「田中一村展 奄美へとつづく道」が5月8日(土)から6月6日(日)が京都・美術館「えき」KYOTOで開催される。本展示は自分の信じる道を歩み続けた画家・田中一村の「奄美へとつづく道」を辿る展覧会。明治41(1908)年、木彫家の父のもとに生まれた田中一村(本名・孝)は幼少期より画才を発揮し、7歳の時に父から「米邨」の号を与えられた。大正15(1926)年には東京美術学校に入学するも、わずか2カ月で退学。退学後数年は南画家として活動しますが23歳の時に南画と決別し、30歳で移住した千葉で20年間風景や動植物の写生に明け暮れる。その間に美術団体・青龍社に出品し入選。 39歳で念願の画壇デビューを果たし「米邨」から「一村」へと改名。 しかし、その後も日展や院展に挑戦するもことごとく落選。 以後中央画壇との関係を断った一村は50歳の時、新天地を求めて奄美大島へ。そして昭和52(1977)年に69歳で亡くなるまでの19年間、奄美の亜熱帯の多様な自然に魅了された一村はその風景を独自の画風で描き続けた。本展では若き南画家としての栃木~東京時代、新しい画風を模索し「一村」と名を変えた千葉時代、 そして亜熱帯の植生と出会い、 新たな表現に挑戦しひたすら描き続けた奄美時代と、 大きく3つの章に分けて一村の画業をスケッチを含め約80点の作品からご紹介する。■展示情報「田中一村展 奄美へとつづく道」5月8日(土)から6月6日(日)開館時間:10時00分~19時30分(入館締切:閉館30分前)会場:美術館「えき」KYOTO入館料(税込):一般1100円(900円)/ 高・大学生900円(700円)/ 小・中学生500円(300円)※()内は前売料金。「障害者手帳」をご提示の本人とご同伴者1名は、 当日料金より各200円割引。前売券:【販売期間】3月13日(土)~5月7日(金)【販売場所】当館チケット窓口(休館日を除く)、 京都駅ビルインフォメーション、 チケットぴあ(Pコード685-523)、 ローソンチケット(Lコード52532)。
2021年03月12日50歳で奄美大島に移住し、その地の風土を描き続け、没後に注目を集めるようになった孤高の画家、田中一村。彼の生涯を振り返る展覧会『田中一村展―千葉市美術館収蔵全作品』が、1月5日(火)より開幕、2月28日(日)まで開催されている。田中一村(1908〜1977)は、栃木県出身の画家。幼少時より絵を学び、神童と呼ばれるほどの腕を持っていたが、入学した東京美術学校(現・東京藝術大学)をすぐに退学。10〜20代の頃、南画に取り組んでいた一村の作品その後は、いわゆるメインストリームとは無縁で無名の画家生活を送った。一村は30代から千葉市で活動を行っていたが、50歳になり奄美大島に移住、自らの制作に没頭するようになる。しかし、中央画壇に注目されることなく奄美大島にて昭和52年(1977)、69歳で亡くなった。一村の描いた色鮮やかで鮮明な奄美大島の絵が注目を集めるようになったのは、彼が没してから7年後のこと。昭和59年(1984)のNHKの「日曜美術館」で奄美大島の無名の画家として取り上げられてから注目が高まり、その後、各地で展覧会が開催され、画集や評伝が何度も刊行されることとなった。この人気の高まりを受け、千葉市美術館をはじめ、田中一村のゆかりの美術館が一村の研究を相次いでスタート。平成22年(2010)にようやく一村の回顧展『田中一村新たなる全貌』展が開催されることとなったのだ。千葉市美術館は、この平成22年の展覧会をきっかけに、千葉市ゆかりの画家、田中一村作品の収集を開始。寄贈や寄託を受け、10年かけて約130点の作品が揃った。この展覧会は、それらの収集品を全公開し、田中一村の画業を振り返るというものだ。四季折々の画題が描かれた一村の小品が並ぶ千葉市美術館の一村作品は色紙大の作品が多いのが特徴。彼が暮らした千葉市中央区千葉寺町の風景が描かれた作品も多い。左《石図》 昭和6年(1931)、右 《椿図屏風》昭和6年(1931)《石図》や《椿図屏風》は一村が24歳、新しい画風を模索していた頃の作品だ。《椿図屏風》は二曲一双の作品だが、一村が細かく描きこんだのは片方の屏風のみ。もう片方の屏風は金地が貼り付けられただけで、なにひとつ描き込まれた形跡がないという。これは意図的なものなのか、途中で描くのを止めてしまったのか、これからの研究が待たれる作品だ。そして、千葉市美術館の収蔵品からは、一村が多岐にわたる分野で才能を発揮していたことも知ることができる。四季折々の風景を描いただけでなく、仏画やデザイン、写真まで手掛けていたのだ。《十六羅漢図》 昭和23年(1948)頃千葉市在住時代に描かれたもの《牡丹菊図帯》一村が絵付した名古屋帯一村が撮影した姉の写真中央《仁戸名蒼天》昭和35年(1960)頃しかし、50歳となり一村は奄美大島に渡る。代表作の《アダンの海辺》について、一村は「閻魔大王への土産物」と書簡にしたためている。《アダンの海辺》昭和44年(1969)細部まで鮮やかに、そして繊細に描かれた作品はこれまでも多くの展覧会でメインビジュアルとして使われている一村の代表作。遠くから、近くからじっくりと眺めておこう。そして、最後のコーナーは、田中一村アーカイブ。メディアの紹介によって注目されるようになった田中一村の、これまでの展覧会ポスターや雑誌記事などが並ぶコーナーでは、無名だった田中一村がどのように受け入れられていったのかがよくわかる展示だ。千葉市美術館の10年かけた田中一村研究の集大成、ゆっくりと鑑賞しようまた、千葉市美術館では『ブラチスラバ世界絵本原画展こんにちは!チェコとスロバキアの新しい絵本』も田中一村展と同時開催されている。この展覧会は、スロバキア共和国の首都ブラチスラバで2年ごとに開催される、世界最大規模の絵本原画コンクールから、開催国のスロバキア共和国、隣国のチェコ共和国の作家による絵本原画のほか、同コンクールに参加した日本代表作家による作品64点などが展示される。また、日本人出品作家のうち荒井良二、きくちちき、さかたきよこ、ザ・キャビンカンパニーの4組に焦点を当て、制作にまつわる資料や新作など創作活動の背景を特集していく。『ブラチスラバ世界絵本原画展』展示風景ザ・キャビンカンパニー《アノコロのくに》絵本大国と言われるスロバキアやチェコの、日本とは一風異なる絵本の世界も合わせて楽しもう。取材・文:浦島茂世【開催概要】『田中一村展―千葉市美術館収蔵全作品』『ブラチスラバ世界絵本原画展こんにちは!チェコとスロバキアの新しい絵本』1月5日(火)~2月28日(日)、千葉市美術館にて開催
2021年01月12日歴史ある仏教文化が根付くタイでは、2017年も世界中の人々を惹き付ける伝統的なお祭りが目白押し。居合わせるだけでその土地の文化や歴史の深い部分を垣間見ることができる「お祭り」に、今年こそ参加してみては? ソンクラーン2017年4月13日~15日カオサン通り©Tourism Authority of Thailand タイの旧正月に行われる「ソンクラーン」は別名「水掛け祭り」。もともと仏像や仏塔、家族の年長者の手に水をかけてお清めをするという旧正月の伝統的風習が転じ、今や通行人同士が水を掛け合って楽しむエキサイティングなお祭りに変貌。各地でバケツや水鉄砲、ペットボトルなどを駆使した大規模な水掛け合戦が行われる。最も盛り上がると言われるのがバンコク「シーロム通り」やバックパッカーの聖地「カオサン通り」。初心者にはセントラル・ワールドやサイアム・スクエアがお勧め。■ソンクラーンの過去記事はこちら> ピーターコーン・フェスティバル2017年6月下旬、もしくは7月上旬予定©写真提供:タイ国政府観光庁 奇妙な仮面をかぶった「精霊」によるパレードで有名なお祭り「ピーターコーン・フェスティバル」。舞台はタイ北部のルーイ県ダーンサーイ市。仏教の説話がもととなるこのお祭りには、厄払いや収穫の時期を目前にした雨乞いの祈りも込められている。「ピー」は霊、「ター」は目、「コーン」は仮面劇という意味を持ち、その言葉の通り奇妙な仮面を纏った「精霊」たちのカラフルなパレードが見もの。他にもダンスコンテストやOTOP(一村一製品運動)のマーケットが開催され、地元民のみならず世界中から熱狂的なファンを集める注目のイベントだ。■ピーターコーン・フェスティバルの過去記事はこちら> ウボンラーチャターニー・キャンドルフェスティバル2017年7月予定©写真提供:タイ国政府観光庁 タイ東北部のウボンラーチャターニーで行われるろうそく祭り「ウボンラーチャターニー・キャンドルフェスティバル」。タイの3大祭りの一つに数えられ、その歴史は何と110年を越える。ハイライトは、何と言っても巨大なロウ彫刻の山車と民族舞踊ダンサーが練り歩く荘厳なパレード。世界中のロウ彫刻アーティストが集まり、約2週間かけて制作するロウ彫刻のコンテストにも注目だ。人々の未来を明るく照らすという願いが込められた伝統的なお祭りは、今年も7月(陰暦8月)の満月の日に開催予定。■ウボンラーチャターニー・キャンドルフェスティバルの過去記事はこちら> ロイクラトン祭り2017年11月予定©Tourism Authority of Thailand 毎年11月にタイ各地で開催される「ロイクラトン祭り」はタイで最も美しく幻想的なお祭りとも言われる。バナナの葉や紙を用い、ロウソクや線香、花々で美しく飾りつけられた「クラトン(灯籠)」は、人々によってそっと夜の川に浮かべられていく。ここに込められるのは収穫への感謝や水の精霊への祈り。また日々の罪を謝罪し水に流し、魂を浄めるという意味も持つという。チェンマイで行われるのは、灯篭の代わりに手製の熱気球「コムローイ」を夜空に放つという、幻想的な「イーペン祭り」。バンコクのチャオプラヤ川のほとりでもロイクラトンに合わせた大規模なイベントが開催され、この時期のタイは1年で最も美しく神秘的に輝く。■ロイクラトン祭りの過去記事はこちら>※上記イベントの開催はあくまでも予定で、予告なく変更になる可能性があります。予めご了承ください。
2017年01月19日奇妙な仮面をかぶった「精霊」によるパレードで有名なお祭り「ピーターコーン・フェスティバル(Phi Ta Khon Festival)」が、2015年6月26日~28日に、タイ北部のルーイ県ダーンサーイ市内で開催される。この奇妙なお祭りには、地元民はもちろん、市外や海外からの見物客も集まる。写真提供:タイ国政府観光庁「ピーターコーン」とは?ピーターコーン・フェスティバルは、仏教の説話がもとになっており、厄払いの意味や、ご利益を得る祭りとして毎年行われてきた。また、これからの収穫の時期を迎える前の、雨乞いの祈りも込められている。「ピー」は霊、「ター」は目、「コーン」は仮面劇という意味。このお祭りの目玉は、その言葉の通り、奇妙な仮面を纏った人々によるパレードだ。写真提供:タイ国政府観光庁この派手な仮面は、ココナッツの樹木から作られている。頭の上には、カラフルな色を施した巨大な蒸し籠を乗せ、そこには枝の細工が飾られる。男性たちはこの鮮やかな衣装に身を包み、「精霊」に仮装して町を練り歩いて行く。パレードは、2015年は6月27日に開催予定。写真提供:タイ国政府観光庁パレードの他にもダンスコンテストや、OTOP(一村一製品運動)のマーケットが開催されたりと、見応えのあるものになっている。場所が少々不便なこともあり、日本からの観光客にはあまり知られていないイベントだが、ローカルはもちろん、現地在住日本人の間でも有名なお祭りの一つ。この時期にタイへ旅行を考えている人は、ぜひ足を伸ばしてこの奇祭を目撃してみては?写真提供:タイ国政府観光庁ピーターコーン・フェスティバル2015年のスケジュール◆2015年6月26日(金)4:00:ポーンチャイ寺院で僧侶による特別行事6:00: ポーンチャイ寺院前にて僧侶への托鉢8:30: チャオポークアンハウスにて特別儀式10:00:ポーンチャイ寺院にて、カルチュラル・セレモニー&ケオアーサー通り沿いにてピーターコーン・パレードとコンペティション11:00:ダーンサーイ区役所前にてステージ・パフォーマンス◆2015年6月27日(土)10:00:ダーンサーイ区役所前にて、グランド・オープニング・セレモニー&ダーンサーイ区役所より、ポーンチャイ寺院までパレード13:00:ダーンサーイ区役所前にてステージ・パフォーマンス&ピーターコーン・コンテスト(ファイナル・ラウンド)15:00:チャオポークアンハウスにて特別儀式15:30:バンファイ(ロケット花火)の打ち上げ&ポーンチャイ寺院ワンウーン船着き場にて、ピーターコーン・マスクの厄払い儀式19:00:ポーンチャイ寺院にて読経◆2015年6月28日(日)4:00:ポーンチャイ寺院にて、13人の僧侶による読経&ダーンサ―イ区のすべての村による特別なパレード※現地の事情により、予告なくプログラムが変更なる場合があります。
2015年06月06日