メープルシロップの、あの甘いだけじゃないほっとするような風味は一度知るとクセになりますね。でもちょっとお高め…。でも、パンケーキに使いたい!と買って、何度か使ったはいいけどそのあと忘れていた…というときどうしますか?せっかく買ったメープルシロップを、戸棚の奥にしまい込んですっかり忘れていた!なんて経験、誰にでもあるのではないでしょうか。今回は、メープルシロップの賞味期限について、そして「食べても大丈夫」の目安をご紹介いたします。■メープルシロップの賞味期限はどのくらい?メープルシロップの賞味期限は長そうなイメージがありませんか?甘いものは日持ちするもの、という漠然とした印象がありますが、本当のところはどうなのでしょうか。実は未開封と開封後では、賞味期限に大きな差があるのです。・未開封のメープルシロップ未開封のメープルシロップは、常温保存でなんと1年、長いものでは4年もつ場合もあります。期間に開きがあるのは、産地やメーカーによって違うためですが、基本的にメープルシロップは腐りにくいものなのです。・開封後のメープルシロップあくまで「賞味期限」というのは未開封の状態でおいしく食べられる期間。開封した後のメープルシロップの寿命は短く、1ヶ月以内に使い切るようにしましょう。栓を開けてしまったあとの容器の中には空気も雑菌も混ざります。そうすると急激に品質が劣化するので要注意です。・カナダ産のものも同じカナダ産の商品の中には、製造年月日しか書いていないものもあるようですが、その場合であっても賞味期限は同じと考えた方が良いでしょう。未開封の場合は製造日から最長で4年、開封後であれば1ヶ月以内に使い切る。これが鉄則です。■メープルシロップの賞味期限比較【メーカー別】では実際にメープルシロップのメーカー別に賞味期限の表示がどうなっているのか比較してみます。・モン・ファボリ(カナダ ケベック州産)…3年・アレガニ(カナダ ケベック州産)…3年・シタデール(カナダ ケベック州産)…4年・ボーアンドボン(カナダ ケベック州産)…商品発送時より240日以上・ナウフーズ(アメリカ産)…約2年・森永製菓(カナダ ケベック州産)…商品発送時より120日以上■メープルシロップをダメにしないための保存方法未開封の状態では何年ももつのに、開封したあとは一気に品質が劣化するという事実を知らずにいたら、せっかくのメープルシロップを全部使い切る前に捨てなくてはならない事態に陥ってしまいます。きちんと最後まで楽しむために覚えておきたい保存方法のポイントをご教示いたします。・未開封なら常温保存が可能開封する前でしたら、室温で保存しておいて構いません。常温というのはだいたい15~20℃ほどのこと。真夏のうだるような暑さの中ではまた条件が違いますので、室内といえども温度が上がるような場所は避けるようにしましょう。・冷暗所に置いておく冷暗所って冷蔵庫のこと?と思うかもしれませんが、そうとは限らず、風通しの良い涼しいところという意味です。あまり湿気がこもるような場所を避け、直射日光が当たらず温度が上がりすぎない場所であれば、冷蔵庫の中でなくても良いのですね。・開封後は冷蔵庫へこれまで述べたのは、開封前の話。開封したあとは冷蔵庫で保存するのが基本です。天然のメープルシロップは保存料を一切使用していないため、品質が変化しやすいという弱点があります。開封してしまうと菌が入り込む可能性が高くなり、菌の繁殖を防ぐためには5℃以下の環境に置いておくのが有効です。・冷凍保存で長持ちもっと安心なのは、冷凍庫で保存すること。菌は0℃以下ではほとんど活動できず、繁殖ができません。短期間で使い切る予定がない場合は冷凍庫に入れてしまうのが一番安全です。カチコチに凍ってしまったらどうすればいいの?と心配になるかもしれませんが、メープルシロップは糖分が高いので凍ることはありません。少し粘度が高くなりますが、あたためるとすぐにさらさらに戻ります。・保存容器は瓶がおすすめ市販のメープルシロップの容器は瓶が多いですね。プラスチックの容器ではほんのわずかに空気を通してしまうので、あまり長期間の保存には向きません。その点、瓶は空気を通さず、透明なので中身が見えやすく品質の変化を見分けるのにも都合が良いのです。味や匂いうつりの心配が少ないのもおすすめできる要因のひとつです。■メープルシロップとはメープルシロップは、ホットケーキやワッフルにかけると甘くておいしいシロップ。という認識だけではなくて、そもそもどのようにつくられているものなのか、何が原料となっているのかメープルシロップについての深い知識を手に入れましょう。メープルシロップのおいしさがもっと奥深く感じるようになるかもしれません。・メープルシロップの原料「メープル」とは英語で「カエデ」を意味します。その名の通り、「カエデの樹液」のことを「メープルシロップ」と呼んでいるのですね。カエデと一口にいっても種類がいくつかありますが、その中でも一番メープルシロップに適しているのが「サトウカエデ」で、3~4%ほど、樹液としては高い糖度を持つといわれています。「ケーキシロップ」や「メープル風」「メープル入り」などと表記があれば、それは純粋なメープルシロップではないでしょう。ぶどう糖果糖液糖や水あめが混ざっているものは賞味期限もまた少し変わってきますので、食品表示をよく見てみてください。純粋なメープルシロップの表示には「メープルシロップ」や「カエデ樹液」などと書かれています。・製造方法カエデの木をちょっと切るといつでも樹液が出てくる、なんて簡単にはいきません。樹液を採取するのは、極寒の冬を越えた春先の2週間程度。カエデの木の樹齢や健康状態も考慮しながらバケツを設置して樹液を集めます。そうして集めた樹液は「メープルウォーター」と呼ばれ、まださらさらの水のような状態で、前述のように糖度は3~4%しかありません。それを火にかけ、66%になるまで煮詰めてできるのが「メープルシロップ」です。・メープルシロップの産地サトウカエデの原生林はカナダ、アメリカの一部にあり、メープルシロップの産地もそのほとんどがカナダ南東部となっています。マイナス30℃まで気温が下がるような厳しい冬を乗り越え、春になり、雪解け水のミネラルを吸収した木だからこそ、樹液は甘く栄養分を多く含みます。そうしたカナダの気候が、甘くて風味豊かなメープルシロップをつくっているのですね。・日本でも生産されている「サトウカエデ」の木は残念ながら日本に自生していませんが、北海道、山形県、長野県、埼玉県で「イタヤカエデ」などカエデの樹液を使用した国産メープルシロップがつくられています。イタヤカエデの樹液はサトウカエデよりは糖度が低く、それを煮詰めて高糖度にするため、できあがるシロップの量は少なくとても貴重なもの。その分お値段も高めではありますが、どんな違いがあるのかぜひ味比べをしてみたいものですよね。■メープルシロップの賞味期限が長い理由メーカー別の賞味期限比較を見てもお分かりの通り、メープルシロップの賞味期限は1年~4年まであり、とても長いですね。でもその製造方法を知ると、なんとなく保存性が高い理由もわかる気がしてきます。ではその理由をひとつずつ解き明かしていきましょう。・糖度の高さメープルシロップは樹液の時点では糖度の低い水のような状態ですが、糖度が66%になるまで煮詰めてつくられるとご紹介しました。この製造方法こそが賞味期限を延ばす秘密。たとえば、「ジャム」も煮詰めて糖度を高くし保存性を高めている食品のひとつです。60%以上の糖度があると、腐りやすいフルーツでも長期間保存して食べられるようにする先人の知恵ですね。・菌が脱水状態になるなぜ糖度が高いと保存性が高まるのかというと、糖が食品中の水分と結びついて菌自体の水分も奪って殺してしまうからです。糖は水分と結びつく性質があるので、菌が繁殖するための水分もなくなります。糖度が高い開封前のメープルシロップは、カビや腐敗が進む原因の菌たちが脱水状態で自由に動き回れないため腐りにくく、賞味期限も長く設定されているというわけなのです。・純度100%のものは腐りにくいさらに、メープルシロップは原材料が樹液のみ。混ざりものは一切ないので、その点もメープルシロップが高い保存性を持つ理由のひとつです。じっくり煮詰めて水分を飛ばした商品は、そのあとでほかの糖類や香料を混ぜたものよりも不純物がなく賞味期限が長く設定されています。■メープルシロップとはちみつの賞味期限の違いここまで読んでいただけたら、メープルシロップとはちみつの違いがお分かりかもしれませんね。どちらもそれぞれ独特の甘みがスイーツをさらにおいしくしてくれるシロップに違いはありませんが、賞味期限の違いにスポットを当てて比べてみましょう。・はちみつの方が長持ちするメープルシロップとはちみつとを比べると、はちみつの方が長持ちします。空気に触れないようにしっかりと封がされ、日光に直接当たらないような場所で保管されたはちみつは、何百年たっても腐らないと言います。それでも商品を出荷するときのルールで、賞味期限を設定しなければならないため、1~3年に設定されていることが多いようです。・原材料の違いサトウカエデの樹液からつくられていたメープルシロップも賞味期限が長い食品でしたが、はちみつはなぜ腐りにくいのでしょうか。はちみつは、外で働くミツバチが花の蜜を集めて巣に持ち帰り、ミツバチ同士口移しで蜜を渡し、渡された方のミツバチが蜜を口でかき混ぜながらはちみつを作っていきます。このときにミツバチが出す酵素と蜜が混ざり反応して、殺菌作用をもつはちみつへと変化します。この自らがもつ殺菌作用によって、腐りにくい性質となっているのです。風邪をひいたときにははちみつが喉に良いといわれますが、このような殺菌作用はメープルシロップにはないはちみつの特徴です。・はちみつは水分を含まない食品が腐る原因は水分にあります。メープルシロップは煮詰めて水分を飛ばして作られるため腐りにくいとお伝えしましたが、ミツバチたちも似たようなことを行っているのです。巣に集めた蜜を、ミツバチたちはかき混ぜながら羽を動かして水分を蒸発させていきます。とろりとした高い粘度はミツバチたちが煮詰めるのと同じように水分を飛ばしているからなのですね。・はちみつの糖度そうしてミツバチたちの働きによって完成するはちみつの糖度は80%にもなります。これほどまでに高い糖度の中では、繁殖のために必要な水分がほとんど奪われてしまい、カビや腐る原因の菌は自由に動き回ることができません。これがはちみつの賞味期限が長い秘密です。糖度をみてもメープルシロップの方が低く、殺菌作用がないため、どちらかといえばはちみつの方が保存性は高いということになりますね。・はちみつは『ボツリヌス菌』に注意糖度が高く、また栄養価も高くて、砂糖よりもカロリーが低いメープルシロップとはちみつ。甘さをプラスしたいシーンで重宝する食品ですが、はちみつだけはお子さんにあげるときに注意が必要です。「ボツリヌス菌」は自然界のどこにでもいる菌で、硬い殻に覆われた姿をしています。この殻のおかげで強い殺菌作用のあるはちみつの中でも死なずに残り、腸内環境が整う前の免疫がない赤ちゃんのおなかの中に入ると、繁殖して「乳児ボツリヌス症」を引き起こす可能性があるのです。なので、生後1歳未満の赤ちゃんに自然の甘みで味を覚えてもらいたい場合には、はちみつではなくメープルシロップがおすすめです。■賞味期限切れのメープルシロップは食べられる?本場カナダの商品は瓶のデザインも可愛くて、お土産にもらったらうれしいものです。お土産ならなおさら、自分で買ったにしても少しお高いメープルシロップだからこそ、もったいなくて捨てるに捨てられませんよね。いくら保存性が高いメープルシロップといえども、賞味期限が切れてしまったものは食べても大丈夫なのでしょうか。・未開封なら1年過ぎていてもOK?メープルシロップの賞味期限は長いもので4年に設定されています。糖度の高さが保存性を高めているので、空気が入らないようきちんと封がされていて、直射日光に当たらないような涼しい場所に保管されていたものであれば、何年たっても食べられます。・味や風味は劣化しているただし、年月を経てまったく状態が変化しない物質などありません。味や風味などは変わっている可能性があるので、その点は覚悟しておきましょう。その場合は何かにかけてそのまま食べるより、お菓子作りや料理の砂糖代わりに使うのが良いかもしれませんね。お料理への使い方を後記してありますので、ご参考にしてみてください。・塊はカビではなく結晶封がされていても保存状態によっては、もしかしたら中で氷の塊のようなものが沈んでいることがあるかもしれません。これはカビではなく、糖分が固まった結晶ですので、取り除くとまた使えるようになります。結晶を食べても問題はありません。・安全かどうか見極めてからただ、カビなのか、結晶なのか、悪くなった状態のメープルシロップを見たことがない人には判断がつかないこともあるでしょう。大丈夫だと思って食べたら腐っていた、ということがあっては健康を害するおそれもありますので、慎重に行動したいものです。次の項で、危険なサインをご紹介していきます。■メープルシロップの食べられないサインとは菌が繁殖できない高い糖度のメープルシロップでも、絶対腐らない食品ではありません。見た目、味、ニオイの観点から、食べてはいけない目安をチェックしていきましょう。・カビが生えているまずは見た目です。表面に白っぽいふよふよしたものが浮いていると、それはカビ。開封後は、空気に触れて雑菌が混ざりカビが生えてくる危険性が高まっていきます。ですが、中には未開封でもカビが生えてくることもあるようなので、使う前には見た目のチェックをしっかり行いましょう。・色がまだら綺麗な琥珀色が、濃い色とのまだら模様になっていたら思い切って捨ててしまうのが無難でしょう。出してみると変質してどろっとしているかもしれません。こうなったら食べない方が安全です。・表面に膜が張っている表面が一番空気に触れ、水分が浮くことで、雑菌が繁殖しやすくなっています。もし表面に膜が張っているようでしたら、そこには菌が繁殖してしまっているかもしれませんので、使用しない方が良いでしょう。・異臭がする食品を腐らせる菌が繁殖すると、ニオイにも変化が起きます。蓋を開けた瞬間、カビくさいようなニオイや酸っぱいニオイがしていたら、もったいないことですが捨ててください。・味の変化たいていは見た目で腐っていることがわかるはずですが、開封後に常温で長期間置いてしまったあとや、未開封でも賞味期限を大幅に超えてしまったときに、見た目に変化はなくてもほんの少しだけ味見をしてみましょう。もし味に変化があったら危険かもしれません。腐った食品はカビくさい味、酸っぱい味がします。その場合は速やかに廃棄するしかありません。■メープルシロップをおいしいまま使い切る工夫少量の瓶ならば使い切るのもそれほど難しいことではありませんが、外国産の商品は大容量のものも多いですね。1,000gを超える商品もあります。おいしいメープルシロップをおいしいまま使い切るための一工夫を覚えておきましょう。・少量サイズのものを購入120g~350gほどの小さめの瓶のものを選ぶという手もありますが、もっとお手軽に使えるかたちとしてポーションタイプのメープルシロップも販売されています。両端をつまむように持ち、パキッと折って中身を出す「ディスペンパック」容器のものは、手を汚さずに済みますし、少量ずつ使いたい人にはとても便利でおすすめです。・食べきれない分は小分けにして保存もし大容量のメープルシロップを開封してしまって、使い切れる自信がない場合は、小分け容器に移してしまうのが得策です。その場合は瓶を煮沸消毒するか、プラスチックの容器であればアルコールで消毒をしてから、水分が混ざらないように気をつけて移し替えます。そしてすぐに使わない分は冷凍庫で保管するのがベストです。すぐに使う分はオイルボトルに入れておくと注ぎやすくて使いやすいですよ。・真空パック空気に触れると雑菌が繁殖するので、できる限り空気に触れないようにする必要があります。小分けにするときは真空にしましょう。ワインなどの液体を真空にできる容器もありますし、瓶のまま真空にできる方法もありますので、自分にあった方法を選択すると良いですね。■メープルシロップのおいしい使い道とにかく残さないように使い切るのが一番です。メープルシロップはホットケーキやワッフルにかける以外にどんな使い道があるのか、知っておくと捨てずに済むはず。これを頭の片隅に置いておけば、お得な大容量のメープルシロップも賞味期限を恐れず購入できますよね。・メープルシロップでこってりお肉料理砂糖と同じような感覚で使えるメープルシロップはお肉料理との相性も抜群です。また、メープルシロップにはお肉をやわらかくしてくれる性質もあるのでうってつけ。鶏肉、豚肉、ターキーやスペアリブなどの肉は、しょう油とメープルシロップ、お酒で味付けをすると風味豊かな一品が完成です。そこへ生姜やマスタードを加えても、おもてなしのメインになれるおしゃれな料理になりますよ。・メープルシロップで香り高い魚料理ちょっと意外な気もしますが、メープルシロップで魚を調理してもおいしくなります。ぶりなどの白身魚を照り焼きにするときや、煮つけにするときの砂糖の代わりに使うことができます。メープルシロップを使うことによって香りが良くなるので、いつもの魚料理と一味違った食卓に早変わりしますよ。・メープルシロップでやさしいサラダメープルシロップのやさしい甘みは、こっくりおいしいかぼちゃのサラダやさつまいもを使ったサラダにも合います。そのほか、ドレッシングに加えても食材の味を引き立たせる役割をきっちり果たしてくれるはず。〇ごまドレッシング材料をミキサーに入れて混ぜるだけ。生野菜や鶏ささみのサラダにかけてめしあがれ。いりごま 大さじ4マヨネーズ 大さじ5メープルシロップ 大さじ1しょう油 小さじ2酢 小さじ2〇マリネドレッシング皮をむいたミニトマトをメープルシロップのマリネドレッシングに漬けておくだけで簡単に一品完成。オニオンサラダにかけても良し、サーモンのサラダにかけても良しのお手軽ドレッシングです。メープルシロップ 大さじ2酢 大さじ2オリーブオイル 小さじ2・メープルシロップの自然派スイーツやっぱりメープルシロップはお菓子に使うのが定番ではないでしょうか。スイーツポテト、プリン、パウンドケーキ、クッキー。どんなお菓子に使っても香り豊かなスイーツになるので、ティータイムに添えたり、お子さまと一緒に作ったりしてもリラックスタイムにぴったりのスイーツができあがります。また、ナッツやドライフルーツをメープルシロップに漬けておけば、ヨーグルトに混ぜて栄養満点のデザートにしたり、ケーキや蒸しパンに混ぜ込んで焼いたりと、さらにレシピの幅がぐんと広がります。■メープルシロップを上手に保存して最大限に活用しようただ甘さを足したいだけなら白砂糖でも良いのですが、メープルシロップには、砂糖にはない豊かな風味と栄養価が含まれています。そんな自然の恵みを、せっかくなら捨てることなく最後までおいしくいただきたいものです。ご紹介した中から自分の生活スタイルに合った保存方法を選んで、素敵な食卓の一員にメープルシロップを加えてあげてくださいね。戸棚の中にしまいっぱなしのメープルシロップがあるご家庭は、まずは期限を確認してから、さまざまなレシピに活用してみてください!《参考》・ 消費者庁HP「ハチミツによる乳児のボツリヌス症」 ・ 山田養蜂場「蜂蜜のボツリヌス菌について」
2021年04月15日大人から子どもまで、幅広く人気のあるカレー。調理も簡単なので、よく作る方も多いと思いますが、あれこれ足していくうちにいつのまにかお鍋いっぱいになってしまい、冷凍することってありませんか?今回は、そんなときのために、カレーの冷凍方法や解凍方法・アレンジレシピまで幅広くご紹介します!■カレーの保存期間はどのくらい?カレーの保存は常温・冷蔵・冷凍どれも可能ですが、ほかの料理と比べ保存期間が短いのが特徴です。方法により保存期間が違いますので、作った量や食べる期間に合わせて保存方法を上手に使い分けましょう。・常温保存したカレー常温での保存期間は長くて1日で、できれば作って粗熱が取れたらすぐに冷蔵庫へ移すのがベストです。「一晩お鍋で寝かせたカレーはおいしい」という言葉もありますが、実はカレーは常温保存にはあまり向かない料理なのです。常温保存の危険性カレーを1日常温保存すると、具材の成分やうまみが溶け出すことでさらに味が深まります。しかし、それと同時に細菌も増殖し食中毒の可能性も高くなるのです。特に気温や湿度の関係で細菌が繁殖しやすい梅雨の時期や、室温が高い夏場に作ったカレーは粗熱が取れたらすぐに冷蔵保存に切り替えましょう。冷蔵庫に保存場所がなく、どうしても常温保存をしたい場合は、1日に2~3回かき混ぜて火を入れ、粗熱を取る作業を繰り返して早めに食べることをおすすめします。・冷蔵保存したカレー冷蔵庫で保存する場合の保存期間は2~3日程度です。ただし、お鍋のまま保存するのはNG。保存容器に小分けにした状態での保存がおすすめです。カレーは冷蔵保存していても傷むのが早いので、食べる前に匂いがないかチェックしてから食べましょう。冷蔵保存は、解凍などの手間もなくあたためるとすぐに食べられる保存方法なので、一度に食べる量が多く数日で消費できる場合はこの方法を活用しましょう。・冷凍保存したカレー冷凍保存は保存期間が約1ヵ月程度です。ほかの方法と比べて保存期間をぐっと延ばすことができ、たくさんつくってしまったカレーを腐らせる心配もありません。いくつか小分けにして保存すると、夜ご飯に困ったときに白米だけ準備すれば、すぐに主食ができあがりますね。■カレーの冷凍方法長期保存が特徴の冷凍保存ですが、長期間カレーを入れることによって保存容器への匂いと色移りが気になる方も多いのでは?一度使った容器が黄色くなってしまい、カレー専用の容器になってしまうのは困りますよね。そんなかたは、次のような方法で冷凍すると不安を払拭できますので、ぜひお試しください。・保存袋で冷凍する匂いを密閉できる食品用保存袋はカレーの保存にピッタリです。方法も簡単で、袋の大きさに合わせてカレーをいれ、空気を抜いて保存するだけです。このとき、なるべく薄くのばすことで場所を取らずに保存することができるのでおすすめです。漏れが怖いようであれば袋を二重にしましょう。保存袋は使い捨てなので、使用後の匂いや色移りを気にしなくて済むのがうれしいですね。新しいものを毎回使用できるので衛生面でも安心です。・タッパーで冷凍するタッパーでの冷凍保存は、液体であるカレーを保存しやすく、とても便利です。ただ、匂いや色を吸収しやすいのが難点です。洗っても匂いがとれない場合、ほかのものを保存するのに使いにくくなってしまいますね。そんな対処法として、タッパーにラップを敷いてからカレーを入れると予防ができます。または、ラップの代わりにビニール袋をしき、ビニール袋の中にカレーをいれ封をしてからタッパーの蓋をしめましょう。・耐熱ガラス容器で冷凍するガラスは匂いや色に影響されにくい素材なので、カレーの冷凍保存を行う保存容器では、1番保存に適しています。解凍するときも別の容器に移さず、そのままレンジで加熱することができますので手間も省けますね。見た目もかわいいガラス容器は、そのまま食卓にだしても違和感なく使うことができます。最近は100円均一ショップでも手に入りますし、雑貨屋さんなどで300円~500円とお手頃に販売されているので、おうちに1つあるととても便利なキッチングッズですよ。■カレーを上手に冷凍するコツカレーを冷凍するときのポイントは、新鮮な状態で冷凍保存することです。そのためには。できあがったカレーを冷ます工程がポイント。冷まし方に気をつけ、細菌を繁殖させないように冷凍することで、解凍したときに安全でおいしいカレーを食べることができるのです。・作ってすぐに粗熱を取るカレーをつくって自然に粗熱がとれるのを待っていると、鍋の中で冷めにくい部分と冷めやすい部分の温度差が出てしまい、冷めやすい部分から細菌が繁殖してしまうのです。そうならないために、カレーができたあとはすぐに粗熱をとりましょう。粗熱の取りかたはいろいろありますので、お鍋の大きさやキッチンの広さにあわせておこないましょう。いくつか方法をご紹介します。・鍋ごと氷水に浸けるカレーの鍋よりも一回り大きいボウル、もしくは鍋を用意します。そこに氷水を張り、カレーなべをつけることで一気にカレーの粗熱を取るやり方です。氷水につけながらおたまでかき混ぜることで、さらに時間が短縮できます。この方法は粗熱が取れる時間が一番短く簡単な方法ですが、カレー鍋が大きいと、それを入れるボウルがなかったり、カレーがこぼれてしまう危険がありますので要注意です。・鍋の中身をよくかき混ぜる鍋の中をかき混ぜることにより、カレー全体の温度を均一に下げることができます。火を消してすぐに鍋をかき混ぜて、カレーの中の空気を入れ替えていきましょう。特に道具も準備も必要なく簡単にできる方法ですが、かき混ぜるだけでは少し時間がかかるのと、腕が疲れてきてしまうので、ほかの方法と組み合わせて行うのがベストです。・冷凍後は日付がわかる様に注意せっかく上手に保存したのに、気付いたらかなり時間が経ってしまい、冷凍庫内で霜がおりていることも。そうならないために、保存するときは冷凍した日付をわかるようにしておきましょう。保存袋であれば直接記入できますが、タッパーやガラス容器であれば、マスキングテープを使うと容器を汚さず一目でわかりますよ。■カレーを電子レンジで解凍するのは危険?カレーは、お肉や冷凍食品を解凍するの違い、解凍するときにはいくつかの危険があるのです。作ったカレーがダメになってしまうだけならまだしも、うっかりしていると火傷やレンジの破損にもつながりますので、扱いには注意が必要です。・解凍ムラができる電子レンジは、場所によって熱の当たり方がちがうため、周りは熱いのに真ん中だけ冷たいなどの解凍ムラがでることがあります。しかし、温度の低い部分を高い部分にあうまで温めてしまうと、カレーだけでなく容器も高温になってしまい、とりだすときに火傷の可能性があります。温度の様子を見て、容器内のカレーをかき混ぜるなどの工夫が必要です。・爆発する危険もあるカレーをレンジで加熱すると、ボンっという音とともにカレーがレンジの中で飛び散ってしまうことも。この爆発の原因は、加熱によって一部分だけ温度が高くなったカレーの急な沸騰です。この沸騰を突沸といい、とろみのあるものを加熱すると起きやすい現象なので、トマトソースなども同様に注意が必要なのです。ちなみに、爆発の防止としてラップをする方もいますが、これは爆発したときに庫内汚れを防ぐだけであり、爆発を防ぐことはできません。電子レンジの「自動あたため機能」を使用すると、あたためられすぎてしまい、爆発の危険が高まりますので、様子を見ながらあたためを追加していく方法が最適と言えます。・耐熱ガラス容器を使って低温設定で解凍する電子レンジで解凍するときには、耐熱性のあるガラス容器を使いましょう。タッパーだと電子レンジに対応していないものもあるのです。そして、対応していないタッパーを使用してしまうと、熱で変形する可能性があります。端的に言えば、容器が溶けてしまうので、非常に危険ですし、中のカレーも食べられなくなってしまうかもしれません。容器が耐熱だとしても、加熱の際に爆発してしまう可能性がありますので、電子レンジの温度を低温に設定し、時間を1分~2分ごとに区切って中身を確認しながら加熱することをおすすめします。また、ガラス容器自体は耐熱でも、容器のフタが電子レンジで加熱不可のものがありますのでそちらもご注意を。フタが使えない場合はラップで代用しましょう。ただ、フタもラップも無しの状態では庫内にカレーが飛び散るので、かならず何かしらのフタをしてから加熱しましょう。■カレーに適した解凍方法カレーを安全においしく解凍するには、できればレンジでなくほかの方法で行いましょう。解凍時間やそのあとの調理方法により適した解凍方法があります。いくつかの解凍方法を組み合わせて時短にすることもできるので、ぜひご参考にしてくださいね。・自然解凍する自然解凍は時間がかかる方法ですが、うまく活用できれば光熱費の節約にもなる方法です。さらに、ゆっくり時間をかけて解凍することで、解凍時に出るドリップが少なくすみます。前の日からキッチンで自然解凍しておくとスムーズに食卓に出すことができます。ただし夏場は衛生面で注意が必要ですので、気温が高い日は冷蔵庫をつかって自然解凍することをおすすめします。・流水解凍する流水解凍は短時間で解凍することができますので、レンジを使わずに早く解凍したい場合はこの方法がおすすめです。ただし、タッパーやガラス容器で冷凍していた場合は容器に水が入るので、流水方法は採用できません。そして、自然解凍や流水解凍は、カレーが常温に近い温度になったらレンジで温めることが可能です。ある程度解凍したものをレンジで解凍すると加熱ムラもすくなく、急激な温度変化もありませんので安全に解凍することができます。・湯煎解凍する冷凍しているカレーを今すぐ食べたい! という場合は、湯煎解凍を行いましょう。保存袋などを使用して冷凍したカレーは、レトルトカレーのように解凍して、そのまま器に出して食べることができます。タッパーなどの保存容器の場合はフライパンに浅く水をはり、一度お湯を沸騰させてからそこにタッパーを入れて解凍しましょう。・鍋に移して加熱する鍋で解凍する方法は、そのままだと時間がかかるため、ほかの解凍方法と組み合わせるのがおすすめです。カレーを半解凍にした状態で、ある程度熱を通りやすくしてから使いましょう。・お弁当に持っていくなら自宅で自然解凍カレーはもともと水分が多く、解凍するとどうしてもドリップがでてしまいます。したがって、解凍せずにお弁当に持っていくとふたをあけたらお弁当箱がびしょびしょになってしまうことも。お弁当としてカレーを持っていく場合は、カレーとご飯を分け、さらに解凍後に密閉できる容器に入れてから持っていきましょう。一度温めてからスープジャーに入れて持っていくのもおすすめです。・解凍後の再冷凍はNGカレーを再冷凍すること自体は可能ですが、冷凍と解凍を繰り返し行うことにより細菌が増殖し、食中毒を起こす危険性があるためおすすめはしません。細菌は死滅せず、ただ活動を停止しているだけなので、解凍すると細菌が再び増殖を始めてしまうのです。解凍したカレーはすぐ加熱をし、早めに食べ切ってしまいましょう。■カレーを湯煎解凍する際の注意点湯煎解凍では、熱湯を使うことによる火傷や調理器具の破損などに気をつけるのがポイントです。慣れれば時間をうまく使いながら解凍できるやり方なので、注意点をふまえて上手に活用しましょう。・解凍温度に気を付ける解凍時に鍋を火にかけたまま保存袋を入れてしまうと、鍋肌に当たった部分の保存袋が溶けてしまう可能性があります。鍋が高温になりすぎないように、鍋が沸騰したら一旦火を止めて余熱で湯煎を行いましょう。一度沸騰したお湯であれば、解余熱で充分に全解凍することができます。・ザルなどに入れて湯煎するのがおすすめ火を止めて調節するのが面倒な方はザルを使う方法もあります。保存袋ごとザルに入れ、そのままお湯の中に入れることでザルが保存袋と鍋を直接当たるのを防ぎます。この方法であれば、カレーが確実に解凍するまで火をつけながら湯煎することができます。■具材による冷凍保存の注意点カレーの具材で代表的なものといえば、たまねぎ・にんじん・じゃがいもなどですが、カレーを冷凍する場合ものによっては、せっかくのカレーが水っぽくなり、解凍するとスープカレーのようになってしまう場合も。具材の特徴を覚えておくと、あらかじめ冷凍する場合やたくさん作って冷凍する場合など、どちらのでもおいしいカレー を食べることができますよ。・にんじん・じゃがいもじゃがいもやにんじんは解凍後に水分が多く発生し、食感もぼそっとしてしまうため、冷凍カレーには向かない食材です。じゃがいもやにんじんを入れたカレーを冷凍するのなら、解凍後は水分が多くても食べられるカレーうどんやカレー鍋のようなレシピに活用しましょう。あらかじめ冷凍することが決まっている場合は、薄切りにして調理することで食感の変化が少なくなるのでおすすめです。・ナス・トマトトマトやナスは冷凍しても変化が少ない食材なので、冷凍カレーにはおすすめの食材です。素揚げしたなすをカレーと一緒に冷凍すると、解凍したときにはカレーを吸ったしみしみのなすが食べられます。トマトはカレーに混ぜ込むと酸味が強くなりますので、大人向けのカレーの具材としてぜひお試しください。・肉・ひき肉お肉も問題なく冷凍カレーに使用できます。お肉は、生のまま冷凍するよりは一度加熱してうまみを閉じ込めてから冷凍するほうがおいしくたべることができるので、冷凍カレーにはもってこいの食材です。・魚介類カレーに魚介類を使う場合で気を付ける点は、臭みが残らないように処理して冷凍することです。よく使われるのはイカ・アサリ・エビなどが多いと思いますが、それぞれの下処理をしっかりと行い、汚れを落としてから使用しましょう。特にアサリは砂だしをおこなわないと、死んだあさりがまぎれこんでしまったり、匂いが残ることがありますので要注意です。・冷凍するならドライカレーがおすすめカレーを冷凍する前提でつくるのであれば、ドライカレーをつくりましょう。水分の少ない材料を使うドライカレーは解凍後の水分の量が少なく、保存場所も場所を取らないのでたくさん作ったあとの冷凍保存にぴったりです。作り方も、材料を細かく切ってフライパンに具材とカレー粉を足していくだけなので簡単でおすすめです。食べるときに目玉焼きを上にのせると、見た目もかわいくおこさまも喜んで食べてくれますよ。■冷凍したカレーのおすすめアレンジレシピ最後は、解凍したカレーのアレンジレシピのご紹介です。そのまま食べてもおいしいカレーですが、冷凍したあとは少し違う味をたのしみましょう!いくつか覚えておくと、たくさんつくっても飽きずに食べることができますよ。・焼きカレー材料(2人分)余りカレー(ドライカレーがおすすめ)ご飯(炊きたて)茶碗2杯分ピザ用チーズ40~50gドライパセリ少々サラダ油大さじ1作り方手順1:耐熱皿にご飯を盛ってカレーをのせ、ピザ用チーズを散らす。トースターでおいしそうな焼き色がつくまで焼き、ドライパセリを散らす・カレーうどん材料(2人分)うどん(ゆで)2玉欧風カレーベース260g油揚げ1枚白ネギ1/2本麺つゆ(3倍濃縮)大さじ3水800ml・片栗粉大さじ2・水大さじ2下準備油揚げは縦半分に切り、さらに短冊切りにする。白ネギは斜め切りにする。<水溶き片栗>の材料を合わせておく。うどんは表示通りにゆでておく。作り方手順1:鍋に欧風カレーベース、水を入れ、溶いてから熱する。沸騰したら、麺つゆ、油揚げ、白ネギ、うどんを加え、約2~3分煮込む手順2:混ぜ合わせた<水溶き片栗>を加え、トロミがついたら器に盛る余ったカレーのアレンジレシピとして代表的なのがカレーうどん。お好みで生姜を入れると風邪対策にもなるカレーうどんになります。うどんに含まれる小麦粉でとろみがつきますので、片栗粉で調整するのは一番最後に行いましょう。煮込んだカレーうどんはとても熱いので、やけどに注意です。・カレーライスコロッケ材料(2人分)ご飯(炊きたて)400gカレープロセスチーズ2個・小麦粉適量・溶き卵適量・パン粉(細かめ)適量揚げ油適量下準備カレーは煮詰めて冷ましておく。プロセスチーズは4等分に切る。作り方手順1:ご飯の1/4量を平らに広げる。カレー、チーズの1/4量ずつをのせて丸く包む手順2:(1)に<衣>の小麦粉、溶き卵、パン粉を順につけ、170℃の揚げ油でキツネ色になるまで揚げる具材にはあらかじめ火が通っているものばかりなので、強めの火加減でさっと揚げるとサクサクのコロッケになるのでおすすめです。カレーコロッケのアレンジは、少し手間がかかりますが、お弁当のおかずにもなり、残りもので作ったとは思えないアレンジレシピですね。カレーを全解凍にせず半解凍にすることで、加熱したじゃがいもの熱とうまく混ざって中身を手で丸めやすくなります。■たくさん作ってももう怖くない!家庭料理の代表格であるカレー。材料を切って煮込むだけなので手間もかからず、おこさまがいるおうちでは月に1度や2度は食卓に登場するのではないでしょうか。ただ、たくさんつくってしまい意外と消費できず捨ててしまったと悲しい思いをすることもあったはず。今回ご紹介した方法を活用すれば、カレーの長期保存も可能になり解凍後もおいしく食べることができますね。アレンジレシピも豊富なおいしいカレーをたくさん作って、おうちカレーを楽しみましょう!
2021年02月18日