「本選びのプロ」がとっておきの情報を教えてくれる連載『まなびの本棚』第5回です。新学期が始まり、子どもたちはまだ新しい環境に緊張しているかもしれませんね。幼稚園や小学校での心配事や不安なことは、親子で一緒に解決策を考えるなど、日々の暮らしの中で工夫して乗り越えていきたいものです。でも、もしそこで親御さんにも解決策が見出せなかったら、本の中にその答えが見つかるかもしれません。親子で一緒に本を読み、その中から自分の気持ちに寄り添ってくれる言葉を探したり、「こういう時はこうしたらいいんだ!」と心が楽になる方法が見つかったりすると、子どもの視野はぐんと広がりますよ。この連載では、日販図書館選書センターで選ばれた本のランキング、そして選書のプロ・コンシェルジュによるコラムをご紹介します。きっと子どもの本選びのお役に立つはずです。選書センターについて、詳しくはこちらをお読みください→図書館司書や教育関係者が足繁く通う『日販図書館選書センター』って知ってる?2018年度の人気図書ランキング1位鳥獣戯画を読みとく五味文彦 監修岩崎書店2位失敗図鑑いろは出版編著いろは出版3位学校プールのヤゴのなぞ星輝行少年写真新聞社4位辞書びきえほんもののはじまり陰山英男ひかりのくに5位鉱物・宝石のひみつ松原聰岩崎書店(※2018年4月~2019年3月 累計)今回は、2018年度最も人気のあった図書をご紹介しています。物語よりも、ひとつの分野をより深く、さらに濃く突き詰めたラインナップが印象的ですね。子どもの「もっと知りたい!」という探究心を満たすような、充実した内容の図書がずらりとランクインしています。インターネットで簡単に情報が手に入るこの時代に、あえて1ジャンルに特化した本をじっくり読み込むという体験は貴重です。興味の対象をとことん突き詰めることは、きっとお子さんの粘り強さや集中力をはぐくむ一助となるでしょう。コンシェルコラム"本選びのプロ"選書センターコンシェルジュのおすすめの本『平成』から『令和』へ。今だからこそ元号について親子で学ぼう!天皇陛下の生前退位にともない、4月1日に新元号『令和(れいわ)』が発表されました。引用元の万葉集にも世間の注目が集まるなど、新元号にまつわる話題で連日盛り上がりましたね。このように、大人も子どもも天皇や元号に対する関心が高まっていますが、「元号はいつから使われているの?」「なぜ元号が変わるの?」「天皇陛下のお仕事って?」といった子どもからの質問に、意外と答えられない方も多いのではないでしょうか。本書は「天皇」「元号」そして両者の関わり合いをテーマにした図書です。幅広い分野ですが、小学生〜中学生向けにわかりやすく簡潔にまとめられています。本文はオールカラーで、写真や資料が豊富に掲載されているので、時代背景をイメージしながら調べ学習をすることができます。さらに、教科書に名前が登場する天皇については、その時代背景や功績などの詳しい解説があります。天皇と元号を理解するための入門編としておすすめします。『天皇と元号の大研究日本の伝統と歴史を知ろう』高森 明勅PHP研究所
2019年04月21日「本選びのプロ」がとっておきの情報を教えてくれる連載『まなびの本棚』第3回です。寒さが本格的になり、子どもたちも家にこもる時間が増えてきたのではないでしょうか。家で過ごす時間が増えたら読書を習慣づけるチャンスです!これまで時間がなくて読めなかった本や、時間があるときに読もうと思っていた少し難しい本に挑戦することで、子どもが自分自身と向き合うきっかけになります。この連載では、日販図書館選書センターで選ばれた本のランキング、そして選書のプロ・コンシェルジュによるコラムをご紹介します。きっと子どもの本選びのお役に立つはずです。選書センターについて、詳しくはこちらをお読みください→図書館司書や教育関係者が足繁く通う『日販図書館選書センター』って知ってる?2018年人気図書ランキング1位鳥獣戯画を読みとく五味文彦 監修岩崎書店2位学校プールのヤゴのなぞ星輝行少年写真新聞社3位失敗図鑑いろは出版編著いろは出版4位鉱物・宝石のひみつ松原聰岩崎書店5位辞書びきえほんもののはじまり陰山英男ひかりのくに(※2018年4月1日~11月30日累計)近ごろは空前の図鑑ブームですが、中でも3位にランクインした『失敗図鑑』は、立派な偉人たちの失敗を知ることで元気と勇気をもらえると評判です。しかも、ココ・シャネルやベーブ・ルース、徳川慶喜といった歴史上の人物だけではなく、いきものや発明品にまつわる失敗など、計320個ものさまざまなエピソードがつまっているので、読み応えも抜群!子どもが壁にぶつかったとき、失敗をして落ち込んだとき、親御さんからの励ましの言葉にプラスして、この図鑑をめくってみましょう。きっと「この失敗は成功するために必要なんだ!」と前に進む力になるはずです。コンシェルコラム"本選びのプロ"選書センターコンシェルジュのおすすめの本あの有名な物語が裁判のテーマに。視点を変えると昔話の印象がガラリと変わる!非現実的な昔話を法律の観点から読み解く……というこれまでにない斬新なテーマで、子どもたちだけではなく大人たちの間でも話題になったNHK Eテレの番組『昔話法廷』。今回は、この番組を本にしたシリーズの第2弾をご紹介します。たとえば『3匹のこぶた』では、オオカミは最後に鍋で煮込まれてしまいますよね。しかしこの法廷では、それは子ぶたたちの計画的犯行ではないかと疑われてしまうのです。果たして子ぶたたちは殺人罪に問われてしまうのか?それとも正当防衛で無罪になるのか?視点の面白さもさることながら、「なぜオオカミが入るほどの鍋があったのか」という鋭い指摘に、これまでまったく意識せずに読んでいた昔話の中に潜んでいる「謎」や「気づき」がどんどん明らかになっていきます。「もしかして……」と、大人でも考えさせられる内容なので、親子で一緒に読んだあとに意見を出し合ってみてもいいかもしれませんね。子どもたちが裁判員裁判について考えるきっかけになる図書としてもおすすめです。『昔話法廷 Season2』オカモト 國ヒコ金の星社
2018年12月29日