日本デザインコミッティーと経済産業省関東経済産業局が連携し、埼玉県秩父と栃木県足利の事業者が「銘仙」を服地として復活させるべく発足したプロジェクト「スタイル*メイセン(STYLE*MEISEN)」の展覧会が、松屋銀座7階デザインギャラリー1953にてスタートした。明治時代に生まれた銘仙は、糸にプリントした後に織る「ほぐし織」という高度な技法を使ってできる染織。大正から昭和初期にモダンな柄で一斉を風靡した着物であったが、戦後の日常着として需要がなくなった着物とともに産地が衰退し、現在は織元が数社残るのみとなっている。展覧会の開催初日にはトークショーが行われ、同プロジェクトのデザイナーとして起用されたまとふ(matohu)の堀畑裕之と関口真希子、秩父銘仙「逸見織物」の逸見恭子、足利銘仙を手がける足利市「ガチャマンラボ」の高橋仁里の4人が参加。銘仙と「スタイル*メイセン」の2つをテーマにトークを行った。高橋「足利では約20年くらい前に銘仙を作る事業者が絶えてしまいましたが、最近では洋装化を目指す取り組みが出てきています。服として使うような幅で織るために織機も変わってきているのです」逸見「秩父では、細々とではあるが途絶えることがなく続いてきました。織機なども昭和初期のものが残っています。また、現在残っているのは10社足らずだが、新しく起業し、取り組みをスタートしたところもあるります」堀畑「プロジェクトを進めるに当たって、銘仙という音を残しながら、新しいスタイルを作るという意味でブランド名を『STYLE*MEISEN』としました。英語表記にしたのは、日本だけでなく世界へ発信するためです」関口「ヨーロッパのラグジュアリーブランドの中にも銘仙に興味があるというところはあるし、イタリアでは銘仙の雰囲気をプリントで表現しているところもあるが、本当に銘仙の技術が残っているのは秩父と足利だけ。海外に出て行くことにも大きな意味があるのです」堀畑「高橋さんと食事をしたときに聞いた、銘仙をフランスに持って行った話が印象に残っています」高橋「国内がこういう状況なので、足利や桐生の事業者は海外に直接営業し始めています。プリントではなく、銘仙の本物の技術なら海外でも上手くいくのではないかと、各国を回ったが海外のメゾンからも『こんなにすごい技術があるなら、完成度を高めてどんどん持ってきてくれ』と言われました。また、その一環でもともと銘仙と同じものがあったリヨンにも行きました。そこでは、ほぐし織りの技術を機械化しようとしていましたが、実際ポリエステルではできてもシルクでははできないのです。そのため、ウズベキスタンやパキスタンから手織りの技術の高いものが入ってきているということでした」堀畑「リヨンで作られていたものはマリーアントワネットやポンパドール婦人なども愛し、ヨーロッパでも一世を風靡(ふうび)した生地。だから、銘仙も単に日本の伝統技術だから守らなければいけないという意識ではなく、世界の歴史の流れの中で位置づけ、取り上げるべきだと思います。世界中で愛されたのはかすれた生地に手のぬくもりを感じたから。プリントで再現したものとの違いはすぐに分かります」高橋「実際にできたものを見て、感慨深かったです」逸見「とても斬新で感動しました」関口「堀畑は秩父、私は足利と取り組みました。秩父は花や植物、足利は幾何が得意だったけど、無理なお願いもしたと思います」堀畑「典型的な柄から離れてオリジナルなものを作りました。まとふは着物の柄を服にすることをタブーとしていますが、今回も服地になることをイメージし、全く新しいもの、現代の人の心に響くものにしようと思って作りました」関口「普通の銘仙にはないような鮮やかな色もあります」堀畑「普通の銘仙を知っている人が見たら、『これが銘仙か』と思うぐらい、横糸などの設計も変えています。メイセンという名前ですが、全く新しいものが生まれたと思います。じっくり触ってみてほしいし、ここで着ることはできないが、鏡もあるので自分に当てて見てほしいです。また、2週間限定ですが、会場のすぐ裏にはポップアップショップもあるので着たいと思う人はオーダーすることもできます」高橋「今後もプロジェクトを継続し、関係事業者が増えて、地域が盛り上がればと期待しています」関口「もともと銘仙の手法には興味がありましたが、今回のプロジェクトで布としての可能性を探り、勉強することができました。更に発展させ、まとふでも新しい銘仙を提案したいし、それによって銘仙を知らない若い人たちが新しい素材として再発見してもらえればと思っています」堀畑「日本の伝統をそのまま続けるのは伝承。本当の伝統とは新しいものを生み出していくことだと思うし、そのためにもプロジェクトを続け、新しいメイセンを提案していきたいです」プロジェクトは始まったばかり。日本の素材が世界のトップブランドから評価される中で、今後の展開も注目を集めそうだ。なお、同展は2月21日まで、松屋銀座7階デザインギャラリー1953で開催されている。【展覧会情報】「STYLE*MEISEN展」会期:1月25日~2月21日会場:松屋銀座7階デザインギャラリー1953住所:東京都中央区銀座 3-6-1時間:10:00~20:00(2月16日は18:30まで、2月21日は20:30まで)
2017年01月28日渡辺謙が半ばあきれ顔で漏らす。「最初に犯人を決めずにこの小説の連載を始めたって?なんて恐ろしいことをやる人なんだろうって(笑)」。吉田修一は「いま、こうしてお話ししていて、なぜ李相日監督が、渡辺さんもあの役を…と考えたのか、わかってきた気がします」と顔を輝かせる。ペンと肉体。小説と映画。表現の方法や道具は異なれども、2人の男たちは確実に、ひとつの物語を共有し、共鳴した。作家・吉田修一が生み出し、俳優・渡辺謙が己の肉体を駆使して登場人物のひとりを表現した物語『怒り』。小説として誕生し、映画として産み落とされるまで――その“はじまり”と“終わり”に携わった2人が語り合う!――吉田さんが『怒り』の連載を開始されたのは2012年ですね。夫婦惨殺事件の現場に「怒り」という血文字が残されているという、センセーショナルな幕開け。犯人が顔を変えて逃亡を続ける中、東京、千葉、沖縄に、犯人と同じ特徴を有した3人の男が現れ、彼らの周囲の人間、彼らを愛する者たちが「実は自分の一番近くにいるこの男は殺人犯なのか?」という不信と愛情のはざまで葛藤します。そもそも、こうした作品を描こうと思ったのは…。吉田:テーマに関して、なかなかひと言では言い表せませんが…小説って「次はこれを書こう」って思って書けるもんじゃないんですよね。その時の自分が感じてること――その時、“書くべきもの”があるんですよね。それに従って書くしかなくて、その時は“怒り”という言葉を元にした物語を書くということだったんですね。なぜと言われると分からないんですが…。渡辺:啓示というと大げさかもしれないけど、何か降りてくるんですかね?吉田:何とも言い難いんですけど、そんな感じですね。本当に自分ではどうにもできない。その時に“喜び”で何か書こうとしても、全く筆は進まないんです。――いま、連載、刊行から少し時間を置いてみて、ふり返ってみて理由や背景について思い当たることや分かってきたことなどはありますか?吉田:いや、それもないんです。いろんな感想が届いて、こっちがなるほどと思ったりもするけど、本人は「だからこういうことだった」という結論には至らないんです。渡辺:思考というよりも、皮膚から入ってくるようなものだね(笑)?吉田:まさに!抗えないんですよ。ただ、イメージとしての“怒り”でいうと、小説を書いているときは、血文字の真っ赤な“怒り”だったんですよ。でも、完成した映画を見て、渡辺さんが演じた洋平やラストシーンを見ながら、自分の中の“怒り”の文字が少しずつ薄れてきたんですよね。ネガティブな感情としてあった怒りを、この映画はラストへ進む中で、消してくださるような作用があったんじゃないかと感じてます。――渡辺さんはどのようにこの映画『怒り』に携わることに?李相日監督とは『許されざる者』に続いてのタッグですね。渡辺:『許されざる者』が終わったときに、「また何か、形にしたい企画があれば、どんなものでも参加するから」とは伝えてたんですよ。それで「こういう企画を考えてます」って吉田さんの原作を渡されたんです。――では原作から入られたんですね?渡辺:そうです。ただ、どの役かといった説明は全くなくて。読んでいく中で「優馬(※映画では妻夫木聡が演じているゲイの青年)ではないよな…」とは思ったけど(笑)。ただね、読み進めていく中で、僕、ページがめくれなくなっちゃったの。何というか、悪い習性なんだけど、物語に鋭い角度で入り込み過ぎちゃって。そこで悩んじゃうとページが進まないの(苦笑)。その時点で「参加したい」って気持ちは固まってたけど、読みえた時は、正直「李のやつ、また厄介な本を…」って思ったよ(笑)。吉田:すみません(苦笑)。渡辺:東京、千葉、沖縄と3本の話があって、非常に根源的というか、人間としての根っこの部分をえぐられる物語だよね。きちんとこの3本のドラマをうねらせながら、2時間の中で深く掘り下げていくって至難の業だよなぁって。――吉田さんは、執筆されているときは映画になるとは…吉田:書いている最中は、そんなこと考える余裕はなかったですね。でも、書きあがったときに「李さんはこれをどう読むかな?」ってすごく興味がわいてきて、送ったんです。渡辺:馬の前にニンジンをぶら下げたようなもんですよ(笑)。吉田:いま考えると、渡辺さんが、物語の構成を変えて、犯人を追う刑事の役(※映画ではピエール瀧が演じている)を演じるってのも、ありだったかなってふと思ったんですよね。いまとは全く違う映画になるでしょうけど、あの刑事に焦点を当てた物語も面白いだろうなって。でも、李さんは、渡辺さんに洋平をやってもらうと。――洋平は、千葉の漁港組合で働く男で、妻を亡くして娘の愛子(宮崎あおい)と暮らしている男ですね。愛子に幸せになってほしいと願う父親ですが、決してキリッと強いタイプではなく…。吉田:どちらかというと、優柔不断で決められない、弱い男ですよね。渡辺さんが洋平…。『許されざる者』での李さんと渡辺さんの関係性があるからこそなんでしょうが、かなりチャレンジャーだなと(笑)。やっぱり、いまでも不思議なんですよ。いや、逆にお聞きしたい! なんで洋平役を受けてくださったんですか?渡辺:役の大小とかかっこよさではないんですよね。その役を生きて、心を震わせるかってところで、僕はこの物語を読んで、それを深く感じたんです。とはいえ、どこか洋平という男を掴みきれないまま、「これは監督と一緒に悩みながら作っていけばいいのかな?」と走り出したところもあります。――千葉編は洋平と愛子の親子、数か月前に街に現れて洋平の下で働くようになり、愛子と恋仲になる田代(松山ケンイチ)の3人を軸に展開しますね。田代は事件の真犯人なのか?というミステリ部分はもちろん重要ですが、それと同じくらい、洋平の愛子に対する自信の持てなさ――自分の娘は決して幸せになれないんじゃないか?と考えてしまう弱さの部分がドラマとして際立っています。渡辺:それが顕著なのは、事件の真相そのものよりも、愛子が洋平のところに来て泣くところですよね。あそこはつらかったなぁ(苦笑)。田代を疑っている自分がいて、愛子も同じ思いを持っていて、それに苦しんでる彼女を目の前にして…本当に悲しかったです。人間て不思議なもので、結果や真相以上に、その過程で疑いを抱いてしまっている自分に苦しむし、それが弱さなんですよね。――池脇千鶴さん演じる、近所に住む姪(愛子の従姉)が、洋平に「おじさん、本当は『愛子が幸せになれるはずがない』って思ってるんじゃないの?」とグサリと言い放つシーンも強烈です。吉田:素晴らしかったですね、あのシーン。渡辺:刺さりますよ、本当に(苦笑)。自分でも知らず知らずに確信を積み重ねていて、ボタンを掛け違えている。そのずれ、核心をズバッと突かれてしまう――もうね、愕然とするくらい、堪えました(笑)。――先ほど、演じる前は洋平を「掴みきれていなかった」とおっしゃってましたが…渡辺:わかんなかったですよ。僕とは正反対ともいえるタイプ。なぜ決められない?なぜその道を選んでしまう? その中にある苦しみ、弱さに何とか寄り添おうとしてました。そんな時に、吉田さんが千葉に撮影の見学にいらっしゃったんですよ。吉田:見学させていただきました。渡辺:その時に、「洋平には、千葉編の愛子と田代の物語だけでなく、東京編の優馬と直人(綾野剛)の物語、沖縄編の泉(広瀬すず)と辰哉(佐久本宝)、田中(森山未來)の物語、その全てを最後の最後で受け止めてほしいんです」とおっしゃっていただいて。その時ね、いろんなことがはっきりしたし、的が見えてきたんです。これは僕だけの物語じゃないんだ。3つの純愛、血だらけの3つの物語を受け止めなくちゃいけないんだと。吉田:先ほども言いましたが、最初、この洋平という男を優柔不断な弱い男として僕自身もまた捉えて「なぜこの役を渡辺謙が?」と考えていたんですよ。でも違う。「最後に全てを受け止める男」として考えたら、それはやっぱり渡辺さんなんですよね。いまこうして話していて、李さんは最初からそこを見ていたんだ!と感動を覚えています。――吉田さんは、前回、『悪人』でも李監督と組んでますが、小説『悪人』に関して現時点でのご自身の「最高傑作」とおっしゃってました。いま、『怒り』は吉田さんの中でどのような作品に?吉田:最高傑作になったかどうかはともかく、書くときは「『悪人』を超えなきゃ」という意識でしたし、この映画に関しても李さんをはじめ、みなさんが強い思いで参加してくださっているのを感じていました。自分の中では『悪人』を超える作品になったんじゃないかと思っています。渡辺:結局、クリエイトし続けるってことは、上書きしていくということだからね。もちろん評価は読者や観客がすればいいけど、作る側は、作家であれ俳優であれ、常に「これが自分のベスト」という思いで作り続けていかないといけない。――渡辺さんにとっては、吉田さんの作品に出演されるのは初めてでしたが、いま、改めて作家・吉田修一の凄みをどんなところに感じてますか?渡辺:いや、無からこれだけの作品を産み落とす、その苦しみは計り知れないですよ。まして、犯人を決めずに連載を始めたって(笑)。それは、冒険であり、物語と一緒に旅をするわけですよね。普通は、プロットを書いて、箱を決めて、そこにあった物語を書き始めるでしょ? それがいきなり終わりの見えない旅を始めちゃったわけで、「おいおい!」って思いつつ、その勇気には敬服しますよ。(photo / text:Naoki Kurozu)
2016年09月17日常陽銀行と足利ホールディングスは2日、同日開催したそれぞれの取締役会において、経営統合の実現を目指すことについて基本合意することを決議し、同日、両社の間で基本合意書を締結したと発表した。両社によると、経営統合検討の経緯と目的は次のようなものとなる。○経営統合検討の経緯と目的常陽銀行と足利ホールディングスの子会社である足利銀行は、茨城県、栃木県を中心とする北関東地域において、それぞれが、確固たる営業地盤を有する地域のリーディングバンクとして円滑な金融機能を提供している。両行の主要営業地盤である北関東地域は、首都圏に近接する地理的条件に加え、北関東自動車道や首都圏中央連絡自動車道、新幹線やつくばエクスプレス、茨城港や茨城空港などの交通インフラの整備を背景に、全国でも有数の企業立地地域として高いポテンシャルを有している。一方、地域金融機関を取り巻く経営環境は、総人口減少、少子高齢化の進行といった社会構造変化による地方経済の縮小が懸念される中、資金余剰を背景とした金融機関同士の熾烈な競争も続いている。また、経済のグローバル化やIT分野をはじめとする技術革新は、産業・社会構造に大きな変化を与えており、異業種からの進出が活発化し新たな金融競争環境を生み出すと同時に、金融サービスの広がりによる成長機会の創出にもつながっている。このような経営環境の構造変化を見据えつつ、地域金融機関として地域の創生にこれまで以上に貢献し、顧客、地域とともに成長し続けていくには、両社が共通の理念のもと、能動的に協創力を発揮し、豊かさの創造を実現していくことが有効かつ有益と認識するにいたった。こうした共通認識のもと、地域に根付いた双方のブランドネームをもとに協働し、統合による営業基盤の拡大と経営基盤の充実を図りつつ、経営資源やノウハウを相互活用して相乗効果を発揮していくことにより、単独ではなしえないスピードと高い質で、顧客、地域、株主の期待に応えることを企図し、経営統合の実現を目指すことを基本合意するにいたった。○経営統合の目的・理念・相乗効果経営統合の目的・理念・相乗効果について、新金融グループは、両行が長年にわたり築いてきた顧客とのリレーション、地域への深い理解を維持・深化させながら、経営統合により形成される広域ネットワークなどを活かし、総合金融サービスの進化と業務効率化を実現していくとしている。これにより、地域のリーディングバンク同士の融合でしかなしえない、より利便性が高く、質の高い総合金融サービスを提供していく。また、地域振興・創生のけん引役としての持続的成長と株主・市場の期待に応える企業価値の向上を図るとともに、役職員の活躍機会の拡大と職務への誇り・喜びを高めるなど、各ステークホルダーから高い評価が得られるグループを目指す。さらに、こうした目指す姿を共有できる他の地域金融機関にも開かれた金融グループとしていくとしている。○統合の形態経営統合は持株会社方式によるものとし、早期の経営統合を図る観点から、すでに持株会社体制となっている足利ホールディングスを新しい金融グループの持株会社として活用する予定。具体的には、両社の株主総会において経営統合に必要な事項の承認が得られること、経営統合を行うにあたり必要となる関係当局の許可などが得られることを前提として、2016年10月1日をめどに足利ホールディングスの商号を変更したうえで、常陽銀行が統合持株会社と株式交換を行い、経営統合を行う予定となっている。なお、経営統合の形態については、今後両社で継続的な協議・検討の上、変更する可能性があるとしている。○経営統合後の統合持株会社の概要今回の経営により、北関東を中心に331拠点を広域展開する、預金量約13兆円、貸出金約10兆円、有価証券残高約4兆円規模の国内地方銀行トップクラスの新グループが誕生する。
2015年11月02日『キツツキと雨』『横道世之介』で高評価を集めた沖田修一監督が新作『滝を見にいく』を完成させた。本作はオーディションで選ばれたプロ・アマ混合の出演者たちが主演で、山の中で迷子になった7人のおばちゃんのサバイバル劇だ。その他の写真本作はそもそも、プロデューサーから「出演者でワークショップをして映画を撮りませんか?」という提案が沖田監督に持ちかけられたところから始まった。しかし、「ワークショップというと若い人のものというイメージなんですけど、40歳の人でも50歳の人でも“新人俳優”というジャンルに入るんだろうな、と思った」という監督は、演技経験を問わずに年配の女性ばかりをキャストに選ぶことにした。「最初はもう少し楽をする予定だったんですけど、キャストの方とワークショップというか稽古をしていくうちに今までの映画と変わらないことに気づきまして、最初は『よーい、スタート』の声をかけないで撮影してみるとか、色々としてたんですけど、結局はこれまでの映画とほとんど変わらない感じで撮影してましたね。みなさん、妙に上手かったんですよね(笑)」。物語は、幻の大滝を見にいくツアーに参加した7人のおばちゃんがガイドとはぐれ、山で迷子になるところから始まる。沖田監督はキャストの個性や特徴を活かしながら脚本づくりをしたそうで「そういう風に俳優にとって有利になるような脚本づくりをしたことも、芝居をしていく上では良かったんじゃないかと思います」と振り返る。「最初からラストは決めていたので、タイトルも『滝を見にいく』にしました。実際に出てくる滝は……自分では面白いと思ってます(笑)。最初はロケハンでもうちょっと荘厳な滝もたくさん見たりしたんですけど、どうしても観光地っぽい感じがしてしまうので、おばちゃんたちが見る滝はこれだろうな、と」。おばちゃんたちが山でのサバイバルを経て、ラストで一体、どんな滝を見ることになるのかも注目だ。商業映画デビュー作『南極料理人』から演技派俳優たちとタッグを組んで、大規模な映画作りを続けてきた沖田監督は「この映画はこれまでとは違った楽しさがあった映画」だという。「オーディションの段階からみんなと色々と話し合いしながらできましたし、自分では映画の規模の大小はわからなくなってきてるんですけど、僕の映画が好きな人って映画の中の“ささいなところ”が好きだという人が多かったりするんですけど、そういうものがつまった映画なので、これまでの映画が好きだった人には楽しんでもらえると思います」。『滝を見にいく』公開中
2014年11月28日栃木県足利市家富町の鑁阿寺(ばんなじ)で「節分鎧年越」が開催される。開催日時は2013年2月3日(日)17:00~18:30ごろまで。行事は、鎧・冑に身を固めた武者たちが、ホラ貝や陣太鼓を鳴らしながら、歴史絵巻さながらに大通りを練り歩き、足利氏の氏寺である鑁阿寺で追儺式(ついなしき・豆まきのこと)や凱旋(がいせん)の陣などを行うもの。行事の由来は、鎌倉時代中期、足利尊氏をさかのぼること5代前の「足利泰氏」が、坂東武者500騎を鑁阿寺南大門へ勢ぞろいさせたという故事に始まるという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月21日『悪人』『パレード』など数々のベストセラーで知られる吉田修一の同名小説を映画化した『横道世之介』(よこみちよのすけ)が27日、第25回東京国際映画祭の特別招待作品としてワールドプレミア上映され、主演を務める高良健吾とメガホンを執る沖田修一監督がTOHOシネマズ六本木ヒルズでの舞台あいさつに登壇した。その他の写真1980年代を舞台に、高良演じる上京したての大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く個性的な面々の人生を描く本作。高良と沖田監督のタッグは、テレビドラマに始まり、映画『南極料理人』、『キツツキと雨』に続いて4度目となり「僕にとってはイキイキしていられるのが、沖田監督の現場」(高良)、「いつか主演を…、と思っていた。今回は思う存分にやってもらった」(沖田監督)と今やそのコンビネーションは鉄板だ。主人公“世之介”は、人懐っこい笑顔を振りまくどこにでもいそうなお人好しという設定。これまでは対照的にクールな印象も強かった高良だが「役者として“狙ったり”、欲を出してしまうのは良くないなと思った。あくまで普通にこだわった」と役作りをについて語った。一方の沖田監督も「とても軽やかな原作で、登場人物たちが動いているのを見てみたいなと思った」とこちらも自然体で撮影に臨んだ。世之介のガールフレンドで社長令嬢の祥子を演じるのは、人気女優の吉高由里子。高良にとっては『蛇とピアス』以来約5年ぶりの再共演で「以前に比べると、二人ともよくしゃべりましたね。当時はお互い、とても暗かったので…(笑)。吉高さんとの共演は、予期せぬことが起こるから楽しいです」と手応え十分。沖田監督は「現場での爆発力がすごい」と吉高との初仕事に圧倒されていた。映画には高良、吉高に加えて、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛ら若手実力派から、きたろう、余貴美子らベテラン勢まで幅広くキャスティングされている。沖田監督は「前作、前々作がおじさん、おばさん(笑)だらけだったので、若い面々と一緒に撮影できたことは僕にとっても面白かった」と振り返った。『横道世之介』2013年2月23日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2012年10月29日足利銀行は19日、「リテールセンター駒生(駒生出張所)」(栃木県宇都宮市)を移転のうえ名称を「宇都宮西支店」に変更し、2013年2月4日に営業を開始すると発表した。宇都宮西支店は55台分の駐車場を備え、太陽光発電設備やLED照明の設置、バリアフリーなど、人と環境に配慮した地上4階建新築ビルの1階部分で営業する。店内では、ゆったりとしたロビースペース、資産運用などの相談コーナー「スマイルデスク」、車椅子の人でも利用できるATM、休日も利用可能な全自動貸金庫などの設備を整えている。あわせてビルの2階部分には、現在、戸祭支店の2階にある「戸祭ローンセンター」を移転し、「宇都宮西ローンセンター」として営業を開始する。同行では、これからも顧客の視点に立ち、サービスの向上につとめていくとしている。所在地〒320-0857 宇都宮市鶴田1丁目7番5号主要設備ATMは5台。視覚障がい者対応、うち1台は車椅子対応全自動貸金庫は364個相談コーナーは5カ所セミナールームは70人程度収容可【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月23日足利銀行は16日、インターネットバンキングのスマートフォン専用画面でのサービスを開始した。同行では、これまでスマートフォンからの利用にはパソコン向けのインターネットバンキングの画面が表示されていたが、同サービスの開始により、残高照会や入出金明細照会、振込み・振替え(これ以外のメニューについては、パソコンサイトへ遷移する)がスマートフォン専用画面から行える。スマートフォン専用画面を利用する際には、ワンタイムパスワード(可変式の使い捨てパスワード)の利用が必須となる。これにより、なりすましや不正アクセスが防止され、セキュリティが向上するという。スマートフォンから、同行ホームページのインターネットバンキングログイン画面にアクセスすると、自動的にスマートフォン専用画面に遷移する仕組み。初めて利用する際にはワンタイムパスワードアプリをダウンロードする必要があるが、2回目以降は、ダウンロードしたワンタイムパスワードアプリから利用することにより、ワンタイムパスワードの都度入力を省略することができる。同行は、「スマートフォン向けの画面により、操作性が格段に向上し、顧客の利便性が大きく高まる」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月16日ジェーシービーは、足利銀行とクレジットカード業務のフランチャイズ契約を銀行本体発行形態で締結するとともに、同銀行が顧客向けに展開するJCBブランド付クレジットカード「GOODYカードJCB」(グッディカード ジェーシービー)の募集を4月16日より開始すると発表した。「GOODYカードJCB」は、「地域一番カード」を基本コンセプトに両社が共同開発したもので、栃木県の大手百貨店の福田屋百貨店と栃木県大手のスーパーマーケットのたいらやの参画により、本カードを福田屋百貨店で利用するといつでもポイントが3倍、たいらやで利用するといつでもポイントが2倍たまる。また、福田屋百貨店には「GOODYカードJCB」によるショッピングで貯まる「OkiDokiポイント」を、福田屋百貨店で利用できる商品券に即時交換可能ができる端末、OkiDokiポイントディスペンサーを設置する。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月12日人気小説家・吉田修一著による青春感動巨編を、主演に高良健吾、ヒロインに吉高由里子を迎えて『南極料理人』、『キツツキと雨』の沖田修一監督がメガホンを取り実写映画化する『横道世之介』。このほど新たに、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛ら若手実力派俳優3人の本作への出演が明らかとなった。『悪人』や『パレード』の原作者としても知られる吉田修一の同名人気小説を原作にもつ本作。1980年代を舞台に、上京したての大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く人々の生活を優しいタッチで描く。今回出演が決定したのは、いまがまさに“旬”の3人。世之介の大学の友達・倉持一平を、『ラスト サムライ』でハリウッド・デビューも果たした池松壮亮、世之介が憧れる年上女性・片春千春を、『ソラニン』や『GANTZ』など話題作への出演が相次ぐ伊藤歩が演じる。そして女性に興味がない世之介の同級生・加藤雄介を、現在放送中のNHK連続ドラマ小説「カーネーション」での活躍で脚光を浴びている綾野剛が演じる。徐々に明らかにされていく映画『横道世之介』の世界。心温まる人間模様を独特のユーモアと世界観で描くことに定評のある沖田監督の指揮のもと、若手実力派俳優たちがどのような化学反応を起こしてくれるのか、公開を楽しみに待ちたい。『横道世之介』は2013年、全国にて公開。■関連作品:横道世之介 2013年、全国にて公開■関連記事:『蛇にピアス』コンビ復活!高良健吾&吉高由里子で吉田修一の青春小説を映画化
2012年03月15日足利銀行のシンクタンクである「あしぎん総合研究所」は8日、「東日本大震災発生1年後の状況調査」の結果を発表した。同調査は、1月中旬~2月中旬の期間に、「あしぎん景況調査」の調査対象先である企業1,924社を対象に行われ、1,108社から有効回答を得た。現在の生産・売上の水準を尋ねたところ、震災発生前と比べて「マイナス」と回答した企業は38.2%(「大幅マイナス」8.5%、「ややマイナス」29.7%)。一方、「同程度」は39.4%、「プラス」が22.4%(「大幅プラス」3.8%、「ややプラス」18.6%)となり、震災前の水準に戻ったあるいはプラスになった企業は約6割だった。2011年4月の「東日本大震災の影響調査」では、約8割の企業がマイナスの影響を受けていたが、今回の調査結果から半数以上の企業が震災ショックを乗り越えたことが推察される。生産・売上の水準が震災前に戻っていない理由をみてみると、製造業では「円高」(40.2%)「海外経済減速による輸出の減少」(28.4%)、「原材料・資源などの高騰」(27.8%)など、震災以外の外部要因の影響が強いことが判明。また、「放射能被害・風評被害」(19.5%)、「部品不足・商品不足」(11.8%)、「工場・店舗・設備等の被害・閉鎖」(10.1%)などの震災の影響も根強く残っている。非製造業では「消費者の嗜好の変化(需要減退)」(51.8%)、「放射能被害・風評被害」(34.4%)の回答が多く、このうち「放射能被害・風評被害」については、製造業では「飲・食料品」や「窯業・土石」、非製造業では「卸売」や「サービス」などが影響を強く受けていることが分かった。震災や風評などによる企業の被害額(実損額)合計は809億8,200万円で、平均被害額は1社あたり1億140万円に上った。なお、被害総額および1社あたりの平均被害額は、前回調査より拡大したという。復興需要については、概ね今後のプラス影響を見込んでいるが、業種によりかなりばらつきがあることが判明。「窯業・土石」「金属製品」「木材・木製品」「鉄鋼・非鉄」など素材関連ではプラス影響への期待が高くなっているが、非製造業は多くが慎重姿勢で、建設業では「復興財源が東北にシフトされ、工事量減少」「資材不足、職人不足」など今後を懸念する声もみられた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月09日足利銀行は20日、個人向けインターネットバンキング(以下、個人IB)での外貨預金の取扱いを開始する。これにより、営業時間中に来店することができない顧客も、外貨預金取引が可能となる。原則、満20歳以上の個人顧客が対象。取扱科目は、外貨普通預金と外貨定期預金の2つで、取扱通貨は、米ドル、豪ドル、ニュージーランドドル、ユーロの4通貨となる。主な取引として、外貨普通預金では預入、払戻、残高照会、入出金明細照会、依頼内容紹介、取引、外貨定期預金では預入、解約予約、明細照会、依頼内容照会、取消ができる。取扱時間は24時間(メンテナンス時間を除く)で、銀行営業日0:00~14:30までを当日扱いとし、そのほかの時間帯は翌営業日予約扱いとなる。取引金額は、外貨普通預金が1取引100通貨単位以上、10万通貨単位未満、外貨定期預金が同1,000通貨単位以上、10万通貨単位未満。取引単位は、1通貨単位(補助通貨がある場合には1補助通貨単位)となり、1日の取引限度額は、両預金合算で10万通貨単位以下(各通貨ごと)。金利は、取引実行日の当日金利(店頭と同一)を適用する。なお、利用の際はあらかじめ外貨預金口座の開設と個人IBのサービス口座への登録が必要。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年02月17日人気小説家・吉田修一著による青春感動巨編「横道世之介」(毎日新聞社刊)を『南極料理人』、『キツツキと雨』など心温まる人間模様を独特のユーモアと世界観で描いてきた沖田修一監督によって実写映画化されることが決定!主演に高良健吾、ヒロインに吉高由里子が抜擢されたことが明らかとなった。一昨年、国内の映画賞を総なめにした『悪人』や『パレード』などの原作者としても知られるベストセラー作家・吉田修一著で、2010年本屋大賞3位入賞、第23回柴田錬三郎賞を受賞した人気小説を原作にした本作。長崎の港町生まれで大学進学のために上京したばかりの主人公・横道世之介とガールフレンドの与謝野祥子を始め、まわりの人々の青春時代と彼らのその後が描かれる。嫌味のない図々しさが人を呼び、それでいてお人好しの主人公・世之介を演じるのは、『軽蔑』、NHK連続テレビ小説「おひさま」など活躍が目覚しい高良健吾。沖田監督とは『南極料理人』、『キツツキと雨』に続き、3度目のタッグを果たす。そのお相手、ヒロイン・祥子を演じるのは、今年の公開作だけでも『ロボジー』、『ヒミズ』、『僕等がいた』と飛ぶ鳥を落とす勢いの人気女優、吉高由里子。日本映画・ドラマ界で活躍する若手俳優の中でも頭一つ抜け出た2人だが、『蛇にピアス』で共演済みとあって、まさに磐石の布陣?手渡された今回の脚本を読んで「とにかく面白い!」と絶賛する高良さんは、「沖田監督はいつも一緒に悩んでくれる監督なので、今回も一つ一つ悩みながら、楽しみたいです。緊張もしていますが、沖田監督となら『なんとかなる』と思えます」と沖田監督へ全幅の信頼を寄せる。再共演の吉高さんについても「久しぶりに会う友達みたいに再会できたら嬉しいです。吉高さん自身がコメディ映画のように面白い方ですし、しっかりしているので、現場を引っ張ってくれると思います。監督が受け止めてくれて、吉高さんが引っ張ってくれる。だから安心して、僕は前向きな他力本願で頑張ります」と力強い(?)コメント。その吉高さんも「高良さんと共演させていただくのは約5年ぶりで、19歳の頃、ご一緒しました。今回、すごく楽しみでもあり、あの頃から自分が成長してなかったらどうしようと思う不安もあります。高良さんと共演という形で再会するのをとても嬉しく思います。信頼し合えるような関係性を作っていい作品を残したいです」と再会に胸弾ませる。本作のテーマについて、沖田監督は「原作の特徴として、80年代と現代の話が出てきますが、世之介というキャラクターを通していろんな人が過去を思い出したりしています。僕はいま34歳ですが、自分が送ってきた大学生活と彼らの生活はそんなに変わらないと感じています。友達ができて、恋をして、また疎遠になったりして…ということが、どの時代も変わらないんじゃないかな、と思います。そういう“変わらない青春”みたいなものをこの作品で出せたらいいなと思っています」とコメント。これまで映画化されてきた吉田修一作品の持つサスペンスものとはまた一味違う、温かみのある優しい作品が生まれそうだ。撮影は3月下旬にスタートし、長崎でのロケを経て、5月上旬にクランクアップ予定。『横道世之介』は2013年、全国にて公開。■関連作品:キツツキと雨 2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011「キツツキと雨」製作委員会僕等がいた・前篇 2012年3月17日より全国東宝系にて公開© 2012「僕等がいた」製作委員会 &© 2002小畑友紀/小学館横道世之介 2013年、全国にて公開■関連記事:役所広司×小栗旬インタビューふたりだから語れる、「映画を撮り続ける」ワケ高良健吾×沖田修一監督インタビューコメディから解き明かす24歳の魅力と素顔生田斗真、初共演した吉高由里子の第一印象は「賢い人」役所広司×小栗旬『キツツキと雨』独占試写会に35組70名様をご招待ミスチル桜井「真っ直ぐな気持ちで取り組んだ」『僕等がいた』主題歌リリース決定
2012年02月09日通貨選択型個人年金保険「MONTAGNE」三井住友海上メットライフ生命保険は、通貨選択型個人年金保険「MONTAGNE(モンターニュ)」の販売を、足利銀行を通じて、2011年2月1日より開始します。「モンターニュ」は、契約通貨の予定利率で一時払保険料を複利運用する通貨選択型個人年金保険で、契約時に4つの契約通貨、4つの積立期間から選択できます。ただし、円建て契約は積立期間10年のみです。積立期間経過後は、年金原資を年金形式または一括受取で受取れる他、「延長セレクトプラン」や「据置プラン」により運用を継続し、年金支払開始日を先に延ばすことも可能です。「モンターニュ」の主な特徴(1)えらぶ■ 米ドル、豪ドル、ユーロと円。4つの通貨より、契約通貨を選べます。契約通貨が外国通貨の場合、日本円で入金することができます。(円入金特約)■ 3年、5年、7年、10年の4つの積立期間から選べます。※円建て契約は積立期間10 年のみです。(2)ふやす■ 固定金利で「ふやせます」積立期間中の利率は固定されていますので、 積立期間満了時には契約通貨での年金原資が確定します。■ 複利効果で「ふやせます」積立期間中はご契約された時の予定利率で、複利運用されます。(3)うけとる・つづける■ 2つの方法でうけとれます4種類の年金受取方法、または一括受取■ 2つの方法でつづけられます延長セレクトプラン、または据置プラン
2011年01月30日芥川賞作家・吉田修一の作品の中でも、ファンの間で特に高い人気を誇る「パレード」(幻冬舎文庫刊)が豪華キャストを揃えて映画化される。このたび、本作の画像が初めて公開され、物語の鍵を握る男娼・サトルを演じる林遣都の金髪姿も初めて明らかになった。原作小説は2002年に発表され、第15回山本周五郎賞を受賞。同じ年に発表された「パーク・ライフ」が第127回芥川賞を受賞し、物語性を重視した作品に贈られる山本周五郎賞と純文学に対して贈られる芥川賞のW受賞ということで大いに話題となった。物語は、上辺だけの付き合いを「ちょうどよい」と感じる現代の若者たちが、都内のマンションでルームシェアをする姿を描いた群像劇。決して重くない空気感の裏に隠された人間心理の恐ろしさが映し出される。映画会社に勤務する直輝に藤原竜也、イラストレーターの未来役を香里奈、フリーターの美女・琴美を貫地谷しほり、そして大学生の良介に小出恵介と人気の若手俳優陣が顔を揃えている。“本当の自分”を装った、この4人の優しくも怠惰な共同生活に新たに加わるのが、林遣都が演じる金髪の男娼・サトル。時を同じくして彼らの住む街では連続暴行事件が発生し、彼らの日常に少しずつ波紋が広がり始める…。いずれのキャストも話題を集めそうだが、特にデビュー作『バッテリー』以来、『DIVE!!ダイブ!!』、『風が強く吹いている』など爽やかなスポーツ映画への出演が続いていた林さんが、男娼という難役に挑戦しているのは注目!監督を務めるのは、『GO』や『クローズド・ノート』、『世界の中心で、愛をさけぶ』など原作ものの映画化に定評のある行定勲。以前より吉田さんとは親交が深く、吉田さん自身「多くの映像化の企画があった中で、最終的に最高のスタッフとキャストで動き出した映画『パレード』に力強さを感じています」と期待のコメントを寄せている。果たして彼らにとって、この2LDKはどのような場所なのか――?『パレード』は2010年春、渋やシネクイント、新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:パレード 2010年春、渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 映画『パレード』製作委員会
2009年08月08日