作曲家フランク・ワイルドホーンが生んだ名作『ジキル&ハイド』が来春、石丸幹二の主演で再び登場する。2001年の日本初演以来、鹿賀丈史が演じてきたタイトルロールを2012年に石丸が継承。新たな魅力をたずさえてバージョンアップした大ヒット・ミュージカルだ。 “人間の善と悪”をテーマとした悲劇において医師ジキル博士と悪の化身ハイド氏に扮する石丸は、「最初は、“鹿賀さんが積み上げてこられた作品の良さを引き継いでいかなくては”という重責に思いが揺れましたが、世界中で上演されている作品ですし、いろんな『ジキル&ハイド』があっていいんだ、という思いに至りましたね」と、穏やかな微笑みで前回公演を振り返った。ミュージカル『ジキル&ハイド』チケット情報「鹿賀さんはハイドを演じている時が非常に艶っぽくて、非常に魅力的だという話をよく耳にしていました。僕自身は、ジキルの部分で自分らしさを出していけたらと考えたんですね。なので、けっして単なる善人ではない、ハイドになる可能性の高い内面を持ったジキルを作り上げました。だからハイドになってしまったんだ……という意味づけをしっかりしたことで、人間の持つ闇の部分にエッジを立てた役作りができたのではと思っています。この作品は、非常に野心を持った男の生きざまを表現している物語だと思うんですね。悲劇ではありますが、とても人間臭い話だと。今回も、ご覧になる方がどこかで共感していただけるような、そんな舞台になればと願っています」前回の新スタートを強力に支えたふたりの歌姫、ハイドに翻弄される娼婦ルーシー役の濱田めぐみと、ジキルの婚約者エマ役の笹本玲奈も再集結し、豪華競演に期待がかかる。「時が人間を育てますから、共演するメンバーもこの間に多くの作品を経験して進化しているはず。どんな化学反応が起きるのか、楽しみですね。2012年とは違った解釈で、また新たな『ジキル&ハイド』をお見せしたいと思っています」これまで多くの観客が魅了された本作を石丸が今後長い時をかけ、熟成させていく過程を見届けたい。その願いに「体力の続く限りは(笑)。お客様に“またやってほしい”と思われる『ジキル&ハイド』を演じたいですね」と意欲十分の笑みが返ってきた。「人として味のある、心のひだの細かい役者でいたいんです。僕は、僕らしく」公演は3月5日(土)から20日(日・祝)まで東京国際フォーラム ホールC、3月25日(金)から27日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。チケットぴあではチケットのインターネット先行を実施中。取材・文上野紀子
2015年10月26日現在公開中の映画『チャップリンからの贈りもの』の公開記念イベントが21日、東京・恵比寿のYEBISU GARDEN CINEMAで行われ、俳優の石丸幹二が出席した。スイス・レマン湖畔にあるお墓に埋葬されたチャップリンの遺体が盗まれた実際の事件をベースに、遺族の全面協力の元で製作された本作。ドジで間抜けな2人組にスポットを当てながら、チャップリンが実際に住んだ美しい邸宅や墓地をロケ地として登場するほか、チャップリンの息子や孫娘が当時の家族で特別出演している。この日は本作の舞台あいさつが行われ、現在公演中の舞台『ライムライト』でチャップリン役を務めている石丸幹二と日本チャップリン協会会長の大野裕之氏が登壇。1978年に起きたチャップリンの遺体誘拐事件を知らなかったという石丸は「火葬じゃなくてそのまま埋める文化ですから、まさか遺体を持っていくことがあるんだと驚きましたね」と驚がくした様子。本作については「可愛いお嬢さんが出てくるんですけど、その娘のためにお墓を掘る父の姿がとても印象的でした。この映画を見ていると弱者の味方になりますね。どんな貧困でも頑張るんだと応援している自分がいました。チャップリン、すみません(笑)」と感想を述べた。この日は舞台あいさつ中に世界初公開となる『街の灯』のメイキング映像を特別上映。観客と一緒に観た石丸は「チャップリンはチャーミングな人だったんですね。それに我々映画を撮る時は"スタート"の直後無音になるのが当たり前。でも完全に好きなことをしていて準備している訳でもありませんでした。新鮮だしとても貴重な絵でしたよ」とコメント。また、同じ俳優としてチャップリンの魅力を「やはりチャップリンさんはどの映画を見ても愛くるしいいい人なんだと思います。俳優の1人として学びたいし、いつまでも見続けたい作品。僕にとってはテキストでありバイブルですね」と熱く語っていた。
2015年07月22日世紀の喜劇王・チャップリンの晩年の傑作映画『ライムライト』が世界で初めて舞台化される。チャップリンが扮した老芸人カルヴェロを演じるのは石丸幹二。演出は宝塚歌劇団出身、繊細な中にもペーソスやアイロニーを描き出す独特な美的センスを持つ荻田浩一だ。6月中旬、この稽古場を取材した。チケット情報はこちら物語は、かつて大きな名声を得ていたものの、現在は落ちぶれ仕事もろくに来ない老芸人カルヴェロが、足が動かなくなったことを悲観し自殺を図った若きバレリーナ・テリーを助けたところから始まる。カルヴェロはテリーをふたたび舞台に立たせようと支え、テリーもまたカルヴェロに心を開いていくが…。ふたりの心の交流が、第一次世界大戦勃発前夜のロンドンの暗い世相や、舞台人が舞台へ賭ける思いとともに描かれていく。出演者は石丸と、テリーを演じる野々すみ花を含め、たった8人。しかし良知真次、吉野圭吾、植本潤、保坂知寿ら演技巧者ぞろいの精鋭が次々と多数の登場人物を演じていき、鮮やかに1910年代のロンドンの町が生まれていく。くるくると表情を変える彼らの姿は、紙芝居や人形劇が持つようなノスタルジックな効果をも生んでいるようで、面白い。また石丸は劇中劇のシーンでは、コミカルな芸で稽古場を沸かす。眼をギョロリと剥き、口も大きく開ける、戯画的な表情がいかにもで楽しい。チャップリンを彷彿とさせるような部分もありそうで、チャップリンファン、映画ファンも必見のシーンになりそうだ。一方で成功の裏の転落、というシビアさも描かれ、石丸の陽気な笑顔とシリアスな表情の落差にはっとさせられる。荻田の演出はことさら“チャップリン”から想起させられるイメージに寄せすぎず、物語の本質を追求し、新たな『ライムライト』の世界を一から構築しているようだ。そしてカルヴェロとテリーが心を通わせていく過程がとても良い。カルヴェロはテリーを助けたもののどう接していいのか戸惑い、テリーもまた素直に心を開かず、殻に閉じこもる。石丸カルヴェロの屈折、野々テリーの硬質さが、すんなりはいかない不器用な人間たちの姿をうまく描き出す。そんなふたりだからこそ、ちょっとした会話で見せる笑顔が光り、この後ふたりの関係がどうなっていくのか…という期待感を抱かせた。公演は7月5日(日)から15日(水)まで、東京・シアタークリエにて。その後大阪、福岡、長崎、鹿児島、愛知、富山、長野公演もあり。チケットは発売中。
2015年07月01日●EX-100は野鳥撮影にぴったり?カシオ計算機のデジタルカメラ「EXILIM(エクシリム)」のハイエンドモデル「EX-100」は、焦点距離28~300mm(35mmフィルム換算。以下、本文内の焦点距離の表記はすべて35mmフィルム換算)の全域で開放F2.8を実現しているのが特徴だ。いわゆるサンニッパ(300mm F2.8)が手のひらに乗る。そんなEX-100の性能を活かして、4月24日に発売されるのが「EX-100×デジスコ コンプリートキット」(以下、EX-100デジスコセット)だ。これは、興和のスポッティングスコープ(地上望遠鏡)「PROMINAR TSN-884」もしくは「PROMINAR TSN-774」と専用の接眼レンズをEX-100に装着して、焦点距離 約900~4,200mmという驚異的な超望遠を実現するシステム。主に野鳥撮影での使用が想定されている。カシオ計算機の公式オンラインショップ「e-casio」限定での販売で、コンプリートキットの価格は、TSN-884のセットが484,000円、TSN-774のセットが402,000円(ともに税別)。すでに持っている機材に合わせて必要なもののみを購入できるように、一部セットの組み合わせによる販売も行う。ところで「デジスコ」とは何だかご存知だろうか。デジタルカメラとスコープを組み合わせた語なのだが、スポッティングスコープにデジタルカメラをくっつけて、望遠撮影を手軽にできるようにしたシステムだと思ってもらえればいいだろう。スポッティングスコープで拡大した画像をデジタルカメラでそのまま写し取るため、クリアな画像を撮影できるのが特徴だ。何といっても、焦点距離が「デジタルカメラの焦点距離×スポッティングスコープの倍率」となるのが最大のウリ。先述したように、EX-100と興和のスポッティングスコープの組み合わせであれば4,000mm超の焦点距離を実現できる。EX-100デジスコセットにはそのほか、三脚や雲台、照準器、ケーブルレリーズ、バックパックなどが付属する。必要なものがすべてセットになっている手軽さがいい。カメラにスコープを取り付け、さらに三脚などに装着して「いざ撮影」という状態での総重量が約6kgほどと軽いのも、一眼レフ+超望遠の交換レンズには真似できないメリットだろう。●野鳥撮影のプロが語る、EX-100は「スーパーモンスター」○EX-100なら鳥が飛び立つ瞬間もばっちりこのEX-100デジスコセットの仕掛け人ともいえるのが、デジスコ専門サイト「デジスコドットコム」を運営する石丸喜晴氏だ。自身も野鳥撮影をライフワークとしている石丸氏に、EX-100を使って実演をしてもらいつつ、EX-100デジスコセットで野鳥を撮ってみた感想などを聞いてきた。―― EX-100を使ってみていかがでしたか?初めてEX-100を知った時は、コンデジにしては価格が高いと思いました。でも実際に撮影した写真を見てみると、適度なシャープネスでコントラストもはっきりしていて、高い解像感の写真が撮れたんですよ。レンズも贅沢なつくりだし、価格相応の性能を持っていると感じました。単体でももちろんいいカメラなんですが、EX-100デジスコセットにも適したカメラなんです。まずは1/1.7型というセンサーサイズが、実はデジスコシステム的にも大きすぎず小さすぎず、ちょうどいいんですよ。像として見えているものを写すだけだから、望遠端の4,200mmでもキレイに写せます。最近よくある高倍率コンデジだと、三脚を使っても良い写真を撮りにくかったりしますが(※)、このシステムならその倍以上の焦点距離でもブレずに写せます。こんなに明るくキレイに撮影できて、EX-100は野鳥撮影に適したスーパーモンスターだと言ってもいいと思いますよ。(※編注)高倍率コンデジの多くは、望遠端で開放F値が大きくなる。よって、シャッタースピードが落ちてブレやすくなったり、ISO感度が上がってノイズが出やすくなったりする。―― EX-100で気に入っている機能や野鳥撮影にオススメな機能があれば教えてください。パスト連写機能のおかげで鳥が飛び立つ瞬間をしっかりと押さえられるのがいいですね。例えば、カワセミが枝から飛び立つ瞬間に「あ、飛び出したぞ、写せ!」だと、一眼レフでは遅いんです。でもEX-100のパスト連写機能を使うと、シャッターを押す前の写真も撮っているので、飛び立つ瞬間がラクに撮れてしまうんですよ。あと、最大1,000fpsの「ハイスピードムービー」機能を使うと、羽の動きをスローモーションで見ることができます。”HS30-240”や”HS30-120”を選んで、巣にいるところをノーマルスピードで、羽ばたいて飛んでいくところをハイスピードムービーに切り替えて撮るとおもしろい映像になりますよね。―― 一眼レフで野鳥撮影する時とEX-100デジスコセットで撮影する時で、ちがいは感じましたか?僕の作風としてはEX-100などを使用したデジスコの方が良く写るので、一眼レフシステムの出番は少なくなっていき、最近大きなレンズのシステムは売ってしまいました。一眼レフの交換レンズだとせいぜい800mm、テレコンを付けて1,000mmが限界ですよね。しかも大砲みたいなレンズを持ち歩くのは重いし疲れてしまいます。守備範囲の広いEX-100デジスコセットを持っていれば、もういいじゃないですか。約900~4,200mmという焦点距離を持っていれば、一眼レフみたいな画角でも撮影できるし、ドアップも撮れる。同じ場所から構図を変えて何枚も撮れる。画質にも十分満足しているので、重たい一眼レフはもう自分には必要ないと感じました。―― どんな人にこのEX-100デジスコセットを買ってほしいですか?いつも撮っている野鳥写真を「小さいなぁ~」と感じる人にはぜひ使ってほしいですね。わりと簡単に大きく、鮮明に写せちゃうので、いつのまにか野鳥のバストアップばかり撮るようになります。すっかりドアップにはまって「超望遠フリーク」のできあがりです。―― "超望遠フリーク"予備軍のみなさんに、一言お願いします!一眼レフでそれなりに機材を揃えると150万円~200万円くらいかかりますが、EX-100デジスコセットだと40万円~50万円と、超望遠システムとしては安く手に入ります。何を揃えればいいのかわからないという人でも、届いた日からすぐに撮影できるようにセットになっているのも導入しやすいと思います。石丸氏によれば、4月から6月は野鳥撮影に最高の季節。春の渡りで、色鮮やかな夏鳥がやってくるそうだ。EX-100デジスコセットを手に入れたのを機に、"超望遠フリーク"になってみるのも楽しいかもしれない。
2015年04月23日ジャッキー・チェン主演最新作『ポリス・ストーリー/レジェンド』が間もなく公開になる。本作は日本語吹替版も公開され、これまで通り石丸博也がジャッキーの声を演じている。アクション・シーンもあるが、年齢を重ねたジャッキーが演技にも力を入れた作品で、石丸は「これまでのジャッキーとは全然違う」と分析する。その他の写真本作は、1985年にスタートした『ポリス・ストーリー』シリーズの10年ぶりの新作で、ジャッキー演じるベテラン刑事が、脱出不可能な要塞と化したナイトクラブで巨大な陰謀に立ち向かう。娘との関係に悩み、事件を追う中で自身の過去に向き合うジャッキーのシリアスな表情はこれまでの作品になかったものだ。「これまでのジャッキーとは全然違うね。映画の雰囲気も違うし、役どころも違う」と語る石丸は、収録を前に「これまで通りにやってたら重みがないから声を落として演じようと思ってる」という。ジャッキーはキャリアを重ねる中で様々な変化を遂げてきたが、石丸は”声”でそれに応えてきた。「俺はいつも言うんだよ。『ジャッキーと共に成長してきた』ってね。いま思うと、自分でもよくやってきたなぁと思うよ。俺たちの先輩は立ち回りの吹替ってそんなにやってないんだよね。アクションはあるけど、西部劇の立ち回りはそんな長くないし、ジャッキーみたいなハードなのはそんなにないんだよ。だから、それを何十年もやってきたことは少し誇りかな」現在では字幕版ではなく“石丸の吹き替えたジャッキー”に愛着のあるファンも多いが、本人は「俺はできるだけ表には出たくないんだよ。しょうがないから出てるけど」と笑顔を見せる。「俺が若い頃は『声優は顔を出さなくてもいいし、インタビューもないしいいなぁ』なんて思ってたんだけどね。若い人が歌をやったり表に出たりするのはいいの。違っていいんだよ。でも、俺は歌も歌えないし、いろんなこと聞かれるのもイヤだしさ(笑)。でも、吹替版がどんどん出来ることはいいことだと思ってるんだよ。字幕版しかない映画はまだ多いんだよね。やっぱ字幕で観るとよくわかんないな、って映画もあるからさ。吹替はもっと増えてほしいよね」。日本のファンが“石丸ジャッキー”を支持し続ける限り、これからも新作が登場し、ジャッキーと石丸の史上最強タッグは続いていくことになるのではないだろうか。『ポリス・ストーリー/レジェンド』6月6日(金) TOHOシネマズみゆき座他全国ロードショー
2014年06月03日3月の東京・日生劇場公演を皮切りに、この春、東名阪で上演されるブロードウェイミュージカル『ジキル&ハイド』。この作品でジキル&ハイド役を演じる石丸幹二を迎えたミニライブイベントが2月8日、東京・山野楽器で行われた。『ジキル&ハイド』チケット情報はこちら『ジキル&ハイド』は、とある目的から人格の善悪を分離する薬を開発した男が、分裂する人格を制御しきれず、愛と欲望の狭間で深く苛まれていくというR・L・スティーブンソンによる有名小説を原作にしたミュージカル。日本でも人気の高い作曲家フランク・ワイルドホーンの壮大な楽曲に彩られた世界的ヒット作だ。日本では2001年に鹿賀丈史主演で初演され、その後も上演を繰り返していたが、今回新たに石丸幹二を主役に据え、ニュー・プロダクションとして上演される。この日も『ジキル&ハイド』の稽古場から駆けつけたという石丸は、黒のタートルネックに茶色のチェック柄のジャケットというラフな格好で登場。公演チケット購入者の中から抽選で選ばれた100名の観客が見つめる中、まずは自身のCDにも収録されている『スマイル』(映画「モダン・タイムス」より)を温もりある声で披露した。その後のトークでは、鹿賀版をはじめNYや韓国など色々なバージョンでこの作品を観たという石丸が「(鹿賀版とは)全然違う、セットも違います」と語り、さらに自分の場合は「良い人格=ジキルで、悪い人格=ハイド、ではなく、僕は良い人格の中にも隙や悪い部分があったと思う。だから僕のジキルはそんなに良い人じゃないですよ(笑)」とアピール。他にも稽古場の現在の雰囲気や共演者の素顔などを楽しげに話した。さらには「今までの日本版にはなかったナンバーが追加になります」という情報を明かし、「かなりのビッグナンバーですよ。歌唱指導の先生に“石丸君、ここで燃え尽きてしまわないようにね”と言われました」と話し期待感を煽っていた。イベントの最後には劇中の代表的ナンバー『時が来た』を熱唱。集まったファンたちも熱心に見入っていた。公演は3月6日(火)から28日(水)に東京・日生劇場、4月6日(金)から8日(日)に大阪・梅田芸術劇場 メインホール、4月14日(土)・15日(日)に愛知県芸術劇場 大ホールにて上演される。チケットは発売中。
2012年02月10日ブロードウェイミュージカル『ジキル&ハイド』の製作発表が11月15日に都内にて行われ、出演する石丸幹二、濱田めぐみ、笹本玲奈、演出の山田和也が登壇した。『ジキル&ハイド』チケット情報はこちら医師として理想を追い求めるも分裂する人格を制御しきれず、愛と欲望の狭間で深く苛まれるヘンリー・ジキルの姿を描いた本作はブロードウェイで大ヒット、日本では2001年に初演され、その後2003年、2005年、2007年と再演を繰り返した人気ミュージカル。今回は日本初演から主演を務めていた鹿賀丈史に代わり、新たに石丸幹二をジキルに据え、他のキャストも一新、ニュー・プロダクションとして上演される。演出の山田和也は「前回までの演出は封印し、新バージョンをゼロから作ろうと思います。もう一度台本とスコアに戻って、舞台美術やステージングやその他をクリエイティブチームの力を結集して作ります」と宣言する。石丸はこの日の会見では、1992年アルベールビル冬季オリンピックの公式テーマ曲にもなった有名な劇中歌『時が来た』を披露。堂々たるパフォーマンスを見せ公演への期待感を存分に煽ったが、「鹿賀さんが演じられたものはもちろん、NYの初演も拝見し、すばらしい歌の力と演技力、それが伴った俳優がやる作品なんだと感じました。そしていつかこの作品に自分が挑戦できる時が来たらいいなと思っていました。出演が決まった時、まさに『時が来た』と思いました」と心境を語った。ジキルを愛する娼婦ルーシーには劇団四季で様々なヒロインを演じてきた濱田めぐみ、ジキルの婚約者エマには笹本玲奈がそれぞれ扮する。濱田は「舞台を観た時に、幻想的で誘惑的、身体ごと持っていかれるような何とも言えない不思議な気持ちになりました。ルーシーという女性像も自分の中ではすごく響くものがあり、やってみたいと思っていた」と作品の魅力を語り、笹本も「舞台を観て何度もCDも聴いて、大好きなミュージカルの上位に入っている作品。エマの愛の深さを繊細に演じていけたら」と意気込みを話した。それぞれ歌唱力に定評のある3人。山田も「音楽的に何の不満も不安もない。見事な『ジキル&ハイド』になると思います」と太鼓判を押していた。公演は3月6日(火)から28日(水)に東京・日生劇場、4月6日(金)から8日(日)に大阪・梅田芸術劇場 メインホール、4月14日(土)・15日(日)に愛知県芸術劇場 大ホールにて。東京公演のチケットは11月19日(土)に一般発売開始。大阪公演は12月10日(土)、愛知公演は12月17日(土)に発売開始になる。現在東京公演は、プリセール(WEB先着先行)実施中、大阪公演は、2次プレリザーブ(WEB抽選先行)受付中、愛知公演は、11月18日(金)11:00よりプレリザーブ受付開始。
2011年11月16日