普段、何気なく手に取っている料理のレシピ集。実はその中には、おうちごはん事情に大きな革命を巻き起こした伝説的な一冊も!食への意識やスタイルにまで影響を与えた料理本をプロが教えます。 自分のレシピをネットで公開し、共有する今。この“レシピ文化”は昭和40年代にまで遡る。 「高度経済成長の中、生活が向上するにつれ“食”の知識への渇望が高まりました。『私の保存食ノート』の著者・佐藤雅子さんは人事院総裁を務めたほどの夫を持つ家庭人。一般主婦の“憧れ”が作るレシピが広く紹介される先駆けとなりました」(文化出版局・浅井香織さん) “憧れの味”が広まると同時に料理の意識も変わっていく。変化をもたらしたのは1985年創刊『オレンジページ』だった。 「1号の特集はステーキ。“おうちごはんだって外食並みに素敵になる”と印象づけたと同時に、“料理=義務”が“楽しんで、おしゃれに作るもの”に変わっていきました。ʼ90年代には男性料理家がレシピ本を出すことで、“料理=カッコいい”というイメージもつき、次第に男性も料理をするように。レシピ文化を追うことは、料理に対する意識の変遷を追うことでもあるんです」(オレンジページ編集長・杉森一広さん) そんな料理文化に影響を与えてきた本の一部がこちら。 ■『あなたのためにいのちを支えるスープ』辰巳芳子文化出版局 「“きちんとしたものを食べて滋養とする”という哲学があり食と向き合う内容は単なるレシピ本では括れません」(平井さん)2600円 ■『ヤミーさんの3STEP COOKING』ヤミー主婦の友社 3ステップで完成するレシピをアップし、大人気となったブログを書籍化。ブログがレシピ本としてまとまる流行を生んだ。933円 ■『速水もこみちが作る50のレシピきみと食べたら、きっと美味しい。』速水もこみちマガジンハウス “料理男子本”の代表格。定番和食から、ハンバーグという男子メニューまで、速水もこみちさんの自慢レシピがずらり。1749円 写真・内山めぐみ ※『anan』2015年5月13日号より
2015年05月11日