東京・代官山の「リストランテASO」と「カフェ・ミケランジェロ」が、2023年9月16日(土)にリニューアルオープン。8月1日(火)より予約受付を開始する。代官山の「リストランテASO」「カフェ・ミケランジェロ」がリニューアル昭和初期に建てられた邸宅を大切に受け継いできた「Villa ASO」。そこに位置する「リストランテASO」は、クラシカルな洋館の雰囲気の中でランチやディナーを楽しめるだけでなく、特別なウエディングシーンにも対応するレストランとして、1997年のオープン以来、代官山の街とともに時を刻んできた。一方、「リストランテASO」に併設し、樹齢300年の欅の木がシンボルの「カフェ・ミケランジェロ」は、まるでヨーロッパの日常に飛び込んだかのような空間でティータイムを楽しめると人気のカフェだ。コースの内容がより充実!「リストランテASO」「リストランテASO」は、今回のリニューアルによって、提供コースの内容が充実するほか、ドリンクのラインナップも豊富になる。ランチコースは、アミューズ・前菜・パスタ・肉料理・デザートが楽しめる「UCCELINO(小鳥)」をはじめ、3つのコースを用意。また、ディナーコースは、シェフのおすすめ 季節のコース「シェフズセレクト(Scelta dello Chef)」のほか、2週間前までの予約限定となるラグジュアリーな「ASO特撰メニュー(Degustazione di ASO)」など4つのコースを展開する。ワインと楽しむ夜メニューが充実!「カフェ・ミケランジェロ」「カフェ・ミケランジェロ」は、リニューアルによって、これまでの人気メニューに加えて、夜のメニューが充実。特にワインとともに味わえるアンティパスト(前菜)のラインナップに注目だ。鮮魚のカルパッチョやパテ、フリットなど定番の“ワインのお供”はもちろんのこと、進化系ピザの「ピンサ・ロマーナ」が登場する。仕事帰りや大人女子会、デートなど、あらゆるシーンで使える“都会のオアシス”のような空間になりそうだ。【詳細】「リストランテASO」「カフェ・ミケランジェロ」改装に伴う休業期間:2023年5月29日(月)~9月15日(金)リニューアルオープン日:2023年9月16日(土)■各店舗詳細東京・代官山「リストランテASO」住所:東京都渋谷区猿楽町29-3TEL:03-3770-3690(水曜定休/10:00〜18:00受付)<メニュー例>・ランチコース(12:00~15:30 / L.O.13:30)UCCELINO(小鳥) 8,701円:アミューズ、前菜、パスタ、肉料理、デザートCIELO(空) 12,430円:アミューズ、前菜、パスタ、魚料理、肉料理、デザートLUCE(光) 19,888円:アミューズ、前菜、パスタ、魚料理、肉料理、デザート・ディナーコース(18:00~22:30 / L.O.20:00)FIORI(草花) 19,888円:アミューズ、前菜、パスタ、魚料理、肉料理、デザートScelta dello Chef(シェフズセレクト) 26,103円:アミューズ、前菜1、前菜2、パスタ、魚料理、肉料理、デザートZELKOVA(欅) 32,318円:キャビアのカペリーニ、前菜1、前菜2、パスタ、魚料理、肉料理、デザートDegustazione di ASO(ASO特撰メニュー) 49,720円 ※2週間前までの予約限定※すべてのコースの総額にサービス料込み。予約方法:「リストランテASO」へ電話、またはオンラインにて。※9⽉16⽇(土)~18日(月)は貸切等のため、19日(火)以降の予約可能。東京・代官山「カフェ・ミケランジェロ」住所:東京都渋谷区猿楽町29-3TEL:03-3770-9517<メニュー例>ドリップコーヒー(ポットサービス) 670円エスプレッソシングル 450/ダブル 670円デカフェ(カフェインレスコーヒー) 780円カフェラテ 780円カプチーノ 780円チョコラータ 780円チョコラータ・コン・パンナ 990円生ビール アサヒスーパードライ 820円生ビール ペローニ・ナストロアズーロ 1,020円モレッティ 1,020円コロナエキストラ 1,020円
2023年08月04日東京・六本木ヒルズの「ツタヤ トウキョウ ロッポンギ(TSUTAYA TOKYO ROPPONG)」が2020年3月7日(土)、「六本木 蔦屋書店」としてリニューアルオープンする。六本木ツタヤが「蔦屋書店」としてリニューアル2003年にツタヤ(TSUTAYA)初の「BOOK&CAFE」として誕生した「ツタヤ トウキョウ ロッポンギ」は、店内のソファで本を読みながらコーヒーが飲めるという「蔦屋書店」ならではのスタイルをいち早く導入した画期的な店舗だ。今回は、より顧客のニーズに根差した店作りを目指し、「六本木 蔦屋書店」としてリニューアルオープンを迎える。「代官山 蔦屋書店」などを手がけた「クライン ダイサム アーキテクツ」がデザインを手掛けた店内では、洋書や洋雑誌のほか、「日本を持ち帰る」をコンセプトにした日本の土産品や文具も展開する。朝は7:00から、夜は24:00まで営業しており、あらゆる時間帯の“くつろぎ空間”として利用できるのが嬉しい。30,000冊の洋書・洋雑誌が揃う“六本木の洋書屋”に“六本木の洋書屋”を目指すべく揃えた計30,000冊にも及ぶ洋書・洋雑誌のラインナップは、他の書店にはない見どころだ。特にデザイン、ファッション、アートなどのジャンルを強化している。お土産品やステーショナリーも充実贈った人ももらった人も嬉しくなるような土産品にも注目。「日本を持ち帰る」をコンセプトにしたお土産品には職人技の光る逸品を揃えた。また、ステーショナリーコーナーで出会える文具やガジェット、インテリア雑貨などは、日常に“あると嬉しい”ものばかりだ。オープンに際しては限定品として藤原ヒロシ手掛けるフラグメント デザイン(fragment design)とRAMIDUSによるトートバッグなどが登場する。本を片手に、コーヒーだけでなくカクテルも嗜めるスターバックスのコーヒーを嗜みながら、本との出会いを楽しむのは蔦屋書店の醍醐味とも言える。リニューアルによって、テラス席を中心にカフェ席も増設されている。また、店舗の2階に設けられる「The Lounge」は、バーエリアとラウンジエリアで構成されるバーラウンジ。購入前の書籍・雑誌をコーヒー片手に、アートをモチーフとした日本茶と洋酒、和酒全般を合わせる独創的なカクテルを味わえる。アートがある書店を目指す2階には、本棚に囲まれたアートスペース「BOOK GALLERY」も広がる。 アートシーンで注目され、今後さらなる活躍が期待されるアーティストの作品を展示・販売。 オープニングでは、大山エンリコイサムの展覧会を開催する。映画の街・六本木にふさわしい映画コレクション書籍や雑貨なけでなく、映画に纏わる商品が揃っているのも魅力だ。米国のパッケージレーベル、CRITERIONのBlu-rayディスクなどを展開するほか、映画史に名を残す作品のBlu-ray修復版・4K版を中心に品揃えしている。そのほか、子供たちの感性と知的好奇心を育むような良書も充実したラインナップとなっている。中国の鬼才監督ビー・ガンの特別フェアもリニューアル記念として、中国の若き鬼才監督、ビー・ガンの特別フェアも開催される。最新作『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』日本公開を記念し、監督が選んだ「2020年に観たい20本の映画」を発表する。 選ばれた作品は全て六本木 蔦屋書店にて購入可能。また、本作や、ビー・ガン監督の『凱里ブルース』のポスターイメージを製作し、一躍話題となった中国人グラフィックデザイナー、ルー・ユンファンによるアートポスターも展示される。【店舗情報】「六本木 蔦屋書店」オープン日:2020年3月7日(土)住所:東京都港区六本木6丁目11-1TEL:03-5775-1515営業時間:7:00〜24:00(THE LOUNGE 10:00〜24:00)■ビー・ガンフェア期間:2020年3月7日(土)〜4月4日(土)場所:六本木 蔦屋書店内容:・ビー・ガン監督「2020年に観たい20本の映画」ガス・ヴァン・サント『エレファント』、ジャック・タチ『プレイタイム』、リドリー・スコット『ブレードランナー』、アラン・レネ『二十四時間の情事』、アンドレイ・タルコフスキー『鏡』、ミケランジェロ・アントニオーニ『夜』、ウォン・カーウァイ『天使の涙』、エドワード・ヤン『古嶺街少年殺人事件』、ジャ・ジャンクー『一瞬の夢』、チェン・カイコー『さらば、わが愛/覇王別姫』、ホウ・シャオシェン『憂鬱な楽園』、黒澤明『酔いどれ天使』、成瀬巳喜男『浮雲』、伊丹十三『タンポポ』、是枝裕和『幻の光』、北野武『HANA-BI』、深田晃司『淵に立つ』、橋口亮輔『ぐるりのこと。』、湯浅政明『ピンポン』(松本大洋原作)、ベルナルド・ベルトルッチ『ラストエンペラー』・ルー・ユンファン『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』ポスター展示・ ルー・ユンファン『凱里ブルース』ポスター展示 ※『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』ポスター展示終了後2020年5月初旬まで・パンフレット及びポストカードの販売
2020年03月02日展覧会「ミケランジェロと理想の身体」が、2018年6月19日(火)から9月24日(月・休)まで、東京・上野の国立西洋美術館にて開催される。ミケランジェロをはじめ、ルネサンスと古代ギリシャ・ローマの芸術作品約50点集結ミケランジェロ・ブオナローティは、彫刻、絵画、建築の各分野で名をなし“神のごとき”と称されたイタリア・ルネサンスの芸術家だ。多彩な分野にわたるミケランジェロ作品の中でも注目したいのは、ミケランジェロ芸術の神髄である彫刻。「ミケランジェロと理想の身体」では、世界に約40点しか現存しないミケランジェロの大理石彫刻のうち、傑作《ダヴィデ=アポロ》が日本初公開となる。その他、ルネサンスと古代ギリシャ・ローマの大理石およびブロンズ彫刻、壁画、油彩、素描、陶器など、日本初公開を含む作品約50点が集結する。様々な切り口から男性美の表現を捉えるとともに、ミケランジェロに影響を与えた古代作品、そしてミケランジェロから影響を受けたルネサンスの作品を紹介。古代とルネサンス期における理想の身体美の表現に迫る。日本初公開 《ダヴィデ=アポロ》日本初公開となる《ダヴィデ=アポロ》は、そのモチーフが聖書の英雄ダヴィデか、ギリシャの神アポロか解釈の分かれる彫刻作品。両者とも必殺技を飛び道具としているが、作品の飛び道具の正体は明かされないままとなっている。《ダヴィデ=アポロ》に見られる身体の重心を片側にかけた体勢の「コントラポスト」は、古代ギリシャ彫刻の古典的なポーズ。しかし、重心と動きを対角線上に表現する古代の規範とは逆に、重心を置く足、動きのある腕はどちらとも左側となっている。大きく振り上げた左腕によって上半身がねじれ、前に右足を突き出して身体全体で螺旋を描く。頭から足元にかけての緩やかなS字カーブのような造形が、しなやかな美しさを表している。制作途中でミケランジェロがフィレンツェを離れ、あとに残された《ダヴィデ=アポロ》。表面に残された無数のノミ跡が、ミケランジェロの彫刻技法の秘密を物語る。「どんな石の塊も内部に彫像を秘めている。それを発見するのが彫刻家の仕事だ」と語ったミケランジェロにとって、彫られるべき内部の像は、すでに彫り出されていたのかもしれない。未完なのか、実は既に完成しているのかも、謎のままだ。詳細ミケランジェロと理想の身体会期:2018年6月19日(火)~9月24日(月・休)会場:国立西洋美術館(東京・上野公園)住所:東京都台東区上野公園7-7休館日:月曜日、7月17日(火)ただし、7月16日(月・祝)、8月13日(月)、9月17日(月・祝)、9月24日(月・休)は開館時間:9:30~17:30(金、土曜日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで観覧料:一般 1,600(1,400)円、大学生 1,200(1,000)円、高校生 800(600)円、中学生以下無料※()内は前売りおよび20名以上の団体料金※前売券は2018年3月21日(水・祝)から6月18日(月)まで、展覧会公式サイト、主要プレイガイドにて販売(手数料が発生する場合あり)。国立西洋美術館では、開館日のみ、2018年6月17日(日)まで販売※心身障害者および付添者1名は無料(入館時に障害者手帳を提示)
2018年02月17日●映画化できたのは、松本潤の存在のおかげ島本理生による恋愛小説『ナラタージュ』が、松本潤×有村架純によって映画化され、公開を10月7日に控えている。松本演じる葉山と、有村演じる泉が、教師と元生徒という関係を越えて恋に……というあらすじからはロマンティックな展開を予想させるが、実際は非常に曖昧とした関係の中のもどかしさ、恋愛の勝手さがじっとりとにじみ出る大人の恋愛物語だ。メガホンをとった行定監督は、同作を映画化するのに10年間待ったという。少女漫画原作映画が人気を得る中で、あえて「恋愛の息苦しさを表現したい」という行定監督が、同作に込めた思いを聞いた。○奇跡的なキャストがそろった――『ナラタージュ』について、ずっと映像化したいとのことですが、そう思っていたのはどうしてですか?10年以上前に企画をいただいたのですが、その頃『世界の中心で、愛をさけぶ』が僕の代表作で、純愛映画を望まれている時期に、むしろ恋愛の息苦しさを表せる作品だと思ったんです。恋愛の曖昧さを題材にするのは、僕の好きな日本映画の真骨頂だし、ぜひと思ったんですが、キャストが上手く定まらず……。なかなかキャストが決められない中で、日本映画も少女漫画原作映画全盛の時代になり、更に作りづらくなってきました。ただ、映画って、作られてない時にこそ必要だと思える作品があると思うんですよ。『世界の中心で、愛をさけぶ』のときも、純愛なんで求められてなかったし、見向きもされていなかった。世紀末を迎えて、陰惨な物語やモラトリアムな物語が多い中、純愛を信じてみようというところからできた作品だったんですが、そうすると「純愛ブーム」と言われて(笑)。そこに乗っかったほうが経済的には潤うんでしょうけど、天邪鬼な人間なので。――いろいろ映画を撮られつつも、この企画は並行して進められていたんですね。ことあるごとに周囲にシナリオを見せて、好評ではあるんですけど「いまの時代、こういう作品はあたらないかもしれない」という判断がありました。シチュエーションとしては王道の教師と生徒という面もあるから、少女漫画原作映画全盛の時代ならいけるんじゃ、と思いましたが、やっぱり内情は全然違ったってことかもしれませんね。逆に言えば、これは映画的な作品になるんじゃないかと、手応えはありました。プロデューサーはやっぱり、映画どっぷりのものになっていると、回避しようとしますから。特に大きく構えるときは、なるべくわかりやすく盛り上げて、みんながついてこれるような作品にする。もしくは、非常に仲間内で「俺たちのセンスはこれだ!」と言えるような作品ですよね。――ちょっと皮肉が(笑)。ポップな作品をよく観るなかで、久しぶりにずっしりとした恋愛映画を観たなと思いました。昔、僕が少女漫画原作の企画を持っていった時は、見向きもされてなかったんですよ! なのに今、あのころぜひやりたかった漫画家さんの作品もガンガン映画化されていて!(笑) 不思議なもので、観客が実は映画を生み出しているんですよね。だけど観客も麻痺していくから、何を観たらいいのかわからなくなっていく。だから僕らはあえて、昔はあったけど今にないものを出したいんです。ただ、商業的に成功するかどうか見極められないから、実現するまでに10年もかかってしまいました。今回実現できたのは、奇跡的にも松本潤くんが「やる」と言ってくれたことが大きいです。それから、まだ10年前に存在していなかった有村架純さんが今輝いていて、彼女もやりたいと言ってくれたこと。そして坂口健太郎くんがいたこと。今作られるべきだから、10年間作れなかったんでしょうね。これまで企画にあがっていたキャストをイメージしても、圧倒的に今の形が良いと思います。必然というものが、あるんだと思います。●「松本潤に傷つけてほしい」という望みも○葉山はダメなやつ――松本さんの壮絶な美しさも印象的でした。葉山は、ダメなやつですけどね(笑)。でも、男ってこうだから、僕は1番葉山に感情移入するんです。昨今の世の中では不倫とか、言い訳が効かないような恋愛感情に喜んで飛びついているけど、人って、みんな言い訳のできないものを持っているわけで。恋愛も楽しい部分だけ取るといいんですが、苦しい部分も積み重なっているのが『ナラタージュ』なんです。人を狂わせてしまう要因にもなるし、そんなこと望んでもないのに、好きだった相手に息苦しい思いをさせてしまうとか。葉山が「ごめん」と謝りはするけど、何も変わろうとしないところも、すごく現実的ですよね。それでも忘れられない人だと言えるのが、割り切れなくて、生々しくて、純愛なんだな。――かなり閉塞感にあふれていますよね。2人で歩くシーンも曇天で、打ち上げられたゴミが散乱している海岸で。現場についたら真っ先にスタッフが「ゴミ回収するの大変だなー」と言っていたけど、「これはまんまでいい。ゴミが気に入ってるんだよ」と言って、そのまま撮影しました。そういうところを歩いているのが、ロマンティックではない現実ですよね。2人が自分の感情に気づいて必死で、寄り添いたいと思うからこそ軋轢が生まれたりして、ぶつかり合いが恋愛なんでしょうね。僕自体が、シナリオを作っていくときに、「決定的にしたくない」といつも思っているんです。人生に決定的なことなんてちっともないから。そんなに確固たる何かを残せていける人生なんてつまんないですよね。曖昧さが好きなんです。――そんな葉山先生の曖昧さに、くそ~と思わされたり。恋愛の偏差値が試される映画だなって話していたんですけど、どれくらい深く恋愛の場面とぶつかって、自分が翻弄されているかが現れますよね。恋愛には翻弄されるべきだと思うんですよ。全然好みじゃなくても、いいところを見つけると一瞬で好きになっちゃったりとか。そういう経験ってみんなあるだろうに、映画になるとどうしても美男美女の物語になってしまうから、ダメな部分を突出させています。松本君も「これ、俺、大丈夫?」って言ってましたから(笑)。○高校生に傷ついてほしい――松本さんは完成作を観た後に、演じている最中に感じていた葉山のダメな部分について何かおっしゃってましたか?そこについては言わなかったけど、「思った以上に大人の映画だから、自分のファンは大丈夫かなあ」とは言っていましたね。でも大学生くらいから上なら、全然大丈夫だと思います。きっと高校生も観ると思うけど、高校生には、傷ついてほしいな。僕がずっと企画書に書いていたのは「こんなのだったら、恋なんてするんじゃなかった」というコピーだったんです。そういう経験がある人間の方が、男と女の関わり合いにおいて、長年男と女でいられると思います。――「高校生に傷ついてほしい」というのも素敵なコピーですね。傷つくと免疫になりますからね。僕も子供の時にいっぱい観た映画、全然わかっていなかったんですよ。大人になっていくと、アート映画に見えていた作品が全然違って見えて、あの頃は感情が追いついてなかったんだと思います。ミケランジェロ・アントニオーニもさっぱりわからなかったけど、大人になって観ると、人間が持つ業が描かれていて全てが素晴らしい。――松本さんのファンもそうやって傷つけられてしまうような作品に。でも逆に、望んでいるかもしれないですよね。「松本潤に傷つけてほしい」って。それがエンタテイメントだと思うんですよ。最近は不倫にしても、人のことを叩いて「酷い」と非難ばかりしているけど、自分も正しいことばかりやっているわけではないですからね。せめて映画くらいはと、僕は思っているんですよ。映画の主人公たちは不貞を働いても、息苦しさに生きることが説明されていますから。※次回、『ナラタージュ』キャスト陣についてのお話を10月8日に掲載します。
2017年10月06日ふたりの“天才”、今夏 遂に共演!「万能人」として画家でありながらも建築、科学、解剖学の分野で活躍したレオナルド・ダ・ヴィンチ。一方、若くから圧倒的な造形技術と観察眼で頭角を表した「神のごとき」天才彫刻家ミケランジェロ・ブオナローティ。ルネサンス期を代表する二人の巨匠が、今夏夢の共演を果たします。東京丸の内にある三菱一号館美術館で2017年6月17日(土)〜9月24日(日)まで開催されている「レオナルド☓ミケランジェロ展」は、そんな世紀の大天才らの素描をはじめ、油彩画や彫刻、手稿、書簡などおよそ65点が会する一大特別展。最高峰の芸術作品をその目で確かめて。すべての創作の源「素描」 それぞれの巨匠の違いとは「絵画や彫刻、建築といった芸術の根源には自然と素描がある」ルネサンス期では自然に則ってデッサンをすることこそが各芸術の基礎である、と素描がとても重要視されていました。レオナルド・ダ・ヴィンチも「毎日デッサンしなさい」と弟子に言っていたのだとか。そんな中で描かれたレオナルドの“世界で最も美しい”と表される素描《少女の頭部/<岩窟の聖母>の天使のための習作》と、ミケランジェロの代表的な素描作品《<レダと白鳥>の頭部のための習作》が堂々登場。この機会にじっくりと間近で観察してみてください。レオナルドの素描は左上から右下へと描かれた斜線が同一方向に重なり合い影を表現しているのに対して、ミケランジェロの素描では赤チョークを用いて斜線を交差させつつ同時に色の濃淡で立体感を表現しています。描き方が素描作品全体にどのような印象をあたえているのか、そしてそれぞれの他作品との共通点は何か、想像しながら見てみれば興味深さもひとしおです。二大巨匠を生み出したルネサンス期がここに14世紀から16世紀にかけてイタリア・フィレンツェを中心に起こったルネサンス。「文芸復興」とも訳されるルネサンス期では、古代の自然主義を見直すことであるがままの自然を再現しようと、芸術分野でも科学分野でも先進的な研究がなされました。そんな時代が産み落とした二人の天才がレオナルドとミケランジェロのふたりです。本展では素描以外にも油彩画(追随者による作品)や彫刻、さらには軍事工学や自然哲学が示された手稿まで幅広く展示。二人の作品を通じて多角的な視点でルネサンス期の文化に触れることができます。一見遥か昔の異国の出来事でも、今の私たちへのつながりを感じる、素敵な時間がここにありました。取材・文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:レオナルド☓ミケランジェロ展催行期間:2017年06月17日 〜 2017年09月24日住所:東京都千代田区丸の内2-6-2三菱一号館美術館電話番号:03-5777-8600(ハローダイアル)
2017年07月03日6月17日(土)~9月24日(日)の期間中、三菱一号館美術館内のカフェ・バー「Café 1894」に「レオナルド×ミケランジェロ」展タイアップメニューが登場します!展覧会鑑賞後は、タイアップメニューで余韻に浸りませんか?メニューの詳細をご紹介します。宿命の対決!「レオナルド×ミケランジェロ」展タイアップメニューは、6月17日(土)~9月24日(日)の期間中に三菱一号館美術館で開催される「レオナルド×ミケランジェロ」展にちなんだもの。展覧会では“ルネサンスの2大巨匠”と称される2人の希少な素描、油彩画、彫刻、手稿、書簡など約65点が紹介されます。日本初公開作品も含まれ、注目を集めています。展覧会を目で、タイアップメニューを舌で鑑賞しましょう。●ミュージアムカフェ・バー「Café 1894」の空間も楽しんで三菱一号館美術館内のミュージアムカフェ・バー「Café 1894」は、かつて銀行営業室として利用されていた場所です。1894年(明治27年)の三菱一号館竣工当時に撮影されたといわれる写真、図面、保存部材を参考に忠実に復元。ミュージアムカフェ・バーとして現在によみがえりました。クラシックな内装と高い天井が印象的。優雅な気分でタイアップメニューを堪能してください。タイアップメニューはランチとデザート●ランチ「Pranzo Fiorentino プランツォ・フィオレンティーノ」:1,850円(税抜)メニューに“フィレンツェのランチ”と冠したのは、レオナルドとミケランジェロの故郷がフィレンツェであることにちなんでいます。歴史ある美しい街をイメージした、華やかな内容です。前菜は「スモークサーモンのテリーヌ」。まずはそのまま食べ、次に添えてあるオレンジヨーグルトソースを添えていただきましょう。爽やかな酸味がサーモンとマッチします。メインには「牛のタリアータ」を召し上がれ。“薄く切った”という意味のタリアータは、イタリア定番の肉料理です。絶妙な焼き加減の薄切り牛肉にイタリア野菜、そしてレオナルドとミケランジェロも好物だったというチーズのハーモニーを楽しんで。●デザート「パラゴーネ」:850円(税抜)イタリア語で“対比”という意味の「パラゴーネ」は、ティラミスで右から左に流れる線を表現。鏡文字を使うレオナルドにちなんだデザートです。赤モモのズコットでは、ミケランジェロの彫刻をイメージしています。ズコットは丸いドーム型のケーキで、ルネサンス期にイタリアのトスカーナ地方・フィレンツェで誕生しました。ミケランジェロの彫刻のような立体的なプラムコンポートの盛り付けがおしゃれです。ヨーグルトのソルベで夏らしい爽快感もプラス。1皿にレオナルドとミケランジェロの“対比”が盛り込まれたデザートです。ランチメニューとデザート、ぜひどちらも味わってください。タイアップメニューを楽しみ、2人の巨匠が生きた時代に想いを馳せましょう。メニュー詳細「レオナルド×ミケランジェロ」展タイアップメニュー提供期間:6月17日(土)~9月24日(日)提供店舗:三菱一号館美術館1階ミュージアムカフェ・バー「Café 1894」(東京都千代田区丸の内2-6-2)料金:ランチ「Pranzo Fiorentino プランツォ・フィオレンティーノ」(1,850円・税抜)デザート「パラゴーネ」:(850円・税抜)営業時間:11:00~23:00(L.O.22:00)TEL:03-3212-7156URL:(カフェ公式)(レオナルド×ミケランジェロ展)
2017年06月08日東京都千代田区にある三菱一号館美術館で「レオナルド×ミケランジェロ展」が開催されます。期間は、2017年6月17日(土)〜9月24日(日)まで。ルネッサンスに活躍した天才芸術家2人、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ・ブオナローティの素描、油彩画、手稿、書簡など、約65点が展示されます。「宿命のライバル」とも言われた2人の作品を見比べる絶好の機会です。アートファンの方は必見ですよ。レオナルド・ダ・ヴィンチ《少女の頭部/<岩窟の聖母>の天使のための習作》1483-85 年頃 トリノ王立図書館蔵 ©Torino, Biblioteca Reale「レオナルド×ミケランジェロ展」とは?15世紀イタリアで画家として才能を発揮し、建築、科学、解剖学の分野にまで関心を広げ「万能人」と呼ばれたレオナルド・ダ・ヴィンチと、10代から頭角を現し「神のごとき」と称された世紀の天才彫刻家ミケランジェロ・ブオナローティ。2017年6月17日(土)からスタートする「レオナルド×ミケランジェロ展」は、芸術家の力量を示す上で最も重要とされ、全ての創造の源である素描 (ディゼーニョ)に秀でた2人を対比する日本初の展覧会です。レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく《レダと白鳥》 1505-10 年頃ウフィツィ美術館蔵©Firenze, Gallerie degli Uffizi, Gabinetto fotografico delle Gallerie degli Uffiziまた、素描のほかにも、トリノ王立図書館やカーサ・ブオナローティが所蔵する油彩画、手稿、書簡など、約65点が一堂に集結します。加えて、2人の「最も美しい」素描とされる、レオナルド作《少女の肖像/〈岩窟の聖母〉の天使のための習作》と、ミケランジェロ作《〈レダと白鳥〉のための頭部習作》も、この特別展のために揃って来日。イタリア・ルネッサンスを代表する2人の巨匠の作品を間近で鑑賞できる貴重な機会です。●「宿命のライバル」!ダ・ヴィンチとミケランジェロミケランジェロ・ブオナローティ 《背を向けた男性裸体像》1504-05 年カーサ・ブオナローティ蔵©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarrotiイタリア・ルネッサンス期に活躍した2人の天才、レオナルドとミケランジェロ。レオナルドが25歳上ですが、レオナルドとミケランジェロは「宿命のライバル」と言われており、興味深いエピソードが伝えられています。中でも最も知られるエピソードとして挙げられるのが、フィレンツェにあるヴェッキオ宮殿のエピソード。ヴェッキオ宮殿の大会議室で《アンギアーリの戦い》の壁画制作を1503年に執政官から依頼されたレオナルド は、フィレンツェ市民からの期待を背負っていました。数か月後にミケランジェロも、同会議室の隣り合った壁に《力ッシナの戦い》を描くよう依頼され、製作に着手します。その後、レオナルドは彩色を始めてから製作を中止、一方のミケランジェロも下絵の完成後に放棄してしまいます。実現していれば、人々の注目を大いに集めたことでしょう。2人の天才の素描が勢揃い!「最も美しい」とされる素描2つにも注目フランチェスコ・ブリーナ(帰属)《レダと白鳥(失われたミケランジェロ作品に基づく)》1575 年頃 カーサ・ブオナローティ蔵©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarrotiレオナルド、ミケランジェロの弟子や追随者にとって、学ぶべき対象、お手本として扱われたのが絵画、彫刻、そして素描。両者とも、素描、素描を模写することが芸術家にとって、いかに重要であるかを弟子たちに繰り返し説いていたと伝えられています。また、ルネサンス期では、「(自然)を母として、(素描)を父とすると、(建築)(彫刻)(絵画)の3姉妹がいる」という関係が強調されており、自然に則ってデッサンすることは、各芸術の基本中の基本であり、決して軽んじることの出来ない大事なものと位置づけられていました。それだけでなく、素描そのものが作品としての価値を持つほど重要な価値を持っていたと言われています。本展では、そんな芸術家の力量を示す上で最も重要且つ、全ての創造の源である素描(ディゼーニョ)で2人を対比。「最も美しい」とされる素描、レオナルド作《少女の肖像/〈岩窟の聖母〉の天使のための習作》と、ミケランジェロ作《〈レダと白鳥〉のための頭部習作》にも注目です。●レオナルド作《少女の肖像/〈岩窟の聖母〉の天使のための習作》レオナルド・ダ・ヴィンチ《少女の頭部/<岩窟の聖母>の天使のための習作》1483-85 年頃トリノ王立図書館蔵 ©Torino, Biblioteca Reale左利きのレオナルドは左上から右下へのハッチングが特徴的で、斜線の重なりによって濃淡が作られ、陰影が生まれています。左眼の上瞼、目元、左頬、ほうれい線、鼻梁、左頬、口元といったところに鉛白によるハイライトが施されており、光が当たってることを意味しています。●ミケランジェロ作《〈レダと白鳥〉のための頭部習作》ミケランジェロ・ブオナローティ《<レダと白鳥>の頭部のための習作》1530 年頃カーサ・ブオナローティ蔵©Associazione Culturale Metamorfosi and FondazioneCasa Buonarroti本作は、ミケランジェロの素描としては最も知られている1点で、モデルは弟子のアントニオ・ミーニという男性と考えられています。右利きであるミケランジェロは、クロスノッチングと呼ばれる、斜線を交差させる技法を使用しています。頭部をよく観察すると、それによって立体感を出し、あたかも「削り取るように」素描を描いています。また、本作では赤チョークが用いられており、濃淡によって凹凸を巧みに表現されています。「レダと白鳥」の模倣作品に見る2人の対比「レダと白鳥」は、スパルタ王テュンダレオースの妻であるレダを、白鳥に化けたゼウスが誘惑したというギリシャ神話の中のエピソード。彫刻や絵画などにおける題材として頻繁に用いられたことでも知られています。レオナルド、ミケランジェロの両者ともに、絵画となっていながらも、現在は失われてしまった「レダと白鳥」。本展では、追随者による2つの模倣作品を通して、オリジナルの姿を明らかにし、比較していきます。●ミケランジェロに基づく《レダと白鳥》フランチェスコ・ブリーナ(帰属)《レダと白鳥(失われたミケランジェロ作品に基づく)》1575 年頃 カーサ・ブオナローティ蔵©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarrotiミケランジェロの失われたオリジナル作品はフェッラーラ公アルフォンソ・デステから依頼されたもの。自身の作品であるジュリアーノ・デ・メディチの墓碑に置かれた《夜》の寓意像の彫刻作品を思わせる、うつむいた女性の優美な横顔が印象的に描かれ、柔らかな雰囲気の中でレダと白鳥が向かい合っています。オリジナル作品は、ミケランジェロの弟子・ミーニの手によりフランスへ渡りましたが、17世紀半ばに焼却。本作はオリジナルの下絵に基づき、後代の画家・ブリーナにより制作されました。●レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく《レダと白鳥》レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく《レダと白鳥》 1505-10 年頃ウフィツィ美術館蔵©Firenze, Gallerie degli Uffizi, Gabinetto fotografico delle Gallerie degli Uffiziミケランジェロの作品と比べて男性性の強調された白鳥が印象的なレオナルドの《レダと白鳥》。画面左下には「レダには、2 組の双子が卵から生まれた」とするギリシア神話に基づき、大きな卵から生まれたばかりの二組の双子が描かれています。本作は、レオナルドの弟子の中でも筆頭としてあげられるメルツィの作品の可能性もあり、レオナルドが生きた時代に描かれたものと考えられています。左手に花を持つレダのポーズ、子どもに目を落とす様子はレオナルドが本来描いた構図とほぼ同じものとして現在はフイレンツェのウフィツィ美術館が所蔵しています。そのほかの注目作品をピックアップ!素描を中心に、油彩画、手稿、書簡など、約65点が展示される「レオナルド×ミケランジェロ展」。その中でも特に注目の作品をご紹介します。「万能人」と呼ばれた画家・レオナルドと、「神のごとき」と称された世紀の天才彫刻家・ミケランジェロ。2人の作品をじっくり見比べてみましょう。●ミケランジェロの3作品をご紹介●《背を向けた男性裸婦像》ミケランジェロ・ブオナローティ 《背を向けた男性裸体像》1504-05 年カーサ・ブオナローティ蔵©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarroti本作は、フィレンツェ共和国のピエロ・ソデリーニがミケランジェロに発注したヴェッキオ宮殿の壁画《力ッシナの戦い》のために描かれた習作です。伸び上がるような姿勢の男性の背面には、筋肉の付き方が事細かに描かれており、彫刻家・ミケランジェロの捉え方がうかがえます。レオナルドの《アンギアーリの戦い》の競作としても知られる作品で、ミケランジェロは下描きが終了した時点で、ユリウス2世によってローマに呼び戻されたため、《力ッシナの戦い》は未完に終わりました。●《河神》の習作ミケランジェロ・ブオナローティ《河神》 1525 年頃カーサ・ブオナローティ蔵©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarroti蝋で制作された彫刻の習作で、主題はイエス・キリストと共に十字架に架けられた盗人であるとされてきましたが、現在はギリシア神話の河の神と言われています。この仮説は、カーサ・ブオナローティが所蔵するより大きな《河神》の作品と比較しても根拠があります。本作は、メディチ家礼拝堂のために作られ、場所を示す役割を与えられる予定でしたが実現しませんでした。なお、このような彫刻モデルは、石材切り出しの職人に手渡され、彫刻の寸法の目安として使用され、鉱山までの輸送に耐える素材で制作されました。●《イサクの犠牲》のための習作ミケランジェロ・ブオナローティ《イサクの犠牲》1535 年頃 カーサ・ブオナローティ蔵©Associazione Culturale Metamorfosi and Fondazione Casa Buonarrotiこちらの作品は、彫刻レリーフのための素描です。息子イサクに手をかけようとするアブラハムに対し、天使が止めに入っていくシーンを描いています。アブラハムと天使の距離が非常に近いことが本主題を扱う上でのミケランジェロの最大の特徴といえるでしょう。また、イサクの左膝の位置は未決定のためか、複数の膝が動くように描かれています。●レオナルドの3作品+1●《髭のある男性頭部(チェーザレ・ボルジャ?)》レオナルド・ダ・ヴィンチ《髭のある男性頭部(チェーザレ・ボルジャ?)》1502 年頃トリノ王立図書館蔵 ©Torino, Biblioteca Reale軍人チェーザレ・ボルジャの肖像といわれていますが、確実な証拠はありません。同一の肖像を異なる角度から捉えて3つの像を描いた本作品は、他視点性により絵画や素描も「彫刻の様な立体性」に劣らず表現ができるというレオナルドによる表明でもあると考えられています。また、ヴァザーリによれば、ジョルジョーネの作品(現在は消失)にもモデルと鏡面を描いて異なる角度から同一のモデルを描く作品が制作されており、絵画の他視点性が強調されています。 ●《大鎌を装備した戦車のニつの案》レオナルド・ダ・ヴィンチ《大鎌を装備した戦車の二つの案》1485 年頃トリノ王立図書館蔵 ©Torino, Biblioteca Realeレオナルドもミケランジェロも技師として仕事を依頼されることが多く、戦争の多い時代にはむしろそちらが本業であることもありました。本作はレオナルドが考案した兵器ですが実現しませんでした。ここでは馬車で大鎌を回転させ敵兵をなぎ倒していく様子が描かれています。 ●《老人の頭部》レオナルド・ダ・ヴィンチあるいはチェーザレ・ダ・セスト《老人の頭部》1510 年頃/1515 年頃トリノ王立図書館蔵 ©Torino, Biblioteca Reale画家・レオナルドは正面から肖像を捉え、人物の顔を正確に織密に描写する上で、その人の内面をもきちんと捉えることを意識していました。当時、観相学と呼ばれる性格と外見の呼応に目を向ける学問が流行しており、本作においても、口元を固く結ぶ老人からは頑固な性格を思わせます。また、赤い地塗りが施された紙に赤いチョークを用いて描かれているのも特徴です。●《美しき姫君》にまつわることレオナルド・ダ・ヴィンチ(帰属)《美しき姫君 (ビアンカ・スフォルツァ?)》1495 年頃 個人蔵ビアンカ・スフォルツァというスフォルツァ家の子女を描いたとされる《美しき姫君》。近年において作品に残された掌紋からレオナルド作ではないかという議論が起こりました。髪留めや服飾を含めた肖像の正確な描写と左利きを思わせるハッチング、ペン、インク、赤チョーク、黒チョーク、鉛白といった画材、羊皮紙という媒体に関するレオナルドの知識などから真作とする説がありながら、同時代の作家による作とする説、19世紀の模倣者による精妙な贋作とする説まで諸説に分かれています。 イベント詳細名称:レオナルド×ミケランジェロ展会場:三菱一号館美術館住所:東京都千代田区丸の内 2-6-2会期: 2017年6月17日(土)〜9月24日(日)開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜休館(但し、祝日は開館)公式サイト:
2017年04月09日「レオナルド×ミケランジェロ展」が三菱一号館美術館で開催される。期間は2017年6月17日(土)から9月24日(日)まで。ルネサンスの巨匠、レオナルドとミケランジェロ15世紀イタリアで画家として才能を発揮し、建築、科学、解剖学の分野にまで関心を広げ「万能人」と呼ばれたレオナルド・ダ・ヴィンチ。一方で、10代から頭角を現し「神のごとき」と称された世紀の天才彫刻家ミケランジェロ・ブオナローティ。彼らが生きたのは、古代ギリシア・ローマの古典文芸復興を目指す運動としてイタリアで開花したルネサンス。「自然」をあるがままに再現するため、解剖学に基づいた人体の把握、遠近法に則った奥行きや立体感、陰影法に忠実な表現といった基本的な規則が順守されていた時代だ。また、この頃は「自然を母とし、素描を父とすると、建築、彫刻、絵画の三姉妹がいる」という関係が強調されていた。自然に則してデッサンすることは各芸術の基本中の基本であり、決して軽んじることはできないもの。そして2人は、芸術家の力量を示す上で最も重要とされる、その素描に秀でていたと言われる。本展は、2人の天才を対比させる日本初の展覧会。稀少な素描はもちろんのこと、油彩画、手稿、書簡など、トリノ王立図書館やカーサ・ブオナローティ所蔵品を中心に、日本初公開を含むおよそ65点を紹介する。彼らの作品を見比べられる貴重な機会、まずは本記事で予習して足を運んでみてはいかがだろう。斜線の重なりによって濃淡を表すレオナルド左利きのレオナルドは左上から右下へのハッチングが特徴的で、作品をよく見てみると、斜線の重なりによって濃淡が作られている。目玉作品のひとつ《少女の頭部/<岩窟の聖母>の天使のための習作》を観察してみると、左眼の上瞼、目元、左頬、ほうれい線、口元などに鉛白によるハイライトが施されているとわかるだろう。彼の絵画のもう一つの特徴が、性格と外見の呼応に目を向ける学問「観相学」に基づいた表現。《老人の頭部》はその逸作といえる。緻密に描写された口元を硬く結ぶ老人からは、彼の頑固さが浮かび上がってくる。また、《髭のある男性頭部(チェーザレ・ボルシャ?)》は同一のモデルを異なる3方向から描いた作品で、彼の絵画の他視点性が強調された作品とも考えられる。クロスハッチングで描くミケランジェロレオナルドとは対照的に、右利きのミケランジェロ。彼はクロスハッチングという斜線を交差させる描き方をしていた。《<レダと白鳥>の頭部のための習作》は、彼の素描としては最も知られている作品である。その手法は同作からも読み取ることができ、さらに赤チョークの濃淡によって、凹凸をより巧みに表現していることが分かる。素描から見ても絵画の分野で才能を光らせていた彼だが、自身は「自分は画家ではない」「私は彫刻家」と述べている。とは言うものの、決して絵画を劣ったものとみているわけではない。当時行われていた比較芸術論争に対して、「画家は絵画よりも彫刻をおろそかにしてはいけないし、彫刻家は彫刻よりも絵画をおろそかにしてはいけない」という言葉も残している。本展でも、絵画・彫刻ともに彼の秀作が揃う。特に、絵画では《背を向けた男性裸体像》《イサクの犠牲》のための習作などがあげられる。加えて、彫刻では注目作として《河神》が展示される。主題はイエス・キリストと共に十字架にかけられた盗人とされてきたが、現在はギリシア神話の河の神とされている作品だ。開催概要「レオナルド×ミケランジェロ展」会期:2017年6月17日(土)〜2017年9月24日(日)会場:三菱一号館美術館住所:東京都千代田区丸の内2-6-2時間:10:00〜18:00(最終入場時間 17:30)※祝日・振替休日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は20:00まで(最終入場時間19:30)※臨時の時間変更の場合あり休館日:月曜日※但し、祝日・振替休日の場合は開館観覧料:・当日:一般 1,700円、高校・大学生 1,000円、小・中学生 500円・前売券:一般 1,500円 (2/4~発売中)【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年04月08日展覧会「ミケランジェロ展 ルネサンス建築の至宝」が2016年6月25日(土)から8月28日(日)まで、東京・汐留で開催される。イタリア・ルネサンスの巨匠ミケランジェロは彫刻、絵画、建築という芸術の3つの領域において才能を開花させた。本展では、システィーナ礼拝堂の下絵など、ミケランジェロ本人による素描や書簡も含めてその数はおよそ70点だ。また、模型や映像を通してミケランジェロの建築や紹介したり、イタリアでの調査の成果をコンピューター・グラフィックス映像で表現するなど、作品以外にも見どころは満載。東京会場の汐留ミュージアムのみ、近代日本において彼がどのように受容されてきたかを紹介する特別コーナーを設けられており、丹下健三や磯崎新らの資料を展示する。会場デザインはミケランジェロに多大な影響を与え続けた古代ローマの遺跡をモチーフにした。ミケランジェロ本人はもちろん、彼の作品は何から影響を受けたのか、彼の作品がその時代の世界にどのような影響を与えたかにも注目する本展、是非足を運んでみてはいかがだろうか。【概要】ミケランジェロ展 ルネサンス建築の至宝会期:2016年6月25日(土)〜8月28日(日)会場:パナソニック 汐留ミュージアム住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階開館時間:10:00〜18:00休館日:水曜日、8月12日(金)〜18日(木)入館料:一般 1,000円、65歳以上 900円、大学生 700円、中・高校生500円、小学生以下無料※20名以上の団体は100円割引。障害者手帳持参者、付添者1名まで無料。【問い合わせ先】NTTハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2016年04月23日いままであまり明かされてこなかったある英雄たちの実話をもとに、ジョージ・クルーニーが監督・製作・脚本・主演を務めた話題作『ミケランジェロ・プロジェクト』。一時は日本での公開が危ぶまれていたという本作が、多くのファンからの願いに後押しされ、満を持してついに公開されました!第二次世界大戦も終戦間近、ヒトラーの命令により、ドイツ軍はヨーロッパ各国の美術品を次々と略奪していた。そのなかには、なんとレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」や「モナ・リザ」だけでなく、ラファエロ、フェルメール、ピカソ、モネ、そしてミケランジェロといった巨匠たちの傑作も数多く含まれていたのだった。そこで、歴史的財産の損失を阻止すべく結成された特殊部隊が“モニュメンツ・メン”。リーダーとなる美術館の館長をはじめ、学芸員や建築家、彫刻家、歴史家といった芸術のエキスパート7人が集められ、下されたミッションは「ナチスが略奪した美術品を奪還すること」だった。しかし、彼らは戦争経験ゼロの中年男たち。周りからの協力も得られないなか、全力で任務を遂行する彼らに立ちはだかる新たな危機は、敗戦を悟ったヒトラーが発令した「すべてを破壊すること」という非情な指令だった。はたして、彼らは世紀の美術品を見つけ出し、守ることはできるのか?「第二次世界大戦を従来の戦争映画とは異なる切り口で撮りたい」と熱望していたジョージ・クルーニーにとって、監督作品としては過去最高の興行成績を収めた記念すべき作品。そんなクルーニーのもとには、ハリウッドを代表するマット・デイモンやビル・マーレイ、ケイト・ブランシェットといった豪華俳優陣が集結したことでも話題となっています。今回、この作品が公開されるまで、ナチスが約500万点もの美術品を略奪して破壊しようとしていたことやその裏で“モニュメンツ・メン”という特殊部隊が存在していたことはあまり知られていなかったようですが、現在私たちが多くの歴史的な芸術作品を楽しむことができるのは、命懸けで“人類の歴史”を守るために戦った彼らの存在なしには語れないのです。芸術のために戦った“知られざる英雄たち”の物語は、芸術の秋にぜひ観ておきたい一本。そんな彼らの熱い想いに感謝しながら、“知られざる芸術の裏側”ものぞいてみては?イベントデータ:『ミケランジェロ・プロジェクト』公開表記:11月6日(金)、TOHOシネマズシャンテ他全国ロードショー配給:プレシディオ©2014 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
2015年11月19日ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ケイト・ブランシェット、超豪華オスカー俳優が集結した『ミケランジェロ・プロジェクト』。11月の公開を目前に、ジョージが、映画製作にかける熱い想いを明かした。本作は、第二次世界大戦下にナチス・ドイツ軍によって強奪されたヨーロッパ各国の美術品を奪還すべく戦場に向かったある特殊部隊を描いた、衝撃の実話を映画化。芸術の専門家で結成された特殊部隊“モニュメンツ・メン”は、美術品を奪還するため1944年7月フランス・ノルマンディーに上陸。ヨーロッパ各地を手分けして捜索するも、全ては奪われた後だった。そんな中、敗北を悟ったヒトラーは、遂に「ネロ指令」を発令し、一刻の猶予もなくなる。世紀の美術品は、どこに隠されているのか…。“ハリウッドの至宝”とも称されるオスカー俳優ジョージは、『コンフェッション』で監督デビューし、『グッドナイト&グッドラック』『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』など俳優としてのみならず、スタッフとしても活躍している。そんな多彩な活躍をみせ、本作で監督・製作・脚本さらには主演をも務めたジョージが、映画製作にかける想いを語る。「今回そもそも、アカデミー賞がとれそうな作品より、ただただ面白くて、しっかりしたエンターテインメント作を作ろうって思っていた。その作品の一部になれたことを、作品に携われたことを誇りに思えるようなものを。そしたらみんなが乗ってくれたんだよ。もう、キャスト全員がなんの迷いもなく飛び乗ってくれた」と面白さを重視した作品なのだと明かした。そして、「誰しもが、時にはこんな作品を撮ってみたい、参加してみたいって思うものなんじゃないかと思うんだ。自分達自身のことが、なんだか誇らしく思えるような、気持ちのいいポジティブな作品を見てみたい、創ってみたいって」と、製作当初の心境を語る。さらに、「ここ数年の僕らの意識は、公開されてからたった一週間で熱が冷めてしまうような作品じゃなくて、もっともっと息の長いものを作ろう、という方向になっている。そうやって映画を作ったからって僕が大金持ちになるかって言ったら全くそんなことは無いんだけど、手応えが残るんだ。『マイレージ・マイライフ』、『スーパー・チューズデー~正義を売った日』と今作は僕らが思い描いている映画のリストに入るね。やっぱり、しっかりしたストーリー・テリングをやりたいんだ。いつまでも色褪せ無い作品を作れたかどうか、それが一番大事なことだろう?」とコメントした。気心知れた仲間たちだからこそ作ることができた本作。知られざる英雄たちの活躍をぜひ劇場で確かめてみて。『ミケランジェロ・プロジェクト』は、11月6日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ミケランジェロ・プロジェクト 2015年11月6日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開(C) 2014 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
2015年10月12日ジョージ・クルーニーが監督・主演を務め、“美術品救出”プロジェクトに挑む男たちを描く『ミケランジェロ・プロジェクト』。11月6日(金)より公開される本作の予告編映像とポスタービジュアルが解禁となった。芸術の専門家で結成された戦闘経験ゼロの特殊部隊“モニュメンツ・メン”は、ナチスに奪われた世紀の美術品を奪還するため1944年7月フランス・ノルマンディーに上陸。ヨーロッパ各地を手分けして捜索するも、全ては奪われた後だった…。そんな中、敗北を悟ったヒトラーは、遂に「ネロ指令」―ドイツが敗北した際には全てを破壊すること―を発令し、一刻の猶予もなくなる。世紀の美術品は、どこに隠されているのか。 あることに気づいたとき、彼らの怒涛の快進撃が始まる――。名実共にトップスターであり、監督としてもアカデミー賞ノミネート経験を持つジョージ・クルーニーが、監督・製作・脚本・主演という“1人4役”を兼任して取り組んだ本作。共演には、『ボーン』シリーズでおなじみのマット・デイモン、『アーティスト』で世界中を魅了したフランス人俳優ジャン・デュジャルダン、『ブルー・ジャスミン』のケイト・ブランシェットと、オスカー俳優たちが豪華な競演を果たし、他にも『ロスト・イン・トランスレーション』のビル・マーレイ、『アルゴ』のジョン・グッドマンら個性豊かなメンバーが名を連ねている。このたび公開された予告編は、ナチス・ドイツ軍によって奪われたレオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」、ルノワール「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」、ファン・エイク「ヘントの祭壇画」、そしてミケランジェロの「ブルージュの聖母子像」と、数々の芸術作品が映し出され始まる。それら芸術作品を取り戻し正当な持ち主に返還せよ、という米ルーズベルト大統領の命を受け、美術館長を始めとする7人のアートのエキスパートが集められた。戦場ではまったくの素人だった彼らだが、ナチスを追うため、最前線のフランス・ノルマンディーに上陸、ヨーロッパ各地を手分けして捜索するのだ。“史上最も偉大な宝探し”とされた実話を基にした本作。果たして彼らは隠された美術品を見つけ出すことが出来るのか?知られざる英雄たちの活躍ぶりを、まずは予告編で目撃してみて。『ミケランジェロ・プロジェクト』は11月6日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2015年08月14日ジョージ・クルーニーが監督・主演を務め、“美術品救出”プロジェクトに挑む男たちを描く『ミケランジェロ・プロジェクト』の日本公開が、このほど決定した。戦闘経験ゼロの特殊部隊「モニュメンツ・メン」は、ナチスにより強奪されていく世紀の美術品の奪還のため、ヨーロッパ各地の戦場へ飛び、自力で美術品を次々と取り戻していく。一方、戦争の敗北を悟ったヒトラーは、今度は強奪した美術品の破壊を決断する…。果たして、命がけのミッションを彼らはどのように成し遂げるのか!?レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」、ヤン・ファン・エイク「ヘントの祭壇画」、ロダン「ダヴィデ」、ミケランジェロ「ブルージュの聖母子像」、レンブラント、ピカソ、マチス――。第二次世界大戦下、ナチス・ドイツ軍によって強奪されたヨーロッパ各国の美術品を奪還すべく戦場に向かったある特殊部隊「モニュメンツ・メン」の活躍を描く本作。一度日本での公開中止の憂き目にあいながらも、このほど再度日本公開が決定。美術については筋金入りのプロ、しかし戦闘は全くのド素人の7人の男たちの実話に基づく本作に感銘したジョージが、監督・製作・脚本・主演を務め映画化を実現させた。ほかにも、リドリー・スコット監督作『オデッセイ』の公開を控えるマット・デイモン、『ヴィンセントが教えてくれたこと』のビル・マーレイ、『ブルージャスミン』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したケイト・ブランシェットら豪華な面々がキャストに名を連ねる。“ナチスが強奪していった美術品の奪還”という、まさに史上最大最高額のトレジャー・ハンティングに挑む7人の男たちの活躍を描く本作。俳優としてはもちろん、監督としても『コンフェッション』や『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』などといった力作を生み出してきたジョージの演出にも注目だ。『ミケランジェロ・プロジェクト』は11月6日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月31日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)がオススメする1冊を毎週紹介。■「Common Objects」ルイス・ボルツ(Lewis Baltz)アメリカの現代写真家ルイス・ボルツの作品と、ミケランジェロ・アントニオーニ、ジャン=リュック・ゴダール、アルフレッド・ヒッチコックのヨーロッパ映画。ルイス・ボルツの写真と彼に影響を与えた映画の世界を対比させることで、両者の関係性を見出すことができる。パリの「ル・バル(LE BAL)」での展覧会の開催に合わせて刊行されたこの写真集は、べースとなるルイス・ボルツの作品頁の間に、透明フィルムに印刷した映画スチールの頁を挟んだ凝った作りの本に仕上がっている。【書籍情報】「Common Objects」著者:ルイス・ボルツ出版社:Steidl言語:英語ハードカバー/112ページ/270×280mm発刊:2014年価格:6,830円
2014年11月22日6月16日(木)に開幕を迎える「ショート ショート フィルムフェスティバル & アジア 2011」。1999年のスタート以来、国内外を問わず数々の才能を世に送り出してきたが、無名の若きダイヤの原石の発掘に加えて、映画祭の大きな見どころとなっているのが世界的なスターや名監督たちが参加したショートフィルム。あの大スターがわずか十数分の作品に、これまで見せたことがない意外な役柄で出演していたり、あの人気俳優が自ら監督、脚本、主演をこなすなど、今年もファンにはたまらない隠れた注目作品がズラリ。そんな“セレブリティ&マエストロ”たちによる作品をご紹介!「インターナショナル プログラム」には、いまをときめく人気俳優たちの作品が数多く出品されている。まず注目したいのは、コリン・ファースとキーラ・ナイトレイが夢の競演を果たした『スティーブ』(インターナショナル プログラム A)。『英国王のスピーチ』で念願のオスカーを獲得したコリンと『パイレーツ』シリーズ、『わたしを離さないで』など異なるジャンルにまたがって活躍を見せるキーラだが、本作での2人の関係は同じアパートの上の階の部屋と下の階の部屋に暮らす住人。階下に住むスティーブ(コリン)が水漏れを伝えに上の階へ訪ねるのだが、何か様子がおかしい…。16分間の間で2人はどんなやり取りを見せてくれるのか?そして、コリンとオスカーを争った『ソーシャル・ネットワーク』の新鋭ジェシー・アイゼンバーグが出演しているのは『廊下の彼氏』(インターナショナル プログラム B)という17分の作品。“彼女”に別れを告げられても、アパートを出ていこうとしない“彼”。彼女は彼を無視して生活を送り、そんな彼女の全てを彼が見守り続ける…というシュールな物語が展開する。『(500日)のサマー』に『インセプション』と話題作に次々と出演し、いま、最も勢いのあるジョセフ・ゴードン=レヴィットが監督から脚本、編集、さらには音楽と全てを手がけた『スパークス』にも注目。ある一組の男女の現在と過去という2つの時間軸で物語が展開するが、それぞれの物語が錯綜し…。子役時代から活躍し、長く映画界に身を置いてきたジョセフの“作り手”としての手腕はいかに?「イタリアプログラム」にも名優、名匠たちが出品。モニカ・ベルッチが『幸せのちから』のガブリエーレ・ムッチーノ監督とコンビを組んだ『ハートタンゴ』で描かれるのは、タイトル通り、タンゴと男女のハート。恋人とタンゴを踊る美女が、ほかの美女の腕の中にいる彼を目撃してしまい…。“女”の心に渦巻く様々な感情や本能が描き出される。青年と年老いた農夫の交流を描く『ミツバチと風』にはイタリアの名優エリオ・ジェルマーノが主演している。さらに、イタリア映画界を彩った名匠ミケランジェロ・アントニオーニが1948年に製作した、ローマの清掃人の日常を描いた『街の清掃人』も上映される。日本でも大ヒットを記録した『リトルダンサー』のスティーブン・ダルドリー監督の『パパの思い出』は「フットボールプログラム」で上映される。少年・ジョナサンはリバプールFCが大好きで、同クラブ出身のマイケル・オーウェンのような選手になることを夢見ている。だが、お母さんは彼がサッカーに夢中になることを快く思っていないようで、そこにはお父さんにまつわるある秘密が…?欧米の作品だけでなく、アジアの名監督による作品もお忘れなく!『オールドボーイ』のパク・チャヌク監督が弟と組んで、なんとiPhoneで撮影した『波瀾万丈』(アジア インターナショナル & ジャパン プログラム A)はベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した作品。ある男の川での釣りの模様が描かれる。さらに、台湾を代表する名匠ツァイ・ミンリャンが故郷のマレーシアで撮影した『マダム・バタフライ』(アジア インターナショナル & ジャパン プログラム B)も不思議な魅力を持った作品。クアラルンプールを舞台に、恋人にひとり置き去りにされた女のドラマが描きだされる。大作とはまた違った趣きの個性的な作品の中で輝きを放つ名優たちの姿をぜひご覧あれ!「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2011」は6月16日(木)〜19日(日)まで表参道ヒルズスペース オーにて、6月22日(水)〜26日(日)までラフォーレミュージアム原宿ほか各所にて開催。特集「ショート ショート フィルムフェスティバル & アジア 2011」■関連作品:ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2011 [映画祭] 2011年6月16日から6月19日まで表参道ヒルズスペース オー、6月22日から6月26日までラフォーレミュージアム原宿ほかにて開催■関連記事:ルーカス監督に中田英寿などが出品!ショートフィルム祭典で復興支援オークションアカデミー賞公認!国際短編映画祭「SSFF」チケットを25組50名様プレゼントショートショートフィルムの新しい挑戦ついに“Jリーグ”ともコラボ企画決定!水嶋ヒロ原作&出演のビデオがショートフィルム祭典に出品栗山千明はマブい女に!アジア最大のショートフィルムの祭典が今年も開催3D部門新設にチャリティ企画も!
2011年06月01日マーロン・ブランドと共演した『ラストタンゴ・イン・パリ』で知られるフランスの女優、マリア・シュナイダーが3日朝、がんのためパリの病院で亡くなった。享年58。俳優のダニエル・ジェランの娘でもあるシュナイダーは10代で映画に初出演、デビュー4作目でベルナルド・ベルトルッチ監督の『ラストタンゴ・イン・パリ』に出演、ブランドとの過激なラブシーンが話題を呼び、一躍有名になった。その後ドラッグに溺れ、自殺未遂を繰り返したが、80年代に入ると更正。女優として活動を続けたが、ヌードになる役は避け続けた。出演作にミケランジェロ・アントニオーニ監督、ジャック・ニコルソン共演の『さすらいの二人』、シリル・コラール監督・主演の『野性の夜』、日本映画『ヨーロッパ特急』などがある。遺作は2008年、ジョジアーヌ・バラスコ監督の『Cliente』(原題)。所属事務所によるとシュナイダーの闘病生活は長年にわたっていたという。(text:Yuki Tominaga)© Rex Features/AFLO
2011年02月04日