『ロングバケーション』『素直になれなくて』など大ヒットドラマの脚本家として、多くの女性ファンをもつ北川悦吏子。初の舞台脚本を手がけた『彼女の言うことには。』は、そんな北川の“恋の格言”が散りばめられた話題作だ。ストーリーは国際線のフライトで偶然隣り合った男女が、最初は反発しながらも次第に恋に落ちてゆくさまをコミカルに描くもの。主人公を演じる真矢みきが、等身大の恋愛模様に舞台では初めて挑むほか、相手役となる筒井道隆も恋愛ものに久しぶりの出演。さらにキャビン・アテンダント役の矢田亜希子は初舞台と、初モノ尽くしとなった本作。4月15日の東京・PARCO劇場での初日に先立ち、14日、舞台稽古の様子がマスコミに公開された。「彼女の言うことには。」チケット情報物語は主人公の夏来(真矢)が、パリ発東京行きのフライトに乗り込むところから始まる。見知らぬ男女が機内で隣り合うのはよくあることで、元カレからのメールが気になる夏来には隣に座る是枝(筒井)など目に入らない。キャビン・アテンダント(矢田)もテキパキと仕事をこなしつつ、他の乗客チェックに抜かりない様子だ。夏来の一見美人だが、若干空気の読めない行動ぶりに、最初は迷惑顔の是枝。だがフラワー・アレンジメントとドラマの作曲家という互いの仕事について話すうち、苦労して独立した大人同士だからこそ共感できる思いから、次第に互いの理解が深まっていく。さまざまな思いが交差するなか、飛行機は東京に到着……。恋にも仕事にも一生懸命、美人でイイ人だけれど、どこか空回り……。そんな女性を、前半ではコメディエンヌぶりを発揮して演じている真矢。ともすればただの“イタい”女になりがちだが、是枝が惹かれてしまうのは、夏来を演じる真矢自身のチャーミングさゆえだろう。その是枝を演じる筒井も、前半はひたすら受けの演技。夏来に戸惑う様子はハマり役で、それが後半、是枝の背景が明らかになるにつれ色を帯びていく表情がなんとも魅力的。クライマックスのひと幕では、“こんな男性と出会いたい”とつい思ってしまったほどだった。劇中のスパイスとなっている矢田は美しい立ち姿はもちろん、茶目っ気のある表情や柔らかく落ち着きのある声が心地いい。初めてとは思えない舞台度胸にうならされた。公開稽古後に行われた会見では、「観た後にお酒を飲みに行きたくなっちゃう舞台。お客さんもぜひ楽しんで」と北川が語れば、「もがきながら生きている、滑稽だけれど素敵な大人の物語」と真矢。「恋愛ものは久々で恥ずかしいけれど、共演が素敵な女性ばかりで光栄です」と照れながら話す筒井や、「お稽古は大変でしたけど、学ぶことが一杯。毎日が楽しい」と笑顔の矢田など、和気あいあいの様子で話していた。キャストの魅力も存分に生かされたこの舞台。観た後に少しだけ前向きになれる、そんなハートウォーミングな1本だ。公演は5月6日(日)までPARCO劇場にて上演。チケットは発売中。その後、名古屋、大阪、福岡と各地を回る。チケットは一部を除き発売中。取材・文:佐藤さくら
2012年04月16日3月14日にアルバム『愛の夢』をリリースし、クラシック日本人ピアニストとして史上最年少CDデビューを果たした牛田智大。12歳の天才少年として話題のピアニストの本格的デビュー公演が、7月に開催されることが決定した。「牛田智大 デビュー ピアノ・リサイタル」の公演情報両親の仕事の関係で上海にわたった3歳の頃より、ピアノを弾きはじめたという牛田智大。弱冠5歳にして上海市で行われたコンクールで1700人の中から1位に輝く。さらに若きピアニストの登竜門「ショパン国際ピアノ・コンクール IN ASIA」年齢別出場部門において、8歳から12歳までの5年連続で1位を獲得。また今年2月に行われた第16回浜松国際ピアノアカデミー・コンクールでは、19歳のイタリアの女流ピアニストと1位を分かち合い、同アカデミー音楽監督の中村紘子や世界的ピアニストのラン・ランからもその才能を絶賛されている。昨年10月に放送されたテレビ朝日『題名のない音楽会』出演を機に、注目度も急上昇の牛田智大。本格的デビュー公演となるピアノ・リサイタルは、7月17日(火)に東京オペラシティ コンサートホールにて開催。チケットの一般発売は3月31日(土)10時より。また一般発売に先駆け、チケットぴあではインターネット先行先着プリセールを3月27日(火)10時より受付開始。■牛田智大 デビュー ピアノ・リサイタル【日時】7月17日(火) 19:00開演【会場】東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル (東京都)※本公演は20:00終演予定(休憩無し)
2012年03月26日ドラマ『素直になれなくて』『ビューティフルライフ』の脚本や、近年では映画『ハルフウェイ』の監督を手がけるなど、映像のフィールドで活躍してきた脚本家・北川悦吏子がついに“初舞台”に挑む。北川が初めて舞台の脚本を手がける『彼女の言うことには。』で主演を務めるのは、毎年「理想の女性上司ランキング」で上位に入るなど、ハンサムウーマンぶりで幅広い層に人気の真矢みき。共演には筒井道隆と矢田亜希子も決まり、舞台での北川ワールドに期待が膨らむ。演出は昨年のドラマ『それでも、生きてゆく』が話題を呼んだ永山耕三が担当。北川とドラマ『ロングバケーション』でタッグを組んだ仲だけに、表現の場を舞台に移した本作でどんな化学反応を起こすのか注目だ。『彼女の言うことには。』チケット情報物語は、パリ発成田行きの飛行機の中で、隣り合わせた男女が恋に落ちるか落ちないか、というもの。ほぼワンシチュエーションというのは北川作品でも初めての試みで、これも舞台ならでは。そして真矢が演じる主人公は一見イイ女なのだが、どこか一生懸命な様子が滑稽でもあり……という役どころ。「ちょっとカッコつけて洋書を読んでみたり隣に座った人が気になったりと、私が普段機内でやっていることがそのまま描かれていてビックリしました(笑)」とは、台本を読んだ真矢の感想。対する北川は「真矢さんってクールビューティーに見えるけど、バラエティ番組とか素の時の彼女をみたら、“面白(おもしろ)、かわいい人だ!てわかっちゃったんです。視線の動き方とか(笑)。そこからどんどんヒロインのイメージが膨らみました」とさすがの洞察力を披露。「それにせっかくこんなチャンスを頂いたのだから、ドラマでは出来ないことを全部やろうと。だから書くのはすごく苦しかったけれど、初めてのことばかりで楽しかったですね」と北川。真矢も「こういう等身大の女性で、恋愛が絡む役というのはほとんど初めて。新しい役は常に挑戦と思って挑みたい」と意気込みを語った。対談中も「脚本はリアルに、こういうことあるある、っと思えてもらえてナンボだと思ってます。だから、自分が経験した見苦しいこと、つらいこと、情けない思い、満載です(笑)」と話す北川に、「私もそのタイプで、だからしょっちゅう頭をぶつけてばかり」と共感しきりの真矢。「よくある恋愛ドラマのような展開はつまらない。雨降りの軒下で雨宿りをした男女が、一瞬で恋に落ちる、みたいなのがいやなんです。隣り合った飛行機の中。12時間あれば、化粧もはげるし、寝たら鼾もかくかも、という長すぎる出逢いをコミカルに描きたかった」(北川)、「北川さんの脚本はト書きに『さて、ここでどうなるか』と呼びかけがあって、こちらもどうやろうかって考えるのが楽しい」(真矢)と、まさに脚本家と女優のコラボを予感させる本作。演劇好きだけでなく、ドラマ好きにもオススメの一本となりそうだ。取材・文佐藤さくら公演は4月15日(日)から5月6日(日)まで東京・パルコ劇場にて上演。チケットは年3月3日(土)より発売開始。その後、名古屋、大阪、福岡と各地を回る。
2012年01月20日