人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。社会を見つめるヒントをたくさんくれた、田嶋陽子さんの登場も、今回がラスト。第4回は、これからの未来の日本について、語ります。男も女も、互いにラクになれる方法を見つけよう。高度経済成長期、日本経済は右肩上がりでしたが、それは家庭に専業主婦という“無料で家事をしてくれる人”を抱え込むことで、男性が長時間働けた結果のこと。その一面、男は過剰な残業に苦しみ、女は家事を押し付けられて自活できなかった。現在、日本の経済は残念ながら下降線をたどっており、男だけが働き、男だけがトップにいるという既存の社会構造は、限界が来ています。確かに、出産は女にしかできないことだけれど、あとは男女ではなく人間としての個性の問題。お互いに参画し、お互いの重なり合わない部分を補え合えば、世界は1+1=2ではなく、何層倍も豊かになるはず。女性もフルタイムで働けば、男性の負担も減る。みんなで5時に仕事を切り上げ、家族で食事を作って一緒に食べられる。子育て支援事業を充実させれば、経済も回り、子供を産みたい人が増える。それが本当の意味での豊かな社会だと思います。イヤになっても、投げ出さず向き合うことが大事。イギリスに留学していたとき、毎朝ホストファミリー親子が政治の話をしていたの。当時のサッチャー首相に対して「こんなことをしていた」とか「あれは良くない」とか、意見を交わす。イギリス人にとって、政治はごく身近なものなんです。一方、日本では政治が“自分とは関係ない人がやるもの”になっている。でもコロナ禍でわかったでしょ?政治は自分の命に直結しているものなんです。良い社会にするために若い女性がまず何をするべきか?大事なのは、みんなが自分の責任で、自分の人生をしっかり生きることです。そうしたら、何が自分の邪魔をしているのか、何を変えるとラクになれるか、どんな国になったら生きやすいのか、少しずつわかってくるのでは?古い制度や法律が自分たちの足を引っ張っていたら、異議を唱えて変えていく努力をする。ちゃんと自分と社会と国と向き合って、生きていく。その気持ちがあるだけで、世界は確実に変わります。たじま・ようこ1941年生まれ、岡山県出身。英文学・女性学研究者、元法政大学教授、元参議院議員。‘90 年代、テレビ番組に多数出演し、“フェミニズム”をお茶の間に広めた。著書に『愛という名の支配』(新潮文庫)など多数。※『anan』2021年7月7日号より。写真・小川朋央(by anan編集部)
2021年07月03日人生の先輩的女性をお招きし、お話を聞く「乙女談義」。今月のゲストは、英文学・女性学研究者の田嶋陽子さんです。第2回の今日は、ご自身が最初に“理不尽さ”を感じた経験と、そこから得た教訓を伺います。“世の中は理不尽”、初めてそう思ったのは…。私が生まれた年の12月に太平洋戦争が始まりました。その後私は新潟の母の実家に疎開。当時は人がいっぱい死んであちこちでお葬式があったから、ある日私は従姉妹と“お葬式ごっこ”をして遊んでいたわけ。祖母の腰巻き…って、当時の女の人にとっての下着をお坊さんの袈裟に見立てて肩から斜めに掛けて、お茶碗をチンチン叩きながら村中を練り歩いた。そうしたら祖母にものすごく怒られて!で、文字通り、手にお灸を据えられたの。私は、悪い子として怒られたんだから…と熱くても我慢していたんだけど、なんと従姉妹はモグサを払いのけて逃げたの。びっくり!でも祖母は「(従姉妹は)すばしっこくていい子」と褒め、「それに比べて陽子はのろま」と…。なぜ素直に叱られた私ではなく、それを拒否し、逃げた従姉妹が褒められるのか。それが、私が人生で“理不尽”を感じた一番最初の記憶。それを長年考え咀嚼した結果、一つの結論にたどり着きました。その、幼い頃の経験をしゃぶり尽くした結果出てきた結論、それは、抑圧関係からは逃げていい、ということ。逃げるって、卑怯?それは互いの力関係が同じなら、逃げるのは卑怯かもしれない。でも例えば最初から格差があったり、こちらがきちんと扱われていない、そういった“対等ではない相手”からは、弱い立場の者は逃げていいんです。それは全然悪いことではない。私自身も、小さい頃はそういった理不尽から逃げられなかったけれど、大人になって職を得て、自分の人生を作れるようになり、やっと逃げられた。でも、女の人は逃げないですよね。というか逃げられないんです。それはなぜかというと、逃げた先で生きる術を持っていないから。自活ができなければ、結局は痛めつけられるまま、家庭や職場にいるしかない。だからこそ、自分の食い扶持を自分で稼ぐくらいの力を、女の人も持ってほしいと私は思います。いつでも逃げられるよう、力をつけましょう。たじま・ようこ1941年生まれ、岡山県出身。英文学・女性学研究者、元法政大学教授、元参議院議員。’90年代、テレビ番組に多数出演し、“フェミニズム”をお茶の間に広めた。著書に『愛という名の支配』(新潮文庫)など多数。※『anan』2021年6月23日号より。写真・小川朋央イラスト・菜々子(by anan編集部)
2021年06月19日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは、ジェンダー問題が課題である今の日本で、再び注目が集まっている、田嶋陽子先生。第1回はフェミニズムについてお聞きしました。“女”から解き放たれたら、人生はもっと広がる。大化の改新以降、女性の社会的地位は下がり続け、女の人は、“一人前の人間”として扱われたことはほぼありませんでした。江戸時代までは、極端な言い方ですが、“子産みの道具”。明治になると“良妻賢母”であれと言われたものの、それも妻や母という“役割”であって、“私という人間”の存在が認められたわけではなかった。ずっと役割の中だけで生きさせられてきた女の人たちが、人間として生きる権利を取り戻そうとする動き、それがフェミニズム。女も、男と同じ人間である。たったそれだけ、簡単なことなんです。女だからこうしろ、女だからそんなことするな。私が若かった頃に比べたら、女らしさの呪縛はかなり減りましたが、まだ今の日本の女性も、それを押し付けられている。でもその決めつけから解き放たれ、“人として”物事を考え、決められるような世の中になったら、人生はものすごく広がる。それを若い皆さんに知ってもらいたい。働き稼ぎ、家を持つ。それの何が悪い!(笑)私が通った女子大は、仕事を持ち自己実現をし、人や社会に尽くすことを教えてくれた学校。でも’60年代初頭、私と一緒に卒業した人たちは、ほとんどが就職することなく、あるいは短期間だけ働きお嫁に行きました。ただ、今の女性たちは、学校を出たら働いて、稼いで、そのお金で生きている。私からすると、それだけでも大きな変化。お金を稼ぐことは、おのれの足で立つこと。つまり、自由に好きに、自分の人生を生きる力なんですよ。お給料をもらってまず私は家の頭金を貯め始め、35歳で家を買ったの。誰にもとがめられず、自分らしくいられる場所があるっていい。しかも追い出される心配ないから、恋愛がイヤになったり、結婚に行き詰まったら躊躇なくやめられる(笑)。えっ?!今でも独身女性が家を買うことにウダウダ言う人がいるの?信じられない!カタツムリだって家を持ってるでしょ?働いてるなら、家買っちゃいなさい。あとがラクよ、おすすめ。たじま・ようこ1941年生まれ、岡山県出身。英文学・女性学研究者、元法政大学教授、元参議院議員。’90年代、テレビ番組に多数出演し、“フェミニズム”をお茶の間に広めた。著書に『愛という名の支配』(新潮文庫)など多数。※『anan』2021年6月16日号より。写真・小川朋央(by anan編集部)
2021年06月13日元参院議員の田嶋陽子氏が21日、TBS系情報番組『白熱ライブ ビビット』(毎週月~金8:00~9:55)に生出演。20日に最終回を迎えた同局系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』について批判的なコメントをし、『逃げ恥』を愛するファンから怒りの声が上がった。最終回を見たという田嶋氏は、第一声で「退屈だったね」とバッサリ。「ずっと最初の方見てないから、最後の方見たら、何でこんな人工知能みたいな男の人に惚れるのかよくわかんない」と、星野源演じた津崎平匡に惚れるのが理解できないと語り、MCの国分太一が「最後だけ見たからだよ!」とツッコんだ。田嶋氏は「しかも、問題何も解決してない」と不満を述べ、「主婦の家事労働代も30年前に25万円って厚生労働省から出ているのに、その間政府は何にもしてなくて、まだこんなことやってんのって」と意見。これに対し、テリーは「続編あると思う」と予想し、『逃げ恥』ファンの井上貴博アナウンサーは「最後に答えが出ないのもまたよかったんです」と話した。田嶋氏の勢いは止まらず、「ああいう結論にもっていったから、女たちを物欲しげにしちゃった。非常によくない」と批判。真矢ミキは「かつて田嶋さんが絡んでくるドラマがあったでそうかっていうことですよ」とフォローし、テリーも「こういう意見の人もいていい」と笑っていた。ツイッター上では、「知らないなら黙っとけ!」「逃げ恥を汚すな!」「田嶋さんが批判的で何か気分が悪い。」「逃げ恥の余韻に浸らせてー」「最終回しか見てないくせにグダグダいう田嶋陽子、嫌い」と『逃げ恥』ファンから怒りの声が。また、「賛否あるのが良いドラマの条件なんかもな、多分」という意見もあった。
2016年12月21日国分太一と真矢ミキがMCを務めるTBS系情報番組『白熱ライブ ビビット』(毎週月~金8:00~9:54)に10月3日より新たな曜日レギュラーが加わり、田嶋陽子・眞鍋かをり・倉田真由美らが出演することが30日、わかった。火曜には『だめんず・うぉ~か~』の著者として知られる漫画家の倉田真由美、水曜には食育インストラクターで料理研究家の和田明日香が加入。木曜には隔週で"元祖ブログの女王"こと眞鍋かをりと、モデル業と主婦業を両立し、アラフィー対象女性誌の表紙キャラクターを務めるカリスマモデルの富岡佳子の参加が決定し、金曜には元参議院議員の田嶋陽子が加わる。TBSは、「新たなビビットファミリーとして、"発信力"の強い面々がラインアップ。より強靭なプレゼン&トークを展開、"物申すスタジオ"にします!」と狙いを説明。「各曜日の女性出演者には、主婦目線を持ちつつ強烈な個性がある面々がそろった」としている。10月3日以降の『白熱ライブ ビビット』曜日レギュラー月曜:カンニング竹山、岸博幸、雪野智世火曜:テリー伊藤、千原ジュニア、倉田真由美水曜:テリー伊藤、中田敦彦(オリエンタルラジオ)、和田明日香木曜:水谷修、南美希子、眞鍋かをり/富岡佳子金曜:田嶋陽子、加藤シゲアキ(NEWS)、金慶珠
2016年09月30日●Xperia史上最薄の「Z4」ソニーモバイルコミュニケーションズは20日、同社のスマートフォン「Xperia」シリーズの最新モデル「Xperia Z4」を発表した。「カメラスマホ」の最終形を目指したという同端末。発売日や価格が明らかにされず、キャリアに先立ちメーカーが発表するなど異例と言える点も多い。本稿では同日、都内で開催された発表会の模様をレポートする。○より薄く、軽くなったフラッグシップモデル発表会冒頭では、同社代表取締役社長兼CEOの十時裕樹氏が登壇。2013年春にXperiaのフラッグシップモデルとして登場したXperia Zを皮切りに、Z1~Z3までの歴代Zシリーズを振り返り、最新モデルとしてXperia Z4(以下Z4)を発表した。続いて同社のデザイン・商品企画部門担当シニアバイスプレジデントの田嶋知一氏が登場し、Z4の商品コンセプトについて紹介。開発の重点ポイントとしてデザイン、カメラ体験、エンタテインメント体験の3つを挙げ、それぞれを性能面でも支えるべく、8コア-64bit CPU(Snapdragon 810)の採用や4G LTEカテゴリー6、MIMO構成のWi-Fiなど、スペック面にも妥協していないことを明らかにした。UIデザインについては、OSにAndroid 5.0(Lollipop)を採用し、そのUIデザインである「マテリアルデザイン」を重視しつつ、Xperia独自のスパイスを効かせたという。具体的にはプリインストールアプリのデザインにおいて、カラーパレットや、大きくアニメーションも備えたヘッダーの採用、奥行き(視差)を感じられるスクロール画面、画面の端から端まで使ったリストなどの要素を多用し、マテリアルデザインとの親和性を高めている。ハードウェアのデザインについてはZ3と同様に金属とガラスで1枚の板を成すというコンセプトを踏襲しつつ、より薄く・より軽いボディを実現。厚さは6.9mmと、Xperia史上最薄モデルとなっている。また、この薄さながらXperiaの特徴であった防塵・防水構造は引き続き採用されており、オーディオジャックおよびMicro USBコネクタにはキャップレス防水コネクタを採用したことで利便性も高まっている。またmicro SDスロットとSIMカードスロットを1つにまとめることで、サイドフレームもこれまでになくシンプルになっている。●カメラスマホの最終形へ○スマホ史上最強クラスのカメラがさらに強化Xperia Zシリーズといえば、同社の「Exmor RS」イメージセンサーや画像処理エンジン「BIONZ」、Gレンズといったこだわりのカメラ機能が思い浮かぶ。冒頭で述べたようにZ4は「カメラスマホ」として究極の形を追求したとあり、最高感度ISO 12800という圧倒的な暗部撮影能力や4K動画、電子式ながら強力な手ぶれ補正技術「インテリジェントアクティブモード」、新たに料理シーンに対応した「新プレミアムおまかせオート」といった機能を搭載する。さらにセルフィー撮影の需要が高まっていることを踏まえ、フロントカメラを200万画素から500万画素に強化。メインカメラとプレミアムおまかせオートやインテリジェントアクティブモードに対応するとともに、レンズも焦点距離25mm(35mmフィルム換算)の広角レンズを採用し、1度に4~5人写せるようになっている。また、カメラで撮影しながら楽しめるアプリもフロントカメラ用に新たに2種類追加されている。エンターテインメントとしては、ハイレゾ音源の再生を重視。ハイレゾ音源用に高音質の独自コーデック「LDAC」を採用し、ワイヤレス接続のヘッドセットやスピーカーでハイレゾ音源を楽しめるとした。また、市販のヘッドフォン使用時にも高音質を楽しめるよう、ヘッドフォンの自動最適化技術を搭載するなど、ソフトウェア面での充実度が高まっている。●発表会には疑問点も○ソニーモバイルは迷走気味?今回のZ4の発表は、キャリアに先行してメーカーが端末を発表、正式な発売日や価格が明らかにされないなど、国内メーカーの製品としては異例ずくめの発表となった。キャリアに先行しての発表という点では先日の「Galaxy S6」(サムスン製)も同様だったが、あちらが国際的には発表済みで、デザインを含めた完全新規の製品だったのに対し、Z4はワールドプレミアとはなったものの、そもそもZ3のマイナーチェンジといった趣が強い製品だ(事実、発表前には「Z3 neo」という名前になるという噂も飛び交った)。正直言って、このタイミングで不完全な発表を行う必要があったかは、いささか疑問が残る。そもそも、ソニーモバイルの十時社長は3月のMWCで催されたプレスセッションで、「フラッグシップは年1回」という発言をしたばかりだった。それだけに、Z3の発売からわずか8カ月しか間を開けていない今回のZ4の発表は、臨席したプレスの間からも疑問の声が多かった。5月からのSIMフリーの義務化や、各キャリアのLTE Advancedサービス(LTE カテゴリー6)開始、高性能・低価格なSIMフリー端末の台頭(奇しくもXperiaと同日、ASUSがZenFone 2を発表している)など、スマートフォンを取り巻く環境も大きく変化している。今のうちに少しでもプレゼンスを高めるつもりだったのかどうかはわからないが、少々タイミングを計りかねている感じは否めない。ソニーモバイル自身が再建中ということもあるだろうが、全体的に迷走しているように感じられてしまう。もう少しどっしりと腰を据えてかかってもらいたい気もするのだが……。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年04月21日