テーマパークや遊園地、海にプールに花火大会、ショッピングモールなど、夏休みは子どもと一緒おでかけしたくなる行楽が目白押しです。親子でめいっぱい楽しみたいものですが、混雑するおでかけ先で、ほんのすこし目をはなしたすきに子どもの姿が見えなくなり、ドキッとしてしまうことも…?そんなもしもに備えて、わたしたちママが事前にしておきたいこと、親子で「お約束」しておきたいことを、セコム株式会社IS研究所で日々子どもの安全の調査研究や啓発活動に取り組む、舟生岳夫(ふにゅう・たけお)さんにお聞きました。■おでかけ前にしっかり準備。「迷子対策」4つのポイント子どもから目をはなさないことが、迷子を防ぐ基本ではあります。とくにまだ大人とのコミュニケーションがじゅうぶんにとれない、歩きはじめ~3歳くらいまでは、手をつないだり、常に近くにいたりすることが大切です。だんなさまやお友だち家族など、大人が何人かいるときなら、必ず誰かがそばにいるなど複数の目を持てるとより安心です。とはいえ、子どもの行動は予測不能で、目が行き届かないこともあるでしょう。そこで、「万が一、はぐれたとき」のことを想定し、親が事前に準備しておくことが、大切になってきます。その4つのポイントがこちら。▼POINT-1:おでかけ先を事前にリサーチおでかけ先で、子どもが興味をもちそうな場所や危険がありそうなところなどを、事前にチェックしておきます。とくに、親が初めて行く場所は念入りに。施設であればフロアマップなどを確認し、アウトドアの場合は、水の危険や見通しの悪いところ、天気予報なども含めて、できるだけ多く情報を集めましょう。▼POINT-2:「親の連絡先カード」を準備しておくもしものときに、子どもが誰かに渡せるよう、親の名前、電話番号などを書いたカードやメモを用意し、子どもがすぐに取り出せるポケットやポシェットの中などに入れておきます。▼POINT-3:子どもとは3つの「お約束」をもしもはぐれてしまったときに備え、以下3つのお約束をしておきましょう。・「待ち合わせ場所」小学生くらいであれば、子どもにとってわかりやすい場所をいくつか決めておき、はぐれたらそこに来るように伝えておきます。・「困ったときに声をかける人」遊園地などでは係の人、ショッピングモールなら売り場のスタッフ、海やプールなら監視員などの服装を教えておきます。・「連絡先カードを見せる」係員には、自分と親の名前、はぐれた場所を子ども自ら伝えられたらベストですが、実際はパニックになってしまいむずかしいことも。なにはなくとも「親の連絡先カード」を係員に渡すことを、約束をしておきます。▼POINT4:目印となるものを身に着ける子どもはもちろん、親であっても、その日のお互いの服装は案外思い出しにくいものです。おでかけのときは、帽子やシャツ、スカーフの色などがわかりやすいものを身に着けるなどの工夫を。そのうえで、子どもには「ママはオレンジのスカーフをつけているよ」と、声をかけておくだけでも意識しやすくなります。 ■もしも、迷子になったら…を具体的にイメージ。親子で「迷子シミュレーション」前述の4つのポイントをふまえたうえで、もし迷子になったらどんなことが起こりうるか、親子で話し合って具体的なイメージを持つことも大切です。これだけはおさえておきたいことを、ケースごとにみていきましょう。▼CASE1:待ち合わせ場所がわからなくなったら…子どもになじみのないおでかけ先の場合、待ち合わせ場所すら迷ってしまい、かえってひとけのないところや危険箇所に近づいてしまうことも。初めて行く場所などでは、子どもには「その場からできるだけ動かないでね」、「人が少ないところにはいかないようにしようね」のふたつを伝えておきましょう。▼CASE2:知らない人に声をかけられたら…困っている子どもの様子を見て、周囲の大人が声をかけてくることもじゅうぶんありえます。そんなときには、「係の人のところに連れて行ってください」と言えるように、教えておきましょう。ただし、声をかけてきた大人がよからぬことを考えている可能性が、ゼロとはかぎりません。「ふたりきりにならないこと」もあわせて伝えておきましょう。▼CASE3:どうしたらいいかわからなくなったら…事前にどんなに約束をしたとしても、いざそのときになると、子どもはパニックに陥ってしまいやすいものです。ここで役立つのが「親の連絡先カード」です。おでかけ先では、まず「困ったら声をかける人」を必ず教え、「もしも迷子になったら、係の人にこのカードを渡してね」のひとことにしぼります。この方法であれば、小さい子でもなんとか守れそうです。 ■子どもの安心・安全を守るための、親の心がまえついさっきまでいたはずのわが子の姿が突然見えなくなったら…。まずは探すか、それともインフォメーションセンターなどにすぐに連絡するか、悩ましい場面ではないでしょうか。もし、親子ともよく行く場所であれば、心当たりをひととおり探してみてもよいですが、初めての場所や危険が多い場所なら、迷わずインフォメーションセンターなどに相談しましょう。また、日頃から子どもと防犯について話をしておくことも大切です。迷子シミュレーションでもお伝えしたように、知らない人から声をかけられたら、必ず「ふたりきりにならない」ことをお約束しましょう。もし、「ママのところに連れて行ってあげる」と言われたのに人の少ないところに向かっていく、名前を執拗に聞いてきたりするなどの行動がみられたら、迷わず逃げたり、声をあげることを、普段から丁寧に教えておくとよいでしょう。また、防犯の観点から、子どものもちものへのネーム付けも、注意しておきたいところです。ネームは外からみてすぐにわかる部分ではなく、リュックサックの内側などに入れておく工夫を。同じ意味で、「親の連絡先カード」もポケットやバッグの中などに入れておくようにしましょう。おでかけをもっと安心に、安全に楽しめるよう、事前にもしもの備えをし、この夏も親子でとびっきりの思い出をたくさんつくってくださいね。 取材協力:セコム株式会社「こどもの安全ブログ」
2016年07月13日こんにちは、保育士ライターのyossyです。2016年3月、埼玉県朝霞市で行方不明となっていた女子中学生が約2年ぶりに保護されました(朝霞市女子中学生誘拐監禁事件)。車に乗せられて誘拐され、長期間にわたって監禁されていたことで大きな話題に。同じ子どもがいる親としては恐ろしくなってしまいます。誘拐事件が起きると、残念ながら手口をまねた犯罪が起きることもあるようです。子どもは大人が守らなくてはいけません。わが子はもちろん、地域の子どもたちの身の安全のために、できる限りの対策をしていきましょう。ここでは、略取・誘拐にスポットをあてて、その対策法をご紹介します。●子どもを狙った犯罪が増えている平成26年の子ども(13歳未満)の被害件数は全体で24,707件。うち109件が略取・誘拐(未遂を含む)で、9年ぶりに100件を超えてしまいました 。警視庁によれば、近年、子どもが事件の被害者になる割合が増える傾向にあるといいます。特に略取・誘拐は子どもが狙われることが多く、全被害のうち実に5割以上は子どもが被害に遭った事件とのこと。警察でももちろんパトロール強化などの対策を講じていますが、私たち親もできる限りのことをしていきましょう。●優しさや不安につけこみ、巧妙にだます手口に注意では、どういった誘拐の手口があるのでしょうか。例えば、・「道案内をしてもらえない?」などと、困っているふりをして優しさにつけ込むケース・「遊園地に連れて行ってあげる」「お菓子をあげる」などと、子どもの興味を引きそうなことを言って誘惑するケースがあります。また、朝霞市の女子中学生誘拐監禁事件では、犯人は「両親が離婚したから弁護士のところに連れて行く」とだましたと報道されています。このように、子どもの不安な心に付け入るような手口 も非常に悪質です。“両親の離婚”以外にも、例えば「お母さんが交通事故にあった」「親族が亡くなった」など、子どもが冷静さを失ってしまうようなことを犯人は言ってくることがあります。「急いで車に乗って!」などと言われてしまうと、子どもは焦ってしたがってしまうかもしれません。まずは、子どもにこういった手口があるということを教えましょう。そして、とにかく“ついていかない”ことを肝に銘じておく ことが大切。例えば、道をきかれて答えること自体は問題ありませんが、「説明がよくわからないから、ついてきて」と言われたら、「ダメと言われているからできません。お店や交番で(大人の人に)お願いしてください」などと断るように指導しましょう。なお、よく「“知らない人”についていかないように」と言われることがありますが、実はこの説明では不十分 。例えば、子どもが1人のときに毎日「こんにちは」と声をかけてくる人がいたら、数日後には子どもにとってその人は“知っている人”に分類されるかもしれませんね。また、ウソをつかれ「僕は学校の先生だよ」「私は○○ちゃん(お友達)のママだよ」といわれたら、自分が覚えていないだけで知っている人なのかもしれない、と思うでしょう。微妙なケースでは大人ですらだまされることがあるのですから、子どもには信じられる大人と信じられない大人の区別はつかないのです。対策としては、例えば「どんなに大変で緊急な事態であろうと、パパ、ママ、担任の先生以外の人が迎えにいくことはないから、ついて行かないで」といったように、具体的な人物を挙げて伝える のがいいですね。もしママ友さんにお迎えを頼むことがあるなら、「ほかの人にお迎えを頼む場合、必ずママかパパが事前に伝えるよ」といっておくといいでしょう。そして、約束したからには事前に伝えることを絶対に忘れてはいけません。●“反対方向に逃げる”! 車に連れ込まれないための対策法有無を言わさず強引に連れていかれるケースでは、車に乗せられてしまう事件が多いようです。セコム会社IS研究所の舟生岳夫氏は、車から声をかけられたケースに対して、以下のように行動すべきだと注意を促しています。**********・車から即座に離れる。大人が両手を広げたくらい距離をおく・どんなことを言われても、車には近づかない・乗らない・車から降りて近づいてきたら、防犯ブザーや大声で助けを呼ぶ・身に危険を感じたら、車の進行方向と逆に逃げる・すぐに大人に知らせ、助けを求める※もしも車から声をかけられたら?子どもの連れ去りをどう防ぐか | セコム より引用**********車はすぐに方向転換できない ので、反対方向に逃げるのは有効ですね。また、無理やりつれていかれそうになったら、できるだけ大きなものにしがみつくのもいいと言われています。駐停車している車があったら「危険かもしれない」と思うようにし、近づかないように指導しておくことも大切です。----------単に「気をつけなさい」「知らない人についていかないで」と言われても、子どもは具体的にどのようにすればいいのかわかりません。まずは私たち親が犯罪の手口を知り、より具体的に子どもに指導をする ことが大切です。わが子だけでなく、地域の子どもたちみんなを守るために、大人たちは不審者や不審な車、子どもたちの様子などに常にアンテナを張っておきたいですね。【参考リンク】・平成27年警察白書 | 警察庁()・子どもを対象とする略取誘拐事案の発生状況の概要 | 警察庁(PDF)()・もしも車から声をかけられたら?子どもの連れ去りをどう防ぐか | セコム()●ライター/yossy(フリーライター)
2016年05月01日