.4点調査対象者のヘルスリテラシー(健康情報を入手し、理解し、評価し、活用するための知識、意欲、能力)の自己評価について、日本は10点満点中平均5.4点と6カ国中で最も低いスコアとなりました。また、健康や病気の症状・治療法に関する情報を「判断できるか」尋ねたところ、「できる(できる+少しはできる計)」と回答した人の割合が、日本以外の5カ国は7~9割であったのに対し、日本は6割以下となっています。「収集できるか」についても、日本が6カ国中最も低い結果となりました。世界保健機関(WHO)は、健康を「病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、全てが満たされた状態であること」と定義していますが、この認識を持つ回答者は日本が最も少なく、25.2%でした。一方で、日本は「寿命を延ばしたい」人は最も少なかった(19.4%)ものの、各国とも「健康寿命を延ばしたい」人は半数を超え(日本:51.2%)、両者の差が最も大きかったのは日本という結果になりました。デジタルツールを使って健康状態を把握しているかを聞いた質問でも、日本は39.2%と最も低い結果に。受診時に医療関係者と対話ができているという自信のある日本の生活者が4割以下という結果も他国と比べて低く、治療方針の決定における、主体的関与の意識も6か国中最も低いことが明らかになっています。理想とする人生のために必要な行動を中長期的に考える京都大学大学院医学研究科健康情報学の中山健夫教授は、「『ヘルスリテラシー』というと、少し難しく聞こえるかもしれません。健康・医療情報を理解して活用する力はもちろん大事ですが、『自分が大切にしていること』を理解し、理想とする人生のために必要な行動を中長期的に考える力も大切なポイントです」と語ります。健康・医療においては、「目の前に起きている事象・状態」に対処することは確かに重要ですが、「自分はこうありたい・あるべきだからこの事象・状態を変えていきたい(またはこのままでいい)」といった、人生100年時代を生きる上で少し長期的な思考を持つことも有用な場面があると中山先生。重要なのは、「自分の人生において、健康・医療の事象や状態にどう対応していくか、を自ら考えていく姿勢」。自分の健康の現在地を知り、自分がどんな人生を送りたいのかを整理してみましょう。新たな健康との向き合い方やどうふるまえばいいかが見えてくるかもしれません。出典:プレスリリース
2023年12月19日大塚製薬株式会社の「女性の健康推進プロジェクト」では、全国の35歳から59歳の女性約2,400名を対象に、女性のヘルスリテラシーの現状を知るため「女性の健康に対するアンケート調査」を、2021年1月下旬に実施しました。その調査結果とは…。女性のヘルスリテラシーに関するアンケート調査を実施!世の中の女性たちの活躍が期待されているのに、その活躍を妨げている一因として、『大塚製薬』はPMS(月経前症候群)や更年期の諸症状など、女性特有の健康問題に着目。さらに、女性たちの持つ力を最大限に発揮するためには、こういった健康問題を正しく知って、気づいて、対処する「ヘルスリテラシー」が重要なのではないかと考え、その現状を探るために調査を実施し、意外な5つの事実がわかりました。ではさっそく、調査結果をご紹介します。1.日常的に婦人科検診をしている人は驚くほど少ない!「定期的に婦人科検診を“ほぼ/全く受診しない”」人は49%、また、「かかりつけ婦人科医がいない」人は72%と、自身の健康状態の把握と管理に、専門家の意見を求める人が少ないという結果に。さらに「セルフケアを含めた自身での健康管理を行っていない」という人も多くいるようです。2.女性ホルモンに関しての知識がある人が非常に少ない。「月経の仕組み」や「妊娠の仕組み」に関する知識のある人の割合は全体の約30%。さらに「女性ホルモンの働き」は17%、「女性ホルモンの変化の影響」は16%と、女性の健康維持に大切な女性ホルモンに関して知識を持っている人の割合が非常に少ないことがわかりました。3.女性ホルモンの知識がある人は、健康のために行動している。女性ホルモンの知識がある人は、女性ホルモンの維持、変化に対応するため「規則正しい食生活・栄養バランスに気を付けている」と回答した人が35%いるのに対し、女性ホルモンの知識がない人は13%と、2 倍以上の差がひらいています。ほかにも、女性ホルモンの知識がある人のほうが、女性ホルモンの低下や、バランス維持のための全ての項目において「行動できている」と答えている人の割合が高いことがわかりました。4.女性の健康に知識や理解のある環境が少ない。家族、パートナーが「女性の健康に関する理解・配慮がある」と回答した人は22%で、女性の健康に関して「企業が取り組んでいる」と回答した人はわずか13%です。身近な人々から「十分に支えてもらえてない」、職場環境でも女性の健康に関するサポートが足りていないと感じている人が多いことがわかりました。さらに「企業は女性の健康のために“ある程度/かなり取り組んでいる”」と回答した人に、どのような取り組みがされているのかも聞いてみました。企業が行なっている取り組みの中で一番多い回答は、「妊娠や育児期に女性が働き続けやすい環境を整備している」でした。また、託児所の設置やベビーシッターの利用支援制度や不妊治療の支援を行なっている企業はとても少ないようです。5.ヘルスリテラシーの高さと、生活の満足度や仕事・家事におけるパフォーマンスの間には密接な関係がある。一般的なセルフケアに加えて医療機関を利用している人のほうが、「自然体で過ごせる」、「人に対して思いやりがもてる」等の設問項目に対して「はい」と回答している人が多く、現在の生活に対する満足度が高いことがうかがえます。さらに、「仕事・家事におけるパフォーマンスが安定している」と回答した人は40.3%と高い傾向にあります。つまり、従来のセルフケアと医療機関を利用しているヘルスリテラシーの高い人は、生活への満足度が高く、さらに仕事のパフォーマンスも高い傾向にあることがわかりました。「新・セルフケア」で生活の質を高めましょう!今まで一般的には「かかりつけ婦人科医」「婦人科検診」はセルフケアとは認識されていませんでしたが、これからは大切な要素となりそうです。医療専門家による健康状態の正しい把握によって、病気の早期発見や、さまざまな不調に関する本質的な対処ができるようになるので、自分の知識や行動だけでなく、専門的な視点からの客観的な正しい情報も取り入れて、憂鬱な日を吹き飛ばしましょう。【参考】大塚製薬『女性の健康推進プロジェクト』©PeopleImages/Gettyimages文・三谷真美
2021年07月10日日本医療政策機構はこのほど、「働く女性の健康増進に関する調査2018」の結果を明らかにした。同調査は2月、全国の18歳~49歳のフルタイムで働く女性2,000名を対象にインターネットで実施したもの。月経周期や月経前症候群(PMS:Premenstrual Syndrome)・月経随伴症状といった月経に関する症状による仕事のパフォーマンスの変化を比較したところ、約50%が「元気な状態の仕事を10点とした場合、半分以下になる」と回答した。同様に、更年期症状および更年期障害も、元気な状態の仕事を10点とした場合、仕事のパフォーマンスが半分以下になると回答した人が約50%だった。個人が健康を促進し維持するため、必要な情報にアクセスし、理解し、活用していくための能力を「ヘルスリテラシー」と呼ぶが今回、「性成熟期女性のヘルスリテラシー尺度」をもとに、調査対象者をヘルスリテラシーが高い群、低い群に分類した。そのうえで1カ月の仕事のパフォーマンスを比べたところ、ヘルスリテラシーが高い人の「仕事のパフォーマンス」の方が、有意に高いことが確認されたという。また、ヘルスリテラシーが高い人の方が、月経やPMS・月経随伴症状、更年期障害によって、仕事のパフォーマンスが下がる割合が低かった。ヘルスリテラシーの高さと望んだ時期に妊娠できたかどうかの関連性について調べたところ、ヘルスリテラシーが高い人の方が、そうでない人の約1.9倍、望んだ時期に妊娠していることがわかった。不妊治療に関する調査では、望んだ時期に妊娠ができなかった際、ヘルスリテラシーの高い人の方が、そうではない人の約1.8倍、不妊治療をしていたことが明らかになった。ヘルスリテラシーの高さと月経異常時の対処行動の関連性について調べると、ヘルスリテラシーの高い人の方がそうでない人に比べ、月経の異常時に約2.8倍、PMS時に約1.9倍、更年期症状および更年期障害のあるときに約1.9倍、市販薬や医師の処方薬を飲んだり、医療機関を受診したりするなどの対処行動をしていた。女性の健康に関することで、健康管理のために実施していることを尋ねたところ、ヘルスリテラシーの高い人は「婦人科系のがん検診に行っている(乳がんや子宮頸がん等)」が1位だった。一方、ヘルスリテラシーの低い人は、女性の健康管理のために「特にしていることはない」が最も多い回答となっている。
2018年03月05日