「フランス映画祭2010」が3月18日(木)、東京・六本木ヒルズで開幕し、同所で行われたオープニング・セレモニーで来日代表団の団長、ジェーン・バーキンら15人が華やかにレッドカーペットを歩き、舞台挨拶を行った。先立って行われた記者会見に出席したジェーンは、「桜の時期だと聞いていたので、凄く楽しみにして来ました。日本には10〜15回も訪れているのに、いまだに桜を見ることが出来ていません。今回も難しそうなので、お花見にまた日本に戻ってきたい」と親日ぶりをアピール。日本の映画の印象について「『東京物語』など昔の作品でも女性が大切に描かれていると思います。フランス、特にパリでは海外の映画の上映も多いです。北野武はとても人気があってペドロ・アルモドバルやウディ・アレンと同じくらい有名よ」と話した。英国・ロンドン出身で1968年にフランスに移り、作曲家の故セルジュ・ゲンズブールと2度目の結婚をして、デュエット曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」がヨーロッパで大ヒットするなど話題を呼んだ。流暢に話すフランス語について「イギリス出身の私は、フランス語で歌や演技をするのに苦労した。きちんと学習していなくてセルジュの腕の中で覚えたの。だから最初はスラングばっかり。イギリスではなかなか言わない“R”の発音は、40年経ってやっとキレイな発音ができるようになったわ」とふり返った。オープニング作品の『ミックマック』(原題/ジャン=ピエール・ジュネ監督)の上映前に、代表団15人が舞台挨拶。ジェーンは「日本のみなさまは、世界一素晴らしい観客。日本での人気があったからこそ、こうして団長に選ばれて来ることができました。とても光栄です」と笑顔。同作のジュネ監督は「“ミックマック”と“ビックマック”を混同しないように」と表情を変えずにフレンチジョーク(?)。同作は、悪徳企業に挑む男たちの戦いを描くハートウォーミング・コメディ。「自由に作ってあるから楽しんで」と語りかけた。代表団の1人、ギャスパー・ノエ監督だけがこの日は欠席。ジェーンは「ノエは明日来ます」と説明した。同映画祭は、ユニフランス主催で1993年から始まり、今年で18回目。2005年までは横浜、2006年からは東京や大阪などで、昨年からは東京で開催。今年はジェーンが出演した『テルマ、ルイーズとシャンタル』を含む長編14作と短編9作を上映する。『ミックマック』は夏、恵比寿ガーデンシネマほか全国にて公開。「フランス映画祭2010」は3月22日(月・祝)まで開催中。(text:Yoko Saito)フランス映画祭2010開催期間:3月22日(月・祝)まで開催中会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ公式サイト:■関連作品:ミックマック (原題) 2010年夏、恵比寿ガーデンシネマほか全国にて公開2009 © EPITHETE FILMS –TAPIOCA FILMS –WARNER BROS. PICTURES –FRANCE 2 CINEMA -FRANCE 3 CINEMAシスター・スマイルドミニクの歌 2010年初夏、シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開クリスマス・ストーリー (原題) 2010年秋、恵比寿ガーデンシネマほか全国にて順次公開パリ20区、僕たちのクラス 2010年6月12日より岩波ホールにて公開© Haut et Court - France 2 Cinemaエンター・ザ・ボイド 2010年5月15日よりシネマスクエアとうきゅうほかにて公開オーケストラ! 2010年4月17日よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開© 2009 Focus Features LLC. All Rights Reservedあの夏の子供たち 2010年初夏、恵比寿ガーデンシネマにて公開■関連記事:さあ、人生を奏でよう!『オーケストラ!』試写会に10組20名様ご招待ギャスパー・ノエのTOKYOを舞台にした衝撃作『エンター・ザ・ボイド』予告編初公開フランスのオスカー、セザール賞が発表。ヴァンサン・カッセル亡父に捧げる主演男優賞
2010年03月19日2月27日(土)、都内のポレポレ東中野にて、低予算ながらもリアルな韓国の“今”を伝える新潮流の韓国映画を届ける、というコンセプトで「真!韓国映画祭」が開幕。上映作4本のうちの1作『今、このままがいい』に主演するシン・ミナからシネマカフェに向けて動画メッセージが到着した。イ・ビョンホン主演で日本でもヒットした『甘い人生』やチョン・ウソンらとの共演作『Sad Movie <サッド・ムービー>』、昨年日本で公開された『キッチン〜3人のレシピ〜』にも出演し、モデルとしての活動とあわせ高い人気を誇るシン・ミナ。規模は小さいながらも良作への出演の意義を、先日来日した際には熱く語っていた。『今、このままがいい』は、父親の違う2人の姉妹が、妹(シン・ミナ)の父親を探すための旅を通じて心を通わせていく姿を描いたドラマで、国内外の映画祭に出品されて話題を呼んできた。日本で放送されてきた韓流ドラマや、大規模作品とはひと味違う、韓国の“リアル”を体感してみては?真!韓国映画祭は3月19日(金)までの日程でポレポレ東中野にて開催中。※こちらのメッセージははMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY「真!韓国映画祭」公式サイト■関連作品:今、このままがいい■関連記事:長身美人シン・ミナ熱烈メッセージと美脚2変化で“真!韓国映画祭”PR
2010年02月27日女優の仲里依紗が2月27日(土)、東京・新宿ピカデリーで行われた、主演映画『時をかける少女』(谷口正晃監督)公開記念「時かけ映画祭」のイベントで、1983年版『時かけ』の大林宣彦監督と初対面し「時かけ」トークを繰り広げた。仲さん主演の同作は、作家の筒井康隆氏が1965年に発表した原作と83年版の主人公である芳山和子のひとり娘・あかりが、昏睡状態に陥った母親との約束を果たすため、母親の初恋の人・深町一夫を探して過去へタイム・リープする物語。この日は83年版、仲さんが主人公の声を務めた2006年公開のアニメ版『時をかける少女』、仲さん主演の『時をかける少女』の3本立てを上映。シリーズ主演2作目の仲さんは「最初はプレッシャーで、時かけファンの方に『またコイツがやっている』って思われたら?と不安もあったけど、アニメ版で『時かけ』を初めて知って大好きになったので、がむしゃらにやりました」と照れつつ「原田さんが主演した『時かけ』(※83年版)は私の両親の青春映画。いろいろな『時かけ』ができてどんどん広がる。そこが凄いと思う」と原作の普遍性に深く感銘を受けた様子。仲里依紗主演版について大林監督は「観て大好きになり、今日は応援に来ました。実に素晴らしい作品で、仲さんが現代の少女として見事に躍動している」と大絶賛。関係者によると試写鑑賞時、大林監督は拍手をして試写室を出てきたという。イベントにはほかに、筒井氏、谷口監督も出席。筒井氏は「私にとって『時をかける少女』は“金を稼ぐ少女”。映画になるたびに本が爆発的に売れる。でも今回4度目で、川端康成の『伊豆の踊子』は6回作られているから、まだまだ」と大御所作家らしからぬ(?)ダジャレを繰り出して観客を笑わせた。谷口監督は「『時かけ』は作り手にとってもファンにとっても宝。キズをつけないようオマージュを込め、でも2010年版ならではの魅力がないとダメなのでチャレンジをして作りました」と思い入れタップリだった。映画『時をかける少女』は3月13日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:時をかける少女 (2010) 2010年3月13日よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 「時をかける少女」製作委員会2010■関連記事:仲里依紗「目標あれば速く走れる(笑)」バレンタインに200人ファンサービスあの名作が生まれ変わって帰ってきた!『時をかける少女』試写会に15組30名様ご招待いきものがかり、あの名曲「時をかける少女」をカバーインディーズ曲も挿入歌に仲里依紗、中尾明慶の「さんまさんみたい」な姿がツボ『時をかける少女』完成はかま姿の仲里衣紗、アニメに続いて実写版『時かけ』主演!70年代に飛ぶ
2010年02月27日今年で第20回を迎える「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が2月25日(木)、華やかに開幕した。記念すべき映画祭のオープニングを飾ったのは特別招待作品『シュアリー・サムデイ』。若手俳優の中でも群を抜く実力で、日本映画界を牽引する小栗旬の初監督作品だ。開会式には小栗旬をはじめ小出恵介、勝地涼、綾野剛、鈴木亮平、ムロツヨシ、小西真奈美、山本又一朗プロデューサーが駆けつけ、舞台挨拶を行った。濃霧により羽田発、新千歳行きの飛行機が遅れるという「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」始まって以来のハプニングに見舞われたが、夕方18時前に『シュアリー・サムデイ』御一行は無事到着。映画祭のオープニングを盛り上げた。ちなみに、舞台挨拶付きのチケットは発売と同時に即完売。このプレミア・チケットを手にできた人はかなり幸運!大きな拍手の中、「ただいま〜!」と、ゆうばりファンタおなじみの合言葉に「おかえり〜!」と会場から温かな声。思わず笑みがこぼれる小栗さん。「今日ここでみなさんに観てもらえることができて幸せです。27歳の僕が、自分なりに撮れる青春映画を撮ったと自負しています。この北の町から南へ伝えてほしい」と熱い想いを語った。本作の企画が始動したのはちょうど4年前。小栗さんが山本プロデューサーに「この作品を自分で監督したい」と持ち込んだことがきっかけだったそうだが「23歳で監督はまだ早い」というプロデューサーの判断で、監督への道は、しばしおあずけに。4年越しで叶った夢だけに、初お披露目となったこの日は彼にとって特別な日として記憶に刻まれた。そして、気になるのは監督としての彼の才能──主演の小出さんは小栗監督について「彼の背中を見て、自分たちも頑張ろうと思えた」と褒め称え、ほかのキャストたちも「信頼のできる監督だった」と声を揃える。監督として良いスタートが切れたことがうかがえる。映画祭2日目の26日(金)にはキャスト&スタッフによる記者会見が行われ、撮影時のエピソードが語られた。小出さん曰く現場は「走りっぱなし」だったそうだが、その疾走感がこの映画には必要だった。「楽な日は1日もなく、刺激的な現場だったけれど、追い込まれるからこそパワーが出たと思う」と小出さんはふり返る。続けて「同級生の一体感を出すために撮影前からコミュニケーションをとっていた」と言うのは勝地さん。みんなで飲みに行くことはもちろん、全員が楽器初心者ということで「楽器の練習が僕らの関係を繋いだと思います」と語る。だが、コミュニケーションはときにヒートアップ!最年少の勝地さんと最年長のムロさんの2人はよく喧嘩に。「あんたとはやってらんねーよっ!」と勝地さんがムロさんにキレ、小出さんが「目指している方向は同じ、みんな同じ気持ちなんだよ!」と仲介に入ったこともあったのだとか。当事者のムロさんは「僕と勝地の喧嘩が原因でキャストとスタッフ間にまで溝ができたこともあったけれど、それが結束力を生んだと思う。最後のバンド演奏にはその結束力が表れている」と語り、そんなエピソードを含めて「自分たちらしさがあっていい。もっと青臭くてもいいと思えました」と綾野さん。また、鈴木さんは「キャストにとって監督が同年代の俳優であることがいい緊張感を生んだと思います。元々、知り合いなので現場はくだけた感じだったけれど、演じる上ではものすごく緊張感がありました。ライバルの前で下手な演技はできないなと(笑)」。紅一点の小西さんは「性別も年齢も超えた青春映画」だとアピールし「自分(役者)が求めている以上のアドバイスをくれる監督でした」と、若き新人監督に称賛を贈った。小栗旬ら若い映画人たちの情熱がギュッと詰まった青春映画『シュアリー・サムデイ』は7月17日(土)より全国にて公開。(photo/text:Rie Shintani)■関連作品:ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2010 [映画祭]シュアリー・サムデイ 2010年7月17日より全国にて公開© 2010「シュアリー・サムデイ」製作委員会■関連記事:小栗旬初監督作ポスター画像解禁!チラシ裏面には「大人立入禁止。」の文字が…ヒップホップ・スタイルで登場の大江裕が「“夕張”大将」&ラップを披露!小栗旬初監督作引っさげ北海道に!ゆうばり国際映画祭ラインナップに注目小栗旬初監督映画ヒロインは小西真奈美!小出恵介の初恋の人を演じる2010年はバンドブーム再到来?小栗旬、初監督作品は旬な5人が高校バンドマンに
2010年02月26日20日(現地時間)、第60回ベルリン国際映画祭を締めくくる各賞が発表され、若松孝二監督の『キャタピラー CATERPILLAR』主演の寺島しのぶが銀熊最優秀女優賞を受賞した。日本人女優の受賞は1964年の左幸子、75年の田中絹代に次ぐ35年ぶり、3人目の快挙となった。第2次世界大戦の戦地で負傷し、四肢を失って帰還した夫に尽す妻を演じた寺島は、映画祭での上映時は着物姿でレッド・カーペットを歩いたが、その後は舞台「血は立ったまま眠っている」出演のために帰国。吉報は公演地・大阪で知ったという。クロージング・セレモニーでは若松監督が代わりにトロフィーを受け取り、寺島さんからメールで託された受賞コメントを携帯電話を片手に代読。「いつか全ての国の戦争がなくなることを祈ります。殺し合いでは何も解決しないことが伝わればいいと思います」という言葉に会場から拍手が送られた。作品賞にあたる金熊賞は、養蜂業の父と幼い息子の姿を描いたトルコ・ドイツ合作の『Honey』(原題)、銀熊最優秀男優賞はロシアの『How I Ended This Summer』(原題)のグリゴリ・ドブリギン、セルゲイ・プスケパリスの2人が受賞し、同作は芸術貢献賞も受賞。監督賞は、30数年前に起こした淫行事件の罪で現在スイスの自宅で拘束中のロマン・ポランスキーが『The ghost writer』(原題)で受賞。中国の『Apart Together』(原題)のワン・チュアンアンとナ・チンが脚本賞、ルーマニアの少年院から脱走を図ろうとする少年たちを描く『If I want to whistle, I whistle』(原題)は審査員特別賞に輝いた。今年は、特別功労賞「ベルリナーレ・カメラ」受賞の山田洋次監督の『おとうと』がクロージング作品として上映され、パノラマ部門に出品された行定勲監督の『パレード』が国際批評家連盟賞を受賞するなど、日本映画が映画祭の主役の一端を担ったと言えそうだ。(text:Yuki Tominaga)寺島しのぶに代わり銀熊賞を受け取った若松孝二監督。© REUTERS/AFLO■関連作品:第60回ベルリン国際映画祭 [映画祭]CATERPILLARキャタピラー 2010年8月15日より公開予定© 若松プロダクションおとうと 2010年1月30日より全国にて公開© 2010「おとうと」製作委員会パレード 2010年2月20日より渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 映画『パレード』製作委員会■関連記事:山田洋次に“名匠”の称号日本発『おとうと』、ベルリン映画祭閉幕で拍手喝采ベルリン“銀”の快挙の寺島しのぶ、大阪で会見「ヤッター!」長身美人シン・ミナ熱烈メッセージと美脚2変化で“真!韓国映画祭”PR藤原竜也「自由にさせてくれた監督の力量」ベルリン批評家連盟賞受賞の喜び【読者レビューをウォッチ】『アバター』旋風に負けず、邦画勢に高ポイント続々
2010年02月22日韓国人女優、シン・ミナが2月21日(火)、東京・スペースFS汐留で行われた「真!韓国映画祭」に出品されている主演映画『今、このままがいい』試写会で舞台挨拶に立ち、韓国インディペンデント映画を熱烈PRした。同作は対照的な性格の異父姉妹が、妹(ミナ)の父親を探す旅を通じ心を通わせていく姿を描くロードムービー。女流監督プ・ジヨンが長編デビューを飾っている。同日朝、来日したミナは「韓国映画と言えば、予算の大きい派手な大作か韓流スターが主演の作品ばかり紹介されることが多く残念です。日本もそうだと思いますが、小さい作品にもいいものがたくさんあり、今回のように紹介されることになって良かった!関心を持ってもらいたいです。この作品は韓国ではあまりたくさんの人に観られていませんが、観た方はきっと深い感動を覚える作品です」と熱のこもったメッセージ。身長1メートル68、体重46キロの抜群のプロポーションを誇り、モデルとして現在Calvin Klein Jeansの広報キャラクターも務めるミナはこの日、舞台挨拶で淡い緑の膝上20センチほどのワンピース、囲み取材時には真っ赤なショートジャケットに黒のショートパンツ姿と2変化。いずれも個性的なデザインのハイヒール靴を履きこなしたスーパー美脚で観客と取材陣を悩殺。ファッションについては「今日の靴はミュウミュウです。服はいつもシンプルなものをと心がけています」と明かした。2001年にファッション雑誌の専属モデルとしてデビューし、女優業にも進出。『火山高』などで日本を始め、国境を越えた人気を獲得してきたキャリアを築き現在、26歳。「若い頃にデビューしましたが、最近やっと認められてきたと思う。これから女優としての欲求がもっと広がっていくと思うので、新しい私をお見せしていきたい」と抱負を語った。一方、同日発表された第60回ベルリン国際映画祭の受賞結果でコンペティション部門出品作『CATERPILLAR キャタピラー』(若松孝二監督)の主演女優、寺島しのぶが最優秀女優賞を受賞したが、取材陣から寺島さんを知っている?と聞かれ「ごめんなさい、わかりません」と恐縮しきりで答える一幕もあった。同映画祭は、ローバジェットながら斬新で作家性豊かな良作を多数輩出する韓国映画の新潮流を紹介する狙いで今年からスタート。韓国の映画会社キノアイ、名古屋のミニシアター、シネマスコーレ、名古屋発の映画祭シネマコリアが配給委員会を結成し主催している。ミナの同作は出品作全4作のうちの1本。「真!韓国映画祭」は2月27日(土)よりポレポレ東中野ほか全国にて順次開催。(photo/text:Yoko Saito)「真!韓国映画祭」公式サイト■関連作品:今、このままがいいCATERPILLARキャタピラー© 若松プロダクション
2010年02月21日全米の映画・テレビ俳優が加盟する映画俳優組合(SAG)の組合員投票によって決まる第16回映画俳優組合賞授賞式が23日、ロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムで開催された。主演賞および助演賞は男優、女優とも先に発表されたゴールデン・グローブ賞と全く同じ、そのほか前哨戦の各賞でも健闘中の顔ぶれで、主演男優賞はジェフ・ブリッジス(『Crazy Heart』<原題>)、主演女優賞はサンドラ・ブロック(『しあわせの隠れ場所』)。助演男優賞はクリストフ・ヴァルツ(『イングロリアス・バスターズ』)、助演女優賞はモニーク(『プレシャス』)。俳優に対する表彰のみのSAG賞において、ほかの映画賞における作品賞的な位置づけとなるアンサンブル演技賞を受賞したのは、クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』。ちなみに昨年、同賞を受賞した『スラムドッグ$ミリオネア』がアカデミー賞作品賞に輝いている。『イングロリアス〜』は3月発表の第82回アカデミー賞において、SAG賞では候補に入らなかったジェームズ・キャメロン監督の『アバター』の好敵手となりそうだ。第82回アカデミー賞は来る2月2日午前5時30分(現地時間)にロサンゼルスでノミネーションを発表、3月7日にコダック・シアターで授賞式が行われる。今年は作品賞候補の数が、例年の5本から10本に変更になっている。(text:Yuki Tominaga)授賞式会場に到着したサンドラ・ブロックと夫のジェシー・ジェームズ。©: AFLO■関連作品:プレシャス 2010年GW、全国にて公開しあわせの隠れ場所 2010年2月27日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2009 ALCON FILM FUND, LLC ALL RIGHTS RESERVEDイングロリアス・バスターズ 2009年11月20日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVEDアバター 2009年12月23日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox. All rights reserved第82回アカデミー賞 [アワード]第67回ゴールデン・グローブ賞 [アワード]■関連記事:『ラブリーボーン』15歳の天才女優シアーシャ・ローナンが笑顔で初来日!徐々にオスカー候補が見えてきた?英国アカデミー賞候補が発表にM・ローク扮する“最強の敵”も登場 『アイアンマン2』ポスタービジュアル解禁【シネマモード】ゴールデン・グローブに見る、2010年注目の俳優&女優は?ゴールデン・グローブ賞発表!『アバター』が2冠
2010年01月25日山田洋次監督の最新作『おとうと』が2月11日から21日まで開催される第60回ベルリン国際映画祭においてクロージング・フィルムとして上映されることが決定した。山田監督作品のベルリン映画祭参加は1989年の『ダウンタウンヒーローズ』でのコンペティション部門出品から数えて7回目。今年のベルリンへは、行定勲監督の『パレード』(パノラマ部門)や松田翔太×高良健吾主演による『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(フォーラム部門)などの出品が決まっているが、クロージング・フィルムとしての参加は稀なケースと言える。山田監督も「日本映画がクロージング・フィルムに選ばれるのは大変に珍しいと聞いています。とても名誉に思っています」と記念すべき60回目の映画祭のクロージングを飾る喜びを語っている。本作は、夫亡きあと女手ひとつで娘を育ててきた吟子を吉永小百合が、その弟で周囲に迷惑を掛けてばかりの男を笑福亭鶴瓶が演じ、家族の悲喜こもごもが描き出される。現時点で監督とキャスト陣の映画祭への参加は未定だが、山田監督の描く日本の“家族”の姿がどのように受け入れられるのか楽しみなところ。『おとうと』は2月20日(現地時間)に上映される予定。日本での劇場公開は1月30日(土)より全国にて。■関連作品:第60回ベルリン国際映画祭 [映画祭]おとうと 2010年1月30日より全国にて公開© 2010「おとうと」製作委員会■関連記事:五・七・五から見える“家族”の形思わず唸る『おとうと』川柳コンテスト大賞発表!笑いと感動を贈る“家族”の姿『おとうと』オリジナル一筆箋を5名様にプレゼント林遣都がイカ天ソバをおごって藤原竜也を“イカ”呼ばわり?『パレード』Xmas試写松田翔太×高良健吾、国境の“壁”壊す!最新主演作がベルリン国際映画祭に出品現在とこれからの日本の家族の姿を描く『おとうと』試写会に合計65組130名様ご招待
2010年01月20日地元市民と映画を愛するファンに支えられ、国内有数の歴史を誇る映画祭となった「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」。市の財政破綻からの復活劇を経て早3年、本映画祭が今年で20回目の開催を迎える。記念すべきこの年に、“夕張市と映画”の原点に立ち返るべく、今回掲げられた映画祭テーマは「行こうや。ゆうばり」。この映画祭の目玉となる招待作品のラインナップがこのたび発表された。毎年、国内外のゲストが舞台挨拶やイベントに登壇することでも大きな盛り上がりを見せる招待作品部門には今回12作品がラインナップ。映画祭開催20周年のオープニングを飾るのは、人気俳優の小栗旬が初メガホンをとった話題の青春群像劇『シュアリー・サムデイ』!先日、ヒロインの小西真奈美ら女性キャスト陣も発表され、ますます注目を浴びる本作。今回上映に合わせて、小栗監督を筆頭に、小出恵介、勝地涼ら主演キャストも現地に赴き、映画祭をより一層盛り上げる。同部門ではほかにも、クロージング作品に選ばれたガイ・リッチー監督注目の最新作『シャーロック・ホームズ』ほか、『ボーン』シリーズのマット・デイモン×ポール・グリーングラス監督がタッグを組んだアクション大作『GREEN ZONE』(原題)や、『ハート・ロッカー』に『17歳の肖像』『第9地区』といったオスカー有力候補がズラリ。さらに、邦画においても、ベストセラー小説を映画化した医療ドラマ『孤高のメス』や、成海璃子×北乃きい主演『武士道シックスティーン』、中谷美紀×大森南朋主演『スイートリトルライズ』など、バラエティ豊富な作品が並んだ。さらに、山田洋次監督による名作の完全リメイク『イエロー・ハンカチーフ』も同映画祭で国内初お披露目となるが、これに合わせてオリジナル作『幸福の黄色いハンカチ』もデジタルリマスター版となって色鮮やかにスクリーン上映されるなど、オリジナルの舞台、北海道ならではの企画が実現しているのも見どころ。もちろん、毎年恒例となっている、来場ゲストによる雪上フォトセッションや、観客・ゲストが一体となる“ストーブパーティー”など映画祭名物のイベントも実施!さらに、開催20回を記念して、映画祭に縁ある映画監督や関係者を迎えてのトークも行われる予定。今年もまた大きな盛り上がりを見せそうな、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭は、2月25日(木)から3月1日(月)の期間にて開催。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2010」期間:2月25日(木)〜3月1日(月)会場:アディーレ会館ゆうばり、ゆうばりホテルシューパロほか夕張市内会場上映作品:69本(短編含む)公式サイト:■関連作品:シュアリー・サムデイ 2010年7月17日より全国にて公開© 2010「シュアリー・サムデイ」製作委員会シャーロック・ホームズ 2010年3月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2009 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITEDGREEN ZONE (原題) 2010年5月、TOHOシネマズスカラ座ほかにて公開© 2009 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.ハート・ロッカー 2010年3月6日よりTOHOシネマズ みゆき座、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved.17歳の肖像 2010年4月G.W.、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開第9地区 2010年4月、全国にて公開© 2009 District 9 Ltd All Rights Reserved.孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会武士道シックスティーン 2010年4月、テアトル新宿ほか全国にて公開© 2010映画「武士道シックスティーン」製作委員会スイートリトルライズ 2010年3月、シネマライズにて公開© 2009 江國香織/「スイートリトルライズ」製作委員会イエロー・ハンカチーフ 2010年6月26日より全国にて公開© 2009 DODI FILM PRODUCTIONS. ALL RIGHTS RESERVED.ばかもの 2010年公開© 2010「ばかもの」製作委員会プリンセスと魔法のキス 2010年3月6日より全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター 2010年4月10日より全国にて公開© 1977、2010 松竹株式会社ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2010 [映画祭]■関連記事:ゴールデン・グローブ賞発表!『アバター』が2冠メリルとサンドラ、主演女優賞受賞の2人がキス!第15回放送映画批評家協会賞今年は洋画復権?『アバター』に続け!大物監督話題作が続々公開2010年前半戦小栗旬初監督映画ヒロインは小西真奈美!小出恵介の初恋の人を演じる誰と一緒にこたつでみかん食べたい?「MTV」オリジナルステッカー&「ウサビッチ」グッズを10名様プレゼント
2010年01月18日第15回放送映画批評家協会賞(The BFCA Critics’ Choice Awards)の授賞式が15日、ハリウッド・パラディアムで開催され、主演女優賞を共に受賞したメリル・ストリープ(『ジュリー&ジュリア』)とサンドラ・ブロック(『The Blind Side』)がステージ上で抱き合うと、キスを交わした。突然のハプニングに客席から沸きあがった大歓声にサンドラは「光栄よ」と応えた。その後の受賞スピーチでも彼女は「私は食べものとセックスが好き。メリルと同じようにね。私たちはそれくらい似ているんです。みなさん、いままで気がつかなかったでしょ?」とジョークを飛ばし、「メリルはキスがうまいです」とスピーチを締めくくった。過去10年間で、放送映画批評家協会賞作品賞を受賞した作品がその後のオスカー作品賞に輝いたことは8回、とかなりのシンクロ率の高さだが、今年その栄誉に輝いたのはキャスリン・ビグロー監督の『ハート・ロッカー』。オスカー大本命と目される『マイレージ、マイライフ』、『NINEナイン』といった強豪を抑えての勝利だ。ビグロー監督は女性初となる監督賞も受賞。同部門で候補となっていた元夫のジェームズ・キャメロン(『アバター』)はスタンディング・オベーションでエールを送っていた。『アバター』はアクション作品賞に輝いたほか、撮影賞、美術賞、編集賞、視覚効果賞、音響賞、と主な技術部門賞を総なめの大健闘。主演男優賞は『Crazy Heart』(原題)のジェフ・ブリッジス。助演男優賞は『イングロリアス・バスターズ』のクリストフ・ヴァルツ、助演女優賞は『プレシャス』のモニーク。若手俳優賞に『ラブリーボーン』のシアーシャ・ローナン、アンサンブル演技賞受賞の『イングロリアス・バスターズ』ではクエンティン・タランティーノがオリジナル脚本賞も受賞した。(text:Yuki Tominaga)■関連作品:ジュリー&ジュリア 2009年12月12日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開しあわせの隠れ場所 2010年2月27日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2009 ALCON FILM FUND, LLC ALL RIGHTS RESERVEDイングロリアス・バスターズ 2009年11月20日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVEDラブリーボーン 2010年1月29日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開©2009 DW STUDIOS L.L.C. All Rights Reserved.ハート・ロッカー 2010年3月6日よりTOHOシネマズ みゆき座、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved.マイレージ、マイライフ 2010年3月20日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて公開© 2009 DW STUDIOS L.L.C and COLD SPRING PICTURES. All Rights Reserved.NINEナイン 2010年3月19日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2008 The Weinstein Company. All rights reserved.■関連記事:ゴールデン・グローブ賞発表!『アバター』が2冠小栗旬初監督作引っさげ北海道に!ゆうばり国際映画祭ラインナップに注目今年は洋画復権?『アバター』に続け!大物監督話題作が続々公開2010年前半戦美輪明宏『ラブリーボーン』試写会に登場!「死者を身近に感じるなんて日常茶飯事」ピープルズ・チョイス賞がジョニー・デップに、ゼロ年代のお気に入り俳優のお墨付き
2010年01月18日毎年2月に開催される世界三大映画祭の一つ、ベルリン国際映画祭。記念すべき60回目を迎える来年の同映画祭フォーラム部門に大森立嗣監督、松田翔太×高良健吾主演による『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』が正式出品されることがこのほど決定した。今回出品されるフォーラム部門とは、若手監督の作品が多く上映されることで知られており、昨年は園子温監督の『愛のむきだし』がカリガリ賞と国際批評家連盟賞をダブル受賞したことで話題となった。大森監督は、4年前の長編デビュー作『ゲルマニウムの夜』がロカルノ国際映画祭やサンパウロ国際映画祭など多くの映画祭に正式出品されたが、2作目となる本作で三大映画祭デビュー。同映画祭での上映の際には、ティーチインに登壇する予定とのこと。今年11月にベルリンの壁崩壊から20年という節目を迎え、さらに注目が高まる同映画祭。本作で松田さんと高良さん扮する、工事現場で壁を壊す“はつり”の仕事をする二人の若者が、自分のいる世界を“ぶっ壊して抜け出す”姿が、国境を超えてどれだけの共鳴を呼ぶことができるのか、注目される。第60回ベルリン国際映画祭は、来年2月11日から21日(現地時間)まで開催。『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』は来年6月12日(土)より新宿ピカデリー、ユーロスペースほか全国にて公開。■関連作品:ケンタとジュンとカヨちゃんの国 2010年6月12日より新宿ピカデリー、ユーロスペースほか全国にて公開© 2009「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」製作委員会パレード 2010年2月、渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 映画『パレード』製作委員会第60回ベルリン国際映画祭 [映画祭]■関連記事:林遣都がイカ天ソバをおごって藤原竜也を“イカ”呼ばわり?『パレード』Xmas試写松田翔太&高良健吾の真剣ムードに、安藤サクラ「お通夜みたい(笑)」松田翔太×高良健吾タッグ作の特報解禁!東京フィルメックスにも出品決定藤原竜也、大酒での歓迎に笑顔“抑制”効かせた『パレード』を釜山にて披露!松田翔太&高良健吾が競演!孤児院育ちの荒削りな若者演じる青春ムービーが来春公開
2009年12月25日スペイン、およびアルゼンチンやペルーといったスペイン語圏の話題作を上映する「スペイン映画祭2009」が12月8日(火)から3日間の日程で新宿バルト9にて開催される。本国で数々の賞を獲得している話題の6作品が楽しめる。中でも注目は『死ぬまでにしたい10のこと』、『あなたになら言える秘密のこと』、『エレジー』など、新作を発表するごとに大きな話題を呼び、日本にも多くのファンを持つイサベル・コイシェ監督が、菊地凛子を主演に迎え日本で撮影した『マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トーキョー』(写真)。主人公は、築地の市場で働きながら、女殺し屋として裏稼業に手を染めているリュウ。ある有力実業家の娘の自殺し、リュウの元に自殺した女の夫を殺してほしいとの依頼が舞い込む。殺し屋、依頼人、そしてターゲットに加え、東京の街の音にとり憑かれたサウンドエンジニアが登場。タイトルにあるように、東京という街が奏でる“音”が物語の鍵を握る。人間の内面を繊細に描き出すコイシェが、東京をどのように描くのか?『悲しみのミルク』はベルリン国際映画祭の金熊賞(最優秀作品賞)を受賞し、アカデミー賞外国語映画賞のペルー代表に選出された作品。ペルーでテロが多発した時代に頻発した、暴行を受けた女性の子供たちが母乳を通して感染する“悲しみのミルク症候群”に侵された女性が己と向き合い、恐怖から自由へと一歩を踏み出す姿を描く。オープニングを飾る『第211号監房』は、刑務所で勤務するはずの男が、凶悪犯を収容する監獄で発生した暴動に巻き込まれ、挙句に監房に置き去りにされてしまうという物語。男は身を守るために囚人として振る舞うことを余儀なくされ、嘘とずる賢さを駆使して危険を回避しようとするのだが…。『デブたち』は肥満を巡る5つの物語が巧みに交錯するコメディ。恩赦で刑務所から出所した2人の金庫破りの名人のその後を描いた『泥棒と踊り子』はアカデミー賞外国語映画賞のスペイン代表に選出された話題作。『瞳の奥の秘密』は同じくアカデミー賞外国語映画賞アルゼンチン代表作で、退職後に小説の執筆を始めた男が、小説家として25年前に起きたある事件に向き合う姿が映し出される。笑いあり、涙あり。各国の映画祭などで高い評価を得ても、日本での劇場公開が決まらない海外作品が多い中、スペイン語圏の質の高い作品に触れるまたとないチャンス!スペイン映画祭2009は、2009年12月8日(火)から10日(木)まで新宿バルト9にて開催。スペイン映画祭2009■関連作品:マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トーキョー (原題)
2009年12月07日映像・映画制作を実務経験で学べる産学一体型のスタイルで、数多くの映像・映画業界人を輩出するバンタン映画映像学院。同学院の生徒による短編映画祭「エネフレッシュ!09」が11月14日(土)よりユーロスペースにて開催される。講義という枠を飛び出し、自分たちの手で自分たちの作った作品を観客に届けたいという若き志たちの熱意が形となる、画期的なプロジェクトが始動した。“挑戦状”“ご挨拶”“縁”“壁”“an approach(助走)”の5つを合言葉に、学生主体で作品企画・制作から配給・宣伝まで全てをこなすという試み。上映される短編映像6作品はどれも新人監督によるものとあって、新たな才能の発掘の場となりそう。また、上映に加えてキャストによる舞台挨拶や、熊澤尚人監督(『おと・な・り』)を始めとする映画著名人と同学院の講師陣をゲストに迎えてのトークショーなど、様々な企画も用意されている。未来の巨匠が、もしかしたらここから生まれるかも?ぜひ、学生たちの熱き思いを肌で感じつつ、あなたの審理眼を試してみては?エネフレッシュ!09バンタン映画映像学院短編映画祭」期間:11月14日(土)〜20日(金)連日21:00〜場所:ユーロスペース(東京・渋谷)公式サイト:
2009年11月10日映画ファンのみなさんならご存知の通り、10月17日(土)から25日(日)まで、第22回東京国際映画祭が開催されました。国際、という割には海外ゲストが少なくなってはいるのですが、日本を代表する監督、主役級の役者たちほか、エンタメ界以外からも話題の大物たちが一堂に会するこれほど華やかな場はほかにはないでしょう。オープニングでは、環境保護を訴えるグリーンカーペットの上を、様々な人々が行き交いました。そこでシネマカフェでは、気になる方たちのファッションをふり返ってみたいと思います。最初は、美女二人を従えた怪しげな人物…ではなく、森田芳光監督。従えている美女は、『わたし出すわ』で主演した小雪と黒谷友香。肌の色とマッチしたヌードカラーのドレスを纏った小雪は、大ぶりのイヤリングと、おそろいのネックレスでややジミ目の色味に煌きをプラス。自らの存在感と大胆な“肌見せ”で、華やかさをプラスしたしっとりとした着こなしが見事です。一方、それに対抗するように黒谷は、鮮やかなブルーを使ったホルターネックのインパクト強い着こなし。「小雪がそうくるなら、私は…」的な主張がさすがは女優。このショットで、同じ体格の二人の女性が、同じ髪型、さらにドレスも同系色で揃えてきたら、森田監督が引き連れてきたどこかのキレイなお姉さんになりかねません。ふたりの女優がそれぞれの個性を意識した着こなしをしたことで、二人ともが引き立ったというわけです。一方、登場した3人の女優が同じ赤で揃えてきたのが、『ゼロの焦点』の中谷美紀×広末涼子×木村多江の3人組。グリーンカーペットの上で極めて強い印象を残す赤という色を3人揃って着るという大胆さで、上記の二人組とはまた違った鮮烈さを残してくれます。しかも、それぞれの美しさを引き立ててドレスのデザインをがらりと変えているので、色が同じでもかえって個性的が引き立つ結果に。中央に立つ広末涼子が、すこしトーンを抑えたワインレッドに近いものをチョイスしているあたりも、「3人で一緒に並ぶ」というところまで意識した様子が垣間見られます。そんな計算も、大事ですね。映画祭のオープニングを飾った『オーシャンズ』組は、ジャック・ペラン監督を囲むように、宮沢りえと平原綾香。登壇者のみんなが、どこかにグリーンを身につけての登場だけに、宮沢だけはそれをあえて拒否したのかとちょっと疑問になるショット。ドレスのデザインも色もとってもお似合いだけれど、パーティやイベントというお祭り感覚のある場では、ぜひ周囲と歩調を合わせたいもの。それでないと、ノリの悪い人だと思われてしまうので。イヤリングやチョーカーでエメラルドをつけるという選択肢もあったのかもしれませんね。さて、ここまでに登場した迫力の女優陣とは打って変わって、初々しい装いを見せているのが、『僕の初恋をキミに捧ぐ』の井上真央。岡田将生の冬物っぽいジャケットの生地感と合わせたのか、タイツで登場。パーティではなるべく肌を見せるのが華やかさへの近道ですが、この黒タイツがかえって恥じらいを感じて若々しかったりして。でも、今流行中のトレンカタイプのレギンスだったりするともっとお洒落感がUPしたのかも。それにしてもこの二人、なんだか俳優のツーショットというよりも、思い切り本気でデート中という感じがしませんか。なんでこんなにリアルなのでしょう。次は、佐々木希×谷原章介の2ショット。『天使の恋』で歳の差カップルを演じた二人です。谷原のリーゼント風ヘアも気になるところですが、やはりお人形のような佐々木の姿に目が行きます。年上の男性にエスコートされることを意識してベアトップ&フルレングスを選んでいますが、胸元にはたっぷりのフリル。これがハートシェイプのようになっていて、乙女らしさが垣間見えます。谷原も、パパに見えてしまわないかが気になって、髪型をロックテイストにしてみたのでしょうか…。ちょっとちぐはぐな感じが、かえって映画の世界そのものという感じです。最後は、美女と野獣という感じの、山田孝之×戸田恵梨香の二人。『大洗にも星はふるなり』で共演している彼らですが、戸田は眩しくなるような白を選んで正解。ライトのように顔写りをよくしてくれているのは、上半身に集まったたっぷりのフリル。スポットライト&マドンナライト効果を発揮するこのドレスでなければ、山田に全部持っていかれていたことでしょう。お気づきの通り、これまで男性ファッションにはほとんど触れていない私ですが、彼だけは注目せずにはいられません。フォーマルとなると、特筆すべきことがなくなる男性陣の中で、これだけの度胸と個性を発揮できる人はそうそういません。正当派な着こなしで柔らかく微笑む戸田の横で、全くジャンルの違うオーラを発している彼。日本映画界で引っ張りだこなので、舞台挨拶などの映像をご覧になったこともあるでしょうが、いつも主張のある着こなしを見せています。男性ながら、ド○小西のファッションチェックでも取り上げられるほどのインパクトの持ち主なので、これはこれで貫いていって欲しいものです。ほんの短い時間でも、いろいろなことが見えてくるカーペット・ウォーク。やはり、どんなに海外ゲストが少ないと言われても、期待せずにはいられません。来年、この時期に東京近郊にいる方は、一度覗きにいらしてはいかがですか?(text:June Makiguchi)■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催わたし出すわ 2009年10月31日より恵比寿ガーデンシネマ、新宿バルト9、銀座テアトルシネマほか全国にて公開© 2009アスミック・エースエンタテインメントゼロの焦点 2009年11月14日より全国東宝系にて公開© 2009「ゼロの焦点」製作委員会オーシャンズ 2010年1月22日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2009 Galatee Films - Pathe - France 2 Cinema - France 3 Cinema - Notro Films - JMH-TSR 僕の初恋をキミに捧ぐ 2009年10月24日より全国東宝系にて公開© 2009「僕の初恋をキミに捧ぐ」製作委員会天使の恋 2009年11月7日より全国にて公開© 「天使の恋」製作委員会大洗にも星はふるなり 2009年11月7日よりシネセゾン渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開© 2009「大洗にも星はふるなり」製作委員会■関連記事:佐々木希の制服姿に早稲田騒然!恋と友情の二択迫られキュートに「どっちもほしい!」【TIFFレポート】杏がミニスカで美脚披露!木村佳乃は…写真でふり返る閉幕式【TIFFレポート】『イースタン・プレイ』グランプリ含む3冠!亡き男優にも男優賞【TIFFレポート】台湾の名匠お墨付きの新鋭監督は、草食系&星座占い好き?井上真央はやっぱり“何考えてるか分からない”岡田将生が好み?細田よしひこ無念
2009年10月30日21日から開催されていた第13回ハリウッド映画祭の最終日である26日、ビバリーヒルズのビバリー・ヒルトン・ホテルでハリウッド・アワーズ・ガラ・セレモニーが開催された。毎年1月1日から12月31日までに公開された映画を対象に、そこで素晴らしい功績を残した人たちを対象に贈られる賞で、ロバート・デ・ニーロが『Everybody’s Fine』(原題)でハリウッド男優賞、ヒラリー・スワンクが『Amelia』(原題)でハリウッド女優賞に輝き、共演のユアン・マクレガーがプレゼンターに。監督賞は、イラク戦争に従軍した若い米軍兵士たちを描いた『ハート・ロッカー』(原題)のキャスリン・ビグロー。同作主演のジェレミー・レナーがハリウッド・ブレイクスルー男優賞に輝き、『スタンドアップ』で彼と共演したシャーリーズ・セロンがプレゼンターとして登場した。ブレイクスルー女優賞は『Wall Street 2』(原題)でマイケル・ダグラスの娘を演じるキャリー・ミュリガン。TVシリーズ「24TWENTY FOUR」シーズン4や『砂と霧の家』でアカデミー助演女優賞候補にもなったイラン出身のショーレー・アグダシュルー、『インフォーマント!』に出演しているメラニー・リンスキー、監督としても活躍し、ジェーン・カンピオン監督の『Bright Star』(原題)に出演しているポール・シュナイダー、そして『スター・トレック』でスポックを演じたザッカリー・クイントが、脚光を浴びつつある俳優に贈られるハリウッド・スポットライト賞に輝いた。ジュリアン・ムーアがハリウッド助演女優賞、『イングロリアス・バスターズ』のクリストフ・ヴァルツは共演のダイアン・クルーガーから助演男優賞を、ブラッドリー・クーパーがハリウッド・コメディ賞を受賞し、『All About Steve』(原題)で共演したサンドラ・ブロックがプレゼンターに、と縁ある俳優が栄誉を讃える形式でセレモニーは行われた。(text:Yuki Tominaga)ハリウッド女優賞に輝いたヒラリー・スワンク。© Retna UK/AFLO■関連作品:インフォーマント! 2009年12月、恵比寿ガーデンシネマ、梅田ガーデンシネマほか全国にて公開© 2009 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.イングロリアス・バスターズ 2009年11月20日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVEDハート・ロッカー (原題)■関連記事:ブラピがロサンゼルスでバイク走行中に転倒するも、ケガはなしブラピ&タランティーノ最強タッグ来日決定!アンジーとのツーショットは?ブランジェリーナ、双子を連れてシリアへ。イラク難民の家庭を訪問恋したい“大人”な俳優は誰?MTVオリジナルiTunesダウンロードカードを10名様プレゼントサミット開催のN.Y.で、マット・デイモンがクリントン元大統領主催の会議に登壇
2009年10月28日9日間にわたって数々の映画作品を上映してきた第22回東京国際映画祭(TIFF)が25日(日)にクロージングを迎え、最高賞の「東京 サクラ グランプリ」には、カメン・カレフ監督による『イースタン・プレイ』(ブルガリア)が選ばれた。『イースタン・プレイ』は東京 サクラ グランプリに加え、最優秀監督賞(カレフ監督)と最優秀男優賞(フリスト・フリストフ)も受賞し3冠を達成!ちなみに、フリストフはこの映画の撮影直後に事故で亡くなっており、壇上に立ったカレフ監督は、感謝の言葉と共に亡きフリストフを偲び、冥福を祈った。本作は、音信不通だった兄弟の再会を描いたドラマ。久々に再会してみると、2人は人種差別を巡って正反対の立場に立っていることが判明する。それぞれに苦悩を抱えた兄弟が、再会をきっかけに自らを見つめ直し、希望を取り戻そうとする姿が描き出される。男優賞の代理受賞、自らへの監督賞、そしてサクラ グランプリと3度にわたって壇上に上がったカレフ監督は「いろんなトロフィーを受け取って、帰りの飛行機でチャージを取られないか心配です」とおどけながら喜びを語った。このほか最優秀女優賞は、苦境に立たされても負けじと立ち上がり、戦い続ける女性の姿を描いたフランス映画『エイト・タイムズ・アップ』主演のジュリー・ガイエが、審査委員特別賞は、人を殺してしまい、屋根裏部屋に隠れて暮らすことになった男と、その家で家政婦をするガールフレンドの奇妙な“遠距離恋愛”を映し出した『激情』が受賞した。またコンペティション部門以外では最優秀アジア映画賞を『旅人』(韓国=フランス合作)、アジア映画賞 スペシャル・メンションを『私は太陽を見た』(トルコ)が受賞、また、この7月に51歳の若さで逝去したマレーシアのヤスミン・アスマド監督にアジア映画賞特別功労賞が贈られた。第6回を数える「日本映画・ある視点」部門の作品賞には、松江哲郎監督が今年の元旦に、1シーン・1カットのみで撮影した74分のドキュメンタリー『ライブテープ』が輝いた。松江監督は「テープ1本で撮ったという、この映画際の趣旨に合った、非常にエコな作品でして…」と笑いつつ、スタッフや映画祭関係者への感謝を述べた。今年の審査委員長を務め、自身、『アモーレス・ペロス』にて第13回東京国際映画祭でグランプリを受賞しているアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督は「(グランプリは)ほとんど満場一致で決まりました。“現実”と“真実”とは異なるものですが、我々は映画の中に真実を発見した」とコメント。続けて、この映画祭で上映された作品が一作でも多く、今後、劇場公開されることを切望した。受賞結果は以下の通り【東京 サクラ グランプリ】:『イースタン・プレイ』【最優秀監督賞】:カメン・カレフ監督(『イースタン・プレイ』)【最優秀男優賞】:フリスト・フリストフ(『イースタン・プレイ』)【最優秀女優賞】:ジュリー・ガイエ(『エイト・タイムズ・アップ』)【審査員特別賞】:『激情』【観客賞】:『少年トロツキー』【アジアの風部門 最優秀アジア映画賞】:『旅人』【アジアの風部門 スペシャル・メンション】:『私は太陽を見た』【アジアの風部門 アジア映画賞 特別功労賞】:ヤスミン・アフマド監督【TOYOTA Earth グランプリ】:『Wolf 狼』【日本映画 ある視点 作品賞】:『ライブテープ』東京国際映画祭2009特集■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催■関連記事:【TIFFレポート】杏がミニスカで美脚披露!木村佳乃は…写真でふり返る閉幕式【TIFFレポート】台湾の名匠お墨付きの新鋭監督は、草食系&星座占い好き?【TIFFレポート】これぞ影の最高賞?観客賞が発表 『少年トロツキー』に栄誉!辻仁成インタビュー「アントニオ猪木さんをもう一度、リングに上げたかった」【TIFFレポート】大森南朋、原作者の「かっこよすぎる」という称賛に複雑な気分
2009年10月25日華やかに幕を開けた第22回東京国際映画祭(TIFF)。オープニング・イベント後には、『タイタニック』を手がけたジェームズ・キャメロンによる話題の最新3Dムービー、『アバター』のフッテージ特別上映会が開催され、グリーンカーペット・イベントに続いて鳩山由紀夫首相も出席。上映前には主演のサム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバーによる舞台挨拶も行われた。この日の上映は、完成作ではなく30分ほどの特別映像の上映となるが、完成前のフッテージ映像がTIFFで上映されるのは史上初めてのこと。12年前の1997年の東京国際映画祭で、これまた過去に例のない試みとして、本国アメリカよりも早いタイミングで、世界で初めてあの『タイタニック』が上映され、その後、歴史的な大ヒットを記録したとあって、今回の『アバター』上映会に対しても、本国の関係者たちも熱い視線を送っている模様。まず場内に3D映像で、現在、ロサンゼルスで本作の完成に向けて作業中で、今回は来日できなかったキャメロン監督のビデオメッセージが上映され、観客は3Dメガネを掛けてメッセージを受け取った。曰く「97年に『タイタニック』を上映したときの感動は忘れません!」。そして『アバター』については「冒険と魂の旅が待ち受けています!」と期待を煽った。続いて、キャスト陣が登場。ゾーイは覚えたての日本語で「ドウモ、アリガトウゴザイマス」とかわいく挨拶。サムは「オーストラリアなら、ひと言『グッダイ!』で決めるところですね(笑)。ご招待いただきありがとうございます」と笑顔で語った。そしてシガニーも日本語で「マタ、戻ッテ来レテ、Happyデス!」と挨拶。さらに、ここにはいないキャメロン監督について「ジェームズは、この素晴らしい物語を書き上げ、それを映像化するための技術までも作り上げました。この映画の全ての登場人物、生き物、植物のを彼が生み出したのです。この映画を作る過程でのジェームズは、日本語で言うところの“お菓子屋さんの中の子供”のようでした」と日本語を交えながら語り、惜しみない称賛を贈った。鳩山首相の目に、果たしてこの日の特別映像はどのように映ったのか、気になるところ…。珠玉のキャストと最新の映像を駆使し、現在も完成に向けた作業が進む『アバター』。公開は12月18日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開。東京国際映画祭2009特集■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催アバター 2009年12月18日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開■関連記事:【TIFFレポート】公開に間に合う?ドキドキ『アバター』キャスト陣が“説明”会見【TIFFレポート】写真でチェック!グリーンカーペットのファッションを一挙公開【TIFFレポート】宮沢りえ、山田孝之ら人気俳優、鳩山首相夫妻も来場映画祭開幕辻仁成が自らの思いを映した父の愛にホロリTIFFコンペ注目作!『ACACIA』平原綾香が初のデュエットで『オーシャンズ』テーマソングを公開収録!
2009年10月18日今年で22回目を迎える東京国際映画祭が10月17日(土)、東京・六本木ヒルズで華やかに開幕した。約270本もの作品が上映される、アジア最大級の映画の祭典。そのオープニングにふさわしく、各上映作品のキャストや監督等、総勢300人以上のゲストが映画ファンの大歓声を浴びる中グリーンカーペットを歩き、開幕に華を添えた。ゲストの先頭をきったのは、特別招待作品『アバター』のキャスト&スタッフ。ジェームズ・キャメロンが手がける3D超大作として大注目の本作、映画祭では完成前のスペシャル・プレゼンテーションという貴重なイベントのために、『ターミネーター4』で人気急上昇のサム・ワーシントン、ヒロイン役のゾーイ・サルダナ、そして『エイリアン4』以来11年ぶりの来日となる名女優シガニー・ウィーバーらが来日してくれた。サムは沿道からのサインに応えるファンサービスも見せるなど、ハリウッド俳優陣の登場に会場は一気に盛り上がった。もちろん、日本人俳優も多数集結。『天使の恋』で共演する佐々木希と谷原章介、『僕の初恋をキミに捧ぐ』で切ない恋を演じる井上真央と、ドラマにCMにひっぱりだこの岡田将生、『大洗にも星はふるなり』の山田孝之、戸田恵梨香ら人気の若手俳優たちが登場するたびに大歓声があがった。特に、広末涼子、中谷美紀、木村多江の3人の美人女優を揃えた『ゼロの焦点』チームは全員グリーンのカーペットに映える真っ赤なドレスに身を包み、視線を集めた。対照的に男ばかりのキャスト10名が並んだ『風が強く吹いている』チームは、小出恵介、林遣都はじめ陸上部10人全員が劇中同様のジャージ姿で登場し、この日一番の黄色い声援を浴びていた。トリを飾ったのは、映画祭のオープニング作品、『オーシャンズ』の面々。ジャック・ペラン&ジャック・クルーゾー監督に加えて、本作のナレーションで出産後の初の本格映画復帰を果たした宮沢りえ、そしてテーマソングを歌う平原綾香と藤澤ノリマサが登場し、宮沢さんは「未知なる世界は本当に素晴らしい」と本作の魅力を語った。さらに、鳩山由紀夫内閣総理大臣と幸夫人も応援に駆けつけ、先日の米国訪問各地では何度も『おくりびと』が話題になったことにも触れながら、「映画は政治以上に人々意識を変える力を持っている」と会場に呼びかけた。第22回東京国際映画祭は10月25日(日)まで、六本木ヒルズにて開催される。東京国際映画祭2009特集■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催■関連記事:辻仁成が自らの思いを映した父の愛にホロリTIFFコンペ注目作!『ACACIA』平原綾香が初のデュエットで『オーシャンズ』テーマソングを公開収録!矢沢永吉が東京国際映画祭で舞台挨拶に登壇!世界のYAZAWA何語る?開催までカウントダウン!東京国際映画祭オリジナル「マイ箸」5名様にプレゼント東京国際映画祭、今年の見どころは?コンペ出品作15本を選んだ男に直撃インタビュー
2009年10月17日まもなく開幕する第22回東京国際映画祭に、還暦を迎えた“ロックの帝王”矢沢永吉が参戦することが分かった。30年にわたって日本のロックシーンを牽引してきた矢沢さんの姿を追ったドキュメンタリー『E.YAZAWA ROCK』が、特別招待作品として10月21日(水)、ワールドプレミア上映される。これに合わせて開催される舞台挨拶に矢沢さん本人が登壇することが急遽決定した。国際映画祭、そして映画の舞台挨拶に矢沢さんが参加するのはこれが初めて。60歳を迎えた今年、映画の公開に加えて4年ぶりのアルバム発売に2年ぶりの全国ツアーの開催と、ますます加速するYAZAWAが、海外のプレスも集まる映画祭の舞台で何を語るのか――?『E.YAZAWA ROCK』矢沢永吉舞台挨拶は10月21日(水)15:50頃からTOHOシネマズ 六本木スクリーン7にて開催。また、本作の劇場公開は11月21日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。※舞台挨拶の詳細、当日券の情報については東京国際映画祭公式サイト、および映画公式サイトにて。東京国際映画祭2009特集東京国際映画祭2009公式サイト『E.YAZAWA ROCK』公式サイト■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催E.YAZAWA ROCK 2009年11月21日より全国東映系にて公開©映画「ROCK」製作委員会■関連記事:平原綾香が初のデュエットで『オーシャンズ』テーマソングを公開収録!開催までカウントダウン!東京国際映画祭オリジナル「マイ箸」5名様にプレゼント東京国際映画祭、今年の見どころは?コンペ出品作15本を選んだ男に直撃インタビュー是枝監督、真田広之登壇東京国際映画祭「映画人の視点」招待券を10組20名様にプレゼントアントニオ猪木×辻仁成、わが子への思い語る東京国際映画祭ラインナップ会見
2009年10月16日8日夜に韓国で華々しく幕を開けた第14回釜山国際映画祭。日本からも数々の作品が出品する中、10日、累計410万部を突破した松本光司の大人気漫画を実写化した『彼岸島』の公式上映が行われ、主演の石黒英雄がキム・テギュン監督と共に舞台挨拶に登壇し、韓国の映画ファンから温かい歓迎を受けた。彼岸島と呼ばれる、吸血鬼と化した住人たちに支配された孤島を舞台に、絶体絶命の極限サバイバルを描く本作で、石黒さんは行方不明の兄を探しに島に赴く主人公・明を演じる。原作は日本のみならず韓国でも熱狂的な人気を呼んでおり、当日は深夜0時の開映にもかかわらず、ワールドプレミアには10代、20代の女性を中心に約1,000人が集結!司会が石黒さんの来場を伝えると歓声が沸き起こった。石黒さんはキム監督の母国でのワールドプレミアに敬意を表し、「はじめまして、石黒英雄です。今日は『彼岸島』のプレミアにお越しいただきありがとうございます。今夜は楽しんでください!」と韓国語で挨拶。約半年ぶりに再会した監督と撮影中のエピソードを語り、ファンの声援にも笑顔で応えながら「夜遅いけどみんな寝ないでね!」と呼びかけた。無事に海外映画祭デビューを飾った石黒さんは、「どんな舞台挨拶になるかすごく不安だったけど、お客さんがみんな本当に温かいですね」と感激した様子。また、日韓コラボの作品としては、ほかにも映画祭常連の是枝裕和監督による『空気人形』(現在公開中)が、主演のペ・ドゥナの地元で初披露とあって高い注目を集めていたが、同日の公式上映ではこちらも満席の興奮状態。現地入りした是枝監督を盛大な拍手が迎え、「全編が詩のようでとても感動的だった」などの感動の声が伝えられていた。『彼岸島』は2010年1月9日より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:彼岸島 2010年1月9日より新宿バルト9ほか全国にて公開©2010松本光司/講談社・「彼岸島」フィルムパートナーズ空気人形 2009年9月26日よりシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2009業田良家/小学館/『空気人形』製作委員会■関連記事:是枝監督、真田広之登壇東京国際映画祭「映画人の視点」招待券を10組20名様にプレゼント是枝裕和監督&ARATAインタビュー喪失を乗り越えていく姿にある“何か”板尾&ARATA、カンヌでの居眠りを告白もペ・ドゥナが優しくフォローみずみずしく純粋な空気人形に、感情の素晴らしさを再確認『空気人形』ペ・ドゥナ『空気人形』インタビュー誰もが持つ“空っぽ”な感覚とそれを満たすもの
2009年10月13日8日夜、釜山国際映画祭が華やかに開幕した。海雲台ヨット競技場での開幕式には、イ・ビョンホン、ジョシュ・ハートネット、松本人志、ソ・ジソプ、イ・ミンホ、審査委員長のジャン=ジャック・ベネックスら、多くのスターや監督が参加。14回目となる今年のオープニング作品は、チャン・ドンゴン主演の『Good Morning President』。3人の大統領の悩みを描くコメディで、ドンゴンの韓国映画への出演は実に4年ぶり。ドンゴンが見せるコミカルな演技に大観衆が大きく沸いた。記者会見でドンゴンは、「釜山のオープニングを飾れてとても光栄です。いままでコメディに出演したことがなかったので、ぜひ挑戦したかった。撮影をとても楽しみました」とふり返った。監督・脚本は、『トンマッコルへようこそ』などの人気脚本家チャン・ジン。演劇界出身で、そのユーモアあふれる作風から韓国の三谷幸喜とも言われている監督は「政治的な映画ではないが、私が少年時代を過ごした70年代は軍事政権時代で、大統領のコメディなど考えられなかった。いまは良い時代だと思う。今年亡くなった2人の大統領にも観てもらいたかった」と語った。キム・ドンホ映画祭委員長は「チャン・ジン監督の才能に加え、不況なので、明るい作品で映画祭を盛り上げたかった」と『Good Morning President』(原題)をオープニングに選んだ動機を語った。チャン・ドンゴンが演じるのは、妻を早くに亡くし、子育てに奮闘するイケメン独身大統領。尊敬する前大統領の娘(チャン・ジェヨン)にほのかな思いを寄せたり、瀕死の一般市民のために自分の腎臓を提供するか否かで悩んだりという、人間味あふれる役どころだ。香港の記者から、「あなた自身も独身生活が長くて、淋しくはありませんか」という質問には「普通の独身男性と同じように、淋しいときもありますが、そんなに深刻に悩んではいませんよ」と笑っていた。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:第14回釜山国際映画祭 [映画祭]■関連記事:ダウンタウン松本絶叫「殺人予告の人かと…」監督第2作『しんぼる』公開!
2009年10月10日今年で22回目を迎える東京国際映画祭(TIFF)が10月17日(土)に幕を開ける。東京サクラグランプリを競うコンペティション部門を始め、アジアの佳作を紹介する「アジアの風」、さらに多様な日本映画の新作を上映する「日本映画・ある視点」に各国の映画祭で高評価を得た作品を日本で初めて上映する「WORLD CINEMA」などなど、多岐にわたる作品が9日間にわたって一挙上映される。ズバリ、今年のTIFFの見どころは?そして気になる日本代表作品の評価は?開幕を前にコンペティション部門の作品選定ディレクターを務める矢田部吉彦氏に話を聞いた。今年のコンペ出品作の特徴は“物語の強さ”1月のロッテルダム国際映画祭(オランダ)を皮切りに、矢田部さんが作品選定を兼ねて訪れた国は10か国。そして、鑑賞した作品は驚くなかれ、約600本!数か月にわたって「とにかく時間があればDVD」という生活を送っているが、特に今年は例年に比べて応募作品が100本ほど多かったとか。そこから厳選された15本のコンペティション部門出品作品の傾向を尋ねると「物語の強さ」という答えが返ってきた。「毎年、『こういう映画を選ぼう』といったテーマは決めずに、あくまで良いものを選ぶようにしているんですが、出揃った作品を眺めると、雰囲気やセンスといった要素よりも物語が観る人を引っ張る作品が多い気がします。そういう意味で、観ていて退屈する作品は全くないですね」。日本のファンにとっては、辻仁成監督、アントニオ猪木主演の『ACACIA』がコンペティションでどのような評価を受けるかが気になるところだが…。「東京で開催する映画祭として、どういう日本映画を選ぶかは大きなポイントです。不安であり、楽しみでもありますがそういう意味で『ACACIA』は嬉しい出会いでした。辻さんと猪木さんという組み合わせに対して期待は大きかったけど、正直、観る前は不安もありました。でも、観始めて数シーンで『いいなぁ』と思えるものが伝わってきて、『ありがとう』という気持ちになりましたね。これが単に猪木さんの存在感というだけならここまで喜ばないです。映像が美しく、音楽と映像のコンビネーションも脇役も素晴らしい、アンサンブルの映画として評価したつもりです。お客さんの反応が楽しみですし、コンペに入れられてよかったなぁ、と思います」。続いて、話題は映画界の現況に。一部の大作が市場を引っ張る形で邦画の好調が伝えられるが、一方で洋画、特にアート系の作品にとっては厳しい現状が続いている。こうした状況の中で、映画祭が果たすべき役割とは?「僕は、映画祭の究極の役割は、お客さんを映画館に戻すことだと思っています。以前であれば劇場公開されていたような、海外の映画祭で高評価を受けた作品が日本では公開されない、ということも多くなっています。だからこそ、TIFFでどんどん上映できればと考えています。普段、欧米の単館系の映画を観ない人がたまたま観て『意外といいじゃん』と感じてくれたら、観ようと思ってた邦画が売り切れで、その隣りで上映してた作品を観て『面白い』と感じてくれたら…。長い道のりかもしれませんが、そういう人が一人でも映画館に足を運ぶという好循環を作る可能性を秘めているのも映画祭だと思っています」。「普段は観ないタイプの映画をぜひ観てほしい」最初にも触れたが、約600本の中からたったの15本を選ぶ、すなわち残りの数百本を落とすということは肉体的にも精神的にもつらい作業である。そうして選び抜かれた15本の中からさらにお薦め作品を尋ねるのは失礼かもしれない…。が、あえてこれから映画祭に足を運んでみようか?と考えているシネマカフェ読者に薦めるなら?「そうですね…もちろん全てがお薦めです(苦笑)。でも、例えば20代、30代の働く女性なら『エイト・タイムズ・アップ』はいかがでしょう?失業し、アパートも追い出されてしまうような女性のお話で、つらいテーマなのになぜか爽快で、気持ちよく感情移入できると思います。それから、すごく“とんがった”作品なら『激情』を薦めたいですね。普段、女性がなかなか観ないタイプの映画かもしれませんが、個性的な強いラブストーリーです。もう少し若い方には『テン・ウィンターズ』。10年に及ぶ男女の愛を描いていますが、ゴンドラや観光名所の出てこない、“生活感のある”ヴェネチアが舞台になっています。映画祭という貴重な機会であり、特にコンペ作品は1,000円ですので、普段は観ないタイプの作品にぜひチャレンジしてほしいです。騙されることはない…はずです!騙されたと思ったらブログにコメントしてください(笑)」。「優柔不断な自分が嫌になるし、ウジウジとずっと考えてしまいます。8月の最後の週あたりは『この仕事向いてない!もうハゲる、ハゲる!』って悩んでます(笑)」とは作品の選定についての矢田部さんの弁。そこまで悩みに悩んだ上で満を持して上陸した作品の数々、ぜひご注目あれ!東京国際映画祭2009特集第22回東京国際映画祭公式サイト矢田部吉彦「映画業界人ブログ」■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催ACACIA© 2008 "ACACIA" Film Partners■関連記事:是枝監督、真田広之登壇東京国際映画祭「映画人の視点」招待券を10組20名様にプレゼントアントニオ猪木×辻仁成、わが子への思い語る東京国際映画祭ラインナップ会見還暦を迎えた永ちゃんが東京国際映画祭に出現!素顔が映るプレミアチケットも発売闘魂・猪木が東京国際映画祭に殴りこみ!辻仁成とタッグで『ACACIA』コンペ出品東京国際映画祭、今年の審査委員長に『バベル』イニャリトゥ監督が就任!
2009年10月07日今年のカンヌで喝采を浴びた是枝裕和監督の最新作『空気人形』が9月26日(土)に公開を迎え、是枝監督、ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路による舞台挨拶が行われた。この舞台挨拶のために来日したペ・ドゥナは「緊張していますが、初日を迎えて感無量です。“空気人形”として生きて時間は幸せでした」と笑顔で語った。是枝監督も初日を迎えてホッとした様子。アメリカを含む世界15か国での本作の公開も決まり「よかったです」と喜びを口にしたが、「何より日本で多くの人に観ていただきたいと思っています。今回は力を入れて、みんなで『笑っていいとも!』にまで出ましたので(笑)」とユーモアたっぷりに日本の観客にアピールした。ARATAさんは、本作を「是枝監督が詩のように綴った人間讃歌です。観終わって生まれた感情を大切に家に持ち帰ってください」と呼びかけた。板尾さんは、“勝負服”の純白のタキシードで登場!「撮影はちょっと孤独でした。ARATAくんと一緒の芝居はほとんどないし、監督は静かで、ぺ・ドゥナとはほとんどしゃべらなかったし…」と正直に明かしつつ「完成した作品を観て、参加してよかったな、と思いました」と胸を張った。続いて、話題はこのメンバーで参加したカンヌ国際映画祭の思い出に。板尾さんは「レッドカーペットがデカかったです。普段はどこに収納してるんでしょうか?幅が広くて継ぎ目もなくて、保管が大変そうですね」と心配そうに語り、笑いを誘った。そのカンヌで、本作の上映の際にARATAさんと板尾さんは居眠りをしてしまったとか…。上映後、会場は歓声と拍手で包まれたそうだが、板尾さんは「僕が目を覚ましたことに対して拍手してもらってるかのように思えました。『板尾、起きたわー』って(笑)」と苦笑いを浮かべつつ「それぐらい、素晴らしい映画なんです!」と無理矢理まとめた。ARATAさんも「上映する日の朝にカンヌに着いて、取材、取材で…、上映前には食事会もあって『危険だな』と思ってたんですが。気がついたら話が飛んでるワケです…(笑)。隣りを見たら板尾さんも目を閉じてて『助かった!』って思いました」と申し訳なさそうにふり返った。これに対してペ・ドゥナは「2人が寝てたことは知りませんでした。夜の上映でしたが、人間は夜の方が感性が鋭いものです。私はハマりこんで観てました。思わず涙を流したとき、ARATAさんが黙ってハンカチを差し出してくれたんですが、寝てても優しく私を気遣ってくれていたんですね(笑)」と見事なフォロー。是枝監督は、このやり取りに「複雑な気持ちです…。今日、観に来てくださったみなさんはペ・ドゥナさんや私の側の方々だと信じています」と横目で板尾さん、ARATAさんをチラリ。さらにこの日は、10月11日に30歳の誕生日を迎えるペ・ドゥナと、本日“誕生日”を迎えたこの映画のためにケーキの形をした特製ボードが登場。ペ・ドゥナは「30歳が本当の意味での女優としてのスタートだと思っています」と笑顔でさらなる飛躍を誓った。『空気人形』はシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて公開中。■関連作品:空気人形 2009年9月26日よりシネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2009業田良家/小学館/『空気人形』製作委員会■関連記事:みずみずしく純粋な空気人形に、感情の素晴らしさを再確認『空気人形』ペ・ドゥナ『空気人形』インタビュー誰もが持つ“空っぽ”な感覚とそれを満たすものペ・ドゥナ、ARATAを「頼れる人」で板尾は「近づけない感じ」ARATA、メイド従業員に手ほどき「ぺ・ドゥナをしっかり研究して」オダギリジョーも飛び入り参戦!トロント映画祭で『空気人形』観客総立ちの絶賛
2009年09月26日日本初の実写長編デジタル3D作品として注目を集め、先のヴェネチア国際映画祭でも喝采を浴びた『戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH』。16日(水)、本作の世界配給決定を受けて清水崇監督が都内で凱旋記者会見を行い、主演の柳楽優弥もサプライズで駆けつけた。清水監督は「ヴェネチアの大きな会場の大きなスクリーンでは、『こんなに奥行きがあったのか!飛び出したのか!』と観客の反応も良くて、興奮して帰ってきました」と手ごたえを語った。世界配給決定についても「嬉しいです!どうしてもホラーのイメージが強いので、僕としても作り手として新しいところに行きたかったし、違ったところに行きたかった。その思いをプロデューサーが汲んでくれて、観たことのない映画が出来たと思っています」と自信をのぞかせた。柳楽さんはこの場で世界配給決定の知らせを聞いたそうで「すっげーなぁと思いました。良い結果になってくれれば嬉しいです」と喜びと期待を口にした。ちなみに柳楽さんは、これまで怖い映画が苦手だったそうだが、「演じていると意外と怖くないなと。お化け屋敷での撮影もあまり怖くなかったです。新たな発見をしちゃいましたね」と克服を強調!「いやぁ、小学生みたいですね(笑)。お化け屋敷も前なら絶対入らなかったのに、楽しめるようになりました」と嬉しそうに語った。清水監督からの(柳楽さんが『誰も知らない』で主演男優賞を受賞した)カンヌ以外の映画祭にも連れて行ってあげたいという言葉に「ほかの映画祭も楽しみたいです。でも映画祭より普通に観光したい(笑)。パスポートを判子でいっぱいにしたいんです!忙しいビジネスマンみたいに」とおどけた。最後に柳楽さんは「カップルや家族で観に来てください。3Dだし!特にカップルにお勧めです」と映画をアピールした。『戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH』は10月17日(土)より新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開。■関連作品:戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH 2009年10月17日新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開© ショック・ラビリンス・フィルム・コミッティ2009■関連記事:清水崇ティーチイン付き!『戦慄迷宮』3D特別試写会に5組10名様をご招待清水崇、アジア代表でヴェネチア入りジャパニーズ3Dホラーに1,000人驚愕!『戦慄迷宮3D』撮影快調!柳楽優弥「暗いところは本当に怖い…」世界最大のお化け屋敷“戦慄迷宮”が、清水崇監督&柳楽優弥主演で映画化
2009年09月18日現在開催中のトロント国際映画祭で出演作『The Private Lives of Pippa Lee』(原題)が上映されたキアヌ・リーヴスが記者会見に出席、1991年の『ハートブルー』で共演した故パトリック・スウェイジの思い出を語った。14日、すい臓がんのため57歳で亡くなったスウェイジとキアヌは、『ハートブルー』で銀行強盗容疑のあるサーファー役とFBI捜査官役で共演、追う者と追われる者の間に芽生える奇妙な友情を演じた。「僕らはスカイダイビングのシーンを一緒に撮影した。パトリックは飛行機から何度もジャンプし続けることになった。30回以上は飛んだよ。不当労働行為禁止命令の域に達するほどだったよ。ハワイ・ロケまで続いた。彼はそこからまた飛行機から飛び降りたんだ」と語ったキアヌは、懐かしむように微笑みながら「彼はオープンな態度で取り組んでいた。本当に親切で、ユーモアのセンスも素晴らしくて、その場を明るくしてくれた。充実した生涯だったと思う」。「彼はアーティストであり、美しい人だった。ご遺族には心からお悔やみを申し上げます」と語ったキアヌ。『ハートブルー』は彼にとって転機になった作品でもあったという。「この作品で大きなチャンスをつかんだ。これを機に僕の人生は変わったんだ」。『The Private Lives of Pippa Lee』も人生の転機がテーマの作品。キアヌは、ロビン・ライト・ペン扮するヒロイン、ピッパと親しくなる隣人を演じている。(text:Yuki Tominaga)© Moviestore Collection/AFLO
2009年09月18日世界各国の良質の映画を集め、多くの映画人やファンが一堂に会する、年に一度の祭典、東京国際映画祭。第22回を迎える今年も昨年に続いて“エコロジー”をテーマに、10月17日(土)より9日間にわたり六本木を中心に開催される。開幕を1か月後に控え、9月16日(水)に記者会見が行われ、本年度のラインナップが発表された。会見には、映画祭大使を務める木村佳乃、グリーンアンバサダーを務めるモデルの杏、さらにコンペティション部門出品作品『ACACIA』より監督の辻仁成と主演のアントニオ猪木が出席した。昨年、新たに映画祭チェアマンに就任した依田巽氏の言によると「今年はホップ、ステップ、ジャンプのステップの年」を目指すという本年度の映画祭。オープニングとクロージング作品には、それぞれネイチャー・ドキュメンタリー『オーシャンズ』とディズニー/ピクサー最新作『カールじいさんの空飛ぶ家』と、“海”と“空”を舞台にした作品を配すなど、エコロジー色も健在だ。昨年に続き、グリーンアンバサダーを務める杏さんは、「映画祭を通して、多くの人に楽しみながら地球環境問題を考えていただければ」と意気込みを語った。杏さん同様、2年連続で映画祭大使に任命された木村さんも、「私も映画産業に携わる人間として映画祭が成功することを祈りつつ、お力になれれば」と挨拶した。目玉となるコンペティション部門には、本年度は各国から選りすぐりの15作品が集結。日本から唯一の出品となった『ACACIA』は、辻監督の6年ぶりの監督作であるとともに、猪木さんの初主演映画である。前妻の南果歩さんとの間に生まれた自身の息子への思いを映画にしたという辻監督は、「いま一緒に暮らすことは出来ないのですが、(いま一緒に暮らしている)2人目の子供と過ごしていると思い出します。会えないけど毎日思っている、この思いを100年残ると言われる映画で届けたいと思った」と映画化のきっかけを語った。そんな中で“日本の父性がある、男のいい皺のある人”として主演に抜擢したのが猪木さんだった。「ホテルのロビーで打ち合わせしてたときに、『例えばアントニオ猪木さん…』って話してたら目の前を猪木さんが通り過ぎて…。飛んでいって出演のお願いをしました」とその経緯を話す監督。実際の撮影を通して、「泣くシーンでは朝から役作りをしていて、誰も近寄れませんでした。いつもは気迫というものを闘魂でしか表してませんが、実は内側に強い思いを秘めていて、自分の命や魂を削ってでも何かに向かう姿には本当に頭が下がります」と“奇跡のタッグ”を組んだ主演俳優に敬意を表した。素顔を明かされ、やり場のない表情を見せる猪木さんだが、曰く「不安もありましたが、とにかく一歩踏み出す気持ちでやった。とてもいい人生の体験をさせてもらいました」とのこと。「人生は一寸先が“闇”じゃなくて、“ハプニング”。何か起こればおもしろいなという気持ちで生きています」。そう話す猪木さんが演じるのは、ある少年との出会いを通して、過去の痛みを乗り越えていく、元レスラー。改めてふり返り、「人生が出ているような映画は感動します。私自身、8歳の子供を飛行機の中で亡くしまして、ある部分が重なり、ふと涙が込み上げることがありました。人生には苦しみもありますが、それぞれの心の中にしまったものをふと開けたときに、その人の人間らしさが見えてくる。そんな思いで撮影に挑んだ」と重みのあるコメント。加えて、監督からは「自信がなく大作ではないですが、そこにある何かを感じとっていただければ嬉しいです」との渾身のメッセージが残された。2人の言葉から早くも期待がかかる。映画祭開幕まであと1か月。本年度はどんな盛り上がりを見せるのか?第22回東京国際映画祭期間:2009年10月17日(土)〜25日(日)場所:六本木ヒルズをメイン会場に都内劇場および施設・ホール公式サイト:■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催ACACIA© 2008 "ACACIA" Film Partners■関連記事:還暦を迎えた永ちゃんが東京国際映画祭に出現!素顔が映るプレミアチケットも発売闘魂・猪木が東京国際映画祭に殴りこみ!辻仁成とタッグで『ACACIA』コンペ出品東京国際映画祭、今年の審査委員長に『バベル』イニャリトゥ監督が就任!辻仁成の最新作にアントニオ猪木主演!高齢化社会に闘魂注入!
2009年09月17日フォークが全盛を誇る70年代初頭、日本にロックという新風を巻き起こして以来30余年間、一切ぶれることなく、ロック街道をノンストップで突き抜けてきたスター、矢沢永吉。この不世出のカリスマの軌跡を映し出したドキュメンタリー『E.YAZAWA ROCK』がこの秋、公開される。実は、矢沢さんは昨日9月14日(月)が60回目の誕生日、つまり還暦を迎えたわけだが、この記念すべき日に、この映画が10月開催の第22回東京国際映画祭の特別招待作品として上映されることが正式に発表された!2007年、矢沢さんが成し遂げた前人未踏の偉業、武道館100回公演のライヴシーンを軸に、ビートルズに憧れた少年時代、まだロックが認めれられていなかった時代に鮮烈に飾ったデビュー、そして音楽界の先頭を走り続ける彼の軌跡に迫る本作。自身の人生をふり返る数々の言葉から、彼の素顔が明らかになる。さらに今回、このスーパースターのお宝写真を使った限定セット券が発売されることも決定。79年、アメリカ一人旅中にバスの中で眠る姿、99年、横浜競技場で開催した50歳のバースデイライヴ時に、感極まり涙を浮かべる姿、そして2007年の武道館100回目のライヴシーン。矢沢さんの歴史を語る、ファン垂涎の写真が3枚綴りでプリントされている。5,000枚限定のこのプレミアチケットは、9月19日(土)より矢沢永吉オフィシャルショップ<DIAMOND MOON>にて発売。『E.YAZAWA ROCK』は10月21日(水)、東京国際映画祭にて上映されたのち、11月21日(土)より全国にて公開。■関連作品:E.YAZAWA ROCK 2009年秋、全国東映系にて公開©映画「ROCK」製作委員会第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催■関連記事:闘魂・猪木が東京国際映画祭に殴りこみ!辻仁成とタッグで『ACACIA』コンペ出品東京国際映画祭、今年の審査委員長に『バベル』イニャリトゥ監督が就任!
2009年09月15日昨年『おくりびと』がグランプリを制し、アカデミー賞に向けた前哨戦としても注目を浴びるようになった、国際映画祭の最高峰のひとつ、モントリオール世界映画祭。8月27日(現地時間)より開催されていた、今年で第33回目を迎える本映画祭にて、ワールド・コンペティション部門に出品されていた、根岸吉太郎監督作『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』が最優秀監督賞を獲得した。日本文学史の代表的作家・太宰治の遺した数々の作品の中でも、異彩を放つ恋愛小説を原作に、松たか子と浅野忠信を主演に迎えて夫婦の愛を綴った本作。ほかにも広末涼子、妻夫木聡、堤真一といった豪華俳優陣が根岸監督の下、華麗な競演を遂げている。授賞式の壇上に立った根岸監督は、フランス語で「メルシー・ボク(=ありがとうございます)、メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク。何度お礼を言っていいかわかりません。モントリオールと言う映画が大好きな人々の映画祭でこの映画の第一歩を歩むことができました。本当にありがとうございます」と興奮を隠しきれない様子で感謝のコメント。さらに、「個人で撮った賞ですが、日本映画全体の名誉だと思っています。自分の名前が呼ばれたときは、自分の名前ってフランス語っぽいなぁ(笑)と感じていました。地味な演出の作品なので、賞を獲れるなんて思っていませんでした。この映画の東洋的なニュアンスをきちんと読みとってもらえて大変嬉しく思います」と並々ならぬ喜びを表した。今後の賞レース、さらに日本への凱旋も楽しみな『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』は10月10日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送■関連記事:『ヴィヨンの妻』モントリオール監督賞受賞で浅野忠信、松たか子からも喜びの声が到着ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松たか子×浅野忠信『ヴィヨンの妻』がモントリオール出品で、太宰イヤーを飾る!
2009年09月08日2日から開催中の第66回ヴェネチア国際映画祭。7日夜にスティーヴン・ソダーバーグ監督の最新作『The Informant!』(原題)が上映され、主演のマット・デイモンが監督やプロデューサーらとともにレッド・カーペットに登場した。『The Informant!』は、90年代にアメリカの穀物商社の不正を内部告発し、FBIに協力した同社重役、マーク・ウィタカーの実話を基にした作品で、マットは30ポンド(約14キロ)増量して撮影に臨んだ。ソダーバーグのオスカー受賞作『トラフィック』やプロデューサーとして参加した『シリアナ』のようにシリアスな作風かと思いきや、本作はブラック・コメディ。FBIのおとり捜査に協力するウィタカーをマットは楽しそうに演じている。今年の映画祭コンペティション部門には日本の塚本晋也監督の『TETSUO THE BULLET MAN』も出品されているが、『The Informant!』はコンペ外での上映。前日はルチアナ夫人と一緒にゴンドラに乗ってロマンティックな夜を過ごすなど、マットはバカンスも兼ねたヴェネチア滞在を満喫しているようだ。(text:Yuki Tominaga)6日、妻のルシアナと一緒にヴェネチアでの夜を過ごしたマット・デイモン。© AFLO■関連作品:TETSUO THE BULLET MAN 2010年、全国にて公開第66回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:塚本晋也、深夜のヴェネチアを興奮の渦に「レッドカーペット歩けるのはすごいこと」ニコラス・ケイジ&エヴァ・メンデス、波紋を呼ぶ一作を引っさげヴェネチア入りM・ムーア、ヴェネチアに殴りこみ!ドキュメンタリー作品初のコンペ部門出品塚本晋也最新作、ヴェネチア国際映画祭出品決定初コンペ出品の快挙!世界のツカモト、全篇英語で挑んだ21世紀版『鉄男』で“全世界同時”会見
2009年09月08日初めてシンガポールに行ったのは1999年。きっかけは恵比寿ガーデンシネマで上映されたシンガポール映画『フォーエバー・フィーバー』(’98)だった。70年代、ジョン・トラボルタ主演で大ヒットした映画『サタデー・ナイト・フィーバー』のパロディ映画というのが、この映画の一番簡単な説明である。イギリスで舞台俳優として活躍していたグレン・ゴーイが故郷のシンガポールに戻り、自主映画に近い形で、この映画を監督した。当時、シンガポールには映画産業の土壌はほとんどなく、彼の作品を上映してくれる映画館はどこもなかった。彼はフィルムを持って、招待を受けていないカンヌ映画祭へ飛ぶ。小さな部屋を借り、そこで自主上映を行い、いろいろな人に自分の映画を観てもらおうとしたのである。たまたま次の打ち合わせの合間に立ち寄ったハリウッドの映画会社の社長がこの映画を気に入り、その場でこの映画を買うという話になった。買うだけではなく、ハリウッドでの映画監督の契約も何本かあったらしい(その後、彼が監督のハリウッド映画の話を聞かないので、この契約自体がどうなったのかはわからないのだが)。アメリカでの上映はもちろんのこと、本国シンガポールでも上映することになった。世の中、わからないもので、少し前まで上映さえしてもらえなかったはずの映画が、シンガポール史上空前の大ヒット映画となる。その後、日本でも公開になり、そのプロモーションでグレン・ゴーイが来日した際、インタビューで意気投合した僕は、当時、自分が編集長をしていた女性ファッション誌でシンガポール特集を組み、彼にシンガポールを案内してもらったのである。滞在中、おかまショーやスキンヘッドのバレリーナのショーなどを案内してもらい、それはそれで充実していたのだが、いま考えるとシンガポールの映画館には一度も足を運ばなかった。そこで今回、シンガポールに立ち寄った際、映画館に行ってみようと思い、15のスクリーンを持つゴールデンヴィレッジなるハーバーフロント駅にある新しいシネコンに向かったのである。ちなみに同じビルには、ベスト電器も入っている。僕が選んだ作品はエリック・クー監督のシンガポール映画『マイ・マジック』である。元手品師だった父親と子供の親子愛を描いた作品で、2008年のカンヌ映画祭でパルムドールにノミネートされたことでも知られている。そんな話題作にもかかわらず、100名程の劇場は5名。平日の昼間ということもあるが、あまりにも寂しすぎる。日本と同じで映画祭の受賞が興行成績に結びつくのはアカデミー賞くらいで、カンヌ映画祭の話題性は観客を呼ぶものではないのかもしれない。それにしても、グレン・ゴーイ監督はいま、どこで何をしているのだろう。(text/photo:ishiko)
2009年08月19日