お笑いコンビ・キャイ~ンの天野ひろゆきが30日、一般女性との結婚を発表した草なぎ剛をツイッターで祝福した。草なぎはこの日、婚姻届を提出。所属事務所を通じ、「これからも、今までと変わらぬスタンスで仕事を続けていきたいと思っておりますので、皆様にも応援していただけるよう、日々精進してまいります」とコメントを発表した。天野は相方・ウド鈴木と共に撮った思い出のスリーショットをアップし、「うぉー、今つよぽん結婚!」と興奮。「こんな嬉しいサプライズは、なんぼあってもいいですからね」と喜び、「本当におめでとう」とメッセージを送った。天野が投稿した写真は、昨年11月に草なぎが行ったライブイベント「草なぎ剛のはっぴょう会」後の一枚。当時のブログでは会場まで足を運んだことを明かし、「歳をとると、失敗を恐れたり、なるべく恥をかきたくないという気持ちが強くなり、次第に自分で挑戦を諦めたり、限界を決めたりしてしまうものだ」「しかし、つよぽんにはそれがない」「その姿を見ていたら人生を楽しんで生きてるかい?とお尻を叩かれたような気持ちになったりした」と感想をつづっていた。
2020年12月30日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第53回>数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】在宅勤務で同僚とのコミュニケーションの取り方に悩んでいます。私の会社はコロナ禍でテレワークが本格化し、今ではほとんどの社員が自宅で働くようになりました。それ自体は、往復1時間の通勤がなくなるなど嬉しいこともあるのですが、一方で同僚とのコミュニケーションが取りづらくもなって……。今までは相手に余裕がありそうな時を狙って雑談をしていたのですが、テレワークになってからは仕事に関係のある話しかしなくなりました。一応、パソコン上には顔を見ながら話せるオンライン休憩室もありますが、わざわざ休憩時間を合わせてまで話すことでもないので、いまいち活用はできていません。雑談が仕事に直結するというわけではないのですが、そうした他愛のない話を通して相手との信頼関係を維持していたところもあったので少し困っています。玉置先生ならこういうとき、どうやって相手とコミュニケーションを取りますか。(48歳・男性・会社員)【回答】あの〜……。雑談って仕事に必要なコミュニケーションなのでしょうか。もし私だったら、余裕がありそうなそぶりを見せるとすかさず狙って雑談をふっかけてくる同僚や上司がいたら、間違いなく逃げ出しますけれどね。「他愛のない話を通して相手との信頼関係を維持していた」と思っているのは、あなたです。雑談で気分が落ち着いて、相手との信頼関係が維持できているといい気分になって、仕事が円滑に回っていると満足する。それぜんぶあなたのフレーム(価値判断基準)を通してみた世界のありようなのですが、果たして、お相手の方々はいかがでしょうか。みなさんあなたと同じフレームをもって世の中をご覧になっているのかしら。オンライン休憩室にどなたもいらっしゃらないのが、その答えのような気もします。人と人との信頼関係というのは、雑談ごときの長短に左右されるものではないと思います。どんなに距離が離れていようとも、どんなに長く声を聞かずにいようとも、そのことでどうにかなる間柄なら、そこには信頼関係など最初からなかったのでしょう。2020年を呑み込んだコロナ禍。私たちはたしかに大きな打撃を受けました。しかし、「禍」ばかりではないとお思いになりませんか。さまざまなことを変えざるを得ない状況の中で、私たちはより「本質」を見る力をつけさせてもらっていると感じています。働き方、学び方、人間関係、家族の在り方、そして生き方、死に方。これまであたりまえのようによく考えもせずやってきたことを、ひとつひとつ見直す絶好の機会になっていると感じるのです。あなたのお困り事もその一つ。これを機に信頼関係とはいったいなんなのか、秋の夜長にじっくりと考え直してごらんになってはいかがでしょうか。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、ニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年12月04日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談< 特別編(2)>「看取り」について発信し続け、悩み相談の名手としても知られる看護師・僧侶の玉置妙憂さんが、新刊『心のザワザワがなくなる比べない習慣』の発売を記念して、コラムニストの辛酸なめ子さんとトークイベントを開催!先週から2週にわたって連載特別編として、その対談の内容を紹介しています!今週はコロナ禍が揺さぶった看取りの在り方についてお二人が話し合いました。■「自分にとってのベスト」を見つけることの大切さ辛酸なめ子(以下、辛酸)「いま、コロナで仕事の仕方や日常生活が大きく変わってしまってつらい、という方も多いようなんですけども、妙憂さんのお仕事はどうですか?」玉置妙憂(以下、玉置)「私は普段は看取りの現場にいるんですけど、やっぱり影響を受けました。緩和ケア病棟は、毎日家族がお見舞いに来て、できるだけ長い時間一緒にいるもの。そうするのが看取り。というイメージが皆さんにあったと思うんですけど、それが無理やりな力でできなくなりました。『ご家族も面会できません』という事態になっているのは、皆さんご存知だと思います」辛酸「『看取りに立ち会えない』問題があると聞き及んでおります」玉置「病室には入れないので、画面越しに看取るということはありますね。病院によっては、最期は入っていただいたりするところもあるようですが」辛酸「病院によっても対応は異なるということですね」玉置「『看取りに立ち会えない』ということは医療現場にとって問題ですし、ご家族や患者さんにとってつらいし、悲しいことです。けれど、ここからあえて、あえて学びを得ようとするならば、『いままでと同じではないやり方』を問われている機会でもあると思うんですつまり、いままでは『定番』としてこうするのが普通だよね。と、私達が錯覚していたことが全然普通ではなくて、しかも全然それがベストでもなくて、それぞれの人がそれぞれのやり方で自分自身のベストなやり方を探す機会を貰ったような気がするんです」辛酸「看取りも、コロナ以前にも、『臨終の場面に全員が全員集合しなくてもいいのではないか』『亡くなる際をみんなに見てもらわなくてもいいのではないか』と心の中で思っていた方もいるかもしれませんよね」玉置「そう考えていたけど、これまでとても言い出せなかった方もいらっしゃいますよね。実際に、あるおばあさまが亡くなる、もう少しですねって話になりまして。そうしたら一族郎党集まってこられて、ベッドの周りに鈴なりなんです。『おばあちゃんありがとう』と。ところが、こう言っては失礼かもしれませんが、あえて表現すると、おばあちゃん“頑張る”んですよ。そうすると周りにいた人たちが、一人二人と欠けていくんですね。『すみません、どうしても仕事が抜けられなくて』とか、『ちょっとシャワーだけ浴びてきます』とか。ひとり欠け。ふたり欠けて、誰もいなくなったらすっと逝かれた、ということもありました」辛酸「周りでずっと見られているのが気になられたんでしょうね。死に姿を見られたくない、というプライドを感じさせます」玉置「おっしゃるとおりですね。誰もが周りに見守られて逝きたいというわけではないと思うんですよ。ひとりで亡くなることを『孤独死』と言ってすごくいけないことのように、「孤独死にならないように」と言いますけれども、孤独死じゃなくて孤高死かもしれないですよね」辛酸「ひとりでそっと亡くなりたい方も、みんなに見送られたい方もいろいろでいいということですよね」玉置「そうです。ところがこれまでは、何十年も生きてきて幸せなこともあったでしょうし、いい思いもされてきたのに、最期の亡くなった姿だけを見て「不幸な孤独死」と言っていた。それは、私たちがすごく失礼だったと思うんです」辛酸「一説によるとひとりで亡くなる方のほうが早く成仏できるとか」玉置「『逝かないで』と現世に引き留める人がいないからでしょうか?」辛酸「そんなことを聞いたことがあります」玉置「そう言われると、そうかもしれない。このように、私は『コロナで看取りに立ち会えなくなった』ということも事実なんですけど、反面、コロナで『看取りの方法が多様化した』とも言えると思うんです。ですから、いろいろ難しい問題はあるのですが、それぞれの人がそれぞれのいいと思うものをもう一回見つけ直してくださいという機会でもあるのではないでしょうか。自分にとっていいもの、ベストなものを見つけたら、人と比べてねたむことは減ると思うんです。これを本の中では『自分の軸を持つ』と説明しているのですが。」辛酸「コロナという災厄を通して、多様な価値観があることに気づければ、自分の軸を持つ第一歩になるのかもしれません」【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、ニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。辛酸なめ子(しんさんなめこ)漫画家、コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。恋愛からアイドル・スピリチュアルまで幅広く執筆。著書に『大人のコミュニケーション術』(光文社新書)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎文庫)、『霊道紀行』(角川文庫)、『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)などがある。
2020年11月20日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談< 特別編(1)>「看取り」について発信し続け、悩み相談の名手としても知られる看護師・僧侶の玉置妙憂さんが、新刊『心のザワザワがなくなる比べない習慣』の発売を記念して、コラムニストの辛酸なめ子さんとトークイベントを開催!そこで、今週から2週にわたっては連載特別編として、その対談の内容を紹介していきます!今週は「つい比べてしまう人」へ向けて、お二人が“処方箋”を送りました。■臨終の現場にも現れる「比べて妬む」人たち辛酸なめ子(以下、辛酸)「いま、コロナで仕事の仕方や日常生活が大きく変わってしまいつらい、という方も多いようなんですけども、妙憂さんのお仕事はどうですか?」玉置妙憂(以下、玉置)「私は普段は看取りの現場にいるんですけど、やっぱり影響を受けました。緩和ケア病棟は、毎日家族がお見舞いに来て、できるだけ長い時間一緒にいるもの。そうするのが看取り。というイメージが皆さんにあったと思うんですけど、それが無理やりな力でできなくなりました」辛酸「『看取りに立ち会えない』問題があると聞き及んでおります」玉置「病室には入れないので、画面越しに看取るということはありますね。病院によっては、最期は入っていただいたりするところもあるようですが」辛酸「病院によっても対応は異なるということですね」玉置「そうですね。そうすると、ここでも比べるという気持ちが入ってきてしまうんですよね。『あの病院は看取れるのに』というクレームが入るケースもあるようです。私がいる病院では、緩和ケア病棟は面会の時間を30分取り、一般病棟は全くゼロという時期もあったんです。そうすると、『あの方は3日前にも来て、30分超えても滞在してましたよね?だったらうちもいいですか?』とか、『緩和病棟の患者さんばっかりずるい』とか、そういうふうに比べる方もいらっしゃったりするんです。大切なご家族のそばに一秒でも長くいたい気持ちはすごく分かるんですけど、ご状況が少し違うわけじゃないですか。生死の境にいらっしゃる方と、回復の見込みが高い治療中の方だと違いが出るんですけど、「平等にしてほしい」となるわけです。でも、そうなるとすごく苦しいですよね。本当は。比べて同じようにしてくださいって言ってしまうと、今度、ご自分のところが切迫した状態になったときにも、その例外を認められないこともあり得るわけではないですか?」辛酸「条件が厳しいほうに合わせると、そうなりますね」玉置「ですから、看取りの現場と日常生活を全部同じには言えないですけど、『人に厳しくする』『比べて厳しくしちゃう』ということは、それが自分にも返ってくると私は思うんです」辛酸「自粛警察も、そうですね。人を厳しく戒めると、結果的に自分の自由も制限されるという」■コロナ疲れ撃退には「新しい流れ」に乗ることも大事辛酸「私たちはいままで、自分たちが思う以上に『普通』や『常識』に囚われてきたのでしょうか。でも、コロナによって囚われから解放されると」玉置「そうなんです。そしてコロナ禍のポイントは、そういう状況に強制的になったということですよね。出社なんて最たるもので、いままではこれに沿っていれば間違いはないと思ってた価値観からぽんと放り出されたということですよね。そうするとやっぱり迷い始めますよね?」辛酸「そうですね。突然なくなる戸惑いはあるでしょうね。私は出社はしませんけども、海外取材やパーティが突然なくなって、戸惑いはありましたね」玉置「いままでと違うので、最初はどうしていいかわからなくなったり、恐れを感じたり、やる気が無くなったり。ひどいと体調も悪くなったりとか。そういうような出方をしてモヤモヤなさっているのが、いまの皆さん、「コロナ疲れ」の状態だと思うんですね」辛酸「そうですね。ですから「早く元に戻らないかな」と思う方も多いと思うのですが、元に戻るでしょうか?」玉置「多分元には戻れないですよね?どう思います?」辛酸「そう思いますね。もう全部が元には戻らないような気が……」玉置「たとえばリモートワークだって、コロナ収束の見通しが立っても、『じゃあリモートやめて、全員出社』というふうにはならないと思います。万物は、絶対的に流れている時間の中でどんどんどんどん変わっていくわけじゃないですか。だからまた過去に戻らないで、違う形になっていくと思うんです」辛酸「また印鑑に戻そうとか、ならないですよね?多分」玉置「そうですね。だからこそいまは変化の時期だと思うしかないですよね。コロナの状況をつらいな、嫌だなと思っていらっしゃる方もいると思うんですけど、逆に新しく生まれるタイミングだと、思うこともできるんじゃないでしょうか」辛酸「では、早く元に戻ってほしい、疲れる……と思うのだったら、新しい流れに乗ってみるのもありだと」玉置「そうですね。それができれば、多様なあり方を認めることができるので、いろいろなことを人と比べなくなると思いますよね」辛酸「コロナによって生まれた多様性ですね」玉置「やっぱり、自分のこともOKだったら人のこともOKだし、あの人がOKなことが私にとってOKじゃないっていうのもありだな、ということが分かってくると、いまよりもっとずっと精神的に穏やかな、そして豊かな世界になる可能性があるんじゃないでしょうか」【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、ニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。辛酸なめ子(しんさんなめこ)漫画家、コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。恋愛からアイドル・スピリチュアルまで幅広く執筆。著書に『大人のコミュニケーション術』(光文社新書)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎文庫)、『霊道紀行』(角川文庫)、『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)などがある。
2020年11月13日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第47回>TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】保育園に通うひとり娘がなかなかうまく言葉を喋れなくて悩んでいます。私の娘は今年で2歳になりますが、周りの同じ年ごろの子たちと比べて喋り方がかなり拙く、私も気にはかけていました。でも先日、自治体の健康相談室の人から「普通と比べてかなり話し方の成長が遅いですね。たくさん話かけてあげてください」と、はっきり言われてしまって……。両親からも病院に連れていったほうがよいのではと、しょっちゅう言われるようになりました。私としては、自分なりに仕事以外の時間は娘と接して、いろいろ手を尽くしているつもりだったので、育児の至らなさを責められているようでなりません。こんな気持ちをどう整理すればよいでしょうか。また娘を病院に連れて行ったほうがよいのでしょうか(36歳・女性・会社員)。【回答】ご相談くださって、ありがとうございます。ご心配のあまりこんがらがってしまっているところもあると思うので、整理していきましょう。まずは、「普通と比べて」ということですが、もともと子供の成長には個人差がありますからね。なにをもってして「普通」とするかは難しいところがあります。まずは、そこをふまえておきましょう。次に、とはいえなにかあるのかもしれませんから、医者に相談してみるのはよいことだと思います。万が一なにかあったような場合には、対処が早ければ早い方が良いということもありますから、気軽に相談してみてください。私は看護師で病院にいましたけれど、こういったご心配で受診なさる親子さんはたくさんいらっしゃいましたよ。そして、「子どもがなかなかうまく喋れない=母親の育児に問題がある」ではないことをしっかりわかってください。あなたの耳が、そうねじ曲げて聞いてしまっているだけです。ご両親様だって、かわいいお孫ちゃんのことを思って受診を勧めてくださっているだけですよ。それなのに、「至らなさを責められている」と思って聞いてしまうと、それを認めることになりそうで、なかなか病院にも行きづらいでしょう?子育て中のお母さんは子どもを守りたいばっかりに、時に視野が狭くなって自分で自分を追い詰めてしまうことがあるようです。孤軍奮闘。全責任を自分がとらなきゃならない、すべては自分のせい、みたいなね。でも、丸投げできることはしちゃいましょう。医者に頼れることなら医者に。そのほかのことだって、どんどん身近にいる人の手を借りちゃいましょうよ。だって、育児なんてね、我が子を「かわいい!」と思ったらそれだけでパーフェクトですから。まずは、肩の力を抜きましょう。深呼吸して。大丈夫。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年10月09日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第46回>TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】学生のころにいじめをしてしまった記憶に苛まれています。私は中学生時代にいじめグループに所属していたことがあります。当時の私は、自分が無視されてしまうことがほんとうに怖くて、自分が標的にならないようにと、同じクラスの子を集団で無視したり、筆箱や上履きを隠したり、影で悪口を言ったりと、いじめに加担していました。その結果、標的となった彼女は不登校になったのち、別の学校へ転校。その後どうしているのかは全くわかりません。それから20年ーー。私は結婚して子どもができたのですが、子どもを見ていると、何であんなことをしてしまったのかと、後悔がどっと押し寄せてきています。こんな私にいまできることは何かありますでしょうか。(34歳・女性・主婦)【回答】そうですか。いじめる側でしたか。愛おしい子を待つ身となって、その時のことを後悔されていらっしゃるのですね。私は、いじめる側といじめられる側は対極にあるように見えて実は同じだと思っています。どちらも道の端っこから転がり落ちてしまっているという点では、ですけれども。でも、若く経験の足りない頃は自分の歩いている位置がわからないので、どこが端っこか見当がつかず、うっかり落ちてしまうことがしばしばあります。何度も何度も落ちているうちに、「あぁ、ここが端っこだ」とわかるようになり、落ちないように真ん中を歩くことができるようになるのです。いじめに加担しなければ自分がいじめられる側になってしまうと思って、いじめる側だったあなたには、両者が同じということがよくおわかりいただけるのではないでしょうか。20年たって、そのからくりがようやく腹に落ちたのですね。さて、こんな私に今できることはあるか。いろいろあると思います。こうやって質問してきてくださるほど深く考えることも「できること」でしょう。我が子を見守り、必要であれば経験から得た助言をすることも「できること」でしょう。経験したからこそわかる当事者の気持ちを活かして、いじめ問題に取り組むことだってできると思います。ただ、なかったことにすることはできません。誰かに許しを請うのも、違うような気がします。やってしまったことはやってしまったこととして、後悔の念に七転八倒しながら、一歩でもまっとうな人間に近づけるように日々精進していく。もう二度と道を踏み外さないようにしっかり真ん中を歩いていく。それが、一番重要な「できること」のような気がします。彼女、幸せになってくれているといいですね。彼女の人生が、豊かで、穏やかで、順調でありますように。私も祈ります。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年10月02日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第45回>TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】最近、弟夫婦の暮らしが心配でなりません。義妹の母は以前の病気の後遺症で、1人で自由に出歩くことができません。父も認知症を患っているようで、生活のサポートが必要です。そのため義妹は仕事と家事の傍ら、休みのほとんどを2人の通院や日々の買い物のサポートに当てています。一方で、私の弟とはというと、仕事以外なにもしません。家事を手伝うことはなく、休みの日も趣味に明け暮れてばかり。また、弟夫婦は90歳近い私たちの母とも暮らしているのですが、弟は母の世話はもちろん、話し相手になることもありません。それでも義妹はとても前向きな性格で周りに不満を漏らすことはなく、母も身の回りのことは自分でできているので、いまは何とかなっています。ただ、義妹の負担や母の寂しそうな様子を見ると、この先がとても心配で……。弟夫婦の問題なので、気安く口出しするのもあれなんですが、もう少し弟に積極的に向き合ってほしいと思っています。自分はどういう風に関わっていけばよいでしょうか。(61歳・女性・会社員)【回答】義妹さんの負担がご心配で、なんとか弟さんに変わって欲しいと思っていらっしゃるのですね。そのお気持ちは伝わってきました。でも、残念ながら人を変えるということは、私たちには120%できません。人は変わるけれど、変えられないのです。こちらがいくらあれこれ気を揉んだところで、弟さんご自身がそう思わなければ変わりません。だから、弟さんを変えようという方法は、早々にあきらめましょうね。今のところ、義妹さんからのSOSも出ていないようですね。ご両親に加えて義母さまの面倒まで見ていらっしゃるのですから、本当に大変なことと思いますが、持ち前の前向きな性格でこなしていらっしゃる。たいしたものです。救援信号が出ていないとなると、あなたのご心配は杞憂である可能性もあります。さて、これからどういう風に関わっていけばよいのか、とのことですね。ものすごく短絡的で恐縮なのですが、義理の妹さんを手伝いに行ってさしあげればよいのでは?「弟夫婦の問題なので気安く口出しするのもあれ」とのことですが、こうやってもうすでに首を突っ込んでいらっしゃるわけですから、ね。お母さまが寂しそうだと感じていらっしゃるなら、お話しをしに訪ねてみるのもよいでしょう。なんとなく、それが憚られるご状況がおありなのでしょうか。もしそうだとすると、問題は弟さんではなく、義妹さんとあなたとのご関係ということになるかもしれませんね。きっといろいろな背景がおありでご苦労の多いことと思いますが、最後に、ひとつの言葉をご紹介させてください。「菩提心を因となし、大悲を根本とし、方便を究竟となす」これは弘法大師空海の教えで、意訳すると“人のためという気持ちで愛に基づき行動することこそが一番大事”という意味になります。この言葉の中にこれからの関わり方のヒントがあれば幸いです。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年09月25日お笑いコンビ・キャイ~ンの天野ひろゆきが13日、YouTube公式チャンネル「キャイ~ンのティアチャンネル」で、さんまとダウンタウンを前にしたときの緊張感の違いについて語った。「芸能界30年キャイ~ン、ダウンタウンさんとの思い出を語ります!!」と題した動画で、天野は、「いつも思うんだけど、ダウンタウンさんの前では、『こいつ面白くない』って思われたくない気持ちがものすごい出てくるの。だから、普段だったらポロッと軽く言えそうなことが言えなかったりするわけ。ここは絶対来るっていうときにしか発言できないし、蛇ににらまれた感じがあるのよね」と、ダウンタウンに対する気持ちを告白。一方で、「さんまさんとかは、『この人に面白いと思われたい』っていう気持ちが出るから、積極性が出るわけ。何とかしてくれるっていう安心感もあるし」と言い、「でもダウンタウンさんのときは、『この人たちに面白くないって思われたら嫌だな』っていう気持ちの方が勝つから、結局、初めて出会ったときと同じくらいの距離感だと思う」「こんなに会っても、いまだに緊張する方々」と、バラエティ番組『リンカーン』(TBS系)で長年共演しているにも関わらず、距離が縮まっていないことを明かした。さらに、ダウンタウンの松本人志に関して、「面白いことしか言えない病気だと思う」とポツリ。あるとき、フォークが曲がる手品を見た出演者たちが「うわーっ!」と驚くなか、松本だけが驚く前に、「スパゲッティ食べにく」とつぶやいたそうで、「驚くことができないんだと思って。笑いの方の脳が勝っちゃうのよ。驚かされたよりも、『面白いことを言わなきゃ』がフル回転なんだよね」と、松本のお笑いへの執念に感嘆した様子だった。
2020年09月17日お笑いコンビ・キャイ~ンの天野ひろゆきとウド鈴木が13日、YouTube公式チャンネル「キャイ~ンのティアチャンネル」に出演。「芸能界30年キャイ~ン、ダウンタウンさんとの思い出を語ります!!」と題した動画内で、ダウンタウンの浜田雅功と初めて会ったときのエピソードを披露した。「浜田さんと一番初めに会ったのが、すごく印象に残ってて」という天野。テレビ番組のロケで浜田がいるスタジオに行くことになり、気合いを入れてドアを開けたところ、「天野!」「オイッ!」と声をかけられたそうで、「気づいたら俺、正座してたよ。ビックリした。自分でがなんで正座してるのか分からなかったよ」と思い出して苦笑い。ウドから「俺には土下座に見えたね」とツッコまれると、「土下座兼正座だったね。怖かったわ~。何されたわけでもないのよ」と振り返った。また、ファンクラブに入るほどダウンタウンに憧れていたというウドが、「俺はすごく会いたかったね」と言う一方で、天野は、「我々第4世代、ナイナイとかそこらへんは、ダウンダウンさんと一切絡みたくなかったんですよね。絡みたくないというか、いないもんだと思って過ごしてましたよ。とにかくダウンタウンさんに会うのが怖かった」「あんな瞬時に土下座したことないくらい、怖いというか。とんねるずさんとかもそうなんだけど、あまりにも大き過ぎて、いないもんだと思って。『僕たちはのびのび行こう!』って思ってたから」と、当時の心境を吐露。それでも、初めて会えたときは「うれしかった」ようで、「若手の頃に本を書いてるんですよ。三村さんとかやべっちとか、浜田さんのツッコミがいかにすごいかっていうのを書かせてもらって。そうしたら、浜田さんが読んでくれてて。『書いてくれてたな。ありがとな』って」と、優しく声をかけてくれたことを告白。さらに、初対面する前には、テレビ番組で、浜田が「キャイ~ンのポーズを連発してくれてた」ことを明かし、「松本さんが横で『それなんやねん!』って言ってたけど、『今、来てんねやー』みたいな感じで浜田さんがやってくれてて」と、後輩思いの一面に感激した様子だった。
2020年09月16日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】次女のスマホの使い過ぎをやめさせることができません。高校生の娘は本当に四六時中、スマホを片手に持っていて、トイレに行くときもお風呂に入るときも、スマホを手放すことができません。みかねて「我が家のスマホルール」を作ったのですが、守ってくれることはほとんどなく、友人家族のやり方を参考にしたり、インターネットで調べた方法を試したりもしましたが、まったく効果はありませんでした。この状況に妻はかなりイライラしているようで、私たちの目を盗んで娘がスマホを使っていることに気づくと、露骨に口数が減り、家の中がギクシャクします。ただ、娘にとってスマホが大事なコミュニケーションツールということもわかっているので、思春期の娘の気持ちもないがしろにしたくないと思っています。みんなが幸せになれる効果的な方法はないのでしょうか。(49歳・男性・会社員)【回答】うーん……四六時中スマホ。母としてご心配のあまり奥さまがイライラするお気持ち、察するに余りあります。そして、間に立ってなんとかみんなが幸せになれる効果的な方法はないかとお考えになっているあなたさまのご心労、いかばかりか。我が家にも娘さんと同じ年ごろの愚息がおりますが、やっぱり息をするように一日中スマホをいじっています。ただ、それは、時代が完全に変わったからだと私は思うのです。あなたさまも電車に乗ったときご覧になったことがあるでしょう。箱の中の9割の人間がスマホを見ています。良い悪いではなく、そういう時代になったのです。ひと世代前の私たちとしては、なかなかその変化に対応できない。朝から晩までスマホをいじっていることを真っ向から否定したくなります。なぜなら、自分の中にその文化が無いから。そこには、事の良し悪しの公平な判断ではなく、やみくもに自分の持っている文化を相手に押し付けようとしているところがないでしょうか。当然のことながら、共通の基盤を持たない者がつくった「ルール」というのは、得てして守られないものです。まずは、お嬢さんが身を置いている時代の波に私たちも乗ってみませんか。「すごいね。面白そうだね。何をやっているのか教えてよ」と。そうして、あなたの文化を認めているよ、共有したいと思っているんだということを伝えます。次に、「あなたはスマホばっかりいじって!」という言葉を「私は一日中スマホをいじっているあなたが心配なの」と言い換えて、お話をしてみてください。ポイントは「あなたは」を「私は」にすることです。「あなたは!」は相手に防御態勢をとらせてしまいます。まずは「私は」で壁を壊してこちらの思いが相手に届くようにしましょう。そして、ぜひ娘さんに、電源さえ落とせばあなたが見ている世界からいつでも離れることができると、脱出ルートを教えてあげておいてください。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年09月04日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】結婚して23年。会社員で3歳年上の夫と会話が成立しません。交際していたときは普通に話ができていたのですが、結婚してからというもの夫の口数はどんどん減るばかり……。子どもを挟まないとコミュニケーションが成り立たず、夫婦2人きりなったリビングは真空のように無音の状態で、地獄の時間が続きます。子どもが独立したあとの生活を考えると、今では熟年離婚も選択肢の一つとして真剣に考えるようになりました。これからの暮らしをより良くするために、私はどうすればいいのでしょうか。(52歳・女性・パート)【回答】真空状態とは一大事ですね。命に係わります。さて、「これからの暮らしをより良くするためにどうすればいいか」とのことですが、まずは、あなたさまにとって「より良い暮らし」とはどういった暮らしなのか、具体的に考えてみようではありませんか。会話が成立しない無音の状態を地獄と感じていらっしゃるのですから、少なくとも今より良くなるためには会話が必要そうですね。して、その会話の内容は何でもOKですか?たとえば、旦那さまが職場のことを一方的に話してくれるとか、旦那さまのご両親やご兄弟についてあれこれ話してくれるとか、旦那さまの趣味や得意分野のこととか。とにかく話をしてくれればいい?あなたさまがそれを興味深く熱心に微笑みながら聞いて相づちを打ってくだされば、きっと会話の絶えない幸せなリビングになりますよ。さあ、他にはどんなビジョンがあるでしょうか。どんどん具体的に「より良い暮らし」のイメージをふくらませてみてください。ところで、あなたさまが思い描く「より良い暮らし」があるように、旦那さまにも旦那さまの思い描く「より良い暮らし」が必ずあります。双方のすり合わせは、済んでいらっしゃいますか。他人は自分の鏡と申します。ご夫婦ならましてやのこと。つまり、相手の態度は自分の態度の“映し”なのです。旦那さまの口数は勝手にどんどん減っていったのではなく、あなたさまが減らさせたという捉え方もできるということです。若いころの情熱は沈静し、子育ても終わってしまって、なんの役割も期待もなくなってしまってからが「その人と一緒にいるかどうか」の正念場のような気がします。相手がひとりの人間として存在していることだけにOKが出せるかどうか。一緒にいたのではお互いにそれぞれの「より良い暮らし」を実現できないことが確定なら、離婚もいいでしょう。反りが合わなくなってしまった人と一緒にいるより、ひとりのほうがずっと「より良い暮らし」を実現しやすいと思いますから。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年08月28日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】遠く離れてひとりで暮らす母に介護が必要になりました。これからも母の要介護度が高くなることを考えると、いつかは帰郷して母の面倒を見たいと思っています。そんな折、私の勤務先の会社が早期希望退職の募集を開始。退職金も上乗せになるとのことで、いっそ会社を辞めて故郷に帰ろうかという気持ちが日増しに強くなっています。一方で上洛してから25年。子どもたちを育てた家は京都にあり、都会に深い愛着があるのも事実。ふん切りがつかない状態でいます。このような判断を迫られたとき、どのような基準で決断するのがよいのでしょうか。(58歳・男性・会社員)【回答】親の介護。頭の痛い問題ですね。あれこれ悩まれ、ふん切りがおつきにならないのも無理ありません。心中、お察し申し上げます。さて、そのようなとき、どのような基準で決断すればいいのかということですね。あくまでも私の感覚で申しますが、判断基準は「ケツを持てるか」です。人間は5秒で損得を考えだすそうです。行動を起こそうとしたとき、ほんの5秒間躊躇するだけでもう「どっちが有利だろう」「こうしたほうが得なんじゃないか」「世間体というのもある」「長男の立場としてはどうするべきか」と、まあ数えきれないくらいの損得を考えはじめてしまうそうです。それが「人間というものだ」とのことですから損得を考えるのはよいのですが、問題なのは損得に振り回されて本当のところ「自分はどうしたいのか」が抜けてしまうことだと思うのです。決断するということは、ひとつを選んで、そのほかを捨てるということです。そして、そのひとつを選んだことによって生じるすべての結果に対してケツを持つ覚悟をするということです。「自分はどうしたいのか」に忠実に従って選んだ末の結果でなければ、覚悟を持ち切らんでしょう。そして、そのケツを持つ覚悟があれば、自らが下した決断はすべて「最良の決断」になります。たとえすべてを失い、世間様には大失敗だとせせら笑われようともです。ここで今一度、ご自分が大切にしているもの、守りたいもの、失いたくないもの、貫きたいもの、譲れないもの、愛しているもの、それがなんなのかをすべての外界をシャットアウトして考えてみてください。あなたさまが「ケツを持つ」と覚悟できる方へ進めば、あなたさまの周りの方々もみな安定します。場が安定すれば、未来は開けます。私はそう思っています。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年08月21日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】先月、大切な人を亡くしました。彼とは38年前からお付き合いをしていました。ただ、彼には奥さまもお子さまもいて……。何度も別れようとしたのですが、どうしても無理でした。そんななか8年前に奥さまがお亡くなりになって、その数カ月後に彼もがんであることが発覚しました。抗がん剤治療や手術で入退院を繰り返す日々。でも、合い間には旅行に行ったり、食事に行ったりすることもできて、幸せなときでもありました。それに彼はいつも自分より私を心配してくれて、何度も籍を入れようと話をしてくれましたし、お墓も奥さまとは別にすると言ってくれました(一方で、当然のことながらお子さまは私とは会えないと言っていて、籍を入れたら彼もお子さまに会えなくなるのではと思い、このままでいいと返事をしました。お墓も最終的に彼は奥さまと同じ場所で眠っています)。ただ、最期の日はあまりにも急に来てしまった……。どんどん衰弱していき、ほとんど話をすることもできずに逝ってしまいました。あんなにも時間があったのに自分の思いを素直に伝えられなかった。今はそんな後悔ばかりが募っています。どう生きたらいいかも分からず、苦しくて辛くて。どうにかなりそうで毎日が怖いです。(60歳・女性・無職)【回答】38年……。長い、長い時間でしたね。人生の半分以上を一緒に過ごされたのですから、それはそれは、いろんなことがおありだったことでしょう。先月に看取られたばかりで、まだまだ怒涛のような想いの中にいらっしゃることだろうと思います。「自分の思いを素直に伝えられなかった」と思い悩まれているとのこと。どんな思いをお伝えできなかったのでしょうか。お時間があればゆっくりお聴きしたいところです。苦しくて辛くてどうにかなりそうな毎日をお過ごしのあなたさまに、今はかける言葉も見つからず、ただただどんなにお辛いだろうと、思い巡らせるのが精一杯です。それでも、ひとつお耳に入れておくことができるとすれば、この世は諸行無常であるということでしょうか。この世の中のすべては、なにひとつとして同じかたちで続いていくものはないのだという理です。抵抗することのできない別れで、幸せな時間はかたちを変えてしまいましたでしょうが、今のあなたさまの苦しさ辛さも、いずれかたちを変えていきます。いついつまでも続くものではありません。ただ、渦中にいらっしゃれば、そんなふうに考える余裕なども持てずにいらっしゃることでしょう。そんなときは、もがくよりも膝を抱えて縮こまっているほうが得策なような気がいたします。嵐はいずれ過ぎてゆき、雨もきっと上がります。ところで、あなたさまの大切なお方ですが、私はお墓になんかいらっしゃらないと思いますよ。あんな狭いところにはおさまってはいらっしゃらず、世界中を自由に飛んで回っておられることでしょう。間違いなく、あなたさまのおそばにもいらっしゃっていて、「ほれ、しっかりせい」と見てくださっておいでだと思います。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年08月07日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】私はさまざまな死別経験から、遺族ケアや生・死について深く学び関わることが自分の使命であると思っています。これまでもグリーフケアをはじめ、いろいろ学び、民間資格の取得にも挑戦しました。しかし正直にいうと、十分に理解できていないです。どうしたら、そうしたことをもっと学べるのか?どうしたらもっと関わることができるのか?いま何をすべきなのかわからなくなっています。何かアドバイスや情報をいただけないでしょうか。(34歳・女性・看護師)【回答】「死について深く学び関わることが自分の使命」。ご自分のミッションをはっきりと自覚なさっている。尊敬します。そして、ミッション達成に向けて努力もしていらっしゃる。ぶれていませんね。すごいです。そして今、「どうしたら、そうしたことをもっと学べるのか?どうしたらもっと関わることができるのか?いま何をすべきなのかわからなくなって」いらっしゃる。壁にぶち当たっていらっしゃるのですね。学ぶとき、最善にして最短の方法は「経験すること」だと私は思っています。実際に体験することで得る経験値はどんな専門書にも勝る、と。でも、なかには自分で経験してみることができないこともありますね。「死」もそのひとつです。本当は一度死んでみるのがいいのでしょうが、死んだら今の状態にはもどってこられないルールのようなので、せっかく死んでみても経験値として活用できません。「死」だけに限らず、宇宙のことも、人間の体のことも、病気のことも、実はわからないことだらけなのが現状ではないでしょうか。私たちはそれを、いかにもわかっているようなふり、もしくは勘違いをして過ごしているだけです。「わからない」ものを「わからない」と言うことは、どんなに難しいことなのでしょう。「わからない」ものを「わからないまま」に見ていることは、どんなに我慢のならないことなのでしょう。その点、あなたさまは「十分に理解できていない」と認めていらっしゃる。天晴です。「わかった」と勘違いをして上っ面なことをしてしまうよりも、ずっと肝のすわった態度です。死について深く学び関わるためには、「わからない」「わかるわけがない」という自分に対する戒めと、それでも「わかりたい」「1ミリでも近づきたい」という真摯な、もはや祈りといってもいいような渇望が原動力になるような気がしています。この道には、決して満足できるシチュエーションはありません。そのことを忘れずに在り続けることが、今すべきことなのだと思っています。同志よ、共に学ぶ仲間として、日々粛々とやってまいりましょう。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年07月31日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】私の家には代々続く家業があり、両親が亡くなったあとは私が継いだのですが、最近は人手が足りず、継続するのにも苦労しています。一方で、恥ずかしい話ですが、家族には無職の弟がいて。仕事をやらせる意味でも家業を手伝わせようとしたのですが、「興味がない」と断られてしまいました。このままでは家業の先々についても不安ですし、無職の弟の将来のことも心配です。なんとか彼をやる気にさせる方法はないのでしょうか。(40代・男性・自営業)【回答】家業の先々に、弟さんの将来。ご心労が絶えないご様子に胸がつまります。無職の弟さんになんとかやる気を出させる方法はないものかとのことですが、根も葉もない言い方をお許しいただければ「ない」です。そもそもやる気というのは他人から言われて生じるものではなく、自分のなかから湧き出てくるものだからです。高野山での修行で護摩行をやっていたときの話です。護摩木を組み上げて火を焚くのですが、簡単なようでこれがなかなか難しい。途中、もっと燃えよと油をかけたり、風を送ったりするのですが、炎と呼吸が合わないと助けたつもりが逆に勢いを削いでくすぶらせてしまいます。やみくもに油をかけてやればいいというわけではないのですね。どちらの方向に燃え広がりたいのか、ちょろちょろ燃えていたいのか、大きく燃えて火柱を上げたいのか、火の意向と合わないとうまくいかないのです。これまでにも幾人か「仕事しない」「何事にも興味がない」という方のご相談をお受けしてまいりましたが、不思議なことに、みなさんご相談にお見えになるのはご本人ではなくご家族なのです。困ったり心配したりしているのは周りで、ご本人のまったくどこ吹く風なご様子を拝見すると、いつも、護摩の火のことを思い出します。息が合っていないなあ、って。さあ、いかがでしょう。これまでに、弟さんが何かをなさろうとしているときに「ほれっ」と油をかけたり、ゆっくり歩こうとされているときに後ろから「ぷうっ」と風を送ったりなさったことはありませんでしたか?火はタイミングの合わないことを何回かやられるとふてくされて消えてしまうのですが、はてさて、人はどうでしょうか。簡単なことではないと思いますが、いま一度あなたさまからは何もしないことになさってみてはいかがでしょう。無職でいらっしゃるのにお腹をすかせているようにはお見受けしないのですが、もちろん、上げ膳据え膳をなさる必要もありません。火の意に任せるのも胆力のいることです。でも、火が燃えようと思わなければ、周りがなにをやったって燃え上がりはしないのです。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年07月10日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】父親の死をどう乗り越えればいいのかわかりません。病気もせずに、毎日元気に自分で運転して、母と一緒にゲートボールを楽しんでいた90歳の父。昨年6月、急に体調を崩して二度も救急車で運ばれました。されど、原因ははっきりせず……。母親と一緒に看病をしながら、どうしたらいいかと悩み、原因を追究するために総合病院で半日かけて検査をしてもらいました。それでも診断は水分不足と過呼吸のみ。検査後に点滴だけしてもらい、自宅に帰ることになりました。でも家に入った途端に苦しみながら倒れて。必死に心臓マッサージをしましたが、そのまま亡くなってしまいました。半日もかけて検査を受けさせたこと、今でも後悔していて、苦しい思いをさせてしまった父親に謝りたいですし、最近は父親が倒れてから亡くなるまでの状況を思い出すことが多くて悲しいです。どうしたらよいのかまったくわからず、相談させていただきました。(55歳・女性・会社員)【回答】親を亡くすのは、本当に寂しいものです。それまでお元気でいらしたのに急であれば、なおのことお気持ちの整理がつかないでしょう。半日もかけて検査を受けさせてしまったと後悔されているのですね。検査が長く苦しかったから、お父さまが逝ってしまわれたように感じていらっしゃるのでしょうか。あの検査さえ受けさせていなければお父さまはまだご存命だったかもしれない、苦しい思いをさせたうえに逝かせてしまったと。私たちには、どんなことにも“理由”を探してしまう癖があります。走ったから転んだ、落としたから壊れた、出かけたから交通事故に遭った…という具合に。なかには、その因果関係を断つことができる場合もありそうですが、こと「死」についてはどうだろうと考えることがあります。というのは、たとえば「餅を食べたから詰まらせて死んでしまった」けれど、「餅さえ食べなければ生き続けていられる」のかということです。たぶん違うでしょう。いずれ、どんな理由にせよ必ず死んでゆくのが人間です。ということは、「死」の究極の理由は、「生きているから」。この因果関係は、私たち人間ごときにはどうにも断つことができません。お父さまは、今ごろどうされていらっしゃると思われますか?痛んだり壊れたりするこの肉体は、じつは足枷です。脱ぎ捨てて自由になったお父さまには、もう苦しみも悲しみもありません。あなたの周りにいることもできるし、行きたいと思うだけで天の川にだって行くことができます。この世しか知らない私たちは「苦しい思いをさせた」「謝りたい」と負の感情で亡き人を拘束しようとしますが、どっこい、もうそんな次元にはいらっしゃらないのです。お父さまのために何かしてさしあげたかったと思われる? いまからでもできますよ。それが回向(えこう)です。私たちがこちらの世の中で徳を積むと、その徳があちらにいらっしゃるお父さまの活力になります。徳というのは、ボランティアをするとか、ゴミを拾うとか、そういった良いことをして積むこともできますが、なによりも貯まるのは「笑顔」と「感謝」です。お父さまを思い出されるときには、どうぞ「笑顔」と「感謝」で徳を積んでください。それがお父さまにとってなによりの活力になりますから。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年07月03日お笑いコンビ・キャイ~ンの天野ひろゆきが8日、オフィシャルブログを更新し、香取慎吾の感動エピソードを明かした。日本テレビ系『天声慎吾』共演以降も香取のことを「王子」と呼ぶなど、親しい間柄で知られる天野。8日付のブログでは、「昨日のななにーも、近くにはいたけど、リモート状態で会えずかと思ったら、ライブへの移動で少しだけ王子と話せた(これはもはや出待ちするファンだ(笑))」と直接の会話が久しぶりだったことを明かした。香取に会いに行った天野が「ドラマ宣伝してくれてありがとう」「おかげで好評うちに完走出来たよ!!」と伝えたところ、香取から「僕の宣伝のおかげだなんて」「じゃなくて楽しく面白く沢山の人が観たくなる作品だったんだよ。楽しい時間をありがとう!」と逆に感謝されてしまったのだそう。「久しぶりに王子に会えた」と題したこの日のブログは、「泣けるじゃねぇか王子」と天野の感情がにじみ出る一文で結ばれている。「ドラマ宣伝」というのは、天野が出演したドラマ『隕石家族』(東海テレビ・フジテレビ系)を、香取がTwitterなどで告知していたこと。先月30日、香取の「いよいよこの後23時40分から隕石家族 最終回!!」に対して天野はTwitterで「おい!ついに俺を経由しないで直接ツイートしとるやないかいっ!!(笑)」「気付かないでメール待ってたよ」「ありがとう王子!!」と反応。ブログでは度々感想メールが送られてきたことを明かし、最終回後にも届いたようで、翌日には「王子からのメールが『STAY HOMEに楽しい時間をありがとう!諦めたら人生そこで終わり 明日の人生に懸けてみるか どんとこいだね!!』その通りだよ!! 王子~!! ありがとう」と感謝のメッセージを送っていた。
2020年06月10日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】親が過干渉で困っています。私はもう40歳目前ですが、いまだに実家暮らしを強いられ、出かけるときには誰に会うのか、どこに行くのかを詳細に親に伝えなくてはなりません。夜にたまに出かけるだけで「また飲みに出かけるのか」などと小言ばかりを言われます。耐えかねて年末年始はゆっくりひとり旅でもしようと計画していましたが、「正月に家にいないのはどういうことだ」と怒られ、結局叶いませんでした。交際相手のことにもすべて口を出してくるので、なかなか上手くいかず、このままではずっと結婚できないのではないかと焦っています。(39歳・女性・公務員)【回答】さて、親御さんが過干渉で困っていらっしゃるとのことですが、あらまあ、40歳も近いというのに、どうしてご実家をお出にならないのかしら。なにかどうしてもご実家にいなくてはならない深いご事情がおありでしたらごめんなさい。公務員でいらっしゃるなら収入もしっかりしていらっしゃるでしょうし、普通にひとり暮らしができるだろうに…と思ってしまったのです。詳細をお聞きしていないので適当なことを申しますけれどね、世の中に「強いられて」どうにもならないことというのは、そうそうあるものじゃありません。○○のせいであれができない、これもできないというのは、たいていの場合、じつは自分の心の奥底に「そうしたくない」という気持ちがあるものなのです。私なんぞは育ちが雑ですから、「正月に家にいないとはどういうことだ」なんていくら小言を言われても、「はあ、さようでございますか」ってな感じで出かけちゃいますからね。こんなことを言われると、「そんなことありません!なにもかも親のせいで…!」というお気持ちがムクムクされるでしょう。そのお気持ちもわかります。でも、40歳近いということでいらっしゃいますから、そろそろ自分に「軸」を持ちましょう。いまのあなたさまは「軸」を親御さんに渡してしまっているのです。親御さんに「軸」を渡して被害者でいることのほうがラクなのかもしれないですよ。厳しいことを言いますが、そのラクさを結局はあなたさまが選んでいるのです。「四十にして惑わず」ともいいますから、自信を持って自分の思うとおりにしてみましょう。簡単です。このままご実家にいるにしろ、出るにしろ、すべて「自分で選択したこと」という覚悟を持つこと。それだけです。誰かのせいじゃなくてね。自分のお尻は自分で拭く。自分に「軸」を持つことで、毎日は見違えるように楽しくなりますよ。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年06月05日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】実家の父は76歳なのですが、数年前に脳卒中を患い、歩行に不自由があります。最近は認知症かなと思うことも増えてきて、毎日椅子に座り、テレビを見ているだけの生活を送っています。昔は登山と読書が趣味だったのですが、もうひとりでは外に出られないので登山などはできず、目が悪くなったせいか、本も読まなくなってしまいました。2年ほど前までは母が車で外に連れ出したりしていましたが、お風呂に入るのも嫌がるのと、わがままな性格のために、母ももう一緒に外出するのが嫌になったようです。たまに帰省したときに、テレビと食べることだけにしか楽しみがない父の様子を見ると切なくなります。父になにか、ほかに楽しみがあればいいなと思うのですが……。(33歳・女性・会社員)【回答】あなたさまがどんなにお父さまのことを愛しておられ、大切に思っていらっしゃるかが伝わってきて、まず胸が熱くなりました。大好きだからこそ、今のお父さまを見ていられないのですよね。昔は登山と読書が趣味だったお父さまの楽しみが、今はテレビと食べることだけ。切ないですよね。お気持ちは痛いほどわかります。でも、その気持ちの根元にすこしでも「いきいきと趣味に没頭する父親を見て私が安心したい」というお気持ちがあるとしたら、そういうのを世間一般では「大きなお世話」というらしいのです。元気な私たちからすると一日中テレビばかりじゃ、さぞかしつまんないだろうと思ってしまいがちですが、それは自分の「ものさし」で物事を見てしまっているからです。脳卒中の後遺症を抱えるお父さまの「ものさし」で見なければ、本当のところはわかりません。とはいえ、お父様がどんな世界を見て、どんなふうに感じていらっしゃるのか、私たちにはわかるわけがありません。だから、インタビューしないとね。「お父さん、毎日どう?」「なにか困っていることはない?」「なにかやってみたいことはない?」「いま、どんな気分でいるの?」その答えのなかに、私たちにできるなにかがあるでしょう。往々にして、私たちは自分の「ものさし」で相手のあれこれを判断してしまいがち。最も賢い愛の伝え方は、自分の「ものさし」を捨てて、相手の「ものさし」を使ってゆっくり語り合うことなのです。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年05月29日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】先日、ステージ2の乳がんと宣告を受けました。医師からは治療すれば大丈夫だと言われましたが、切除しなくてはいけないことがショックで……。まさか自分がこんなことになるなんてと、ずっと落ち込んでいます。また、治療をしながら仕事を続けられるのかどうかもまだ分からず、独り身なのでもし続けられないなら自分の今後の生活がどうなってしまうのか、とても不安です。(43歳・女性・会社員)【回答】あなたさまのショックを思うと、言葉もありません。夜は眠れていますか。ごはんは食べられていますか。心配なこと、不安なことで頭がいっぱいでしょう。ひとつひとつじっくりお聞きしたいのですが、それはいつかお目にかかることができたときにということにして、ここでは、ひとつの方法をご紹介させてください。私は仕事柄、これまでに大勢のがん患者さんとお話をさせていただいてきました。もちろん、乳がんの方もいらっしゃいました。どなたももれなく、ご自分がそうとわかったときにはショックだったとおっしゃいます。ボディイメージの変化、仕事、家族、恋人、これからの人生設計、手術、検査、抗がん剤、お金…雑多な心配や不安がもう、どばどばっと。この混沌が、ショックに輪をかけて患者さんを苦しくするのです。心配や不安をすぐに解決する神業はありませんが、せめて混沌を整理してみませんか。方法は簡単です。紙とペンを用意してください。用意した紙の真ん中に1本線を引いて、左側の上の方に「GOOD」、右側の上の方に「BAD」と書きます。「GOOD」側には、がんになって良かったと思えたこと、得たもの、うれしかったことなどを書き出します。「BAD」の側には、がんになって悪かったこと、失ったもの、悲しかったことを書き出します。こうやってあなたの心と頭の中を“見える化”することで、混沌の波をすこしずつ鎮めようとしてみてください。「GOOD」の側に書くことなんてあるわけないじゃない!そうだよね。おっしゃるとおりです。みなさんそうでした。でも、三カ月後、半年後にこの作業をしてみてもらえませんか。なにか変化があるかもしれません。私なんぞが簡単に言うことではありませんが、『禍転じて福と成す』という言葉があります。目の前に起きている事象はひとつですが、それをどう捉えるか。捉え方は無限です。いつかあなたさまに起こったことが転じて福と捉えられる日がきますように。毎日心からお祈りいたします。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年05月22日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】家族が新型コロナウイルスにかかると、お見舞いもできないし、死に目にも会えないと聞きます。火葬にも立ち会えません。こういう状況で、どのように感染してしまった家族に寄りそえばいいのでしょうか?また、どのように自らの心を整理すればよいのでしょうか?逆もまたしかりで、自分が患者になると、家族にも会えなくなります。もしかしたら、そのまま死んでしまうかもしれません。そういう状況で、どのように心の平安を保てばいいのでしょうか?(番外編・編集部から)【回答】おっしゃるとおりですね。私が勤務している緩和ケア病棟でもご家族の面会が制限されています。最後の時間を一緒に過ごせないというのは、本当になんと申し上げてよいか……。さて、あなたさまが今リアルにそういうご状況に面しておられるのか、もしそうなったらを想定してご心配なさっているのかによってお伝えすることが異なりますので、二通りにわけてお伝えいたします。いま、まさにそういうご状況でいらっしゃるとしたら、本当にお辛いことと思います。おかけする言葉が見つかりません。会うことすらできないのにどのように寄りそえばいいのか、胸が痛みます。私は、ご家族との面会ができなくなってしまったご本人さまとお話をさせていただいているので、そのご様子をご参考までに。みなさま病室でテレビをご覧になったり、スタッフから情報を聞いたりして世の中の状況をよく把握していらっしゃいます。そして、みなさんご自分のことより、ご家族のことを心配していらっしゃいます。見舞いに来る道中で感染したら大変だと。また、ご家族と直に会えないのならと携帯電話のビデオ通話でお話をされたり、手紙のやりとりをなさったりする方もいらっしゃいました。厳しい制限の下ではありますが、みなさま懸命に過ごしていらっしゃいます。そのお姿を拝見するにつけ、お見舞いに行くこと、死に目に会うこと、火葬場でたたずむこと、これらのことだけが「寄りそう」方法ではないと教えられる日々です。寄りそうとは、どういうことなのか。私たちは、あらためて真摯に考えるべきときを迎えたのかもしれません。また、ご自分が感染してしまった場合。ご家族にも会えない、そして、死んでしまうかもしれない。そうなれば当然、心は乱れます。平安を保ってなどいられないでしょう。現代医学は、精一杯奮闘してくれていますが、最期のジャッジがどうなるかは、もはや祈るしかないのが現実です。人間は無力ですね。本来、無力なのです。すべての人がその人の望みどおりに在ることができるように、心から祈るばかりです。さて、もしそうなったらどうしようという“たられば”でご心配されていらっしゃるのなら、即考えるのをやめましょう。いますぐに、です。そんなことを考える時間があったら、しっかり食べて、しっかり寝て、しっかり動いて、免疫力をあげていきましょう。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年05月08日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】1年前に主人を病気で亡くしました。本人の意思により無治療を貫き、自宅で看取りました。それはそれは壮絶な最期で、あまりにも悲しくて、1年経った今も遺影の写真や生前の写真を見ることができません。絶対に既読にならないメールを亡き主人に送り続け、泣き続け、何とか正気を保つような毎日。主人の最期を思い出しては、「ああすればよかった。こうすればよかった」と沢山の後悔に苛まれています。このような後悔と現実に、どう向き合っていったらよいのか教えてください(57歳・女性・美容師)【回答】すでに、とても上手に向き合っていらっしゃると思います。ご主人にメールを出し続けていらっしゃること。泣き続けていらっしゃること。こうしてご相談してくださっていること。すべて、うまく向き合っていらっしゃる証の行動だと思います。ご主人と過ごした年月を、そしてさらに濃密だった最期の時を消化(昇華)するには時間がかかります。たとえば、風邪をひいて3日寝込めば、体の完全回復にはひと月かかると言われているのですよ。体がそうなら、心だって同じこと。回復には時間がかかるのです。焦る必要はありません。大切なのは、「きちんと悲しみきる」ことと、「良い後悔をする」こと。「きちんと悲しみきる」というのは、「毎日泣いてばかりじゃだめだ」とか、「もっとしっかりしなくちゃ」などと悲しい気持ちを抑え込まずに、きちんと悲しみの穴の底まで沈みきるということです。底に足がつけば、底をけって浮上する力が生まれます。中途半端に上がろうともがくから、よけい苦しいのです。大人はどうもこのあたりが不得意のようです。真っ当にきちんと悲しみきりましょう。そして、「良い後悔をする」。私たちは、どうがんばったって後悔せずにはいられない生きものです。だからこそ、こうして発展してきたとも言えるでしょう。良い後悔というのは、時間軸を今にもどす思考回路がある後悔です。「ああすればよかった」「こうすればよかった」だけで終わってしまっては、時間軸が過去にいきっぱなし。「だからこうしよう」と、時間軸を今に戻して考えましょう。ご主人がまさに命がけであなたに伝えてくれたのはなんですか。悲しみだけではないはずです。たっぷり涙を流したら、心の耳を澄まして聴いてみてください。大切なご主人からの、大いなるメッセージを。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年04月17日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】子どもが同級生だった縁で、時々お茶を飲んだり、出かけたりする友人が2人います。そのうちの1人が買い物中によく、小銭を貸してくれと言ってくるのですが、貸しても返してくれません。一緒に買い物に行ってくれと頼まれて車に乗せてあげても、お礼の一言がないこともしばしばで……。最近は距離を置いていました。ところが、その友人が「筋ジストロフィー症」(身体の筋肉が壊れやすく、再生しにくい病気)になったらしいと、共通の知り合いから聞きました。昔からの友人であり、何か力になってあげたいと思う反面、本人から病気のことを告げられておらず、かつてのように足代わりにされても困ります(63歳・主婦・女性)【回答】「かつてのように足代わりにされても困る」とお思いになっていらっしゃるのなら、関わらずにいたほうがよいと思います。むしろ、なんで迷われるのかしら。ものすごくシンプルなことだと思いますよ。もし、あなたがご自分の思いとしてその方を助けてさしあげたいのであれば、感謝されなくても、足代わりにされても、そんなことは関係なく手をお貸しになるでしょう。でも、たとえば「手助けもしない人だと思われたくない」といった体裁を気にされてということであれば、当然、感謝されなければ割が合わないし、足代わりにされるのはご勘弁でしょうね。人は3秒もあれば損得を考えはじめるそうです。だから、熱いやかんにうっかり触って「あちっ!」と手を引っ込めるように、間髪入れずに動かないとできないことはたくさんあるのです。損得を考えるのがいけないと言っているわけではありません。損得を考えるくらいなら、手を出さないほうがいいと言っているのです。それが、お互いのためです。あなたの躊躇はご友人に伝わってしまいますし、迷いを抱えながらの行動はあなたの心に今よりもっと大きな荷物を増やします。それに、実際に手を出して動くことだけが、ご友人にしてさしあげられることではありません。体がすこしでも楽なように、心がすこしでも穏やかであるようにと、ご友人のために祈ることだってできるのです。「祈り」の遠隔的効果(病人の回復に対して効果的であること)は、もう米国の研究で明らかになっていますからね。しかも、他の人の幸せのために祈ると、あなたの体の中はオキシトシンというホルモンで満たされます。オキシトシンは“回復ホルモン”ですから、あなたの免疫力もあがるという一石二鳥です。ね。無理はやめましょう。あなたが穏やかで幸せでなければ、ご友人も含めてあなたの周りの人が幸せであるはずないのですから。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年04月10日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】今年80歳になる母の主治医から「お母さんには軽度の認知症の兆候があります」と聞かされて心配でたまりません。まだ介護いらずで、足腰が達者なのもよいのですが、散歩が大好きな母は一人で隣町まで買い物に出かけたりします。これがいつか、迷子になったり、事故にあったり、お金を取られたりといったトラブルを招くようになるのではと思うと、だんだん不安になってきて……。頭ごなしに「一人であまり遠くに出かけないで」とは言えないし、健康にとっても良いことだと思うのですが、“徘徊と捜索”で苦労した友人の話を聞くと、何かしら対策を考えなきゃと思っています。(55歳・女性・主婦)【回答】最初に共有しておきたいのは「“軽度認知症の兆候”って、80歳以上の8割以上がそうなのでは?」ということです。人間としてごくあたりまえのありようは、医学の世界だとこのような言葉になってしまう。まずは、あまり悲観的にならないようにいたしましょう。とはいえ、ご心配なのはごもっともです。でも、「頭ごなしに言えない」「何か対策を考えなければ」とおっしゃっていらっしゃるのには、ほっとしました。そのとおりだからです。お母さまにとって、買い物や散歩はお楽しみのひとつでしょう。もちろん足腰の鍛錬のためにも、続けていただきたい習慣です。でも、それを「安全に」続けていただくためには、やはり「対策」が必要です。軽度の認知症の場合、やっかいなのは周りから見て、その状況が把握できないということ。つまり「普通」に見えてしまうということです。かといって「軽度認知症」とハタを立てて歩いていただくわけにもいきません。そこで、最近は各自治体が工夫をしています。私の地元では「お守りキーホルダー」をお配りしていて、身につけていただくことで、いざというときにサポートできるようにした仕組みがあります。お母さまがお住まいの地域にも何かあると思いますので、まずはそういった仕組みの利用をおすすめします。同時に、お母さまが暮らす地域の地域包括ケアセンターにご相談しておくとよいと思います。介護福祉のサービスはこちらから動かないと始まらないものですから、早速に動きましょう。「こんなこと相談してもいいのかしら?」と躊躇されることもあるかもしれませんが、相談を受ける側は、むしろ早めに相談していただくことを望んでいるので、即行動でOKです。ご友人の苦労話をお聞きになったりすると、お気持ちが沈むこともあるでしょう。でもね、人間は順繰りなのですよ。小さい頃はなんやかんやと親の手を煩わせながら、育ててもらいましたものね。今度は、子が親に手をかける番なのです。そして、それはず〜っと続く時間ではありません。たとえ望んだとしても、いずれ終わりがくるのです。大変なご状況だと重々わかっていますが、あえて言いますね。どうぞ“今”を楽しんでください。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年04月03日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】会社の人事異動により新しい取引先を担当することになりました。その取引先の責任者であるAさんは非常にくせのある性格で、私の会社だけでなく他の会社の担当者も人間関係で苦労していると聞いていました。実際、仕事を始めてみると、言いがかりのような難癖を毎回言われて精神的に参っています。さらに私の会社の前の担当者だったBさんはAさんと非常にうまく人間関係を築いていたため、毎回「Bさんの頃は良かった」「Bさんに比べてあなたは…」とAさんから責め立てられてしまいます。このままでは精神的に限界なのですが、一体どうすればいいでしょうか。(44歳・会社員・男性)【回答】本当は、「離れる」のが一番なのですけれどね。お仕事ですから、そうはいかないのですよね。お辛いお気持ち、お察しいたします。人間関係はいつの時代も、どこの場所でも、私たちの最大の問題です。まず、決定事項として申し上げられるのは「Aさんは変わらない」ってことでしょうか。だから、Bさんのように「Aさんとうまくやれる」ようになる、というのも期待薄です。Aさんという方は、他の会社の担当者さんからもぼやかれているくらいの強者ですもの。うまくやろうと力を使うより、どれだけこちらのダメージを少なく抑えて仕事をするか、ということに頭を使ったほうがよさそうです。私だったら、私だったらですよ、(1)Aさんと会う時間、話す時間を必要最低限に抑える(2)会社に直談判して担当を変えてもらう(3)職場を変える、の順番でやってみます。もしかして「そんなこと、簡単にできないよ!」って思われましたか。なら、できないのはどうしてでしょうか。まだ余力がある? それとも、逃げ出す気力もなくなってしまっている? 後者だったら危険信号が点滅しています。この際、何よりも大切なのは「自分」と心得てください。Aさんとの関係で心と体を壊しても、誰も責任なんて取ってくれません。自分のことは自分で守らないといけませんよ。今のご時世、ときどきね、いらっしゃるのです。頑張って付き合ってはいけない人が。原因は、あなたが「関係づくりが不得手」とか、「仕事ができない」とか、そういうことではないのですよ。そこの見極めがついたら、やっぱり可能な限り「離れて」ください。どうかうまくいきますように。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK総合『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS系『グッとラック!』(火曜)にコメンテーターとして出演する。4月1日よりニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務めることが決定。
2020年03月27日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】最近、大切な母を亡くしました。この2年間は寝たきりで…意思疎通もできない状態でした。そうなる前は多少の認知症があったものの、まだ会話はできていました。ある日、肺炎にかかり命の危険もあったので、何とか生き延びてもらいたいと胃ろうおよび器官切開を選択したんです。その結果が2年間の寝たきり状態で。生きる屍のようでした。母が亡くなった今、2年前の私の選択が果たして正しかったのか、繰り返し自問自答しています。このような状態になるなら、そのまま逝かせてあければよかったなと…。でも、あの時点でそういう選択ができたかどうか。私の判断は間違っていたのでしょうか?(57歳・主婦・女性)【回答】間違っていません。過ぎたことはすべてベストチョイスだったのです。私は看護師なのでいろいろ拝見してきましたけれど、つくづく「人の寿命は決まっている」と思うのです。現代医学の粋を尽くして治療をしても効なく逝ってしまった人もいれば、すべての治療をやめて「このまま逝きます」と言って何年も生きた人もいました。たぶん、私たちは生まれたときに、「〇年〇月〇日まで」と決められているのでしょうね。だからお母様は、胃ろうだとか気管切開だとかに関係なく、その日までこの世にいらっしゃるお約束だったのだと思います。それは、私たちたかだか人間ごときに、伸ばしたり縮めたりできるものではないのですよ。なにをどうしようと、その日と決まっていたことなのです。だから、あなたのせいではないし、間違っていたということもありません。ところでお母様、今ごろどうしていらっしゃるでしょうね。つかいきったからだをお脱ぎになって、さぞかし身軽になっていらっしゃることでしょう。「あ、今、近くにいるな」ってお感じになることなんてないですか。私の夫は9年前に逝きましたが、しばしば「ハエ」になって会いに来てくれるんですよ。「ハエ」ってところがあれですけれど、ま、そのへんはご愛敬で。あなたの周りにもいらしていませんか、お母様が。2年前の選択が正しかったかどうかなんて自問自答を繰り返すより、お顔を上げて周りを見ていただきたいわ。きっとお母様からのメッセージが届いているはずなんですけどねえ。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK総合『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS系『グッとラック!』(火曜)にコメンテーターとして出演する。4月1日よりニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務めることが決定。
2020年03月20日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】新型コロナウイルスによる商品不足に母親が敏感になりすぎて困っています。マスクやトイレットペーパーが品薄状態になっているのを見て心配になったようで、何軒もお店をはしごしていました。使うぶんだけ買ってくればいいのですが、「またいつ無くなるかわからないから」と必要以上の量を買いだめ、お米や缶詰の備蓄までどんどん増やしていく始末……。毎日落ち着かない様子で、母親の相手をするのにも疲れてきました。(36歳・会社員・女性)【回答】やらせてあげておいたらいいじゃないですか。お母さまの思うように。報道をご覧になってご存じのとおり、今回の新型コロナウイルスは高齢者のほうがリスクが高いのですよ。お若いあなたよりお母さまのほうが切実な問題なのです。昭和生まれの方というのは備蓄しておくことで多大なる安心を得ます。私の両親も同じです。加えて、この日々の報道。煽られないでいるほうがむずかしいです。トイレットペーパーも、マスクも、お米も、すぐ腐ってしまうものではありませんから、事態が無事収束したあとにでも、ゆっくり消費していけるでしょう。それに、まだ先は見えていませんからね。これからますます事態が悪化し、最悪のシナリオにならないともかぎりません。そうなれば、お母様が心血を注いで集めてくださった物資が大いに役立ちます。そうです。すべてはそうなのです。アリとキリギリスです。夏の間、せっせと働いて食料を運び込んでいたアリさんを、キリギリスはせせら笑って見ていました。食料のない冬なんて来るはずがないってね。でも、冬は来ました。食料をためていなかったキリギリスは瀕死の状態に。優しいアリさんに食料を分けてもらえなければ、助からなかったのです。キリギリスはお礼にバイオリンを演奏しましたが、あなた、バイオリンは弾けますか?とはいえ、多くのアリさんが買いだめをして、いろんなものの需要と供給のバランスがくずれてしまうのは、たしかにいただけませんね。お母さまには、ほどよいアリさん行動をお願いしましょうか。そのためにはまず、お母様の話を聞くことです。どんな苦労をして重いお米を運んできたのか。トイレットペーパーひと袋買うのにどれくらい並んだのか。まずはその労力と功績を十分にたたえます。そして最後に、遠慮がちに「でも、やり過ぎはよくないよ。お母さんの身体も心配だし。無理して感染しちゃったら元も子もないしね」と言うのです。だいたい10分聞いて30秒話す程度。そのくらいを意識してお伝えしてみてください。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK総合『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS系『グッとラック!』(火曜)にコメンテーターとして出演する。4月1日よりニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務めることが決定。「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
2020年03月13日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】私は東京の下町で長く居酒屋をやっているんですが、最近は若い人を雇っても、ちょっと厳しいことを言うとすぐやめてしまうんです。SNSで紹介されて店の人気が出てきたこともあって、ホントは系列店を増やしたいと思っているんですが、任せられる人材がまったくいない。若手を育てたいのに、「パワハラ」のようなことを言われたら、もう何も教えられません。おまけに、ウチで1年しか働いてないのに“愛弟子だった”みたいなことを言って独立する調子のいいやつもいる。どうしたらいいんでしょう。(42歳・男性・飲食業)【回答】思い返せば私たちの世代も「新人類」なんて言われたものです。遠く遡れば明治時代には、むしろ今は堅いイメージのある「小説」が軽蔑の対象になったこともあったそうです。つまり、いつの時代でも自分より若い世代には「違和感」を覚えるのですね。ましてや、社会が刻々と変わっていく現代においては、10年離れたらもう新人類どころか「別の惑星の人」ですよ。私もしばしば若い連中と交わりますが、正直あなた様と同じように戸惑っている部分もあります。なんといっても、まったく価値判断基準が違うのです。昔だったら10年も20年も修行をして、やっとこ“のれん分け”が許されたのでしょうけれど、1年で“愛弟子”ですものね。もう、時間の流れ方さえも違うのですよ。本当に。でも彼ら、すごいところもあります。まるで息をするようにSNSを使いこなすし、人と争うことを好まず優しいです。コミュニケーションは下手だけど、よく観察はしています。スピリチュアリティも高く、物質文化に流されない独自の価値観も持っています。ところで、あなた様のお店には外国の方もいらっしゃるでしょう。例えば英語しか話せない方がいらっしゃったとき、どうされていますか? たぶん、あなた様のほうが英語を話して意思疎通を図ろうとしていらっしゃるのでは? まさか、お客様に対して「ここは日本だ。日本語の話せねえやつは帰んな!」なんて言ってないですよね。つまり、そういうことかなあ。今どきの若い人をお客さん同様、「大事な人」だと認識すれば、私たちは彼らの使う言葉、彼らの持っている感覚に合わせてコミュニケーションを取ろうとするのです。でも、そう思えず自分の言葉と価値観を変えることなく接すると、結果、つながらないコミュニケーションにイラついて「最近の若い奴は!」と言うのですよ。「バブバブ」言っている赤ちゃんに、「はっきり言えよ。言わないとわかんないよ!」って言うのと同じです。ね、歩み寄るのはいつだって「大人」のほうなのです。彼らより長いことこの地球にいる私たちは、間違いなく彼らより「大人」。彼らの言葉と感覚に沿って、付き合っていってやろうではないですか。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』火曜のコメンテーターを務める。
2020年03月06日ベビーカレンダーをご覧のみなさま、こんにちは!2018年秋生まれの「ばべちゃん」を育てております、「ぽちまる」と申します。ばべちゃんにギャン泣きされている育児の様子を描く短期連載マンガ「ぽちまる、日々ギャン泣きされてます。」の第3話です。 今回は、ばべちゃんが生後0カ月ごろの「しゃっくり」についてのお話です。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーばべちゃんはよくしゃっくりをします。 ばべちゃんは、おなかの中にいるころからよくしゃっくりをしていました。生まれてからもしゃっくりをすることが多いので、「大丈夫かな?」と心配していたんですが……。 よく考えると夫も頻繁にしゃっくりをしてたわ。ダブルでしゃっくりをしだすと、親子だなぁとなんだか和みます。単純に、ばべちゃんはまだ体が未発達だから、大人と比べてしゃっくりが出やすいだけかもしれませんけどね。 ちなみに、ばべちゃんはしゃっくりを自分で止めることができず、イライラしてギャン泣きしてしまうことが多いです。しゃっくりが始まったら、とりあえずおっぱいをあげて落ち着いてもらっています。 著者:イラストレーター ぽちまるAmebaブログで活動するブロガー。2018年秋生まれの男児を子育て中。3人家族のゆるい日常を描いた絵日記ブログ を更新中。
2019年04月12日天野喜孝展「春夢譚(しゅんむたん)」が、2019年4月10日(水)から5月18日(土)まで、東京・市ヶ谷のミヅマアートギャラリーにて開催される。天野喜孝展「春夢譚」では、天野喜孝が様々な手法で描いた春の表現を紹介。変わりゆく季節と時代を感じさせる、物語性に満ちた作品が展開される。淡い色彩で繊細に描かれた《Lady Blue》は、刹那の感情を見せることなく静かな存在感を放つ女性を描いた絵画。少女から大人へと成長していく過程の、瞬間的な生の輝きを切り取った作品からは、春の夢のごとく儚い美しさを感じられる。15歳でアニメ制作会社タツノコプロに入社した天野喜孝は、「タイムボカン」シリーズや「科学忍者隊ガッ チャマン」など数多くのキャラクターデザインに関わった。独立後「ファイナルファンタジー」シリーズのキャラクターデザインで話題を呼び、90年代後半以降はファインアート中心の活動に移行。個展の開催など国内外で活躍を見せる。天野喜孝展「春夢譚」に先立って、3331 Arts Chiyodaでは4月2日(火)から「ラフ∞絵展」を開催。タツノコプロを原点に持つ天野喜孝をはじめ、秋本治、大河原邦男、高田明美の“ラフ絵”を紹介し、作品が生まれる過程に迫る。【詳細】天野喜孝展「春夢譚」会期:2019年4月10日(水)~5月18日(土)時間:11:00~19:00 ※日・月・祝日休廊会場:ミヅマアートギャラリー住所:東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2FTEL:03-3268-2500
2019年03月30日