中谷美紀、大森南朋らが3月13日(土)、東京・シネマライズでW主演映画『スイートリトルライズ』(矢崎仁司監督)の初日舞台挨拶を行い、ホワイトデー談義に花を咲かせた。結婚3年目を迎えた夫婦、聡(大森さん)と瑠璃子(中谷さん)がそれぞれ別の相手との恋を通じ、夫婦の愛を再確認する物語。初回の上映を鑑賞した満場の観客を前に、大森さんは「こんな朝早くから、こんなにズッシリした映画を、みなさま、ご苦労さまです」と軽妙な調子で挨拶。翌日がホワイトデーとあって司会者が、それぞれの役柄ならどんな過ごし方をする?と質問。大森さんは「昼飯どきにしほ(池脇千鶴が演じた劇中の不倫相手)に(プレゼントを)渡して、夜、家に帰って瑠璃子に渡す、一番都合の良いようにする。プレゼントは多分同じものをコンビニで買ったり。聡ならそうでしょう」とニヤリ。中谷さんは「ホワイトデーって何か特別なことをするんですか?ノーアイディアです」と懐疑的な反応。バレンタインデーなら?と質問を切り替えると「瑠璃子なら手作りチョコかケーキを、夫にしかあげないんじゃないですかね」とサラリ。それぞれに恋愛観をうかがわせた。一方、撮影中のエピソードを聞かれ、中谷さんは「監督の声が小さいので、何をおっしゃっているのか分からなくて、注意深く傾聴する日々でした。そんな監督だからこそ、繊細な情緒あふれる作品を、人間の複雑さ、奥行きを描いてくださったんだと思います」と上手いまとめ。と、思いきや「みんなのフラストレーションが爆発して、打ち上げで監督のお顔に落書きしました」と、いたずらな笑顔。どんな?と聞かれ「目の上に目を」。大森さんも「(額に)肉、とかじゃないですかね。仕返し的な打ち上げなので、そのときしかできませんから」と楽しげにふり返った。矢崎監督は、中谷さんについて「いろいろとすごくアイディアを下さる方。ラブシーンでは振り付けをなさったり」と感謝したが、中谷さんは「振り付け?フフフ…」と独特の表現にウケ気味。大森さんについては「これまで会った中で3人目ぐらいの、すごく楽に立っている人」。矢崎監督の声は、中谷さんの証言通り、この日も終始小さかった。『スイートリトルライズ』はシネマライズほか全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:スイートリトルライズ 2010年3月13日よりシネマライズほか全国にて公開© 2009 「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:甘い嘘と苦い真実、恋愛に必要なのは…?女性たちの本音の恋愛観を大発表優しい香りの癒しアイテム『スイートリトルライズ』“キレイ”になるバスセットを6名様プレゼント女性に嬉しいプラン続々!『スイートリトルライズ』オリジナルテディベアも登場ハズレなし!「映画館大賞2010」まもなく発表中谷美紀が選ぶ「1本」は?大森南朋『スイートリトルライズ』インタビュー揺れる男心「恋は一過性のもの」
2010年03月13日原作・江國香織、主演・中谷美紀×大森南朋──多くの女性の興味をそそるであろう組み合わせが『スイートリトルライズ』で実現した。ドキドキするというよりもドキッとする、そんな大人のためのラブストーリーだ。そこで、女優という仕事は物語(映画)を作ることであり「私の職業は“嘘”」だと言う中谷さんに、甘く小さな嘘の世界に生きる主人公・瑠璃子について話を聞いた。聡や春夫ではなく、もっと男らしい人が好き中谷さんが演じる瑠璃子はテディベア作家。夫と2人暮らし。どこにでもいるごく普通の夫婦だ。しかし、演じるにあたっては「この瑠璃子という役は簡単ではなかった。演じていて心地よくもない。難産でしたね(苦笑)」と、一筋縄ではいかない役だったことを語る。「実は、瑠璃子というキャラクターに最初は共感できなかったんです。私自身、結婚の経験はないですから、夫がいながらほかの人に心奪われていく気持ちが分からなくて。でも、人間なら結婚している、していないにかかわらず、そういう気持ちが多少はあるのかも…そんなふうに想像しながら演じていました」。また、瑠璃子は「とても秩序的な女性」だと分析する。「瑠璃子は日々の暮らしをとても大切にしている人です。朝起きて、窓を拭いて、時計のネジを巻いて、コーヒーを淹れる。しかもコーヒーフィルターではなくわざわざサイフォンを使って時間をかけて淹れるような人。煩雑な事柄に忙殺されていると瑠璃子のような丁寧な暮らしはできないですから、ある意味、彼女の暮らし方は素敵だと思いました」。そんな秩序的な性格はどこか中谷さんにも通じるような気もするが──「私、コーヒー飲めないんですよ。それに、聡(大森さん)や春夫(小林十市)のようなタイプには惹かれない。もっと男らしい人が好きですね」。役柄に縛られることなく自分をさりげなくさらけ出すところも中谷美紀らしさだ。凛とした佇まい、にじみ出る艶っぽさ、そこはかとない知性──そんないくつもの美を兼ね備えた彼女が求めるのは「男らしい人」。妙に納得してしまう答えだが、具体的にどんな人なのか詳しく聞きたい!「自分を犠牲にしても責任を負うとか、人のために自分が悪者になれるとか、そういう男らしい人は素敵ですよね。女性は仕事をしていると精神的にタフになってしまうので、一緒にいるときにこちらがタフにならなくてもいい、タフな男性が好きです」。たしかに、瑠璃子の夫・聡も、瑠璃子が恋に落ちる青年・春夫も、格好いいが決してタフとは言えない。けれど、その男女の間にはなんとも言えない空気感が流れ、その空気感こそが作品の見どころでもある。2人でいることで余計に寂しいそして、原作の行間が紡ぎ出すその空気感を表現するために映像で試みたのは、限られた台詞と限りない余韻。その中で中谷さん自身が心打たれたのは「1人でも2人でも寂しいものは寂しいんだよ」という、犬の飼い主のおばあさんの台詞だった。瑠璃子が抱いている孤独について深く考えたという。「1人暮らしであったなら孤独であることは当たり前で、孤独を感じることはなかったかもしれないけれど、2人でいることで余計寂しさを感じるのかもしれない。瑠璃子は聡にとても尽くす女性ですから、なおさら彼女の想いが一方通行のようにも感じられるんです。たしかに夫としては、帰ってきてすぐにあんなに色々と妻にしゃべられたら鬱陶しいだろうなって思いますが、女性は本来そういうもの。一見、聡と瑠璃子は特異な夫婦に見えるかもしれないけれど、実は世の中の縮図なのかなと思います」。共感することが難しいと言いながらも、これだけ瑠璃子を理解している──中谷美紀という女優が演技派と言われ多くの監督から求められているのは、この感性、この才能ゆえ。彼女が言うように女優という職業は“嘘”かもしれないが、中谷美紀の女優魂は“本物”だと『スイートリトルライズ』が物語っている。(photo:Toru Hiraiwa/text:Rie Shintani)特集『スイートリトルライズ』FEATURE INTERVIEW 中谷美紀×大森南朋■関連作品:スイートリトルライズ 2010年3月13日よりシネマライズほか全国にて公開© 2009 「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:恋愛脚本家が見せる、乙女な素顔狗飼恭子×大森美香“大人の恋愛”トークショー『スイートリトルライズ』矢崎監督インタビュー「映画は理解するのではなく感じる物」中尾彬夫妻、30年前の結婚3年目をふり返り「仕事してた記憶しかない…」狗飼恭子×大森美香トークショー付き『スイートリトルライズ』女性限定試写会に30組60名様ご招待『ニューヨーク,アイラブユー』公開記念恋愛力アップグッズを合計8名様プレゼント
2010年03月02日宮崎あおいと大竹しのぶが角川映画製作の映画『オカンの嫁入り』で初めて共演することになり、東映京都撮影所にて、1月13日(水)に製作第一報を伝える現場会見が行われ、2人揃って出席した。本作は第3回日本ラブストーリー大賞のニフティ/ココログ賞を受賞した、咲乃月音による小説「さくら色?オカンの嫁入り?」(宝島社刊)を映画化した作品。月子(宮崎さん)と陽子(大竹さん)は母ひとり子ひとりで、仲良く支え合って暮らしてきたが、ある日突然、陽子は家に若い金髪男・研二を連れ帰り、彼との結婚を宣言!あまりに突然のことで、母に裏切られた思いの月子は、陽子にも研二にも頑なに心を閉ざす。実は、この母と娘はそれぞれに秘密を抱えており…。母と娘、そして彼女たちを実の家族のように温かく見守ってきた周囲の人々の人間模様が描かれる。クランクインは1月6日。この日で撮影8日目だが、2人の様子は仲睦まじい母娘そのもの!宮崎さんは、初対面での大竹さんの印象を尋ねられ「お話していて“キュンキュン”してしまいました。大先輩なのに、本当にキュートな方で…ドキドキではなくて“キュン”なんです」と表現。全編関西弁での演技となるが、「音を合わせると感情がなくなってしまうし…元々、関西弁はテンポが良くて好きなのですが、難しいです。関西の方に笑われないようにがんばります」と意気込みを語った。さらに「去年はのんびりとしていたので、今年は常に動いている1年にしたいです。この作品を大切にみんなで作って、育てて、きちんとみなさんに観ていただける作品になるようにがんばります」と気合十分。一方の大竹さんは宮崎さんについて「かわいらしいし、意見もしっかり言えて、女優としても女性としてもしっかりしている方だなあ、と思いました」と笑顔で印象を語ってくれた。“嫁入り”ということで、白無垢姿の大竹さんをスクリーンで見られるかと思うと完成が楽しみだが、話を向けられると大竹さんは「とんでもない!」とかぶりを振るも「でも、以前テレビ番組で着たとき、意外に気持ちよくて…。できるだけ(カメラを)引きで撮ってもらいます(笑)」と、照れながらもまんざらでもなさそう?そして「私は舞台もやっていますが、改めて映像の世界が好きだなあと感じたので、この作品が今年の仕事始めにできて嬉しいです。人生っていいなあって思ってもらえる作品にしたいです」と意気込みを語った。メガホンを握るのは、『酒井家のしあわせ』(’06)で各方面から高い評価を受けた呉美保。宮崎さんと大竹さんに加え、話題作への出演が続く桐谷健太に、國村隼らがキャストに名を連ねる。宮崎さん&大竹さん母娘のチャキチャキな関西弁でのやり取りも楽しみな『オカンの嫁入り』。クランクアップは2月5日(金)の予定で、公開は今秋、全国にて。■関連作品:オカンの嫁入り 2010年秋、全国にて公開© 「オカンの嫁入り」製作委員会
2010年01月15日女性から絶大な人気を誇る江國香織の同名小説を中谷美紀×大森南朋という組み合わせで映画化し注目を集める『スイートリトルライズ』の予告編がこのほど初めて公開された。一見、理想的な家庭を築いているかのようで、心のすれ違いを感じている一組の夫婦。それぞれに家の外に心惹かれる相手を持ち、家の中では嘘と秘密を重ねつつも、互いへの愛の深さを確認し合う姿が生々しく描かれる。映画の製作が決定した当初から、江國作品独特の言葉遣いが、生身の俳優によってどのようなトーンでどのように表現されるのか?と注目を集めていたが、今回解禁となった予告編では、妻・瑠璃子(中谷さん)の「恋をしているの。本当は夫だけを愛していたいのに」、「この部屋には、恋が足りないと思うの」などのセリフが登場している。小林十市が演じる不思議な青年、池脇千鶴扮する大学の後輩に、瑠璃子と聡(大森さん)がそれぞれ惹かれていく様子もしっかりと描かれているので、こちらもぜひチェック!ちなみに原作者の江國さんは、映像化された本作について「書いたことではなく書きたかったことを、視覚化されて愕然とした、というのが正直なところです。一体どうしてこんなことができたのかわかりません。小さな、美しい映画」と独特の表現で称賛している。原作者を“愕然と”させるとは、一体どのような作品に仕上がっているのか?『スイートリトルライズ』は2010年3月、シネマライズほかにて公開。こちらの予告編はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:スイートリトルライズ 2010年3月、シネマライズにて公開© 2009 江國香織/「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:中谷美紀、官能&ドッキリ表現「肌の上をなめくじが這うような作品」「変態監督?」大人な秘密の恋をしてみたい俳優、第1位は大森南朋! デップ&ブラピに競り勝つスガシカオが江國香織×中谷美紀×大森南朋『スイートリトルライズ』の主題歌を担当!『スイートリトルライズ』クランクアップ!中谷美紀×大森南朋の自宅写真を独占初公開中谷美紀×大森南朋が夫婦役に!江國香織原作『スイートリトルライズ』が映画化
2009年12月19日女優の中谷美紀が12月9日(水)、東京・スペースFS汐留で行われた主演映画『スイートリトルライズ』の完成披露試写会で、監督・共演キャストと共に舞台挨拶を行い、「肌の上をなめくじが這うような湿度の高い作品」と官能的な表現を繰り広げた。3年間セックスレスの夫婦がそれぞれ別の相手と恋に落ちて逢瀬を重ね、嘘を積み重ねながらも夫婦愛の重さを確かめ合う姿を描く恋愛ドラマで、原作は直木賞作家、江國香織さんの同名小説。中谷さんは、同席した矢崎仁司監督に視線を送りつつ「変態? 天才? 天才監督のもと、毎日悩みながら現場に行くのがいやだなあと思いながら撮りました」と苦笑いでふりかえりつつも、「白子、フォアグラ、このわたの中を這うような、素肌の上をなめくじが這うようなヌルッとした湿度の高い作品。大人の方に楽しんでいただけると思います」と実力派女優らしい表現力で仕上がりに自信。両肩を出すデザインのロングドレスで髪をアップにしたセクシーな魅力でも観客をウットリと魅入らせた。W主演で初共演が実現した大森南朋については「『ハゲタカ』(大森さんの主演作)のファンで持っていたDVDのメイキングを見たら、大森さんが仏頂面でインタビューに答えていたのでお会いするのがいやだなあと思った。でもお会いしたら気さくでテンションが高くもなく、いつもニュートラル。なのに本番に入った瞬間、心からにじみ出る演技をされて魅力的でした」と絶賛。“夫”の大森さんは「ドキッとするひと言を言う、『そこまでいっちゃうのか』という。一瞬現場が張り詰めますが、その後和ませる。不思議な空気を持った人」とお返しした。一方で、今作のテーマにちなみ司会者が大切な関係の男女に嘘は必要? と質問。中谷さんは「嘘を生業とし、いかに嘘を真実に見せるかに命を賭けているので、実生活ぐらいでは正直でいたい、というのとどこまで正直でいていいのか日々考えている」と女優根性と女心をチラリ。大森さんは「嘘は必要だと思います。時にはつくことも優しさ。ひどい嘘、裏切ったりするのは自分も傷つくので嫌ですが、小さい嘘はいいんじゃないかと」と嘘の容認派に一票。劇中の大森さんの浮気相手、池脇千鶴も「嘘も方便で、よく考えて嘘をつきます」。中谷さんの浮気相手役の小林十市も「傷つけない程度の嘘はあってもいいんじゃないかと」と続けた。『スイートリトルライズ』は2010年3月、シネマライズほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:スイートリトルライズ 2010年春、シネマライズにて公開© 2009 江國香織/「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:大人な秘密の恋をしてみたい俳優、第1位は大森南朋! デップ&ブラピに競り勝つスガシカオが江國香織×中谷美紀×大森南朋『スイートリトルライズ』の主題歌を担当!『スイートリトルライズ』クランクアップ!中谷美紀×大森南朋の自宅写真を独占初公開中谷美紀×大森南朋が夫婦役に!江國香織原作『スイートリトルライズ』が映画化
2009年12月09日江國香織の人気小説を中谷美紀×大森南朋という、この世代を代表する実力派俳優2人を主演に迎えて映画化した『スイートリトルライズ』の主題歌が、スガシカオの書き下ろし曲「雨上がりの朝に」に決定した。原作小説は、2004年に刊行され、透明感あふれる文体の中に強烈な“孤独”と“恐怖”を散りばめた名作として江國ファンの間でも人気の高い作品。結婚生活3年目を迎えた夫婦が、それぞれに家庭以外の場で恋をし、小さな嘘を積み重ねつつも寄り添って共に生きていくさまが綴られる。スガシカオさんにとっては、『DEATH NOTE デスノート』に挿入歌として提供した「真夏の夜のユメ」以来、3年ぶりとなる映画とのタイアップ。今回の「雨あがりの朝に」は、スガシカオさん自身が映画を観た上で書き下ろした。映画化に際し、原作の中の「恋をしているの。本当は夫だけを愛していたいのに」、「この部屋には、恋が足りないと思うの」といった女性の心に強く響く、江國さん独特のセリフが映画でどのように再現されるのか?といった声が多数聞かれたが、スガシカオさんによる、軽やかさの中にもどこか切なさを含んだ詞とメロディは、江國作品に通じるものが。スガシカオさんはこの主題歌について「大人になってもうまくいかないことは多くて、自分が思っていた“大人”とはずい分違うなぁ…なんて思ったりして…。そんなことを映画を見ながら感じて出来上がった曲です」と説明。中谷さんは「横断歩道で信号待ちをしながら『君に会いにいくよ』と、思わず口ずさみたくなるような素敵な曲ですね」と曲を聴いての感想を寄せている。美しく切ない大人の恋愛映画のラストにスガシカオさんの艶やかな歌声が響き渡る!『スイートリトルライズ』は2010年春、シネマライズほか全国にて公開。■関連作品:スイートリトルライズ 2010年公開予定© 2009 江國香織/「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:大人な秘密の恋をしてみたい俳優、第1位は大森南朋! デップ&ブラピに競り勝つ『スイートリトルライズ』クランクアップ!中谷美紀×大森南朋の自宅写真を独占初公開中谷美紀×大森南朋が夫婦役に!江國香織原作『スイートリトルライズ』が映画化
2009年11月13日映画『ゼロの焦点』の完成会見が22日(木)、東京・六本木ヒルズアリーナで行われ、主演の広末涼子、共演の中谷美紀が本格初共演の感想を語り合った。2人は2002年放送のTBSドラマ「おとうさん」で4姉妹役を演じて以来、2度目の共演。今年迎えた松本清張の生誕100年を記念した本作では、お見合い結婚の7日後に失踪した夫・鵜原を追って金沢を訪れた禎子を広末さん、その地で出会う会社の社長夫人・佐知子を中谷さんが演じ、演技合戦を繰り広げている。共演した印象を聞かれた広末さんは「サスペンス、ミステリーは人の死や事件が関わり重くのしかかるものがあるので苦手で、好んでは観ない方。今回の台本を最初に読んだときも疲労感ですごくグッタリして、この役を演じきれるかしら?と迷いました。でも中谷さんのキャスティングが決まっていたことが大きく背中を押した。以前、一度ご一緒させていただきましたが、あまり共演シーンがなかったので、今回、中谷さんとお芝居したくてチャレンジしようと思いました。そこに立つだけで現場にいい緊張感が漂う、体温の伝わる女優さんです。中谷さんの前に立つだけで感情が持っていけるので、委ねて任せきりでした」と大絶賛。隣で聞いていた中谷さんは「その言葉をそのままお返ししたい。涼子ちゃんは天才肌で集中力がすごく、羨ましい。私は素人っぽくて本番前に感情を整えたりする作業をしますが、涼子ちゃんは一瞬で変わる。目を見ていれば感情を引き出される。『どこまでも付いていきます』という感じです」と“ラブコール”を返した。一方、物語に因み、何かちょっとした秘密を告白してください、と司会者から注文が。広末さんは「高校生の頃、立ち食いソバ屋に入ったこと、ワイルドブルー横浜で泳いだことがなぜかバレて、事務所の社長からすごく怒られた。『君はいるようで、そこに存在しちゃいけないんだ』と。以来立ち食いソバ屋には入っていません。でも、もういいですかね?」と照れ笑い。犬童一心監督から「立ち食いだからかな?広末涼子が立ち食いなんてってこと?中谷さんは吉野家入ったことある?」と尋ねられ、中谷さんは「私、肉を食べなくなって4年くらい経ちますが、以前は入っていましたよ」と気さくな調子で答えてみせた。男性キャストを代表して出席した野間口徹は、秘密について「10年くらい前、トイレでボールペンを流したら、数日後アパート全体のトイレが詰まり、その後大家さんが取り壊すから出て行ってくれ、と。ボールペン1本で8人が追い出されました。告白というより懺悔です」と苦笑い。同じ共演の黒田福美は「小学校2年生のとき、苦手だった社会のテストで20点をとり、親に見せられなくて原っぱの隅っこに埋めました。この話、まだ母親には言っていません」とうつむき、揃って観客、共演陣を爆笑させていた。本作はこの日、現在開催中の東京国際映画祭で招待上映され、初めて一般客に披露された。上映前には広末さんらが舞台挨拶を行い、美の競演でもファンを沸かせた一方で、中谷さんが舞台挨拶中に体調を崩し、自ら降板するという一幕も。貧血だったようで、舞台袖で休息しその後、自分の足で会場を後にしたということで、大事には至らなかった模様。『ゼロの焦点』は11月14日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)東京国際映画祭2009特集■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催ゼロの焦点 2009年11月14日より全国東宝系にて公開© 2009「ゼロの焦点」製作委員会■関連記事:【TIFFレポート】辻仁成が率いるバンドZAMZA登場!往年の名曲「ZOO」熱唱【TIFFレポート】辻仁成、不在のアントニオ猪木と支えになった家族への感謝を吐露【TIFFレポート】井上真央、岡田将生のエスコートに合格点!【TIFFレポート】矢沢永吉が人生初の舞台挨拶!30年前の自分に「生意気なヤツ」【TIFFレポート】川村陽介&ダンテ・カーヴァー箱根のゴールの瞬間の顔は素?
2009年10月23日中谷美紀と大森南朋を主演に迎え、江國香織の人気小説を映画化した『スイートリトルライズ』が無事、クランクアップを迎えた。先日のクランクアップ直前に、撮影現場に潜入!さらにこのほど、映画の新たな場面写真も到着。嘘と秘密を積み重ねつつ、共に歩む夫婦を演じた中谷さん、大森さんの姿が初めて公開された。撮影も佳境に差し掛かった6月中旬、訪れたのは主人公の瑠璃子(中谷さん)と聡(大森さん)が住むマンション。東京・五反田にある6階建てのマンションをビルごと借り切って撮影は行われていた。2人が住む岩本家の一室は、外観の古ぼけた感じからは全く想像つかないほど見事なセットが組まれていた。瑠璃子のテディベア作業机のあるリビングとキッチンがつながるダイニング。十数体のテディベアが並べられた2人の寝室に1人閉じこもりゲームを楽しむ聡の部屋。淡いブルーやグリーンを配色した部屋にはアンティーク調の家具が並べられ、テディベア作家の瑠璃子らしいハンドメイドの趣あるセットが美術・装飾の手によってゼロから作り上げられていた。この日、撮影が行われていたのは瑠璃子と聡の朝食のシーン。瑠璃子が食卓に差し出したポーチドエッグを見て「これが食べたいとずっと思ってたんだ」と言う聡に対して「私たち、気持ちがちゃんとつながっているのね」と返す瑠璃子。一見、何気ない会話のように見えて、静かな朝の風景に2人の間の微妙な緊張感が感じとれるシーンだ。中でも鍵となるのは「一緒に眠って一緒に起きて、どこかに出かけてもまた同じ場所に帰るってこと。大切なのはそのことだと思う」という瑠璃子の孤独が見え隠れする意味深なセリフ。ちなみに本作にはこれ以外にも、「恋をしているの。本当は夫だけを愛していたいのに」、「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」など、原作そのままのセリフが度々登場し、江國香織の繊細で美しい世界観が映画で表現されている。監督を務めるのは『ストロベリーショートケイクス』の独特な空気感が印象的だった矢崎仁司。本作でもまた、夫婦の間の距離感をどう映像として表現するのかに期待と注目が集まる。監督の細部に至るまでのただならぬこだわりは、撮影現場を見れば容易に見てとれる。そして、中谷美紀と大森南朋こそが、そんな彼の要求に応えうる役者なのである。監督は2人について、こう語ってくれた。「中谷さんは、初めて会ったときに『瑠璃子だ』と直感しました。中谷さんが醸し出す“品”のようなものが『瑠璃子に会えた』と思わせたのだと思います。大森さんについては、彼の持つ静けさ、他人と一線を画す距離感みたいなものが、聡の孤独と重なると感じました。孤独をまとっているこの2人の夫婦を見てみたいと思いました」。『スイートリトルライズ』は今秋の完成を目指しており、公開は2010年を予定。まさに現在編集中という段階にあり、これまで、ほとんど写真も明かされていなかったが、このたび、シネマカフェが写真を独占入手。岩本家のベランダで瑠璃子が遠くを見つめ、聡がその姿を優しく見つめるシーン(写真上)のほか、2人の朝食シーンなど、合わせて4枚の写真が到着、シネマカフェ内の『スイートリトルライズ』特集にて公開中。特集『スイートリトルライズ』撮影現場フォトアルバム■関連作品:スイートリトルライズ 2010年公開予定© 2009 江國香織/「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:中谷美紀×大森南朋が夫婦役に!江國香織原作『スイートリトルライズ』が映画化
2009年07月17日