気になるあの人の名前の裏側に隠された秘密は?開運アドバイザーの安斎勝洋先生が、話題のあの人の姓名を鑑定します。話題作続きの実力派俳優・堺雅人さん映画やドラマに欠かせない彼のお名前に秘められた才能とは?主演ドラマが社会現象になるほどのヒットを飛ばし、プライベートでは今春に結婚と、公私ともに順風満帆の堺雅人さん。昨日スタートしたドラマ『リーガルハイ』を心待ちにしていた人も多いことでしょう。お茶目な役から凄みのある役まで自由自在に表現する演技力。穏やかで知的なイメージ。癒しを感じさせるやわらかなキャラクターでありながら、どこかミステリアスな雰囲気…。「喜怒哀楽を全て笑顔で表現する」と言われるほど笑顔に定評のある彼は、本来はどんな人物なのでしょうか。お名前に隠された才能や素顔を探っていきます。堺雅人(人24地14外14総26)1973年10月14日生まれ~節目・転機について~40歳は種まきの時期。さらなる飛躍に向けて地道に足固めをしましょう。「人運」「地運」「外運」と「4」の画数を3つお持ちでその特徴が表れています。「地運」や「外運」が「14」の人は愛情に対して敏感で、さびしがりやな傾向があります。「人運の24」を持っているので創意工夫ができ、どんな仕事でもこなせます。世渡り上手で、周囲との和を保つのも得意。「地運の14」は、甘えん坊な部分や憎めないかわいらしさも感じさせるでしょう。恋愛面で見ると、「外運の14」は相手に求める理想の高さを示します。重い恋愛体質で、特に若い頃は相手を追いかけ、スキンシップを望んだり、いつも自分を見ていてほしいと思うタイプだったようです。「総運の26」は博学で多才な人物であることを表しています。その才能を上手に活かせるかどうかで、運勢の波が大きく変わります。---------------懐が広く、誰に対しても寛容な方です。頼まれたら嫌とは言えないお人好し。周囲の人の意見を聞き入れ、実践することができる素直さもあります。周囲との和を保つのがお上手ですね。他人とは違った着眼点があるので、それを活かすことで、今以上の評価を得られるようになります。ハッキリとした計画性を持つと結果を出せるので、そこを意識していただければと思います。一見おとなしそうに見えますが、心の中には燃えるような野心がありますね。また、実は激しい感情の持ち主でもあります。でも、それを抑えることで物事を円滑に進められるでしょう。押しの強さがありながら強引さを感じさせない部分や、憎めないかわいらしさは、彼の魅力であり、大きな武器でもあります。このお名前の画数の場合、「人運の24」があることで他の画数の短所を打消し、良い方向へと転化させています。バランスの取れた良いお名前ですね。アドバイスたとえ失敗したり、挫折を感じるようなことがあったとしても「まぁ、なんとかなるさ!」という気持ちを忘れなければ立ち直れるでしょう。欲望を抑え、これまで以上に謙虚な姿勢を心がけることで、物事がより良い方向に進んでいくはずです。栗原類さん、綾野剛さん、安藤美姫さんの姓名鑑定や、自分の名前もチェック!姓名は総運・天運・人運・地運、外運の5つで構成されています。・総運…すべての画数の合計⇒一生を司る総合的な運勢・天運…苗字だけの画数の合計⇒先祖代々から受け継がれてきた、一族が共有する宿命・人運…苗字の最後と名前の頭文字の画数の合計⇒思春期(13歳頃)から、さまざまな影響を受けて形成される性格・地運…名前だけの画数の合計⇒生まれてからの後天的な基本運勢・外運…苗字の頭文字と名前の最後の1文字、または2文字の合計⇒周りから受ける影響。自分を中心とした周囲の吉凶ただし、姓名判断では、天運を除く四運で運勢を判断します。天運は天から授かった先祖代々の宿命を表すものであるため、その人自身の判断には用いません。監修者紹介開運アドバイザー安斎勝洋(あんざいかつひろ)昭和20年東京生まれ古くから伝わる「姓名学」「風水学」「九星占術」等を学び、開運アドバイザーとしての仕事をスタート。 30年以上に及ぶ数々の個人鑑定などで、多くの人間と接することにより、姓名・生年月日・住環境と、その人間の運勢との関係を独自の統計データとしてファイル。時代に沿ったかたちで数のもっているより細やかで深い意味を分析した“安斎流 姓名判断”と中国風水をもとに、日本の風土や生活様式に合ったかたちで日常生活に活用できる“安斎流 風水”を確立。メディアではTBS系「悪魔のささやき」フジテレビ系「笑っていいとも!」のレギュラーを経て、ワイドショーやバラエティ番組内での出演、番組名の鑑定、雑誌「an・an」の人気占い特集など、テレビ・雑誌・新聞・ラジオと多方面で活躍中。インターネットサイト「安斎流 姓名判断」や手軽に活用できる携帯サイト「安斎流 開運鑑定」を監修。モバイルサイト「安斎流 開運鑑定」「笑っていいとも!」をはじめTV出演多数!芸能人の鑑定や著書も多く『開運アドバイザー』として有名な安斎勝洋(あんざいかつひろ)先生の本格姓名鑑定サイトです。名前で分かる恋愛、結婚、仕事のこと、安斎流でアドバイスいたします。子育てに役立つ子どもの姓名鑑定、お部屋の開運度チェックなど新コーナーも続々公開中!
2013年10月10日俳優の堺雅人が3日、都内で行われたフジテレビ系主演ドラマ『リーガルハイ』の完成披露試写会に新垣結衣、岡田将生らと出席した。同作は、2012年4月期に放送され、放送批評懇談会が選定する第50回ギャラクシー賞をはじめ、数多くのテレビ賞を受賞した人気リーガル・コメディ待望の続編。偏屈で毒舌だが敏腕弁護士の古美門研介(堺)と、社会正義の使命に燃える生真面目弁護士・黛(新垣)のコンビが、ゆとり世代の弁護士・羽生(岡田)と熾烈な法廷バトルを繰り広げていく。記録的視聴率を記録したTBS系連続ドラマ『半沢直樹』出演後初の連ドラ主演となった堺は「銀行員時代に培ったすべてを、これですべて台無しにしたいと思います」と自虐的に宣言しながら「続編なのでマンネリにならないよう、楽をしないように頑張ろうと思ったけれど、脚本が面白くて、新たな人間関係も増えて、新作ドラマと言ってもいいくらい」と絶賛。そのため堺は「僕らくらいはマンネリでもいいのでは? と新垣さんと相談しました。だから全力とか創意工夫からは遠いところで、現状維持でやっています。僕は省エネでいかせてもらっています」とニンマリ。だが新垣は「省エネとおっしゃっていますが、かなり凄いです。笑いのレベルも高くなって大変です」と前作以上の完成度を匂わせた。丁々発止のやり取りが見どころのドラマだけに、堺は「必要以上に頑張らない。役柄以外では喋らないようにして、笑顔も見せない。脈拍も90位をキープしています。だって疲れるから」と舞台裏を明かした。最近は“視聴率男”との異名をとるだけに「別のドラマを撮影中の監督から、ありがたそうに体を触られました。だからツキは残ってないのでは? 残りカスで頑張りたいですね」と頭をポリポリ。それでも本作から参加した岡田からは「堺さんの勢いに乗っかって、『やられたらやり返す』を言ってみたい」と羨望の眼差しで見つめられていた。フジテレビ系連続ドラマ『リーガルハイ』は10月9日(水)夜10時よりスタート ・公式サイト
2013年10月05日俳優の堺雅人と女優の菅野美穂が来月にも結婚するのではと、各メディアが報じている。2人の出会いは映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』。本作で堺さんは主人公である大奥総取締・右衛門佐(えもんのすけ)、菅野さんは愛を求め続ける5代将軍・綱吉を演じた。本人たちからの公式なコメントはいまだ発表されていないが、両事務所はこの報道を肯定している。昨年の10月に行われた『大奥』舞台挨拶の際には、堺さんは菅野さんのことを「危険な甘い香りがする。本当にお綺麗な方」と惚れ惚れといった様子で賞賛しており、また、菅野さんも「ニコニコと穏やかな草食系の方だと思ってましたが、マイペースな“植物系”男子でした」と堺さんを分析していた。(text:cinemacafe.net)
2013年03月22日実話をもとにした感動作『ひまわりと子犬の7日間』が16日に全国で封切られ、東京・新宿ピカデリーで主演の堺雅人、共演する中谷美紀、若林正恭(オードリー)、吉行和子、子役の近藤里沙と藤本哉汰、メガホンを執った平松恵美子監督が初日舞台あいさつを行った。その他の写真動物管理所に保護された犬の親子と、1匹でも多くの犬の命を救うべく新しい飼い主探しに奔走する職員たちの姿を描いた本作。堺にとっては、故郷・宮崎県でのロケが行われた思い入れの深い一作で「故郷が舞台と聞いて、すぐに(出演オファーに)飛びつきました。宮崎弁でお芝居するというのが、長年の夢。それが実現し、家宝のような作品になった」と感無量の面持ちだった。宮崎弁へのこだわりは、平松監督や現場の方言指導者よりも強かったといい「かなり練習をしたので大丈夫かと思い、実際みなさんがOKでも、堺さんからNGが出てしまい……」(中谷)、「堺“先生”を前にする緊張しましたね。ちょっとでも間違うと、目元がピキっとなって(笑)」(吉行)とそのスパルタぶりに悪戦苦闘した様子。堺は申し訳なさそうな表情を見せつつも、「宮崎弁の響きの素晴らしさを、改めて実感した」と誇らしげだった。メガホンを執る平松監督は、山田洋次監督のもとで20年にわたって助監督や脚本家として経験を積み、本作で監督デビュー。2009年の企画立ち上げから、ついに作品が封切られたこの日、「ずいぶん時間がかかり、やっと初日を迎えるのは本当に感無量。大切に育てただけに、さみしいが、今日からは観客のみなさんに育てていただければ。映画を通して、愛情の連鎖を感じてもらえれば幸い」とあいさつした。舞台挨拶には主人公の母犬・ひまわりを演じる“主演女優犬”のイチも駆けつけ、観客に愛きょうを振りまいた。『ひまわりと子犬の7日間』公開中
2013年03月18日来年3月公開の堺雅人主演映画『ひまわりと子犬の7日間』の予告編映像がこのほど公開され、小さな命を守るために奔走する主人公を演じる堺の新たな一面が紹介されている。『ひまわりと子犬の7日間』予告動画本作の基になったのは、2007年に宮崎県の動物管理所で起こり、テレビ東京『ポチたま』や日本テレビ『ザ・世界仰天ニュース』でも取り上げられ話題となった実話だ。映画は、引き取り手がなく保育所に収容された犬の母子の命を救おうとする保健所職員の神崎(堺)と、周囲の人々の姿を描く。このほど公開された予告編は、神埼が山に捨てられている犬の母子と出会う場面から始まる。保健所に収容された動物に残された命の期限は7日間で、それまでに引き取り手が見つからなければ、母子は処分されてしまう。予告編は、神崎が周囲の人々を巻き込みながら引き取り手を捜し“小さな命”を未来へとつなごうと懸命に行動する姿が描かれる。主演の堺は、シーンを支配するほどの存在感と、高い演技力でファンから信頼を集めている俳優だが、本作では言語が通じない犬を相手に奮闘し、惜しみない愛情を注ぎながら“動物の処分”という厳しい現実に立ち向かう主人公を熱演する。また、獣医役の中谷美紀や、でんでん、吉行和子、夏八木勲ら共演者も演技派が顔揃えており、本作では堺の新たな一面が見られそうだ。『ひまわりと子犬の7日間』2013年3月16日(土)全国公開
2012年11月21日公開中の堺雅人、山田孝之共演の映画『その夜の侍』。本作を鑑賞した俳優の向井理や女優の松雪泰子をはじめ、各界の著名人、ライターから絶賛のコメントが届いている。その他の写真本作は、劇団「THE SHAMPOO HAT」を率いる赤堀雅秋氏が、自ら作・演出・主演を務めた同名舞台を改稿し、監督を務めた作品。ひき逃げ事件で妻を失った思い出から抜け出せず、犯人への復讐を計画することで自分を保っている主人公・健一(堺)と、ひき逃げ犯の木島(山田)、そして彼らを取り巻く周囲の人々が抱える孤独や葛藤を描いた人間ドラマ。試写会では鑑賞後、「すぐに言葉にできない」との声が多く、堺、山田の魂のぶつかり合う演技や、新井浩文、綾野剛、田口トモロヲ、谷村美月、安藤サクラなど脇をかためるキャストに、「とにかく凄かった」と感想が寄せられているようだ。本作は復讐劇という導入から、人との繋がりを問いかけ人間の本質に迫った人間ドラマであるが、松雪は、「観客の想像力も自ずとひろがっていく作品。登場人物達が哀しく、無様であり、滑稽で愛おしく人間的」と語っており、向井も、「荒んでいく人間たちとその様相を淡々と、そしてリアルに切り取っていく。かなり挑戦的な作品に衝撃を受けました」と絶賛している。また、「匂い立つ、汗まみれの人間讃歌!」(演出家・長塚圭史)や、「作家、赤堀雅秋氏の作品には必ずといっていいくらい、ニオイが立ち込める」(女優・鈴木砂羽)と、スクリーンから放たれる独特の“匂い”についてのコメントも。そのほか各界著名人、ライターから寄せられたコメントや、一般試写での感想も本作の公式サイトにて紹介されている。本作は、モントリオール映画祭やロンドン映画祭に出品した際、その演出力が高く評価されただけあり、海外でも日本でも絶賛の声が多く上がっているようだ。『その夜の侍』公開中
2012年11月20日堺雅人と山田孝之の初共演が実現した『その夜の侍』が17日、全国で封切られ、堺、山田をはじめ、新井浩文、綾野剛、谷村美月、メガホンを執った赤堀雅秋監督が東京・有楽町スバル座で初日舞台あいさつを行った。堺が演じる中年男が、山田扮するひき逃げ犯に復しゅうするヘビーな内容で「撮影が大変で覚えていない」(堺)、「そうですね」(山田)と撮影の過酷さを垣間見せていた。その他の写真劇団「THE SHAMPOO HAT」全作品の作・演出・出演を担当する赤堀監督が、上演作を自ら映画化。愛する妻をひき逃げ事件で奪われた工場経営者・中村(堺)が、復讐を果たそうと出所したひき逃げ犯・木島(山田)を追い詰める姿を通して、現代人が抱える孤独と狂気を描く。国内での公開を前に、第36回モントリオール映画祭、第56回ロンドン映画祭に出品された。堺は以前から「THE SHAMPOO HAT」のファンだといい、「私自身は15年ほど前、劇団に所属していたが、劇団員としての夢はついえた人間。この物語がフィルムに焼き付けられたことで夢が実現し、本当に誇らしい気持ち」と感無量の面持ち。すべてを失い、復讐に燃えるという役柄に「終始トランス状態というか、コントロールできないくらい、かき回された。試写で見ても自分がよくわからない顔をしている」と振り返った。かたや山田も「いろんなところで爆発が起こり、刺激を受ける作品。感情がガタガタにされた」とアピール。「食べるのが怖い地獄鍋のような作品。皆さんにおすそ分けするのは胸が痛みます」(綾野)、「こういう映画が好きという人が増えたら嬉しい」(谷村)と共演陣も本作が放つパワーに圧倒されていた。本作が監督デビュー作となった赤堀監督は、新人監督に与えられる「新藤兼人賞」の金賞を受賞したばかりで「このタイミングで出来過ぎですね。もらえるものはもらいますが、すいませんという気持ちも」と恐縮しきり。なお同賞銀賞は『ヘルタースケルター』の蜷川実花監督が受賞。新井と綾野は『その夜の侍』と『ヘルタースケルター』に出演しており、「両方の作品に参加しているうちらの方がよっぽどすごい」(新井)と自画自賛していた。『その夜の侍』公開中
2012年11月19日人気劇団“THE SHAMPOO HAT”の傑作戯曲を映画化した『その夜の侍』で、堺雅人と山田孝之が初共演を果たした。お互いを「いろいろな顔を持っている人」(堺)、「本当の顔が分からない人」(山田)という印象を抱いた撮影を回想する演技派同士が、演じる役柄を通じてむき出しの感情をぶつけ合い、人間の本質をつまびらかにする重厚なドラマを作り上げた。その他の写真「『その夜の侍』はカオスです(笑)」と堺が評する本作は、妻をひき逃げ事故で失い、復讐を誓う中村(堺)と、出所した犯人の木島(山田)の因縁関係を主軸に、孤独な男たちを取り巻く人々の内情や葛藤までも炙り出す。ストーリーこそシンプルだが、人間の心の奥底まで立ち入った濃密なドラマは、観る者に“人間とは何か?”“生きていくこととは?”“他者との関係は?”という身近で深遠なテーマを問う物語に仕上がった。復讐を誓うが、その是非に葛藤する主人公を演じた堺は、「言葉にしてしまうことが難しい作品で(笑)。でも、僕には決して遠い世界には感じなかったです」と本作のリアル感を説明する。暴力的だが、深い孤独を抱えた木島役を怪演した山田も、「僕にはすごく普通の世界で、全然遠くない世界の話だと思いました」とリアルに根差した世界観であることを強調する。忌まわしい事件が起こらなければ中村も木島も出会わず、被害者、加害者の関係にも転化しなかった。緊迫した対立軸の中で、人は予想もしなかった“いろいろな顔”に変わり、“本当の顔”が分からなくなってしまう事態に陥ることがある。その意味で、リアルなのだ。「僕たちは“この中にいる”と思いました。皆、そう感じると思う。それと、木島を演じて、完成した映画を観て、そもそも人には本当の自分さえもないような気がしましたね」(山田)。“人間とは何か?”と本質を問うということは、“自分とは何か?”と自問自答することも意味するはず。逃げ場を失くした孤独な男たちがむき出しの感情をぶつけ合い、やがて辿り着く結末で何を知り、何を想うか。「難しいですよね(笑)。ただ、僕たちだけでなく、それぞれの人たちの人間模様、感情、状況を観てもらえれば。人の、“整理されない気持ち”が分かると思いますよ」(堺)という本作。公開後、大きな反響を集めそうな注目の一作だ。『その夜の侍』11月17日(土)より全国ロードショー取材・文・写真:鴇田崇
2012年11月16日「パンツまで濡れたら人間、何かが終わるんです」。冗談のような答えだが、堺雅人は悟りの境地に達したようにそう語る。映画『その夜の侍』の豪雨の中のぬかるんだ空地でのクライマックスシーンのことだ。山田孝之も「泥が口に入りましたね」と過酷な撮影の記憶を手繰る。意外にも2人は本作が初共演。しかも劇中で、互いに顔を突き合わせるのもこのクライマックスのシーンが初めてだった。妻をひき逃げした犯人への復讐を誓う主人公と、刑務所から出所後も無反省に生きる犯人。おそらく近年、2人が演じた役の中でも最も重く、“理解”からは遠い所に位置するであろうこの役柄をどのように作り上げたのか?どのようにそれぞれのシーンを積み重ね対峙へと至ったのか?公開を前に話を聞いた。「ジレンマの極致のまま終わりたい」赤堀雅秋監督が2007年に作・演出・主演を務めて上演された舞台を自らの手で映画化した本作。妻を失った男と犯人、その周囲の人々のドラマが描かれる――と要領を得ないあらすじだが、登場人物にせよストーリーにせよ“孤独”や“赦し”や“再生”といった分かりやすい言葉で簡単に説明することなどできないのだ。堺さんが作り上げた主人公・健一を見ても、多くの人はそれが堺さんだとにわかには信じられないのではないだろうか。分厚いメガネの奥の表情は常にこわばり、今回ばかりは多くの人を魅了してやまないあの微笑みを拝むことはできない。演じるにあたって赤堀監督から伝えられたのは「ゴールするのではなく、葛藤の極致、ジレンマの極致のまま終わりたい」ということ。「やる側としては落ち着かないですよ。答えがないから収まりが悪いですよね。ジレンマというのはどちらかの間にある状態。どこかに答えを見つけた時点で『そうじゃない』となるわけですから。“葛藤”という言葉すらも収まりがよすぎて、赤堀さんの中では違ったんじゃないかと思います。葛藤かどうかさえも分からないモゴモゴしたところで何かやりたかったような気がしますね。手応え?ないないない(苦笑)!!手応えを掴んでしまえばその時点で足が止まる。赤堀さんはそんな瞬間を嫌ったんじゃないかな」。では、演じ終えた後で改めてふり返ったときに健一という男や物語について理解できたことや掴めたものは?そう尋ねても、やはり堺さんの口から確固たる答えは出てこない。「赤堀さんが書いて自分で舞台で演じた作品をリライトしてほかの誰かに任せるというとき、そこにはすごく高い期待値やハードル、そして本当は自分で演じたかったという思いもあるんじゃないかと思うんです。『オレの舞台のときは、そんなもんじゃなかったぞ』とか『もっと感情が動いたはず』という気持ちがあったかもしれないし、実際に赤堀さんのいろんな思いをぶつけられたと思います。それに応えられたかは分からないけど、なるべく近づけるようにと考えて臨んでいました。もう、そこまで行くと僕がどう感じてどう捉えたか?なんていうことは正直、どうでもいいことだなと思うんです」。一方、暴力的で享楽的で無反省に出所後の人生を歩みつつ、なぜか人を惹きつける木島を演じた山田さんもまた理解や論理性を越えたところで、クライマックスに向けてひたすら木島としての感情を積み重ねていった。「もちろん、最後に2人が対峙するということは分かっているので、そこにテンションをどう持っていくかということは考えますが、だからと言って『最初がこうだから、次がこうで…』という感じではなかったです。スタートからゴールまで点線があってそれをなぞって行くわけでは決してなくて、そのときの木島だと思えることをやる。やっている最中は木島として反応するような感じでした。だから撮影のことをよく覚えてないのかもしれません」。「そこに俳優という仕事の面白さがある」(山田さん)では改めて2人の初めての、そして唯一の共演シーンである豪雨の泥だらけのクライマックスについて。堺さんは「ずっと一緒にやりたいと思っていたし、楽しみにしていた」と山田さんとの対峙を前に抱いた胸の高鳴りを明かすが、実際に撮影が始まるとそれどころではなかった。「本当にね、パンツまで濡れた時点で何かがプチンと切れました(笑)。共演しての印象?ずっと楽しみにしてたけど、実際に会ったときは彼を“俳優・山田孝之”として見ているのか?それとも木島として――それも自分が考えた、健一がずっと会いたがっていた木島として見ているのか…?少なくとも『あぁ、オレはいまずっと共演したかった山田孝之と共演しているんだ』という気持ちではないですよね。いろんな考えがあって、雨があって、アクションまであって…むしろ山田さん個人の印象というよりも、みんなで大変な撮影を成し遂げた仲間たちという思いの方が強かったです。これだけの大変なシーンを信頼し合って一緒に作ることができたというのはすごく嬉しい。いまになって改めて山田さんでよかったなと思います」。雨に打たれ、泥に足を取られながら殴り合う男たち。その姿は激しく胸を打つが、決してカッコいいとは言えない。「この作品はカッコよく見せる必要がないですからね」と山田さん。10月の寒空の下、2夜にわたって行われた撮影を終えたときは、さぞや達成感に包まれていたことだろう…と思いきや、山田さんは静かに首を振る。「全くないです。達成感を感じる余裕すら残ってなかったです。0.1でも力が残っていれば達成感もあったんでしょうが、かなり早い段階でゼロまで行ってましたんで、そんなものは…なかったですね」。理解も、手応えも、達成感さえもない現場…。だが山田さんは言う。「そこに俳優という仕事の面白さがあるのかも」と。「僕自身、木島という役に限らず人が人を理解できないなんて当たり前だと思ってます。人間は常に新しいものを得て、同時にどんどん何かを失って生きていくわけで、どんなにその人の隣にいても完璧に理解するなんて無理でしょう?でもその理解できない意味の分からないものを映画の中で成立させなくちゃいけないわけで。『理解できない』という感覚を抱きながらも役のことを理解しようとして『オレはこの人なんだ』と思い、これが正解だと思いながら演じる。それはすごく変な仕事だし、だからこそ面白いなと思ってます」。一方、インタビューを通じて5~6回は「びしょ濡れのパンツ」の苦労を強調していた堺さんだったが、ことさら俳優としてのやりがいやこの作品ならではの特別な思いを尋ねらると「僕自身としては『やれ』と言われた仕事ができたこと、監督の“受注”に応じられた時点で嬉しいです。特別という言い方をするなら毎回が特別で、それが日常になってますから。そういう意味で通常業務ですね」とサラリと言ってのける。その顔には映画の中で決して見せることのなかった楽しそうな笑みが浮かんでいた。(photo&text:Naoki Kurozu)■関連作品:その夜の侍 2012年11月17日より全国にて公開© 2012「その夜の侍」製作委員会
2012年11月15日堺雅人と山田孝之が共演する映画『その夜の侍』のメイキング映像が公開された。愛する妻を失い復讐だけを考えて生きる男と、出所した犯人の男。対峙したふたりの男の姿を演じる俳優陣の緊迫した空気が伝わってくる映像だ。『その夜の侍』メイキング映像本作は、5年前に妻をひき逃げされて復讐を誓う男、中村(堺)と、刑期を終えて出所したひき逃げ犯・木島(山田)を主軸に、彼らを取り巻く人々の孤独や葛藤を描いた人間ドラマ。劇団“THE SHAMPOO HAT”を率いる赤堀雅秋氏が主演も務めた舞台を、自ら映画化した作品だ。このほど公開されたのは、殺された妻の5回目の命日の夜、ついに中村と木島が対峙する重要なシーンの撮影現場をおさめたもの。撮影現場では大量の雨を降らせたが、中村役の堺は傘もささずに包丁を握る右手に力を込め、愛していた妻を想い、復讐して良いのかと葛藤する男を熱演する。これまで堺は、相手を翻弄する食えない男を演じることが多かったが、本作では急に訪れた妻の死に翻弄され、苦しむ男を全力で演じており、映像では「カット」の声がかかった後の苦渋に満ちた表情が印象的だ。一方、山田演じる木島は不敵な表情を浮かべ、暴力的な行動に出るもその内面には人知れぬ孤独を抱えている人物。雨のシーンでは、木島に不釣合いな赤い花柄の傘が彼の恐ろしさを引き立てており、カメラがまわる前に赤堀監督の演出を受けながら、徐々にテンションをあげていく山田の姿を見ることができる。さらにメイキング映像は、中村が木島に出会い、刃を向ける緊迫したシーンへ。圧倒的な量の雨を降らせながら、ふたりが格闘する複雑なシーンだが、堺、山田とも緊張感が切れることがなく、ふたりの気迫に応えるように赤堀監督らスタッフたちが撮影を進めていく様を確認できる。堺と山田が、むき出しの感情をぶつけ合い、人間の醜さやその本質を体現する映画『その夜の侍』。行き場をなくしたふたりの男が物語の結末でどこにたどり着くのか気になるところだ。『その夜の侍』11月17日(土)より全国ロードショー
2012年11月09日17日公開の堺雅人主演映画『その夜の侍』の完成披露試写会が7日にユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、堺、山田孝之、新井浩文、綾野剛、谷村美月、田口トモロヲ、赤堀雅秋監督が舞台あいさつに登壇した。その他の写真本作は、劇団“THE SHAMPOO HAT”を率いる赤堀氏が、自ら作・演出と主演を務めた同名舞台を改稿し、監督を務めた作品。ひき逃げ事件で妻を失った思い出から抜け出せず、犯人への復讐を計画することで自分を保っている主人公・健一(堺)と、ひき逃げ犯の木島(山田)、そして彼らを取り巻く周囲の人々が抱える孤独や葛藤を描いた人間ドラマ。堺は本作について、「とても生々しくグロテスクで汚いんだけど、観終わったあとに美しく、崇高なものを観た不思議な気持ちになる」と話し、「大事な人を亡くした主人公が弔いへ向けて一歩踏み出す話ですが、僕自身も3.11の震災後に抱いていた、弔いたいけどどうしたらいいのか分からない心情が主人公と重なり、この役をやりたいと思いました」と語った。堺と山田は初共演となったが、堺は、「3年分くらいガッツリ共演したので、しばらくは顔も見たくない(笑)」と山田へ本音をぽろり。山田も、「僕も撮影が終わってから、CMで堺さんを見ると『うぇー』ってなりましたね」と反撃した。さらに、「堺さんとの共演シーンを楽しみにしていたが、撮影が始まるとつらい・寒い・帰りたいで最悪でした」と吐露し、本人たちにとってはそれほど濃密で重厚な撮影だったようだ。また、「非常に緊張してます」と、冒頭からハンカチで何度も汗を拭う姿が見られた綾野があいさつ後に中座する場面も。数分後舞台へ戻り、「貧血でした」と苦笑しつつも、「決して面白い作品ではないですし、かつ分かりやすい感動があるわけでもない。でも人間の愚かな姿が実直に出ていて、すごい作品が出来たのではないかと思う」と自信を見せた。続けて堺も、「おすすめしにくい映画だけど、僕は大好きです。願わくば、みなさんの心に突き刺さる作品でありますようにと祈るばかりです」と本作をアピールした。『その夜の侍』11月17日(土)より全国ロードショー取材・文・写真:滝島千尋
2012年11月08日興行収入23億円を記録し、大ヒットした『大奥』の続編『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』が完成し25日、都内の劇場で堺雅人、菅野美穂、柄本佑、西田敏行、金子文紀監督が出席して完成披露試写会が行われた。作品の画像よしながふみの人気コミックを原作に、本作では前作より過去にさかのぼり、五代将軍綱吉の時代が舞台。謎の疫病によって男女の立場が逆転してしまった江戸時代で、女将軍や女人禁制の大奥が誕生した過程が絢爛豪華に描かれる。映画公開前に放送されるテレビドラマ版『大奥有巧・家光篇』との二部構成。堺は放送中のドラマ版で野心的な主人公・有巧(ありこと)を演じ、映画と合わせて1人2役を務めており「有巧と違って、右衛門佐は包容力があるタイプ」と分析した。一方、“生類憐みの令”で知られる五代将軍・綱吉を演じる菅野は「綱吉といえば、犬将軍ですもんね。お話をいただき、『犬を抱っこできたらいいな~』という下心があったんですが(笑)、台本をいただいて何という大役なんだと震え上がった」と振り返った。そんな菅野について、“お仕えする”堺は「まるで1本の大きなの木のような存在で、僕はそこにまとわりつく“つる植物”のようだった」とコメント。「本当にお美しくて、危険で甘い香りもある」とゾッコンの様子だった。西田は綱吉の父・桂昌院を演じ、「菅野さんがとても素晴らしくて、圧倒されました。(役柄同様)溺愛することができましたし、その気持ちは僕自身もストレートに持っている」と目尻が下がりっぱなし。一方、右衛門佐の右腕を演じ、今作の語り部も兼任する柄本は「ナレーションはほぼ初めてで…」と恐縮しきりだった。前作『大奥』、そして放送中のドラマの演出も手掛ける金子監督は「前作は10代をメインにした青春群像劇で、今回は堺さんが30歳から60歳くらいまでを演じている」と説明。「抵抗できない現実を受け入れて、いかに生き抜くか。登場人物が葛藤する姿は共通している」と両作品に共通するテーマ性を語り、「今まで4本の映画を作ったが、一番気に入っている。正直、反省点がない」と誇らしげな様子だった。映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』12月22日(土)全国ロードショー
2012年10月26日2007年、宮崎県の保健所で起こった犬と人間の奇跡の実話を、20年にわたり山田洋次監督作品の共同脚本・助監督を務めてきた平松恵美子監督が、堺雅人を主演に迎えて映画化する『ひまわりと子犬の7日間』。このたび本作の主題歌が、初の武道館ライブが3分でソールドアウトとなるなど絶大な人気を誇る音楽グループ「ソナーポケット」による書き下ろし曲「花」に決定した。ある日、母犬・ひまわりと生まれたばかりの子犬が、保健所に収容される。飼い主が見つからなければ、母子ともども“処分”されてしまうことになるが、保健所の職員・彰司やその家族、仲間たちは必死に子犬を守ろうとするひまわりの姿に心打たれ…。現在の日本で、飼い主のいない犬が置かれている状況を逃げることなく真っ直ぐに描く本作。彰司役の堺さんを筆頭に、中谷美紀、吉行和子、檀れい、小林稔侍など数々の映画賞に輝く実力派俳優陣が名を連ねており、オードリーの若林正恭の映画初出演作としても注目を集めている。今回、ひと足先に同作を鑑賞したソナーポケットは「僕らは3人共、実家で犬を飼っているので、感情移入せずにはいられず、犬と人間の家族愛に終始感動しっぱなしでした」と感想を語る。さらに「僕らは普段、“笑顔の連鎖”を合言葉に日々活動しています。この映画を観てくれる人たちにも笑顔があふれるような、そんな素敵な主題歌を作りたいと思います。いざ!笑顔の連鎖!」とコメントが寄せられている。果たして彰司やその仲間たちは、信じる心を失ってしまった母犬にもう一度愛を伝えることができるのか?ソナーポケットの楽曲が本作にどのように寄り添い、彩りを与えてくれるのか公開を楽しみに待ちたい。『ひまわりと子犬の7日間』は2013年3月9日(土)より宮崎先行公開、3月16日(土)より全国にて公開。■関連作品:ひまわりと子犬の7日間 2013年3月9日より宮崎先行公開、3月16日より全国にて公開© 2013「ひまわりと子犬の7日間」製作委員会
2012年10月17日堺雅人主演の映画『鍵泥棒のメソッド』が30日、インンターネットで予約できる前売券“ムビチケ”の販売で本作がナンバーワンを記録したTOHOシネマズ西宮OSで舞台あいさつを実施し、堺、内田けんじ監督が登壇したその他の写真本作は、『運命じゃない人』『アフタースクール』を手がけた内田監督が4年ぶりにメガホンを執った最新作。売れない貧乏役者の桜井(堺)、転倒して記憶を失った殺し屋のコンドウ(香川照之)、婚活中の女性(広末涼子)の三人が巻き起こす事件を描く。当日は台風直撃だったため、「大変な日に大丈夫ですか? お帰りの足は。我々も新幹線でこちらに伺って、神社のえびすさまのお導きかとうれしく思っています。映画をご覧いただいたみなさんの上気したお顔を見られるのが役者にとって望外の喜びです」という、観客を気づかう堺の言葉ではじまった舞台あいさつ。“本当にダメダメ”な主人公・桜井を演じての感想を聞かれると堺は、「案外素だったりして。いろんな方にヘタなお芝居が絶妙だったと言われるたびに、心の柔らかい部分が傷ついたりして。売れていない役者ですが、純粋だし、楽観的に物事をとらえるし、僕はすごくいい役者だと思っています。売れてないのが致命的ですけど(笑)」と苦笑していた。殺し屋役を演じた香川との一騎打ちのシーンについては、「あのシーンはエアガンが不調で、何度かお芝居できないほど本当に痛いこともありました。香川さんからあれは笑いをこらえるのが大変だったと言われました」と堺が振り返ると、内田監督は、「本番で堺さんが突然、『てめぇ』としがみつくアドリブをして、香川さんが笑いを堪えるのが大変だったと言ってました。あれが唯一のこの映画のアドリブです。あのシーンは面白かったので6回やってもらいました(笑)」と、わきあいあいとした現場でのエピソードを明かしていた。また、本作の大ヒットを祈願して、西宮中央商店街のキャラクター・ふくみみ福ちゃんが登場。耳たぶが幸運を呼ぶと言われていることから、狭い階段のなか堺が自ら触ろうとすると、ふくみみ福ちゃんが落ちそうになる場面も。その光景を見ていた内田監督に「(落ちたら)記憶がなくなっちゃうよ」と茶化されると、堺は「僕と福ちゃんが入れ替わるかもしれないね(笑)」とすかさず返し、会場を笑いの渦に巻き込んでいた。『鍵泥棒のメソッド』公開中
2012年10月01日堺雅人、菅野美穂が主演する映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の主要キャストが揃った華やかなポスター画像がこのほど公開された。その他の写真本作は、2010年10月に公開された『大奥』の続編となる劇場版第2弾。謎の疫病によって男性の数が激減し、男女の立場が逆転してしまった江戸時代を舞台に、五代将軍綱吉(菅野)を頂点とする“大奥”の人間模様を描く。このほど公開されたポスター画像の中心には、才覚と野心で“大奥”の世界をまい進していく右衛門佐(堺)と、将軍綱吉(菅野)の姿があり、ふたりを取り囲むように、側用人として綱吉に使える柳沢吉保(尾野真千子)、右衛門佐の片腕となる部屋子の秋本(柄本佑)、綱吉の側室である伝兵衛(要潤)、大奥の御台所(正室)信平(宮藤官九郎)、そして綱吉を溺愛する父・桂昌院(西田敏行)が並ぶ。キャッチコピーには、“孤独なふたつの魂は、やがて永遠の愛に”とあり、“大奥”での陰謀や愛憎劇が渦巻く中で、右衛門佐と将軍綱吉にどのような運命が待っているのか気になるところだ。このポスターや映画チラシは、29日(土)より本作を上映する予定の劇場に設置、配布される。映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』12月22日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2012年09月26日内田けんじ監督の4年ぶりの新作『鍵泥棒のメソッド』が15日に全国で封切られ、内田監督をはじめ、堺雅人、香川照之、広末涼子、森口瑤子が新宿バルト9で初日舞台あいさつに登壇した。その他の写真本作は、『運命じゃない人』『アフタースクール』など先が読めないスリリングな悲喜劇で高く評価される内田監督の最新作で、キーワードはずばり“胸キュン”。広末は「堺さんのモンチッチヘアがすごく可愛い。映画ではもっと長いし、こんな短いの初めて」とこの日珍しく短髪で登場した堺に思わず胸キュンした様子。堺は「若い人はモンチッチってわかるのかな。でも非常に光栄」とニンマリしていた。その後広末が「髪は短ければ短いほど好き」だと告白すると、内田監督はすかさず帽子を脱ぎ、坊主頭をアピール。香川は「バリカン持ってこい!」と息巻いた。その香川は一昨年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』を皮切りに、広末と3年連続で共演しており「『龍馬伝』では広末さんを追いかけ回す役で、去年共演した役ではちょっと好きになってくれて、今回やっと両思いになれるんです」と満面の笑み。さらに「そして今年の秋の舞台では、僕がついに広末さんを振るんです」とドヤ顔を見せた。銭湯で記憶を失った殺し屋コンドウ(香川)のロッカーの“鍵”を、売れない役者・桜井(堺)が盗んだことからふたりの人生が逆転。桜井が危険な裏稼業に巻き込まれ、ピンチに立つ一方、コンドウは婚活中の女性編集長・香苗(広末)と出会い、逆プロポーズされてしまう。「本当に面白い映画。期待してください。以上です」(堺)、「幸せな時間を過ごせるはず。僕も一緒に座ってみなさんと見たい」(香川)、「きっと3連休がハッピーになる映画。たっぷり笑って、楽しんで」(広末)とキャスト陣も自信のアピールだった。映画は第15回上海国際映画祭で、日本映画として初の最優秀脚本賞を受賞。9月11日(現地時間)には、トロント国際映画祭のコンテンポラリー・ワールドシネマ部門で上映され、会場を笑いに包んだ。『鍵泥棒のメソッド』公開中
2012年09月18日映画『鍵泥棒のメソッド』が9月15日(土)に公開を迎え、堺雅人、広末涼子、香川照之、森口瑤子、内田けんじ監督が都内劇場で舞台挨拶を行なった。『運命じゃない人』、『アフタースクール』と巧妙な仕掛けのどんでん返しに次ぐどんでん返しで、観る者を魅了した内田監督の最新作。売れない役者と堅物の女性編集者、冷徹な殺し屋の運命が、殺し屋の記憶喪失をきっかけに交錯していく。これから映画を鑑賞する観客を前に、堺さんが「本当に面白いんで期待して観てください!」と満面の笑みで語ったのを始め、キャスト陣はみな作品の完成度に自信を覗かせる。内田監督は「みなさん、ハードルを上げるので…」と苦笑しつつも、「リラックスして楽しんでください!」と笑顔で作品を送り出した。この日は劇中のキーワードでもある“胸キュン”経験をキャスト陣がそれぞれ発表。広末さんは「堺さんのモンチッチヘアー」と書かれたボードを掲げ、「撮影中はもっと長かったので、今日お会いしてキュンとしました。かわいいです」と堺さんを見つめてニッコリ。堺さんは「光栄です!そうです、モンチッチを意識しました!」と大喜びだったが、広末さんは男性のヘアスタイルに関し「短ければ短いほど好き」なのだとか。するとこれまで公の場で常に帽子をかぶり続けてきた内田監督がおもむろに帽子を取り、坊主頭を披露。広末さんは大感激だったが、その様子を見た香川さんが「バリカン持ってきて!」と舞台袖に向かって叫び、客席は笑いに包まれた。そんな香川さんの胸キュンは「広末さん」。実は2人はここ数年、続けて共演しているそうだが香川さんは「最初の『龍馬伝』では僕が広末さんを追いかけるけど、振り向いてももらえなかった。去年の『世にも奇妙な物語』ではちょっとだけ好きになってもらえて、今回でやっとお互いに…。今年の秋にも舞台で共演しますが、ここでは僕が広末さんを振ります!この先、どうなるんでしょう」と得意満面に広末さんとの関係の“ステップアップ”を明かし、再び劇場は笑いに包まれた。ちなみに堺さんのボードに書かれた回答は「…」。堺さんは「生まれてから1回もキュンとしたことがない」と明かしたが、ここで客席は「えー…?」という落胆のため息に包まれ、テンションは急降下。堺さんは「こんなひどい空気になるとは…」と困惑しつつ申し訳なさそうに頭を下げていた。森口さんは、昨年の冬に貰ったというカブトムシの幼虫が、気が付いたらおしりを振りながら成虫になっていたというエピソードを披露し、その様子にキュンとなったと告白。堺さんはこのエピソードに「少しキュンとなりました」と必死に胸キュン経験をアピールしたが、広末さんから「人生の初キュンがカブトムシって…」と呆れられていた。内田監督は、そんな堺さんを見やり「この年で初めてキュンとなったらタチが悪そう(笑)。いつか堺さんから恋の相談を受けたい」と爆笑していたが、堺さんは「この年で初めて胸がキュンとなったら心臓麻痺ですよ!」と苦笑していた。『鍵泥棒のメソッド』はシネクイントほか全国にて公開中。■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年09月16日2010年に一世を風靡し、時代劇映画No.1の大ヒットを記録した“男女逆転”『大奥』。あれから2年――堺雅人を主演に迎え、豪華さもドロドロ感もさらなるスケールアップを遂げた続編『大奥 ~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』が今冬より公開となる。このたび、本作の待望の予告編がついに解禁!“犬将軍”と呼ばれた徳川綱吉の時代。自らの野望を叶えようと暗躍する男・右衛門佐(堺さん)が大奥に現れる。不安と孤独に身を焦がし愛を求め続ける女将軍・綱吉(菅野さん)を、己の野心のために利用しようと近づいていく右衛門佐の謀略を軸に、大奥に渦巻く究極の愛憎劇が描かれる。今回届いた映像でまず目を引くのが、その豪華な世界観。将軍・綱吉を演じる菅野さんらの衣裳はもちろん、彼女を取り巻く美しき男たち、その数なんと3,000人!女子にとっては、まさに時代劇版“イケメン・パラダイス”?しかしご存知の通り、大奥はそんな楽園とは程遠い世界。男たちの業がひしめく中、一際ダークな魅力を放つのが堺さん演じる大奥総取締・右衛門佐。綱吉の心の隙間に優しく、かつ計画的につけ入ろうとするが、そうそう簡単には彼の野望は成就しない。次なる将軍を生むために数多の男たちと床を共にし、自身を「卑しい女」と嘆く綱吉の悲しみは右衛門佐の想像を超えており、自身の野望との間で葛藤する。そして、西田敏行演じる綱吉を溺愛する父・桂昌院の陰謀により、この愛憎劇はさらなる悲恋と男たちの嫉妬で激しく燃え上がっていく。さらに、先日発表されたMISIAが歌う本作の主題歌「Back In Love Again(feat.布袋寅泰)」をバックに、堺さんと菅野さんが切なく抱きしめ合うシーンはもちろん、2人のあわやベットシーン!?という際どい映像まで収められ、『大奥』の魅力を存分に味わえる仕上がりとなっている。宮藤官九郎を始め尾野真千子に要潤と、脇を固める華やかなキャスト陣に重厚感ある撮影セット、これぞ豪華絢爛と呼ぶに相応しい世界観である。まずはこちらの映像で、悲哀と欲望に満ちた『大奥』の世界を覗いてみて?映画『大奥 ~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』は12月22日(土)より全国にて公開。映画同様、堺さん主演で“男女逆転”大奥の誕生秘話と、その過程で引き裂かれる純愛を描くTVドラマ「大奥~誕生~[有功・家光篇]」は10月、TBS系列にて放送開始。※こちらの予告編はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:大奥 ~永遠~[右衛門佐・綱吉篇] 2012年12月22日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012男女逆転『大奥[右衛門佐・綱吉編]』製作委員会
2012年09月13日堺雅人主演の映画『鍵泥棒のメソッド』が、現地時間11日に開催されたトロント映画祭のコンテンポラリー・ワールドシネマ部門で上映され、本作のメガホンを執った内田けんじ監督が上映後に行なわれた舞台あいさつに登壇した。その他の写真『鍵泥棒のメソッド』は、人生が入れ替わってしまった貧乏役者(堺)と記憶を失った殺し屋(香川照之)、婚活中の女性(広末涼子)の三人が巻き起こす喜劇を描いたヒューマンドラマ。内田監督ならではの先の読めない展開と絶妙な笑いを盛り込んだ本作は、“世界的な視野と注目すべきストーリー性を持つ作品”をセレクションする本部門に選出された。トロント映画祭への参加は初となる内田監督。観客から撮影エピソードについて聞かれると「キャストの演技が素晴らしく、演出しながら笑いをこらえることに必死だった」と回答。さらに劇中に登場するクッキーの缶には2000万円の大金が入っていたことを明かし、「紛失したら困るので、撮影が終わったらすぐにプロデューサーが持って帰った」という裏話を披露し、笑いを誘った。また「次の作品を早く観たいです。構想はありますか?」と質問されると、内田監督は「頭の中には構想があるのですが、この作品がヒットしないと次の作品が作れないので応援して下さい」と語り、次回作への意欲をのぞかせた。早い段階でチケットが完売し、上映が始まると序盤から笑い声が多く上がったという本作とあって、終了後には「最高でした!」「ファンタスティック!」など絶賛の声が次々と寄せられ、内田監督は笑顔でサインや写真撮影に応じたという。『鍵泥棒のメソッド』は、9月15日(土)より公開される。『鍵泥棒のメソッド』9月15日(土)よりシネクイント他 全国ロードショー
2012年09月12日何やら堺雅人が広末涼子に話しかけている。どうやら少し前のTV取材で香川照之が放送禁止用語を連発していたらしい…。堺さんはそれを子供のように嬉々として報告し、香川さんは「大丈夫、大丈夫」と鷹揚に構え、その脇で広末さんはケラケラと笑いながら耳を傾ける。いい年して(失礼!)、先生が急用でいなくなったのをいいことにおしゃべりで盛り上がる学校の教室みたいな雰囲気である。映画『鍵泥棒のメソッド』で内田けんじ監督の下、3人が紡ぎ出した意外な空気感とは?演技論から互いの魅力まで深く、楽しく3人が語り合った!「こんなに練られた脚本、楽ちんな現場はない」(堺)売れない役者・桜井(堺)と殺し屋のコンドウ(香川)、編集者の香苗(広末)という全く交わりのなかった3人の男女の人生が、コンドウの記憶喪失をきっかけに複雑に絡み合っていくさまが、観る者をあっと驚かせる内田監督ならではのハラハラドキドキ&どんでん返しアリの展開で描き出される。堺さんにとっては『アフタースクール』に続く2度目の内田作品出演となるが「特に努力したことはなかったし、とにかく監督に言われたことだけを『はいはい』とやろうと決めていた」とあっけらかんと語る。自分で考えるのではなく、あえて監督の“操り人形”となる。その真意とは?「とにかく監督の指示が的確で、その通りにやれば面白いものができるという確信がありました。普段のどの作品でもそうしてるかと言われたらそんなことなくて、こんなに練られた脚本、楽ちんな現場はなかなかないです。たいていはイヤな奴がいたりしますから(笑)。演じてて、ここまで葛藤がないのも珍しいですね。内田さんの作品なら、明日から撮影ですって言われてもすぐ行けますよ。現場にさえ行けば何とかしてくれるから」。広末さんもそんな内田演出に身を任せる中で「新たな芝居を引き出してもらった」という。気をつけたのは「笑わないこと」。一見、俳優に求められるごく当たり前の表情のコントロールのように思えるが、コトはそう簡単ではなかったようで…。「一貫して感情を表に出さないということを意識していましたが、それを通じてこれまでの自分のお芝居の作り方が、喜怒哀楽を開放していく作業だったのだと実感しました。演じていて、どうしても素の感情で反応してしまうんです。コンドウと話して『この人は努力家だ』と感じて、“笑う”というよりも自然にフッと口角が上がってしまったりするのですが、そういう起伏も抑えなくてはいけなくて…」。堺さんによると広末さんがあまりに「かわいすぎてNG」となることもあったとか…。「優しいし、気が付くから他人の芝居に全て反応してくれるし。それは普段ならありがたいことだけど、今回は全く気が利かない人としてそこにいなきゃいけなかったので、苦労されたと思いますよ」と堺さんは傍から見ていて感じた香苗という役の難しさをそう語る。「反応しないことで生まれる不協和音こそが、この映画の空気感」(広末)明らかな“表情”ではなく、“視線”だけで感情を伝えるというのも、内田監督によって教えられた表現のひとつだと広末さんは続ける。「役柄の性格を表そうとするとつい自分ばかりに目が行ってしまうのですが、監督に言われた動きをするだけで揺れる気持ちが表せたんです。『この人は不安です』とか『悲しい』とか『もっと』、『大きく』という言葉ではなく、動きで説明することで役になれたし、感情の表現も自然に出てきました」。普段から「死ぬほど台本を覚えて」現場に入るという香川さんだが、本作ではそれに「“死ぬほど何が何でも”をもう1枚増やして」さらに深く台本を読み重ねて撮影に臨んだ。それでも現場に入って「まだ脚本が読めていなかった」と感じることがあったという。「あるシーンで監督に『そこは相手の顔を見て』と言われたんですが、よく読めば書いてあるんです。もちろん『顔を見る』とは書いてないけど、この会話なら当然見るだろうと。字面だけで通り一遍に覚えて、心理的作業を積み重ねてもそこには至らないんだけど、本来は俳優が読み込んでいないといけないところ。たぶん、そこで相手の顔を見なくても成立はするんですよ。“キャリア的なもの”をドロドロと出して水増しすれば『香川さん、うまいですね』って。でも本当は見ないといけない。そういうことに気づかされたことが何度かありました」。3人一緒のシーンは幾度もあったが「現場で一緒に演じられる幸せと共に、お客さんとなって傍観したい思いに駆られた」と言うのは広末さん。「あるインタビュアーの方が“化学反応”と仰っていましたが、むしろ反応しないことで生まれる“不協和音”こそが、この映画の独特の空気感なんじゃないかって感じるんです」。堺さんも我が意を得たりとばかりに広末さんの言葉にうなずき、続ける。「3本の線がしっかりとあって、でも自分がお芝居しているときはほかの2本を無視できるんですよね。それは信頼している方とでないと難しい。僕(桜井)は僕の問題に没頭してて、コンドウはコンドウで事情があって、全く話を聞いてなくて違うことを一生懸命考えている香苗がいて、3人が全く噛み合わないアンサンブルを奏でてる。それはすごく豊かで楽しいことだと思います」。堺さんにとって“俳優”の役を演じるのは初めて。特に演技をめぐるコンドウとのやり取りは抱腹必至である。「真面目で几帳面なイメージの堺さんがあんなにだらしなくて、あんなに芝居が上手なのに本当に下手なお芝居ができる。その“腕力”がすごい」とは広末さんの感想だ。“腕力”という言葉がたいそう気に入った様子の堺さんは「いちいち言葉が正確だから傷つくんだよ!」と広末さんの言葉を嬉しそうに受け止める。改めて、俳優を演じてみての感想は?「俳優って何て捉えどころのない職業かと思いましたね。制服もライセンスもないから、これをやっておけばという“記号”がないんですよ。だから『ヘタな芝居をする』という演技も考えれば考えるほどドツボにハマっちゃう。結果的にはそこで『何もしない』ことにしました。相手が香川さんで技術と技術のぶつかり合い――『堺VS香川 演技合戦!!』みたいなことになったら絶対に分が悪いから、そっちで勝負したくないなというスケベ心もあり(苦笑)、何もせずにボンヤリした感じでそこにいました。つまり何が言いたいかというと、『これをやっとけば役者』というものはないけど、役者を役者たらしめている唯一のものは、指示に対して何の疑いもなくそこに居続ける力、ある種の鈍感力なのかなということ」。「演じれば演じるほど『演じたくない』と思う」(香川)何とも深い話に「すごい皮肉と取れるかもしれないけど、いい言葉だね」と香川さん。自身は“演じること”と“本音”の間で揺れる思いをこんな言葉で表現する。「ある意味で全ての人間が演じてるわけですよ。嫌な仕事でも『好き』と言って、『バカヤロウ』と思いつつも笑顔で『ただいま』と言ったり。“演じる”というのが人間の仕事。だからこそ、それを解いて本音を言う瞬間が面白かったりする。今回、僕も俳優の役をやったけど、それは二重三重の複雑な構造になっていて、演じない瞬間、本音に肉薄する瞬間がこの映画の面白味だと思ってます。実はそれはどの映画でも同じで、僕は演じれば演じるほどに『演じたくない』と思うし、自分のメッセージを出したいなと思ってる。本当の意味で“演じない”役をやりたいですね」。下ネタがどうのと盛り上がっていたのと同一人物とは思えない深みのある言葉。何よりインタビュアー以上に「うんうん」と深くうなずく堺さんと広末さんの表情が印象的だった。まずは百聞は一見に如かず。溶け合うことのない化学物質が奏でる不協和音をお楽しみあれ!(photo:Toru Hiraiwa/text:Naoki Kurozu)■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年09月11日売れない貧乏役者(自殺願望あり)と、殺し屋(記憶喪失)との人生が入れ替わり。殺し屋を演じることになった役者は、危険な依頼を受けて大ピンチに。役者を目指すことになった殺し屋は、婚活中の女性の逆プロポーズを受け幸せに? しかし、記憶が戻った時、殺しの依頼、大金の行方、結婚が絡み合い、 想像できない展開へと転がり出す ――笑いとハラハラ・ドキドキのサスペンス、そしてトキメキまで盛り込んだ、 映画の楽しさが200%詰まったエンターテインメント・ムービー「鍵泥棒のメソッド」。出演する堺雅人、香川照之、広末涼子にインタビューを行った。■内田監督との仕事の感想は?堺:ちょっとおかしな言い方ですが、内田監督の現場って本当に楽なんです。監督の頭の中に完成された間とお芝居がある。本当に的確に指示をしてくださるし、その指示に精一杯答えていけば内面もそこに近づいていける。本当に楽だな~と毎シーンつぶやきながら演じてましたし、そういえば三年前もそうだったな~というのをだんだん思い出しました。ただ前作の『アフタースクール』は作品の性質上、すごくたくさんルールがありましたけど、今回はそのルールが少し減って、香川さん、広末さんをはじめとする共演者の方々との芝居のハーモニーとか、その場でしか起きないブレが生かされている、そういう性質の作品じゃないかと思います。香川:強したっていう気分です。脚本を読みこめてなかったと。もっと細かくひだを読み取らなくてはいけないのに、気分で押し切って、読めているつもりでも読めてなかったと思い知りました。内田監督から形を与えてもらうことで、自分では感情で、右脳で演技しているつもりだったのに、実は形でやっていることに気づかされる。形を与えられているのに、それによって感情を作ってもらえる。形によって、形から脱せられるというんですかね。不思議な二重構造、三重構造というのが毎日起こっていました。僕みたいに右脳と左脳が離れて旅をしているタイプの俳優にとっては非常に面白い、初めての体験でした。あの脚本でこの演出、内田さんにしかできないだろうなと思いました。若い頃のキャリアに戻ったような新鮮さがありましたし、久しぶりに離れがたい作品になりました。広末:ドキドキしました(笑)。香川さんもおっしゃっていましたが、最近は年齢もキャリアも重ねてきたからか、「お任せします」と渡されて、役者陣で練ってこねて熱くして、お芝居を作っていくような現場が多かったんです。今回は自分の意思や想いに勝る、熱い監督の完全なお芝居の構成があったので、そこにどう近づくかという芝居作りがすごく新鮮でした。毎回OKをもらえるかドキドキしながら本番を重ねて。OK!って言われた時にすごく嬉しくてほっとする。こういう緊張感って大切だなと改めて感じました。■共演の方々の印象は?堺:広末さんは、今までご一緒した作品で見てきた、どれでもないお顔をされていました。ぜひ映画館でちゃんと観てみたいです。香川さんについては…僕は香川さんが何をしてもびっくりしないので(笑)あれだけのポテンシャルと引き出しを持っていらっしゃる方だから。ご一緒できたってだけで非常に嬉しかったですね。香川さん、僕、広末さんという三人の和音は、相当バラバラだと思うんです。こんなに違うのにそれでも響きあうというのが逆に面白いなと。似通った音の和音じゃなくて、ちょっと複雑な和音、時には不協和音で。不協和音が面白いというのは内田さんもおっしゃってましたね。三人が均一になるのではなく、しらけた人が一人いたり。その空気がなんだか心地よかったですね。香川:堺さんとは共演する機会がとても多くて、脚本を読んだら「堺さん、こんな感じだろうな」堺さんは「香川さん、こういう感じだろうな」とある程度予想はできるんです。もちろん作品によって役が違うわけだから、常に演技のニュアンスは変わるんですけど、お互いその違いを微妙に感じながら演技するタイプなので。でも今回、その予想以上の不思議な違いがありました。予想通りでも演じた体感が違うというか。理由はわからないけれど。科学反応が起こるような初顔合わせではないのに、起きていたんですね。それは広末さんにしても同じことで。何度も共演して演技を観てきているのに、やっぱり違う、新しい広末さんが目の前にいる。最初の3日間くらいはずっと感じていたんですが、途中から皆が思っている、僕が知っている広末さんを全部忘れて、香苗にしか見えなくなっていました。この不思議な科学反応は、内田監督のマジックなのかもしれませんね。広末:堺さんは、面白かったですね(笑)役者の役は初めてとおっしゃっていましたけど、お芝居が下手な役者のお芝居なのか、堺さんのお芝居が下手なのかわからなくなるくらいおかしくって(笑)それはつまり巧いってことなんですけど。それくらいこれまで見たことない、堺さんのお芝居でした。香川さんは、記憶を失っている時、つまり桜井であるコンドウのおぼつかなさと、記憶を取り戻したコンドウの怖さが本当に対称的で。見せつけられました。さすがだなって。■作品の見どころは?堺:最後まで目が離せないハラハラドキドキの展開になっています。それでいて観終わった後には、恋をしたくなるようなラブストーリーにもなっており、いろんなエンターメインメント要素が詰まった作品です。香川:内田監督作品というとストーリーが入り組んでいて、その入り組んでいるのが解れていくところに快感があるというのが今までの持ち味だと思いますが、今回のストーリーは一本の道をただ走ります。ただその中に登場する人物が複雑な人生を背負っていて、その関係性が非常に入り組んでいるという、これまでとはアングルを変えた作品になっています。いずれにしても大変上質な喜劇に仕上がっている作品です。広末:本当に楽しい大人のシュールなラブコメディだと思います。お芝居をこんなに楽しませて頂いた映画は初めてかもしれません。私自身、演じるのを忘れて、お客さんとしてその場で見たくなってしまうくらい堺さんや香川さん、他のキャストの皆さんの素敵なお芝居がたくさん見られる映画です。■作品情報出演:堺雅人、香川照之、広末涼子、荒川良々、森口瑶子 監督・脚本:内田けんじ配給・宣伝:クロックワークス9月15日 全国ロードショー(C)2012『鍵泥棒のメソッド』製作委員会
2012年09月07日俳優の堺雅人が1日、都内で行われた主演作『鍵泥棒のメソッド』の完成披露試写会に共演する香川照之、広末涼子、森口瑤子、主題歌「点描のしくみ」を手掛けた吉井和哉、内田けんじ監督とともに出席した。ロングランを記録した『アフタースクール』以来となる内田監督との再タッグに「前回は非常に込み入ったお話で、正直“分かったふり”をしていたが、今回は1回で意味が理解できた」とニッコリ。「本当に面白いです、以上!」と並々ならぬ自信を見せた。その他の写真観る者を見事にだます巧みなストーリー展開と、独特の世界観でファンの多い内田監督の3年ぶりとなる最新作。売れない貧乏役者・桜井(堺)が、銭湯で転倒して記憶を失った伝説の殺し屋・コンドウ(香川照之)のロッカーの鍵と自分の鍵をすり替えて、コンドウになりすましたことで、ヤクザ絡みの事件に巻き込まれていく姿をスリリングかつコミカルに描いた。本作は、先日開催された第15回上海国際映画祭で、日本映画として初の最優秀脚本賞を受賞したばかり。異色キャストの組み合わせによる化学変化も健在で「役者さんを見ているだけでワクワクした。皆さん、絶妙な表情を見せてくれるので」(内田監督)。香川は記憶を失った後、生真面目で努力家な青年に大変身し「まぁ、僕自身が両極端な性格ですからね。最終的には見てくれるお客さんが判断してくれるので、こちらでふたつの役柄も細かく分けたりはしない」と役作りについてコメント。婚活中の女性編集長・香苗(広末)と出会い、逆プロポーズされる展開に「僕だって恋するんです」と“宣言”し、会場を沸かせた。一方、“お相手”を演じる広末は「生真面目で几帳面。一生懸命に生き、感情を表に出さない役柄でしたが、堺さんと香川さんのお芝居を見ていると、こっちも思わず吹き出してしまって…」。撮影中には「可愛すぎる」という理由でNGになったシーンもあるといい、新境地のヒロイン役に苦心した様子。物語の“鍵”を握る資産家の愛人を演じる森口は「とても大人で柔和な現場。楽しい愛人生活を送ることができた(笑)」と振り返っていた。吉井はキャリア初となる主題歌の書き下ろしに「最初は台本を読んでも、何が何だかよくわからなくて(笑)」。それでも「映画のテーマと、自分が人生について思うことをすり合わせることができれば。映画には随所に、監督のロック好きが垣間見える。いつかぜひ映画に出させてほしい」と今回のタッグに満足そうな表情。内田監督は吉井の大ファンだといい「新曲を聴けるだけでうれしい。本当にかっこいいです!」と大感激だった。『鍵泥棒のメソッド』9月15日(土)よりシネクイント他 全国ロードショー
2012年08月01日二転三転していくストーリーで観る者を翻弄していく内田けんじ監督の最新作『鍵泥棒のメソッド』。立場がまるっと入れ替わったことで生まれる奇妙な人間模様を見せる堺雅人、香川照之、広末涼子の3人の主要キャストの“何とも言えない顔”が印象的な本作のポスターがこのほど公開された。ある日、銭湯で転倒し記憶を失った伝説の殺し屋と、たまたまそこに居合わせた一人の売れない貧乏役者、2人の男の人生が入れ替わるところから始まる予測不能なストーリー。転倒した男の持っていた大金に目がくらみ、彼に成りすます貧乏役者・桜井に堺さん、記憶を失い自分が桜井だと思い込んでいるコンドウに香川さん、役者として努力するようになるコンドウに恋する女性編集長・香苗に広末涼子が扮する。先日閉幕した第15回上海国際映画祭で日本映画史上初となる最優秀脚本賞を受賞するなど、その独特の笑いがファンの心を捉えている本作。今回届いたポスターにも、内田作品に通低する「笑い」、「ハラハラ・ドキドキ」、「トキメキ」の要素がたっぷり詰め込まれている。中でも目を引くのが堺さんの“困った顔”である。これまでの出演作『ゴールデンスランバー』や『ツレがうつになりまして。』などでも“困った顔”で女性たちの母性本能をくすぐってきた堺さんだが、本作ではどうやら少し事情が異なるよう。ポスターの中央にいる彼の心を占めるのは“バレる”ことに対する不安なのか、何かを思案する“なんとも言えない顔”を見せている。その右側で、殺し屋よろしくこちらを睨みつけるのはコンドウ役の香川さん。眼光の鋭さと真剣味を帯びた表情がかえって滑稽さを醸し出している。ピリリと刺すような視線はさすが、念願の歌舞伎界入りを果たした男の目ならでは?そして左側では婚活中女子・香苗役の広末さんが静かに獲物(未来のだんな様)を見定めるような表情を浮かべており、香川さんとは異なる女の凄みを出している。記憶喪失をいいことに成り代わりでコンドウを“騙す”桜井、そのことを知らずに桜井に“翻弄される”香苗…。果たして真実が明かされたときに起こるファンタジーとは?三者三様の表情も去ることながら、彼らのバックに散りばめられたそれぞれの“手書きメモ”やワイルドな雰囲気を漂わせる荒川良々、細かいシーンのビジュアルなど至るところに本作を紐解く“鍵”が隠れているよう。あなたはどこまで読み解ける?『鍵泥棒のメソッド』は9月15日(土)よりシネクイントほか全国にて公開。■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年07月06日11月公開の堺雅人主演映画『その夜の侍』の主題歌が、UAが歌う昭和の名曲『星影の小径(こみち)』に決定した。映画『その夜の侍』は、赤堀雅秋が自身の劇団・THE SHAMPOO HATで2007年に上演した舞台を自ら脚本・監督を務めて映画化した作品。5年前に起こったひき逃げ事件で妻を亡くした中村(堺)と、刑期を終えて出所した犯人・木島(山田孝之)を主軸に、ふたりを取り巻く人間たちの孤独と葛藤を描き出す人間ドラマ。UAが歌う『星影の小径』は、1950年に発売され大ヒットとなった歌謡曲で、ちあきなおみら多くの歌手によって歌い継がれてきた名曲だ。「まずエンディングは『星影の小径』しかないと思い、せん越ながら歌えるのはUAさんしかいない!」という赤堀監督の熱烈なオファーを受けたUAはこの依頼を快諾。彼女は今回の主題歌を歌うにあたり、「アイラヴユー、アイラヴユー。愛することは許すこと、あの人を、私を。いつまでも、いつまでも」と、歌詞と本作の内容に絡めたコメントを寄せている。現段階では、UAの歌う『星影の小径』のリリース予定はなく、彼女の歌は“映画館”のみで聴くことができる貴重なトラックになりそうだ。『その夜の侍』11月17日(土)より全国ロードショー
2012年06月26日堺雅人と中谷美紀が出演する映画『ひまわりと子犬の7日間』の特報動画とポスターが公開された。『ひまわりと子犬の7日間』特報動画『ひまわりと子犬の7日間』は、2007年に宮崎県で実際に起きた出来事をもとに、管理所に収容され、命の期限が決められた母子犬と、職員たちの姿を描いた物語。山田洋次監督のもとで20年にわたって脚本家、助監督として経験を積んだ平松恵美子監督がメガホンをとり、堺、中谷の他に、でんでん、若林正恭 (オードリー)、吉行和子、夏八木勲らが出演する。このほど公開された動画では、宮崎県の農家で夫婦の愛を受けてすくすくと育った子犬が、ある事情からひとりぼっちになり、管理所に収容されるシーンが描かれている。本作の原作は、宮崎県中央動物保護管理所に収容された母子犬をめぐる実話を記録した山下由美の著作『奇跡の母子犬』(PHP研究所刊)。ポスターには、「首輪を失った母犬“ひまわり”。もういちど、きみに、愛を伝えたい」とあり、“ひまわり”という名前は、太陽の下を堂々と歩いてほしい、そんな思いを込めてつけられた名前だという。本作で堺は管理所職員の彰司を、中谷は彰司を見守る幼なじみの獣医・五十嵐美久を演じる。これまで、『武士の一分』、『母べえ』、『おとうと』などで“家族”と“生と死”をテーマに人間ドラマを深く描いてきた平松監督が、初監督作品となる本作で、どのような物語を描くのか注目したい。本作は、2013年3 月16日(土)新宿ピカデリーほか全国で公開される。『ひまわりと子犬の7日間』2013年3月16日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2012年06月22日2010年10月に公開された『大奥』の続編が、秋からTVドラマで放映、12月から劇場で公開され、堺雅人がどちらにも主演することが発表された。その他の写真『大奥』は、よしながふみの同名コミックを原作に、謎の疫病によって男女の立場が逆転してしまった江戸時代を舞台に、女将軍を頂点とする“大奥”の人間模様を描く異色SF劇。続編はどちらも前作より前の時代の物語で、10月クールスタートのTVドラマでは『大奥[有功・家光篇]』として徳川三代将軍の家光(多部未華子)と、彼女の支えになろうとする慈悲深い男・有功(ありこと/堺)の物語が展開。続いて公開される映画『大奥[右衛門佐・綱吉篇]』では、“生類憐みの令”で知られる四代将軍・綱吉(菅野美穂)と、大奥総取締役の座を狙う謎の男・右衛門佐(えもんのすけ/堺)のドラマを描く。両作で“見た目は瓜二つ”ながら別人を演じる堺は「大変なお役をいただきました。ドラマ、映画と、半年ちかいご奉公になります。精一杯、つとめさせていただくつもりです」と意気込みを語り、「原作は、以前一度読んでいたのですが、あらためて読みなおすと、“男女逆転”という設定以外は、とても硬派な歴史劇でした。歴史上の人物や、事件が丁寧にえがかれています。大河ドラマに参加する時のような、意気込みと緊張感でのぞみたいと思っています」とコメント。前作に続いて監督を務める金子文紀氏は「前作では男女の立場が変わっても、変わらない“男とは、女とは?”、“男らしさ、女らしさとは?”を描くことが僕自身のひとつのテーマでした。今回の映画では、そこから更に一歩踏み込んで“人にとっての幸せとは何か?”、“心が満たされるとは?”、“心の解放とは?”といったことを大きなテーマとして描いていこうと思っています」と説明。TVドラマ、映画と連続して公開されることで、前作以上に壮大にして、精緻な人間ドラマが描かれるようだ。TVドラマ『大奥[有功・家光篇]』10 月クールTBS 系列にてオンエア映画『大奥[右衛門佐・綱吉篇]』12月22日(土)全国ロードショー
2012年01月17日堺雅人が故郷の宮崎を舞台にした、実話に基づいて作られる映画『ひまわりと子犬の7日間』に主演することが決定。『壬生義士伝』以来となる中谷美紀との共演を果たしていることも明らかになった。映画の原案となったのは山下由美の手による「奇跡の母子犬」(PHP研究所刊)。宮崎県のとある農家でのちに“ひまわり”と名付けられる子犬が飼い主の老夫婦の元ですくすくと成長するが、悲しい事情でひまわりは一人ぼっちに…。やがて、彼女は愛くるしい子犬たちを授かるが、近所からの通報がきっかけで管理所に収容されることになる。飼い主が見つからなければ、7日後には母子ともども“処分”されてしまうことになるが、管理所の職員やその家族、仲間たちは必死に子犬を守ろうとするひまわりの姿に心打たれ…。全国で殺処分されてしまう犬と猫は毎年約23万匹。管理所に収容されて生きて出られるのはわずか10%ほどで、7日間の「命の期限日」を過ぎるとその命は消されてしまうという現状がある。映画の冒頭では、犬の目線で世界を描くことで母犬の想いや子犬たちの“生命”を深く訴えると共に、こうした悲惨な現状に対し、少しでも多くの小さな命を救うべく一石を投じる。家族や管理所に関わる人間たちの衝突や葛藤をも描くことで、単なる動物愛護にとどまらず幅広い層に訴えかけていく。管理所の職員・神崎を演じる堺さん。過去に、故郷の宮崎に凱旋し舞台「宮城野」に出演したことはあるが、映画で宮崎の人間を演じるのは初めて。「『宮崎が舞台の作品』ということで、一も二もなく飛びつきました。18歳で上京しましたが、故郷の人間を演じるのは初めてのことです。幼い頃からなじんだアクセントで芝居をすることは、長年の夢でした。中年にさしかかったいま、こうしたお仕事をいただいたことは、俳優としても何か意味があるような気がしています」と喜びを語る。さらに「宮崎県では去年、口蹄疫が発生しました。自らの手で、大切に育ててきた命を終わらせなければならない日々は、本当につらかったことと思います。また、今年は東日本大震災もありました。そうしたこともあり、この仕事は僕にとって、『命と向き合う』作業になるのではないかとも思っています」と作品への強い思いを明かしてくれた。撮影も宮崎で行われるが、中谷さんとの久々の共演に触れ「なんだか生まれ育った土地にお迎えするような照れ臭さも感じますが、彼女の、精魂こめた、力強い演技を間近で見られることを、本当に楽しみにしています」とも。現在放送中のTVドラマ「南極大陸」に続いて犬と縁の深い作品が続くが、犬たちとの触れ合いも楽しみなところ。中谷さんが演じるのは、獣医・五十嵐美久。映画について「動物を飼うことの幸福な面だけではなく、その影に隠れた悲しい現実に目を向けた上で、それでも動物とふれあうことの喜びを伝える作品であることに共感を覚えました」と語ると共に、役柄について「動物と子供と向き合うことになるので、虚飾のない素直な心で演じたいと思います」と意気込みを語る。さらに、堺さんとの共演については「市井の人を魅力的に演じるという一見簡単そうでとても難しいことをサラリとなさる方という印象があるので、今回の作品での共演を楽しみにしています」と期待を口にする。『壬生義士伝』公開からおよそ9年。その間、数々の映画やドラマ、舞台に出演してきた2人が再共演で起こす“化学変化”に注目したい。監督を務めるのは山田洋次監督の下で映画を学び『十五才学校IV』、『武士の一分(いちぶん)』、『母べえ』、『おとうと』では共同脚本、『たそがれ清兵衛』、『隠し剣 鬼の爪』で助監督を務めた平松恵美子。「“憎しみの連鎖”ではなく、“愛情の連鎖”というものが本来あるべきことではないか。それがこの作品のテーマ」と語り、宮崎ロケについても「抜群のロケーションを最大限に生かして、ひまわりが巡り会う大切なシーンを丁寧に撮影したいと思います」と抱負を語った。これまで『クイール』、『犬と私の10の約束』、『きな子〜見習い警察犬の物語〜』など動物を扱った数々の感動作を世に送り出してきた松竹だが、ここに山田洋次監督が育んできたエッセンスを注入!そして地元・宮崎で堺さんがどのような輝きを見せるのか?撮影は12月まで行われる予定だが、完成が楽しみだ。『ひまわりと子犬の7日間』は2013年春、全国にて公開の予定。■関連作品:ひまわりと子犬の7日間 2013年春、全国にて公開
2011年11月17日堺雅人と中谷美紀が2013年春に公開される映画『ひまわりと子犬の7日間』で共演することが発表され、新作への想いを語った。その他の情報映画は、宮崎県中央動物保護管理所に収容された母子犬をめぐる実話を記録した山下由美の書籍『奇跡の母子犬』を原作に、山田洋次監督のもとで脚本家、助監督として経験を積んだ平松恵美子監督がメガホンをとる。タイトルにある“ひまわり”とは、太陽の下を堂々と歩いてほしい、そんな思いを込めて母犬につけられる名前。堺は、“命の期限日”が付けられる母子犬と対面する管理所職員を演じ、中谷は獣医役だという。平松監督は「“憎しみの連鎖”ではなく、“愛情の連鎖”というものが本来あるべきことではないか。それがこの作品のテーマです」と語る。宮崎県出身の堺は、「“宮崎が舞台の作品”ということで、一も二もなく飛びついた。幼い頃から馴染んだアクセントで芝居をすることは、長年の夢だった」と喜び、「宮崎県では去年、口蹄疫が発生し、今年は東日本大震災もあった。この仕事は僕にとって、“命とむきあう”作業になるのではないかと思っている」と意欲的。獣医役を「虚飾のない素直な心で演じたい」と話す中谷は、「動物を飼うことの幸福な面だけではなく、その影に隠れた哀しい現実にも目を向け、その上で動物とふれあうことの喜びを伝える作品で、共感を覚えた」と語っている。ふたりが映画で共演するのは『壬生義士伝』(滝田洋二郎監督)以来、約9年ぶり。本作は今年の11月から宮崎で撮影を開始し、2012年3月の完成を目指す。『ひまわりと子犬の7日間』2013年春全国ロードショー
2011年11月17日「ぴあ映画生活」調査による10月7日、8日公開の映画・満足度ランキングは、宮崎あおいと堺雅人の共演で贈る“うつ病”に直面した夫婦の物語『ツレがうつになりまして。』がトップに輝いた。2位は東野圭吾の同名小説を映画化した『夜明けの街で』が、3位に韓国で大ヒットしたバイク・アクション映画『クイック!!』が入った。その他の写真1位の『ツレがうつになりまして。』は、夫がうつ病(心因性うつ病)になったことをきっかけに変わっていく夫婦の姿を描いた細川貂々の同名コミックを映画化したもの。出口調査では「人が支え合って生きることの素晴らしさを感じて温かい気持ちになった」「夫婦のやり取りが微笑ましく、泣きながら笑っているというシーンが多かった」「堺雅人の役に共感した。うつ病について以前よりも理解できた気がする」「病気のことを正確に、誤解を与えないようにわかりやすく描きながらも、娯楽映画として成立させているところがすごい」など、幅広い世代からの支持を集めた。2位の『夜明けの街で』は、不倫関係に落ちてゆく男女と殺人事件が絡み合う恋愛ミステリー。出演は岸谷五朗、深田恭子、木村多江。アンケート調査では「揺れ動く男性の心情が深く伝わってきて切なく、どういう結末を迎えるのかドキドキした」「人の感情が複雑に絡まり合って、それぞれの気持ちがわかり納得できた。見応えのあるラストもよかった」「サスペンスとラブストーリーが程よいバランスで完成度の高い作品」など、特に女性を中心に好評だった。(本ランキングは、2011年10月7日(金)、8日(土)に公開された新作映画8本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2011年10月11日実話を基にした細川貂々のベストセラーエッセイを映画化した『ツレがうつになりまして。』が10月8日(土)に公開初日を迎え、主人公の夫婦を演じた宮崎あおいと堺雅人を始め、佐々部清監督、原作者の細川さんと望月昭ご夫妻が登壇し、舞台挨拶を行った。夫がうつ病になったことをきっかけに、これまでの自分たちを見つめなおし、成長していく夫婦の姿を優しく温かく描いた夫婦の物語。宮崎さんと堺さんはNHK大河ドラマ「篤姫」に続き2度目となる夫婦役で息の合った演技を見せているが、再共演での互いの印象について聞かれると、宮崎さんは「とにかく真面目ですよね。たくさん色々と調べられるし、うーん…」と一瞬口ごもり、堺さんに「終わり!?」とつっこまれる一幕も。改めて「すごく頭をよく使ってらっしゃいますし、そのときの感情も大事にできる方なので、役者として尊敬しています」と宮崎さんが語ると、堺さんも宮崎さんについて「どっしりとそこに立っている方。『篤姫』のときもそうだったのですが、日常に自分を戻してくれるような、揺らぎのない豊かな存在感で、100%信頼できる存在」と全幅の信頼を見せた。そんなおふたりの現場での様子を「いつも台本を持たずに本棚から本を出して読んだり、宮崎さんは編み物をしたりと、うちのおじいちゃんとおばあちゃんを見ているような、小津安二郎の作品に出てくる老夫婦のような居ずまいでした」と語る佐々部監督。当の二人も「ここまで来たら手を変え品を変え、ずっと夫婦を」(堺さん)、「いろんなバージョンで(笑)」(宮崎さん)と、“夫婦役”に居心地の良さを感じているようだった。原作者の細川さんと望月さん夫妻も今回撮影に参加したが、完成した映画について「とても温い空気の映画にしていただいて、ありがとうございました」(細川さん)、「こんな素敵なお二人に演じてもらえて、夢のような話です」(望月さん)と感謝を口にした。また、この日壇上にはもうひとり、重要な共演者であるグリーンイグアナの“イグ”も登場し、みんなの注目の的に。宮崎さんが「かっこいいんですよね。癒されます」と優しく撫でれば、堺さんも「心の中でいつも『ありがとうございます』と敬礼してました。尊敬する俳優です」とすっかり心酔した様子で、会場を沸かせた。4年越しでの映画化実現から遂に公開を迎えた本作。最後に、堺さんと宮崎さんそれぞれから「『どんな瞬間も自分を誇りに思う権利がある』という、俳優としてもとてもありがたい言葉を映画からいただきました。その姿一つ一つがみなさんの心に響けばこれ以上の幸せはありません」(堺さん)、「この作品をみなさんに愛していただけることを祈ってます」(宮崎さん)と心のこもったメッセージが贈られると、500人の観客から温かい拍手が送られた。『ツレがうつになりまして。』は全国にて公開中。■関連作品:ツレがうつになりまして。 2011年10月8日より公開© 2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会■関連記事:宮崎あおい&堺雅人夫婦になれる喜び、「一緒にいることが当たり前」の関係『ツレうつ』原作・細川貂々が明かす、宮崎あおい&堺雅人への特別な思いとは?宮崎あおい、堺雅人と「とことん夫婦役を演じ続けるのも面白そう」堺雅人、17歳の設定は「ハードル高かった」あなたならどうする?『ツレがうつになりまして。』プレス&ポスターを5名様プレゼント
2011年10月09日