13年ぶりに復活した篠原涼子主演「ハケンの品格」の第4話が7月8日放送。杉野遥亮演じる超ヘタレ新入社員・井出の成長を描いた今回のエピソード。春子とともに冷凍庫に閉じ込められた井出がみせた優しさに視聴者からは様々な声が寄せられている。本作は篠原さん演じる語学堪能、あらゆる資格を保持、超高額時給で派遣される“スーパーハケン”の大前春子を主人公にした伝説的お仕事ドラマの13年ぶりとなる新シーズン。春子役の篠原さんのほか、以前は「S&F社」のマーケティング課主任だったが、今は営業事業部営業企画課・課長となっている里中賢介に小泉孝太郎。かつては春子に恋心を抱いていたが、現在はS&F旭川支社で支社長補佐を務める東海林武に大泉洋。13年前は新入社員だったが今や主任に昇進した浅野務に勝地涼。パソコンスキルが高い派遣から遣会社・ハケンライフの正社員となった近耕作に上地雄輔。そして今シーズンから参加する新入社員、井手裕太郎に杉野さん。三田貴士に中村海人(Travis Japan/ジャニーズJr.)。派遣としてS&Fで働く福岡亜紀に吉谷彩子。新人ハケンの千葉小夏に山本舞香。S&F営業事業部の部長、宇野一平に塚地武雅。S&F新社長の宮部蓮三に伊東四朗といったキャスト。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。超“ヘタレ”新入社員の井出が自宅のゴミを会社でこっそり捨て、春子から注意を受けるが、井出はS&F社の最重要取引先「テイスト・オブ・ライフ」創業者で社長の美香(キムラ緑子)の三男で、コネ入社だったため、宇野は春子に「新入社員の教育は社員の役目」だと釘を刺し、井出と三田を“飲みにケーション”に連れていく。そのあおりを受け亜紀と小夏が、井出が明日の営業で配る予定のサンプル品を準備することに。それを持って初の営業に向かう井出と三田だが、実はサンプル品には表記に問題があるものがあり、間違えてそれを取引先に配ってしまう。宇野からの飲み会強要や会社のなかで働くことに疑問を感じ、会社を辞めたいと考えていた井出は、責任を感じて回収品の整理に向かうのだが、それを追った春子とともに倉庫に閉じ込められてしまう。しかも運悪く美香が息子の働く様子を見学に来社していた…というのが今回のストーリー。落雷による停電で冷蔵倉庫に閉じ込められてしまった春子と井出。極寒で震える春子に井出は自らが羽織っていた上着をかける…超ヘタレな井出が見せた優しさに「今の井出くんキュンです何だけど」「井出くんかっこいいじゃん」「井出くん完全に恋だな…ジャケット掛けてくれるのめちゃ優じゃない…?」などの声が上がる。また「今回のストーリーでちょっと井出君の好感度上がっちゃう」「井出君の人間としての優しい部分が現れる話の流れだから普通に好感度は上がるやん」など、今回のエピソードで井出の評価が上がることを期待する反応もSNSに投稿されている。(笠緒)
2020年07月09日『それでもボクはやってない』の周防正行監督が愛と死に直面した人間の姿を法律のあり方と重ねて描いたラブ・ストーリー『終の信託』の、“教えて、周防監督!”ティーチイン試写会が11日、横浜ブルク13で行われた。その他の画像映画は重度の喘息患者の願いを聞き入れ、延命治療を止めた女医が検察に追及される姿を通して、終末医療や検察の取調べの問題点を浮き彫りにしながら女医と患者の切実な愛を描いたもの。当日は詰めかけた熱心なファンから、濃密な映画を観賞した直後だというのにティーチインの表題に相応しい素晴らしい質問が次々飛び出し、登壇した周防監督が嬉しそうに丁寧に答えている姿が印象的だった。最初の男性の質問「『それでも…』も本当に冤罪だったのかどうかを巧妙に避けていましたが、今回も女医の発言が本当に正しいのか? やっぱり巧妙に避けているように思いました。その狙いは?」から核心をついたものだった。それに対して「『それでも…』はよく痴漢冤罪の話と言われますが、あれは痴漢裁判の話」と監督。「今回も前半が女医の回想である以上、彼女が患者に投与した薬の量が本当に正しかったのかどうかは分からない。でも、実はそこに僕の深い意図があって。ミステリー映画では真実が観客に示されるけど、現実ではそれは絶対あり得ない。本当は当事者しか分からないし、当事者だって勘違いをする可能性があって、僕らはそういう曖昧なところで人を罰している。だから僕は敢えて、この2作は、本当は何があったのか分からないという形で物語を考えました。それが、人が人を裁くことの難しさ、厳しさを伝えることになると思ったからです」その後も密室で取調べる検察のシステムの問題、患者と医者と家族の理想的な関係の話から、遺された家族の描写に関する繊細なこだわり、劇中で流れるプッチーニのオペラに込められた想いなど、興味深い話題が連続。そして最後の周防監督の言葉「映画は監督のものではなく、観た人のものだ」がまた深く心に響く。「いま、みなさんがご覧になって感じたこと。それがこの映画のすべてです」。そこには、映画の本来の“想像することの楽しみ”をもっと知って欲しいという周防監督の願いのようなものまで感じられた。『終の信託』公開中取材・文:イソガイマサト撮影:井出絵里奈
2012年11月16日