ウディ・アレンの監督最新作『ミッドナイト・イン・パリ』が26日(土)から日本公開される前に、アレン監督のコメントが届いた。その他の写真近年、米国を出て欧州で作品づくりを続けているアレン監督が本作で選んだ舞台はパリ。これまでも芸術家たちに多大なインスピレーションを与えてきた街だけに、アレン監督も「まず『ミッドナイト・イン・パリ』というタイトルを思いついた」と振り返る。「真夜中のパリに何が起きるのか、何が起きるべきなのかというのはまだ自分でもわからなかったんだけど、ある時ふと思いついたんだ。パリを愛する主人公が、パリの街を歩いていて、新しい冒険に出発することになる、というアイデアをね」。そこでアレン監督は、婚約者と一緒にパリにやってきた小説家志望の男(オーウェン・ウィルソン)がいつしか1920年代のパリに迷い込んでしまい、そこで暮らす名だたる芸術家たちと交流する、という物語を書き上げた。「1920年代のパリは、ボヘミアンで栄えていた時代だったからね。ヘミングウェイも、フィッツジェラルドも、ピカソも、マティスも、サルバドール・ダリもみんな知り合いで、パリに住んでいた。コール・ポーターもね。すなわち、その時代には非常に神話的雰囲気があったんだ」。“ボヘミアン”とは、それまでの慣習や常識に囚われずに自由奔放に生きようとする人たちのこと。1920年代は第一次世界大戦が終わり、第二次世界大戦が始まる前の激動の時代で、芸術家たちは感性を研ぎ澄まして、狂乱の時代に立ち向かおうとした。そんな1920年代のパリは、まさに“芸術の都”であったに違いない。しかし本作は、誰よりも皮肉屋で悲観的なアレン監督の新作だ。“あの時代は良かった”なんて映画になるわけがない。「1920年代のパリに行きたいし、ベル・エポック時代(“良き時代”の意味で、主に19世紀末から20世紀初頭までを指す。ちなみに1920年代は“レ・ザネ・フォル/狂乱の時代”と称される)のパリにも行きたい。でも1日だけで十分。その時代に住みたいとは思わないんだ。だってエアコンがないところには住めないし、抗生物質がないところにも住めない。僕は、今の時代の便利さに慣れすぎてしまったと思っているよ」。まるでアレン監督がこれまでの作品で演じてきたキャラクターが口にしそうな答えだが、アレン監督のこのバランス感覚が本作を魅力的にしているといって良いだろう。パリの街に現れる“美しい幻”と、抗生物質がないと生きていけない現代人のドラマを両立させるのは極めて困難だ。しかし、アレン監督はこの難題を本作で見事にクリアしている。『ミッドナイト・イン・パリ』5月26日(土)公開
2012年05月15日ナタリー・ポートマンのアカデミー賞主演女優賞獲得が有力視される『ブラック・スワン』が、全米で公開から10週連続で興行ランキングのベスト10入りを果たし、興行収入もまもなく1億ドル(約82億円)を突破することが確実となった。ナタリーのノミネートに加え、作品賞、監督賞(ダーレン・アロノフスキー)の候補にも名を連ねている本作。1,977スクリーンで上映されているが、10週目も全米10位以内をキープしており、異例の大ヒットを続けている。海外に目を向けても、イギリス、ドイツ、オーストラリアなど世界28か国の1,913スクリーンで上映され、累計興行収入4,800万ドル(約40億円)でヒットを記録中。イギリスとドイツでは公開3週目にしてTOP3をキープしており、封切られたばかりのオランダ、ノルウェー、ブラジル、チリ、ペルーでも全てTOP3入りを果たしている。来週からはフランス、ロシア、メキシコでの公開を控えているが、まだまだ勢いは続きそう。日本でもすでに前売鑑賞券の発売が開始されているが、海外作品としては異例ともいえる販売枚数をたたき出しているという。特に新宿ピカデリー、TOHO シネマズ日劇、川崎チネチッタの3劇場の売り上げは突出しており、同時期に公開される『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』に迫る勢いとも。全米ランキングに戻ると、同じくナタリーが主演し、アシュトン・カッチャーといわゆる“セックスフレンド”を演じる『抱きたいカンケイ』が好調をキープしており、3週目に入ってもTOP3入りで累計興行収入は早くも5,000万ドル(約40億円)を突破!妊娠&オスカーノミネートとオメデタ続きのナタリーだが、産休を前に“ヒットの女王”に!?今後、老舗アメコミ出版社「マーベル・コミック」の同名人気コミックを映画化した『マイティ・ソー』の公開も控えており、産休中もしっかり彼女が映画界の中心に居座る!?ちなみに、『ブラック・スワン』以外のオスカー候補作も軒並み好調!クリスチャン・ベイル、メリッサ・レオ、エイミー・アダムスが助演男優賞&女優賞にノミネートされ、アベック受賞の期待がかかる『ザ・ファイター』もTOP10からは外れたものの9週で8,000万ドル(約65億円)超えのヒット。作品賞に監督賞、そして14歳のヘイリー・スタインフェルドの助演女優賞ノミネートで話題の『トゥルー・グリット』もコーエン兄弟作品として歴代最高の興行成績を更新し、興行44日で1億5,000万ドル(約120億円)を突破している。そしてここへきて俄然、作品賞の期待が高まる『英国王のスピーチ』は、前週よりもランクアップしランキング4位に食い込んでいる。アメリカンフットボールのスーパーボウル開催の影響もあって、全体的に低調だったとされる先週末の興行だが、今後、27日(現地時間)の授賞式の前後でオスカー関連作品が一気に数字を伸ばす可能性も!もちろん、今後の日本での興行成績も気になるところだ。『ブラック・スワン』は5月13日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』は5月20日(金)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開、『抱きたいカンケイ』はGW、新宿バルト9ほか全国にて公開、『マイティ・ソー』は7月、丸の内ルーブルほか全国にて公開、『ザ・ファイター』は3月26日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開、『トゥルー・グリット』は3月18日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開、『英国王のスピーチ』は2月26日(土)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。■関連作品:ブラック・スワン 2011年5月13日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2010 Twentieth Century Fox.抱きたいカンケイ 2011年GW、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 DW Studios L.L.C. All Rights Reserved.パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 2011年5月20日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.マイティ・ソー 2011年7月、丸の内ルーブルほか全国にて公開© TM & © 2010 Marvel c2010 MVLFFLLC. All Rights Reserved.トゥルー・グリット 2011年3月18日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開© 2010 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.ザ・ファイター 2011年3月26日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 RELATIVITY MEDIA. ALL RIGHTS RESERVED.英国王のスピーチ 2011年2月26日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.■関連記事:シネマカフェ的海外ドラマvol.184オスカー直前!今こそ観たいドラマ 第1回【シネマモード】2010年のオスカー、その後…毎年恒例オスカー候補者の昼食会が開催。話題の中心は、映画よりもファッション!?オスカー最多ノミネート作『英国王のスピーチ』再編集の動きに、G・ラッシュが猛反発働き女子の心得vol.1『英国王のスピーチ』に見る、尊敬&憧れの英国レディ
2011年02月10日